(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039825
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】倉庫の照明システムおよび照明方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/13 20200101AFI20240315BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20240315BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20240315BHJP
【FI】
H05B47/13
H05B47/16
H05B47/165
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144474
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久野 悠太
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA03
3K273QA07
3K273QA21
3K273RA02
3K273RA12
3K273SA02
3K273SA24
3K273SA38
3K273SA46
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA28
3K273TA49
3K273TA54
3K273TA70
3K273UA21
(57)【要約】
【課題】省エネルギー化された倉庫の照明システムを提供する。
【解決手段】本発明の倉庫の照明システム(1)は、所定エリアと、所定エリア内の人の有無を検知する人感センサ(2)と、所定エリア内に光を照射する照射手段(4)と、人感センサによる人の検知時間が第1の所定時間以上続くか否かを判別する時間判別手段(31)と、人感センサが人を検知しない時間である不在時間が、第2の所定時間以上続くか否かを判別する不在判別手段(32)と、時間判別手段によって判別された時間に基づいて照射手段を第1光量に調節し、時間判別手段によって判別された時間に基づいて照射手段を第1光量よりも少ない第2光量に調節し、不在判別手段によって判別された時間に基づいて照射手段を第2光量よりも少ない第3光量に調節する光量調節手段(33)とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫内の所定エリアと、
前記所定エリア内の人の有無を検知する人感センサと、
前記所定エリア内に光を照射する照射手段と、
前記人感センサによる人の検知時間が第1の所定時間以上続くか否かを判別する時間判別手段と、
前記人感センサが人を検知しない時間である不在時間が、第2の所定時間以上続くか否かを判別する不在判別手段と、
前記時間判別手段によって判別された時間が前記第1の所定時間以上であることに応じて、前記照射手段を第1光量に調節し、前記時間判別手段によって判別された時間が前記第1の所定時間未満であることに応じて、前記照射手段を前記第1光量よりも少ない第2光量に調節し、前記不在判別手段によって判別された時間が前記第2の所定時間以上であることに応じて、前記照射手段を前記第2光量よりも少ない第3光量に調節する光量調節手段とを備える、倉庫の照明システム。
【請求項2】
倉庫内の所定エリアと、
前記所定エリア内の人の有無を検知する人感センサと、
前記所定エリアに光を照射する照射手段と、
前記人感センサが人を検知したことに基づいて、前記所定エリア内の人の動きを検知する動体センサと、
前記動体センサによって検知された人の動作速度が所定速度以上であるか否かを判別する速度判別手段と、
前記人感センサが人を検知しない時間である不在時間が、所定時間以上続くか否かを判別する不在判別手段と、
前記速度判別手段によって判別された速度が前記所定速度未満であることに応じて、前記照射手段を第1光量に調節し、前記速度判別手段によって判別された速度が前記所定速度以上であることに応じて、前記照射手段を前記第1光量よりも少ない第2光量に調節し、前記不在判別手段によって判別された時間が前記所定時間以上であることに応じて、前記照射手段を前記第2光量よりも少ない第3光量に調節する光量調節手段とを備える、倉庫の照明システム。
【請求項3】
前記倉庫は、互いに隣接して設けられた複数の所定エリアを含む、請求項1または2に記載の照明システム。
【請求項4】
人感センサによって所定エリア内の人の滞在時間を検出し、前記所定エリア内の人の滞在時間に応じて所定エリア内に照射する光の光量を調節する、倉庫の照明方法。
【請求項5】
動体センサによって所定エリア内の人の動作速度を検出し、前記所定エリア内の人の動作速度に応じて所定エリア内に照射する光の光量を調節する、倉庫の照明方法。
【請求項6】
前記倉庫は、互いに隣接して設けられた複数の所定エリアを含む、請求項4または5に記載の倉庫の照明方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫に関し、特に、物流倉庫の照明システムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2007-141631号公報(特許文献1)には、照明装置を備える倉庫が開示されている。このような倉庫内の照明は、主電源を操作することで一律にオンオフ(全点灯または消灯)が切り替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるような一般的な倉庫では、内部空間の面積に比して作業者が少なく、作業者は内部空間の一部分にしか滞在していないことが多い。この場合、作業者が存在しない空間の照明についても全点灯されており、省エネルギー化が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、省エネルギー化された物流倉庫の照明システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある局面に従う倉庫の照明システムは、倉庫内の所定エリアと、所定エリア内の人の有無を検知する人感センサと、所定エリア内に光を照射する照射手段と、人感センサによる人の検知時間が第1の所定時間以上続くか否かを判別する時間判別手段と、人感センサが人を検知しない時間である不在時間が、第2の所定時間以上続くか否かを判別する不在判別手段と、時間判別手段によって判別された時間が第1の所定時間以上であることに応じて、照射手段を第1光量に調節し、時間判別手段によって判別された時間が第1の所定時間未満であることに応じて、照射手段を第1光量よりも少ない第2光量に調節し、不在判別手段によって判別された時間が第2の所定時間以上であることに応じて、照射手段を第2光量よりも少ない第3光量に調節する光量調節手段とを備える。
【0007】
本発明の他の局面に従う倉庫の照明システムは、倉庫内の所定エリアと、所定エリア内の人の有無を検知する人感センサと、所定エリアに光を照射する照射手段と、人感センサが人を検知したことに基づいて、所定エリア内の人の動きを検知する動体センサと、動体センサによって検知された人の動作速度が所定速度以上であるか否かを判別する速度判別手段と、人感センサが人を検知しない時間である不在時間が、所定時間以上続くか否かを判別する不在判別手段と、速度判別手段によって判別された速度が所定速度未満であることに応じて、照射手段を第1光量に調節し、速度判別手段によって判別された速度が所定速度以上であることに応じて、照射手段を第1光量よりも少ない第2光量に調節し、不在判別手段によって判別された時間が所定時間以上であることに応じて、照射手段を第2光量よりも少ない第3光量に調節する光量調節手段とを備える。
【0008】
好ましくは、倉庫は、互いに隣接して設けられた複数の所定エリアを含む。
【0009】
本発明の他の局面に従う倉庫の照明方法は、人感センサによって所定エリア内の人の滞在時間を検出し、所定エリア内の人の滞在時間に応じて所定エリア内に照射する光の光量を調節する。
【0010】
本発明の他の局面に従う倉庫の照明方法は、動体センサによって所定エリア内の人の動作速度を検出し、所定エリア内の人の動作速度に応じて所定エリア内に照射する光の光量を調節する。
【0011】
好ましくは、倉庫は、互いに隣接して設けられた複数の所定エリアを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、省エネルギー化された倉庫内の照明システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施の形態に係る倉庫の照明システムを示すブロック図であり、(a)は実施の形態1を、(b)は実施の形態2を示す。
【
図2】本実施の形態1に係る倉庫の照明システムを示すフローチャートである。
【
図3】本実施の形態2に係る倉庫の照明システムを示すフローチャートである。
【
図4】(a),(b)は、本実施の形態1に係る倉庫の照明システムを表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施の形態に係る倉庫の照明システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0015】
〈実施の形態1〉
(構成について)
はじめに、
図1(a)および
図4を参照して、本実施の形態に係る倉庫の照明システム1(以下の説明において、単に「照明システム」ともいう)の構成について説明する。
【0016】
本実施の形態に係る倉庫の照明システム1は、倉庫内の所定エリア10におけるシステムである。照明システム1は、所定エリア10内の人の有無を検知する人感センサ2と、所定エリア10内に光を照射する照射手段4と、人感センサ2の検知内容に基づいて照射手段4の光の光量を調節する制御手段3とを備える。
【0017】
本実施の形態における倉庫は、互いに隣接して設けられた複数の所定エリア10を含む。所定エリア10は、人感センサ2の検知範囲を考慮して、典型的には10m四方で区画分けされたエリアであるが、倉庫内の構造や保管される物品に応じて、適宜変更可能である。また、たとえば小規模な倉庫のような場合は、所定エリア10は1つのみとしてもよい。
【0018】
人感センサ2は、1つの所定エリア10につき1つまたは複数設けることができる。本実施の形態では、1つの所定エリア10につき1つ設けられた場合について説明する。人感センサ2は、信号を発信または受信することにより人を検知することのできるワイヤレスセンサであり、たとえば赤外線センサや、人が所持するビーコンなどから発せられるBluetooth(登録商標)を利用したセンサなどである。
【0019】
照射手段4は、1つの所定エリア10につき1つまたは複数設けることができる。本実施の形態では、1つの所定エリア10につき1つ設けられた場合について説明する。照射手段4は、LED、蛍光灯など種々の光源を採用することができる。照射手段4は、2または3段階の調光機能を有することができるが、複数設けられる場合は、後述する光量調節手段33によって点灯する照明の個数が調節されることとしてもよい。
【0020】
制御手段3は、人感センサ2の検知内容に基づいて在/不在を判定する在/不在判定手段30と、在判定の場合に検知時間を測定する時間判別手段31と、不在判定の場合に不在時間を測定する不在判別手段32と、照射手段4が時間判別手段31および不在判別手段32の判別内容に基づく光量となるよう調節する光量調節手段33とを備える。なお、制御手段3は、プロセッサおよびメモリを含む情報処理装置であり、各構成30~33の機能は、典型的にはプロセッサがソフトウェアを実行することにより実現される。
【0021】
在/不在判定手段30は、人感センサ2の信号に基づいて、検知エリア10内に人がいるか否かを判定する。人がいると判定した場合、時間判別手段31が人の検知時間の測定を開始する。人がいないと判定した場合、不在判別手段32が人の不在時間の測定を開始する。
【0022】
時間判別手段31は、人感センサ2による人の検知時間が第1の所定時間T1以上続くか否かを判別する。時間判別手段31は、在判定の間に、人感センサ2から得られた信号に基づいて所定エリア10内にいる人の滞在時間を測定する。人の滞在時間が第1の所定時間T1以上の場合は、所定エリア10内の人が立ち止まって作業していると判断し、第1の所定時間T1未満の場合は、所定エリア10に侵入した人が立ち止まらずに通過していると判断する。第1の所定時間T1は、所定のエリア10内を人が通過するのに要する時間であることが望ましい。なお、「人が通過するのに要する時間」は、歩行に要する時間あるいはフォークリフトなどの乗り物が通過するのに要する時間であり、たとえば15秒程度である。
【0023】
不在判別手段32は、人感センサ2が人を検知しない時間である不在時間が、第2の所定時間T2以上続くか否かを判別する。不在判別手段32は、不在判定の間に、人感センサ2から得られた信号に基づいて所定エリア10内に誰も人がいない時間(不在時間)を測定する。人の不在時間が第2の所定時間T2以上の場合は、節電の観点から、照射手段4の光量を落とすよう光量調節手段33に指示する。なお、物流倉庫は、人や荷物が行き来する場所であるという特性上、頻繁に点灯/消灯を繰り返すことは好ましくない。したがって、第2の所定時間T2は、人の不在後すぐの時間に設定されるのではなく、ある程度時間が経過してから不在判定されるよう設定されることが好ましく、たとえば10分程度である。
【0024】
光量調節手段33は、時間判別手段31によって判別された時間が第1の所定時間T1以上であることに応じて、照射手段4を第1光量に調節し、時間判別手段31によって判別された時間が第1の所定時間T1未満であることに応じて、照射手段4を第1光量よりも少ない第2光量に調節する。すなわち、人が立ち止まって作業する際の光量は最も明るく、人が所定エリアを通過する際の光量は作業時よりも暗くなるよう調節される。これにより、所定エリア10内の人の行動内容によって十分な光が照射されることとなり、省エネ効果を見込むことができる。特に、人の移動時における照射手段4の過照射を抑制することができる。
【0025】
また、光量調節手段33は、不在判別手段32によって判別された時間が第2の所定時間T2以上であることに応じて、照射手段4を第2光量よりも少ない第3光量に調節する。すなわち、所定エリア10内に人がいない間は、光量が最も少ないか消灯されるよう調節される。これにより、所定エリア10内に人がいない場合における電力の消費を抑制することができる。
【0026】
なお、照明システム1は、図示しない主電源をさらに備える。主電源は、1つの所定エリア毎に設けられてもよいし、複数の所定エリアを一括制御することとしてもよく、典型的には制御手段3と接続している。
【0027】
本実施の形態に係る倉庫の照明システム1は、人感センサ2によって所定エリア10内の人の滞在時間を検出し、所定エリア10内の人の滞在時間に応じて所定エリア10内に照射する光の光量を調節することができる。これにより、従来の物流倉庫のように、倉庫内の全ての照射手段が一様に光を全照射することで生じていたエネルギーロスの課題を解決することができる。
【0028】
また、本実施の形態に係る照明システム1は、人が所定エリア外に出た後すぐに照射手段4の光量を調節するのではなく、一定時間(たとえば10分程度)間隔を置いてから調光する。
図4は、本実施の形態に係る倉庫の照明システム1を表す説明図であり、(b)は、(a)の状態から10分後の所定エリア10内の様子を表している。これによれば、紙面左側の所定エリア10は、フォークリフト通過後10分間人の出入りがなかったため、照射手段4の光量が50%から10%へと調光される。また、紙面中央の所定エリア10は、10分間人の作業が継続中であるため、照射手段4の光量は100%に維持されている。紙面右側の所定エリア10は、10分間の間に何度か人の往来があったため、照射手段4の光量は50%に維持されている。
【0029】
(動作について)
図2を参照して、本実施の形態の照明システム1の動作について説明する。
図2は、本実施の形態に係る倉庫の照明システム1の動作を示すフローチャートである。
【0030】
本処理の開始時、倉庫内の照明システムの主電源をオンにする(ステップS10)。照明システムをオンにすると、照射手段は、はじめに最も明るい第1光量の光を所定エリア内へ照射する(ステップS11)。本実施の形態では、第1光量は全光量中100%の光量である。この状態で、人感センサは所定エリア10内の人の有無を検知する(ステップS12)。
【0031】
所定エリア内に人が検知された場合(ステップS13にてYES)、ステップS14に進む。一方、所定エリア内に人が検知されなかった場合(ステップS13にてNO)、所定エリア内において10分以内の人の有無を検知する(ステップS15)。
【0032】
ステップS15において、10分以内に人が検知された場合(ステップS15にてYES)、ステップS14に進む。10分間人が検知されなかった場合(ステップS15にてNO)、人不在と判断し、照射手段の光量を第3光量に調節する(ステップS20)。本実施の形態では、第3光量は全光量中10%の光量である。
【0033】
ステップS14では、人感センサによる人検知時間を計測する。本実施の形態では、人検知時間が15秒以上の場合、人が所定エリア内で作業していると判断し(ステップS14にてYES)、照射手段の光量を100%に維持する(ステップS16)。人感センサは人の検知を継続しており(ステップS18)、人が作業中であると判断される間は、照射手段の100%の光量を継続する(ステップS18にてYES)。人が検知されなくなると、所定エリアから出たと判断し(ステップS18にてNO)、10分以内に人を検知するか否か判断する(ステップS19)。なお、ステップS19の間、照射手段は100%の光量を継続している。
【0034】
また、ステップS14において、人検知時間が15秒未満の場合、移動中の人が所定エリア内を通過しただけであると判断し(ステップS14にてNO)、照射手段の光量を全光量中50%の光量に落とす(ステップS17)。人感センサは人の検知を継続しており、10分以内に人を検知するか否か判断する(ステップS19)。なお、ステップS19において、照射手段は50%の光量を継続している。
【0035】
ステップS19において、人が再度検知された場合(ステップS19にてYES)、ステップS14に戻り、15秒以上検知するか否か判断し、以後のステップを繰り返す。ステップS19において、人が10分間検知されなかった場合(ステップS19にてNO)、人不在状態であると判断し、照射手段の光量を全光量中10%の光量に落とす(ステップS20)。
【0036】
上記操作は、照明システムの主電源がオフとなるまで繰り返される(ステップS21)。すなわち、主電源がオフとなることで、照明システムの動作は終了するが(ステップS21にてYES)、主電源のオン状態が維持されている場合(ステップS21にてNO)、ステップS13に戻り、人感センサにて人検知を継続する。
【0037】
なお、本実施の形態では、便宜的に、人不在と判定された後にステップS21にて主電源をオフにするか否かを判断するとした。しかしながら、主電源をオフにすれば、照明システム1全体がステップ如何に関わらず終了することは勿論である。
【0038】
本実施の形態の照明システムは、広い内部空間を有する倉庫において、人の在/不在に応じて照射手段の光量を調節することができる。これにより、人がいないエリアの電力消費を抑えることができる。また、倉庫内は人の往来にばらつきがあることを考慮して、一度光量を切り替えた後は一定時間(本実施の形態では10分間)切り替えない。これにより、光量が頻繁に切り替えられることによる作業者の不快感をなくしつつ、照射手段の機器の損耗を防ぐことができる。
【0039】
〈実施の形態2について〉
(構成について)
図1(b)を参照して、本実施の形態2に係る倉庫の照明システム1Aについて説明する。実施の形態2の照明システム1Aは、基本的には実施の形態1の照明システムと同様の構成を備えているが、
図1(b)に示すように、動体センサを備える点について異なる。
【0040】
本実施の形態の照明システム1Aは、人感センサ2が人を検知したことに基づいて、所定エリア内の人の動きを検知する動体センサ5Aを備える。動体センサ5Aは、所定エリア内の人の動作速度を測定するセンサであり、たとえば速度センサ、加速度センサなどである。動体センサ5Aは、所定エリア内に直接設けてもよいが、所定エリア内を移動する人や、フォークリフトなどの移動手段に設けてもよい。
【0041】
制御手段3Aは、人感センサ2の信号に基づいて検知エリア内に人がいると判定された後、人の動作速度を判別する速度判別手段31Aを備える。速度判別手段31Aは、動体センサ5Aによって検知された人の動作速度が所定速度S1以上であるか否かを判別する。所定速度S1未満の場合は、所定エリアに侵入した人が立ち止まって作業をしていると判断し、所定速度S1以上の場合は、所定エリアに侵入した人が立ち止まらずに通過していると判断する。所定速度S1は、フォークリフトなどの移動手段が所定エリアを通過する際の速度に基づいて設定されることが望ましい。なお、「移動手段が所定エリアを通過する際の速度」は、たとえば2m/s程度である。また、加速度センサを用いた場合の所定加速度S2も同様にして設定することができ、たとえば±2m/s2程度である。
【0042】
光量調節手段33Aは、速度判別手段31Aによって判別された動作速度が所定速度S
1未満であることに応じて、照射手段を第1光量に調節し、所定速度S1以上であることに応じて、照射手段を第1光量よりも少ない第2光量に調節する。照明システム1Aの処理については、
図3のフローチャートを参照して説明する。
【0043】
(動作について)
図3を参照して、実施の形態2に係る照明システム1Aの動作について説明する。
【0044】
本処理の開始時、倉庫内の照明システムの主電源をオンにする(ステップS30)。照明システムをオンにすると、照射手段は、はじめに最も明るい第1光量の光を所定エリア内へ照射する(ステップS31)。本実施の形態では、第1光量は全光量中100%の光量である。この状態で、人感センサは所定エリア10内の人の有無を検知する(ステップS32)。
【0045】
所定エリア内に人が検知された場合(ステップS33にてYES)、ステップS34に進む。一方、所定エリア内に人が検知されなかった場合(ステップS33にてNO)、所定エリア内において10分以内の人の有無を検知する(ステップS36)。
【0046】
ステップS36において、10分以内に人が検知された場合(ステップS36にてYES)、ステップS34に進む。10分間人が検知されなかった場合(ステップS36にてNO)、人不在と判断し、照射手段の光量を第3光量に調節する(ステップS41)。本実施の形態では、第3光量は全光量中10%の光量である。
【0047】
ステップS34では、速度センサで人の移動速度を計測する。本実施の形態では、移動速度が2m/s未満の場合、人が所定エリア内で作業していると判断し(ステップS35にてNO)、照射手段の光量を100%に維持する(ステップS37)。速度センサは移動速度の計測を継続しており(ステップS39)、人が作業中であると判断される間、すなわち移動速度が2m/s未満である間は、照射手段の100%の光量を継続する(ステップS39にてYES)。人が検知されなくなると、所定エリアから出たと判断し(ステップS39にてNO)、10分以内に人感センサが人を検知するか否か判断する(ステップS40)。なお、ステップS40の間、照射手段は100%の光量を継続している。
【0048】
また、ステップS34において、人の移動速度が2m/s以上の場合、移動中の人が所定エリア内を通過しただけであると判断し(ステップS34にてYES)、照射手段の光量を全光量中50%の光量に落とす(ステップS38)。移動中の人が所定エリア外へ出た後、人感センサは人の検知を継続しており、10分以内に人を検知するか否か判断する(ステップS40)。なお、ステップS40において、照射手段は50%の光量を継続している。
【0049】
ステップS40において、人が再度検知された場合(ステップS40にてYES)、ステップS35に戻り、検知された人に設けられた速度センサが2m/s以上を検知するか否か判断し、以後のステップを繰り返す。ステップS19において、人が10分間検知されなかった場合(ステップS40にてNO)、人不在状態であると判断し、照射手段の光量を全光量中10%の光量に落とす(ステップS41)。
【0050】
上記操作は、照明システムの主電源がオフとなるまで繰り返される(ステップS42)。すなわち、主電源がオフとなることで、倉庫の照明システムの動作は終了するが(ステップS42にてYES)、主電源のオン状態が維持されている場合(ステップS42にてNO)、ステップS33に戻り、人感センサにて人検知を継続する(ステップS33)。
【0051】
なお、本実施の形態では、便宜的に、人不在と判定された後にステップS42にて主電源をオフにするか否かを判断するとした。しかしながら、主電源をオフにすれば、照明システム1A全体がステップ如何に関わらず終了することは勿論である。
【0052】
本実施の形態の照明システム1Aは、広い内部空間を有する倉庫において、人の在/不在に応じて、かつ人の作業内容に応じて照射手段の光量を調節することができる。また、フォークリフト等の移動手段に設けられた速度センサの値に応じて作業内容を判断するため、所定エリア内に人が複数いる場合であっても各々の状況を正確に把握することができる。したがって、本実施の形態の照明システム1Aは、照射手段の光量を正確に制御することができる。
【0053】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1,1A 照明システム、2 人感センサ、3,3A 制御手段、4 照射手段、5A 動体センサ(速度センサ)、10 所定エリア、30 在/不在判定手段、31 時間判別手段、31A 速度判別手段、32 不在判別手段、33 光量調節手段。