IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 佐鳥電機株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039829
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】トリガースイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/02 20060101AFI20240315BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20240315BHJP
   H01H 9/02 20060101ALI20240315BHJP
   H01H 13/04 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
H01H13/02 E
B25F5/00 B
H01H9/02 A
H01H13/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144482
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】591148602
【氏名又は名称】佐鳥電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋川 星
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 弘幸
【テーマコード(参考)】
3C064
5G052
5G206
【Fターム(参考)】
3C064AC01
3C064BA18
3C064BA33
3C064BB52
3C064CB17
5G052AA04
5G052BB01
5G052HA01
5G052HA12
5G206AS15K
5G206AS15Z
5G206GS16
5G206HU04
5G206KS12
5G206KS32
5G206KS42
5G206NS04
(57)【要約】
【課題】主スイッチで発生したアークがコネクタやプリント配線板のパターンに飛ぶのを防ぐ。
【解決手段】コネクタ(接続部531及びコネクタ本体532)は、プリント配線板51に挿入実装され、プリント配線板51の-Z側の端部に位置し、-Z方向に向いている。コネクタは、コネクタ露出穴を介してカバー13の外部に露出し、主スイッチ(固定接片413及び可動接片414)から見てカバー側壁に対して略垂直な方向に位置する。カバー隔壁33は、閉鎖空間19のなかに位置し、主スイッチとプリント配線板51との間に介在する。
【選択図】図24
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース側壁と、前記ケース側壁の周縁から前記ケース側壁に対して略垂直な方向に延びるケース周壁とを有し、前記ケース側壁と前記ケース周壁とに囲まれた主スイッチ収容空間と、前記主スイッチ収容空間に対して前記ケース側壁と略平行な所定の方向に隣接する端子収容空間とを画定するケースと、
カバー側壁と、前記カバー側壁の周縁から前記カバー側壁に対して略垂直な方向に延びるカバー周壁と、前記カバー周壁のうち前記所定の方向の側にある部分から前記カバー側壁と略平行な方向に内側へ向けて延びるカバー隔壁とを有し、前記カバー側壁と前記カバー周壁とに囲まれたプリント配線板収容空間を画定し、前記ケースに固定され、これにより、前記カバー側壁が前記ケース側壁に対して略平行に配置され、前記主スイッチ収容空間と前記プリント配線板収容空間とを含む閉鎖空間を形成するカバーと、
前記主スイッチ収容空間に収容された主スイッチと、
少なくとも一部が前記端子収容空間に収容され、前記主スイッチに電気接続され、前記所定の方向から外部配線を接続することが可能な端子と、
前記プリント配線板収容空間に収容され、前記ケース側壁に隣接して前記ケース側壁に対して略平行に配置されたプリント配線板と、
前記プリント配線板に接続されたコネクタと
を備え、
前記カバーは、前記カバー側壁から前記カバー周壁のうち前記所定の方向の側にある部分にかけて、コネクタ露出穴を有し、
前記コネクタは、前記コネクタ露出穴を介して前記カバーの外部に露出し、 前記プリント配線板は、前記コネクタ露出穴を内側から覆って塞ぎ、
前記カバー隔壁は、前記閉鎖空間のなかに位置し、前記主スイッチと前記プリント配線板との間に介在する、
トリガースイッチ。
【請求項2】
前記コネクタは、前記プリント配線板に挿入実装され、前記プリント配線板の前記所定の方向の側の端部に位置し、前記所定の方向に向き、前記主スイッチから見て前記カバー側壁に対して略垂直な方向に位置している、
請求項1のトリガースイッチ。
【請求項3】
前記カバー周壁は、前記コネクタ露出穴の周囲に、厚さが薄く、前記プリント配線板と嵌合する部分を有し、その部分に隣接する部分の内側に、面取りを有する、
請求項1又は2のトリガースイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリガースイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、摺動抵抗基板に配設されたコネクタを有する電動工具用スイッチが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-153029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トリガースイッチは、一般に、操作部の下側に設けられ固定接片と操作部の操作により回動する可動接片とを有する動力用の主スイッチと、更にその下側に設けられ前記主スイッチに下側から動力用の配線を接続するための端子とを有する。
特許文献1の電動工具用スイッチは、信号用の配線を上側からコネクタに接続するよう構成されている。このため、動力用の配線とは反対側から配線を接続する必要があり、余分な配線の引き回しが発生するなど、電動工具の組立に手間がかかる。
一方、主スイッチには、大電流が流れる場合があり、スイッチをオフにしたとき、アークが発生する可能性がある。
コネクタに下側から信号用の配線を接続できるようにするには、主スイッチに比較的近い位置にコネクタを配置する必要があり、主スイッチで発生するアークがコネクタに飛ぶ可能性がある。
この発明は、例えばこのような課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
トリガースイッチは、ケース側壁と、前記ケース側壁の周縁から前記ケース側壁に対して略垂直な方向に延びるケース周壁とを有し、前記ケース側壁と前記ケース周壁とに囲まれた主スイッチ収容空間と、前記主スイッチ収容空間に対して前記ケース側壁と略平行な所定の方向に隣接する端子収容空間とを画定するケースと、カバー側壁と、前記カバー側壁の周縁から前記カバー側壁に対して略垂直な方向に延びるカバー周壁と、前記カバー周壁のうち前記所定の方向の側にある部分から前記カバー側壁と略平行な方向に内側へ向けて延びるカバー隔壁とを有し、前記カバー側壁と前記カバー周壁とに囲まれたプリント配線板収容空間を画定し、前記ケースに固定され、これにより、前記カバー側壁が前記ケース側壁に対して略平行に配置され、前記主スイッチ収容空間と前記プリント配線板収容空間とを含む閉鎖空間を形成するカバーと、前記主スイッチ収容空間に収容された主スイッチと、少なくとも一部が前記端子収容空間に収容され、前記主スイッチに電気接続され、前記所定の方向から外部配線を接続することが可能な端子と、前記プリント配線板収容空間に収容され、前記ケース側壁に隣接して前記ケース側壁に対して略平行に配置されたプリント配線板と、前記プリント配線板に挿入実装され、前記プリント配線板の前記所定の方向の側の端部に位置し、前記所定の方向に向いたコネクタとを有する。前記カバーは、前記カバー側壁から前記カバー周壁のうち前記所定の方向の側にある部分にかけて、コネクタ露出穴を有する。前記コネクタは、前記コネクタ露出穴を介して前記カバーの外部に露出し、前記主スイッチから見て前記カバー側壁に対して略垂直な方向に位置する。前記プリント配線板は、前記コネクタ露出穴を内側から覆って塞ぐ。前記カバー隔壁は、前記閉鎖空間のなかに位置し、前記主スイッチと前記プリント配線板との間に介在する。
前記カバー周壁は、前記コネクタ露出穴の周囲に、厚さが薄く、前記プリント配線板と嵌合する部分を有し、その部分に隣接する部分の内側に、面取りを有してもよい。
【発明の効果】
【0006】
前記トリガースイッチによれば、カバー隔壁が閉鎖空間のなかで主スイッチとプリント配線板との間に介在するので、主スイッチで発生したアークがプリント配線板(特にそこに挿入実装されたコネクタ)に飛ぶのを防ぐことができる。
カバー周壁のプリント配線板と嵌合する部分に隣接する部分の内側に面取りがあれば、コネクタを挿入実装したプリント配線板をカバーに組み付ける工程の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】トリガースイッチの一例を示す平面図。
図2】トリガースイッチの一例を示す正面図。
図3】トリガースイッチの一例を示す底面図。
図4】トリガースイッチの一例を示す右側面図。
図5】トリガースイッチの一例を示す背面図。
図6】トリガースイッチの一例を示す左側面図。
図7】カバーを外した状態のトリガースイッチの一例を示す正面図。
図8】プリント配線板を伴うカバーの一例を示す背面図。
図9】ケースの一例を示す平面図。
図10】ケースの一例を示す正面図。
図11】ケースの一例を示す底面図。
図12】ケースの一例を示す右側面図。
図13】ケースの一例を示す背面図。
図14】ケースの一例を示す左側面図。
図15】カバーの一例を示す平面図。
図16】カバーの一例を示す正面図。
図17】カバーの一例を示す底面図。
図18】カバーの一例を示す右側面図。
図19】カバーの一例を示す背面図。
図20】カバーの一例を示す左側面図。
図21】カバーの一例を示すB-B線断面拡大図。
図22】カバーの一例を示すA-A線断面部分拡大図。
図23】トリガースイッチの一例を示すB-B線断面拡大図。
図24】トリガースイッチの一例を示すA-A線断面部分拡大図。
図25】カバーにプリント配線板を取り付ける工程の一例を示すA-A線断面部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1~8を参照して、トリガースイッチ10について説明する。
トリガースイッチ10は、例えば、プランジャー11と、ケース12と、カバー13と、主回路14と、信号回路15と、付勢部材16と、押し棒17と、封止材18とを有する。
【0009】
ケース12及びカバー13は、互いに固定され、これにより、内部に主回路14や信号回路15を収容するための収容空間を画定する。
プランジャー11は、ケース12及びカバー13に対して±Y方向に移動可能に配置され、使用者がトリガー(不図示)を引くことにより、+Y方向に移動する。プランジャー11は、ケース12及びカバー13によって画定された収容空間のなかに配置されているが、トリガーに接続される部分は、収容空間の外に-Y方向へ向けて突出している。
付勢部材16は、例えばコイルばねであり、収容空間のなかでプランジャー11の+Y方向に配置され、プランジャー11を-Y方向に付勢している。これにより、使用者がトリガーを離すと、プランジャー11が-Y方向に移動する。
押し棒17は、プランジャー11の-Z側に配置され、プランジャー11の移動に伴って、プランジャー11とともに±Y方向に移動する。押し棒17は、ばね(不図示)などにより、プランジャー11に対して-Z方向へ向けて付勢されている。
【0010】
主回路14は、電力を伝達するための回路である。主回路14は、例えば、主スイッチ41と、三つの端子42~44とを有する。
主スイッチ41は、例えば、二つの固定接片412及び413と、可動接片414とを有する。固定接片412及び413は、ケース12のなかに固定されている。可動接片414は、ケース12のなかに回動可能に固定されている。可動接片414は、プランジャー11の-Z側に近接して配置され、プランジャー11が移動すると、押し棒17に接触することにより回動する。
端子42~44には、外部からの配線が-Z側から接続される。端子42~44は、ケース12に固定されている。端子42~44は、主スイッチ41の-Z側に隣接して配置されている。端子42は、固定接片412に接触し電気接続している。端子43は、固定接片413に接触し電気接続している。端子44は、可動接片414に接触して電気接続するとともに、可動接片414が回動するための支点として機能する。
使用者がトリガーを離し、プランジャー11が-Y側に位置しているとき、可動接片414は、固定接片412と接触し、固定接片413からは離れる。これにより、端子42と端子44との間が導通し、端子43と端子44との間は絶縁される。
使用者がトリガーを引いて、プランジャー11が+Y側に位置しているとき、可動接片414は、固定接片412から離れ、固定接片413に接触する。これにより、端子42と端子44との間は絶縁され、端子43と端子44との間が導通する。
【0011】
信号回路15は、トリガーの位置を検出するための回路である。信号回路15は、例えば、プリント配線板51と、摺動接片52と、コネクタ53とを有する。
プリント配線板51は、±X方向に略垂直にカバー13のなかに固定されている。プリント配線板51は、プランジャー11の+X側に近接して配置され、-X側の面にパターン511及び512が設けられている。
摺動接片52は、プランジャー11に固定され、プランジャー11とともに±Y方向に移動する。摺動接片52は、プランジャー11の+X側に配置され、パターン511及び512に接触して電気接続する。
コネクタ53には、外部からの配線が-Z側から接続される。これは、端子42~44に外部からの配線が接続される向きと同じである。トリガースイッチ10に接続される配線をすべて同じ側から接続することができるので、配線の取り回しが容易になる。
コネクタ53は、プリント配線板51に固定されている。コネクタ53は、プリント配線板51の-Z側の端部に配置されている。コネクタ53は、接続部531と、コネクタ本体532とを有する(図23,24参照)。コネクタ本体532は、プリント配線板51の+X側に配置されている。接続部531は、プリント配線板51に設けられた貫通穴(ビア)に挿入され、はんだ付けなどにより、パターン511及び512に電気接続している。このため、接続部531は、プリント配線板51を貫いて-X側に突出している。
【0012】
プランジャー11が移動すると、摺動接片52がパターン511及び512に接触する位置が変化し又は接触しなくなることにより、コネクタ53のなかに設けられた端子間の抵抗値が変化する。したがって、この抵抗値を測定することにより、プランジャー11の位置を検出することができる。
【0013】
カバー13には、コネクタ53を外部に露出させるためのコネクタ露出穴36(図16参照)が設けられている。封止材18は、例えば樹脂であり、コネクタ露出穴36を封止している。これにより、ケース12及びカバー13によって画定された内部空間に外部から塵芥や水分が侵入するのを防ぐ。
【0014】
図9~14を参照して、ケース12について詳しく説明する。
ケース12は、主スイッチ41を収容する主スイッチ収容空間29と、端子42~44を収容する端子収容空間26~28とを画定する。ケース12は、例えば、ケース側壁21と、ケース周壁22とを有する。
ケース側壁21は、±X方向に対して略垂直な略長方形平板状である。
【0015】
ケース周壁22は、ケース側壁21の周縁から+X方向へ向けて延びる板状である。ケース周壁22は、例えば、左面部221と、上面部222と、右面部223とを有する。
左面部221は、±Y方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、-X側の辺がケース側壁21の-Y側の辺に接続している。
上面部222は、±Z方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、-X側の辺がケース側壁21の+Z側の辺に接続し、-Y側の辺が左面部221の+Z側の辺に接続している。
右面部223は、±Y方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、-X側の辺がケース側壁21の+Y側の辺に接続し、+Z側の辺が上面部222の+Y側の辺に接続している。
【0016】
主スイッチ収容空間29は、ケース側壁21とケース周壁22とによって囲まれ、+X側が開口している。端子収容空間26~28は、主スイッチ収容空間29の-Z側に隣接し、+X側及び-Z側が開口している。
【0017】
図15~22を参照して、カバー13について詳しく説明する。
カバー13は、プリント配線板51を収容するプリント配線板収容空間39を画定する。カバー13は、例えば、カバー側壁31と、カバー周壁32と、カバー隔壁33と、カバー下壁35とを有する。
カバー側壁31は、±X方向に対して略垂直な略長方形板状である。カバー側壁31の幅(±Y方向における長さ)は、ケース側壁21とほぼ同じである。
【0018】
カバー周壁32は、カバー側壁31の周縁から-X方向へ向けて延びる板状である。カバー周壁32は、例えば、左面部321と、上面部322と、右面部323と、下面部324とを有する。
左面部321は、±Y方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、+X側の辺がカバー側壁31の-Y側の辺に接続している。
上面部322は、±Z方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、+X側の辺がカバー側壁31の+Z側の辺に接続し、-Y側の辺が左面部321の+Z側の辺に接続している。
右面部323は、±Y方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、+X側の辺がカバー側壁31の+Y側の辺に接続している。
下面部324は、屈曲した板状であり、+X側でカバー側壁31の-Z側の端部に接続し、-Y側で左面部321の-Z側の辺に接続し、+Y側で右面部323の-Z側の端部に接続している。下面部324は、例えば、左横部325と、左縦部326と、中横部327と、右縦部328と、右横部329とを有する。
左横部325は、±Z方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、+X側の辺がカバー側壁31に接続し、-Y側の辺が左面部321の-Z側の辺に接続している。
左縦部326は、±Y方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、+X側の辺がカバー側壁31の-Z側の端部に接続し、+Z側の辺が左横部325の+Y側の辺に接続している。
中横部327は、±Z方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、+X側の辺がカバー側壁31の-Z側の端部に接続し、-Y側の辺が左縦部326の-Z側の辺に接続している。
右縦部328は、±Y方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、+X側の辺がカバー側壁31の-Z側の端部に接続し、-Z側の辺が中横部327の+Y側の辺に接続している。
右横部329は、±Z方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、+X側の辺がカバー側壁31の-Z側の端部に接続し、-Y側の辺が右縦部328の+Z側の辺に接続し、+Y側の辺が右面部323の-Z側の辺に接続している。
【0019】
カバー隔壁33は、カバー周壁32の中横部327から+Z方向へ向けて延びる屈曲した板状である。カバー隔壁33は、例えば、左横部335と、左縦部336と、中横部337と、右縦部338と、右横部339とを有する。
中横部337は、±X方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、-Z側の辺が中横部327の-X側の辺の中間部分に接続している。中横部337の+Z側の端部の+X側は、角面取りされている(図21参照)。
左縦部336は、±Y方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、-Z側の辺が中横部327の+Z側の面に接続し、-X側の辺が中横部337の-Y側の辺に接続している。
左横部335は、±X方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、-Z側の辺が中横部327の+Z側の面に接続し、+Y側の辺が左縦部336の+X側の辺に接続している。左横部335の厚さは、-Z側で厚く、+Z方向へいくほど薄くなる。
右縦部338は、±Y方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、-Z側の辺が中横部327の+Z側の面に接続し、-X側の辺が中横部337の+Y側の辺に接続している。
右横部339は、±X方向に対して略垂直な略長方形平板状であり、-Z側の辺が中横部327の+Z側の面に接続し、-Y側の辺が右縦部338の+X側の辺に接続している。右横部339の厚さは、-Z側で厚く、+Z方向へいくほど薄くなる。
左横部335の-Y側の辺は、左縦部326から離れていて、左横部335と左縦部326との間には、隙間がある。同様に、右横部339の+Y側の辺は、右縦部328から離れていて、右横部339と右縦部328との間には、隙間がある。これらの隙間は、カバー13を型抜き成型するのを容易にするためのものである。
【0020】
カバー下壁35は、±X方向に対して略垂直な略長方形板状であり、+Z側で下面部324の中間部分に接続している。
【0021】
コネクタ露出穴36は、カバー側壁31からカバー周壁32にかけて設けられ、側部361と、周部362とを有する。側部361は、略長方形状であり、幅(±Y方向における長さ)が中横部327とほぼ等しく、カバー側壁31に設けられ、±Y方向においてカバー側壁31の略中央、±Z方向においてカバー側壁31の-Z側の端部に接する位置に配置されている。周部362は、略長方形状であり、幅(±Y方向における長さ)が中横部327よりも小さく、中横部327に設けられ、±Y方向において中横部327の略中央、±X方向において中横部327の+X側の端部に接する位置に配置され、側部361と連続している。
中横部327のうちコネクタ露出穴36の周部362の-X側に接する部分は、他の部分よりも厚さが薄い。この部分の長さは、プリント配線板51の厚さとほぼ等しい。この部分は、プリント配線板51の-Z側の端部と嵌合する。また、それに続く厚さが厚い部分の+X側の先端の+Z側の角は、角面取りされている。
【0022】
プリント配線板収容空間39は、カバー側壁31とカバー周壁32とカバー隔壁33とによって囲まれ、-X側が開口している。
【0023】
図23及び24を参照して、トリガースイッチ10について更に説明する。
ケース12にカバー13を組み付けて固定すると、主スイッチ収容空間29とプリント配線板収容空間39とが向かい合って連通し、一体となって閉鎖空間19を形成する。
【0024】
主スイッチ41は、上述したとおり、プランジャー11の-Z側に隣接して配置されている。そして、プランジャー11の+X側に固定された摺動接片52にパターン511及び512が接触するようプランジャー11の+X側に近接して配置されたプリント配線板51の-Z側の端部に、コネクタ53が配置されているので、コネクタ53は、主スイッチ41から見て、ほぼ+X方向に位置する。接続部531は、上述したとおり、プリント配線板51の-X側に突出しているので、主スイッチ41のすぐ近くに位置する。
【0025】
上述したとおり、主回路14は電力を伝達するための回路なので、プランジャー11の移動により、可動接片414が固定接片412又は413から離れるとき、可動接片414と固定接片412又は413との間にアークが発生する可能性がある。
しかし、カバー周壁32の下面部324及びカバー隔壁33が接続部531を覆うように配置されているので、主スイッチ41で発生したアークから接続部531やパターン511及び512を保護する。
【0026】
図25を参照して、トリガースイッチ10の組立工程のうち、カバー13にプリント配線板51を組み付ける工程について説明する。
あらかじめプリント配線板51にコネクタ53をはんだ付けなどにより固定しておき、カバー13に対して-X側から斜めに挿入する。
そして、コネクタ露出穴36からコネクタ本体532をカバー13の+X側に露出させたのち、±Y方向に平行な軸を中心としてプリント配線板51を回転させて、±X軸に対して垂直にする。これにより、プリント配線板51の-Z側の端部が、中横部327の厚さが薄い部分に嵌合する。そこに隣接する部分が面取りされているので、プリント配線板51を容易に回転させることができる。
その後、コネクタ露出穴36を封止材18で封止する。これにより、コネクタ露出穴36から閉鎖空間19に塵芥や水分が侵入するのを防ぐことができる。
【0027】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例である。本発明は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく様々に修正し、変更し、追加し、又は除去したものを含む。これは、以上の説明から当業者に容易に理解することができる。
【0028】
例えば、コネクタ53をプリント配線板51に直接実装するのではなく、コネクタ53から延びるリード線をプリント配線板51に接続してもよい。
【符号の説明】
【0029】
10 トリガースイッチ、11 プランジャー、12 ケース、21 ケース側壁、22 ケース周壁、221,321 左面部、222,322 上面部、223,323 右面部、26~28 端子収容空間、29 主スイッチ収容空間、13 カバー、31 カバー側壁、32 カバー周壁、324 下面部、325,335 左横部、326,336 左縦部、327,337 中横部、328,338 右縦部、329,339 右横部、33 カバー隔壁、35 カバー下壁、36 コネクタ露出穴、361 側部、362 周部、39 プリント配線板収容空間、14 主回路、41 主スイッチ、412,413 固定接片、414 可動接片、42~44 端子、15 信号回路、51 プリント配線板、511,512 パターン、52 摺動接片、53 コネクタ、531 接続部、532 コネクタ本体、16 付勢部材、17 押し棒、18 封止材、19 閉鎖空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25