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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039848
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】橋梁の施工方法
(51)【国際特許分類】
   E01D 21/00 20060101AFI20240315BHJP
   E01D 1/00 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
E01D21/00 B
E01D1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144520
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122781
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】小林 聖
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 彩永佳
(72)【発明者】
【氏名】水野 浩平
(72)【発明者】
【氏名】田口 翔也
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 直樹
(72)【発明者】
【氏名】岩本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】デヴィン グナワン
(72)【発明者】
【氏名】坂井 吾郎
【テーマコード(参考)】
2D059
【Fターム(参考)】
2D059AA05
2D059CC03
2D059CC06
2D059GG56
(57)【要約】
【課題】短い期間で施工することができる橋梁の施工方法を提供する。
【解決手段】第一橋台2と第二橋台3とに架設される橋梁10の施工方法であって、第一橋台2と第二橋台3とに複数の仮設材1を架け渡す仮設材設置工程と、複数の仮設材1に橋梁10を構成する複数の橋梁ブロック8を乗せる載置工程と、複数の仮設材1に乗せられた複数の橋梁ブロック8を一体化する一体化工程と、を備える。そして、仮設材設置工程では、複数の仮設材1のそれぞれとして緊張材を第一橋台2と第二橋台3とに架け渡し、一体化工程では、複数の仮設材1により複数の橋梁ブロック8を緊張して複数の橋梁ブロック8を一体化する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一橋台と第二橋台とに架設される橋梁の施工方法であって、
複数の仮設材を前記第一橋台と前記第二橋台とに架け渡す仮設材設置工程と、
前記複数の仮設材に橋梁を構成する複数の橋梁ブロックを乗せる載置工程と、
前記複数の仮設材に乗せられた前記複数の橋梁ブロックを一体化する一体化工程と、を備える、
橋梁の施工方法。
【請求項2】
前記仮設材設置工程では、前記複数の仮設材のそれぞれとして緊張材を前記第一橋台と前記第二橋台とに架け渡し、
前記一体化工程では、前記複数の仮設材により前記複数の橋梁ブロックを緊張して前記複数の橋梁ブロックを一体化する、
請求項1に記載の橋梁の施工方法。
【請求項3】
前記橋梁ブロックは、前記複数の仮設材のそれぞれに引っ掛かる凹部を有する、
請求項2に記載の橋梁の施工方法。
【請求項4】
前記複数の橋梁ブロックのそれぞれは、前記複数の仮設材のそれぞれに乗せられる載置面と、前記橋梁の通行面となる床面と、を有し、
前記仮設材設置工程では、前記複数の仮設材を弛ませた状態で前記第一橋台と前記第二橋台とに架け渡し、
前記載置工程では、前記橋梁の端部側から中央部側に向かうに従って前記載置面から前記床面までの距離が長くなる前記複数の橋梁ブロックを、前記複数の仮設材に乗せる、
請求項2又は3に記載の橋梁の施工方法。
【請求項5】
前記仮設材設置工程では、前記複数の仮設材のそれぞれとして直線状に延びる断面H型の仮設構造物を前記第一橋台と前記第二橋台とに架け渡し、
前記一体化工程では、緊張材を用いて前記複数の橋梁ブロックを緊張することにより前記複数の橋梁ブロックを一体化する、
請求項1に記載の橋梁の施工方法。
【請求項6】
前記一体化工程の後に、前記複数の仮設材を撤去する仮設材撤去工程を更に備える、
請求項5に記載の橋梁の施工方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、桁橋及びアーチ橋等の橋梁の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンクリート製浮桟橋の建造方法が記載されている。このコンクリート製浮桟橋の建造方法では、コンクリート製の複数のブロック体を、クレーンを用いて進水台船または陸上岸壁に載積し、進水台船または陸上岸壁上で、ブロック体の端面同士を接着剤により接着して一体化し、PC鋼線により緊張させることによりプレストレスを導入し、進水台船を沈めまたはクレーンを用いて陸上より吊り降ろし、必要に応じて設置場所まで曳航することで、浮桟橋を建造する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5078651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された橋梁のコンクリート製浮桟橋の建造方法では、進水台船の準備、進水台船にブロック体を載積するためのクレーンの設置、当該クレーンを用いた進水台船へのブロック体の載積、当該クレーンの撤去、進水台船の沈め、進水台船の撤去等の数多くの工程が必要になる。また、陸上岸壁にブロック体を載積するためのクレーンの設置、当該クレーンを用いた陸上岸壁へのブロック体の載積、当該クレーンの撤去、陸上岸壁からブロック体を吊り降ろすためのクレーンの設置、当該クレーンを用いたブロック体の陸上岸壁からの吊り降ろし、当該クレーンの撤去等の数多くの工程が必要になる。つまり、一体化したブロック体を浮桟橋の構築位置に移動させる工程が必要になり、また、クレーンを用いた工程も多くなる。このため、施工期間を十分に短縮することができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、短い期間で施工することができる橋梁の施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1] 本発明に係る橋梁の施工方法は、第一橋台と第二橋台とに架設される橋梁の施工方法であって、複数の仮設材を第一橋台と第二橋台とに架け渡す仮設材設置工程と、複数の仮設材に橋梁を構成する複数の橋梁ブロックを乗せる載置工程と、複数の仮設材に乗せられた複数の橋梁ブロックを一体化する一体化工程と、を備える。
【0007】
この橋梁の施工方法では、複数の仮設材を第一橋台と第二橋台とに架け渡し、複数の仮設材に複数の橋梁ブロックを乗せ、複数の橋梁ブロックを一体化するため、橋梁の構築位置で、複数の橋梁ブロックの載置及び一体化を行うことができる。つまり、一体化した橋梁ブロックを橋梁の構築位置に移動させる必要がない。このため、短い期間で施工することができる。
【0008】
[2] 上記[1]に記載の橋梁の施工方法において、仮設材設置工程では、複数の仮設材のそれぞれとして緊張材を第一橋台と第二橋台とに架け渡し、一体化工程では、複数の仮設材により複数の橋梁ブロックを緊張して複数の橋梁ブロックを一体化してもよい。この橋梁の施工方法では、複数の仮設材のそれぞれとして用いる緊張材により複数の橋梁ブロックを緊張して複数の橋梁ブロックを一体化するため、一体化工程の期間を更に短縮することができる。また、複数の仮設材を本設材として用いることができるとともに、複数の仮設材により橋梁にプレストレスを導入することができるため、施工期間を更に短くすることができる。しかも、複数の仮設材のそれぞれとして用いる緊張材は、橋梁の外側に配置されるため、外部からの目視で緊張材を確認することができる。このため、橋梁の施工後も、緊張材のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0009】
[3] 上記[2]に記載の橋梁の施工方法において、橋梁ブロックは、複数の仮設材のそれぞれに引っ掛かる凹部を有してもよい。この橋梁の施工方法では、橋梁ブロックが複数の仮設材のそれぞれに引っ掛かる凹部を有するため、複数の仮設材に対して橋梁ブロックを容易且つ安定的に乗せることができる。
【0010】
[4] 上記[2]又は[3]に記載の橋梁の施工方法において、複数の橋梁ブロックのそれぞれは、複数の仮設材のそれぞれに乗せられる載置面と、橋梁の通行面となる床面と、を有し、仮設材設置工程では、複数の仮設材を弛ませた状態で第一橋台と第二橋台とに架け渡し、載置工程では、橋梁の端部側から中央部側に向かうに従って載置面から床面までの距離が長くなる複数の橋梁ブロックを、複数の仮設材に乗せてもよい。この橋梁の施工方法では、複数の仮設材を弛ませた状態で第一橋台と第二橋台とに架け渡し、橋梁の端部側から中央部側に向かうに従って載置面から床面までの距離が長くなる複数の橋梁ブロックを複数の仮設材に乗せるため、端部側から中央部側に向かうに従って厚くなる橋梁を構築することができる。しかも、複数の仮設材のそれぞれとして用いる緊張材により複数の橋梁ブロックを緊張して複数の橋梁ブロックを一体化するため、引張応力が高くなりやすい橋梁の中央部の底部にプレストレスを導入することができる。これにより、橋梁の剛性を高めることができる。
【0011】
[5] 上記[1]に記載の橋梁の施工方法において、仮設材設置工程では、複数の仮設材のそれぞれとして直線状に延びる断面H型の仮設構造物を第一橋台と第二橋台とに架け渡し、一体化工程では、緊張材を用いて複数の橋梁ブロックを緊張することにより複数の橋梁ブロックを一体化してもよい。この橋梁の施工方法では、複数の仮設材のそれぞれとして断面H型の仮設構造物を設置することで、複数の仮設材に高い剛性を付与することができるとともに、複数の仮設材を容易且つ短期間に設置することができる。
【0012】
[6] 上記[1]~[5]の何れか一つに記載の橋梁の施工方法において、一体化工程の後に、複数の仮設材を撤去する仮設材撤去工程を更に備えてもよい。この橋梁の施工方法では、一体化工程の後に複数の仮設材を撤去するため、長期にわたって耐力を維持することができない仮設構造物を複数の仮設材として用いることも可能となる。また、複数の仮設材により橋梁の意匠性が低下するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、短い期間で施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第一実施形態に係る橋梁の施工方法の、仮設材設置工程を説明するための模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は図1(a)に示すIc-Ic線における断面図である。
図2】第一実施形態に係る橋梁の施工方法の、載置工程を説明するための模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は図2(a)に示すIIc-IIc線における断面図である。
図3】第一実施形態に係る橋梁の施工方法の、載置工程及び一体化工程を説明するための模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は図3(a)に示すIIIc-IIIc線における断面図である。
図4】第二実施形態に係る橋梁の施工方法の、仮設材設置工程を説明するための模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は図4(a)に示すIVc-IVc線における断面図である。
図5】第二実施形態に係る橋梁の施工方法の、載置工程を説明するための模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は図5(a)に示すVc-Vc線における断面図である。
図6】第二実施形態に係る橋梁の施工方法の、載置工程及び一体化工程を説明するための模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は図6(a)に示すVIc-VIc線における断面図である。
図7】第三実施形態に係る橋梁の施工方法を説明するための模式図であり、(a)は仮設材設置工程を示す側面図、(b)は載置工程を示す側面図、(c)は載置工程及び一体化工程を示す側面図である。
図8】第四実施形態に係る橋梁の施工方法を説明するための模式図であり、(a)は仮設材設置工程を示す側面図、(b)は載置工程を示す側面図、(c)は載置工程を示す側面図、(d)は載置工程及び一体化工程を示す側面図、(e)は一体化工程を示す側面図である。
図9】第五実施形態に係る橋梁の施工方法を説明するための模式図であり、(a)は平面図、(b)は図10(a)に示すIXb-IXb線における断面図である。
図10】(a)、(b)、(c)及び(d)は、橋梁ブロックの他の例を示す模式正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
[第一実施形態]
本実施形態に係る橋梁の施工方法は、河川や港湾などにおいて、第一橋台と第二橋台とに架設される橋梁を構築する方法である。第一橋台は、橋梁の一方の端部が構築される橋台であり、第二橋台は、橋梁の他方の端部が構築される橋台である。この橋梁は、第一橋台及び第二橋台に架設される橋梁の上部工(上部構造)である。第一実施形態に係る橋梁の施工方法は、仮設材設置工程と、載置工程と、一体化工程と、を備える。
【0017】
(仮設材設置工程)
図1は、第一実施形態に係る橋梁の施工方法の、仮設材設置工程を説明するための模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は図1(a)に示すIc-Ic線における断面図である。図1に示すように、仮設材設置工程では、複数の仮設材1を第一橋台2と第二橋台3とに架け渡す。
【0018】
仮設材設置工程では、まず、第一橋台2に第一基台4を設置するとともに、第二橋台3に第二基台5を設置する。第一基台4は、橋梁10(図3参照)の一方側の端部を構成する構造体であり、第二基台5は、橋梁10の他方側の端部を構成する構造体である。このため、第一基台4から第二基台5に至る領域が、橋梁10の構築位置11となる。橋梁10の構築位置11は、橋梁10を構築する予定の位置であり、橋梁10は、構築位置11に構築される。第一基台4及び第二基台5は、例えば、プレキャストブロックにより構成される。
【0019】
第一基台4及び第二基台5は、必ずしも第一橋台2及び第二橋台3に固定しなくてもよいが、後工程の載置工程で第一基台4及び第二基台5が動くのを防止するために、第一橋台2及び第二橋台3に固定することが好ましい。第一基台4及び第二基台5を第一橋台2及び第二橋台3に固定する場合、第一基台4及び第二基台5を第一橋台2及び第二橋台3に対して移動不能に固定してもよいが、橋梁10にプレストレスを導入するために、第一基台4及び第二基台5の少なくとも一方を第一橋台2及び第二橋台3に対して移動可能に固定してもよい。移動可能に固定するとは、ロック機構等により移動不能な状態と移動可能な状態とを切り替えることができることをいう。例えば、ロック機構により第一基台4及び第二基台5の少なくとも一方を第一橋台2及び第二橋台3に対して移動不能に固定しておき、ロック機構を解除することにより第一基台4及び第二基台5の少なくとも一方を第一橋台2及び第二橋台3に対して移動可能となるようにしてもよい。
【0020】
仮設材設置工程では、次に、複数の仮設材1を用意する。本実施形態では、複数の仮設材1として2本の仮設材1を用意する。仮設材1としては、PC鋼棒、PC鋼線等の緊張材を用いる。仮設材1は、後工程の載置工程で橋梁ブロックを乗せても大きく撓まない程度の剛性を有することが好ましい。また、仮設材1として、例えば、橋梁10にプレストレスを導入しやすい観点から、ゲビンデ(総ネジPC鋼棒)等の周面にネジ溝が形成されたPC鋼棒を用いることが好ましい。
【0021】
仮設材設置工程では、次に、用意した2本の仮設材1を第一基台4及び第二基台5に取り付けることで、2本の仮設材1を第一橋台2と第二橋台3とに架け渡す。2本の(複数の)仮設材1を第一橋台2と第二橋台3とに架け渡すとは、2本の(複数の)仮設材1を第一橋台2から第二橋台3に至るように設置することをいう。第一基台4及び第二基台5に対する2本の仮設材1のそれぞれの取り付けは、例えば、第一基台4及び第二基台5のそれぞれに形成された穴に2本の仮設材1を通し、2本の仮設材1のそれぞれの両端部にナット等の締結部材6,7を取り付け、締結部材6,7を締めて2本の仮設材1を第一基台4及び第二基台5に対して位置決めすることにより行う。これにより、2本の仮設材1が、橋梁10の構築位置11において、第一橋台2と第二橋台3とに架け渡される。橋梁10の橋軸方向D1は、例えば、第一橋台2と第二橋台3との対向方向である。また、橋梁10の橋軸方向D1は、例えば、橋梁10の延在方向である。なお、第一基台4及び第二基台5が第一橋台2及び第二橋台3に固定されている場合、締結部材6,7を第一基台4及び第二基台5に対して締め付けることで、仮設材1を緊張させてもよい。なお、仮設材1を緊張させる方法は、他の方法を用いてもよい。
【0022】
(載置工程)
図2は、第一実施形態に係る橋梁の施工方法の、載置工程を説明するための模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は図2(a)に示すIIc-IIc線における断面図である。図3は、第一実施形態に係る橋梁の施工方法の、載置工程及び一体化工程を説明するための模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は図3(a)に示すIIIc-IIIc線における断面図である。図2及び図3に示すように、載置工程では、2本の仮設材1に、橋梁10を構成する複数の橋梁ブロック8を乗せる。
【0023】
載置工程では、まず、複数の橋梁ブロック8を用意する。複数の橋梁ブロック8のそれぞれは、例えば、橋梁10を橋梁10の橋軸方向D1に複数に分割した個々の形状を成すプレキャストブロックである。このため、複数の橋梁ブロック8のそれぞれは、橋梁10の橋軸方向D1と直交する方向における橋梁10の断面を形成する。つまり、複数の橋梁ブロック8のそれぞれは、橋梁10の橋軸方向D1と直交する方向における橋梁10の一部の断面だけではなく、橋梁10の橋軸方向D1と直交する方向における橋梁10の全体の断面を形成する。なお、橋梁ブロック8の数、つまり、橋梁10の橋軸方向D1における分割数は、特に限定されるものではなく、例えば、橋梁ブロック8の持ち運びが容易となる程度の数とすることができる。また、複数の橋梁ブロック8のそれぞれは、橋梁10の橋軸方向D1において一定の断面形状を有していてもよく、橋梁10の橋軸方向D1において変化する断面形状を有していてもよい。例えば、複数の橋梁ブロック8のそれぞれは、アーチ橋のように、応力計算により橋梁10の橋軸方向D1における中央部に向かうに従い厚さが薄くなるように形成されていてもよい。
【0024】
プレキャストブロックは、例えば、型枠にコンクリートやモルタル等のセメント系材料(以下、単に「コンクリート等」という)を打設することにより形成してもよく、コンクリート等の3Dプリンティングにより形成してもよい。コンクリート等の3Dプリンティングでは、例えば、ガントリー式の3Dプリンタ、ロボットアーム式の3Dプリンタ等が用いられる。近年、コンクリート等の3Dプリンティング技術の急速な発展により、コンクリート等のトポロジー最適化を図ることが可能となってきた。このため、コンクリート等の3Dプリンティングにより、トポロジー最適化が図られたプレキャストブロックを形成することで、プレキャストブロックの大幅な軽量化を図ることができる。
【0025】
また、複数の橋梁ブロック8のそれぞれは、橋梁10の通行面となる床面8aと、2本の仮設材1のそれぞれに乗せられる載置面8bと、中空部8cと、を有する。床面8aは、橋梁ブロック8の上面により形成される。載置面8bは、上方から仮設材1のそれぞれに乗せられるように、橋梁ブロック8の下方に向いた面により形成される。また、複数の橋梁ブロック8のそれぞれは、水平方向に延びる床板部8dと、床板部8dの中央部から下方に延びる縦リブ部8eと、によりT字状に形成されている。そして、床板部8dの上面が床面8aとなっており、縦リブ部8eの両側に位置する床板部8dの下面が載置面8bとなっている。
【0026】
中空部8cは、複数の橋梁ブロック8のそれぞれを、橋梁10の橋軸方向D1(隣り合う橋梁ブロック8の隣接方向)に貫通している。橋梁ブロック8であるプレキャストブロックを、型枠にコンクリート等を打設することにより形成する場合は、プレキャストブロックに中空部8cが形成されるように型枠内に中空管を配置してコンクリート等を打設したり、打設したプレキャストブロックに中空部8cを穿孔したりすることで、中空部8cを形成することができる。橋梁ブロック8であるプレキャストブロックを、コンクリート等の3Dプリンティングにより形成する場合は、中空部8cを有するようにプレキャストブロックを3Dプリンティングすることで、中空部8cを形成することができる。なお、橋梁10を構成する全ての橋梁ブロック8が中空部8cを有してもよく、橋梁10を構成する橋梁ブロック8のうちの一部の橋梁ブロック8のみが中空部8cを有してもよい。例えば橋梁10の橋軸方向D1における両端部に位置する橋梁ブロック8が中空部8cを有さず、その他の橋梁ブロック8が中空部8cを有してもよい。
【0027】
載置工程では、次に、用意した複数の橋梁ブロック8を2本の仮設材1に乗せる。つまり、2本の仮設材1の上方から橋梁ブロック8を降ろしていき、縦リブ部8eを2本の仮設材1の間に入れて、床板部8dの載置面8bを2本の仮設材1に乗せることで、複数の橋梁ブロック8を2本の仮設材1に乗せる。複数の橋梁ブロック8を2本の仮設材1に乗せる順序は、特に限定されるものではないが、例えば、第一基台4から第二基台5側に向って順次橋梁ブロック8を2本の仮設材1に乗せていくとともに、第二基台5から第一基台4側に向って順次橋梁ブロック8を2本の仮設材1に乗せていくことが好ましい。このとき、クレーン等の機械を用いて橋梁ブロック8を2本の仮設材1に乗せてもよいが、橋梁ブロック8を3Dプリンティングにより形成する場合は、トポロジー最適化を図ることで橋梁ブロック8を軽量化することができるため、人力により橋梁ブロック8を2本の仮設材1に乗せてもよい。そして、全ての橋梁ブロック8を2本の仮設材1に乗せることで、第一基台4と第二基台5との間に複数の橋梁ブロック8を敷き詰める。
【0028】
(一体化工程)
図3に示すように、一体化工程では、2本の仮設材1に乗せられた複数の橋梁ブロック8を一体化する。
【0029】
一体化工程では、2本の仮設材1で複数の橋梁ブロック8を緊張することにより、複数の橋梁ブロック8を一体化する。なお、複数の橋梁ブロック8の一体化は、上記の2本の仮設材1による緊張に加え、又は、上記の2本の仮設材1による緊張に代えて、別の緊張材(不図示)を複数の橋梁ブロック8の中空部8cに挿入し、この別の緊張材により複数の橋梁ブロック8を緊張することにより行ってもよい。また、複数の橋梁ブロック8の一体化は、上記の2本の仮設材1による緊張に加え、又は、上記の2本の仮設材1による緊張に代えて、隣り合う橋梁ブロック8を接着剤等で接着することにより行ってもよい。このようにして複数の橋梁ブロック8を一体化することで、橋梁10が構築されて、第一橋台2と第二橋台3とに橋梁10が架設される。
【0030】
このように、本実施形態に係る橋梁の施工方法では、2本の仮設材1を第一橋台2と第二橋台3とに架け渡し、2本の仮設材1に複数の橋梁ブロック8を乗せ、複数の橋梁ブロック8を一体化するため、橋梁10の構築位置11で、複数の橋梁ブロック8の載置及び一体化を行うことができる。つまり、一体化した橋梁ブロック8を橋梁10の構築位置11に移動させる必要がない。このため、短い期間で施工することができる。
【0031】
なお、3Dプリンティングにより橋梁ブロック8を形成する場合は、トポロジー最適化を図ることで橋梁ブロックを軽量化することができる。このようにして軽量化した橋梁ブロック8を用いることで、複数の橋梁ブロック8の2本の仮設材1への載置を人力で行うことも可能となるため、載置工程でのクレーンの設置及び撤去が不要となるため、更に施工期間を短くすることができる。
【0032】
また、2本の仮設材1のそれぞれとして用いる緊張材により複数の橋梁ブロック8を緊張して複数の橋梁ブロック8を一体化するため、一体化工程の期間を更に短縮することができる。また、2本の仮設材1を本設材として用いることができるとともに、2本の仮設材1により橋梁10にプレストレスを導入することができるため、施工期間を更に短くすることができる。しかも、2本の仮設材1のそれぞれとして用いる緊張材は、橋梁10の外側に配置されるため、外部からの目視で緊張材を確認することができる。このため、橋梁10の施工後も、緊張材のメンテナンスを容易に行うことができる。但し、緊張材を保護する観点から、緊張材をカバー等で覆ってもよい。緊張材を交換する場合は、例えば、橋梁10の内部に新たな緊張材を通して橋梁10を緊張し、仮設材1として用いた緊張材を撤去し、必要に応じて撤去した緊張材の位置に新たな緊張材を配置して、橋梁10を緊張してもよい。
【0033】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であり、仮設材が第一実施形態と相違する。このため、以下では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。第二実施形態に係る橋梁の施工方法は、仮設材設置工程と、載置工程と、一体化工程と、仮設材撤去工程と、を備える。
【0034】
(仮設材設置工程)
図4は、第二実施形態に係る橋梁の施工方法の、仮設材設置工程を説明するための模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は図4(a)に示すIVc-IVc線における断面図である。図4に示すように、仮設材設置工程では、複数の仮設材1Aを第一橋台2と第二橋台3とに架け渡す。
【0035】
仮設材設置工程では、まず、複数の仮設材1Aを用意する。本実施形態では、複数の仮設材1Aとして2本の仮設材1Aを用意する。仮設材1Aとしては、直線状に延びる断面H型の仮設構造物を用いる。仮設材1Aは、後工程の載置工程で橋梁ブロックを乗せても大きく撓まない程度の剛性を有することが好ましい。このため、仮設材1Aとしては、例えば、H鋼、H型の繊維強化樹脂(FRP)成型品等の高剛性の仮設構造物を用いることが好ましい。
【0036】
仮設材設置工程では、次に、用意した2本の仮設材1Aを第一橋台2と第二橋台3とに載置することで、2本の仮設材1Aを第一橋台2と第二橋台3とに架け渡す。これにより、2本の仮設材1Aが、橋梁10Aの構築位置11Aにおいて、第一橋台2と第二橋台3とに架け渡される。
【0037】
(載置工程)
図5は、第二実施形態に係る橋梁の施工方法の、載置工程を説明するための模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は図5(a)に示すVc-Vc線における断面図である。図6は、第二実施形態に係る橋梁の施工方法の、載置工程及び一体化工程を説明するための模式図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は図6(a)に示すVIc-VIc線における断面図である。図5及び図6に示すように、載置工程では、2本の仮設材1Aに、橋梁10Aを構成する複数の橋梁ブロック8Aを乗せる。
【0038】
載置工程では、まず、複数の橋梁ブロック8Aを用意する。複数の橋梁ブロック8Aのそれぞれは、第一実施形態の橋梁ブロック8と同様に、橋梁10Aを橋梁10Aの橋軸方向D1に複数に分割した個々の形状を成すプレキャストブロックである。このため、複数の橋梁ブロック8Aのそれぞれは、橋梁10Aの橋軸方向D1と直交する方向における橋梁10Aの断面を形成する。
【0039】
また、複数の橋梁ブロック8Aのそれぞれは、第一実施形態の橋梁ブロック8と同様に、橋梁10Aの通行面となる床面8Aaと、2本の仮設材1Aのそれぞれに乗せられる載置面8Abと、中空部8Acと、を有する。また、複数の橋梁ブロック8Aのそれぞれはは、第一実施形態の橋梁ブロック8と同様に、水平方向に延びる床板部8Adと、床板部8Adの中央部から下方に延びる縦リブ部8Aeと、によりT字状に形成されており、中空部8Acが橋梁10Aの橋軸方向D1に貫通している。
【0040】
載置工程では、次に、用意した複数の橋梁ブロック8Aを2本の仮設材1Aに乗せる。つまり、2本の仮設材1Aの上方から橋梁ブロック8Aを降ろしていき、縦リブ部8Aeを2本の仮設材1Aの間に入れて、床板部8Adの載置面8Abを2本の仮設材1Aに乗せることで、複数の橋梁ブロック8Aを2本の仮設材1Aに乗せる。複数の橋梁ブロック8Aを2本の仮設材1Aに乗せる順序は、特に限定されるものではないが、例えば、第一橋台2から第二橋台3側に向って順次橋梁ブロック8Aを2本の仮設材1Aに乗せていくとともに、第二橋台3から第一橋台2側に向って順次橋梁ブロック8Aを2本の仮設材1Aに乗せていくことが好ましい。そして、全ての橋梁ブロック8Aを2本の仮設材1Aに乗せることで、第一橋台2と第二橋台3との間に複数の橋梁ブロック8Aを敷き詰める。
【0041】
(一体化工程)
図6に示すように、一体化工程では、2本の仮設材1Aに乗せられた複数の橋梁ブロック8Aを一体化する。
【0042】
一体化工程では、PC鋼棒、PC鋼線等の緊張材9Aで複数の橋梁ブロック8Aを緊張することにより、複数の橋梁ブロック8Aを一体化する。緊張材9Aとして、例えば、複数の橋梁ブロック8Aにプレストレスを導入しやすい観点から、ゲビンデ等の周面にネジ溝が形成されたPC鋼棒を用いることが好ましい。緊張材9Aを用いた複数の橋梁ブロック8Aの一体化は、例えば、緊張材9Aを橋梁ブロック8の中空部8Acに挿入し、この緊張材9Aにより複数の橋梁ブロック8を緊張することにより行ってもよい。また、複数の橋梁ブロック8Aの一体化は、緊張材9Aにより緊張に加え隣り合う橋梁ブロック8Aを接着剤等で接着することにより行ってもよい。このようにして複数の橋梁ブロック8Aを一体化することで、橋梁10Aが構築されて、第一橋台2と第二橋台3とに橋梁10Aが架設される。
【0043】
(仮設材撤去工程)
仮設材撤去工程では、2本の仮設材1Aを撤去する。但し、仮設材撤去工程を行わずに、2本の仮設材1Aを本設材として残置してもよい。
【0044】
このように、本実施形態に係る橋梁の施工方法では、2本の仮設材1Aを第一橋台2と第二橋台3とに架け渡し、2本の仮設材1Aに複数の橋梁ブロック8Aを乗せ、複数の橋梁ブロック8Aを一体化するため、橋梁10Aの構築位置11Aで、複数の橋梁ブロック8Aの載置及び一体化を行うことができる。つまり、一体化した橋梁ブロック8Aを橋梁10Aの構築位置11Aに移動させる必要がない。このため、短い期間で施工することができる。
【0045】
また、2本の仮設材1Aのそれぞれとして断面H型の仮設構造物を設置することで、2本の仮設材1Aに高い剛性を付与することができるとともに、2本の仮設材1Aを容易且つ短期間に設置することができる。
【0046】
また、一体化工程の後に2本の仮設材1Aを撤去するため、長期にわたって耐力を維持することができない仮設構造物を仮設材1Aとして用いることも可能となる。また、2本の仮設材1Aにより橋梁10Aの意匠性が低下するのを防止することができる。
【0047】
[第三実施形態]
次に、第三実施形態について説明する。第三実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であり、仮設材の設置の仕方と橋梁ブロックの形状とが第一実施形態と相違する。このため、以下では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。第三実施形態に係る橋梁の施工方法は、仮設材設置工程と、載置工程と、一体化工程と、を備える。
【0048】
(仮設材設置工程)
図7は、第三実施形態に係る橋梁の施工方法を説明するための模式図であり、(a)は仮設材設置工程を示す側面図、(b)は載置工程を示す側面図、(c)は載置工程及び一体化工程を示す側面図である。図7(a)に示すように、仮設材設置工程では、複数の仮設材1を第一橋台2と第二橋台3とに架け渡す。
【0049】
仮設材設置工程では、まず、第一実施形態と同様に、第一橋台2に第一基台4を設置するとともに、第二橋台3に第二基台5を設置する。仮設材設置工程では、次に、第一実施形態と同様に、複数の仮設材1として2本の仮設材1を用意する。
【0050】
仮設材設置工程では、次に、用意した2本の仮設材1を第一基台4及び第二基台5に取り付けることで、2本の仮設材1を弛ませた状態で第一橋台2と第二橋台3とに架け渡す。第一基台4及び第二基台5に対する2本の仮設材1のそれぞれの取り付けは、例えば、第一基台4及び第二基台5のそれぞれに形成された穴に2本の仮設材1を通し、2本の仮設材1のそれぞれの両端部にナット等の締結部材6,7を取り付け、2本の仮設材1が弛んだ状態となるように、締結部材6,7を締めて2本の仮設材1を第一基台4及び第二基台5に対して位置決めすることにより行う。これにより、2本の仮設材1が、橋梁10Bの構築位置11Bにおいて、弛んだ状態で第一橋台2と第二橋台3とに架け渡される。なお、2本の仮設材1が弛んだ状態で第一橋台2と第二橋台3とに架け渡されているとは、2本の仮設材1のそれぞれの中央部が、2本の仮設材1のそれぞれの両端部よりも下方に垂れ下がった状態で、第一橋台2と第二橋台3とに架け渡されていることをいう。
【0051】
(載置工程)
図7(b)及び図7(c)に示すように、載置工程では、2本の仮設材1に、橋梁10Bを構成する複数の橋梁ブロック8Bを乗せる。
【0052】
載置工程では、まず、橋梁10Bの橋軸方向D1における位置に応じて形状が異なる複数の橋梁ブロック8Bを用意する。複数の橋梁ブロック8Bのそれぞれは、橋梁10Bを橋梁10Bの橋軸方向D1に複数に分割した個々の形状を成すプレキャストブロックである。
【0053】
複数の橋梁ブロック8Bのそれぞれは、橋梁10Bの通行面となる床面8Baと、2本の仮設材1のそれぞれに乗せられる載置面8Bbと、中空部(不図示)と、を有する。床面8Baは、橋梁ブロック8Bの上面により形成される。載置面8Bbは、上方から仮設材1のそれぞれに乗せられるように、橋梁ブロック8Bの下方に向いた面により形成される。
【0054】
そして、本実施形態の複数の橋梁ブロック8Bは、載置面8Bbから床面8Baまでの距離(厚み)が、橋梁10Bの橋軸方向D1における端部側から中央部側に向かうに従って長く(厚く)なるように構成されている。このため、橋梁10Bの橋軸方向D1における中央部に位置する橋梁ブロック8Bの載置面8Bbから床面8Baまでの距離は、橋梁10Bの橋軸方向D1における端部に位置する橋梁ブロック8Bの載置面8Bbから床面8Baまでの距離よりも長くなっている。なお、複数の橋梁ブロック8Bの全体において、橋梁10Bの橋軸方向D1における端部側から中央部側に向かうに従って載置面8Bbから床面8Baまでの距離が長くなるように形成されていればよく、一部の隣り合う橋梁ブロック8B間で、載置面8Bbから床面8Baまでの距離が同じであってもよい。
【0055】
載置工程では、次に、用意した複数の橋梁ブロック8Bを2本の仮設材1に乗せる。つまり、橋梁10Bの橋軸方向D1における端部側から中央部側に向かうに従って載置面8Bbから床面8Baまでの距離が長くなるように、複数の橋梁ブロック8Bを2本の仮設材1に乗せる。複数の橋梁ブロック8Bを2本の仮設材1に乗せる順序は、特に限定されるものではないが、例えば、第一基台4から第二基台5側に向って順次橋梁ブロック8Bを2本の仮設材1に乗せていくとともに、第二基台5から第一基台4側に向って順次橋梁ブロック8Bを2本の仮設材1に乗せていくことが好ましい。そして、全ての橋梁ブロック8Bを2本の仮設材1に乗せることで、第一基台4と第二基台5との間に複数の橋梁ブロック8Bを敷き詰める。
【0056】
このとき、複数の橋梁ブロック8Bの各床面8Baが平坦状に連続するとともに、複数の橋梁ブロック8Bの各載置面8Bbが橋梁10Bの橋軸方向D1における端部側から中央部側に向かうに従って低くなるように、全ての橋梁ブロック8Bを2本の仮設材1に乗せる。なお、2本の仮設材1に乗せられた全ての橋梁ブロック8Bがこのような状態とするために、2本の仮設材1を第一橋台2と第二橋台3とに架け渡す際の2本の仮設材1を弛ませる程度、及び、各橋梁ブロック8Bの載置面8Bbから床面8Baまでの距離を、予め計算しておき、この計算に基づいて仮設材設置工程及び載置工程を行うことが好ましい。
【0057】
(一体化工程)
図7(c)に示すように、一体化工程では、2本の仮設材1に乗せられた複数の橋梁ブロック8Bを一体化する。
【0058】
一体化工程では、2本の仮設材1で複数の橋梁ブロック8Bを緊張することにより、複数の橋梁ブロック8Bを一体化する。このとき、複数の橋梁ブロック8Bは、載置面8Bbから床面8Baまでの距離が橋梁10Bの橋軸方向D1における端部側から中央部側に向かうに従って長くなるように構成されているため、弛んだ状態で第一橋台2と第二橋台3とに架け渡された2本の仮設材1により複数の橋梁ブロック8Bを緊張することで、複数の橋梁ブロック8Bは、その底部付近において、2本の仮設材1により緊張された状態となる。このようにして複数の橋梁ブロック8Bを一体化することで、橋梁10Bが構築されて、第一橋台2と第二橋台3とに橋梁10Bが架設される。
【0059】
なお、複数の橋梁ブロック8Bの一体化は、上記の2本の仮設材1による緊張に加え、又は、上記の2本の仮設材1による緊張に代えて、別の緊張材(不図示)を複数の橋梁ブロック8Bの中空部に挿入し、この別の緊張材により複数の橋梁ブロック8Bを緊張することにより行ってもよい。また、複数の橋梁ブロック8Bの一体化は、上記の2本の仮設材1による緊張に加え、又は、上記の2本の仮設材1による緊張に代えて、隣り合う橋梁ブロック8Bを接着剤等で接着することにより行ってもよい。
【0060】
このように、本実施形態に係る橋梁の施工方法では、2本の仮設材1を弛ませた状態で第一橋台2と第二橋台3とに架け渡し、橋梁10Bの端部側から中央部側に向かうに従って載置面8Bbから床面8Baまでの距離が長くなる複数の橋梁ブロック8を2本の仮設材1に乗せるため、端部側から中央部側に向かうに従って厚くなる橋梁10Bを構築することができる。しかも、2本の仮設材1のそれぞれとして用いる緊張材により複数の橋梁ブロック8Bを緊張して複数の橋梁ブロック8Bを一体化するため、引張応力が高くなりやすい橋梁10Bの中央部の底部にプレストレスを導入することができる。これにより、橋梁10の剛性を高めることができる。
【0061】
[第四実施形態]
次に、第四実施形態について説明する。第四実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であり、載置工程において一部の橋梁ブロックを一体化する点で第一実施形態と相違する。このため、以下では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。第四実施形態に係る橋梁の施工方法は、仮設材設置工程と、載置工程と、一体化工程と、を備える。
【0062】
(仮設材設置工程)
図8は、第四実施形態に係る橋梁の施工方法を説明するための模式図であり、(a)は仮設材設置工程を示す側面図、(b)は載置工程を示す側面図、(c)は載置工程を示す側面図、(d)は載置工程及び一体化工程を示す側面図、(e)は一体化工程を示す側面図である。図8(a)に示すように、仮設材設置工程では、複数の仮設材1を第一橋台2と第二橋台3とに架け渡す。
【0063】
仮設材設置工程では、まず、第一実施形態と同様に、第一橋台2に第一基台4を設置するとともに、第二橋台3に第二基台5を設置する。仮設材設置工程では、次に、第一実施形態と同様に、複数の仮設材1として2本の仮設材1を用意する。仮設材1としては、ゲビンデ等の周面にネジ溝が形成されたPC鋼棒を用いる。仮設材設置工程では、次に、用意した2本の仮設材1を第一基台4及び第二基台5に取り付けることで、2本の仮設材1を第一橋台2と第二橋台3とに架け渡す。これにより、2本の仮設材1が、橋梁10C(図8(d)及び図8(e)参照)の構築位置11Cにおいて、第一橋台2と第二橋台3とに架け渡される。このとき、2本の仮設材1のそれぞれに、複数のナット12C(図8(c)参照)を螺合しておく。
【0064】
(載置工程)
図8(b)、図8(c)、及び図8(d)に示すように、載置工程では、2本の仮設材1に、橋梁10Cを構成する複数の橋梁ブロック8Cを乗せる。
【0065】
載置工程では、まず、複数の橋梁ブロック8Cを用意する。複数の橋梁ブロック8Cのそれぞれは、橋梁10Cを橋梁10Cの橋軸方向D1に複数に分割した個々の形状を成すプレキャストブロックである。載置工程では、次に、用意した複数の橋梁ブロック8Cを2本の仮設材1に乗せる。このとき、第一基台4から第二基台5側に向って、順次、橋梁ブロック8Cを2本の仮設材1に乗せるとともに、この橋梁ブロック8Cをナット12Cにより第一基台4側に締め付けていく。これにより、第一基台4から連続する1又は複数の橋梁ブロック8Cが、仮設材1により緊張されて一体化される。また、第二基台5から第一基台4側に向って、順次、橋梁ブロック8Cを2本の仮設材1に乗せるとともに、この橋梁ブロック8Cをナット12Cにより第二基台5側に締め付けていく。これにより、第二基台5から連続する1又は複数の橋梁ブロック8Cが、仮設材1により緊張されて一体化される。なお、ナット12Cによる緊張は、一つの橋梁ブロック8Cごとに行ってもよく、複数の橋梁ブロック8Cごとに行ってもよい。そして、全ての橋梁ブロック8Cを2本の仮設材1に乗せることで、第一基台4と第二基台5との間に複数の橋梁ブロック8Cを敷き詰める。
【0066】
(一体化工程)
図8(d)及び図8(e)に示すように、一体化工程では、2本の仮設材1に乗せられた複数の橋梁ブロック8Cを一体化する。
【0067】
一体化工程では、2本の仮設材1で複数の橋梁ブロック8Cを緊張することにより、複数の橋梁ブロック8Cを一体化する。また、複数の橋梁ブロック8Cをより強固に一体化するために、別の緊張材13Cを複数の橋梁ブロック8Cの中空部に挿入し、この別の緊張材13Cによっても複数の橋梁ブロック8Cを緊張して一体化する。このようにして複数の橋梁ブロック8Cを一体化することで、橋梁10Cが構築されて、第一橋台2と第二橋台3とに橋梁10Cが架設される。
【0068】
このように、本実施形態に係る橋梁の施工方法では、一部の橋梁ブロック8Cを緊張して一体化していきながら複数の橋梁ブロック8Cを2本の仮設材1に乗せていくため、2本の仮設材1上で各橋梁ブロック8Cが動くのを抑制することができるとともに、複数の橋梁ブロック8Cをより強固に一体化することができる。
【0069】
[第五実施形態]
次に、第五実施形態について説明する。第五実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であり、橋梁を橋梁の幅方向に複数のレーンに分ける点で第一実施形態と相違する。このため、以下では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。図9は、第五実施形態に係る橋梁の施工方法を説明するための模式図であり、(a)は平面図、(b)は図9(a)に示すIXb-IXb線における断面図である。図9(a)及び図9(b)に示すように、本実施形態に係る橋梁の施工方法では、仮設材設置工程と、載置工程と、一体化工程と、を備える。
【0070】
(仮設材設置工程)
仮設材設置工程では、橋梁10Dの構築位置11Dを橋梁10Dの橋軸方向D1と直交する幅方向D2(水平方向)に複数に分割したレーンごとに、複数の仮設材1を第一橋台2と第二橋台3とに架け渡す。なお、図9では、橋梁10Dの構築位置11Dを幅方向D2に3つのレーンに分けた場合を示している。
【0071】
仮設材設置工程では、まず、第一橋台2に第一基台4Dを設置するとともに、第二橋台3に第二基台5Dを設置する。第一基台4Dは、橋梁10Dの一方側の端部、つまり、橋梁10Dの全てのレーンの一方側の端部を構成する構造体である。第二基台5Dは、橋梁10Dの他方側の端部、つまり、橋梁10Dの全てのレーンの他方側を構成する構造体である。このため、第一基台4Dから第二基台5Dに至る領域が、橋梁10Dの構築位置11Dとなる。仮設材設置工程では、次に、レーンごとに、複数の仮設材1として2本の仮設材1を用意する。つまり、一番目のレーンに対応する2本の仮設材1aと、2番目のレーンに対応する2本の仮設材1bと、三番目のレーンに対応する2本の仮設材1cと、を用意する。仮設材設置工程では、次に、レーンごとに、用意した2本の仮設材1を第一基台4及び第二基台5に取り付けることで、各レーンに2本の仮設材1を第一橋台2と第二橋台3とに架け渡す。つまり、一番目のレーンにおいて用意した2本の仮設材1aを第一基台4及び第二基台5に取り付けることで、一番目のレーンに2本の仮設材1aを第一橋台2と第二橋台3とに架け渡す。また、二番目のレーンにおいて用意した2本の仮設材1bを第一基台4及び第二基台5に取り付けることで、二番目のレーンに2本の仮設材1bを第一橋台2と第二橋台3とに架け渡す。また、三番目のレーンにおいて用意した2本の仮設材1cを第一基台4及び第二基台5に取り付けることで、三番目のレーンに2本の仮設材1cを第一橋台2と第二橋台3とに架け渡す。これにより、各レーンにおいて、2本の仮設材1が、橋梁10Dの構築位置11Dにおいて、第一橋台2と第二橋台3とに架け渡される。
【0072】
(載置工程)
載置工程では、レーンごとに、2本の仮設材1に、橋梁10Dを構成する複数の橋梁ブロック8Dを乗せる。
【0073】
載置工程では、まず、レーンごとに、複数の橋梁ブロック8Dを用意する。つまり、一番目のレーンに対応する複数の橋梁ブロック8Dと、二番目のレーンに対応する複数の橋梁ブロック8Dと、三番目のレーンに対応する複数の橋梁ブロック8Dと、を用意する。複数の橋梁ブロック8Dは、橋梁10Dを橋梁10Dの橋軸方向D1及び幅方向D2に複数に分割した個々の形状を成すプレキャストブロックである。つまり、複数の橋梁ブロック8Dは、橋梁10Dの各レーンを橋梁10Dの橋軸方向D1に複数に分割した個々の形状を成すプレキャストブロックである。載置工程では、次に、レーンごとに、用意した複数の橋梁ブロック3dを2本の仮設材1に乗せる。つまり、一番目のレーンにおいて、用意した複数の橋梁ブロック3dを2本の仮設材1aに乗せる。また、二番目のレーンにおいて、用意した複数の橋梁ブロック3dを2本の仮設材1bに乗せる。また、三番目のレーンにおいて、用意した複数の橋梁ブロック3dを2本の仮設材1cに乗せる。このとき、レーンごとに順次、複数の橋梁ブロック8Dを2本の仮設材1に乗せていってもよく、複数のレーンを同時並行的に、複数の橋梁ブロック8Dを2本の仮設材1に乗せていってもよい。そして、全てのレーンにおいて、全ての橋梁ブロック8Dを2本の仮設材1に乗せることで、第一基台4Dと第二基台5Dとの間に複数の橋梁ブロック8Dを敷き詰める。
【0074】
(一体化工程)
一体化工程では、複数の仮設材1に乗せられた複数の橋梁ブロック8Dを一体化する。
【0075】
一体化工程では、まず、レーンごとに、2本の仮設材1で複数の橋梁ブロック8Dを緊張することにより、複数の橋梁ブロック8Dを一体化する。つまり、一番目のレーンにおいて2本の仮設材1aで複数の橋梁ブロック8Dを緊張することにより、一番目のレーンの複数の橋梁ブロック8Dを一体化する。また、二番目のレーンにおいて2本の仮設材1bで複数の橋梁ブロック8Dを緊張することにより、二番目のレーンの複数の橋梁ブロック8Dを一体化する。また、三番目のレーンにおいて2本の仮設材1cで複数の橋梁ブロック8Dを緊張することにより、三番目のレーンの複数の橋梁ブロック8Dを一体化する。
一体化工程では、次に、レーン間で、複数の橋梁ブロック8Dを一体化する。つまり、一番目のレーンの複数の橋梁ブロック8Dと、二番目のレーンの複数の橋梁ブロック8Dと、三番目のレーンの複数の橋梁ブロック8Dとを、一体化する。レーン間での複数の橋梁ブロック8Dの一体化は、例えば、別の緊張材(不図示)によりレーン間で複数の橋梁ブロック8Dを緊張することにより行ってもよく、レーン間で複数の橋梁ブロック8Dを接着剤等で接着することにより行ってもよい。このようにして複数の橋梁ブロック8Dを一体化することで、橋梁10Dが構築されて、第一橋台2と第二橋台3とに橋梁10Dが架設される。
【0076】
このように、本実施形態に係る橋梁の施工方法では、橋梁10Dの構築位置11Dを幅方向D2に複数のレーンに分割し、レーンごとに、2本の仮設材1を第一橋台2と第二橋台3とに架け渡すとともに、2本の仮設材1に複数の橋梁ブロック8Dを乗せていくことで、幅の広い橋梁10Dを構築することができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
【0078】
例えば、上記の各実施形態では、複数の仮設材として2本の仮設材を第一橋台と第二橋台とに架け渡し、この2本の仮設材に複数の橋梁ブロックを乗せるものとして説明したが、第一橋台と第二橋台とに架け渡す仮設材の数(架け渡す仮設材の数、複数の橋梁ブロックのそれぞれを乗せる仮設材の数)は、2以上の任意の数とすることができる。一つの仮設材しか第一橋台と第二橋台とに架け渡されていないと、複数の橋梁ブロックを安定して乗せることが難しいが、2以上の仮設材が第一橋台と第二橋台とに架け渡されていれば、仮設材の数に関わらず複数の橋梁ブロックを安定して乗せることができる。
【0079】
また、上記の各実施形態では、橋梁ブロックの形状を具体的に示したが、橋梁ブロックの形状は特に限定されるものではない。
【0080】
例えば、橋梁ブロックの仮設材に乗せられる載置面は、3以上あってもよい。この場合、橋梁ブロックの載置面に対応して3つの仮設材が第一橋台と第二橋台とに架け渡される。図10(a)及び図10(b)は、橋梁ブロックの他の例を示す模式側面図である。図10(a)に示す橋梁ブロック8Eは、仮設材に乗せられる載置面8Ebを5つ有している。また、図10(b)に示す橋梁ブロック8Fは、仮設材に乗せられる載置面8Fbを3つ有している。
【0081】
また、例えば、橋梁ブロックの仮設材に乗せられる載置面は、床面と平行な面でなくてもよく、例えば、仮設材に引っ掛かる凹部により形成されていてもよい。図10(a)に示す橋梁ブロック8Eでは、5つの載置面8Ebの全てが、仮設材に引っ掛かる凹部により凹曲面状に形成されている。図10(b)に示す橋梁ブロック8Fでは、3つの載置面8Fbの全てが、仮設材に引っ掛かる凹部により凹曲面状に形成されている。図10(c)及び図10(d)は、橋梁ブロックの他の例を示す模式側面図である。図10(c)に示す橋梁ブロック8Gでは、2つの載置面8Gbの全てが、仮設材に引っ掛かる凹部により凹曲面状に形成されている。図10(d)に示す橋梁ブロック8Hでは、2つの載置面8Hbの全てが、仮設材に引っ掛かる凹部により凹曲面状に形成されている。
【0082】
また、例えば、仮設材に乗せられる載置面が床面と平行な面でない場合、橋梁ブロックの載置面から床面までの距離は、載置面から床面までの最短距離となる。例えば、図10(c)に示す橋梁ブロック8Gでは、載置面8Gbの最も床面8Ga側の位置から床面8Gaまでの距離が、載置面から床面までの距離となる。また、図10(d)に示す橋梁ブロック8Hでは、載置面8Hbの最も床面8Ha側の位置から床面8Haまでの距離が、載置面から床面までの距離となる。なお、図10(c)に示す橋梁ブロック8G及び図10(d)に示す橋梁ブロック8Hは、第三実施形態の複数の橋梁ブロック8Bとして用いてもよい。つまり、第三実施形態において、橋梁10Bの橋軸方向D1における端部に位置する橋梁ブロック8Bを、図10(c)に示す橋梁ブロック8Gとし、橋梁10Bの橋軸方向D1における中央部に位置する橋梁ブロック8Bを、図10(d)に示す橋梁ブロック8Hとしてもよい。この場合、橋梁ブロック8Gと橋梁ブロック8Hとの間に配置される橋梁ブロックは、橋梁ブロック8Gから橋梁ブロック8Hまで徐々に形状が変わる橋梁ブロックとすることができる。
【符号の説明】
【0083】
1,1A,1a,1b,1c…仮設材、2…第一橋台、3…第二橋台、4,4D…第一基台、5,5D…第二基台、6…締結部材、7…締結部材、8、8A,8B,8C,8D,8E,8F,8G,8H…橋梁ブロック、8a,8Aa,8Ba,8Ha,8Ha…床面、8b,8Ab,8Bb,8Eb,8Fb,8Gb,8Hb…載置面、8c,8Ac…中空部、8d,8Ad…床板部、8e,8Ae…縦リブ部、9A…緊張材、10,10A,10B,10C,10D…橋梁、11,11A,11B,11C,11D…構築位置、12C…ナット、13C…緊張材、D1…橋軸方向、D2…幅方向。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10