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特開2024-39849接客サーバ、接客システム、接客方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039849
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】接客サーバ、接客システム、接客方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/51 20060101AFI20240315BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240315BHJP
【FI】
H04M3/51
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144521
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】522362327
【氏名又は名称】株式会社アバターディスパッチ
(74)【代理人】
【識別番号】100123618
【弁理士】
【氏名又は名称】雨宮 康仁
(72)【発明者】
【氏名】白水 重明
【テーマコード(参考)】
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5K201BA11
5K201BA20
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】効率的な接客を実現する。
【解決手段】接客システム1は、顧客C-mが使用する顧客端末2-mと、顧客C-mにアバタA-mを介して接客を行うオペレータO-nが使用するオペレータ端末3-nと、接客サーバ4と、を備え、これらはネットワークNを介して接続されている。接客サーバ4は、オペレータO-nが予め定められた動作(定型動作)を指令したときにオペレータ端末3-nからネットワークNを介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して、ネットワークNを介して顧客端末2-m上でアバタA-mに、定型動作指令により指令された定型動作をさせて接客を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客(C-m)が使用する顧客端末(2-m)と、該顧客(C-m)にアバタ(A-m)を介して接客を行うオペレータ(O-n)が使用するオペレータ端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続された接客サーバ(4)であって、
前記オペレータ(O-n)が予め定められた動作を指令したときに前記オペレータ端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して、該ネットワーク(N)を介して前記顧客端末(2-m)上で前記アバタ(A-m)に、該定型動作指令により指令された該予め定められた動作をさせて接客を行う、
ことを特徴とする接客サーバ(4)。
【請求項2】
前記顧客(C-m)を検知したときに前記顧客端末(2-m)から前記ネットワーク(N)を介して送信される顧客検知信号を受信したことに応答して、前記オペレータ(O-n)に該顧客(C-m)への接客の開始を指令する接客開始指令を該ネットワーク(N)を介して前記オペレータ端末(3-n)に送信し、
前記オペレータ(O-n)が前記顧客端末(2-m)のうち、第1顧客(C-1)が使用する第1顧客端末(2-1)上で前記アバタ(A-1)を介して該第1顧客(C-1)を接客している場合において、該顧客端末(2-m)のうち、第2顧客(C-2)が使用する第2顧客端末(2-2)から前記ネットワーク(N)を介して送信される前記顧客検知信号を受信したとき、該第1顧客端末(2-1)上で該アバタ(A-1)が前記予め定められた動作をしていることを条件に、該第1顧客(C-1)を接客している該オペレータ(O-n)に該第2顧客(C-2)への接客の開始を指令する前記接客開始指令を該ネットワーク(N)を介して前記オペレータ端末(3-n)に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の接客サーバ(4)。
【請求項3】
前記オペレータ端末(3-n)のうちの第1オペレータ端末(3-1)を使用する第1オペレータ(O-1)が前記第1及び第2顧客(C-1,C-2)の双方に、前記アバタ(A-1,A-2)を前記予め定めた動作をさせないで接客する必要が生じた場合、該第1オペレータ(O-1)に代わって第2オペレータ(O-2)に該第1及び第2顧客(C-1,C-2)のいずれかへの接客の開始を指令する前記接客開始指令を前記ネットワーク(N)を介して、該オペレータ端末(3-n)のうち、該第2オペレータ(O-2)が使用する第2オペレータ端末(3-2)に送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載の接客サーバ(4)。
【請求項4】
顧客(C-m)が使用する顧客端末(2-m)と、該顧客(C-m)にアバタ(A-m)を介して接客を行うオペレータ(O-n)が使用するオペレータ端末(3-n)と、該顧客端末(2-m)及び該オペレータ端末(3-n)にネットワーク(N)を介して接続された接客サーバ(4)と、を備える接客システム(1)であって、
前記接客サーバ(4)は、前記オペレータ(O-n)が予め定められた動作を指令したときに前記オペレータ端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して、該ネットワーク(N)を介して前記顧客端末(2-m)上で前記アバタ(A-m)に、該定型動作指令により指令された該予め定められた動作をさせて接客を行う、
ことを特徴とする接客システム(1)。
【請求項5】
顧客(C-m)が使用する顧客端末(2-m)と、該顧客(C-m)にアバタ(A-m)を介して接客を行うオペレータ(O-n)が使用するオペレータ端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続された接客サーバ(4)による接客方法であって、
前記接客サーバ(4)が、前記オペレータ(O-n)が予め定められた動作を指令したときに前記オペレータ端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して、該ネットワーク(N)を介して前記顧客端末(2-m)上で前記アバタ(A-m)に、該定型動作指令により指令された該予め定められた動作をさせて接客を行う、
ことを特徴とする接客方法。
【請求項6】
顧客(C-m)が使用する顧客端末(2-m)と、該顧客(C-m)にアバタ(A-m)を介して接客を行うオペレータ(O-n)が使用するオペレータ端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続された接客サーバ(4)のコンピュータに、
前記オペレータ(O-n)が予め定められた動作を指令したときに前記オペレータ端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して、該ネットワーク(N)を介して前記顧客端末(2-m)上で前記アバタ(A-m)に、該定型動作指令により指令された該予め定められた動作をさせて接客を行う手順を実行させるためのプログラム。
【請求項7】
顧客(C-m)が使用する顧客端末(2-m)と、該顧客(C-m)にアバタ(A-m)を介して接客を行うオペレータ(O-n)が使用するオペレータ端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続された接客サーバ(4)のコンピュータに、
前記オペレータ(O-n)が予め定められた動作を指令したときに前記オペレータ端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して、該ネットワーク(N)を介して前記顧客端末(2-m)上で前記アバタ(A-m)に、該定型動作指令により指令された該予め定められた動作を実行させて接客を行う処理を、該予め定められた動作を単位として構造化して機械学習を行い、該予め定められた動作を自動化する手順を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接客サーバ、接客システム、接客方法、及びプログラムに関し、特に効率的な接客を実現可能な接客サーバ、接客システム、接客方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
2020年のパンデミック、さらには近年の高齢化や人口縮小などが始まった先進国における慢性的な労働力の不足によって、リモート接客のニーズが顕著となってきている。特にネットワークを介して、デジタル仮想空間上に顔を含めたアバタを構築し、これを操作する人間(オペレータ)の代替媒体として客とのコミュニケーションを実現する接客が広がりを見せている。
【0003】
従来、アバタを介したコミュニケーションは、一体のアバタに対して一人のオペレータ、すなわち一対一の前提でシステムを組んでいた(例えば特許文献1参照)。これにより、人材派遣に伴う交通費と移動時間の削減とを実現した。特に実演販売や新製品の紹介など、高単価の接客において極めて有効な手段だと言える。なお、本明細書中に特許文献1の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参考として取り込むものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-157835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一人のオペレータが接客する延べ人数を増やせば効率よく接客単価を抑制することができる。対象となる顧客を待たせない、自然な対応を維持するという設定で考えると、アバタによる接客において接客品質を維持するためには、一人の顧客に対して少なくとも一体のアバタという一対一の接客応対関係を維持しなければならない。この接客関係を開始してから終了するまでの業務をセッションと呼ぶ。
【0006】
特許文献1に記載の技術は、3×3のマトリックスに表示された最大9件の接客サイトをオペレータが、一サイトを選択して接客する仕組みで、顧客への待機時間を短縮して接客効率を向上させている。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、マトリックスのコマ数、もしくは単位時間当たりのセッション数のいずれか少ない数が上限となるので、セッション中、一人の顧客に対して一人のオペレータが束縛される。このため、接客単価の削減には、例えば9分の1といったように限界がある。
【0007】
ルーティン化した単純接客、すなわち単価の安い接客ニーズも顕著になり、さらなる顧客当たりの接客単価を抑制の仕組みが必要とされている。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、効率的な接客を実現可能な接客サーバ、接客システム、接客方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る接客サーバ(4)は、顧客(C-m)が使用する顧客端末(2-m)と、該顧客(C-m)にアバタ(A-m)を介して接客を行うオペレータ(O-n)が使用するオペレータ端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続された接客サーバ(4)であって、前記オペレータ(O-n)が予め定められた動作を指令したときに前記オペレータ端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して、該ネットワーク(N)を介して前記顧客端末(2-m)上で前記アバタ(A-m)に、該定型動作指令により指令された該予め定められた動作をさせて接客を行う、ことを特徴とする。
【0010】
上記の接客サーバ(4)は、前記顧客(C-m)を検知したときに前記顧客端末(2-m)から前記ネットワーク(N)を介して送信される顧客検知信号を受信したことに応答して、前記オペレータ(O-n)に該顧客(C-m)への接客の開始を指令する接客開始指令を該ネットワーク(N)を介して前記オペレータ端末(3-n)に送信し、前記オペレータ(O-n)が前記顧客端末(2-m)のうち、第1顧客(C-1)が使用する第1顧客端末(2-1)上で前記アバタ(A-1)を介して該第1顧客(C-1)を接客している場合において、該顧客端末(2-m)のうち、第2顧客(C-2)が使用する第2顧客端末(2-2)から前記ネットワーク(N)を介して送信される前記顧客検知信号を受信したとき、該第1顧客端末(2-1)上で該アバタ(A-1)が前記予め定められた動作をしていることを条件に、該第1顧客(C-1)を接客している該オペレータ(O-n)に該第2顧客(C-2)への接客の開始を指令する前記接客開始指令を該ネットワーク(N)を介して前記オペレータ端末(3-n)に送信する、ようにしてもよい。
【0011】
上記の接客サーバ(4)は、前記オペレータ端末(3-n)のうちの第1オペレータ端末(3-1)を使用する第1オペレータ(O-1)が前記第1及び第2顧客(C-1,C-2)の双方に、前記アバタ(A-1,A-2)を前記予め定めた動作をさせないで接客する必要が生じた場合、該第1オペレータ(O-1)に代わって第2オペレータ(O-2)に該第1及び第2顧客(C-1,C-2)のいずれかへの接客の開始を指令する前記接客開始指令を前記ネットワーク(N)を介して、該オペレータ端末(3-n)のうち、該第2オペレータ(O-2)が使用する第2オペレータ端末(3-2)に送信する、ようにしてもよい。
【0012】
本発明の第2の観点に係る接客システム(1)は、顧客(C-m)が使用する顧客端末(2-m)と、該顧客(C-m)にアバタ(A-m)を介して接客を行うオペレータ(O-n)が使用するオペレータ端末(3-n)と、該顧客端末(2-m)及び該オペレータ端末(3-n)にネットワーク(N)を介して接続された接客サーバ(4)と、を備える接客システム(1)であって、前記接客サーバ(4)は、前記オペレータ(O-n)が予め定められた動作を指令したときに前記オペレータ端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して、該ネットワーク(N)を介して前記顧客端末(2-m)上で前記アバタ(A-m)に、該定型動作指令により指令された該予め定められた動作をさせて接客を行う、ことを特徴とする。
【0013】
本発明の第3の観点に係る接客方法は、顧客(C-m)が使用する顧客端末(2-m)と、該顧客(C-m)にアバタ(A-m)を介して接客を行うオペレータ(O-n)が使用するオペレータ端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続された接客サーバ(4)による接客方法であって、前記接客サーバ(4)が、前記オペレータ(O-n)が予め定められた動作を指令したときに前記オペレータ端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して、該ネットワーク(N)を介して前記顧客端末(2-m)上で前記アバタ(A-m)に、該定型動作指令により指令された該予め定められた動作をさせて接客を行う、ことを特徴とする。
【0014】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、顧客(C-m)が使用する顧客端末(2-m)と、該顧客(C-m)にアバタ(A-m)を介して接客を行うオペレータ(O-n)が使用するオペレータ端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続された接客サーバ(4)のコンピュータに、前記オペレータ(O-n)が予め定められた動作を指令したときに前記オペレータ端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して、該ネットワーク(N)を介して前記顧客端末(2-m)上で前記アバタ(A-m)に、該定型動作指令により指令された該予め定められた動作をさせて接客を行う手順を実行させるためのものである。
【0015】
本発明の第5の観点に係るプログラムは、顧客(C-m)が使用する顧客端末(2-m)と、該顧客(C-m)にアバタ(A-m)を介して接客を行うオペレータ(O-n)が使用するオペレータ端末(3-n)と、にネットワーク(N)を介して接続された接客サーバ(4)のコンピュータに、前記オペレータ(O-n)が予め定められた動作を指令したときに前記オペレータ端末(3-n)から前記ネットワーク(N)を介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して、該ネットワーク(N)を介して前記顧客端末(2-m)上で前記アバタ(A-m)に、該定型動作指令により指令された該予め定められた動作を実行させて接客を行う処理を、該予め定められた動作を単位として構造化して機械学習を行い、該予め定められた動作を自動化する手順を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、効率的な接客を実現可能な接客サーバ、接客システム、接客方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る接客システムの構成例を示す図である。
図2】顧客端末の構成例を示すブロック図である。
図3】オペレータ端末の構成例を示すブロック図である。
図4】接客サーバの構成例を示すブロック図である。
図5】接客処理の詳細を示すフローチャートである。
図6】接客処理の続きを示すフローチャートである。
図7】接客処理の続きを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0019】
まず、本発明の実施形態に係る接客システムの構成について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
本実施形態に係る接客システムは、顧客とアバタとオペレータとの関係を実現するために、アバタのトランスポート(通信)と、ノーマライゼーション(正規化)と、レンダリング(描画)と、の処理の流れにおいて、従来とは異なる要素をもって実行する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る接客システムの構成例を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、接客システム1は、顧客C-m(mは自然数)が使用する複数の顧客端末2-mと、顧客C-mにアバタA-mを介して接客を行うオペレータO-n(nは自然数)が使用する複数のオペレータ端末3-nと、接客サーバ4と、を備え、これらは、インターネット等のネットワークNを介して相互に通信可能に接続される。
【0023】
接客システム1は、顧客C-mと対話可能なアバタA-mを顧客端末2-m上に出現させ、顧客C-mが音声でアバタA-mと対話し、オペレータO-nがアバタA-mを操作することで、オペレータO-nによるアバタA-mを介した接客を可能ならしめるものである。
【0024】
アバタA-mは、顧客端末2-mに対応して設けられ、如何なるオペレータO-nが操作しても、顧客端末2-m上に出現するアバタA-mは同一となるようになっている。
【0025】
顧客端末2-mは、例えば汎用のパーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン等から構成される。
【0026】
図2は、顧客端末の構成例を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、顧客端末2-mは、それぞれ、センサ20-mと、カメラ21-mと、マイクロフォン22-mと、ディスプレイ23-mと、スピーカ24-mと、記憶部25-mと、通信部27-mと、制御部28-mと、を備え、これらはバス等を介して接続される。
【0028】
センサ20-mは、例えば汎用の赤外線センサ等から構成される。センサ20-mは、顧客C-mの存在(来客)等を検知して検知信号を制御部28-mへ出力する。
【0029】
カメラ21-mは、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像素子を含む汎用のカメラ等から構成される。カメラ21-mは、アバタA-mと対話する顧客C-mの映像等を撮影して映像データを制御部28-mへ出力する。
【0030】
マイクロフォン22-mは、例えば汎用のマイクロフォン等から構成される。マイクロフォン22-mは、アバタA-mと対話する顧客C-mの音声等を電気信号(音声データ)に変換して制御部28-mへ出力する。
【0031】
ディスプレイ23-mは、例えば汎用の液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)等から構成される。ディスプレイ23-mは、顧客C-mと対話するアバタA-mの映像等を表示する。
【0032】
スピーカ24-mは、例えば汎用のスピーカ等から構成される。スピーカ25-mは、顧客C-mと対話するアバタA-mの音声等を出力する。
【0033】
記憶部25-mは、例えば汎用のフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等から構成される。記憶部25-mは、アバタA-mの目、鼻、口、髪型、骨格、肉付き、肌の色、及び服装等の位置、大きさ、物理特性、並びに衝突に関する属性を示す属性データ等を記憶する。
【0034】
通信部27-mは、例えば汎用の無線通信装置等から構成される。通信部27-mは、顧客C-mの存在を検知したことを通知する顧客検知通知、及び顧客C-mの動画像を表示したり、顧客C-mの音声を出力したりするためのオーディオ・ビジュアルデータ等をネットワークNを介して接客サーバ4に送信する。通信部27-mは、接客サーバ4からネットワークNを介して送信される、オーディオ・ビジュアルデータの送信を開始することを指令する送信開始指令、メタデータ、及びアバタA-mに予め定められた動作(定型動作)を指令する定型動作指令等を受信する。
【0035】
メタデータには、オペレータO-nの音声に関するメタデータ(Voice Metadata)、表情に関するメタデータ(Face Metadata)、 骨格に関するメタデータ(Body Metadata)、 及び手指に関するメタデータ(Hand Metadata)等が含まれる。なお、メタデータには、音声に関するメタデータに代えて、音声の読上(Text-to-Speech:TTS)を意図したテキストデータが含まれてもよく、この場合、テキストデータを音声データに変換し、これを音声に関するメタデータとして読み込めばよい。
【0036】
定型動作には、例えば、アバタA-mが顧客C-mに「何かお困りですか?」と尋ねる「挨拶1」の定型動作、アバタA-mが顧客C-mに設備に関する説明を行う「設備説明」の定型動作、及びアバタA-mが顧客C-mに「さようなら」と言う「挨拶2」の定型動作等が含まれる。
【0037】
制御部28-mは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等から構成される。CPUは、RAMをワークメモリとして用い、ROM及び記憶部25-mに記憶されているプログラム等を適宜実行することによって、顧客端末2-mの各種動作を制御する。
【0038】
本実施形態において、制御部28-mは、センサ20-mから検知信号が入力されたことに応答して、顧客検知通知を通信部27-mからネットワークNを介して接客サーバ4に送信する。なお、制御部28-mは、センサ20-mからの検知信号に加え、カメラ21-mから入力される映像データと、マイクロフォン22-mから入力される音声データと、から、顧客C-mの存在(来客)を検知してもよい。また、制御部28-mは、カメラ21-mから入力される映像データと、マイクロフォン22-mから入力される音声データと、から、顧客C-mの存在(来客)を検知してもよく、この場合、顧客端末2-mは、センサ20-mを備えなくてもよい。
【0039】
制御部28-mは、接客サーバ4からネットワークNを介して送信される送信開始指令を通信部27-mで受信したことに応答して、カメラ21-mから入力される映像データと、マイクロフォン22-mから入力される音声データと、からなるオーディオ・ビジュアルデータを生成して、通信部27-mからネットワークNを介して接客サーバ4に送信(送信)することを開始する。このように、制御部28-mは、オーディオ・ビジュアルデータの送信を常時行うのではなく、センサ20-mが顧客C-mの存在を検知したことに応答して開始することで、通信トラフィックの占有を回避することができる。
【0040】
その後、制御部28-mは、接客サーバ4からネットワークNを介して送信されるメタデータを通信部27-mで受信した場合、記憶部25-mに記憶されている属性データを使用して、メタデータに基づくアバタA-mの音声をスピーカ24-mから出力するとともに、メタデータに基づくアバタA-mの映像をディスプレイ23-mに表示することにより、オペレータO-nに対応する動作をアバタA-mに行わせる。
【0041】
具体的に、制御部28-mは、通信部27-mで受信したメタデータから、オペレータO-nの表情、骨格、及び手指に関するメタデータを取り出す。次に、制御部28-mは、取り出したメタデータと、現在ディスプレイ23-mにアバタA-mを描画しているメタデータと、の相違を補正する正規化プロセスを実行する。続いて、制御部28-mは、現在ディスプレイ23-mに描画しているアバタA-mの映像から、新たに受信したメタデータに基づくアバタA-mの映像へと滑らかに補間する正規化されたメタデータを先頭に、新たに受信したメタデータを連結して、アバタA-mの表情、骨格、及び手指を動かすための描画データを生成する。
【0042】
また、制御部28-mは、通信部27-mで受信したメタデータから、オペレータO-nの音声に関するメタデータを取り出す。続いて、制御部28-mは、取り出した音声に関するメタデータに基づいて、アバタA-mの音声のフレーズに合わせて口を動かすための描画データを生成する。
【0043】
そして、制御部28-mは、記憶部25-mに記憶されている属性データを使用して、音声に関するメタデータに基づくアバタA-mの音声をスピーカ24-mから出力するとともに、音声に関するメタデータが有する時刻ラベルを基本時刻として、生成した描画データに基づくアバタA-mの画像を描画して行くことで、音声のフレーズに合わせて口及び表情等が動くアバタA-mの映像をディスプレイ23-mに表示する。
【0044】
これに対して、制御部28-mは、接客サーバ4からネットワークNを介して送信される定型動作指令を通信部27-mで受信した場合、記憶部25-mに記憶されている属性データを使用して、定型動作指令に基づくアバタA-mの音声をスピーカ24-mから出力するとともに、定型動作指令に基づくアバタA-mの映像をディスプレイ23-mに表示することにより、アバタA-mに定型動作を行わせる。
【0045】
なお、本実施形態では、顧客端末2-m毎に制御部28-mを備えるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一の制御装置で全ての顧客端末2-mを制御してもよく、また、顧客端末2-mをグループ毎に複数の制御装置で制御してもよい。
【0046】
図1に示すオペレータ端末3-nは、オペレータO-nがアバタA-mを介して接客するためのもので、例えば汎用のパーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、又はスマートフォン等から構成される。
【0047】
図3は、オペレータ端末の構成例を示すブロック図である。
【0048】
図3に示すように、オペレータ端末3-nは、それぞれ、センサ30-nと、カメラ31-nと、マイクロフォン32-nと、ディスプレイ33-nと、スピーカ34-nと、操作部36-nと、通信部37-nと、制御部38-nと、を備え、これらはバス等を介して接続される。
【0049】
センサ30-nは、例えば汎用の赤外線センサ等から構成される。センサ30-nは、オペレータO-nの表情、骨格、及び手指等を検知して検知信号を制御部38-nへ出力する。
【0050】
カメラ31-nは、例えばCCD等の固体撮像素子を含む汎用のカメラ等から構成される。カメラ31-nは、アバタA-mを介して接客するオペレータO-nのしぐさの映像等を撮影して映像データを制御部38-nへ出力する。
【0051】
マイクロフォン32-nは、例えば汎用のマイクロフォン等から構成される。マイクロフォン32-nは、アバタA-mを介して接客するオペレータO-nの音声等を電気信号(音声信号)に変換して制御部38-nへ出力する。
【0052】
ディスプレイ33-nは、例えば汎用の液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)等から構成される。ディスプレイ33-nは、オペレータO-nに顧客C-mへの接客の開始を指示する接客開始指示画面、アバタA-mと対話する顧客C-mの映像、及びアバタA-mの定型動作を選択するための定型動作選択画面等を表示する。
【0053】
スピーカ34-nは、例えば汎用のスピーカ等から構成される。スピーカ25-mは、アバタA-mと対話する顧客C-mの音声等を出力する。
【0054】
操作部36-nは、例えば汎用のキーボード及びマウス等から構成される。操作部36-nは、オペレータO-nによって操作され、各種指示が入力される。本実施形態において、オペレータO-nは、定型動作選択画面に表示される定型動作の中から所望の定型動作を選択する。なお、ディスプレイ33-nと操作部36-nとは、例えば液晶表示装置とポインティングデバイスとを組み合わせた汎用のタッチパネル等から構成されてもよい。
【0055】
通信部37-nは、例えば汎用の無線通信装置等から構成される。通信部37-nは、接客サーバ4からネットワークNを介して送信される、オペレータO-nに顧客C-mへの接客の開始を指令する接客開始指令、及びオーディオ・ビジュアルデータ等を受信する。また、通信部37-nは、メタデータ、及びオペレータO-nが選択した定型動作を指令する定型動作指令等をネットワークNを介して接客サーバ4に送信する。
【0056】
制御部38-nは、例えばCPU、ROM、及びRAM等から構成される。CPUは、RAMをワークメモリとして用い、ROM及び図示せぬ記憶部に記憶されているプログラム等を適宜実行することによって、オペレータ端末3-mの各種動作を制御する。
【0057】
本実施形態において、制御部38-nは、接客サーバ4からネットワークNを介して送信される、送信先の顧客端末2-mを特定可能な接客開始指令を通信部37-nで受信したことに応答して、接客開始指示画面をディスプレイ33-nに表示して、オペレータO-nに顧客C-mへの接客の開始を指示する。
【0058】
また、制御部38-nは、オーディオ・ビジュアルデータを通信部37-nで受信したことに応答して、オーディオ・ビジュアルデータに含まれる音声データに基づく顧客C-mの音声をスピーカ34-nから出力するとともに、映像データに基づく顧客C-mの映像と、定型動作選択画面と、をディスプレイ33-nに表示する。
【0059】
さらに、制御部38-nは、オペレータO-nの状態をキャプチャして、接客開始指令から特定される送信先の顧客端末2-mを特定可能なメタデータを生成し、通信部37-nからネットワークNを介して接客サーバ4に送信する。
【0060】
具体的に、制御部38-nは、センサ30-nから入力される検知信号と、カメラ31-nから入力される映像データと、からオペレータO-nの表情、骨格、及び手指を抽出してデジタル化し、オペレータO-nの表情、骨格、及び手指に関するメタデータをそれぞれ生成する。また、制御部38-nは、マイクロフォン32-mから入力される音声データからオペレータO-nの音声を抽出してデジタル化し、オペレータO-nの音声に関するメタデータを生成する。そして、制御部38-nは、生成したメタデータを転送用の形式に整えるとともに、ネットワーク通信のためにパケット化して、通信部37-nからネットワークNを介して接客サーバ4に送信する。
【0061】
制御部38-nは、オペレータO-nが操作部36-nを操作して定型動作選択画面に表示される定型動作の中から所望の定型動作を選択したことに応答して、選択された定型動作を指定し、送信先の顧客端末2-mを特定可能な定型動作指令を、通信部37-nからネットワークNを介して接客サーバ4に送信する。
【0062】
なお、本実施形態では、オペレータ端末3-n毎に制御部38-nを備えるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一の制御装置で全てのオペレータ端末3-nを制御してもよく、また、オペレータ端末3-nをグループ毎に複数の制御装置で制御してもよい。
【0063】
図1に示す接客サーバ4は、例えば汎用のサーバコンピュータ及び汎用のデータベース等から構成される。なお、接客サーバ4は、一台のコンピュータで構成されるものに限定されず、複数台コンピュータで構成されるものであってもよいし、クラウドサーバで構成されるものであってもよい。
【0064】
図4は、接客サーバの構成例を示すブロック図である。
【0065】
図4に示すように、接客サーバ4は、記憶部45と、通信部47と、制御部48と、を備え、これらはバス等を介して接続される。なお、接客サーバ4は、顧客端末2-mからネットワークNを介して送信されるオーディオ・ビジュアルデータに含まれる音声データに基づく顧客C-mの音声を出力するための図示せぬスピーカ、及び映像データに基づく顧客C-mの映像を表示するための図示せぬディスプレイを備えてもよい。
【0066】
記憶部45は、例えば汎用のハードディスクドライブ等から構成される。記憶部45は、オペレータ管理テーブル、接客管理テーブル、及び定型動作管理テーブル等の各種テーブルを記憶する。なお、記憶部45は、接客の記録を記号化した構造として保存してもよいし、他のサービスのために保存してもよい。
【0067】
オペレータ管理テーブルは、オペレータO-nの状況を管理するためのもので、オペレータO-n毎に、そのオペレータO-nの接客数をカウントする接客カウンタと、そのオペレータO-nの状況を示す状況ポインタと、を対応付けて登録する。
【0068】
オペレータO-nが出勤前又は退勤後には、状況ポインタの値(以下、「状況ポイント値」という。)が初期値“0”にセットされる。オペレータO-nが出勤しているが接客していない待機中のときには、状況ポイント値が“1”にセットされる。アバタA-mを定型動作させることなく接客(以下、「献身的な接客」という。)している顧客C-mがいるときには、状況ポイント値が“2”にセットされる。オペレータO-nが全ての顧客C-mに対し、アバタA-mを定型動作させて接客しているときには、状況ポイント値が“3”にセットされる。
【0069】
オペレータO-nが出勤前又は退勤後、若しくは待機中には、接客カウンタの値(以下、「接客カウント値」という。)が初期値“0”にセットされる。接客カウント値は、接客が開始される毎に“1”ずつカウントアップされ、接客が終了する毎に“1”ずつカウントダウンされる。
【0070】
接客管理テーブルは、顧客端末2-m毎に、その顧客端末2-mを使用する顧客C-mを担当するオペレータO-nと、その顧客端末2-mで行われている定型動作と、その定型動作の残り期間をカウントダウンするための定型動作タイマと、を対応付けて登録する。
【0071】
定型動作管理テーブルは、定型動作毎に、その動作期間に対応するタイマ値を登録する。例えば、アバタA-mが顧客C-mに「何かお困りですか?」と尋ねる「挨拶1」の定型動作には、動作期間「10秒」に対応するタイマ値が登録されている。また、アバタA-mが顧客C-mに設備に関する説明を行う「設備説明」の定型動作には、動作期間「90秒」に対応するタイマ値が登録されている。さらに、アバタA-mが顧客C-mに「さようなら」と言う「挨拶2」の定型動作には、動作期間「10秒」に対応するタイマ値が登録されている。
【0072】
通信部47は、例えば汎用の無線通信装置等から構成される。通信部47は、顧客端末2-mからネットワークNを介して送信される顧客検知通知及びオーディオ・ビジュアルデータ等を受信する。また、通信部47は、送信開始指令、定型動作指令、及びメタデータ等をネットワークNを介して顧客端末2-mに送信する。
【0073】
通信部47は、接客開始指令及びオーディオ・ビジュアルデータ等をネットワークNを介してオペレータ端末3-nに送信する。また、通信部47は、オペレータ端末3-nからネットワークNを介して送信されるメタデータ及び定型動作指令等を受信する。
【0074】
制御部48は、例えばCPU、ROM、RAM、及びCTC(カウンタ/タイマ回路)等から構成される。CPUは、CTCから割込要求信号が入力される毎に、RAMをワークメモリとして用い、ROM及び図示せぬ記憶部に記憶されているプログラム等を適宜実行することによって、接客サーバ4の各種動作を制御する。
【0075】
本実施形態において、制御部48は、顧客端末2-mからネットワークNを介して送信される顧客検知通知を通信部47で受信したことに応答して、オペレータ管理テーブルにおいて、対応する状況ポイント値が“1”又は“3”となっている待機中又は定型動作による接客中のみのオペレータO-nの中から、顧客検知通知を送信した顧客端末2-mを使用する顧客C-mを担当するオペレータO-nを決定する。
【0076】
例えば、制御部48は、待機中のオペレータO-n及び定型動作で接客中のオペレータO-nの双方がいる場合、待機中のオペレータO-nを、定型動作で接客中のオペレータO-nに優先して、顧客C-mを担当するオペレータO-nに決定すればよい。また、制御部48は、待機中のオペレータO-nが複数いる場合、待機中のオペレータO-nの中から、今回の顧客C-mに最適のオペレータO-nを、顧客C-mを担当するオペレータO-nに決定してもよいし、ランダムに決定してもよい。さらに、制御部48は、定型動作による接客を行っているオペレータO-nが複数いる場合、定型動作の残り期間が最も長いオペレータO-nを、顧客C-mを担当するオペレータO-nに決定すればよい。
【0077】
続いて、制御部48は、決定したオペレータO-nを、顧客検知通知を送信した顧客端末2-mに対応付けて接客管理テーブルに登録する。また、制御部48は、オペレータ管理テーブルにおいて、決定したオペレータO-nに対応する状況ポイント値を“2”に更新するとともに、接客カウント値を“1”カウントアップする。そして、制御部48は、顧客検知通知を送信した顧客端末2-mを特定可能な接客開始指令を通信部47からネットワークNを介して、決定したオペレータO-nが使用するオペレータ端末3-nに送信する。
【0078】
制御部48は、送信開始指令を通信部47からネットワークNを介して、顧客検知通知を送信した顧客端末2-mに送信する。そして、制御部48は、顧客検知通知を送信した顧客端末2-mからネットワークNを介して送信されるオーディオ・ビジュアルデータを受信して、決定したオペレータO-nが使用するオペレータ端末3-nに転送することを開始する。
【0079】
制御部48は、オペレータ端末3-nからネットワークNを介して送信されるメタデータを通信部47で受信した場合、受信したメタデータを通信部47からネットワークNを介して、メタデータから特定される顧客端末2-mに転送する。
【0080】
制御部48は、オペレータ端末3-nからネットワークNを介して送信される定型動作指令を受信したと判別した場合、オペレータ管理テーブルにおいて、定型動作指令を送信したオペレータ端末3-nを使用するオペレータO-nに対応する状況ポイント値を“3”に更新する。また、制御部48は、定型動作管理テーブルにおいて、定型動作指令により指令された定型動作の動作期間に対応するタイマ値を特定する。続いて、制御部48は、特定したタイマ値を、接客管理テーブルにおいて、定型動作指令から特定される顧客端末2-mに対応する定型動作タイマにセットし、定型動作タイマによるカウントダウンを開始する。そして、制御部48は、オペレータ端末3-nから受信した定型動作指令を、通信部47からネットワークNを介して、定型動作指令から特定される顧客端末2-mに転送する。
【0081】
制御部48は、タイマ値が“0”となった定型動作タイマがある場合、定型動作が終了したとして、接客管理テーブルにおいて、その定型動作タイマに対応する顧客端末2-m、オペレータO-n、及び定型動作を特定する。
【0082】
制御部48は、特定した定型動作が、アバタA-mが顧客C-mに「さようなら」と言う「挨拶2」の定型動作以外である場合、オペレータ管理テーブルにおいて、特定したオペレータO-nに対応する状況ポイント値が“2”であるか否かを判別することにより、そのオペレータO-nが他の顧客C-mに献身的な接客を行っているか否かを判別する。
【0083】
ここで、オペレータO-nが一人で、複数の顧客C-mに献身的な接客を行おうとすると、同時に献身的な接客をすることは困難であるため、一の顧客C-mへの献身的な接客が終了するまで、他の顧客C-mは待たされることになり、不満を感じてしまう。そこで、本実施形態では、一人のオペレータO-nが担当する複数の顧客C-mに献身的な接客が必要となった場合、当該オペレータO-nは、一人の顧客C-mにのみ献身的な接客をし、他の顧客C-mについては、現在献身的な接客を行っていない他のオペレータO-nが一対一で担当するように変更される。これにより、一の顧客C-mへの献身的な接客が終了するまで、他の顧客C-mは待たされることがなくなるため、不満を感じることがなくなる。また、他の顧客C-mについては、アバタA-mを操作するオペレータO-nが接客の途中で変更されることになるが、アバタA-mは変更されないので、他の顧客C-mは、違和感を感じることなく、接客を受けることができる。
【0084】
具体的に、制御部48は、特定したオペレータO-nが他の顧客C-mに献身的な接客を行っている場合、定型動作による接客が終了した顧客C-mを担当するオペレータO-nを変更すべく、オペレータ管理テーブルにおいて、対応する状況ポイント値が“1”又は“3”となっている待機中又は定型動作による接客中のみのオペレータO-nの中から、その顧客C-mを新たに担当するオペレータO-nを決定する。
【0085】
続いて、制御部48は、接客管理テーブルにおいて、定型動作による接客が終了した顧客端末2-mに対応するオペレータを、決定した新たに担当するオペレータO-nに変更する。また、制御部48は、オペレータ管理テーブルにおいて、新たに担当するオペレータO-nに対応する状況ポイント値を“2”に更新するとともに、接客カウント値を“1”カウントアップする。一方、制御部48は、これまで担当していたオペレータO-nに対応する接客カウント値を“1”カウントダウンする。そして、制御部48は、定型動作による接客が終了した顧客C-mが使用する顧客端末2-mを特定可能な接客開始指令を通信部47からネットワークNを介して、新たに担当するオペレータO-nが使用するオペレータ端末3-nに送信する。
【0086】
制御部48は、定型動作による接客が終了した顧客C-mが使用する顧客端末2-mからネットワークNを介して送信されるオーディオ・ビジュアルデータを受信して、新たに担当するオペレータO-nが使用するオペレータ端末3-nに転送することを開始する。
【0087】
一方、制御部48は、状況ポイント値が“3”である場合、すなわち特定したオペレータO-nが他の顧客C-mに献身的な接客を行っていない場合、オペレータ管理テーブルにおいて、そのオペレータO-nに対応する状況ポイント値を“2”に更新する。
【0088】
これに対して、制御部48は、特定した定型動作が「挨拶2」の定型動作である場合、一の接客が終了したとして、オペレータ管理テーブルにおいて、特定したオペレータO-nに対応する接客カウント値を“1”減算して更新する。
【0089】
制御部48は、更新後の接客カウント値が“0”以外である場合、オペレータ管理テーブルにおいて、特定したオペレータO-nに対応する状況ポイント値を“2”に更新する。
【0090】
これに対して、制御部48は、更新後の接客カウント値が“0”である場合、特定したオペレータO-nの接客が全て終了したとして、オペレータ管理テーブルにおいて、そのオペレータO-nに対応する状況ポイント値を“1”に更新する。
【0091】
次に、上記構成を備える接客システム1が実行する動作について図面を参照して説明する。
【0092】
接客サーバ4では、制御部48のCPUがCTCから所定期間毎に送出される割込要求信号を受信して割込要求を受け付けると、接客処理を実行する。
【0093】
図5図7は、接客処理の詳細を示すフローチャートである。
【0094】
図5図7に示す接客処理において、接客サーバ4では、制御部48が、顧客端末2-mからネットワークNを介して送信される顧客検知通知を通信部47で受信したか否かを判別する(図5に示すステップS501)。
【0095】
制御部48は、顧客検知通知を受信したと判別した場合(ステップS501;Yes)、オペレータ管理テーブルにおいて、対応する状況ポイント値が“1”又は“3”となっている待機中又は定型動作による接客中のみのオペレータO-nの中から、顧客検知通知を送信した顧客端末2-mを使用する顧客C-mを担当するオペレータO-nを決定する(ステップS502)。
【0096】
次に、制御部48は、ステップS502で決定したオペレータO-nを、顧客検知通知を送信した顧客端末2-mに対応付けて接客管理テーブルに登録する(ステップS503)。
【0097】
また、制御部48は、オペレータ管理テーブルにおいて、ステップS502で決定したオペレータO-nに対応する状況ポイント値を“2”に更新するとともに(ステップS504)、接客カウント値を“1”カウントアップする(ステップS505)。
【0098】
続いて、制御部48は、顧客検知通知を送信した顧客端末2-mを特定可能な接客開始指令を通信部47からネットワークNを介して、ステップS502で決定したオペレータO-nが使用するオペレータ端末3-nに送信することにより(ステップS506)、接客開始指示画面をディスプレイ33-nに表示して、オペレータO-nに顧客C-mへの接客の開始を指示する。
【0099】
さらに、制御部48は、送信開始指令を通信部47からネットワークNを介して、顧客検知通知を送信した顧客端末2-mに送信して、顧客C-mのオーディオ・ビジュアルデータの送信を指令する(ステップS507)。
【0100】
そして、制御部48は、顧客検知通知を送信した顧客端末2-mからネットワークNを介して送信されるオーディオ・ビジュアルデータを受信して、ステップS502で決定したオペレータO-nが使用するオペレータ端末3-nに転送することを開始する(ステップS508)。
【0101】
制御部48は、顧客検知通知を受信していないと判別した場合(ステップS501;No)、又はステップS508の処理の実行後、オペレータ端末3-nからネットワークNを介して送信されるメタデータを通信部47で受信したか否かを判別する(ステップS509)。
【0102】
制御部48は、メタデータを受信したと判別した場合(ステップS509;Yes)、メタデータを、通信部47からネットワークNを介して、メタデータから特定される顧客端末2-mに転送して、メタデータに基づくアバタA-mの音声をスピーカ24-mから出力させるとともに、メタデータに基づくアバタA-mの映像をディスプレイ23-mに表示させることにより、オペレータO-nに対応する動作をアバタA-mに行わせる(ステップS510)。
【0103】
制御部48は、メタデータを受信していないと判別した場合(ステップS509;No)、又はステップS510の処理の実行後、接客管理テーブルに登録されている定型動作タイマにおけるタイマ値を“1”減算して更新する(ステップS511)。
【0104】
そして、制御部48は、更新後のタイマ値が“0”となった定型動作タイマがあるか否かを判別する(ステップS512)。
【0105】
制御部48は、更新後のタイマ値が“0”となった定型動作タイマがある場合(ステップS512;Yes)、定型動作が終了したとして、接客管理テーブルにおいて、その定型動作タイマに対応する顧客端末2-n、オペレータO-n、及び定型動作を特定する(図6に示すステップS513)。
【0106】
続いて、制御部48は、ステップS513で特定した定型動作が、アバタA-mが顧客C-mに「さようなら」と言う「挨拶2」の定型動作であるか否かを判別する(ステップS514)。
【0107】
制御部48は、ステップS513で特定した定型動作が「挨拶2」の定型動作である場合(ステップS514;Yes)、一の接客が終了したとして、オペレータ管理テーブルにおいて、ステップS513で特定したオペレータO-nに対応する接客カウント値を“1”減算して更新する(ステップS515)。
【0108】
そして、制御部48は、更新後の接客カウント値が“0”であるか否かを判別する(ステップS516)。
【0109】
制御部48は、ステップS513で特定した定型動作が「挨拶2」以外の定型動作である場合(ステップS514;No)、又は更新後の接客カウント値が“0”以外である場合(ステップS516;No)、オペレータ管理テーブルにおいて、ステップS513で特定したオペレータO-nに対応する状況ポイント値が“2”であるか否かを判別することにより、そのオペレータO-nが他の顧客C-mに献身的な接客を行っているか否かを判別する(ステップS517)。
【0110】
制御部48は、状況ポイント値が“2”である場合、すなわちステップS513で特定したオペレータO-nが他の顧客C-mに献身的な接客を行っている場合(ステップS517;Yes)、定型動作による接客が終了した顧客C-mを担当するオペレータO-nを変更すべく、オペレータ管理テーブルにおいて、対応する状況ポイント値が“1”又は“3”となっている待機中又は定型動作による接客中のみのオペレータO-nの中から、その顧客C-mを新たに担当するオペレータO-nを決定する(ステップS518)。
【0111】
次に、制御部48は、接客管理テーブルにおいて、ステップS513で特定した、定型動作による接客が終了した顧客端末2-mに対応するオペレータを、ステップS518で決定した新たに担当するオペレータO-nに変更する(ステップS519)。
【0112】
また、制御部48は、オペレータ管理テーブルにおいて、ステップS518で決定した新たに担当するオペレータO-nに対応する状況ポイント値を“2”に更新するとともに(ステップS520)、接客カウント値を“1”カウントアップする(ステップS521)。
【0113】
一方、制御部48は、オペレータ管理テーブルにおいて、ステップS513で特定した、これまで担当していたオペレータO-nに対応する接客カウント値を“1”カウントダウンする(ステップS522)。
【0114】
続いて、制御部48は、ステップS513で特定した、定型動作による接客が終了した顧客C-mが使用する顧客端末2-mを特定可能な接客開始指令を通信部47からネットワークNを介して、ステップS518で決定した新たに担当するオペレータO-nが使用するオペレータ端末3-nに送信することにより(ステップS523)、接客開始指示画面をディスプレイ33-nに表示して、新たに担当するオペレータO-nに接客の開始を指示する。
【0115】
そして、制御部48は、ステップS513で特定した、定型動作による接客が終了した顧客端末2-mからネットワークNを介して送信されるオーディオ・ビジュアルデータを受信して、ステップS518で決定した新たに担当するオペレータO-nが使用するオペレータ端末3-nに転送することを開始する(図7に示すステップS524)。
【0116】
一方、制御部48は、状況ポイント値が“3”である場合、すなわちステップS513で特定したオペレータO-nが他の顧客C-mに献身的な接客を行っていない場合(ステップS517;No)、オペレータ管理テーブルにおいて、そのオペレータO-nに対応する状況ポイント値を“2”に更新する(ステップS525)。
【0117】
これに対して、制御部48は、更新後の接客カウント値が“0”である場合(ステップS516;Yes)、ステップS513で特定したオペレータO-nの接客が全て終了したとして、オペレータ管理テーブルにおいて、そのオペレータO-nに対応する状況ポイント値を“1”に更新する(ステップS526)。
【0118】
制御部48は、更新後のタイマ値が“0”となった定型動作タイマがない場合(ステップS512;No)、若しくはステップS524又はS525の処理の実行後、オペレータ端末3-nからネットワークNを介して送信される定型動作指令を通信部47で受信したか否かを判別する(ステップS527)。
【0119】
制御部48は、定型動作指令を受信したと判別した場合(ステップS527;Yes)、オペレータ管理テーブルにおいて、定型動作指令を送信したオペレータ端末3-nを使用するオペレータO-nに対応する状況ポイント値を“3”に更新する(ステップS528)。
【0120】
また、制御部48は、定型動作管理テーブルにおいて、定型動作指令により指令された定型動作の動作期間に対応するタイマ値を特定する(ステップS529)。
【0121】
続いて、制御部48は、ステップS529で特定したタイマ値を、接客管理テーブルにおいて、定型動作指令から特定される顧客端末2-mに対応する定型動作タイマにセットし、定型動作タイマによるカウントダウンを開始する(ステップS530)。
【0122】
そして、制御部48は、オペレータ端末3-nから受信した定型動作指令を、通信部47からネットワークNを介して、定型動作指令から特定される顧客端末2-mに転送して、定型動作指令に基づくアバタA-mの音声をスピーカ24-mから出力させるとともに、定型動作指令に基づくアバタA-mの映像をディスプレイ23-mに表示させることにより、アバタA-mに定型動作を行わせる(ステップS531)。
【0123】
続いて、上記の接客処理を実行する接客システム1の動作について、具体例を挙げつつより詳細に説明する。
【0124】
まず、顧客端末(第1顧客端末)2-1では、センサ20-1が顧客(第1顧客)C-1の存在を検知して検知信号を制御部28-1に出力すると、制御部28-1は、顧客検知通知を通信部27-1からネットワークNを介して接客サーバ4に送信する。
【0125】
接客サーバ4では、制御部48が、顧客端末2-1からネットワークNを介して送信される顧客検知通知を受信したことに応答して(図5に示すステップS501;Yes)、待機中のオペレータO-1を、顧客C-1を担当するオペレータに決定する場合(ステップS502)、オペレータO-1を顧客端末2-1に対応付けて接客管理テーブルに登録する(ステップS503)。そして、制御部48は、オペレータO-1に対応する状況ポイント値を“2”に更新してから(ステップS504)、顧客端末2-1を特定可能な接客開始指令を通信部47からネットワークNを介して、オペレータ(第1オペレータ)O-1が使用するオペレータ端末(第1オペレータ端末)3-1に送信する(ステップS506)。
【0126】
オペレータ端末3-1では、制御部38-1が、接客サーバ4からネットワークNを介して送信される接客開始指令を通信部37-1で受信したことに応答して、接客開始指示画面をディスプレイ33-1に表示して、オペレータO-1に顧客C-1への接客の開始を指示する。そして、制御部38-1は、オペレータO-1が、アバタA-1が顧客C-1に「何かお困りですか?」と尋ねる「挨拶1」の定型動作を選択したことに応答して、「挨拶1」の定型動作を指定する定型動作指令を、通信部37-1からネットワークNを介して接客サーバ4に送信する。
【0127】
接客サーバ4では、オペレータ端末3-1からネットワークNを介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して(ステップS527;Yes)、オペレータO-1に対応する状況ポイント値を“3”に更新するともに(ステップS528)、「挨拶1」の定型動作の動作期間「10秒」に対応するタイマ値を、顧客端末2-1に対応する定型動作タイマにセットし、定型動作タイマによるカウントダウンを開始してから(ステップS530)、定型動作指令を通信部47からネットワークNを介して顧客端末2-1に転送する(ステップS531)。
【0128】
顧客端末2-1では、制御部28-1が、接客サーバ4からネットワークNを介して送信される定型動作指令を通信部27-1で受信したことに応答して、アバタA-1が顧客C-1に「何かお困りですか?」と尋ねる「挨拶1」の定型動作を行わせる。
【0129】
接客サーバ4では、制御部48が、顧客端末2-1に対応する定型動作タイマにおけるタイマ値が“0”となると、「挨拶1」の定型動作が終了したとして、オペレータO-1に対応する状況ポイント値を“2”に更新する(ステップS517)。
【0130】
「挨拶1」の定型動作の終了後、オペレータO-1がアバタA-1を定型動作させることなく顧客C-1と「やり取り」を行う場合、オペレータ端末3-1では、制御部38-1が、メタデータを生成して接客サーバ4を介して顧客端末2-1に送信する(ステップS510)。
【0131】
顧客端末2-1では、制御部28-1が、接客サーバ4からネットワークNを介して送信されるメタデータを通信部27-1で受信したことに応答して、オペレータO-1に対応する動作をアバタA-1に行わせる。これにより、アバタA-1を介してオペレータO-1と顧客C-1との間で「やり取り」が、例えば約10秒間行われる。
【0132】
そして、この「やり取り」で顧客C-1が設備に関する説明を希望した場合、オペレータ端末3-1では、制御部38-1が、オペレータO-1が、アバタA-1が顧客C-1に設備についての説明を行う「設備説明」の定型動作を選択したことに応答して、「設備説明」の定型動作を指定する定型動作指令を、通信部37-1からネットワークNを介して接客サーバ4に送信する。
【0133】
接客サーバ4では、オペレータ端末3-1からネットワークNを介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して(ステップS527;Yes)、オペレータO-1に対応する状況ポイント値を再度“3”に更新するとともに(ステップS528)、「設備説明」の定型動作の動作期間「90秒」に対応するタイマ値を、顧客端末2-1に対応する定型動作タイマにセットし、定型動作タイマによるカウントダウンを開始してから(ステップS530)、定型動作指令を通信部47からネットワークNを介して顧客端末2-1に転送する(ステップS531)。
【0134】
顧客端末2-1では、制御部28-1が、接客サーバ4からネットワークNを介して送信される定型動作指令を通信部27-1で受信したことに応答して、アバタA-1が顧客C-1に設備についての説明を行う「設備説明」の定型動作を行わせる。
【0135】
接客サーバ4では、制御部48が、顧客端末2-1に対応する定型動作タイマにおけるタイマ値が“0”となると、「設備説明」の定型動作が終了したとして、オペレータO-1に対応する状況ポイント値を再度“2”に更新する(ステップS517)。
【0136】
「設備説明」の定型動作の終了後、「設備説明」について顧客C-1から質問があり、オペレータO-1がアバタA-1を定型動作させることなく顧客C-1に「適宜対応」する場合、オペレータ端末3-1では、制御部38-1が、メタデータを生成して通信部37-1から接客サーバ4を介して顧客端末2-1に送信する(ステップS510)。
【0137】
顧客端末2-1では、制御部28-1が、接客サーバ4からネットワークNを介して送信されるメタデータを通信部27-1で受信した場合、オペレータO-1がアバタA-1を介して「適宜対応」することが例えば約30秒間行われる。
【0138】
顧客C-1からの質問がなくなり、顧客C-1との接客を終了する場合、オペレータ端末3-1では、制御部38-1が、オペレータO-1が、アバタA-1が顧客C-1に「さようなら」と言う「挨拶2」の定型動作を選択したことに応答して、「挨拶2」の定型動作を指定する定型動作指令を、通信部37-1からネットワークNを介して接客サーバ4に送信する。
【0139】
接客サーバ4では、オペレータ端末3-1からネットワークNを介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して(ステップS527;Yes)、オペレータO-1に対応する状況ポイント値を“3”に更新するとともに(ステップS528)、「挨拶2」の定型動作の動作期間「10秒」に対応するタイマ値を、顧客端末2-1に対応する定型動作タイマにセットし、定型動作タイマによるカウントダウンを開始してから(ステップS530)、定型動作指令を通信部47からネットワークNを介して顧客端末2-1に転送する(ステップS531)。
【0140】
顧客端末2-1では、制御部28-1が、接客サーバ4からネットワークNを介して送信される定型動作指令を通信部27-1で受信したことに応答して、アバタA-1が顧客C-1に「さようなら」と言う「挨拶2」の定型動作を行わせる。
【0141】
接客サーバ4では、制御部48が、顧客端末2-1に対応する定型動作タイマにおけるタイマ値が“0”となると、「挨拶2」の定型動作が終了したとして、オペレータO-1による顧客C-1への接客を終了する。
【0142】
これにより、10秒の「挨拶1」と、約10秒の「やり取り」と、90秒の「設備説明」と、約30秒の「適宜対応」と、10秒の「挨拶2」と、からなる約150秒の顧客C-1への接客が終了する。この約150秒の顧客C-1への接客のうち、大部分の110秒間は、アバタA-1の定型動作によるもので、顧客C-1との「やり取り」及び「適宜対応」等、オペレータO-1による献身的な接客が必要となるのは、約40秒間に過ぎないため、オペレータO-1の負担を低減することができる。
【0143】
上記の具体例において、オペレータO-1がアバタA-1による「設備説明」の定型動作で顧客C-1を接客しているときに、接客サーバ4で、制御部48が、顧客端末(第2顧客端末)2-2からネットワークNを介して送信される顧客検知通知を受信したことに応答して(図5に示すステップS501;Yes)、オペレータO-1を顧客(第2顧客)C-2をも担当するオペレータに決定した場合(ステップS502)、オペレータO-1を顧客端末2-1に加えて顧客端末2-2にも対応付けて接客管理テーブルに登録する(ステップS503)。
【0144】
そして、制御部48は、オペレータ管理テーブルにおいて、オペレータO-1に対応する状況ポイント値を“2”に更新してから(ステップS504)、顧客端末2-2を特定可能な接客開始指令を通信部47からネットワークNを介して、オペレータO-1が使用するオペレータ端末3-1に送信する(ステップS506)。
【0145】
このように、制御部48は、オペレータO-1が顧客C-1が使用する顧客端末2-1上でアバタA-1を介して顧客C-1を接客している場合において、顧客C-2が使用する顧客端末2-2からネットワークNを介して送信される顧客検知通知を受信したとき、オペレータO-1に対応する状況ポイント値が“3”であることを条件に、すなわち顧客端末2-1上でアバタA-1が予め定められた動作(定型動作)をしていることを条件に、顧客C-1を接客しているオペレータO-1に顧客C-2への接客の開始を指令する接客開始指令をネットワークNを介してオペレータ端末3-1に送信する。
【0146】
オペレータ端末3-1では、制御部38-1が、接客サーバ4からネットワークNを介して送信される接客開始指令を通信部37-1で受信したことに応答して、接客開始指示画面をディスプレイ33-1に表示して、オペレータO-1に顧客C-2への接客の開始を指示する。これにより、オペレータO-1は、アバタA-1による「設備説明」の定型動作で顧客C-1を接客する一方で、アバタA-2を介して顧客C-2をも接客することができる。
【0147】
このように、接客システム1では、m人の顧客C-mにm体のアバタA-mをそれぞれ一対一対応させている。そして、一のオペレータO-nは、定型動作を用いることで、マンツーマンでの接客と同等の質を維持しつつ、複数のアバタA-mを介して複数の接客を同時並行で行うことができる。さらに、接客の定型動作化を進めることで、献身的な接客にかかる時間、すなわち顧客一人当りの接客コストを低減させることができる。
【0148】
その後、オペレータO-1が顧客C-2に献身的な接客を行っているときに(ステップS517;Yes)、アバタA-1による「設備説明」の定型動作が終了して顧客C-1にも献身的な接客が必要となった場合(ステップS512;Yes、ステップS514;No)、オペレータO-1が一人で顧客C-1及びC-2の双方に献身的な接客を行うことは困難であることから、待機中又は定型動作による接客中のみのオペレータ(第2オペレータ)O-2を、新たに顧客C-1を担当するオペレータに決定する(ステップS518)。なお、制御部48は、待機中又は定型動作による接客中のみのオペレータO-2を、顧客C-1ではなく顧客C-2を新たに担当するオペレータに決定してもよい。
【0149】
制御部48は、接客管理テーブルにおいて、顧客端末2-1に対応するオペレータを、新たに担当するオペレータO-2に変更する(ステップS519)。
【0150】
そして、制御部48は、オペレータ管理テーブルにおいて、新たに担当するオペレータO-2に対応する状況ポイント値を“2”に更新してから(ステップS520)、顧客端末2-1を特定可能な接客開始指令を通信部47からネットワークNを介して、オペレータO-2が使用するオペレータ端末(第2オペレータ端末)3-2に送信する(ステップS523)。
【0151】
オペレータ端末3-2では、制御部38-2が、接客サーバ4からネットワークNを介して送信される接客開始指令を通信部37-2で受信したことに応答して、接客開始指示画面をディスプレイ33-1に表示して、オペレータO-2に顧客C-1への接客の開始を指示する。これにより、オペレータO-1は、アバタA-2を介して顧客C-2にのみ献身的な接客をする一方で、オペレータO-2は、アバタA-1を介して顧客C-1にのみ献身的な接客をすることができるため、顧客C-1を待たせることなく献身的な接客をすることができる。また、顧客C-1を担当するオペレータが、オペレータO-1からオペレータO-2に変更されても、アバタA-1は変更されないため、顧客C-1に違和感を感じさせることなく、接客をすることができる。
【0152】
このように、制御部48は、オペレータ端末3-1を使用するオペレータO-1が顧客C-1及びC-2の双方に献身的な接客する必要が生じた場合、オペレータO-1に代わってオペレータO-2に顧客C-1への接客の開始を指令する接客開始指令をネットワークNを介して、オペレータO-2が使用するオペレータ端末3-2に送信する。なお、制御部48は、待機中又は定型動作による接客中のみのオペレータO-2を、顧客C-1ではなく顧客C-2を新たに担当するオペレータに決定する場合、オペレータO-2に顧客C-2への接客の開始を指令する接客開始指令をネットワークNを介して、オペレータO-2が使用するオペレータ端末3-2に送信すればよい。
【0153】
以上説明したように、本実施形態に係る接客システム1は、顧客C-mが使用する顧客端末2-mと、顧客C-mにアバタA-mを介して接客を行うオペレータO-nが使用するオペレータ端末3-nと、接客サーバ4と、を備え、これらはネットワークNを介して接続されている。
【0154】
接客サーバ4は、オペレータO-nが予め定められた動作(定型動作)を指令したときにオペレータ端末3-nからネットワークNを介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して(ステップS527;Yes)、ネットワークNを介して顧客端末2-m上でアバタA-mに、定型動作指令により指令された定型動作をさせて接客を行う(ステップS531)。
【0155】
このように、本実施形態に係る接客システム1によれば、オペレータO-nは、アバタA-mに定型動作をさせることで、常に献身的な接客をしなくてもよくなるので、接客サーバ4、ひいては接客システム1は、効率的な接客を実現できる。
【0156】
また、接客サーバ4は、顧客C-mを検知したときに顧客端末2-mからネットワークNを介して送信される顧客検知通知を受信したことに応答して(ステップS501;Yes)、オペレータO-nに顧客C-mへの接客の開始を指令する接客開始指令をネットワークNを介してオペレータ端末3-nに送信する(ステップS506)。
【0157】
そして、接客サーバ4は、オペレータO-nが顧客(第1顧客)C-1が使用する顧客端末(第1顧客端末)2-1上でアバタA-1を介して顧客C-1を接客している場合において、顧客C-2が使用する顧客端末2-2からネットワークNを介して送信される顧客検知通知を受信したとき(ステップS501;Yes)、オペレータO-nに対応する状況ポイント値が“3”であることを条件に、すなわち顧客端末2-1上でアバタA-1が定型動作をしていることを条件に(ステップS502参照)、顧客C-1を接客しているオペレータO-1に顧客C-2への接客の開始を指令する接客開始指令をネットワークNを介してオペレータ端末3-1に送信する(ステップS506)。
【0158】
このように、定型動作を自律動作するアバタA-mをベースに自律運用し、顧客C-mとアバタA-mとの間の関係(顧客C-1対アバタA-1、及び顧客C-2対アバタA-2等)を一対一に保ちながら、実質一人のオペレータO-nが複数体のアバタA-mを介して複数人の顧客C-m(アバタA-1を介して顧客C-1、及びアバタA-2を介して顧客C-2等)に対して接客業務を行うことが可能になる。これにより、一人の顧客C-mに対して一体のアバタA-m(顧客C-1に対してアバタA-1、及び顧客C-2に対してアバタA-2等)をもって接客することで一対一の接客品質を維持しながら、複数体のアバタA-m(アバタA-1及びA-2等)を一人のオペレータO-nが操作するという複数対一の接客を実現し、顧客C-m一人当たりの接客にかかる人件費単価を下げることができる。この結果、接客サーバ4、ひいては接客システム1は、効率的な接客を実現できる。
【0159】
接客サーバ4は、オペレータ端末(第1オペレータ端末)3-1を使用するオペレータ(第1オペレータ)O-1が顧客(第1及び第2顧客)C-1及びC-2の双方に、アバタA-1及びA-2を予め定めた動作をさせないで接客(献身的な接客)する必要が生じた場合、オペレータO-1に代わってオペレータO-2に顧客C-1及びC-2のいずれかへの接客(上記の例では顧客C-1)の開始を指令する接客開始指令をネットワークNを介して、オペレータ(第2オペレータ)O-2が使用するオペレータ端末(第2オペレータ端末)3-2に送信する。
【0160】
このように、一体のアバタA-1を複数人のオペレータO-1及びO-2等が操作することで、顧客C-1の接客にレスポンスの遅れが発生し、4秒以上待たせて不満を感じさせてしまうといった問題を解決することができる。また、一対複数の操作を実装することで、オペレータO-nのチームによるアバタA-mの操作が可能になり、統計的な遅延対策をもって極限まで接客効率を高めることができる。この結果、接客サーバ4、ひいては接客システム1は、効率的な接客を実現できる。
【0161】
さらに、本実施形態の接客業務の流れで、定型動作は、モジュールとして接客業務フロー(流れ)の単位として構造化されている。また、接客で頻繁に発生する「やり取り」に関しては、今後定型化し、顧客C-mの質問をモジュール選択の条件として記号化が期待できる。モジュールと、モジュールを選択する条件と、を記号化することで、教師付機械学習が可能となる。すなわち、接客システム1は、定型動作を使った構造化により、接客を効率的に機械学習するプラットフォームとしての機能することができる。
【0162】
具体的に、顧客端末2-mでは、制御部28-mが、センサ20-mからの検知信号の入力、並びにカメラ21-mから入力される映像データ及びマイクロフォン22-mから入力される音声データからなるオーディオ・ビジュアルデータ等を使って、顧客C-mの存在(来客)を検知し、顧客検知通知を通信部27-mからネットワークNを介して接客サーバ4に送信する。
【0163】
次に、接客サーバ4では、制御部48が、送信開始指令を通信部47からネットワークNを介して顧客端末2-mに送信することにより、顧客端末2-mからネットワークNを介してオーディオ・ビジュアルデータを取得してテキストデータに変換する。そして、制御部48は、テキストデータを、顧客C-mの状態(反応)及び意図を示すデータとして記憶部45に記憶する。
【0164】
一方、制御部48は、オペレータ端末3-nからネットワークNを介して送信されるメタデータを通信部47で受信し、メタデータに含まれるオペレータO-nの音声(発話)に関するメタデータ(アバタA-mのオーディオ情報)をテキストデータに変換する。そして、制御部48は、オペレータO-nの意図及び選択を示すデータとして記憶部45に記憶する。
【0165】
そして、制御部48は、記憶部45に記憶された顧客C-mの状態(反応)及び意図を示すデータ並びにオペレータO-nの意図及び選択を示すデータから、顧客C-mとオペレータO-nとの動作を含めた接客業務フローを定型動作の単位としてグラフ教材とする。より具体的に、制御部48は、実行した定型動作をノード化し、記憶部45に記憶された顧客C-mの状態(反応)及び意図を示すデータ並びにオペレータO-nの意図及び選択を、エッジとして記憶部45に記録する。これにより、従来型の機械学習で不可避だった中間層の増大が抑制され、機械学習の反復を単純化することができる。
【0166】
このように、接客サーバ4は、オペレータが予め定められた動作(定型動作)を指令したときにオペレータ端末3-nからネットワークNを介して送信される定型動作指令を受信したことに応答して、ネットワークNを介して顧客端末2-m上でアバタA-mに、定型動作指令により指令された定型動作を実行させて接客を行う処理を、定型動作を単位として構造化して機械学習を行い、定型動作を自動化する。
【0167】
このような定型動作をモジュールとして構成する処理により、接客システム1は、接客そのものを効率化すると同時に接客を効率的に機械学習し、オペレータO-nの関与を次第に減少させることができ、より効率的な接客を実現できる。
【0168】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施形態の変形態様について、説明する。
【0169】
上記の実施形態において、制御部28-m、38-n、及び48のCPUが実行するプログラムは、予めROM等に記憶されていた。しかしながら、本発明は、これに限定されず、上述の処理を実行させるためのプログラムを、既存の汎用コンピュータに適用することで、上記の実施形態に係る顧客端末2-m、オペレータ端末3-n、及び接客サーバ4として機能させてもよい。
【0170】
このようなプログラムの提供方法は任意であり、例えばコンピュータが読取可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM等)に格納して配布してもよいし、インターネット等のネットワーク上のストレージにプログラムを格納しておき、これをダウンロードさせることにより提供してもよい。
【0171】
また、上記の処理をOSとアプリケーションプログラムとの分担、又はOSとアプリケーションプログラムとの協働によって実行する場合には、アプリケーションプログラムのみを記録媒体やストレージに格納してもよい。また、搬送波にプログラムを重畳し、ネットワークを介して送信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)に上記プログラムを掲示し、ネットワークを介してプログラムを送信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0172】
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明の一実施例を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0173】
1 接客システム
2-m 顧客端末
3-n オペレータ端末
4 接客サーバ
20-m,30-n センサ
21-m,31-n カメラ
22-m,32-n マイクロフォン
23-m,33-n ディスプレイ
24-m,34-n スピーカ
25-m,45 記憶部
36-n 操作部
27-m,37-n,47 通信部
28-m,38-n,48 制御部
A-m アバタ
C-m 顧客
O-n オペレータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7