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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039870
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
A63F7/02 326C
A63F7/02 310Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144567
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】椿谷 悠
(72)【発明者】
【氏名】吉村 一世
(72)【発明者】
【氏名】石黒 隆行
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088DA09
2C088DA15
2C088EA26
(57)【要約】
【課題】より好適に着脱部材を取り外すことができる遊技機を提供する。
【解決手段】ベース部材301の切替部312に窪み部315を設けた。これにより、貫通孔318から挿入された外部治具Jの先端部によって窪み部315が後方に押され、その力が付与されて弾性片が後方へ向かって弾性変形することで、爪部が第1係合突部323aと当接しない位置まで退避し、取付維持状態から取付解除状態に切り替えられることになる。その後、看板本体302を取り外すために上方向にスライドすると、看板本体302が外部治具Jに当接することになるが、窪み部315内に外部治具Jが留まり易いため、看板本体302が当接した衝撃によって外部治具Jが予期せず移動して切替部312に対する力の付与が作用しなくなるといったことを抑制できる。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機本体と、
該遊技機本体に設けられるベース部材と該ベース部材に対して着脱可能な着脱部材と、を含む遊技機であって、
前記ベース部材は、前記着脱部材と係合して前記着脱部材の移動を規制して取付状態を維持する取付維持状態と、前記取付維持状態を解除して前記着脱部材の移動を可能とする取付解除状態とを切替可能な切替部を有し、
前記切替部は外部治具により前記取付維持状態から前記取付解除状態に切り替えられ、
前記着脱部材は、前記外部治具により前記切替部が前記取付解除状態に維持された状態で、前記ベース部材から取り外す方向に移動された際に前記外部治具と当接することで、前記ベース部材から外れる方向への移動が規制されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記切替部は、前記外部治具から力が付与されることで弾性変形して前記取付維持状態から前記取付解除状態に切り替えられることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記切替部は、前記取付状態において前記着脱部材と係合する爪部と、前記外部治具から力が付与される際に当接するとともに前記外部治具の先端部を挿入可能な窪み部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記着脱部材は、インナーレールを有し、該インナーレールを前記ベース部材のアウターレールに挿通した状態で前記ベース部材に対してスライド移動可能に構成されるものであり、
前記着脱部材は、前記着脱部材を前記ベース部材から取り外す方向にスライド移動させる際に先端となる位置に前記爪部と係合する係合突部と、前記取り外す方向にスライド移動させる際に前記先端とは反対となる位置に前記係合突部の厚さよりも薄い薄肉部と、を有することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記着脱部材は、前記遊技機本体の他の装飾品との接触を回避する切欠き部を有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項6】
遊技機本体に設けられるベース部材と該ベース部材に対して着脱可能な着脱部材とを備えた遊技機用着脱ユニットであって、
前記ベース部材は、前記着脱部材と係合して前記着脱部材の移動を規制して取付状態を維持する取付維持状態と、前記取付維持状態を解除して前記着脱部材の移動を可能とする取付解除状態とを切替可能な切替部を有し、
前記切替部は外部治具により前記取付維持状態から前記取付解除状態に切り替えられ、
前記着脱部材は、前記外部治具により前記切替部が前記取付解除状態に維持された状態で、前記ベース部材から取り外す方向に移動された際に前記外部治具と当接することで、前記ベース部材から外れる方向への移動が規制されることを特徴とする遊技機用着脱ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、パチンコ遊技機に対して着脱可能に構成された着脱部材が取り付け可能とされている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、着脱部材の一例として表示プレートが示されている。特許文献1のベース部材(特許文献1では「プレート挟持部」と示す)は、対向する側壁の内側に複数の凸条が交互に形成されている。この凸条の幅方向間隔は、着脱部材(特許文献1では「表示プレート」と示す)の板厚よりも少し幅狭とされているため、ベース部材に着脱部材を差し込むと、着脱部材が凸条によって左右方向から挟持されることで着脱部材の移動が規制され、着脱部材がベース部材に取り付けられる。一方、挿入方向と反対方向に着脱部材を移動させると、凸条による挟持状態が解除され、着脱部材が取り外される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平06-026973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、外部治具を用いて、ベース部材に取り付けられて取付維持状態にある着脱部材を取付解除状態とすることが考えられる。
しかしながら、取り外し時の力加減によっては、予想以上に勢いよく着脱部材が取り外されることがあるため、取り外しの面で改良の余地が残されていた。
【0005】
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、より好適に着脱部材を取り外すことができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、遊技機本体と、該遊技機本体に設けられるベース部材と該ベース部材に対して着脱可能な着脱部材と、を含む遊技機であって、前記ベース部材は、前記着脱部材と係合して前記着脱部材の移動を規制して取付状態を維持する取付維持状態と、前記取付維持状態を解除して前記着脱部材の移動を可能とする取付解除状態とを切替可能な切替部を有し、前記切替部は外部治具により前記取付維持状態から前記取付解除状態に切り替えられ、前記着脱部材は、前記外部治具により前記切替部が前記取付解除状態に維持された状態で、前記ベース部材から取り外す方向に移動された際に前記外部治具と当接することで、前記ベース部材から外れる方向への移動が規制されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、より好適に着脱部材を取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】パチンコ遊技機の斜視図である。
図2】パチンコ遊技機の正面図である。
図3】パチンコ遊技機の遊技機枠を示す斜視図である。
図4】主制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図5】サブ制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図6】ベース部材の斜視図である。
図7】板状部からアウターレールを取り外した状態を示すベース部材の斜視図である。
図8】看板本体の斜視図である。
図9】ベース部材に対して看板本体が取り付けられた取付維持状態における窪み部の左右方向中央で看板ユニットを切断した状態を示す断面図である。
図10】取付解除状態における窪み部の左右方向中央で看板ユニットを切断した状態を示す断面図である。
図11】ベース部材に対して看板本体が取り付けられた取付維持状態における看板本体の左右方向中央で看板ユニットを切断した状態を示す断面図である。
図12】取付解除状態における看板本体の左右方向中央で看板ユニットを切断した状態を示す断面図である。
図13】取付解除状態において看板本体を上方に移動させた状態を示す断面図である。
図14】ベース部材から看板本体を取り外した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る遊技機としてのパチンコ遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、パチンコ遊技機を基準として遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
【0010】
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機本体1aと、着脱ユニットとしての看板ユニット1bとを有する。看板ユニット1bは、遊技機本体1aの上面において例えばねじ止め等により固定される。ここでは図示しないが、遊技機本体1aの上方には、島設備としてのデータ表示器が設置されるようになっており、看板ユニット1bは、データ表示器の前方に位置するように設けられる。島設備としてのデータ表示器には、大当たり回数や回転数等の各種データが表示される。
【0011】
図2に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。図3に示すように、遊技機枠16は、パチンコ遊技機1の外郭を構成するものであり、外枠41と内枠42と前扉(前枠)43とを備えている。外枠41は、パチンコ遊技機1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠42は、外枠41の内側に配置され、後述の遊技盤2が取り付けられる縦長方形状の枠体である。前扉43は、外枠41及び内枠42の前面側に配置され、遊技盤2を保護する縦長方形状のものである。前扉43は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。
【0012】
遊技機枠16は、左端側にヒンジ部44を備えて構成されている。このヒンジ部44により、前扉43は、外枠41及び内枠42に対してそれぞれ回動自在となる。同様に、内枠42は、外枠41及び前扉43に対してそれぞれ回動自在となる。前扉43の中央には開口部43aが形成されており、遊技者が後述の遊技領域3を視認できるように透明の透明板45が開口部43aに取り付けられている。本実施形態における透明板45はガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。即ち透明板45は、前方から遊技領域3を視認可能なものであればよい。
【0013】
図2の説明に戻り、前扉43は、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25と、演出ボタン9と、演出レバー6と、スピーカ8と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bを備えている。
【0014】
ハンドル4は、前扉43のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図4)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
【0015】
前扉43のうち余剰球受皿25の左方、つまり、前扉43のうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。換言すると、演出レバー6は、前扉43のうち、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。演出レバー6は、左手で把持できる形状とされており、右回転又は左回転の回転操作の他、上下左右の4方向に傾倒操作可能としている。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6c(図5)が設けられている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
【0016】
スピーカ8は、前扉43のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する。
演出ボタン9は、前扉43のうち打球供給皿24の上方を覆う部分に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、前扉43のうち、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手又は左手で押圧操作可能な位置に設けられている。また、演出ボタン9は、前扉43のうち、遊技者が左手で演出レバー6を操作している状態で、右手で押下操作可能な位置に設けられている。演出ボタン9は、例えばプッシュオン式のボタンスイッチを採用することができる。演出ボタン9には、演出ボタン振動モータ9b(図5)と、演出ボタンランプ9c(図5)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。演出ボタンランプ9cは、複数色を発光可能であり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときや演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。
【0017】
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
【0018】
前扉43のうち、左方には左サイドランプ23aが設けられており、右方には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bが設けられている部分の前扉43は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
【0019】
打球供給皿(上皿ともいう)24は、前扉43のうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図4)及び賞球払出装置400(図4)から払い出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(図4)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前扉43のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
【0020】
そして、遊技盤2が内枠42に対して固定されることによって、内枠42に対して遊技盤2と演出表示装置7が配置される。配置順序としては前面側(遊技者側)から順に遊技盤2、演出表示装置7の順となる。遊技盤2は、パチンコ遊技機1の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。また、遊技盤2の中央には演出表示装置7の位置に合わせて開口部が形成されているため、遊技盤2の後方に配置された演出表示装置7の画面が遊技盤2の略中央から露出している。さらに、開口部43aには透明板45が取り付けられているため、遊技者は、遊技盤2の開口部を介して演出表示装置7を視認可能である。
【0021】
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3Aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3Bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられており、図5では、それら各LEDを総称して「盤ランプ2a」と示している。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
【0022】
遊技盤2は、固定入賞装置10と、ゲート12と、一般入賞口13と、レール部材17と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、大入賞装置30と、表示器類50とを備える。
【0023】
固定入賞装置10は、遊技盤2の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3Bに配置されており、右遊技領域3Bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。一般入賞口13は、左遊技領域3Aであって固定入賞装置10の左方に配置されている。
【0024】
レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(図4)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。
【0025】
普通可変入賞装置20は、右遊技領域3Bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材(電動チューリップ)21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。なお、図2に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右方に配置されているが、固定入賞装置10の下方に配置してもよい。
【0026】
大入賞装置30は、右遊技領域3Bであって、固定入賞装置10の右方に配置されている。大入賞装置30は、大入賞口32を開閉する開閉部材31を備える。大入賞口32は、複数の遊技球が同時に入賞(入球)可能な大きさに形成されている。開閉部材31は、左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。
【0027】
前述したように、パチンコ遊技機1では、ハンドル4の発射強度を調節することにより、遊技球の発射強度を調節できるようになっている。よって、パチンコ遊技機1では、左遊技領域3A又は右遊技領域3Bを流下するように遊技球を打ち分けることができる。左遊技領域3Aに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、第1始動口11、一般入賞口13に入賞し得る。一方、右遊技領域3Bに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、ゲート12、第2始動口22、大入賞口32に入賞し得る。
【0028】
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって大入賞装置30の下方に設けられている。図4に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。第1特図保留表示器51aは、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する。第2特図保留表示器52aは、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する。普図保留表示器53aは、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0029】
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯・消灯するLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯・消灯するLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
【0030】
また、普通図柄表示器53は、複数(例えば2個)のLEDから構成されている。点灯・消灯するLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開動作し、第2始動口22が開口する。
【0031】
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留される。そして、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
【0032】
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留される。そして、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。
【0033】
パチンコ遊技機1には、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)として、通常の確率(以下、通常確率という)と、通常確率よりも高い確率(以下、高確率という)とが設定されている。以下、大当たり確率が通常確率に設定されている遊技状態を通常確率状態といい、大当たり確率が高確率に設定されている遊技状態を高確率状態という。なお、高確率状態と通常確率状態のどちらに移行するかは、大当たり時の抽選によって基本的に決定される。本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる確変機と呼ばれる機種である。
【0034】
また、パチンコ遊技機1は、前扉43に対して役物や装飾部材が配置されている。装飾部材は、機種に合わせて遊技機の装飾を行うための部材であり、飾り、発光するランプ(発光体)、キャラクタを模したフィギュア等を含む。また、役物としては一部又は全部が移動や回転する可動役物を含む。本実施形態では、パチンコ遊技機1の前方に向かって突出する装飾部材14が前扉43の上方に配置されている。また、装飾部材14の上面には、回転軸(図示しない)を中心に回動作可能な回動蓋14aが設けられている。装飾部材14の内部は空洞となっている。また、回動蓋14aの裏面には可動体15が取り付けられ、装飾部材14の内部に可動体15が収容された状態となっている。そして、演出内容に応じた所定のタイミングで回動蓋14aが回転軸を中心に180度回動することで、回動作を伴って、可動体15が装飾部材14の内部から出現し、装飾部材14の上面に露出した状態となる。ここでは図示しないが、可動体15の上下方向の長さは、装飾部材14の上下方向の長さと略同じ長さとされている。これにより、回動蓋14aの回動作に伴って可動体15が回動し、装飾部材14の上面に露出すると、装飾部材14の上下方向の長さと略同じ長さの可動体15が、装飾部材14の上面に露出した状態となる。本実施形態の装飾部材14及び可動体15は、本発明の「他の装飾品」の一例である。
【0035】
次に、演出表示装置7について説明する。
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像(デモ画像)等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
【0036】
各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
【0037】
演出表示装置7は、特別図柄の変動表示と同期させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
【0038】
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、リーチ演出、予告演出等の各種遊技演出によって、大当たり判定の結果が報知される。予告演出は、大当たり判定の結果が大当たりとなる可能性を示唆する遊技演出の一種である。
【0039】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、図4及び図5に従って、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(図4)と、払出制御基板73(図4)と、サブ制御基板100(図5)と、画像制御基板200(図5)と、音声制御基板78(図5)と、ランプ制御基板79(図5)とを備えている。
【0040】
図4に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64とを備えている。また、主制御基板60は、入出力回路65を備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブル、大当たり種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン選択テーブル等の各種のテーブルが記憶されている。
【0041】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cとが設けられている。各記憶部には、遊技球が第1始動口11、第2始動口22及びゲート12に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した乱数値が最大保留数分だけ記憶される。
【0042】
また、入出力回路65は、主制御基板60に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。前述したように、表示器類50は、第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄表示器52と、普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aとが電気的に接続されている。同様に、主制御基板60には、中継基板74を介して大入賞口センサ32aと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、大入賞口ソレノイド30aとが電気的に接続されている。
【0043】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。大入賞口センサ32aは、大入賞口32の直下に設けられており、遊技球が大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21を開閉駆動する。大入賞口ソレノイド30aは、大入賞装置30の開閉部材31を開閉駆動する。
【0044】
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読み取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払い出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払い出し可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払い出される。
【0045】
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払い出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払い出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払い出した賞球数を計数する。
【0046】
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
【0047】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60、払出制御基板73、及びサブ制御基板100に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
【0048】
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0049】
主制御基板60は、サブ制御基板100に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0050】
図5に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120とを備えている。また、サブ制御基板100は、入出力回路103を備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。第1特図保留演出記憶部121、第2特図保留演出記憶部122及び当該変動用演出記憶部123は、主制御基板60から出力される特図に関するコマンドを記憶する。
【0051】
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、演出表示装置7が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203とが実装されている。さらに、画像制御基板200には、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
【0052】
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ9c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23bが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
【0053】
ランプ制御基板79には、中継基板77を介して可動体15(回動蓋14a)が電気的に接続されている。可動体15は、可動体15を動作させるための装置(図示せず)が接続されており、その装置には、その装置を駆動するための可動体モータ(図示せず)が接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて可動体15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して可動体モータを駆動し、可動体15の動作制御を行う。
【0054】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
【0055】
また、サブ制御基板100には、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー振動モータ6cと、演出ボタン振動モータ9bとが電気的に接続されている。
【0056】
演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。
【0057】
演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位又は演出レバー6の内部に設けられている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。ROM110には、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。
【0058】
[看板ユニット(看板部)]
図1に示すように、看板ユニット1bは、遊技機本体1aに設けられるベース部材301と、ベース部材301に対して着脱可能な着脱部材としての看板本体302とを備える。なお、以下の説明において用いる各方向は、看板ユニット1bを遊技機本体1aに取り付けた状態として説明する。すなわち、左右方向及び上下方向は遊技者から見た左右方向及び上下方向であり、パチンコ遊技機1を基準として遊技者に近づく方向が前方であり、遊技者から遠ざかる方向が後方である。本実施形態の看板ユニット1bでは、ベース部材301に対する看板本体302の着脱方向が上下方向となっている。
【0059】
[ベース部材]
図6及び図7に示すように、ベース部材301は、板状部311と、板状部311の中央上部に設けられる切替部312とを有する。ベース部材301は、その全体が透明樹脂製で構成される。そのため、ベース部材301の後方に位置するデータ表示器(図示せず)の表示内容がベース部材301を介して遊技者から視認可能となっている。
【0060】
図7に示すように、切替部312は、弾性片313と、爪部314と、窪み部315とを有する。
弾性片313は、前後方向に弾性変形可能な矩形板状に形成される。弾性片313は、下方を基端として上方に延びるように形成される。
【0061】
爪部314は、弾性片313の先端部に形成されている。爪部314は、その一部が前方に突出するように形成されている。
窪み部315は、爪部314から左方に延出する板状の延出部316に対して、後方に窪むように形成されている。窪み部315と爪部314は、上下方向において略同位置に形成されることになる。
【0062】
図6に示すように、ベース部材301は、前記切替部312の前方を囲むように、前記ベース部材301の中央上部に設けられるアウターレール317を有する。
アウターレール317は、左右一対のガイド部317a,317bと、各ガイド部317a,317bの下端側においてガイド部317a,317b同士を接続する接続部317cとを有する。
【0063】
2つのガイド部317a,317bのうち一方のガイド部317aには、前後方向に貫通する貫通孔318が形成されている。貫通孔318は、窪み部315と前後方向において対向する位置に形成されている。つまり、貫通孔318を介してドライバ工具等の外部治具J(図10参照)を挿通して窪み部315を操作して、切替部312の状態(後述する取付維持状態と取付解除状態)を切替可能となっている。
【0064】
図6に示すように、本実施形態のアウターレール317のガイド部317a,317b及び接続部317cは、板状部311に対して例えばねじ止め等により固定されている。ガイド部317a,317bは、上方向から視認して略L字状をなすように構成される。そして、アウターレール317は、ガイド部317a,317b及び接続部317cを板状部311に固定した状態で、各ガイド部317a,317bと板状部311の前面とで、左右方向に開口された形状となっている。具体的には、左側に位置するガイド部317aは右方に開口し、右側に位置するガイド部317bは左方に開口している。換言すると、ガイド部317aと板状部311の前面とで断面コ字状をなし、同様にガイド部317bと板状部311の前面とで断面コ字状をなしている。すなわち、アウターレール317は、接続部317cよりも上方において所定の間隙を有し、該間隙の上方から後述する看板本体302のインナーレール322を挿入可能となっている。間隙から挿入されたインナーレール322は、アウターレール317の接続部317cによって、それ以上の下方への移動が規制されるようになっている。
【0065】
[看板本体]
図8に示すように、着脱部材としての看板本体302は、透明樹脂製で略板状のケース部321と、ケース部321の外周縁部の一部にケース部321から左右方向に延出するインナーレール322とを有する。ケース部321は、その内部にパチンコ遊技機1の機種名や題材となったアニメ作品に登場するキャラクタ等を示す看板(図示略)が収容可能となっている。インナーレール322は、看板本体302をベース部材301に対して取り付けた状態でケース部321の後方位置に設けられる。
【0066】
インナーレール322は、ケース部321から左方に延びる第1板状部322aと、ケース部321から右方に延びる第2板状部322bとを有する。
第1板状部322a及び第2板状部322bで構成されるインナーレール322は、その周縁部において後方に延びる周壁部323を有する。周壁部323は、例えばインナーレール322の強度を向上させるリブとして機能する。
【0067】
インナーレール322は、その下方において、周壁部323の一部が切り欠かれた形状の薄肉部324を有する。薄肉部324は、第1板状部322a及び第2板状部322bの厚さ(周壁部323の厚さを除く)と略同一の厚さに形成されている。つまり、薄肉部324は、周壁部323の厚さよりも薄い。看板本体302をベース部材301に取り付ける際、取付時におけるスライド方向である上下方向の先端側(下方)に薄肉部324が設けられることで、取付時においてベース部材301側の爪部314と干渉することを抑えることができ、取付を容易に実施することが可能となる。また、取り外し時においても同様に薄肉部324がベース部材301側の爪部314と干渉することを抑えることができるため、取り外しを容易に実施することが可能となる。
【0068】
看板本体302を構成する周壁部323は、インナーレール322の上方において、第1係合突部323aと、第2係合突部323bとを有する。
第1係合突部323aは、第2板状部322b上に位置する周壁部323において最も上方位置に形成されている。第2係合突部323bは、第1板状部322a上に位置する周壁部323において、第1係合突部323aよりも下方位置に形成されている。すなわち、第2係合突部323bと第1係合突部323aとの間には、その上下方向に段差が形成されている。なお、第1係合突部323a及び第2係合突部323bの上面は、それぞれ略平面形状である。
【0069】
本実施形態のケース部321は、前記インナーレール322よりも前方であって、ケース部321の下方に切欠き部321aを有する。切欠き部321aは、ケース部321の上方に向かって湾曲するように形成されている。すなわち、本実施形態の看板本体302(ケース部321)は、切欠き部321aを有することで、看板本体302の下方に位置する装飾部材14又は可動体15と、看板本体302と、が干渉することを抑制することができる。前述したように、本実施形態では、装飾部材14の内部に収容されている可動体15が、回動作を伴って装飾部材14の上面に露出することがある。このような場合であっても、上方に迫り出した可動体15と看板本体302と、が干渉することが抑制される。
【0070】
また、ベース部材301に看板本体302が取り付けられた状態では、図1に示すように、看板本体302が遊技機本体1aの前方に向かって迫り出した状態となっている。そして、この取付状態では、看板本体302の面方向が、ホールにおける遊技者の進行方向に対向することになるため、遊技者はケース部321に収容された看板の記載内容を視認し易くなる。
【0071】
次に、ベース部材301と看板本体302とを取り付けた状態から取り外す工程を説明する。
図9及び図11に示すように、ベース部材301に対して看板本体302を取り付けた状態では、看板本体302のインナーレール322がベース部材301のアウターレール317に挿通された状態となっている。このとき、図11に示すように、インナーレール322の第1係合突部323aは、切替部312を構成する爪部314よりも下方に位置する。さらに、爪部314は、看板本体302のインナーレール322をアウターレール317内で取り外す方向、つまり上方に移動させる際に、第1係合突部323aと当接する位置に配置されている。このため、看板本体302をベース部材301から取り外そうとしても、爪部314と第1係合突部323a(看板本体302)とが当接・係合して看板本体302の移動が規制される。つまり、切替部312を構成する爪部314によって、取付状態を維持する取付維持状態とされる。
【0072】
図10及び図12に示すように、貫通孔318に外部治具Jを挿通し、外部治具Jの先端部によって窪み部315が後方に押されると、その力が外部治具Jから付与されて切替部312を構成する弾性片313が後方へ向かって弾性変形する。このとき、窪み部315の後方への移動に伴って爪部314も同様に後方へ移動する。そして、爪部314が、インナーレール322をアウターレール317内で取り外す方向、つまり上方に移動させる際に、第1係合突部323aと当接しない位置まで後方に退避されることで、取付維持状態から、看板本体302の移動を可能とする取付解除状態に切り替えられることになる。
【0073】
図12に示す取付解除状態において、インナーレール322をアウターレール317内で取り外す方向、つまり上方に移動させると、看板本体302はベース部材301に対して取り外す方向に移動される。このとき、図13に示すように外部治具Jの先端部が窪み部315に挿入されているため、インナーレール322を上方に移動させると、看板本体302を構成する第2係合突部323bが、外部治具Jに当接することになる。これにより、ベース部材301から外れる方向への看板本体302の移動が規制されることになる。このとき、第1係合突部323aは、爪部314と干渉しない上方位置まで移動されることになる。前述したように、第2係合突部323bと第1係合突部323aとの間には、その上下方向に段差が形成されている。この段差により、第2係合突部323bが外部治具Jに当接する位置まで看板本体302を移動させると、第1係合突部323aが爪部314と干渉しない上方位置まで移動されることになる。
【0074】
ちなみに、前述したように外部治具Jの先端部が窪み部315に挿入されているため、外部治具Jの先端部が窪み部315内に安定して留まり易く、外部治具Jの移動が規制される。つまり、看板本体302を取り外す方向(上方)に移動させて、外部治具Jに看板本体302(第2係合突部323b)を当接させた際に、看板本体302が当接した際の衝撃によって、外部治具Jが窪み部315から外れてしまい、外部治具Jが予期せず移動してしまうことが抑制される。この看板本体302を外部治具Jに当接させる動作が、看板本体302をベース部材301から取り外す際の予備動作となる。そして、前述したように、窪み部315を設けたことで外部治具Jが窪み部315内に安定して留まり易くなり、つまり、外部治具Jの移動が規制されることになり、看板本体302(第2係合突部323b)を外部治具Jに当接させる予備動作をより確実に実施することができる。予備動作を実施することで、取り外し時の力加減によって予想以上に勢いよく看板本体302が取り外されてしまうといった取り外し時のトラブルを抑制することができる。なお、外部治具Jに対して看板本体302が当接した際の衝撃によって外部治具Jが予期せず移動してしまうと、外部治具Jによる切替部312に対する力の付与が作用しなくなる。
【0075】
次いで、外部治具Jを前方に移動させて貫通孔318から抜くことで外部治具Jと看板本体302との当接状態が解除されるため、図14に示すように看板本体302をさらに上方に移動させて看板本体302をベース部材301から取り外すことができる。
【0076】
[実施形態の効果]
(1)実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、ベース部材301の切替部312は、看板本体302(着脱部材)と係合して看板本体302の移動を規制して取付状態を維持する取付維持状態と、取付維持状態を解除して看板本体302の移動を可能とする取付解除状態とを切替可能となる。また、切替部312は外部治具Jにより取付維持状態から取付解除状態に切り替えられる。そして、看板本体302は、外部治具Jにより切替部312が取付解除状態に維持された状態で、ベース部材301から取り外す方向に移動された際に外部治具Jと当接することで、ベース部材301から外れる方向への移動が規制されるようになる。これにより、取り外し時において外部治具Jと看板本体302とを当接させる予備動作を実施することができる。例えば、この予備動作を無くした場合に、取り外し時の力加減によっては予想以上に勢いよく看板本体302が取り外されてしまい、取り外し時のトラブルとなることが懸念される。このため、前述したような予備動作を実施することでより好適に看板本体302を取り外すことができる。
【0077】
(2)また、切替部312は、外部治具Jから力が付与されることで弾性変形して取付維持状態から取付解除状態に切り替えられる。外部治具Jの作用によって切替部312が弾性変形することから、取付維持状態から取付解除状態への切り替えがスムーズに実行され易い。
【0078】
(3)また、切替部312は、取付状態において看板本体302と係合する爪部314と、外部治具Jから力が付与される際に当接するとともに外部治具Jの先端部を挿入可能な窪み部315を有する。窪み部315を設けたことで、外部治具Jの先端部が窪み部315に挿入された状態となり、外部治具Jに対して看板本体302が当接した際の衝撃によって外部治具Jが予期せず移動して切替部312に対する力の付与が作用しなくなるといったことを抑制することができる。また、窪み部315に外部治具Jの先端部が挿入された状態となることで、外部治具Jの予期せぬ移動が抑えられ、看板本体302と外部治具Jとを取り外す途中位置で、看板本体302と外部治具Jとを確実に当接させることができるため、取り外す直前の予備動作を実施することができる。
【0079】
(4)また、看板本体302は、遊技機本体1aの他の装飾品(装飾部材14又は可動体15)との接触を回避する切欠き部321aを有する。例えば可動体15等の他の装飾品を回避するような切欠き部321aを有することで、看板本体302の着脱時において他の装飾品との干渉を考慮して作業を行う必要がなくなり、作業性向上に寄与できる。
【0080】
(5)また、看板本体302について、インナーレール322を有し、該インナーレール322をベース部材301のアウターレール317に挿通した状態でベース部材301に対してスライド移動可能に構成した。さらに、看板本体302は、看板本体302をベース部材301から取り外す方向にスライド移動させる際に先端となる位置に爪部314と係合する第1係合突部323aと、取り外す方向にスライド移動させる際に先端とは反対となる位置に第1係合突部323aの厚さよりも薄い薄肉部324と、を有する。薄肉部324は、取付時においてはスライド方向先端側となる。つまり、第1係合突部323aよりも薄い薄肉部324を形成することで、取付時においてベース部材301側の爪部314との干渉を抑えることができ、取付を容易に実施することが可能となる。また、取り外し時においても同様に薄肉部324がベース部材301側の爪部314と干渉することを抑えることができるため、取り外しを容易に実施することが可能となる。
【0081】
(6)ベース部材301に看板本体302が取り付けられた状態において、看板本体302が遊技機本体1aの前方に向かって迫り出した状態となる。この取付状態では、看板本体302の面方向が、ホールにおける遊技者の進行方向に対向することになるため、遊技者はケース部321に収容された看板の記載内容を視認し易くなる。
【0082】
(7)看板本体302は、パチンコ遊技機1に一体成形されているのではなく、ベース部材301に対して着脱可能とされている。そして、看板本体302のケース部321は、その内部に看板を収容可能となっている。つまり、ケース部321内に収容する看板を変えるだけで看板本体302が何れの機種にも使用できることになり、汎用性が向上する。
【0083】
<他の実施形態>
以下、変更例について説明する。なお、以下の変更例は、互いに適宜組み合わせることが可能である。
【0084】
・実施形態の看板ユニット1bでは、アウターレール317に設けられた間隙の上方から下方に向かって看板本体302のインナーレール322を挿入し、ベース部材301に看板本体302を取り付けていたが、間隙の方向は実施形態の例に限られない。例えば、アウターレール317の下方に間隙を設ける一方で、アウターレール317の上方に接続部317cを設けるようにしてもよい。この場合、アウターレール317に設けられた間隙の下方から上方に向かって看板本体302のインナーレール322を挿入し、ベース部材301に看板本体302が取り付けられることになる。また、アウターレール317の間隙の方向を左方又は右方としてもよい。
【0085】
・ベース部材301は、透明樹脂製でなくてもよい。
・爪部314と窪み部315の配置は、実施形態の例に限られない。例えば、弾性片313の基端側に窪み部315が設けられていてもよい。また、爪部314も、弾性片313の基端側に設けられていてもよい。
【0086】
・また、弾性片313を移動させて爪部314の係合状態を解除することができればよく、延出部316において窪み部315を省略してもよい。また、延出部316を省略し、窪み部315を弾性片313に設けてもよい。また、窪み部315及び延出部316を省略し、弾性片313を直接外部治具Jで押すようにしてもよい。
【0087】
・ベース部材301に対する看板本体302の取付維持状態と取付解除状態とを切り替えることができればよく、ベース部材301の切替部312は弾性変形しないものであってもよい。
【0088】
・装飾部材14や可動体15を省略してもよい。つまり、遊技機本体1aと看板本体302が当接するおそれがなければ、看板本体302に切欠き部321aを設ける必要はない。
【0089】
・ベース部材301は、パチンコ遊技機1に対して一体成形されているものであってもよい。
・実施形態では、看板本体302を着脱部材の一例として説明したが、ベース部材に対して着脱可能であれば、着脱部材は看板に限られない。例えば、遊技演出に関与せず、単にパチンコ遊技機1のデザイン性向上を目的とする何らかのモチーフを模した装飾部材を着脱部材としてもよい。また、隣り合う遊技機同士を仕切るパーテーションを着脱部材としてもよい。このパーテーションは、分煙ボードの役割を兼ねていてもよい。また、遊技者の手荷物(スマートフォンや目薬等)を載置することができる載置台を着脱部材としてもよい。また、ドリンクホルダーやスマートフォンホルダーを着脱部材としてもよいし、遊技者の傘や鞄を掛けることができるフックを着脱部材としてもよい。このように看板以外の部材を着脱部材とする場合、これらの着脱部材の取付位置は、遊技機本体1aの上方に限られない。例えば、パーテーションを着脱部材とする場合、該パーテーションは、隣り合う遊技機同士を仕切ることができるよう、遊技機本体1aの左端又は右端に取り付けられる。もちろん、看板を着脱部材とする場合であっても、看板の取付位置は遊技機本体1aの上方に限られない。
【0090】
・また、遊技機本体1a上部に位置する装飾部材14又は可動体15との接触を考慮し、看板本体302の下方に切欠き部321aを設けた。ところが、着脱部材を前述したようなその他の部材とする場合、着脱部材の取付位置に合わせて切欠き部の位置を変えてもよい。例えば、遊技者の手荷物(スマートフォンや目薬等)を載置することができる載置台を着脱部材とする場合、遊技者の手が載置台に当接することを避けるため、載置台の手前を切欠く等してもよい。もちろん、他の部材や人との接触を考慮する必要がなければ、着脱部材に切欠き部を設ける必要はない。
【0091】
・上記実施形態は、非封入式パチンコ遊技機を前提として説明したが、封入式パチンコ遊技機においても実施可能である。
・大入賞口(大入賞装置)は、複数(例えば2つ)あってもよい。
【0092】
・パチンコ遊技機1として、第1特別図柄のみを変動させて行うパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・実施形態は、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。
【0093】
・上記実施形態の技術は、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)に適用してもよい。
以上、実施形態及び変更例に基づき、本発明に係る構成について説明したが、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本実施形態の例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0094】
1 パチンコ遊技機
1a 遊技機本体
1b 看板ユニット(着脱ユニット)
14 装飾部材(他の装飾品)
15 可動体(他の装飾品)
301 ベース部材
302 看板本体(着脱部材)
311 板状部
312 切替部
313 弾性片
314 爪部
315 窪み部
316 延出部
317 アウターレール
317a ガイド部
317b ガイド部
317c 接続部
318 貫通孔
321 ケース部
321a 切欠き部
322 インナーレール
322a 第1板状部
322b 第2板状部
323 周壁部
323a 第1係合突部
323b 第2係合突部
324 薄肉部
J 外部治具
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