(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039902
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 315A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144627
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀部 浩司
(72)【発明者】
【氏名】橋本 貴晶
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088AA11
2C333AA11
2C333CA04
2C333CA49
2C333FA03
(57)【要約】
【課題】遊技者に好まれ易い遊技の提供。
【解決手段】パチンコ遊技機PY1は、第2大入賞口15(所定の入賞口)を開放する小当たり遊技(特定遊技)を実行可能であり、小当たり遊技には、第2大入賞口15を閉鎖する小当たりエンディング(閉鎖期間)が含まれる。小当たり遊技において第2大入賞口15へ入賞した遊技球が特定領域16を通過したことに基づいて大当たり遊技を実行する。小当たり遊技において特定領域16への通過があった場合と、特定領域16への通過がなかった場合とで、小当たりエンディングの長さを異ならせる。
【選択図】
図32
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の入賞口を開放する開放期間と前記所定の入賞口を閉鎖する閉鎖期間とを含む特定遊技を実行可能であり、
前記特定遊技において前記所定の入賞口へ入賞した遊技球が特定領域を通過したことに基づいて特典を付与可能な遊技機であって、
前記特定遊技において前記特定領域への通過があった場合となかった場合とで、前記閉鎖期間の長さが異なることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機であって、
前記特定遊技において前記特定領域への通過がなかった場合の閉鎖期間は、前記特定遊技において前記特定領域への通過があった場合の閉鎖期間よりも長いことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機であって、
前記特定遊技において前記特定領域への通過がなかった場合の閉鎖期間では、前記特定領域への通過がなかった旨を示唆する特定示唆を行うことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば下記特許文献1に記載されているように、小当たり遊技において大入賞口に入賞した遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、大当たり遊技を実行可能な遊技機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている遊技機では、特定領域に遊技球が通過したか否かに基づく小当たり遊技のエンディング時間(閉鎖後インターバル)の長さの工夫はなされておらず、遊技者に好まれ易い遊技を提供するためには、この点に改良の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の遊技機は、
所定の入賞口を開放する開放期間と前記所定の入賞口を閉鎖する閉鎖期間とを含む特定遊技を実行可能であり、
前記特定遊技において前記所定の入賞口へ入賞した遊技球が特定領域を通過したことに基づいて特典を付与可能な遊技機であって、
前記特定遊技において前記特定領域への通過があった場合となかった場合とで、前記閉鎖期間の長さが異なることを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の遊技機によれば、遊技者に好まれ易い遊技を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】第2大入賞装置等を詳細に示す正面図である。
【
図5】(A)は盤上可動装置と盤下可動装置とが待機状態のときの演出用ユニットの正面図、(B)は盤上可動装置と盤下可動装置とが作動したときの演出用ユニットの正面図である。
【
図6】主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図7】サブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図10】(A)は普図関係乱数を示す表であり、(B)は特図関係乱数を示す表である。
【
図11】(A)は当たり判定テーブルの一例であり、(B)は普図変動パターン判定テーブルの一例であり、(C)は補助遊技制御テーブルの一例である。
【
図12】(A)は大当たり判定テーブルの一例であり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルの一例であり、(C)はリーチ判定テーブルの一例である。
【
図13】特
図1変動パターン判定テーブルの一例である。
【
図14】特
図2変動パターン判定テーブルの一例である。
【
図19】特図変動演出の通常変動の具体例を示す説明図である。
【
図20】特図変動演出のNリーチの具体例を示す説明図である。
【
図21】特図変動演出のSPリーチの具体例を示す説明図である。
【
図25】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図26】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図27】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図28】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図29】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図30】パチンコ遊技機PY1の特徴部に係る画像表示装置と遊技領域との関係を示す図である。
【
図31】パチンコ遊技機PY1の特徴部に係る大当たり判定テーブルである。
【
図32】パチンコ遊技機PY1の特徴部に係る大当たり遊技制御テーブルである。
【
図33】パチンコ遊技機PY1の特徴部に係る非時短状態の特
図1変動パターン判定テーブルである。
【
図34】通常SPルートの変動演出、及び、直SPルートの変動演出の演出構成、並びに、CUタイマ演出(カウントアップタイマ演出)の演出構成を示すタイミングチャートである。
【
図35】直SPルートの変動演出におけるSPリーチ(前段)の具体例を示す図である。
【
図36】直SPルート及び通常SPルートの変動演出に共通するSPリーチ(後段)の具体例を示す図である。
【
図37】SPリーチ(後段)の具体例を示す図であり、
図36の続きを示す図である。
【
図38】CUタイマ演出(カウントアップタイマ演出)の実行抽選テーブルである。
【
図40】
図39に続くCUタイマ演出の具体例を示す図であり、タイマ値が99に至ることなくCUタイマ演出が終了する場合を示す図である。
【
図41】CUタイマ演出においてタイマ値が99に至る場合を示す図である。
【
図42】パチンコ遊技機PY1の特徴部に係る右打ち報知演出の一例を示す図である。
【
図44】V入賞に応じたキャラ飛び出し演出(V入賞演出)の実行タイミングを示すタイミングチャートである。
【
図45】キャラ飛び出し演出の具体例を示す図である。
【
図46】
図45に続くキャラ飛び出し演出の具体例を示す図である。
【
図47】特殊態様の打方指示の具体例を示す図である。
【
図48】特殊態様の打方指示の実行タイミングを示すタイミングチャートである。
【
図49】Vパンク報知演出の具体例を示す図である。
【
図50】Vパンク報知演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。
【
図51】大当たり遊技中の演出の流れを示す図である。
【
図52】大当たり遊技中における告知演出、開始待ち演出、挑戦演出、楽曲演出の実行タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
【
図53】成功態様の挑戦演出におけるロゴ可動体の駆動タイミング決定テーブルである。
【
図54】告知演出、開始待ち演出、成功態様の挑戦演出の具体例を示す図である。
【
図55】ロゴ可動体が演出位置にある場合のパチンコ遊技機の正面図である。
【
図56】失敗態様の挑戦演出、終了ED演出、復活ED演出の具体例を示す図である。
【
図57】楽曲演出、終了ED演出、復活ED演出の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
【0009】
1.遊技機の構造
第1実施形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について
図1~
図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
【0010】
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠2Aに対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。透明板23tは、パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
【0011】
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度、後述する発射ソレノイド72sの駆動量)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、発射前の遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
【0012】
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、下方に押下操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、下方に押下操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。通常ボタン40は、振動可能に構成されている。すなわち、通常ボタン40には、当該通常ボタン40を振動させるための振動機構が内蔵されており、この振動機構に含まれる振動用モータが駆動されると、遊技者が目視でもわかる程度に通常ボタン40がブルブルと振動するようになっている。なお、通常ボタン40を振動させるための振動機構については公知の構成を適宜採用することができる。通常ボタン40は、操作部の一例であり、振動体の一例でもある。
【0013】
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
【0014】
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0015】
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に
図2~
図5を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
【0016】
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
【0017】
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。なお、第1始動口11や第2始動口12といった始動口を入球口と称し、第1大入賞口14や第2大入賞口15といった大入賞口を特別入賞口あるいは特定の入賞口と称し、ゲートを通過口あるいは通過領域と称することができるものとする。
【0018】
遊技領域6の中央付近には、開口部1Aの周縁を装飾するセンター枠(センター装飾体)61が設けられている。センター枠61には、後述する第1始動口11へ遊技球を誘導可能なステージや、ステージへ遊技球を誘導可能なワープが設けられている。
【0019】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
【0020】
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特
図1」という)の抽選(後述の特
図1関係乱数の取得と判定:以下、「特
図1抽選」ともいう)および特
図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0021】
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
【0022】
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特
図2」という)の抽選(後述の特
図2関係乱数の取得と判定:以下、「特
図2抽選」ともいう)および特
図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。
【0023】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口(普通入賞口)10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(本形態では3個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0024】
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
【0025】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0026】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでいる。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口15への入球が可能となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0027】
ここで、
図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
【0028】
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
【0029】
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:
図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
【0030】
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:
図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
【0031】
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば16R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。なお、振分部材16kの作動態様は適宜変更可能である。
【0032】
特定領域16と非特定領域17には、各領域16,17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
【0033】
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。また、遊技性に応じて、第1大入賞装置14Dのような、特定領域や振分装置のない大入賞装置を2つ設ける構成とすることが可能である。また、第1大入賞装置14Dと第2大入賞装置15Dとが設けられているものの、遊技性に応じて、第1大入賞装置14Dだけを利用することとしたり、第2大入賞装置15Dだけを利用することとしたりすることが可能である。なお、第1大入賞装置14Dだけを利用する構成とした場合には、第2大入賞装置15Dに関する処理は行われないものとし、第2大入賞装置15Dだけを利用する構成とした場合には、第1大入賞装置14Dに関する処理は行われないものとする。
【0034】
また、
図2に示すように、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
【0035】
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6B(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
【0036】
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、一般入賞口10と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
【0037】
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
【0038】
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。
図4に示すように、表示器類8には、特
図1を可変表示する特
図1表示器81a、特
図2を可変表示する特
図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特
図1保留数(U1:特
図1表示器81aによる特
図1の可変表示が保留されている数)を表示する特
図1保留表示器83a、および後述する特
図2保留数(U2:特
図2表示器81bによる特
図2の可変表示が保留されている数)を表示する特
図2保留表示器83bが含まれている。
【0039】
特
図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特
図1抽選が行われると実行される。また、特
図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特
図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特
図1および特
図2を総称して特図あるいは特別図柄といい、特
図1抽選および特
図2抽選を総称して特図抽選という。また、特
図1表示器81aおよび特
図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特
図1保留表示器83aおよび特
図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
【0040】
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、大当たり遊技が行われている遊技状態を大当たり遊技状態という。大当たり遊技状態は、遊技者に有利な特別遊技状態の一例である。
【0041】
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81は、「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
【0042】
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
【0043】
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特
図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特
図2関係乱数」という。ここで、特
図1関係乱数は、特
図1保留として、特図保留記憶部105の中の特
図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特
図2関係乱数は、特
図2保留として、特図保留記憶部105の中の特
図2保留記憶部105bに記憶される。特
図1保留記憶部105aに記憶可能な特
図1保留の数(特
図1保留数)および特
図2保留記憶部105bに記憶可能な特
図2保留の数(特
図2保留数)には上限(本形態では4個)が設定されている。特
図1保留数や特
図2保留数の上限は適宜変更可能であり、上限を「無し」としてもよい。なお、以下において、特
図1保留と特
図2保留を総称して「特図保留」といい、特
図1保留数と特
図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特
図1関係乱数と特
図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
【0044】
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
【0045】
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特
図1保留表示器83aと特
図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
【0046】
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
【0047】
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
【0048】
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
【0049】
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(本形態では4個)が設定されている。普図保留数の上限は適宜変更可能であり、上限を「無し」としてもよい。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。また、本形態では、普図保留数を表示する普図保留表示器を設けていないが、普図保留表示器を表示器類8に加えてもよい。普図保留表示器としては、例えば特図保留表示器83と同様の構成のものを採用することが可能である。
【0050】
次に、
図5を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
【0051】
画像表示装置50は、所定の画面サイズの3D液晶ディスプレイで構成され、3D画像を表示可能な表示部(表示画面)50aを具備する。なお、画像表示装置50は、画像を表示することが可能であれば、複数枚の液晶ディスプレイで構成されるものや、EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成されるもの等、他の表示装置であってもよい。
【0052】
盤上可動装置55は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
【0053】
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
【0054】
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0055】
2.遊技機の電気的構成
次に、
図6~
図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。
図6~
図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、大当たり遊技演出など)や客待ち演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部(メイン制御部)と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部(サブ制御部)と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56,58等)を用いた各種の演出を制御可能であればよい。
【0056】
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、押下操作可能なRAMクリアスイッチ191が設けられている。RAMクリアスイッチ191(特定操作手段)は、電源投入時に、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)を、遊技用CPU102にクリア(以下「RAMクリア」と呼ぶ)させるためのものである。
図8に示すように、RAMクリアスイッチ191は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された電源基板190上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ191を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ191は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ191が押下操作されると、RAMクリアスイッチ191がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。なお本形態では、RAMクリアスイッチ191が電源基板190上に設けられているが、RAMクリアスイッチ191の配置箇所は適宜変更可能であり、例えば主制御基板100上や専用の基板上に設けられていても良い。
【0057】
電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ193が接続されている。電源スイッチ193のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
【0058】
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
【0059】
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
【0060】
また遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。また遊技用RAM104には、非消去記憶部107が設けられていて、非消去記憶部107には、総賞球数記憶部107a、総発射球数記憶部107b、差玉数記憶部107cが設けられている。非消去記憶部107では、RAMクリアが実行されても、遊技用CPU102が記憶内容を消去しないようになっている。
【0061】
遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数をカウントしていて、カウントされた総賞球数の情報は、総賞球数記憶部107aに記憶される。総賞球数は、全ての遊技状態(通常遊技状態、大当たり遊技状態、高確高ベース状態、低確高ベース状態など)において遊技者が獲得する(遊技者に払い出される)賞球数のことである。また遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総発射球数をカウントしていて、カウントされた総発射球数の情報は、総発射球数記憶部107bに記憶される。総発射球数は、全ての遊技状態において、遊技者が発射した発射球数のことである。そして遊技制御用マイコン101は、電源が投入されてから随時、総賞球数から総発射球数を減算した差玉数を演算していて、演算された差玉数の情報は、差玉数記憶部107cに記憶される。遊技制御用マイコン101は、差玉数(特定計測数の一例)が基準数(例えば「80000」)以上となったことを条件に、遊技を実行不能にする。この機能を、過賞球防止機能と言う。過賞球防止機能は、最大差玉数(最大持ち球、MY等ということもある)が予め定められた基準数となることに応じて作動させてもよい。最大差玉数は、計測された差玉数の最低値である最低差玉数と、最低差玉数が計測された後における差玉数のピーク(最高値)との差である。この場合、最大差玉数が特定計測数に相当する。
【0062】
また主制御基板100には、7セグ表示器300と、設定キーシリンダ180と、特別リセットスイッチ181(特別操作手段)と、が設けられている(
図8参照)。7セグ表示器300は、
図9に示すように、所謂4連7セグであり、合計で32個の点灯(発光)する部分を備えている。具体的に、7セグ表示器300は、左から右に向かって順番に、第1表示領域310と第2表示領域320と第3表示領域330と第4表示領域340とを備えている。そして4つの表示領域310、320、330、340は、それぞれ「0」~「9」までの数字を表すことができるように、8個の点灯部分(LED素子)LB1~LB8、LB9~LB16、LB17~LB24、LB25~LB32を有している。7セグ表示器300の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0063】
設定キーシリンダ180は、大当たり判定確率に対応する設定値を設定する際に、操作手段として機能するものである。この設定キーシリンダ180の内部は、設定キー(図示省略)が挿入された状態で、初期位置と回転位置との間で回転操作される。よって、本パチンコ遊技機PY1では、設定キーシリンダ180を回転位置へ回転操作しておき、RAMクリアスイッチ191を押下操作しながら、電源を投入することで、設定値を設定可能な設定モードに移行することができる。そして、この設定モードにおいて、設定値を「1」に設定することができる。しかしながら、本パチンコ遊技機PY1では、設定値が1種類である「1」しか設けられていない。従って、設定値を「1」から変更できないようになっている。なお、設定モードに設定されているときに、設定キーシリンダ180を回転位置から待機位置へ回転操作すると、設定モードが終了して、RAMクリアが実行される。
【0064】
また主制御基板100には、押下操作可能な特別リセットスイッチ181が設けられている。
図8に示すように、特別リセットスイッチ181は、本パチンコ遊技機PY1の裏側に配置された主制御基板100上に設けられている。そのため、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、特別リセットスイッチ181を操作することはできない。即ち、特別リセットスイッチ181は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。特別リセットスイッチ181の機能については、後に詳述する。また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118が実装されている。
【0065】
また、主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類MSやアクチュエータ類MAが接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類MSが出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類MAに信号を出力する。
【0066】
主制御基板100に接続されている各種センサ類MSには、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、一般入賞口センサ10a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、特定領域センサ16a、および、非特定領域センサ17aが含まれている。
【0067】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10毎に設けられている。ゲートセンサ13aは、ゲート13に設けられており、ゲート13を通過した遊技球を検知する。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する。特定領域センサ16aは、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する。非特定領域センサ17aは、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
【0068】
また
図6では図示を省略しているが、各種センサ類MSには、遊技領域6を流下する全ての遊技球(総発射球数)を検知する排出口センサが含まれている。ここで、遊技領域6の外部へ流下した遊技球は、遊技盤取付枠2Aの下部に設けられている排出経路(図示省略)を通って、本パチンコ遊技機PY1の外部に排出される。そのため、排出口センサは、排出経路内に設けられている。また各種センサ類MSには、不正な磁気を検知する磁気センサが含まれている。磁気センサは、遊技者が磁石等を用いて遊技球を不正に各種入賞口10、11、12、14、15へ入賞させる際に生じる磁気を検知するものである。上記した各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
【0069】
また各種センサ類MSには、前扉23の外枠22に対する開放を検知する前扉開放センサと、前枠23mの遊技盤取付枠2Aに対する開放を検知する前枠センサと、が含まれている。前扉開放センサは、前扉23の開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。前枠センサは、前枠23mの開放を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0070】
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類MAには、電チューソレノイド12s、第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sおよび振分ソレノイド16sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する。振分ソレノイド16sは、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する。
【0071】
なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0072】
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0073】
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(
図1参照)が含まれる。
【0074】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のための賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
【0075】
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(
図1参照)への接触を検知可能なタッチセンサ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチセンサ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を、発射制御回路175、払出制御基板170、及び、主制御基板100(遊技制御用マイコン101)に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ72bが接続されている。発射制御回路175は、タッチセンサ72aによって接触が検知されている場合、発射ボリュームつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。また、発射ボリュームつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度(操作量)を示す信号は、発射制御回路175、払出制御基板170、及び、主制御基板100(遊技制御用マイコン101)に出力されているものとする。
【0076】
また払出制御基板170は、外部端子板160に接続されている。つまり、外部端子板160は、払出制御基板170を介して、主制御基板100に接続されている。外部端子板160は、主制御基板100から送信される外端信号を、パチンコ遊技機PY1の外部に設けられている外部ユニットGU(データカウンタ、ホールコンピュータなど)に送信するものである。外端信号に含まれる情報には、例えば、大当たりに当選したかを示す情報、遊技状態の情報、エラーや不正(異常)を示す情報が含まれる。なお、外部端子板160は、外端信号をパラレル通信によって外部ユニットGUに送信しているが、外端信号を非同期シリアル通信(共通の非同期シリアル通信ポート)で送信するようにしても良い。また、主制御基板100を払出制御基板170を介して外部端子板160に接続したが、主制御基板100を払出制御基板170以外の基板(例えば中継基板)を介して外部端子板160に接続したり、主制御基板100と外部端子板160とを直接接続したりするようにしても良い。
【0077】
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0078】
図7に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
【0079】
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0080】
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
【0081】
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140との接続は、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
【0082】
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
【0083】
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
【0084】
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
【0085】
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
【0086】
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
【0087】
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類SA、各種ランプ類SLが接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエータ類SAに信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類SLの点灯制御を行う。
【0088】
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40aおよび特殊ボタン検出スイッチ41aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0089】
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエータ類SAには、盤上可動装置55を駆動する盤上駆動モータ55m、盤下可動装置56を駆動する盤下駆動モータ56m、枠可動装置58を駆動する枠駆動モータ58m等が含まれている。演出制御用マイコン121は、これらのモータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。またサブ制御基板120には、通常ボタン40を振動させるための振動用モータ(不図示)も接続されているものとする。なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0090】
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類SLには、枠ランプ53、盤ランプ54等が含まれている。演出制御用マイコン121は、各ランプを発光させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0091】
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0092】
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、
図10~
図17を用いて説明する。なお、
図10~
図17に示す各テーブルは、本項目の説明のための一般的なものであり、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明においてこれらとは別のテーブルを示した場合、パチンコ遊技機PY1ではそのテーブルが用いられているものとする。但し、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示さない構成については、この項目で示したテーブルが用いられているものとし、また、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示した構成についても、この項目で示したテーブルに変更することが可能であるとする。
【0093】
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、遊技球がゲート13を通過することを「普図始動条件の成立」という。
【0094】
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、
図10(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。乱数には、適宜に範囲が設けられている。
【0095】
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、
図11(A)に示すような当たり判定テーブルに従って、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに従って判定することにより、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。また、当たり判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0096】
3-1-2.普図変動
普図変動パターン判定は、
図11(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルに従って、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
【0097】
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。なお、普図変動パターン判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0098】
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
【0099】
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
【0100】
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、
図11(C)に示すような補助遊技制御テーブルに従って補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。なお、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
【0101】
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせている。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.0秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。なお、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間が同じであってもよい。
【0102】
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特
図1抽選を行う。特
図1抽選が行われると、特
図1表示器81aにおいて、特
図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特
図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0103】
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特
図2抽選を行う。特
図2抽選が行われると、特
図2表示器81bにおいて、特
図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特
図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0104】
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
【0105】
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、
図10(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数(当たり図柄種別乱数)、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定(当たり図柄種別判定)を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
【0106】
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、
図12(A)に示すような大当たり判定テーブルに従って、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
【0107】
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。
図12(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。また、小当たりに当選可能に構成した場合、大当たり判定の結果に、小当たり当選を含めることができる。
【0108】
3-2-2.大当たり図柄種別判定(当たり図柄種別判定)
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、
図12(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルに従って大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
【0109】
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定の起因となる入賞(当該大当たり図柄種別判定を発生させた入賞)が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特
図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特
図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
【0110】
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数(当たり図柄種別乱数)の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
【0111】
例えば、
図12(B)に示すように、特
図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Aが50%、大当たり図柄Bが50%にし、特
図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Cが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特
図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特
図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。また、小当たりに当選可能に構成した場合、小当たり当選時に小当たり図柄の種別の判定を行う構成とすることができる。当たり図柄種別判定には、大当たり図柄の種別の判定と、小当たり図柄の種別の判定とが含まれる。小当たり図柄の種別の判定も、大当たり図柄の種別の判定と同様、当たり図柄種別乱数を用いて行われるものとする。
【0112】
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、
図12(C)に示すようなリーチ判定テーブルに従って、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
【0113】
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。なお、リーチ判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0114】
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに従って判定することにより、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させるか否か)を判定する。
図12(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数値の数が異なっている。なお、リーチ有りと判定される確率については、適宜に変更することが可能である。以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
【0115】
3-2-4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、
図13~
図14に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報が含まれている。特図変動パターンに含ませる識別情報は、適宜に変更することが可能である。また、特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
【0116】
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定の起因となる入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特
図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図1変動パターン判定テーブル:
図13)と、特
図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図2変動パターン判定テーブル:
図14)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特別図柄の種別(特
図1/特
図2)に応じて分けなくてもよい。
【0117】
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特
図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(非時短用特
図1変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(時短用特
図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特
図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(非時短用特
図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(時短用特
図2変動パターン判定テーブル)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0118】
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短用特
図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特
図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特
図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特
図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、大当たり判定結果やリーチ判定結果に応じて分けなくてもよい。
【0119】
さらに、各リーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。例えば、特
図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルと、特
図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、各リーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特
図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルと、特
図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルと、がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特図保留数に応じて分けなくてもよい。
【0120】
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
【0121】
また、各特図変動パターンには、
図13~
図14の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローが関連付けられている。なお、特図変動パターンに特図変動演出の演出フローを関連付けなくてもよい。
【0122】
また、
図13~
図14の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンを、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けた名称で呼ぶことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」と言い、ハズレに係る特図変動パターンのことを「ハズレ変動」と言う。そして、大当たり変動の中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SP大当たり変動」と言い、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「L大当たり変動」と言い、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「N大当たり変動」と言い、リーチが成立するとすぐにゾロ目が揃う特図変動パターンのことを「即大当たり変動」と言う。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」と言い、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」と言い、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」と言い、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」と言う。通常ハズレ変動には、変動時間が互いに異なる3種類の変動(通常Aハズレ変動、通常Bハズレ変動、通常Cハズレ変動)がある。また、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンであって「通常ハズレ変動」に比べて変動時間が短い特図変動パターンを「短縮ハズレ変動」と言う。短縮ハズレ変動には、変動時間が異なる2種類の変動(短縮Aハズレ変動、短縮Bハズレ変動)がある。なお、SP大当たりとSPハズレ変動とを総称する場合、SP変動あるいはSPリーチ変動と言う。
【0123】
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、
図15に示すような先読み判定テーブルに従って先読み判定を行う。先読み判定は、大当たり判定よりも前に(具体的には例えば始動口への入賞時に)行われる。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、がある。第1始動口11は特
図1の抽選の契機となる始動口であるため、第1先読み判定テーブルを特
図1先読み判定テーブルと言うこともできる。また、第2始動口12は特
図2の抽選の契機となる始動口であるため、第2先読み判定テーブルを特
図2先読み判定テーブルと言うこともできる。なお、先読み判定テーブルを、始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に応じて分けなくてもよい。また、始動入賞とは、始動口への入賞のことである。
【0124】
また、先読み判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、がある。
【0125】
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。なお、先読み判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。また、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
【0126】
3-3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14あるいは第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようにすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
【0127】
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間あるいはインターバル時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、
図16に示すような大当たり遊技制御テーブルに従って大当たり遊技を制御する。
【0128】
図16に示すように、大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎(例えば大当たり遊技A~C毎)に大当たり遊技構成要素が格納されている。各大当たり遊技では、1Rから15Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、16R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14a,15aによって検出されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
【0129】
なお、
図16に示す大当たり遊技Aは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄A(
図12(B)参照)である場合に実行され、大当たり遊技Bは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Bである場合に実行され、大当たり遊技Cは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Cである場合に実行される構成とすることが可能である。
【0130】
また、各大当たり遊技構成要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。第1大入賞口14だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成、あるいは、第2大入賞口15だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成とする場合には、用いない方の大入賞口を備えない構成としてもよい。また、実行可能な大当たり遊技の種類は、複数種類であってもよいし、1種類であってもよい。
【0131】
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。また、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいい、特定領域16が閉状態にあることを「V閉鎖」ともいう。
【0132】
振分部材16kは一定の作動態様で制御される(つまり、特定領域16は一定の開閉態様で制御される)。例えば、第2大入賞口15の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(
図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)を設定することが可能である。なお、振分部材16kの作動態様は適宜に変更可能である。後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別の作動態様を示した場合、パチンコ遊技機PY1ではその作動態様が採用されているものとする。
【0133】
なお、大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16への通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vロング大当たり」といい、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vショート大当たり」という。
【0134】
3-4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、
図17に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することがある。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては、非時短状態と時短状態とがある。
【0135】
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態に切り替える契機をV通過とするか、大当たり図柄の種別とするかは、実現したい遊技性に応じて予め定められているものとする。高確率状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
【0136】
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.0秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターン判定が行われる(
図13~
図14参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0137】
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くなっている。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される(
図11(B))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
【0138】
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くなっている。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される(
図11(A))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
【0139】
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
【0140】
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
【0141】
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。つまり、普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。また、時短状態における特図変動パターン判定テーブルが、非時短状態におけるものよりも、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易いものでなくてもよい。
【0142】
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、普図抽選(普図に関する当たり判定)は行われるが特図抽選(大当たり判定)は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。また、本明細書で説明している各種の遊技状態については、「第n遊技状態」(nは1以上の整数)の形式で任意に表現できるものとする。また、低確率低ベース遊技状態(低確低ベース状態)を低確非時短状態、低確率高ベース遊技状態(低確高ベース状態)を低確時短状態、高確率低ベース遊技状態(高確低ベース状態)を高確非時短状態、高確率高ベース遊技状態(高確高ベース状態)を高確時短状態と呼ぶことができるものとする。
【0143】
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、
図18~
図24を用いて説明する。
【0144】
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
【0145】
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、
図18(A―1)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常ボタン40が操作されると、
図18(A―2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、実行される演出の頻度設定などがある。
【0146】
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、
図18(B―1)に示すように、表示部50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、
図18(B―2)に示すように、表示部50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、
図18(B―3)に示すように、表示部50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1~第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示部50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
【0147】
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、
図18(B―4)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示部50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0148】
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、
図18(B―5)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示部50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0149】
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、
図18(C―1)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、
図18(C―2)に示すように、表示部50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、
図18(C―3)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
【0150】
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
【0151】
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
【0152】
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40、特殊ボタン41などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
【0153】
4-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、
図19(A)に示すように、表示部50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
【0154】
また、
図19(A)に示すように、表示部50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。
【0155】
なお、
図19(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、各領域の範囲は適宜に変更可能である。また、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3(左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3)だけでなく、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も、演出用に表示部50aに表示される図柄であるため、「演出図柄」の一例である。
【0156】
4-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
【0157】
特図の可変表示が開始されると、例えば、
図19(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、
図19(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、
図19(C―1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、
図19(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、
図19(C―2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。詳細には、まず左演出図柄EZ1がある図柄(例えば5図柄)で停止し、続いて右演出図柄EZ3が左演出図柄EZ1と同じ図柄(5図柄)で停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
【0158】
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0159】
Nリーチでは、
図20(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、
図20(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、
図20(C―1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、
図20(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
【0160】
また、ハズレを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様に関して、リーチが成立しない場合のバラケ目を「非リーチバラケ目」や「非リーチハズレ目」と称し、リーチが成立する場合のバラケ目を「リーチバラケ目」や「リーチハズレ目」と称する。非リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・3・1」や「5・8・6」等)、および、リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・1・2」や「5・4・5」等)は、演出制御用マイコン121によって選択される。また、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・2・2」や「7・7・7」等)は、当選した大当たり図柄の種別に基づいて、演出制御用マイコン121によって選択される。
【0161】
4-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0162】
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、
図21(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、
図21(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、
図21(C―1)に示すように、表示部50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタ(味方キャラクタの一人)がバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、
図21(C―2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
【0163】
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチで終わる変動の実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には50%として、SPリーチに発展する変動の実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には50%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%として、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%とすれば、SPリーチAの大当たり期待度を、SPリーチBの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
【0164】
4-2-5.Lリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性が、SPリーチよりは低いがNリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチのリーチ演出の実行時間は、SPリーチのリーチ演出の演出時間よりも短い(
図13および
図14)。よって、Lリーチのリーチ演出では、例えば、SPリーチのリーチ演出よりも短い動画が表示部50aに表示される。なお、Lリーチのリーチ演出の内容は適宜変更可能である。また、Lリーチのリーチ演出の後にSPリーチのリーチ演出が発展的に実行される特図変動パターンを設けてもよい。
【0165】
4-3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、
図22(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特
図1保留数または特
図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特
図1保留数が『1』の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特
図1保留数が『2』の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
【0166】
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、
図22(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じ当該アイコンTA(当該保留アイコンTAとも言う)を表示することが可能である。なお、当該アイコンTAとして、保留アイコンHAと異なるアイコンを表示することがあってもよい。
【0167】
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特
図1保留数および特
図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。また、保留アイコン表示領域50dを設けるが当該アイコン表示領域50eを設けない構成としたり、両者を設けない構成としたりすることも可能である。
【0168】
4-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特
図1保留または特
図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
【0169】
保留演出では、特
図1保留数が『0』のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、
図22(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、
図22(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特
図1保留数が『2』であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、
図22(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特
図1保留数が『1』であることが遊技者に報知される。
【0170】
4-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、入力装置(通常ボタン40、特殊ボタン41)等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
【0171】
4-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0172】
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、
図23(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、表示部50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示部50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、
図23(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。この可動体演出は、発展演出の一例である。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出において作動させる可動装置は、適宜変更可能である。また、演出が発展しない場合(例えばNハズレ変動の場合)に、所謂ガセ演出として、可動体演出を行うようにすることも可能である。可動体演出を、可動体駆動演出とも言う。
【0173】
4-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40や特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者に通常ボタン40や特殊ボタン41を操作させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0174】
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、入力装置(特殊ボタン41)の押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、
図24(A)に示すように、特殊ボタン41の操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。操作促進演出において、表示部50aに、操作促進画像G30が表示される。操作促進画像G30は、特殊ボタン41を模した画像(特殊ボタン画像G31)と、特殊ボタン41の操作方法(すなわち、押下操作)を表す画像(操作方法指示画像G32)と、操作有効期間の残り時間を表す画像(有効期間画像G33)と、を含む。なお、有効期間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、操作有効期間において特殊ボタン41が押下操作されることに応じて、または、操作有効期間において特殊ボタン41が操作されることなく操作有効期間が経過した後、
図24(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、盤上可動体55kが表示部50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、特殊ボタン41や通常ボタン40といった操作手段(操作部)の操作を促す操作促進演出を、操作指示演出とも言う。
【0175】
4-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特
図1保留または特
図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特
図1保留または特
図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
【0176】
先読み演出では、例えば、特
図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、
図22(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。このように、保留アイコンHAや当該アイコンTAを通常態様(本形態では「〇」、通常表示態様ともいう)ではなく特殊態様(本形態では例えば「☆」、特殊表示態様ともいう)で表示する先読み演出を、保留変化演出と言う。また、保留アイコンHAや当該アイコンTAを総称して、保留表示と言う。本形態では、保留表示として、保留アイコンHAと当該アイコンTAとを表示するが、保留アイコンHAだけを表示し当該アイコンTAを表示しない構成としてもよい。また、保留変化演出において特殊態様の保留表示を行うタイミングは、その保留表示の契機となる始動入賞の発生時であってもよいし、その保留表示のシフト表示時(保留アイコンHAの表示領域を変更したとき)であってもよいし、その保留表示に対応する特図変動(いわゆる当該変動)の実行中(当該アイコンTAとして表示しているとき)であってもよい。また、保留表示の特殊態様には複数の種類があってもよい。
【0177】
なお、先読み演出は、特
図1保留および特
図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。保留変化演出以外の先読み演出としては、例えば、所謂連続予告などが挙げられる。
【0178】
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
次に
図25~
図26に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。
【0179】
[1.主制御メイン処理]
主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から
図25に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
【0180】
また電源投入時処理(S001)では、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ191への押下操作に基づく信号を入力すると、RAMクリアを実行する。RAMクリアが実行されると、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報(例えば高確率状態などの遊技状態の情報、特図保留の数や大当たりの当否判定結果などの情報)が消去される。これにより、遊技状態は通常遊技状態(低確低ベース状態、低確非時短状態)に設定される。但し、RAMクリアが実行されても、総賞球数記憶部107aに記憶されている総賞球数の情報、総発射球数記憶部107bに記憶されている総発射球数の情報、差玉数記憶部107cに記憶されている差玉数の情報は、クリアされない。
【0181】
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図10(A)および
図10(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0182】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0183】
[2.メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図26に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず入力処理(S102)を実行する。入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
【0184】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図25の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、
図10(A)および
図10(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0185】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S107)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
【0186】
特別動作処理(S107)に次いで、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理(S108)を行う。なお、振分装置16Dを作動させるのは、第2大入賞装置15Dを用いた特別遊技を行う場合である。但し、振分装置16Dを、電源投入から常に一定動作で作動させてもよい。
【0187】
次に、遊技制御用マイコン101は、出力処理(S112)を実行する。出力処理(S112)では、上記の各処理において主制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
【0188】
その後、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S113)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S113)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S113)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。
【0189】
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し(
図25参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。
【0190】
[2-1.センサ検出処理]
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理、排出口センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0191】
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0192】
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
【0193】
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特
図2関係乱数を取得し、取得した特
図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特
図2保留記憶部105bに記憶する。特
図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特
図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特
図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特
図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特
図2関係乱数と第2先読み判定テーブルとを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特
図2保留記憶部105bに記憶されている特
図2関係乱数の数(特
図2保留数)を表す特
図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
【0194】
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特
図1関係乱数を取得し、取得した特
図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特
図1保留記憶部105aに記憶する。特
図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特
図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特
図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特
図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特
図1関係乱数と第1先読み判定テーブルとを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特
図1関係乱数の数(特
図1保留数)を表す特
図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
【0195】
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0196】
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0197】
特定領域センサ処理では、特定領域センサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
【0198】
排出口センサ処理では、排出口センサによって遊技球が検出されたか否か判定する。
【0199】
[2-2.普通動作処理]
普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0200】
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
【0201】
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
【0202】
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
【0203】
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
【0204】
[2-3.特別動作処理]
特別動作処理(S107)では、特別図柄待機処理、特別図柄変動処理、特別図柄確定処理、大当たり遊技制御処理、遊技状態設定処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0205】
[2-3-1.特別図柄待機処理]
特別図柄待機処理は、大当たり遊技状態ではなく、特図の可変表示が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理では、特
図2保留記憶部105bに記憶されている特
図2関係乱数に基づいて、特
図2判定処理及び特
図2変動パターン判定処理を行うとともに、特
図2保留記憶部シフト処理を行う。また、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特
図1関係乱数に基づいて、特
図1判定処理及び特
図1変動パターン判定処理を行うとともに、特
図1保留記憶部シフト処理を行う。
【0206】
特
図2判定処理では、特
図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特
図2関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特
図2関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と、特
図2大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。なお、ハズレの種別を複数設け、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレ図柄の種別を判定するようにしてもよい。この場合、図柄指定コマンドにはハズレ図柄の種別を示す情報を含ませるとよい。
【0207】
特
図2変動パターン判定処理は、特
図2判定処理の後に行われる処理である。特
図2変動パターン判定処理では、特
図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特
図2関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特
図2変動パターン判定テーブルとを用いて、特
図2変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特
図2変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特
図2変動パターンが判定される。なお、特
図2変動パターンの判定は、特
図2保留記憶部105bに記憶されている特
図2関係乱数の数(特
図2保留数)にも関連付けられている。そして、判定された特
図2変動パターンを表す特
図2変動開始コマンドを生成する。特
図2変動開始コマンドには、特
図2であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特
図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特
図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特
図2表示器81bに特
図2の可変表示を開始させる。
【0208】
特
図2保留記憶部シフト処理は、特
図2判定処理及び特
図2変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特
図2保留記憶部シフト処理では、特
図2保留記憶部105bに記憶されていた特
図2関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特
図2関係乱数を特
図2保留記憶部105bからクリアする。このようにして、特
図2関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特
図2保留数を表す特
図2保留数コマンドを生成する。
【0209】
特
図1判定処理では、特
図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特
図1関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特
図1関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と、特
図1大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。なお、ハズレの種別を複数設け、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレ図柄の種別を判定するようにしてもよい。この場合、図柄指定コマンドにはハズレ図柄の種別を示す情報を含ませるとよい。
【0210】
特
図1変動パターン判定処理は、特
図1判定処理の後に行われる処理である。特
図1変動パターン判定処理では、特
図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特
図1関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特
図1変動パターン判定テーブルとを用いて、特
図1変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特
図1変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特
図1変動パターンが判定される。なお、特
図1変動パターンの判定は、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特
図1関係乱数の数(特
図1保留数)にも関連付けられている。そして、判定された特
図1変動パターンを表す特
図1変動開始コマンドを生成する。特
図1変動開始コマンドには、特
図1であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特
図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特
図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特
図1表示器81aに特
図1の可変表示を開始させる。
【0211】
特
図1保留記憶部シフト処理は、特
図1判定処理及び特
図1変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特
図1保留記憶部シフト処理では、特
図1保留記憶部105aに記憶されていた特
図1関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特
図1関係乱数を特
図1保留記憶部105aからクリアする。このようにして、特
図1関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特
図1保留数を表す特
図1保留数コマンドを生成する。
【0212】
なお、特
図2保留数および特
図1保留数の何れも存在する場合、特
図2判定処理が優先して行われ、特
図2の可変表示と特
図1の可変表示とが並行して行われないようになっている。つまり、遊技制御用マイコン101は、特
図2保留がある場合には、特
図1保留があっても特
図1判定処理を行うことはない。なお、特
図2の可変表示と特
図1の可変表示とが入賞順に行われるように構成したり、同時に行われるように構成したりしてもよい。
【0213】
[2-3-2.特別図柄変動処理]
特別図柄変動処理は、特図の可変表示中に行われる処理である。特別図柄変動処理では、特図変動時間が経過することに応じて、特図表示器81に、特図の可変表示を終了させるとともに、大当たり判定の結果に応じた特図を停止表示させる。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たりを示す大当たり図柄を停止表示させ、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを示すハズレ図柄を停止表示させる。そして、特図の可変表示の終了を示す特図変動停止コマンドを生成する。
【0214】
[2-3-3.特別図柄確定処理]
特別図柄確定処理は、特図が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理では、現在停止表示している特図が大当たり図柄である場合には、大当たり遊技状態に移行させる。そして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ高確率状態を終了させる場合には、通常確率状態を設定する。そして、通常確率状態への移行を示す高確率終了コマンドを生成する。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ時短状態を終了させる場合には、非時短状態を設定する。そして、非時短状態への移行を示す時短終了コマンドを生成する。なお、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ特
図2保留数および特
図1保留数が「0」の場合には、パチンコ遊技機PY1が待機状態であることを示す客待ちコマンドを生成する。
【0215】
[2-3-4.大当たり遊技制御処理]
大当たり遊技制御処理は、大当たり遊技状態において行われる処理である。大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技制御テーブルに従って、大当たり遊技を行う。大当たり遊技状態への移行後、オープニング時間または閉鎖時間の経過に応じて、各ラウンド遊技を開始する。そして、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技コマンドを生成する。また、最終のラウンド遊技を終了させることに応じて、エンディングを開始する。そして、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。
【0216】
[2-3-5.遊技状態設定処理]
遊技状態設定処理は、大当たり遊技状態が終了する際に行われる処理である。遊技状態設定処理では、通常確率状態から高確率状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に高確率状態を設定する。高確率状態の継続期間を制限する場合には、高確率状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく高確率状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、高確率状態の設定を示す高確率設定コマンドを生成する。また、非時短状態から時短状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に時短状態を設定する。時短状態の継続期間を制限する場合には、時短状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく時短状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、時短状態の設定を示す時短設定コマンドを生成する。
【0217】
なお、遊技制御用マイコン101が各処理において生成するコマンドは、適宜に追加または変更することが可能である。
【0218】
6.演出制御用マイコン121による演出の制御
次に、
図27~
図29に基づいて演出制御用マイコン121による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン121による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
【0219】
[1.サブ制御メイン処理]
サブ制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、
図27に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0220】
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
【0221】
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、サブ制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53、および盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、大当たり遊技演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
【0222】
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
【0223】
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S112)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
【0224】
[2.1msタイマ割り込み処理]
1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、
図28に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
【0225】
入力処理では、通常ボタン検出スイッチ40aや特殊ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データをランプ制御回路151に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動装置制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58などの可動装置を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
【0226】
[3.10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、
図29に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
【0227】
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、通常ボタン40や特殊ボタン41といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
【0228】
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、特図変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド又は特
図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、特図変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SP大当たり変動やSPハズレ変動)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する特図変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、大当たり遊技演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出などの他の演出についても基本的には同じである。
【0229】
7.パチンコ遊技機PY1の特徴部
以下、パチンコ遊技機PY1の特徴部を詳細に説明する。
【0230】
まず、パチンコ遊技機PY1における画像表示装置50について
図30に基づいて説明する。
図30では、遊技領域6内の構成を実線で示し、画像表示装置50を破線で示している。
図30に示すように、画像表示装置50は、遊技領域6が形成された遊技盤1の後方に配されており、画像表示装置50の表示部50aの大きさは、正面から見て遊技領域6の大きさよりも大きい。つまり表示部50aは、遊技領域6を区画する外側壁部1C及び内側壁部1B等のレール部材の上方や下方、左方、右方まで広がっている。
【0231】
遊技盤1には、外側壁部1Cや内側壁部1B、センター枠61、第1始動入賞装置11D、電チュー12D、ゲート13、第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D、一般入賞口10を有する装置などが取り付けられているが、これらの各部品および遊技盤1自体は、無色透明の合成樹脂部材で形成されている。このため遊技者は、遊技盤1の前方からでも、遊技盤1の後方に配された表示部50aに表示される画像を良好に視認することが可能となっている。
【0232】
次に、パチンコ遊技機PY1における大当たり判定テーブルについて説明する。パチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101は、
図31に示す大当たり判定テーブルに従って大当たり判定(特
図1の抽選、及び、特
図2の抽選)を行う。
【0233】
図31に示すように、第1始動口11への入球に基づく特
図1の抽選の結果には、大当たりとハズレが含まれ、第2始動口12への入球に基づく特
図2の抽選の結果には、大当たりと小当たりとが含まれる。具体的には遊技制御用マイコン101は、特
図1の抽選では約1/300の確率で大当たり当選と判定し、それ以外はハズレと判定する。一方、特
図2の抽選では、特
図1の抽選における大当たり当選確率と同じ確率で大当たり当選と判定し、それ以外は小当たり当選と判定する。つまり、特
図1の抽選では、小当たり当選と判定されることはなく、特
図2の抽選では、ハズレと判定されることはない。
【0234】
小当たりに当選した場合、遊技制御用マイコン101は、第2大入賞口15を開放する小当たり遊技(特定遊技の一例)を実行する。そして、小当たり遊技において第2大入賞口15内の特定領域16(
図3参照)に遊技球が通過した場合、第1大入賞口14を開放する大当たり遊技を実行する。特定領域16への遊技球の通過(V入賞という)に基づく大当たり遊技を、2種大当たり遊技と言う。これに対して、特
図1又は特
図2の抽選で大当たり当選と判定されたことに基づく大当たり遊技を、1種大当たり遊技と言う。本形態のパチンコ遊技機PY1は、1種大当たり遊技および2種大当たり遊技を実行可能な所謂1種2種混合機である。大当たり遊技も小当たり遊技も特別遊技の一例である。なお本形態のパチンコ遊技機PY1は、特
図1保留を4個まで貯めることができるが、特
図2保留、普図保留を貯めることができないものとする。各種の保留の上限数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
【0235】
次に、パチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101が実行可能な大当たり遊技(1種大当たり遊技、2種大当たり遊技)について説明する。遊技制御用マイコン101は、
図32の大当たり遊技制御テーブルに示す各種の大当たり遊技(大当たり遊技1~7)を実行可能である。大当たり遊技1~4は、大当たり図柄に当選したことに基づく1種大当たり遊技であり、大当たり遊技5~7は、小当たり図柄に当選して小当たり遊技中にV入賞が発生したことに基づく2種大当たり遊技である。
【0236】
図32に示すように、遊技制御用マイコン101は、特
図1判定処理(第1始動口11への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり判定で大当たり当選と判定した場合の当たり図柄種別判定では、「大当たり図柄1」又は「大当たり図柄2」の何れかを決定可能である。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄1」を60%の割合で決定し、「大当たり図柄2」を40%の割合で決定する。
【0237】
また、遊技制御用マイコン101は、特
図2判定処理(第2始動口12への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり判定で大当たり当選と判定した場合の当たり図柄種別判定では、「大当たり図柄3」又は「大当たり図柄4」の何れかを決定可能である。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄3」を60%の割合で決定し、「大当たり図柄4」を40%の割合で決定する。
【0238】
そして、遊技制御用マイコン101は、決定した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技を実行する。具体的には、「大当たり図柄1」が決定された場合に実行される「大当たり遊技1」、および、「大当たり図柄2」が決定された場合に実行される「大当たり遊技2」では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから4Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放し、5Rから10Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14を開放する。この大当たり遊技の5Rから10Rまでは、第1大入賞口14の開放時間が極めて短く、現実的には第1大入賞口14への入賞が見込めないラウンドとなっている。つまり、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は10回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は4回である。
【0239】
また、「大当たり図柄3」が決定された場合に実行される「大当たり遊技3」、および、「大当たり図柄4」が決定された場合に実行される「大当たり遊技4」では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの全てにおいて、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放する。つまり、この大当たり遊技は、ラウンド遊技の総数も実質的なラウンド遊技の回数も10回である。
【0240】
従って、実質的なラウンド遊技の回数が10回である「大当たり遊技3」や「大当たり遊技4」は、実質的なラウンド遊技の回数が4回である「大当たり遊技1」または「大当たり遊技2」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言え、「大当たり遊技3」や「大当たり遊技4」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技1」または「大当たり遊技2」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。
【0241】
なお、大当たり遊技1~大当たり遊技4の何れにおいても、初回のラウンド遊技が開始される前の大入賞口の閉鎖期間である大当たりオープニング(大当たりOP)の時間は10秒であり、最終のラウンド遊技が終了した後の大入賞口の閉鎖期間である大当たりエンディング(大当たりED)の時間は10秒である。大当たりOPでは大当たりのオープニング演出が実行され、大当たりEDでは大当たりのエンディング演出が実行される。
【0242】
また、遊技制御用マイコン101は、特
図2判定処理(第2始動口12への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり判定で小当たり当選と判定した場合の当たり図柄種別判定では、「小当たり図柄1」、「小当たり図柄2」、又は「小当たり図柄3」の何れかを決定可能である。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、「小当たり図柄1」を70%の割合で決定し、「小当たり図柄2」を10%の割合で決定し、「小当たり図柄3」を20%の割合で決定する。
【0243】
小当たり図柄1が決定された場合に実行される小当たり遊技を「小当たり遊技1」と言い、小当たり遊技1における特定領域16への通過(V入賞)に基づいて実行される大当たり遊技を「大当たり遊技5」と言う。また、小当たり図柄2が決定された場合に実行される小当たり遊技を「小当たり遊技2」と言い、小当たり遊技2における特定領域16への通過(V入賞)に基づいて実行される大当たり遊技を「大当たり遊技6」と言う。また、小当たり図柄3が決定された場合に実行される小当たり遊技を「小当たり遊技3」と言い、小当たり遊技3における特定領域16への通過(V入賞)に基づいて実行される大当たり遊技を「大当たり遊技7」と言う。
【0244】
小当たり遊技1~3では、第2大入賞口15の0.1秒開放が15回行われる。各開放の間には、0.1秒の閉鎖時間が設けられている。小当たり遊技1~3における第2大入賞口15の開放時間は最大でも1.5秒(0.1秒×15回)と短いが、0.1秒開放が0.1秒の閉鎖時間を挟んで15回繰り返されるため、遊技者はこの間に小当たり遊技における最大入賞球数(本形態では10球)の遊技球を第2大入賞口15へ入賞させることが可能である。なお、0.1秒開放が複数回繰り返される期間をまとめて、小当たり遊技における「開放期間」と言う。また本形態では、特定領域16を開閉する振分部材16kの作動パターンは、小当たり遊技1~3で共通しており、この共通の作動パターンは、遊技者が正しく右打ちを継続していれば小当たり遊技中に必ず特定領域16への通過(V入賞)が生じる作動パターンとなっている。つまり本形態では、小当たりに当選すれば、正しく遊技している限り必ず大当たり遊技を実行させることが可能となっている。
【0245】
小当たり遊技1~3においてV入賞が生じた場合、大当たり遊技5~7が実行される。大当たり遊技5~7はそれぞれ、9R分のラウンド遊技で構成される。小当たり遊技においてV入賞が生じた場合、その小当たり遊技を1R目とカウントする。よって、V入賞に基づく大当たり遊技としては、2R目から10R目までの9R分のラウンド遊技が実行される。この9R分のラウンド遊技は何れも、第1大入賞口14を最大で29.5秒にわたって開放するラウンド遊技であり、各ラウンド遊技の間には2.0秒の閉鎖時間が設けられている。この最大29.5秒にわたる第1大入賞口14の開放の間に、遊技者は1回のラウンド遊技における最大入賞球数(本形態では10球)の遊技球を第1大入賞口14に入賞させることが可能である。このように本形態では、小当たりに当選した場合には、小当たり遊技中と2種大当たり遊技中とで合計10R分の賞球を獲得可能となっている。
【0246】
なお、小当たり遊技1~3の何れにおいても、第2大入賞口15を開放する開放遊技(小当たり遊技における開放期間)が開始される前の大入賞口の閉鎖期間である小当たりオープニング(小当たりOP)の時間は10秒である。また、第2大入賞口15を開放する開放遊技(小当たり遊技における開放期間)が終了した後の大入賞口の閉鎖期間である小当たりエンディング(小当たりED)の時間は、小当たり遊技においてV通過が生じたか否かによって異なっている。具体的には小当たりエンディング(小当たりED)の時間は、V通過が発生した場合には5秒と短い時間に設定される一方、V通過が発生しなかった場合(V非通過の場合)には20秒と長い時間に設定される。V通過が発生した場合の小当たりEDの時間が5秒と短いのは、小当たりEDに続いて、V通過に基づく2種大当たり遊技(実質的に2R目となるラウンド遊技)をスムーズに開始するためである。これに対して、V通過が発生しなかった場合の小当たりEDの時間が20秒と長いのは、この20秒の小当たりEDの期間を利用して、遊技者にV通過が発生しなかった旨を報知するVパンク報知演出を実行するためである。本形態では、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技の実行に際して遊技状態を後述の時短状態から非時短状態に制御するものとする。このため、小当たり遊技においてV通過を発生させることができなかった場合、小当たり遊技の終了後は非時短状態での遊技となる。そこで、万一遊技者が小当たり遊技においてV通過を発生させられなかった場合には、その旨を遊技者に報知することとし、非時短状態での遊技となった原因を理解できずに遊技場の店員に不服を言う遊技者が出てしまうのを防止することとしている。なお、Vパンク報知演出の詳細については後述する。
【0247】
また、小当たり遊技1におけるV通過に基づく大当たり遊技5、小当たり遊技2におけるV通過に基づく大当たり遊技6、及び、小当たり遊技3におけるV通過に基づく大当たり遊技7の何れにおいても、最終のラウンド遊技が終了した後の大入賞口の閉鎖期間である大当たりエンディング(大当たりED)の時間は10秒である。大当たりEDでは大当たりのエンディング演出が実行される。
【0248】
次に、遊技制御用マイコン101が制御可能な遊技状態について説明する。遊技制御用マイコン101は、大当たり図柄1に基づく「大当たり遊技1」、大当たり図柄3に基づく「大当たり遊技3」、小当たり図柄1に基づく「大当たり遊技5」、又は、小当たり図柄2に基づく「大当たり遊技6」の何れかの大当たり遊技を実行した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を、時短状態(高ベース状態)に設定する。一方、大当たり図柄2に基づく「大当たり遊技2」、大当たり図柄4に基づく「大当たり遊技4」、又は、小当たり図柄3に基づく「大当たり遊技7」の何れかの大当たり遊技を実行した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を、非時短状態(低ベース状態)に設定する。大当たり当選確率は、非時短状態であっても時短状態であっても変わらない。つまり本形態のパチンコ遊技機PY1は、高確率状態に設定されることはない。
【0249】
本形態のパチンコ遊技機PY1は、非時短状態では特
図2の抽選が行われることがなく、時短状態では特
図2の抽選が容易に行われるように、普図抽選における当選確率や、普図の変動時間、電チュー12Dの開放パターンが設定されているものとする。よって、大当たり遊技の終了に応じて非時短状態となった場合には、遊技者は左打ちにて第1始動口11への入賞を狙って遊技を行い、大当たり遊技の終了に応じて時短状態となった場合には、遊技者は右打ちにて第2始動口12への入賞を狙って遊技を行うこととなる。時短状態の終了条件は、何れの種類の大当たり遊技後であっても、特別図柄の変動表示が100回行われること(時短回数100回)、大当たり遊技が実行されること、及び、小当たり遊技が実行されること、の何れかが成立することである。本形態では、特
図2の抽選の結果は必ず小当たりか大当たりとなり、小当たり当選時には必ず2種大当たり遊技を実行させることができるようになっている。よって、大当たり遊技の終了に応じて時短状態に制御されることは、次の大当たり遊技の獲得確定を意味する。
【0250】
なお本形態では、当選した当たり図柄の種類に基づいて、大当たり遊技中の演出の内容が決定される。例えば、小当たり図柄2に基づく2種大当たり遊技(大当たり遊技6)では、最終ラウンドのラウンド遊技が終了するまでは、大当たり遊技の終了後に非時短状態に制御されるかのように見せておき、大当たり遊技のエンディング(ED)において、時短状態に制御されることを報知することがある。このエンディング演出(ED演出)を、復活ED演出と言う。
【0251】
このように本形態では、その後に時短状態が設定される「大当たり遊技1」、「大当たり遊技3」、「大当たり遊技5」、又は「大当たり遊技6」は、その後に非時短状態に設定される「大当たり遊技2」、「大当たり遊技4」、又は「大当たり遊技7」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言える。また、「大当たり遊技1」、「大当たり遊技3」、「大当たり遊技5」、又は「大当たり遊技6」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技2」、「大当たり遊技4」、又は「大当たり遊技7」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。
【0252】
なお、大当たり遊技状態は、大当たり図柄や小当たり図柄の種類を問わず、通常遊技状態(非時短状態)よりも有利な遊技状態と言える。本明細書では、遊技者に有利な遊技状態を有利遊技状態あるいは有利状態と言うことがある。
【0253】
次に、非時短状態における特
図1の変動パターン判定について説明する。遊技制御用マイコン101は、非時短状態では、
図33に示す特
図1変動パターン判定テーブルを用いて特
図1変動パターンを判定する。
【0254】
遊技制御用マイコン101は、非時短状態に設定しているときの特
図1変動パターン判定処理において、特
図1判定処理で行った大当たり判定(特図判定)の結果、リーチ判定の結果、および特図変動パターン乱数に基づいて、特
図1変動パターンを決定する。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、
図33に示すように、大当たり判定において大当たり当選と判定したときには、「大当たり図柄1」である場合も「大当たり図柄2」である場合も、特
図1変動パターンとして、「THP001」~「THP003」の何れかを決定することが可能である。何れの特
図1変動パターンに決定するかは、特図変動パターン乱数によって振り分けられる。振分率は、
図33に示す通りである。なお、特図変動パターンの振分率(選択割合)については、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更することが可能である。このことは、「THP001」~「THP003」以外の特図変動パターンについても同様である。
【0255】
また、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定においてハズレと判定した場合であって、リーチ判定の結果が「リーチ有り」である場合には、特
図1変動パターンとして、「THP021」~「THP023」の何れかを決定することが可能である。
【0256】
また、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定においてハズレと判定した場合であって、リーチ判定の結果が「リーチ無し」である場合には、特
図1変動パターンとして、「THP041」又は「THP042」の何れかを決定することが可能である。これらの特
図1変動パターンのうち何れに決定するかは、特
図1保留数によって割り振られている。特
図1保留数が0~2個の場合には、特図変動時間が比較的長い特図変動パターンが決定され易く、特
図1保留数が3~4個の場合には、特図変動時間が比較的短い特図変動パターンが決定され易くなっている。
【0257】
ここで、特
図1変動パターン「THP001」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると直ぐに突然、SPリーチが開始され、そのSPリーチの結果として成功演出(当選報知演出)が実行される変動(直SP大当たり変動)である。また、特
図1変動パターン「THP002」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると、Nリーチを経てSPリーチに発展し、そのSPリーチの結果として成功演出(当選報知演出)が実行される変動(通常SP大当たり変動)である。また、特
図1変動パターン「THP003」は、Nリーチにおいて当選が報知され、SPリーチに発展せずに終了する変動(N大当たり変動)である。
【0258】
また、特
図1変動パターン「THP021」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると直ぐに突然、SPリーチが開始され、そのSPリーチの結果として失敗演出(落選報知演出)が実行される変動(直SPハズレ変動)である。また、特
図1変動パターン「THP022」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると、Nリーチを経てSPリーチに発展し、そのSPリーチの結果として失敗演出(落選報知演出)が実行される変動(通常SPハズレ変動)である。また、特
図1変動パターン「THP023」は、Nリーチにおいて落選が報知され、SPリーチに発展せずに終了する変動(Nハズレ変動)である。
【0259】
また、特
図1変動パターン「THP041」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになることなく変動演出が16秒で終了する「通常Aハズレ変動」であり、「THP042」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになることなく変動演出が5秒で終了する「通常Bハズレ変動」である。なお、リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で、遊技者に有利な遊技状態になること(例えば大当たり遊技状態になること)を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。
【0260】
本形態では、
図33に示すように、大当たりに当選している場合(大当たり変動の場合)には、直SP大当たり変動(特図変動パターンTHP001)が45%の割合で選択され、通常SP大当たり変動(特図変動パターンTHP002)が45%の割合で選択され、N大当たり変動(特図変動パターンTHP003)が10%の割合で選択される。これに対して、ハズレの場合(ハズレ変動の場合)には、直SPハズレ変動(特図変動パターンTHP021)が2%の割合で選択され、通常SPハズレ変動(特図変動パターンTHP022)が28%の割合で選択され、Nハズレ変動(特図変動パターンTHP023)が70%の割合で選択される。このため、SPリーチは、Nリーチよりも大当たり期待度が高い演出として機能し、SPリーチが直ぐに開始される変動演出は、SPリーチがNリーチを経て開始される変動演出よりも大当たり期待度が高い演出として機能する。また、SPリーチが直ぐに開始される変動演出がハズレの場合に選択される割合は、リーチ有りと判定されたときの2%と極めて低い。よって、SPリーチがNリーチを経て開始される変動演出の方が、SPリーチが直ぐに開始される変動演出よりも、遊技者の目に触れやすい演出となっている。
【0261】
ここで、直SP変動(直SP大当たり変動、直SPハズレ変動)に係る特図変動時間と、通常SP変動(通常SP大当たり変動、通常SPハズレ変動)に係る特図変動時間とは共に、109秒と同じ時間に設定されている。この同じ長さの特図変動時間を使って、通常SP変動では、通常変動が行われてリーチが形成され、NリーチからSPリーチへと発展するという演出フローで演出が行われるのに対して、直SP変動では、変動演出の開始(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の開始)に伴って直ぐにSPリーチが開始されるという演出フローで演出が行われる。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになるのを見せてからSPリーチに発展させるSPリーチの実行ルートを「通常SPルート」と言う。これに対して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになるのを見せることなく変動開始に応じてSPリーチを行うSPリーチの実行ルートを直SPルートと言う。
【0262】
本形態では、SPリーチには、SPリーチ(前段)と、SPリーチ(後段)とが含まれる。SPリーチ(前段)を前段SPリーチとも言い、SPリーチ(後段)を後段SPリーチとも言う。SPリーチは特定演出の一例であり、後段SPリーチは第1演出の一例であり、前段SPリーチは第2演出の一例である。前段SPリーチは、後段SPリーチに至る背景(後段SPリーチの演出内容に繋がるストーリー)を演出内容とする。通常SP変動では、SPリーチとして後段SPリーチだけが実行され、直SP変動では、前段SPリーチが実行された後に後段SPリーチが実行される。
【0263】
具体的には、SPリーチは、主人公キャラクタ(騎士)と敵キャラクタとがバトルを行うバトルリーチとなっている。後段SPリーチは、主人公キャラクタと敵キャラクタとがバトルを開始するシーンから始まる。そして後段SPリーチには、当落分岐が含まれ、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利する成功演出(勝利演出)、又は、主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北する失敗演出(敗北演出)に分岐する。成功演出は、遊技者に大当たりに当選していることを示唆する演出として機能する。失敗演出は、遊技者に大当たりに当選していないことを示唆する演出として機能する。成功演出(勝利演出)は、成功態様の一例であり、失敗演出(敗北演出)は、失敗態様の一例である。
【0264】
これに対して、前段SPリーチは、主人公キャラクタが敵キャラクタと戦えるような騎士になるまでの成長過程を演出内容とする。前段SPリーチに当落分岐は含まれない。前段SPリーチと後段SPリーチとを続けて見ることにより、遊技者は、後段SPリーチに登場するキャラクタについてより深く理解できるようになっており、また、後段SPリーチの演出内容に至った背景について理解できるようになっている。
【0265】
本形態では、ハズレ時に直SP変動が選択される確率は極めて低いため(
図33参照)、前段SPリーチが実行されるまでには、後段SPリーチが何度か実行されている可能性が高い。よって、後段SPリーチを何度か見た状態で遊技者は前段SPリーチを見ることとなるため、前段SPリーチ及び後段SPリーチで構成される直SP変動の変動演出に特別感が生じ、単に後段SPリーチの部分だけをSPリーチとして実行可能な遊技機と比べて、SPリーチによる興趣を向上させることが可能である。
【0266】
また本形態では、前段SPリーチ及び後段SPリーチで構成される演出尺の長いSPリーチを、変動演出においてリーチが成立するのを見せることなく、変動演出の開始と共に実行するようにしている。これにより、直SP変動の変動時間を、通常SP変動の変動時間と同程度(実施形態では共に109秒)に抑えることができている。つまり、SPリーチにおいて長いストーリーを見せる場合でも無暗に長い変動時間を設定する必要がない。よって、やたらと長い変動演出の末にハズレが報知されて落胆するなどの事態を防止でき、遊技興趣の低下を抑制可能である。
【0267】
また、直SP変動では、変動演出の開始に伴って直ぐにSPリーチが開始されるため、SPリーチは演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになった後で発展的に実行されるものと考えている遊技者に対して強い驚きを与えつつ、大当たりに期待させることができ、興趣向上が見込める。
【0268】
次に、
図34から
図37に基づいて、直SPルートの変動演出についてより詳細に説明する。
図34は、通常SPルートにおける変動演出の構成と、直SPルートにおける変動演出の構成とを比較したタイミングチャートである。
図34(A)に示すように、通常SPルートに係る変動演出では、まず通常変動(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示)が行われて、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになる。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになる過程は、まず左演出図柄EZ1がある図柄(例えば7図柄)で停止し、続いて右演出図柄EZ3が、停止している左演出図柄EZ1と同じ図柄(7図柄)で停止するといった形で遊技者に見せられる。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになるのを見せる演出を、リーチ形成演出(リーチ成立演出)と言う。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになると、Nリーチのリーチ演出が行われ、後段SPリーチへと発展する。変動演出の開始から後段SPリーチの開始までは、通常SP変動の特図変動時間109秒のうち0秒から29秒までを使って行われ、後段SPリーチの開始から変動演出の終了までは、通常SP変動の特図変動時間109秒のうち29秒から109秒までを使って行われる。なお、SPリーチにおける当落分岐(成否分岐)のタイミングは、変動開始から99秒経過した時点である。
【0269】
一方、直SPルートに係る変動演出では、
図34(B)に示すように、変動演出の開始に伴って直ぐに前段SPリーチが行われ、前段SPリーチの終了に続いて後段SPリーチが行われる。つまり直SPルートの変動演出では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになるのを見せる演出(リーチ形成演出)が行われることなく、突然にSPリーチが開始される。前段SPリーチは、直SP変動の特図変動時間109秒のうち0秒から29秒までを使って行われ、後段SPリーチの開始から変動演出の終了までは、直SP変動の特図変動時間109秒のうち29秒から109秒までを使って行われる。SPリーチにおける当落分岐(成否分岐)のタイミングは、変動開始から99秒経過した時点である。つまり、後段SPリーチの開始タイミングおよびこれ以降の演出構成は、直SPルートの変動演出も通常SPルートの変動演出も同じであり、両変動演出で異なっているのは、変動開始から29秒までの構成である。
【0270】
次に、本パチンコ遊技機PY1における直SPルートの変動演出の実行例を
図35~
図37に基づいて説明する。
図35は、変動演出の開始から前段SPリーチの終了までを示し、
図36および
図37は、後段SPリーチの開始から変動演出の終了までを示している。なお、演出制御用マイコン121は、特図変動演出を構成する各演出(通常変動、Nリーチ、SPリーチなど)において、表示部50aに演出画像を表示するとともに、演出画像の表示に応じて、枠ランプ53や盤ランプ54を用いた発光演出や、スピーカ52を用いた音演出、可動装置55,56,58を用いた可動体演出、入力装置(通常ボタン40、特殊ボタン41)を用いた操作演出等を実行可能である。
【0271】
直SPルートの変動演出では、
図35(A)(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると直ぐに、黒色のベタ塗り背景に白抜きの文字で「直SP」と表示される。これにより、SPリーチが開始されたことが遊技者に示される。なお、「直SP」の文字表示に際して、演出制御用マイコン121は、左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3を共に7図柄で表示する。これによっても遊技者は、演出図柄がリーチになっていることから、開始された演出がリーチ演出であると認識することが可能である。この左演出図柄EZ1及び右演出図柄EZ3の表示は、SPリーチの終了まで継続する。このように直SPルートの変動演出では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになる過程を全く見せることなく、変動演出の開始と共に、SPリーチの開始を示唆する画像(直SPの文字画像)およびリーチ状態の演出図柄を突然表示する(
図35(B))。
【0272】
続いて演出制御用マイコン121は、表示部50aに、幼児の主人公キャラクタがぬいぐるみのおもちゃで遊んでいるシーンを表示し(
図35(C))、その後、少し成長した主人公キャラクタが剣のおもちゃに興味を持っているシーンを表示する(
図35(D))。そして、青年に成長した主人公キャラクタが剣術の稽古に打ち込むシーンを表示し(
図35(E)(F))、その後、主人公キャラクタが更に成長して立派な騎士となったシーンを表示する(
図35(G)(H))。このような
図35(B)~(H)に示す一連の演出が前段SPリーチである。この前段SPリーチによって遊技者は、この後実行される後段SPリーチの演出内容よりも時間的に前の出来事について知ることができる。
【0273】
前段SPリーチが終了すると、演出制御用マイコン121は続けて後段SPリーチを開始する。なお、後段SPリーチの演出内容は、通常ルートの変動演出でも同様である。後段SPリーチではまず、「敵Xを撃破せよ!」の文字が表示され(
図36(A))、続いて主人公キャラクタと敵キャラクタ(敵X)とのバトルが開始されることを示す画像が表示される(
図36(B))。その後、主人公キャラクタと敵キャラクタとのバトルシーンが表示される。バトルシーンとしては、主人公キャラクタが技を繰り出すシーンが表示されたり(
図36(C))、敵キャラクタが技を繰り出すシーンが表示されたりする(
図36(D))。
【0274】
そして最終的には、主人公キャラクタと敵キャラクタとがせめぎ合うシーンが表示され(
図37(A))、当落分岐(成否分岐)を迎える。当落分岐では、主人公キャラクタと敵キャラクタとがせめぎ合うシーンに重ねて、通常ボタン40の操作を促す操作演出が行われる(
図37(B))。この操作演出の操作有効期間内に遊技者が通常ボタン40を操作した場合、若しくは、通常ボタン40が操作されることなく操作有効期間が経過した場合には、大当たり変動に基づくSPリーチ(後段SPリーチ)であれば、主人公キャラクタが勝利しているシーンを示す勝利演出が表示される(
図37(C))。そして、勝利演出に続いて、SPリーチ実行前の背景画像(昼間通常用背景画像G102)に戻って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がゾロ目(大当たり当選を示す停止態様)で確定的に停止表示されるとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3がゾロ目で停止表示される(
図37(D))。一方、ハズレ変動に基づくSPリーチ(後段SPリーチ)であれば、主人公キャラクタが敗北しているシーンを示す敗北演出が表示される(
図37(E))。そして、敗北演出に続いて、SPリーチ実行前の背景画像(昼間通常用背景画像G102)に戻って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチハズレ目(ハズレを示す停止態様)で確定的に停止表示されるとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3がハズレ目で停止表示される(
図37(F))。
【0275】
このように本形態では、
図35(B)~(H)に示す前段SPリーチと
図36および
図37に示す後段SPリーチとからなるSPリーチが、変動演出の開始時点から始まることがある(
図34(B))。よって、単にバトルシーンを行うだけのSPリーチがNリーチを経て行われ得るだけの遊技機に比べて、SPリーチの実行タイミングの意外性や、SPリーチの演出内容の充実度合いの面で、高い興趣を提供することが可能である。
【0276】
次に、パチンコ遊技機PY1が実行可能なカウントアップタイマ演出(CUタイマ演出)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における特
図1の抽選に基づく変動演出に伴って、大当たり期待度を示唆する予告演出として、CUタイマ演出を実行することが可能である。CUタイマ演出(進行演出の一例)は、タイマを表す画像(タイマ画像G50、
図39参照)を表示部50aに表示して、そのタイマの表示値(タイマ値)を零(「00」)から目標値に向けてカウントアップしていく演出である。本形態では、CUタイマ演出の目標値は「99」である。タイマ値「00」は0秒を表し、タイマ値「99」は99秒を表す。タイマ値は1秒毎に1加算される。タイマ値「99」は所定態様の一例である。
【0277】
図34(C)は、CUタイマ演出の演出構成を示すタイミングチャートである。
図34(A)~(C)に示されるように、CUタイマ演出では、変動演出の開始に伴ってタイマ値のカウントアップが開始される。後段SPリーチが行われる変動では、変動開始から99秒後に当落分岐(成否分岐)を迎える。CUタイマ演出が、直SP変動や通常SP変動の変動演出に伴って行われる場合、CUタイマ演出のタイマ値が「99」に至るタイミングは、後段SPリーチにおいて当落分岐(成否分岐)を迎えるタイミングと一致する。
【0278】
ここで、CUタイマ演出には、タイマ値が「99」に到達して終了する場合と、タイマ値が「99」に到達することなく終了する場合とがある。タイマ値が「99」に到達するCUタイマ演出は、大当たり変動(大当たり当選の判定結果に基づく変動)において実行されることはあるが、ハズレ変動(ハズレの判定結果に基づく変動)において実行されることはない。つまり、タイマ値が「99」に到達することは、大当たり当選の報知として機能する。本形態では、タイマ値が「99」に至るタイミングは、後段SPリーチにおいて当落分岐(成否分岐)の結果が示されるよりも前である。よって、SPリーチを含む変動演出に伴ってタイマ値が「99」に到達するCUタイマ演出が行われた場合には、遊技者はCUタイマ演出によって大当たり当選を認識することが可能である。
【0279】
図34(C)に示すように、CUタイマ演出の実行中は所定のタイミングで、当該演出の終了を煽る終了煽り演出が実行される。具体的には、CUタイマ演出では、タイマを表すタイマ画像G50と、そのタイマを持ちながら飛んでいる所定のキャラクタ(ミニキャラA)を表すミニキャラ画像G60とが表示される(
図39参照)。終了煽り演出は、このミニキャラAがタイマを落としそうになる様子を表す演出である(
図39(D)や
図39(F)参照)。終了煽り演出を実行したもののCUタイマ演出を続行する場合は、ミニキャラAがタイマを落とさずに踏ん張っている様子が示される(
図39(E)参照)。これに対して、終了煽り演出を実行してCUタイマ演出を終了する場合は、ミニキャラAがタイマを落としてしまう様子が示される(
図39(G)参照)。
【0280】
CUタイマ演出においてタイマ値が「99」に到達することなく終了する場合としては、タイマ値が「18」までカウントアップされて終了する場合と、タイマ値が「35」までカウントアップされて終了する場合と、タイマ値が「70」までカウントアップされて終了する場合とがある。言い換えれば本形態では、CUタイマ演出においてタイマ値が「0」から「99」に至るまでに、CUタイマ演出の終了を煽る終了煽り演出が3回行われ得る。CUタイマ演出の終了時期は遊技者にはわからない。この点は、ある値から零までカウントダウンしていくタイプのタイマ演出と大きく異なる点である。
【0281】
CUタイマ演出においてタイマ値が「99」に到達することなく終了する場合、ミニキャラAがタイマを落とした後、タイマ画像G50を非表示とするとともに、大当たり期待度を示唆する示唆演出を実行する(
図40(A)(B)参照)。示唆演出は、所定の文字を表示することにより大当たり期待度を示唆する演出である。本形態では、示唆演出として表示される文字には、「・・・。」、「好機」、「熱」の3つの態様がある。
【0282】
図38は、CUタイマ演出の実行抽選テーブルである。演出制御用マイコン121は、
図38に示すテーブルに基づいて、CUタイマ演出を実行するか否か、及び、実行する場合の演出態様(タイマ値が何秒になるまで継続するかや、示唆演出としてどの文字を表示するかなど)を決定する。具体的には、CUタイマ演出の実行抽選では、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「直SP大当たり変動」(THP001)である場合には、40%の割合でCUタイマ演出を実行することに決定し、その内訳としては、タイマ値のカウントアップを「35」で終了して「好機」の文字を表示する態様(「35秒+好機」と言う)を4%の割合で選択し、タイマ値のカウントアップを「35」で終了して「熱」の文字を表示する態様(「35秒+熱」と言う)を6%の割合で選択し、タイマ値のカウントアップを「70」で終了して「好機」の文字を表示する態様(「70秒+好機」と言う)を4%の割合で選択し、タイマ値のカウントアップを「70」で終了して「熱」の文字を表示する態様(「70秒+熱」と言う)を16%の割合で選択し、タイマ値を「99」までカウントアップする態様(「99秒」と言う)を10%の割合で選択する。
【0283】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「通常SP大当たり変動」(THP002)である場合には、40%の割合でCUタイマ演出を実行することに決定し、その内訳としては、タイマ値のカウントアップを「18」で終了して「好機」の文字を表示する態様(「18秒+好機」と言う)を2%の割合で選択し、タイマ値のカウントアップを「18」で終了して「熱」の文字を表示する態様(「18秒+熱」と言う)を2%の割合で選択し、「35秒+好機」の態様を3%の割合で選択し、「35秒+熱」の態様を5%の割合で選択し、「70秒+好機」の態様を3%の割合で選択し、「70秒+熱」の態様を15%の割合で選択し、「99秒」の態様を10%の割合で選択する。
【0284】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「N大当たり変動」(THP003)である場合には、20%の割合でCUタイマ演出を実行することに決定し、その内訳としては、タイマ値のカウントアップを「18」で終了して「・・・。」の文字を表示する態様(「18秒+・・・。」と言う)を2%の割合で選択し、「18秒+好機」の態様を18%の割合で選択する。なお、N大当たり変動の変動時間は29秒であるため、タイマ値が35秒以上になるCUタイマ演出は選択されることがない。
【0285】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「直SPハズレ変動」(THP021)である場合には、20%の割合でCUタイマ演出を実行することに決定し、その内訳としては、「35秒+好機」の態様を10%の割合で選択し、「35秒+熱」の態様を4%の割合で選択し、「70秒+好機」の態様を4%の割合で選択し、「70秒+熱」の態様を2%の割合で選択する。
【0286】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「通常SPハズレ変動」(THP022)である場合には、20%の割合でCUタイマ演出を実行することに決定し、その内訳としては、「18秒+好機」の態様を8%の割合で選択し、「18秒+熱」の態様を2%の割合で選択し、「35秒+好機」の態様を5%の割合で選択し、「35秒+熱」の態様を2%の割合で選択し、「70秒+好機」の態様を2%の割合で選択し、「70秒+熱」の態様を1%の割合で選択する。
【0287】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「Nハズレ変動」(THP023)である場合には、10%の割合でCUタイマ演出を実行することに決定し、その内訳としては、「18秒+・・・。」の態様を8%の割合で選択し、「18秒+好機」の態様を2%の割合で選択する。なお、Nハズレ変動の変動時間は29秒であるため、タイマ値が35秒以上になるCUタイマ演出は選択されることがない。また、ハズレ変動(THP021~023)である場合、「99秒」の態様のCUタイマ演出が実行されることはない。
【0288】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から受信した特
図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「通常Aハズレ変動」(THP041)あるいは「通常Bハズレ変動」(THP042)である場合、CUタイマ演出を実行することはない。
【0289】
このように本形態では、「99秒」の態様のCUタイマ演出は、直SP大当たり変動又は通常SP大当たり変動の何れかに基づいてのみ実行されることがある。よって、CUタイマ演出においてタイマ値が「99」に至ることは、大当たり当選の報知として機能する。また、SP大当たり変動では、タイマ値が大きな値までカウントアップされ易く、SPハズレ変動では、タイマ値が大きな値までカウントアップされ難い。よって、CUタイマ演出は、大きな値までカウントアップされるほど(言い換えれば演出の終了が遅いほど)高い大当たり期待度を示唆する演出となっている。また、「・・・。」の示唆演出は、N変動(N大当たり変動、Nハズレ変動)では選択されることがあるが、SP変動(直SP大当たり変動、通常SP大当たり変動、直SPハズレ変動、通常SPハズレ変動)では選択されることがない。よって、「・・・。」の示唆演出は、変動演出がNリーチで終了することを示唆する演出として機能する。また、大当たり変動では、CUタイマ演出が「99」までカウントアップされずに終了する場合の示唆演出として、「・・・。」や「好機」よりも「熱」が選択され易く、「・・・。」よりも「好機」が選択され易い。一方、ハズレ変動では、CUタイマ演出が「99」までカウントアップされずに終了する場合の示唆演出として、「・・・。」や「好機」よりも「熱」が選択され難く、「・・・。」よりも「好機」が選択され難い。よって、示唆演出における各文字の大当たり期待度は、「熱」>「好機」>「・・・。」の関係となっている。
【0290】
次に、本パチンコ遊技機PY1におけるCUタイマ演出の実行例を
図39~
図41に基づいて説明する。
図39及び
図40は、「35秒+好機」の態様のCUタイマ演出が通常SPルートの変動演出に伴って実行される場合を示している。また、
図41は、「99秒」の態様のCUタイマ演出が実行される場合を示している。
【0291】
CUタイマ演出が実行される場合、
図39(A)(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の開始に際して、タイマ画像G50およびミニキャラ画像G60が表示部50aの右端側に表示される。CUタイマ演出の開始から数秒間(本形態では5秒程度)は、タイマ画像G50には、タイマ値の画像だけでなく、「99秒持てれば」の文字画像G51が含まれる。この文字画像G51の表示は、CUタイマ演出の意味を遊技者に説明する演出であり、この表示により、タイマ値が「99」までカウントアップされるのかに遊技者の注意を向けることが可能である。
【0292】
CUタイマ演出では、時間の経過に応じて、タイマ値のカウントアップが進行して行く(
図39(B)~(D))。これに並行して、左演出図柄EZ1が停止され(
図39(C))、続いて右演出図柄EZ3が停止されてリーチが形成される(
図39(D))といった具合に、変動演出も進行して行く。ここで、タイマ値が「15」になるくらいで1回目の終了煽り演出(ミニキャラがタイマを落としそうになる演出)が実行される(
図39(D))。この実行例では、1回目の終了煽り演出ではCUタイマ演出は終了せず、ミニキャラAはタイマを持ち上げ直す(
図39(E))。この間も、タイマ画像G50のタイマ値のカウントアップは進行しており、また、変動演出もNリーチまで進行している。
【0293】
変動演出が後段SPリーチに発展し、タイマ画像のタイマ値が「32」になったあたりで2回目の終了煽り演出が実行される(
図39(F))。この実行例では、2回目の終了煽り演出でCUタイマ演出を終了する。すなわち、2回目の終了煽り演出に続いて、ミニキャラAがタイマを落とす様子が表示される(
図39(G))。ミニキャラAがタイマを落とすと、
図39(G)及び
図40(A)(B)(C)に示すように、タイマ画像G50として、タイマに亀裂が入って割れる画像を表示しつつ、割れたタイマの中から「好機」の文字画像G54が出現するという一連の演出が行われる。この「好機」の文字画像G54を表示する示唆演出によって、遊技者には大当たり期待度が示唆される。なお、タイマ画像G50のタイマ値は、タイマの落下後も割れるまで更新される(
図39(F)(G)、
図40(A))。この実行例では、タイマ値のカウントアップは「35」で終了する(
図40(A)(B))。また、ミニキャラAはタイマを落とした後、しばらく落としたタイマを見ているが、やがてその場を去っていく(表示部50aの右端へフレームアウトする、
図40(C)(D))。また、「好機」の文字画像G54は、所定時間表示された後、非表示とされる。このようにしてCUタイマ演出はタイマ値が「99」に到達することなく終了し得るが、この間も、
図39(G)及び
図40(A)~(D)に示すように後段SPリーチは進行していく。
【0294】
図41は、CUタイマ演出においてタイマ値が「99」に到達した演出例を示している。
図41(A)に示すように、CUタイマ演出でタイマ値が「99」に到達した際には、後段SPリーチにおいて当落分岐(成否分岐)を迎えている。つまり、遊技者には通常ボタン40の操作指示がなされている。仮にCUタイマ演出が実行されていなければ、この操作演出では遊技者が大当たり当選への期待を込めて通常ボタン40を操作するところであるが、この演出例では、CUタイマ演出としてタイマ値が「99」に到達したタイマ画像G50と、これを喜んでいるミニキャラAを表すミニキャラ画像G60が表示されており、これにより遊技者は大当たりに当選していることを認識する。よって、これ以降のSPリーチの展開を安心感を持って見ることができる。つまり、
図41(B)(C)に示すように、CUタイマ演出でタイマ値が「99」に到達した場合は、SPリーチの当落分岐の結果として勝利演出(成功演出)が実行されて、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3及び小図柄KZ1,KZ2,KZ3がゾロ目で停止表示されることになるが、遊技者は
図41(A)に示した当落分岐の結果表示前の時点で、このような演出展開を確信し、高揚感をもって遊技を進行することが可能である。
【0295】
次に、時短状態における特
図2の抽選に基づいて小当たりに当選した場合の演出について説明する。特
図2の抽選に基づいて小当たりに当選した場合、変動演出では最終的に演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がゾロ目(例えば777)で確定的に停止表示される。その後、演出制御用マイコン121は、小当たりOP(小当たりオープニング)の期間中に、
図42(A)(B)及び
図43(A)に示すような右打ち報知演出を行う。小当たりOPとは、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放前の閉鎖期間であり、本形態では10秒に設定されている。演出制御用マイコン121は、小当たりOPにおいてまず、表示部50aにおけるほぼ中央位置(センター枠61よりも内側の位置)に、「BONUS」の文字画像を表示する(
図42(A))。これにより、遊技者に対して当選を改めて報知する。
【0296】
そして、演出制御用マイコン121は、「BONUS」の表示に数秒遅れて、右打ち報知演出を開始する。この右打ち報知演出は、
図42(A)(B)及び
図43(A)に示すように、実際に右打ちを行ったときの遊技球の軌道に沿うように矢印画像G70を伸ばしていくものである。つまり本形態では、遊技領域6の後方全域が画像表示装置50(所定の表示装置の一例)の表示部50aであるため、このような表示部50aを活用して、実際に右打ちを行ったときの遊技球の通路の部分(球通路部63)と前後方向で重なるように、遊技球の軌道を表す矢印画像G70(軌道画像の一例)を表示することにしている。なお、球通路部63は、外側壁部1Cと内側壁部1Bとで画成された経路や、外側壁部1Cとセンター枠61とで画成された経路等からなる。
【0297】
具体的には右打ち報知演出では、演出制御用マイコン121は、矢印画像G70の先端を球通路部63に沿って徐々に伸ばしていく。
図42(A)は、矢印画像G70の先端が内側壁部1Bの上端に設けられた球戻り防止片1Baの辺りまで伸びた段階を示し、
図42(B)は、
図42(A)に示した段階から進んで、矢印画像G70の先端がセンター枠61の最上部の辺りまで伸びた段階を示し、
図43(A)は、
図42(B)に示した段階から更に進んで、矢印画像G70の先端が第2大入賞装置15Dの付近まで伸びた段階を示す。このように球通路部63に沿って矢印画像G70を伸ばしていく右打ち報知演出を実行することで、遊技者に実際の遊技球の軌道を明確にイメージさせることができ、球通路部63の位置と関係ない位置にある表示部において単に「右打ち」の文字を表示したり、右向きの矢印を表示したり、遊技盤面の画像に遊技球の軌道を示す画像を組み合わせた表示を行ったりする構成と比べて、よりわかり易く、且つ、臨場感のある右打ち報知演出とすることができる。なお、矢印画像G70を表示する右打ち報知演出は、軌道表示演出の一例である。
【0298】
小当たりOPの時間が経過して第2大入賞口15が開放されると(VAT開閉部材15kが開状態になると)、演出制御用マイコン121は、
図43(B)に示すように、矢印画像G70を非表示にするとともに、表示部50aにおける第2大入賞装置15Dの後方およびその近傍を含む表示領域に、放射状のエフェクトを表すエフェクト画像G74を表示する。上述したように第2大入賞装置15Dは透明の合成樹脂部材で形成されているため、第2大入賞装置15Dの前方からでも遊技者はエフェクト画像G74を良好に視認できる。なお、表示部50aにおける第2大入賞装置15Dの近傍の表示領域を近傍表示領域50xと言う。エフェクト画像G74は、第2大入賞装置15Dの後方の表示領域だけでなく近傍表示領域50xにもかかる範囲に表示される。近傍表示領域50xは、例えば、第2大入賞装置15Dからセンター枠61程度までの範囲を言う。また、演出制御用マイコン121は、表示部50aのほぼ中央部に「アタッカーを狙え!」の文字画像G75を表示するとともに、第2大入賞装置15Dの左方の表示領域に、第2大入賞装置15Dを指すような右向きの矢印の画像G76を表示する。これらの画像表示により、第2大入賞装置15D(第2大入賞口15)を目立たせつつ、第2大入賞装置15D(第2大入賞口15)へ遊技球を入球させるべきことを遊技者に認識させることができる。このように本形態では、
図42(A)(B)及び
図43(A)(B)に示す一連の演出により、遊技球をどのような経路で移動させればよいか、そして遊技球をどの入球口へ入球させればよいかといった遊技方法に関する情報を、遊技者に極めてわかり易く認識させることが可能となっている。なお、第2大入賞装置15Dは、特定の装置の一例であり、所定の入球装置の一例である。また、エフェクト画像G74の表示は、特定の表示演出の一例である。
【0299】
次にV入賞演出について説明する。演出制御用マイコン121は、小当たり遊技において第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kが開状態となり、遊技球が第2大入賞口15内の特定領域16(所定の領域の一例)を通過した場合、V入賞演出を行う。すなわち、演出制御用マイコン121は、
図44に示すように、特定領域センサ16aがONになったことに基づいて、V入賞演出を実行する。本形態では演出制御用マイコン121はV入賞演出として、
図45及び
図46に示すように、主人公キャラクタが第2大入賞装置15Dの内部からあたかも飛び出してきたかのような画像を表示部50aに表示する。このため、V入賞演出を、キャラ飛び出し演出とも言う。V入賞演出(キャラ飛び出し演出)は、所定の表示演出の一例である。
【0300】
具体的にはV入賞演出(キャラ飛び出し演出)では、演出制御用マイコン121はまず、表示部50aにおける第2大入賞装置15Dの後方およびその近傍を含む表示領域(近傍表示領域50x)を使って、主人公キャラクタ(所定のオブジェクトの一例)が第2大入賞装置15Dから左向きに飛び出していくような画像を表示する(
図45(A))。続いて演出制御用マイコン121は、第2大入賞装置15Dから飛び出した主人公キャラクタが表示部50aの中央に向かって移動していく画像を表示し(
図45(B))、その後、演出制御用マイコン121は、表示部50aの中央に移動してきた主人公キャラクタが遊技者側(手前側)に向かって移動してくるような画像を表示する(
図46)。キャラ飛び出し演出において主人公キャラクタを表す画像を主人公キャラ画像G77とする。主人公キャラ画像G77は、センター枠61の外側の第2大入賞装置15Dに近い位置からセンター枠61の内側へと移動する(
図45(A)(B))。そして、最終的には遊技領域6をはみ出すサイズで表示されて(
図46参照)、遊技者にインパクトを与える。なお、
図45及び
図46に示す演出は、
図43(B)に示す演出に続けて実行される。
【0301】
ここで、上述したように画像表示装置50は、遊技者が裸眼でも奥行きを感じるような3D画像を表示可能なものであり、画像表示装置50の表示部50aは、遊技領域6の後方全域に広がっている。よって、
図45及び
図46に示すように、本形態のパチンコ遊技機PY1は、キャラ飛び出し演出として、主人公キャラクタが第2大入賞装置15Dから飛び出して来て遊技者側に迫ってくるような表示演出を行うことが可能である。そして本形態では、このようなキャラ飛び出し演出により、第2大入賞装置(いわゆるVアタッカー)の位置に関係ない位置に「V」の文字を表示したりエフェクトを表示したりするといった従来からよくあるV入賞演出では決して発揮されることのない面白さを発揮することが可能となっている。
【0302】
次に、上記の小当たり遊技中において、遊技者がハンドル72kを操作していない(握っていない)場合の演出について
図47及び
図48に基づいて説明する。なお本形態では、発射装置72におけるタッチセンサ72a(
図6参照)の検知信号は、発射制御回路175および払出制御基板170を介して主制御基板100(遊技制御用マイコン101)に入力されており、遊技制御用マイコン101は、サブ制御基板120(演出制御用マイコン121)に対して、タッチセンサ72aの検知結果を示す信号を、所定の周期で出力しているものとする。なお、タッチセンサ72aの検知信号が払出制御基板170や主制御基板100を介さずに、サブ制御基板120(演出制御用マイコン121)に入力される構成としてもよい。
【0303】
演出制御用マイコン121は、小当たりOP(小当たりオープニング)の期間中、表示部50aに矢印画像G70を表示する右打ち報知演出(打方指示の一例)を実行するが(
図42(A)(B)、
図43(A))、この期間中に、タッチセンサ72aからの検知信号が、ハンドル72kが握られていないことを示した場合は、
図47(A)に示すように、矢印画像G70に加えて、「ハンドルを回して」の文字画像G90を表示部50aに表示するとともに、「ハンドルを回して」の音声をスピーカ52から繰り返し出力する。つまり、「ハンドルを回して」の文字画像G90の表示と音声の出力とによって強調された特殊態様で右打ち報知演出(打方指示)を行う。これにより、小当たり遊技が開始されたにもかかわらずハンドル72kを握っていない遊技者に対して、右打ちすべきことを強く促すことが可能である。その結果、遊技者がV通過の機会を逃してしまうのを防止することが可能である。
【0304】
また演出制御用マイコン121は、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放期間中、表示部50aに、放射状のエフェクトを表すエフェクト画像G74、「アタッカーを狙え!」の文字画像G75、及び、第2大入賞装置15Dを指すような右向きの矢印の画像G76を表示することで第2大入賞口15への入球を狙って右打ちを行うべき旨の指示(打方指示の一例)を行うが(
図43(B))、この期間中に、タッチセンサ72aからの検知信号が、ハンドル72kが握られていないことを示した場合は、
図47(B)に示すように、エフェクト画像G74および文字画像G75に加えて、「ハンドルを回して」の文字画像G90を表示部50aに表示するとともに、
図43(B)に示した右向きの矢印の画像G76よりも目立つ態様で右向きの矢印の画像G79を表示部50aに表示し、更に、「ハンドルを回して」の音声をスピーカ52から繰り返し出力する。なお、
図47(B)に示す右向きの矢印の画像G79は、
図43(B)に示した右向きの矢印の画像G76よりも表示サイズが大きく、縁取りが強調された画像である。
【0305】
このように演出制御用マイコン121は、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放期間中にタッチセンサ72aからの検知信号がハンドル72kが握られていないことを示した場合は、「ハンドルを回して」の文字画像G90の表示と音声の出力、及び、目立つ態様の右向きの矢印の画像G79の表示によって強調された特殊態様で、第2大入賞口15への入球を狙って右打ちを行うべき旨の指示(打方指示)を行う。これにより、小当たり遊技において第2大入賞口15が開放され始めたにもかかわらずハンドル72kを握っていない遊技者に対して、第2大入賞口15への入球を狙って右打ちすべきことを強く促すことが可能である。その結果、遊技者がV通過の機会を逃してしまうのを防止することが可能である。
【0306】
なお、「ハンドルを回して」の文字画像G90の表示等を伴わない右打ち報知演出(
図42(A)(B)、
図43(A))や右打ちを行うべき旨の指示(
図43(B))は、通常態様の打方指示の一例である。
【0307】
図48は、発射装置72におけるタッチセンサ72aの検知信号と、演出制御用マイコン121による打方指示との関係を示すタイミングチャートである。本形態では、タッチセンサ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知している場合は、タッチセンサ72aがONとなり(タッチセンサ72aの検知信号がONに対応したレベルとなり)、接触を検知していない場合は、タッチセンサ72aがOFFとなる(タッチセンサ72aの検知信号がOFFに対応したレベルとなる)ものとする。また、
図42及び
図43に示すような右打ちをすべき旨の打方指示の実行期間は、原則、小当たりOPの開始からV入賞が生じるまでである。但し、V入賞が生じなかった場合には、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放期間の終了まで、
図43(B)に示す右打ちをすべき旨の打方指示を行うものとする。
【0308】
図48に示すように、演出制御用マイコン121は、打方指示の実行期間において、タッチセンサ72aによる遊技者のハンドル72kへの接触の検知がなければ(タッチセンサ72aがOFFであれば)、
図47(A)(B)に示したように、「ハンドルを回して」の文字画像G90の表示と音声の出力等によって強調された特殊態様の打方指示を行う。特殊態様の打方指示中に、タッチセンサ72aが遊技者の接触を検知すると(タッチセンサ72aがONになると)、「ハンドルを回して」の文字画像G90を非表示とするとともに、「ハンドルを回して」の音声の出力を停止するなどして、
図42や
図43に示したような通常態様の打方指示に切り替える。打方指示の実行期間であって通常態様の打方指示の実行中に、タッチセンサ72aが遊技者の非接触を検知した場合には(タッチセンサ72aがOFFになった場合には)、再び特殊態様の打方指示に変更する、つまり、「ハンドルを回して」の文字画像G90の表示と音声の出力とを追加的に行い、右向きの矢印の画像G76(
図43(B))を表示していた場合にはこれを右向きの矢印の画像G79(
図47(B))に変更表示する。打方指示の実行期間でないときは、タッチセンサ72aがONであってもOFFであっても、右打ちすべき旨の打方指示は行わない。なお本形態では、
図47(B)に示すように、「アタッカーを狙え!」の文字画像G75の表示中に「ハンドルを回して」の文字画像G90が追加的に表示されることにより、「ハンドルを回してアタッカーを狙え!」という一連で意味をなす文字画像G92が構成されることとなる。
【0309】
このように本形態によれば、小当たり遊技における小当たりOPの開始からV入賞が発生するまで(又は第2大入賞口15の開放期間が終了するまで)の間は、遊技者がハンドル72kを握っていなければ、
図47(A)(B)に示すような特殊態様の打方指示によって、右打ちすべき旨が強調して報知される。これにより、遊技者が正しく遊技をしなかったことで不利益を被ってしまうのを確実に防止することが可能である。
【0310】
次に、小当たり遊技においてV通過が発生しなかった場合の演出について
図49及び
図50に基づいて説明する。なお本形態では、既に述べたように、小当たり遊技におけるエンディング(小当たりED)の時間は、V通過が発生した場合には5秒(通常のエンディング時間)に設定される一方、V通過が発生しなかった場合には20秒(通常のエンディング時間5秒に追加のエンディング時間15秒を加えたエンディング時間)に設定される(
図32参照)。
【0311】
演出制御用マイコン121は、小当たり遊技においてV通過が発生した場合、V通過の発生から小当たりEDの終了までの期間を使って、表示部50aに主人公キャラ画像G77を表示するV入賞演出(キャラ飛び出し演出)を実行するが(
図44~
図46参照)、小当たり遊技においてV通過が発生しなかった場合には、V通過が発生した場合よりも長い時間に設定された小当たりEDの期間を使って、
図49(A)に示すように、遊技者に対してV通過が発生しなかったことを報知するVパンク報知演出を実行する。具体的には、演出制御用マイコン121は、Vパンク報知演出として、「V入賞が非発生です。通常遊技に移行します。」の文字画像G94を表示部50aに表示する。Vパンク報知演出は、特定示唆の一例である。
【0312】
本形態では、小当たり遊技の開始時に時短状態から非時短状態に遊技状態が移行されるため、正しく遊技がなされなかった等の理由で、小当たり遊技においてV通過を発生させることができなかった場合には、小当たり遊技の終了後は、非時短状態(通常遊技状態)での遊技となる。つまり、
図49(B)に示すように、表示部50aに昼間通常用背景画像G102が表示された状態で、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示がなされることとなる。このため、もしV通過が発生しなかったときでもVパンク報知演出を実行しない構成とした場合、なぜ大当たり遊技が実行されないのかや、なぜ時短状態が終了しているのかを理解できずに、当該パチンコ遊技機PY1の故障等で不利益を被ったと誤解してしまう遊技者が出るおそれがある。そこで本形態では、小当たり遊技においてV通過が発生しなかった場合には、小当たりEDの時間を長く設定するとともに(
図32参照)、この小当たりEDの期間を利用してVパンク報知演出(
図49(A)参照)を実行することとし、遊技者に遊技状況を正しく伝えるようにしている。
【0313】
図50は、Vパンク報知演出の実行タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図50に示すように、小当たり遊技では、10秒の小当たりOPが経過した後、第2大入賞口15の0.1秒開放が15回繰り返される開放期間となるが、この開放期間中に特定領域センサ16aがONになることがなく(V通過が検知されることがなく)、その後も特定領域センサ16aがONになることなく特定領域16の有効期間が終了した場合には、特定領域16の有効期間が終了したタイミングで、演出制御用マイコン121は、Vパンク報知演出の実行を開始する。そして演出制御用マイコン121は、20秒と長めに設定された小当たりEDの終了までの期間を使って、
図49(A)に示すVパンク報知演出を行って、遊技者に対してV通過が発生しなかった旨を十分に認識させる。なお本形態では、特定領域16の有効期間は、第2大入賞口15の開放期間の終了から3秒程度(V通過時の小当たりEDの時間未満)で終了するものとする。
【0314】
次に、V入賞に基づく大当たり遊技中の演出について説明する。特
図2の抽選で当選可能な小当たりには、小当たり図柄1~3がある(
図32参照)。小当たり図柄1又は小当たり図柄2に当選した場合には、2種大当たり遊技の終了後に時短状態に制御されるが、小当たり図柄3に当選した場合には、2種大当たり遊技の終了後に非時短状態に制御される。大当たり遊技の終了後に時短状態に制御された場合には、再び特
図2の抽選に基づいて大当たり遊技を実行させることができる。すなわち、大当たりの連荘が確定する。これに対して、大当たり遊技の終了後に非時短状態に制御された場合には、特
図1の抽選に基づいて大当たり当選を狙う遊技に戻る。従って大当たり遊技の終了後に時短状態に制御されるか否かが、遊技者の関心事である。なお本形態のパチンコ遊技機PY1は、特
図1保留を最大4個貯めることが可能である一方、特
図2保留及び普図保留は1つも貯めることができない構成とする。特図保留や普図保留の上限個数については、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
【0315】
パチンコ遊技機PY1は、小当たり図柄1、小当たり図柄2、小当たり図柄3のいずれに当選した場合でも、その後の2種大当たり遊技において、
図51に示すような流れで演出を進行していく。本形態における大当たり遊技中の演出の流れを端的に言えば、所定のミッションに挑戦(チャレンジ)する挑戦演出を行って、成功すれば(成功演出が実行されれば)、大当たり遊技後に時短状態に制御されることが確定し、失敗すれば(失敗演出が実行されれば)、大当たり遊技後に非時短状態に制御される可能性が高くなる。失敗演出が実行された場合でも、大当たり遊技のED(エンディング)において、復活演出(復活ED演出)が実行されることがあり、この場合には、大当たり遊技後に時短状態に制御される。なお、挑戦演出の結果として失敗演出が実行された場合であって大当たり遊技後に非時短状態に制御される場合は、非時短状態に制御されることを示唆する終了ED演出が実行される。また、挑戦演出の結果として成功演出が実行された場合は、時短状態に制御されることを示唆する継続ED演出が実行される。挑戦演出が行われた場合に、継続ED演出が行われるのか、終了ED演出が行われるのか、復活ED演出が行われるのかは、小当たり図柄の種類によって定められている。小当たり図柄1に基づく大当たり遊技のEDでは、継続ED演出が行われ、小当たり図柄2に基づく大当たり遊技のEDでは、復活ED演出が行われ、小当たり図柄3に基づく大当たり遊技のEDでは、終了ED演出が行われる。
【0316】
また、
図51に示すように本形態のパチンコ遊技機PY1は、挑戦演出を開始する前に、告知演出および開始待ち演出を実行する。告知演出は、挑戦演出の演出内容(挑戦演出におけるミッションの内容)を遊技者に告知する演出である。本形態では、挑戦演出におけるミッションは、10カウント以内にロゴ可動体400(
図1に示す上部装飾体31の一部)を出現させること(
図1に示す待機位置から
図55に示す演出位置に変位させること)である(
図54(A)参照)。なお、ロゴ可動体400は、主人公キャラクタを模った可動体であり、演出制御用マイコン121により駆動を制御される演出手段の1つである。
【0317】
開始待ち演出は、告知演出の後に行われる演出であり、挑戦演出の実行を遊技者が受け入れられる状況(ミッション達成を目指せる状況)に整っているかを待つための演出である。具体的には、開始待ち演出は、遊技者の任意のタイミングで通常ボタン40(所定の操作部の一例)を操作させる演出である(
図54(B)(C)参照)。開始待ち演出中に通常ボタン40が操作されれば、その操作がなされたタイミングで挑戦演出が開始される。つまり、ミッションへの挑戦がスタートする。このように本形態では、告知演出に続いて直ぐに自動的に挑戦演出が開始されるのではなく、告知演出の後、遊技者の好みのタイミングで挑戦演出を開始させることが可能になっている。開始待ち演出では、通常ボタン40の操作有効期間(操作の受付期間)が残り5秒になるまでは、操作有効期間を意識させるような演出は行われず(
図54(B)参照)、残り5秒になった段階から、残り時間を示す残時間表示G80を行うようにしている(
図54(C)参照)。これにより、遊技者は焦らせられることなく自分の好みのタイミングで挑戦演出を開始できるとともに、遊技者の知らない間に開始待ち演出が終了してしまう事態の発生を防止することが可能となっている。
【0318】
開始待ち演出において通常ボタン40の操作がなされなかった場合には、
図51に示すように、挑戦演出は開始されず、代わりに楽曲演出(他の演出の一例)が開始される。このため、ミッションに挑戦するのが嫌な遊技者は、開始待ち演出において通常ボタン40の操作を行わないことにより、ミッションへの挑戦を回避することができる。この場合、もし大当たり遊技後に時短状態に制御することになっていれば(当選した小当たり図柄が小当たり図柄1又は小当たり図柄2であれば)、大当たり遊技のエンディングにおいてその旨が報知される。すなわち、時短状態に制御されることを示唆する復活ED演出(復活演出の一例)が行われる。逆に非時短状態に制御されることになっている場合には(当選した小当たり図柄が小当たり図柄3である場合には)、エンディング演出として、非時短状態に制御されることを示唆する終了ED演出が実行される。
【0319】
なお、告知演出から挑戦演出の結果あるいは楽曲演出の終了までは、大当たり遊技における残り9Rのときから最終ラウンドまでの時間を使って行われる。一方、継続ED演出、終了ED演出、及び、復活ED演出は何れも、大当たり遊技のED中(全ラウンド遊技の終了後の大入賞口の閉鎖期間)に行われる。
【0320】
大当たり遊技中の演出について、
図52~
図57に基づいて更に詳細に説明する。
図52は、告知演出、開始待ち演出、挑戦演出、楽曲演出の実行関係を示すタイミングチャートである。演出制御用マイコン121は、2種大当たり遊技が開始されるとまず、告知演出を開始し(
図52(A))、この告知演出の終了に続けて開始待ち演出を開始する(
図52(A)(B))。開始待ち演出の実行期間中に通常ボタン40の操作がなされた場合、この操作に応じて開始待ち演出を終了するとともに(
図52(B)の二点鎖線参照)、挑戦演出を開始する(
図52(B)(C))。このように本形態では、遊技者が任意のタイミングで挑戦演出を開始することができるようになっている。
【0321】
もし、通常ボタン40が操作されることなく開始待ち演出の実行期間(通常ボタン40の操作有効期間)が経過した場合には、開始待ち演出を終了させるとともに楽曲演出を開始する(
図52(C)(D))。このように本形態では、遊技者がミッションに挑戦したくない場合には挑戦演出を実行させないことが可能となっている。なお、開始待ち演出の実行期間(通常ボタン40の操作有効期間)の終了5秒前からは残り時間のカウント表示(残時間表示G80、
図54(C))がなされる。これにより、遊技者の知らない間に挑戦演出を開始させる機会が終わってしまう事態の発生を抑制することが可能である。
【0322】
挑戦演出は、上述した通り、10カウント以内にロゴ可動体400を出現させることをミッションとするものである。具体的には挑戦演出では、10~1までの数字が1ずつカウントダウンされていく。ミッションに成功する成功態様の挑戦演出において、カウント10~1までの何れのタイミングでロゴ可動体400が演出位置へ変位するかは抽選によって決定される。成功態様の挑戦演出は、小当たり図柄1に基づく2種大当たり遊技である場合に行われる。一方、ミッションに失敗する失敗態様の挑戦演出は、小当たり図柄2あるいは小当たり図柄3に基づく2種大当たり遊技である場合に行われる。なお、小当たり図柄2に基づく2種大当たり遊技では、失敗態様の挑戦演出が行われるが、エンディングにおいて、時短状態に制御されることを示唆する復活ED演出が行われる。
【0323】
成功態様の挑戦演出を実行する場合、挑戦演出の実行に際して、演出制御用マイコン121は、
図53に示す駆動タイミング決定テーブルに基づいて、ロゴ可動体400の駆動タイミング(出現タイミング)を決定する。具体的には
図53に示すように、演出制御用マイコン121は、ロゴ可動体400の駆動タイミングとして、カウント値「10」~「8」までをそれぞれ5%の割合で選択し、カウント値「7」~「4」までをそれぞれ10%の割合で選択し、カウント値「3」~「1」までをそれぞれ15%の割合で選択する。このように本形態では、カウント値が比較的小さい値であるときの方が大きい値であるときよりもロゴ可動体400の駆動に期待できるようになっている。なお、ロゴ可動体400の駆動タイミングの選択割合は適宜に変更可能である。
【0324】
次に、本パチンコ遊技機PY1における大当たり遊技中の演出の実行例を
図54~
図57に基づいて説明する。小当たり遊技においてV入賞が発生して2種大当たり遊技が開始されると、演出制御用マイコン121はまず、
図54(A)に示すように、告知演出を実行する。この告知演出では、「10カウント以内にロゴを出現させろ!」の文字が表示部50aに表示される。これは、これから発生する挑戦演出のミッションが、10カウント以内にロゴ可動体400を待機位置(
図1)から演出位置(
図55)に変位させることであることを意味する。なお、ロゴは、本形態のパチンコ遊技機PY1のモチーフとなっている作品における主人公キャラクタの名前であり、ロゴ可動体400は、この主人公キャラクタを表現した演出用の可動体である。
【0325】
告知演出に続いて、演出制御用マイコン121は、
図54(B)(C)に示すように、開始待ち演出を実行する。この開始待ち演出では、「心の準備ができたらいつでもボタンを押してくれ!」の文字と、通常ボタン40を押す様子を表した操作部画像が表示部50aに表示される。開始待ち演出の実行期間は、本形態では13秒程度に設定されている。開始待ち演出は、遊技者に挑戦を受ける準備を整えさせるものであるため、開始待ち演出の実行期間は、少なくとも10秒以上であることが望ましい。また、開始待ち演出では、その終了の5秒前から「決定まで残り5秒」といった形で、終了までの残り時間を示唆する残時間表示G80が行われる(
図54(C))。
【0326】
開始待ち演出の実行期間内(通常ボタン40の操作有効期間内)に通常ボタン40の操作がなされた場合には、演出制御用マイコン121は、
図54(D)に示すように挑戦演出を開始する。挑戦演出では、「ロゴが出現すれば継続」の文字と、ミッションの終了時期を示唆するカウント表示G82が表示部50aに表示される。カウント表示G82は、1ずつ減算する態様で10から1まで進行する表示であり(
図54(D)(E))、ミッションの残り時間(期限、制限時間)を遊技者に示すものである。カウント表示G82の値が1ずつ減っていくことで、ミッションを成功させたい(時短状態を付与されたい)遊技者の心理を焦らせる役割を担っている。このように挑戦演出が開始されてしまうと、カウント表示G82が減算されていってしまう。よって、本形態のように挑戦演出の開始前に開始待ち演出を設けておくことは、遊技者に余裕をもって挑戦演出を楽しませる上で効果的である。
【0327】
実行中の挑戦演出が成功態様の挑戦演出である場合、すなわち小当たり図柄1に基づく大当たり遊技において挑戦演出が実行されている場合、
図53に示した駆動タイミングの抽選で決定したタイミングで、演出制御用マイコン121は、成功演出を行う。この演出例では、
図53に示した駆動タイミングの抽選でカウント値「9」が選択されていたものとする。このような場合、演出制御用マイコン121は、
図54(E)(F)に示すように、カウント表示G82の値として「9」を表示した後、成功演出として、「congratulation!」の文字を表示部50aに表示するとともに、ロゴ可動体400を
図1に示す待機状態(待機位置にある状態)から
図55に示す演出状態(演出位置にある状態)に変位させる。なお、ロゴ可動体400の駆動機構等は公知の構成を適宜採用すればよいため説明を省略するが、本形態のパチンコ遊技機PY1では、上部装飾体31はロゴ可動体400を含んでおり、
図1に示す状態(待機状態)から
図55に示す状態(演出状態)に変形することが可能なものである。
【0328】
このような成功演出によって、遊技者には大当たり遊技の終了後に時短状態に移行することが報知される。時短状態に移行することは、本形態では大当たりの連荘が確定することを意味する。
【0329】
また、
図54(D)(E)に示すように挑戦演出が開始されたものの、実行中の挑戦演出が失敗態様の挑戦演出である場合、すなわち小当たり図柄2あるいは小当たり図柄3に基づく大当たり遊技において挑戦演出が実行されている場合、演出制御用マイコン121は、
図56(A)に示すように、ロゴ可動体400を演出位置に変位させることなくカウント表示G82の値を「1」まで減算表示し、これに続いて、失敗演出を行う。失敗演出では、
図56(B)に示すように、「残念・・・」の文字が表示部50aに所定時間表示される。
【0330】
失敗演出を実行した場合、演出制御用マイコン121は、最終ラウンドの終了後のエンディングにおいて、終了ED演出(
図56(C))か復活ED演出(
図56(D))の何れかを実行する。
図56(C)に示す終了ED演出は、大当たり遊技後の遊技状態が非時短状態である場合、すなわち小当たり図柄3に基づく2種大当たり遊技のエンディングである場合に実行される。一方、
図56(D)に示す復活ED演出は、大当たり遊技後の遊技状態が時短状態である場合、すなわち小当たり図柄2に基づく2種大当たり遊技のエンディングである場合に実行される。本形態のように、挑戦演出において失敗演出が実行された場合でもエンディングにおいて復活ED演出が実行されて大当たり遊技後に時短状態に制御される可能性が残る構成とすることで、復活ED演出を搭載していない構成と比べて、大当たり遊技中の興趣を向上させることが可能である。
【0331】
また、
図54(B)(C)に示す開始待ち演出において通常ボタン40の操作が一切なされなかった場合には、演出制御用マイコン121は、
図57(A)に示すように、楽曲演出を実行する。楽曲演出では、主人公キャラクタ等の画像を表示部50aに表示しつつ、遊技者の気分を盛り上げるような楽曲をスピーカ52から出力する。このように本形態では、挑戦演出を実行させるのか楽曲演出を実行させるのかを遊技者が選択可能である。よって、挑戦演出のような成功と失敗に時間内に分岐する心理的に刺激の強い演出が苦手な遊技者にも、高い遊技興趣を提供することが可能である。
【0332】
楽曲演出を実行した場合、演出制御用マイコン121は、最終ラウンドの終了後のエンディングにおいて、終了ED演出(
図57(B))か復活ED演出(
図57(C))の何れかを実行する。
図57(B)に示す終了ED演出は、大当たり遊技後の遊技状態が非時短状態である場合、すなわち小当たり図柄3に基づく2種大当たり遊技のエンディングである場合に実行される。一方、
図57(C)に示す復活ED演出は、大当たり遊技後の遊技状態が時短状態である場合、すなわち小当たり図柄1に基づく2種大当たり遊技のエンディングである場合や、小当たり図柄2に基づく2種大当たり遊技のエンディングである場合に実行される。このように本形態では、挑戦演出を実行させずに楽曲演出を実行させた場合でも、大当たり遊技のエンディングにおいて、演出内容と遊技内容とが自然に整合するようになっている。これにより、挑戦演出を実行しない場合でも演出的な違和感を遊技者に感じさせ難く、遊技興趣の低下を招くおそれは小さい。
【0333】
8.実施形態の効果
<A>以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、小当たり遊技において第2大入賞口15へ入賞した遊技球が特定領域16を通過した場合と通過しなかった場合とで、小当たりED(小当たりエンディング)の長さが異なる(
図32参照)。具体的には、小当たり遊技において特定領域16への通過があった場合には小当たりEDの時間が5秒と短いため、速やかに2種大当たり遊技を開始することができる一方、小当たり遊技において特定領域16への通過がなかった場合には小当たりEDの時間が20秒と長いため、その長めの小当たりEDの時間を利用してVパンク報知演出(
図49(A))を行うことで、特定領域16の通過状況(V通過が発生しなかったこと)のアナウンスを十分に行うことが可能である。これにより、遊技者に好まれ易い遊技の提供が可能である。特に、小当たり遊技において特定領域16への通過がなかった場合にVパンク報知演出が実行されることで、遊技者が遊技状況を正しく把握することができるため、特定領域16への通過に基づく2種大当たり遊技が開始されず、非時短状態での遊技に移行することによる遊技店とのトラブルの発生を防止することが可能である。
【0334】
<B>また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、右打ち(所定の打方)が指示されている場面で、右打ちを行っていないことが検出された場合には、通常態様(
図42、
図43参照)とは異なる特殊態様(
図47参照)で、右打ちをすべき旨の打方指示が行われる。よって、右打ちをしなければいけない状況であることを遊技者に気付かせ易い。その結果、指示された打方をしないことで気付かないうちに遊技者が不利益を被ってしまうのを防止することが可能である。特に本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特殊態様の打方指示は、通常態様よりも強く右打ちを行うべき旨を示す態様であるため、右打ちをしなければいけない状況であることを、より確実に遊技者に気付かせることが可能である。
【0335】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、右打ちが指示されている状況であるにもかかわらず遊技者がハンドル72kを握っていない場合(タッチセンサ72aが接触を検知していない場合)は、右打ちの打方指示がなされていることに気付いていない可能性が高いと考えられるところ、このような場合に、特殊態様(
図47参照)で右打ちの指示を行うこととしている(
図48参照)。よって、右打ちをしなければならないことに気付かせて、遊技者が不利益を被ってしまうのを効果的に防止することが可能である。
【0336】
<C>また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、変動演出においてリーチが成立する過程を見せてから(リーチ成立演出を実行してから)、大当たり期待度が高いSPリーチを実行する場合だけでなく、変動演出においてリーチが成立する過程を見せることなく突然に、SPリーチを実行する場合もある(
図34(A)(B))。よって、遊技者を驚かせることが可能となり、興趣向上が可能である。特に本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、リーチが成立する過程を遊技者に見せることなく演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の開始に伴って突然、SPリーチが開始されることがあるため(
図34(B)、
図35参照)、遊技者に嬉しい驚きを与えることができ、興趣向上が可能である。
【0337】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、通常SPルートの変動演出ではSPリーチとして後段SPリーチだけが行われるのに対して、直SPルートの変動演出ではSPリーチとして、後段SPリーチに繋がる演出内容の前段SPリーチが行われた後で後段SPリーチが行われる(
図35~
図37参照)。よって、前段SPリーチが実行されることで、後段SPリーチの前提となる演出内容を知ることができる構成となっているため、直SPルートの変動演出に特別感を持たせることができ、興趣向上が見込める。
【0338】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、通常SPルートの変動演出と直SPルートの変動演出とで、変動演出全体の所要時間は変わらない(
図33、
図34(A)(B)参照)。よって、前段SPリーチと後段SPリーチとを含むSPリーチを実行する場合でも、遊技者に長過ぎると感じさせることなく、充実した内容のリーチ演出を提供でき、興趣を向上させることが可能である。
【0339】
<D>また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、タイマの表示値を「99」(所定態様)に向けて進行させるCUタイマ演出(カウントアップタイマ演出)において、途中での終了を煽る終了煽り演出(
図34(C)、
図39(D)(F)参照)が実行される。そのため、CUタイマ演出が表示値「99」まで進行できるか否かについて遊技者をどきどきさせることができ、興趣向上が可能である。
【0340】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、1回のCUタイマ演出においてその終了を煽る終了煽り演出が複数回(実施形態では最大3回)行われ得る(
図34(C)参照)。そのため、CUタイマ演出の実行中は最後まで安心できないどきどき感を提供でき、興趣向上が可能である。
【0341】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、CUタイマ演出におけるタイマの表示値が「99」に至ることは、大当たり当選を意味する(
図38参照)。そのため、CUタイマ演出においてタイマの表示値が「99」になることに重要性を持たせることができ、CUタイマ演出による興趣を一層向上可能である。
【0342】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、終了煽り演出によってCUタイマ演出が途中で終了すると、実行中の変動演出における大当たり期待度を示唆する示唆演出(「・・・。」、「好機」、又は「熱」の文字表示)が実行される(
図38、
図40参照)。よって、この示唆演出の内容でも遊技者を楽しませることができ、興趣向上が可能である。
【0343】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、CUタイマ演出は、経過時間がカウントアップされていくことでタイマの表示値が「99」に至ることができるか否かを見せる演出となっている(
図39参照)。よって、このような斬新な演出によって遊技興趣を向上可能である。
【0344】
<E>また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、所定のミッション(10カウント以内にロゴ可動体400を出現させること)に挑む挑戦演出の開始タイミングを、開始待ち演出によって遊技者が決定可能である(
図52、
図54参照)。そのため、遊技者心理に寄り添った演出の提供が可能となる。その結果、遊技興趣の向上が可能である。特に本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、開始待ち演出において、遊技者自身の最適なタイミングで通常ボタン40を操作することで挑戦演出を開始させることが可能であるため、挑戦演出の面白さを最大限に堪能させることが可能である。
【0345】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、告知演出(
図54(A))によって挑戦演出におけるミッションの内容が告知されてから、開始待ち演出(
図54(B)(C))が行われる。そのため遊技者は、ミッションの内容を理解した上で心の準備等を整えて、最適なタイミングで挑戦演出を開始することが可能である。
【0346】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、挑戦演出のミッションには10カウント以内という制限時間が設けられているため、急に挑戦演出が開始されてしまうと焦りを感じて演出を十分に楽しめない遊技者がでてしまう可能性があるが、開始待ち演出によって遊技者自身の最適なタイミングで挑戦演出を開始させることができるようになっているため、様々な遊技者に挑戦演出を十分に楽しませることが可能である。
【0347】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、挑戦演出におけるミッションの成功は、大当たり遊技の終了後に時短状態(大当たりの連荘が確定する遊技状態)になることを意味する。そのため、挑戦演出に重要性を持たせることができ、挑戦演出による興趣を一層向上可能である。
【0348】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、開始待ち演出における操作有効期間(操作受付期間)内に通常ボタン40の操作がなされなければ、挑戦演出が実行されることはなく、その代わりに楽曲演出が行われる(
図52(B)(D)参照)。よって、どきどきするのが苦手な遊技者は挑戦演出を実行させないという選択も可能となっており、よりユーザーの心理に寄り添った演出の提供が可能となる。
【0349】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、大当たり遊技の終了後に時短状態に制御される場合の大当たり遊技において、遊技者が挑戦演出を実行させないという選択をしたときでも、楽曲演出の後に復活ED演出が行われて時短状態になることが示される(
図57(A)(C)参照)。そのため、遊技の進行状況と演出内容とが整合しない不具合を防止可能である。
【0350】
<F>また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技者から見て表示部50aの前方に重なるように配された第2大入賞装置15Dが動作した場合、その装置の近傍の表示領域(近傍表示領域50x)を含む特定の表示領域で、キャラ飛び出し演出(主人公キャラ画像G77の表示)が行われ得る(
図45及び
図46参照)。よって、第2大入賞装置15Dと演出画像とが関連した斬新な演出を提供でき、興趣向上が見込める。
【0351】
特に本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、キャラ飛び出し演出(主人公キャラ画像G77の表示)は、VAT開閉部材15kが開状態となった後のV入賞の発生に応じて行われる。すなわち本形態では、表示部50aの前方に配された第2大入賞装置15Dに対する遊技球の挙動に反応して、第2大入賞装置15Dの近傍の表示領域(近傍表示領域50x)を含む特定の表示領域でキャラ飛び出し演出がなされる。そのため、第2大入賞装置15Dと演出画像との関連性を遊技者に感じさせ易い。
【0352】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、キャラ飛び出し演出(主人公キャラ画像G77の表示)は、第2大入賞装置15Dから、主人公キャラクタ(所定のオブジェクト)が出てきたかのような斬新な表示演出となっている(
図45及び
図46参照)。これにより、興趣向上が見込める。
【0353】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、画像表示装置50を3D表示が可能な表示装置とし、キャラ飛び出し演出は、主人公キャラクタ(所定のオブジェクト)が奥から手前に迫ってくるようなシーンを含んでいる(
図45(B)、
図46参照)。よって、3D表示ができない画像表示装置を用いた場合と比べて、より第2大入賞装置15Dから主人公キャラクタが飛び出して来た感じを醸し出すことが可能である。
【0354】
<G>また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、画像表示装置50の前方に重なるように右打ち時に遊技球が通過する球通路部63が設けられている。よって、画像表示装置50を用いて遊技球の軌道を表す軌道表示演出(矢印画像G70の表示、
図42及び
図43参照)を行うことで、実際の球通路部63を遊技球が通過していくような臨場感のある表示演出が可能である。特に本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、軌道表示演出は、表示部50aにおける球通路部63の後方に位置する表示領域に、球通路部63を移動する遊技球の軌道を表す矢印画像G70(軌道画像)を表示する演出であるため、実際の球通路部63を遊技球が通過していくような臨場感を一層高めることが可能である。
【0355】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、遊技者に対する右打ちの指示として、実際の球通路部63と、矢印画像G70の表示とを組み合わせた演出を行う。これにより、遊技者が生じさせるべき遊技球の軌道が、球通路部63に対して直接表示されることとなり(
図42(A)(B)、
図43(A)参照)、生じさせるべき遊技球の流れを遊技者がイメージすることが可能なわかり易い打方指示を提供可能である。
【0356】
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、軌道表示演出(矢印画像G70の表示)によって右打ちをすべきことを指示するとともに、右打ちによって遊技球を入球させるべき入球装置(実施形態では、第2大入賞装置15D)を、表示部50aにおけるその後方の表示領域および近傍表示領域50xにエフェクト画像G74を表示する演出(特定の表示演出)によって目立たせている(
図43(A)(B))。これにより、右打ちをして第2大入賞装置15Dに遊技球を入球させるべきことを遊技者にわかり易く認識させることが可能である。
【0357】
9.変更例
以下、パチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成しても良い。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0358】
上記形態では、Vパンク報知演出として、画像表示装置50の表示部50aに「V入賞が非発生です。通常遊技に移行します。」の文字画像G94(
図49(A)参照)を表示することにより、小当たり遊技においてV通過が発生しなかったこと(通常遊技状態での遊技に戻ること)を報知する構成としたが、同内容の報知を、所定の発光態様で発光手段(盤ランプ54や枠ランプ53)を発光させることにより行ったり、所定の音声を音声出力手段(スピーカ52)から出力することにより行ったり、所定の動作態様で可動体(盤上可動体55k、盤下可動体56kなど)を動作させることにより行ったりしてもよい。すなわち、遊技球が特定領域16を通過しなかったことの示唆(特定示唆)は、画像表示、ランプ表示、音声出力、可動体駆動の何れで行ってもよい。
【0359】
また上記形態では、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放パターンとして、0.1秒開放を15回行うパターンを採用したが、総開放時間が所定時間(例えば1.8秒)を超えない範囲であれば、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放パターンは、1.5秒開放を1回行うパターンとするなど、適宜変更してもよい。また、小当たり遊技において小当たりOPの時間を設けなくてもよい。
【0360】
また上記形態では、V通過が発生しなかった場合の小当たりエンディング(閉鎖期間)の時間を、V通過が発生した場合の小当たりエンディングの時間よりも長くしたが、実現したい遊技性によっては、短くしてもよい。
【0361】
また上記形態では、内部に特定領域16を有する第2大入賞装置15Dを、小当たり遊技で作動させ、第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過した場合には、大当たり遊技(2種大当たり遊技)を実行する構成とした。これに対して、内部に特定領域16を有する第2大入賞装置15Dを、大当たり遊技の所定のラウンドで作動させ、第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過した場合には、大当たり遊技の終了後の遊技状態を高確率状態(大当たり当選確率が通常確率状態よりも高い遊技状態)に制御する構成(いわゆるV確機)としてもよい。この場合、V確機におけるV作動ラウンド(第2大入賞口15を開放し、特定領域16を開閉する振分部材16kを作動させるラウンド)で、V通過がなかった場合には、V作動ラウンドにおける第2大入賞口15の閉鎖後のインターバル時間(大入賞口の閉鎖時間)の長さを、V通過があった場合のインターバル時間よりも長くする構成としてもよい。このような構成とすれば、例えばV通過が非発生となった原因が球詰まりである場合、V作動ラウンドにおける第2大入賞口15の閉鎖後のインターバル時間中に球詰まりが解消されることに期待でき、その後の遊技を良好に進行させることが可能となる。例えば、V作動ラウンドが2回連続で行われる仕様であれば、1回目のV作動ラウンドでV通過が非発生でも、2回目のV作動ラウンドが始まる前のインターバル時間が長く設定されることでその期間中に球詰まりを解消でき、2回目のV作動ラウンドではV通過を発生させることが可能となる。なおこの構成では、V作動ラウンドが「特定遊技」に相当し、V作動ラウンドにおいて第2大入賞口15を開放している期間が「開放期間」に相当し、V作動ラウンドにおける第2大入賞口15の閉鎖後のインターバル時間が「閉鎖期間」に相当し、通常確率状態(低確率状態)よりも大当たり当選確率が高い高確率状態への制御が「特典」に相当する。
【0362】
また上記形態において、V通過がなかった旨を示唆する特定示唆の内容は、適宜変更可能である。なお、V通過がなかった旨には、特典が付与されない旨や図柄変動が行われる旨を示すことも含まれる。また、小当たり遊技における第2大入賞口15の閉鎖後の閉鎖期間(小当たりED)中に行われる演出(報知、示唆)の内容は適宜変更可能である。
【0363】
また上記形態では、特定領域16の有効期間が経過した時点でV通過が検出されていない場合に、小当たりEDの時間を長く設定して、Vパンク報知演出を実行する構成としたが(
図50参照)、第2大入賞口15の全ての開放が終了した時点(
図50(A)に示す開放期間の終了時点)でV通過が検出されていないことに基づいて、20秒の小当たりEDの時間を設定して、その期間を利用してVパンク報知演出を実行する構成としてもよい。
【0364】
また上記形態では、右打ちを指示する打方指示の実行中に、ハンドル72kが握られていない場合(つまりタッチセンサ72aが接触を検知していない場合)には、通常態様とは異なる特殊態様の打方指示として、通常態様の打方指示(
図42及び
図43)の表示内容に、「ハンドルを回して」の文字画像G90の表示(遊技者に指示された打方で遊技球を発射するよう警告する警告表示)を加えるとともに、スピーカ52から「ハンドルを回して」の音声(遊技者に指示された打方で遊技球を発射するよう警告する警告音声)を出力することとし、更には、通常態様における右向きの矢印の画像G76(
図43(B))を遊技者の目に留まり易いように強調した画像G79に変更して表示する構成としたが(
図47参照)、特殊態様の打方指示は、通常態様の打方指示よりも遊技者に発射を強く促すことができるものであれば適宜変更可能である。例えば、特殊態様の打方指示として、「ハンドルを回して」の文字画像G90の表示、及び、その音声の出力のうち何れか一方を追加的に行うだけとしてもよいし、右向きの矢印の画像G79(
図47(B))を表示したように通常態様の表示内容の少なくとも一部を強調して表示するだけとしてもよい。また特殊態様の打方指示として、所定の打方(例えば右打ち)をすべきことを示す態様で所定の発光手段(盤ランプ54や枠ランプ53)を発光させることを追加的に行ったり(警告発光)、所定の打方(例えば右打ち)をすべきことを示す態様で所定の可動体(盤上可動体55k、盤下可動体56kなど)を動作させることを追加的に行ったりしてもよい(警告駆動)。つまり特殊態様の打方指示は、通常態様の打方指示と同じものに所定の警告を加えた態様でもよいし、通常態様の打方指示と同じものを強調した態様でもよい。なお、特殊態様の打方指示は、通常態様の打方指示と異なるものであれば、上述した実施形態のように通常態様に比べて所定の打方(例えば右打ち)をすべきことを強く指示するものに限られない。特殊態様の打方指示が通常態様の打方指示と異なっていることで、遊技者が違和感を覚えて、所定の打方で遊技すべきであると気付くことに期待できるからである。
【0365】
また上記形態では、ハンドル72kを握っていないことを検知するとすぐに特殊態様の打方指示を行う構成としたが、ハンドル72kを握っていないことを検知してから所定時間(例えば2秒)が経過したタイミングで特殊態様の打方指示を行う構成としてもよい。このような構成とすれば、所定の打方をすべきことを認識している遊技者がうっかりハンドル72kを離してしまった場合に、無用に特殊態様の打方指示に変更してしまうのを防止可能である。
【0366】
また上記形態では、タッチセンサ72aの検出結果に基づいて特殊態様の打方指示を行う構成としたが、発射ボリュームつまみ72bによるハンドル72kの回転量の検出結果に基づいて、特殊態様の打方指示を行う構成としてもよい。すなわち、発射ボリュームつまみ72bによって検出されたハンドル72kの回転量が、右遊技領域6Bに遊技球が到達しない強度であることに基づいて、特殊態様の打方指示を行う構成としてもよい。この場合、発射ボリュームつまみ72bが検出手段に相当する。また、発射ボリュームつまみ72bによる検出結果を示す信号は、発射制御回路175および払出制御基板170を介して主制御基板100(遊技制御用マイコン101)に入力されており、遊技制御用マイコン101は、サブ制御基板120(演出制御用マイコン121)に対して、発射ボリュームつまみ72bによる検出結果を示す信号を、所定の周期で出力しているものとする。なお、発射ボリュームつまみ72bによる検出結果を示す信号が払出制御基板170や主制御基板100を介さずに、サブ制御基板120(演出制御用マイコン121)に入力される構成としてもよい。
【0367】
また、右打ち(所定の打方の一例)が推奨される遊技状況において、左遊技領域6Aに設けられた所定の入賞口(例えば、第1始動口11)への入賞が発生したことに基づいて、特殊態様の打方指示を行う構成としてもよい。この場合、左遊技領域6Aに設けられた所定の入賞口への入賞を検出する入賞口センサ(例えば、第1始動口センサ11a)が検出手段に相当する。なお、この場合、所定の打方を行うべき状況が続く間は、特殊態様の打方指示を継続する構成とするとよい。
【0368】
また、右打ち(所定の打方の一例)を指示する打方指示としては、特定領域16への入賞(V入賞)、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)への入賞、電チュー12Dに係る第2始動口12への入賞、あるいは、ゲート13への通過を狙って遊技を行う状況での右打ち指示(例えば、「右打ち」の文字表示や音声出力、打方を示すランプの「右打ち」を示す態様への発光制御など)が挙げられ、この場合、特定領域16、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)、電チュー12Dに係る第2始動口12、あるいは、ゲート13の何れかが、所定の入球領域に相当する。また、左打ち(所定の打方の一例)を指示する打方指示としては、第1始動口11への入賞を狙って遊技を行う状況での左打ち指示(例えば、「左打ちに戻してください」の文字表示や音声出力、打方を示すランプの「左打ち」を示す態様への発光制御など)が挙げられ、この場合、第1始動口11が、所定の入球領域に相当する。所定の入球領域を何にするかは遊技性に応じて適宜変更可能である。
【0369】
また上記形態では、直SPルートの変動演出におけるSPリーチの開始タイミングを、変動演出の開始と同時としたが、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになる過程を見せることなくSPリーチを開始するのであれば、変動演出の開始から所定時間(例えば5秒等)経過後としてもよい。この場合、突然にSPリーチを開始する際、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の全てが変動表示中であってもよいし、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の中に停止している演出図柄があってもよい。
【0370】
また上記形態では、直SPルートの変動演出におけるSPリーチとしてまず、「直SP」のタイトル表示(演出タイトルの表示)を行う構成としたが(
図35(B)参照)、このような演出タイトルの表示を行わない構成としてもよい。また、先読み判定(事前判定)の結果に基づいて、直SPルートの変動演出よりも前に行われる変動演出の実行中から、「直SP」のタイトル表示を行うように構成してもよい。すなわち、先読み判定の結果に基づいて、直SPルートの変動演出を行う予定の特図保留(ターゲット保留)よりも前に記憶された特図保留に係る変動演出中から、直SPルートの変動演出が行われることを示唆する先読み演出を実行することとしてもよい。このような構成とすれば、直SPルートの変動演出が開始されることを事前に知ることができる楽しみを、遊技者に提供可能である。なお、直SPルートの変動演出が行われることを示唆する先読み演出の演出内容は適宜変更可能である。
【0371】
また上記形態では、通常SPルートの変動演出において後段SPリーチだけを行い、直SPルートの変動演出において前段SPリーチと後段SPリーチとを行う構成としたが、通常SPルートで行うSPリーチの内容と、直SPルートで行うSPリーチの内容とを同じにしてもよい。例えば、通常SPルートでも直SPルートでも、上記形態の後段SPリーチだけを行う構成としてもよい。この場合、直SPルートの変動演出に係る変動時間は、通常SPルートの変動演出に係る変動時間よりも短くなる。
【0372】
また上記形態では、直SP変動の変動時間(109秒)と、通常SP変動の変動時間(109)とを完全に同じとしたが(
図33参照)、直SP変動の変動時間が、通常SP変動の変動時間よりも短かったり(例えば100秒)、長かったり(例えば110秒)してもよい。
【0373】
また上記形態では、直SP大当たり変動(THP001)と、通常SP大当たり変動(THP002)とを異なる特図変動パターンとして設けたが(
図33)、SPリーチに関連付けられた1つの特図変動パターン(例えばTHP099とする)が遊技制御用マイコン101により選択され、この場合に、演出制御用マイコン121が直SPルートの変動演出を行うか、通常SPルートの変動演出を行うかを決定する構成としてもよい。なおこれは、ハズレの判定結果に基づいてSPリーチを行う場合も同様である。
【0374】
また上記形態では、CUタイマ演出において終了煽り演出が最大3回実行され得る構成としたが(
図34(C))、CUタイマ演出における終了煽り演出の実行回数は適宜変更可能である。例えば、1回だけ行われ得る構成としたり、2回行われ得る構成としたり、4回以上行われ得る構成としたりしてもよい。また、CUタイマ演出においてタイマ値が「99」に至るまでの間に、終了煽り演出が3回行われる場合もあるし、2回しか行われない場合もある、といった具体に終了煽り演出の実行回数が抽選で決定される構成としてもよい。また、CUタイマ演出における終了煽り演出の実行タイミングは、適宜変更可能である。
【0375】
また上記形態では、CUタイマ演出のタイマ値が「99」になることは大当たり当選確定を意味する構成したが、大当たり期待度が高いことを意味する構成としたり、SPリーチに発展することを意味する構成としたり、時短状態などの有利な遊技状態に移行することを意味する構成としたりしてもよい。時短状態などの有利な遊技状態に移行することを意味する構成とした場合、CUタイマ演出を、大当たり遊技中の演出として実行してもよい。
【0376】
また上記形態では、CUタイマ演出が途中で終了した場合には、「好機」の文字画像G54等を表示する示唆演出を実行する構成としたが、示唆演出を実行することなくCUタイマ演出が途中で終了する構成としてもよい。また、示唆演出は、「好機」等の文字を表示するものでなくてもよい。具体的には例えば、示唆演出として、キャラクタやアイテムなどの文字以外の演出要素を表示することで、有利な状態となる期待度を示唆する構成としてもよい。
【0377】
また上記形態では、CUタイマ演出(進行演出)はタイマ値を「99」(所定態様)に向けてカウントアップしていく演出としたが、「00」(零)ではない所定値(例えば「99」)から「00」に向けてカウントダウンしていく演出としてもよい。この場合、タイマ値「00」が所定態様に相当する。
【0378】
また上記形態では、CUタイマ演出の初期値を「00」(零)としたが、零以外の値(例えば、「05」(5秒)や「-5」(-5秒)といった値)としてもよい。また、CUタイマ演出の目標値を「99」としたが、「99」以外の値(例えば、「77」(77秒)といった値)としてもよい。
【0379】
また上記形態において、CUタイマ演出としてミニキャラA(ミニキャラ画像G60)がタイマを持っている態様だけでなく、他のミニキャラ(ミニキャラB)がタイマを持っている態様を設けてもよい。この場合、ミニキャラの種類に応じて、タイマが「99」までカウントアップされる期待度を異ならせるとよい。具体的には例えば、ミニキャラAがタイマを持っているCUタイマ演出を、ミニキャラBがタイマを持っているCUタイマ演出よりも、「99」(所定態様)までカウントアップされる期待度が高い構成としてもよい。また、CUタイマ演出として、タイマ(タイマ画像G50)の表示色が異なる複数の態様を設け、何れの態様かによって、タイマが「99」までカウントアップされる期待度を異ならせてもよい。
【0380】
また上記形態では、開始待ち演出は通常ボタン40の操作によって遊技者に挑戦演出の開始タイミングを決めさせる構成としたが、特殊ボタン41やハンドル72kなどの他の操作部の操作に基づいて、挑戦演出の開始タイミングが決定される構成としてもよい。
【0381】
また上記形態では、開始待ち演出の実行前に告知演出によって挑戦演出におけるミッションの内容を告知するように構成したが、告知演出を行うことなく開始待ち演出を行う構成としてもよい。また上記形態では、挑戦演出におけるミッションには「10カウント以内」という制限時間が設けられていたが、このような時間的な制限のないミッションを、挑戦演出におけるミッションとしてもよい。
【0382】
また上記形態では、挑戦演出における成功は大当たり遊技後に時短状態に制御されることの示唆として機能し、挑戦演出における失敗は大当たり遊技後に時短状態に制御されないこと(非時短状態に制御されること)の示唆として機能する構成とした。これに対して、挑戦演出における成功は所定の当たりに当選したことの示唆として機能し、挑戦演出における失敗は当該当たりに当選していない(落選した)ことの示唆として機能する構成としてもよい。この場合、挑戦演出を変動演出において実行する構成としてもよい。また、挑戦演出における成功は大当たり期待度が高いことの示唆として機能し、挑戦演出における失敗は大当たり期待度が高くない(低い)ことの示唆として機能する構成としてもよい。
【0383】
また上記形態では、開始待ち演出において残時間表示G80を表示するのは演出終了の5秒前からとしたが(
図54(C))、開始待ち演出の開始時から残時間表示を行う構成としてもよい。なお、残時間表示G80は、開始待ち演出の終了タイミングを示唆する表示とも言えるし、通常ボタン40の操作有効期間の終了タイミングを示唆する表示とも言える。また、開始待ち演出における遊技者による通常ボタン40の操作は、「遊技者の準備が整ったことを示す所定の入力操作」と言える。
【0384】
また上記形態では、大当たり遊技のエンディングにおいて、大当たり遊技後に時短状態に制御されることを示唆する復活ED演出を行う構成としたが、大当たり遊技後に時短状態に制御されることを復活的に示唆する演出の実行タイミングは、所定ラウンド(例えば最終ラウンド)のラウンド遊技中であってもよい。
【0385】
また上記形態では、V入賞演出(キャラ飛び出し演出、
図45及び
図46参照)は、表示部50aにおける第2大入賞装置15Dの後方の表示領域及びその近傍の表示領域(近傍表示領域50x)を含む表示領域に主人公キャラ画像G77を表示する構成とした。これに対して、キャラ飛び出し演出において主人公キャラ画像G77を表示する表示領域は、動作する装置(第2大入賞装置15D)の近傍の表示領域(近傍表示領域50x、
図45(A)参照)を含んでいれば、第2大入賞口15の後方の表示領域など他の部分を含んでいなくてもよい。
【0386】
また上記形態では、第2大入賞装置15Dが動作した場合(VAT開閉部材15kを開状態とした場合)、特定領域16への遊技球の通過(V入賞)に応じて、キャラ飛び出し演出(
図45及び
図46参照)を行う構成とした。これに対して、LEDを有する発光装置(第2大入賞装置15Dのように表示部50aの前方に配されているもの)が発光した場合に、当該発光装置の近傍の表示領域を含む特定の表示領域に、エフェクト画像を表示する構成としてもよい。この場合、発光装置が特定の装置に相当し、エフェクト画像の表示が所定の表示演出に相当する。すなわち、特定の装置は、大入賞装置以外の装置であってもよく、所定の表示演出は、入賞に応じた入賞演出以外の演出であってもよい。またこの場合、発光装置の動作(発光)前に、所定のキャラクタ等が発光玉(発光している玉)の画像を発光装置に向かって投げつける演出(所定の画像が発光装置に作用する演出)を行い、発光玉が発光装置に的中して発光装置が発光する演出パターンを設けたり、発光玉が発光装置に的中せずに発光装置が発光しない演出パターンを設けたりしてもよい。なお、発光装置が入賞装置であってもよい。
【0387】
また上記形態では、第2大入賞装置15D内の特定領域16に遊技球が通過した場合(特定領域センサ16aによる遊技球の検知があった場合)に、キャラ飛び出し演出(
図45及び
図46参照)を行う構成としたが、第2大入賞装置15Dの開放に伴ってキャラ飛び出し演出を行う構成としたり、第2大入賞口15に遊技球が入賞した場合(第2大入賞口センサ15aによる遊技球の検知があった場合)にキャラ飛び出し演出を行う構成としたりしてもよい。また、第2大入賞装置15D以外の入賞装置を、キャラ飛び出し演出の契機となる入賞装置としてもよい。
【0388】
また上記形態では、V入賞演出において第2大入賞装置15Dから出てきたように見せる所定のオブジェクトを、主人公キャラクタ(主人公キャラ画像G77)としたが、敵キャラクタ等の他のキャラクタとしたり、剣や宝玉などのキャラクタ以外のアイテムとしたりしてもよい。また上記形態では、V入賞演出において第2大入賞装置15Dから主人公キャラクタがまず左向きに飛び出すよう構成したが、主人公キャラクタ(所定のオブジェクト)の飛び出し方向は、適宜変更可能である。例えば、始めから前方に向かって飛び出す構成としてもよい。
【0389】
また上記形態では、画像表示装置50を3D表示が可能な表示装置(遊技者が裸眼のまま立体表示を見ることができる表示装置)としたが、3D表示ができない表示装置としてもよい。
【0390】
また上記形態では、球通路部63を移動する遊技球の軌道を表す軌道表示演出として、画像表示装置50に矢印画像G70を表示する演出を行う構成とした(
図42、
図43)。これに対して、球通路部63の後方に、LEDを有する発光装置を配置して、この発光装置を用いて、球通路部63に沿って光が流れるような発光演出を行う構成としてもよい。この場合、発光装置が所定の表示装置に相当する。
【0391】
また上記形態では、遊技者に右打ちを行わせることを指示する右打ち報知演出として、矢印画像G70(軌道画像)の表示を行ったが、左打ちなど右打ち以外の打方を指示する打方報知演出として、遊技球の通路に沿った軌道の表示を行う構成としてもよい。また、打方を指示する演出としてではなく、単に遊技球の軌道を示す演出として、上記形態のような軌道表示演出を行ってもよい。
【0392】
また上記形態では、矢印画像G70を表示した場合、第2大入賞装置15Dを目立たせるエフェクト画像G74の表示(
図43(B))を行う構成としたが、エフェクト画像G74の表示を行わない構成としてもよい。
【0393】
また上記形態において、各演出の演出内容は遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。すなわち、SPリーチ(前段SPリーチ、後段SPリーチ)の演出内容、カウントアップタイマ演出(CUタイマ演出)の演出内容、CUタイマ演出が途中で終了した場合の示唆演出の演出内容、挑戦演出の演出内容(ミッションの内容)、開始待ち演出で遊技者が通常ボタン40の操作を行わなかった場合に実行される演出(実施形態では楽曲演出)の演出内容、V入賞演出(キャラ飛び出し演出)の演出内容等は、適宜変更可能である。また、各演出を実行する遊技状態や、各演出が対象としている抽選(例えば特
図1の抽選なのか、特
図2の抽選なのか等)は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
【0394】
また上記形態において、各抽選の選択割合は遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
【0395】
また上記形態では、遊技球の入球し易さが変化しない第1始動口11(固定始動口)と、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12(可変始動口、電チュー12Dに係る始動口)とを設けたが、いずれか一方のみを設けてもよい。
【0396】
また上記形態では、特
図2判定処理が特
図1判定処理よりも優先的に行われる(特
図2の変動表示が特
図1の変動表示よりも優先的に行われる)構成としたが、特
図1判定処理が特
図2判定処理よりも優先的に行われる(特
図1の変動表示が特
図2の変動表示よりも優先的に行われる)構成としてもよい。この場合、特
図1抽選を特
図2抽選よりも有利な大当たりに当選し易い抽選にするとよい。
【0397】
また上記形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したが、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機などに適用することも可能である。また、本発明をパチンコ遊技機に適用する場合、遊技機のゲーム性は遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。すなわち本発明は、遊技に支障をきたさなければ、いわゆる図柄確変機(当選した図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機)、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)、いわゆる確変ループタイプの遊技機(一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機)、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)、いわゆる1種2種混合機やハネモノタイプの遊技機などに、適宜採用することが可能である。
【0398】
また上記形態では、特図可変表示に略同調して小図柄KZ1,KZ2,KZ3の可変表示が行われるが、小図柄KZ1,KZ2,KZ3のように3つの図柄で構成させるのではなく、2つなど3つ以外の図柄で構成させてもよい。例えば、特
図1と特
図2とで分けた2つの図柄を設けても良い。また、特
図1と特
図2とで共通の1つの図柄を設けても良い。そして、これらの場合、画像表示装置50の表示部50aで表示し、サブ制御基板120にその制御を行わせても良い。また、遊技盤1の遊技領域6以外の領域において、図柄を表示するLED装置を設けても良い。この場合、そのLED装置の制御を主制御基板100またはサブ制御基板120に行わせても良い。
【0399】
また上記形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
【0400】
なお、「遊技者に有利な状態(有利遊技状態、有利状態、又は、特別遊技状態)」と言う場合、全ての大当たり遊技状態がこれに該当する構成でなくてもよい。例えば、その後に高確率状態に制御される予定の大当たり遊技状態が「遊技者に有利な状態」に該当する構成としたり、実質10R等の相対的に多くの賞球を獲得可能な大当たり遊技状態が「遊技者に有利な状態」に該当する構成としたりしてもよい。また、「遊技者に有利な状態」は、大当たり遊技状態のことではなく、小当たり遊技状態(小当たり遊技を実行している状態)のことであってもよく、また、高確率状態や高ベース状態(時短状態)のことであってもよい。2種大当たりを搭載している遊技機では、小当たり遊技状態と当該小当たり遊技状態における特定領域16への遊技球の通過に基づく大当たり遊技状態との一連の遊技状態を、遊技者に有利な状態としてもよい。また、「遊技者に有利な状態」を高確率状態や高ベース状態(時短状態)のこととする場合には、「遊技者に有利な状態」になることに期待させる種々の演出は、特別図柄の変動表示中の演出に限らず、大当たり遊技中の演出など、他のタイミングで行われる演出であってもよい。
【0401】
10.実施形態及びその変更例に示されている発明
上記した実施形態及びその変更例には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施形態等における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。なお、手段Aは、以下の手段A1~A3の総称である。また手段Bは、以下の手段B1~B3の総称である。手段Cは、以下の手段C1~C4の総称である。また手段Dは、以下の手段D1~D5の総称である。また手段Eは、以下の手段E1~E7の総称である。また手段Fは、以下の手段F1~F4の総称である。また手段Gは、以下の手段G1~G4の総称である。
【0402】
手段A1:
所定の入賞口(第2大入賞口15)を開放する開放期間と前記所定の入賞口を閉鎖する閉鎖期間(小当たりエンディング)とを含む特定遊技(小当たり遊技)を実行可能であり、
前記特定遊技において前記所定の入賞口へ入賞した遊技球が特定領域(特定領域16)を通過したことに基づいて特典(大当たり遊技)を付与可能な遊技機(パチンコ遊技機PY1)であって、
前記特定遊技において前記特定領域への通過があった場合となかった場合とで、前記閉鎖期間(小当たりエンディング)の長さが異なる(
図32参照)ことを特徴とする遊技機。
【0403】
この構成の遊技機によれば、特定遊技において所定の入賞口へ入賞した遊技球が特定領域を通過した場合と通過しなかった場合とで、所定の入賞口の閉鎖期間の長さが異なるため、その閉鎖期間を利用して、特定領域の通過状況に適したアナウンスを行うことなどが可能となる。その結果、遊技者に好まれ易い遊技を提供することが可能である。
【0404】
手段A2:
手段A1に記載の遊技機であって、
前記特定遊技において前記特定領域への通過がなかった場合の閉鎖期間(実施形態では20秒、
図32参照)は、前記特定遊技において前記特定領域への通過があった場合の閉鎖期間(実施形態では5秒)よりも長いことを特徴とする遊技機。
【0405】
この構成の遊技機によれば、特定遊技において特定領域への通過があった場合には閉鎖期間が短いため速やかに遊技者に特典を付与することができると共に、特定遊技において特定領域への通過がなかった場合には閉鎖期間が長いため、その長めの閉鎖期間を利用して、特定領域の通過状況のアナウンス等を十分に行うことが可能となる。
【0406】
手段A3:
手段A2に記載の遊技機であって、
前記特定遊技において前記特定領域への通過がなかった場合の閉鎖期間では、前記特定領域への通過がなかった旨を示唆する特定示唆(Vパンク報知演出、
図49(A)参照)を行うことを特徴とする遊技機。
【0407】
この構成の遊技機によれば、特定領域への通過がなかった場合には閉鎖期間においてその旨が示唆されるため、遊技者が遊技状況を正しく把握することができる。その結果、特定領域への通過に基づく特典が付与されないことによる遊技店とのトラブルの発生を防止することが可能である。
【0408】
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特開2018-064599号公報に記載されているように、小当たり遊技において大入賞口に入賞した遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、大当たり遊技を実行可能な遊技機が知られている。しかしながら、特開2018-064599号公報に記載されている遊技機では、特定領域に遊技球が通過したか否かに基づく小当たり遊技のエンディング時間(閉鎖後インターバル)の長さの工夫はなされておらず、遊技者に好まれ易い遊技を提供するためには、この点に改良の余地がある。
【0409】
上記した手段Aは、特開2018-064599号公報に記載の遊技機に対して、「所定の入賞口を開放する開放期間と当該所定の入賞口を閉鎖する閉鎖期間とを含む特定遊技を実行可能であり、所定の入賞口へ入賞した遊技球が特定領域を通過した場合としなかった場合とで、特定遊技における閉鎖期間の長さが異なる」という点で相違している。これにより、手段Aの発明は、「遊技者に好まれ易い遊技を提供する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0410】
手段B1:
所定の打方(右打ち)がなされた場合に遊技球が入球可能な所定の入球領域(第2大入賞口15)と、
前記所定の打方を行うべき旨を示す打方指示(例えば
図42及び
図43に示すような矢印画像G70を表示したり、文字画像G75、右向きの矢印の画像G76、エフェクト画像G74を表示したりすることによる右打ちの指示)を行うことが可能な打方指示手段と、
前記所定の打方がなされていないことを検出可能な検出手段(タッチセンサ72a)と、を備え、
前記打方指示手段は、前記所定の入球領域への入球を狙って遊技を行う状況で、前記所定の打方がなされていないことが前記検出手段によって検出された場合、通常態様とは異なる特殊態様(「ハンドルを回して」の文字画像G90の追加表示や音声の出力、目立つ態様の右向きの矢印の画像G79への変更表示を伴う態様、
図47(A)(B)参照)で前記打方指示を行うことが可能である(
図48参照)ことを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)。
【0411】
この構成の遊技機によれば、単に遊技状況に応じた打方指示を行うだけでなく、指示された打方が行われていないことが検出された場合には、通常態様とは異なる特殊態様で打方指示を行うため、所定の打方をしなければいけない状況であることを遊技者に気付かせ易い。その結果、指示された打方をしないことで気付かないうちに遊技者が不利益を被ってしまうのを防止することが可能である。
【0412】
手段B2:
手段B1に記載の遊技機であって、
前記検出手段は、遊技球を発射させるための操作部(ハンドル72k)に遊技者が触れているかを検出可能なタッチセンサ(タッチセンサ72a)であり、
前記タッチセンサが前記操作部への接触を検出していない場合に、前記特殊態様で前記打方指示が行われる(
図48参照)ことを特徴とする遊技機。
【0413】
指示された打方をしなければいけない状況であるにもかかわらず遊技者が操作部を操作していない場合は、打方指示がなされていることに気付いていない可能性が高いと考えられるところ、この構成の遊技機によれば、このような場合に通常態様とは異なる特殊態様で打方指示が行われるため、所定の打方をしなければならないことに気付かせて、遊技者が不利益を被ってしまうのを効果的に防止することが可能である。
【0414】
手段B3:
手段B1又は手段B2に記載の遊技機であって、
前記特殊態様は、前記通常態様(
図42、
図43参照)よりも、前記所定の打方を行うべき旨を強く指示する態様(「ハンドルを回して」の文字画像G90の追加表示や音声の出力、目立つ態様の右向きの矢印の画像G79への変更表示を伴う態様、
図47(A)(B)参照)であることを特徴とする遊技機。
【0415】
この構成の遊技機によれば、指示された打方が行われていないことが検出された場合には、特殊態様の打方指示によって、通常態様よりも強く所定の打方を行うべき旨が示されるため、所定の打方をしなければいけない状況であることを、より確実に遊技者に気付かせることが可能である。
【0416】
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特開2018-064599号公報に記載されているように、右遊技領域に配された電チューに係る始動口への入賞を狙って遊技すべき場面や、右遊技領域に配されており内部に特定領域を有する大入賞口への入賞を狙って遊技すべき場面で、右打ちすべき旨を報知する遊技機が知られている。しかしながら、特開2018-064599号公報に記載されている遊技機では、指示された打方を実際に遊技者が行っている場合も行っていない場合も、右打ちすべき旨の報知手法が同じであるため、打方の指示がなされていることに遊技者が気づかないままとなる可能性が極僅かながらあった。
【0417】
上記した手段Bは、特開2018-064599号公報に記載の遊技機に対して、「所定の打方がなされた場合に遊技球が入球可能な所定の入球領域と、所定の打方がなされていないことを検出可能な検出手段と、を備え、所定の入球領域への入球を狙って遊技を行う状況で、所定の打方がなされていないことが検出手段によって検出された場合、通常態様とは異なる特殊態様で打方指示を行う」という点で相違している。これにより、手段Bの発明は、「指示した打方通りに遊技されない事態の発生を防止する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0418】
手段C1:
演出図柄(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3)の変動表示を経て、遊技者に有利な有利状態(例えば大当たり遊技状態)にするかの判定の結果を示す態様で前記演出図柄を停止させる変動演出を実行可能であり、
前記変動演出において前記演出図柄がリーチ状態になるリーチ成立演出(
図19(B)→
図19(C-2)に示す演出)を実行してから、所定の演出(Nリーチ)よりも前記有利状態になる期待度が高い特定演出(SPリーチ)を実行する第1の場合(通常SPルートの変動演出を実行する場合、
図34(A)参照)と、
前記変動演出において前記リーチ成立演出を実行することなく、前記特定演出(SPリーチ)を実行する第2の場合(直SPルートの変動演出を実行する場合、
図34(B)参照)とがあることを特徴とする遊技機。
【0419】
この構成の遊技機によれば、変動演出においてリーチ成立演出を実行してから、有利状態になる期待度が高い特定演出を実行する場合だけでなく、変動演出においてリーチ成立演出を実行することなく突然に、有利状態になる期待度が高い特定演出を実行する場合もある。よって、遊技者を驚かせることが可能となり、興趣向上が可能である。
【0420】
手段C2:
手段C1に記載の遊技機であって、
前記第2の場合では、前記変動演出の開始に際して前記特定演出を開始する(
図34(B)、
図35参照)ことを特徴とする遊技機。
【0421】
この構成の遊技機によれば、リーチが成立する過程を遊技者に見せることなく演出図柄の変動表示の開始に伴って突然、有利状態になる期待度が高い特定演出が開始されることがあるため、遊技者に嬉しい驚きを与えることができ、興趣向上が可能である。
【0422】
手段C3:
手段C1又は手段C2に記載の遊技機であって、
前記第1の場合では、前記特定演出として、前記有利状態になることを示唆する成功態様(勝利演出、
図37(C))、又は、前記有利状態にならないことを示唆する失敗態様(敗北演出、
図37(E))に分岐する成否分岐を含む第1演出(後段SPリーチ)を行い(
図34(A)参照)、
前記第2の場合では、前記特定演出として、前記成否分岐を含まず前記第1演出に繋がる演出内容の第2演出(前段SPリーチ)を実行してから前記第1演出(後段SPリーチ)を行う(
図34(B)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0423】
この構成の遊技機によれば、リーチ成立演出を経て特定演出が行われる第1の場合には特定演出として第1演出だけが行われるのに対して、リーチ成立演出が行われずに変動演出の開始に応じて突然に特定演出が行われる第2の場合には特定演出として、第1演出に繋がる演出内容の第2演出が行われた後で第1演出が行われる。よって、第2演出が実行されることで、第1演出の前提となる演出内容を知ることができる構成となっているため、第2の場合に特別感を持たせることができ、興趣向上が見込める。
【0424】
手段C4:
手段C3に記載の遊技機であって、
前記第1の場合において前記変動演出を開始してから終了するまでの時間と、前記第2の場合において前記変動演出を開始してから終了するまでの時間は、同じ又はほぼ同じである(
図33、
図34参照)ことを特徴とする遊技機。
【0425】
この構成の遊技機によれば、特定演出として第2演出が行われてから第1演出が行われる場合であっても、特定演出として第1演出だけが行われる場合と変動演出全体の所要時間は変わらない。よって、遊技者に長過ぎると感じさせることなく、充実した内容の特定演出の実行によって興趣を向上させることが可能である。
【0426】
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特開2019-072627号公報に記載されているように、変動表示している演出図柄がリーチになると、Nリーチ演出を経てこれよりも大当たり期待度が高いSPリーチ演出に発展し得る遊技機が知られている。しかしながら、特開2019-072627号公報に記載されているようなSPリーチ演出の実行手法は現在ではよく見かけるものとなっており、遊技者に興趣を提供するためには改良の余地がある。
【0427】
上記した手段Cは、特開2019-072627号公報に記載の遊技機に対して、「変動演出において演出図柄がリーチ状態になるリーチ成立演出を実行してから、所定の演出よりも有利状態になる期待度が高い特定演出を実行する第1の場合と、変動演出においてリーチ成立演出を実行することなく、特定演出を実行する第2の場合とがある」という点で相違している。これにより、手段Cの発明は、「遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0428】
手段D1:
所定態様(表示値「99」)に向かって進行する進行演出(カウントアップタイマ演出)を実行可能であり、
前記進行演出において、当該進行演出が前記所定態様に至ることなく途中で終了することを煽る終了煽り演出(
図39(D)参照)を実行することがあることを特徴とする遊技機。
【0429】
この構成の遊技機によれば、所定態様に向かって進行する進行演出において、その終了を煽る終了煽り演出が実行されるため、所定態様まで進行できるのかについて遊技者をどきどきさせることができ、興趣向上が可能である。
【0430】
手段D2:
手段D1に記載の遊技機であって、
1回の前記進行演出において前記終了煽り演出を複数回実行することがある(
図34(C)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0431】
この構成の遊技機によれば、1回の進行演出においてその終了を煽る終了煽り演出が何回も行われ得るため、最後まで安心できないどきどき感を提供でき、興趣向上が可能である。
【0432】
手段D3:
手段D2に記載の遊技機であって、
前記進行演出は、前記所定態様に至ることによって、遊技者に有利な有利状態(例えば大当たり遊技状態)になることを報知する演出であることを特徴とする遊技機。
【0433】
この構成の遊技機によれば、進行演出が所定態様に至ることは、遊技者に有利な有利状態になることを意味するため、進行演出が所定態様になることに重要性を持たせることができ、進行演出による興趣を一層向上可能である。
【0434】
手段D4:
手段D3に記載の遊技機であって、
前記有利状態になるか否かを報知する報知演出(変動演出)に伴って前記進行演出を実行可能であり、
前記終了煽り演出の結果、前記進行演出が終了した場合、前記報知演出において前記有利状態になることが報知される期待度(大当たり期待度)を示唆する示唆演出(例えば「好機」の文字画像G54の表示、
図40(A)(B)参照)を実行することを特徴とする遊技機。
【0435】
この構成の遊技機によれば、終了煽り演出によって進行演出が途中で終了しても、これと並行して行われている報知演出において有利状態になることが報知される期待度が、示唆演出によって示唆される。よって、示唆演出の内容でも遊技者を楽しませることができ、興趣向上が可能である。
【0436】
手段D5:
手段D1から手段D4までの何れかに記載の遊技機であって、
前記所定態様は、所定の時間(99秒)を表す態様であり、
前記進行演出(カウントアップタイマ演出)は、経過時間をカウントアップしていく演出である(
図34(C)、
図39参照)ことを特徴とする遊技機。
【0437】
この構成の遊技機によれば、進行演出は、経過時間がカウントアップされていくことで所定の時間に至ることができるか否かを見せる演出となっている。よって、このような斬新な演出によって遊技興趣を向上可能である。
【0438】
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特開2019-072627号公報に記載されているように、初期値から零まで時間をカウントダウンしていく時間演出を実行可能な遊技機が知られている。この遊技機では、時間演出の表示値が零になると、SPリーチに発展したり、カットイン演出が行われたりする。しかしながら、特開2019-072627号公報に記載されている遊技機では、時間のカウントダウンが開始されると最終的には必ず零に至るように構成されていた。このような演出は現在ではよく見かけるものとなっており、遊技者に興趣を提供するためには改良の余地がある。
【0439】
上記した手段Dは、特開2019-072627号公報に記載の遊技機に対して、「所定態様に向かって進行する進行演出において、当該進行演出が所定態様に至ることなく途中で終了することを煽る終了煽り演出を実行することがある」という点で相違している。これにより、手段Dの発明は、「遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0440】
手段E1:
所定のミッション(実施形態では、10カウント以内にロゴ可動体400を出現させること)に挑む挑戦演出(
図54(D)(E)参照)を実行可能であり、
前記挑戦演出の実行前に、当該挑戦演出の開始タイミングを遊技者に決めさせる開始待ち演出(
図54(B)(C)参照)を実行可能である(
図51参照)ことを特徴とする遊技機。
【0441】
この構成の遊技機によれば、所定のミッションに挑む挑戦演出の開始タイミングを、開始待ち演出によって遊技者が決定可能であるため、遊技者心理に寄り添った演出の提供が可能となる。その結果、遊技興趣の向上が可能である。
【0442】
手段E2:
手段E1に記載の遊技機であって、
前記開始待ち演出は、所定の受付期間(操作有効期間)において所定の操作部(通常ボタン40)の操作を受け付ける演出であり(
図52(B)、
図54(B)(C)参照)、
前記開始待ち演出において前記所定の操作部が操作されたタイミングで、前記挑戦演出を開始する(
図52(B)(C)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0443】
この構成の遊技機によれば、遊技者自身の最適なタイミングで操作部を操作することで挑戦演出を開始させることが可能であるため、挑戦演出の面白さを最大限に堪能させることが可能となる。
【0444】
手段E3:
手段E2に記載の遊技機であって、
前記開始待ち演出に先立って、前記所定のミッションの内容を告知する告知演出(
図52(A)(B)、
図54(A)参照)を実行することを特徴とする遊技機。
【0445】
この構成の遊技機によれば、挑戦演出におけるミッションの内容が告知されてから開始待ち演出が行われるため、ミッションの内容を理解した上で心の準備等を整えて、最適なタイミングで挑戦演出を開始させることが可能となる。
【0446】
手段E4:
手段E3に記載の遊技機であって、
前記所定のミッションには、制限時間(実施形態では、10カウント以内)が設けられていることを特徴とする遊技機。
【0447】
この構成の遊技機によれば、挑戦演出のミッションには制限時間が設けられているため、急に挑戦演出が開始されてしまうと、焦りを感じて演出を十分に楽しめない遊技者がでてしまう可能性があるが、開始待ち演出によって遊技者自身の最適なタイミングで挑戦演出を開始させることができるようになっているため、様々な遊技者に挑戦演出を十分に楽しませることが可能である。
【0448】
手段E5:
手段E2から手段E4までの何れかに記載の遊技機であって、
前記挑戦演出として、前記所定のミッションに成功して、遊技者に有利な有利状態(例えば時短状態)になることを示唆する成功態様の挑戦演出(
図54(F)及び
図55参照)が実行されるときと、前記所定のミッションに失敗して、前記有利状態にならないことを示唆する失敗態様の挑戦演出(
図56(B)参照)が実行されるときとがあることを特徴とする遊技機。
【0449】
この構成の遊技機によれば、挑戦演出におけるミッションの成功は、遊技者に有利な有利状態になることを意味するため、挑戦演出に重要性を持たせることができ、挑戦演出による興趣を一層向上可能である。
【0450】
手段E6:
手段E5に記載の遊技機であって、
前記開始待ち演出における前記所定の受付期間内に前記所定の操作部の操作がなされなかった場合、前記挑戦演出を実行せずに、前記挑戦演出とは異なる他の演出(楽曲演出、
図57(A)参照)を実行することを特徴とする遊技機。
【0451】
この構成の遊技機によれば、開始待ち演出における受付期間内に操作部の操作がなされなければ、挑戦演出が実行されることはなく、その代わりに他の演出が行われる。よって、どきどきするのが苦手な遊技者は挑戦演出を実行させないという選択も可能となっており、よりユーザーの心理に寄り添った演出の提供が可能となる。
【0452】
手段E7:
手段E6に記載の遊技機であって、
前記他の演出を実行した場合であって前記有利状態にする場合、前記有利状態になることを示唆する復活演出(復活ED演出、
図57(C)参照)を実行することを特徴とする遊技機。
【0453】
この構成の遊技機によれば、有利状態になる場合に、遊技者が挑戦演出を実行させないという選択をしたときでも、復活演出が行われて有利状態になることが示されるため、遊技の進行状況と演出内容とが整合しない不具合を防止可能である。
【0454】
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特開2021-166656号公報に記載されているように、タイミングよく通常ボタンの操作を行わせて盤上可動体を落下させるというミッションにチャレンジさせる演出を実行可能な遊技機が知られている。しかしながら、特開2021-166656号公報に記載されている遊技機では、開始タイミングが到来するとミッションが自動的に発生するように構成されていた。このため、遊技者がミッションにチャレンジする準備が整っていなくてもミッションが開始される。遊技興趣の向上のためには、この点に改良の余地がある。
【0455】
上記した手段Eは、特開2021-166656号公報に記載の遊技機に対して、「所定のミッションに挑む挑戦演出の実行前に、当該挑戦演出の開始タイミングを遊技者に決めさせる開始待ち演出を実行可能である」という点で相違している。これにより、手段Eの発明は、「遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0456】
手段F1:
画像を表示可能な表示部(表示部50a)と、
動作可能な特定の装置(第2大入賞装置15D)と、を備え、
前記特定の装置は、遊技者から見て前記表示部の前方に重なるように配されており(
図30参照)、
前記特定の装置が動作した場合(VAT開閉部材15kが開状態になった場合)、前記表示部における前記特定の装置の近傍の表示領域(近傍表示領域50x)を含む特定の表示領域で所定の表示演出(主人公キャラ画像G77を表示するキャラ飛び出し演出、
図45及び
図46参照)を行うことを特徴とする遊技機。
【0457】
この構成の遊技機によれば、遊技者から見て表示部の前方に重なるように配された特定の装置が動作した場合に、その装置の近傍の表示領域を含む特定の表示領域で所定の表示演出が行われる。よって、特定の装置と所定の表示演出とが関連した斬新な演出を提供でき、興趣向上が見込める。
【0458】
手段F2:
手段F1に記載の遊技機であって、
前記特定の装置は、遊技球が入球可能な入球装置であることを特徴とする遊技機。
【0459】
この構成の遊技機によれば、入球装置と、その近傍の表示領域を含む特定の表示領域における所定の表示演出とが関連した斬新な演出を提供でき、興趣向上が見込める。
【0460】
手段F3:
手段F2に記載の遊技機であって、
前記入球装置内の所定の領域(特定領域16)を遊技球が通過したことに応じて、前記所定の表示演出(キャラ飛び出し演出)を行う(
図44参照)ことを特徴とする遊技機。
【0461】
この構成の遊技機によれば、遊技者から見て表示部の前方に重なるように配された入球装置に対する遊技球の挙動に反応して、入球装置の近傍の表示領域を含む特定の表示領域で所定の表示演出がなされるため、入球装置と所定の表示演出との関連性を遊技者に感じさせ易い。
【0462】
手段F4:
手段F2又は手段F3に記載の遊技機であって、
前記所定の表示演出は、前記入球装置から所定のオブジェクト(実施形態では、主人公キャラクタ)が出てきたように見せる演出である(
図45(A)参照)ことを特徴とする遊技機。
【0463】
この構成の遊技機によれば、遊技者から見て表示部の前方に重なるように配された入球装置から、所定のオブジェクトが出てきたような斬新な表示演出を提供することが可能である。これにより、興趣向上が見込める。
【0464】
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特開2017-136115号公報に記載されているように、大入賞装置が開放されて、その大入賞装置内の特定領域に遊技球が通過した場合に、表示画面にVの文字を表す画像を表示する遊技機が知られている。しかしながら、特開2017-136115号公報に記載されている遊技機では、表示画面は大入賞装置の上方に離れて配置されており、表示画面に表示される画像と大入賞装置とに一体感を生じさせる演出とはなっていなかった。遊技興趣の向上のためには、この点に改良の余地がある。
【0465】
上記した手段Fは、特開2017-136115号公報に記載の遊技機に対して、「遊技者から見て表示部の前方に重なるように配されている特定の装置が動作した場合、表示部における特定の装置の近傍の表示領域を含む特定の表示領域で所定の表示演出を行う」という点で相違している。これにより、手段Fの発明は、「遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0466】
手段G1:
所定の表示装置(画像表示装置50)を備え、
遊技者から見て前記所定の表示装置の前方に重なるように、遊技球が移動可能な球通路部(球通路部63)が形成されており、
前記所定の表示装置を用いて前記球通路部を移動する遊技球の軌道を表す軌道表示演出(矢印画像G70の表示、
図42(A)(B)及び
図43(A)参照)を実行可能であることを特徴とする遊技機。
【0467】
この構成の遊技機によれば、表示装置の前方に重なるように球通路部が設けられているため、表示装置を用いて遊技球の軌道を表す軌道表示演出を行うことで、実際の球通路部を遊技球が通過していくような臨場感のある表示演出が可能である。
【0468】
手段G2:
手段G1に記載の遊技機であって、
前記所定の表示装置は、画像を表示可能な画像表示装置であり、
前記軌道表示演出では、前記画像表示装置における前記球通路部の後方に位置する表示領域に前記軌道を表す軌道画像(矢印画像G70)を表示することを特徴とする遊技機。
【0469】
この構成の遊技機によれば、軌道表示演出は、球通路部の後方に位置する表示領域に、球通路部を移動する遊技球の軌道を表す軌道画像を表示する演出であるため、実際の球通路部を遊技球が通過していくような臨場感を一層高めることが可能である。
【0470】
手段G3:
手段G1又は手段G2に記載の遊技機であって、
前記球通路部に遊技球を通過させる特定の打方(右打ち)が可能に構成され、
前記特定の打方を遊技者に行わせる場合に、前記軌道表示演出を実行することを特徴とする遊技機。
【0471】
この構成の遊技機によれば、遊技者に対する打方の指示として、実際の球通路部と、表示装置による表示とを組み合わせた演出を行う。これにより、遊技者が生じさせるべき遊技球の軌道が、球通路部に対して直接表示される。よって、生じさせるべき遊技球の流れを遊技者がイメージすることが可能なわかり易い打方指示を提供可能である。
【0472】
手段G4:
手段G3に記載の遊技機であって、
前記特定の打方(右打ち)によって所定の入球装置(第2大入賞装置15D)に遊技球を入球させることが可能に構成され、
前記所定の入球装置は、遊技者から見て前記所定の表示装置(画像表示装置50)の前方に重なるように配されており(
図30参照)、
前記軌道表示演出(矢印画像G70の表示)の実行時、前記所定の表示装置における前記所定の入球装置の後方に位置する部分を用いて前記所定の入球装置を目立たせる特定の表示演出(エフェクト画像G74の表示、
図43(B)参照)を行うことを特徴とする遊技機。
【0473】
この構成の遊技機によれば、軌道表示演出によって特定の打方をすべきことを指示するとともに、特定の打方によって遊技球を入球させるべき所定の入球装置を、その後方に位置する表示装置の部分を用いた特定の表示演出によって目立たせることが可能である。これにより、特定の打方をして所定の入球装置に遊技球を入球させるべきことを遊技者にわかり易く認識させることが可能である。
【0474】
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機として、例えば特開2017-136115号公報に記載されているように、右打ちを行って大入賞装置内の特定領域に遊技球を通過させる必要がある場合などには、表示画面にて「右打ち」の表示や「Vアタッカーを狙え!」の表示などを行う遊技機が知られている。しかしながら、特開2017-136115号公報に記載されている遊技機では、実際に遊技球が通過する通路とは関係のない位置に配された表示画面にて、遊技者に打方が指示されていた。このため、実際の通路を遊技球が通過しているような感じを遊技者に感じさせ難いものとなっており、この点に改良の余地がある。
【0475】
上記した手段Gは、特開2017-136115号公報に記載の遊技機に対して、「遊技者から見て所定の表示装置の前方に重なるように、遊技球が移動可能な球通路部が形成されており、所定の表示装置を用いて球通路部を移動する遊技球の軌道を表す軌道表示演出を実行可能である」という点で相違している。これにより、手段Gの発明は、「実際の通路を遊技球が通過していくような臨場感のある表示演出を行う」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【符号の説明】
【0476】
PY1…パチンコ遊技機
15…第2大入賞口(所定の入賞口、所定の入球領域)
15D…第2大入賞装置
16…特定領域
40…通常ボタン
50…画像表示装置
50a…表示部
50x…近傍表示領域
63…球通路部
72a…タッチセンサ(検出手段)
72k…ハンドル(操作部)
101…遊技制御用マイコン
121…演出制御用マイコン
EZ1…左演出図柄
EZ2…中演出図柄
EZ3…右演出図柄
G70…矢印画像
G74…エフェクト画像
G75…文字画像
G76…右向きの矢印の画像
G79…右向きの矢印の画像
G90…文字画像
G94…文字画像