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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039912
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】容器位置通知装置、及びバルブ装置
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/02 20060101AFI20240315BHJP
   H04B 1/04 20060101ALI20240315BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20240315BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20240315BHJP
   F16K 37/00 20060101ALN20240315BHJP
【FI】
F17C13/02 301Z
H04B1/04 Z
H01Q1/22 Z
H01Q1/38
F16K37/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144642
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】591038602
【氏名又は名称】株式会社ネリキ
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】市坪 篤
(72)【発明者】
【氏名】北野 彰大
【テーマコード(参考)】
3E172
3H065
5J046
5J047
5K060
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172BA01
3E172BB04
3E172BB12
3E172BB17
3E172BD05
3E172CA12
3E172DA87
3E172DA90
3E172KA03
3E172KA14
3E172KA22
3E172KA23
3E172KA29
3E172KA34
3E172KA36
3H065AA05
3H065CA01
3H065CA07
5J046AA12
5J046AB06
5J046AB11
5J046PA09
5J047AA12
5J047AB06
5J047AB11
5J047EF04
5K060AA12
5K060DD01
5K060JJ21
(57)【要約】
【課題】容器バルブ10を保護する保護キャップ4を装着した場合であっても、容器バルブ10が取り付けられたボンベ容器2の発見を容易にする容器位置通知装置X及びバルブ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】流体が充填されるボンベ容器2の現在地を通知する容器位置通知装置Xであって、各種信号を受送信するためのアンテナ50と、アンテナ50を介して現在地を示す信号を送信する送信機40とが備えられ、アンテナ50が、ボンベ容器2に取り付けられた容器バルブ10を保護する保護キャップ4に隣接するアンテナ固定部32に固定可能に構成されたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が充填されるボンベ容器の現在地を通知する容器位置通知装置であって、
各種信号を受送信するためのアンテナと、
該アンテナを介して現在地を示す信号を送信する送信機とが備えられ、
前記アンテナが、
前記ボンベ容器に取り付けられた容器バルブを保護する保護キャップの外面、または前記保護キャップに隣接する部位に固定可能に構成された
容器位置通知装置。
【請求項2】
前記送信機は、前記保護キャップによって保護される保護範囲内に設けられ、
前記アンテナと前記送信機とを通信可能に接続する接続電線を備え、
前記アンテナが、
前記保護キャップを取り付けるキャップ取付部に対して、前記容器バルブとは逆側で隣接するアンテナ固定部に固定され、
前記接続電線が、
前記保護キャップに囲われた前記キャップ取付部の表面から前記アンテナ固定部を貫通する貫通孔に挿通された
請求項1に記載の容器位置通知装置。
【請求項3】
前記アンテナが、
可撓性を有する薄板状に形成されるとともに、前記アンテナ固定部の表面に沿って固定された
請求項2に記載の容器位置通知装置。
【請求項4】
前記キャップ取付部及び前記アンテナ固定部は、
前記ボンベ容器とは別体、かつ前記ボンベ容器に取り付けられるアダプターを構成し、
前記アンテナが、前記アダプターの前記アンテナ固定部に固定された
請求項2または請求項3に記載の容器位置通知装置。
【請求項5】
前記容器バルブに設けられるとともに、前記ボンベ容器の状態を検出する検出手段を備え、
前記送信機は、
前記検出手段が検出した前記ボンベ容器の状態に基づいて、前記現在地を示す信号を送信する
請求項1に記載の容器位置通知装置。
【請求項6】
前記アンテナは、前記送信機に一体的に設けられ、
前記検出手段と前記送信機とを接続する接続電線を備え、
前記送信機が、
前記保護キャップを取り付けるキャップ取付部に対して、前記容器バルブとは逆側で隣接するアンテナ固定部に固定され、
前記接続電線が、
前記保護キャップに囲われた前記キャップ取付部の表面から前記アンテナ固定部を貫通する貫通孔に挿通された
請求項5に記載の容器位置通知装置。
【請求項7】
前記キャップ取付部及び前記アンテナ固定部は、
前記ボンベ容器とは別体、かつ前記ボンベ容器に取り付けられるアダプターを構成し、
前記アンテナを一体的に備えた前記送信機が、
前記アダプターの前記アンテナ固定部に固定された
請求項6に記載の容器位置通知装置。
【請求項8】
前記容器バルブに設けられるとともに、前記ボンベ容器の状態を検出する検出手段を備え、
前記送信機は、
前記現在地を示す信号に、前記検出手段が検出した前記ボンベ容器の状態を示す情報を関連付けて送信する
請求項1に記載の容器位置通知装置。
【請求項9】
前記アンテナが、
各種信号を受信する受信アンテナ、及び各種信号を送信する送信アンテナを備え、
前記送信機が、
現在地を特定するための所定信号を、前記受信アンテナを介して受信する受信モジュールと、
前記現在地を特定するための前記所定信号に基づいた位置情報を、前記現在地を示す信号として前記送信アンテナを介して送信する送信モジュールとを備えた
請求項1に記載の容器位置通知装置。
【請求項10】
前記容器バルブに設けられるとともに、前記ボンベ容器の状態を検出する検出手段を備え、
前記送信機が、
前記アンテナを介して前記現在地を示す信号を送信する送信モジュールと、
該送信モジュールに給電するバッテリーと、
前記検出手段が検出した前記ボンベ容器の状態に基づいて、前記送信モジュールのオン状態及びオフ状態を切替える切換え手段とを備えた
請求項1に記載の容器位置通知装置。
【請求項11】
前記ボンベ容器の内圧を検出する圧力センサーと、
外気温または前記ボンベ容器の温度を測温する温度センサーとを備え、
前記送信機が、
前記ボンベ容器の内圧と、前記外気温または前記ボンベ容器の温度とに基づいて、前記現在地を示す信号を、前記アンテナを介して送信する
請求項1に記載の容器位置通知装置。
【請求項12】
前記送信機が、
前記現在地を示す信号を、所定時間以上の間隔を隔てて送信する送信間隔制御手段を備えた
請求項1に記載の容器位置通知装置。
【請求項13】
流体が充填されるボンベ容器に取り付けられるバルブ装置であって、
流体が流下する流体流路が内部に形成されたバルブ本体、及び前記流体流路を開閉する開閉弁を有する容器バルブと、
各種信号を受送信するためのアンテナと、
該アンテナを介して現在地を示す信号を送信する送信機と、
前記容器バルブを保護する保護キャップが取り付けられるキャップ取付部に対して前記容器バルブとは逆側で隣接するとともに、前記アンテナが固定されるアンテナ固定部とを備えた
バルブ装置。
【請求項14】
前記容器バルブに設けられるとともに、前記ボンベ容器の状態を検出する検出手段を備え、
前記送信機は、
前記検出手段が検出した前記ボンベ容器の状態に基づいて、前記現在地を示す信号を送信する
請求項13に記載のバルブ装置。
【請求項15】
前記容器バルブに設けられるとともに、前記ボンベ容器の状態を検出する検出手段を備え、
前記送信機は、
前記現在地を示す信号に、前記検出手段が検出した前記ボンベ容器の状態を示す情報を関連付けて送信する
請求項13に記載のバルブ装置。
【請求項16】
前記キャップ取付部及び前記アンテナ固定部は、
前記容器バルブとは別体、かつ前記ボンベ容器に取り付けられるアダプターを構成し、
前記アンテナが、前記アダプターの前記アンテナ固定部に固定された
請求項13から請求項15のいずれか1つに記載のバルブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、高圧ガスなどの流体が充填されるボンベ容器に取付けられるような容器位置通知装置及びバルブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ボンベ容器に容器バルブが取付けられたボンベは、充填工場において、ガスなどの流体が充填されたのち、家庭、事業所、工場、あるいは工事現場などの使用場所に運搬されている。その後、使用済みのボンベは、回収運搬され、充填工場において、ガスなどの流体が再充填される。
【0003】
ところが、昨今、使用済みのボンベが、充填工場または使用場所とは異なる場所、例えば山林に不法に投棄されるという問題が生じている。このような投棄されたボンベに例えば腐食が生じると、有害なガスや高圧ガスなどの危険性の高い流体が漏出するおそれがある。
【0004】
このため、充填工場または使用場所とは異なる場所に投棄された使用済みのボンベは、早期に発見して回収することが望ましい。
そこで、投棄された使用済みのボンベの発見及び回収を支援する技術が提案されている。
例えば特許文献1では、流体が貯留されるボンベ容器に取り付けられる容器バルブに、現在地を示す信号を送信する送信機を備えたバルブ装置を提案している。
【0005】
さらに、特許文献1では、現在地を示す信号の送信と送信の休止とを、ボンベ容器の内圧に基づいて制御する、あるいは開閉弁の開閉状態を検知するスイッチによって制御することで、現在地を示す信号を長期に亘って送信可能にしている。
【0006】
ところで、一般的に、ボンベは、ボンベ容器に保護キャップが装着され、容器バルブが保護キャップによって保護されている。そうすると、特許文献1では、送信機が容器バルブとともに保護キャップに覆われるため、現在地を示す信号の送信が保護キャップによって阻害されるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2020-56416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑み、容器バルブを保護する保護キャップを装着した場合であっても、容器バルブが取り付けられたボンベ容器の発見を容易にする容器位置通知装置及びバルブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、流体が充填されるボンベ容器の現在地を通知する容器位置通知装置であって、各種信号を受送信するためのアンテナと、該アンテナを介して現在地を示す信号を送信する送信機とが備えられ、前記アンテナが、前記ボンベ容器に取り付けられた容器バルブを保護する保護キャップの外面、または前記保護キャップに隣接する部位に固定可能に構成されたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、保護キャップの外面または保護キャップに隣接する部位にアンテナが固定されるため、保護キャップによって保護される保護範囲の外にアンテナを配置することができる。
このため、送信機は、現在地を示す信号を保護キャップに阻害されることなく送信することができる。
【0011】
これにより、容器位置通知装置は、例えば現在地を示す信号を受信可能な端末を用いてボンベを捜索する回収業者に、容器バルブの現在地を確実に知らせることができる。
よって、容器位置通知装置は、容器バルブを保護する保護キャップを装着した場合であっても、容器バルブが取り付けられたボンベ容器の発見を容易にすることができる。
【0012】
この発明の態様として、前記送信機は、前記保護キャップによって保護される保護範囲内に設けられ、前記アンテナと前記送信機とを通信可能に接続する接続電線を備え、前記アンテナが、前記保護キャップを取り付けるキャップ取付部に対して、前記容器バルブとは逆側で隣接するアンテナ固定部に固定され、前記接続電線が、前記保護キャップに囲われた前記キャップ取付部の表面から前記アンテナ固定部を貫通する貫通孔に挿通されてもよい。
【0013】
上記接続電線は、導体を絶縁被覆で覆った電線、あるいは光ファイバーケーブルなどのことをいう。
上記キャップ取付部及びアンテナ固定部は、ボンベ容器に一体、またはボンベ容器に別体であってもよい。さらに、ボンベ容器とは別体の場合、キャップ取付部及びアンテナ固定部は、ボンベ容器に対して螺合や加締めによって取り付け、あるいは固定されてもよい。
【0014】
この構成によれば、アンテナと送信機とを接続する接続電線が、保護キャップに囲われたキャップ取付部の表面からアンテナ固定部を貫通する貫通孔に挿通されているため、保護キャップの着脱を阻害することなく、接続電線を保護範囲内から保護範囲の外へ配索することができる。
【0015】
このため、容器位置通知装置は、保護キャップを着脱するたびに接続電線を取り外すことを不要にするとともに、接続電線が保護キャップとキャップ取付部との間に挟まれることを防止できる。
【0016】
さらに、例えば容器バルブに送信機を設けた場合、キャップ取付部に隣接するアンテナ固定部にアンテナが固定されているため、キャップ取付部に装着する際の保護キャップの回転に伴って、送信機とアンテナとが相対回転することがない。
このため、容器位置通知装置は、アンテナと送信機とを接続する接続電線が、保護キャップの着脱に伴って捻じれる、あるいは引っ張られることを防止できる。
【0017】
加えて、容器位置通知装置は、保護キャップ及び貫通孔によって接続電線を保護できるため、例えば投棄場所周辺の木々と接続電線との接触を防止することができる。
よって、容器位置通知装置は、接続電線の断線を防止できるため、現在地を示す信号を確実に送信することができる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記アンテナが、可撓性を有する薄板状に形成されるとともに、前記アンテナ固定部の表面に沿って固定されてもよい。
この構成によれば、棒状のアンテナに比べて、アンテナの突出量を抑えることができる。このため、容器位置通知装置は、例えば投棄場所周辺の木々との接触によるアンテナの損傷を防止することができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記キャップ取付部及び前記アンテナ固定部は、前記ボンベ容器とは別体、かつ前記ボンベ容器に取り付けられるアダプターを構成し、前記アンテナが、前記アダプターの前記アンテナ固定部に固定されてもよい。
この構成によれば、既存のボンベ容器を加工することなく、接続電線を配索できるとともに、既存のボンベ容器にアンテナを、アダプターを介して容易に取り付けることができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記容器バルブに設けられるとともに、前記ボンベ容器の状態を検出する検出手段を備え、前記送信機は、前記検出手段が検出した前記ボンベ容器の状態に基づいて、前記現在地を示す信号を送信してもよい。
【0021】
上記ボンベ容器の状態を検出する検出手段とは、ボンベ容器の内圧を検出する手段、ボンベ容器の内部温度または外部温度を検出する手段、ボンベ容器に貯留された流体の流量を検出する手段、及びボンベ容器に貯留された流体の残量を検出する手段のうち、1つ以上のことをいう。
【0022】
この構成によれば、ボンベ容器の状態に基づいて現在地を示す信号を送信するため、現在地を示す信号が常時送信されることを防止できる。このため、例えば現在地を示す信号を常時送信する場合に比べて、容器位置通知装置は、送信機の電力消費を抑えることができる。
【0023】
これにより、容器位置通知装置は、例えば内蔵されたバッテリーで稼働する送信機の稼働時間を長く確保できるため、現在地を示す信号を長期に亘って確実に送信することができる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記アンテナは、前記送信機に一体的に設けられ、前記検出手段と前記送信機とを接続する接続電線を備え、前記送信機が、前記保護キャップを取り付けるキャップ取付部に対して、前記容器バルブとは逆側で隣接するアンテナ固定部に固定され、前記接続電線が、前記保護キャップに囲われた前記キャップ取付部の表面から前記アンテナ固定部を貫通する貫通孔に挿通されてもよい。
【0025】
この構成によれば、アンテナを一体的に備えた送信機が、キャップ取付部に隣接するアンテナ固定部に固定されているため、キャップ取付部に装着する際の保護キャップの回転に伴って、検出手段とアンテナを一体的に備えた送信機とが相対回転することがない。
このため、容器位置通知装置は、検出手段と送信機とを接続する接続電線が、保護キャップの着脱に伴って捻じれる、あるいは引っ張られることを防止できる。
【0026】
さらに、検出手段と送信機とを接続する接続電線が、保護キャップに囲われたキャップ取付部の表面からアンテナ固定部を貫通する貫通孔に挿通されているため、容器位置通知装置は、保護キャップの着脱を阻害することなく接続電線を配索することができる。
【0027】
このため、容器位置通知装置は、保護キャップを着脱するたびに接続電線を取り外すことを不要にするとともに、接続電線が保護キャップとキャップ取付部との間に挟まれることを防止できる。
【0028】
加えて、容器位置通知装置は、保護キャップ及び貫通孔によって接続電線を保護できるため、例えば投棄場所周辺の木々と接続電線との接触を防止することができる。
よって、容器位置通知装置は、接続電線の断線を防止できるため、現在地を示す信号を確実に送信することができる。
【0029】
またこの発明の態様として、前記キャップ取付部及び前記アンテナ固定部は、前記ボンベ容器とは別体、かつ前記ボンベ容器に取り付けられるアダプターを構成し、前記アンテナを一体的に備えた前記送信機が、前記アダプターの前記アンテナ固定部に固定されてもよい。
【0030】
この構成によれば、既存のボンベ容器を加工することなく、接続電線を配索できるとともに、アンテナを一体的に備えた送信機を既存のボンベ容器に、アダプターを介して容易に取り付けることができる。
【0031】
またこの発明の態様として、前記容器バルブに設けられるとともに、前記ボンベ容器の状態を検出する検出手段を備え、前記送信機は、前記現在地を示す信号に、前記検出手段が検出した前記ボンベ容器の状態を示す情報を関連付けて送信してもよい。
【0032】
この構成によれば、現在地を示す信号に加えて、ボンベ容器の状態を示す情報を送信するため、例えば現在地を示す信号を受信可能な端末を用いてボンベを捜索する回収業者に、容器バルブの現在地とボンベ容器の状態とを知らせることができる。
これにより、容器位置通知装置は、例えば爆発等が懸念される危険なボンベ容器の発見及び回収をより容易にすることができる。
【0033】
またこの発明の態様として、前記アンテナが、各種信号を受信する受信アンテナ、及び各種信号を送信する送信アンテナを備え、前記送信機が、現在地を特定するための所定信号を、前記受信アンテナを介して受信する受信モジュールと、前記現在地を特定するための前記所定信号に基づいた位置情報を、前記現在地を示す信号として前記送信アンテナを介して送信する送信モジュールとを備えてもよい。
【0034】
上記所定信号とは、GPS衛星からの送信された信号、あるいは容器バルブを捜索するために設けた基地局から送信された信号などのことをいう。
この構成によれば、保護キャップによって保護される保護範囲の外に配置された受信アンテナで、現在地を特定するための所定信号をより確実に受信することができる。
【0035】
これにより、容器位置通知装置は、容器バルブのより詳細な現在地を、回収業者や遠隔地のオペレータに確実に知らせることができるため、容器バルブが取り付けられたボンベ容器の発見をより容易にすることができる。
【0036】
またこの発明の態様として、前記容器バルブに設けられるとともに、前記ボンベ容器の状態を検出する検出手段を備え、前記送信機が、前記アンテナを介して前記現在地を示す信号を送信する送信モジュールと、該送信モジュールに給電するバッテリーと、前記検出手段が検出した前記ボンベ容器の状態に基づいて、前記送信モジュールのオン状態及びオフ状態を切替える切換え手段とを備えてもよい。
この構成によれば、ボンベ容器の状態に基づいて、送信モジュールのオン状態及びオフ状態を切替えるため、バッテリーの消費を抑えることができる。
【0037】
このため、容器位置通知装置は、保護キャップによって保護される保護範囲の外に配置されたアンテナと、送信モジュールのオン状態及びオフ状態を切替える切換え手段との協働によって、現在地を示す信号を長期に亘って確実に送信することができる。
【0038】
またこの発明の態様として、前記ボンベ容器の内圧を検出する圧力センサーと、外気温または前記ボンベ容器の温度を測温する温度センサーとを備え、前記送信機が、前記ボンベ容器の内圧と、前記外気温または前記ボンベ容器の温度とに基づいて、前記現在地を示す信号を、前記アンテナを介して送信してもよい。
【0039】
上記ボンベ容器の温度とは、ボンベ容器の内部温度またはボンベ容器の表面温度のことをいう。
この構成によれば、検出手段が圧力センサーと温度センサーとを備えているため、温度変化に伴うボンベ容器の内圧変化に応じて、現在地を示す信号を送信することができる。
【0040】
例えば容器位置通知装置は、ボンベ容器の温度が低く、かつボンベ容器の内圧が高い場合に限って現在地を示す信号を送信することができる。
これにより、容器位置通知装置は、ボンベ容器の温度が上昇した際、内圧上昇によって爆発等が懸念される危険なボンベ容器の発見及び回収をより容易にすることができる。
【0041】
またこの発明の態様として、前記送信機が、前記現在地を示す信号を、所定時間以上の間隔を隔てて送信する送信間隔制御手段を備えてもよい。
上記所定時間以上とは、投棄された容器バルブ付きボンベ容器がほとんど移動しないことを加味した比較的長い時間長さ、あるいは例えば送信機に内蔵したバッテリーの電力が早期に尽きない時間長さであって、例えば数十分以上、数時間以上、あるいは数十時間以上とする。
【0042】
この構成によれば、例えば現在地を示す信号を常時送信する場合に比べて、現在地を示す信号の送信回数を少なくできるため、送信機の電力消費を抑えることができる。
このため、容器位置通知装置は、例えば内蔵されたバッテリーで稼働する送信機の稼働時間を長く確保することができる。
【0043】
これにより、容器位置通知装置は、保護キャップによって保護される保護範囲の外に配置されたアンテナと、現在地を示す信号を所定時間以上の間隔を隔てて送信する送信間隔制御手段との協働によって、現在地を示す信号を長期に亘って確実に送信することができる。
【0044】
またこの発明は、流体が充填されるボンベ容器に取り付けられるバルブ装置であって、流体が流下する流体流路が内部に形成されたバルブ本体、及び前記流体流路を開閉する開閉弁を有する容器バルブと、各種信号を受送信するためのアンテナと、該アンテナを介して現在地を示す信号を送信する送信機と、前記容器バルブを保護する保護キャップが取り付けられるキャップ取付部に対して前記容器バルブとは逆側で隣接するとともに、前記アンテナが固定されるアンテナ固定部とを備えたことを特徴とする。
【0045】
この発明によれば、キャップ取付部に対して容器バルブとは逆側で隣接するアンテナ固定部にアンテナが固定されるため、保護キャップによって保護される保護範囲の外にアンテナを配置することができる。
このため、送信機は、現在地を示す信号を保護キャップに阻害されることなく送信することができる。
【0046】
これにより、バルブ装置は、例えば現在地を示す信号を受信可能な端末を用いてボンベを捜索する回収業者に、容器バルブの現在地を確実に知らせることができる。
よって、バルブ装置は、容器バルブを保護する保護キャップを装着した場合であっても、容器バルブが取り付けられたボンベ容器の発見を容易にすることができる。
【0047】
この発明の態様として、前記容器バルブに設けられるとともに、前記ボンベ容器の状態を検出する検出手段を備え、前記送信機は、前記検出手段が検出した前記ボンベ容器の状態に基づいて、前記現在地を示す信号を送信してもよい。
【0048】
この構成によれば、ボンベ容器の状態に基づいて現在地を示す信号を送信するため、現在地を示す信号が常時送信されることを防止できる。このため、例えば現在地を示す信号を常時送信する場合に比べて、バルブ装置は、送信機の電力消費を抑えることができる。
【0049】
これにより、バルブ装置は、例えば内蔵されたバッテリーで稼働する送信機の稼働時間を長く確保できるため、現在地を示す信号を長期に亘って確実に送信することができる。
【0050】
またこの発明の態様として、前記容器バルブに設けられるとともに、前記ボンベ容器の状態を検出する検出手段を備え、前記送信機は、前記現在地を示す信号に、前記検出手段が検出した前記ボンベ容器の状態を示す情報を関連付けて送信してもよい。
【0051】
この構成によれば、現在地を示す信号に加えて、ボンベ容器の状態を示す情報を送信するため、例えば現在地を示す信号を受信可能な端末を用いてボンベを捜索する回収業者に、容器バルブの現在地とボンベ容器の状態とを知らせることができる。
これにより、バルブ装置は、例えば爆発等が懸念される危険なボンベ容器の発見及び回収をより容易にすることができる。
【0052】
またこの発明の態様として、前記キャップ取付部及び前記アンテナ固定部は、前記容器バルブとは別体、かつ前記ボンベ容器に取り付けられるアダプターを構成し、前記アンテナが、前記アダプターの前記アンテナ固定部に固定されてもよい。
この構成によれば、既存のボンベ容器に対して容器バルブ及びアンテナを容易に取付けることができる。
【発明の効果】
【0053】
本発明により、容器バルブを保護する保護キャップを装着した場合であっても、容器バルブが取り付けられたボンベ容器の発見を容易にする容器位置通知装置及びバルブ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】ボンベの外観を示す正面図。
図2】分解状態におけるバルブ装置の外観を示す正面図。
図3】送信機の内部構成を示すブロック図。
図4】送信モジュールの処理動作を示すフローチャート。
図5】回収順位設定処理の処理動作を示すフローチャート。
図6】外気温と内圧との関係を説明する説明図。
図7】容器位置通知システムの構成を示す構成図。
図8】実施例2におけるボンベの外観を示す正面図。
図9】実施例3におけるボンベの外観を示す正面図。
図10】開閉検知機構部の概略を説明する説明図。
図11】送信機の内部構成を示すブロック図。
図12】実施例4におけるボンベの外観を示す正面図。
図13】別の実施形態における容器位置通知システムの構成を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0055】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例0056】
実施例1では、高圧ガスなどの流体が充填されるボンベ容器2に取り付けられるようなバルブ装置3について、図1から図3を用いて説明する。
なお、図1はボンベ1の正面図を示し、図2は分解状態におけるバルブ装置3の正面図を示し、図3は送信機40のブロック図を示している。
【0057】
さらに、図2中において、アダプター30の構成を明確にするため、アダプター30の一部を部分断面図で図示している。
また、図1中の上側(回転ハンドル12側)をバルブ装置3の上方とし、図1中の下側(ボンベ容器2側)をバルブ装置3の下方とする。
【0058】
実施例1のボンベ1は、図1に示すように、ガスなどの流体を貯留する既存のボンベ容器2と、ボンベ容器2に取り付けられたバルブ装置3と、バルブ装置3の容器バルブ10を保護する保護キャップ4とを備えている。
なお、保護キャップ4は、下方が開口した略釣鐘状であって、実施例1では後述するバルブ装置3のアダプター30に装着可能に形成されている。
【0059】
実施例1のバルブ装置3は、図1及び図2に示すように、ガスなど流体の流動を規制可能な容器バルブ10と、ボンベ容器2の内圧を計測する圧力センサー20と、保護キャップ4を既存のボンベ容器2に取り付けるためのアダプター30とを備えている。
【0060】
さらに、バルブ装置3は、図1及び図2に示すように、現在地を示す信号を送信する送信機40と、各種信号を受送信するためのアンテナ50と、送信機40をアンテナ50に接続する接続電線60とを備えている。
そして、実施例1では、上述した圧力センサー20、アダプター30、送信機40、アンテナ50、及び接続電線60で、ボンベ容器2の現在地を通知する容器位置通知装置Xを構成している。
【0061】
このような容器位置通知装置Xは、図1に示すように、圧力センサー20、送信機40、及び接続電線60が、保護キャップ4とアダプター30とで囲われた保護キャップ4の保護範囲S内に配置され、アンテナ50が保護範囲Sの外に配置されている。
【0062】
詳述すると、バルブ装置3の容器バルブ10は、図2に示すように、ボンベ容器2に取り付けられるバルブ本体11と、バルブ本体11に装着した開閉弁(図示省略)、スピンドル(図示省略)、及び回転ハンドル12とで構成されている。
なお、容器バルブ10は、周知の技術で構成されているため、ここでは、その詳細な図示を省略して、簡単に説明する。
【0063】
容器バルブ10のバルブ本体11は、図2に示すように、正面視において、ボンベ容器2の上面内側に設けたネジ孔2aに対して上方から螺合して取り付けられる取付部11aと、取付部11aの上端から上方へ延びる略筒状体のボディ部11bとを備えている。
【0064】
さらに、バルブ本体11は、図2に示すように、上下方向に対して直交する方向である直交方向の一方(図2中の左側)へ向けてボディ部11bから延びるアウトレット部11cと、直交方向の他方(図2中の右側)へ向けてボディ部11bから延びる安全弁接続部11dとで一体形成されている。
【0065】
なお、アウトレット部11cは、外部に設けた装置とバルブ本体11とを連結するホースや配管などの管体6の金具6a(図1参照)が螺合可能に形成されている。一方、安全弁接続部11dは、容器安全弁13が螺合可能に形成されている。
【0066】
このようなバルブ本体11の内部には、ボディ部11bの内部空間(図示省略)と外部とを連通するとともに、ガスなどの流体が流動する流路である流体流路(図示省略)が形成されている。
【0067】
この流体流路は、取付部11aを貫通してボディ部11bの内部空間と外部とを連通する第1流路(図示省略)と、アウトレット部11cを貫通してボディ部11bの内部空間と外部とを連通する第2流路(図示省略)と、安全弁接続部11dを貫通して第1流路と外部とを連通する第3流路(図示省略)とで一体形成されている。
【0068】
また、容器バルブ10の開閉弁は、ボディ部11bの内部空間における下部に設けた弁室(図示省略)に螺合して取付けられている。この開閉弁は、流体流路の第1流路と第2流路との連通を開閉可能に構成され、ガスなどの流体の流動を規制している。
【0069】
また、容器バルブ10のスピンドルは、バルブ本体11の内部空間を配設された上下方向に延びる弁棒であって、開閉弁に嵌合する略四角柱状の弁嵌合部と、バルブ本体11に回転自在に支持される略円柱状の軸部と、回転ハンドル12が嵌合する略四角柱状のハンドル嵌合部とを、下方からこの順番で同軸上に配置して一体形成している。
【0070】
また、バルブ装置3の圧力センサー20は、その先端がバルブ本体11の内部空間に露出する状態で、容器バルブ10のバルブ本体11に固定されている。この圧力センサー20は、送信機40(後述する送信モジュール43の送信制御部43b)に接続され、ボンベ容器2の内圧を検知する機能と、検知した内圧を示す信号を送信機40に出力する機能とを有している。
【0071】
また、バルブ装置3のアダプター30は、図1及び図2に示すように、保護キャップ4が螺合する略円環状の螺合部31と、螺合部31の内径に略同じ内径、及び螺合部31の外径よりも大きい外径を有する略円環状のアンテナ固定部32とを同軸上に配置して一体形成している。
【0072】
なお、アダプター30は、螺合部31及びアンテナ固定部32を上方から下方へ向けてこの順番で連結して一体形成している。
具体的には、螺合部31は、図1及び図2に示すように、ボンベ容器2のネックリング5よりも大径の外径を有する略円環状に形成されている。さらに、螺合部31の外周面には、保護キャップ4が螺合する雄ネジが形成されている。
【0073】
また、アンテナ固定部32は、図1及び図2に示すように、上下方向に所定の厚みを有する略円板状に形成されている。このアンテナ固定部32の外周面には、後述するアンテナ50が固定されている。
【0074】
このようなアダプター30の内周面30aは、図2に示すように、ネックリング5の外周面に設けた雄ネジに螺合する雌ネジが形成されている。
さらに、アダプター30には、螺合部31の上面からアンテナ固定部32の外周面に貫通して、保護範囲Sの内部と外部とを連通させる貫通孔30bが開口形成されている。
【0075】
より詳しくは、貫通孔30bは、図2に示すように、内周面30aよりも径方向外側において、後述する接続電線60が挿通される貫通孔である。この貫通孔30bは、螺合部31の上面から下方へ向かう孔部分と、アンテナ固定部32の内部でアダプター30の径方向外側へ向かう孔部分とで、螺合部31の上面からアンテナ固定部32の外周面に至る貫通孔を形成している。
【0076】
また、バルブ装置3の送信機40は、図2に示すように、容器バルブ10のバルブ本体11に対して締結固定されている。この送信機40は、図3に示すように、外気温センサー41、受信モジュール42、送信モジュール43、及びバッテリー44を備えている。
【0077】
具体的には、送信機40の外気温センサー41は、図3に示すように、バルブ装置3の周囲の外気温を計測可能な状態で、送信機40の内部に収容保持されている。
この外気温センサー41は、後述する送信モジュール43の送信制御部43bに接続され、バルブ装置3の周囲の外気温を計測する機能と、計測した外気温を示す信号を送信モジュール43に出力する機能を有している。
【0078】
また、送信機40の受信モジュール42は、図3に示すように、後述する接続電線60を介してアンテナ50に接続されている。この受信モジュール42は、Global Positioning System(以下、GPSと呼ぶ)衛星101(図7参照)からのGPS信号を、アンテナ50を介して受信する受信部42aと、受信モジュール42における各種動作を制御する受信制御部42bとで構成されている。
【0079】
より詳しくは、受信部42aは、アンテナ50(後述する受信アンテナ51)を介してGPS信号を受信する機能と、受信したGPS信号を受信制御部42bに受け渡す機能とを有している。
一方、受信制御部42bは、CPU及びメモリなどのハード構成と、プログラム及びデータなどのソフト構成とで構成されている。
【0080】
この受信制御部42bは、所定のバスを介して接続された受信部42aの動作を制御する機能と、GPS信号に基づいて現在の位置を示す位置情報を算出する機能と、位置情報を送信モジュール43に受け渡す機能とを有している。
【0081】
また、送信機40の送信モジュール43は、図3に示すように、後述する接続電線60を介してアンテナ50に接続され、アンテナ50を介して現在地を示す信号を無線送信する送信部43aと、送信モジュール43における各種動作を制御する送信制御部43bとで構成されている。
【0082】
より詳しくは、送信部43aは、現在地を示す信号を送信制御部43bから受け取る機能と、受け取った現在地を示す信号を、アンテナ50(後述する送信アンテナ52)を介して無線送信する機能とを有している。
一方、送信制御部43bは、CPU及びメモリなどのハード構成と、プログラム及びデータなどのソフト構成とで構成されている。
なお、送信制御部43bには、送信機40を識別する固有の識別コード43cが記憶されている。
【0083】
この送信制御部43bは、所定のバスを介して接続された送信部43aの動作を制御する機能、圧力センサー20からの信号を検知圧力として取得する機能、外気温センサー41からの信号を外気温として取得する機能とを有している。
【0084】
さらに、送信制御部43bは、現在地を示す信号を送信してからの経過時間を計測する手段としての経過時間計測機能、及び受信モジュール42と各種情報の受け渡し等に係る各種処理機能を有している。
【0085】
また、送信機40のバッテリー44は、一次電池または二次電池であって、交換可能な状態で送信機40に搭載されている。このバッテリー44は、受信モジュール42、及び送信モジュール43に接続されている。
【0086】
また、バルブ装置3のアンテナ50は、図3に示すように、送信機40の受信モジュール42及び送信モジュール43の双方に接続電線60を介して接続されている。このアンテナ50は、GPS信号の受信、及び現在地を示す信号の無線送信のために設けられている。
【0087】
より詳しくは、アンテナ50は、図1及び図3に示すように、各種信号を受信するための受信アンテナ51と、受信アンテナ51とは別体、かつ各種信号を送信するための送信アンテナ52とを備えている。
このアンテナ50は、受信アンテナ51が接続電線60を介して受信モジュール42に接続され、送信アンテナ52が接続電線60を介して送信モジュール43に接続されている。
【0088】
受信アンテナ51は、図1に示すように、可撓性を有する薄板状またはフィルム状で、所定方向に長い短冊形状に形成されている。この受信アンテナ51における長手方向の一端には、アダプター30の貫通孔30bから導出した接続電線60が接続されている。
【0089】
一方、送信アンテナ52は、図1に示すように、可撓性を有する薄板状またはフィルム状で、所定方向に長い短冊形状に形成されている。この送信アンテナ52における長手方向の一端には、アダプター30の貫通孔30bから導出した接続電線60が接続されている。
【0090】
このようなアンテナ50は、図1及び図2に示すように、アダプター30のアンテナ固定部32における外周面に沿って湾曲するとともに、一方の主面が露出した状態で、アンテナ固定部32の外周面に接着固定される、あるいはアンテナ固定部32の外周面に設けた凹部分に接着固定されている。
なお、受信アンテナ51と送信アンテナ52とは、図1及び図2に示すように、アンテナ固定部32の周方向において、貫通孔30bからそれぞれ逆方向へ向けて配置されている。
【0091】
また、バルブ装置3の接続電線60は、図1及び図2に示すように、一端が送信機40に接続された第1接続線61と、一端がアンテナ50に接続された第2接続線62とを連結して構成している。
なお、接続電線60は、第2接続線62をアダプター30の貫通孔30bに挿通して配索している。
【0092】
より詳しくは、接続電線60は、図2に示すように、第1接続線61の先端に設けたコネクタ61aと、第2接続線62の先端に設けたコネクタ62aとを、アダプター30の上方、すなわち保護キャップ4の保護範囲S内で連結することで、送信機40とアンテナ50とを電気的に接続している。
【0093】
引き続き、上述したバルブ装置3における送信機40の処理動作について、図4から図6を用いて説明する。
なお、図4は送信モジュール43の処理動作のフローチャートを示し、図5は回収順位設定処理の処理動作のフローチャートを示し、図6は外気温と内圧との関係を説明する説明図を示している。
【0094】
バッテリー44から電力が供給されている状態において、処理動作を開始した送信モジュール43の送信制御部43bは、図4に示すように、GPS信号に基づいた現在の位置を示す位置情報を受信モジュール42から取得したか否かを判定する(ステップS201)。
受信モジュール42から位置情報を取得していない場合(ステップS201:No)、送信制御部43bは、位置情報を取得するまで処理を待機する。
【0095】
一方、受信モジュール42から位置情報を取得した場合(ステップS201:Yes)、送信制御部43bは、図4に示すように、圧力センサー20が検知した検知圧力が0MPaを上回るか否かを判定する(ステップS202)。
【0096】
検知圧力が0MPaの場合(ステップS202:No)、送信制御部43bは、ボンベ1が投棄されていても爆発などの危険性が低いため、処理をステップS201に戻して、現在地を示す信号の送信を休止する。
【0097】
一方、検知圧力が0MPaを上回る場合(ステップS202:Yes)、送信制御部43bは、流体の残量に基づいてボンベ1の回収優先順位を設定する回収順位設定処理を開始する(ステップS203)。
【0098】
具体的には、回収順位設定処理を開始すると、送信制御部43bは、図5に示すように、ボンベ容器2の内圧の閾値を示す圧力閾値Psを、外気温センサー41が検出した外気温に基づいて設定する(ステップS211)。
【0099】
この際、送信制御部43bは、図6に示すように、予め設定された外気温とボンベ容器2の内圧との関係を示す状態関係式Vに基づいて、現在の外気温における内圧値を算出し、算出した内圧値を圧力閾値Psとして設定する。
【0100】
なお、外気温と内圧との状態関係式Vは、例えば所定の外気温下で、流体を所定の充填圧力まで充填した状態から外気温が変化した際、外気温の変化に対する内圧の変化を示す関係式である。
【0101】
圧力閾値Psを設定すると、送信制御部43bは、圧力センサー20が検知した検知圧力が圧力閾値Ps以下か否かを判定する(ステップS212)。
例えば図6(a)に示すように、現在の外気温T1における検知圧力P1が圧力閾値Ps以下の場合(ステップS212:Yes)、送信制御部43bは、ボンベ容器2に残留する流体の残量が少ないと判定する(ステップS213)。
【0102】
この場合、仮に外気温が現在の外気温T1より上昇しても、ボンベ容器2の内圧が爆発等の危険のある圧力まで上昇し難い。
そこで、送信制御部43bは、ボンベ1の回収優先順位が低いことを示す属性情報を生成して一時記憶したのち(ステップS214)、回収順位設定処理を終了して処理を図4のステップS204に進める。
【0103】
一方、例えば図6(b)に示すように、現在の外気温T2における検知圧力P2が圧力閾値Psを上回る場合(ステップS212:No)、送信制御部43bは、ボンベ容器2に残留する流体の残量が多いと判定する(ステップS215)。
この場合、外気温が現在の外気温T2よりも上昇した際、ボンベ容器2の内圧が検知圧力P2よりもさらに上昇して、爆発等の危険性が高くなる。
【0104】
そこで、送信制御部43bは、ボンベ1の回収優先順位が高いことを示す属性情報を生成して一時記憶したのち(ステップS216)、回収順位設定処理を終了して処理を図4のステップS204に進める。
【0105】
回収順位設定処理を完了すると、送信制御部43bは、図4に示すように、ステップS201で取得した位置情報を、現在地を示す信号として送信アンテナ52を介して所定時間だけ送信する(ステップS204)。
【0106】
この際、送信制御部43bは、送信機40を識別する固有の識別コード43c、及びステップS203で取得した回収優先順位を示す属性情報を関連付けた位置情報を、現在地を示す信号として送信する。
【0107】
その後、送信制御部43bは、位置情報を送信してからの経過時間のカウントを開始する(ステップS205)。そして、送信制御部43bは、経過時間のカウントを開始してから24時間以上が経過したか否かを判定する(ステップS206)。
【0108】
経過時間が24時間以上でない場合(ステップS206:No)、送信制御部43bは、経過時間が24時間以上になるまで処理を待機することで、現在地を示す信号の送信を休止する。
【0109】
一方、経過時間が24時間以上の場合(ステップS206:Yes)、送信制御部43bは、処理をステップS201に戻すことで、現在地を示す信号の送信を再開する。
【0110】
このようにして、送信制御部43bは、バッテリー44からの電力供給が途切れるまで、ステップS201からステップS206までの処理を繰り返すことで、現在地を示す信号の送信と、送信の休止とを行う。
【0111】
次に、上述したボンベ1のバルブ装置3の現在地を確認可能にする容器位置通知システム100について、容器位置通知システム100の構成図を示す図7を用いて簡単に説明する。
【0112】
この容器位置通知システム100は、図7に示すように、GPS衛星101が送信したGPS信号を受信するバルブ装置3と、バルブ装置3が送信した現在地を示す信号を、中継装置102、及びインターネット回線や電話回線などの通信回線103を介して受信するサーバー104と、遠隔地のオペレータやボンベ回収業者が利用する利用者端末105とで構成されている。
【0113】
中継装置102は、例えば、通信事業者が設置した通信基地局に設けた装置、あるいは容器位置通知システム100を提供する事業者が設置した装置である。この中継装置102は、バルブ装置3が送信した現在地を示す信号を受信する機能と、受信した現在地を示す信号を、通信回線103を介してサーバー104に送信する機能とを有している。
【0114】
また、サーバー104は、中継装置102が送信した現在地を示す信号を受信する機能と、現在地を示す信号から取得した位置情報、回収優先順位を示す属性情報、及び識別コード43cを関連付けて記憶する機能とを有している。
【0115】
さらに、サーバー104は、地図を示す地図情報を外部から取得する機能と、位置情報、属性情報、識別コード43c、及び地図情報を関連付けて利用者端末105に送信する機能とを有している。
【0116】
利用者端末105は、例えば、パソコン、タブレット端末、携帯電話、あるいは専用端末などである。この利用者端末105は、通信回線103を介してサーバー104から位置情報、属性情報、識別コード43c、及び地図情報を関連付けて取得する機能と、位置情報、属性情報、識別コード43c、及び地図情報に基づいて、バルブ装置3の現在地を、回収優先順位とともに、地図上に閲覧可能に表示する機能とを有している。
【0117】
このような容器位置通知システム100は、バルブ装置3から送信された現在地を示す信号をサーバー104が取得するとともに、サーバー104が利用者端末105に位置情報などを送信することで、バルブ装置3の現在地、及び回収優先順位を遠隔地のオペレータやボンベ回収業者に知らせることができる。
【0118】
以上のように、流体が充填されるボンベ容器2の現在地を通知する実施例1の容器位置通知装置Xは、各種信号を受送信するためのアンテナ50と、アンテナ50を介して現在地を示す信号を送信する送信機40とが備えられている。
そして、アンテナ50が、ボンベ容器2に取り付けられた容器バルブ10を保護する保護キャップ4に隣接するアンテナ固定部32に固定可能に構成されている。
【0119】
この構成によれば、保護キャップ4に隣接するアンテナ固定部32にアンテナ50が固定されるため、保護キャップ4によって保護される保護範囲Sの外にアンテナ50を配置することができる。
このため、送信機40は、現在地を示す信号を保護キャップ4に阻害されることなく送信することができる。
【0120】
これにより、容器位置通知装置Xは、例えば現在地を示す信号を受信可能な端末を用いてボンベを捜索する回収業者に、容器バルブ10の現在地を確実に知らせることができる。
よって、容器位置通知装置Xは、容器バルブ10を保護する保護キャップ4を装着した場合であっても、容器バルブ10が取り付けられたボンベ容器2の発見を容易にすることができる。
【0121】
また、送信機40が、保護キャップ4によって保護される保護範囲S内に設けられ、容器位置通知装置Xが、アンテナ50と送信機40とを通信可能に接続する接続電線60を備えている。
【0122】
そして、アンテナ50が、保護キャップ4が螺合する螺合部31に対して、容器バルブ10とは逆側で隣接するアンテナ固定部32に固定され、接続電線60が、保護キャップ4に囲われた螺合部31の上面からアンテナ固定部32を貫通する貫通孔30bに挿通されている。
【0123】
この構成によれば、アンテナ50と送信機40とを接続する接続電線60が、保護キャップ4に囲われた螺合部31の表面からアンテナ固定部32を貫通する貫通孔30bに挿通されているため、容器位置通知装置Xは、保護キャップ4の着脱を阻害することなく、接続電線60を保護範囲Sから保護範囲Sの外へ配索することができる。
【0124】
このため、容器位置通知装置Xは、保護キャップ4を着脱するたびに接続電線60を取り外すことを不要にするとともに、接続電線60が保護キャップ4と螺合部31との間に挟まれることを防止できる。
【0125】
さらに、容器バルブ10に送信機40が設けられ、螺合部31に隣接するアンテナ固定部32にアンテナ50が固定されているため、螺合部31に装着する際の保護キャップ4の回転に伴って、送信機40とアンテナ50とが相対回転することがない。
このため、容器位置通知装置Xは、アンテナ50と送信機40とを接続する接続電線60が、保護キャップ4の着脱に伴って捻じれる、あるいは引っ張られることを防止できる。
【0126】
加えて、容器位置通知装置Xは、保護キャップ4及び貫通孔30bによって接続電線60を保護できるため、例えば投棄場所周辺の木々と接続電線60との接触を防止することができる。
よって、容器位置通知装置Xは、接続電線60の断線を防止できるため、現在地を示す信号を確実に送信することができる。
【0127】
また、アンテナ50が、可撓性を有する薄板状に形成されるとともに、アンテナ固定部32の表面に沿って固定されているため、容器位置通知装置Xは、棒状のアンテナに比べて、アンテナ50の突出量を抑えることができる。このため、容器位置通知装置Xは、例えば投棄場所周辺の木々との接触によるアンテナ50の損傷を防止することができる。
【0128】
また、螺合部31及びアンテナ固定部32は、ボンベ容器2とは別体、かつボンベ容器2に取り付けられるアダプター30を構成している。そして、アンテナ50が、アダプター30のアンテナ固定部32に固定されている。
【0129】
この構成によれば、既存のボンベ容器2を加工することなく、接続電線60を配索できるとともに、既存のボンベ容器2にアンテナ50を、アダプター30を介して容易に取り付けることができる。
【0130】
また、容器位置通知装置Xが、容器バルブ10に設けられるとともに、ボンベ容器2の状態を検出する検出手段(圧力センサー20及び外気温センサー41)を備えている。そして、送信機40は、検出手段が検出したボンベ容器2の状態に基づいて、現在地を示す信号を送信している。
【0131】
この構成によれば、ボンベ容器2の状態に基づいて現在地を示す信号を送信するため、現在地を示す信号が常時送信されることを防止できる。このため、例えば現在地を示す信号を常時送信する場合に比べて、容器位置通知装置Xは、送信機40の電力消費を抑えることができる。
【0132】
これにより、容器位置通知装置Xは、内蔵されたバッテリー44で稼働する送信機40の稼働時間を長く確保できるため、現在地を示す信号を長期に亘って確実に送信することができる。
【0133】
また、アンテナ50が、各種信号を受信する受信アンテナ51、及び各種信号を送信する送信アンテナ52を備え、送信機40が、受信アンテナ51を介してGPS信号を受信する受信モジュール42と、GPS信号に基づいた位置情報を、現在地を示す信号として送信アンテナ52を介して送信する送信モジュール43とを備えている。
【0134】
この構成によれば、保護キャップ4によって保護される保護範囲Sの外に配置された受信アンテナ51で、GPS信号をより確実に受信することができる。
これにより、容器位置通知装置Xは、容器バルブ10のより詳細な現在地を、回収業者や遠隔地のオペレータに確実に知らせることができるため、容器バルブ10が取り付けられたボンベ容器2の発見をより容易にすることができる。
【0135】
また、容器位置通知装置Xは、容器バルブ10に設けられるとともに、ボンベ容器2の状態を検出する検出手段(圧力センサー20及び外気温センサー41)を備えている。
そして、送信機40が、送信アンテナ52を介して現在地を示す信号を送信する送信モジュール43と、送信モジュール43に給電するバッテリー44と、検出手段が検出したボンベ容器2の状態に基づいて、送信モジュール43のオン状態及びオフ状態を切替える切換え手段(送信制御部43b)とを備えている。
【0136】
この構成によれば、ボンベ容器2の状態に基づいて、送信モジュール43のオン状態及びオフ状態を切替えるため、バッテリー44の消費を抑えることができる。
このため、容器位置通知装置Xは、保護キャップ4によって保護される保護範囲Sの外に配置された送信アンテナ52と、送信モジュール43のオン状態及びオフ状態を切替える切換え手段(送信制御部43b)との協働によって、現在地を示す信号を長期に亘って確実に送信することができる。
【0137】
また、容器位置通知装置Xが、ボンベ容器2の内圧を検出する圧力センサー20と、外気温を測温する外気温センサー41とを備えている。そして、送信機40が、ボンベ容器2の内圧と外気温に基づいて、現在地を示す信号を、送信アンテナ52を介して送信する。
【0138】
この構成によれば、圧力センサー20と外気温センサー41とを備えているため、外気温の変化に伴うボンベ容器2の内圧変化に応じて、現在地を示す信号を送信することができる。
例えば容器位置通知装置Xは、ボンベ容器2の外気温が低く、かつボンベ容器2の内圧が高い場合に限って現在地を示す信号を送信することができる。
【0139】
これにより、容器位置通知装置Xは、ボンベ容器2の外気温が上昇した際、内圧上昇によって爆発等が懸念される危険なボンベ容器2の発見及び回収をより容易にすることができる。
【0140】
また、送信機40が、現在地を示す信号を24時間以上の間隔を隔てて送信する送信制御部43bを備えたことにより、容器位置通知装置Xは、例えば現在地を示す信号を常時送信する場合に比べて、現在地を示す信号の送信回数を少なくできるため、送信機40の電力消費を抑えることができる。
このため、容器位置通知装置Xは、内蔵されたバッテリー44で稼働する送信機40の稼働時間を長く確保することができる。
【0141】
これにより、容器位置通知装置Xは、保護キャップ4によって保護される保護範囲Sの外に配置されたアンテナ50と、現在地を示す信号を24時間以上の間隔を隔てて送信する送信制御部43bとの協働によって、現在地を示す信号を長期に亘って確実に送信することができる。
【0142】
また、流体が充填されるボンベ容器2に取り付けられる実施例1のバルブ装置3は、流体が流下する流体流路が内部に形成されたバルブ本体11、及び流体流路を開閉する開閉弁を有する容器バルブ10と、各種信号を受送信するためのアンテナ50と、アンテナ50を介して現在地を示す信号を送信する送信機40とを備えている。
【0143】
さらに、バルブ装置3は、容器バルブ10を保護する保護キャップ4が螺合する螺合部31と、螺合部31に対して容器バルブ10とは逆側で隣接するとともに、アンテナ50が固定されるアンテナ固定部32とを備えている。
【0144】
この構成によれば、螺合部31に対して容器バルブ10とは逆側で隣接するアンテナ固定部32にアンテナ50が固定されるため、保護キャップ4によって保護される保護範囲Sの外にアンテナ50を配置することができる。
このため、送信機40は、現在地を示す信号を保護キャップ4に阻害されることなく送信することができる。
【0145】
これにより、バルブ装置3は、例えば利用者端末105を用いてボンベを捜索する回収業者に、容器バルブ10の現在地を確実に知らせることができる。
よって、バルブ装置3は、容器バルブ10を保護する保護キャップ4を装着した場合であっても、容器バルブ10が取り付けられたボンベ容器2の発見を容易にすることができる。
【0146】
また、バルブ装置3が、容器バルブ10に設けられるとともに、ボンベ容器2の状態を検出する検出手段(圧力センサー20及び外気温センサー41)を備えている。そして、送信機40は、検出手段が検出したボンベ容器2の状態に基づいて、現在地を示す信号を送信している。
【0147】
この構成によれば、ボンベ容器2の状態に基づいて現在地を示す信号を送信するため、現在地を示す信号が常時送信されることを防止できる。このため、例えば現在地を示す信号を常時送信する場合に比べて、バルブ装置3は、送信機40の電力消費を抑えることができる。
【0148】
これにより、バルブ装置3は、内蔵されたバッテリー44で稼働する送信機40の稼働時間を長く確保できるため、現在地を示す信号を長期に亘って確実に送信することができる。
【0149】
また、螺合部31及びアンテナ固定部32は、容器バルブ10とは別体、かつボンベ容器2に取り付けられるアダプター30を構成している。
そして、アンテナ50が、アダプター30のアンテナ固定部32に固定されているため、バルブ装置3は、既存のボンベ容器に対して容器バルブ及びアンテナを容易に取付けることができる。
【実施例0150】
実施例2のバルブ装置7は、上述した実施例1に対して、送信機が保護キャップ4の保護範囲Sの外に配置されている点が異なる。このような実施例2のバルブ装置7について図8を用いて説明する。
なお、図8は実施例2におけるボンベ1の正面図を示している。
さらに、実施例1と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0151】
実施例2のバルブ装置7は、図8に示すように、ガスなど流体の流動を規制可能な容器バルブ10と、ボンベ容器2の内圧を計測する圧力センサー20と、保護キャップ4を既存のボンベ容器2に取り付けるためのアダプター30とを備えている。
【0152】
さらに、バルブ装置7は、図8に示すように、各種信号を受送信するためのアンテナを内蔵したアンテナ内蔵送信機70と、圧力センサー20をアンテナ内蔵送信機70に接続する接続電線80とを備えている。
そして、実施例2では、上述した圧力センサー20、アダプター30、アンテナ内蔵送信機70、及び接続電線80で、ボンベ容器2の現在地を通知する容器位置通知装置Xを構成している。
【0153】
このような容器位置通知装置Xは、図8に示すように、圧力センサー20、及び接続電線80が、保護キャップ4とアダプター30とで囲われた保護キャップ4の保護範囲S内に配置され、アンテナ内蔵送信機70が保護範囲Sの外に配置されている。
【0154】
なお、詳細な図示を省略するが、アンテナ内蔵送信機70は、実施例1と同様に、外気温センサー、受信モジュール、送信モジュール、及びバッテリーとを備えている。さらに、アンテナ内蔵送信機70は、各種信号を受信するための受信アンテナ、及び各種信号を送信するための送信アンテナを内蔵している。
【0155】
そして、アンテナ内蔵送信機70は、実施例1の送信機40と同様に、図4のステップS201からステップS206の処理を行って、現在地を示す信号を送信可能に構成されている。
【0156】
このようなアンテナ内蔵送信機70は、図8に示すように、アダプター30のアンテナ固定部32における上面に固定されている。
さらに、アンテナ内蔵送信機70は、アダプター30に設けた貫通孔30bに挿通した接続電線80を介して、圧力センサー20に接続されている。
【0157】
以上のように、実施例2の容器位置装置は、種信号を受送信するためのアンテナ(受信アンテナ及び送信アンテナ)と、アンテナを介して現在地を示す信号を送信するアンテナ内蔵送信機70とが備えられている。
そして、アンテナ内蔵送信機70のアンテナが、ボンベ容器2に取り付けられた容器バルブ10を保護する保護キャップ4に隣接するアンテナ固定部32に固定可能に構成されている。
【0158】
また、実施例2のバルブ装置7は、バルブ本体11及び開閉弁を有する容器バルブ10と、各種信号を受送信するためのアンテナ(受信アンテナ及び送信アンテナ)と、アンテナを介して現在地を示す信号を送信するアンテナ内蔵送信機70とを備えている。
【0159】
さらに、バルブ装置7は、容器バルブ10を保護する保護キャップ4が螺合する螺合部31と、螺合部31に対して容器バルブ10とは逆側で隣接するとともに、アンテナ内蔵送信機70が固定されるアンテナ固定部32とを備えている。
【0160】
このため、実施例2の容器位置装置及びバルブ装置7は、上述した実施例1と同様に、容器バルブ10を保護する保護キャップ4を装着した場合であっても、容器バルブ10が取り付けられたボンベ容器2の発見を容易にすることができる。
【0161】
さらに、実施例2の容器位置装置及びバルブ装置7は、アンテナがアンテナ内蔵送信機70に一体的に設けられ、圧力センサー20とアンテナ内蔵送信機70とを接続する接続電線80を備えている。
【0162】
そして、アンテナ内蔵送信機70が、保護キャップ4が螺合する螺合部31に対して、容器バルブ10とは逆側で隣接するアンテナ固定部32に固定され、接続電線80が、保護キャップ4に囲われた螺合部31の上面からアンテナ固定部32を貫通する貫通孔30bに挿通されている。
【0163】
この構成によれば、アンテナを一体的に備えたアンテナ内蔵送信機70が、螺合部31に隣接するアンテナ固定部32に固定されているため、螺合部31に装着する際の保護キャップ4の回転に伴って、圧力センサー20とアンテナ内蔵送信機70とが相対回転することがない。
このため、容器位置通知装置Xは、圧力センサー20とアンテナ内蔵送信機70とを接続する接続電線80が、保護キャップ4の着脱に伴って捻じれる、あるいは引っ張られることを防止できる。
【0164】
さらに、圧力センサー20とアンテナ内蔵送信機70とを接続する接続電線80が、保護キャップ4に囲われた螺合部31の表面からアンテナ固定部32を貫通する貫通孔30bに挿通されているため、容器位置通知装置Xは、保護キャップ4の着脱を阻害することなく接続電線80を配索することができる。
【0165】
このため、容器位置通知装置Xは、保護キャップ4を着脱するたびに接続電線80を取り外すことを不要にするとともに、接続電線80が保護キャップ4と螺合部31との間に挟まれることを防止できる。
【0166】
加えて、容器位置通知装置Xは、保護キャップ4及び貫通孔30bによって接続電線80を保護できるため、例えば投棄場所周辺の木々と接続電線80との接触を防止することができる。
よって、容器位置通知装置Xは、接続電線80の断線を防止できるため、現在地を示す信号を確実に送信することができる。
【0167】
また、螺合部31及びアンテナ固定部32は、ボンベ容器2とは別体、かつボンベ容器2に取り付けられるアダプター30を構成している。そして、アンテナ内蔵送信機70が、アダプター30のアンテナ固定部32に固定されている。
この構成によれば、既存のボンベ容器2を加工することなく、接続電線80を配索できるとともに、アンテナ内蔵送信機70を既存のボンベ容器2に、アダプター30を介して容易に取り付けることができる。
【実施例0168】
実施例3のバルブ装置8は、上述した実施例1の圧力センサー20にかえて、開閉弁の開閉状態を検知する開閉検知機構部を備えている点が異なる。このような実施例3のバルブ装置8について図9から図11を用いて説明する。
【0169】
なお、図9は実施例3におけるバルブ装置8の正面図を示し、図10は開閉検知機構部14の概略を説明する説明図であり、図10(a)は開閉検知機構部14の分解斜視図を示し、図10(b)はアウタギヤ147の下方視における外観斜視図を示し、図11は送信機40のブロック図を示している。
さらに、実施例1と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0170】
実施例3のバルブ装置8は、図9に示すように、バルブ本体11と回転ハンドル12との間に開閉検知機構部14を有する容器バルブ10と、保護キャップ4を既存のボンベ容器2に取り付けるためのアダプター30とを備えている。
【0171】
さらに、バルブ装置8は、図9に示すように、現在地を示す信号を送信する送信機40と、各種信号を受送信するためのアンテナ50と、送信機40をアンテナ50に接続する接続電線60とを備えている。
そして、実施例3では、容器バルブ10の開閉検知機構部14、アダプター30、送信機40、アンテナ50、及び接続電線60で、ボンベ容器2の現在地を通知する容器位置通知装置X2を構成している。
【0172】
このような容器位置通知装置X2は、図9に示すように、開閉検知機構部14、送信機40、及び接続電線60が、保護キャップ4とアダプター30とで囲われた保護キャップ4の保護範囲S内に配置され、アンテナ50が保護範囲Sの外に配置されている。
【0173】
詳述すると、バルブ装置8の容器バルブ10は、図9に示すように、ボンベ容器2に取り付けられるバルブ本体11と、バルブ本体11に装着した開閉弁(図示省略)、スピンドル(図示省略)、回転ハンドル12、及び開閉弁の開閉状態を検知する開閉検知機構部14とで構成されている。
【0174】
容器バルブ10の開閉検知機構部14は、図10(a)に示すように、スピンドルのハンドル嵌合部に嵌合するサンギヤ145を有する遊星歯車部141と、遊星歯車部141を内部に収容するロアケース142、及びアッパケース143と、ロアケース142に装着されたリミットスイッチ144とで構成されている。
【0175】
具体的には、遊星歯車部141は、図10(a)に示すように、スピンドルに嵌合して同期回転するサンギヤ(太陽歯車)145と、サンギヤ145に歯合する2つのプラネタリギヤ(遊星歯車)146と、2つのプラネタリギヤ146に歯合するとともに、サンギヤ145と同軸回転するアウタギヤ(内歯車)147とで構成されている。
【0176】
ここで、アウタギヤ147についてさらに詳述すると、アウタギヤ147の下面は、図10(b)に示すように、周方向における約300°の範囲を上方に凹設した凹部147aが形成されている。
なお、アウタギヤ147の下面において、凹部147aに対して下方に突出した部分、すなわち凹部147aを除く、周方向における約60°の範囲を凸部147bとする。
【0177】
このようなアウタギヤ147は、開閉弁が流体流路を閉塞する全閉位置に位置する状態において、凸部147bにおける平面視反時計回り側の端部が、後述するリミットスイッチ144に当接するように配設されている。
【0178】
また、開閉検知機構部14のリミットスイッチ144は、図10(a)に示すように、略半球状に形成された先端が押下されることで、ON状態とOFF状態とに切換え可能なスイッチであって、電線コード144aを介して、送信機40に接続されている。
【0179】
このリミットスイッチ144は、常時開回路接点仕様のマイクロスイッチを内蔵し、先端が押下されていない状態ではマイクロスイッチの接点が離間したOFF状態であり、先端が押下されることでマイクロスイッチの接点同士が接触したON状態となる構成である。
【0180】
つまり、リミットスイッチ144は、開閉弁が全閉位置以外に位置する場合、アウタギヤ147の凹部147aと非接触状態で対向してOFF状態が維持され、開閉弁が全閉位置に位置する場合、アウタギヤ147の凸部147bにおける平面視反時計回り側の端部に当接してON状態となるように構成されている。
【0181】
また、バルブ装置8の送信機40は、図9に示すように、容器バルブ10のバルブ本体11に対して締結固定されている。この送信機40は、図11に示すように、受信モジュール42、送信モジュール43、及びバッテリー44を備えている。
この送信機40のバッテリー44は、リミットスイッチ144を介して、受信モジュール42、及び送信モジュール43に接続されている。
【0182】
このため、バッテリー44は、リミットスイッチ144がON状態の場合、受信モジュール42及び送信モジュール43と導通し、リミットスイッチ144がOFF状態の場合、受信モジュール42及び送信モジュール43との導通が遮断されるよう構成されている。
【0183】
換言すると、バルブ装置8は、開閉検知機構部14が、受信モジュール42及び送信モジュール43がそれぞれ機能するオン状態と、受信モジュール42及び送信モジュール43がそれぞれ機能しないオフ状態とに切替える切換え手段として機能するように構成している。
【0184】
このような実施例3のバルブ装置8の場合、容器バルブ10の開閉弁が全閉位置に位置する状態、すなわち、リミットスイッチ144がON状態で送信機40が処理動作を開始する。
【0185】
この際、送信機40の送信制御部43bは、上述した実施例1のステップS201、及びステップS204からステップS206を繰返し行うことで、バルブ装置8の現在地を例えば利用者端末105に通知する。
【0186】
以上のように、実施例3の容器位置装置は、各種信号を受送信するためのアンテナ50と、アンテナ50を介して現在地を示す信号を送信する送信機40とが備えられている。
そして、アンテナ50が、ボンベ容器2に取り付けられた容器バルブ10を保護する保護キャップ4に隣接するアンテナ固定部32に固定可能に構成されている。
【0187】
また、実施例3のバルブ装置8は、バルブ本体11及び開閉弁を有する容器バルブ10と、各種信号を受送信するためのアンテナ50と、アンテナ50を介して現在地を示す信号を送信する送信機40とを備えている。
【0188】
さらに、バルブ装置8は、容器バルブ10を保護する保護キャップ4が螺合する螺合部31と、螺合部31に対して容器バルブ10とは逆側で隣接するとともに、アンテナ50が固定されるアンテナ固定部32とを備えている。
【0189】
このため、実施例3の容器位置装置及びバルブ装置8は、上述した実施例1と同様に、容器バルブ10を保護する保護キャップ4を装着した場合であっても、容器バルブ10が取り付けられたボンベ容器2の発見を容易にすることができる。
【0190】
さらに、容器位置装置及びバルブ装置8は、容器バルブ10に設けられるとともに、ボンベ容器2の状態を検出する検出手段(開閉検知機構部14)を備えている。
そして、送信機40が、送信アンテナ52を介して現在地を示す信号を送信する送信モジュール43と、送信モジュール43に給電するバッテリー44と、検出手段が検出したボンベ容器2の状態に基づいて、送信モジュール43のオン状態及びオフ状態を切替える切換え手段(リミットスイッチ144)とを備えている。
【0191】
この構成によれば、ボンベ容器2の状態に基づいて、送信モジュール43のオン状態及びオフ状態を切替えるため、バッテリー44の消費を抑えることができる。
このため、容器位置通知装置X2は、保護キャップ4によって保護される保護範囲Sの外に配置されたアンテナ50と、送信モジュール43のオン状態及びオフ状態を切替えるリミットスイッチ144との協働によって、現在地を示す信号を長期に亘って確実に送信することができる。
【実施例0192】
実施例4のバルブ装置9は、上述した実施例1のアダプターを備えていない点が異なる。このようなバルブ装置9について図12を用いて説明する。
なお、図12は実施例4におけるボンベ1の正面図を示している。
さらに、実施例1と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0193】
実施例4のボンベ1は、図12に示すように、既存のボンベ容器2と、ボンベ容器2に取り付けられたバルブ装置9と、ボンベ容器2のネックリング5に装着され、バルブ装置9の容器バルブ10を保護する保護キャップ4とを備えている。
【0194】
バルブ装置9は、図12に示すように、容器バルブ10と、ボンベ容器2の内圧を計測する圧力センサー20と、現在地を示す信号を送信する送信機40と、各種信号を受送信するためのアンテナ50と、送信機40をアンテナ50に接続する接続電線60とを備えている。
【0195】
そして、実施例4では、上述した圧力センサー20、送信機40、アンテナ50、及び接続電線60で、ボンベ容器2の現在地を通知する容器位置通知装置Xを構成している。
【0196】
このような容器位置通知装置Xは、図12に示すように、圧力センサー20、送信機40、及び接続電線60が、ボンベ容器2のネックリング5と保護キャップ4とで囲われた保護キャップ4の保護範囲S内に配置され、アンテナ50が保護範囲Sの外に配置されている。
【0197】
具体的には、ネックリング5の保護キャップ4が螺合する部分を螺合部5aとすると、ボンベ容器2のネックリング5は、図12に示すように、上部の螺合部5aと、螺合部5aに下方で隣接するとともに、後述するアンテナ50が固定されるアンテナ固定部5bとで構成されている。
このようなネックリング5には、図12に示すように、螺合部5aの上面からアンテナ固定部5bの外周面に貫通する貫通孔5cが開口形成されている。
【0198】
より詳しくは、貫通孔5cは、ボンベ容器2のネジ孔(図示省略)よりも径方向外側において、送信機40とアンテナ50とを通信可能に接続する接続電線60が挿通される貫通孔である。
【0199】
この貫通孔5cは、螺合部5aの上面から下方へ向かう孔部分と、アンテナ固定部5bの内部でネックリング5の径方向外側へ向かう孔部分とで、螺合部5aの上面からアンテナ固定部5bの外周面に至る貫通孔を形成している。
【0200】
また、バルブ装置9のアンテナ50は、送信機40の受信モジュール42(図3参照)に接続電線60を介して接続された受信アンテナ51と、送信モジュール43(図3参照)に接続電線60を介して接続された送信アンテナ52とを備えている。
【0201】
そして、アンテナ50は、図12に示すように、実施例1とは異なり、ネックリング5のアンテナ固定部5bにおける外周面に固定されている。
より詳しくは、受信アンテナ51及び送信アンテナ52は、図12に示すように、可撓性を有する薄板状またはフィルム状で、所定方向に長い短冊形状に形成されている。この受信アンテナ51及び送信アンテナ52における長手方向の一端には、ネックリング5に設けた貫通孔5cから導出させた接続電線60が接続されている。
【0202】
そして、受信アンテナ51及び送信アンテナ52は、ネックリング5のアンテナ固定部5bにおける外周面に沿って湾曲するとともに、一方の主面が露出した状態で、アンテナ固定部5bの外周面に接着固定される、あるいはアンテナ固定部5bの外周面に設けた凹部分に接着固定されている。
なお、受信アンテナ51及び送信アンテナ52は、実施例1と同様に、アンテナ固定部5bの周方向において、貫通孔5cからそれぞれ逆方向へ向けて配置されている。
【0203】
以上のように、実施例4の容器位置装置は、各種信号を受送信するためのアンテナ50と、アンテナ50を介して現在地を示す信号を送信する送信機40とが備えられている。
そして、アンテナ50が、ボンベ容器2に取り付けられた容器バルブ10を保護する保護キャップ4に隣接するアンテナ固定部5bに固定可能に構成されている。
【0204】
このため、実施例4の容器位置装置は、上述した実施例1と同様に、容器バルブ10を保護する保護キャップ4を装着した場合であっても、容器バルブ10が取り付けられたボンベ容器2の発見を容易にすることができる。
【0205】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の検出手段は、実施形態の圧力センサー20、外気温センサー41、及び開閉検知機構部14に対応し、
以下同様に、
送信機は、送信機40及びアンテナ内蔵送信機70に対応し、
保護キャップに隣接する部位は、アンテナ固定部32及びアンテナ固定部5bに対応し、
キャップ取付部は、螺合部31及び螺合部5aに対応し、
切換え手段は、送信制御部43b及びリミットスイッチ144に対応し、
温度センサーは、外気温センサー41に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0206】
具体的には、上述した実施形態において、容器バルブ10を保護する保護キャップ4を、下方が開口した略釣鐘状としたが、これに限定せず、上方が開口した筒状の保護キャップ、あるいは周面の一部が開口した筒状の保護キャップなど適宜の形状であってもよい。
【0207】
また、アダプター30の螺合部31及びネックリング5の螺合部5aに対して、保護キャップ4が螺合する構成としたが、これに限定せず、保護キャップを取り付け可能であれば、加締めなどの適宜の取付構造であってもよい。例えばアダプターから離間する方向への保護キャップの移動を規制するとともに、アダプターに対して相対回転可能な保護キャップの取付構造であってもよい。
【0208】
また、実施例1から実施例3において、螺合部31とアンテナ固定部32とで一体形成されたアダプター30としたが、これに限定せず、ボンベ容器2に装着可能、かつ保護キャップ4を装着可能であれば、適宜の形状のアダプターとしてもよい。
【0209】
例えば、保護キャップ4及び容器バルブ10が螺合する螺合部と、アンテナ50が固定されるアンテナ固定部と、ボンベ容器2のネジ孔2aに螺合する軸部とで構成されるとともに、螺合部の上面から軸部の下面に貫通する開口を有するアダプターであってもよい。
【0210】
また、アンテナ50及びアンテナ内蔵送信機70を、保護キャップ4に隣接するアンテナ固定部32,5bに固定したが、これに限定せず、保護キャップ4の外面にアンテナを固定した構成であってもよい。この場合であっても、保護キャップ4によって保護される保護範囲Sの外にアンテナを配置できるため、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0211】
また、実施例2において、アンテナ内蔵送信機70をアダプター30に固定したが、これに限定せず、実施例4のボンベ1のようにアダプター30を備えていない構成において、アンテナ内蔵送信機70を、ネックリング5の螺合部5aに隣接するアンテナ固定部5bまたは保護キャップ4の外面に固定してもよい。
【0212】
また、接続電線60,80を貫通孔30b,5cを介して外部に導出したが、これに限定せず、保護キャップ4に設けた開口を介して、接続電線を外部に導出してもよい。
また、アンテナ50を薄板状またはフィルム状としたが、これに限定せず、棒状のアンテナ、ボックス状のアンテナ、あるいはブロック状のアンテナであってもよい。
さらに、別体構成された受信アンテナ51及び送信アンテナ52をアンテナ50としたが、これに限定せず、受信アンテナと送信アンテナとが一体構成されたアンテナであってもよい。
【0213】
また、アンテナ固定部32,5bの周方向において、受信アンテナ51と送信アンテナ52とを、貫通孔30b,5cからそれぞれ逆方向へ向けて配置したが、これに限定せず、受信アンテナ51及び送信アンテナ52を貫通孔30b,5cから同一方向へ向けて配置してもよい。
【0214】
また、送信機40の外気温センサー41で外気温を測温したが、これに限定せず、ボンベ容器2の内部温度またはボンベ容器2の表面温度を測温する温度センサーであってもよい。
また、バッテリー44が内蔵された送信機40としたが、これに限定せず、バッテリーが別体で構成された送信機としてもよい。
また、バルブ装置3,7,8,9は、上述した構成に限定せず、例えば容器バルブ10や圧力センサー20を一体的に覆うカバーを備えたバルブ装置であってもよい。
【0215】
また、受信部42aの動作を制御する受信制御部42bと、送信部43aの動作を制御する送信制御部43bとを有する送信機40としたが、これに限定せず、受信部及び送信部の動作を制御する1つの受送信制御部を有する送信機としてもよい。
【0216】
また、実施例1、実施例3及び実施例4において、容器バルブ10のバルブ本体11に送信機40を直接的に装着固定した構成としたが、これに限定せず、ブラケットなどの部材を介してバルブ本体11に送信機を間接的に装着固定する構成としてもよい。
もしくは、保護キャップ4によって保護される保護範囲Sにおいて、送信機40が保護キャップ4の内面に固定された構成、あるいは送信機40が螺合部31の上面に固定された構成などであってもよい。
【0217】
また、ボンベ容器2の状態を検出する検出手段として、圧力センサー20、外気温センサー41、または開閉検知機構部14を用いて説明したが、これに限定せず、管体6の接続を検知するリミットスイッチやボンベ容器2に貯留された流体の残量や流量を検出するセンサーなどを検出手段としてもよい。
【0218】
また、送信モジュール43のオン状態、及びオフ状態を切換える切換え手段を、実施例1では送信制御部43bとし、実施例3では開閉検知機構部14のリミットスイッチ144としたが、これに限定せず、これらを適宜に組み合わせた切換え手段を備えたバルブ装置としてもよい。
【0219】
また、ボンベ容器2の状態を検出する検出手段(圧力センサー20、外気温センサー41、開閉検知機構部14)を備えていないバルブ装置であってよい。この場合、送信機40の送信制御部43bが行う処理動作において、上述した図4のステップS201、ステップS204からステップS206を行い、24時間以上の時間間隔を隔てて、送信機40が現在地を示す信号を繰返し送信することが望ましい。
【0220】
また、受信モジュール42が受信したGPS信号に基づいて、現在地を示す信号を送信する送信機40としたが、これに限定せず、現在地を示す信号の送信を要求する要求信号を受信する受信モジュールと、要求信号を受信した場合に現在地を示す信号を無線で送信する送信モジュールとで構成された送信機としてもよい。
【0221】
この場合、容器位置通知システム100を、図13に示すように、上述した送信機を有するバルブ装置106、複数の中継装置107、サーバー108、及び利用者端末109で構成する。
【0222】
そして、現在地を示す信号の送信を要求する要求信号をサーバー108が送信し、要求信号を受信したバルブ装置106が、現在地を示す信号をサーバー108に送信することで、容器位置通知システム100は、利用者端末109でバルブ装置106の位置情報を取得できる。このため、容器位置通知装置X及び容器位置通知システム100は、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0223】
また、送信制御部43bの処理動作における図4のステップS202において、検知圧力が0MPaの場合、現在地を示す信号の送信を休止したが、これに限定せず、検知圧力が0MPaの場合も、現在地を示す信号を送信してもよい。この場合、ボンベ1の回収優先順位が低いことを示す属性情報を関連付けた位置情報を、現在地を示す信号として送信する。
【0224】
また、送信制御部43bの処理動作における図4のステップS206において、経過時間の判定基準を24時間以上としたが、これに限定せず、例えば12時間以上などの適宜の時間長さとしてもよい。この際、投棄されたボンベ1が、ほとんど移動しないことを加味して、比較的長い時間間隔にすることが望ましい。
あるいは、経過時間の判定基準を、バッテリー44の容量に応じて、バッテリー44の電力が早期に尽きない適宜の時間長さ、例えば数十分以上、数時間以上、あるいは数十時間以上としてもよい。
【0225】
また、24時間以上の時間間隔を隔てて現在地を示す信号を送信したが、これに限定せず、ボンベ容器2の内圧が下がり易い夜間などの特定の時刻、ボンベ容器2の内圧変動が少ない特定の時刻に、現在地を示す信号を送信してもよい。
【0226】
また、送信制御部43bの処理動作において、上述した実施形態の処理内容に加えて、圧力センサー20が検知したボンベ容器2の内圧に基づいて、流体の再充填が必要か否かを判定し、再充填が必要な内圧の場合、識別コードを関連付けた位置情報を、現在地を示す信号として送信してもよい。
【0227】
また、送信制御部43bの処理動作において、圧力センサー20及び外気温センサー41が検出したボンベ容器2の状態に基づいて、現在地を示す信号を送信したが、これに限定しない。
例えば圧力センサー20が検出したボンベ容器2の検知圧力を示す情報または/および外気温センサー41が検出した外気温を示す情報を、ボンベ容器2の状態を示す情報とし、送信機40が、現在地を示す信号にボンベ容器2の状態を示す情報を関連付けて、送信アンテナ52を介して送信する構成としてもよい。
【0228】
この際、ボンベ容器2の状態を示す情報及び現在地を示す信号を送信するトリガーは、圧力センサー20が検知した検知圧力、外気温センサー41が検出した外気温、あるいは所定の時間間隔など適宜のトリガーとする。
【0229】
これによれば、現在地を示す信号に加えて、ボンベ容器2の状態を示す情報を送信するため、例えば現在地を示す信号を受信可能な利用者端末105を用いてボンベ1を捜索する回収業者に、容器バルブ10の現在地とボンベ容器2の状態とを知らせることができる。
これにより、容器位置通知装置X,X2及びバルブ装置3,7,8,9は、例えば爆発等が懸念される危険なボンベ容器2の発見及び回収をより容易にすることができる。
【0230】
さらにまた、例えば受信モジュール42を備えていない送信機40において、圧力センサー20が検出したボンベ容器2の検知圧力を示す情報または/および外気温センサー41が検出した外気温を示す情報を、ボンベ容器2の状態を示す情報とし、送信機40が、送信機40を識別する固有の識別コード43cを関連付けたボンベ容器2の状態を示す情報を、保護キャップ4の外面または保護キャップ4に隣接する部位に設けた送信アンテナ52を介して送信する構成としてもよい。
【0231】
この際、例えばサーバー104には、送信機40を備えたボンベ1の所定の使用場所を示す情報と、識別コード43cとが関連付けて予め登録されているものとする。
なお、ボンベ容器2の状態を示す情報及び識別コード43cを送信するトリガーは、圧力センサー20が検知した検知圧力、外気温センサー41が検出した外気温、あるいは所定の時間間隔など適宜のトリガーとする。
【0232】
この構成によれば、保護キャップ4の外面または保護キャップ4に隣接する部位に固定された送信アンテナ52を介して、ボンベ容器2の状態を示す情報及び識別コード43cを送信できるため、送信機40は、ボンベ容器2の状態を示す情報及び識別コード43cを保護キャップ4に阻害されることなく送信することができる。
【0233】
さらに、送信機40から送信された識別コード43cに基づいて、ボンベ1の所定の使用場所を特定できるため、例えば所定の使用場所で使用されているボンベ1の交換タイミング、あるいは流体の再充填のタイミングを、回収業者や遠隔地のオペレータに知らせることができる。
【0234】
この際、例えば識別コード43cに対応する情報を印字したシールを予めボンベ容器2に貼付しておくことで、所定の使用場所に複数のボンベ1が設置されている場合であっても、送信された識別コード43cに基づいてボンベ1を容易に識別することができる。
加えて、受信モジュール42及び受信アンテナ51を不要にできるため、部品点数の低減、送信機40の小型化、及び消費電力の低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0235】
2…ボンベ容器
3,7,8,9…バルブ装置
4…保護キャップ
10…容器バルブ
11…バルブ本体
14…開閉検知機構部
20…圧力センサー
30…アダプター
30b,5c…貫通孔
31,5a…螺合部
32,5b…アンテナ固定部
40…送信機
41…外気温センサー
42…受信モジュール
43…送信モジュール
43b…送信制御部
44…バッテリー
50…アンテナ
51…受信アンテナ
52…送信アンテナ
60,80…接続電線
70…アンテナ内蔵送信機
144…リミットスイッチ
S…保護範囲
X,X2…容器位置通知装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
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図12
図13