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  • 特開-照明システム、および照明制御装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039914
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】照明システム、および照明制御装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/17 20200101AFI20240315BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20240315BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20240315BHJP
【FI】
H05B47/17
H05B47/105
H05B47/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144649
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉田 真一
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA05
3K273QA29
3K273QA31
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA40
3K273TA52
3K273TA62
3K273UA13
3K273UA18
(57)【要約】
【課題】所望される調光を実現する照明システム、および照明制御装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る照明システムは、照明装置と、照明制御装置とを具備する。照明装置は、複数の動作モードを有する。照明制御装置は、照明装置を制御する。照明制御装置は、照明装置の調光を制御する調光信号と、動作モードに関するモード信号とを合わせて照明装置に送信する。照明装置は、モード信号に応じた動作モード、および、調光信号に応じて調光を行う。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の動作モードを有する照明装置と;
前記照明装置を制御する照明制御装置と;
を具備する照明システムであって、
前記照明制御装置は、前記照明装置の調光を制御する調光信号と、前記動作モードに関するモード信号とを合わせて前記照明装置に送信し、
前記照明装置は、前記モード信号に応じた動作モード、および、前記調光信号に応じて調光を行う、照明システム。
【請求項2】
前記モード信号は、所定のチャンネルの信号として前記照明装置に受信される、請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記モード信号は、先頭のチャンネルに割り当てられる、請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記照明制御装置は、複数設けられ、
複数の前記照明制御装置は、前記調光信号と前記モード信号とを合わせて前記照明装置にそれぞれ送信可能である、請求項1に記載の照明システム。
【請求項5】
複数の動作モードを有する照明装置を制御する照明制御装置であって、
前記照明装置の調光を制御する調光信号と、前記動作モードに関するモード信号とを合わせて前記照明装置に送信する送信部;
を具備する、照明制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明システム、および照明制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スタジオ及び舞台等では、複数の照明装置により照明演出がなされている。そして、照明制御装置によって設定されるモードに基づいて照明装置を制御する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-142494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、たとえば、設定されている第1モードとは異なる第2モードに対応する調光信号が、オペレータの操作に基づいて照明装置に送信された場合、照明装置は、設定されているモードが第1モードであるため、第1モードに基づいて出力する。すなわち、照明装置は、オペレータが所望する第2モードによる調光ではなく、第1モードによる調光を行う。そのため、照明装置は、オペレータが所望する調光を実現できないおそれがある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、所望される調光を実現する照明システム、および照明制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る照明システムは、照明装置と、照明制御装置とを具備する。照明装置は、複数の動作モードを有する。照明制御装置は、照明装置を制御する。照明制御装置は、照明装置の調光を制御する調光信号と、動作モードに関するモード信号とを合わせて照明装置に送信する。照明装置は、モード信号に応じた動作モード、および、調光信号に応じて調光を行う。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所望される調光を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、照明システムの構成例を示す図である。
図2図2は、動作モードの一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る調光操作卓の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係るシーン再生装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、DMXのチャンネルと、モード信号、および、調光信号との割り当てを示す図である。
図6図6は、実施形態に係る調光処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施形態に係る照明システム1は、照明装置Lと、照明制御装置10、20とを具備する。照明装置Lは、複数の動作モードを有する。照明制御装置10、20は、照明装置Lを制御する。照明制御装置10、20は、照明装置Lの調光を制御する調光信号と、動作モードに関するモード信号とを合わせて照明装置Lに送信する。照明装置Lは、モード信号に応じた動作モード、および、調光信号に応じて調光を行う。
【0010】
また、以下に説明する実施形態に係るモード信号は、所定のチャンネルの信号として照明装置Lに受信される。
【0011】
また、以下に説明する実施形態に係るモード信号は、先頭のチャンネルに割り当てられる。
【0012】
また、以下に説明する実施形態に係る照明制御装置10、20は、複数設けられる。複数の照明制御装置10、20は、調光信号とモード信号とを合わせて照明装置Lにそれぞれ送信可能である。
【0013】
また、以下に説明する実施形態に係る照明制御装置10、20は、複数の動作モードを有する照明装置Lを制御する。照明制御装置10、20は、送信部17、25を具備する。送信部17、25は、照明装置Lの調光を制御する調光信号と、動作モードに関するモード信号とを合わせて照明装置Lに送信する。
【0014】
以下、図面を参照して、実施形態に係る照明システム、および、制御装置を説明する。実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0015】
まず、図1を用いて、実施形態に係る照明システム1の概要について説明する。図1は、照明システム1の構成例を示す図である。実施形態に係る照明システム1は、スタジオや舞台などの照明空間で照明演出を行う照明システムである。
【0016】
図1に示すように、照明システム1は、調光操作卓10と、シーン再生装置20と、複数のバトン30-1、30-2・・・30-n(nは任意の自然数)とを有し、調光操作卓10と、シーン再生装置20と、複数のバトン30-1、30-2・・・30-n(以下、単にバトン30とも記載)とはハブHを介して接続される。
【0017】
ハブHは、イーサネット(登録商標)の通信規格に準拠した信号を中継する中継器としての機能を担う。そのため、照明システム1において、調光操作卓10と、シーン再生装置20と、バトン30との通信は、イーサネットを介して行われる。
【0018】
バトン30は、それぞれノード40と、複数の照明装置Lとを有する。
【0019】
ノード40は、たとえば、DMX512(以下、「DMX」と称する。)ノードやRDM(Remote Device Management)ノードと称され、調光操作卓10、および、シーン再生装置20と、照明装置Lとの間の通信を中継する装置である。すなわち、ノード40は、所定の通信プロトコル、たとえば、DMX規格に従った通信プロトコルや、DMXを拡張したRDM規格に沿った通信方式により、照明装置Lと双方向通信が可能である。
【0020】
ノード40は、バトン30に備えられたポートを介して照明装置Lと接続される。ノード40は、調光操作卓10、および、シーン再生装置20から制御信号を受信すると、受信した制御信号を、たとえば、DMX規格に沿った制御信号に変換し、照明装置Lに出力する。
【0021】
照明装置Lは、たとえば、DMX規格に沿った制御信号によって制御される。照明装置Lは、スポットライト、フラッドライト、ボーダーライトなどである。照明装置Lでは、ノード40を介して受信した調光操作卓10、または、シーン再生装置20からの制御信号に基づき、光源の出力が制御される。
【0022】
制御信号は、調光信号、および、モード信号を含む。調光信号は、照明装置Lの調光を制御する信号である。モード信号は、照明装置Lの動作モードに関する信号である。
【0023】
照明装置Lは、複数の動作モードを有する。照明装置Lは、動作モードと、調光信号とに基づいて光源の出力を制御し、調光を行う。動作モードは、照明装置Lにおける照明態様である。動作モードが異なる場合、照明装置Lにおける照明態様が異なる。
【0024】
たとえば、照明装置Lは、図2に示すように、複数の動作モードを有する。図2は、動作モードの一例を示す図である。照明装置Lは、動作モードとして、「MODE1」~「MODE14」を有する。各動作モードは、「パーソナリティ」、「使用チャンネル数」、および、「チャンネル詳細」といった項目を含む。
【0025】
「パーソナリティ」は動作モードを識別する情報である。「使用チャンネル数」は、動作モードごとの使用可能なチャンネルの数である。「詳細」は、動作モードごとの使用可能なチャンネルの一覧である。
【0026】
「詳細」における各設定値について説明する。まず、「I」は明度(Intensity)を意味する。「R」、「G」、「B」は、それぞれ赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)を意味する。「C」はシアン(Cyan)を意味する。「W」はホワイト(White)を意味する。「A」はアンバー(Amber)を意味する。「CF」はCut/Fadeの切り替えを意味する。「Strobe」はストロボを意味する。「H」は色相(Hue)を意味する。「S」は彩度(Saturation)を意味する。「Dime to Warm」は調色調光を意味する。「CCT」は色温度を意味する。「±Green」は白色色合い調整を意味する。また、「filter Color Preset」、および、「User Color Preset」は、あらかじめ用意された設定値のプリセットである。
【0027】
たとえば、「MODE2」の「詳細」である「I/R/G/B/W」は、照明装置Lが「I」、「R」、「G」、「B」、および、「W」の設定値を基に調光を行うことを意味する。
【0028】
照明装置Lにおける動作モードは、調光操作卓10から送信される設定信号に基づいて設定される。また、照明装置Lは、調光操作卓10、および、シーン再生装置20から送信される制御信号に含まれるモード信号の動作モードに応じた調光を行う。
【0029】
たとえば、調光操作卓10から送信された設定信号が、「MODE3」である場合、照明装置Lにおける動作モードは、「MODE3」に設定される。設定された動作モードが「MODE3」であり、かつ、シーン再生装置20から送信される制御信号に含まれるモード信号が「MODE2」である場合、照明装置Lは、設定された動作モードを「MODE3」に保持しつつ、「MODE2」に基づいた調光を行う。
【0030】
なお、照明装置Lは、モード信号に基づいて、照明装置Lにおける動作モードを設定してもよい。上記一例において、シーン再生装置20から送信される制御信号に含まれるモード信号が「MODE2」である場合、照明装置Lは、動作モードを「MODE2」に設定してもよい。
【0031】
次に、図3を用いて、実施形態に係る調光操作卓10の機能構成の一例を説明する。図3は、実施形態に係る調光操作卓10の機能構成の一例を示すブロック図である。調光操作卓10は、照明装置Lの調光を制御する照明制御装置である。調光操作卓10は、表示部11と、入力部12と、通信部13と、記憶部14と、制御部15とを備える。
【0032】
表示部11は、任意の情報を表示可能な表示装置であり、たとえば、液晶モニタ及びタッチパネル等により実現される。
【0033】
入力部12は、オペレータからの操作を受け付ける入力装置である。たとえば、入力部12は、フェーダ、ボタン、マウス、または、キーボードである。
【0034】
なお、たとえば、表示部11がオペレータからの操作を受け付けることができるタッチパネルにより実現される場合は、表示部11と入力部12とは、一体の装置として実現されていてもよい。このような場合、入力部12は、画面上に表示される仮想的な入力装置により実現されうる。
【0035】
通信部13は、たとえば、所定の通信回路等によって実現される。たとえば、通信部13は、イーサネットを介して、ノード40との間の通信を中継する。
【0036】
記憶部14は、制御部15による制御を実現するためのプログラム等を記憶する。記憶部14は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部14は、UID、制御アドレス、メーカ名、および、型番などの照明装置Lの情報を対応付けて記憶する。
【0037】
UIDは、RDM規格で用いられる照明装置Lごとの固有番号であり、各照明装置Lにそれぞれ付与される。制御アドレスは、DMXのデータリンク上におけるアドレス、すなわち、調光操作卓10が照明装置Lを制御する際に用いる制御アドレスである。
【0038】
制御部15は、各種の情報処理を実行する演算装置であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を採用できる。制御部15は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部15は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0039】
制御部15は、動作モード設定部16と、生成部17とを備える。
【0040】
動作モード設定部16は、照明装置Lの動作モードを設定する設定信号を生成する。動作モード設定部16は、たとえば、オペレータによる入力部12の操作に応じて、動作モードを設定する照明装置Lの設定信号を生成する。動作モード設定部16は、設定信号を照明装置Lに送信する。生成された設定信号は、動作モードを設定する照明装置Lの制御アドレスに紐付けて、通信部13を介して送信される。
【0041】
生成部17は、照明装置Lの調光を制御する制御信号を生成する。生成部17は、たとえば、オペレータによる入力部12の操作に応じて、照明装置Lの制御信号を生成する。生成部17は、モード信号、および、調光信号を含む制御信号を生成する。生成部17は、制御信号を照明装置Lに送信する。生成部17は、調光信号とモード信号とを合わせて照明装置Lに送信する送信部である。生成された制御信号は、調光を実行する照明装置Lの制御アドレスに紐付けて、通信部13を介して送信される。
【0042】
次に、図4を用いて、実施形態に係るシーン再生装置20の機能構成の一例を説明する。図4は、実施形態に係るシーン再生装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。シーン再生装置20は、照明装置Lの調光を制御する照明制御装置である。シーン再生装置20は、複数設けられてもよい。シーン再生装置20は、入力部21と、通信部22と、記憶部23と、制御部24とを備える。
【0043】
なお、シーン再生装置20は、調光操作卓10とは異なり、照明装置Lの動作モードを設定する設定信号を生成しない。シーン再生装置20は、たとえば、持ち運びが可能な操作装置である。シーン再生装置20は、たとえば、舞台袖に設けられる操作パネルであってもよい。
【0044】
入力部21は、オペレータからの操作を受け付ける入力装置である。たとえば、入力部21は、フェーダ、ボタン、マウス、または、キーボードである。
【0045】
通信部22は、たとえば、所定の通信回路等によって実現される。たとえば、通信部22は、イーサネットを介して、ノード40との間の通信を中継する。
【0046】
記憶部23は、制御部24による制御を実現するためのプログラム等を記憶する。記憶部23は、たとえば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部23は、UID、制御アドレス、メーカ名、および、型番などの照明装置Lの情報を対応付けて記憶する。
【0047】
記憶部23は、照明装置Lの調光を制御する制御信号を記憶する。記憶部23に記憶される制御信号は、モード信号、および、調光信号を含む制御信号である。記憶部23に記憶される制御信号は、予め設定された照明装置Lの調光を実現する制御信号である。記憶部23に記憶される制御信号は、通信部22を介して記憶されてもよく、他の記憶媒体から記憶されてもよい。
【0048】
制御部24は、各種の情報処理を実行する演算装置であり、たとえば、CPU、MPU等の電子回路や、ASIC、FPGA等の集積回路を採用できる。制御部24は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部24は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0049】
制御部24は、生成部25を備える。生成部25は、照明装置Lの調光を制御する制御信号を生成する。具体的には、生成部25は、たとえば、オペレータによる入力部21の操作に応じて、記憶部23に記憶された制御信号を読み出す。生成部25は、制御信号を照明装置Lに送信する。生成部25は、調光信号とモード信号とを合わせて照明装置Lに送信する送信部である。読み出された制御信号は、調光を実行する照明装置Lの制御アドレスに紐付けて、通信部22を介して送信される。
【0050】
シーン再生装置20は、記憶部23に記憶された制御信号を照明装置Lに送信することで、制御信号に応じた調光を照明装置Lに行わせる。すなわち、シーン再生装置20は、記憶部23に記憶される制御信号を、照明装置Lに送信することで、照明装置Lにおいて同じ調光を繰り返し実現させることができる。
【0051】
なお、同様の調光は、調光操作卓10によって、実行されてもよい。すなわち、調光操作卓10は、制御信号を記憶部14に記憶し、記憶した制御信号を照明装置Lに送信可能であってもよい。
【0052】
実施形態に係る照明システム1では、調光操作卓10、および、シーン再生装置20から、モード信号と調光信号とを合わせた制御信号が照明装置Lに送信される。具体的には、調光操作卓10、および、シーン再生装置20から、ノード40を介して照明装置Lに送信される。制御信号は、ノード40において、たとえば、DMX規格に沿った制御信号に変換されて、照明装置Lに送信される。
【0053】
たとえば、ノード40から出力されるDMX規格に沿った制御信号は、図5に示すように、DMXのチャンネルにモード信号、および、調光信号が割り当てられた制御信号となる。図5は、DMXのチャンネルと、モード信号、および、調光信号との割り当てを示す図である。図5では、図2に示す照明装置Lの動作モードに対応する制御信号を一覧として示す。
【0054】
モード信号は、DMXの所定のチャンネル、たとえば、先頭のチャンネルである「CH1」に割り当てられる。たとえば、制御信号が、照明装置Lを「MODE1」で動作させる場合、「MODE1」に関する情報が「CH1」に割り当てられる。また、「IR」の設定値に関する情報が「CH2」に割り当てられる。「IG」の設定値に関する情報が「CH3」に割り当てられる。「IB」の設定値に関する情報が「CH4」に割り当てられる。「IW」の設定値に関する情報が、「CH5」に割り当てられる。
【0055】
照明装置Lは、ノード40から送信されるDMX規格に沿った制御信号に基づいて調光を行う。たとえば、シーン再生装置20から、モード信号が「MODE2」である制御信号が送信された場合、照明装置Lは、ノード40から受信する制御信号を、チャンネルの先頭から検出し、「CH1」に割り当てられたモード信号「MODE2」を検出する。そして、照明装置Lは、「MODE2」に応じた調光を行う。照明装置Lは、「CH2」~「CH6」に割り当てられた調光信号に対応する「I」、「R」、「G」、「B」、および、「W」の各設定値を制御し、調光を行う。なお、調光操作卓10から制御信号が出力された場合も、同様である。
【0056】
照明装置Lは、シーン再生装置20、および、調光操作卓10から出力される制御信号のうち、最新の制御信号に基づいて、調光を行う。シーン再生装置20、および、調光操作卓10から出力される制御信号は、優先度が付与されてもよい。たとえば、シーン再生装置20の優先度が、調光操作卓10の優先度よりも高い場合、照明装置Lは、シーン再生装置20から出力される制御信号を優先して、シーン再生装置20から出力される制御信号に基づいて、調光を行う。
【0057】
次に、実施形態に係る調光処理について図6を参照し説明する。図6は、実施形態に係る調光処理を説明するフローチャートである。ここでは、シーン再生装置20から制御信号が出力される一例を示す。調光操作卓10から制御信号が出力される場合には、調光操作卓10の制御部15によって同様の処理が行われる。
【0058】
シーン再生装置20の制御部24は、たとえば、オペレータの操作に応じて制御信号を生成する(S100)。制御部24は、記憶部23に記憶された制御信号を読み出し、照明装置Lに送信する制御信号を生成する。制御部24は、生成した制御信号をノード40に送信する(S101)。
【0059】
ノード40は、受信した制御信号を、DMX規格に沿った制御信号に変換する(S102)。ノード40は、DMX規格に沿った制御信号を照明装置Lに送信する(S103)。
【0060】
照明装置Lは、受信した制御信号に基づいて調光を行う(S104)。照明装置Lは、制御信号に含まれるモード信号の動作モード、および、制御信号に含まれる調光信号に応じて調光を行う。
【0061】
実施形態に係る調光処理を行わない比較例に係る照明システムでは、制御信号にモード信号が含まれない。そのため、比較例に係る照明システムでは、たとえば、シーン再生装置から出力される制御信号には調光信号のみが含まれる。
【0062】
比較例に係る照明システムにおいて、照明装置の動作モードが、たとえば、「MODE1」であり、シーン再生装置から「MODE5」に対応する調光信号が送信された場合、照明装置は、シーン再生装置から送信される調光信号を、「MODE1」における設定値として、調光を行う。そのため、オペレータが所望する「MODE5」による調光が行われない。
【0063】
実施形態に係る照明システム1は、照明装置Lと、シーン再生装置20とを具備する。照明装置Lは、複数の動作モードを有する。シーン再生装置20は、照明装置Lの調光を制御する調光信号と、動作モードに関するモード信号とを合わせて照明装置Lに送信する。照明装置Lは、モード信号に応じた動作モード、および、調光信号に応じて調光を行う。
【0064】
これにより、照明システム1は、照明装置Lで設定された動作モードが、シーン再生装置20のモード信号に応じた動作モードとは異なる場合であっても、シーン再生装置20のモード信号に応じた動作モードによって照明装置Lを調光させることができる。そのため、照明システム1は、設定された照明装置Lの動作モードにかかわらず、たとえば、オペレータによるシーン再生装置20の操作に応じて、オペレータが所望する調光を実現することができる。
【0065】
モード信号は、所定のチャンネルの信号として照明装置Lに受信される。たとえば、モード信号は、ノード40によってDMXを用いたチャンネルの信号として変換されて照明装置Lに受信される。
【0066】
これにより、照明システム1は、DMXのチャンネルを利用し、システムを複雑化、および、大型化することなく、オペレータが所望する調光を実現できる。
【0067】
モード信号は、先頭のチャンネルに割り当てられる。
【0068】
これにより、照明装置Lが制御信号を受信し、制御信号を検出する場合、照明装置Lは、モード信号を早期に検出することができる。また、モード信号が検出された後に、調光信号が検出されるため、調光信号の意味付けが容易となる。
【0069】
照明システム1は、調光操作卓10を具備する。調光操作卓10、および、シーン再生装置20は、調光信号とモード信号とを合わせて照明装置Lにそれぞれ送信可能である。
【0070】
これにより、照明システム1は、調光操作卓10、および、シーン再生装置20から送信される制御信号に含まれるモード信号、および、調光信号に応じて照明装置Lを調光させることができる。そのため、照明システム1は、設定された照明装置Lの動作モードにかかわらず、たとえば、オペレータが所望する調光を、調光操作卓10、および、シーン再生装置20から送信される制御信号に基づいて実現することができる。
【0071】
変形例に係る照明システム1は、調光操作卓10、および、シーン再生装置20の制御信号のモード信号を「MODE0」に対応する信号として、送信可能であってもよい。モード信号が「MODE0」に対応する信号である場合、照明装置Lは、設定されている動作モードに応じて調光を行う。たとえば、照明装置Lに設定されている動作モードが「MODE3」であり、モード信号が「MODE0」である制御信号が照明装置Lに受信された場合、照明装置Lは、受信した制御信号に含まれる調光信号を「MODE3」に対応する調光信号として調光を行う。
【0072】
変形例に係る照明システム1において、照明装置Lは、照明装置Lが有する動作モード以外の動作モードをモード信号とする制御信号を受信した場合、受信した制御信号を無視する。すなわち、照明装置Lは、受信した制御信号に応じた調光を行わない。
【0073】
変形例に係る照明システム1は、モード信号を、先頭のチャンネルに割り当てなくてもよい。モード信号は、DMXのチャンネルのいずれかのチャンネルに割り当てられればよい。
【0074】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0075】
1 照明システム
10 調光操作卓(照明制御装置)
14、23 記憶部
15、24 制御部
16 動作モード設定部
17、25 生成部(送信部)
20 シーン再生装置(照明制御装置)
30 バトン
40 ノード
L 照明装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6