(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039955
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】通信システム及び通信方法
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20240315BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144726
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金児 裕美
(72)【発明者】
【氏名】小島 圭子
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 基樹
(72)【発明者】
【氏名】木山 順弘
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】睡眠の品質を保持可能である行動変容をユーザにレコメンドする。
【解決手段】通信システム1では、サーバ装置10は、ユーザの睡眠品質のスコアが目標値未満となるユーザの第1の姿勢に対応する第1の圧力分布に基づく値に、第1の姿勢が許容される第1の許容時間が対応付けられた許容条件を記憶する。圧力センサ付きクッション40は、圧力検知センサを用いて、ユーザの着座時に圧力センサ付きクッション40の座面にかかる圧力分布を検知し、端末20は、圧力検知センサが検知した圧力分布を収集し、サーバ装置10が、ユーザが現に着座している圧力センサ付きクッション40の圧力検知センサが検知した第2の圧力分布に基づく値と、第1の圧力分布に基づく値との類似度が所定範囲内であって、第2の圧力分布に基づく値を示す合計時間が、第1の許容時間を超えた場合、端末20に、姿勢を正すことをレコメンドさせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが着座する圧力センサ付きクッションと、前記圧力センサ付きクッションとの間で通信を行う端末と、前記端末との間で通信を行うサーバ装置とを有する通信システムであって、
前記圧力センサ付きクッションは、
前記ユーザの着座時に前記圧力センサ付きクッションの座面にかかる圧力分布を検知する圧力検知センサ
を有し、
前記端末は、
前記圧力検知センサが検知した圧力分布を収集する第1の収集部と、
前記サーバ装置から送信された情報を出力する出力部と、
を有し、
前記サーバ装置は、
前記ユーザの睡眠品質のスコアが目標値未満となる前記ユーザの第1の姿勢に対応する第1の前記圧力分布に基づく値に、前記第1の姿勢が許容される第1の許容時間が対応付けられた許容条件を記憶する記憶部と、
前記ユーザが現に着座している前記圧力センサ付きクッションの圧力検知センサが検知した第2の前記圧力分布に基づく値と、前記第1の圧力分布に基づく値との類似度が所定範囲内であって、第2の前記圧力分布に基づく値を示す合計時間が、前記第1の許容時間を超えた場合には、前記端末に、姿勢を正すことをレコメンドするレコメンド情報を出力させるレコメンド部と、
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記ユーザの第1の姿勢は、前記ユーザの着座時の画像を基に推定された前記ユーザの着座時の姿勢と、前記ユーザのバイタル情報を基に計測された前記ユーザの睡眠品質との関係に基づいて求められた、前記ユーザの睡眠品質のスコアが目標値未満となる姿勢であって、
前記第1の許容時間は、前記第1の姿勢の合計時間が、前記ユーザの着座時間全体に占める割合を基に設定され、
前記ユーザの着座時の姿勢と、該姿勢を取ったときの前記ユーザの着座時の前記圧力センサ付きクッションの座面にかかる圧力分布とが予め紐づけられていることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記圧力分布に基づく値は、重心であることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
当該通信システムは、
前記ユーザの着座時の画像を撮像する撮像装置と、
前記ユーザによって装着され、前記ユーザのバイタル情報を計測するセンサを有するウェアラブルデバイスと、
をさらに有し、
前記端末は、
前記ウェアラブルデバイスとの間で通信を行い、前記ユーザのバイタル情報とを収集する第2の収集部、
をさらに有し、
前記サーバ装置は、
前記ユーザの着座時の画像を基に、前記ユーザの着座時の姿勢を推定する推定部と、
前記バイタル情報を基に、前記ユーザの睡眠品質を計測する計測部と、
前記ユーザの着座時の姿勢と前記ユーザの睡眠品質との関係を基に、前記許容条件を設定する設定部と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記サーバ装置は、
前記ユーザの着座時の姿勢と前記ユーザの睡眠品質との関係をモデルに学習させる学習部
をさらに有し、
前記設定部は、前記モデルを用いて前記許容条件を設定することを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
ユーザが着座する圧力センサ付きクッションと、前記圧力センサ付きクッションとの間で通信を行う端末と、前記端末との間で通信を行うサーバ装置とを有する通信システムが実行する通信方法であって、
前記サーバ装置は、前記ユーザの睡眠品質のスコアが目標値未満となる前記ユーザの第1の姿勢に対応する前記圧力センサ付きクッションの座面にかかる第1の圧力分布に基づく値に、前記第1の姿勢が許容される第1の許容時間が対応付けられた許容条件を記憶する記憶部を有し、
前記圧力センサ付きクッションが、圧力検知センサを用いて、前記ユーザの着座時に前記圧力センサ付きクッションの座面にかかる圧力分布を検知する工程と、
前記端末が、前記圧力検知センサが検知した圧力分布を収集する工程と、
前記サーバ装置が、前記ユーザが現に着座している前記圧力センサ付きクッションの前記圧力検知センサが検知した第2の前記圧力分布に基づく値と、前記第1の圧力分布に基づく値との類似度が所定範囲内であって、第2の前記圧力分布に基づく値を示す合計時間が、前記第1の許容時間を超えた場合には、前記端末に、姿勢を正すことをレコメンドするレコメンド情報を出力させる工程と、
前記端末が、前記サーバ装置から送信されたレコメンド情報を出力する工程と、
を含んだことを特徴とする通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リモートワークにより自宅で仕事をする機会が増えている。また、学生も、オンライン授業により、自宅で授業を受ける機会が増えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、リモートワークまたはオンライン授業が長期化することで、ユーザは、運動不足や、それに伴い睡眠の品質が悪くなるといった体調不良が生じるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、睡眠の品質を保持可能である行動変容をユーザにレコメンドすることができる通信システム及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の通信システムは、ユーザが着座する圧力センサ付きクッションと、前記圧力センサ付きクッションとの間で通信を行う端末と、前記端末との間で通信を行うサーバ装置とを有する通信システムであって、前記圧力センサ付きクッションは、前記ユーザの着座時に前記圧力センサ付きクッションの座面にかかる圧力分布を検知する圧力検知センサを有し、前記端末は、前記圧力検知センサが検知した圧力分布を収集する第1の収集部と、前記サーバ装置から送信された情報を出力する出力部と、を有し、前記サーバ装置は、前記ユーザの睡眠品質のスコアが目標値未満となる前記ユーザの第1の姿勢に対応する第1の前記圧力分布に基づく値に、前記第1の姿勢が許容される第1の許容時間が対応付けられた許容条件を記憶する記憶部と、前記ユーザが現に着座している前記圧力センサ付きクッションの圧力検知センサが検知した第2の前記圧力分布に基づく値と、前記第1の圧力分布に基づく値との類似度が所定範囲内であって、第2の前記圧力分布に基づく値を示す合計時間が、前記第1の許容時間を超えた場合には、前記端末に、姿勢を正すことをレコメンドするレコメンド情報を出力させるレコメンド部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、睡眠の品質を保持可能である行動変容をユーザにレコメンドすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す端末の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図3に示す学習部と許容条件設定部との処理を説明する図である。
【
図5】
図5は、許容条件のデータ構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る通信処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る通信処理の他の処理手順を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、
図3に示す学習部と許容条件設定部との他の処理を説明する図である。
【
図9】
図9は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る通信システム及び通信方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る通信システム及び通信方法が限定されるものではない。
【0010】
[実施の形態]
以下の実施の形態では、実施の形態に係る通信システム及び通信方法の処理の流れを順に説明し、最後に実施の形態による効果を説明する。
【0011】
実施の形態では、姿勢が悪い期間が長時間であると、血流が悪くなり、睡眠の品質が落ちると仮定し、睡眠の品質を保持できるように、姿勢に関する行動変容をユーザにレコメンドする。
【0012】
具体的には、実施の形態に係る通信システムは、ユーザの睡眠品質スコアが目標値を達成するように、ユーザの着座時の姿勢に対しレコメンドを行う。通信システムでは、ユーザが、ユーザの睡眠品質スコアを目標値に保持できない姿勢を許容時間以上取った場合に、正しい姿勢となるようにユーザを誘導することで、ユーザの睡眠品質スコアの目標値の達成を図る。
【0013】
通信システムでは、ユーザの着座時の画像を基に推定されたユーザの姿勢と、該ユーザの睡眠品質との関係を基に、睡眠品質との関係で明らかに有意であるというユーザの着座時の姿勢を求める。
【0014】
そして、通信システムでは、該姿勢に対応する、ユーザが着座する圧力センサ付きクッションの座面にかかる圧力の圧力分布を求め、この圧力分布に関する許容条件を設定する。そして、通信システムでは、圧力センサ付きクッションが検知したユーザの着座時の圧力分布に関する値が、許容条件を超えた場合に、ユーザに、姿勢を正すことをレコメンドすることで、正しい姿勢となるようにユーザを誘導する。
【0015】
なお、実施の形態では、圧力センサ付きクッションの座面にかかる圧力分布を基に、ユーザ着座時の座面の重心を求め、この重心が許容条件を超えた場合に、レコメンドを行う場合を例に説明する。
【0016】
[通信システム]
図1は、実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、通信システム1は、ユーザが使用する端末20と、ユーザが装着するウェアラブルデバイス30-1,30-2と、ユーザが着座する圧力センサ付きクッション40と、姿勢に関する行動変容をユーザにレコメンドするサーバ装置10とを有する。また、
図1に示す構成は一例にすぎず、具体的な構成や各装置の数は特に限定されない。
【0017】
ウェアラブルデバイス30-1,30-2は、各種センサを有し、端末20との間の通信によって、各種センサのセンサ情報を送信する。ウェアラブルデバイス30-1,30-2は、例えば、バイタルセンサ及び加速度センサを有し、ウェアラブルデバイス30-1,30-2を装着したユーザの、心拍数、心拍変動、血圧、心電位、体温、呼吸数等のバイタル情報や、動き、歩数等を計測する。ウェアラブルデバイス30-1,30-2は、検出したバイタル情報及び加速度センサのセンサ情報を、無線通信を用いて、端末20に送信する。例えば、ウェアラブルデバイス30-1は、腕時計型であり、ウェアラブルデバイス30-2は、リング型である。
【0018】
圧力センサ付きクッション40は、圧力センサ付きクッション40の座面にかかる圧力の圧力分布を検知する圧力検知センサを有し、端末20との間の無線通信によって、圧力検知センサが検知した圧力分布を送信する。無線通信を用いて、端末20に送信する。
【0019】
端末20は、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、無線通信網を介して任意のサーバ装置10と通信を行うことができる携帯端末装置である。端末20は、ノートPC等の情報処理装置であってもよい。
【0020】
端末20は、圧力センサ付きクッション40の圧力検知センサが検知した圧力分布を収集し、収集した各圧力分布から、ユーザ着座時の圧力センサ付きクッション40の座面の重心の位置をそれぞれ求める。そして、端末20は、求めた各重心の位置にタイムスタンプ(検知時刻)をそれぞれ付し、重心情報として、サーバ装置10に送信する。なお、端末20は、圧力センサ付きクッション40の圧力検知センサが検知した圧力分布をサーバ装置10に送信してもよい。
【0021】
端末20は、サーバ装置10から送信された、姿勢に関する行動変容をレコメンドするレコメンド情報を、画面上で、及び/または、音声で出力する。端末20は、姿勢を正すことをレコメンドするレコメンド情報を出力する。
【0022】
端末20は、撮像部を有する。端末20は、ユーザの着座時の画像を撮像し、撮像した画像をサーバ装置10に送信する。端末20は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2が検出したユーザのバイタル情報及び加速度センサのセンサ情報を収集し、収集したバイタル情報及び加速度センサのセンサ情報を、サーバ装置10に送信する。
【0023】
サーバ装置10は、ユーザの着座時の画像を基に、ユーザの着座時の姿勢を推定する。そして、サーバ装置10は、ユーザの着座時の各画像のタイムスタンプ(撮像時刻)と、重心情報に付されたタイムスタンプとを照合し、ユーザの着座時の各姿勢に、それぞれ対応する座面の重心の位置を紐づけておく。
【0024】
サーバ装置10は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2が計測したユーザのバイタル情報を基に、ユーザの睡眠品質を計測する。サーバ装置10は、ユーザのバイタル情報とともに、ウェアラブルデバイス30-1,30-2が計測した加速度センサのセンサ情報を用いて、ユーザの睡眠品質を計測してもよい。
【0025】
サーバ装置10は、ユーザの着座時の姿勢と、ユーザの睡眠品質との関係を学習したモデルを用いて、圧力センサ付きクッション40の座面の重心に関する許容条件を設定する。この許容条件は、ユーザの睡眠品質のスコアが目標値未満となるユーザの第1の姿勢に対応する座面の第1の重心の位置に、第1の姿勢が許容される第1の許容時間が対応付けられたものである。
【0026】
そして、サーバ装置10は、圧力センサ付きクッション40の座面の重心が、許容条件の第1の重心の所定範囲内に位置し、第1の許容時間を超えた場合に、端末20に、姿勢を正すことをレコメンドするレコメンド情報を出力させる。ユーザは、このレコメンドに応じて自身の着座時の姿勢を正すことによって、睡眠品質を所定範囲に保持できる姿勢に変えることができる。
【0027】
なお、実施の形態では、端末20がユーザの着座時の画像を撮像する場合を例に説明するが、ユーザを撮像する撮像装置を端末とは別に設けることで、ユーザの着座時の画像を取得してもよい。
【0028】
[端末]
次に、端末20について説明する。
図2は、
図1に示す端末20の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、端末20は、撮像部21、記憶部22、制御部23、通信部24及び入出力部25を有する。
【0029】
撮像部21は、画像を撮像する。撮像部21は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により実現されるカメラ機能やビデオ機能を有し、静止画像や動画像を撮像する。撮像部21は、ユーザの着座時の画像を撮像する。
【0030】
通信部24は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した外部の装置と制御部23との通信を制御する。例えば、通信部24は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2との間で行われる通信、圧力センサ付きクッション40との間で行われる通信、及び、サーバ装置10との間で行われる通信を制御する。
【0031】
通信部24は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2から、加速度センサのセンサ情報及びユーザのバイタル情報を受信する。通信部24は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2の加速度センサのセンサ情報及びユーザのバイタル情報をサーバ装置10に送信する。通信部24は、圧力センサ付きクッション40から、圧力検知センサが検知した圧力分布を受信する。通信部24は、圧力センサ付きクッション40の圧力検知センサが検知した圧力分布から求めた各重心の位置(重心情報)をサーバ装置10に送信する。通信部24は、撮像部21が撮像したユーザの着座時の画像をサーバ装置10に送信する。通信部24は、サーバ装置10から送信された、姿勢を正すことをレコメンドするレコメンド情報を受信する。
【0032】
入出力部25は、各種情報を出力し、ユーザからの入力を受信する。入出力部25は、例えば、液晶画面、タッチパネル、スピーカ、マイクロフォン等を含む。入出力部25は、姿勢を正すことをレコメンドするレコメンド情報を示す画像或いは音声を出力する。
【0033】
記憶部22は、制御部23による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する。例えば、記憶部22は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などである。記憶部22は、撮像部21が撮像したユーザの着座時の画像221、圧力センサ付きクッション40から送信された圧力分布情報222、ウェアラブルデバイス30-1,30-2から送信されたユーザのバイタル情報223及びセンサ情報224を記憶する。
【0034】
制御部23は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。ここで、制御部23は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路である。制御部23は、撮像制御部231、圧力分布収集部232、バイタル情報収集部233、センサ情報収集部234及びレコメンド出力制御部235を有する。
【0035】
撮像制御部231は、撮像部21の撮像処理を制御する。撮像制御部231は、撮像部21が撮像した画像のうち、ユーザの着座時の画像を選別して、記憶部22に格納してもよい。また、撮像制御部231は、撮像部21が、着座時のユーザの画像を撮像できるように、ユーザの撮像操作の補助を行ってもよい。
【0036】
圧力分布収集部232は、圧力センサ付きクッション40の圧力検知センサが検知した、圧力センサ付きクッション40の座面にかかる圧力分布を収集する。圧力分布収集部232は、例えば、定期的に、圧力センサ付きクッション40に送信を要求して、圧力分布を収集する。圧力分布収集部232は、収集した各圧力分布から、ユーザ着座時の圧力センサ付きクッション40の座面の重心の位置をそれぞれ求める。そして、圧力分布収集部232は、求めた各重心の位置にタイムスタンプ(検知時刻)をそれぞれ付した重心情報を、通信部24を介して、サーバ装置10に送信する。
【0037】
バイタル情報収集部233は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2から、ウェアラブルデバイス30-1,30-2が検出したバイタル情報を収集する。バイタル情報収集部233は、例えば、定期的に、ウェアラブルデバイス30-1,30-2に情報送信を要求して、バイタル情報を収集する。
【0038】
センサ情報収集部234は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2から、ウェアラブルデバイス30-1,30-2が検出した加速度センサのセンサ情報を収集する。センサ情報収集部234は、例えば、定期的に、ウェアラブルデバイス30-1,30-2に情報送信を要求して、加速度センサのセンサ情報を収集する。また、センサ情報収集部234は、所定値以上の加速度が検出された場合にウェアラブルデバイス30-1,30-2から送信されたセンサ情報を受信することで、加速度センサの情報を収集してもよい。
【0039】
レコメンド出力制御部235は、サーバ装置10から送信された、姿勢を正すことをレコメンドするレコメンド情報を、入出力部25に出力させる制御を行う。
【0040】
[サーバ装置]
次に、サーバ装置10について説明する。
図3は、
図1に示すサーバ装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、サーバ装置10は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。
【0041】
通信部11は、NIC等で実現され、LANやインターネットなどの電気通信回線を介した外部の装置と制御部13との通信を制御する。例えば、通信部11は、端末20との間で行われる通信を制御する。通信部11は、端末20から、ユーザの着座時の画像、ユーザの着座時の圧力センサ付きクッション40の座面の重心情報、ユーザのバイタル情報、及び、ユーザが装着するウェアラブルデバイス30-1,30-2の加速度センサのセンサ情報を受信する。通信部11は、端末20のユーザにアクティビティをレコメンドするレコメンド情報を端末20に送信する。
【0042】
記憶部12は、制御部13による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する。例えば、記憶部12は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などである。記憶部12は、端末20から送信された画像群121、重心情報群122、姿勢推定モデル123、バイタル情報群124、センサ情報群125、睡眠品質計測モデル126、関係性推定モデル127(モデル)、及び、許容条件128を記憶する。
【0043】
画像群121は、端末20から送信されたユーザの着座時の画像群である。各画像には、ユーザの識別情報と、タイムスタンプとが付与されている。
【0044】
重心情報群122は、端末20から送信された、ユーザが着座する圧力センサ付きクッション40の座面の重心情報群である。各重心情報には、ユーザの識別情報と、タイムスタンプとが付与されている。
【0045】
姿勢推定モデル123は、画像に写る人物の姿勢を推定するモデルである。姿勢推定モデル123は、例えば、画像に写る人物から人間の間接点を学習したものであり、静止画像或いは動画像に写る人物の間接点を結ぶことで、その人物の姿勢を推定する。
【0046】
バイタル情報群124は、端末20から送信されたユーザのバイタル情報群である。各バイタル情報には、ユーザの識別情報と、タイムスタンプとが付与されている。
【0047】
センサ情報群125は、端末20から送信された、ユーザが装着するウェアラブルデバイス30-1,30-2の加速度センサのセンサ情報群である。各センサ情報には、ユーザの識別情報と、タイムスタンプとが付与されている。
【0048】
睡眠品質計測モデル126は、ユーザのバイタル情報を基に、該ユーザの睡眠品質を計測するモデルである。睡眠品質計測モデル126は、計測対象のユーザの所定期間(例えば、2週間)のバイタル情報を学習し、入眠時間、覚醒、レム、浅眠、熟睡の推移を計測し、計測結果を基に睡眠品質スコアを計測する。
【0049】
関係性推定モデル127は、ユーザの着座時の姿勢と、ユーザの睡眠品質との関係を学習したモデルである。ユーザの着座時の姿勢は、姿勢推定部133(後述)によって、ユーザの着座時の画像を基に推定される。ユーザの睡眠品質は、睡眠品質計測部136によって、ユーザのバイタル情報を基に計測される。関係性推定モデル127は、ユーザの着座時の姿勢の時系列変化が入力されると、その日のユーザの睡眠品質を推定する。関係性推定モデル127は、レコメンド対象のユーザごとに設けられ、対応するユーザの着座時の姿勢と、該ユーザの睡眠品質との関係とをそれぞれ学習する。
【0050】
許容条件128は、圧力センサ付きクッション40の座面の重心に関して設定された条件である。許容条件128は、ユーザの睡眠品質のスコアが目標値未満となるユーザの第1の姿勢に対応する座面の第1の重心の位置に、第1の姿勢が許容される第1の許容時間が対応付けられたものである。許容条件128は、レコメンド対象のユーザの着座時の姿勢と該ユーザの睡眠品質との関係を基に、ユーザごとに予め設定される。
【0051】
制御部13は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。ここで、制御部13は、CPUやMPUなどの電子回路やASICやFPGAなどの集積回路である。制御部13は、画像取得部131、重心情報取得部132、姿勢推定部133、バイタル情報取得部134、センサ情報取得部135、睡眠品質計測部136、学習部137、許容条件設定部138及びレコメンド部139を有する。
【0052】
画像取得部131は、端末20から、端末20のユーザの着座時の画像を受信することで、ユーザの着座時の画像を取得する。画像取得部131は、取得した画像を、ユーザの識別情報に対応させて、記憶部12に格納する。
【0053】
重心情報取得部132は、端末20から重心情報を受信することで、ユーザが着座する圧力センサ付きクッション40の座面の重心位置を取得する。重心情報取得部132は、取得した重心情報を、ユーザの識別情報に対応させて、記憶部12に格納する。
【0054】
姿勢推定部133は、ユーザの着座時の画像を基に、ユーザの着座時の姿勢を推定する。姿勢推定部133は、推定対象のユーザの画像を画像群121から読み出して、姿勢推定モデル123に入力し、姿勢推定モデル123の出力を得ることで、ユーザの着座時の姿勢を推定する。姿勢推定部133は、推定したユーザの着座時の姿勢と、該姿勢を取ったときのユーザが着座する圧力センサ付きクッション40の重心情報とを、姿勢ごとに紐づけておく。
【0055】
バイタル情報取得部134は、端末20から、該端末20のユーザが装着したウェアラブルデバイス30-1,30-2のバイタル情報を受信することで、推定対象であるユーザのバイタル情報を取得する。
【0056】
センサ情報取得部135は、端末20から、ユーザが装着したウェアラブルデバイス30-1,30-2のセンサ情報を受信することで、推定対象であるユーザが装着したウェアラブルデバイス30-1,30-2による加速度センサのセンサ情報を取得する。
【0057】
睡眠品質計測部136は、計測対象のバイタル情報を基に、ユーザの睡眠品質を計測する。睡眠品質計測部136は、計測対象のユーザのバイタル情報をバイタル情報群124から読み出して、睡眠品質計測モデル126に入力し、睡眠品質計測モデル126の出力を得ることで、ユーザの睡眠品質を計測する。
【0058】
学習部137は、ユーザの着座時の姿勢と、ユーザの睡眠品質との関係を関係性推定モデル127に学習させる。学習部137は、関係性推定モデル127を、レコメンド対象のユーザごとに設け、各モデルに、対応するユーザの着座時の姿勢と、該ユーザの睡眠品質との関係とをそれぞれ学習させる。
【0059】
図4は、
図3に示す学習部137と許容条件設定部138との処理を説明する図である。学習部137は、処理対象のユーザの着座時の姿勢と、そのユーザの睡眠品質計測結果とを学習データとして、ユーザの着座時の姿勢と、ユーザの睡眠品質との関係を関係性推定モデル127に学習させる(
図4の(1))。例えば、学習部137は、ユーザが正しい姿勢を保持していない時間の積分値と睡眠品質スコアとの関係を学習させる。
【0060】
そして、許容条件設定部138は、関係性推定モデル127を用いて、ユーザが、着座中に、正しくない姿勢を取った時間が、着座時間全体の所定割合を超える場合に、睡眠品質との関係で、明らかに有意であることを検出する。
【0061】
例えば、許容条件設定部138は、ユーザAについて、着座中に姿勢T1,T2,T3を取った時間の合計時間が、1日の着座時間全体の10%以上の場合、睡眠品質スコアが100点中85点未満であるという関係を検出する。睡眠品質スコアは85点以上が望ましい場合、許容条件設定部138は、この姿勢T1,T2,T3を取る時間が、1日あたりの着座時間全体の10%を超えないように、ユーザAの許容条件を設定する。
【0062】
図5は、許容条件128のデータ構成の一例を示す図である。許容条件設定部138は、ユーザAについて、1日あたりの着座時間全体の平均を基に、この姿勢T1,T2,T3を取ることが許容できる第1の許容時間(例えば、30分)を設定する。許容条件設定部138は、この姿勢T1、T2,T3に対応する、ユーザAの重心位置CA1,CA2,CA3(
図4参照)を取得し、許容条件の第1の重心として設定する。また、許容条件設定部138は、ユーザBについても同様に、睡眠品質スコアが100点中85点未満となる姿勢に対応する第1の重心と、その許容時間(第1の許容時間)とを設定する。
【0063】
このように、許容条件設定部138は、ユーザの着座時の姿勢とユーザの睡眠品質との関係を基に、ユーザの着座時の圧力センサ付きクッション40の座面の重心に関する許容条件128を設定する(
図4の(2))。許容条件設定部138は、ユーザの着座時の姿勢とユーザの睡眠品質との関係を学習した関係性推定モデル127を用いて、許容条件128を設定する。
【0064】
運用時においては、レコメンド部139は、ユーザが現に着座している圧力センサ付きクッション40の座面の第2の重心が、許容条件128の第1の重心の所定範囲内に位置し、第2の重心を示す合計時間が、第1の許容時間を超えた場合に、端末20に、姿勢を正すことをレコメンドするレコメンド情報を出力させる。
【0065】
レコメンド部139は、第2の重心に紐づく第2の姿勢を求め、第2の姿勢において直すべき箇所及び直し方を具体的にレコメンドしてもよい。例えば、レコメンド部139は、第2の重心に紐づく第2の姿勢が、足を組んだ姿勢である場合には、「足を組むことをやめましょう」としたレコメンド情報を作成する。また、レコメンド部139は、第2の重心に紐づく第2の姿勢が、肘を付いた姿勢である場合には、「肘を付かないようにしましょう」としたレコメンド情報を作成する。
【0066】
[許容条件設定処理]
次に、通信システム1が許容条件を設定するまでの処理について説明する。
図6は、実施の形態に係る通信処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0067】
図6に示すように、端末20は、ユーザの着座時の画像を撮像し(ステップS1)、撮像した画像をサーバ装置10に送信する(ステップS3)。端末20は、圧力センサ付きクッション40から、ユーザが着座している圧力センサ付きクッション40の座面にかかる圧力分布を収集する(ステップS2)。端末20は、収集した圧力分布から、ユーザ着座時の圧力センサ付きクッション40の座面の重心の位置を求め、重心情報として、サーバ装置10に送信する(ステップS4)。
【0068】
サーバ装置10は、ユーザの着座時の画像を基に、ユーザの着座時の姿勢を推定する(ステップS5)。なお、サーバ装置10は、ユーザの着座時の各姿勢に、それぞれ対応する座面の重心の位置を紐づけておく。
【0069】
そして、端末20は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2が検出したユーザのバイタル情報及び加速度センサのセンサ情報を収集し(ステップS6,S8)、収集したバイタル情報及び加速度センサのセンサ情報を、サーバ装置10に送信する(ステップS7,S9)。
【0070】
サーバ装置10は、ステップS7において受信したユーザのバイタル情報を基に、ユーザの睡眠品質を計測する(ステップS10)。サーバ装置10は、ユーザの着座時の姿勢と、ユーザの睡眠品質との関係を関係性推定モデル127に学習させる学習処理を実行する(ステップS11)。
【0071】
そして、サーバ装置10は、関係性推定モデル127を用いて、ユーザの着座時の圧力センサ付きクッション40の座面の重心に関する許容条件128を設定する(ステップS12)。
【0072】
[レコメンド処理]
次に、通信システム1における運用時の処理について説明する。
図7は、実施の形態に係る通信処理の他の処理手順を示すシーケンス図である。
【0073】
図7に示すように、端末20は、圧力センサ付きクッション40から、ユーザが現に着座している圧力センサ付きクッション40の座面にかかる圧力分布を受信する(ステップS21)。端末20は、収集した圧力分布から、ユーザ着座時の圧力センサ付きクッション40の座面の重心の位置を求め、重心情報として、サーバ装置10に送信する(ステップS22)。
【0074】
サーバ装置10は、受信した重心情報と、その日のユーザの重心情報の履歴とを参照し、ユーザが着座している圧力センサ付きクッション40の座面の重心(第2の重心)について、許容条件128を超過しているか否かを判定する(ステップS23)。サーバ装置10が、第2の重心が、許容条件128第1の重心の所定範囲内に位置し、第2の重心を示す合計時間が、第1の許容時間を超えた場合に、許容条件128を超過していると判定する。
【0075】
ユーザが着座している圧力センサ付きクッション40の座面の重心(第2の重心)について、許容条件128を超過していない場合(ステップS23:No)、サーバ装置10は、ステップS22における重心情報の送信を待つ。
【0076】
ユーザが着座している圧力センサ付きクッション40の座面の重心(第2の重心)について、許容条件128を超過している場合(ステップS23:Yes)、サーバ装置10は、姿勢を正すことをレコメンドするレコメンド情報を作成し、端末20に送信する(ステップS24,S25)。端末20は、サーバ装置10から受信したレコメンド情報を、画面上で、及び/または、音声で出力する(ステップS26)。
【0077】
[実施の形態の効果]
このように、実施の形態に係る通信システム1では、着座時のユーザの姿勢に対応する、ユーザが着座する圧力センサ付きクッションの座面にかかる圧力の圧力分布を求め、この圧力分布に関する許容条件を設定する。そして、通信システム1では、圧力センサ付きクッション40が検知したユーザの着座時の圧力分布に関する値が、許容条件を超えた場合に、ユーザに、姿勢を正すことをレコメンドすることで、正しい姿勢となるようにユーザを誘導する。
【0078】
したがって、通信システム1によれば、圧力センサ付きクッション40の検知結果を基に、ユーザが、睡眠品質スコアを目標値に保持できない姿勢を許容時間以上取ったと判別した場合に、正しい姿勢となるようにユーザを誘導することで、ユーザの睡眠品質スコアの目標値の達成を図る。
【0079】
なお、通信システム1では、圧力センサ付きクッション40の座面にかかる圧力の圧力分布について許容条件を設定し、ユーザが現に着座する圧力センサ付きクッション40の座面の圧力分布と、許容条件とを照合して、レコメンドを行ってもよい。この場合、端末20は、圧力センサ付きクッション40の座面にかかる圧力の圧力分布を収集し、サーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、ユーザの着座時の各姿勢に、それぞれ対応する、圧力センサ付きクッション40の座面にかかる圧力の圧力分布を紐づけておく。
【0080】
図8は、
図3に示す学習部137と許容条件設定部138との他の処理を説明する図である。学習部137は、ユーザの着座時の姿勢と、ユーザの睡眠品質との関係を関係性推定モデル127に学習させる(
図8の(1))。
【0081】
許容条件設定部138は、睡眠品質スコアは85点以上が望ましい場合、例えば、ユーザAについて、着座中に姿勢T1,T2,T3を取った時間の合計時間が、着座時間全体の10%以上の場合、睡眠品質スコアが100点中85点未満であるという関係を検出する。許容条件設定部138は、この姿勢T1,T2,T3を取る時間が着座時間全体の10%を超えないように、ユーザAの許容条件を設定する(
図8の(2))。
【0082】
そして、許容条件設定部138は、ユーザAについて、着座時間全体の平均を基に、この姿勢T1,T2,T3を取ることが許容できる第1の許容時間(例えば、30分)を設定する。許容条件設定部138は、この姿勢T1、T2,T3に対応する、ユーザAの圧力センサ付きクッション40の座面の圧力分布PA1,PA2,PA3(
図8参照)を取得し、許容条件の第1の圧力分布として設定する。
【0083】
そして、運用時においては、レコメンド部139は、ユーザが現に着座している圧力センサ付きクッション40の座面の圧力分布(第2の圧力分布)と、許容条件128の第1の圧力分布との類似度が所定範囲内であって、第2の圧力分布を示す合計時間が、第1の許容時間を超えた場合に、端末20に、姿勢を正すことをレコメンドするレコメンド情報を出力させる。
【0084】
また、サーバ装置10は、重心或いは圧力分布に限らず、ユーザが着座している圧力センサ付きクッション40の座面の圧力分布に基づく他の値について、許容条件を設定してもよい。サーバ装置10は、ユーザが現に着座している圧力センサ付きクッション40の座面の圧力分布に基づく値(第2の圧力分布に基づく値)と、許容条件に設定された値(第1の圧力分布に基づく値)との類似度が所定範囲内であって、第2の圧力分布に基づく値を示す合計時間が、第1の許容時間を超えた場合には、端末20に、姿勢を正すことをレコメンドするレコメンド情報を出力させる。
【0085】
また、サーバ装置10は、圧力センサ付きクッション40の座面の圧力分布に基づく値が許容条件を超過した日には、例えば、「姿勢が悪い時間が多かったので睡眠の質が悪いかもしれません。就寝前のストレッチをお勧めします。」としたレコメンド情報を、就寝前に、端末20に出力させてもよい。
【0086】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0087】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0088】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明した通信システム1の構成装置が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態における通信システム1の構成装置が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0089】
図9は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図9に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0090】
メモリ1010は、
図9に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、
図9に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0091】
ここで、
図9に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0092】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0093】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0094】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0095】
1 通信システム
10 サーバ装置
11,24 通信部
12,22 記憶部
13,23 制御部
20 端末
21 撮像部
25 入出力部
30-1,30-2 ウェアラブルデバイス
40 圧力センサ付きクッション
121 画像群
122 重心情報群
123 姿勢推定モデル
124 バイタル情報群
125 センサ情報群
126 睡眠品質計測モデル
127 関係性推定モデル
128 許容条件
131 画像取得部
132 重心情報取得部
133 姿勢推定部
134 バイタル情報取得部
135 センサ情報取得部
136 睡眠品質計測部
137 学習部
138 許容条件設定部
139 レコメンド部
221 画像
222 圧力分布情報
223 バイタル情報
224 センサ情報
231 撮像制御部
232 圧力分布収集部
233 バイタル情報収集部
234 センサ情報収集部
235 レコメンド出力制御部