(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039958
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】利用者を行先へ案内する案内システム及び案内方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20240315BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240315BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144729
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本田 大典
(72)【発明者】
【氏名】細川 長範
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA03
5L049CC17
(57)【要約】
【課題】利用者が円滑に行先に到着できるように利用者に行先を案内する。
【解決手段】案内システムが、予約対象の施設と、施設の利用時間帯と、利用者のメールアドレスとを含んだ施設予約情報を受け取り、当該受け取った施設予約情報を登録する。案内システムが、施設予約情報を基にスケジューラに施設利用を設定する。案内システムが、利用者端末から施設への出席を受け付けた場合、当該利用者端末の位置情報に基づき、予約対象の施設への案内の要否を判定する。案内要が判定された場合、案内システムが、利用者端末の位置情報に基づき、予約対象の施設までの経路を探索し、探索した経路を利用者端末へ出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約対象の施設と、施設の利用時間帯と、利用者のメールアドレスとを含んだ施設予約情報を受け取り、当該受け取った施設予約情報を受付ける予約受付部と、
前記施設予約情報を基にスケジューラに施設利用を設定するスケジュール設定部と、
前記利用者のモバイル端末である利用者端末から前記予約対象の施設の利用を受け付けた場合、当該利用者端末の位置情報に基づき、前記予約対象の施設への案内の要否を判定する案内要否判定部と、
前記案内要否判定部が案内要と判定した場合、前記利用者端末の位置情報に基づき、前記予約対象の施設までの経路を求める経路探索部と、
前記経路探索部が求めた経路を表す案内情報を前記利用者端末へ出力する案内出力部と
を備える案内システム。
【請求項2】
前記経路探索部が求めた経路にセキュリティゲートがある場合、セキュリティゲートを通過するための通過許可データを作成するセキュリティ制御部、
を更に備え、
前記案内出力部は、前記セキュリティ制御部から得た通過許可データを前記利用者端末に出力又は当該通過許可データに基づく認証画像を前記利用者端末に出力する、
請求項1に記載の案内システム。
【請求項3】
前記経路探索部が求めた経路に昇降機がある場合、前記予約対象の施設へ向かうための乗車階及び/又は降車階を当該昇降機に設定したかごを呼ぶかご呼びコードを作成する昇降機制御部、
を更に備え、
前記案内出力部は、前記昇降機制御部から得たかご呼びコードを前記利用者端末に出力又は当該かご呼びコードに基づくかご呼び画像を前記利用者端末に出力する、
請求項1に記載の案内システム。
【請求項4】
前記昇降機制御部は、前記スケジューラを参照し、施設の利用終了時刻と、施設の利用者数と施設のある階とに基づいて、昇降機の前記利用時間帯の利用人数を予測し、
前記昇降機制御部は、前記予測された利用人数に基づいて、前記探索された経路に含まれる昇降機を変更するかどうかを判定する、
請求項3に記載の案内システム。
【請求項5】
予約受付部が、予約対象の施設と、施設の利用時間帯と、利用者のメールアドレスとを含んだ施設予約情報を受け取り、当該受け取った施設予約情報を受け付け、
スケジュール設定部が、前記施設予約情報を基にスケジューラに施設利用を設定し、
案内要否判定部が前記利用者のモバイル端末である利用者端末から前記予約対象の施設の利用を受け付けた場合、当該利用者端末の位置情報に基づき、前記予約対象の施設への案内の要否を判定し、
経路探索部が、前記案内要否判定部が案内要と判定した場合、前記利用者端末の位置情報に基づき、前記予約対象の施設までの経路を求め、
案内出力部が、前記経路探索部が求めた経路を表す案内情報を前記利用者端末へ出力すると案内方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、利用者を行先へ案内する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、例えば特許文献1に開示の技術が知られている。特許文献1は、次のことを開示している。すなわち、サーバが、予約された会議室の予約管理番号に対応する暗証キーを作成し、その暗証キーを打合せの相手の携帯電話機に電子メールで送信する。訪問者は、予約された日時に会社を訪れ、受付に設置されている受付端末に暗証キーを入力する。サーバは、受付端末から入力された暗証キーが登録されている暗証キーと一致したなら、該当する会議室の位置を示す案内情報を表示する。これにより、訪問者は目的とする会議室に行くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された技術では、利用者に対し会議室への案内が不十分である。例えば、案内情報は、受付に設置されている受付端末に表示されるため、訪問者は、案内情報を記憶し、その記憶を頼りに会議室へ移動しなければならない。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、利用者が円滑に行先に到着できるように利用者に行先を案内することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
案内システムが、予約対象の施設と、施設の利用時間帯と、利用者のメールアドレスとを含んだ施設予約情報を受け取り、当該受け取った施設予約情報を登録する。案内システムが、施設予約情報を基にスケジューラに施設利用を設定する。案内システムが、利用者端末から施設への出席を受け付けた場合、当該利用者端末の位置情報に基づき、予約対象の施設への案内の要否を判定する。案内要が判定された場合、案内システムが、利用者端末の位置情報に基づき、予約対象の施設までの経路を探索し、探索した経路を利用者端末へ出力する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利用者が円滑に行先に到着できるように利用者に行先を案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る案内システムの構成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、「インターフェース装置」は、一つ以上の通信インターフェースデバイスでよい。一つ以上の通信インターフェースデバイスは、一つ以上の同種の通信インターフェースデバイスであってもよいし二つ以上の異種の通信インターフェースデバイスであってもよい。
【0010】
また、以下の説明では、「メモリ」は、一つ以上のメモリデバイスであり、典型的には主記憶デバイスでよい。メモリにおける少なくとも一つのメモリデバイスは、揮発性メモリデバイスであってもよいし不揮発性メモリデバイスであってもよい。
【0011】
また、以下の説明では、「永続記憶装置」は、一つ以上の記憶デバイスの一例である一つ以上の永続記憶デバイスでよい。永続記憶デバイスは、典型的には、不揮発性の記憶デバイス(例えば補助記憶デバイス)でよく、具体的には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、NVME(Non-Volatile Memory Express)ドライブ、又は、SCM(Storage Class Memory)でよい。
【0012】
また、以下の説明では、「記憶装置」は、メモリと永続記憶装置の少なくとも永続記憶装置でよい。
【0013】
また、以下の説明では、「プロセッサ」は、一つ以上のプロセッサデバイスでよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサデバイスでよいが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサデバイスでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、プロセッサコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、処理の一部又は全部を行うハードウェア記述言語によりゲートアレイの集合体である回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサデバイスでもよい。
【0014】
また、以下の説明では、「yyy部」の表現にて機能を説明することがあるが、機能は、一つ以上のコンピュータプログラムがプロセッサによって実行されることで実現されてもよいし、一つ以上のハードウェア回路(例えばFPGA又はASIC)によって実現されてもよいし、それらの組合せによって実現されてもよい。プログラムがプロセッサによって実行されることで機能が実現される場合、定められた処理が、適宜に記憶装置及び/又はインターフェース装置等を用いながら行われるため、機能はプロセッサの少なくとも一部とされてもよい。機能を主語として説明された処理は、プロセッサあるいはそのプロセッサを有する装置が行う処理としてもよい。プログラムは、プログラムソースからインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配付計算機又は計算機が読み取り可能な記憶媒体(例えば非一時的な記憶媒体)であってもよい。各機能の説明は一例であり、複数の機能が一つの機能にまとめられたり、一つの機能が複数の機能に分割されたりしてもよい。
【0015】
また、以下の説明では、「xxxテーブル」といった表現にて、入力に対して出力が得られる情報を説明することがあるが、当該情報は、どのような構造のデータでもよいし(例えば、構造化データでもよいし非構造化データでもよい)、入力に対する出力を発生するニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズムやランダムフォレストに代表されるような学習モデルでもよい。従って、「xxxテーブル」を「xxx情報」と言うことができる。また、以下の説明において、テーブルの構成は一例であり、一つのテーブルは、二つ以上のテーブルに分割されてもよいし、二つ以上のテーブルの全部又は一部が一つのテーブルであってもよい。
【0016】
また、以下の説明では、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号のうちの共通符号を使用し、同種の要素を区別する場合は、参照符号を使用することがある。
【0017】
また、以下の説明では、要素のIDは、要素の識別情報であり、その要素を識別可能な情報であれば、どのような情報でもよい(例えば、名前、英数字でもよい)。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る案内システムの構成例を示す。
【0019】
案内システムは、施設管理サーバ101、昇降機制御装置102及び入退管理サーバ106を備える。施設管理サーバ101、昇降機制御装置102及び入退管理サーバ106は、ネットワーク110(例えばインターネット又はWAN(Wide Area Network))を介して通信する。
【0020】
施設管理サーバ101及び昇降機制御装置102は、ビル100に設けられている。ビル100には、複数の専有部103(103A、103B、…)が設けられている。専有部103は、施設の一例であり、具体的には、例えば会議室である。専有部103は、QRコードリーダ104と、電気錠105とを有する。QRコードリーダが、電気錠105の鍵を意味するQRコードを読み取った場合、電気錠105が開錠される。なお、「QRコード」は、登録商標である。QRコードは、二次元バーコードの一例である。
【0021】
ネットワーク110を介して、専有部のような施設の利用者の利用者端末107(情報処理端末)と、案内システムの管理端末109も通信する。
【0022】
【0023】
施設管理サーバ101は、ビル100の施設を管理する。施設管理サーバ101は、インターフェース装置、記憶装置、及びそれらに接続されたプロセッサを含むハードウェアで構成される。
【0024】
インターフェース装置がネットワーク110を介して通信する。記憶装置が、データやプログラムを記憶する。データの例は、施設テーブル206及び施設予約テーブル207である。プログラムがプロセッサに実行されることで、施設管理サーバ制御部200が実現される。施設管理サーバ制御部200は、施設管理サーバ101を制御する。施設管理サーバ制御部200は、例えば、予約受付部201、スケジュール設定部202、案内要否判定部203、経路探索部204及び案内出力部205を有する。
【0025】
【0026】
入退管理サーバ106は、ビル100の入退を管理する。入退管理サーバ106は、インターフェース装置、記憶装置、及びそれらに接続されたプロセッサを含むハードウェアで構成される。
【0027】
インターフェース装置がネットワーク110を介して通信する。記憶装置が、データやプログラムを記憶する。データの例は、許可者テーブル304である。プログラムがプロセッサに実行されることで、入退管理制御部300が実現される。入退管理制御部300は、入退管理サーバ106を制御する。入退管理制御部300は、例えば、セキュリティ制御部301、入退可否判定部302及び許可者テーブル更新部303を有する。
【0028】
【0029】
利用者端末107は、例えばスマートフォンであるが、モバイル型のパーソナルコンピュータ等でもよい。利用者端末107は、インターフェース装置、入出力装置、記憶装置、及びそれらに接続されたプロセッサを含むハードウェアで構成される。
【0030】
インターフェース装置がネットワーク110を介して通信する。入出力装置は、例えばタッチパネルであり、ユーザインターフェースとしての入力装置と出力装置(表示装置)である。記憶装置が、データやプログラムを記憶する。データの例は、管理データ404である。管理データ404は、通過許可データ441及び経路データ442を含む。プログラムがプロセッサに実行されることで、利用者端末制御部400が実現される。利用者端末制御部400は、利用者端末107を制御する。利用者端末制御部400は、例えば、出力部401、入力部402及び許可者テーブル更新部403を有する。
【0031】
【0032】
昇降機制御装置102は、ビル100に設けられた昇降機を制御する。昇降機制御装置102は、インターフェース装置、記憶装置、及びそれらに接続されたプロセッサを含むハードウェアで構成される。
【0033】
インターフェース装置がネットワーク110を介して通信する。記憶装置が、データやプログラムを記憶する。データの例は、昇降機稼働テーブル504である。プログラムがプロセッサに実行されることで、昇降機制御部500が実現される。昇降機制御部500は、昇降機制御装置102を制御する。昇降機制御部500は、例えば、利用人数予測部501、昇降機状態判定部502及び昇降機運用変更部503を有する。
【0034】
【0035】
許可者テーブル304は、ビル100における所定のエリアへの入場が許可された利用者(許可者)に関するデータを有する。許可者テーブル304は、許可者毎にエントリを有する。エントリは、利用者ID601、パスワード602、認証媒体ID603及びメールアドレス604といったデータを有する。
【0036】
利用者ID601は、利用者のIDを表す。パスワード602は、利用者のパスワードを表す。認証媒体ID603は、利用者の認証媒体(例えばカード)のIDを表す。メールアドレス604は、利用者のメールアドレスを表す。
【0037】
【0038】
施設テーブル206は、ビル100に施設に関するデータを有する。施設テーブル206は、施設毎にエントリを有する。エントリは、施設名701、階702、収容人数703、利用可能日704、利用可能時間帯705及び利用予約可否706といったデータを有する。
【0039】
施設名701は、施設の名称又は識別子を表す。階702は、施設が存在する階を表す。収容人数703は、施設が収容可能な人数を表す。利用可能日704は、施設の利用可能な日を表す。利用可能時間帯705は、施設の利用可能な時刻範囲を表す。利用予約可否706は、施設の利用可否を表す。
【0040】
【0041】
施設予約テーブル207は、施設予約に関するデータを有する。施設予約テーブル207は、予約毎にエントリを有する。エントリは、施設名801、予約者802、利用者803、利用時間帯804及び通知先メールアドレス805といったデータを有する。
【0042】
施設名801は、予約対象の施設の名称又は識別子を表す。予約者802は、予約者(予約を行った者)のIDを表す。利用者803は、予約対象の施設の予定された利用者のIDを表す。利用時間帯804は、予約対象の施設の予約された利用時間帯を表す。通知先メールアドレス805は、通知先のメールアドレスを表す。メールアドレスは、予約者及び/又は利用者のメールアドレスでよい。
【0043】
【0044】
昇降機稼働テーブル504は、ビル100に設けられた各昇降機に関するデータを有する。昇降機稼働テーブル504は、昇降機と昇降機の乗場階との組毎にエントリを有する。エントリは、昇降機901、利用人数(予測値)902、利用人数(上限値)903、利用率904、利用可否905及び最終更新日付906といったデータを有する。
【0045】
昇降機901は、昇降機(号機)と昇降機の乗場階との組を表す。利用人数(予測値)902は、当該組での乗りかごにおける乗客の人数の予測値(例えば、センサにより計測された値から予測された人数)を表す。利用人数(上限値)903は、乗りかごの乗客の数の上限値を表す。利用率904は、利用人数(上限値)903が表す値に対する、利用人数(予測値)902が表す値の割合を表す。利用可否905は、当該乗場階での当該昇降機の利用可否を表す。最終更新日付906は、当該エントリの最終の更新日時を表す。
【0046】
【0047】
経路データ442は、施設への経路を表す。経路データ442は、施設毎にエントリを有する。エントリは、施設名1001及び通行パターン1002といったデータを有する。
【0048】
施設名1001は、施設の名称を又は識別子を表す。通行パターン1002は、施設の複数種類の要素の各々について該当する要素の詳細を表す。例えば、1番目のエントリが表す経路は、施設名“専有部A”への経路は、1階を乗場とした昇降機1と、3階の廊下とを含む。
【0049】
【0050】
S1101で、施設管理サーバ101の案内要否判定部203が、施設テーブル206及び施設予約テーブル207を参照し、施設予約の利用開始時間(利用時間帯804が表す時間帯の開始時間)の所定時間前に、該当の施設情報(施設テーブル206のエントリ)及び施設予約情報(施設予約テーブル207のエントリ)を取得する。この施設予約に対応の施設を便宜上「施設X」と記す。
【0051】
S1102で、案内要否判定部203が、施設予約テーブル207を参照し、施設Xの利用開始時間の所定時間前から当該利用開始時間までの期間に利用終了予定の施設予約(利用時間帯804が表す時間帯の終了時間が当該期間に属する施設予約)が存在するか判定する。この施設予約に対応の施設を便宜上「施設Y」と記す。
【0052】
S1102の判定結果が真の場合(S1102:Yes)、S1103で、案内要否判定部203が、施設Yの階と施設Yについて利用され得る昇降機とを特定し、特定された昇降機のデータ(エントリ)を、昇降機稼働テーブル504から抽出する。「施設Yについて利用され得る昇降機」は、施設Yがある階を停止階とする全ての昇降機でもよいし、当該昇降機のうち施設Yからの近さが上位P%以内の昇降機(例えば、施設Yから最も近い昇降機(例えば、フロアマップを表すデータから特定された昇降機))でもよい。S1104で、昇降機制御装置102の利用人数予測部501が、例えば施設管理サーバ101の施設管理サーバ制御部200からの指示に応答して、施設Yについて利用され得る昇降機毎に(S1103で特定された昇降機毎に)、どのくらい人数が移動(利用)するかを算出する。各昇降機について、移動人数(利用人数)は、例えば、施設Yの利用者の数と、施設Yからの移動距離とに基づき算出された期待される人数(施設Yの利用人数のうちの人数)でよく、更に、当該昇降機と施設Yの階との組に対応したエントリ(昇降機稼働テーブル504におけるエントリ)が表す利用率とに基づいてよい。
【0053】
S1102の判定結果が偽の場合(S1102:No)、S1103及びS1104がスキップされる。S1103及びS1104がスキップされた場合、例えば、S1105で、昇降機制御装置102の利用人数予測部501が、例えば施設管理サーバ101の施設管理サーバ制御部200から指示を受けてよい。
【0054】
S1105で、利用人数予測部501が、現時間帯の昇降機稼働状況(推測)を昇降機稼働テーブル504に反映する。「現時間帯の昇降機稼働状況(推測)」は、例えば、センサからの計測値を基に推測される状況(例えば、各昇降機について、停止可能階毎に、利用人数の予測値)でよく、昇降機状態判定部502により算出されてよい。S1106で、利用人数予測部501が、S1105の昇降機稼働状況(推測)を基に更新された利用率が最も小さい昇降機(施設Xの階を停止可能とする昇降機のうち、利用率が最も小さい昇降機)を選択する。施設Xの階は、施設管理サーバ制御部200から利用人数予測部501に通知されてよい。
【0055】
S1107で、例えば選択された昇降機の号機が昇降機制御部500から施設管理サーバ101の施設管理サーバ制御部200に通知され、経路探索部204が、選択された昇降機までの行先と降車階(施設Xがある階)とから、施設Xまでの経路を探索し、探索された経路を表す案内情報を作成する。経路の探索には、例えば、ビル100のフロアマップを表すデータを含む建物管理データが使用されてよい。
【0056】
S1108で、案内出力部205が、作成した案内情報を、利用開始予定の施設Xの予約情報(施設予約テーブル207のエントリ)に登録されている全利用者へ配信する(例えば、通知先メールアドレス805が表す各メールアドレスに、案内情報が添付された(又は案内情報へのリンクが本文中に記載された)電子メールを送信する)。
【0057】
【0058】
案内画面1200は、配信された案内情報の表示画面の一例である。案内画面1200は、入室階(乗場階)と移動階(降車階)のそれぞれについて、経路を表すオブジェクト(例えば破線又は実線の矢印)を表す。入室階について、経路は、利用する昇降機までの経路である。移動階について、経路は、昇降機から施設までの経路である。全体として、経路は、入室階での昇降機までの経路と、移動階での昇降機から施設までの経路とを含む。
【0059】
以上の説明を、例えば下記の通り総括することができる。下記の総括は、上述の説明の補足説明や変形例の説明を含んでよい。
【0060】
案内システムは、予約受付部201、スケジュール設定部202、案内要否判定部203、経路探索部204及び案内出力部205を有してよい。
【0061】
予約受付部201は、予約対象の施設と、施設の利用時間帯と、利用者のメールアドレスとを含んだ施設予約情報を受け取り(例えば、予約者の情報処理端末から受け取り)、当該受け取った施設予約情報を登録してよい(例えば、施設予約情報を含んだエントリを施設予約テーブル207に登録してよい)。
【0062】
スケジュール設定部202は、施設予約情報を基にスケジューラに施設利用を設定してよい(例えば、施設テーブル206に、当該予約された利用時間帯については利用予約可否706を“否”としてよい)。
【0063】
案内要否判定部203は、利用者端末107(予約対象の利用者のモバイル端末)から予約対象の施設の利用を受け付けた場合(例えば、会議への出席を受け付けた場合)、当該利用者端末107の位置情報に基づき、予約対象の施設への案内の要否を判定してよい。例えば、利用者端末107の位置情報が、ビル100(建物の一例)又はビル100の敷地の外を表していれば、案内不要が判定されてよい。
【0064】
経路探索部204は、案内要否判定部203が案内要と判定した場合、利用者端末107の位置情報に基づき、予約対象の施設までの経路を探索してよい。この探索は、ビル100のフロアマップ(例えば、各階のマップ、各施設の階や位置、及び、複数の昇降機の各々の停止可能階)を表すデータを含む建物管理データを基に行われてよい。
【0065】
案内出力部205は、経路探索部204が探索した経路を表す案内情報を利用者端末107へ出力してよい(例えば、利用者のメールアドレスに対するメールに、当該案内情報が添付されて(又はリンクが張られて)、そのメールが利用者端末107へ送信されてよい)。
【0066】
これにより、利用者は利用者端末107に表示された案内情報を見ながら予約対象の施設へ移動できる。つまり、利用者が円滑に行先に到着できるように利用者に行先を案内することができる。なお、利用者端末107の出力部401が、案内出力部205からのデータを利用者端末107の入出力装置(表示装置)に表示してよい。入力部402が、入出力装置を介して利用者からの入力を受け付けてよい。許可者テーブル更新部403が、許可者テーブル304を更新してよい。許可者テーブル304のエントリにおける例えば認証媒体ID603が、通過許可データの少なくとも一部とされてよい。
【0067】
案内システムは、セキュリティ制御部301を備えてもよい。セキュリティ制御部301は、経路探索部204が探索した経路にセキュリティゲートがある場合、セキュリティゲートを通過するための通過許可データを作成してもよい。案内出力部205は、セキュリティ制御部301から得た通過許可データを利用者端末107に送信又は当該通過許可データに基づく認証画像(例えばQRコード)を利用者端末107に出力してよい。これにより、利用者が通過許可の事前申請手続きすること無しに、利用者は、利用者端末107に出力された通過許可データ(又はそれに基づく認証画像)を用いて、セキュリティゲートを通過できる。つまり、利用者が円滑に行先に到着できるように利用者に行先を案内することができる。
【0068】
なお、セキュリティゲートがあることは、例えば、上述した建物管理データ(例えば、階毎のマップに、セキュリティゲートの位置が表されている)を基に特定されてよい。建物管理データは、例えば、施設管理サーバ101と入退管理サーバ106で共有されてよい。また、セキュリティゲートは、セキュリティ設備の一例でよい。セキュリティ設備は、例えば、施設の電気錠(例えば、電気錠に加えて、電気錠の開錠のための鍵としてのQRコードを読み取るQRコードリーダ)であってもよい。
【0069】
案内システムは、昇降機制御部500を備えてもよい。昇降機制御部500は、経路探索部204が探索した経路に昇降機がある場合、予約対象の施設へ向かうための乗車階及び/又は降車階を当該昇降機に設定したかごを呼ぶかご呼びコードを作成してもよい。案内出力部205は、昇降機制御部500から得たかご呼びコードを利用者端末107に出力又は当該かご呼びコードに基づくかご呼び画像(例えばQRコード)を利用者端末107に出力してよい。これにより、利用者がかご呼びの事前申請手続きすること無しに、利用者は、利用者端末107に出力されたかご呼びコード(又はそれに基づくかご呼び画像)を用いて、案内された経路における昇降機を呼びその昇降機のかごに乗って予約対象の施設へ移動できる。つまり、利用者が円滑に行先に到着できるように利用者に行先を案内することができる。なお、昇降機制御装置102において、昇降機状態判定部502は、昇降機の利用率等から昇降機の利用可否やその他の移動経路を判定してよい。昇降機運用変更部503は、昇降機状態判定部502による判定の結果を基に、昇降機の運用を変更してよい。
【0070】
昇降機制御部500は、スケジューラ(例えば、施設予約テーブル207)(及び昇降機稼働テーブル504のような昇降機稼働データ)を参照し、施設の終了時刻と、施設の利用者数と施設のある階とに基づいて、昇降機の上記利用時間帯(予約対象の施設の上記利用時間帯)の利用人数を予測してよい。昇降機制御部500は、予測された利用人数に基づいて、探索された経路に含まれる昇降機を変更するかどうかを判定してよい。これにより、利用者が円滑に行先に到着できる経路を求めることが期待できる。なお、スケジューラとしてのデータは、施設管理サーバ101から昇降機制御装置102に送信されてもよいし、昇降機制御部500の少なくとも一部の機能(例えば、利用人数予測部501)が施設管理サーバ101に備えられてもよい。昇降機稼働テーブル504のような昇降機稼働データが昇降機制御装置102から施設管理サーバ101に送信されてもよい。昇降機稼働データは、昇降機毎に階と利用率との組の時系列データを含んでもよい。すなわち、昇降機稼働データは、どの昇降機がどの階で利用率がどのぐらいになるかの予測に有用な要素を含んだデータでよい。
【0071】
経路探索部204は、一つ又は複数の経路を探索してよい。案内出力部205は、当該一つ又は複数の経路を表す案内情報を生成し、当該生成された案内情報を、利用者端末107に出力してよい。探索された一つ又は複数の経路のいずれかを通って予約対象の施設に入るために一つ以上のセキュリティ設備の各々の許可が必要であることを例えば上述の建物管理データから特定した場合、案内出力部205は、当該一つ以上のセキュリティ設備それぞれの入力情報としての通過許可データを関連付けた案内情報を生成し、当該一つ以上のセキュリティ設備それぞれについて通過許可データが関連付けられた案内情報を利用者端末107に出力してよい。更に、案内出力部205は、上述したかご呼びコードも、案内情報に関連付け、かご呼びコードが関連付けられた案内情報を利用者端末107に出力してよい。
【0072】
以上、一実施形態及び変形例を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこれらの実施形態及び変形例にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実行することが可能である。
【符号の説明】
【0073】
101…施設管理サーバ、102…昇降機制御装置、106…入退管理サーバ