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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040002
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】収納トレイ
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/48 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
B65D85/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144795
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】000146445
【氏名又は名称】株式会社常光
(74)【代理人】
【識別番号】100170070
【弁理士】
【氏名又は名称】坂田 ゆかり
(72)【発明者】
【氏名】種子田 秀一
【テーマコード(参考)】
3E096
【Fターム(参考)】
3E096AA09
3E096BA24
3E096BA30
3E096BB03
3E096CA06
3E096CB03
3E096DA01
3E096DA13
3E096DB08
3E096EA02X
3E096EA06X
3E096FA23
3E096GA09
3E096GA11
(57)【要約】
【課題】スライドガラス及びカセットの両方を収納することができる。
【解決手段】複数の収納部を有する平面視矩形形状の収納トレイであり、底板と、底板の周縁に設けられた壁と、隣接する収納部を仕切る仕切り壁とを備える。仕切り壁は、第1方向に沿った第1仕切り壁を有し、収納部は、第1方向と直交する第2方向に沿って配置されている。底板の一部が収納部の底面であり、収納部の底面は、第1底面と第2底面とを有し、カセットが載置される第2底面はスライドガラスが載置される第1底面より低く形成されている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収納部を有する平面視矩形形状の収納トレイであって、
底板と、
前記底板の周縁に設けられた壁と、
隣接する前記収納部を仕切る仕切り壁と、
を備え、
前記仕切り壁は、第1方向に沿った第1仕切り壁を有し、
前記収納部は、前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置されており、
前記底板の一部が前記収納部の底面であり、
前記収納部の底面は、スライドガラスが載置される第1底面と、カセットが載置される第2底面とを有し、
前記第2底面は、前記第1底面より低く形成されている
ことを特徴とする収納トレイ。
【請求項2】
長手方向が前記第2方向に沿うように前記底板に設けられる断面L字形状の反射板を備え、
前記反射板は、前記第1仕切り壁が挿入される複数の第1スリットを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の収納トレイ。
【請求項3】
前記収納部の底面は、前記第1底面と前記第2底面との間に設けられた第3底面を有し、
前記第3底面は、前記第1底面より低くかつ前記第2底面より高く形成されており、
前記第3底面には、前記反射板が載置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の収納トレイ。
【請求項4】
前記反射板の端には、突起が設けられており、
前記壁は、前記突起が挿入される挿入部を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の収納トレイ。
【請求項5】
前記壁は、4つの板状の第1壁、第2壁、第3壁及び第4壁を有し、
前記第1壁、前記第2壁、前記第3壁及び前記第4壁のうちの少なくとも1つは、前記底板に対して傾斜している傾斜面を有し、
前記傾斜面の前記底板に対する傾斜角は、45度±30度である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の収納トレイ。
【請求項6】
前記第1仕切り壁には、スリットが設けられており、
平面視において、前記スリットは前記第2底面を挟むように設けられている
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の収納トレイ。
【請求項7】
前記底板の裏面には、溝が設けられている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の収納トレイ。
【請求項8】
前記仕切り壁は、前記第2方向に沿った第2仕切り壁を有し、
前記収納部は、前記第1方向及び前記第2方向に沿って2次元配列されている
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の収納トレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納トレイに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プレパラートよりも僅かに大きい矩形凹状のプレパラート収納室を複数個備え、該収納室を画成する側壁に手指挿入凹部を設けるとともに、プレパラート収納室の底部表面の手指挿入凹部付近に高い突条筋又は突起を配し、相対する側壁の付近に低い突条筋又は突起を配したプレパラート収納マッペが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-291386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、プレパラート以外のもの、例えばカセットを収納することはできない。
【0005】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたもので、スライドガラス及びカセットの両方を収納することができる収納トレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る収納トレイは、複数の収納部を有する平面視矩形形状の収納トレイであって、底板と、前記底板の周縁に設けられた壁と、隣接する前記収納部を仕切る仕切り壁と、を備え、前記仕切り壁は、第1方向に沿った第1仕切り壁を有し、前記収納部は、前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置されており、前記底板の一部が前記収納部の底面であり、前記収納部の底面は、スライドガラスが載置される第1底面と、カセットが載置される第2底面とを有し、前記第2底面は、前記第1底面より低く形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る収納トレイによれば、仕切り壁により収納部が複数配置されており、収納部の底面はスライドガラスが載置される第1底面及びカセットが載置される第2底面を有する。これにより、スライドガラス及びカセットの両方を収納することができる。
【0008】
長手方向が前記第2方向に沿うように前記底板に設けられる断面L字形状の反射板を備え、前記反射板は、前記第1仕切り壁が挿入される複数の第1スリットを有してもよい。これにより、カセットを取り出すことなく、反射板を介してカセットの傾斜面に表示された検体情報を上方から視認できる。
【0009】
前記収納部の底面は、前記第1底面と前記第2底面との間に設けられた第3底面を有し、前記第3底面は、前記第1底面より低くかつ前記第2底面より高く形成されており、前記第3底面には、前記反射板が載置されていてもよい。これにより、反射板を固定することなく、反射板を位置決めすることができる。
【0010】
前記反射板の端には、突起が設けられており、前記壁は、前記突起が挿入される挿入部を有してもよい。これにより、反射板を固定することなく、反射板を位置決めすることができる。
【0011】
前記壁は、4つの板状の第1壁、第2壁、第3壁及び第4壁を有し、前記第1壁、前記第2壁、前記第3壁及び前記第4壁のうちの少なくとも1つは、前記底板に対して傾斜している傾斜面を有し、前記傾斜面の前記底板に対する傾斜角は、45度±30度であってもよい。これにより、傾斜面に表示された文字やバーコードを上方から容易に認識することができる。
【0012】
前記第1仕切り壁には、スリットが設けられており、平面視において、前記スリットは前記第2底面を挟むように設けられていてもよい。これにより、ロボットハンド等のツメをスリットに挿入してカセットを挟持することができる。
【0013】
前記底板の裏面には、溝が設けられていてもよい。これにより、ツメを溝に挿入させて、収納トレイを水平方向に移動させることができる。
【0014】
前記仕切り壁は、前記第2方向に沿った第2仕切り壁を有し、前記収納部は、前記第1方向及び前記第2方向に沿って2次元配列されていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、スライドガラス及びカセットの両方を収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】収納トレイ1の概略を示す平面図である。
図2】収納トレイ1の概略を示す斜視図である。
図3】傾斜面21bを拡大表示した斜視図である。
図4】底面41a、41bの概略を示す断面図であり、(A)は図1のA-A断面図であり、(B)は図1のB-B断面図であり、(C)は図1のC-C断面図である。
図5】(A)は収納トレイ1Aの概略を示す平面図であり、(B)は収納トレイ1Bの概略を示す平面図である。
図6】傾斜面21cを有する壁21Aの概略を示す図である。
図7】収納トレイ2の実施の形態を示す概略斜視図である。
図8】反射板50の概略を示す斜視図である。
図9図7のD-D断面図である。
図10】底面41Aを有する収納トレイ2Aの概略を示す断面図である。
図11】収納トレイ2Bの概略を示す斜視図である。
図12】標本整理装置100の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明に係る収納トレイ1の概略を示す平面図である。図2は、収納トレイ1の概略を示す斜視図である。本発明に係る収納トレイは、病理検査において使用するカセットCやスライドガラスGを収納するトレイである。
【0019】
収納トレイ1は、平面視矩形形状であり、主として、底板10と、壁20と、仕切り壁30とを備える。収納トレイ1は、仕切り壁30により複数の収納部40がx方向及びy方向に2次元配列されている。
【0020】
なお、底板10の延設面に沿った直交2方向をx方向及びy方向とする。本実施の形態では、底板の長手方向をy方向とする。また、底板10の延設面と直交する方向をz方向とする。なお、x方向は本発明の第1方向に相当し、y方向は本発明の第2方向に相当するが、第1方向と第2方向は逆でもよい。
【0021】
収納部40には、カセットC又はスライドガラスGが収納される。本実施の形態の収納トレイ1では、x方向に2個の収納部40が設けられており、y方向に10個の収納部40が設けられている。ただし、収納部40の配置及び数はこれに限られない。また、収納部40のx方向の幅は80mm程度であり、y方向の幅は30mm程度であるが、収納部40の大きさもこれに限られない。
【0022】
カセットCの底面には、検体が包埋されたパラフィンブロックBが設けられている。パラフィンブロックBの内部にはホルマリンに浸漬させた後の検体X1(手術検体や生検検体)が設けられており、パラフィンブロックBをミクロトームにより通常3~5μmの薄切りの切片にして作成された病理標本X2がスライドガラスGに貼付されている。
【0023】
底板10は、板状の部材であり、平面視(+z方向から見たときに)矩形形状である。複数の収納トレイ1を重ねたときに安定するように、底板10の裏面10aの一部をシボ等により凹凸を設けてもよい。
【0024】
底板10の周縁には、壁20が設けられている。壁20は、x方向に沿った壁21、22と、y方向に沿った壁23、24とを有する。壁21~24は、根本(-z端)側の厚さが10mm程度であり、先端(+z端)に向かうにつれて薄くなるが、壁21~24の断面形状はこれに限られない。
【0025】
壁21、22、23、24は、それぞれ凹部21a、22a、23a、24aを有する。また、壁21、22、23、24のうちの少なくとも1つ(ここでは、壁21)は、底板10(xy平面)に対して傾斜している傾斜面21bを有する。傾斜面21bのxy平面に対する傾斜角は、45度±30度であり、ここでは45度である。なお、本実施の形態では壁21が傾斜面21bを有したが、傾斜面の位置や数はこれに限られない。例えば、壁22が傾斜面を有していてもよいし、任意の2つの壁(例えば、壁23、24)が傾斜面を有していてもよい。
【0026】
図3は、傾斜面21bを拡大表示した斜視図である。傾斜面21bはxy平面に対して傾いているため、上方(+z方向)から傾斜面21bが視認可能である。したがって、傾斜面21bに検体の情報を示す文字61、バーコード62を表示(例えば、印刷、筆記)することで、上方から文字61、バーコード62が容易に認識できる。なお、傾斜面21bに表示するのは、文字61及びバーコード62の少なくとも一方でもよい。また、傾斜面21bに文字61、バーコード62以外の情報を表示してもよい。
【0027】
図1、2の説明に戻る。仕切り壁30は、隣接する収納部40を仕切るリブ状の部材である。仕切り壁30は、x方向に沿った仕切り壁31(本発明の第1仕切り壁に相当)と、y方向に沿った仕切り壁32(本発明の第2仕切り壁に相当)とを有する。本実施の形態では、収納部40がx方向に2個、y方向に10個並んでおり、9個の仕切り壁31と1個の仕切り壁32が底板10に設けられている。
【0028】
仕切り壁31は、根本(-z端)側の厚さが4~6mm程度であり、先端(+z端)に向かうにつれて薄くなる。また、仕切り壁32は、根本(-z端)側の厚さが6~10mm程度であり、先端(+z端)に向かうにつれて薄くなる。ただし、仕切り壁31、32の断面形状はこれに限られない。また、仕切り壁31、32の高さは5mm程度であり、壁20の高さ以下であるが、仕切り壁31、32の高さはこれに限られない。仕切り壁31にはスリット31aが設けられており、仕切り壁32には凹部32aが設けられている。
【0029】
平面視においてスリット31aは底面41bを挟むように設けられている。また、平面視において、凹部21a及びスリット31aが-y端に位置する収納部40の底面41bを挟むように、凹部22a及びスリット31aが+y端に位置する収納部40の底面41bを挟むように設けられている。
【0030】
底板10に設けられた仕切り壁30が収納部40を仕切るため、底板10の一部が収納部40の底面41になる。底面41は、スライドガラスGが載置される底面41a(本発明の第1底面に相当)と、カセットCが載置される底面41b(本発明の第2底面に相当)とを有する。図2では、一部の収納部40において、底面41aにスライドガラスGが載置され、底面41bにカセットCが載置された様子を図示している。
【0031】
図4は、収納トレイ1の概略を示す断面図であり、(A)は図1のA-A断面図であり、(B)は図1のB-B断面図であり、(C)は図1のC-C断面図である。
【0032】
底面41は、底面41bが底面41aより下方に段落ちした形状となっている。言い換えれば、底面41bは、底面41aより低く形成されている。底面41aと底面41bの高さの差は、数mm程度(例えば、1~5mm)であればよい。また、底面41bのx方向の幅は43~45mm程度であるが、これに限られない。
【0033】
底面41aは、底面41bの-x側及び+x側に設けられている。底面41aはスライドガラスGが載置される面であるため、収納部40のx方向(長手方向)の両端に配置されていることが望ましい。また、底面41bを底面41aの間に設けることで、カセットCを収納部40の端ではなく中央近傍に収納することができる。
【0034】
スライドガラスGは、厚さが0.8mm~1.5mm程度と薄い板状である。したがって、底面41aにスライドガラスGを載置した時に、スライドガラスGの上面は壁20及び仕切り壁30よりも低く、スライドガラスGが収納部40の内部に入り込んでいる。したがって、壁23、24及び仕切り壁32には、それぞれ、スライドガラスGを収納部40から取り出すのに用いられる凹部23a、24a、32aが設けられている。凹部23a、24a、32aに指を挿入することで、スライドガラスGが収納部40から取り出しやすくなる。
【0035】
カセットCは厚さが5mm~15mm程度であり、パラフィンブロックBは厚さが10mm程度である。このように、カセットC及びパラフィンブロックBは厚く、平面視においてカセットCの大きさは収納部40より小さいため、取出し用の指挿入用凹部は必要ない。
【0036】
また、カセットC及びパラフィンブロックBは厚いため、標本整理装置100(図12参照)のヘッド120に設けられたハンド(ロボットハンド)121のツメ122でカセットCを挟持することができる。そのため、壁21、22及び仕切り壁31には、それぞれ、ツメ122が挿入される凹部21a、22a及びスリット31aが設けられている。
【0037】
本実施の形態では、凹部21a、22a及びスリット31aの底面は、底面41bと略同一面上に位置する。これにより、ロボットがカセットCを確実に把持することができる。ただし、凹部21a、22a及びスリット31aの底面の高さはこれに限られない。
【0038】
ここで、標本整理装置100について説明する。図12は、標本整理装置100の概略を示す図である。標本整理装置100は、主として、標本設置部110と、ヘッド120と、回収ラック130と、これらが内部に設けられた筐体170とを有する。筐体170には、扉171、スイッチ172、点灯・消灯が切り替えられる表示ライト173、タッチパネル175等が設けられている。
【0039】
収納トレイ1は、標本設置部110に載置される。標本設置部110に設けられた収納トレイ1は、水平方向に移動可能な移動部101(図12では図示省略)により標本仮設置部115に平行移動される。標本整理装置100は、標本仮設置部115に設置された標本(カセットC又はスライドガラスG)をヘッド120を用いて回収ラック130に移動させる。
【0040】
図4の説明に戻る。ハンド121は、水平方向および垂直方向に移動可能であり、ツメ122は、ハンド121上で水平方向に移動可能である。また、ツメ122は、板状であり、凹部21a、22a及びスリット31aに挿入可能である。ツメ122を凹部21a、22a及びスリット31aのうちの隣接する2つに挿入してから水平方向に移動させることで、2つのツメ122でカセットCを挟持することができる。
【0041】
壁21、22、23、24のうちの少なくとも1つ(ここでは、壁21)には、溝20aが裏面10aに設けられている。溝20aには、標本整理装置等の移動部101のツメ101aが挿入される。ツメ101aが溝20aに挿入された状態で移動部101を水平方向に移動させると、移動部101が水平方向に移動するのに応じて収納トレイ1が水平方向に移動する。
【0042】
本実施の形態によれば、収納部40の底面41が底面41aと底面41bとを有し、カセットCが載置される底面41bがスライドガラスGが載置される底面41aより低く形成されているため、スライドガラスG及びカセットCの両方を収納トレイ1に収納することができる。
【0043】
また、本実施の形態によれば、壁21~24のうちの少なくとも1つ(ここでは、壁21)が傾斜面21bを有するため、傾斜面21bに表示された文字61、バーコード62を上方から容易に認識することができる。
【0044】
また、本実施の形態によれば、平面視において、仕切り壁31に設けられたスリット31aが底面41bを挟むように配置されているため、ツメ122をスリット31aに挿入してカセットCを挟持することができる。
【0045】
また、本実施の形態によれば、ツメ101aが挿入される溝20aが底板10の裏面に設けられているため、移動部101(ツメ101a)の水平移動に応じて収納トレイ1を水平方向に移動させることができる。
【0046】
なお、本実施の形態では、収納部40がx方向及びy方向に2次元配列されていたが、収納部40の配置はこれに限られない。したがって、仕切り壁31、32の数もこれに限られない。例えば、収納トレイ1における+x側の収納部40(y方向に沿って並ぶ収納部40)のみであってもよい。また、図5(A)、(B)は、別の変形例にかかる収納トレイ1A、1Bの概略を示す平面図である。
【0047】
図5(A)に示すように、収納トレイ1Aでは、収納部40がx方向及びy方向に2次元配列されており、x方向に3個の収納部40が設けられており、y方向に10個の収納部40が設けられている。したがって、収納トレイ1Aは、9個の仕切り壁31と2個の仕切り壁32を有する。
【0048】
図5(B)に示すように、収納トレイ1Bでは、収納部40がx方向及びy方向に2次元配列されておらず、x方向に沿って複数(ここでは、10個)の収納部40が並んでいる。したがって、収納トレイ1Bは、仕切り壁31を有さず、仕切り壁32Aを9個有する。収納トレイ1Bでは収納部40の長手方向がy方向沿っており、仕切り壁32Aはツメ122が挿入されるスリット32bを有する。
【0049】
なお、図5(A)、(B)に示す収納トレイ1A、1Bも一例であり、収納部40の配置や仕切り壁31、32の数等もこれに限られない。
【0050】
また、本実施の形態では、壁21が、xy平面に対して45度傾斜している傾斜面21bを有したが、傾斜面の形態はこれに限られない。図6は、変形例にかかる傾斜面21cを有する壁21Aの概略を示す図である。壁21Aは、傾斜面21c及び垂直面21dを有する。傾斜面21bのxy平面に対する傾斜角は15度である。この場合であっても、上方から傾斜面21cに表示された文字61やバーコード62(図示省略)が視認可能である。
【0051】
傾斜面21cはxy平面に対する傾斜角が小さいため、傾斜面21cの表示がより視認しやすい。ただし、傾斜角が小さいことにより壁21Aが厚くなってしまうのを避けるため、壁21Aの外側に垂直面21dを設けるようにしている。
【0052】
また、本実施の形態では、ツメ101aが挿入される溝20aを底板10の裏面に設け、ツメ101aの水平移動により収納トレイ1を水平移動させたが、収納トレイ1を水平移動させる形態はこれに限られない。例えば、壁21~24の少なくとも一つを底面41に対して垂直にし、その垂直面にツメ101aを当接させて、ツメ101aの水平移動により収納トレイ1を水平移動させてもよい。
【0053】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態は、反射板を設ける形態である。以下、第2の実施の形態にかかる収納トレイ2について、第1の実施の形態にかかる収納トレイ1との差異を中心に説明する。また、以下の説明において、収納トレイ1と同一の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0054】
図7は、収納トレイ2の実施の形態を示す概略斜視図である。収納トレイ2は、主として、収納トレイ1と、反射板50とを備える。反射板50は、カセットCが収納されている収納部40に設けられる。
【0055】
図8は、反射板50の概略を示す斜視図である。反射板50は、断面L字形状であり、主として、載置面51と、垂直面52とを有する。反射板50は、例えば、鏡面加工等がされたステンレス、アルミニウム等の板状部材を折り曲げて形成されている。したがって、反射板50の表面で光が反射する。
【0056】
載置面51と垂直面52とのなす角度は略直角である。ただし、載置面51と垂直面52とのなす角度はこれに限られない。反射板50には、スリット53が設けられている。
【0057】
図7の説明に戻る。載置面51は、底面41に載置される。載置面51が底面41に載置されると、スリット53に仕切り壁31が挿入される。その結果、反射板50は、長手方向がy方向に沿うように、複数の収納部40に跨って設けられる。
【0058】
反射板50は、底面41に着脱可能に設けられていてもよいし、底面41に貼付等により固定されていてもよい。
【0059】
図9は、図7のD-D断面図である。反射板50は、カセットCの傾斜面Caに隣接するように設けられる。載置面51が底面41aに設けられると、傾斜面Caに表示された文字やバーコードは、載置面51及び垂直面52を介して、カセットCの上方に位置する検体確認者Dによって視認される。なお、検体確認者Dとは、病理医、技師等である。
【0060】
傾斜面Caに表示された文字やバーコードは、検体に関する情報(検体情報)であり、標本番号、患者のID、患者の氏名、臓器の種類、検体採取日時、受付番号、検体取得施設番号等の少なくとも1つを含む。また、スライドガラスGのフロスト加工部Gaにも、検体情報が文字等で表示されている。
【0061】
病理検査時において、検体確認者Dは、傾斜面Ca及びフロスト加工部Gaに表示された検体情報が一致すること、及び、パラフィンブロックBに包埋された検体X1とスライドガラスGに設けられた病理標本X2とが一致することを確認する。検体確認者Dは、上方から検体X1と病理標本X2が一致するか視認し、そのまま反射板50を介して傾斜面Caに表示された検体情報とフロスト加工部Gaに表示された検体情報が一致するか否かを確認することができる。
【0062】
本実施の形態によれば、反射板50を介して傾斜面Caに表示された検体情報を上方から視認できるようにしたため、カセットCを取り出すことなく検体確認者D等がカセットC及びスライドガラスGの検体情報が一致するか否かを確認することができる。
【0063】
従来、検体確認者Dは、机の上にスライドガラスGを並べ、その近傍に傾斜面Caが上になるようにカセットCが並べられた箱を載置し、箱の最前面に置かれたカセットと机の上に並べられたスライドガラスGを見比べることで、カセットC及びスライドガラスGの検体情報が一致するか否か並びに検体X1及び病理標本X2が一致するか否かを確認していた。
【0064】
それに対し、本実施の形態では、カセットC及びスライドガラスGを収納部40に収納し、反射板50を介して傾斜面Caに表示された検体情報を上方から視認できるようにしたため、手間なく確認作業を行うことができる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、収納トレイ2を標本整理装置100(図12参照)に適用する場合であっても、ハンド121に設けられたカメラが上方から傾斜面Caに表示された検体情報を撮像できる。したがって、カセットCを取り出すことなく、傾斜面Caに表示された検体情報を確認することができ、処理時間の短縮につながる。
【0066】
なお、本実施の形態では、載置面51が底面41aに設けられたが、反射板50を収納部に設ける形態はこれに限られない。図10は、変形例にかかる底面41Aを有する収納トレイ2Aの概略を示す断面図である。
【0067】
底面41Aは、スライドガラスGが載置される底面41d(本発明の第1底面に相当)と、カセットCが載置される底面41bと、載置面51が設けられる底面41c(本発明の第3底面に相当)を有する。底面41dは、底面41aと平面視における広さのみが異なる。底面41cは、底面41bと底面41dとの間に設けられる。底面41dより底面41cが下方に段落ちしており、底面41cより底面41bが下方に段落ちしている。言い換えれば、底面41cは底面41dより低く、底面41bは底面41cより低く形成されている。
【0068】
底面41dは、底面41b、41cの-x側及び+x側に設けられている。底面41cは、底面41bの-x側又は+x側(ここでは、-x側)にのみ設けられている。底面41cと底面41dとの間の垂直面41eに傾斜面Caが対向するようにカセットCを収納部40Aに収納することで、反射板50を介して傾斜面Caに表示された検体情報を上方から視認することができる。また、載置面51が底面41cに設けられると、垂直面41eに垂直面52が当接し、反射板50が位置決めされる。したがって、収納トレイ2Aを標本整理装置100(図12参照)に適用する場合であっても、載置面51を底面41cに貼付等により固定する必要がない。
【0069】
また、反射板を位置決めする形態はこれに限られない。図11は、変形例にかかる収納トレイ2Bの概略を示す斜視図である。収納トレイ2Bは、主として、収納トレイ1Cと、反射板50Aとを備える。反射板50Aは、主として、載置面51と、垂直面52Aとを有する。垂直面52Aは、突起54が設けられている点で垂直面52と異なり、その他は垂直面52と同様である。突起54は、垂直面52Aの長手方向両端にそれぞれ設けられている。
【0070】
収納トレイ1Cは、平面視矩形形状であり、主として、底板10と、壁20Aと、仕切り壁30とを備える。壁20Aは、x方向に沿った壁21B、22Aと、y方向に沿った壁23、24とを有する。
【0071】
壁21Bは、傾斜面21bを有する。また、壁21B、22Aには、それぞれ、突起54が挿入される挿入部21e、22bを有する。挿入部21e、22bは、例えばスリットである。
【0072】
載置面51が底面41に載置されると、スリット53に仕切り壁31が挿入され、かつ、突起54が挿入部21e、22bに挿入される。その結果、反射板50は、長手方向がy方向に沿うように、かつ、x方向及びy方向に位置決めされた状態で、複数の収納部40に跨って設けられる。
【0073】
本変形例においても、反射板50Aが位置決めされるため、収納トレイ2Bを標本整理装置100(図12参照)に適用する場合であっても、載置面51を底面41cに貼付等により固定する必要はない。
【0074】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0075】
また、本発明において、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。例えば、略平行、略直交とは、厳密に平行、直交の場合には限られない。また、例えば、単に平行、直交等と表現する場合においても、厳密に平行、直交等の場合のみでなく、略平行、略直交等の場合を含むものとする。また、本発明において「近傍」とは、例えばAの近傍であるときに、Aの近くであって、Aを含んでも含まなくてもよいことを示す概念である。
【符号の説明】
【0076】
1、1A、1B、1C、2、2A、2B:収納トレイ
10 :底板
10a :裏面
20、20A、21、21A、21B、22、22A、23、24:壁
20a :溝
21a、22a、23a、24a:凹部
21b、21c:傾斜面
21d :垂直面
21e、22b:挿入部
30、31、32、32A:仕切り壁
31a、32b:スリット
32a :凹部
40、40A:収納部
41、41A、41a、41b、41c、41d:底面
41e :垂直面
50、50A:反射板
51 :載置面
52、52A:垂直面
53 :スリット
54 :突起
61 :文字
62 :バーコード
100 :標本整理装置
101 :移動部
101a :ツメ
110 :標本設置部
115 :標本仮設置部
120 :ヘッド
121 :ハンド
122 :ツメ
130 :回収ラック
170 :筐体
171 :扉
172 :スイッチ
173 :表示ライト
175 :タッチパネル
図1
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図10
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図12