IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社RABOの特許一覧

特開2024-40018情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
<>
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図1
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図2
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図3
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図4
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図5
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図6
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図7
  • 特開-情報処理システム、情報処理方法及びプログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040018
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A01K 29/00 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
A01K29/00 B
A01K29/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144820
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】518247173
【氏名又は名称】株式会社RABO
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】伊豫 愉芸子
(57)【要約】
【課題】動物の元気さを把握することができるようにする。
【解決手段】情報処理システムであって、動物に装着したセンサーから活動量を取得する活動量取得部と、日時に対応付けて過去に取得した活動量を記憶する記憶部と、活動量の周波数解析により動物の行動を識別する行動識別部と、特定日における活動量が、特定日よりも前の期間における活動量に基づいて決定される第1の閾値よりも低いかどうか、及び、特定日における所定の行動の回数又は時間が、期間における所定の行動の回数又は時間に基づいて決定される第2の閾値よりも低いかどうかに応じて、動物の元気が消失しているかどうかを判定する元気消失判定部と、元気が消失していることを通知する通知部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物に装着したセンサーから活動量を取得する活動量取得部と、
日時に対応付けて過去に取得した前記活動量を記憶する記憶部と、
前記活動量の周波数解析により前記動物の行動を識別する行動識別部と、
特定日における前記活動量が、前記特定日よりも前の期間における前記活動量に基づいて決定される第1の閾値よりも低いかどうか、及び、前記特定日における所定の前記行動の回数又は時間が、前記期間における前記所定の行動の前記回数又は前記時間に基づいて決定される第2の閾値よりも低いかどうかに応じて、前記動物の元気が消失しているかどうかを判定する元気消失判定部と、
前記元気が消失していることを通知する通知部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記元気消失判定部はさらに、前記特定日よりも前の、第1の前記期間よりも長い第2の期間における前記活動量の変化傾向を計算し、前記変化傾向が所定程度以上下降傾向である場合に、前記動物の前記元気が消失していると判定すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記行動は、毛づくろいを含むこと、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムであって、
前記行動はさらに、食事及び水飲みの少なくともいずれかを含むこと、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記元気消失判定部は、前記期間における前記活動量の平均値から、前記期間における前記活動量の標準偏差に基づくオフセット値を減じた値を前記第1の閾値として算出すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記元気消失判定部は、前記期間における前記行動の前記回数又は前記時間の平均値から、前記期間における前記行動の前記回数又は前記時間の標準偏差に基づくオフセット値を減じた値を前記第2の閾値として算出すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
動物に装着したセンサーから活動量を取得するステップと、
日時に対応付けて過去に取得した前記活動量を記憶するステップと、
前記活動量の周波数解析により前記動物の行動を識別するステップと、
特定日における前記活動量が、前記特定日よりも前の期間における前記活動量に基づいて決定される第1の閾値よりも低いかどうか、及び、前記特定日における所定の前記行動の回数又は時間が、前記期間における前記所定の行動の前記回数又は前記時間に基づいて決定される第2の閾値よりも低いかどうかに応じて、前記動物の元気が消失しているかどうかを判定するステップと、
前記元気が消失していることを通知するステップと、
を情報処理装置が実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
動物に装着したセンサーから活動量を取得するステップと、
日時に対応付けて過去に取得した前記活動量を記憶するステップと、
前記活動量の周波数解析により前記動物の行動を識別するステップと、
特定日における前記活動量が、前記特定日よりも前の期間における前記活動量に基づいて決定される第1の閾値よりも低いかどうか、及び、前記特定日における所定の前記行動の回数又は時間が、前記期間における前記所定の行動の前記回数又は前記時間に基づいて決定される第2の閾値よりも低いかどうかに応じて、前記動物の元気が消失しているかどうかを判定するステップと、
前記元気が消失していることを通知するステップと、
を情報処理装置に実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には加速度センサや気圧センサを用いてペットの状態を判定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-99178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1ではペットが元気であるかどうかを把握することが困難である。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、動物の元気さを把握することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、動物に装着したセンサーから活動量を取得する活動量取得部と、日時に対応付けて過去に取得した前記活動量を記憶する記憶部と、前記活動量の周波数解析により前記動物の行動を識別する行動識別部と、特定日における前記活動量が、前記特定日よりも前の期間における前記活動量に基づいて決定される第1の閾値よりも低いかどうか、及び、前記特定日における所定の前記行動の回数又は時間が、前記期間における前記所定の行動の前記回数又は前記時間に基づいて決定される第2の閾値よりも低いかどうかに応じて、前記動物の元気が消失しているかどうかを判定する元気消失判定部と、前記元気が消失していることを通知する通知部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、動物の元気さを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る管理システムの全体構成例を示す図である。
図2】サーバ装置2のハードウェア構成例を示す図である。
図3】サーバ装置2のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】短期に係る猫14の元気消失の判定処理を説明する図である。
図5】中期に係る猫14の元気消失の判定処理を説明する図である。
図6】長期に係る猫14の元気消失の判定処理を説明する図である。
図7】行動情報の登録処理を説明する図である。
図8】元気消失の通知処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<システム概要>
以下、本発明の一実施形態に係る管理システムについて説明する。本実施形態の管理システムは、猫などの動物の状態を管理しようとするものである。本実施形態では、とくに猫の元気が消失したことをいち早く検出しようとしている。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る管理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の管理システムは、サーバ装置2を含んで構成される。サーバ装置2は、猫14の状態を管理するコンピュータである。サーバ装置2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0012】
本実施形態の管理システムでは、猫14には活動量計11が装着される。活動量計11は、猫14の活動量を測定するものであり、例えば、3軸の加速度センサを備えることができる。加速度センサによる加速度に基づいて、猫14の姿勢及び動きを公知の手法により検出することができる。活動量計11は、いわゆる首輪の形状とすることにより、猫14に快適に装着させることができる。
【0013】
通信機15は、通信ネットワーク4を介してサーバ装置2と通信可能に接続される。通信ネットワーク4は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。通信機15は、ゲートウェイ装置として活動量計11の測定値をサーバ装置2に転送することができる。なお、通信機15が、測定値(重量)に活動量計11を特定する情報(ペンダントID)を付帯させて送信するようにしてもよい。
【0014】
サーバ装置2はまた、通信ネットワーク4を介してユーザ端末3と通信可能に接続される。ユーザ端末3は、動物14の飼い主が操作するコンピュータであり、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。
【0015】
<サーバ装置>
図2は、サーバ装置2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。サーバ装置2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述するサーバ装置2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、サーバ装置2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0016】
図3は、サーバ装置2のソフトウェア構成例を示す図である。サーバ装置2は、活動量取得部211と、行動識別部212と、行動情報送信部213と、元気消失判定部214と、元気消失通知部215と、活動量記憶部231と、行動情報記憶部232と、を備える。
【0017】
<記憶部>
活動量記憶部231は、猫14の活動量に関する情報(以下、活動量情報という。)を記憶する。活動量情報には、活動量計11を特定するペンダントID及び日時に対応付けて、3軸加速度センサの各軸に係る加速度(x加速度、y加速度、z加速度)と、これらを総和した活動量とが含まれうる。
【0018】
行動情報記憶部232は、猫14の行動に関する情報(以下、行動情報という。)を記憶する。行動情報には、活動量計11を特定するペンダントIDに対応付けて、開始日時と、終了日時と、猫14が行ったと推定される行動とが含まれうる。
【0019】
<機能部>
活動量取得部211は、猫14に装着した活動量計11から活動量を取得する。本実施形態では、活動量取得部211は、通信機15を介して、猫14に装着された活動量計11から送信される3軸加速度を取得する。
【0020】
行動識別部212は、活動量に基づいて猫14の行動を識別する。行動識別部212は、例えば、活動量の周波数解析により猫14の行動を識別することができる。行動種別の判定方法は、いくつかの既知の行動分析方法によって実現し得るが、例えば、活動量計11から得られたxyz軸方向の加速度データ(Gx、Gy、Gz)を、ウェーブレット変換を用いて、振動をもった信号を時刻毎に周期と振幅に分解し、各々の時刻における信号の周期性を行動スペクトルとして認識し、スペクトルの類似性に従って、事前に登録した行動要素と比較することで行動を分類することができる。例えば、加速度センサ5から得られた加速度データをフーリエ変換し、時間軸に沿って算出される周波数成分の平均値やピーク値を、同じまたは別のネコの行動種別(運動、睡眠、食事、トイレ等)に対応する既知の周波数と比較することで行動を特定したり、加速度成分を高速フーリエ変換(FFT)したりすることにより算出された周波数成分を基に、特徴的な波形やスペクトル値を抽出し、同じまたは別のネコの行動種別(運動、睡眠、食事、トイレ等)に対応する既知の特徴的波形またはスペクトル値と比較することで、行動を特定することができる。また、加速度センサで算出される、各軸方向の姿勢(θx、θy、θz)からネコの姿勢を把握することで、行動種別を推測することもできる。なお、スペクトルのパターンを記憶するパターン記憶部を備えるようにして、当該パターンとのパターンマッチングを行うようにすることもできる。
【0021】
本実施形態では、行動識別部212により識別可能な行動には、少なくとも、食事、水飲み、毛づくろいが含まれるものとする。なお、食事のときの周波数特性と、水飲みのときの周波数特性と、毛づくろいのときの周波数特性とは異なるため、活動量計11が測定した加速度データのみから行動を識別することは可能である。
【0022】
行動識別部212は、識別した行動の開始日時及び終了日時を特定し、特定した開始日時及び終了日時と、特定した行動と、活動量計11を示すペンダントIDとを含む行動情報を作成して行動情報記憶部232に登録することができる。
【0023】
行動情報送信部213は、行動情報をユーザ端末3に送信する。行動情報送信部213は、例えば、ユーザ端末3からのリクエストに応じて行動情報を送信することができる。リクエストには、猫14に装着している活動量計11を示すペンダントIDが設定されるものとし、行動情報送信部213は、リクエストに設定されているペンダントIDに対応する行動情報を行動情報記憶部232から読み出してユーザ端末3に送信することができる。
【0024】
元気消失判定部214は、猫14の元気が消失しているか否かを判定する。本実施形態では、元気消失判定部214は、複数の長さの期間での元気消失を判定することができる。本実施形態では、短期(1日)、中期(6週間)、長期(3ヶ月間)の元気消失を判定する。
【0025】
図4は、短期に係る猫14の元気消失の判定処理を説明する図である。元気消失判定部214は、例えば、判定の対象日(前日)における活動量(加速度の総和At)が、対象日よりも前の期間における活動量Atに基づいて決定される第1の閾値よりも低いかどうか、及び、対象日における所定の行動(図4の例では、食餌、水飲み及び毛づくろい)の回数又は時間が、上記前の期間における所定の行動の回数又は時間に基づいて決定される第2の閾値よりも低いかどうかに応じて、動物の元気が消失しているかどうかを判定することができる。
【0026】
元気消失判定部214は、対象日から前30日間(n-31日~n-2日)における活動量の平均値から、当該30日間における活動量の標準偏差に基づくオフセット値(図4の例では、標準偏差の3.5倍)を減じた値を第1の閾値として算出することができる。
【0027】
また、元気消失判定部214は、前30日間における食餌及び水飲みの回数(食餌及び水飲みの行動を含む行動情報の個数)の平均値から、当該回数の標準偏差に基づくオフセット値(標準偏差の1.5倍)を減じた値を、食餌及び水飲みの回数に係る第2の閾値として算出することができる。
【0028】
また、元気消失判定部214は、前30日間における毛づくろいの時間(毛づくろいの行動を含む行動情報の開始日時から終了日時までの時間)の平均値から、当該時間の標準偏差に基づくオフセット値(標準偏差の1.5倍)を減じた値を、毛づくろいの時間に係る第2の閾値として算出することができる。
【0029】
元気消失判定部214は、活動量At、食餌及び水飲みの回数、及び毛づくろいの時間の全てについて、前30日間の平均値及び標準偏差から求めた第1及び第2の閾値よりも、前日の値が下回っていた場合に、短期間(1日間)で元気を消失していると判定することができる。
【0030】
また、元気消失判定部214は、対象日よりも前の、第1の期間(本実施形態では1日間)よりも長い第2の期間(本実施形態では6週間又は90日間)における活動量の変化傾向を計算し、変化傾向が所定程度以上下降傾向である場合に、猫14の元気が消失していると判定することができる。
【0031】
なお、元気消失判定部214は、1日あたりのAtが5以下である場合には、その日については「データ異常日」であると定義する。また、元気消失判定部214は、1日あたりの活動量情報の日時をソートし、隣接する2つの活動量情報の日時の差が所定の閾値(例えば10分や30分、1時間など任意の値を設定することができる。)以上である場合には、計測が継続していないものとし、1日のうち計測が継続している時間が16時間以下の場合、その日については「データ不足日」と定義する。元気消失判定部214は、前30日間のうちデータ異常日とデータ不足日の日数が15日以上である場合には、元気消失の判定を行わないようにすることができる。また、対象日(n-1日)がデータ異常日又はデータ不足日である場合にも、元気消失の判定を行わないようにすることができる。
【0032】
また、元気消失判定部214は、活動量の標準偏差を計算するにあたり、80%パーセンタイル未満のデータのみを用いて計算することができる。また、データ異常日及びデータ不足日については、平均値及び標準偏差の計算に用いないようにすることができる。
【0033】
図5は、中期に係る猫14の元気消失の判定処理を説明する図である。元気消失判定部214は、例えば、現在の日付から6週間前から2週間ごとに、活動量Atの中央値を算出することができる。すなわち、元気消失判定部214は、3期前(n-42日~n-29日の14日間)の活動量の中央値At(t-3)と、2期前(n-28日~n-15日の14日間)の活動量の中央値At(t-2)と、1期前(n-14日~n-1日の14日間)の活動量の中央値At(t-1)を算出し、3期前から2期前に活動量Atが20%よりも大きく下がっており(At(t-2)<At(t-3)×0.8)、かつ、2期前から1期前に活動量Atがさらに20%よりも大きく下がっている(At(t-1)<At(t-2)×0.8)場合に、6週間で猫14の元気が消失していると判定することができる。
【0034】
なお、中期に係る元気消失の判定処理においても、元気消失判定部214は、「データ異常日」及び「データ不足日」を定義し、2週間(14日間)のうち、データ異常日とデータ不足日の日数が7日以上である場合には、元気消失の判定を行わないようにすることができる。
【0035】
また、元気消失判定部214は、猫14の年齢が生後14ヶ月未満である場合にも、元気消失の判定を行わないようにすることができる。
【0036】
図6は、長期に係る猫14の元気消失の判定処理を説明する図である。元気消失判定部214は、例えば、現在の日付から90日前から30日間ごとに、活動量Atの中央値を算出することができる。すなわち、元気消失判定部214は、3期前(n-90日~n-61日の30日間)の活動量の中央値At(t-3)と、2期前(n-60日~n-31日の30日間)の活動量の中央値At(t-2)と、1期前(n-30日~n-1日の30日間)の活動量の中央値At(t-1)を算出し、3期前から2期前に活動量Atが20%よりも大きく下がっており(At(t-2)<At(t-3)×0.8)、かつ、2期前から1期前に活動量Atがさらに20%よりも大きく下がっている(At(t-1)<At(t-2)×0.8)場合に、90日間(3ヶ月間)で猫14の元気が消失していると判定することができる。
【0037】
なお、長期に係る元気消失の判定処理においても、元気消失判定部214は、「データ異常日」及び「データ不足日」を定義し、30日間のうち、データ異常日とデータ不足日の日数が15日以上である場合には、元気消失の判定を行わないようにすることができる。
【0038】
また、元気消失判定部214は、猫14の年齢が生後14ヶ月未満である場合にも、元気消失の判定を行わないようにすることができる。
【0039】
元気消失通知部215は、元気が消失していることをユーザ端末3に通知する。元気消失通知部215は、短期で元気が消失していると判定された場合には、その旨を示す通知(短期元気消失アラート)を送信することができ、中期で元気が消失していると判定された場合には、その旨を示す通知(中期元気消失アラート)を送信することができ、長期で元気が消失していると判定された場合には、その旨を示す通知(長期元気消失アラート)を送信することができる。
【0040】
<動作>
以下、本実施形態の管理システムの動作について説明する。
【0041】
図7は、行動情報の登録処理を説明する図である。サーバ装置2は、活動量計11から加速度データを取得して、活動量計11を示すペンダントID、現在の日時、加速度データ(x加速度、y加速度、z加速度)及びその総計At(活動量)とを含む活動量情報を作成して活動量記憶部231に登録し(S301)、加速度データを周波数解析することにより猫14の行動を推定し(S302)、活動量計11を示すペンダントID、当該行動に係る活動量情報の最先の日時(開始日時)及び最後の日時(終了日時)、及び推定した行動を含む行動情報を作成して行動情報記憶部232に登録することができる(S303)。サーバ装置2は、行動情報をユーザ端末3に送信することができる(S304)。サーバ装置2は、ユーザ端末3からのリクエストに応じて行動情報を送信してもよいし、定期的に又は行動情報が登録される度に行動情報を送信するようにしてもよい(S305)。
【0042】
図8は、元気消失の通知処理を説明する図である。
【0043】
サーバ装置2は、図4に示すようにして、前日及び前30日間の活動量と、食餌及び水飲みの回数と、毛づくろいの時間とを求め(S321)、前日の活動量と、食餌及び水飲みの回数と、毛づくろいの時間との全てが第1及び第2の閾値よりも下回っている場合に(S322:YES)、短期元気消失アラートをユーザ端末3に送信する(S323)。サーバ装置2は、図5に示すようにして、前6週間について2週間毎の活動量の中央値を求め(S324)、前記及び前々期のいずれもがその前の期よりも20%以上減少している場合に(S325:YES)、中期元気消失アラートをユーザ端末3に送信する(S326)。サーバ装置2は、図6に示すようにして、前90日間について30日間毎の活動量の中央値を求め(S327)、前記及び前々期のいずれもがその前の期よりも20%以上減少している場合に(S328:YES)、中期元気消失アラートをユーザ端末3に送信する(S329)。
【0044】
以上のようにして、活動量計11が計測する活動量に基づいて猫14の元気が消失していることを検出し、ユーザ端末3に通知することができる。
【0045】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0046】
<開示事項>
なお、本開示には、以下のような構成も含まれる。
[項目1]
動物に装着したセンサーから活動量を取得する活動量取得部と、
日時に対応付けて過去に取得した前記活動量を記憶する記憶部と、
前記活動量の周波数解析により前記動物の行動を識別する行動識別部と、
特定日における前記活動量が、前記特定日よりも前の期間における前記活動量に基づいて決定される第1の閾値よりも低いかどうか、及び、前記特定日における所定の前記行動の回数又は時間が、前記期間における前記所定の行動の前記回数又は前記時間に基づいて決定される第2の閾値よりも低いかどうかに応じて、前記動物の元気が消失しているかどうかを判定する元気消失判定部と、
前記元気が消失していることを通知する通知部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記元気消失判定部はさらに、前記特定日よりも前の、第1の前記期間よりも長い第2の期間における前記活動量の変化傾向を計算し、前記変化傾向が所定程度以上下降傾向である場合に、前記動物の前記元気が消失していると判定すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目3]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記行動は、毛づくろいを含むこと、
を特徴とする情報処理システム。
[項目4]
項目3に記載の情報処理システムであって、
前記行動はさらに、食事及び水飲みの少なくともいずれかを含むこと、
を特徴とする情報処理システム。
[項目5]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記元気消失判定部は、前記期間における前記活動量の平均値から、前記期間における前記活動量の標準偏差に基づくオフセット値を減じた値を前記第1の閾値として算出すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目6]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記元気消失判定部は、前記期間における前記行動の前記回数又は前記時間の平均値から、前記期間における前記行動の前記回数又は前記時間の標準偏差に基づくオフセット値を減じた値を前記第2の閾値として算出すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目7]
動物に装着したセンサーから活動量を取得するステップと、
日時に対応付けて過去に取得した前記活動量を記憶するステップと、
前記活動量の周波数解析により前記動物の行動を識別するステップと、
特定日における前記活動量が、前記特定日よりも前の期間における前記活動量に基づいて決定される第1の閾値よりも低いかどうか、及び、前記特定日における所定の前記行動の回数又は時間が、前記期間における前記所定の行動の前記回数又は前記時間に基づいて決定される第2の閾値よりも低いかどうかに応じて、前記動物の元気が消失しているかどうかを判定するステップと、
前記元気が消失していることを通知するステップと、
を情報処理装置が実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目8]
動物に装着したセンサーから活動量を取得するステップと、
日時に対応付けて過去に取得した前記活動量を記憶するステップと、
前記活動量の周波数解析により前記動物の行動を識別するステップと、
特定日における前記活動量が、前記特定日よりも前の期間における前記活動量に基づいて決定される第1の閾値よりも低いかどうか、及び、前記特定日における所定の前記行動の回数又は時間が、前記期間における前記所定の行動の前記回数又は前記時間に基づいて決定される第2の閾値よりも低いかどうかに応じて、前記動物の元気が消失しているかどうかを判定するステップと、
前記元気が消失していることを通知するステップと、
を情報処理装置に実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0047】
2 サーバ装置
3 ユーザ端末
11 活動量計
14 猫
15 通信機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8