(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040027
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】色調整装置及び色調整プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/60 20060101AFI20240315BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
H04N1/60
G06T1/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144835
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武井 智彦
(72)【発明者】
【氏名】寺田 康太
【テーマコード(参考)】
5B057
5C079
【Fターム(参考)】
5B057AA11
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE17
5B057CE18
5B057CH07
5B057DA17
5B057DB02
5B057DB06
5B057DC25
5B057DC40
5C079HB01
5C079HB05
5C079HB11
5C079LB01
5C079MA13
5C079MA17
5C079NA03
5C079NA27
5C079PA03
5C079PA05
(57)【要約】
【課題】媒体測色値とディスプレイ測色値が一致したときの、印刷媒体上の特定色とディスプレイ上の特定色の見た目の差異を考慮しつつ、印刷媒体上の色とディスプレイ上の色とを同等にするためのディスプレイのカラープロファイルの調整にかかる手間を低減する。
【解決手段】学習処理部22は、学習データ16を用いて、媒体測色値16aと、ディスプレイD上の当該特定色の分光分布特性16cを入力とし、当該ディスプレイD上の特定色を印刷媒体上の特定色と同等の色で表示させたときのディスプレイ測色値を示す目標測色値情報を出力するように、測色値演算モデル18を学習させる。目標測色値取得部24は、対象印刷媒体に関する媒体測色値、及び、対象ディスプレイTD上の特定色の分光分布特性を、学習済みの測色値演算モデル18に入力することで、対象ディスプレイTDについての目標測色値情報を取得する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
印刷媒体上の特定色を測色して得られた媒体測色値、前記印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示されるように調整されたディスプレイ上の前記特定色を測色して得られたディスプレイ測色値を示すディスプレイ測色値情報、及び、前記調整前の前記ディスプレイ上の前記特定色の分光分布特性の組み合わせからなる学習データを用いて、印刷媒体の前記媒体測色値及びディスプレイの分光分布特性に基づいて、当該ディスプレイ上の前記特定色を印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示させたときの前記ディスプレイ測色値を示す目標測色値情報を出力するように学習された測色値演算モデルに対して、対象印刷媒体に関する前記媒体測色値及び対象ディスプレイ上の前記特定色の分光分布特性を入力することで、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報を取得し、
前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報に基づいて、前記対象ディスプレイのカラープロファイルを調整する、
ことを特徴とする色調整装置。
【請求項2】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
印刷媒体上の特定色を測色して得られた媒体測色値、前記印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示されるように調整されたディスプレイ上の前記特定色を測色して得られたディスプレイ測色値を示すディスプレイ測色値情報、及び、前記調整前の前記ディスプレイ上の前記特定色の分光分布特性の組み合わせからなる学習データを用いて、印刷媒体の前記媒体測色値及びディスプレイの分光分布特性に基づいて、当該ディスプレイ上の前記特定色を印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示させたときの前記ディスプレイ測色値を示す目標測色値情報を出力するように学習された測色値演算モデルに対して、対象印刷媒体に関する前記媒体測色値及び対象ディスプレイ上の前記特定色の分光分布特性を入力することで、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報を取得し、
前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報をユーザに提供する、
ことを特徴とする色調整装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記測色値演算モデルを学習させる学習処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の色調整装置。
【請求項4】
前記特定色は白である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の色調整装置。
【請求項5】
コンピュータに、
印刷媒体上の特定色を測色して得られた媒体測色値、前記印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示されるように調整されたディスプレイ上の前記特定色を測色して得られたディスプレイ測色値を示すディスプレイ測色値情報、及び、前記調整前の前記ディスプレイの分光分布特性の組み合わせからなる学習データを用いて、印刷媒体の前記媒体測色値及びディスプレイの分光分布特性に基づいて、当該ディスプレイ上の前記特定色を印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示させたときの前記ディスプレイ測色値を示す目標測色値情報を出力するように学習された測色値演算モデルに対して、対象印刷媒体に関する前記媒体測色値及び対象ディスプレイの分光分布特性を入力させることで、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報を取得させ、
前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報に基づいて、前記対象ディスプレイのカラープロファイルを調整させる、
ことを特徴とする色調整プログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
印刷媒体上の特定色を測色して得られた媒体測色値、前記印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示されるように調整されたディスプレイ上の前記特定色を測色して得られたディスプレイ測色値を示すディスプレイ測色値情報、及び、前記調整前の前記ディスプレイの分光分布特性の組み合わせからなる学習データを用いて、印刷媒体の前記媒体測色値及びディスプレイの分光分布特性に基づいて、当該ディスプレイ上の前記特定色を印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示させたときの前記ディスプレイ測色値を示す目標測色値情報を出力するように学習された測色値演算モデルに対して、対象印刷媒体に関する前記媒体測色値及び対象ディスプレイの分光分布特性を入力させることで、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報を取得させ、
前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報をユーザに提供させる、
ことを特徴とする色調整プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色調整装置及び色調整プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、異なるディスプレイに同じデータを表示させたときに、各ディスプレイにおける表示色が同等となるようにディスプレイのカラープロファイルを調整することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、第1の環境において、第1観察者が、第1ディスプレイに表示された表示画像の色と、反射物体である色票の色とがマッチするように第1ディスプレイを調整し、第2の環境において、第2観察者が、第2ディスプレイに表示された表示画像の色と、色票の色とがマッチするように第2ディスプレイを調整し、調整後の第1ディスプレイのRGB値と第2ディスプレイRGB値との関係示す変換行列を導出し、当該変換行列を用いて第1ディスプレイ又は第2ディスプレイの表示色を決定するカラーマネジメントシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、紙などの印刷媒体上の色と、ディスプレイ上の色とが同等になるように、当該ディスプレイのカラープロファイルを調整することを考える。紙などの印刷媒体上の色と、ディスプレイ上の色とが同等となるように、ユーザが手動でカラープロファイルを調整する方法が考えられるが、印刷媒体の種類が多い場合には、印刷媒体毎にユーザが調整をする必要があり、手間が掛かってしまう。
【0006】
したがって、印刷媒体上の色と、ディスプレイ上の色とが同等になるように、当該ディスプレイのカラープロファイルを自動的に調整することが望まれる。
【0007】
カラープロファイルの自動調整の方法として、印刷媒体上の特定色を測色して得られた媒体測色値と、ディスプレイに表示された当該特定色を測色して得られたディスプレイ測色値とが一致するように、当該ディスプレイのカラープロファイルを調整することが考えられる。しかしながら、当該方法では、印刷媒体上の特定色とディスプレイ上の特定色の見た目が一致しない場合がある。換言すれば、印刷媒体上の色とディスプレイ上の色とが同等となるようにディスプレイのカラープロファイルが調整された場合、媒体測色値とディスプレイ測色値が一致しない場合がある。
【0008】
このような不一致は、印刷媒体を測色したときの分光分布特性と、ディスプレイの分光分布特性の違いに起因する。例えば、特定色が白である場合、
図7に示す通り、印刷媒体を測色したときの分光分布特性は、各発光波長において光の強度が略均一となっている。一方、ディスプレイにおいては、R(赤)、G(緑)、及びB(青)の色の光をそれぞれ発光する発光素子の組み合わせで色が表現されるのが一般的であるため、
図8に示す通り、赤、緑、青の発光波長の光の強度が突出して大きくなっている。
【0009】
本発明の目的は、媒体測色値とディスプレイ測色値が一致したときの、印刷媒体上の特定色とディスプレイ上の特定色の見た目の差異を考慮しつつ、印刷媒体上の色とディスプレイ上の色とを同等にするためのディスプレイのカラープロファイルの調整にかかる手間を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、印刷媒体上の特定色を測色して得られた媒体測色値、前記印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示されるように調整されたディスプレイ上の前記特定色を測色して得られたディスプレイ測色値を示すディスプレイ測色値情報、及び、前記調整前の前記ディスプレイ上の前記特定色の分光分布特性の組み合わせからなる学習データを用いて、印刷媒体の前記媒体測色値及びディスプレイの分光分布特性に基づいて、当該ディスプレイ上の前記特定色を印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示させたときの前記ディスプレイ測色値を示す目標測色値情報を出力するように学習された測色値演算モデルに対して、対象印刷媒体に関する前記媒体測色値及び対象ディスプレイ上の前記特定色の分光分布特性を入力することで、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報を取得し、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報に基づいて、前記対象ディスプレイのカラープロファイルを調整する、ことを特徴とする色調整装置である。
請求項2に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、印刷媒体上の特定色を測色して得られた媒体測色値、前記印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示されるように調整されたディスプレイ上の前記特定色を測色して得られたディスプレイ測色値を示すディスプレイ測色値情報、及び、前記調整前の前記ディスプレイ上の前記特定色の分光分布特性の組み合わせからなる学習データを用いて、印刷媒体の前記媒体測色値及びディスプレイの分光分布特性に基づいて、当該ディスプレイ上の前記特定色を印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示させたときの前記ディスプレイ測色値を示す目標測色値情報を出力するように学習された測色値演算モデルに対して、対象印刷媒体に関する前記媒体測色値及び対象ディスプレイ上の前記特定色の分光分布特性を入力することで、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報を取得し、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報をユーザに提供する、ことを特徴とする色調整装置である。
請求項3に係る発明は、前記プロセッサは、前記測色値演算モデルを学習させる学習処理を実行する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の色調整装置である。
請求項4に係る発明は、前記特定色は白である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の色調整装置である。
請求項5に係る発明は、コンピュータに、印刷媒体上の特定色を測色して得られた媒体測色値、前記印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示されるように調整されたディスプレイ上の前記特定色を測色して得られたディスプレイ測色値を示すディスプレイ測色値情報、及び、前記調整前の前記ディスプレイの分光分布特性の組み合わせからなる学習データを用いて、印刷媒体の前記媒体測色値及びディスプレイの分光分布特性に基づいて、当該ディスプレイ上の前記特定色を印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示させたときの前記ディスプレイ測色値を示す目標測色値情報を出力するように学習された測色値演算モデルに対して、対象印刷媒体に関する前記媒体測色値及び対象ディスプレイの分光分布特性を入力させることで、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報を取得させ、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報に基づいて、前記対象ディスプレイのカラープロファイルを調整させる、ことを特徴とする色調整プログラムである。
請求項6に係る発明は、コンピュータに、印刷媒体上の特定色を測色して得られた媒体測色値、前記印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示されるように調整されたディスプレイ上の前記特定色を測色して得られたディスプレイ測色値を示すディスプレイ測色値情報、及び、前記調整前の前記ディスプレイの分光分布特性の組み合わせからなる学習データを用いて、印刷媒体の前記媒体測色値及びディスプレイの分光分布特性に基づいて、当該ディスプレイ上の前記特定色を印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示させたときの前記ディスプレイ測色値を示す目標測色値情報を出力するように学習された測色値演算モデルに対して、対象印刷媒体に関する前記媒体測色値及び対象ディスプレイの分光分布特性を入力させることで、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報を取得させ、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報をユーザに提供させる、ことを特徴とする色調整プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1、2、5、又は6に係る発明によれば、媒体測色値とディスプレイ測色値が一致したときの、印刷媒体上の特定色とディスプレイ上の特定色の見た目の差異を考慮しつつ、印刷媒体上の色とディスプレイ上の色とを同等にするためのディスプレイのカラープロファイルの調整にかかる手間を低減することができる。
請求項3に係る発明によれば、本発明に係る色調整装置にて、測色値演算モデルを学習させることができる。
請求項4に係る発明によれば、人の色の見え方に影響を与える白を特定色として、ディスプレイのカラープロファイルを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る色調整装置の構成概略図である。
【
図6】目標測色値情報の取得処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】印刷媒体を測色したときの分光分布特性の例を示す図である。
【
図8】ディスプレイを測色したときの分光分布特性の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態に係る色調整装置10の構成概略図である。色調整装置10は、ディスプレイD又は対象ディスプレイTDに画面を表示させるためのグラフィックボードを備えた装置である。色調整装置10は、代表的にはパーソナルコンピュータであるが、ディスプレイD又は対象ディスプレイTDに画面を表示させることが可能であり、且つ、ディスプレイD又は対象ディスプレイTDのカラープロファイルを調整可能であれば、どのような装置であってもよい。なお、ディスプレイD及び対象ディスプレイTDは、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)などから構成されるものである。ディスプレイDとは、後述の学習データ16を取得するために用いられるディスプレイであり、対象ディスプレイTDとは、後述の測色値演算モデル18を用いたカラープロファイルの調整対象となるディスプレイである。
【0014】
入力インターフェース12は、例えばマウス、キーボード、あるいはタッチパネルなどから構成される。入力インターフェース12は、ユーザが種々の命令を色調整装置10に入力するために用いられる。
【0015】
メモリ14は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)、あるいはRAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。メモリ14は、後述のプロセッサ20とは別に設けられてもよいし、少なくとも一部がプロセッサ20の内部に設けられていてもよい。メモリ14には、色調整装置10の各部を動作させるための色調整プログラムが記憶される。なお、色調整プログラムは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ又はCD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体に格納することもできる。色調整装置10は、そのような記憶媒体から色調整プログラムを読み取って実行することができる。また、
図1に示すように、メモリ14には、学習データ16及び測色値演算モデル18が記憶される。
【0016】
学習データ16は、測色値演算モデル18を学習させるためのデータである。学習データ16は、学習データ取得者によって取得され、メモリ14に記憶される。
図2は、学習データ16の例を示す図である。学習データ16は、紙などの印刷媒体上の特定色を測色して得られた媒体測色値16a、印刷媒体上の当該特定色と同等の色で表示されるように調整されたディスプレイD上の当該特定色を測色して得られたディスプレイ測色値を示すディスプレイ測色値情報16b、及び、調整前のディスプレイD上の当該特定色の分光分布特性16cの組み合わせから構成される。以下、学習データ16の取得方法について説明する。
【0017】
まず、媒体測色値16aの取得方法を説明する。媒体測色値16aは、学習データ取得者が、測色計を用いて印刷媒体上の特定色を測色することで取得される。これに限られるものではないが、測色のし易さの観点から、印刷媒体上の特定色とは、例えば、印刷媒体そのものの色、すなわち、印刷がされていない背景部分の色であるとよい。
【0018】
また、これに限られるものではないが、特定色は白であるとよい。上述のように、あるいは詳しくは後述するように、学習データ16に含まれるディスプレイ測色値情報16bは、印刷媒体上の特定色とディスプレイD上の特定色とが見た目上同じになるように調整されたときのディスプレイ測色値を示すものである。すなわち、ディスプレイ測色値情報16bは、特定色を基準に調整されたディスプレイD上の特定色を測色して得られるものである。ここで、人が色を見る場合、白を基準として見るという傾向があり、白の見え方が白のみならず他の色の見え方にも影響を及ぼす場合がある。したがって、人の色の見え方に影響を与える白を特定色とするのがよい。
【0019】
本実施形態では、測色値は、CIE 1931 XYZ色空間で表されるものとする。より具体的には、測色値は、
図3に示すxy色度図のxy座標で表されるものとする。もちろん、測色値の表現方法はこれに限るものではない。
【0020】
次に、ディスプレイ測色値情報16bの取得方法を説明する。まず、学習データ取得者は、媒体測色値16aの測色対象である印刷媒体をスキャナで光学的に読み取る、あるいは、撮影するなどの方法で画像データを取得し、当該画像データをディスプレイDに表示させる。そして、学習データ取得者は、ディスプレイD上の特定色が印刷媒体上の特定色と同等の色となるように、ディスプレイDのカラープロファイルを調整する。例えば、学習データ取得者は、画像データと共に、
図3に示すようなxy色度図をディスプレイDに表示させ、xy色度図上で特定色を指定することでディスプレイDのカラープロファイルを調整することができる。
【0021】
カラープロファイルは、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)それぞれについての、
図4に示すような階調補正曲線を含んで構成される。階調補正曲線は、画像データの各画素値が有する画素値(RGB値)である入力値と、当該画像データがディスプレイDに表示されるときの当該入力値に対応する画素値(RGB値)である出力値との関係を示す曲線(又は直線)である。カラープロファイルを調整することで、同一の画像データを表示させたときのディスプレイD上の色合いが変化する。
【0022】
カラープロファイルの調整後、学習データ取得者は、ディスプレイD上の(換言すればディスプレイDに表示された)特定色を測色計を用いて測色し、ディスプレイ測色値を得る。ディスプレイ測色値情報16bとしては、このように取得したディスプレイ測色値そのものであってもよいが、本実施形態では、学習データ取得者は、ディスプレイ測色値と媒体測色値16aとの差分を演算し、当該差分をディスプレイ測色値情報16bとしている。本実施形態では、ディスプレイ測色値と媒体測色値16aとの差分は、ディスプレイ測色値のx値と媒体測色値16aのx値の差分、及び、ディスプレイ測色値のy値と媒体測色値16aのy値の差分で表されている。
【0023】
最後に、分光分布特性16cの取得方法を説明する。分光分布特性16cは、上述のカラープロファイルを調整する前の、ディスプレイD上の特定色の分光分布特性である。すなわち、学習データ取得者は、媒体測色値16aの測色対象である印刷媒体に対応する画像データをディスプレイDに表示させた後、ディスプレイDのカラープロファイルを調整する前に、ディスプレイD上の特定色を測色することで、分光分布特性16cを取得する。
【0024】
分光分布特性16cは、例えば
図8に示すようなグラフで表すことができるが、学習モデルには数値しか入力することができないため、分光分布特性16cはパラメータ列で表現されている。具体的には、分光分布特性16cは、光の強度(比エネルギー)のピークとなる波長(特定色が白の場合、当該ピークは3つある)、及び、各ピークの半値幅などが含まれる。
【0025】
学習データ取得者は、上述のように取得した媒体測色値16a、ディスプレイ測色値情報16b、及び、分光分布特性16cを関連付けて、学習データ16としてメモリ14に記憶させる。
【0026】
学習データ取得者は、複数の学習データ16を取得してメモリ14に記憶させる。具体的には、学習データ取得者は、複数種類の印刷媒体についての学習データ16を取得する。複数種類の印刷媒体は、特定色(本実施形態では白)が互いに異なる印刷媒体である。例えば、学習データ取得者は、複数の白の紙であって、白の具合が微妙に互いに異なる複数の印刷媒体に関する複数の学習データ16を取得する。
【0027】
学習データ16は、少なくとも3つ用意される。
図5は、複数の印刷媒体についての媒体測色値16aの分布を示す図である。学習データ16としては、少なくとも、複数の印刷媒体についての媒体測色値16aの分布において、両端近傍にある媒体測色値C1及びC2、並びに、当該分布の中心近傍に位置する媒体測色値C3に対応する3つの印刷媒体についての3つ学習データ16を取得するとよい。これにより、できるだけ少ない学習データ16によって、学習後の測色値演算モデル18を一定の精度とすることができる。
【0028】
図1に戻り、測色値演算モデル18は、例えば、多項式近似や最尤法を利用したモデル、あるいは、ニューラルネットワークなどから構成される学習モデルである。測色値演算モデル18は、学習データ16に基づいて、教師有り学習により学習される。測色値演算モデル18の学習処理の詳細については、プロセッサ20(特に学習処理部22)の処理と共に後述する。
【0029】
プロセッサ20は、広義的な処理装置を指し、汎用的な処理装置(例えばCPU(Central Processing Unit)など)、及び、専用の処理装置(例えばGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、あるいは、プログラマブル論理デバイスなど)の少なくとも1つを含んで構成される。プロセッサ20としては、1つの処理装置によるものではなく、物理的に離れた位置に存在する複数の処理装置の協働により構成されるものであってもよい。
図1に示す通り、プロセッサ20は、メモリ14に記憶された色調整プログラムにより、学習処理部22、目標測色値取得部24、調整部26、及び提示部28としての機能を発揮する。
【0030】
学習処理部22は、学習データ16を用いて、測色値演算モデル18を学習させる。学習データ16は、媒体測色値16aと、ディスプレイ測色値情報16bと、分光分布特性16cから構成される。上述のように、印刷媒体上の特定色の測色値(媒体測色値16a)と、印刷媒体上の特定色と見た目が同じ色になるように調整されたディスプレイD上の特定色の測色値(ディスプレイ測色値)は、互いに異なる。また、この要因は、ディスプレイDの分光分布特性16cにある。学習データ16は、媒体測色値16aと、印刷媒体上の特定色と見た目が同じ色になるように調整されたディスプレイDのディスプレイ測色値と、当該ディスプレイDの分光分布特性16cの関係性を示しているということができる。
【0031】
したがって、学習データ16を用いて学習することで、測色値演算モデル18は、媒体測色値16aと、印刷媒体上の特定色と見た目が同じ色になるように調整されたディスプレイDのディスプレイ測色値と、当該ディスプレイDの分光分布特性16cの関係を予測することができるようになる。本実施形態では、学習処理部22は、媒体測色値16aと、ディスプレイD上の当該特定色の分光分布特性16cを入力とし、当該ディスプレイD上の特定色を印刷媒体上の特定色と同等の色で表示させたときのディスプレイ測色値を示す目標測色値情報を出力するように、測色値演算モデル18を学習させる。
【0032】
例えば、測色値演算モデル18が以下の式1及び式2で表される線形回帰モデルで表されるとする。
dx = a_x*A + b_x*B + … +c_x*x + d_x ・・・(式1)
dy = a_y*A + b_y*B + … +c_y*y + d_y ・・・(式2)
【0033】
式1におけるdx及び式2におけるdyは、測色値演算モデル18の出力である目標測色値情報としての、媒体測色値16aと目標とするディスプレイ測色値(すなわち印刷媒体上の特定色とディスプレイ上の特定色とが見た目上同じとなる場合のディスプレイ測色値)との差分である。なお、測色値演算モデル18の出力である目標測色値情報としては、目標とするディスプレイ測色値そのものであってもよい。
【0034】
また、式1及び式2におけるA、B、・・・は、測色値演算モデル18に入力される分光分布特性16cの各項目の値であり、式1におけるxは、測色値演算モデル18に入力される媒体測色値16aのうちのx値であり、式2におけるyは、測色値演算モデル18に入力される媒体測色値16aのうちのy値である。
【0035】
さらに、式1及び式2におけるa_x、b_x、c_xは、測色値演算モデル18に入力される各パラメータについての補正係数(換言すれば重み)であり、式1におけるd_x及び式2におけるd_yは、調整項(換言すればバイアス)である。
【0036】
学習処理においては、測色値演算モデル18は、媒体測色値16a(式1のx及び式2のy)、並びに、分光分布特性(式1及び式2のA、B・・・)が入力されると、補正係数a_x、b_x、c_x及び調整項d_x、d_yの現在の値に基づいて、目標測色値情報(式1のdx及び式2のdy)を演算する。そして、学習処理部22は、測色値演算モデル18の出力と、学習データ16のディスプレイ測色値情報16bとの差分が小さくなるように、補正係数a_x、b_x、c_x及び調整項d_x、d_yを調整する。このような学習処理を繰り返すことで、測色値演算モデル18は、媒体測色値16a及び分光分布特性16cに基づいて、目標測色値情報を高精度に出力できるようになる。
【0037】
繰り返すが、測色値演算モデル18は、式1及び式2に示すような線形回帰モデルに限られず、多項式近似や最尤法を利用したモデル、あるいは、ニューラルネットワークなどであってもよい。
【0038】
目標測色値取得部24は、学習済みの測色値演算モデル18を用いて、対象ディスプレイTDについての目標測色値情報を取得する。まず、対象印刷媒体と対象ディスプレイTDとの間で特定色の色合わせを行うユーザは、対象印刷媒体の特定色を測色して、対象印刷媒体に関する媒体測色値を取得する。また、ユーザは、対象印刷媒体に対応する画像データを対象ディスプレイTDに表示させ、対象ディスプレイTD上の特定色の分光分布特性を取得する。ユーザは、取得した、対象印刷媒体に関する媒体測色値、及び、対象ディスプレイTD上の特定色の分光分布特性を色調整装置10に入力する。
【0039】
目標測色値取得部24は、ユーザから受け付けた、対象印刷媒体に関する媒体測色値、及び、対象ディスプレイTD上の特定色の分光分布特性を、学習済みの測色値演算モデル18に入力する。これにより、測色値演算モデル18は、対象ディスプレイTD上の特定色を対象印刷媒体上の特定色と同等の色で表示させたときのディスプレイ測色値を示す、対象ディスプレイTDの目標測色値情報を出力する。本実施形態では、入力された対象印刷媒体の媒体測色値と目標のディスプレイ測色値との差分が出力される。これにより、目標測色値取得部24は、対象ディスプレイTDについての目標測色値情報を取得することができる。
【0040】
調整部26は、目標測色値取得部24が取得した、対象ディスプレイTDについての目標測色値情報に基づいて、対象ディスプレイTDのカラープロファイルを調整する。具体的には、調整部26は、対象ディスプレイTD上の特定色を測色した時の測色値が、目標測色値情報が示すディスプレイ測色値になるように、対象ディスプレイTDのカラープロファイルを自動調整する。これにより、対象印刷媒体上の特定色と、対象ディスプレイTD上の特定色とが同等の色とされる。
【0041】
提示部28は、目標測色値取得部24が取得した、対象ディスプレイTDについての目標測色値情報をユーザに提示する。例えば、提示部28は、対象ディスプレイTDに目標測色値情報を表示させる。ユーザは、提供された目標測色値情報に基づいて、対象ディスプレイTDのカラープロファイルを手動調整することができる。これにより、対象印刷媒体上の特定色と、対象ディスプレイTD上の特定色とが同等の色とされる。
【0042】
本実施形態によれば、測色値演算モデル18を一旦学習させてしまえば、以降、ユーザは、対象印刷媒体上の特定色を測色した媒体測色値と、対象ディスプレイTDの特定色の分光分布特性を取得するだけで、対象印刷媒体上の特定色と対象ディスプレイTDの特定色を同等の色とするための、対象ディスプレイTDの目標測色値情報を得ることができる。したがって、従来は、対象印刷媒体の種類の数と同じ回数だけ、対象ディスプレイTDの目標測色値情報が分からない中で、対象ディスプレイTDのカラープロファイルを調整する必要があったところ、本実施形態によれば、少なくとも学習データ16の数と同じ回数だけ、ディスプレイDのカラープロファイルを調整すればよいことになる。これにより、対象ディスプレイTDのカラープロファイルの調整にかかる手間が低減され得る。
【0043】
本実施形態に係る色調整装置10の概要は以上の通りである。以下、
図6に示すフローチャートに従って、色調整装置10の処理の流れを説明する。
【0044】
ステップS10において、学習処理部22は、学習データ取得者から学習データ16を受け付ける。
【0045】
ステップS12において、学習処理部22は、ステップS10で受け付けた学習データ16を用いて、測色値演算モデル18を学習させる。なお、ステップS10及びステップS12で表される学習ステップと、以下のステップS14~S22で表される目標測色値情報取得ステップとは、連続して行われる必要はない。
【0046】
ステップS14において、目標測色値取得部24は、対象印刷媒体の特定色を測色して得られた対象印刷媒体に関する媒体測色値をユーザから受け付ける。
【0047】
ステップS16において、目標測色値取得部24は、対象ディスプレイTDに表示された特定色を測色して得られる、対象ディスプレイTDの分光分布特性をユーザから受け付ける。
【0048】
ステップS18において、目標測色値取得部24は、ステップS14で取得した対象印刷媒体に関する媒体測色値、及び、ステップS16で取得した対象ディスプレイTDの分光分布特性を、ステップS12で学習させた学習済みの測色値演算モデル18に入力する。
【0049】
ステップS20において、学習済みの測色値演算モデル18は、対象ディスプレイTDについての目標測色値情報を出力する。これにより、目標測色値取得部24は、対象ディスプレイTDについての目標測色値情報を取得する。
【0050】
ステップS22において、調整部26は、ステップS20で取得した目標測色値情報に基づいて、対象ディスプレイTDのカラープロファイルを調整する。あるいは、ステップS22において、提示部28は、ステップS20で取得した目標測色値情報をユーザに提供する。ユーザは、提示された目標測色値情報に基づいて、対象ディスプレイTDを手動調整することができる。
【0051】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0052】
例えば、上記実施形態では、測色値演算モデル18を学習させる学習処理は、色調整装置10のプロセッサ20(特に学習処理部22)が行っていたが、測色値演算モデル18の学習処理は、必ずしも色調整装置10で行う必要はなく、他の装置で行われてもよい。その場合、学習済みの測色値演算モデル18がメモリ14に記憶され、プロセッサ20は学習処理部22としての機能を発揮しなくてもよい。
【0053】
(付記)
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
印刷媒体上の特定色を測色して得られた媒体測色値、前記印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示されるように調整されたディスプレイ上の前記特定色を測色して得られたディスプレイ測色値を示すディスプレイ測色値情報、及び、前記調整前の前記ディスプレイ上の前記特定色の分光分布特性の組み合わせからなる学習データを用いて、印刷媒体の前記媒体測色値及びディスプレイの分光分布特性に基づいて、当該ディスプレイ上の前記特定色を印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示させたときの前記ディスプレイ測色値を示す目標測色値情報を出力するように学習された測色値演算モデルに対して、対象印刷媒体に関する前記媒体測色値及び対象ディスプレイ上の前記特定色の分光分布特性を入力することで、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報を取得し、
前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報に基づいて、前記対象ディスプレイのカラープロファイルを調整する、
ことを特徴とする色調整装置。
(((2)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
印刷媒体上の特定色を測色して得られた媒体測色値、前記印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示されるように調整されたディスプレイ上の前記特定色を測色して得られたディスプレイ測色値を示すディスプレイ測色値情報、及び、前記調整前の前記ディスプレイ上の前記特定色の分光分布特性の組み合わせからなる学習データを用いて、印刷媒体の前記媒体測色値及びディスプレイの分光分布特性に基づいて、当該ディスプレイ上の前記特定色を印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示させたときの前記ディスプレイ測色値を示す目標測色値情報を出力するように学習された測色値演算モデルに対して、対象印刷媒体に関する前記媒体測色値及び対象ディスプレイ上の前記特定色の分光分布特性を入力することで、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報を取得し、
前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報をユーザに提供する、
ことを特徴とする色調整装置。
(((3)))
前記プロセッサは、前記測色値演算モデルを学習させる学習処理を実行する、
ことを特徴とする請求項(((1)))又は(((2)))に記載の色調整装置。
(((4)))
前記特定色は白である、
ことを特徴とする請求項(((1)))から(((3)))のいずれか1つに記載の色調整装置。
(((5)))
コンピュータに、
印刷媒体上の特定色を測色して得られた媒体測色値、前記印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示されるように調整されたディスプレイ上の前記特定色を測色して得られたディスプレイ測色値を示すディスプレイ測色値情報、及び、前記調整前の前記ディスプレイの分光分布特性の組み合わせからなる学習データを用いて、印刷媒体の前記媒体測色値及びディスプレイの分光分布特性に基づいて、当該ディスプレイ上の前記特定色を印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示させたときの前記ディスプレイ測色値を示す目標測色値情報を出力するように学習された測色値演算モデルに対して、対象印刷媒体に関する前記媒体測色値及び対象ディスプレイの分光分布特性を入力させることで、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報を取得させ、
前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報に基づいて、前記対象ディスプレイのカラープロファイルを調整させる、
ことを特徴とする色調整プログラム。
(((6)))
コンピュータに、
印刷媒体上の特定色を測色して得られた媒体測色値、前記印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示されるように調整されたディスプレイ上の前記特定色を測色して得られたディスプレイ測色値を示すディスプレイ測色値情報、及び、前記調整前の前記ディスプレイの分光分布特性の組み合わせからなる学習データを用いて、印刷媒体の前記媒体測色値及びディスプレイの分光分布特性に基づいて、当該ディスプレイ上の前記特定色を印刷媒体上の前記特定色と同等の色で表示させたときの前記ディスプレイ測色値を示す目標測色値情報を出力するように学習された測色値演算モデルに対して、対象印刷媒体に関する前記媒体測色値及び対象ディスプレイの分光分布特性を入力させることで、前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報を取得させ、
前記対象ディスプレイについての前記目標測色値情報をユーザに提供させる、
ことを特徴とする色調整プログラム。
【0054】
(((1)))、(((2)))、(((5)))、又は(((6)))に係る発明によれば、媒体測色値とディスプレイ測色値が一致したときの、印刷媒体上の特定色とディスプレイ上の特定色の見た目の差異を考慮しつつ、印刷媒体上の色とディスプレイ上の色とを同等にするためのディスプレイのカラープロファイルの調整にかかる手間を低減することができる。
(((3)))に係る発明によれば、本発明に係る色調整装置にて、測色値演算モデルを学習させることができる。
(((4)))に係る発明によれば、人の色の見え方に影響を与える白を特定色として、ディスプレイのカラープロファイルを調整することができる。
【符号の説明】
【0055】
10 色調整装置、12 入力インターフェース、14 メモリ、16 学習データ、16a 媒体測色値、16b ディスプレイ測色値情報、16c 分光分布特性、18 測色値演算モデル、20 プロセッサ、22 学習処理部、24 目標測色値取得部、26 調整部、28 提示部、D ディスプレイ、TD 対象ディスプレイ。