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特開2024-40040コンクリート表面処理材及びコンクリート表面処理材の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040040
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】コンクリート表面処理材及びコンクリート表面処理材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B28B 7/16 20060101AFI20240315BHJP
   B28B 7/34 20060101ALI20240315BHJP
   B28B 7/36 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
B28B7/16 C
B28B7/34 F
B28B7/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144858
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】513243457
【氏名又は名称】上田 利子
(74)【代理人】
【識別番号】100174805
【弁理士】
【氏名又は名称】亀山 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】上田 利子
【テーマコード(参考)】
4G053
【Fターム(参考)】
4G053AA15
4G053BB13
4G053BC03
4G053CA21
4G053DA03
4G053EA31
(57)【要約】
【課題】多種多様な寸法や形状のコンクリート表面処理材及びコンクリート表面処理材の製造方法を提供する。
【解決手段】コンクリート表面処理材2は、第1溝部11M及び第2溝部12Mが形成されたベース材10と、第1溝部11Mに嵌合可能な第1嵌合部材21と、第2溝部12Mに嵌合可能な第2嵌合部材22と、第1溝部11Mに対して第1嵌合部材21を固定するビス31(第1固定部材)と、第2溝部12Mに対して第2嵌合部材22を固定するビス32(第2固定部材)と、熱収縮シート50と、を備える。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート構造体の表面に対し窪みを形成するための窪み形成部を有するとともに、前記窪み形成部に第1溝部及び第2溝部が形成されたベース材と、
前記第1溝部に嵌合可能な第1嵌合部材と、
前記第2溝部に嵌合可能な第2嵌合部材と、
前記第1溝部に対して前記第1嵌合部材を固定する第1固定部材と、
前記第2溝部に対して前記第2嵌合部材を固定する第2固定部材と、
前記窪み形成部を覆う熱収縮シートと、を備え、
前記熱収縮シートの第1シート端部は、前記第1溝部と前記第1嵌合部材とによって挟まれるとともに、前記第1固定部材によって前記ベース材に固定され、
前記熱収縮シートの第2シート端部は、前記第2溝部と前記第2嵌合部材とによって挟まれるとともに、前記第2固定部材によって前記ベース材に固定されたことを特徴とするコンクリート表面処理材。
【請求項2】
前記ベース材は、
前記第1溝部が形成された第1ベース材と、
前記第2溝部が形成された第2ベース材と、を備え、
前記第1ベース材と前記第2ベース材とは連結し、
前記窪み形成部における前記第1ベース材及び前記第2ベース材は面一であることを特徴とする請求項1記載のコンクリート表面処理材。
【請求項3】
前記第2ベース材は、前記第1嵌合部材を覆うことを特徴とする請求項2記載のコンクリート表面処理材。
【請求項4】
前記ベース材の厚みは、前記第1溝部又は前記第2溝部が延びる方向に向かうにしたがって薄くなることを特徴とする請求項1記載のコンクリート表面処理材。
【請求項5】
コンクリート構造体の表面に対し窪みを形成するための窪み形成部を有するとともに、前記窪み形成部の両側に第1溝部及び第2溝部が形成されたベース材に対して、前記窪み形成部を覆うように熱収縮シートを配置するシート配置ステップと、
前記熱収縮シートの前記第1シート端部を前記第1溝部と第1嵌合部材とによって挟む第1シート端部挟みステップと、
前記熱収縮シートの前記第2シート端部を前記第2溝部と第2嵌合部材とによって挟む第2シート端部挟みステップと、
前記第1シート端部、前記第1嵌合部材及び前記ベース材を連結する第1連結ステップと、
前記第2シート端部、前記第2嵌合部材及び前記ベース材を連結する第2連結ステップと、
前記熱収縮シートを加熱する加熱ステップと、を備え、
前記シート配置ステップでは、
前記熱収縮シートの第1シート端部を前記第1溝部に配置され、
前記熱収縮シートの第2シート端部を前記第2溝部に配置されることを特徴とするコンクリート表面処理材の製造方法。
【請求項6】
前記シート配置ステップの前に行われ、熱収縮チューブを切断して前記熱収縮シートを得る切断ステップをさらに備えることを特徴とする請求項5記載のコンクリート表面処理材の製造方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート表面処理材及びコンクリート表面処理材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物は、所定形状に組み合わせたコンクリート型枠内にコンクリートを打設して形成される。コンクリート構造物の表面に溝等の窪み部分を形成したい場合には、窪み部分に応じたコンクリート表面処理材(例えば、面木、目地棒、アンコ材等)をコンクリート型枠内に固定した後に、コンクリートを打設する。コンクリートが固まるとコンクリート型枠と一緒にコンクリート表面処理材を取り外していたが、その後のコンクリート表面処理材には、コンクリートが付着してしまうため、一度使ったクリート表面処理材は再利用ができず廃材となっていた。
【0003】
このような背景より、コンクリート表面処理材として、熱収縮チューブによってコーティングされたコンクリート表面処理材が知られている(例えば、特許文献1)。このようなコンクリート表面処理材によれば、コンクリートに対する離型性が優れているため、解体後のコンクリート表面処理材にコンクリートが付着しないため、コンクリート表面処理材の再利用が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3202509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のコンクリート表面処理材は、熱収縮チューブの中に木製ベース材を挿入して、熱収縮チューブに加熱することにより得られる。このため、熱収縮チューブの内径よりも大きなコンクリート表面処理材を得ることができない。さらに、熱収縮チューブを加熱すると、その収縮は一様である。このため、木製ベース材の厚みや径は一定でない場合には、加熱後の熱収縮チューブが木製ベース材に対して密着しない。
【0006】
本発明は、斯かる実情に鑑み、従来に比べて、多種多様な寸法や形状のコンクリート表面処理材及びコンクリート表面処理材の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコンクリート表面処理材は、コンクリート構造体の表面に対し窪みを形成するための窪み形成部を有するとともに、前記窪み形成部に第1溝部及び第2溝部が形成されたベース材と、前記第1溝部に嵌合可能な第1嵌合部材と、前記第2溝部に嵌合可能な第2嵌合部材と、前記第1溝部に対して前記第1嵌合部材を固定する第1固定部材と、前記第2溝部に対して前記第2嵌合部材を固定する第2固定部材と、前記窪み形成部を覆う熱収縮シートと、を備え、前記熱収縮シートの第1シート端部は、前記第1溝部と前記第1嵌合部材とによって挟まれるとともに、前記第1固定部材によって前記ベース材に固定され、前記熱収縮シートの第2シート端部は、前記第2溝部と前記第2嵌合部材とによって挟まれるとともに、前記第2固定部材によって前記ベース材に固定されたことを特徴とする。また、本発明のコンクリート表面処理材の製造方法は、コンクリート構造体の表面に対し窪みを形成するための窪み形成部を有するとともに、前記窪み形成部の両側に第1溝部及び第2溝部が形成されたベース材に対して、前記窪み形成部を覆うように熱収縮シートを配置するシート配置ステップと、前記熱収縮シートの前記第1シート端部を前記第1溝部と第1嵌合部材とによって挟む第1シート端部挟みステップと、前記熱収縮シートの前記第2シート端部を前記第2溝部と第2嵌合部材とによって挟む第2シート端部挟みステップと、前記第1シート端部、前記第1嵌合部材及び前記ベース材を連結する第1連結ステップと、前記第2シート端部、前記第2嵌合部材及び前記ベース材を連結する第2連結ステップと、前記熱収縮シートを加熱する加熱ステップと、を備え、前記シート配置ステップでは、前記熱収縮シートの第1シート端部を前記第1溝部に配置され、前記熱収縮シートの第2シート端部を前記第2溝部に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、多種多様な寸法や形状のコンクリート表面処理材及びコンクリート表面処理材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1のコンクリート表面処理材の使用方法の概要を説明する断面図である。
図2】第1のコンクリート表面処理材の製造方法の概要を説明する斜視図である。
図3】第1のコンクリート表面処理材の概要を説明する側面図である。
図4】第2のコンクリート表面処理材の製造方法の概要を説明する斜視図である。
図5】第3のコンクリート表面処理材の使用方法の概要を説明する断面図である。
図6】第3のコンクリート表面処理材の製造方法の概要を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示すように、コンクリート表面処理材2は、コンクリート構造体Cの表面に対し窪みCXを形成するためのものである。ここで、コンクリート表面処理材2は、用いられる用途等によって、目地棒、面木、アンコ材やコア材等と呼ばれる。
【0011】
以降、説明の便宜上、水平面における任意の方向をX方向とし、水平面においてX方向に直交する方向をY方向とし、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向とする。
【0012】
図2~3に示すように、コンクリート表面処理材2は、第1溝部11M及び第2溝部12Mが形成されたベース材10と、第1溝部11Mに嵌合可能な第1嵌合部材21と、第2溝部12Mに嵌合可能な第2嵌合部材22と、第1溝部11Mに対して第1嵌合部材21を固定するビス31(第1固定部材)と、第2溝部12Mに対して第2嵌合部材22を固定するビス32(第2固定部材)と、熱収縮シート50と、を備える。
【0013】
ベース材10は、木製であり、X方向に長く伸びる四角柱状に形成される。ベース材10のうち、下面10U及び側面10Sは、コンクリート構造体Cの表面に窪みCXを形成するための窪み形成面(窪み形成部)であり、上面10Tは、型枠W等に取り付けるための取付面となる。
【0014】
第1溝部11M及び第2溝部12Mは、いずれも上面10TにおいてX方向に長く伸びる。第1溝部11M及び第2溝部12Mによって形成される溝は、2つの斜面からなり、断面形状は、V字状となっている。
【0015】
第1嵌合部材21及び第2嵌合部材22は、木製であり、それぞれ、X方向に長く伸びる三角柱状に形成される。第1嵌合部材21のZ方向の先端(図中の下端)は、尖っており、その断面形状は、V字状となっているため、第1溝部11Mに嵌合可能となっている。同様に、第2嵌合部材22のZ方向の先端(図中の下端)は、尖っており、その断面形状は、V字状となっているため、第2溝部12Mに嵌合可能となっている。
【0016】
熱収縮シート50は、加熱により収縮する性能を持つ材料からなるシートであり、下面10U及び側面10S(窪み形成部)を覆うように配される。熱収縮シート50の形成材料は、ポリスチレン、ポリエステル、塩化ビニル等、加熱により収縮する性能を持つプラスチックであればよい。
【0017】
X方向における熱収縮シート50の長さは、X方向におけるベース材10の長さにほぼ等しいことが好ましい。これにより、熱収縮シート50は、ベース材10のうち、第1溝部11Mから、ベース材10の下面10Uを経由して、第2溝部12Mまでの部分を覆うことができる。
【0018】
熱収縮シート50の第1シート端部51は、第1溝部11Mと第1嵌合部材21とによって挟まれる。さらに、熱収縮シート50の第1シート端部51は、ビス31によってベース材10に固定される。同様に、熱収縮シート50の第2シート端部52は、第2溝部12Mと第2嵌合部材22とによって挟まれ、ビス32によってベース材10に固定される。熱収縮シート50は、後述する加熱ステップにより収縮した状態で、第1溝部11Mから、下面10U及び側面10S(窪み形成部)を介して、第2溝部12Mに至るまでの範囲において密着している。
【0019】
次に、コンクリート表面処理材2の作り方について説明する。
【0020】
(シート配置ステップ)
図2(A)~2(B)に示すように、ベース材10に対し、下面10U及び側面10Sを覆うように熱収縮シート50を配置する。このとき、熱収縮シート50の第1シート端部51を第1溝部11Mに配置し、熱収縮シート50の第2シート端部52を第2溝部12Mに配置する。
【0021】
(端部挟みステップ)
図2(C)に示すように、熱収縮シート50の第1シート端部51を第1溝部11Mと第1嵌合部材21とによって挟むとともに、熱収縮シート50の第2シート端部52を第2溝部12Mと第2嵌合部材22とによって挟む。
【0022】
(連結ステップ)
図2(D)に示すように、ビス31を用いて、第1シート端部51、第1嵌合部材21及びベース材10を連結するとともに、ビス32を用いて、第2シート端部52、第2嵌合部材22及びベース材10を連結する。このとき、ビス31やビス32の頂部や、第1嵌合部材21や第2嵌合部材22の頂部は、上面10Tに対して面一であるか、上面10Tよりも内側へ退避していることが好ましい。
【0023】
(加熱ステップ)
熱収縮シート50を加熱する。これにより、熱収縮シート50は下面10U及び側面10Sを被覆するように収縮する(図3)。
【0024】
これにより、コンクリート表面処理材2が得られる。
【0025】
次に、コンクリート表面処理材2の使い方について説明する。
【0026】
図1(A)に示すように、4つの型枠プレートPを用いて型枠Wを形成する。次に、コンクリート表面処理材2のうち上面10Tに接着剤を塗布する。所定の型枠プレートPに対して上面10Tが接するようにコンクリート表面処理材2を配する。これにより、型枠プレートPに対して上面10Tが固着する。このとき、型枠Wの内部空間に下面10U(図3)及び側面10S(図3)を覆う熱収縮シート50が露出する。
【0027】
図1(B)に示すように、型枠Wの内部空間にコンクリートCを打設する。コンクリートCが乾燥した後、型枠W及びコンクリート表面処理材2を取り外すと、図1(C)に示すように、コンクリート表面処理材2の跡が、コンクリート構造体Cにおいて窪みCXとなる。コンクリートとコンクリート表面処理材2の間には、コンクリートに対する離型性の良い熱収縮シート50が存在するため、コンクリート表面処理材2にコンクリートが付着しない。このため、コンクリート表面処理材2を再利用できる。
【0028】
このように、コンクリート表面処理材2では、第1溝部11Mから、下面10U及び側面10S(窪み形成部)を介して第2溝部12Mにかけて配された熱収縮シート50に対して、加熱を行うため、ベース材10の寸法によらず、ベース材10の所定範囲に対し熱収縮シート50を密着させることができる。
【0029】
上記実施形態では、ベース材10の厚み(Z方向)がX方向において一定であったが、本発明はこれに限られず、X方向において厚みが漸減するベース材を用いてもよい。この場合には、以下のように行ってもよい。
【0030】
(シート配置ステップ)
図4(A)に示すように、ベース材10の及びを覆うように熱収縮シート50を配置する。このとき、熱収縮シート50の第1シート端部51を第1溝部11Mに配置し、熱収縮シート50の第2シート端部52を第2溝部12Mに配置する。これにより、熱収縮シート50の両端部において、第1溝部11Mよりも端側及び第2溝部12Mよりも端側は余分な部分となる。このため、第1溝部11Mよりも端側及び第2溝部12Mよりも端側に切断線CLが設定される。
【0031】
(切断ステップ)
図4(B)に示すように、熱収縮シート50を切断線CLにて切断する。
【0032】
(端部挟みステップ)
図4(C)に示すように、熱収縮シート50の第1シート端部51を第1溝部11Mに配置し、熱収縮シート50の第2シート端部52を第2溝部12Mに配置する。その後、熱収縮シート50の第1シート端部51を第1溝部11Mと第1嵌合部材21とによって挟むとともに、熱収縮シート50の第2シート端部52を第2溝部12Mと第2嵌合部材22とによって挟む(図4(D))。
【0033】
(連結ステップ)
ビス31を用いて、第1シート端部51、第1嵌合部材21及びベース材10を連結するとともに、ビス32を用いて、第2シート端部52、第2嵌合部材22及びベース材10を連結する。このとき、ビス31やビス32の頂部や、第1嵌合部材21や第2嵌合部材22の頂部は、上面10Tと面一であるか、上面10Tよりも内側へ退避していることが好ましい。
【0034】
(加熱ステップ)
熱収縮シート50を加熱する。これにより、熱収縮シート50は下面10U及び側面10Sを被覆するように収縮する。
【0035】
これにより、コンクリート表面処理材2が得られる。
【0036】
なお、切断ステップは、端部挟みステップの後で行ってもよい。
【0037】
上記実施形態では、1つの部材からベース材を得たが、本発明はこれに限られず、複数の部材からなるベース材を用いてもよい。以下、その例について説明する。
【0038】
図5に示すように、コンクリート表面処理材102は、一方側本体102Aと、他方側本体102Bと、を備える。他方側本体102Bは、一方側本体102Aとほぼ同様の構造であるため、一方側本体102Aについて説明する。
【0039】
図6に示すように、一方側本体102Aは、第1溝部111Mが形成された第1ベース材111と、第2溝部112Mが形成された第2ベース材112と、第1溝部111Mに嵌合可能な第1嵌合部材121と、第2溝部112Mに嵌合可能な第2嵌合部材122と、第1溝部111Mに対して第1嵌合部材121を固定するビス131(第1固定部材)と、第2溝部112Mに対して第2嵌合部材122を固定するビス132(第2固定部材)と、熱収縮シート150と、を備える。
【0040】
第1ベース材111は、木製であり、X方向に延びる四角柱状に形成されるものであり、YZ平面に表れる断面形状は台形状となっている。第1ベース材111のうち、下面111U及び斜面111Sは、コンクリート構造体Cの表面に窪みCXを形成するための窪み形成面(窪み形成部)であり、垂直側面111Rは、第2ベース材112に取り付けるための取付面となる。また、上面111Tは、窪み形成面と取付面の間にある面となる。第1溝部111Mは、垂直側面111Rに設けられる。第1溝部111Mは、断面コ字状に形成される。
【0041】
第2ベース材112は、木製であり、X方向に延びる四角柱状に形成されるものであり、YZ平面に表れる断面形状は長方形状となっている。第2ベース材112のうち、下面112Uは、コンクリート構造体Cの表面に窪みCXを形成するための窪み形成面(窪み形成部)であり、片方の側面112S1は、第1ベース材111の垂直側面111Rに取り付けるための取付面となり、もう片方の側面112S2は、他方側本体102Bに当接するための当接面となる。第2溝部112Mは、もう片方の側面112S2に設けられる。第1溝部112Mは、断面コ字状に形成される。
【0042】
第1嵌合部材121及び第2嵌合部材122は、それぞれ、X方向に長く伸びる四角柱状に形成される。第1嵌合部材121は、第1溝部111Mに嵌合可能となっており、第2嵌合部材122は、第2溝部112Mに嵌合可能となっている。
【0043】
熱収縮シート150は、加熱により収縮する性能を持つ材料からなるシートであり、第1ベース材111の第1溝部111Mから第2ベース材112の第2溝部112Mまでを覆うように配される。
【0044】
熱収縮シート150の第1シート端部151は、第1溝部111Mと第1嵌合部材121とによって挟まれる。片方の側面112S1が第1嵌合部材121を覆うように、第2ベース材112が配される。ビス131は、第2ベース材112及び第1溝部111Mに嵌合する第1嵌合部材121を貫通して、先端は、第1ベース材111まで到達する。ビス131により、第1ベース材111、第1嵌合部材121及び第2ベース材112が連結し、第1シート端部151は、第1嵌合部材121とともに第1ベース材111に固定される。熱収縮シート150の第2シート端部152は、第2溝部112Mと第2嵌合部材122とによって挟まれる。第2シート端部152は、ビス32によって、第2嵌合部材122とともに第2ベース材112に固定される。熱収縮シート150は、加熱ステップにより収縮した状態で、第1溝部111Mから、下面111U、斜面111S及び下面112U(窪み形成部)を介して、第2溝部112Mに至るまでの範囲において密着している。
【0045】
図5(A)のように、一方側本体102Aの下面102Uと他方側本体102Bの下面102Uとが面一となるように、一方側本体102Aの側面102Sと他方側本体102Bの側面102Sとを当接する。これにより、コンクリート表面処理材102が得られる。
【0046】
次に、コンクリート表面処理材2の作り方について説明する。
【0047】
(シート配置ステップ)
図6(B)に示すように、第1ベース材111に対し、下面111U、斜面111S及び下面112U(窪み形成面)を覆うように熱収縮シート150を配置する。このとき、熱収縮シート150の第1シート端部151を第1溝部111Mに配置する。
【0048】
(第1連結ステップ)
熱収縮シート150の第1シート端部151を第1溝部111Mと第1嵌合部材121とによって挟むとともに、第2ベース材112により第1嵌合部材121を覆う。ビス131は、第2ベース材112を介して、第1溝部111Mに対して第1嵌合部材121を固定する。ビス131により、第1シート端部151、第1ベース材111、第1嵌合部材121及び第2ベース材112が一体となる。
【0049】
(第2連結ステップ)
次に、熱収縮シート150の第2シート端部152は第2溝部112Mに配置する。このとき、ビス131は、熱収縮シート150によって覆われる。その後、熱収縮シート150の第2シート端部152を第2溝部112Mと第2嵌合部材122とによって挟む。第2シート端部152は、ビス132によって、第2嵌合部材122とともに第2ベース材112に固定されるこのとき、第1嵌合部材121の頂部は、垂直側面111Rと面一であるか、垂直側面111Rよりも内側へ退避していることが好ましい。また、ビス131やビス132の頂部や、第2嵌合部材122の頂部は、側面112S2と面一であるか、側面112S2よりも内側へ退避していることが好ましい。
【0050】
(加熱ステップ)
熱収縮シート150を加熱する。これにより、熱収縮シート150は、第1溝部111Mから、垂直側面111R、上面111O、斜面111S、下面111U、下面112U及び側面112S2を被覆するように収縮する(図6(A))。
【0051】
これにより、コンクリート表面処理材102が得られる。
【0052】
上記実施形態では、第1溝部11M及び第2溝部12Mの断面形状はV字状であるとしたが、本発明はこれに限られず、第1嵌合部材21及び第2嵌合部材22とによって、熱収縮シート50の第1シート端部51及び第2シート端部52を挟むことが可能なものであれば、断面形状はU字状やコ字状であってもよい。
【0053】
上記実施形態では、ベース材10に形成された第1溝部11M及び第2溝部12Mは平行に形成されたが、本発明はこれに限られない。
【0054】
上記実施形態では、木製のベース材10を用いたが、本発明はこれに限られず、本発明の趣旨の範囲内であれば、他の材料からなるベース材10でもよい。
【0055】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0056】
2 コンクリート表面処理材
10 ベース材
11M 第1溝部
12M 第2溝部
21 第1嵌合部材
22 第2嵌合部材
31 ビス
32 ビス
50 熱収縮シート
102 コンクリート表面処理材
102S 側面
102U 下面
102A 一方側本体
102B 他方側本体
111S 斜面
111T 垂直側面
111U 下面
111O 上面
111T 垂直側面
112S1 側面
112S2 側面
112U 下面
112S2 側面
131 ビス
132 ビス
150 熱収縮シート

図1
図2
図3
図4
図5
図6