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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040041
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240315BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20240315BHJP
   G02F 1/1339 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
G09F9/30 349C
G02F1/1368
G02F1/1339 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144860
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】尾関 芳孝
(72)【発明者】
【氏名】森口 幸志郎
【テーマコード(参考)】
2H189
2H192
5C094
【Fターム(参考)】
2H189DA06
2H189DA08
2H189DA10
2H189DA11
2H189DA16
2H189DA18
2H189DA31
2H192AA24
2H192BC34
2H192BC35
2H192CB02
2H192CB37
2H192CB81
2H192CC02
2H192CC42
2H192GD22
2H192GD23
5C094AA09
5C094BA03
5C094BA27
5C094BA43
5C094BA52
5C094BA75
5C094DA13
5C094DA15
5C094DB01
5C094EA04
5C094EA05
5C094ED15
5C094FB14
(57)【要約】
【課題】表示装置において、高精細化された画素におけるクロストークを低減する。
【解決手段】表示装置は、第1基板の上に、第1方向及び第1方向と交差する第2方向に沿って配置された複数の画素を有し、複数の画素の各々は、トランジスタと、トランジスタよりも上層に設けられ、トランジスタと電気的に接続される第1透明導電層と、第1透明導電層よりも上層に設けられた第1絶縁層と、第1絶縁層に設けられ、第1方向に並んで配置された複数の画素に亘って延在する開口を介して第1透明導電層と電気的に接続される第2透明導電層と、第2透明導電層の上に設けられ、開口の内部を充填する充填部材と、第1絶縁層及び充填部材の上に設けられた第3透明導電層と、第3透明導電層と接する金属層と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板の上に、第1方向及び前記第1方向と交差する第2方向に沿って配置された複数の画素を有し、
前記複数の画素の各々は、
トランジスタと、
前記トランジスタよりも上層に設けられ、前記トランジスタと電気的に接続される第1透明導電層と、
前記第1透明導電層よりも上層に設けられた第1絶縁層と、
前記第1絶縁層に設けられ、前記第1方向に並んで配置された複数の画素に亘って延在する開口を介して前記第1透明導電層と電気的に接続される第2透明導電層と、
前記第2透明導電層の上に設けられ、前記開口の内部を充填する充填部材と、
前記第1絶縁層及び前記充填部材の上に設けられた第3透明導電層と、
前記第3透明導電層と接する金属層と、を有する、表示装置。
【請求項2】
前記トランジスタは、酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層に対向するゲート配線と、前記酸化物半導体層と前記ゲート配線との間のゲート絶縁層と、を有し、
前記ゲート配線は、前記開口と重畳するように第1方向に沿って延在する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記充填部材は、前記第1絶縁層の上に設けられた前記第2透明導電層の上面よりも突出した突出部を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記突出部の上に、前記第3透明導電層及び前記金属層が設けられる、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
第1基板の上に、第1方向及び前記第1方向と交差する第2方向に沿って配置された複数の画素を有し、
前記複数の画素の各々は、
トランジスタと、
前記トランジスタよりも上層に設けられ、前記トランジスタと電気的に接続される第1透明導電層と、
前記第1透明導電層よりも上層に設けられた第1絶縁層と、
前記第1絶縁層に設けられ、前記第1方向に並んで配置された複数の画素に亘って延在する開口を介して前記第1透明導電層と電気的に接続される第2透明導電層と、
前記第2透明導電層の上に設けられた第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上に設けられた第3透明導電層と、
前記第3透明導電層の上に設けられ、前記開口の内部を充填する充填部材と、
前記第3透明導電層及び前記充填部材の上に設けられた金属層と、を有する、表示装置。
【請求項6】
前記トランジスタは、酸化物半導体層と、前記酸化物半導体層に対向するゲート配線と、前記酸化物半導体層と前記ゲート配線との間のゲート絶縁層と、を有し、
前記ゲート配線は、前記開口と重畳するように第1方向に沿って延在する、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1基板と、前記酸化物半導体層との間に遮光層をさらに有し、
前記遮光層は、前記開口と重畳するように第1方向に沿って延在する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記充填部材は、前記第1絶縁層の上に設けられた前記第2透明導電層の上面よりも突出した突出部を有する、請求項5に記載の表示装置。
【請求項9】
前記突出部の上に前記金属層が設けられる、請求項8に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、表示装置に関する。特に、本発明の一実施形態は、酸化物半導体を含むトランジスタが用いられた表示装置に関する。また、本発明の一実施形態は、表示装置のアレイ基板に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、アモルファスシリコン、低温ポリシリコン、および単結晶シリコンに替わり、酸化物半導体をチャネルに用いたトランジスタの開発が進められている(例えば、特許文献1、2参照)。酸化物半導体がチャネルに用いられたトランジスタは、アモルファスシリコンがチャネルに用いられたトランジスタと同様に、単純な構造かつ低温プロセスで形成される。酸化物半導体をチャネルに用いたトランジスタは、アモルファスシリコンをチャネルに用いたトランジスタよりも高い移動度を有し、オフ電流が非常に低いことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-146819号公報
【特許文献2】特開2015-159315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示装置の画素サイズ縮小化に伴って画素電極と信号線との距離が短くなり、画素電極は信号線による容量カップリングの影響を受けやすくなる。そのため、信号線の電位によって画素電極の電位が変化するクロストークの影響が顕在化する。
【0005】
本発明の一実施形態は、表示装置において、高精細化された画素におけるクロストークを低減することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、第1基板の上に、第1方向及び第1方向と交差する第2方向に沿って配置された複数の画素を有し、複数の画素の各々は、トランジスタと、トランジスタよりも上層に設けられ、トランジスタと電気的に接続される第1透明導電層と、第1透明導電層よりも上層に設けられた第1絶縁層と、第1絶縁層に設けられ、第1方向に並んで配置された複数の画素に亘って延在する開口を介して第1透明導電層と電気的に接続される第2透明導電層と、第2透明導電層の上に設けられ、開口の内部を充填する充填部材と、第1絶縁層及び充填部材の上に設けられた第3透明導電層と、第3透明導電層と接する金属層と、を有する。
【0007】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、第1基板の上に、第1方向及び第1方向と交差する第2方向に沿って配置された複数の画素を有し、複数の画素の各々は、トランジスタと、トランジスタよりも上層に設けられ、トランジスタと電気的に接続される第1透明導電層と、第1透明導電層よりも上層に設けられた第1絶縁層と、第1絶縁層に設けられ、第1方向に並んで配置された複数の画素に亘って延在する開口を介して第1透明導電層と電気的に接続される第2透明導電層と、第2透明導電層の上に設けられた第2絶縁層と、第2絶縁層の上に設けられた第3透明導電層と、第3透明導電層の上に設けられ、開口の内部を充填する充填部材と、第3透明導電層及び充填部材の上に設けられた金属層と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の概要を示す平面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る表示装置の回路構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る表示装置の画素の画素回路を示す回路図である。
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す平面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す平面図である。
図7図5及び図6に示す表示装置のA1-A2線における断面図である。
図8図5及び図6に示す表示装置のB1-B2線における断面図である。
図9】ゲートドライバ回路と画像表示領域との境界を拡大した模式図である。
図10】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図11】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図12】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図13】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図14】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図15】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図16】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図17】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図18】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図19】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図20】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図21】本発明の一実施形態に係る表示装置において、各層のレイアウトを説明する平面図である。
図22】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す断面図である。
図23図22に示す表示装置のC1-C2線における断面図である。
図24図22に示す表示装置のD1-D2線における断面図である。
図25】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す平面図である。
図26】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す平面図である。
図27】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す断面図である。
図28】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す平面図である。
図29図28に示す表示装置のE1-E2線における断面図である。
図30】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す平面図である。
図31】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す平面図である。
図32図28に示す表示装置のF1-F2線における断面図である。
図33図28に示す表示装置のG1-G2線における断面図である。
図34】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す平面図である。
図35】比較例の表示装置の断面図である。
図36】比較例の表示装置の断面図である。
図37】比較例の表示装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の開示はあくまで一例にすぎない。当業者が、発明の主旨を保ちつつ、実施形態の構成を適宜変更することによって容易に想到し得る構成は、当然に本発明の範囲に含有される。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合がある。しかし、図示された形状はあくまで一例であって、本発明の解釈を限定しない。本明細書と各図において、既出の図に関して前述した構成と同様の構成には、同一の符号の後にアルファベットを付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
本発明の各実施の形態において、基板から酸化物半導体層に向かう方向を上または上方という。逆に、酸化物半導体層から基板に向かう方向を下または下方という。このように、説明の便宜上、上方または下方という語句を用いて説明するが、例えば、基板と酸化物半導体層との上下関係が図示と異なる向きに配置されてもよい。以下の説明で、例えば基板上の酸化物半導体層という表現は、上記のように基板と酸化物半導体層との上下関係を説明しているに過ぎず、基板と酸化物半導体層との間に他の部材が配置されていてもよい。上方または下方は、複数の層が積層された構造における積層順を意味するものであり、トランジスタの上方の画素電極と表現する場合、平面視でトランジスタと画素電極とが重畳しない位置関係であってもよい。一方、トランジスタの鉛直上方の画素電極と表現する場合は、平面視でトランジスタと画素電極とが重畳する位置関係を意味する。
【0011】
「表示装置」とは、電気光学層を用いて映像を表示する構造体を指す。例えば、表示装置という用語は、電気光学層を含む表示パネルを指す場合もあり、または表示セルに対して他の光学部材(例えば、偏光部材、バックライト、タッチパネル等)を装着した構造体を指す場合もある。「電気光学層」には、技術的な矛盾が生じない限り、液晶層、エレクトロルミネセンス(EL)層、エレクトロクロミック(EC)層、電気泳動層が含まれ得る。したがって、後述する実施形態について、表示装置として、液晶層を含む液晶表示装置を例示して説明するが、本実施形態における構造は、上述した他の電気光学層を含む表示装置へ適用することができる。
【0012】
本明細書において「αはA、BまたはCを含む」、「αはA,BおよびCのいずれかを含む」、「αはA,BおよびCからなる群から選択される一つを含む」、といった表現は、特に明示が無い限り、αがA~Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
【0013】
なお、以下の各実施形態は、技術的な矛盾を生じない限り、互いに組み合わせることができる。
【0014】
[第1実施形態]
[1.表示装置10の概要]
図1図3を参照して、本発明の一実施形態に係る表示装置10の概要について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の概要を示す平面図である。図1に示すように、表示装置10は、アレイ基板300、シール部400、対向基板500、フレキシブルプリント回路基板600(FPC600)、およびICチップ700を有する。アレイ基板300および対向基板500はシール部400によって貼り合わせられている。シール部400に囲まれた液晶領域22には、複数の画素310が、第1方向D1(行方向)および第1方向D1と交差する第2方向D2(列方向)に沿ってマトリクス状に配置されている。複数の画素310は、対向基板に設けられるカラーフィルタに応じた赤色画素R、緑色画素G、および青色画素Bを含む。第1方向D1と第2方向D2とは、直交していてもよい。図1では図示しないが、アレイ基板300の表面に対して垂直な方向を第3方向D3として説明する。液晶領域22は、後述する液晶素子410と平面視で重畳する領域である。なお、以下では、液晶領域22のうち、複数の画素を含む領域を画像表示領域23という場合がある。
【0015】
また、表示装置10は、アレイ基板300の背部にバックライトユニットを有し、バックライトユニットからの出射光が画像表示領域23を透過するときに、各画素310において透過光が変調されることで画像が表示される。
【0016】
シール部400が設けられたシール領域24は、液晶領域22の周囲の領域である。FPC600は端子領域26に取り付けられている。端子領域26はアレイ基板300が対向基板500から露出された領域であり、シール領域24の外側に設けられている。なお、シール領域24の外側とは、シール部400が設けられた領域およびシール部400によって囲まれた領域の外側を意味する。ICチップ700はFPC600上に設けられている。ICチップ700は各画素310の画素回路を駆動させるための信号を供給する。なお、以下では、シール領域24、シール領域24の外側および端子領域26をまとめて額縁領域という場合がある。
【0017】
[2.表示装置10の回路構成]
図2は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の回路構成を示すブロック図である。図2に示すように、画素310が配置された液晶領域22に対して第1方向D1に沿うようにソースドライバ回路320が設けられており、液晶領域22に対して第2方向D2に沿うようにゲートドライバ回路330-1、330-2が設けられている。ソースドライバ回路320およびゲートドライバ回路330-1、330-2は、上記のシール領域24に設けられている。ただし、ソースドライバ回路320およびゲートドライバ回路330-1、330-2が設けられる領域はシール領域24に限定されず、画素310の画素回路が設けられた領域の外側であれば、どの領域でもよい。
【0018】
ソースドライバ回路320からソース配線321が第2方向D2に延在しており、第2方向D2に配列された複数の画素310の画素回路に接続されている。ゲートドライバ回路330-1又はゲートドライバ回路330-2からゲート配線331が第1方向D1に延在しており、第1方向D1に配列された複数の画素310の画素回路に接続されている。
【0019】
端子領域26には端子部333が設けられている。端子部333とソースドライバ回路320とは接続配線341で接続されている。同様に、端子部333とゲートドライバ回路330-1、330-2とは接続配線341で接続されている。FPC600が端子部333に接続されることで、FPC600が接続された外部機器と表示装置20とが接続され、外部機器からの信号によって表示装置10に設けられた各画素310に含まれる画素回路が駆動する。
【0020】
[3.表示装置10の画素310の画素回路]
図3は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の画素310の画素回路を示す回路図である。図3に示すように、画素回路はトランジスタ800、保持容量890、および液晶素子410などの素子を含む。詳細は後述するが、液晶素子410の一方の電極は画素電極PTCOであり、他方の電極は共通電極CTCOである。そして、保持容量890の一方の電極は画素電極PTCOが兼ねており、他方の電極は共通電極CTCOが兼ねている。トランジスタ800は第1ゲート電極810、第1ソース電極830、および第1ドレイン電極840を有する。第1ゲート電極810はゲート配線331に接続されている。第1ソース電極830はソース配線321に接続されている。第1ドレイン電極840は保持容量890および液晶素子410に接続されている。なお、本実施形態では、説明の便宜上、830Bをソース電極といい、840Bをドレイン電極というが、各々の電極は、ソースとしての機能とドレインとしての機能とが入れ替わってもよい。
【0021】
[4.表示装置10の構成]
図4図21を参照して、本発明の一実施形態に係る表示装置10の構成の詳細について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の構成を示す断面図である。図5及び図6は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の構成を示す平面図である。図7は、図5及び図6に示す表示装置のA1-A2線における断面図である。図8は、図5及び図6に示す表示装置のB1-B2線における断面図である。図9は、表示領域と額縁領域との境界における平面図である。図10図21は、本発明の一実施形態に係る表示装置10において、各層のレイアウトを説明する平面図である。なお、図4の断面図は、表示装置10の層構造を説明するための断面図であり、周辺回路と画素回路が隣接して示されているが、実際には画素回路は画像表示領域内に、周辺回路は画像表示領域外の額縁領域に設けられており、これらの回路同士が離間して設けられていることは言うまでもない。また、特に、図4の中の画素回路においては、画素中のコンタクトホール周辺部を中心に示されており、表示に寄与する透光領域(開口領域)については一部のみが示されている。
【0022】
図4に示すように、表示装置10は基板SUBの上方に設けられている。表示装置10は、トランジスタTr1、トランジスタTr2、配線W、接続電極ZTCO、画素電極PTCO、共通補助電極CMTL、および共通電極CTCOを有する。TCOはTransparent Conductive Oxide(透明導電性酸化物)の略称である。トランジスタTr1は表示装置10の画素310の画素回路に含まれるトランジスタである。トランジスタTr2はソースドライバ回路320またはゲートドライバ回路330-1、330-2などの周辺回路に含まれるトランジスタである。
【0023】
[5.トランジスタTr1の構成]
トランジスタTr1は、酸化物半導体層OS、ゲート絶縁層GI1、およびゲート電極GL1を有する。ゲート電極GL1は酸化物半導体層OSに対向する。ゲート絶縁層GI1は酸化物半導体層OSとゲート電極GL1との間に設けられている。本実施形態では、ゲート電極GL1よりも基板SUB側に酸化物半導体層OSが設けられたトップゲート型トランジスタが例示されているが、ゲート電極GL1と酸化物半導体層OSとの位置関係が逆であるボトムゲート型トランジスタが用いられてもよい。
【0024】
酸化物半導体層OSは、酸化物半導体層OS1、OS2を含む。酸化物半導体層OS1は、平面視でゲート電極GL1と重畳する領域の酸化物半導体層である。酸化物半導体層OS1は、半導体層として機能し、ゲート電極GL1に供給される電圧に応じて導通状態と非導通状態とに切り替えられる。つまり、酸化物半導体層OS1はトランジスタTr1のチャネルとして機能する。酸化物半導体層OS2は導電層として機能する。酸化物半導体層OS1、OS2は同じ酸化物半導体層から形成された層である。例えば、酸化物半導体層OS2は、酸化物半導体層OS1と同じ物性の層に対して不純物をドーピングすることで低抵抗化された酸化物半導体層である。
【0025】
ゲート電極GL1の上に絶縁層IL2が設けられている。絶縁層IL2の上に配線W1が設けられている。配線W1は、絶縁層IL2およびゲート絶縁層GI1に設けられた開口WCON(コンタクトホールともいう)を介して酸化物半導体層OS2に接続されている。配線W1には、画素の階調に関連するデータ信号が伝達される。絶縁層IL2および配線W1の上に絶縁層IL3が設けられている。絶縁層IL3の上に接続電極ZTCOが設けられている。接続電極ZTCOは、絶縁層IL3、IL2、およびゲート絶縁層GI1に設けられた開口ZCON(コンタクトホールともいう)を介して酸化物半導体層OS2に接続されている。接続電極ZTCOは開口ZCONの底部において酸化物半導体層OS2と接している。接続電極ZTCOは、透明導電層である。
【0026】
接続電極ZTCO(第1透明導電層ともいう)と酸化物半導体層OS2とが接する領域を第1コンタクト領域CON1という。詳細は後述するが、第1透明導電層は、平面視でゲート電極GL1および配線W1とは重畳しない第1コンタクト領域CON1において酸化物半導体層OS2と接する。平面視で第1コンタクト領域CON1は画素の表示領域に含まれる。
【0027】
例えば、ITO層などの透明導電層をシリコン層などの半導体層に接するように形成すると、ITO成膜時のプロセスガスや酸素イオンによって半導体層の表面が酸化する。半導体層の表面に形成された酸化層は高抵抗であるため、半導体層と透明導電層との間の接触抵抗が高くなる。その結果、半導体層と透明電極層との電気的接触に不良が生じる。一方、上記の透明導電層を酸化物半導体層に接するように形成しても、酸化物半導体層の表面に上記のような高抵抗な酸化層は形成されない。そのため、酸化物半導体層と透明導電層との間の電気的接触に不良は生じない。
【0028】
接続電極ZTCOの上に絶縁層IL4が設けられている。絶縁層IL4は、絶縁層IL4よりも下層に設けられた構造体によって形成された段差を緩和する。絶縁層IL4を平坦化膜という場合がある。絶縁層IL4の上に画素電極PTCO(第2透明導電層ともいう)が設けられている。
【0029】
画素電極PTCOは絶縁層IL4に設けられた開口PCON(コンタクトホールともいう)を介して接続電極ZTCOに接続されている。接続電極ZTCOと画素電極PTCOとが接する領域を第2コンタクト領域CON2という。平面視で第2コンタクト領域CON2はゲート電極GL1と重畳する。画素電極PTCOは、透明導電層である。
【0030】
図5に示すように、開口PCONは、絶縁層IL4に設けられ、マトリクス状に配置された複数の画素のうち、第1方向D1に並んで配置された複数の画素に亘って延在している。また、開口PCONは、第1方向D1に沿ってゲート配線GL1と重畳するように設けられている。
【0031】
画素電極PTCO及び絶縁層IL4の上に絶縁層IL5が設けられている。絶縁層IL5は、開口PCONの内部において、開口PCONの側面と、画素電極PTCOの上にも設けられている。絶縁層IL5の上に設けられ、開口PCONの内部を充填するように充填部材FMが設けられている。開口PCONは第1方向D1に延在して設けられるため、充填部材FMも第1方向D1に延在して設けられている。充填部材FMが設けられている領域において、充填部材FMは、絶縁層IL4の上に設けられた画素電極PTCOの上面よりも突出した突出部を有している。突出部は、スペーサSPとして機能する。なお、充填部材FMのうち、絶縁層IL4の上に設けられた画素電極PTCOの上面又は絶縁層IL4の上に設けられた絶縁層IL5の上面と略一致する部分を、充填部ともいう。
【0032】
スペーサSPは一部の画素に対して設けられている。例えば、スペーサSPは、赤色画素、緑色画素、および青色画素のいずれか1つの画素に対して設けられていてもよい。但し、スペーサSPは全ての画素に設けられていてもよい。スペーサSPの高さは、セルギャップの半分の高さである。対向基板にもスペーサが設けられており、対向基板のスペーサと上記のスペーサSPとは平面視で重畳する。なお、スペーサSPの高さをセルギャップ相当とする構成も適用することができる。なお、スペーサSPの詳細な構成については、後に詳述する。
【0033】
図6に示すように、充填部材FMの上に共通補助電極CMTLおよび共通電極CTCO(第3透明導電層ともいう)が設けられている。共通電極CTCOは、共通補助電極CMTLに接して設けられている。また、共通補助電極CMTLは、充填部材FMに接して設けられている。共通補助電極CMTLと共通電極CTCOとは、それぞれ異なる平面パターンを有する。共通補助電極CMTLは金属層である。共通電極CTCOは透明導電層である。共通補助電極CMTLの電気抵抗は共通電極CTCOの電気抵抗よりも低抵抗である。また、共通補助電極CMTLは遮光層としても機能する。例えば、共通補助電極CMTLが隣接する画素からの光を遮光することで、混色の発生が抑制される。図4では、共通補助電極CMTLの上に共通電極CTCOが設けられる構成について示すが、共通電極CTCOの上に共通補助電極CMTLが設けられる構成であってもよい。
【0034】
トランジスタTr1と基板SUBとの間に遮光層LSが設けられている。本実施形態では、遮光層LSとして、遮光層LS1、LS2が設けられている。ただし、遮光層LSは遮光層LS1のみまたはLS2のみで形成されていてもよい。平面視で、遮光層LSは、ゲート電極GL1と酸化物半導体層OSとが重畳する領域に設けられている。つまり、平面視で、遮光層LSは酸化物半導体層OS1と重畳する領域に設けられている。遮光層LSは、基板SUB側から入射した光が酸化物半導体層OS1に到達することを抑制する。遮光層LSとして導電層が用いられる場合、遮光層LSに電圧を印加して酸化物半導体層OS1を制御してもよい。遮光層LSに電圧が印加される場合、遮光層LSとゲート電極GL1とは、画素回路の額縁領域で接続されていてもよい。平面視で、上記の第1コンタクト領域CON1は遮光層LSと重畳しない領域に設けられている。また、遮光層LSは、開口PCONと重畳するように第1方向D1に延在する。
【0035】
[6.トランジスタTr2の構成]
トランジスタTr2は、p型のトランジスタTr2-1およびn型のトランジスタTr2-2を有する。
【0036】
p型のトランジスタTr2-1およびn型のトランジスタTr2-2は、いずれもゲート電極GL2、ゲート絶縁層GI2、および半導体層Sを有する。ゲート電極GL2は半導体層Sに対向する。ゲート絶縁層GI2は半導体層Sとゲート電極GL2との間に設けられている。本実施形態では、半導体層Sよりも基板SUB側にゲート電極GL2が設けられたボトムゲート型トランジスタが例示されているが、半導体層Sとゲート電極GL2との位置関係が逆であるトップゲート型トランジスタが用いられてもよい。
【0037】
p型のトランジスタTr2-1の半導体層Sは、半導体層S1、S2を含む。n型のトランジスタTr2-2の半導体層Sは、半導体層S1、S2、S3を含む。半導体層S1は、平面視でゲート電極GL2と重畳する領域の半導体層である。半導体層S1はトランジスタTr2-1のチャネルとして機能する。半導体層S2は導電層として機能する。半導体層S3は、半導体層S2よりも高抵抗な導電層として機能する。半導体層S3は、半導体層S1に向かって侵入するホットキャリアを減衰させることで、ホットキャリア劣化を抑制する。
【0038】
半導体層Sの上に絶縁層IL1およびゲート絶縁層GI1が設けられている。トランジスタTr2において、ゲート絶縁層GI1は単に層間膜として機能する。これらの絶縁層の上に配線W2が設けられている。配線W2は、絶縁層IL1およびゲート絶縁層GI1に設けられた開口を介して半導体層Sに接続されている。配線W2の上に絶縁層IL2が設けられている。絶縁層IL2の上に配線W1が設けられている。配線W1は、絶縁層IL2に設けられた開口(コンタクトホールともいう)を介して配線W2に接続されている。
【0039】
ゲート電極GL2と遮光層LS2とは同一層である。配線W2とゲート電極GL1とは同一層である。同一層とは、複数の部材が、1つの層がパターニングされることによって形成されていることを意味する。
【0040】
[7.寄生容量による影響]
図35図37を参照して、配線W1、画素電極PTCO、及び共通電極CTCOによって形成される寄生容量の影響について説明する。図35図37は、接続電極ZTCOと画素電極PTCOとが接触する第2コンタクト領域CON2を、第1方向D1に沿って切断した図である。ヘッドマウントディスプレイなどの表示装置では画素数を増加した高精細な表示が望まれている。画素の高精細化にあたっては、配線W1と画素電極PTCOとの間に形成される寄生容量(図35参照)、及び配線W1と共通電極CTCOとの間に形成される寄生容量(図36参照)が問題となる。
【0041】
配線W1と共通電極CTCOとの間に形成される寄生容量を減少させるためには、配線W1と共通電極CTCOとの距離を長くすればよい。この場合、絶縁層IL4を厚くすればよいことになる。しかし、絶縁層IL4を厚くすると、コンタクトホールの孔径(特に絶縁層IL4上面における孔径)が大きくなる傾向がある。この影響により、図35に示すように、開口PCONの孔径が広がり、第1方向D1において配線W1と、開口PCONの側面を覆う画素電極PTCOとの距離L1が近くなることで、寄生容量が無視できない程度に大きくなってしまう。このような状態で画素を高速に駆動しようとすると、配線W1と画素電極PTCOとの間で負荷が増大することで、消費電力が増加してしまう。
【0042】
配線W1と画素電極PTCOとの間に形成される寄生容量を減少させるためには、配線W1と画素電極PTCOとの距離を長くすればよい。この場合、コンタクトホールの孔径を縮小すればよいが、コンタクトホールの孔径を縮小するためには絶縁層IL4の膜厚を薄くする必要がある。この影響により、図36に示すように、第1方向D1における配線Wと共通電極CTCOとの距離L2が近くなることで、寄生容量が形成されてしまう。このような状態で画素を高速に駆動しようとすると、寄生容量に伴う容量カップリングにより、配線W1の電位によって画素電極PTCOの電位が元の電位よりも高い電位になる。そのため、表示装置に変化するクロストークが生じ、表示装置の表示品位が低下してしまう。
【0043】
このように、画素の精細度を向上させるためには、接続電極ZTCOと画素電極PTCOとを接続するためのコンタクトホールの形状に制約がある。そこで、本実施形態においては、接続電極ZTCOと画素電極PTCOとを接続するためのコンタクトホールを、コンタクト溝として第1方向D1に沿って延在するように設ける。この場合、画素ごとに個別にコンタクトホールを設けることに起因する上述の如き種々の制約がなくなり、画素の高精細化が可能となる。一方で、図37に示すように、配線W1上にもコンタクト溝が形成されることになるので、コンタクト溝内では逆に配線W1と共通電極CTCOとの距離L2が近くなる。これにより、配線W1と共通電極CTCOとの間で寄生容量が形成されてしまう。
【0044】
以上説明した通り、画素の高精細化に当たっては、接続電極ZTCOと画素電極PTCOとを接続するコンタクトホールに起因する寄生容量の形成を抑制する必要がある。
【0045】
図7は、図5及び図6に示す表示装置のA1-A2線における断面図である。図8は、図5及び図6に示す表示装置のB1-B2線における断面図である。図7に示すように、絶縁層IL4に接続電極ZTCOと画素電極PTCOとを接続するためのコンタクトホール(開口PCON)が第1方向D1に沿って延在するように設けられている。また、開口PCONは、第1方向D1に沿って延在する溝(開口溝、コンタクト溝ともいう)である。また、図7及び図8に示すように、開口PCONの内部を充填する充填部材FMが設けられている。さらに、共通補助電極CMTL及び共通電極CTCOは、絶縁層IL4及び充填部材FMの上に設けられている。
【0046】
図6に示すように、開口PCONを第1方向D1に沿って延在するように設ける。これにより、図7に示すように、開口PCONにおいては信号線として機能する配線W1の上に絶縁層IL4が存在しない。これにより、開口PCONの側面に画素電極PTCOが位置しない構造が得られ、配線W1と画素電極PTCOが近接しないようにすることができる。その結果、開口PCONの側面において、配線W1と画素電極PTCOとにより寄生容量が形成されることを抑制することができる。開口PCONの孔径に制約がなくなるため、絶縁層IL4の厚さは特に限定されない。また、共通補助電極CMTL及び共通電極CTCOは、充填部材FMよりも上方に設けられる。そのため、配線W1と、配線W1の上方における共通電極CTCOとにより寄生容量が形成されることを抑制することができる。
【0047】
絶縁層IL4は、有機絶縁材料を用いて形成されている。図8に示すように、絶縁層IL4に設けられた開口PCONの上端部UE-1、UE-2は、湾曲している。充填部材FMは、開口PCONの上端部UE-1、UE-2の近傍まで充填されている。充填部材FMは、開口PCONの上端部UE-1、UE-2よりも覆うように盛られていてもよい。また、開口PCONの幅とは、第2方向D2における絶縁層IL4の下端部BE-1から下端部BE-2までの長さをいう。
【0048】
本発明の一実施形態に係る表示装置10では、絶縁層IL4の厚さを薄くすることなく、画素電極PTCOと接続電極ZTCOの接続が確保される。また、配線Wと共通電極CTCOによって形成される寄生容量、及び、配線Wと画素電極PTCOとによって寄生容量が形成されることを抑制することができる。これと共に、第1方向D1におけるコンタクトホールの寸法及びコンタクトホール間の距離の制約をなくすことができる。これにより、高精細な表示装置として、クロストークの影響を減少させることができ、消費電極が増加することを抑制できる。
【0049】
[8.開口PCONの形状]
図9は、ゲートドライバ回路330-1と画像表示領域23との境界を拡大した模式図である。図9には、画像表示領域23には、複数の画素310が設けられている。図9には、ゲートドライバ回路330-1と、ゲート電極GL1~GL4と、開口PCON1~PCON4と、画素電極PTCOと、を図示している。図9には、酸化物半導体層OS、ゲート配線GL以外の導電層、透明導電層、及び絶縁層の図示は省略している。ゲートドライバ回路330-1、330-2は、第2方向D2に沿って設けられている。ゲート配線GLは、第1方向D1に沿って延在している。
【0050】
ゲートドライバ回路330-1は、ゲート電極GL1~GL4を介して、複数の画素310の駆動を制御する。開口PCON1~PCON4のそれぞれは、マトリクス状に配置された複数の画素のうち、第1方向に延在する複数の画素に亘って延在する。開口PCONは、ゲート配線GLと重畳するように、第1方向D1に沿って延在している。開口PCON1~PCON4の端部は、画像表示領域23の端部まで設けられていてもよい。図示しないが、開口PCONの端部は、ゲートドライバ回路330-2側の画像表示領域23の端部まで設けられていてもよい。また、開口PCONは、ゲートドライバ回路330-1側の画像表示領域23の端部から、ゲートドライバ回路330-2側の画像表示領域23の端部まで、連続して設けられていてもよい。または、開口PCONは、第1方向D1に沿って配置された複数の画素310ごとに分割されて設けられていてもよい。
【0051】
[9.表示装置10の平面レイアウト]
図10図21を参照して、表示装置10の画素の平面レイアウトを説明する。図10図21には、スペーサSPが設けられていない場合の画素の平面レイアウトを示す。
【0052】
図4図10、および図12に示すように、遮光層LSは第1方向D1に延在し、第1方向D1に配置された画素に共通して設けられている。画素によって遮光層LSの形状が異なっていてもよい。例えば、スペーサSPが設けられる領域と、スペーサSPが設けられない領域とで、遮光層LSの形状が異なっていてもよい。本実施形態では、第1方向D1に延在する遮光層LSの一部から、第1方向D1と交差する第2方向D2に突出する突出部PJTが設けられている。図12に示すように、遮光層LSは、平面視でゲート電極GL1と酸化物半導体層OSとが重畳する領域を含む領域に設けられている。なお、ゲート電極GL1を「ゲート線」ということもできる。
【0053】
図4図11、および図12に示すように、酸化物半導体層OSは第2方向D2に延在している。ゲート電極GL1は、第1方向D1に延在して酸化物半導体層OSと交差する。ゲート電極GL1のパターンは遮光層LSのパターンの内側に設けられている。
【0054】
図4図13、および図14に示すように、開口WCONは酸化物半導体層OSのパターンの上端付近において、配線W1と重畳する領域に設けられている。開口WCONは、ゲート絶縁層GI1及び絶縁層IL2に形成される。配線W1は、絶縁層IL2の上に形成される。酸化物半導体層OSのパターンのメイン部分は隣接する配線W1の間において第2方向D2に延在している。酸化物半導体層OSのパターンの残りの部分は、当該メイン部分から開口WCONの領域に向かって第1方向D1および第2方向D2に対して斜めの方向に延在している。
【0055】
図4および図14に示すように、複数の配線W1が第2方向D2に延在している。隣接する2つの配線をそれぞれ区別して説明する必要がある場合、隣接する2つの配線W1を第1配線W1-1および第2配線W1-2という。この場合、酸化物半導体層OSのメイン部分は、第1配線W1-1と第2配線W1-2との間において、第2方向D2に延在し、ゲート電極GL1と交差するということができる。
【0056】
図4図15、および図16に示すように、開口ZCONは酸化物半導体層OSのパターンの下端付近に設けられている。開口ZCONは、ゲート絶縁層GI1、及び絶縁層IL2、IL3に形成される。開口ZCONは、酸化物半導体層OSのパターンと重畳する領域、かつ、ゲート電極GL1とは重畳しない領域に設けられている。開口ZCONは接続電極ZTCOと重畳する領域に設けられている。接続電極ZTCOは、絶縁層IL3の上に形成される。接続電極ZTCOは、第1配線W1-1と第2配線W1-2との間において、ゲート電極GL1および酸化物半導体層OSと重畳する。よって、接続電極ZTCOは、ゲート電極GL1とは重畳しない開口ZCON(第1コンタクト領域CON1)において酸化物半導体層OSと接する。
【0057】
図4図13、および図14に示すように、酸化物半導体層OSは、ゲート電極GL1に対して、開口ZCON(第1コンタクト領域CON1)とは反対側で配線W1と接する。開口ZCON(第1コンタクト領域CON1)は遮光層LSと重畳しない。
【0058】
図4図16、および図17に示すように、開口PCONは接続電極ZTCOのパターンの上端付近に設けられている。開口PCONは、絶縁層IL4に形成される。開口PCONは、ゲート電極GL1のパターンおよび接続電極ZTCOのパターンと重畳する領域に設けられている。開口PCONの内部において、接続電極ZTCOは露出する。上述したように、開口PCONは、第1方向D1に沿って延在するように設けられている。ゲート配線GLは、開口PCONと重畳するように第1方向に沿って延在している。また、遮光層LSは、開口PCONと重畳するように第1方向に沿って延在している。開口PCONの幅(第2方向D2における長さ)は、遮光層LSの幅よりも小さければよく、接続電極ZTCOと後に形成される画素電極PTCOとのコンタクトを確保できる程度の幅であればよい。
【0059】
図4及び図18に示すように、画素電極PTCOは、開口PCONと重畳する領域に設けられている。画素電極PTCOは、絶縁層IL4の上と、開口PCONの内部に形成される。開口PCONの内部で、接続電極ZTCOと画素電極PTCOとが接続される。画素電極PTCOは、第1配線W1-1と第2配線W1-2との間において、ゲート電極GL1、酸化物半導体層OS、および接続電極ZTCOと重畳する。よって、画素電極PTCOは、ゲート電極GL1と重畳する開口PCON(第2コンタクト領域CON2)において接続電極ZTCOと接する。また、矩形状の画素電極PTCOのうち、絶縁層IL4上面に設けられる領域は、配線W1との間に絶縁層IL4が介在するため配線W1との距離が大きく、配線W1の電位の影響を受けにくい。一方で、画素電極PTCOの接続電極ZTCOと接する領域は、開口溝の底部に位置するため絶縁層IL4が介在せず、配線W1との距離が比較的近い。そのため、配線W1と画素電極PTCOとの距離が大きくなるよう、接続電極ZTCOと接する領域における画素電極PTCOの幅(第1方向D1の長さ)は、絶縁層IL4上面に設けられる領域における画素電極PTCOの幅(第1方向D1における長さ)よりも小さくしてもよい。
【0060】
図4及び図19に示すように、開口PCONを充填するように充填部材FMが設けられる。充填部材FMは、絶縁層IL5の上に設けられる。充填部材FMは、開口PCONと同様に、第1方向D1に延在するように設けられている。充填部材FMの幅(第2方向D2の長さ)は、開口PCONの幅(第2方向D2の長さ)と同じであってもよいし、大きくてもよい。図19では、充填部材FMは、開口PCONの上端部UE-1、UE-2よりも上に設けられている場合について示している。
【0061】
図4及び図20に示すように、共通補助電極CMTLは、複数の画素の各々の画素電極PTCOの一部と重畳し、格子状に設けられ、各画素電極PTCOと対向する位置に開口OPが形成されている。具体的には、共通補助電極CMTLは、画像表示領域内で分断されることなく複数の又は全部の画素に対して共通に設けられており、各画素の開口PCONと重畳するとともに、各画素電極PTCOの縁部の一部とも重畳する。そのため、開口PCONにおいて、共通補助電極CMTLは、画素電極PTCOと重畳している。また、共通補助電極CMTLは、平面視でゲート電極GL1とも重畳する。一方、共通補助電極CMTLは、開口ZCONを含む画素電極PTCOが露出されるように開口されている。すなわち、開口ZCON(第1コンタクト領域CON1)が表示領域に含まれている。なお、ここで言う表示領域とは、画素単位で見た場合にユーザが画素からの光を視認できる領域を意味する。例えば、金属層によって遮光され、ユーザが光を視認できない領域は表示領域には含まれない。つまり、上記の表示領域を「透光領域(または、開口領域)」という場合がある。共通補助電極CMTLは、第1方向D1及び第2方向D2に沿って配置されている。また、共通補助電極CMTLは、ゲート配線GL及び配線W1と重畳するように設けられている。また、共通補助電極CMTLは、充填部材FMを覆っている。共通補助電極CMTLは、遮光機能を有し、酸化物半導体層OSのチャネルへの光照射を抑制することができる。したがって、そのような共通補助電極CMTLを含む表示装置10Aでは、トランジスタTr1の特性が安定し、信頼性が向上する。
【0062】
図21に示すように、共通電極CTCOは、画像表示領域23内で分断されることなく複数の又は全部の画素に対して共通に設けられている。共通電極CTCOは、画素電極PTCOと重畳している。共通電極CTCOは、上記各開口OPに対応した領域にスリットSLが設けられている。スリットSLは湾曲した形状(縦に長いS字形状)を有している。スリットSLの先端は、当該先端の延伸方向に直交する幅が小さくなる形状を有している。また、スリットSLの一方の先端は開口PCON内で共通補助電極CMTLと重畳し、かつ、画素電極PTCOと重畳している。また、スリットSLの他方の先端は、開口OP内に位置するものの、画素電極PTCOとは重畳していない。
【0063】
[10.スペーサSPの構成]
図22図26を参照して、上記第1実施形態の構成においてアレイ基板に設けられるスペーサSPの構成について説明する。表示装置10のアレイ基板及び対向基板には、1又は複数画素に一つの割合で画像表示領域23内にスペーサSPが設けられる。アレイ基板に設けられたスペーサSPと、対向基板に設けられたスペーサSPとが向かい合うことで、セルギャップを形成する。スペーサSPは、複数の画素ごとに間隔をあけて設けられている。なお、当該スペーサをアレイ基板のみに設け、当該アレイ基板に形成されたスペーサが対向基板に当接する構成も採用可能である。
【0064】
図22には、遮光層LS、充填部材FM、共通補助電極CMTL、及び共通電極CTCOの平面図を示す。図23には、図22に示すC1-C2線に沿って切断した断面図を示す。図24には、図22に示すD1-D2線に沿って切断した断面図を示す。図22図26において、遮光層LS、充填部材FM、共通補助電極CMTL、及び共通電極CTCO以外の構成は、図11図18で説明した構成と同様であるため、詳細な図示を省略する。
【0065】
図22に示すように、充填部材FMは、開口PCONと重畳するように第1方向D1に沿って延在する。充填部材FMは、充填部FPを含んでいる。充填部材FMが設けられている領域のうち、絶縁層IL4の上に設けられた画素電極PTCOの上面よりも突出した突出部(スペーサSPともいう)が設けられている。図23及び図24に示すように、充填部材FMのスペーサSPの上に共通補助電極CMTLが設けられている。また、共通補助電極CMTLの上に共通電極CTCOが設けられている。
【0066】
図22及び図23に示すように、スペーサSPが設けられる領域は、遮光層LSが重畳するように設けられている。図22に示すように、共通補助電極CMTL及び共通電極CTCOは、スペーサSPが設けられない画素と同じパターンを有していてもよい。
【0067】
図25には、図23に示す共通補助電極CMTL及び共通電極CTCOのパターンとは一部異なるパターンを有する共通補助電極CMTL及び共通電極CTCOを示す。図25に示すように、スペーサSPが設けられる領域における共通補助電極CMTL及び共通電極CTCOのパターンが、スペーサSPが設けられない領域における共通補助電極CMTL及び共通電極CTCOのパターンとは異なっていてもよい。例えば、共通補助電極CMTLの開口OPが、充填部材FM又はスペーサSPと重ならないように設けられていてもよい。また、共通電極CTCOのスリットSLが、第2方向D2に隣接するスリットSLと連続して設けられていてもよい。
【0068】
アレイ基板の製造工程において共通補助電極CMTL及び共通電極CTCOの膜厚がスペーサごとに異なってしまう場合がある。このような場合、セルギャップのばらつきの要因となる可能性がある。そこで、図25に示す構成においては、スペーサSPが設けられる領域において、共通補助電極CMTL及び共通電極CTCOに開口が設けられている。つまり、スペーサSPの上には、共通補助電極CMTL及び共通電極CTCOが設けられないため、セルギャップのばらつきを抑制することができる。
【0069】
また、アレイ基板の表面には、配向膜として例えばポリイミドが塗布される。ポリイミドは、透明電極(例えば、ITO)や金属膜よりも、充填部材FMのポリイミドの方が密着性がよい。そのため、対向基板側のスペーサと摩擦が起きた場合に、配向膜のポリイミドが削れることを抑制することができる。
【0070】
図26には、図23及び図25に示す共通補助電極CMTL及び共通電極CTCOのパターンとは一部異なるパターンを有する共通補助電極CMTL及び共通電極CTCOを示す。図26に示すように、スペーサSPが設けられる領域における共通補助電極CMTLの開口OPのパターン及び共通電極CTCOのスリットSLのパターンが、スペーサSPが設けられない領域における共通補助電極CMTLの開口OPのパターン及び共通電極CTCOのスリットSLのパターンと異なっていてもよい。例えば、共通補助電極CMTLの開口OPのパターンが、充填部材FM又はスペーサSPと重ならないように設けられていてもよい。また、共通補助電極CMTLは、スペーサSPを囲むように開口が設けられていてもよい。これにより、第2方向D2に隣接する開口OPとスペーサSPを囲む開口とが連続して設けられていてもよい。また、共通電極CTCOのスリットSLのパターンが、充填部材FM及びスペーサSPと重ならないように設けられていてもよい。また、共通電極CTCOは、スペーサSPを囲むように開口が設けられていてもよい。これにより、第2方向D2に隣接するスリットSLとスペーサSPを囲む開口とが連続して設けられていてもよい。
【0071】
また、表示装置に、対向基板側から局所的な圧力が加わると、対向基板側のスペーサと、基板SUB側のスペーサとがずれてしまう。このとき、図26に示すようにスペーサSPにD1方向に延在する領域が存在すると、対向基板側のスペーサSPの位置がずれても、対向基板側のスペーサを支持することができる。図26に示すスペーサSPの形状の場合も、対向基板側のスペーサと摩擦が起きた場合に、ポリイミドが削れることを抑制することができる。
【0072】
[11.表示装置10の各部材の材質]
基板SUBとして、ガラス基板、石英基板、またはサファイア基板など、透光性を有し、可撓性を有しない剛性基板を用いることができる。一方、基板SUBが可撓性を有する必要がある場合は、基板SUBとしてポリイミド基板、アクリル基板、シロキサン基板、またはフッ素樹脂基板など、樹脂を含み、可撓性を有するフレキシブル基板を用いることができる。基板SUBの耐熱性を向上させるために、上記の樹脂に不純物が導入されてもよい。
【0073】
ゲート電極GL1、GL2、配線W1、W2、遮光層LS、および共通補助電極CMTLとして、金属材料を用いることができる。例えば、金属材料として、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)、もしくは銀(Ag)、またはこれらの合金もしくは化合物が用いられる。上記の電極等の部材として、上記の金属材料が単層で用いられてもよく、積層で用いられてもよい。
【0074】
例えば、ゲート電極GL1として、Ti、Al、及びTiの積層構造が用いられる。本実施形態において、上記の積層構造を有するゲート電極GL1のパターン端部の断面形状は順テーパ形状である。
【0075】
ゲート絶縁層GI1、GI2および絶縁層IL1~IL5として、一般的な絶縁性材料を用いることができる。例えば、絶縁層IL1~IL3、IL5として、酸化シリコン(SiO)、酸化窒化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、窒化酸化シリコン(SiN)、酸化アルミニウム(AlO)、酸化窒化アルミニウム(AlO)、窒化酸化アルミニウム(AlN)、または窒化アルミニウム(AlN)などの無機絶縁層を用いることができる。これらの絶縁層として、欠陥が少ない絶縁層を用いることができる。絶縁層IL4として、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはシロキサン樹脂などの有機絶縁材料を用いることができる。ゲート絶縁層GI1、GI2および絶縁層IL1~IL3、IL5として、上記の有機絶縁材料が用いられてもよい。上記の絶縁層等の部材として、上記の絶縁性材料が単層で用いられてもよく、積層で用いられてもよい。
【0076】
上記のSiOおよびAlOは、酸素(O)よりも少ない比率(x>y)の窒素(N)を含有するシリコン化合物およびアルミニウム化合物である。SiNおよびAlNは、窒素よりも少ない比率(x>y)の酸素を含有するシリコン化合物およびアルミニウム化合物である。
【0077】
上記の絶縁層の一例として、ゲート絶縁層GI1として厚さが100nmのSiOが用いられる。絶縁層IL1として総厚さが600nm~700nmのSiO、SiN、SiOの積層構造が用いられる。ゲート絶縁層GI2として総厚さが60~100nmのSiO、SiNの積層構造が用いられる。絶縁層IL2として総厚さが300nm~500nmのSiO、SiN、SiOの積層構造が用いられる。絶縁層IL3として総厚さが200nm~500nmのSiO(単層)、SiN(単層)、またはこれらの積層が用いられる。絶縁層IL4として厚さが2μm~4μmの有機絶縁材料が用いられる。絶縁層IL5として厚さが50nm~150nmのSiN(単層)が用いられる。
【0078】
充填部材FMとして、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはシロキサン樹脂などの有機絶縁材料が用いられる。
【0079】
酸化物半導体層OSとして、半導体の特性を有する酸化物半導体を用いることができる。酸化物半導体層OSは透光性を有する。例えば、酸化物半導体層OSとして、インジウム(In)を含む2以上の金属を含む酸化物半導体が用いられる。酸化物半導体層OSとして、例えば、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、および酸素(O)を含む酸化物半導体を酸化物半導体層OSとして用いてもよい。特に、In:Ga:Zn:O=1:1:1:4の組成比を有する酸化物半導体を用いてもよい。ただし、本実施形態で使用される酸化物半導体層OSは上記の組成に限定されるものではなく、上記とは異なる組成の酸化物半導体を用いることもできる。例えば、移動度を向上させるためにInの比率を上記より大きくしてもよい。また、バンドギャップを大きくし、光照射による影響を小さくするためにGaの比率を上記より大きくしてもよい。酸化物半導体層OSはアモルファスであってもよく、多結晶であってもよい。酸化物半導体層OSはアモルファスと結晶の混相であってもよい。
【0080】
また、酸化物半導体層OSとして、酸化物半導体層OSの全体に対するインジウムの比率は50%以上であってもよい。酸化物半導体層OSとして、インジウムに加えて、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ハフニウム(Hf)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ランタノイドが用いられる。酸化物半導体層OSとして、上記以外の元素が用いられてもよい。酸化物半導体層OSの全体に対するインジウムの比率が50%以上である場合、酸化物半導体層OSは多結晶構造となる。
【0081】
接続電極ZTCO、画素電極PTCO、および共通電極CTCOとして、透明導電層が用いられる。当該透明導電層として、酸化インジウムおよび酸化スズの混合物(ITO)または酸化インジウムおよび酸化亜鉛の混合物(IZO)などを用いることができる。当該透明導電層として、上記以外の材料が用いられてもよい。
【0082】
[第2実施形態]
図27図29を参照して、本発明の一実施形態に係る表示装置10Aの構成について説明する。図27は、本発明の一実施形態に係る表示装置10Aの構成を示す断面図である。図28は、本発明の一実施形態に係る表示装置10Aの構成を示す平面図である。図29は、図28に示す表示装置10AのE1-E2線における断面図である。図27の断面図は、表示装置10Aの層構造を説明するための断面図である。また、図27の中の画素回路においては、画素中のコンタクトホール周辺部を中心に示されており、表示に寄与する透光領域(開口領域)については一部のみが示されている。なお、表示装置10Aの構成が表示装置10の構成と同様であるとき、その説明を省略する場合がある。
【0083】
表示装置10Aにおいても、開口PCONが第1方向D1に沿って延在するように設けられている点は、表示装置10と同様である。図27に示すように、表示装置10Aでは、絶縁層IL5の上に共通電極CTCOが設けられている点で表示装置10と異なっている。そのため、遮光層LSから絶縁層IL4までの構成は、第1実施形態の説明(例えば、図5図8)を参照すればよいため、詳細な説明は省略する。
【0084】
図28に示すように、開口PCONが設けられる領域における共通電極CTCOのスリットSLのパターンが、第1実施形態に示す共通電極CTCOのスリットSLのパターンと異なっている。本実施形態では、絶縁層IL5の上に、共通電極CTCOが設けられる。開口PCONでは、絶縁層IL4が設けられないため、共通電極CTCOと配線W1との距離が近くなることで、寄生容量が形成されてしまう。
【0085】
そこで、開口PCONにおける配線W1と重畳する領域において、共通電極CTCOを除去することが好ましい。これにより、開口PCON内で共通電極CTCOは配線W1と重ならない。より具体的には、図28に示すように、共通電極は、開口PCONにおける配線W1と重畳する領域に開口OPAを具えており、開口PCON内にて共通電極CTCOと配線W1との間で寄生容量が形成されることが抑制される。また、開口PCONにおける配線W1と重畳する領域において開口OPAを設けることで、第1方向D1及び第2方向D2と交差する第4方向D4において隣接するスリットSL1、SL2が連続してもよい。
【0086】
図29に示すように、開口PCONにおいて、接続電極ZTCOと画素電極PTCOとが接続されている。また、画素電極PTCOの上に、絶縁層IL5が設けられている。また、絶縁層IL5の上に、共通電極CTCOが設けられている。すなわち、開口PCON内にて、共通電極は、開口OPAを具えることにより配線W1とは重畳しないものの、残余の部分において画素電極と絶縁層を介して対向している。これにより、開口PCON内にて、共通電極と配線との間に寄生容量が形成することを抑制しつつ、画素電極PTCOと、絶縁層IL5と、共通電極CTCOとにより、保持容量が形成される。共通電極CTCOの上に、開口PCONを充填するように充填部材FMが設けられている。充填部材FMの上に、共通補助電極CMTLが設けられている。
【0087】
図30は、共通電極CTCOの形状が、図28に示す共通電極CTCOの形状と異なる例を示す。図30に示すように、共通電極CTCOに、スリットSL1、SL2と、開口OPAとがそれぞれ独立に設けられている構成であってもよい。図30に示すように、開口OPAは、第4方向D4においてスリットSL1、SL2と連続していない。また、開口OPAは、D2方向に沿って設けられていてもよい。これにより、共通電極CTCOと配線W1との間で寄生容量が形成されてしまうことを抑制することができる。
【0088】
図31図34を参照して、アレイ基板に設けられるスペーサSPの構成について説明する。図31には、遮光層LS、充填部材FM、共通電極CTCO、及び共通補助電極CMTLの平面図を示す。図32には、図30に示すF1-F2線に沿って切断した断面図を示す。図33には、図30に示すG1-G2線に沿って切断した断面図を示す。
【0089】
図31においても、絶縁層IL5の上に、共通電極CTCOが設けられる。そのため、開口PCONにおける配線W1と重畳する領域において、共通電極CTCOを除去することが好ましい。つまり、開口PCONが設けられない領域において、共通電極CTCOは配線W1と重ならないように設けられている。図30に示すように、開口PCONにおける配線W1と重畳する領域において開口OPAを設けることで、第1方向D1及び第2方向D2と交差する第3方向において隣接するスリットSL1、SL2が連続してもよい。
【0090】
図32に示すように、画素電極PTCO及び絶縁層IL4の上に絶縁層IL5が設けられている。絶縁層IL5は、開口PCONの内部において、開口PCONの側面と、画素電極PTCOの上にも設けられている。絶縁層IL5の上には、共通電極CTCOが設けられている。開口PCONの内部を充填するように充填部材FMが設けられている。開口PCONは第1方向D1に延在して設けられるため、充填部材FMも第1方向D1に延在して設けられている。開口PCONにおいて、配線W1は、共通電極CTCOと重畳することを防止できる。これにより、開口PCONにおける配線W1と重畳する領域において、寄生容量が形成されることを抑制することができる。充填部材FMが設けられている領域において、充填部材FMは、絶縁層IL4の上に設けられた画素電極PTCOの上面よりも突出した突出部(スペーサSP)を有している。充填部材FMのスペーサSPの上に共通補助電極CMTLが設けられている。
【0091】
本実施形態では、表示装置10Aでは、画素310の開口領域おいて、画素電極PTCOと絶縁層IL5と及び共通電極CTCO(共通補助電極CMTL)とによる保持容量に、開口PCONにおける画素電極PTCOと絶縁層IL5と共通電極CTCOとによる保持容量を加えることができる。これにより、表示装置10Aにおいて保持容量を大きくすることができるため、容量カップリングによる電位の影響を小さくすることができる。このように、表示装置10Aでは、縮小化された画素において、容量カップリングによる電位の影響を低減することができるため、クロストークを低減することができる。
【0092】
本実施形態において、図33に示すように、充填部材FMが設けられない領域においては、絶縁層IL4の上で、共通電極CTCO及び共通補助電極CMTLとが接している。例えば、共通電極CTCOに設けられた開口の大きさによっては、共通電極CTCOに孤立した共通電極が形成されてしまう場合がある。しかしながら、充填部材FMが設けられない領域においては、絶縁層IL4の上で、共通電極CTCO及び共通補助電極CMTLとが接している。共通補助電極CMTLによって、孤立した共通電極が電気的に絶縁されてしまうことを抑制することができる。
【0093】
図34には、図30に示す共通補助電極CMTLのパターンとは一部異なるパターンを有する共通補助電極CMTLを示す。図34に示すように、スペーサSPが設けられる領域における共通補助電極CMTLのパターンが、スペーサSPが設けられない領域における共通補助電極CMTLのパターン(図28参照)とは異なっていてもよい。より具体的には、図34に示す如く、共通補助電極CMTLが、充填部材FM又はスペーサSPと重なる位置に開口OPBを具え、当該開口OPBの周辺の開口OPと連結される構成を具えてもよい。
【0094】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態の表示装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0095】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0096】
10、10A、20:表示装置、22:液晶領域、23:画像表示領域、24:シール領域、26:端子領域、300:アレイ基板、310:画素、320:ソースドライバ回路、321:ソース配線、330-1、330-2:ゲートドライバ回路、331:ゲート配線、333:端子部、341:接続配線、400:シール部、410:液晶素子、500:対向基板、600:フレキシブルプリント回路基板、700:チップ、800:トランジスタ、810:第1ゲート電極、830:第1ソース電極、840:第1ドレイン電極、890:保持容量、SUB:基板、Tr1、Tr2、Tr2-1、Tr2-2:トランジスタ、OS、OS1、OS2:酸化物半導体層、S、S1~S3:半導体層、LS、LS1、LS2:遮光層、GL:ゲート電極、GL2:ゲート電極、W、W1、W2:配線、W1-1:第1配線、W1-2:第2配線、ZTCO:接続電極、PTCO:画素電極、CTCO:共通電極、CMTL:共通補助電極、IL1~IL5:絶縁層、GI1、GI2:ゲート絶縁層、CON1:第1コンタクト領域、CON2:第2コンタクト領域、PJT:突出部、WCON、ZCON、PCON:開口、SL:スリット、OP:開口、FM:充填部材、FP:充填部、SP:スペーサ、UE-1、UE-2:上端部、BE-1、BE-2:下端部
図1
図2
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図4
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