(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040048
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】緩衝部材の取付構造及び緩衝部材
(51)【国際特許分類】
E02B 7/02 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
E02B7/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144872
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006839
【氏名又は名称】日鉄建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】國領 ひろし
(72)【発明者】
【氏名】大隅 久
(57)【要約】
【課題】堰堤本体に対して容易に着脱でき、堰堤本体に対するずれを抑制できる緩衝部材の取付構造を提供する。
【解決手段】実施形態における緩衝部材の取付構造200は、堰堤本体8を構成する本体鋼管80と、本体鋼管80に取り付けられる緩衝部材1と、を備える。緩衝部材1は、本体鋼管80に沿って配置される緩衝鋼管10と、本体鋼管80を緩衝鋼管10に着脱自在に取り付ける取付機構2と、を有する。取付機構2は、緩衝鋼管10に取り付けられる取付プレート部21と、本体鋼管80に接触される接触部材22と、を有する。取付プレート部21と接触部材22は、本体鋼管80を挟んで固定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過型砂防堰堤の堰堤本体に取り付けられる緩衝部材の取付構造であって、
前記堰堤本体を構成する本体鋼管と、前記本体鋼管に取り付けられる緩衝部材と、を備え、
前記緩衝部材は、前記本体鋼管に沿って配置される緩衝鋼管と、前記本体鋼管を前記緩衝鋼管に着脱自在に取り付ける取付機構と、を有し、
前記取付機構は、
前記緩衝鋼管に取り付けられる取付プレート部と、
前記本体鋼管に接触される接触部材と、
を有し、
前記取付プレート部と前記接触部材は、前記本体鋼管を挟んで固定すること
を特徴とする緩衝部材の取付構造。
【請求項2】
前記取付機構は、前記接触部材の位置を保持する保持部材を更に有し、
前記接触部材は、前記取付プレート部に締結されるU字ボルトを有し、
前記U字ボルトは、湾曲部分の内側に前記本体鋼管が配置され、
前記保持部材は、前記本体鋼管の外周面から突出された複数の突起部を有し、
複数の前記突起部は、前記U字ボルトを挟んで両側に接して配置されること
を特徴とする請求項1記載の緩衝部材の取付構造。
【請求項3】
前記取付プレート部は、
前記本体鋼管の外周面に沿って湾曲して形成される湾曲プレート部と、
前記湾曲プレート部に対して起立する第1起立プレート部と、を有し、
前記接触部材は、
前記本体鋼管の外周面に沿って湾曲して形成される接触プレート部と、
前記接触プレート部に対して起立する第2起立プレート部と、
前記第1起立プレート部と前記第2起立プレート部とを締結する締結金具と、を有すること
を特徴とする請求項1記載の緩衝部材の取付構造。
【請求項4】
前記第2起立プレート部は、前記第1起立プレート部と離間して配置されること
を特徴とする請求項3記載の緩衝部材の取付構造。
【請求項5】
前記取付プレート部は、
U字状に切り欠かれたU字状切り欠き部を有し、
前記U字状切り欠き部は、内側に前記本体鋼管が配置され、
前記接触部材は、
前記U字状切り欠き部を跨いで配置される接触プレート部と、
前記取付プレート部と前記接触プレート部とを締結する締結金具を有すること
を特徴とする請求項1記載の緩衝部材の取付構造。
【請求項6】
前記取付プレート部は、
前記本体鋼管の外周面に沿ってU字状に湾曲して形成されるとともに両側の先端部に切り欠き部が形成され、
前記接触部材は、
前記切り欠き部に挿入されるとともに前記取付プレート部の両側の先端部を掛け渡すように配置される接触プレート部と、
前記切り欠き部を跨いで配置される固定プレート部と、
前記固定プレート部を前記取付プレート部に締結する締結金具と、を有し、
前記固定プレート部は、前記接触プレート部を挟んで前記本体鋼管の反対側に、前記接触プレート部に接して配置されること
を特徴とする請求項1記載の緩衝部材の取付構造。
【請求項7】
透過型砂防堰堤の堰堤本体を構成する本体鋼管に取り付けられる緩衝部材であって、
前記本体鋼管に沿って配置される緩衝鋼管と、前記本体鋼管を前記緩衝鋼管に着脱自在に取り付ける取付機構を有し、
前記取付機構は、
前記緩衝鋼管に取り付けられる取付プレート部と、
前記本体鋼管に接触される接触部材と、を有し、
前記取付プレート部と前記接触部材は、前記本体鋼管を挟んで固定すること
を特徴とする緩衝部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過型砂防堰堤における緩衝部材の取付構造及び緩衝部材に関する。
【背景技術】
【0002】
土砂・流木による災害を防止する透過型砂防堰堤に関する技術として、ダム本体に緩衝部材が取り付けられた特許文献1~3の開示技術が開示されている。
【0003】
特許文献1の透過型砂防ダムは、柱材と梁材とを互いに結合するための多面体の鋼製箱状結合エレメントを介して緩衝手段を堰堤本体に取り付ける。鋼製箱状結合エレメントの内部には、コンクリートが充填される。
【0004】
特許文献2の透過型砂防ダムは、洪水時の巨礫の衝突エネルギーを吸収するための緩衝手段がダム本体の上流面に、前記ダム本体に対してブラケットを介して着脱自在に取り付けられ、前記ダム本体は、基礎コンクリート上または地盤上に固定された鋼製支柱と、前記支柱間に固定された鋼製梁材とからなり、前記支柱と前記梁材とは、多面体の鋼製箱型結合エレメントを介して互いに結合され、前記柱材および前記梁材の軸芯は、前記鋼製箱型結合エレメント内の一点に集中していることを特徴とする。
【0005】
特許文献3の透過型砂防ダムは、洪水時の巨礫の衝突エネルギーを吸収するための緩衝手段がダム本体の上流面に、前記ダム本体に対してブラケットを介して着脱自在に取り付けられ、前記ブラケットは、前記緩衝手段の下流面側に面して取り付けられ、上流面側には露出しておらず、前記緩衝手段は、縦方向に複数本に分割されていることを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許3270744号公報
【特許文献2】特許3289827号公報
【特許文献3】特許3946028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の透過型砂防ダムでは、鋼製箱状結合エレメントの内部にコンクリートが充填される。このため、堰堤本体への取り付けの施工が煩雑となり、緩衝手段の取り付けを容易にできない。
【0008】
特許文献2及び特許文献3の透過型砂防ダムでは、堰堤本体の鋼管に緩衝手段を取り付けるものの、堰堤本体の鋼管にボルト固定する穴開け加工やフランジ継手の仕口部の溶接等の加工が必要である。このため、堰堤本体への取り付けの施工が煩雑となり、緩衝手段の着脱を容易にできない。
【0009】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、堰堤本体に対して容易に着脱できる緩衝部材の取付構造及び緩衝部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る緩衝部材の取付構造は、透過型砂防堰堤の堰堤本体に取り付けられる緩衝部材の取付構造であって、前記堰堤本体を構成する本体鋼管と、前記本体鋼管に取り付けられる緩衝部材と、を備え、前記緩衝部材は、前記本体鋼管に沿って配置される緩衝鋼管と、前記本体鋼管を前記緩衝鋼管に着脱自在に取り付ける取付機構を有し、前記取付機構は、前記緩衝鋼管に取り付けられる取付プレート部と、を有し、前記取付プレート部と前記接触部材は、前記本体鋼管を挟んで固定することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る緩衝部材は、透過型砂防堰堤の堰堤本体を構成する本体鋼管に取り付けられる緩衝部材であって、前記本体鋼管に沿って配置される緩衝鋼管と、前記本体鋼管を前記緩衝鋼管に着脱自在に取り付ける取付機構を有し、前記取付機構は、前記緩衝鋼管に取り付けられる取付プレート部と、前記本体鋼管に接触される接触部材と、を有し、前記取付プレート部と前記接触部材は、前記本体鋼管を挟んで固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、堰堤本体に対して容易に着脱できる緩衝部材の取付構造及び緩衝部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、第1実施形態における透過型砂防堰堤の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態における透過型砂防堰堤の一例を示す側面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態における緩衝部材の取付構造の一例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態における緩衝部材の取付構造の一例を本体鋼管側から示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態における緩衝部材の取付構造の一例を本体鋼管の管軸方向に沿う方向から示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態における緩衝部材の取付構造の第1変形例を本体鋼管の管軸方向に沿う方向から示す図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態における緩衝部材の取付構造の第2変形例を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態における緩衝部材の取付構造の第2変形例を本体鋼管の管軸方向に沿う方向から示す図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態における緩衝部材の取付構造の第3変形例を本体鋼管の管軸方向に沿う方向から示す図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態における緩衝部材の取付構造の一例を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態における緩衝部材の取付構造の一例を本体鋼管の管軸方向に沿う方向から示す図である。
【
図12】
図12は、第3実施形態における緩衝部材の取付構造の一例を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態における緩衝部材の取付構造の一例を本体鋼管の管軸方向に沿う方向から示す図である。
【
図14】
図14は、第4実施形態における緩衝部材の取付構造の一例を示す斜視図である。
【
図15】
図15(a)は、第4実施形態における緩衝部材の取付構造の一例を本体鋼管の管軸方向に沿う方向から示す図であり、
図15(b)は、第4実施形態における緩衝部材の取付構造の一例を示す側面図である。
【
図16】
図16(a)及び
図16(b)は、第4実施形態における緩衝部材の取付方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した緩衝部材の取付構造及び緩衝部材を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、上下方向Zとし、流下物の流下する方向を流下方向Xとし、上下方向Zと流下方向Xに交わる方向を幅方向Yとする。流下方向Xは、上流側X1と、下流側X2と、を有する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における透過型砂防堰堤100の一例を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態における透過型砂防堰堤100の一例を示す側面図である。
【0016】
透過型砂防堰堤100は、礫、土砂等の流下物を捕捉する。透過型砂防堰堤100は、堰堤本体8と、堰堤本体8の上流側X1及び上方側の少なくとも何れかに着脱自在に取り付けられる緩衝部材1と、を備える。緩衝部材の取付構造200は、堰堤本体8を構成する本体鋼管80と、堰堤本体8の少なくとも上流側に取り付けられる緩衝部材1と、を備える。緩衝部材1は、堰堤本体8の上方側に取り付けられてもよい。
【0017】
緩衝部材1は、巨大な礫等が衝突した際の衝突エネルギーを吸収し、堰堤本体8に伝達される衝突エネルギーを緩和させるものである。緩衝部材1が堰堤本体8に着脱自在に取り付けられるため、礫が衝突して緩衝部材1が破損した場合であっても、破損した緩衝部材1を新たな緩衝部材1に容易に交換できる。
【0018】
(堰堤本体8)
堰堤本体8は、コンクリート基礎や地盤などの基礎部9に立設される。堰堤本体8は、複数の本体鋼管80を有し、複数の本体鋼管80が組み合わされて構成される。本体鋼管80は、第1本体鋼管81と、第2本体鋼管82と、第3本体鋼管83と、連結本体鋼管84と、を有する。
【0019】
第1本体鋼管81は、上下方向Zに延び、例えば鉛直方向に延びる。第1本体鋼管81は、堰堤本体8の最も上流側X1に配置され、下端が基礎部9に埋設固定される。第1本体鋼管81は、幅方向Yに離間して複数配置される。第1本体鋼管81は、幅方向Yに延びる横材89が、上下方向Zに複数設けられてもよい。第1本体鋼管81が横材89を有することにより、捕捉した礫等が堰堤本体8の下流側X2に流下するのを更に抑制できる。
【0020】
第2本体鋼管82は、第1本体鋼管81よりも流下方向Xの下流側X2に配置される。第2本体鋼管82は、流下方向Xに沿って配置される。第2本体鋼管82は、下流側X2に向かうにつれて下方に傾斜する斜材である。第2本体鋼管82は、上端が第1本体鋼管81に溶接により連結され、下端が基礎部9に埋設固定される。第2本体鋼管82は、幅方向Yに離間して複数配置される。
【0021】
第3本体鋼管83は、幅方向Yに延びる。第3本体鋼管83は、幅方向Yに離間した複数の第1本体鋼管81同士を連結する。
【0022】
連結本体鋼管84は、第1本体鋼管81と第2本体鋼管82とに溶接等により連結される。
【0023】
(緩衝部材1)
図3は、第1実施形態における緩衝部材の取付構造200の一例を示す斜視図である。
図4は、第1実施形態における緩衝部材の取付構造200の一例を本体鋼管80側から示す図である。
図5は、第1実施形態における緩衝部材の取付構造200の一例を本体鋼管の管軸方向に沿う方向から示す図である。緩衝部材1は、緩衝鋼管10と、本体鋼管80に緩衝鋼管10を着脱自在に取り付ける取付機構2と、を有する。
【0024】
緩衝鋼管10は、本体鋼管80に沿って配置される。緩衝鋼管10は、例えば中空状であることが好ましい。これにより、緩衝鋼管10のエネルギー吸収能力を更に向上させることができ、本体鋼管80に伝達される支点反力を更に低減できる。
【0025】
緩衝鋼管10の長手方向の長さは、例えば最大で4.0m~6.0m程度であることが好ましい。これにより、緩衝鋼管10の車両での運搬性を向上でき、透過型砂防堰堤100の施工性を向上させることが可能となる。緩衝鋼管10の長手方向の長さは、例えば最小で1.0m程度である。緩衝鋼管10の板厚は、例えば本体鋼管80の板厚未満であることが好ましい。緩衝鋼管10の外径は、例えば本体鋼管80の外径以上であることが好ましい。
【0026】
緩衝鋼管10は、第1緩衝鋼管11と、第2緩衝鋼管12と、第3緩衝鋼管13と、を有する。
【0027】
第1緩衝鋼管11は、第1本体鋼管81よりも上流側X1に配置される。第1緩衝鋼管11は、下端が基礎部9から離間される。1本の第1緩衝鋼管11には、取付機構2が例えば2箇所に設けられる。
【0028】
第2緩衝鋼管12は、第2本体鋼管82の上方側に配置される。第2緩衝鋼管12は、下端が基礎部9から離間される。1本の第2緩衝鋼管12には、取付機構2が例えば2箇所に設けられる。
【0029】
第3緩衝鋼管13は、第1本体鋼管81の上方側に配置される。第3緩衝鋼管13は、流下方向Xに延びる。第3緩衝鋼管13の上流側X1の端部は、第1緩衝鋼管11の下流側X2の外側面に溶接により連結されることが好ましい。これにより、第3緩衝鋼管13の上流側X1の端部が上流側X1に露出せずに第1本体鋼管81により覆われる。このため、礫等の流下物が上流側X1から第3緩衝鋼管13に衝突するのを抑制できる。なお、図示は省略するが、第3緩衝鋼管13の下方側の外周面に、第1緩衝鋼管11の上端が溶接により連結されてもよい。
【0030】
取付機構2は、緩衝鋼管10に取り付けられる取付プレート部21と、本体鋼管80に接触される接触部材22と、接触部材22の位置を保持する保持部材23と、を有する。取付プレート部21と接触部材22は、本体鋼管80を挟んで固定する。
【0031】
取付プレート部21は、例えば鋼板が用いられる。取付プレート部21は、緩衝鋼管10側の面に連結鋼管24の一端が溶接により固定される。連結鋼管24の他端は、緩衝鋼管10に溶接により固定される。連結鋼管24の外径は、本体鋼管80の外径よりも小さくてもよい。
【0032】
接触部材22は、取付プレート部21に締結されるU字ボルト22aを有する。U字ボルト22aは、湾曲部分の内側に本体鋼管80が配置される。
【0033】
保持部材23は、本体鋼管80の外周面から突出された複数の突起部23a、23bを有する。複数の突起部23a、23bは、U字ボルト22aを挟んで両側に接して千鳥状に配置される。突起部23a、23bの数は、任意である。
【0034】
突起部23aは、U字ボルト22aの下側に接触される。これにより、U字ボルト22aの下方への落下を防止することができる。2つの突起部23aは、本体鋼管80を挟んで両側に配置される。
【0035】
突起部23bは、U字ボルト22aの上側に接触される。これにより、U字ボルト22aの上方へのせり上がりを防止することができる。1つの突起部23bは、本体鋼管80を挟んで取付プレート部21の反対側に接して配置される。
【0036】
本実施形態によれば、取付機構2は、緩衝鋼管10に取り付けられる取付プレート部21と、本体鋼管80に接触される接触部材22と、を有し、取付プレート部21と接触部材22は、本体鋼管80を挟んで固定する。これにより、本体鋼管80に対して容易に緩衝鋼管10を着脱できる。
【0037】
本実施形態によれば、接触部材22の位置が保持部材23により保持される。これにより、礫等が衝突した場合であっても、堰堤本体8に対する緩衝部材1のずれを抑制できる。
【0038】
また、本実施形態によれば、取付プレート部21と接触部材22は、本体鋼管80を挟んで固定する。これにより、堰堤本体8が新設であっても、既設であっても、緩衝鋼管10を取り付けることができる。このため、汎用性が高い緩衝部材1を提供できる。
【0039】
本実施形態によれば、接触部材22は、取付プレート部21に締結されるU字ボルト22aを有し、U字ボルト22aは、湾曲部分の内側に本体鋼管80が配置され、保持部材23は、本体鋼管80の外周面から突出された複数の突起部23a、23bを有し、複数の突起部23a、23bは、U字ボルト22aを挟んで両側に接して配置される。これにより、U字ボルト22aの位置が突起部23a、23bにより保持される。このため、礫等が衝突した場合であっても、堰堤本体8に対する緩衝部材1のずれを更に抑制できる。
【0040】
更に、本実施形態によれば、複数の突起部23a、23bを、U字ボルト22aの取り付け位置のガイドとして用いることができる。このため、緩衝鋼管10をより容易に取り付けることができる。
【0041】
本実施形態によれば、接触部材22は、取付プレート部21に締結されるU字ボルト22aを有する。これにより、緩衝部材1が破損した場合であっても、緩衝部材1の交換が容易となる。
【0042】
緩衝鋼管10の板厚は、例えば本体鋼管80の板厚未満である。これにより、本体鋼管80に先行して緩衝鋼管10にへこみ変形を生じさせ、堰堤本体8に作用する土石流の衝突エネルギーを低減できる。すなわち、小さな荷重で大きな吸収能力エネルギーを得る緩衝効果を向上させることが可能となる。その結果、堰堤本体8の損傷を抑制できる。
【0043】
緩衝鋼管10の外径は、例えば本体鋼管80の外径以上である。これにより、幅方向Yに隣接する2つの緩衝鋼管10の外面同士の純間隔を、幅方向Yに隣接する2つの本体鋼管80の外面同士の純間隔よりも小さくできる。このため、流下方向Xに礫等が流下したとき、緩衝鋼管10により礫等を捕捉し易くなり、本体鋼管80に礫等が衝突するのを抑制できる。その結果、堰堤本体8の損傷を抑制できる。
【0044】
本実施形態によれば、緩衝鋼管10の外径は、本体鋼管80の外径よりも大きい。これにより、緩衝鋼管10の外径が本体鋼管80の外径と同じ場合と比べて、緩衝鋼管10のエネルギー吸収能力を大きくしつつ、本体鋼管80に伝達される支点反力を小さくできる。このため、小さな荷重で大きな吸収能力エネルギーを得る緩衝効果を更に向上させることが可能となる。その結果、堰堤本体8の損傷を抑制できる。
【0045】
また、本実施形態によれば、緩衝鋼管10の外径は、本体鋼管80の外径より大きい。これにより、緩衝鋼管10側から本体鋼管80側を見たとき、緩衝鋼管10の背面側に隠れるようにU字ボルト22aを配置できる。このため、礫等の衝突からU字ボルト22aを保護することができる。
【0046】
(第1実施形態の第1変形例)
図6は、第1実施形態における緩衝部材の取付構造200の第1変形例を本体鋼管の管軸方向に沿う方向から示す図である。第1変形例では、取付プレート部21は、本体鋼管80側の面に設けられるゴム材25を有する。ゴム材25は、例えば加硫ゴムをチップ化して固化した天然系ゴム等で構成される。ゴム材25は、板状に形成される。
【0047】
本実施形態によれば、取付プレート部21は、本体鋼管80側の面に設けられるゴム材25を有する。これにより、本体鋼管80に伝達される衝突エネルギーを更に抑制できる。
【0048】
(第1実施形態の第2変形例)
図7は、第1実施形態における緩衝部材の取付構造200の第2変形例を示す斜視図である。
図8は、第1実施形態における緩衝部材の取付構造200の第2変形例を本体鋼管80の管軸方向に沿う方向から示す図である。第2変形例では、取付プレート部21は、緩衝鋼管10側の面に連結鋼板26の一端が溶接により固定される。連結鋼板26の他端は、緩衝鋼管10に溶接により固定される。連結鋼板26は、取付プレート部21に複数設けられる。
【0049】
(第1実施形態の第3変形例)
図9は、第1実施形態における緩衝部材の取付構造200の第3変形例を本体鋼管の管軸方向に沿う方向から示す図である。第3変形例では、取付プレート部21は、本体鋼管80側の面に設けられるゴム材25を有する。ゴム材25は、例えば加硫ゴムをチップ化して固化した天然系ゴム等で構成される。ゴム材25は、板状に形成される。
【0050】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態における緩衝部材の取付構造200の一例を示す斜視図である。
図11は、第2実施形態における緩衝部材の取付構造200の一例を本体鋼管80の管軸方向に沿う方向から示す図である。第2実施形態における緩衝部材の取付構造200では、接触部材32として本体鋼管80に沿って湾曲した鋼板が用いられる点で、主に第1実施形態と相違する。
【0051】
取付機構2は、緩衝鋼管10に取り付けられる取付プレート部31と、本体鋼管80に接触される接触部材32と、接触部材32の位置を保持する保持部材33と、を有する。取付プレート部31と接触部材32は、本体鋼管80を挟んで固定する。
【0052】
取付プレート部31は、例えば鋼板が用いられる。取付プレート部31は、緩衝鋼管10側の面に連結鋼板34の一端が溶接により固定される。連結鋼板34の他端は、緩衝鋼管10に溶接により固定される。
【0053】
取付プレート部31は、本体鋼管80の外周面に沿って湾曲して形成される湾曲プレート部31aと、湾曲プレート部31aに対して起立する第1起立プレート部31bと、を有する。湾曲プレート部31aは、本体鋼管80の管軸方向に直交する断面で半円形状に湾曲して形成される。湾曲プレート部31aの両端には、第1起立プレート部31bが形成される。
【0054】
取付プレート部31は、本体鋼管80の管軸方向に離間して一対設けられる。
【0055】
接触部材32は、本体鋼管80の外周面に沿って湾曲して形成される接触プレート部32aと、接触プレート部32aに対して起立する第2起立プレート部32bと、第1起立プレート部31bと第2起立プレート部32bとを締結する締結金具32cと、を有する。接触プレート部32aは、本体鋼管80の管軸方向に直交する断面で半円形状に湾曲して形成される。接触プレート部32aの両端には、第2起立プレート部32bが形成される。第2起立プレート部32bは、第1起立プレート部31bと離間することが好ましい。第2起立プレート部32bは、第1起立プレート部31bと接触してもよい。締結金具32cとして、例えばボルトナットが用いられる。
【0056】
保持部材33は、本体鋼管80の外周面から突出された複数の突起部33a、33bを有する。複数の突起部33a、33bは、接触プレート部32aを挟んで両側に接して千鳥状に配置される。突起部33a、33bの数は任意である。
【0057】
突起部33aは、接触プレート部32aの下側に接触される。これにより、接触プレート部32aの下方への落下を防止することができる。2つの突起部33aは、本体鋼管80の下流側X2に配置される。
【0058】
突起部33bは、接触プレート部32aの上側に接触される。これにより、接触プレート部32aの上方へのせり上がりを防止することができる。1つの突起部33bは、本体鋼管80の下流側X2に配置される。
【0059】
本実施形態によれば、取付機構2は、緩衝鋼管10に取り付けられる取付プレート部31と、本体鋼管80に接触される接触部材32と、を有し、取付プレート部31と接触部材32は、本体鋼管80を挟んで固定する。これにより、本体鋼管80に対して容易に緩衝鋼管10を着脱できる。
【0060】
本実施形態によれば、接触部材32の位置が保持部材33により保持される。これにより、礫等が衝突した場合であっても、堰堤本体8に対する緩衝部材1のずれを抑制できる。
【0061】
また、本実施形態によれば、取付プレート部31と接触部材32は、本体鋼管80を挟んで固定する。これにより、堰堤本体8が新設であっても、既設であっても、緩衝鋼管10を取り付けることができる。このため、汎用性が高い緩衝部材1を提供できる。
【0062】
本実施形態によれば、取付プレート部31は、本体鋼管80の外周面に沿って湾曲して形成される湾曲プレート部31aを有する。これにより、本体鋼管80と取付プレート部31とが面で接触する。このため、堰堤本体8に対して緩衝部材1をより安定して保持できる。
【0063】
また、本実施形態によれば、取付プレート部31は、本体鋼管80の外周面に沿って湾曲して形成される湾曲プレート部31aを有する。これにより、本体鋼管80に緩衝鋼管10を取り付ける際に、本体鋼管80を湾曲プレート部31aにガイドさせて挿入することができる。このため、緩衝部材1の取り付け作業を更に容易に行うことができる。
【0064】
本実施形態によれば、接触部材32は、本体鋼管80の外周面に沿って湾曲して形成される接触プレート部32aを有する。これにより、本体鋼管80と接触部材32とが面で接触する。このため、堰堤本体8に対して緩衝部材1をより安定して保持できる。
【0065】
本実施形態によれば、保持部材33は、本体鋼管80の外周面から突出された複数の突起部33a、33bを有し、複数の突起部33a、33bは、接触プレート部32aを挟んで両側に接して配置される。これにより、接触プレート部32aの位置が突起部33a、33bにより保持される。このため、礫等が衝突した場合であっても、堰堤本体8に対する緩衝部材1のずれを更に抑制できる。
【0066】
更に、本実施形態によれば、複数の突起部33a、33bを、接触プレート部32aの取り付け位置のガイドとして用いることができる。このため、緩衝鋼管10をより容易に取り付けることができる。
【0067】
本実施形態によれば、第2起立プレート部32bは、第1起立プレート部31bと離間して配置される。これにより、締結金具32cを締結したとき、湾曲プレート部31aと接触プレート部32aとにより、本体鋼管80を強固に保持できる。
【0068】
本実施形態によれば、接触部材32は、取付プレート部31に締結金具32cに締結される。これにより、礫が衝突して緩衝部材1が破損した場合であっても、破損した緩衝部材1を新たな緩衝部材1に更に容易に交換できる。
【0069】
また、本実施形態によれば、緩衝鋼管10の外径は、本体鋼管80の外径より大きい。これにより、緩衝鋼管10側から本体鋼管80側を見たとき、緩衝鋼管10の背面側に隠れるように締結金具32cを配置できる。このため、礫等の衝突から締結金具32cを保護することができる。
【0070】
(第3実施形態)
図12は、第3実施形態における緩衝部材の取付構造200の一例を示す斜視図である。
図13は、第3実施形態における緩衝部材の取付構造200の一例を本体鋼管80の管軸方向に沿う方向から示す図である。第3実施形態における緩衝部材の取付構造200では、取付プレート部41として本体鋼管80に沿ってU字状に切り欠かれたU字状切り欠き部41aを有する鋼板が用いられる点で、主に第1実施形態と相違する。
【0071】
取付機構2は、緩衝鋼管10に取り付けられる取付プレート部41と、本体鋼管80に接触される接触部材42と、を有する。取付プレート部41と接触部材42は、本体鋼管80を挟んで固定する。
【0072】
取付プレート部41は、例えば鋼板が用いられる。取付プレート部41は、一端側にU字状に切り欠かれたU字状切り欠き部41aと、他端側に半円形状に切り欠かれた切り欠き部41bと、を有する。U字状切り欠き部41aには、内側に本体鋼管80が配置される。切り欠き部41bには、内側に緩衝鋼管10が配置され、緩衝鋼管10に溶接される。
【0073】
取付プレート部41は、本体鋼管80の管軸方向に離間して一対設けられる。一対の取付プレート部41は、一対の連結鋼板44を介して互いに連結される。取付プレート部41は、連結鋼板44に溶接により固定される。一対の連結鋼板44は、本体鋼管80を挟んで両側に接して配置される。
【0074】
接触部材42は、U字状切り欠き部41aを跨いで配置される接触プレート部42aと、取付プレート部41と接触プレート部42aとを締結する締結金具42cと、を有する。接触プレート部42aは、例えば矩形状の鋼板が用いられる。締結金具42cとして、例えばボルトナットが用いられる。
【0075】
本実施形態によれば、取付機構2は、緩衝鋼管10に取り付けられる取付プレート部41と、本体鋼管80に接触される接触部材42と、を有し、取付プレート部41と接触部材42は、本体鋼管80を挟んで固定する。これにより、本体鋼管80に対して容易に緩衝鋼管10を着脱できる。
【0076】
また、接触部材42の位置が保持部材43により保持される。これにより、礫等が衝突した場合であっても、堰堤本体8に対する緩衝部材1のずれを抑制できる。
【0077】
また、本実施形態によれば、取付プレート部41と接触部材42は、本体鋼管80を挟んで固定する。これにより、堰堤本体8が新設であっても、既設であっても、緩衝鋼管10を取り付けることができる。このため、汎用性が高い緩衝部材1を提供できる。
【0078】
本実施形態によれば、取付プレート部41は、U字状に切り欠かれたU字状切り欠き部41aを有し、U字状切り欠き部41aは、内側に本体鋼管80が配置され、接触部材42は、U字状切り欠き部41aを跨いで配置される接触プレート部42aと、取付プレート部41と接触プレート部42aとを締結する締結金具42cと、を有する。これにより、本体鋼管80に緩衝鋼管10を取り付ける際に、本体鋼管80をU字状切り欠き部41aにガイドさせて挿入することができる。このため、緩衝部材1の取り付け作業を更に容易に行うことができる。
【0079】
本実施形態によれば、接触部材42は、取付プレート部41に締結金具42cにより締結される。これにより、礫が衝突して緩衝部材1が破損した場合であっても、破損した緩衝部材1を新たな緩衝部材1に更に容易に交換できる。
【0080】
また、本実施形態によれば、緩衝鋼管10の外径は、本体鋼管80の外径より大きい。これにより、緩衝鋼管10側から本体鋼管80側を見たとき、緩衝鋼管10の背面側に隠れるように締結金具42cを配置できる。このため、礫等の衝突から締結金具42cを保護することができる。
【0081】
(第4実施形態)
図14は、第4実施形態における緩衝部材の取付構造200の一例を示す斜視図である。
図15(a)は、第4実施形態における緩衝部材の取付構造200の一例を本体鋼管80の管軸方向に沿う方向から示す図であり、
図15(b)は、第4実施形態における緩衝部材の取付構造200の一例を側方から示す図である。第4実施形態における緩衝部材の取付構造200では、取付プレート部41として本体鋼管80に沿ってU字状に湾曲した鋼板が用いられる点で、主に第1実施形態と相違する。
【0082】
取付機構2は、緩衝鋼管10に取り付けられる取付プレート部51と、本体鋼管80に接触される接触部材52と、を有する。取付プレート部51と接触部材52は、本体鋼管80を挟んで固定する。
【0083】
取付プレート部51は、本体鋼管80の外周面に沿ってU字状に湾曲して形成される。取付プレート部51は、両側の先端部に切り欠き部51aが形成される。切り欠き部51aは、各先端部に複数形成される。取付プレート部51は、連結鋼板54を介して緩衝鋼管10に溶接により固定される。
【0084】
接触部材52は、取付プレート部51の両側の先端部を掛け渡すように配置される接触プレート部52aと、切り欠き部51aを跨いで配置される固定プレート部52bと、固定プレート部52bを取付プレート部51に締結する締結金具52cと、を有する。接触プレート部52aは、例えば矩形状の鋼板が用いられる。接触プレート部52aは、切り欠き部51aに挿入される。固定プレート部52bは、接触プレート部52aを挟んで本体鋼管80の反対側に、接触プレート部52aに接して配置される。締結金具52cとして、例えばボルトナットが用いられる。
【0085】
次に、第4実施形態における緩衝部材1の取付方法の一例について説明する。
図16(a)及び
図16(b)は、第4実施形態における緩衝部材1の取付方法の一例を示す断面図である。
【0086】
先ず、緩衝鋼管10に予めU字状に湾曲した取付プレート部51を連結鋼板54を介して溶接により固定する。そして、取付プレート部51のU字状に湾曲した部分の内側にガイドするように、本体鋼管80を配置する。これにより、取付プレート部51が本体鋼管80に接する。
【0087】
そして、
図16(a)に示すように、取付プレート部51の先端に形成された切り欠き部51aに、板状の接触プレート部52aを挿入する。これにより、接触プレート部52aが本体鋼管80に接する。また、接触プレート部52aは、取付プレート部51の両側の先端部を掛け渡すように配置される。
【0088】
次に、
図16(b)に示すように、切り欠き部51aを跨いで固定プレート部52bを配置し、固定プレート部52bを取付プレート部51に締結金具52cにより締結する。このとき、固定プレート部52bは、接触プレート部52aを挟んで本体鋼管80の反対側に、接触プレート部52aに接して配置される。これにより、取付プレート部51と接触プレート部52aとが本体鋼管80を挟んで固定することができる。
【0089】
本実施形態によれば、取付機構2は、緩衝鋼管10に取り付けられる取付プレート部51と、本体鋼管80に接触される接触部材52と、を有し、取付プレート部51と接触部材52は、本体鋼管80を挟んで固定する。これにより、本体鋼管80に対して容易に緩衝鋼管10を着脱できる。
【0090】
また、本実施形態によれば、接触部材52の位置が保持部材53により保持される。これにより、礫等が衝突した場合であっても、堰堤本体8に対する緩衝部材1のずれを抑制できる。
【0091】
また、本実施形態によれば、取付プレート部51と接触部材52は、本体鋼管80を挟んで固定する。これにより、堰堤本体8が新設であっても、既設であっても、緩衝鋼管10を取り付けることができる。このため、汎用性が高い緩衝部材1を提供できる。
【0092】
本実施形態によれば、取付プレート部51は、本体鋼管80の外周面に沿ってU字状に湾曲して形成されるとともに両側の先端部に切り欠き部51aが形成され、接触部材52は、切り欠き部51aに挿入されるとともに取付プレート部51の両側の先端部を掛け渡すように配置される接触プレート部52aと、切り欠き部51aを跨いで配置される固定プレート部52bと、固定プレート部52bを取付プレート部51に締結する締結金具52cと、を有し、固定プレート部52bは、接触プレート部52aを挟んで本体鋼管80の反対側に、接触プレート部52aに接して配置される。これにより、本体鋼管80に緩衝鋼管10を取り付ける際に、本体鋼管80をU字状に湾曲した取付プレート部51にガイドさせて挿入することができる。このため、緩衝部材1の取り付け作業を更に容易に行うことができる。
【0093】
本実施形態によれば、固定プレート部53aは、取付プレート部51に締結金具52cにより締結される。これにより、礫が衝突して緩衝部材1が破損した場合であっても、破損した緩衝部材1を新たな緩衝部材1に更に容易に交換できる。
【0094】
本実施形態によれば、取付プレート部51は、本体鋼管80の外周面に沿って湾曲して形成される。これにより、本体鋼管80と取付プレート部51とが面で接触する。このため、堰堤本体8に対して緩衝部材1をより安定して保持できる。
【0095】
取付機構2は、本体鋼管80と緩衝鋼管10とを着脱自在に取り付けるものである。このため、取付機構2は、第1本体鋼管81と第1緩衝鋼管11とを着脱自在に取り付けるものであってもよい。取付機構2は、第2本体鋼管82と第2緩衝鋼管12とを着脱自在に取り付けるものであってもよい。取付機構2は、第3本体鋼管83と第3緩衝鋼管13とを着脱自在に取り付けるものであってもよい。
【0096】
以上、この発明の実施形態のいくつかを説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。さらに、この発明は、上記の実施形態の他、様々な新規な形態で実施することができる。したがって、上記の実施形態は、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更が可能である。このような新規な形態や変形は、この発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明、及び特許請求の範囲に記載された発明の均等物の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
100 :透過型砂防堰堤
200 :緩衝部材の取付構造
1 :緩衝部材
10 :緩衝鋼管
11 :第1緩衝鋼管
12 :第2緩衝鋼管
13 :第3緩衝鋼管
2 :取付機構
21 :取付プレート部
22 :接触部材
22a :U字ボルト
23 :保持部材
23a :突起部
23b :突起部
24 :連結鋼管
25 :ゴム材
26 :連結鋼板
31 :取付プレート部
31a :湾曲プレート部
31b :第1起立プレート部
32 :接触部材
32a :接触プレート部
32b :第2起立プレート部
32c :締結金具
34 :連結鋼板
41 :取付プレート部
41a :U字状切り欠き部
41b :切り欠き部
42 :接触部材
42a :接触プレート部
42c :締結金具
44 :連結鋼板
51 :取付プレート部
51a :切り欠き部
52 :接触部材
52a :接触プレート部
52b :固定プレート部
52c :締結金具
54 :連結鋼板
80 :本体鋼管
81 :第1本体鋼管
82 :第2本体鋼管
83 :第3本体鋼管
84 :連結本体鋼管
89 :横材
X :流下方向
X1 :上流側
X2 :下流側
Y :幅方向
Z :上下方向