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  • 特開-支柱支持構造およびフェンス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004005
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】支柱支持構造およびフェンス
(51)【国際特許分類】
   E04H 12/00 20060101AFI20240109BHJP
   E04H 17/16 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
E04H12/00 A
E04H17/16 105A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103418
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】593211636
【氏名又は名称】株式会社ニッケンフェンスアンドメタル
(71)【出願人】
【識別番号】502313233
【氏名又は名称】共和鋼業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174207
【弁理士】
【氏名又は名称】筬島 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】岡本 剛士
(72)【発明者】
【氏名】森永 耕治
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142AA01
2E142AA03
2E142CC00
2E142CC11
2E142HH00
2E142HH12
2E142HH13
2E142HH21
2E142JJ08
(57)【要約】
【課題】支柱支持構造を鞘管構造とすることにより支柱の再利用を実現できると共に、鞘管をコンクリート基礎から容易に引き抜き(撤去)可能な構造とすることによりコンクリート基礎の再利用も実現できる、施工性、経済性、及び地球環境性に優れた支柱支持構造およびフェンスを提供する。
【解決手段】コンクリート基礎に支柱が立設される支柱支持構造において、前記支柱は前記コンクリート基礎に埋設された鞘管に、0.2mm~1.0mmのクリアランスを確保して脱着可能に立設されている。前記鞘管は、金属製であり、一対のC字形鋼、L字形鋼等の半割状部材を点付け溶接等で溶接して、または、1枚の鉄板を折り曲げて、筒状に形成されている。又は、前記鞘管は、樹脂製であり、内側面に鉛直方向に延びる断面欠損部を設けた有底筒状に形成されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート基礎に支柱が立設される支柱支持構造において、
前記支柱は前記コンクリート基礎に埋設された鞘管に、0.2mm~1.0mmのクリアランスを確保して脱着可能に立設されていることを特徴とする、支柱支持構造。
【請求項2】
前記鞘管は、金属製であり、一対のL字形鋼、C字形鋼等の半割状部材を点付け溶接等で溶接して、または、1枚の鉄板を折り曲げて、筒状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載した支柱支持構造。
【請求項3】
前記鞘管は、樹脂製であり、内側面に鉛直方向に延びる断面欠損部を設けた筒状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載した支柱支持構造。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載した支柱支持構造を用いて構築したフェンスであって、一対の前記支柱の間に面材を固定部材を介して取り付けてなることを特徴とする、フェンス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンクリート基礎に支柱が立設される支柱支持構造の技術分野に属し、さらに云えば、支柱と面材と必要に応じて胴縁とを用いて構築され、建物の境界や道路脇等に設置され、敷地境界や侵入防止を目的としたフェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から敷地境界や侵入防止を目的としたフェンスとして、支柱に金網などの面材を取り付けたフェンスが知られている。
フェンスには、人の寄りかかり荷重や風荷重に耐えるため、支柱をコンクリート基礎に直接埋め込んで立設して構築することが多い(例えば、特許文献1を参照)。
また、必要に応じてフェンスを取り除くことができるように、支柱をコンクリート基礎から抜き差し可能な構造として、埋め込んだパイプ材(鞘管)に支柱を挿入して立設する技術も知られている(例えば、特許文献2を参照)。
ところで近年、持続可能な開発目標(SDGs)の観点から、使用目的が終わり、取り除いたフェンスをリユース(再利用)することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-200641号公報
【特許文献2】実開昭59-1720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載された発明は、支柱をコンクリート基礎に埋め込んだ場合、支柱とコンクリート(モルタル)とが完全に固着し、支柱を引き抜くことは不可能であった。また、無理矢理に引き抜こうとしても、支柱そのものが破損、変形し、再利用することが困難という課題があった。
【0005】
前記特許文献2に記載された発明は、いわゆるパイプ材を用いた鞘管構造としているので、支柱は抜けやすく再利用することができ、よって、前記特許文献1に係る課題を解消できる点で有益な技術と云える。しかしながら、コンクリート基礎に鞘管(パイプ材)を埋設した構造で実施しているが故に、コンクリート基礎から鞘管(パイプ材)を取り除く(撤去する)ことが困難という新たな課題が生じ、コンクリート基礎を再利用する妨げとなっている。すなわち、コンクリート基礎を破砕して道路の敷石等に再利用したいところ、鞘管(パイプ材)が埋設されたままのコンクリート基礎では、混合廃棄物扱いとなり再利用することができないという新たな問題が生じ、解決するべき課題となっている。
【0006】
本発明は、上記した背景技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、支柱支持構造を鞘管構造とすることにより支柱の再利用を実現できると共に、鞘管をコンクリート基礎から容易に引き抜き(撤去)可能な構造とすることによりコンクリート基礎の再利用も実現できる、施工性、経済性、及び地球環境性に優れた支柱支持構造およびフェンスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る支柱支持構造は、コンクリート基礎に支柱が立設される支柱支持構造において、前記支柱は前記コンクリート基礎に埋設された鞘管に、0.2mm~1.0mmのクリアランスを確保して脱着可能に立設されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した支柱支持構造において、前記鞘管は、金属製であり、一対のL字形鋼、C字形鋼等の半割状部材を点付け溶接等で溶接して、または、1枚の鉄板を折り曲げて、筒状に形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載した支柱支持構造において、前記鞘管は、樹脂製であり、内側面に鉛直方向に延びる断面欠損部を設けた筒状に形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載した発明に係るフェンスは、請求項1~3のいずれか1項に記載した支柱支持構造を用いて構築したフェンスであって、一対の前記支柱の間に面材を固定部材を介して取り付けてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る支柱支持構造およびフェンスによれば、以下の効果を奏する。
(1)支柱が、コンクリート基礎に埋設された鞘管に、0.2mm~1.0mmのクリアランスを確保して脱着可能に立設されるので、支柱を破損、変形させることなく再利用することが可能となる。よって、施工性、経済性に優れた支柱支持構造およびフェンスを実現することができる。
(2)前記クリアランスの数値は、支柱が鞘管にぐらつきが発生することなく立設でき、かつスムーズに脱着できるという、この二律背反の関係を両立させるために本出願人が行った実物大試験に基づいて導出した数値なので、良好な立設状態を保持しつつ脱着可能な支柱支持構造を高い水準で効果的に実現することができる。
より詳しく説明すると、鞘管内面と支柱外面のクリアランスを0.2mm~1.0mmに設定することにより、鞘管内面と支柱外面との付着力(摩擦力)が、鞘管外面とコンクリートとの付着力(摩擦力)よりも小さくなり、支柱が鞘管から容易に引き抜くことができ、また、風荷重などによるぐらつきを抑えることが可能となる。
(3)請求項2又は請求項3に係る発明によると、用済みの鞘管を破壊しやすくなり、破壊された鞘管はコンクリート(基礎)から容易に取り外して撤去することができる。よって、破壊された鞘管は、産業廃棄物として処理できる上に、鞘管(不純物)が撤去されたコンクリートは破砕が可能となり再生破砕として道路の敷石等に再利用できるので、地球環境性に優れた支柱支持構造およびフェンスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る支柱支持構造を用いて構築したフェンスを示す立断面図である。
図2図1のフェンスの支柱支持構造を示す側断面図である。
図3図1のX部の拡大図である。
図4図2のY部の拡大図である。
図5図1図4に係る支柱支持構造の要部を示す平面図である。
図6】支柱支持構造のバリエーションを示す平面図である。
図7】支柱支持構造のバリエーションを示す平面図である。
図8】支柱支持構造のバリエーションを示す平面図である。
図9】支柱支持構造のバリエーションを示す平面図である。
図10】支柱支持構造のバリエーションを示す平面図である。
図11】支柱支持構造のバリエーションを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る支柱支持構造およびフェンスの実施例を図面に基づいて説明する。
なお、本発明に係る支柱支持構造は、道路脇等に設置されるフェンスやガードレールの構成要素である支柱全般を適用対象とするが、本実施例(図示例)では一例として、フェンス用の支柱に適用した場合について説明する。
【実施例0014】
本発明に係る支柱支持構造は、図1図5に示したように、コンクリート基礎10に支柱1が立設される支柱支持構造であり、前記支柱1は前記コンクリート基礎10に埋設された鞘管2に、0.2mm~1.0mmのクリアランスCを確保して脱着可能に立設されていることを特徴とする。
【0015】
前記支柱1は、あくまでも一例として、図5が分かりやすいように、平面方向からみて正面側に開口部11aを形成した内部空間11bを有する一対の断面コ字状柱11を背中合わせに溶接等の接合手段で一体化したものが用いられている。前記開口部11aの左右(図面では上下)には、前記内部空間11bへ向かって屈曲された折曲片11cが形成され、面材(金網)13を支柱1に取り付けるための固定金具8(例示した破線参照)が脱落しないような工夫が施されている。
なお、前記支柱1の形態(断面形状、大きさ)はあくまでも一例に過ぎず、図9図10に例示したように、断面が角形柱や円筒柱のような単純形状の支柱でも勿論同様に実施できる。要するに、本発明に係る支柱1は、嵌合構造を呈する鞘管2とのクリアランスCを0.2mm~1.0mmに確保することを条件に自在に設計変更可能であることを念のため特記しておく。
【0016】
前記鞘管2は、その内部に挿入される支柱1(の脚部)とのクリアランスCを、0.2mm~1.0mmに確保して実施できるように、本実施例では一例として、前記支柱1の外形に対応するように断面を矩形状で実施している。また、前記鞘管2は、金属製でも樹脂製でも同様に実施できる。ちなみに、図1図10に係る鞘管は、金属製(亜鉛鉄板等の薄鋼板)で実施しており、図11に係る鞘管2は、樹脂製(塩化ビニル樹脂)で実施している。
前記鞘管2の厚みは、用済み後にコンクリート基礎10から破壊等して取り除きやすいように薄厚状(例えば、0.3mm程度)に形成することが好ましい。前記鞘管2の全長(即ち、支柱1の埋込長)は、支柱1のぐらつき防止等、良好な立設状態保持を勘案すると、200~400mm程度が好ましい。ちなみに、図示例に係る支柱支持構造の大きさは、あくまでも一例として、鞘管2の長辺(図5の符号S参照)が56.5mm、短辺(同T参照)が41.5mm程度、クリアランスCが0.5mmで実施している。
【0017】
なお、前記支柱1、鞘管2の形態(形状、大きさ)はもちろん図示例に限定されず、クリアランスCの数値(0.2mm~1.0mm)を充足させることを条件に、自在に設計変更可能である。
また、前記支柱1と前記鞘管2とが形成する内部空間11b等の隙間には、必要に応じて砂等を充填することはあるが、用済み後の支柱1の良好な引き抜き作業を考慮し、モルタル等の固着材は充填しない。
【0018】
前記クリアランスCを0.2mm~1.0mに設定した意義は、支柱1を鞘管2にぐらつきが発生することなく立設でき、かつスムーズに脱着(引き抜き)できるという、この二律背反の関係を高い水準で両立させるためである。すなわち、クリアランスCを大きくすると、支柱1は鞘管2から引き抜きやすくなるものの、鞘管2に対してぐらつきを生じさせて安定性を欠く。一方、クリアランスCを小さくすると、支柱1は鞘管2にぐらつくことなく安定した立設状態を保持できるものの、鞘管2から脱着し(引き抜き)難くなる。つまり、支柱1の安定性(ぐらつきの発生)と支柱1のスムーズな脱着(引き抜き)とは二律背反の関係にあり、支柱1の安定性と支柱1のスムーズな脱着とを両立させることは従来非常に困難だった課題を、今般、実物大実験等をベースに本出願人が熟慮検討、考察し、前記クリアランスCを設定することで支柱1の安定性と支柱1のスムーズな脱着とを高い水準で両立できるに至った。
【0019】
したがって、実施例1に係る支柱支持構造によれば、支柱1が、コンクリート基礎10に埋設された鞘管2に、0.2mm~1.0mmのクリアランスCを確保して脱着可能に立設されるので、支柱1を破損、変形させることなく再利用することができる。
また、支柱1が鞘管2にぐらつきが発生することなく立設でき、かつスムーズに脱着できるという、この二律背反の関係を、支柱1と鞘管2とが形成するクリアランスCを、0.2mm~1.0mmに確保して実施することで高い水準で両立させることができるので、良好な立設状態を保持しつつ脱着可能な支柱支持構造を高い水準で効果的に実現することができる。
前記クリアランスCの寸法について更に説明すると、施工時に鞘管2をコンクリートブロックの穴に差し込んでフェンス等を構築する場合、鞘管2の外周とコンクリートブロックの穴とが形成する隙間をモルタル等の充填材で充填することになるが、鞘管2を穴に差し込む際に、鞘管2内に支柱1をセット(内嵌め)した状態でコンクリートブロックの穴に差し込むことが一般的に行われる。よって、鞘管2と支柱1とのクリアランスCが大きすぎると支柱1から鞘管2が抜けやすくなってしまうので、当該クリアランスCは大きすぎない方がよく、前記0.2mm~1.0mmよりは狭い、0.2mm~0.5mm程度が望ましい。
【実施例0020】
図6図7は、実施例2に係る支柱支持構造を示している。
この実施例2に係る支柱支持構造は、上記実施例1と比し、鞘管2を破壊しやすい構造とするべく、一対のL字形鋼21、C字形鋼22等(より詳しくは、板厚0.3mm程度の亜鉛鉄板等の薄鋼板)の半割状部材を軸方向に数カ所点付け溶接9等で溶接し、筒状に形成して実施している点が相違する(図5図6図7とを対比して参照)。その他の構成は、実施例1と同様なので同一の符号を付してその説明を省略する。
【0021】
すなわち、この実施例2に係る支柱支持構造によれば、支柱1を鞘管2に、0.2mm~1.0mmのクリアランスCを確保して脱着可能に立設する構成に変わりはないので、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる(詳しくは、前記段落[0019]参照)。加えて、この実施例2に係る支柱支持構造によれば、用済みの鞘管2を破壊しやすくなり、破壊された鞘管2はコンクリート基礎10から容易に取り外して撤去することができるので、破壊された鞘管2は、産業廃棄物として処理できる上に、鞘管2(不純物)が撤去されたコンクリート基礎10は破砕して道路の敷石等に再利用できる。
【0022】
なお、前記鞘管2は、筒状で実施しているが、底部を設けた有底筒状で実施することも勿論できる。コンクリート基礎10をコンクリートブロック等の既製品ではなく、現場打ちコンクリートで構築する場合は有底筒状の方が施工性がよい。以下の実施例についても同様の技術的思想とする。
【実施例0023】
図8は、実施例3に係る支柱支持構造を示している。
この実施例3に係る支柱支持構造は、上記実施例1と比し、鞘管2を破壊しやすい構造とするべく、1枚の鉄板(より詳しくは、板厚0.3mm程度の亜鉛鉄板等の薄鋼板)を折り曲げて、端部同士を10mm程度ラップさせることにより、筒状に形成して実施している点が相違する(図5図8とを対比して参照)。前記ラップ部は、本実施例では単に当接させ(重ね合わせ)ているだけで固定してはいないが、点付け溶接等で固定して実施することもできる。その他の構成は、実施例1と同様なので同一の符号を付してその説明を省略する。
ここで、前記端部同士の重ね代(ラップ部)について説明すると、前記1枚の鉄板同士を重ね合わせることにより、無溶接など、固定していなくても鞘管2の周囲に充填するモルタル(等の充填材)が入り込むことはない。しかしながら、重ね代が少なすぎると重ね部が変形し内部にモルタルが入り込むことが懸念される。また、重ね代が大きすぎると重ね部が変形させづらく、コンクリートから鞘管2を取り出す作業が困難になる。よって、前記端部同士の重ね代は、5mm~15mm程度が望ましく、本実施例では、前記のとおり、10mm程度で実施している。
【0024】
すなわち、この実施例3に係る支柱支持構造によれば、支柱1を鞘管2に、0.2mm~1.0mmのクリアランスCを確保して脱着可能に立設する構成に変わりはないので、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる(詳しくは、前記段落[0019]参照)。加えて、この実施例3に係る支柱支持構造によれば、用済みの鞘管2を破壊(より厳密にいえば、ラップ部を起点として変形、又は変形させながら破壊)しやすくなり、破壊された鞘管2はコンクリート基礎10から容易に取り外して撤去することができるので、破壊された鞘管2は、産業廃棄物として処理できる上に、鞘管2(不純物)が撤去されたコンクリート基礎10は破砕して道路の敷石等に再利用できる。
【実施例0025】
図11は、実施例4に係る支柱支持構造を示している。
この実施例4に係る支柱支持構造は、上記実施例1と比し、鞘管2を破壊しやすい構造とするべく、内側面に鉛直方向に延びる断面欠損部2aを設けた樹脂製の筒状で実施している点が主に相違する。前記断面欠損部2aの切欠き形状は、図示例のような略二等辺三角形状で形成するほか、略直角三角形状で実施することも勿論できる。また、前記断面欠損部2aを設ける部位又は数量は図示例の4箇所に限定されず、適宜設計変更可能である。
【0026】
すなわち、この実施例4に係る支柱支持構造によれば、支柱1を鞘管2に、0.2mm~1.0mmのクリアランスCを確保して脱着可能に立設する構成に変わりはないので、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる(詳しくは、前記段落[0019]参照)。加えて、この実施例4に係る支柱支持構造によれば、例えば、用済みの鞘管2と支柱1との間にバール等の棒状部材を差し込むことにより、断面欠損のある強度が弱い箇所2aから割れて(亀裂を誘発させて)破壊しやすくなり、破壊された鞘管2はコンクリート基礎10から容易に取り外して撤去することができるので、破壊された鞘管2は、産業廃棄物として処理できる上に、鞘管2(不純物)が撤去されたコンクリート基礎10は破砕して道路の敷石等に再利用できる。
【0027】
以上、実施例1~4を図面に基づいて説明したが、本発明、即ち前記支柱支持構造、及び前記支柱支持構造に固定金具8等を介して面材を張設して構築したフェンスは、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、実施例1~4に共通して、前記鞘管2をコンクリート基礎10から容易に取り除く手段として、鞘管2をコンクリート基礎10から剥離しやすくするために、予め鞘管2の外側に剥離材を塗布しておく等の工夫は適宜行われるところである。
【符号の説明】
【0028】
1 支柱
11 断面コ字状柱
11a 開口柱
11b 内部空間
11c 折曲片
2 鞘管(金属製)
21 L字形支柱(アングル)
22 C字(コ字)形支柱
2a 断面欠損部
8 固定金具
9 点付け溶接
10 コンクリート基礎
C クリアランス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11