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特開2024-40056太陽電池モジュール及び太陽電池アレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040056
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール及び太陽電池アレイ
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20180101AFI20240315BHJP
   E04D 1/30 20060101ALI20240315BHJP
   H02S 20/25 20140101ALI20240315BHJP
   H02S 40/34 20140101ALI20240315BHJP
【FI】
E04D13/18 ETD
E04D1/30 603G
H02S20/25
H02S40/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144888
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】駒田 淳
(72)【発明者】
【氏名】菊川 翔太
【テーマコード(参考)】
2E108
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
2E108KK04
2E108LL02
2E108MM04
2E108NN07
5F151JA01
5F151JA27
5F251JA01
5F251JA27
(57)【要約】
【課題】簡素な構成で耐火性及び耐延焼性を向上させる。
【解決手段】太陽電池モジュール10は太陽電池パネル14と瓦体15とカバー体16とを有する。太陽電池パネル14は本体部と端子ボックスとケーブルとを有する。瓦体15はパネル支持部と端子ボックス収容部とケーブル収容部22とを有する。パネル支持部は太陽電池パネルを支持する。端子ボックス収容部は第3の方向側を覆うように端子ボックスを収容する。ケーブル収容部は第3の方向側を覆うようにケーブルを収容する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに垂直な第1の方向及び第2の方向に平行な平板状の本体部、前記本体部の第1の主面側に設けられる端子ボックス、及び前記端子ボックスから導出されているケーブルを有する太陽電池パネルと、
前記第1の主面に対向するように前記太陽電池パネルを支持するパネル支持部、前記パネル支持部から陥没し且つ前記第1の主面の法線に沿って前記太陽電池パネルから前記パネル支持部に向かう第3の方向側を覆うように前記端子ボックスを収容する端子ボックス収容部、及び前記第2の方向に沿って連続するように延び且つ前記第3の方向側を覆うように前記ケーブルを収容するケーブル収容部を有する瓦体と、を備え、
前記ケーブル収容部は、前記端子ボックス収容部よりも前記第1の方向側に位置し、且つ前記端子ボックス収容部に連続する
太陽電池モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記瓦体は、前記端子ボックス収容部及び前記ケーブル収容部の間において前記端子ボックス収容部及び前記ケーブル収容部を連結させ、前記第3の方向側を覆うように前記ケーブルを収容する連結部を、更に有し、
前記連結部の前記第2の方向の長さは、前記端子ボックス収容部の前記第2の方向の長さより短い
太陽電池モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載の太陽電池モジュールにおいて、
不燃性を有し、前記太陽電池パネルよりも前記第1の方向側に位置し、少なくとも前記連結部の一部を前記第3の方向の逆側から覆うカバー体を、更に備える。
太陽電池モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記カバー体は、前記第3の方向の逆方向側に突出し、前記第2の方向に沿って延びる凸部を有する
太陽電池モジュール。
【請求項5】
請求項4に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記瓦体は、前記パネル支持部の第2の方向側に位置し、前記ケーブル収容部よりも前記第1の方向の逆方向に延びるアンダーラップ部を、更に有し、
前記カバー体は、前記パネル支持部及び前記ケーブル収容部の間で前記凸部より前記第1の方向側且つ前記アンダーラップ部よりも前記第3の方向の逆方向側に位置し、前記第2の方向に沿って延びる樋部を、更に有し、
前記樋部の前記第2の方向側の端部には、前記アンダーラップ部及び前記樋部を連通させる開口が形成されている
太陽電池モジュール。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記カバー体は、前記太陽電池パネルを前記第1の方向側から把持する把持部を、更に有する
太陽電池モジュール。
【請求項7】
請求項3から5に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記カバー体は、更に前記ケーブル収容部を、前記第3の方向の逆側から覆う
太陽電池モジュール。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記ケーブル収容部は、前記第2の方向に沿った両方向側の少なくとも一方の端に、他方の端と前記第3の方向においてずれるように形成されている段部を有し、
前記一方の端側に別の前記太陽電池モジュールをそれぞれの前記第1の方向、前記第2の方向、及び前記第3の方向が平行になるように配置する場合、前記段部は前記別の太陽電池モジュールの前記ケーブル収容部の他方の端と前記第3の方向から見て重なり合う
太陽電池モジュール。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記ケーブル収容部は、前記第1の方向側の端に、前記第3の方向の逆方向に立設されている立設部を有する
太陽電池モジュール。
【請求項10】
請求項1から5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記ケーブル収容部は、前記ケーブル収容部及び該ケーブル収容部と前記端子ボックス収容部とを連続させる部分の間に中間部を、更に有し、
前記ケーブル収容部は、前記中間部よりも前記第3の方向側に位置する
太陽電池モジュール。
【請求項11】
請求項1から5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールにおいて、
前記ケーブルは、前記第2の方向に延びる第1の極性ケーブル、及び第2の方向の逆方向に延びる第2の極性ケーブルを有し、
前記第1の極性ケーブルは、前記第3の方向から見て前記ケーブル収容部内で終端し、
前記第2の極性ケーブルは、前記第3の方向から見て前記ケーブル収容部を超えて終端する
太陽電池モジュール。
【請求項12】
請求項1から5のいずれか1項に記載の複数の前記太陽電池モジュールを備え、
前記複数の太陽電池モジュールの中の一部の前記太陽電池モジュールの前記ケーブル収容部は、他の前記太陽電池モジュールにより前記第3の方向の逆側から覆われる
太陽電池アレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュール及び太陽電池アレイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋根材一体型の太陽電池モジュールを用いた太陽電池アレイが知られている。又、屋根材一体型の太陽電池モジュールには、耐火性及び耐延焼性の向上が求められている。そこで、太陽電池モジュールと野地板との間に防火パネルを配置した構成が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の構成では、施工において用いる部材が多いため構造が複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021―123843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、簡素な構造で耐延焼性を向上させた太陽電池モジュール及び太陽電池アレイを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の観点による太陽電池モジュールは、
互いに垂直な第1の方向及び第2の方向に平行な平板状の本体部、前記本体部の第1の主面側に設けられる端子ボックス、及び前記端子ボックスから導出されているケーブルを有する太陽電池パネルと、
前記第1の主面に対向するように前記太陽電池パネルを支持するパネル支持部、前記パネル支持部から陥没し且つ前記第1の主面の法線に沿って前記太陽電池パネルから前記パネル支持部に向かう第3の方向側を覆うように前記端子ボックスを収容する端子ボックス収容部、及び前記第2の方向に沿って連続するように延び且つ前記第3の方向側を覆うように前記ケーブルを収容するケーブル収容部を有する瓦体と、を備え、
前記ケーブル収容部は、前記端子ボックス収容部よりも前記第1の方向側に位置し、且つ前記端子ボックス収容部に連続する。
【0006】
第2の観点による太陽電池アレイは、
互いに垂直な第1の方向及び第2の方向に平行な平板状の本体部、前記本体部の第1の主面側に設けられる端子ボックス、及び前記端子ボックスから導出されているケーブルを有する太陽電池パネルと、前記第1の主面に対向するように前記太陽電池パネルを支持するパネル支持部、前記パネル支持部から陥没し且つ前記第1の主面の法線に沿って前記太陽電池パネルから前記パネル支持部に向かう第3の方向側を覆うように前記端子ボックスを収容する端子ボックス収容部、及び前記第2の方向に沿って連続するように延び且つ前記第3の方向側を覆うように前記ケーブルを収容するケーブル収容部を有する瓦体と、を有し、前記ケーブル収容部は、前記端子ボックス収容部よりも前記第1の方向側に位置し、且つ前記端子ボックス収容部に連続する、複数の太陽電池モジュールを備え、
前記複数の太陽電池モジュールの中の一部の前記太陽電池モジュールの前記ケーブル収容部は、他の前記太陽電池モジュールにより前記第3の方向の逆側から覆われる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、簡素な構造で耐延焼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る太陽電池モジュールにより構成される太陽電池アレイを構造物の上面に設置した状態を示す外観斜視図である。
図2図1の太陽電池モジュールの外観斜視図である。
図3図2の太陽電池パネルの外観斜視図である。
図4図3の太陽電池パネルを裏側から見た外観斜視図である。
図5図2の瓦体の外観斜視図である。
図6図5の瓦体を裏側から見た外観斜視図である。
図7図5の瓦体の第1の方向側及び第2の方向側の端部周辺の部分拡大図である。
図8図5の瓦体の第2の方向に沿った中央近傍の位置における第2の方向に垂直な平面で切った端面図である。
図9図5の瓦体の変形例の第1の方向側及び第2の方向の逆方向側の端部周辺の部分拡大図である。
図10図2の太陽電池モジュールを第2の方向に向かって見た部分拡大図である。
図11図2の太陽電池モジュールの変形例の外観斜視図である。
図12図2のカバー体の外観斜視図である。
図13図2の太陽電池モジュールを第2の方向に向かって見た別の部分拡大図である。
図14図2の太陽電池モジュールの第1の方向側及び第2の方向側の端部周辺の部分拡大図である。
図15図2の太陽電池モジュールの第1の方向側及び第2の方向の逆方向側の端部周辺を第3の方向から見た部分拡大図である。
図16図12のカバー体の第2の方向の逆方向側の端部周辺の部分拡大図である。
図17図2の太陽電池モジュールを第2の方向に向かって見た更に別の部分拡大図である。
図18図1の太陽電池アレイの施工状況を説明するための図である。
図19図18の太陽電池アレイの施工に際した太陽電池モジュールの設置工程を説明するための部分拡大図である。
図20図1の太陽電池アレイを第2の方向に向かって見た、一部の太陽電池モジュール及び上面の断面図とともに、他の太陽電池モジュールの側面を示す図である。
図21図1の太陽電池アレイにおいて第2の方向に沿って互いに隣接する2つの太陽電池モジュールの第1の方向側の端部を示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の図面に示す構成要素において、同じ構成要素には同じ符号を付す。
【0010】
本開示の一実施形態に係る太陽電池モジュール10を含む太陽電池アレイ11は、複数の太陽電池モジュール10を含む。図1に示すように、本開示の一実施形態に係る太陽電池モジュール10を含む太陽電池アレイ11は、複数の太陽電池モジュール10を含んでよい。太陽電池アレイ11は、家屋等の構造物の上面12に設置されてよい。上面12は、例えば、傾斜面、水平面等である。傾斜面は、水平面に対して傾斜している面である。上面12は、例えば、野地板の主面であってよい。主面とは、立方体の中で最大の面積となる面である。野地板は、防水のためにルーフィング材で覆われていてよい。又、野地板には、桁行方向に延びるように、桟木13が固定されてよい。複数の桟木13が棟側から軒側に向かって配置されてよい。桁行方向は、上面12及び水平面に平行な方向である。
【0011】
太陽電池アレイ11において、複数の太陽電池モジュール10は、2次元状に配置されていてよい。太陽電池アレイ11において、複数の太陽電池モジュール10は、桁行方向に並ぶように配置されていてよい。太陽電池アレイ11において、複数の太陽電池モジュール10が桁行方向に並んで形成する複数の列が、棟側から軒側に並ぶように配置されていてよい。太陽電池アレイ11において、任意の太陽電池モジュール10の軒側に位置する別の太陽電池モジュール10の上に、当該任意の太陽電池モジュール10が部分的に重なっていてよい。複数の太陽電池モジュール10は、棟側から軒側に向かう方向において、ずれるように配置されてよく、並ぶように配置されていてよい。
【0012】
太陽電池モジュール10は、太陽電池パネル14及び瓦体15を含んで構成される。太陽電池モジュール10は、更にカバー体16を含んで構成されてよい。例えば、図2に示すように、太陽電池モジュール10は、太陽電池パネル14、瓦体15、及びカバー体16を含んで構成されてよい。太陽電池モジュール10では、互いに直行する第1の方向、第2の方向、第3の方向が定められている。太陽電池モジュール10は、太陽電池アレイ11を形成している状態で第1の方向が構造物の棟側を向き、第2の方向が桁行方向に平行、且つ第3の方向が上面12側を向くように配置されることを想定して形成される。したがって、太陽電池アレイ11において、複数の太陽電池モジュール10それぞれの第1の方向が互いに平行であってよい。又、太陽電池アレイ11において、複数の太陽電池モジュール10それぞれの第2の方向が互いに平行であってよい。又、太陽電池アレイ11において、複数の太陽電池モジュール10それぞれの第3の方向が互いに平行であってよい。
【0013】
太陽電池パネル14は、本体部17を有する。図3に示すように、太陽電池パネル14は、本体部17を有してよい。図4に示すように、太陽電池パネル14は、更に、端子ボックス18及びケーブル19を有してよい。
【0014】
本体部17は、受光して発電する。本体部17は、第1の方向及び第2の方向に平行な平板状である。図3、4に示すように、本体部17は、第1の主面s1及び第2の主面s2を有してよい。第1の主面s1及び第2の主面s2は、第3の方向に垂直であってよい。第1の主面s1は第3の方向側を向いてよい。第2の主面s2は、主として受光してよい。
【0015】
端子ボックス18は、本体部17の受光により発電した電力を外部に出力させる。端子ボックス18は、本体部17の第1の主面s1側に設けられてよい。端子ボックス18は、第2の方向における本体部17の中央近傍に設けられてよい。端子ボックス18は、本体部17における第1の方向側に寄った位置に設けられてよい。
【0016】
ケーブル19は、太陽電池パネル14で発電した電力を、外部機器に出力する。ケーブル19は、端子ボックス18から導出されていてよい。ケーブル19は、第1の極性ケーブル20及び第2の極性ケーブル21を含んでよい。第1の極性ケーブル20及び第2の極性ケーブル21は、互いに極性が異なっていてよい。
【0017】
図2に示すように、第1の極性ケーブル20は、太陽電池モジュール10において、第2の方向に延びてよい。第2の極性ケーブル21は、太陽電池モジュール10において、第2の方向の逆方向に延びてよい。第1の極性ケーブル20は、太陽電池モジュール10において、第3の方向から見て、後述するケーブル収容部22内で終端してよい。第2の極性ケーブル21は、太陽電池モジュール10において、第3の方向から見て、ケーブル収容部22を超えて終端してよい。
【0018】
瓦体15は、パネル支持部23を有する。図5、6に示すように、瓦体15は、パネル支持部23を有してよい。瓦体15は、更に、端子ボックス収容部24、ケーブル収容部22、連結部25、アンダーラップ部26、第1の脚部27、第2の脚部28、及び露出部29を有してよい。瓦体15は、第3の方向に向かって見て、全体的に四角形であってよく、矩形であってよい。本願明細書において、全体的に四角形又は矩形とは、部分的な切欠き等がなければ四角形及び矩形を形成する形状を意味する。
【0019】
パネル支持部23は、第1の主面s1に対向するように、太陽電池パネル14を支持してよい。パネル支持部23は、第3の方向の逆方向側を向く平板状の部分を含んでよい。パネル支持部23は、当該平板状の部分と第1の主面s1とを面接触させた状態で太陽電池パネル14を支持してよい。パネル支持部23は、第2の方向に沿った両方向側の少なくとも一方の端部、より具体的には、第2の方向側の端部及び逆方向側の端部の少なくとも一方において、第3の方向側に傾斜していてよい。
【0020】
図6に示すように、パネル支持部23の第3の方向側の面において、第2の方向の逆方向側の端部には、他の部分より第3の方向の逆側に凹み且つ第1の方向に沿って延びた段状のオーバーラップ部30が形成されていてよい。
【0021】
パネル支持部23の第2の方向の長さは、働き幅であってよい。すなわち、太陽電池モジュール10が上面12に設置されて、太陽電池アレイ11を形成する際に、第2の方向側に隣接する太陽電池モジュール10に覆われない部分の長さであってよい。
【0022】
図5に示すように、端子ボックス収容部24は、パネル支持部23から陥没してよい。端子ボックス収容部24は、太陽電池モジュール10において、端子ボックス18の第3の方向側の部分を覆うように、端子ボックス18を収容してよい。
【0023】
ケーブル収容部22は、ケーブル19の第3の方向側の部分を覆うようにケーブル19を収容してよい。又、ケーブル収容部22は、第1の極性ケーブル20及び第2の極性ケーブル21を含むケーブル19を支持するケーブル支持部として機能してよい。具体的には、図7に示すように、ケーブル収容部22は、第3の方向に交差する面を有してよい。より具体的には、ケーブル収容部22は、第3の方向に直交する平面である底壁部31を有してよい。ケーブル収容部22は、更に、第1の方向側の端に位置し且つ第3の方向の逆方向に立設されている立設部32を有してよい。立設部32は、具体的には、第2の方向に沿って延びる壁状であってよい。
【0024】
ケーブル収容部22は、パネル支持部23よりも第1の方向側に位置してよい。ケーブル収容部22は、直接的又は間接的にパネル支持部23に連続してよい。ケーブル収容部22は、端子ボックス収容部24が形成される構成においては、端子ボックス収容部24よりも第1の方向側に位置してよい。ケーブル収容部22は、端子ボックス収容部24に連続してよい。ケーブル収容部22は、第2の方向に沿って連続するように延びてよい。ケーブル収容部22は、瓦体15の第2の方向側の端から延びてよい。
【0025】
図8に示すように、ケーブル収容部22は、ケーブル収容部22及び端子ボックス収容部24を連続させる部分と、ケーブル収容部22との間に、中間部33を有してよい。ケーブル収容部22及び端子ボックス収容部24を連続させる部分は、連結部25を有さない構成においては、端子ボックス収容部24の第1の方向寄りの部分であってよい。ケーブル収容部22及び端子ボックス収容部24を連続させる部分は、連結部25を有する構成においては、連結部25の第1の方向寄りの部分であってよい。
【0026】
中間部33は、ケーブル収容部22の最も第3の方向側の面、例えば、底壁部31よりも第3の方向の逆方向側に位置してよい。より具体的には、中間部33は、底壁部31から第3の方向の逆方向側に立設し、パネル支持部23の第3の方向の逆側の面にまで到達しない高さの壁面を含む。したがって、ケーブル収容部22は、中間部33よりも第3の方向側に位置する。
【0027】
ケーブル収容部22は、第2の方向に沿った両方向の少なくとも一方に別の太陽電池モジュール10を配置して太陽電池アレイ11を形成している状態で、当該別の太陽電池モジュール10により第3の方向の逆側から覆われてよい。例えば、任意の太陽電池モジュール10のケーブル収容部22の一方の端が、当該任意の太陽電池モジュール10に隣接する別の太陽電池モジュール10のケーブル収容部22の端に重ねられてよい。このような構成となるために、ケーブル収容部22の第2の方向の長さは、パネル支持部23の長さ以上であってよい。
【0028】
より具体的には、図9に示すように、ケーブル収容部22は、第2の方向に沿った両方向側の少なくとも一方の端に、段部34を有してよい。段部34は、例えば、第2の方向の逆側の端に設けられてよい。
【0029】
段部34は、段部34が設けられる一方の端に対する他方の端と第3の方向においてずれてよい。段部34は、例えば、底壁部31よりも第3の方向側にずれて、又は、第3の方向の逆方向側にずれて位置してよい。段部34は、底壁部31の端から第2の方向の逆方向に延びてよい。
【0030】
段部34の第1の方向側の端には、第2の方向に沿って延び、第3の方向の逆方向側に立設する延長立設部35が設けられてよい。延長立設部35は、例えば、立設部32よりも第1の方向側にずれて位置して、又は、第1の方向の逆方向側にずれて位置してよい。延長立設部35は、立設部32の端から第2の方向の逆方向に延びてよい。
【0031】
段部34は、段部34側の端に別の太陽電池モジュール10を配置して太陽電池アレイ11を形成している状態で、当該別の太陽電池モジュール10のケーブル収容部22の他方の端と第3の方向から見て、重なり合ってよい。より具体的には、段部34が設けられる構成において、段部34を除くケーブル収容部22の第2の方向の長さは、パネル支持部23の長さ以下であってよい。更に、当該構成において、段部34を含むケーブル収容部22の第2の方向の長さはパネル支持部23の長さ以上であってよい。
【0032】
又は、ケーブル収容部22の第2の方向における長さは、パネル支持部23の第2の方向における長さから、第2の極性ケーブル21の直径を減じた値より短くてよい。したがって、パネル支持部23の第2の方向における長さから、ケーブル収容部22の第2の方向における長さを減じた値は、第2の極性ケーブル21の直径より大きくてよい。又、ケーブル収容部22の第2の方向における長さは、瓦体15の第2の方向における長さからアンダーラップ部26の第2の方向における長さを減じた値以下であってよい。
【0033】
図5に示すように、連結部25は、第1の方向において、端子ボックス収容部24及びケーブル収容部22の間に形成されていてよい。連結部25は、端子ボックス収容部24及びケーブル収容部22を連結させてよい。連結部25は、ケーブル19の第3の方向側の部分を覆うようにケーブル19を収容してよい。
【0034】
連結部25は、例えば、第1の方向に沿って延びる溝状の構造である。連結部25の第2の方向の長さは、ケーブル19を収容可能であればよく、端子ボックス収容部24の第2の方向の長さより短くてよい。
【0035】
アンダーラップ部26は、パネル支持部23の第2の方向側に位置してよい。アンダーラップ部26は、第1の方向に沿って延びてよい。アンダーラップ部26は、第1の方向に沿った溝状であってよい。アンダーラップ部26の、第1の方向の逆方向側は開口していてよい。
【0036】
アンダーラップ部26は、更に、ケーブル収容部22よりも第1の方向の逆方向に延びてよい。アンダーラップ部26は、より具体的には、パネル支持部23の第2の方向側の辺に沿って延びてよい。アンダーラップ部26の第2の方向の長さは一定であってよく、第1の方向の逆方向に向かって広がるように、又は狭まるように変化してよい。
【0037】
アンダーラップ部26は、第2の方向から透視して、全体的にオーバーラップ部30とは重ならなくてよい。言い換えると、アンダーラップ部26は、第3の方向において、オーバーラップ部30からずれて位置してよい。アンダーラップ部26の第2の方向の長さは、オーバーラップ部30の第2の方向の長さ以下であってよい。
【0038】
図6に示すように、第1の脚部27は、パネル支持部23より第1の方向側に位置してよい。第1の脚部27は、ケーブル収容部22の第1の方向の逆側近傍に位置してよい。第1の脚部27は、第3の方向側に突出してよい。第1の脚部27は、第2の方向に沿って延びる畝状であってよい。
【0039】
第2の脚部28は、瓦体15の第1の方向の逆方向側の端部に位置してよい。第2の脚部28は、第3の方向側に突出してよい。第2の脚部28は、第2の方向に沿って延びてよい。
【0040】
図5に示すように、露出部29は、瓦体15の第1の方向の逆方向側の端部に位置してよい。図2に示すように、太陽電池モジュール10において、露出部29は、第3の方向に向かって見て太陽電池パネル14から露出してよい。露出部29は、第2の方向に沿って延びてよい。図8に示すように、露出部29は、パネル支持部23の平板状の部分より第3の方向の逆方向側に突出してよい。第3の方向から透視して、露出部29は、第2の脚部28と重なっていてよい。
【0041】
露出部29の露出面の第3の方向における位置は、以下に説明するように、第3の方向から見た任意の位置における第1の差より第2の差の方が大きくなるように定められていてよい。第1の差は、太陽電池モジュール10の第3の方向の逆方向側の部分の第3の方向の位置から、露出部29の第3の方向の位置を減じた差である。第2の差は、太陽電池モジュール10の第3の方向側の部分の第3の方向の位置から、第2の脚部28の底面の第3の方向の位置を減じた差である。例えば、図10に示すように、第3の方向から見て任意に選択した第1の位置p1において、第1の差Δ11より第2の差Δ21の方が大きい。又、例えば、第3の方向から見て任意に選択した第2の位置p2における第1の差Δ12より第2の差Δ22の方が大きい。
【0042】
図5、6に示すように、瓦体15には、第1の方向側且つ第2の方向の逆方向側の角に少なくとも、切欠き(第2の切欠き)36が形成されていてよい。当該切欠き36は、第3の方向から見て、後述する、樋部39の第2の方向の逆方向側に形成される開口が形成されている位置と重なっていてよい。切欠き36の第2の方向の長さは、アンダーラップ部26の第2の方向の長さ以上であってよい。第2の切欠き36の第2の方向の長さに比較するアンダーラップ部26の第2の方向の長さは、アンダーラップ部26の第1の方向側の端における第2の方向の長さであってよい。
【0043】
瓦体15は、不燃性を有してよい。瓦体15の「不燃性」とは、法令(例えば、日本国における建築基準法又は建築基準法施行令等)により不燃材料として定められた性質をいう。不燃性を有する瓦体15は、例えば、粒の結合体である。粒の結合体は、岩石の粒を化学変化による効果により結合させることにより形成される物体である。粒の結合体は、例えば、コンクリート、焼き物などである。コンクリートは、砂利、砕石等の粗骨材、及び砂、砕砂等の細骨材を、セメント、石灰、石膏、アスファルト、硫黄、プラスチック等の結合剤を用いて固化させた複合材である。砂は、大きさ1/16mmから2mmの岩石の粒である。
【0044】
図2に示すように、カバー体16は、太陽電池パネル14よりも第1の方向側に位置してよい。図11に示すように、カバー体16は、全体的に矩形の平板状であってよい。カバー体16は、第2の方向に沿って延在してよい。
【0045】
図2に示すように、カバー体16は、少なくとも連結部25の一部、更には少なくとも連結部25全体を第3の方向の逆側から覆ってよい。更には、図11に示すように、カバー体16は、ケーブル収容部22を第3の方向の逆方向側から覆ってよい。
【0046】
カバー体16は、不燃性又は難燃性を有してよい。不燃性を有するカバー体16は、例えば、アルミニウム合金等の金属である。又、難燃性を有するカバー体16は、例えば、ポリ塩化ビニル等の難燃性樹脂である。カバー体16は、金属製である構成においては、任意の方法により瓦体15に固定されてよい。カバー体16は、樹脂製である構成においては、接着剤を用いて瓦体15に接着することにより固定されてよい。
【0047】
図12に示すように、カバー体16は、覆部37、凸部38、樋部39、及び把持部40を有してよい。
【0048】
覆部37は、第1の方向及び第2の方向に平行な平板状であってよい。覆部37は、第2の方向に連続するように延在してよい。図13に示すように、覆部37は、太陽電池モジュール10において、太陽電池パネル14の第1の方向側の端部を第3の方向の逆方向側から覆ってよい。
【0049】
凸部38は、カバー体16において凸部38が設けられる部分から第3の方向の逆方向側に突出してよい。凸部38は、例えば、覆部37より第3の方向の逆方向側に突出してよい。凸部38における、突出した先端が第1の方向の逆方向側に屈曲又は湾曲していてよい。
【0050】
図12に示すように、凸部38は、第2の方向に沿って延びてよい。凸部38には、第2の方向における一部の個所に切欠き(第1の切欠き)41が形成されていてよい。第2の方向に平行な直線に含まれる凸部38を単一の凸部38とみなして、複数の凸部38がカバー体16に設けられてよい。複数の凸部38は、第1の方向に沿って並んで配置されていてよい。切欠き41は、複数の凸部38の中で、最も第1の方向の逆方向側に位置する凸部38に少なくとも形成されていてよい。
【0051】
樋部39は、凸部38よりも第1の方向側に位置してよい。図2に示すように、樋部39は、太陽電池モジュール10において、第3の方向に向かって見て、第1の方向に沿ってパネル支持部23及びケーブル収容部22の間に位置してよい。
【0052】
樋部39は、第2の方向に沿って連続するように延びてよい。樋部39の第2の方向側の端部には、アンダーラップ部26及び樋部39を連通させる開口が形成されていてよい。アンダーラップ部26及び樋部39を連通させるとは、アンダーラップ部26を構成する底壁部及び側壁部が確定する空間と、樋部39を構成する底壁部、側壁部、及び仮想の天井壁が画定する空間とを連通させることを意味する。底壁部は、第3の方向側に位置する面を有する壁体である。側壁部は、底壁部の外縁に沿って第3の方向の逆方向側に立設する壁体である。仮想の天井壁は、側壁部の第3の方向の逆方向側の端を通る平面状の仮想の壁体である。例えば、図14に示すように、樋部39の第2の方向側の端に側壁部を形成せずに、第1の開口部42が形成されていてよい。
【0053】
図15に示すように、樋部39の第2の方向の逆方向側の端は、太陽電池モジュール10において、第3の方向から見て、瓦体15の切欠き36に到達していてよい。更には、樋部39は、第2の方向の逆方向側において、瓦体15の第2の方向の逆方向側の端から、アンダーラップ部26の第2の方向における長さ以下の長さで第2の方向に変位した位置で終端してよい。瓦体15の第2の方向の逆方向側の端とは、瓦体15全体の中で最も第2の方向の逆方向側の部分を意味してよい。当該端は、例えば、瓦体15が第1の方向における任意の位置での第2の方向に沿った長さが最大となる箇所の第2の方向の逆方向側の部分である。又は、当該端は、パネル支持部23の第2の方向の端側の部分である。
【0054】
樋部39の第2の方向の逆方向側の端部には、開口が形成されていてよい。例えば、図16に示すように、樋部39の第2の方向の逆方向側の端に側壁を形成せずに、第2の開口部43が形成されていてよい。
【0055】
図13に示すように、樋部39は、底壁部44及び立設部45を有してよい。底壁部44は、覆部37より第1の方向側に位置してよい。底壁部44は覆部37より第3の方向側に位置してよい。立設部45は、底壁部44の第1の方向における両端に設けられてよい。立設部45は、第2の方向の逆方向に立設されていてよい。
【0056】
樋部39の内底面ibは、太陽電池モジュール10において、太陽電池パネル14よりも第3の方向側に位置してよい。内底面ibは、底壁部44の第3の方向の逆方向側の面である。図2に示すように、樋部39は、アンダーラップ部26よりも第3の方向の逆方向側に位置してよい。
【0057】
図17に示すように、樋部39の底壁部44の高さは、太陽電池モジュール10において、第3の方向における第1の脚部27及び第2の脚部28の高さの差δ1と、露出部29及び底壁部44の高さの差δ2とが等しくなるように定められていてよい。第3の方向における第1の脚部27及び第2の脚部28の高さの差δ1とは、第1の脚部27及び第2の脚部28それぞれの最も第3の方向側の部分の、第3の方向の位置の差である。第3の方向における露出部29及び底壁部44の高さの差δ2とは、露出部29の露出面及び底壁部44の内底面ibそれぞれの第3の方向における位置の差である。
【0058】
樋部39には、第3の方向から透視して、第1の脚部27が重なってよい。具体的には、第1の方向において第1の脚部27は樋部39と重なってよく、且つ第2の方向において第1の脚部27は樋部39と重なってよい。
【0059】
図13に示すように、把持部40は、太陽電池パネル14を第1の方向側から把持してよい。把持部40は、覆部37より第3の方向側に突出して、第1の方向の逆方向側に屈曲する形状を有していてよい。
【0060】
上述の構成を有する複数の太陽電池モジュール10を上面12に設置して太陽電池アレイ11を形成する方法を以下に説明する。図18に示すように、太陽電池モジュール10は、最も軒側から上面12に設置されてよい。又、太陽電池モジュール10は、第1の方向を棟側に向けた状態で第2の方向の逆方向側から、桁行方向に沿って、順番に設置されてよい。
【0061】
新たに設置される太陽電池モジュール10aは、上面12に設置済みの太陽電池モジュール10bのアンダーラップ部26全体を、自身のオーバーラップ部30で覆うように、鉛直上方から設置される。図19に示すように、新たに設置される太陽電池モジュール10aは、上面12に設置済みの太陽電池モジュール10bのアンダーラップ部26全体を、自身のオーバーラップ部30で覆うように、鉛直上方から設置されてよい。又、新たに設置される太陽電池モジュール10aは、桁行方向に沿って隣接する太陽電池モジュール10bと互いのパネル支持部23が密着するように設置されてよい。又、図20に示すように、新たに設置される太陽電池モジュール10aは、自身の第2の脚部28が軒側の太陽電池モジュール10cのカバー体16の上に載るように設置されてよい。又、新たに設置される太陽電池モジュール10aは、第1の脚部27が桟木13に係合するように設置されてよい。
【0062】
図21に示すように、新たに設置される太陽電池モジュール10aの第2の極性ケーブル21は、上面12に設置後に、桁行方向に沿って隣接する設置済みの太陽電池モジュール10bの第1の極性ケーブル20と接続されてよい。
【0063】
上面12に設置された太陽電池モジュール10は、上面12に対して任意の手段により固定されてよい。例えば、太陽電池モジュール10は、釘等の固定具を用いて桟木13を介して上面12に固定されてよい。
【0064】
以上のような構成の太陽電池モジュール10は、太陽電池パネル14と、第1の主面s1に対向するように太陽電池パネル14を支持するパネル支持部23、パネル支持部23から陥没し且つ第3の方向側を覆うように端子ボックス18を収容する端子ボックス収容部24、及び第2の方向に沿って連続するように延び且つ第3の方向側を覆うようにケーブル19を収容するケーブル収容部22を有する瓦体15と、を備える。このような構成により、太陽電池モジュール10は、上面12に設置した状態において、燃える可能性のあり得る本体部17、端子ボックス18、及びケーブル19のいずれも、野地板、ルーフィング材等の可燃物から瓦体15で隔離し得る。したがって、太陽電池モジュール10は、防火パネル等の部材を用いることなく施工可能であるため、太陽電池アレイ11を簡素な構造で耐延焼性を向上させ得る。
【0065】
又、太陽電池モジュール10では、瓦体15は端子ボックス収容部24及びケーブル収容部22を連結させ且つ第3の方向側を覆うようにケーブル19を収容する連結部25を、更に有し、連結部25の第2の方向の長さは端子ボックス収容部24の第2の方向の長さより短い。太陽電池モジュール10の上面12への設置に際し、作業者が太陽電池モジュール10を踏みつけることがあり得る。瓦体15の内部空洞の第3の方向から透視した面積が広くなるほど、踏みつけ時の太陽電池モジュール10の破損の可能性が高くなる。このような事象に対して、上述の構成を有する太陽電池モジュール10は、端子ボックス18を収容する個所以外の内部空洞の第3の方向から透視した面積を狭小化し得る。したがって、太陽電池モジュール10は、施工時における破損の可能性を低減し得る。
【0066】
又、太陽電池モジュール10は、不燃性を有し、太陽電池パネル14よりも第1の方向側に位置し、少なくとも連結部25の一部を第3の方向の逆側から覆うカバー体16を、更に備える。上述のような構成を有する太陽電池モジュール10であっても、端子ボックス18、ケーブル19等が燃焼する事故は生じ得る。このような事故に対して、上記の構成を有し、第3の方向が鉛直下方を向く配置において、太陽電池モジュール10は、発生する炎の鉛直上方への広がりを低減し得る。したがって、太陽電池モジュール10は、燃焼事故が発生する場合であっても、当該太陽電池モジュール10を含む太陽電池アレイ11における当該太陽電池モジュール10の第1の方向に配置される別の太陽電池モジュール10への延焼の可能性を低減させる。
【0067】
又、太陽電池モジュール10では、カバー体16は第3の方向の逆方向側に突出し、第2の方向に沿って延びる凸部38を有する。このような構成により、太陽電池モジュール10は、太陽電池アレイ11において、当該太陽電池モジュール10の第1の方向側に配置する太陽電池モジュール10との葺合わせ部分からの雨水の吹込み量を低減し得る。したがって、太陽電池モジュール10は、端子ボックス18及びケーブル19の水濡れ量を低減し得る。
【0068】
又、太陽電池モジュール10では、瓦体15はアンダーラップ部26を有し、カバー体16はアンダーラップ部26よりも第3の方向の逆方向側に位置し且つ第2の方向に沿って延びる樋部39を有し、樋部39の第2の方向側の端部にはアンダーラップ部26及び樋部39を連通させる第1の開口部42が形成されている。このような構成により、太陽電池モジュール10は、太陽電池アレイ11においてカバー体16の第3の方向の逆方向側に雨水が侵入する場合であっても、樋部39からアンダーラップ部26に排水させ得る。したがって、太陽電池モジュール10は、雨水の端子ボックス収容部24及びケーブル収容部22への到達の可能性を低減し得る。その結果、太陽電池モジュール10は、端子ボックス18及びケーブル19の劣化の速度を低減するので、絶縁性を長期間維持し得る。それゆえ、太陽電池モジュール10は、焼損等の発生の可能性を低減し得る。
【0069】
又、太陽電池モジュール10では、カバー体16は太陽電池パネル14を第1の方向側から把持する把持部40を、更に有する。このような構成により、太陽電池モジュール10は、太陽電池パネル14の瓦体15からの脱落の可能性を低減するので、脱落に際して太陽電池パネル14のケーブル19が引っ張られる可能性を低減し得る。したがって、太陽電池モジュール10は、ケーブル19の引張りに伴う接触不良による焼損の発生する可能性を低減し得る。
【0070】
又、太陽電池モジュール10では、カバー体16は更にケーブル収容部22を第3の方向の逆側から覆う。このような構成により、太陽電池モジュール10は、燃焼するケーブル19からの上面12への延焼の可能性を更に低減させ得る。
【0071】
又、太陽電池モジュール10では、ケーブル収容部22は第2の方向に沿った両方向側の少なくとも一方の端に他方の端と第3の方向においてずれるように形成されている段部34を有し、一方の端側に別の太陽電池モジュール10を配置する場合、段部34は別の太陽電池モジュール10のケーブル収容部22の他方の端と第3の方向から見て重なり合う構成を採用し得る。このような構成により、太陽電池モジュール10は、太陽電池アレイ11を形成した状態で、第2の方向の逆方向側に隣接する太陽電池モジュール10との間で、両者のケーブル収容部22の間において、上面12に対して第2の極性ケーブル21を隙間なく、離隔し得る。したがって、太陽電池モジュール10は、燃焼するケーブル19からの上面12への延焼の可能性を更に低減させ得る。
【0072】
又、太陽電池モジュール10では、ケーブル収容部22は第1の方向側の端に、第3の方向の逆方向に立設されている立設部32を有する。このような構成により、太陽電池モジュール10は、ケーブル19を第1の方向側からも覆うので、燃焼するケーブル19からの上面12への延焼の可能性を更に低減させ得る。
【0073】
又、太陽電池モジュール10では、ケーブル収容部22はケーブル収容部22及びケーブル収容部22と端子ボックス収容部24とを連続させる部分の間に中間部33を更に有し、ケーブル収容部22は中間部33よりも第3の方向側に位置する。このような構成により、太陽電池モジュール10は、太陽電池アレイ11においてケーブル収容部22に雨水が侵入する場合であっても、端子ボックス収容部24への雨水の流入量を低減し得る。したがって、太陽電池モジュール10は、端子ボックス収容部24への雨水の流入に伴う端子ボックス18の水濡れに起因する劣化の速度を低減し得る。その結果、太陽電池モジュール10は、端子ボックス18の劣化に起因する焼損等の発生の可能性を低減し得る。
【0074】
又、太陽電池モジュール10では、第2の方向に延びる第1の極性ケーブル20は、第3の方向から見てケーブル収容部22内で終端し、第2の方向の逆方向に延びる第2の極性ケーブル21は第3の方向から見てケーブル収容部22を超えて終端する。太陽電池アレイ11の施工に際して、上面12に設置済みの太陽電池モジュール10bの第2の方向側に、新たに設置される太陽電池モジュール10aの設置作業が開始されることが想定されている。このような想定の設置作業において、設置済みの太陽電池モジュール10bの第1の極性ケーブル20、及び新たに設置される太陽電池モジュール10aの第2の極性ケーブル21が、互いに接続される前に太陽電池モジュール10a、10bに挟込まれるとケーブル19が損傷する可能性がある。このような懸念に対して、上述の構成を有する太陽電池モジュール10は、第2の方向側に別の太陽電池モジュール10が設置されていない状態で、未接続である第1の極性ケーブル20がケーブル収容部22からはみ出さない。したがって、太陽電池モジュール10は、第2の方向側に別の太陽電池モジュール10を鉛直上方側から載置する際に、自身の太陽電池モジュール10と別の太陽電池モジュール10による第1の極性ケーブル20の挟込みを防止する。なお、新たに設置される別の太陽電池モジュール10aは、設置済みの太陽電池モジュール10bに対して鉛直上方から、載置することにより設置されるので、新たに設置される別の太陽電池モジュール10aの第2の極性ケーブル21が挟み込まれる可能性は低い。このように、太陽電池モジュール10は、太陽電池アレイ11の施工時のケーブル19が挟込まれる可能性を低減するので、ケーブル19の損傷に伴うアーク又は発煙の発生する可能性を低減し得る。
【0075】
以上のような構成の太陽電池アレイ11は、複数の太陽電池モジュール10を備え、複数の太陽電池モジュール10の中の一部の太陽電池モジュール10のケーブル収容部22は、他の太陽電池モジュール10により第3の方向の逆側から覆われる。このような構成により、太陽電池アレイ11は、ケーブル収容部22内のケーブル19を第3の方向からは瓦体15により、第3の方向の逆方向からは別の太陽電池モジュール10により覆い得る。したがって、太陽電池アレイ11は、燃焼するケーブル19からの上面12への延焼の可能性を更に低減させ得る。
【0076】
一実施形態において、(1)太陽電池モジュールは、
互いに垂直な第1の方向及び第2の方向に平行な平板状の本体部、前記本体部の第1の主面側に設けられる端子ボックス、及び前記端子ボックスから導出されているケーブルを有する太陽電池パネルと、
前記第1の主面に対向するように前記太陽電池パネルを支持するパネル支持部、前記パネル支持部から陥没し且つ前記第1の主面の法線に沿って前記太陽電池パネルから前記パネル支持部に向かう第3の方向側を覆うように前記端子ボックスを収容する端子ボックス収容部、及び前記第2の方向に沿って連続するように延び且つ前記第3の方向側を覆うように前記ケーブルを収容するケーブル収容部を有する瓦体と、を備え、
前記ケーブル収容部は、前記端子ボックス収容部よりも前記第1の方向側に位置し、且つ前記端子ボックス収容部に連続する。
【0077】
(2)上記(1)の太陽電池モジュールでは、
前記瓦体は、前記端子ボックス収容部及び前記ケーブル収容部の間において前記端子ボックス収容部及び前記ケーブル収容部を連結させ、前記第3の方向側を覆うように前記ケーブルを収容する連結部を、更に有し、
前記連結部の前記第2の方向の長さは、前記端子ボックス収容部の前記第2の方向の長さより短い。
【0078】
(3)上記(2)の太陽電池モジュールは、
不燃性を有し、前記太陽電池パネルよりも前記第1の方向側に位置し、少なくとも前記連結部の一部を前記第3の方向の逆側から覆うカバー体を、更に備える。
【0079】
(4)上記(3)の太陽電池モジュールでは、
前記カバー体は、前記第3の方向の逆方向側に突出し、前記第2の方向に沿って延びる凸部を有する。
【0080】
(5)上記(4)の太陽電池モジュールでは、
前記瓦体は、前記パネル支持部の第2の方向側に位置し、前記ケーブル収容部よりも前記第1の方向の逆方向に延びるアンダーラップ部を、更に有し、
前記カバー体は、前記パネル支持部及び前記ケーブル収容部の間で前記凸部より前記第1の方向側且つ前記アンダーラップ部よりも前記第3の方向の逆方向側に位置し、前記第2の方向に沿って延びる樋部を、更に有し、
前記樋部の前記第2の方向側の端部には、前記アンダーラップ部及び前記樋部を連通させる開口が形成されている。
【0081】
(6)上記(3)乃至(5)の太陽電池モジュールでは、
前記カバー体は、前記太陽電池パネルを前記第1の方向側から把持する把持部を、更に有する。
【0082】
(7)上記(3)乃至(7)の太陽電池モジュールでは、
前記カバー体は、更に前記ケーブル収容部を、前記第3の方向の逆側から覆う。
【0083】
(8)上記(1)乃至(7)の太陽電池モジュールは、
前記ケーブル収容部は、前記第2の方向に沿った両方向側の少なくとも一方の端に、他方の端と前記第3の方向においてずれるように形成されている段部を有し、
前記一方の端側に別の前記太陽電池モジュールをそれぞれの前記第1の方向、前記第2の方向、及び前記第3の方向が平行になるように配置する場合、前記段部は前記別の太陽電池モジュールの前記ケーブル収容部の他方の端と前記第3の方向から見て重なり合う
【0084】
(9)上記(1)乃至(8)の太陽電池モジュールでは、
前記ケーブル収容部は、前記第1の方向側の端に、前記第3の方向の逆方向に立設されている立設部を有する。
【0085】
(10)上記(1)乃至(9)の太陽電池モジュールでは、
前記ケーブル収容部は、前記ケーブル収容部及び該ケーブル収容部と前記端子ボックス収容部とを連続させる部分の間に中間部を、更に有し、
前記ケーブル収容部は、前記中間部よりも前記第3の方向側に位置する。
【0086】
(11)上記(1)乃至(10)の太陽電池モジュールでは、
前記ケーブルは、前記第2の方向に延びる第1の極性ケーブル、及び第2の方向の逆方向に延びる第2の極性ケーブルを有し、
前記第1の極性ケーブルは、前記第3の方向から見て前記ケーブル収容部内で終端し、
前記第2の極性ケーブルは、前記第3の方向から見て前記ケーブル収容部を超えて終端する。
【0087】
(12)上記(1)乃至(11)の太陽電池モジュールでは、
前記複数の太陽電池モジュールの中の一部の前記太陽電池モジュールの前記ケーブル収容部は、他の前記太陽電池モジュールにより前記第3の方向の逆側から覆われる。
【0088】
本開示に係る実施形態について説明する図は模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。
【0089】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0090】
さらに、本開示に係る実施形態は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本開示に係る実施形態は、本開示に記載された全ての新規な特徴、又は、それらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法、又は、処理のステップ、又は、それらの組合せに拡張することができる。
【0091】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1の主面は、第2の主面と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【符号の説明】
【0092】
10 太陽電池モジュール
10a 新たに設置される太陽電池モジュール
10b 設置済みの太陽電池モジュール
10c 軒側の太陽電池モジュール
11 太陽電池アレイ
12 上面
13 桟木
14 太陽電池パネル
15 瓦体
16 カバー体
17 本体部
18 端子ボックス
19 ケーブル
20 第1の極性ケーブル
21 第2の極性ケーブル
22 ケーブル収容部
23 パネル支持部
24 端子ボックス収容部
25 連結部
26 アンダーラップ部
27 第1の脚部
28 第2の脚部
29 露出部
30 オーバーラップ部
31 底壁部
32 立設部
33 中間部
34 段部
35 延長立設部
36 切欠き(第2の切欠き)
37 覆部
38 凸部
39 樋部
40 把持部
41 切欠き(第1の切欠き)
42 第1の開口部
43 第2の開口部
44 底壁部
45 立設部
ib 内底面
p1 第1の位置
p2 第2の位置
s1 第1の主面
s2 第2の主面
図1
図2
図3
図4
図5
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