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特開2024-40061静電荷像現像用白色トナー、静電荷像白色現像剤、白色トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、画像形成方法、静電荷像現像用トナーセット、及び、静電荷像現像剤セット
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  • 特開-静電荷像現像用白色トナー、静電荷像白色現像剤、白色トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、画像形成方法、静電荷像現像用トナーセット、及び、静電荷像現像剤セット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040061
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】静電荷像現像用白色トナー、静電荷像白色現像剤、白色トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、画像形成方法、静電荷像現像用トナーセット、及び、静電荷像現像剤セット
(51)【国際特許分類】
   G03G 9/097 20060101AFI20240315BHJP
   G03G 9/09 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
G03G9/097 372
G03G9/09
G03G9/097 375
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144896
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八和田 鉄兵
(72)【発明者】
【氏名】吉原 宏太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤田 麻史
(72)【発明者】
【氏名】田中 知明
(72)【発明者】
【氏名】村上 毅
【テーマコード(参考)】
2H500
【Fターム(参考)】
2H500AA06
2H500AA10
2H500AA13
2H500CA04
2H500CB05
2H500CB12
2H500EA22A
2H500EA42D
2H500EA44D
2H500EA52A
2H500EA52D
2H500EA53A
2H500EA55A
2H500EA57A
(57)【要約】
【課題】繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーを提供する。
【解決手段】結着樹脂及び白色着色剤を含む白色トナー粒子と、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤と、を有し、前記白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wが、6.0μm以上10μm以下であり、粒径3.2μm以下の前記白色トナー粒子の割合が、全白色トナー粒子に対して5体積%以上30体積%以下であり、
前記白色トナー粒子の比表面積Sが、1.0cm/g以上1.2cm/g以下であり、かつ、前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量が、前記白色トナー粒子に対して0.1質量%以上2.0質量%以下である、静電荷像現像用白色トナー。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結着樹脂及び白色着色剤を含む白色トナー粒子と、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤と、を有し、
前記白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wが、6.0μm以上10μm以下であり、
粒径3.2μm以下の前記白色トナー粒子の割合が、全白色トナー粒子に対して0.5体積%以上3体積%以下であり、
前記白色トナー粒子の比表面積Sが、0.7cm/g以上1.2cm/g以下であり、
かつ、前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量が、前記白色トナー粒子に対して0.1質量%以上2.0質量%以下である、
静電荷像現像用白色トナー。
【請求項2】
前記粒径3.2μm以下の前記白色トナー粒子の割合が、全白色トナー粒子に対して0.6体積%以上2.5体積%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用白色トナー。
【請求項3】
前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径が、300nm以上600nm以下である請求項1に記載の静電荷像現像用白色トナー。
【請求項4】
前記外添剤が、体積平均粒径80nm以上120nm以下のシリカ粒子を含む請求項1に記載の静電荷像現像用白色トナー。
【請求項5】
前記シリカ粒子の体積平均粒径D50Sと前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径D50PMMAとの関係が、2.5<D50PMMA/D50S<7.5の関係を満たす請求項4に記載の静電荷像現像用白色トナー。
【請求項6】
前記シリカ粒子の外添量が、前記白色トナー粒子に対して0.8質量%以上3.0質量%以下である請求項4に記載の静電荷像現像用白色トナー。
【請求項7】
前記白色トナー粒子の平均円形度Rと前記粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2との関係が、RW3.2<Rの関係を満たす請求項1に記載の静電荷像現像用白色トナー。
【請求項8】
前記白色トナー粒子の平均円形度Rと前記粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2との関係が、0.05<R-RW3.2<0.1の関係を満たす請求項7に記載の静電荷像現像用白色トナー。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の静電荷像現像用白色トナーを含む静電荷像白色現像剤。
【請求項10】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の静電荷像現像用白色トナーを収容し、
画像形成装置に着脱される白色トナーカートリッジ。
【請求項11】
請求項9に記載の静電荷像白色現像剤を収容し、前記静電荷像白色現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
【請求項12】
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項9に記載の静電荷像白色現像剤を収容し、前記静電荷像白色現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項13】
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項9に記載の静電荷像白色現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
【請求項14】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の静電荷像現像用白色トナーと、
白色以外の有色トナー粒子を有する静電荷像現像用有色トナーと、
を備える静電荷像現像用トナーセット。
【請求項15】
静電荷像現像用有色トナーは、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤を有し、
前記静電荷像現像用白色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Wと前記静電荷像現像用有色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Cとの関係が、MPMMA-C<MPMMA-Wの関係を満たす請求項14に記載の静電荷像現像用トナーセット。
【請求項16】
前記静電荷像現像用白色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Wと前記静電荷像現像用有色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Cとの関係が、0.02質量%<MPMMA-W-MPMMA-C<0.3質量%の関係を満たす請求項15に記載の静電荷像現像用トナーセット。
【請求項17】
前記白色トナー粒子の平均円形度SFと前記有色トナー粒子の平均円形度SFとの関係が、SF<SFの関係を満たす請求項14に記載の静電荷像現像用トナーセット。
【請求項18】
前記白色トナー粒子の平均円形度SFと前記有色トナー粒子の平均円形度SFとの関係が、0.02<SF-SF<0.04の関係を満たす請求項17に記載の静電荷像現像用トナーセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電荷像現像用白色トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、画像形成方法、静電荷像現像用トナーセット、及び、静電荷像現像剤セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成において、有色の記録媒体又は透過性を有する記録媒体に有色画像を形成する目的で、白色トナーを使用することが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、「結着樹脂および平均粒子径130~600nmの酸化チタンを含有する白色トナー母体粒子と、チタン酸ストロンチウムを含む外添剤と、を含有する、静電荷像現像用トナー。」が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献2には、「白色トナーと有色トナーとを記録媒体に一括して転写及び定着させて画像を形成する工程を含む画像形成方法であって、20℃・50%RHの環境下、100kHzにおける、前記白色トナー誘電正接をtanδw100kとし、かつ前記有色トナーの誘電正接をtanδc100kとしたとき、式(1):tanδw100k<tanδc100kを満たすことを特徴とする画像形成方法。」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-77359号公報
【特許文献2】特開2020-129043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、結着樹脂及び白色着色剤を含む白色トナー粒子と、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤と、を有する静電荷像現像用白色トナーにおいて、白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wが6.0μm未満若しくは10μm超え、粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合が、全白色トナー粒子に対して0.5体積%未満若しくは3体積%超えであり、白色トナー粒子の比表面積Sが、0.7cm/g未満若しくは1.2cm/g超え、又は、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量が、白色トナー粒子に対して0.1質量%未満若しくは2.0質量%超えである場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段は、下記態様を含む。
<1>
結着樹脂及び白色着色剤を含む白色トナー粒子と、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤と、を有し、
前記白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wが、6.0μm以上10μm以下であり、
粒径3.2μm以下の前記白色トナー粒子の割合が、全白色トナー粒子に対して0.5体積%以上3体積%以下であり、
前記白色トナー粒子の比表面積Sが、0.7cm/g以上1.2cm/g以下であり、
かつ、前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量が、前記白色トナー粒子に対して0.1質量%以上2.0質量%以下である、
静電荷像現像用白色トナー。
<2>
前記粒径3.2μm以下の前記白色トナー粒子の割合が、全白色トナー粒子に対して0.6体積%以上2.5体積%以下である<1>に記載の静電荷像現像用白色トナー。
<3>
前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径が、300nm以上600nm以下である<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用白色トナー。
<4>
前記外添剤が、体積平均粒径80nm以上120nm以下のシリカ粒子を含む<1>に記載の静電荷像現像用白色トナー。
<5>
前記シリカ粒子の体積平均粒径D50Sと前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径D50PMMAとの関係が、2.5<D50PMMA/D50S<7.5の関係を満たす<4>に記載の静電荷像現像用白色トナー。
<6>
前記シリカ粒子の外添量が、前記白色トナー粒子に対して0.8質量%以上3.0質量%以下である<4>又は<5>に記載の静電荷像現像用白色トナー。
<7>
前記白色トナー粒子の平均円形度Rと前記粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2との関係が、RW3.2<Rの関係を満たす<1>~<6>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用白色トナー。
<8>
前記白色トナー粒子の平均円形度Rと前記粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2との関係が、0.05<R-RW3.2<0.1の関係を満たす<7>に記載の静電荷像現像用白色トナー。
<9>
<1>~<8>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用白色トナーを含む静電荷像白色現像剤。
<10>
<1>~<8>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用白色トナーを収容し、
画像形成装置に着脱される白色トナーカートリッジ。
<11>
<9>に記載の静電荷像白色現像剤を収容し、前記静電荷像白色現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
<12>
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
<9>に記載の静電荷像白色現像剤を収容し、前記静電荷像白色現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
<13>
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
<9>に記載の静電荷像白色現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
<14>
<1>~<8>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用白色トナーと、
白色以外の有色トナー粒子を有する静電荷像現像用有色トナーと、
を備える静電荷像現像用トナーセット。
<15>
静電荷像現像用有色トナーは、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤を有し、
前記静電荷像現像用白色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Wと前記静電荷像現像用有色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Cとの関係が、MPMMA-C<MPMMA-Wの関係を満たす<14>に記載の静電荷像現像用トナーセット。
<16>
前記静電荷像現像用白色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Wと前記静電荷像現像用有色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Cとの関係が、0.02質量%<MPMMA-W-MPMMA-C<0.3質量%の関係を満たす<15>に記載の静電荷像現像用トナーセット。
<17> 前記白色トナー粒子の平均円形度SFと前記有色トナー粒子の平均円形度SFとの関係が、SF<SFの関係を満たす<14>又は<15>に記載の静電荷像現像用トナーセット。
<18>
前記白色トナー粒子の平均円形度SFと前記有色トナー粒子の平均円形度SFとの関係が、0.02<SF-SF<0.04の関係を満たす<17>に記載の静電荷像現像用トナーセット。
【発明の効果】
【0008】
<1>に係る発明によれば、結着樹脂及び白色着色剤を含む白色トナー粒子と、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤と、を有する静電荷像現像用白色トナーにおいて、白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wが6.0μm未満若しくは10μm超え、粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合が、全白色トナー粒子に対して0.5体積%未満若しくは3体積%超えであり、白色トナー粒子の比表面積Sが、0.7cm/g未満若しくは1.2cm/g超え、又は、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量が、白色トナー粒子に対して0.1質量%未満若しくは2.0質量%超えである場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
【0009】
<2>に係る発明によれば、粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合が0.6体積%未満又は2.5体積%超えである場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
【0010】
<3>に係る発明によれば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径が、300nm未満又は600nm超えであるである場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
【0011】
<4>に係る発明によれば、外添剤が、体積平均粒径80nm以上120nm以下のシリカ粒子を含まない場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
<5>に係る発明によれば、シリカ粒子の体積平均粒径D50Sとポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径D50PMMAとの関係が、2.5<D50PMMA/D50S<7.5の関係を満たさない場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
<6>に係る発明によれば、シリカ粒子の外添量が、前記白色トナー粒子に対して0.8質量%未満又は3.0質量%超えである場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
【0012】
<7>に係る発明によれば、白色トナー粒子の平均円形度Rと粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2との関係が、RW3.2<Rの関係を満たさない場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
【0013】
<8>に係る発明によれば、白色トナー粒子の平均円形度Rと前記粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2との関係が、0.05<R-RW3.2<0.1の関係を満たさない場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
【0014】
<9>、<10>、<11>、<12>又は<13>に係る発明によれば、結着樹脂及び白色着色剤を含む白色トナー粒子と、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤と、を有する静電荷像現像用白色トナーにおいて、白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wが6.0μm未満若しくは10μm超え、粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合が、全白色トナー粒子に対して0.5体積%未満若しくは3体積%超えであり、白色トナー粒子の比表面積Sが、0.7cm/g未満若しくは1.2cm/g超え、又は、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量が、白色トナー粒子に対して0.1質量%未満若しくは2.0質量%超えである静電荷像現像用白色トナーを適用した場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像白色現像剤、白色トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、又は画像形成方法が提供される。
【0015】
<14>に係る発明によれば、結着樹脂及び白色着色剤を含む白色トナー粒子と、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤と、を有する静電荷像現像用白色トナーにおいて、白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wが6.0μm未満若しくは10μm超え、粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合が、全白色トナー粒子に対して0.5体積%未満若しくは3体積%超えであり、白色トナー粒子の比表面積Sが、0.7cm/g未満若しくは1.2cm/g超え、又は、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量が、白色トナー粒子に対して0.1質量%未満若しくは2.0質量%超えである静電荷像現像用白色トナーをを適用した場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用トナーセットが提供される。
【0016】
<16>に係る発明によれば、静電荷像現像用白色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Wと静電荷像現像用有色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Cとの関係が、0.02質量%<MPMMA-W-MPMMA-C<0.3質量%の関係を満たさない場合に比べ、有色トナーによる有色画像の色味低下を抑制する静電荷像現像用トナーセットが提供される。
【0017】
<17>に係る発明によれば、白色トナー粒子の平均円形度SFと白色トナー粒子の平均円形度SFとの関係が、SF<SFの関係を満たさない場合に比べ、有色トナーによる有色画像の色味低下を抑制する静電荷像現像用トナーセットが提供される。
【0018】
<18>に係る発明によれば、白色トナー粒子の平均円形度SFと有色トナー粒子の平均円形度SFとの関係が、0.02<SF-SF<0.04の関係を満たさない場合に比べ、有色トナーによる有色画像の色味低下を抑制する静電荷像現像用トナーセットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図2】本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
【0021】
本実施形態において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本実施形態中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本実施形態中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
【0022】
本実施形態において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
【0023】
本実施形態において実施形態を、図面を参照して説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
【0024】
本実施形態において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。本実施形態において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
【0025】
本実施形態において「(メタ)アクリル」との表記は「アクリル」及び「メタクリル」のいずれでもよいことを意味する。
【0026】
本実施形態において、「静電荷像現像用白色トナー」を単に「白色トナー」ともいい、「静電荷像現像用有色トナー」を単に「有色トナー」ともいい、「静電荷像白色現像剤」を単に「白色現像剤」ともい、「静電荷像有色現像剤」を単に「有色現像剤」ともいう。
また、本実施形態において、「静電荷像現像用トナーセット」を単に「トナーセット」ともいい、「静電荷像現像剤セット」を単に「現像剤セット」ともいう。
【0027】
<静電荷像現像用白色トナー>
本実施形態に係る白色トナーは、結着樹脂及び白色着色剤を含む白色トナー粒子と、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤と、を有する。
本実施形態に係る白色トナーにおいて、白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wは、6.0μm以上10μm以下である。
粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合が、粒径3.2μm以下の前記白色トナー粒子の割合が、全白色トナー粒子に対して0.5体積%以上3体積%以下である。
白色トナー粒子の比表面積Sが、0.7cm/g以上1.2cm/g以下である。
ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量は、白色トナー粒子に対して0.1質量%以上2.0質量%以下である。
【0028】
本実施形態に係る白色トナーは、上記構成により、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる。その理由は次の通り推測される。
【0029】
従来、有色の記録媒体又は透過性を有する記録媒体に有色画像を形成するとき、有色画像の色味低下を抑制する目的で、下地層として、白色トナーによる白色画像を形成することが知られている。
【0030】
白色トナーは、酸化チタン等に代表される、高比重で、導電性を持つ白色着色剤を多く含む。そのため、電荷注入性が高く、転写電界注入時にトナー帯電逆極化が起き易い点、及び外添剤が埋没し易い点から、白色トナーは、転写性が低下し易い傾向がある。
加えて、白色の記録媒体に有色画像を形成するときは、下地層としての白色画像は形成せず、また、低画像密度の白色画像が繰り返し形成するのも多いので、白色トナーはほとんど消費されない。この場合、白色現像剤用の現像装置では、同じ白色トナーが長時間撹拌負荷を受けて、白色トナー粒子に外添剤が埋没し、転写性が低下する。さらに、白色トナー粒子の表面に、電荷注入サイトとなる白色着色剤が露出することで、転写電界注入時にトナー帯電逆極化が起き、転写性が低下する。
これら状況で、下地層として、白色トナーによる白色画像を形成し、白色画像上に有色画像を形成した画像を転写すると、転写性が低下し、白色度(つまり、隠ぺい度)が低い白色画像が形成される。
【0031】
そこで、本実施形態に係る白色トナーでは、比表面積Sが0.7cm/g以上1.2cm/g以下、体積平均粒径D50Wが6.0μm以上10μm以下、及び粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合が0.5体積%以上3体積%以下である白色トナー粒子に対して、外添量0.1質量%以上2.0質量%以下でポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を外添させる。
外添剤としてのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子は、絶縁性であるため、物理的なスペーサとしての機能と共に、電荷注入ブロックサイトとして機能する。それにより、白色トナー粒子の非静電的付着力及び電荷注入性を低減する。そして、転写電界注入時にトナー帯電逆極化が起き難くする。
【0032】
特に、白色トナー粒子の体積平均粒径を上記範囲とすることで、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が付着し易く、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が、物理的なスペーサとしての機能と共に、電荷注入ブロックサイトとして機能を発揮する。
【0033】
また、上記比表面積を持つ白色トナー粒子は、微細な凹凸を多数有するため、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が白色トナー粒子の凹部へ移行しても、周囲の白色トナー又はキャリアとの衝突機会が無くなり、凹部からポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が移行し難くなる。そのため、外添剤の中では相対的に粒径が大きく(つまりファンデルワールス力低く)、かつ非静電電的付着力の小さなポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子でも、白色トナー粒子に付着した状態が維持される。それにより、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が凹部に存在する場合でも、電荷注入ブロックサイトとして機能が維持される。
ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が、白色トナー粒子の凸部に存在する場合でも、外添剤の中では相対的に粒径が大きなポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子は、白色トナー粒子に埋没し難く、スペーサとしての機能が維持される。
【0034】
加えて、ファンデルワールス力が大きい粒径3.2μm以下の微細な白色トナー粒子の割合を上記範囲とすることで、さらにポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が白色トナー粒子に付着し易くなり、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が、物理的なスペーサとしての機能と共に、電荷注入ブロックサイトとして機能を発揮する。
【0035】
以上から、本実施形態に係る白色トナーは、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られると推測される。
【0036】
以下、本実施形態に係る白色トナーの詳細について説明する。
【0037】
本実施形態に係る白色トナーは、白色トナー粒子と、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤と、を有する。なお、白色トナー粒子の構成については後述する。
【0038】
(白色トナー粒子の体積平均粒径D50W
白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wは、6.0μm以上10μm以下である。白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wは、6.3μm9.5μmが好ましく、6.5μm9.0μmがより好ましい。ここで、白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wとは白色トナー粒子全体の体積平均粒径である。
白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wを上記範囲とすることで、適度な粒径となり、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が白色トナー粒子に付着し易くなる。そのため、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が、物理的なスペーサとしての機能と共に、電荷注入ブロックサイトとして機能を発揮し、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる。
【0039】
白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wの測定方法は、次の通りである。
白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wは、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON-II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。測定に際しては、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5質量%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加え、これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径100μmのアパーチャーを用いて粒径2μm以上60μm以下の範囲の粒子の粒径を測定する。測定するサンプルの数(即ち、粒子数)は50,000個である。測定した粒径の体積基準の粒度分布において、小径側から累積50%となる粒径を白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wとして求める。
【0040】
なお、トナーが有するトナー粒子の各物性を測定する際、トナーがトナー粒子と共に外添剤を有する場合、イオン交換水と界面活性剤の混合溶液とともに20分間超音波処理を行って外添剤を除去し、界面活性剤の除去とトナー粒子の乾燥及び回収後に測定を行えばよい。なお、上記の外添剤の除去処理は、外添剤の除去が施されるまで繰り返し行うことができる。
【0041】
(粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合)
粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合は、全白色トナー粒子に対して0.5体積%以上3体積%以下である。粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合は、0.55体積%以上2.7体積%以下が好ましく、0.6体積%以上2.5体積%以下がより好ましい。
粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合を上記範囲とすることで、ファンデルワールス力が大きい白色トナー粒子が増え、更に、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が白色トナー粒子に付着し易くなる。そのため、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が、物理的なスペーサとしての機能と共に、電荷注入ブロックサイトとして機能を発揮し、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる。
【0042】
粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合は、凝集合一法の場合、例えば、樹脂粒子の凝集時の昇温速度の制御により調整できる。また、混錬粉砕法の場合、例えば、周知の遠心式分級機、慣性式分級機等を使用し、微粉(目的とする範囲の粒径よりも小さい粒子)及び粗粉(目的とする範囲の粒径よりも大きい粒子)を除去する分級を実施する調整できる。
【0043】
粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合の測定方法は、次の通りである。
白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wの測定で、得られた粒径の体積基準の粒度分布において、粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の体積割合を求める。
【0044】
(白色トナー粒子の比表面積S
白色トナー粒子の比表面積Sが、0.7cm/g以上1.2cm/g以下である。白色トナー粒子の比表面積Sは、0.85cm/g以上1.2cm/g以下が好ましく、1cm/g以上1.2cm/g以下がより好ましい。ここで、白色トナー粒子の比表面積Sは、白色トナー粒子全体の比表面積である。
白色トナー粒子の比表面積Sを上記範囲とすることで、上述のように、白色トナー粒子の表面の凹凸部で、物理的なスペーサとしての機能と共に、電荷注入ブロックサイトとして機能を発揮し、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる。
【0045】
白色トナー粒子の比表面積Sは、凝集合一法の場合、例えば、凝集粒子の融合合一時のpH制御凝により調整できる。また、例えば、混錬粉砕法の場合、温度、時間を制御した熱保管により調整できる。
【0046】
白色トナー粒子の比表面積Sは、BET法により測定した値(つまりBET比表面積)であり、測定方法は、次の通りである。
測定装置としてBET比表面積計(SA3100、ベックマンコールター社製)を用いて窒素置換法にて測定した値である。具体的には、測定試料を1g精秤し、サンプルチューブに入れた後、脱ガス処理し、多点法の自動測定により得られた数値を、比表面積(m/g)とする。
なお、測定対象となるトナー粒子が、トナー粒子の表面に外添剤が外添したトナーである場合には、イオン交換水と界面活性剤との混合溶液とともに20分間超音波処理を行って外添剤を除去し、界面活性剤の除去及びトナー粒子の乾燥後に測定を行ってもよい。外添剤の除去処理は、外添剤の除去が施されるまで繰り返し行うことができる。
【0047】
(白色トナー粒子の平均円形度)
白色トナー粒子の平均円形度Rと粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2との関係は、RW3.2<Rの関係を満たすことが好ましく、0.05<R-RW3.2<0.1の関係を満たすことがより好ましく、0.07<R-RW3.2<0.1の関係を満たすことがさらに好ましい。ここで、白色トナー粒子の平均円形度Rは、白色トナー粒子全体の平均円形度である。
白色トナー粒子の平均円形度Rと粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2との関係を上記関係とすることで、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が選択的に3.2μm以下の白色トナー粒子に付着し、転写性が低い3.2μm以下の白色トナーの転写性が改善される。そのため、白色度の低下が更に抑制された白色画像が得られる。
【0048】
ここで、隠蔽性を高め、白色度を向上させる観点から、白色トナー粒子の平均円形度Rは、0.93以上0.98以下が好ましく、0.95以上0.97以下がより好ましい。
【0049】
白色トナー粒子の平均円形度Rは、凝集合一法の場合、例えば、凝集粒子の融合合一温度、凝集粒子の融合合一終了時間、凝集粒子の融合合一時のpH制御により調整できる。また、例えば、白トナーの粉砕工程における粉砕条件の制御(温度、回転速度など)により調整できる。
粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2は、凝集合一法の場合、例えば、樹脂粒子の凝集時の昇温速度、及び凝集粒子の融合合一条件の制御により調整できる。また、混錬粉砕法の場合、例えば、分級工程後に再度、微粉粒子の粉砕工程を追加し、中心粒径品と混合することにより調整できる。
【0050】
白色トナー粒子の平均円形度Rと粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2の測定方法は、次の通りである。
白色トナー粒子の平均円形度は、円相当周囲長/周囲長(具体的には、粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長/粒子投影像の周囲長)により求められる。
具体的には、次の方法で測定される値である。
まず、測定対象となる白色トナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA-3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプルの数(即ち、粒子数)は3,500個とする。
得られた平均円形度を、白色トナー粒子の平均円形度Rとする。
一方、粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2は、上記方法で得られた3500個の中から体積粒径データを抽出し、体積粒径3.2μm以下の円形度データを平均化して求める。
【0051】
(白色トナー粒子の構成)
白色トナー粒子は、結着樹脂と白色着色剤とを含み、必要に応じて、離型剤と、その他添加剤とを含む。
【0052】
-結着樹脂-
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと上記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0053】
結着樹脂としては、スチレンアクリル樹脂、又はポリエステル樹脂が好適であり、ポリエステル樹脂ユニットとスチレンアクリル樹脂ユニットとを有するハイブリッド樹脂でもよい。
【0054】
(1)スチレンアクリル樹脂
結着樹脂として好適なスチレンアクリル樹脂は、スチレン系単量体(スチレン骨格を有する単量体)と(メタ)アクリル系単量体((メタ)アクリロイル基を有する単量体、好ましくは(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体)とを少なくとも共重合した共重合体である。スチレンアクリル樹脂は、例えば、スチレン類の単量体と前述の(メタ)アクリル酸エステル類の単量体との共重合体を含む。なお、スチレンアクリル樹脂におけるアクリル樹脂部分は、アクリル系単量体及びメタクリル系単量体のいずれか、又は、それを重合してなる部分構造である。また、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含む表現である。
【0055】
スチレン系単量体としては、例えば、具体的には、スチレン、アルキル置換スチレン(例えば、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2-エチルスチレン、3-エチルスチレン、4-エチルスチレン等)、ハロゲン置換スチレン(例えば、2-クロロスチレン、3-クロロスチレン、4-クロロスチレン等)、ビニルナフタレン等が挙げられる。スチレン系単量体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中で、スチレン系単量体としては、反応し易さ、反応の制御の容易さ、更に入手性の点で、スチレンが好ましい。
【0056】
(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸n-ドデシル、(メタ)アクリル酸n-ラウリル、(メタ)アクリル酸n-テトラデシル、(メタ)アクリル酸n-ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n-オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t-ブチルシクロヘキシル等)、(メタ)アクリル酸アリールエステル(例えば、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ビフェニル、(メタ)アクリル酸ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸t-ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸ターフェニル等)、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸β-カルボキシエチル、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。(メタ)アクリル酸系単量体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、(メタ)アクリル系単量体のうち、これらの(メタ)アクリルエステルの中でも、トナーの定着性を高める観点から、炭素数2以上14以下(好ましくは炭素数2以上10以下、より好ましくは3以上8以下)のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。中でも、(メタ)アクリル酸n-ブチルが好ましく、アクリル酸n-ブチルが特に好ましい。
【0057】
スチレン系単量体と(メタ)アクリル系単量体との共重合比(質量基準、スチレン系単量体/(メタ)アクリル系単量体)は、特に制限はないが、85/15乃至60/40であることが好ましい。
【0058】
スチレンアクリル樹脂は、架橋構造を有していることが好ましい。架橋構造を有するスチレンアクリル樹脂は、例えば、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体と架橋性単量体とを少なくとも共重合したものが好ましく挙げられる。
【0059】
架橋性単量体としては、例えば、2官能以上の架橋剤が挙げられる。
2官能の架橋剤としては、例えば,ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジ(メタ)アクリレート化合物(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、デカンジオールジアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等)、ポリエステル型ジ(メタ)アクリレート、メタクリル酸2-([1’-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル等が挙げられる。
3官能以上の架橋剤としては、トリ(メタ)アクリレート化合物(例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等)、テトラ(メタ)アクリレート化合物(例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート等)、2,2-ビス(4-メタクリロキシ、ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート等が挙げられる。
中でも、架橋性単量体としては、トナーの定着性を高める観点から、2官能以上の(メタ)アクリレート化合物が好ましく、2官能(メタ)アクリレート化合物がより好ましく、炭素数6~20のアルキレン基を有する2官能(メタ)アクリレート化合物が更に好ましく、炭素数6~20の直鎖アルキレン基を有する2官能(メタ)アクリレート化合物が特に好ましい。
【0060】
全単量体に対する架橋性単量体の共重合比(質量基準、架橋性単量体/全単量体)は、特に制限はないが、2/1,000乃至20/1,000であることが好ましい。
【0061】
スチレンアクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、トナーの定着性を高める観点から、40℃以上75℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
【0062】
ここで、樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求められる。樹脂のガラス転移温度は、より具体的には、JIS K 7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
【0063】
スチレンアクリル樹脂の重量平均分子量は、トナーの保管安定性の観点から、5,000以上200,000以下が好ましく、10,000以上100,000以下がより好ましく、20,000以上80,000以下が特に好ましい。
【0064】
ここで、樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
【0065】
スチレンアクリル樹脂の作製方法は、特に制限はなく、種々の重合方法(例えば、溶液重合、沈殿重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等)が適用される。また、重合反応は、公知の操作(例えば、回分式、半連続式、連続式等)が適用される。
【0066】
(2)ポリエステル樹脂
ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えば、シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば、炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸としては、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば、炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0067】
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0068】
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
【0069】
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
【0070】
ポリエステル樹脂は、公知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧し、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と重縮合させるとよい。
【0071】
結着樹脂の含有量は、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下が更に好ましい。
【0072】
-白色着色剤-
白色着色剤としては、無機顔料、有機顔料が挙げられる。
白色着色剤として、具体的には、無機顔料では、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネートカオリン、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、及び、スメクサイト等、有機顔料では、ポリスチレン樹脂粒子、及び、尿素ホリマリン樹脂粒子等が挙げられる。る。
中でも、隠蔽性がより高く、有色画像の色味に更に優れる白色画像を形成する観点から、白色着色剤としては、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、及び酸化ジルコニウムよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0073】
特に、白色着色剤としては、隠蔽性に優れる観点から、酸化チタンが好ましい。酸化チタンの結晶構造は、アナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型のいずれでもよい。
【0074】
白色着色剤は、必要に応じて表面処理された白色着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。
【0075】
白色着色剤の体積平均粒径は、隠蔽性に優れる観点から、150nm以上900nm以下が好ましく、180nm以上800nm以下がより好ましく、200nm以上700nm以下が更に好ましい。
白色着色剤の体積平均粒径は、走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electron Microscope)装置((株)日立製作所製:S-4100)により観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(LUZEXIII、(株)ニレコ製)に取り込み、画像解析をすることにより算出しうる。具体的には、粒子ごとの面積を測定し、この面積値から円相当径を算出する。得られた円相当径の体積基準の累積頻度における50%径(D50)を白色着色剤の体積平均粒径とする。なお、電子顕微鏡は1視野中に白色着色剤が10個以上50個以下程度写るように倍率が調整され、複数視野の観察を合わせて一次粒子の円相当径が求められる。
【0076】
白色着色剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0077】
白色着色剤の含有量は、トナー粒子全体に対して、15質量%以上45質量%以下が好ましく、20質量%以上40質量%以下がより好ましい。
【0078】
-離型剤-
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
【0079】
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。離型剤の融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
【0080】
離型剤の含有量は、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
【0081】
-その他の添加剤-
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の公知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
【0082】
(白色トナー粒子の特性)
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等を含む芯部と、結着樹脂を含む被覆層と、で構成されている。
【0083】
(外添剤)
-ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子-
外添剤は、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む。
ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量は、白色トナー粒子に対して0.1質量%以上2.0質量%以下である。ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量は、0.1質量%以上1.6質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上1.2質量%以下が更に好ましい。
ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量を上記範囲とすることで、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が、物理的なスペーサとしての機能と共に、電荷注入ブロックサイトとして機能を発揮し、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる。
【0084】
ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径は、300nm以上600nm以下が好ましく、300nm以上550nm以下がより好ましく、300nm以上500nm以下が更に好ましい。
ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径を上記範囲とすることで、白色トナー粒子への付着力を高めつつ、スペーサ機能を発揮し、白色度の低下が更に抑制された白色画像が得られる。
【0085】
ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径は、次の通り測定する。
走査型電子顕微鏡(SEM)により白色トナー粒子表面を40,000倍で観察し、トナー粒子の外縁上の少なくとも200個のポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子について観察し、観察したポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の画像を、画像処理解析ソフトWinRoof(三谷商事(株)製)を用いて解析し、円相当径を求める。そして、少なくとも200個の粒子について粒径(円相当径)を測定し、粒径の体積基準の分布において小径側から累積50%となる粒径を、体積平均粒子径として求める。
【0086】
ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル粒子が好適に挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数は、1~6が好ましく、1~4がより好ましい。
スペーサ機能及び電荷注入ブロックサイト機能を発揮し、白色度の低下を抑制する観点から、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子としては、(メタ)アクリル酸メチルが好ましく、メタクリル酸メチルがより好ましい。
なお、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子は、架橋ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子であってもよい。
【0087】
-シリカ粒子-
外添剤は、体積平均粒径80nm以上120nm以下(好ましくは82nm以上118nm以下)のシリカ粒子(以下、特定シリカ粒子とも称する)を含むことが好ましい。
外添剤として、特定シリカ粒子が白色トナー粒子の表面に存在することで、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の埋没が抑制されると考えられる。また、特定シリカ粒子は白色トナー粒子表面の凹部に移行し易いため、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が白色トナー粒子表面の凹部に移行する空間を減少させ、白色トナー粒子表面の凸部にポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を移行させ易くなると考えられる。そのため、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が、物理的なスペーサとしての機能と共に、電荷注入ブロックサイトとして機能を発揮し、更に白色度の低下が抑制された白色画像が得られる。
【0088】
特定シリカ粒子の体積平均粒径D50Sとポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径D50PMMAとの関係が、2.5<D50PMMA/D50S<7.5の関係を満たすことが好ましく、2.7<D50PMMA/D50S<7.2の関係を満たすことがより好ましい。
特定シリカ粒子の体積平均粒径D50Sとポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径D50PMMAとの関係を満たすと、特定シリカ粒子が、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の埋没紡防止作用及び白色トナー粒子表面の凸部へのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の移行促進作用を発揮し易くなると考えられる。そのため、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が、物理的なスペーサとしての機能と共に、電荷注入ブロックサイトとして機能を発揮し、更に白色度の低下が抑制された白色画像が得られる。
【0089】
特定シリカ粒子の体積平均粒径D50Sは、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径D50PMMAと同じ方法で測定される。
【0090】
特定シリカ粒子の外添量は、白色トナー粒子に対して0.8質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.8質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
特定シリカ粒子の外添量を上記範囲にすると、特定シリカ粒子が、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の埋没紡防止作用及び白色トナー粒子表面の凸部へのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の移行促進作用を発揮し易くなると考えられる。そのため、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子が、物理的なスペーサとしての機能と共に、電荷注入ブロックサイトとして機能を発揮し、更に白色度の低下が抑制された白色画像が得られる。
【0091】
特定シリカ粒子としては、例えば、乾式シリカ粒子、湿式シリカ粒子が挙げられる。
乾式シリカ粒子としては、シラン化合物を燃焼させて得られる燃焼法シリカ(ヒュームドシリカ)、金属珪素粉を爆発的に燃焼させて得られる爆燃法シリカ等が挙げられる。
湿式シリカ粒子としては、珪酸ナトリウムと鉱酸との中和反応によって得られる湿式シリカ粒子(アルカリ条件で合成・凝集した沈降法シリカ、酸性条件で合成・凝集したゲル法シリカ粒子等)、酸性珪酸をアルカリ性にして重合することで得られるコロイダルシリカ粒子(シリカゾル粒子等)、有機シラン化合物(例えばアルコキシシラン等)の加水分解によって得られるゾルゲル法シリカ粒子が挙げられる。
これらの中でも、シリカ粒子としては、ゾルゲルシリカ粒子であることが好ましい。
【0092】
特定シリカ粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理剤としては、例えば、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)を有する公知の有機珪素化合物が挙げられ、具体例には、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、シラザン化合物等が挙げられる。これらの中でも、疎水化処理剤は、シラザン化合物が好ましく、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。疎水化処理剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0093】
特定シリカ粒子を疎水化処理剤による疎水化処理する方法としては、例えば、超臨界二酸化炭素を利用して、超臨界二酸化炭素中に疎水化処理剤を溶解させて、シリカ粒子表面に疎水化処理剤を付着させる方法;大気中において、疎水化処理剤と前記疎水化処理剤を溶解する溶媒とを含む溶液をシリカ粒子表面に付与(例えば噴霧又は塗布)して、シリカ粒子表面に疎水化処理剤を付着させる方法;大気中において、シリカ粒子分散液に疎水化処理剤と疎水化処理剤を溶解する溶媒とを含む溶液を添加して保持した後、シリカ粒子分散液及び前記溶液の混合溶液を乾燥させる方法;が挙げられる。
【0094】
-その他外添剤-
外添剤は、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子及び特定シリカ粒子以外の、その他外添剤を含んでもよい。
その他外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等の粒子が挙げられる。
【0095】
その他外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。疎水化処理剤の量は、通常、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
【0096】
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
【0097】
[トナーの製造方法]
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。なお、以下に説明するトナーの製造方法は、白色トナー及びカラートナーの双方に適用できるため、単に「トナー」と称して説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
【0098】
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。これらの製法に特に制限はなく、公知の製法が採用される。これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
【0099】
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
【0100】
以下、凝集合一法の各工程の詳細について説明する。以下の説明では、離型剤をも含むトナー粒子を得る方法について説明するが、離型剤は必要に応じて用いられるものである。無論、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
【0101】
-樹脂粒子分散液準備工程-
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、白色着色剤が分散された白色着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
【0102】
樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
【0103】
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0104】
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤;などが挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0105】
樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、メディアを有するボールミル、サンドミル又はダイノミル等を用いた一般的な分散方法が挙げられる。樹脂粒子の種類によっては、転相乳化法によって分散媒に樹脂粒子を分散させてもよい。転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて中和したのち、水(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの転相を行い、樹脂を水系媒体中に粒子状に分散する方法である。
【0106】
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径は、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下が更に好ましい。
樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA-700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を描き、全粒子に対して体積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
【0107】
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量は、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
【0108】
樹脂粒子分散液と同様にして、離型剤粒子分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散液における、分散媒、分散方法、粒子の体積平均粒径、及び粒子の含有量は、離型剤粒子分散液においても同様である。
【0109】
樹脂粒子分散液と同様にして、白色着色剤粒子分散液も調製される。白色着色剤粒子分散液の調製においては、解砕力に優れた分散処理装置を用いて白色着色剤粒子の角を取りながら白色着色剤粒子分散液を調製することが好ましい。
【0110】
白色着色剤粒子分散液における白色着色剤粒子の体積平均粒径(レーザ回折式粒度分布測定装置で測定される。)は、200nm以上900nm以下が好ましく、250nm以上800nm以下がより好ましく、300nm以上700nm以下が更に好ましい。
白色着色剤粒子分散液に含まれる白色着色剤粒子の含有量は、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
【0111】
-凝集粒子形成工程-
次に、樹脂粒子分散液と、白色着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液とを混合する。そして、混合分散液中で、樹脂粒子と白色着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ凝集粒子を形成する。
【0112】
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度に近い温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度-30℃以上且つガラス転移温度-10℃以下)に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、加熱を行ってもよい。
【0113】
凝集剤としては、例えば、混合分散液に含まれる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。凝集剤として金属錯体を用いた場合には、凝集剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤と共に、該凝集剤の金属イオンと錯体又は類似の結合を形成する添加剤を用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
【0114】
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩;ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体;などが挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸;イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のアミノカルボン酸;などが挙げられる。
キレート剤の添加量は、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
【0115】
-融合・合一工程-
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば、樹脂粒子のガラス転移温度より10℃から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
【0116】
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、を更に混合し、凝集粒子の表面に更に樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア・シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
【0117】
融合・合一工程の終了後、溶液中に形成されたトナー粒子に、公知の洗浄工程、固液分離工程、及び乾燥工程を施して、乾燥した状態のトナー粒子を得る。洗浄工程は、帯電性の観点から、イオン交換水による置換洗浄を充分に施すことがよい。固液分離工程は、生産性の観点から、吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。乾燥工程は、生産性の観点から、凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
【0118】
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えば、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
【0119】
<静電荷像現像用トナーセット>
本実施形態に係るトナーセットは、本実施形態に係る白色トナーと、白色以外の有色トナー粒子を有する有色トナーと、を備える。
本実施形態に係るトナーセットによれば、本実施形態に係る白色トナーにより、隠蔽性が高く、白色度の低下が抑制された白色画像が形成されることから、有色トナーにより形成される有色画像の色味が高められる。
【0120】
本実施形態に係るトナーセットにおいて、有色トナーは、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤を有してもよい。
ここで、白色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Wと有色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Cとの関係は、MPMMA-C<MPMMA-Wの関係を満たすことが好ましく、0.02質量%<MPMMA-W-MPMMA-C<0.3質量%の関係を満たすことがより好ましい。
有色トナーに比べて白色トナーはトナー粒子の表面積が広く、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量が有色トナーに比べて白色トナーの方が相対的に多くなる。また、白色トナーは有色トナーに比べて転写性が低いことが多い。そのため、白色トナーでポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子のスペーサ機能及び電荷注入ブロックサイト機能を発現し易くするため、白色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Wと有色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Cとの関係を上記関係とすることが好ましい。それにより、有色トナーによる有色画像の色味低下を抑制する。
【0121】
白色トナー粒子の平均円形度SFと有色トナー粒子の平均円形度SFとの関係は、SF<SFの関係を満たすことが好ましく、0.02<SF-SF<0.04の関係を満たすことがより好ましい。ここで、白色トナー粒子の平均円形度SFは、白色トナー粒子の平均円形度Rと同義である。
ここで、白色トナー画像の上に有色トナー画像を載せた画像を形成する場合、中間転写体上には、例えば、最下層に有色トナー層、最上層に白色トナー層を形成される。複数のトナー層の転写では最下層のトナー層の転写性の影響が強いため、有色トナー層が球状に
近い程、白色トナー画像の上に有色トナー画像を載せた画像の転写性は良好となる。そのため、白色トナー粒子の平均円形度SFと有色トナー粒子の平均円形度SFとの関係を上記関係とすることが好ましい。それにより、有色トナーによる有色画像の色味低下を抑制する。
【0122】
本実施形態に係るトナーセットは、有色画像の色味をより高める観点から、白色トナー粒子の体積平均粒径よりも、有色トナー粒子の体積平均粒径が小さいことが好ましい。
また、本実施形態に係るトナーセットは、有色画像の色味をより高める観点から、白色トナー粒子の体積平均粒径と有色トナー粒子の体積平均粒径との比(白色トナー粒子の体積平均粒径/有色トナー粒子の体積平均粒径)が、4/15以上16/3以下であることが好ましく、5/12以上12/3.5以下であることがより好ましく、6/10以上10/4以下であることが更に好ましい。
【0123】
ここで、有色トナー、有色トナー粒子、有色着色剤、及び有色画像とは、白色以外の色を有するトナー、トナー粒子、着色剤、及び画像を指す。例えば、有色トナーとしては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)等のカラートナー、黒色(K)トナーなどが挙げられる。
【0124】
本実施形態に係るトナーセットは、有色トナーとして複数の色のトナーを併用してもよく、例えば、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、及び黒色トナーの4色のトナーを併用して、白色トナーと共にトナーセットとしてもよい。この場合、少なくとも有色トナーのうち何れか1色のトナーが上記の条件を満たすことが好ましく、併用される全ての有色トナーが上記条件を満たすことが好ましい。
【0125】
また、有色トナーは、白色着色剤の代わりに、有色着色剤を用いる以外は、白色トナーと同様であることが好ましく、好ましい物性及び態様も、白色トナーと同様である。
有色着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
有色着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有色トナー粒子中における有色着色剤の含有量としては、例えば、有色トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
【0126】
<静電荷像白色現像剤>
本実施形態に係る白色現像剤は、本実施形態に係る白色トナーを少なくとも含むものであればよく、当該白色トナーとキャリアとを混合した二成分現像剤であってもよい。
【0127】
キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散して配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。磁性粉分散型キャリア及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、この表面に樹脂を被覆したキャリアであってもよい。
【0128】
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属;フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物;などが挙げられる。
【0129】
被覆用の樹脂及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。被覆用の樹脂及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等の添加剤を含ませてもよい。導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属;カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
【0130】
芯材の表面を樹脂で被覆するには、被覆用の樹脂、及び各種添加剤(必要に応じて使用する)を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する樹脂の種類や、塗布適性等を勘案して選択すればよい。具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法;被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法;芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法;ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、その後に溶剤を除去するニーダーコーター法;等が挙げられる。
【0131】
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
【0132】
<静電荷像現像剤セット>
本実施形態に係る現像剤セットは、本実施形態に係るトナーセットのうち、白色トナーを含む白色現像剤と、本実施形態に係るトナーセットのうち、有色トナーを含む有色現像剤と、を備える。
本実施形態に係る現像剤セットによれば、本実施形態に係る白色トナーを含む白色現像剤により、隠蔽性が高く、有色画像の色味に優れる白色画像が形成されることから、有色トナーを含む有色現像剤により形成される有色画像の色味が高められる。
【0133】
<画像形成装置、画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像白色現像剤が適用される。
【0134】
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像白色現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
【0135】
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;等の公知の画像形成装置が適用される。
【0136】
本実施形態に係る画像形成装置が中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
【0137】
本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に着脱するカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
【0138】
本実施形態に係る画像形成装置は、白色トナー画像を形成する画像形成ユニットと、有色トナー画像を形成する画像形成ユニットの少なくとも1つとを並列配置させたタンデム方式の画像形成装置であってもよく、白色画像のみを形成する単色の画像形成装置であってもよい。後者の場合、一の記録媒体上に、本実施形態に係る画像形成装置により白色画像が形成され、別の画像形成装置により有色画像が形成される。
【0139】
本実施形態に係る画像形成装置(画像形成方法)が画像を記録する記録媒体としては、特に限定されず、公知の記録媒体が適用される。例えば、樹脂フィルム乃至シート、紙等が挙げられる。樹脂フィルム乃至シートの用途としては、パッケージ、ラベル、包装材料、宣伝媒体、OHPシート等が挙げられる。
【0140】
樹脂フィルム乃至シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム乃至シート;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム乃至シート;ナイロン等のポリアミドフィルム乃至シート;ポリカーボネート、ポリスチレン、変性ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸等のフィルム乃至シート;などが挙げられる。これらのフィルム乃至シートは、未延伸のフィルム乃至シート、一軸延伸又は二軸方向に延伸した延伸フィルム乃至シートのいずれでもよい。樹脂フィルム乃至シートは、単層又は多層のいずれの形態でもよい。樹脂フィルム乃至シートは、トナー定着を補助する表面コート層を有するフィルム、コロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、フレーム処理、グロー放電処理等を施したフィルム乃至シートでもよい。
【0141】
記録媒体と有色画像と白色画像(隠蔽層)の積層順としては、例えば、下記の(a)、(b)及び(c)が挙げられる。
積層順(a):視認者に近い側から、透過性を有する記録媒体/有色画像/白色画像(隠蔽層)。
積層順(b):視認者に近い側から、有色画像/透過性を有する記録媒体/白色画像(隠蔽層)。
積層順(c):視認者に近い側から、有色画像/白色画像(隠蔽層)/記録媒体(透過性の有無を問わない。)。
【0142】
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0143】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図であり、5連タンデム方式且つ中間転写方式の画像形成装置を示す図である。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、白色(W)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第5の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K、10W(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10K、10Wは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10K、10Wは、画像形成装置に対して着脱されるプロセスカートリッジであってもよい。
【0144】
各ユニット10Y、10M、10C、10K、10Wの下方には、各ユニットを通して中間転写ベルト(中間転写体の一例)20が延設されている。中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20の内面に接する、駆動ロール22、支持ロール23、及び対向ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第5のユニット10Wに向う方向に走行するようになっている。中間転写ベルト20の像保持面側には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置21が備えられている。
各ユニット10Y、10M、10C、10K、10Wの現像装置(現像手段の一例)4Y、4M、4C、4K、4Wのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8K、8Wに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、白色の各トナーの供給がなされる。
【0145】
第1乃至第5のユニット10Y、10M、10C、10K、10Wは、同等の構成、動作、及び作用を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエローの画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。
【0146】
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線によって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3Y、静電荷像にトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール(一次転写手段の一例)5Y、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。各ユニットの一次転写ロール5Y、5M、5C、5K、5Wには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスの値を変える。
【0147】
以下、第1ユニット10Yにおいてイエローの画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3Yからレーザ光線を照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
【0148】
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、露光装置3Yからのレーザ光線によって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線が照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として現像され可視化される。
【0149】
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
【0150】
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写位置へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用し、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と逆極性の(+)極性であり、第1ユニット10Yでは制御部(図示せず)によって例えば+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
【0151】
第2ユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5K、5Wに印加される一次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエローのトナー画像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第5のユニット10M、10C、10K、10Wを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
【0152】
第1乃至第5のユニットを通して5色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と、中間転写ベルトの内面に接する対向ロール24と、中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが対向ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と同極性の(-)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用し、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0153】
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれ、トナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
【0154】
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体としては、記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
【0155】
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
【0156】
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像白色現像剤を収容し、静電荷像白色現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
【0157】
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、現像手段と、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
【0158】
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0159】
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は樹脂シート(記録媒体の一例)を示している。
【0160】
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係る白色トナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
【0161】
図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8W、8K、8C、8M、8Yが着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4W、4K、4C、4M、4Yは、各々の色に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。本実施形態に係るトナーカートリッジの一例が、トナーカートリッジ8Wであり、本実施形態に係る白色トナーが収容されている。トナーカートリッジ8K、8C、8M、8Yにはそれぞれ、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各トナーが収容されている。
【実施例0162】
以下、実施例により発明の実施形態を詳細に説明するが、発明の実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
【0163】
<粒子分散液などの調製>
[白色着色剤粒子分散液(1)の調製]
・酸化チタン粒子(チタン工業社製、製品番号KR-380) : 100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製、ネオゲンR) : 10部
・イオン交換水 : 150部
【0164】
上記の材料をアイボーイ広口びん1000ml(アズワン社製、ポリプロピレン)にて混合し、直径3mmのジルコニアビーズを300部加え、ボールミル回転台(アサヒ理化製作所製)を用いて、300rpm、24時間回転処理し、ステンレス篩にて分散液からビーズを除去した後、イオン交換水を加え、固形分量40%の白色着色剤粒子分散液(1)を得た。レーザ回折式粒度分布測定装置により測定した白色着色剤粒子分散液(1)中の粒子の体積平均粒径は500nmであった。
【0165】
[スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)の調製]
・スチレン : 200部
・n-ブチルアクリレート : 50部
・アクリル酸 : 1部
・β-カルボキシエチルアクリレート : 3部
・プロパンジオールジアクリレート : 1部
・2-ヒドロキシエチルアクリレート : 0.5部
・ドデカンチオール : 1部
フラスコに、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製ダウファックス)4部をイオン交換水550部に溶解した溶液を入れ、そこに上記の原料を混合した混合液を入れて乳化した。乳化液を10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸アンモニウム6部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いで、系内の窒素置換を充分に行い、オイルバスで系内が75℃になるまで加熱し、30分間重合した。
【0166】
次に、
・スチレン : 110部
・n-ブチルアクリレート : 50部
・β-カルボキシエチルアクリレート : 5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート : 2.5部
・ドデカンチオール : 2部
上記の原料を混合した混合液を入れて乳化し、乳化液を上記フラスコに120分間添加し、そのまま4時間乳化重合を継続した。これにより、重量平均分子量32,000、ガラス転移温度53℃、体積平均粒径240nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。前記樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20%に調整して、スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)とした。
【0167】
[離型剤粒子分散液(1)の調製]
・パラフィンワックス(日本精蝋社製HNP9、融解温度72℃) : 90部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製、ネオゲンR) : 3.6部
・イオン交換水 : 360部
【0168】
上記の材料を混合し、100℃に加熱してワックスを溶解した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザ)で、分散圧力5MPaで2時間分散処理し、次いで分散圧力40MPaで3時間分散処理し、固形分量20%の離型剤粒子分散液(1)を得た。離型剤粒子分散液(1)中の粒子の体積平均粒径は230nmであった。
【0169】
[キャリアの作製]
・フェライト粒子(体積平均粒径35μm) : 100部
・トルエン : 14部
・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比15/85) : 3部
・カーボンブラック(キャボット社、Regal330) : 0.2部
【0170】
フェライト粒子を除く上記の材料をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、攪拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリアを得た。
【0171】
〔実施例1〕
<白色トナー粒子(1)の作製>
・イオン交換水 : 400部
・スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1) : 200部
・白色着色剤粒子分散液(1) : 40部
・離型剤粒子分散液(1) : 12部
・アニオン性界面活性剤(テイカ社製、TaycaPower) : 5部
上記成分を、温度計、pH計、撹拌機を具備した反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、撹拌回転数150rpmにて、30分間保持した。ホモジナイザー(IKAジャパン(株)製:ウルトラタラクスT50)を用いて5000rpmで15分間分散しながら、ポリ塩化アルミニウム(PAC、王子製紙(株)製:30%粉末品)2.1部をイオン交換水100部に溶解させたPAC水溶液を添加した。その後、撹拌回転数500rpmで撹拌しながら53℃まで昇温し、コールターマルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径を7.4μmとした。その後樹脂粒子分散液(1)115部を追添加し、凝集粒子の表面に樹脂粒子を付着(シェル構造)させた。続いて、10%のNTA(ニトリロ三酢酸)金属塩水溶液(キレスト70:キレスト(株)製)を20部加えた後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、昇温速度を0.05℃/分にして91℃まで昇温し、91℃で135分間保持した後、得られたトナースラリーを85℃まで冷却し、1時間保持した。その後、25℃まで冷却した。これを更にイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、白色トナー粒子(1)を得た。白色トナー粒子(1)の体積平均粒径は8.52μmであった。
【0172】
<白色トナー(1)及び白色現像剤(1)の作製>
白色トナー粒子(1)100部に、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子として体積平均粒径483nmのポリメチルメタクリレート粒子0.25部、及びシリカ粒子として体積平均粒径96nmのゾルゲルシリカ粒子1.0部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて攪拌周速30m/秒で15分間混合した。次いで、目開き45μmの振動篩いを用いて篩分し白色トナー(1)を得た。
【0173】
白色トナー(1)10部とキャリア100部とをVブレンダーに入れ、20分間攪拌した。その後、目開き212μmの篩で篩分して白色現像剤(1)を得た。
【0174】
〔実施例2~32、及び、比較例1~8〕
実施例1の白色トナー粒子(1)の作製において、各種製造条件(例えば、樹脂粒子の凝集時の昇温速度、凝集粒子の融合合一時のpH調整、凝集粒子の融合合一温度、凝集粒子の融合合一終了時間)を適宜変更し、表1に示す特性を有する実施例2~32、及び、比較例1~8の白色トナー粒子を得た。
次に、実施例1の白色トナー(1)の作製において、表1に示す特性を有する実施例2~32、及び、比較例1~8の白色トナー粒子と、表1に示す外添量及び体積平均粒径のポリメチルメタクリレート粒子及びゾルゲルシリカ粒子と、に変更して、実施例2~32、及び、比較例1~8の白色トナーを得た。
そして、実施例2~32、及び、比較例1~8のトナーを使用し、実施例1の白色現像剤と同様にして、実施例2~32、及び、比較例1~8の白色現像剤を得た。
【0175】
なお、表1に示す白色トナー粒子の特性及び外添剤の条件は、次の通りである。
・白色トナー粒子の体積平均粒径D50W
・白色トナー粒子の比表面積S
・白色トナー粒子の平均円形度R
・粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合AW3.2
・粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2
・ポリメチルメタクリレート粒子の体積平均粒径D50PMMA
・ポリメチルメタクリレート粒子の外添量MPMMA-W
・ゾルゲルシリカ粒子の体積平均粒径D50S
・ゾルゲルシリカ粒子の外添量M
なお、表中、ポリメチルメタクリレート粒子をPMMA粒子と表記する。
また、ゾルゲルシリカ粒子をSol-gel silica粒子と表記する。
【0176】
〔低画像密度連続画像形成前後の白色画像の白色度評価〕
(白色現像剤による白色画像の形成)
各例の白色現像剤を、電子写真方式の画像形成装置(富士フイルムビジネスイノベーション社製「Iridesse」)の白色現像器に収納した。
この画像形成装置により、1枚の紀州黒紙(坪量124gsm)上に白色画像を形成した。白色画像は感光体上のトナー載り量を9.0g/mと調整した。
【0177】
(低画像密度連続画像形成後の白色画像の形成)
各例の白色現像剤を、電子写真方式の画像形成装置(富士フイルムビジネスイノベーション社製「Iridesse」)の白色現像器に収納した。
この画像形成装置により、画像密度0.5%の白色画像の形成を、用紙500枚連続し、これを20回繰り返し、計10000枚に画像密度0.5%の白色画像の形成を実施した。
その後、1枚の紀州黒紙(坪量124gsm)上に白色画像を形成した。白色画像は感光体上のトナー載り量を9.0g/mと調整した。
【0178】
(低画像密度連続画像形成前後の白色画像の白色度測定)
分光測色計(X-Rite Ci62、X-Rite社製)を用いて、D50光源下で、白色画像の白色度として、L値(明度)を測定した。
低画像密度連続画像形成前の白色画像の白色度L*1と低画像密度連続画像形成後の白色画像の白色度L*2を下記基準で評価すると共に、その差分△L=L*1-L*2も下記基準で評価した。
【0179】
-白色度の基準-
A:L値が、75以上。
B:L値が、72以上75未満。
C:L値が、69以上72未満。
D:L値が、65以上69未満。
E:L値が、65未満。
【0180】
-ΔLの基準-
A:ΔL≦2
B:2<ΔL≦4
C:4<ΔL≦6
D:6<ΔL≦8
E:8<ΔL
【0181】
〔白色画像と有色画像との多重転写時の有色画像の色味変化〕
トナーの載り量を6.0g/mに調整した有色画像を連続して100枚出力し、その中から任意に10枚を抽出し、各画像の周辺部(端部から10mm)と、画像内部のそれぞれ10箇所について、エックスライト社製X-Rite939(アパーチャー径4mm)を用いてCIE1976L表色系の座標値(L値、a値及びb値)を求めた。
なお、有色画像の彩度、明度、色相角の評価の出力チャートは、電子写真学会テストチャートNo.5-1の画像サンプルを用いた。具体的に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)で構成されるYMCKの各下層に、各例の白色現像剤(つまり白トナー)による白色画像を出力した。
白色画像の上層に設けた有色画像における、彩度、色相角及び明度は、上記したCIE1976L表色系の座標値(L値、a値及びb値)から、以下の式にて算出した。明度は、CIE1976(L、a、b)表色系において、明度を表す指数L値で表される。
彩度(C)=((a+(b))1/2
色相角(h)=tan-1(b/a
なお、色相角は、degree[°]表記を用いる。
【0182】
また、白色画像の上層に設けた有色画像の彩度、色相角及び明度については、下記の評価基準に沿って評価を行った。
評価は、明度の最も高いイエロー画像について実施した。イエロー画像の基準値としては、隠蔽率が90%以上、彩度が5以下、明度が85以上、(且つ、色相角については彩度が低いため問わない)である白色画像をまず形成し、その上にトナーの載り量が6.0g/mとなるイエロー画像を出力した際の数値と比較し、その平均値の差異(Δ)で判断した。
なお、JIS K5600-4記載の隠蔽率試験紙の白色部と黒色部を敷き、エックスライト社製の製品名X-Rite938を用いて、白色画像の三刺激値Yを測定する。次に、隠蔽率試験紙の白色部を下敷きにした際のY値をYw、黒色部を下敷きにした際のY値をYbとして、隠蔽率(Yb/Yw)を百分率で算出した。
【0183】
-彩度(C)-
A:上層の有色画像の彩度が阻害されずに良好に表れている(82以上;ΔC≦12)。
B:上層の有色画像の彩度が阻害されずに表れている(79以上82未満;12<ΔC≦15)。
C:上層の有色画像の彩度が阻害され低下している(79未満;15<ΔC)。
【0184】
-色相角(θ)-
A:上層の有色画像の色相角が阻害されずに良好に表れている(94;Δθ≦1)。
B:上層の有色画像の色相角が阻害されずに表れている(1<θ≦4)。
C:上層の有色画像の色相角が阻害され低下している(4<θ)。
【0185】
-明度(L)-
A:上層の有色画像の明度が阻害されずに良好に表れている(87以上;ΔL≦5)。
B:上層の有色画像の明度が阻害されずに表れている(80以上87未満;5<ΔL≦12)。
C:上層の有色画像の明度が阻害され低下している(80未満;12<ΔL)。
【0186】
(有色画像の最大色差の評価)
有色画像の各測定値に対して、最小値と最大値との色差ΔEが小さいほど色再現性に優れる。
-白画像上の有色画像の最大色差(ΔE)-
A:上層の有色画像の発色が阻害されずに良好に表れている。(ΔE≦3)
B:上層の有色画像の発色が阻害されずに表れている。(3<ΔE≦4)
C:上層の有色画像の発色が阻害され低下している。(4<ΔE)
【0187】
(有色画像の発色の評価)
前述の有色画像の色相角θの各測定値に対して、最小値と最大値との色差Δθが小さいほど色再現性に優れる。得られた結果を表2に示す。また、得られた有色画像の最大色差の値から、下記の評価基準にそって有色画像の発色の評価を行った。
-有色画像の発色の評価(Δθ)-
A:上層の有色画像の発色が阻害されずに良好に表れている(Δθ≦2)。
B:上層の有色画像の発色が阻害されずに表れている(2<Δθ≦5)。
C:上層の有色画像の発色が阻害され低下している(5<Δθ)。
【0188】
〔実施例101~111〕
実施例1~111のうち、いくつかの白色現像剤を準備した。
一方、表2に示す平均円形度のイエロートナー粒子に、表2に示す外添量及び体積平均粒径のポリメチルメタクリレート粒子が外添されたイエロートナーを含むイエロー現像剤を準備した。
そして、表3に示す組み合わせの白色現像剤とイエロー現像剤とのセットを実施例101~111の現像剤セット(つまりトナーセット)とした。
白色トナーと有色トナーにおける、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量、及びトナー粒子の平均円形度による、有色画像の色味低下抑制を調べるために、実施例101~111の現像剤セット(つまりトナーセット)により、上記「白色画像と有色画像との多重転写時の有色画像の色味変化の評価」を実施した。
【0189】
【表1】
【0190】
【表2】
【0191】
【表3】
【0192】
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られることがわかる。
また、本実施例は、比較例に比べ、有色画像の色味低下も抑えられることがわかる。
【0193】
本実施形態は、下記態様を含む。
(((1)))
結着樹脂及び白色着色剤を含む白色トナー粒子と、を含む外添剤と、を有し、
前記白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wが、6.0μm以上10μm以下であり、
粒径3.2μm以下の前記白色トナー粒子の割合が、全白色トナー粒子に対して0.5体積%以上3体積%以下であり、
前記白色トナー粒子の比表面積Sが、0.7cm/g以上1.2cm/g以下であり、
かつ、前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量が、前記白色トナー粒子に対して0.1質量%以上2.0質量%以下である、
静電荷像現像用白色トナー。
(((2)))
前記粒径3.2μm以下の前記白色トナー粒子の割合が、全白色トナー粒子に対して0.6体積%以上2.5体積%以下である(((1)))に記載の静電荷像現像用白色トナー。
(((3)))
前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径が、300nm以上600nm以下である(((1)))又は(((2)))に記載の静電荷像現像用白色トナー。
(((4)))
前記外添剤が、体積平均粒径80nm以上120nm以下のシリカ粒子を含む(((1)))に記載の静電荷像現像用白色トナー。
(((5)))
前記シリカ粒子の体積平均粒径D50Sと前記ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径D50PMMAとの関係が、2.5<D50PMMA/D50S<7.5の関係を満たす(((4)))に記載の静電荷像現像用白色トナー。
(((6)))
前記シリカ粒子の外添量が、前記白色トナー粒子に対して0.8質量%以上3.0質量%以下である(((4)))又は(((5)))に記載の静電荷像現像用白色トナー。
(((7)))
前記白色トナー粒子の平均円形度Rと前記粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2との関係が、RW3.2<Rの関係を満たす(((1)))~(((6)))のいずれか1項に記載の静電荷像現像用白色トナー。
(((8)))
前記白色トナー粒子の平均円形度Rと前記粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2との関係が、0.05<R-RW3.2<0.1の関係を満たす(((7)))に記載の静電荷像現像用白色トナー。
(((9)))
(((1)))~(((8)))のいずれか1項に記載の静電荷像現像用白色トナーを含む静電荷像白色現像剤。
(((10)))
(((1)))~(((8)))のいずれか1項に記載の静電荷像現像用白色トナーを収容し、
画像形成装置に着脱される白色トナーカートリッジ。
(((11)))
(((9)))に記載の静電荷像白色現像剤を収容し、前記静電荷像白色現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
(((12)))
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
(((9)))に記載の静電荷像白色現像剤を収容し、前記静電荷像白色現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
(((13)))
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
(((9)))に記載の静電荷像白色現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
(((14)))
(((1)))~(((8)))のいずれか1項に記載の静電荷像現像用白色トナーと、
白色以外の有色トナー粒子を有する静電荷像現像用有色トナーと、
を備える静電荷像現像用トナーセット。
(((15)))
静電荷像現像用有色トナーは、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤を有し、
前記静電荷像現像用白色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Wと前記静電荷像現像用有色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Cとの関係が、MPMMA-C<MPMMA-Wの関係を満たす(((14)))に記載の静電荷像現像用トナーセット。
(((16)))
前記静電荷像現像用白色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Wと前記静電荷像現像用有色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Cとの関係が、0.02質量%<MPMMA-W-MPMMA-C<0.3質量%の関係を満たす(((15)))に記載の静電荷像現像用トナーセット。
(((17))) 前記白色トナー粒子の平均円形度SFと前記有色トナー粒子の平均円形度SFとの関係が、SF<SFの関係を満たす(((14)))又は(((16)))に記載の静電荷像現像用トナーセット。
(((18)))
前記白色トナー粒子の平均円形度SFと前記有色トナー粒子の平均円形度SFとの関係が、0.02<SF-SF<0.04の関係を満たす(((17)))に記載の静電荷像現像用トナーセット。
【0194】
上記態様の効果は、次の通りである。
(((1)))に係る発明によれば、結着樹脂及び白色着色剤を含む白色トナー粒子と、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤と、を有する静電荷像現像用白色トナーにおいて、白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wが6.0μm未満若しくは10μm超え、粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合が、全白色トナー粒子に対して0.5体積%未満若しくは3体積%超えであり、白色トナー粒子の比表面積Sが、0.7cm/g未満若しくは1.2cm/g超え、又は、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量が、白色トナー粒子に対して0.1質量%未満若しくは2.0質量%超えである場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
【0195】
(((2)))に係る発明によれば、粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合が0.6体積%未満又は2.5体積%超えである場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
【0196】
(((3)))に係る発明によれば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径が、300nm未満又は600nm超えであるである場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
【0197】
(((4)))に係る発明によれば、外添剤が、体積平均粒径80nm以上120nm以下のシリカ粒子を含まない場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
(((5)))に係る発明によれば、シリカ粒子の体積平均粒径D50Sとポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の体積平均粒径D50PMMAとの関係が、2.5<D50PMMA/D50S<7.5の関係を満たさない場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
(((6)))に係る発明によれば、シリカ粒子の外添量が、前記白色トナー粒子に対して0.8質量%未満又は3.0質量%超えである場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
【0198】
(((7)))に係る発明によれば、白色トナー粒子の平均円形度Rと粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2との関係が、RW3.2<Rの関係を満たさない場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
【0199】
(((8)))に係る発明によれば、白色トナー粒子の平均円形度Rと前記粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の平均円形度RW3.2との関係が、0.05<R-RW3.2<0.1の関係を満たさない場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
【0200】
(((9)))、(((10)))、(((11)))、(((12)))又は(((13)))に係る発明によれば、結着樹脂及び白色着色剤を含む白色トナー粒子と、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤と、を有する静電荷像現像用白色トナーにおいて、白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wが6.0μm未満若しくは10μm超え、粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合が、全白色トナー粒子に対して0.5体積%未満若しくは3体積%超えであり、白色トナー粒子の比表面積Sが、0.7cm/g未満若しくは1.2cm/g超え、又は、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量が、白色トナー粒子に対して0.1質量%未満若しくは2.0質量%超えである静電荷像現像用白色トナーを適用した場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像白色現像剤、白色トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、又は画像形成方法が提供される。
【0201】
(((14)))に係る発明によれば、結着樹脂及び白色着色剤を含む白色トナー粒子と、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子を含む外添剤と、を有する静電荷像現像用白色トナーにおいて、白色トナー粒子の体積平均粒径D50Wが6.0μm未満若しくは10μm超え、粒径3.2μm以下の白色トナー粒子の割合が、全白色トナー粒子に対して0.5体積%未満若しくは3体積%超えであり、白色トナー粒子の比表面積Sが、0.7cm/g未満若しくは1.2cm/g超え、又は、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量が、白色トナー粒子に対して0.1質量%未満若しくは2.0質量%超えである静電荷像現像用白色トナーをを適用した場合に比べ、繰り返し低画像密度の画像を形成しても、白色度の低下が抑制された白色画像が得られる静電荷像現像用トナーセットが提供される。
【0202】
(((16)))に係る発明によれば、静電荷像現像用白色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Wと静電荷像現像用有色トナーのポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子の外添量MPMMA-Cとの関係が、0.02質量%<MPMMA-W-MPMMA-C<0.3質量%の関係を満たさない場合に比べ、有色トナーによる有色画像の色味低下を抑制する静電荷像現像用トナーセットが提供される。
【0203】
(((17)))に係る発明によれば、白色トナー粒子の平均円形度SFと白色トナー粒子の平均円形度SFとの関係が、SF<SFの関係を満たさない場合に比べ、有色トナーによる有色画像の色味低下を抑制する静電荷像現像用トナーセットが提供される。
【0204】
(((18)))に係る発明によれば、白色トナー粒子の平均円形度SFと有色トナー粒子の平均円形度SFとの関係が、0.02<SF-SF<0.04の関係を満たさない場合に比べ、有色トナーによる有色画像の色味低下を抑制する静電荷像現像用トナーセットが提供される。
【符号の説明】
【0205】
1Y、1M、1C、1K、1W 感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K、2W 帯電ロール(帯電手段の一例)
3Y、3M、3C、3K、3W 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
4Y、4M、4C、4K、4W 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K、5W 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K、6W 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K、8W トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K、10W 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
21 中間転写体クリーニング装置
22 駆動ロール
23 支持ロール
24 対向ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
28 定着装置(定着手段の一例)
P 樹脂シート(記録媒体の一例)
【0206】
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 樹脂シート(記録媒体の一例)

図1
図2