(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040064
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】白色トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
(51)【国際特許分類】
G03G 9/09 20060101AFI20240315BHJP
G03G 9/097 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
G03G9/09
G03G9/097 374
G03G9/097 372
G03G9/097 375
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144899
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 毅
【テーマコード(参考)】
2H500
【Fターム(参考)】
2H500AA06
2H500AA09
2H500AA10
2H500BA26
2H500BA27
2H500CA29
2H500CA34
2H500CA36
2H500CB04
2H500CB05
2H500CB07
2H500CB08
2H500CB12
2H500EA03A
2H500EA22A
2H500EA22C
2H500EA42C
2H500EA42D
2H500EA45D
2H500EA47D
2H500EA52A
2H500EA57A
(57)【要約】
【課題】転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーの提供。
【解決手段】結着樹脂及び白色顔料を含む白色トナー粒子と、外添剤と、を有し、外添剤が、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、及びチタン酸ストロンチウム粒子を含み、白色トナー粒子の体積平均粒径D及び平均円形度Sが、以下の関係式(1)及び(2)を満たす、白色トナー。
(1) 6.0μm≦D≦10.0μm
(2) 0.900≦S≦0.950
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結着樹脂及び白色顔料を含む白色トナー粒子と、外添剤と、を有し、
前記外添剤が、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、及びチタン酸ストロンチウム粒子を含み、
前記白色トナー粒子の体積平均粒径D及び平均円形度Sが、以下の関係式(1)及び(2)を満たす、白色トナー。
(1) 6.0μm≦D≦10.0μm
(2) 0.900≦S≦0.950
【請求項2】
前記白色顔料が二酸化チタン顔料である、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項3】
前記白色顔料が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、及び有機物からなる群より選択される1種以上の材料で表面処理された二酸化チタン顔料である、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項4】
前記白色顔料の含有量が、前記白色トナー粒子の全質量に対して、30質量%以上55質量%以下である、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項5】
前記白色顔料が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、及び有機物からなる群より選択される1種以上の材料で表面処理された二酸化チタン顔料であり、且つ、前記白色顔料の含有量が、前記白色トナー粒子の全質量に対して、30質量%以上55質量%以下である、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項6】
前記シリカ粒子の含有量が、前記白色トナー粒子の質量に対して、1.5質量%以上3.0質量%以下である、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項7】
前記チタニア粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、25.0質量%以上41.0質量%以下である、請求項6に記載の白色トナー。
【請求項8】
前記チタニア粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、28.0質量%以上38.0質量%以下である、請求項7に記載の白色トナー。
【請求項9】
前記ステアリン酸亜鉛粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、2.3質量%以上5.7質量%以下である、請求項6に記載の白色トナー。
【請求項10】
前記ステアリン酸亜鉛粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、3.0質量%以上5.0質量%以下である、請求項9に記載の白色トナー。
【請求項11】
前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、2.5質量%以上6.3質量%以下である、請求項6に記載の白色トナー。
【請求項12】
前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、3.0質量%以上5.8質量%以下である、請求項11に記載の白色トナー。
【請求項13】
前記シリカ粒子が、疎水性ゾルゲルシリカ粒子である、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項14】
帯電量が10μC/g以上40μC/g以下である、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項15】
請求項1~請求項14のいずれか1項に記載の白色トナーを含む静電荷像現像剤。
【請求項16】
請求項1~請求項14のいずれか1項に記載の白色トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
【請求項17】
請求項15に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
【請求項18】
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項15に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像が転写される中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を前記中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する二次転写手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項19】
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項15に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に転写する一次転写工程と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する二次転写工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、白色トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、白色トナーを用いて得られる画像形成層(A)に隣接する画像形成層(B)に用いられる前記白色トナーと異なるトナーとの関係において、前記白色トナーの体積中位径をDw、平均円形度をSw、前記白色トナーと異なるトナーの体積中位径をDc、平均円形度をScとすると、関係式(1)1.000<Dw/Dc<1.300および(2)1.000≦Sc/Sw<1.060を満たす白色トナーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、外添剤として、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、およびチタン酸ストロンチウムのうちいずれか1つを含まない場合、トナー粒子の体積平均粒径Dが6μm未満又は10μm超である場合、若しくは、トナー粒子の平均円形度Sが0.9未満又は0.95超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための手段には、下記の態様が含まれる。
【0006】
<1> 結着樹脂及び白色顔料を含む白色トナー粒子と、外添剤と、を有し、
前記外添剤が、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、及びチタン酸ストロンチウム粒子を含み、
前記白色トナー粒子の体積平均粒径D及び平均円形度Sが、以下の関係式(1)及び(2)を満たす、白色トナー。
(1) 6.0μm≦D≦10.0μm
(2) 0.900≦S≦0.950
【0007】
<2> 前記白色顔料が二酸化チタン顔料である、<1>に記載の白色トナー。
<3> 前記白色顔料が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、及び有機物からなる群より選択される1種以上の材料で表面処理された二酸化チタン顔料である、<1>又は<2>に記載の白色トナー。
<4> 前記白色顔料の含有量が、前記白色トナー粒子の全質量に対して、30質量%以上55質量%以下である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の白色トナー。
<5> 前記白色顔料が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、及び有機物からなる群より選択される1種以上の材料で表面処理された二酸化チタン顔料であり、且つ、前記白色顔料の含有量が、前記白色トナー粒子の全質量に対して、30質量%以上55質量%以下である、<1>に記載の白色トナー。
<6> 前記シリカ粒子の含有量が、前記白色トナー粒子の質量に対して、1.5質量%以上3.0質量%以下である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の白色トナー。
<7> 前記チタニア粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、25.0質量%以上41.0質量%以下である、<6>に記載の白色トナー。
<8> 前記チタニア粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、28.0質量%以上38.0質量%以下である、<7>に記載の白色トナー。
<9> 前記ステアリン酸亜鉛粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、2.3質量%以上5.7質量%以下である、<6>に記載の白色トナー。
<10> 前記ステアリン酸亜鉛粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、3.0質量%以上5.0質量%以下である、<9>に記載の白色トナー。
<11> 前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、2.5質量%以上6.3質量%以下である、<6>に記載の白色トナー。
<12> 前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、3.0質量%以上5.8質量%以下である、<11>に記載の白色トナー。
<13> 前記シリカ粒子が、疎水性ゾルゲルシリカ粒子である、<1>~<11>のいずれか1つに記載の白色トナー。
<14> 帯電量が10μC/g以上40μC/g以下である、<1>~<13>のいずれか1つに記載の白色トナー。
【0008】
<15> <1>~<14>のいずれか1つに記載の白色トナーを含む静電荷像現像剤。
<16> <1>~<14>のいずれか1つに記載の白色トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
<17> <15>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
<18> 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
<15>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像が転写される中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を前記中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する二次転写手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
<19> 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
<15>に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に転写する一次転写工程と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する二次転写工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
【発明の効果】
【0009】
<1>、<2>、<3>、<5>、又は<13>に係る発明によれば、外添剤として、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、およびチタン酸ストロンチウムのうちいずれか1つを含まない場合、トナー粒子の体積平均粒径Dが6μm未満又は10μm超である場合、若しくは、トナー粒子の平均円形度Sが0.9未満又は0.95超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
<4>に係る発明によれば、白色顔料の含有量が、白色トナー粒子の全質量に対して、30質量%未満又は55質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
<6>に係る発明によれば、シリカ粒子の含有量が、白色トナー粒子の質量に対して、1.5質量%未満又は3.0質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
<7>に係る発明によれば、チタニア粒子の含有量が、シリカ粒子の質量に対して、25.0質量%未満又は41.0質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
<8>に係る発明によれば、チタニア粒子の含有量が、シリカ粒子の質量に対して、28.0質量%未満又は38.0質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
<9>に係る発明によれば、ステアリン酸亜鉛粒子の含有量が、シリカ粒子の質量に対して、2.3質量%未満又は5.7質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
<10>に係る発明によれば、ステアリン酸亜鉛粒子の含有量が、シリカ粒子の質量に対して、3.0質量%未満又は5.0質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
<11>に係る発明によれば、チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、シリカ粒子の質量に対して、2.5質量%未満又は6.3質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
<12>に係る発明によれば、チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、シリカ粒子の質量に対して、3.0質量%未満又は5.8質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
<14>に係る発明によれば、帯電量が10μC/g未満又は40μC/g超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
【0010】
<15>に係る発明によれば、外添剤として、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、およびチタン酸ストロンチウムのうちいずれか1つを含まない場合、トナー粒子の体積平均粒径Dが6μm未満又は10μm超である場合、若しくは、トナー粒子の平均円形度Sが0.9未満又は0.95超である場合の白色トナーを適用した静電荷像現像剤に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる静電荷像現像剤が提供される。
<16>に係る発明によれば、外添剤として、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、およびチタン酸ストロンチウムのうちいずれか1つを含まない場合、トナー粒子の体積平均粒径Dが6μm未満又は10μm超である場合、若しくは、トナー粒子の平均円形度Sが0.9未満又は0.95超である場合の白色トナーを適用したトナーカートリッジに比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうるトナーカートリッジが提供される。
<17>に係る発明によれば、外添剤として、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、およびチタン酸ストロンチウムのうちいずれか1つを含まない場合、トナー粒子の体積平均粒径Dが6μm未満又は10μm超である場合の白色トナーを適用したプロセスカートリッジに比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうるプロセスカートリッジが提供される。
<18>に係る発明によれば、外添剤として、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、およびチタン酸ストロンチウムのうちいずれか1つを含まない場合、トナー粒子の体積平均粒径Dが6μm未満又は10μm超である場合、若しくは、トナー粒子の平均円形度Sが0.9未満又は0.95超である場合に比べての白色トナーを適用した画像形成装置に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる画像形成装置が提供される。
<19>に係る発明によれば、外添剤として、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、およびチタン酸ストロンチウムのうちいずれか1つを含まない場合、トナー粒子の体積平均粒径Dが6μm未満又は10μm超である場合、若しくは、トナー粒子の平均円形度Sが0.9未満又は0.95超である場合の白色トナーを適用した画像形成方法に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる画像形成方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係るトナーの製造方法における混練工程で用いるスクリュー押出機の一例について、スクリューの状態を説明する図である。
【
図2】本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【
図3】本実施形態に係る画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本開示の実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
【0013】
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
【0014】
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
【0015】
本開示において実施形態を図面を参照して説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
【0016】
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
【0017】
本開示において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルのいずれをも含む表現であり、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートのいずれをも含む表現である。
【0018】
本開示において、「白色トナー」を「トナー」ともいい、「白色トナー粒子」を「トナー粒子」ともいい、「静電荷像現像剤」を「現像剤」ともいい、「静電荷像現像用キャリア」を「キャリア」ともいう。
【0019】
<白色トナー>
本実施形態に係る白色トナーは、結着樹脂及び白色顔料を含む白色トナー粒子と、外添剤と、を有し、外添剤が、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、及びチタン酸ストロンチウム粒子を含み、白色トナー粒子の体積平均粒径D及び平均円形度Sが、以下の関係式(1)及び(2)を満たす、白色トナーである。
(1) 6.0μm≦D≦10.0μm
(2) 0.900≦S≦0.950
【0020】
本実施形態に係る白色トナーは、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる。その機序として、下記が推測される。
【0021】
近年、色紙、黒紙、アルミ蒸着紙、透明フィルム等の特殊な記録媒体を用いる場面が多くなってきている。このような特殊な記録媒体に対して画像に出力する場合、通常のY,M,C,Kのトナーにより画像では発色性が十分でないことがある。そのため、5色目又は6色目のトナーとして白色トナーを用い、画像の最下層に白色層を形成する方法が提案されている。トナー粒子中に多くの白色顔料を含有させた白色トナーを用い、白色層に十分な隠蔽力を付与することで、画像の発色性をさらに高めることができる。
一方で、トナー粒子中に含有する白色顔料を多くすると、トナー粒子表面への白色顔料の露出が増えることから、例えば、中間転写体上の画像が転写電界によって低帯電化し、転写効率を悪化させることがある。転写効率が悪化すると、所望の白色層が形成されにくくなることから、隠蔽性が低下してしまうことがある。転写効率の悪化については、例えば、外添剤の種類等によって、トナーの帯電性、トナーの非静電的付着力を制御することで改善することが知られている。しかしながら、白色トナーにおけるトナー粒子の粒径及び形状(例えば、円形度)によっては、中間転写体上の白画像を形成する白トナーが、白色の画像を出力する画像形成ユニットの下流側で、別の画像形成ユニットの感光体に逆転写される、いわゆるリトランスファーが起こりやすくなる。その結果、白トナーが逆転写された感光体に傷が生じてしまうことがある。
【0022】
本実施形態にかかる白色トナーは、粒径及び円形度がそれぞれ特定の範囲にあるトナー粒子と、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、及びチタン酸ストロンチウム粒子の4種の外添剤と、を含んで構成される。この構成とすることで、白トナーの転写電界に対する帯電変動が抑えられ、転写効率が悪化することがないことから、隠蔽性を維持しつつ、リトランスファーを抑制し得るものと推測される。その結果、白トナーが逆転写された感光体に傷が生じてしまうことも抑制されるものと推測される。
さらに、仮に、リトランスファーが生じてしまったとしても、4種の外添剤の機能が相まって、感光体に生じる傷を抑えることができるものと推測される。
【0023】
以下、本実施形態に係る白色トナーの詳細について説明する。
本実施形態に係る白色トナーは、結着樹脂及び白色顔料を含む白色トナー粒子と、外添剤と、を含んで構成される。
【0024】
[白色トナー粒子]
白色トナー粒子は、結着樹脂と白色顔料とを含み、必要に応じて、離型剤等のその他の添加剤を含んで構成される。
【0025】
-結着樹脂-
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0026】
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知の非晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と共に、結晶性ポリエステル樹脂を併用してもよい。結晶性ポリエステル樹脂は、全結着樹脂に対して2質量%以上40質量%以下(好ましくは2質量%以上20質量%以下)の範囲で用いることがよい。
【0027】
樹脂の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを指す。
樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
【0028】
・非晶性ポリエステル樹脂
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
【0029】
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール
(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0031】
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
【0032】
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
【0033】
・結晶性ポリエステル樹脂
結晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香環を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族の重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
【0034】
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0035】
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上
20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,14-エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオールが好ましい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0036】
ここで、多価アルコールは、脂肪族ジオールの含有量を80モル%以上とすることがよく、好ましくは90モル%以上である。
【0037】
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、50℃以上100℃以下が好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下がさらに好ましい。融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
【0038】
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以下が好ましい。
【0039】
結着樹脂の含有量は、トナー粒子全体に対して、40質量%以上70質量%以下が好ましく、50質量%以上65質量%以下がより好ましく、60質量%以上60質量%以下がさらに好ましい。
【0040】
-白色顔料-
白色顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、カオリン、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト等の公知の顔料が挙げられる。これらの中でも、白色度及び高隠蔽性の観点から、二酸化チタン顔料が好ましい。
【0041】
二酸化チタン顔料(TiO2)の結晶構造は、アナタース、ルチル、ブルッカイト、これらの混晶構造、及び非晶質構造のいずれでもよい。
【0042】
二酸化チタン顔料の製法としては、例えば、塩素法(気相法)、硫酸法(液相法)、チタンアルコキシドを用いたゾルゲル法、メタチタン酸を焼成する方法等が挙げられる。
塩素法(気相法)の一例は、次の通りである。原料であるルチル鉱石をコークス及び塩素と反応させ、ガス状の四塩化チタンにした後、冷却して、液状の四塩化チタンを得る。次に、高温で、ガス状又は蒸気状の四塩化チタンを酸素ガスと反応させ、塩素ガスを分離することによって、二酸化チタン顔料を得る。
硫酸法(液相法)の一例は、次の通りである。原料であるイルメナイト鉱を硫酸と反応させ、Ti、Feの硫酸塩溶液を得る。SiO2などの不溶性懸濁物を除いた後に、溶液中の硫酸チタニルを加水分解させ含水酸化チタンとして沈殿させる。不純物の洗浄を行った後に、ロータリーキルン等で焼成、水分と硫酸を蒸発・脱離させ、結晶成長させることで二酸化チタン顔料を得る。
【0043】
さらに、結着樹脂との親和性を高める観点から、白色顔料は、表面処理された二酸化チタン顔料であることが好ましく、特に、アルミナ(Al2O3、酸化アルミニウム)、シリカ(SiO2、二酸化ケイ素)、ジルコニア(ZrO2、二酸化ジルコニウム)、及び有機物からなる群より選択される1種以上の材料で表面処理された二酸化チタン顔料であることが好ましい。言い換えれば、白色顔料は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、及び有機物からなる群より選択される1種以上の材料で被覆された二酸化チタン顔料であることが好ましい。
このような表面処理された二酸化チタン顔料を用いることで、二酸化チタン顔料が表面に露出する割合を減らすことができ、転写効率の低下を抑制し易くなる。
【0044】
上述のように、二酸化チタン顔料の表面処理剤としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、及び有機物からなる群より選択された1種以上の材料が用いられる。
ここで、表面処理剤としての有機物としては、例えば、ポリオール系(例えば、ペンタエリトリット、トリメチロールプロパンなど)、アルカノールアミン系(例えば、トリエタノールアミン、トリメチロールアミンの有機酸塩など)、シリコーン系(シリコーン樹脂、アルキルクロロシランなど)が挙げられる。
なお、表面処理剤は、1種でもよいが、2種以上を用いてもよい。
【0045】
二酸化チタン顔料の表面処理方法は、湿式処理と乾式処理とに大別される。
湿式処理は、二酸化チタン顔料を水系溶媒又は有機溶媒に分散したスラリーに、上述の表面処理剤を加え、二酸化チタン顔料の表面を被覆する処理方法である。
乾式処理は、流動する二酸化チタン顔料に上述の表面処理剤の蒸気又はガスをあて、二酸化チタン顔料の表面を被覆する処理方法である。
【0046】
結着樹脂に対する分散性の観点から、二酸化チタン顔料としては、アルミナで表面処理された二酸化チタン顔料であることが好ましい。さらに、アルミナで表面処理された(アルミナで被覆された)二酸化チタン顔料は、アルミナと二酸化チタン顔料との間に他の無機処理剤(例えば、上述の表面処理剤のうちのシリカ、ジルコニア)が配置されていることが好ましい。つまり、二酸化チタン含量は、シリカ、ジルコニアにより表面処理された後、アルミナで表面処理されたものであることが好ましい。そして、このとき、アルミナが最表面にあることが好ましい。有機物処理としては、結着樹脂との分散性の観点から、最表面のアルミナに対して、少量の有機物処理を行い、最表面の一部を処理することが好ましい。
なお、本開示において「被覆」とは、対象物の表面の少なくとも一部に付着していることを指す。
【0047】
二酸化チタン顔料の平均長軸長は、二酸化チタン顔料の凝集を抑制する観点から、20nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、40nm以上がさらに好ましい。
二酸化チタン顔料の平均長軸長は、白色トナー粒子からの露出を抑制する観点から、300nm以下が好ましく、250nm以下がより好ましく、220nm以下がさらに好ましい。
【0048】
二酸化チタン顔料のBET比表面積は、結着樹脂への分散性を向上させる観点から、4m2/g以上が好ましく、6m2/g以上がより好ましい。
二酸化チタン顔料のBET比表面積は、白色度に優れる観点から、22m2/g以下が好ましく、20m2/g以下がより好ましい。
【0049】
二酸化チタン顔料の平均長軸長とBET比表面積は、下記の測定方法により求める。
白色トナーが外添剤を含む場合、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム5質量%水溶液に白色トナーを投入し攪拌する。次いで、浴槽型の超音波分散器で超音波を印加し、外添剤をトナー粒子の表面から遊離させる。次いで、遠心分離によりトナー粒子を沈降させ、外添剤が遊離し分散している上澄み液を取り除く。超音波処理から上澄み液除去までの操作を3回繰り返す。次いで、白色トナー粒子をトルエンに懸濁させて結着樹脂及び離型剤を溶解させ、濾過して固液分離する。固体を水で充分に洗浄したあと乾燥させ、粉体を得る。この粉体を、平均長軸長及びBET比表面積それぞれの測定用試料とする。
平均長軸長は、試料を走査型電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製S-4700)で10000倍の倍率で撮像し、画像処理解析装置(例えば、ニレコ社製LUZEX)にて粒子100個の長軸長を計測し、算術平均した値である。
BET比表面積は、試料1gを精秤し、BET比表面積計(例えば、ベックマンコールター社製SA3100)にて窒素ガスを用いたBET多点法により測定した値である。
【0050】
白色トナー粒子は、白色顔料を、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの白色顔料は、着色以外の用途(例えばトナーの帯電制御等の用途)でトナー粒子中に添加されていてもよい。
【0051】
トナー粒子に含まれる二酸化チタン顔料の含有量は、トナー粒子に含まれる白色顔料の全量に対して、85質量%以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、95質量%以上100質量%以下がさらに好ましい。
【0052】
トナー粒子に含まれる二酸化チタン顔料の含有量は、白色度及び隠蔽性の観点から、トナー粒子全体に対して、20質量%以上60質量%以下が好ましく、25質量%以上55質量%以下がより好ましく、30質量%以上55質量%以下がさらに好ましい。
【0053】
なお、トナー粒子の好ましい態様としては、高い転写効率が得られる観点、感光体の傷を抑制する観点、及び高隠蔽性の画像が得られる観点から、白色顔料が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、及び有機物からなる群より選択される1種以上の材料で表面処理された二酸化チタン顔料であり、且つ、白色顔料の含有量が、白色トナー粒子の全質量に対して、30質量%以上55質量%以下である態様である。
【0054】
-離型剤-
トナー粒子は、さらに離型剤を含んでいることが好ましい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステルワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
【0055】
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。離型剤の融解温度は、示差走査熱量測定により得られたDSC曲線から、JIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」及び「融解ピーク温度」に従って求める。
【0056】
離型剤の含有量は、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
【0057】
-その他の添加剤-
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の公知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤として白色トナー粒子に含まれる。
【0058】
-白色トナー粒子の層構成-
白色トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と白色顔料とを含む芯部と、結着樹脂を含む被覆層とで構成されていることがよい。
【0059】
-白色トナー粒子の特性等-
白色トナー粒子の体積平均粒径Dは、以下の関係式(1)を満たす。
(1) 6.0μm≦D≦10.0μm
つまり、白色トナー粒子の体積平均粒径Dは、6.0μm以上10.0μm以下であり、高い転写効率が得られる観点から、6.2μm以上9.5μm以下であることが好ましく、6.4μm以上9.0μm以下であることがより好ましい。
【0060】
トナー粒子の体積平均粒径Dは、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON-II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5質量%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積を小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径Dと定義する。
【0061】
また、白色トナー粒子の平均円形度Sは、以下の関係式(2)を満たす。
(2)0.900≦S≦0.950
つまり、白色トナー粒子の平均円形度Sは、0.900以上0.950以下であり、高い転写効率が得られる観点から、0.908以上0.946以下であることが好ましく、0.916以上0.942以下であることがより好ましい。
【0062】
トナー粒子の平均円形度Sは、(円相当周囲長)/(周囲長)[(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)]により求められる。具体的には、次の方法で測定される値である。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA-3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナーを分散させた後、超音波処理を行って外添剤を除去したトナー粒子を得る。そして、得られたトナー粒子について、上述の方法で平均円形度Sを求める。
【0063】
[外添剤]
外添剤としては、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、及びチタン酸ストロンチウム粒子の4種を含む。
【0064】
-シリカ粒子-
シリカ粒子としては、フュームドシリカ粒子、ゾルゲルシリカ粒子など特に制限はないが、特に、ゾルゲルシリカ粒子が好ましい。
ここで、ゾルゲルシリカ粒子は、ゾルゲル法にて得られる。ゾルゲル法としては、例えば、テトラアルコキシシランと水とアルコールとを混合した混合液にアンモニア水を滴下しシリカゾル懸濁液を調製すること、シリカゾル懸濁液から湿潤シリカゲルを遠心分離すること、及び、湿潤シリカゲルを乾燥してシリカ粒子を得ることを含む。テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。
また、シリカ粒子としては、表面が疎水化処理された疎水化ゾルゲルシリカ粒子が好ましい。疎水化処理については、後述する。
【0065】
シリカ粒子の体積平均粒径としては、10nm以上150nm以下であることが好ましく、15nm以上130nm以下であることがより好ましい。
【0066】
-チタニア粒子-
チタニア粒子としては、特に制限はなく、例えば、アナターゼ型チタニア粒子、ルチル型チタニア粒子、メタチタン酸(チタン酸水和物TiO2・nH2Oのうち、n=1のもの)粒子等が挙げられる。
チタニア粒子としても、表面が疎水化処理された疎水化チタニア粒子が好ましい。疎水化処理については、後述する。
【0067】
チタニア粒子の体積平均粒径としては、10nm以上70nm以下であることが好ましく、15nm以上60nm以下であることがより好ましい。
【0068】
-ステアリン酸亜鉛粒子-
ステアリン酸亜鉛粒子としては、ステアリン酸亜鉛([CH3(CH2)16COO]2Zn)の粒子であれば特に制限はない。
【0069】
ステアリン酸亜鉛粒子の体積平均粒径としては、2.0μm以上8.0μm以下であることが好ましく、3.0μm以上7.0μm以下であることがより好ましい。
【0070】
-チタン酸ストロンチウム粒子-
チタン酸ストロンチウム粒子としては、特に制限はない。
トナー粒子からの遊離が抑制される観点からは、結晶性を下げ、適度に角張った形状を得るため、チタン酸ストロンチウム粒子はドーパントを含有することが好ましい。
【0071】
チタン酸ストロンチウム粒子のドーパントとしては、具体的には、ランタノイド、シリカ、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、インジウム、アンチモン、タンタル、タングステン、レニウム、イリジウム、白金、ビスマス、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、銀、錫が挙げられる。ランタノイドとしては、ランタン、セリウムが好ましい。これらの中でも、イオン半径がチタン酸ストロンチウム粒子を構成する結晶構造により入りやすい大きさである観点、及びチタン酸ストロンチウム粒子を適度に角張った形状としやすい観点から、ランタン及びシリカの少なくとも一方であることが好ましい。
【0072】
チタン酸ストロンチウム粒子のドーパントの量は、チタン酸ストロンチウム粒子を適度に角張った形状とする観点から、チタン酸ストロンチウム粒子中に含有されるストロンチウムに対してドーパントが、0.1モル%以上20モル%以下となる範囲が好ましく、0.1モル%以上15モル%以下となる範囲がより好ましく、0.1モル%以上10モル%以下となる範囲がさらに好ましい。
【0073】
また、チタン酸ストロンチウム粒子としても、表面が疎水化処理された疎水化チタン酸ストロンチウム粒子が好ましい。疎水化処理については、後述する。
【0074】
チタン酸ストロンチウム粒子の体積平均粒径としては、0.5μm以上5.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以上4.0μm以下であることがより好ましい。
【0075】
-外添剤の疎水化処理-
外添剤として用いられる無機粒子、すなわち、シリカ粒子、チタニア粒子、チタン酸ストロンチウム粒子は、いずれも、その表面が疎水化処理されることが好ましい。
疎水化処理としては、例えば、疎水化処理剤に各種無機粒子を浸漬する等して行う。
疎水化処理剤は、特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。
疎水化処理剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0076】
疎水化処理剤であるシランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n-ブチルトリメトキシシラン、n-ヘキサデシルトリメトキシシラン、n-オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が挙げられる。
疎水化処理剤であるシリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジンポリロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。
【0077】
疎水化処理剤の量は、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
【0078】
外添剤としては、上述の4種の粒子以外にも、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、フッ素系高分子量体の粒子)等を用いてもよい。
上述の4種以外の外添剤を用いる場合、その含有量は、外添剤の総量に対して、6.0質量%以下であることが好ましい。
【0079】
外添剤の総量(外添量ともいう)は、トナー粒子に対して、0.01質量%以上6.00質量%以下が好ましく、0.01質量%以上5.00質量%以下がより好ましい。
【0080】
また、外添剤において、トナーの流動性向上、トナーの帯電性の制御、トナーの凝集の抑制等の観点から、シリカ粒子の含有量は、白色トナー粒子の質量に対して、1.5質量%以上3.0質量%以下であることが好ましく、1.6質量%以上2.9質量%以下であることがより好ましく、1.7質量%以上2.8質量%以下であることがさらに好ましい。
【0081】
また、チタニア粒子の含有量は、トナーの流動性向上、トナーの帯電性の制御の観点から、シリカ粒子の質量に対して、25.0質量%以上41.0質量%以下であることが好ましく、28.0質量%以上38.0質量%以下であることがより好ましく、30.0質量%以上35.0質量%以下であることがさらに好ましい。
【0082】
また、ステアリン酸亜鉛粒子の含有量は、トナーの流動性向上、感光体傷の抑制の観点から、シリカ粒子の質量に対して、2.3質量%以上5.7質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以上5.0質量%以下であることがより好ましく、3.3質量%以上4.5質量%以下であることがさらに好ましい。
【0083】
また、チタン酸ストロンチウム粒子の含有量は、感光体傷の抑制の観点から、前記シリカ粒子の質量に対して、2.5質量%以上6.3質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以上5.8質量%以下であることがより好ましく、3.5質量%以上5.5質量%以下であることがさらに好ましい。
【0084】
-帯電量-
本実施形態に係る白色トナーは、転写効率向上の観点から、帯電量が10μC/g以上40μC/g以下であることが好ましく、12μC/g以上38μC/g以下であることがより好ましく、14μC/g以上36μC/g以下であることがさらに好ましい。
このような帯電量を有する白色トナーによれば、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成することができる。
【0085】
白色トナーの帯電量は、以下の方法で求める。
25℃、50%RHの環境下、測定対象の白色トナー12質量部と、キャリア(フェライトコア100質量部に対して、シクロヘキシルメタクリレート樹脂3.0質量部、カーボンブラック微粒子0.1質量部、メラミン微粒子0.3質量部をサンドミルにて分散した分散液をニーダーコーター法によりコーティングし、乾燥したキャリア、体積平均粒子径38μm)88質量部と、を混合し、ターブラミキサーで10分間撹拌する。撹拌後、トナーの帯電量(μC/g)をブローオフ帯電量測定装置にて測定する。
【0086】
[白色トナーの製造方法]
本実施形態に係る白色トナーは、白色トナー粒子を製造後、白色トナー粒子に外添剤を外添することで得られる。
【0087】
白色トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。これらの製法に特に制限はなく、公知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法又は混練粉砕法により、白色トナー粒子を得ることが好ましく、特に、混練粉砕法により白色トナー粒子を得ることが好ましい。
【0088】
(混練粉砕法によるトナー粒子の作製)
混練粉砕法は、トナー形成材料(即ち、白色顔料、結着樹脂等)を溶融し、混練することで混練物を得る混練工程と、得られた混練物を粉砕する粉砕工程と、を経て、トナー粒子を得る方法である。
混練粉砕法に係る各工程について詳しく説明する。
【0089】
-混練工程-
混練工程は、結着樹脂、白色顔料、及び必要に応じて用いられる離型剤等を含むトナー形成材料を混練する。
混練工程においては、トナー形成材料100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下の水系媒体(例えば、蒸留水やイオン交換水等の水、アルコール類等)を添加することが望ましい。
【0090】
混練工程に用いられる混練機としては、例えば、1軸押出し機、2軸押出し機等が挙げられる。以下、混練機の一例として、送りスクリュー部と2箇所のニーディング部とを有する混練機について図を用いて説明するが、これに限られるわけではない。
【0091】
図1は、本実施形態に係るトナーの製造方法における混練工程で用いるスクリュー押出機の一例について、スクリューの状態を説明する図である。
スクリュー押出し機11は、スクリュー(図示せず)を備えたバレル12と、バレル12にトナーの原料であるトナー形成材料を注入する注入口14と、バレル12中のトナー形成材料に水系媒体を添加するための液体添加口16と、バレル12中でトナー形成材料が混練されて形成された混練物を排出する排出口18と、から構成されている。
【0092】
バレル12は、注入口14に近いほうから順に、注入口14から注入されたトナー形成材料をニーディング部NAに輸送する送りスクリュー部SA、トナー形成材料を第1の混練工程により溶融混練するためのニーディング部NA、ニーディング部NAにおいて溶融混練されたトナー形成材料をニーディング部NBに輸送する送りスクリュー部SB、トナー形成材料を第2の混練工程により溶融混練し混練物を形成するニーディング部NB、及び形成された混練物を排出口18に輸送する送りスクリュー部SCに分かれている。
【0093】
またバレル12の内部には、ブロックごとに異なる温度制御手段(図示せず)が備えられている。すなわち、ブロック12Aからブロック12Jまで、それぞれ異なる温度に制御してもよい構成となっている。なお
図1は、ブロック12A及びブロック12Bの温度をt0℃に、ブロック12Cからブロック12Eの温度をt1℃に、ブロック12Fからブロック12Jの温度をt2℃に、それぞれ制御している状態を示している。そのため、ニーディング部NAのトナー形成材料はt1℃に加熱され、ニーディング部NBのトナー形成材料はt2℃に加熱される。
【0094】
トナー形成材料を、注入口14からバレル12へ供給すると、送りスクリュー部SAによりニーディング部NAへトナー形成材料が送られる。このとき、ブロック12Cの温度がt1℃に設定されているため、トナー形成材料は加熱されて溶融状態へと変化した状態で、ニーディング部NAに送り込まれる。そして、ブロック12D及びブロック12Eの温度もt1℃に設定されているため、ニーディング部NAではt1℃の温度でトナー形成材料が溶融混練される。結着樹脂及び離型剤は、ニーディング部NAにおいて溶融状態となり、スクリューによりせん断を受ける。
【0095】
次に、ニーディング部NAにおける混練を経たトナー形成材料は、送りスクリュー部SBによりニーディング部NBへと送られる。
ついで、送りスクリュー部SBにおいて、液体添加口16からバレル12に水系媒体を注入することにより、トナー形成材料に水系媒体を添加する。また
図1では、送りスクリュー部SBにおいて水系媒体を注入する形態を示しているが、これに限られず、ニーディング部NBにおいて水系媒体が注入されてもよく、送りスクリュー部SB及びニーディング部NBの両方において水系媒体が注入されてもよい。すなわち、水系媒体を注入する位置及び注入箇所は、必要に応じて選択される。
【0096】
上記のように、液体添加口16からバレル12に水系媒体が注入されることにより、バレル12中のトナー形成材料と水系媒体とが混合し、水系媒体の蒸発潜熱によりトナー形成材料が冷却され、トナー形成材料の温度が保たれる。
最後に、ニーディング部NBにより溶融混練されて形成された混練物は、送りスクリュー部SCにより排出口18に輸送され、排出口18から排出される。
以上のようにして、
図1に示したスクリュー押出機11を用いた混練工程が行われる。
【0097】
-冷却工程-
冷却工程は、上記溶融混練工程において形成された溶融混練物を冷却する工程であり、冷却工程では、混練工程終了の際における混練物の温度から4℃/sec以上の平均降温速度で40℃以下まで冷却することが好ましい。混練物の冷却速度が遅い場合、混練工程において結着樹脂中に細かく分散された混合物(白色顔料、結着樹脂、及び必要に応じて用いられる離型剤等との混合物)が再結晶化し、分散径が大きくなる場合がある。一方、上記平均降温速度で急冷すると、混練工程終了直後の分散状態がそのまま保たれるため好ましい。なお上記平均降温速度とは、混練工程終了の際における混練物の温度(例えば
図1のスクリュー押出し機11を用いた場合は、t2℃)から40℃まで降温させる速度の平均値をいう。
冷却工程における冷却方法としては、具体的には、例えば、冷水又はブラインを循環させた圧延ロール及び挟み込み式冷却ベルト等を用いる方法が挙げられる。なお、前記方法により冷却を行う場合、その冷却速度は、圧延ロールの速度、ブラインの流量、混練物の供給量、混練物の圧延時のスラブ厚等で決定される。スラブ厚は、1mm以上3mm以下の薄さであることが好ましい。
【0098】
-粉砕工程-
冷却工程により冷却された混練物は、粉砕工程により粉砕され、粒子が形成される。粉砕工程では、例えば、機械式粉砕機、ジェット式粉砕機等が使用される。また、必要に応じて粒子を熱風等で加熱処理して球形化してもよい。
【0099】
-分級工程-
粉砕工程により得られた粒子は、必要に応じて、目的とする範囲の体積平均粒子径のトナー粒子を得るため、分級工程により分級を行ってもよい。分級工程においては、従来から使用されている遠心式分級機、慣性式分級機等が使用され、微粉(目的とする範囲の粒径よりも小さい粒子)及び粗粉(目的とする範囲の粒径よりも大きい粒子)が除去される。
【0100】
以上の工程を経て、白色トナー粒子が得られる。
【0101】
(凝集合一によるトナー粒子の作製)
本実施形態においては、白色トナー粒子の形状やトナー粒子の粒子径を制御しやすく、コア・シェル構造などトナー粒子の層構成の制御範囲も広い凝集合一法を用いてもよい。
以下、凝集合一法によるトナー粒子の製造方法について説明する。
【0102】
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液、及び白色顔料が分散された顔料分散液を準備する工程(分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液及び顔料分散液を混合し、混合分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の混合分散液中で)、樹脂粒子及び白色顔料(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
【0103】
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア・シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
【0104】
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
【0105】
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、上述のようにして得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。
混合は、例えば、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。さらに、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
【0106】
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係る白色トナーを少なくとも含む。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係る白色トナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該白色トナーとキャリアとを混合した二成分現像剤であってもよい。
【0107】
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散して配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;などが挙げられる。磁性粉分散型キャリア又は樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、この表面を樹脂で被覆したキャリアであってもよい。
【0108】
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属;フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物;などが挙げられる。
【0109】
被覆用の樹脂及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。被覆用の樹脂及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等の添加剤を含ませてもよい。導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
【0110】
芯材の表面を樹脂で被覆するには、被覆用の樹脂、及び各種添加剤(必要に応じて使用する)を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する樹脂の種類や、塗布適性等を勘案して選択すればよい。具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法;被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法;芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法;ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、次いで溶剤を除去するニーダーコーター法;等が挙げられる。
【0111】
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
【0112】
<画像形成装置、画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する二次転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
【0113】
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に転写する一次転写工程と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する二次転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
【0114】
本実施形態に係る画像形成装置は、トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像を記録媒体の表面に転写した後の中間転写体の表面に残留したトナーをクリーニングする中間転写体クリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;などの公知の画像形成装置が適用される。
【0115】
本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に着脱するカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
【0116】
本実施形態に係る画像形成装置は、本実施形態に係る白色トナーに加えて、イエロー(Y)トナー、マゼンタ(M)トナー、シアン(C)トナー、及びブラック(K)トナーから選ばれる少なくとも一つをさらに用いる画像形成装置であってもよい。
【0117】
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0118】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図であり、5連タンデム方式且つ中間転写方式の画像形成装置を示す図である。
図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、白色(W)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第5の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K、10W(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10K、10Wは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10K、10Wは、画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジであってもよい。
【0119】
各ユニット10Y、10M、10C、10K、10Wの下方には、各ユニットを通して中間転写ベルト(中間転写体の一例)20が延設されている。中間転写ベルト20は、中
間転写ベルト20の内面に接する、駆動ロール22、支持ロール23、及び対向ロール24に巻きつけて設けられ、第1ユニット10Yから第5ユニット10Wに向う方向に走行するようになっている。中間転写ベルト20の像保持面側には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置(中間転写体クリーニング手段の一例)21が備えられている。
【0120】
中間転写ベルト20は、例えば、基材層と、基材層の外周面に配置された表面層との積層体である。基材層は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂と、導電剤とを含む。表面層は、例えば、上記樹脂の少なくとも1種と、フッ素樹脂と、導電剤とを含む。中間転写ベルト20の厚さは、例えば50μm以上100μm以下である。
【0121】
各ユニット10Y、10M、10C、10K、10Wの現像装置(現像手段の一例)4Y、4M、4C、4K、4Wのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8K、8Wに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、白色の各トナーの供給がなされる。
【0122】
第1乃至第5のユニット10Y、10M、10C、10K、10Wは、同等の構成、動作、及び作用を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエローの画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。
【0123】
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線によって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3Y、静電荷像にトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール(一次転写手段の一例)5Y、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(像保持体クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
【0124】
一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。各ユニットの一次転写ロール5Y、5M、5C、5K、5Wには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスの値を変える。
【0125】
以下、第1ユニット10Yにおいてイエローの画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3Yからレーザ光線を照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
【0126】
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、露光装置3Yからのレーザ光線によって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線が照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として現像され可視化される。
【0127】
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして、感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
【0128】
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写位置へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用し、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と逆極性の(+)極性であり、第1ユニット10Yでは制御部(図示せず)によって例えば+10μAに制御されている。
【0129】
トナー画像を中間転写ベルト20に転写した後の感光体1Yは、回転を続け、感光体クリーニング装置6Yが備えるクリーニングブレードと接触する。感光体1Y上に残留したトナーは、感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
【0130】
第2ユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5K、5Wに印加される一次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエローのトナー画像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第5のユニット10M、10C、10K、10Wを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
【0131】
第1乃至第5のユニットを通して5色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と、中間転写ベルトの内面に接する対向ロール24と、中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが対向ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と同極性の(-)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用し、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0132】
トナー画像を記録紙Pに転写した後の中間転写ベルト20は、走行を続け、中間転写体クリーニング装置21が備えるクリーニングブレードと接触する。中間転写ベルト20上に残留したトナーは、中間転写体クリーニング装置21で除去されて回収される。
【0133】
トナー画像が転写された記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれ、トナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
【0134】
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体としては、記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
【0135】
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
【0136】
図2に示す画像形成装置による画像形成の形態は、上記に限定されない。画像形成の形態としては、例えば、
第5ユニット10Wのみを稼働させて記録紙Pの片面に白色画像を形成したのち、記録紙Pを中間転写ベルト走行方向の上流に送り、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kを稼働させて記録紙Pの白色画像上にカラー画像を形成する形態;
第5ユニット10Wのみを稼働させて記録紙Pの片面に白色画像を形成したのち、記録紙Pを中間転写ベルト走行方向の上流に送り、第1ユニット10Yから第5ユニット10Wを稼働させて記録紙Pの白色画像上に白色画像及びカラー画像を形成する形態;
第5ユニット10Wのみを稼働させて記録紙Pの片面に白色画像を形成したのち、記録紙Pを中間転写ベルト走行方向の上流に送り、再び第5ユニット10Wのみを稼働させて記録紙Pの白色画像上に白色画像を重ね、記録紙Pを中間転写ベルト走行方向の上流に戻し、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kを稼働させて記録紙Pの多層白色画像上にカラー画像を形成する形態;なども挙げられる。
【0137】
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
【0138】
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限らず、現像手段と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
【0139】
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0140】
図3は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図3に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(像保持体クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
図3中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
【0141】
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係る白色トナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
【0142】
図2に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8K、8Wが着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4K、4Wは、各々の色に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。本実施形態に係るトナーカートリッジの一例が、トナーカートリッジ8Wであり、本実施形態に係る白色トナーが収容されている。トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kにはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーが収容されている。
【実施例0143】
以下、実施例により発明の実施形態を詳細に説明するが、発明の実施形態は、これら実施例に限定されるものではない。
以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
合成、処理、製造などは、特に断りのない限り、室温(25℃±3℃)で行った。
【0144】
<外添剤の準備>
[シリカ粒子(G1)]
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕を行い、体積平均粒径120nmの疎水化ゾルゲルシリカ粒子を得た。これをシリカ粒子(G1)とした。
【0145】
[チタニア粒子(G2)]
硫酸法で得られたチタニア微粒子にデシルシラン処理を行い、乾燥、粉砕を行い、体積平均粒径15nmの疎水化チタニア粒子を得た。これをチタニア粒子(G2)とした。
【0146】
[ステアリン酸亜鉛粒子(G3)]
湿式法により、体積平均粒径4μmのステアリン酸亜鉛粒子を得た。これをステアリン酸亜鉛粒子(G3)とした。
【0147】
[チタン酸ストロンチウム粒子(G4)]
市販のチタン酸ストロンチウム粒子(富士チタン社製、ST-A、体積平均粒径2.0μm)を用い、これをチタン酸ストロンチウム粒子(G4)とした。
【0148】
[シリカ粒子(G5)]
市販のフュームドシリカ粒子(日本アエロジル社製、RY50、体積平均粒径40nm)を用い、これをシリカ粒子(G5)とした。
【0149】
<白色顔料の準備>
[二酸化チタン顔料(W1)]
硫酸法で得られた二酸化チタン微粒子に、アルミナで表面処理した(アルミナで被覆した)、平均長軸長250nm、BET比表面積8m2/gの二酸化チタン顔料を得た。これを二酸化チタン顔料(W1)とした。
【0150】
[二酸化チタン顔料(W2)]
塩素法で得られた二酸化チタン微粒子に、シリカ、アルミナの順に表面処理した(シリカ、アルミナで被覆した)、平均長軸長180nm、BET比表面積18m2/gの二酸化チタン顔料を得た。これを二酸化チタン顔料(W2)とした。
【0151】
[二酸化チタン顔料(W3)]
塩素法で得られた二酸化チタン微粒子に、ジルコニア、アルミナの順に表面処理した(ジルコニア、アルミナで被覆した)、平均長軸長200nm、BET比表面積14m2/gの二酸化チタン顔料を得た。これを二酸化チタン顔料(W3)とした。
【0152】
[二酸化チタン顔料(W4)]
塩素法で得られた二酸化チタン微粒子に、ジルコニア、アルミナ、トリメチルクロロシランで表面処理した(ジルコニア、アルミナ、トリメチルクロロシランで被覆した)、平均長軸長210nm、BET比表面積15m2/gの二酸化チタン顔料を得た。これを二酸化チタン顔料(W4)とした。
【0153】
<顔料分散液の準備>
・二酸化チタン顔料(W1)~(W4)のいずれか:100部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成工業(株)製):10部
・イオン交換水:400部
以上の成分を混合して、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて30分間撹拌し、その後、高圧衝撃式分散機アルティマイザー(HJP30006:スギノマシン社製)にて1時間分散処理して、固形分濃度:20%の顔料分散液(1)~(4)をそれぞれ調製した。
【0154】
<結着樹脂、及び結着樹脂粒子分散液の準備>
[非晶性ポリエステル樹脂(A)の合成]
・テレフタル酸 :70部
・フマル酸 :30部
・エチレングリコール :41部
・1,5-ペンタンジオール:48部
攪拌装置、窒素導入管、温度センサ及び精留塔を備えた反応槽に上記の材料を入れ、窒素ガス気流下、1時間を要して温度を220℃まで上げ、上記の材料の合計100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら0.5時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量96000、ガラス転移温度61℃の非晶性ポリエステル樹脂(A)を得た。
【0155】
[非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(A)の調製]
温度調節手段及び窒素置換手段を備えた槽に、酢酸エチル40部及び2-ブタノール25部を入れ混合溶剤とした後、非晶性ポリエステル樹脂(A)100部を徐々に投入し溶解させ、ここに、10%アンモニア水溶液(樹脂の酸価に対してモル比で3倍量相当量)を入れて30分間攪拌した。次いで、反応容器内を乾燥窒素で置換し、温度を40℃に保持して、混合液を攪拌しながらイオン交換水400部を2部/分の速度で滴下し、乳化を行った。滴下終了後、乳化液を25℃に戻し、減圧下で溶剤を除去して体積平均粒径160nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。この樹脂粒子分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調製して、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(A)を得た。
【0156】
[結晶性ポリエステル樹脂粒子(C)の合成]
・1,10-デカンジカルボン酸:265部
・1,6-ヘキサンジオール :168部
・ジブチル錫オキサイド(触媒):0.3部
加熱乾燥した反応槽に上記の材料を入れ、反応槽内の空気を窒素ガスで置換して不活性雰囲気とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌還流を行った。次いで、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。こうして、重量平均分子量12700、融解温度73℃の結晶性ポリエステル樹脂(C)を得た。
【0157】
[結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(C)の調製]
結晶性ポリエステル樹脂(C)90部とアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK)1.8部とイオン交換水210部とを混合し、120℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザで分散処理を1時間行い、体積平均粒径160nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。この樹脂粒子分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調整して、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(C)を得た。
【0158】
<離型剤粒子分散液(1)の作製>
エステルワックス(融解温度72℃、日本精蝋社製)270部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK)15部と、イオン交換水20部とを混合し、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製ゴーリンホモジナイザ)で内液温度120℃にて離型剤を溶解した。次いで、分散圧力5MPaで120分間、続いて40MPaで360分間分散処理し、冷却した。イオン交換水を加えて固形分濃度が20%になるように調整し、離型剤粒子分散液(1)を得た。離型剤粒子分散液中の粒子の体積平均粒子径は220nmであった。
【0159】
[実施例1]
<トナーの作製>
非晶性ポリエステル樹脂(A)57部、二酸化チタン顔料(W1)38部、及びパラフィンワックス(日本精蝋(株)製、HNP-9)5部の混合物を、75Lヘンシェルミキサーにて前混合した後、スクリュー構成を有する2軸連続混練機にて、下記条件の混練を行い、混練物を得た。具体的には、混練温度160℃、回転数280rpm、混練速度90kg/hの条件で混練を行った。
得られた混練物を、400AFG-CR粉砕機(ホソカワミクロン(株)製)を用いて粉砕した後、空気式エルボージェット分級機((株)マツボー製)を使用して微粉、粗粉を除去し、トナー粒子を得た。次いで、73℃120分の条件で加熱(ポストアニール)を実施し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925のトナー粒子(1)を得た。
【0160】
得られたトナー粒子(1)100部と、シリカ粒子(G1)0.9部と、シリカ粒子(G5)1.3部と、チタニア粒子(G2)0.7部と、ステアリン酸亜鉛粒子(G3)0.1部と、チタン酸ストロンチウム粒子(G4)0.1部と、を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、白色トナー(1)を得た。
【0161】
<静電荷像現像剤の作製>
・フェライト粒子(平均粒径35μm):100部
・トルエン:14部
・シクロヘキシルメタクリレート共重合体樹脂:3部
・カーボンブラック微粒子:0.1部
・メラミン微粒子:0.3部
フェライト粒子を除く前記成分をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、撹拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリア(1)を得た。
そして、キャリア(1)88部に対して、トナー(1)を12部混合し、現像剤(1)を得た。
【0162】
[実施例2]
白色トナー(1)の作製において、二酸化チタン顔料(W1)を二酸化チタン顔料(W2)に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径6.7μm、平均円形度0.918の白色トナー(2)を得た。
【0163】
[実施例3]
白色トナー(1)の作製において、二酸化チタン顔料(W1)を二酸化チタン顔料(W3)に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.3μm、平均円形度0.930の白色トナー(3)を得た。
【0164】
[実施例4]
白色トナー(1)の作製において、二酸化チタン顔料(W1)を二酸化チタン顔料(W4)に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.1μm、平均円形度0.929の白色トナー(4)を得た。
【0165】
[実施例5]
白色トナー(1)の作製において、非晶性ポリエステル樹脂(A)を53部に、二酸化チタン顔料(W1)を29部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径6.9μm、平均円形度0.920の白色トナー(5)を得た。
【0166】
[実施例6]
白色トナー(1)の作製において、非晶性ポリエステル樹脂(A)を26部に、二酸化チタン顔料(W1)を56部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.1μm、平均円形度0.926の白色トナー(6)を得た。
【0167】
[実施例7]
白色トナー(1)の作製において、シリカ粒子(G1)0.6部、シリカ粒子(G5)0.8部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(7)を得た。
【0168】
[実施例8]
白色トナー(1)の作製において、シリカ粒子(G1)0.7部、シリカ粒子(G5)0.8部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(8)を得た。
【0169】
[実施例9]
白色トナー(1)の作製において、シリカ粒子(G1)1.5部、シリカ粒子(G5)1.5部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(9)を得た。
【0170】
[実施例10]
白色トナー(1)の作製において、シリカ粒子(G1)1.6部、シリカ粒子(G5)1.5部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(10)を得た。
【0171】
[実施例11]
白色トナー(1)の作製において、チタニア粒子(G2)0.5部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(11)を得た。
【0172】
[実施例12]
白色トナー(1)の作製において、チタニア粒子(G2)0.6部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(12)を得た。
【0173】
[実施例13]
白色トナー(1)の作製において、チタニア粒子(G2)0.65部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(13)を得た。
【0174】
[実施例14]
白色トナー(1)の作製において、チタニア粒子(G2)0.8部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(14)を得た。
【0175】
[実施例15]
白色トナー(1)の作製において、チタニア粒子(G2)0.9部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(15)を得た。
【0176】
[実施例16]
白色トナー(1)の作製において、チタニア粒子(G2)0.95部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(16)を得た。
【0177】
[実施例17]
白色トナー(1)の作製において、ステアリン酸亜鉛粒子(G3)0.046部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(17)を得た。
【0178】
[実施例18]
白色トナー(1)の作製において、ステアリン酸亜鉛粒子(G3)0.052部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(18)を得た。
【0179】
[実施例19]
白色トナー(1)の作製において、ステアリン酸亜鉛粒子(G3)0.066部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(19)を得た。
【0180】
[実施例20]
白色トナー(1)の作製において、ステアリン酸亜鉛粒子(G3)0.11部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(20)を得た。
【0181】
[実施例21]
白色トナー(1)の作製において、ステアリン酸亜鉛粒子(G3)0.122部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(21)を得た。
【0182】
[実施例22]
白色トナー(1)の作製において、ステアリン酸亜鉛粒子(G3)0.13部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(22)を得た。
【0183】
[実施例23]
白色トナー(1)の作製において、チタン酸ストロンチウム粒子(G4)0.05部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(23)を得た。
【0184】
[実施例24]
白色トナー(1)の作製において、チタン酸ストロンチウム粒子(G4)0.06部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(24)を得た。
【0185】
[実施例25]
白色トナー(1)の作製において、チタン酸ストロンチウム粒子(G4)0.07部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(25)を得た。
【0186】
[実施例26]
白色トナー(1)の作製において、チタン酸ストロンチウム粒子(G4)0.125部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(26)を得た。
【0187】
[実施例27]
白色トナー(1)の作製において、チタン酸ストロンチウム粒子(G4)0.135部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(27)を得た。
【0188】
[実施例28]
白色トナー(1)の作製において、チタン酸ストロンチウム粒子(G4)0.14部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.925の白色トナー(28)を得た。
【0189】
[実施例29]
白色トナー(1)の作製において、粉砕、微粉・粗粉除去、ポストアニールの条件を適宜調整した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径10.0μm、平均円形度0.950の白色トナー(29)を得た。
【0190】
[実施例30]
白色トナー(1)の作製において、粉砕、微粉・粗粉除去、ポストアニールの条件を適宜調整した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径9.5μm、平均円形度0.948の白色トナー(30)を得た。
【0191】
[実施例31]
白色トナー(1)の作製において、粉砕、微粉・粗粉除去、ポストアニールの条件を適宜調整した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径6.2μm、平均円形度0.907の白色トナー(31)を得た。
【0192】
[実施例32]
白色トナー(1)の作製において、粉砕、微粉・粗粉除去、ポストアニールの条件を適宜調整した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径6.1μm、平均円形度0.900の白色トナー(32)を得た。
【0193】
[実施例33]
<トナーの作製>
・非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(A)(固形分量20%) :190部
・結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(C)(固形分量20%) :65部
・白色顔料分散液(W1)(固形分量20%) :190部
・離型剤粒子分散液(1)(固形分量20%) :25部
・イオン交換水 :900部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製Dowfax2A1):5部
上記の材料を攪拌槽に入れ、0.1N硝酸を添加してpHを3.5に調整した。硫酸アルミニウム2.5部をイオン交換水30部に溶解させた硫酸アルミニウム水溶液を用意し、攪拌槽に添加した。ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱し、凝集粒子の体積平均粒径が6.5μmとなるまで保持した。
【0194】
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(A)(固形分量20%)15部を攪拌槽に投入し、30分間保持した。これを合計2回行い、第二の凝集粒子を含む分散液を得た。第二の凝集粒子を含む分散液に10質量%のNTA(ニトリロ三酢酸)金属塩水溶液(キレスト70、キレスト(株)製)を20部加えた。
【0195】
攪拌槽内の攪拌を継続しながら、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK)1.0部を投入し、85℃まで昇温し1時間保持した。次いで、降温速度0.5℃/分で30℃まで冷却した。次いで、固形分を濾別し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させ、体積平均粒径7・1μm、平均円形度0.939のトナー粒子(2)を得た。
【0196】
得られたトナー粒子(2)100部と、シリカ粒子(G1)0.9部と、シリカ粒子(G5)1.3部と、チタニア粒子(G2)0.7部と、ステアリン酸亜鉛粒子(G3)0.1部と、チタン酸ストロンチウム粒子(G4)0.1部と、を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、白色トナー(33)を得た。
【0197】
[実施例34]
白色トナー(1)の作製において、非晶性ポリエステル樹脂(A)57部を非晶性ポリエステル樹脂(A)44部、及び、結晶性ポリエステル樹脂(C)13部に変更した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径6.9μm、平均円形度0.924の白色トナー(34)を得た。
【0198】
[比較例1]
白色トナー(1)の作製において、粉砕、微粉・粗粉除去、ポストアニールの条件を適宜調整した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径5.8μm、平均円形度0.930の白色トナー(35)を得た。
【0199】
[比較例2]
白色トナー(1)の作製において、粉砕、微粉・粗粉除去、ポストアニールの条件を適宜調整した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径10.2μm、平均円形度0.911の白色トナー(36)を得た。
【0200】
[比較例3]
白色トナー(1)の作製において、粉砕、微粉・粗粉除去、ポストアニールの条件を適宜調整した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.5μm、平均円形度0.895の白色トナー(37)を得た。
【0201】
[比較例4]
白色トナー(1)の作製において、粉砕、微粉・粗粉除去、ポストアニールの条件を適宜調整した以外は、白色トナー(1)と同様にして作製し、体積平均粒径7.6μm、平均円形度0.954の白色トナー(38)を得た。
【0202】
<静電荷像現像剤の作製>
上記キャリア(1)88部に対して、トナー(1)~(38)を12部混合し、現像剤(1)~(38)を得た。
【0203】
<各種測定>
得られた各トナーについて、トナー粒子の体積平均粒径D及び平均円形度S、並びに帯電量を、既述の方法にて測定した。
結果を表1及び表2に示す。
また、表1及び表2には、白色顔料及び外添剤の含有量も合わせて示す。なお、白色顔料及び外添剤の含有量において、「対トナー」との表記は、白色トナー粒子の全質量に対する含有量である。また、外添剤において、「対シリカ」との表記は、外添剤であるシリカ粒子の質量に対する含有量である。
【0204】
<評価>
富士フイルムビジネスイノベーション社製Revoria Press PC1120の最上流の画像形成ユニットに、上述のようにして得られた各例の白色トナーを格納した白色トナーカートリッジをセットし、その他の画像形成ユニットに、Y、M、C、K、及び銀の各色トナーをそれぞれ含むトナーカートリッジをセットした画像形成装置を準備した。
この画像形成装置を用い、以下の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0205】
(転写効率)
上記の画像形成装置を用い、記録媒体上に白色トナーのベタ画像を出力した。中間転写体上の画像(転写前の画像)の面積あたり重量aと、記録媒体に画像を転写した後、中間転写体上に残存する画像の面積当たり重量bと、を測定し、以下の式から転写効率とした。
転写効率[%]=(a-b)/a×100
【0206】
(感光体傷)
上記の画像形成装置にて、6色重ね画像(具体的には最上流から白、Y、M、C、K、銀となるように各色トナーカートリッジをセットした)を用紙10000枚に出力し、各画像形成ユニットにおける感光体の表面をレーザー顕微鏡にて観察し、傷の評価を行った。また、上記10000枚の出力後に、Y、Mの全面ハーフトーン画像を各10枚出力し、画質の評価を行った。
-基準-
G1:白、および、他色の感光体において傷は見られない。画質は良好である。
G2:Yの画像形成ユニットの感光体に数か所の軽微な傷が見られる。画質は良好である。
G3:Yの画像形成ユニットの感光体に多くの傷が見られる。画質は僅かに色点が見られるが、許容レベルである。
G4:Yの画像形成ユニットの感光体に多くの傷が見られる。画質は多くの色点が見られ、許容レベルではない。
G5:Y、Mの画像形成ユニットの感光体に多くの傷が見られる。画質は多くの色点が見られ、許容レベルではない。
【0207】
(隠蔽性)
上記の画像形成装置にて、透明フィルム(ダイニック社製、OZK-188)上に白色ベタ画像を出力した。トナー載せ量は中間転写体上の画像(転写前の画像)で10g/m2となるよう、画像形成装置の出力を調整した。白色ベタ画像が形成された記録媒体の下に、JIS K 5600-4記載の隠ぺい率試験紙の白色部と黒色部を敷き、エックスライト社製の製品名X-Rite938を用いて、白色部を下敷きにした際の白色ベタ画像のY値をYw、黒色部を下敷きにした際の白色ベタ画像のY値をYbとして、以下の式から隠蔽率を求める。この隠蔽率により、隠蔽性を評価した。
隠蔽率[%]=Yb/Yw×100
【0208】
【0209】
【0210】
表1及び表2によれば、各実施例の白色トナーは、比較例に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうることがわかる。
【0211】
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
(((1))) 結着樹脂及び白色顔料を含む白色トナー粒子と、外添剤と、を有し、
前記外添剤が、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、及びチタン酸ストロンチウム粒子を含み、
前記白色トナー粒子の体積平均粒径D及び平均円形度Sが、以下の関係式(1)及び(2)を満たす、白色トナー。
(1) 6.0μm≦D≦10.0μm
(2) 0.900≦S≦0.950
【0212】
(((2))) 前記白色顔料が二酸化チタン顔料である、(((1)))に記載の白色トナー。
(((3))) 前記白色顔料が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、及び有機物からなる群より選択される1種以上の材料で表面処理された二酸化チタン顔料である、(((1)))又は(((2)))に記載の白色トナー。
(((4))) 前記白色顔料の含有量が、前記白色トナー粒子の全質量に対して、30質量%以上55質量%以下である、(((1)))~(((3)))のいずれか1つに記載の白色トナー。
(((5))) 前記白色顔料が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、及び有機物からなる群より選択される1種以上の材料で表面処理された二酸化チタン顔料であり、且つ、前記白色顔料の含有量が、前記白色トナー粒子の全質量に対して、30質量%以上55質量%以下である、(((1)))に記載の白色トナー。
(((6))) 前記シリカ粒子の含有量が、前記白色トナー粒子の質量に対して、1.5質量%以上3.0質量%以下である、(((1)))~(((5)))のいずれか1つに記載の白色トナー。
(((7))) 前記チタニア粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、25.0質量%以上41.0質量%以下である、(((6)))に記載の白色トナー。
(((8))) 前記チタニア粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、28.0質量%以上38.0質量%以下である、(((7)))に記載の白色トナー。
(((9))) 前記ステアリン酸亜鉛粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、2.3質量%以上5.7質量%以下である、(((6)))に記載の白色トナー。
(((10))) 前記ステアリン酸亜鉛粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、3.0質量%以上5.0質量%以下である、(((9)))に記載の白色トナー。
(((11))) 前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、2.5質量%以上6.3質量%以下である、(((6)))に記載の白色トナー。
(((12))) 前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、前記シリカ粒子の質量に対して、3.0質量%以上5.8質量%以下である、(((11)))に記載の白色トナー。
(((13))) 前記シリカ粒子が、疎水性ゾルゲルシリカ粒子である、(((1)))~(((11)))のいずれか1つに記載の白色トナー。
(((14))) 帯電量が10μC/g以上40μC/g以下である、(((1)))~(((13)))のいずれか1つに記載の白色トナー。
【0213】
(((15))) (((1)))~(((14)))のいずれか1つに記載の白色トナーを含む静電荷像現像剤。
(((16))) (((1)))~(((14)))のいずれか1つに記載の白色トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
(((17))) (((15)))に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
(((18))) 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
(((15)))に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像が転写される中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を前記中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する二次転写手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
(((19))) 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
(((15)))に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に転写する一次転写工程と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する二次転写工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
【0214】
(((1)))、(((2)))、(((3)))、(((5)))、又は(((13)))に係る発明によれば、外添剤として、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、およびチタン酸ストロンチウムのうちいずれか1つを含まない場合、トナー粒子の体積平均粒径Dが6μm未満又は10μm超である場合、若しくは、トナー粒子の平均円形度Sが0.9未満又は0.95超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
(((4)))に係る発明によれば、白色顔料の含有量が、白色トナー粒子の全質量に対して、30質量%未満又は55質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
(((6)))に係る発明によれば、シリカ粒子の含有量が、白色トナー粒子の質量に対して、1.5質量%未満又は3.0質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
(((7)))に係る発明によれば、チタニア粒子の含有量が、シリカ粒子の質量に対して、25.0質量%未満又は41.0質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
(((8)))に係る発明によれば、チタニア粒子の含有量が、シリカ粒子の質量に対して、28.0質量%未満又は38.0質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
(((9)))に係る発明によれば、ステアリン酸亜鉛粒子の含有量が、シリカ粒子の質量に対して、2.3質量%未満又は5.7質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
(((10)))に係る発明によれば、ステアリン酸亜鉛粒子の含有量が、シリカ粒子の質量に対して、3.0質量%未満又は5.0質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
(((11)))に係る発明によれば、チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、シリカ粒子の質量に対して、2.5質量%未満又は6.3質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
(((12)))に係る発明によれば、チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、シリカ粒子の質量に対して、3.0質量%未満又は5.8質量%超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
(((14)))に係る発明によれば、帯電量が10μC/g未満又は40μC/g超である場合に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる白色トナーが提供される。
【0215】
(((15)))に係る発明によれば、外添剤として、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、およびチタン酸ストロンチウムのうちいずれか1つを含まない場合、トナー粒子の体積平均粒径Dが6μm未満又は10μm超である場合、若しくは、トナー粒子の平均円形度Sが0.9未満又は0.95超である場合の白色トナーを適用した静電荷像現像剤に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる静電荷像現像剤が提供される。
(((16)))に係る発明によれば、外添剤として、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、およびチタン酸ストロンチウムのうちいずれか1つを含まない場合、トナー粒子の体積平均粒径Dが6μm未満又は10μm超である場合、若しくは、トナー粒子の平均円形度Sが0.9未満又は0.95超である場合の白色トナーを適用したトナーカートリッジに比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうるトナーカートリッジが提供される。
(((17)))に係る発明によれば、外添剤として、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、およびチタン酸ストロンチウムのうちいずれか1つを含まない場合、トナー粒子の体積平均粒径Dが6μm未満又は10μm超である場合の白色トナーを適用したプロセスカートリッジに比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうるプロセスカートリッジが提供される。
(((18)))に係る発明によれば、外添剤として、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、およびチタン酸ストロンチウムのうちいずれか1つを含まない場合、トナー粒子の体積平均粒径Dが6μm未満又は10μm超である場合、若しくは、トナー粒子の平均円形度Sが0.9未満又は0.95超である場合に比べての白色トナーを適用した画像形成装置に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる画像形成装置が提供される。
(((19)))に係る発明によれば、外添剤として、シリカ粒子、チタニア粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、およびチタン酸ストロンチウムのうちいずれか1つを含まない場合、トナー粒子の体積平均粒径Dが6μm未満又は10μm超である場合、若しくは、トナー粒子の平均円形度Sが0.9未満又は0.95超である場合の白色トナーを適用した画像形成方法に比べて、転写効率に優れ、感光体の傷を抑制し、高い隠蔽性を有する画像を形成しうる画像形成方法が提供される。