(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040066
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】進捗管理システム、進捗管理プログラム及び進捗管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240315BHJP
G06Q 50/16 20240101ALI20240315BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/16
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144911
(22)【出願日】2022-09-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 開催日:令和3年9月27日、集会名・集会場所:業務委託エージェント勉強会(初回)(オンライン)、公開者:株式会社TERASS
(71)【出願人】
【識別番号】519181087
【氏名又は名称】株式会社TERASS
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】江口 亮介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L049CC27
(57)【要約】
【課題】
不動産に関する商談の進捗管理を容易にすることができる新規な技術を提供することを課題とする。
【解決手段】
不動産取引の代理人が商談の進捗管理をすることができる進捗管理システムであって、
前記進捗管理システムは、商談作成手段及び更新手段を備え、前記商談作成手段は、前記代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、商談に関する商談情報を作成し、前記商談情報は、商談の状態を示す商談状態情報を含み、前記更新手段は、前記代理人端末から、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する為の申請に係る入力を受け付け、前記代理人の商談をサポートする管理者の管理者端末から、前記申請への承認を受け付けることによって、前記商談状態情報を更新する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産取引の代理人が商談の進捗管理をすることができる進捗管理システムであって、
前記進捗管理システムは、商談作成手段及び更新手段を備え、
前記商談作成手段は、前記代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成し、
前記商談情報は、商談の状態を示す商談状態情報を含み、
前記更新手段は、前記代理人端末から、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する為の申請に係る入力を受け付け、
前記代理人の商談をサポートする管理者の管理者端末から、前記申請への承認を受け付けることによって、前記商談状態情報を更新する、進捗管理システム。
【請求項2】
前記更新手段は、前記申請に係る入力として、前記商談状態情報毎に決められた所定のファイルのアップロードを受け付け、前記承認に係る入力を受け付けることによって、前記商談状態情報を更新する請求項1に記載の進捗管理システム。
【請求項3】
前記進捗管理システムは、記憶部及び通知手段を更に備え、
前記記憶部は、前記申請の種別を示す申請種別情報と、前記管理者の属性を紐づけて格納し、
前記通知手段は、前記申請の受け付けると、該申請の申請種別情報に紐づく管理者の属性に基づいて、前記管理者に対して、前記申請を通知する、請求項1又は請求項2に記載の進捗管理システム。
【請求項4】
前記進捗管理システムは、記憶部を更に備え、
前記記憶部は、前記申請の種別を示す申請種別情報と、前記承認の為の複数の要件を紐づけて格納し、
前記更新手段は、複数の前記要件を満たされた場合に、前記商談状態情報を更新する、請求項1又は請求項2に記載の進捗管理システム。
【請求項5】
前記進捗管理システムは、記憶部を更に備え、
前記記憶部は、前記商談の種別を示す商談種別情報、及び一連の前記商談状態情報を含む一連商談状態情報を紐づけて格納し、
前記商談作成手段は、前記商談作成指示として、前記商談種別情報の入力を受け付けて、前記商談情報を作成し、
前記更新手段は、該商談種別情報と紐づく前記一連商談状態情報に基づいて、前記商談状態情報を更新する、請求項1又は請求項2に記載の進捗管理システム。
【請求項6】
前記進捗管理システムは、記憶部及び表示手段を更に備え、
前記記憶部は、前記商談の種別を示す商談種別情報、及び前記申請の種別を示す申請種別情報を紐づけて格納し、
前記商談作成手段は、前記商談作成指示として、前記商談種別情報の入力を受け付けて、前記商談情報を作成し、
前記表示手段は、前記代理人端末において、該商談種別情報に紐づく前記申請種別情報に基づいて、前記申請に係る入力を入力可能に表示処理する、請求項1又は請求項2に記載の進捗管理システム。
【請求項7】
前記進捗管理システムは、記憶部及び表示手段を更に備え、
前記記憶部は、前記商談状態情報毎に前記申請の種別を示す申請種別情報を格納し、
前記表示手段は、前記代理人端末において、前記商談状態情報に紐づく前記申請種別情報に基づいて、前記申請に係る入力を入力可能に表示処理する、請求項1又は請求項2に記載の進捗管理システム。
【請求項8】
前記進捗管理システムは、契約作成手段を更に備え、
前記商談作成手段は、前記商談作成指示として、前記顧客に関する顧客情報の入力を受け付け、
前記契約作成手段は、前記申請に係る入力として、前記代理人端末から、前記代理人と前記顧客との契約を作成する契約作成指示を受け付け、
前記管理者端末から、前記承認に係る入力を受け付けると、前記顧客情報が紐づく契約に関する契約情報を作成する、請求項1又は請求項2に記載の進捗管理システム。
【請求項9】
前記進捗管理システムは、記憶部を更に備え、
前記記憶部は、申請の種別を示す申請種別情報と、契約の種別を示す契約種別情報を紐づけて格納し、
前記契約作成手段は、前記申請に係る入力として、前記契約作成指示を受け付けると、該申請の申請種別に基づいて、前記契約情報を作成する、請求項8に記載の進捗管理システム。
【請求項10】
前記契約情報は契約の状態を示す契約状態情報を含み、
前記更新手段は、契約状態情報を更新する申請に係る入力を受け付け、
前記管理者端末から、該申請への承認に係る入力を受け付けることによって、前記契約状態情報を更新し、更に前記商談状態情報を更新する、請求項8に記載の進捗管理システム。
【請求項11】
前記商談作成手段は、商談の種別として売却商談を受け付けて、売却商談に関する商談情報を作成し、
更に商談の種別として購入商談を受け付けて、購入商談に関する商談情報を作成し、
前記契約作成手段は、前記売却商談及び前記購入商談の一方に関して、前記契約作成指示として、他方の商談に関する商談情報の入力を受け付けると、
該売却商談及び該購入商談が紐づく、前記契約情報を作成する、請求項8に記載の進捗管理システム。
【請求項12】
不動産取引の代理人が商談の進捗管理をすることができる進捗管理プログラムであって、
前記進捗管理プログラムは、コンピュータを、商談作成手段及び更新手段として機能させ、
前記商談作成手段は、前記代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成し、
前記商談情報は、商談の状態を示す商談状態情報を含み、
前記更新手段は、前記代理人端末から、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する為の申請に係る入力を受け付け、
前記代理人の商談をサポートする管理者の管理者端末から、前記申請への承認を受け付けることによって、前記商談状態情報を更新する、進捗管理プログラム。
【請求項13】
不動産取引の代理人が商談の進捗管理をすることができるコンピュータを用いた進捗管理方法であって、
前記コンピュータが、
前記代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた情報であって、商談の状態を示す商談状態情報を含む商談情報を作成するステップと、
前記代理人端末から、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する為の申請に係る入力を受け付けるステップと、
前記代理人の商談をサポートする管理者の管理者端末から、前記申請への承認を受け付けることによって、前記商談状態情報を更新するステップと、を実行する、進捗管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、進捗管理システム、進捗管理プログラム及び進捗管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、不動産の契約を行う為には、物件を契約する顧客毎に不動産会社等の営業担当者が介入する。一方、営業者においては、契約を仲介する顧客の数が多くなるほど顧客毎の契約状況等を把握することが難しくなっていた。このような問題を解決するシステムの一例が、例えば、特許文献1に提案されている。
【0003】
特許文献1には、制御部が、不動産業者端末から商談開始情報、物件ID、顧客情報を受信した場合に、該当物件の進捗状況が商談無しであれば商談中に更新するとともに、顧客情報を商談順位1位として登録する機能と、不動産業者端末から商談開始情報、物件ID、顧客情報を受信した場合に、該当物件の進捗状況が商談中であればキャンセル待ちを行うかを問い合わせ、行う場合に、顧客情報を次の商談順位対応に登録するとともに商談順位を通知する機能と、不動産業者端末から契約要求情報、物件ID、顧客情報を受信した場合に、該当顧客の商談順位を検索し、1位であった場合に商談状況を契約済に更新するとともに、該当物件の他の顧客に対して成約したことを通知する機能と、を備えていることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし特許文献1では、商談毎の進捗状況において、商談中のうちどの段階であるのかが、具体的にわからず、営業担当者が進捗状況を正確に把握できないという問題があった。
【0006】
また近年、企業の営業担当者ではなく、個人事業主(代理人)が不動産の契約を仲介する場合が多くなってきている。しかし、このような代理人の場合でも、商談の進捗状況を正確に把握できないという問題があった。
【0007】
上記課題に鑑み、本発明は、不動産に関する商談の進捗管理を容易にすることができる新規な技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、不動産取引の代理人が商談の進捗管理をすることができる進捗管理システムであって、前記進捗管理システムは、商談作成手段及び更新手段を備え、前記商談作成手段は、前記代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成し、前記商談情報は、商談の状態を示す商談状態情報を含み、前記更新手段は、前記代理人端末から、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する為の申請に係る入力を受け付け、前記代理人の商談をサポートする管理者の管理者端末から、前記申請への承認を受け付けることによって、前記商談状態情報を更新する。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、不動産取引の代理人が商談の進捗管理をすることができる進捗管理プログラムであって、前記進捗管理プログラムは、コンピュータを、商談作成手段及び更新手段として機能させ、前記商談作成手段は、前記代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成し、前記商談情報は、商談の状態を示す商談状態情報を含み、前記更新手段は、前記代理人端末から、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する為の申請に係る入力を受け付け、前記代理人の商談をサポートする管理社の管理者端末から、前記申請への承認を受け付けることによって、前記商談状態情報を更新する。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、不動産取引の代理人が商談の進捗管理をすることができるコンピュータを用いた進捗管理方法であって、前記コンピュータが、前記代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた情報であって、商談の状態を示す商談状態情報を含む商談情報を作成するステップと、前記代理人端末から、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する為の申請に係る入力を受け付けるステップと、前記代理人の商談をサポートする管理者の管理者端末から、前記申請への承認を受け付けることによって、前記商談状態情報を更新するステップと、を実行する。
このような構成とすることで、不動産取引を代理する代理人が、代理人をサポートする管理者から申請の承諾を受けることによって自身の商談を進めることができる。これにより、申請に対して承諾が必要となり、適切に商談を進めることができる。
【0011】
より好ましい形態では、前記更新手段は、前記申請に係る入力として、前記商談状態情報毎に決められた所定のファイルのアップロードを受け付け、前記承認に係る入力を受け付けることによって、前記商談状態情報を更新する。
このような構成とすることで、代理人は、商談の商談状態情報を進める為に、商談状態情報毎に決められた所定のファイルをアップロードすることで、自身の商談を進めることができる。これにより、適切なファイルをアップロードすることで商談を進めることができ、より適切に商談を進めることができる。
【0012】
より好ましい形態では、前記進捗管理システムは、記憶部及び通知手段を更に備え、前記記憶部は、前記申請の種別を示す申請種別情報と、前記管理者の属性を紐づけて格納し、前記通知手段は、前記申請を受け付けると、該申請の申請種別情報に紐づく管理者の属性に基づいて、前記管理者に対して、前記申請を通知する。
このような構成とすることで、代理人からの申請を、管理者の属性に応じて通知することができる。これにより適切な管理者に対して、代理人からの申請を送信することができる。
【0013】
より好ましい形態では、前記進捗管理システムは、記憶部を更に備え、前記記憶部は、前記申請の種別を示す申請種別情報と、前記承認の為の複数の要件を紐づけて格納し、前記更新手段は、複数の前記要件を満たされた場合に、前記商談状態情報を更新する。
このような構成とすることで、代理人からの申請毎に、申請を承認する為の要件が複数あり、全ての要件を満たした場合に、商談を進めることができる。これにより、より適切に商談を進めることができる。
【0014】
より好ましい形態では、前記進捗管理システムは、記憶部を更に備え、前記記憶部は、前記商談の種別を示す商談種別情報、及び一連の前記商談状態情報を含む一連商談状態情報を紐づけて格納し、前記商談作成手段は、前記商談作成指示として、前記商談種別情報の入力を受け付けて、前記商談情報を作成し、前記更新手段は、該商談種別情報と紐づく前記一連商談状態情報に基づいて、前記商談状態情報を更新する。
このような構成とすることで、商談の種別毎に商談状態を作成し、商談を進めることができる。これにより、顧客と様々な商談を行うことができる。
【0015】
より好ましい形態では、前記進捗管理システムは、記憶部及び表示手段を更に備え、前記記憶部は、前記商談の種別を示す商談種別情報、及び前記申請の種別を示す申請種別情報を紐づけて格納し、前記商談作成手段は、前記商談作成指示として、前記商談種別情報の入力を受け付けて、前記商談情報を作成し、前記表示手段は、前記代理人端末において、該商談種別情報に紐づく前記申請種別情報に基づいて、前記申請に係る入力を入力可能に表示処理する。
このような構成とすることで、商談の種別毎に申請可能な申請種別を入力可能に表示することができる。これにより、商談毎に適切な申請ができるようになり、様々な商談を適切に進めることができる。
【0016】
より好ましい形態では、前記進捗管理システムは、記憶部及び表示手段を更に備え、前記記憶部は、前記商談状態情報毎に前記申請の種別を示す申請種別情報を格納し、前記表示手段は、前記代理人端末において、前記商談状態情報に紐づく前記申請種別情報に基づいて、前記申請に係る入力を入力可能に表示処理する。
このような構成とすることで、商談状態毎に申請可能な申請種別を入力可能に表示することができる。これにより、商談状態毎に適切な申請ができるようになり、適切に商談を進めることができる。
【0017】
より好ましい形態では、前記進捗管理システムは、契約作成手段を更に備え、前記商談作成手段は、前記商談作成指示として、前記顧客に関する顧客情報の入力を受け付け、前記契約作成手段は、前記申請に係る入力として、前記代理人端末から、前記代理人と前記顧客との契約を作成する契約作成指示を受け付け、前記管理者端末から、前記承認に係る入力を受け付けると、前記顧客情報が紐づく契約に関する契約情報を作成する。
このような構成とすることで、代理人からの契約を作成する申請が、管理者に承諾されることで、契約を作成することができる。これにより、不適切な契約を作成できないようにすることができる。
【0018】
より好ましい形態では、前記進捗管理システムは、記憶部を更に備え、前記記憶部は、申請の種別を示す申請種別情報と、契約の種別を示す契約種別情報を紐づけて格納し、前記契約作成手段は、前記申請に係る入力として、前記契約作成指示を受け付けると、該申請の種別に基づいて、前記契約情報を作成する。
このような構成とすることで、申請の種別に応じた契約を作成することができる。
【0019】
より好ましい形態では、前記契約情報は契約の状態を示す契約状態情報を含み、前記更新手段は、契約状態情報を更新する申請に係る入力を受け付け、前記管理者端末から、該申請への承認に係る入力を受け付けることによって、前記契約状態情報を更新し、更に前記商談状態情報を更新する。
このような構成とすることで、契約状態と商談状態を連動して更新することができる。これにより、商談と契約を同時に管理することができる。
【0020】
より好ましい形態では、前記商談作成手段は、商談の種別として売却商談を受け付けて、売却商談に関する商談情報を作成し、更に商談の種別として購入商談を受け付けて、購入商談に関する商談情報を作成し、前記契約作成手段は、前記売却商談及び前記購入商談の一方に関して、前記契約作成指示として、他方の商談に関する商談情報の入力を受け付けると、該売却商談及び該購入商談が紐づく、前記契約情報を作成する。
このような構成とすることで、購入商談と契約商談の両手取引をすることができる。これにより、売却希望と購入希望の不動産が一致する顧客同士と、商談及び契約を進めることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、不動産に関する商談の進捗管理を容易にすることができる新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る発明のシステム構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るハードウェア構成図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るデータベースの一例を示すである。
【
図5】本発明の実施形態に係る購入商談に関する処理フローチャートの一例である。
【
図6】本発明の実施形態に係る売却商談に関する処理フローチャートの一例である。
【
図7】本発明の実施形態に係る契約及び申請承諾に関する処理フローチャートの一例である。
【
図8】本発明の実施形態に係る賃貸・客付け商談に関する処理フローチャートの一例である。
【
図9】本発明の実施形態に係る両手取引商談に関する処理フローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に関する進捗管理システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0024】
例えば、本実施形態では進捗管理システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができ、これにより進捗管理装置、進捗管理システムを構成することができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0025】
本発明は、不動産取引を代理する代理人の商談や契約の進捗管理を行うシステムに関する。本発明における、代理人とは、不動産契約を代理する資格を持つ個人事業主である。本実施形態において代理人は、個人で発見した顧客、又は代理人をサポートする管理者によって紹介された顧客等、と不動産契約の商談を取り付けると、本発明アプリを用いて管理者と連携することによって、該顧客との商談及び契約を進める。なお、本実施形態において代理人は、個人事業主であるが、不動産会社等の企業の営業担当者等であってもよい。またなお、本実施形態において不動産は物件であるが、土地であってもよい。
【0026】
本実施形態において商談とは、代理人と顧客の関係からなる案件のことであり、代理人は顧客情報を商談毎に管理する。また本実施形態において契約とは、現実の法的な契約、及びその成約目指す単位のことであり、代理人を介して契約書を作成することで、不動産管理会社と買主(顧客)が交わすことができる。そして、代理人は、契約が完了したことを契機に売上申請することで、報酬(仲介手数料)を取得する。
【0027】
<システム構成>
図1は、一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、進捗管理システム0は、進捗管理装置1、代理人端末2、及び管理者端末3を備える。
【0028】
本実施形態において、進捗管理装置1、代理人端末2、及び管理者端末3は、通信ネットワークNWを介して通信可能に構成されている。通信ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0029】
本実施形態において進捗管理装置1は、代理人端末2から不動産契約を希望する顧客との商談や契約を作成する指示を受け付ける。そして、作成した商談や契約の進捗状況の管理を行う。なお、本実施形態では、進捗管理装置1は、ひとつのコンピュータを用いて構成されるが、複数のコンピュータを用いて構成することも可能である。
【0030】
本実施形態において代理人端末2は、商談や契約を作成する為の画面(商談契約作成画面)を表示する。そして、進捗管理装置1が管理する商談や契約の進捗状況を画面に表示する。また本実施形態において管理者端末3は、代理人端末2から送信される申請に対する承認を行う為の画面を表示する。代理人端末2及び管理者端末3としては、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等の一般的なコンピュータを利用することができる。
【0031】
なお本実施形態では、進捗管理装置1が本発明における進捗管理プログラムをインストールすることによって、進捗管理装置1が以下の処理を実行するが、代理人端末2及び/又は管理者端末3が進捗管理プログラムをインストールすることによって、進捗管理装置1の行う処理の一部を代理人端末2及び/又は管理者端末3が実行しても良い。
【0032】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態におけるハードウェア構成である。
図2(a)は、サーバ100(進捗管理装置1)のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ100は、ハードウェア構成として、処理部101と、記憶部102と、通信部103と、を備える。
【0033】
処理部101は、CPU(Cental Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含み、本発明に係る進捗管理プログラム、OSやブラウザソフト、その他のアプリケーションを実行することで、サーバ100の動作処理全体を制御する。
【0034】
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等であって、本発明に係る進捗管理プログラムを処理部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。処理部101が、記憶部102に記憶されている進捗管理プログラム等に基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0035】
通信部103は、通信ネットワークNWとの通信制御を実行して、サーバ100を動作させる為に必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0036】
図2(b)は、端末9(代理人端末2、管理者端末3の端末)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末9も同様に、ハードウェア構成として、処理部91と、記憶部92と、通信部93と、入力部94と、出力部95と、を備える。
【0037】
端末9の処理部91は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末9の動作処理全体を制御する。端末9の記憶部92は、HDD、ROM、RAM等であって、進捗管理装置1を操作する為のアプリケーション等を記憶する。端末9の通信部93は、通信ネットワークNWとの通信を制御する。端末9の入力部94は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を処理部91に入力する。端末9の出力部95は、ディスプレイ等であって、処理部91の処理の結果等を表示する。なお、以下不明にならない範囲で、これら端末9のハードウェア構成は省略する。
【0038】
<システム機能構成>
図3は、本実施形態の進捗管理装置1の機能構成を示す図である。本実施形態の進捗管理装置1は、有線又は通信ネットワーク等の無線を介して通信可能に、装置内部又は外部においてデータベース10を備える。また進捗管理装置1は、商談作成手段11、更新手段12、契約作成手段13、通知手段14、及び表示手段15を更に備える。
【0039】
<データ構成図>
本実施形態においてデータベース10は、不動産の商談や契約に関する情報を格納する。なお、これらの全部は、記憶部102等に記憶されてもよいし、これらの一部又は全部が、別の記憶部に記憶されてもよい。
【0040】
図4は、データべース10に格納される情報の一例を示す図である。
図4(a)は、作成された商談に関する商談情報の一例を示す図である。商談情報は、商談情報を一意に特定する商談IDにより特定され、代理人を一意に特定する代理人ID、不動産契約を希望する顧客を一意に特定する顧客ID、商談の種別を示す商談種別情報、商談の進捗状況を示す商談状態情報、及び不動産を一意に特定する物件IDを含む。
【0041】
図4(b)は、購入商談と売却商談の両手取引商談に関する両手取引商談情報の一例を示す図である。両手取引商談情報は、両手取引商談情報を一意に特定する両手取引商談ID(図示例では、商談ID(両手))により特定され、購入商談及び売却商談の商談IDを含む。
【0042】
図4(c)は、不動産の契約に関する契約情報の一例を示す図である。契約情報は、契約情報を一意に特定する契約IDにより特定され、契約の種別を示す契約種別情報、契約の進捗状況を示す契約状態情報、及び商談IDを含む。本実施形態においてデータベース10は、両手取引商談情報と契約情報を一対一で格納する。即ち、両手取引商談の場合には、2つの商談情報に1の契約情報が紐づけられて格納される。
【0043】
なお本実施形態においてデータベース10は、ひとつの商談情報に複数の契約情報を紐づけて格納するが、ひとつの商談情報にひとつの契約情報を紐づけて格納してもよい。
【0044】
図4(d)は、商談に関して代理人が申請した申請に関する商談申請情報の一例を示す図である。商談申請情報は、商談申請情報を一意に特定する商談申請IDにより特定され、代理人から申請される商談申請の種別を示す商談申請種別情報、申請された商談申請の状態を示す商談申請状態、及び商談IDを含む。
【0045】
図4(e)は、契約に関して代理人が申請した契約申請に関する契約申請情報の一例を示す図である。契約申請情報は、契約申請情報を一意に特定する契約申請IDにより特定され、代理人から申請される契約申請の種別を示す契約申請種別情報、申請された契約申請の状態を示す契約申請状態、及び契約IDを含む。
【0046】
図4(f)は、不動産である物件に関する物件情報の一例を示す図である。物件情報は、物件IDにより特定され、物件名、及び物件住所を含む。
【0047】
またデータべース10は、商談種別毎に異なる商談状態情報を含む一連商談状態情報を格納する(不図示)。本実施形態においてデータベース10は、商談種別情報と紐づけて一連商談状態情報を格納する。具体的には例えば、作成された商談の商談種別が「購入商談」の場合には、一連商談状態情報は、案内済み、買付中、契約準備中、契約完了、クローズ等を商談状態情報として含む。また、商談種別が「売却商談」の場合には、一連商談状態情報は、査定済み、媒介契約、買付中、契約準備中、契約完了、クローズ等を商談状態情報として含む。
【0048】
またデータべース10は、商談種別毎に申請可能な申請種別を特定可能に格納する(不図示)。本実施形態においてデータベース10は、商談種別情報と紐づけて申請種別情報(商談申請種別情報)を格納する。具体的には例えば、作成された商談の商談種別が「購入商談」の場合には、申請種別情報は、買付報告、売買契約書審査依頼(購入)、売買契約完了報告、決済報告兼売上申請等を申請種別として含む。また、商談種別が「売却商談」の場合には、申請種別情報は、売却媒介契約審査依頼(売却)、売却媒介契約完了報告、売買契約書審査依頼、売買契約完了報告、決済報告兼売上申請等を申請種別として含む。なお、本実施形態においてデータベース10は、商談種別に紐づかない申請種別を格納してもよい。
【0049】
またデータべース10は、商談種別に加えて、又は代えて商談状態情報毎に申請可能な申請種別を特定可能に格納する(不図示)。本実施形態においてデータベース10は、商談種別及び商談状態情報と紐づけて申請種別情報を格納する。具体的には例えば、商談種別が「購入商談」であって、商談状態情報が「案内済み」の場合には、申請種別情報は、買付報告(購入)、買付報告(両手)、コンサルティング契約書審査依頼等を申請種別として含む。また、商談種別が「売却商談」であって、商談状態情報が「買付中」の場合には、申請種別情報は、売買契約書審査依頼(売却)を申請種別として含む。
【0050】
またより好ましい形態では、データベース10は、代理人の属性と申請種別を紐づけて格納してもよい。即ち、代理人がもつ資格、能力、歴数に応じて申請可能な申請種別が紐づいていてもよい。またより好ましい形態では、データベース10は、代理人IDと、申請種別を紐づけて格納してもよい。即ち、代理人毎に申請可能な申請種別が紐づいていてもよい。
【0051】
またデータベース10は、代理人毎に申請を通知する管理者を特定可能に格納する(不図示)。本実施形態においてデータベース10は、代理人IDと紐づけて管理者の属性を格納する。ここで、管理者の属性は、代理人をサポートする担当者、及び担当者が配属する部署の一方又は両方を含む。本実施形態において管理者の属性は、担当者、及び担当者が配属する部署を含む。即ち、申請が通知される管理者は、代理人毎に部署毎に決まった担当者である。
【0052】
またデータベース10は、代理人毎に加えて、又は代えて申請毎に通知する管理者を特定可能に格納する(不図示)。本実施形態においてデータベース10は、代理人ID及び申請種別情報と紐づけて管理者の属性を格納する。
【0053】
また更にデータベース10は、受け付けた申請に対して管理者が承認を行う為に必要な情報を特定可能に格納する(不図示)。本実施形態においてデータベース10は、管理者の属性、申請種別情報、及び承認を行う為の複数の要件を紐づけて格納する。具体的には例えば、申請種別が契約書審査依頼である場合には、管理者の属性は、法務部及び経理部等であって、複数の要件は、部署毎にそれぞれ契約書の法的審査、成約金の審査等である。なお複数の要件は、部署毎にひとつずつ設定されてもよく、部署毎に複数設定されてもよい。
【0054】
商談作成手段11は、不動産契約の為の商談に関する商談情報を作成し、データベース10に格納する。本実施形態において、商談作成手段11は、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成する。具体的に商談作成手段11は、商談作成指示として、顧客に関する顧客情報を受け付けて、商談情報を作成する。また具体的に商談作成手段11は、商談作成指示として、商談種別情報を受け付けて、商談情報を作成する。
【0055】
更新手段12は、作成された商談の商談状態情報を次の商談状態情報に更新する。本実施形態において更新手段12は、代理人端末2から、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する為の申請に係る入力を受け付け、代理人の商談をサポートする管理者の管理者端末3から、申請への承認を受け付けることによって、商談状態情報を更新する。具体的に更新手段12は、商談種別情報に紐づく一連商談状態情報に基づいて、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する。
【0056】
また更新手段12は、申請に係る入力として、所定のファイルのアップロードを受け付け、商談状態情報を更新する。本実施形態において更新手段12は、申請に係る入力として、商談状態情報毎に決められた所定のファイルのアップロードを受け付けて、承認に係る入力を受け付けることによって、商談状態情報を更新する。ここで、本実施形態において承認に係る入力とは、承認を行う為の複数の要件を満たすことを示す入力であって、全ての要件を満たした場合に受け付ける入力である。
【0057】
また更に更新手段12は、契約申請を受け付けて、作成された契約の契約状態情報を更新する。本実施形態において更新手段12は、代理人端末2から、契約申請として、契約状態情報を更新する申請に係る入力を受け付け、管理者端末3から、該申請への承認に係る入力を受け付けることによって、契約状態情報を次の契約状態情報に更新し、更に商談状態情報を更新する。
【0058】
契約作成手段13は、受け付けた申請に応じて契約を作成する。本実施形態において契約作成手段13は、代理人端末2から、申請(契約申請)に係る入力として、契約を作成する契約作成指示を受け付け、管理者端末3から、承認に係る入力を受け付けると、契約に関する情報であって、顧客情報が紐づく契約情報を作成する。
【0059】
また契約作成手段13は、受け付けた申請に応じて契約を作成する。本実施形態において契約作成手段13は、契約作成指示を受け付けると、該契約申請の申請種別に基づいて、契約情報を作成する。またこの他本実施形態において契約作成手段13は、契約作成指示を受け付けると、商談種別情報に紐づく契約申請の申請種別に基づいて、契約情報を作成する。即ち、商談種別毎に申請可能な契約申請が決まっており、申請された契約申請に応じて契約情報が作成される。
【0060】
また本実施形態において契約作成手段13は、売却商談及び購入商談の両手取引商談に関する契約を作成する。具体的に契約作成手段13は、商談作成手段11によって作成された売却商談及び購入商談に関する商談情報の一方に関して、契約申請として、他方の商談に関する商談情報の入力を受け付けて、承認に係る入力を受け付けると、該売却商談情報及び購入商談情報が紐づく、契約情報を作成する。
【0061】
通知手段14は、代理人からの申請を管理者に通知する。本実施形態において通知手段14は、申請の入力を受け付けると、該申請の申請種別に紐づく管理者の属性に基づいて、管理者に対して、申請を通知する。具体的に通知手段14は、管理者の属性が特定可能に管理者に対して、申請を通知する。また、通知手段14は、申請種別に対応する属性を有する管理者に対して、申請を通知してもよい。
【0062】
表示手段15は、代理人端末2において、申請に係る入力を入力可能に表示処理する。本実施形態において表示手段15は、商談種別情報に紐づく申請種別情報に基づいて、申請に係る入力を入力可能に表示処理する。また、表示手段15は、商談状態情報に紐づく申請種別情報に基づいて、申請に係る入力を入力可能に表示処理する。即ち、表示手段15は、商談状態情報毎に紐づく申請種別の申請が入力可能に画面を表示処理し、代理人端末2に表示させる。
【0063】
なお、本実施形態において表示手段15は、表示処理結果を含む種々の画面を代理人端末2又は管理者端末3に送信することで、代理人端末2又は管理者端末3に種々の画面を表示させる。一方、表示手段15は、表示処理結果と、種々の画面を表示する指示と、を代理人端末2又は管理者端末3に送信することで、代理人端末2又は管理者端末3に種々の画面を表示させてもよい。
【0064】
<処理フローチャート>
次いで、
図5~
図9を参照して、商談の進捗管理を行う進捗管理方法について説明する。以下のフローチャートでは代理人は、本発明のアプリにアクセスすることで商談及び契約を作成し、作成した商談及び契約の商談状態や契約状態を画面で確認しながら商談及び契約を進める。
【0065】
<購入商談に関する処理フロー>
図5は、代理人が購入商談を行う為の処理フローチャートである。本実施形態における購入商談の一連の商談状態情報は、商談作成後から順に提案中、面談済み、案内済み、買付中、契約準備中、契約完了、クローズ等である。
【0066】
まずステップS101(以下、「ステップSXXX」を「SXXX」と省略する)において、代理人端末2は、ログインアカウントとパスワードを表示手段15に送信する。そして表示手段15は、ログインアカウントとパスワードがデータベース10に格納されている場合には、商談契約作成画面を表示処理し、表示処理結果を代理人端末2に表示させる(S102)。
【0067】
次いで、S103において、商談作成手段11は、代理人端末2から、商談作成指示として、不動産契約を希望する顧客の顧客情報、及び商談種別のうち「購入商談」の入力を受け付ける。そして、商談作成手段11は、購入商談に関する商談情報を作成し、データベース10に格納する(S104)。
【0068】
ここで本実施形態において代理人は、不動産の買付前にコンサルティングが必要であると判断した場合には、コンサルティング案件の契約を作成する指示を管理者に送信することができる。ここで、コンサルティング案件とは、顧客からの不動産に関する相談に対して、改善策や解決策を判断材料として提示することである。また、判断材料を提示された顧客が、改善策や解決策を実行する際に、進捗管理を受託して行うことである。
【0069】
S105において、契約作成手段13は、契約作成指示として「コンサルティング契約書審査依頼」の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態情報が「買付中」より前の商談状態情報である場合に、契約作成指示として「コンサルティング契約書審査依頼」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。そして、進捗管理装置1は、該契約作成指示の入力を受け付けることによって、コンサルティング契約の契約情報を作成し完了するまでの処理を実行する(S106)。
【0070】
図6(a)は、契約情報を作成し完了するまでの処理に関するフローチャートである。まず進捗管理装置1は、代理人端末2から、契約作成指示として「コンサルティング契約書審査依頼」の入力を受け付けると、該申請を承諾する為の申請承諾に関する処理を実行する(SA1)。そして、申請承諾処理が完了すると、更新手段12は、作成された契約情報の契約状態情報を「契約準備中」とし、該契約情報をデータベース10に格納する(SA2)。そして、SA3において表示手段15は、契約状態情報が「契約準備中」に更新された商談契約作成画面を表示処理し、代理人端末2に表示させる。また、進捗管理装置1は、代理人端末2から、契約申請のうち「契約完了報告」の入力を受け付け(SA4)、申請承諾に関する処理を実行する(SA5)。
【0071】
次いで申請承諾に関する処理について
図7(b)を用いて説明する。まず通知手段14は、申請に係る入力を受け付けると、該申請の申請種別に基づいて、申請を承諾する為の複数の要件(図示例ではTo-do)を作成する(SB1)。そして、SB2において通知手段14は、該申請種別、及び該申請種別に紐づく管理者の属性に基づいて、管理者に対して、複数の要件を通知する。更新手段12は、SB2において通知されたそれぞれのTo-doを満たす入力として、完了に係る入力を管理者端末3を介して受け付ける。そして、全てのTo-doに対して完了に係る入力を受け付けたことを契機に(SB3)、更新手段12は、承認に係る入力を受け付ける(SB4)。
【0072】
契約に関する処理が完了すると、S107において更新手段12は、商談状態情報を「案内済み」に変更して、S104において作成された商談情報をデータベース10に格納する。そして、表示手段15は、商談状態情報が「案内済み」に変更された商談契約作成画面を表示処理し、代理人端末2に表示させる(S108)。
【0073】
次いで、S109において通知手段14は、代理人端末2から申請に係る入力として、申請種別のうち「買付報告」の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態情報が「買付中」よりも前の商談状態情報である場合に、契約申請として「買付報告」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。
【0074】
そして、S110において申請承諾処理(SB1~SB4)が実行されると、更新手段12は、商談状態情報を「買付中」に更新して、S104において作成された商談情報をデータベース10に格納する(S111)。そして、表示手段15は、商談状態情報が「買付中」に変更された商談契約作成画面を表示処理し、代理人端末2に表示させる(S112)。
【0075】
次いで、S113において、契約作成手段13は、契約作成指示として「購入契約書審査依頼」の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態情報が「買付中」の商談状態情報である場合に、契約作成指示として「購入契約書審査依頼」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。
【0076】
そして、進捗管理装置1が、S114において購入契約の契約情報を作成し完了するまでの処理(SA1~SA5)を実行する。なお本実施形態において、契約状態情報及び商談状態情報は対応付けられている。具体的に更新手段12は、購入契約に関する契約情報の契約状態情報を更新する場合には、契約状態情報を次の契約状態情報に更新する(例えば、「契約書準備」から「契約完了」)とともに、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する。そして、更新手段12が契約状態情報を「クローズ」に更新することを契機に、契約及び商談が終了する。
【0077】
以上、S101~S114の処理によって、代理人は購入商談を管理し進めることができる。なお、本実施形態において購入商談では、コンサルティング契約を作成するが、代理人の判断で、コンサルティング契約を作成しなくてもよい。
【0078】
<売却商談に関する処理フロー>
図7は、代理人が売却商談を行う為の処理フローチャートである。本実施形態における売却商談の一連の商談状態情報は、商談作成後から順に提案中、査定済み、媒介契約済み、買付中、契約準備中、契約完了、クローズ等である。
【0079】
S201~S202は、S101~S102と同様であるため省略する。次いで、S203において、商談作成手段11は、代理人端末2から、商談作成指示として、顧客情報、及び商談種別のうち「売却商談」の入力を受け付ける。そして、商談作成手段11は、売却商談に関する商談情報を作成し、データベース10に格納する(S204)。
【0080】
ここで売却商談の場合、本実施形態において代理人は、不動産の買付前に不動産を売却する為に媒介契約を顧客と結ぶ必要がある。そして、代理人は売却媒介の契約を作成する指示を管理者に送信する。
【0081】
S205において、契約作成手段13は、契約作成指示として「売却媒介契約書審査依頼」の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態情報が「買付中」より前の商談状態情報である場合に、契約作成指示として「売却媒介契約書審査依頼」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。そして、進捗管理装置1は、該契約作成指示の入力を受け付けることによって、売却媒介契約の契約情報を作成し完了するまでの処理(SA1~SA5)を実行する(S206)。
【0082】
契約に関する処理が完了すると、S207において更新手段12は、商談状態情報を「媒介契約済み」に変更して、S104において作成された商談情報をデータベース10に格納する。そして、表示手段15は、商談状態情報が「案内済み」に変更された商談契約作成画面を表示処理し、代理人端末2に表示させる(S108)。
【0083】
次いで、S209において通知手段14は、代理人端末2から申請に係る入力として、申請種別のうち「買付報告」の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態情報が「媒介契約済み」の商談状態情報である場合に、契約申請として「買付報告」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。
【0084】
S210~S212は、S110~S112と同様であるため省略する。次いで、S113において、契約作成手段13は、契約作成指示として「売買契約書審査依頼」の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態情報が「買付中」である場合に、契約作成指示として「売買契約書審査依頼」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。
【0085】
そして、進捗管理装置1が、S214において売買契約の契約情報を作成し完了するまでの処理(SA1~SA5)を実行する。そして、更新手段12が契約状態情報を「クローズ」に更新することを契機に、契約及び商談が終了する。
【0086】
以上、S201~S214の処理によって、代理人は売却商談を管理し進めることができる。なお、本実施形態において売却商談では、コンサルティング契約を作成しないが、代理人の判断で、コンサルティング契約を作成してもよい。
【0087】
<賃貸・客付け商談に関する処理フロー>
図8は、代理人が賃貸・客付け商談を行う為の処理フローチャートである。本実施形態における売却商談の一連の商談状態情報は、商談作成後から順に提案中、面談済み、案内済み、申込中、契約準備中、契約完了、クローズ等である。
【0088】
S301~S302は、S101~S102と同様であるため省略する。次いで、S303において、商談作成手段11は、代理人端末2から、商談作成指示として、顧客情報、及び商談種別のうち「賃貸・客付け商談」の入力を受け付ける。そして、商談作成手段11は、賃貸・客付け商談に関する商談情報を作成する(S304)。ここで、賃貸・客付け契約とは、部屋を探している顧客と、入居者を募集している物件をマッチングさせる為の契約である。
【0089】
そして、S305において、契約作成手段13は、契約作成指示として「賃貸契約書審査依頼」の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態情報が「申込中」より前の商談状態情報である場合に、契約作成指示として「賃貸契約書審査依頼」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。そして、進捗管理装置1は、該契約作成指示の入力を受け付けることによって、賃貸・客付け契約の契約情報を作成し完了するまでの処理(SA1~SA5)を実行する(S306)。
【0090】
そして、S306において賃貸・客付け契約の契約情報を作成し完了するまでの処理(SA1~SA5)を実行する。そして、更新手段12が契約状態情報を「クローズ」に更新することを契機に、契約及び商談が終了する。
【0091】
以上、S301~S306の処理によって、代理人は賃貸・客付け商談を管理し進めることができる。
【0092】
<両手取引契約の処理フローについて>
図9は、代理人が両手取引商談を行う為の処理フローチャートである。本実施形態において両手取引商談は、作成された売却商談及び購入商談のどちらか一方の商談において、両手取引を作成する為の申請を行うことによって作成される。
【0093】
S401において通知手段14は、代理人端末2から申請に係る入力として、申請種別のうち「買付報告(両手)」の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態情報が「買付中」よりも前の商談状態情報である場合に、契約申請として「買付報告(両手)」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。
【0094】
そして、S402において申請承諾処理(SB1~SB4)が実行されると、更新手段12は、商談状態情報を「買付中」に更新して、商談作成手段11は、作成した購入商談及び売却商談が紐づいた両手取引商談情報をデータベース10に格納する(S403)。そして、表示手段15は、商談状態情報が「買付中」に変更された商談契約作成画面を表示処理し、代理人端末2に表示させる(S404)。
【0095】
次いでS405、契約作成手段13は、契約作成指示として「売買契約書審査依頼(両手)」の入力を受け付ける。そして、S406において両手取引契約の契約情報を作成し完了するまでの処理(SA1~SA5)を実行する。なお、本実施形態における両手取引商談では、契約作成手段13は、S402において作成された両手取引商談情報に紐づけて契約情報を作成する。また更新手段12は、契約情報の契約状態情報を更新する場合には、購入商談及び売却商談に対して、申請承諾処理が実行され、両方の商談に対する申請が承諾されることによって、契約状態情報を次の契約状態情報に更新する。そして更に更新手段12は、該契約情報に紐づく購入商談及び売却商談の商談状態情報を次の商談状態情報に更新する。そして、更新手段12が契約状態情報を「クローズ」に更新することを契機に、契約及び商談が終了する。
【0096】
以上、S401~S406の処理によって、代理人は両手取引商談を管理し進めることができる。なお、本実施形態における商談作成手段11は、両手取引商談においては、「買付報告(両手)」の入力を受け付けることによって、両手取引商談情報を作成する、一方、「契約書審査依頼(両手)」の入力を受け付けることによって、両手取引商談情報を作成してもよい。
【0097】
以上のように、代理人は管理者と連携しながら、自身が作成した顧客との商談を管理し進めることができる為、事務的作業等の煩わしさを軽減することができる。これにより、自身は効率的に顧客との商談を行うことができる。
【符号の説明】
【0098】
1 :進捗管理装置
2 :代理人端末
3 :管理者端末
NW :通信ネットワーク
100 :サーバ
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
9 :端末
91 :処理部
92 :記憶部
93 :通信部
94 :入力部
95 :出力部
10 :データベース
11 :商談作成手段
12 :更新手段
13 :契約作成手段
14 :通知手段
15 :表示手段
【手続補正書】
【提出日】2023-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産取引の代理人が商談の進捗管理をすることができる進捗管理システムであって、
前記進捗管理システムは、商談作成手段、更新手段、及び記憶部を備え、
前記商談作成手段は、前記代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成し、
前記商談情報は、商談の状態を示す商談状態情報を含み、
前記記憶部は、商談における一連の状態を示す一連商談状態情報を格納し、
前記更新手段は、前記商談作成指示を送信した代理人端末から、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する為の申請として、前記商談状態情報毎に決められた所定のファイルのアップロードを受け付け、
前記代理人の商談を管理する管理者の管理者端末から、前記申請への承認を受け付けることによって、前記一連商談状態情報に基づいて、前記商談状態情報を更新する、進捗管理システム。
【請求項2】
前記進捗管理システムは、表示手段を更に備え、
前記表示手段は、前記一連商談状態情報と共に、前記商談状態情報を表示処理し、前記代理人端末に送信する、請求項1に記載の進捗管理システム。
【請求項3】
前記進捗管理システムは、通知手段を更に備え、
前記記憶部は、前記申請の種別を示す申請種別情報と、前記管理者の属性を紐づけて格納し、
前記通知手段は、前記申請の受け付けると、該申請の申請種別情報に紐づく管理者の属性に基づいて、前記管理者に対して、前記申請を通知する、請求項1又は請求項2に記載の進捗管理システム。
【請求項4】
前記記憶部は、前記申請の種別を示す申請種別情報と、前記承認の為の複数の要件を紐づけて格納し、
前記更新手段は、複数の前記要件を満たされた場合に、前記商談状態情報を更新する、請求項1又は請求項2に記載の進捗管理システム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記商談の種別を示す商談種別情報、及び前記一連商談状態情報を紐づけて格納し、
前記商談作成手段は、前記商談作成指示として、前記商談種別情報の入力を受け付けて、前記商談情報を作成し、
前記更新手段は、該商談種別情報と紐づく前記一連商談状態情報に基づいて、前記商談状態情報を更新する、請求項1又は請求項2に記載の進捗管理システム。
【請求項6】
前記進捗管理システムは、表示手段を更に備え、
前記記憶部は、前記商談の種別を示す商談種別情報、及び前記申請の種別を示す申請種別情報を紐づけて格納し、
前記商談作成手段は、前記商談作成指示として、前記商談種別情報の入力を受け付けて、前記商談情報を作成し、
前記表示手段は、前記代理人端末において、該商談種別情報に紐づく前記申請種別情報に基づいて、前記申請に係る入力を入力可能に表示処理する、請求項1又は請求項2に記載の進捗管理システム。
【請求項7】
前記進捗管理システムは、表示手段を更に備え、
前記記憶部は、前記商談状態情報毎に前記申請の種別を示す申請種別情報を格納し、
前記表示手段は、前記代理人端末において、前記商談状態情報に紐づく前記申請種別情報に基づいて、前記申請に係る入力を入力可能に表示処理する、請求項1又は請求項2に記載の進捗管理システム。
【請求項8】
前記進捗管理システムは、契約作成手段を更に備え、
前記商談作成手段は、前記商談作成指示として、前記顧客に関する顧客情報の入力を受け付け、
前記契約作成手段は、前記申請に係る入力として、前記代理人端末から、前記代理人と前記顧客との契約を作成する契約作成指示を受け付け、
前記管理者端末から、前記承認に係る入力を受け付けると、前記顧客情報が紐づく契約に関する契約情報を作成する、請求項1又は請求項2に記載の進捗管理システム。
【請求項9】
前記記憶部は、申請の種別を示す申請種別情報と、契約の種別を示す契約種別情報を紐づけて格納し、
前記契約作成手段は、前記申請に係る入力として、前記契約作成指示を受け付けると、該申請の申請種別に基づいて、前記契約情報を作成する、請求項8に記載の進捗管理システム。
【請求項10】
前記契約情報は契約の状態を示す契約状態情報を含み、
前記更新手段は、契約状態情報を更新する申請に係る入力を受け付け、
前記管理者端末から、該申請への承認に係る入力を受け付けることによって、前記契約状態情報を更新し、更に前記商談状態情報を更新する、請求項8に記載の進捗管理システム。
【請求項11】
前記商談作成手段は、商談の種別として売却商談を受け付けて、売却商談に関する商談情報を作成し、
更に商談の種別として購入商談を受け付けて、購入商談に関する商談情報を作成し、
前記契約作成手段は、前記売却商談及び前記購入商談の一方に関して、前記契約作成指示として、他方の商談に関する商談情報の入力を受け付けると、
該売却商談及び該購入商談が紐づく、前記契約情報を作成する、請求項8に記載の進捗管理システム。
【請求項12】
不動産取引の代理人が商談の進捗管理をすることができる進捗管理プログラムであって、
前記進捗管理プログラムは、コンピュータを、商談作成手段、更新手段、及び記憶部として機能させ、
前記商談作成手段は、前記代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成し、
前記商談情報は、商談の状態を示す商談状態情報を含み、
前記記憶部は、商談における一連の状態を示す一連商談状態情報を格納し、
前記更新手段は、前記商談作成指示を送信した代理人端末から、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する為の申請として、前記商談状態情報毎に決められた所定のファイルのアップロードを受け付け、
前記代理人の商談を管理する管理者の管理者端末から、前記申請への承認を受け付けることによって、前記一連商談状態情報に基づいて、前記商談状態情報を更新する、進捗管理プログラム。
【請求項13】
不動産取引の代理人が商談の進捗管理をすることができるコンピュータを用いた進捗管理方法であって、
前記コンピュータが、
前記代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた情報であって、商談の状態を示す商談状態情報を含む商談情報を作成するステップと、
商談における一連の状態を示す一連商談状態情報を格納するステップと、
前記商談作成指示を送信した代理人端末から、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する為の申請として、前記商談状態情報毎に決められた所定のファイルのアップロードを受け付けるステップと、
前記代理人の商談を管理する管理者の管理者端末から、前記申請への承認を受け付けることによって、前記一連商談状態情報に基づいて、前記商談状態情報を更新するステップと、を実行する、進捗管理方法。