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特開2024-40067請求管理システム、請求管理プログラム及び請求管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040067
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】請求管理システム、請求管理プログラム及び請求管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20240101AFI20240315BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144912
(22)【出願日】2022-09-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年9月27日 業務委託エージェント勉強会(初回)オンライン
(71)【出願人】
【識別番号】519181087
【氏名又は名称】株式会社TERASS
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】江口 亮介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC27
(57)【要約】
【課題】
不動産に関する商談の請求管理を容易にすることができる新規な技術を提供すること。
【解決手段】
不動産商談の請求管理をすることができる請求管理システムであって、前記請求管理システムは、商談作成手段、及び請求管理手段を備え、前記商談作成手段は、前記代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成し、前記請求管理手段は、代理人及び商談を紐づけた不動産契約の報酬情報を作成し、前記報酬情報に基づいて、前記代理人の請求情報を作成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産商談の請求管理をすることができる請求管理システムであって、
前記請求管理システムは、商談作成手段、及び請求管理手段を備え、
前記商談作成手段は、代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成し、
前記請求管理手段は、代理人及び商談を紐づけた不動産契約の報酬情報を作成し、
前記報酬情報に基づいて、前記代理人の請求情報を作成する、請求管理システム。
【請求項2】
前記請求管理システムは、代理人が代理人をサポートする管理者に依頼可能な代行作業に関する情報であって、代行作業の費用を含む代行作業情報を格納し、
前記請求管理手段は、前記代理人端末から代行作業の申請を受け付けて、代理人の支払いに関する代理人費用情報を登録し、
前記代理人費用情報に基づいて、前記代理人の請求情報を作成する、請求項1に記載の請求管理システム。
【請求項3】
前記請求管理システムは、契約作成手段を更に備え、
前記契約作成手段は、前記代理人端末から、商談に対して契約を作成する契約作成申請、及び契約金額を受け付けて、
前記請求管理手段は、前記契約金額に基づいて、前記報酬情報を格納する、請求項1又は請求項2に記載の請求管理システム。
【請求項4】
前記商談作成手段は、前記商談作成指示として、前記顧客と商談を取り付けるまでの手段を示す商談取付情報の入力を受け付けると、前記商談情報を作成し、
前記請求管理手段は、前記契約金額、及び前記商談取付情報の手段に基づいて、前記報酬情報を格納する、請求項3に記載の請求管理システム。
【請求項5】
前記請求管理手段は、ある期間中における、前記代理人が取り付けた商談の契約金額、若しくは前記報酬情報又は前記請求情報の示す金額が、閾値以上である場合と、閾値未満である場合とで異なる算出方法によって前記報酬情報を作成する、請求項1又は請求項2に記載の請求管理システム。
【請求項6】
不動産商談の請求管理をすることができる請求管理プログラムであって、
前記請求管理プログラムは、コンピュータを商談作成手段、及び請求管理手段として機能させ、
前記商談作成手段は、代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成し、
前記請求管理手段は、代理人及び商談を紐づけた不動産契約の報酬情報を作成し、
前記報酬情報に基づいて、前記代理人の請求情報を作成する、請求管理プログラム。
【請求項7】
不動産商談の請求管理をすることができるコンピュータを用いた請求管理方法であって、
前記コンピュータが、
代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成するステップと、
代理人及び商談を紐づけた不動産契約の報酬情報を作成し、
前記報酬情報に基づいて、前記代理人の請求情報を作成するステップと、を実行する、請求管理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求管理システム、請求管理プログラム及び請求管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、不動産の契約を行う為には、物件を契約する顧客毎に不動産会社等の営業担当者が介入する。一方、営業者においては、契約を仲介する顧客の数が多くなるほど顧客毎の金銭の授受が複数回にわたって生じることとなり、金銭の管理が煩雑となっていた。このような問題を解決するシステムの一例が、例えば、特許文献1に提案されている。
【0003】
特許文献1には、物件の管理業務で生じる、立替金、売上、又は費用など、金銭の授受を管理する、物件管理業務支援システムが記載されています。この物件管理業務支援装置等は、金銭の授受を管理するための制御部を備え、制御部は、管理業務の形態を識別するための情報と、管理業務で生じた金銭の授受を、管理するための管理項目の情報とを関連付け、金銭の収支のデータを作成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-174938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、企業の営業担当者ではなく、個人事業主(代理人)が不動産の契約を仲介する場合が多くなってきている。しかし特許文献1では、不動産会社の営業担当者に対して物件毎の管理業務で生じる金銭授受の管理を行うことができるが、代理人に対して商談で発生する金銭授受の管理を行うことができないという問題があった。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、不動産に関する商談の請求管理を容易にすることができる新規な技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、不動産商談の請求管理をすることができる請求管理システムであって、前記請求管理システムは、商談作成手段、及び請求管理手段を備え、前記商談作成手段は、代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成し、前記請求管理手段は、代理人及び商談を紐づけた不動産契約の報酬情報を作成し、前記報酬情報に基づいて、前記代理人の請求情報を作成する。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、不動産商談の請求管理をすることができる請求管理プログラムであって、前記請求管理プログラムは、コンピュータを商談作成手段、及び請求管理手段として機能させ、前記商談作成手段は、代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成し、前記請求管理手段は、代理人及び商談を紐づけた不動産契約の報酬情報を作成し、前記報酬情報に基づいて、前記代理人の請求情報を作成する。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、不動産商談の請求管理をすることができるコンピュータを用いた請求管理方法であって、前記コンピュータが、代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成するステップと、代理人及び商談を紐づけた不動産契約の報酬情報を作成し、前記報酬情報に基づいて、前記代理人の請求情報を作成するステップと、を実行する。
このような構成とすることで、代理人及び商談毎に発生する不動産契約に対する報酬を管理し、代理人の請求情報を作成することができる。
【0010】
より好ましい形態では、前記請求管理システムは、代理人が代理人をサポートする管理者に依頼可能な代行作業に関する情報であって、代行作業の費用を含む代行作業情報を格納し、前記請求管理手段は、前記代理人端末から代行作業の申請を受け付けて、代理人の支払いに関する代理人費用情報を登録し、前記代理人費用情報に基づいて、前記代理人の請求情報を作成する。
このような構成とすることで、代理人に代わって管理者に作業をさせることができ、代行作業の費用を代理人に請求することができる。これにより、代理人は自身の商談に専念することができ、且つ代行作業を依頼することで発生する費用を代理人の請求情報として管理することができる。
【0011】
より好ましい形態では、前記請求管理システムは、契約作成手段を更に備え、前記契約作成手段は、前記代理人端末から、商談に対して契約を作成する契約作成申請、及び契約金額を受け付けて、前記請求管理手段は、前記契約金額に基づいて、前記報酬情報を格納する。
このような構成とすることで、代理人から契約作成の申請を受け付けると同時に、契約金額を受け付けることで、報酬を作成することができる。
【0012】
より好ましい形態では、前記商談作成手段は、前記商談作成指示として、前記顧客と商談を取り付けるまでの手段を示す商談取付情報の入力を受け付けると、前記商談情報を作成し、前記請求管理手段は、前記報酬情報の示す金額、及び前記商談取付情報の手段に基づいて、前記請求情報を作成する。
このような構成とすることで、報酬金額及び、顧客を取り付けるまでの手段に応じて、代理人の請求情報を作成することができる。
【0013】
より好ましい形態では、前記請求管理手段は、ある期間中における、前記代理人が取り付けた商談の契約金額、若しくは前記報酬情報又は前記請求情報の示す金額が、閾値以上である場合と、閾値未満である場合とで異なる算出方法によって前記報酬情報を作成する。
このような構成とすることで、代理人に対して発生する金額が、閾値を超えているか否かに応じて、報酬を決定することができる。これにより、代理人のモチベーションを上げることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、不動産に関する商談の請求管理を容易にすることができる新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る発明のシステム構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係るハードウェア構成図である。
図3】本発明の実施形態に係る機能ブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係るデータベースの一例を示すである。
図5】本発明の実施形態に係るデータベースの一例を示すである。
図6】本発明の実施形態に係る購入商談に関する処理フローチャートの一例である。
図7】本発明の実施形態に係る契約に関する処理フローチャートの一例である。
図8】本発明の実施形態に係る契約及び申請承諾に関する処理フローチャートの一例である。
図9】本発明の実施形態に係る売却商談に関する処理フローチャートの一例である。
図10】本発明の実施形態に係る売却媒介契約に関する処理フローチャートの一例である。
図11】本発明の実施形態に係る賃貸・客付け商談に関する処理フローチャートの一例である。
図12】本発明の実施形態に係る両手取引商談に関する処理フローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に関する請求管理システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0017】
例えば、本実施形態では請求管理システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができ、これにより請求管理装置、請求管理システムを構成することができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0018】
本発明は、不動産取引を代理する代理人の商談に関する請求管理を行うシステムに関する。本発明における、代理人とは、不動産契約を代理する資格を持つ個人事業主である。本実施形態において代理人は、個人で発見した顧客、又は代理人をサポートする管理者によって紹介された顧客等、と不動産契約の商談を取り付けると、本発明アプリを用いて管理者と連携することによって、該顧客との商談及び契約を進める。なお、本実施形態において代理人は、個人事業主であるが、不動産会社等の企業の営業担当者等であってもよい。またなお、本実施形態において不動産は物件であるが、土地であってもよい。
【0019】
本実施形態において商談とは、代理人と顧客の関係からなる案件のことであり、代理人は顧客情報を商談毎に管理する。また本実施形態において契約は、現実の法的な契約、及びその成約を目指す単位のことであり、代理人を介して契約書を作成することで、不動産管理会社と買主(顧客)が交わすことができる。また代理人は、商談中において管理者に対して代行作業を依頼することができ、契約から売上申請をすることで自身に支払われる報酬を計上することができる。そして本実施形態では、商談中に発生する代行作業費用、及び不動産契約に対する報酬は管理者によって管理され、締め日に報酬及び費用が合算されることによって管理者から代理人への請求が行われる。ここで代行作業とは、代理人が行う作業を管理者が代わりに行うことを要求することであって、例えば重説押印代行、調査、謄本調査等を含む。
【0020】
<システム構成>
図1は、一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、請求管理システム0は、請求管理装置1、代理人端末2、及び管理者端末3を備える。
【0021】
本実施形態において、請求管理装置1、代理人端末2、及び管理者端末3は、通信ネットワークNWを介して通信可能に構成されている。通信ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0022】
本実施形態において請求管理装置1は、代理人端末2から不動産契約を希望する顧客との商談や契約を作成する指示を受け付ける。そして、作成した商談の請求管理を行う。なお、本実施形態では、請求管理装置1は、ひとつのコンピュータを用いて構成されるが、複数のコンピュータを用いて構成することも可能である。
【0023】
本実施形態において代理人端末2は、商談や契約を作成する為の画面(商談契約作成画面)を表示する。そして、請求管理装置1が管理する商談や契約の進捗状況を画面に表示する。また本実施形態において管理者端末3は、代理人端末2から送信される申請に対する承認を行う為の画面を表示する。代理人端末2及び管理者端末3としては、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等の一般的なコンピュータを利用することができる。
【0024】
なお本実施形態では、請求管理装置1が本発明における請求管理プログラムをインストールすることによって、請求管理装置1が以下の処理を実行するが、代理人端末2及び/又は管理者端末3が請求管理プログラムをインストールすることによって、請求管理装置1の行う処理の一部を代理人端末2及び/又は管理者端末3が実行しても良い。
【0025】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態におけるハードウェア構成である。図2(a)は、サーバ100(請求管理装置1)のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ100は、ハードウェア構成として、処理部101と、記憶部102と、通信部103と、を備える。
【0026】
処理部101は、CPU(Cental Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含み、本発明に係る請求管理プログラム、OSやブラウザソフト、その他のアプリケーションを実行することで、サーバ100の動作処理全体を制御する。
【0027】
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等であって、本発明に係る請求管理プログラムを処理部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。処理部101が、記憶部102に記憶されている請求管理プログラム等に基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0028】
通信部103は、通信ネットワークNWとの通信制御を実行して、サーバ100を動作させる為に必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0029】
図2(b)は、端末9(代理人端末2、管理者端末3の端末)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末9も同様に、ハードウェア構成として、処理部91と、記憶部92と、通信部93と、入力部94と、出力部95と、を備える。
【0030】
端末9の処理部91は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末9の動作処理全体を制御する。端末9の記憶部92は、HDD、ROM、RAM等であって、請求管理装置1を操作する為のアプリケーション等を記憶する。端末9の通信部93は、通信ネットワークNWとの通信を制御する。端末9の入力部94は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を処理部91に入力する。端末9の出力部95は、ディスプレイ等であって、処理部91の処理の結果等を表示する。なお、以下不明にならない範囲で、これら端末9のハードウェア構成は省略する。
【0031】
<システム機能構成>
図3は、本実施形態の請求管理装置1の機能構成を示す図である。本実施形態の請求管理装置1は、有線又は通信ネットワーク等の無線を介して通信可能に、装置内部又は外部においてデータベース10を備える。また請求管理装置1は、商談作成手段11、更新手段12、契約作成手段13、請求管理手段14、通知手段15、及び表示手段16を更に備える。
【0032】
<データ構成図>
本実施形態においてデータベース10は、不動産の商談や契約に関する情報を格納する。なお、これらの全部は、記憶部102等に記憶されてもよいし、これらの一部又は全部が、別の記憶部に記憶されてもよい。
【0033】
図4は、データベース10に格納される情報の一例を示す図である。図4(a)は、作成された商談に関する商談情報の一例を示す図である。商談情報は、商談情報を一意に特定する商談IDにより特定され、代理人を一意に特定する代理人ID、不動産契約を希望する顧客を一意に特定する顧客ID、商談の種別を示す商談種別情報、商談の進捗状況を示す商談状態情報、及び不動産を一意に特定する物件IDを含む。
【0034】
図4(b)は、購入商談と売却商談の両手取引商談に関する両手取引商談情報の一例を示す図である。両手取引商談情報は、両手取引商談情報を一意に特定する両手取引商談ID(図示例では、商談ID(両手))により特定され、購入商談及び売却商談の商談IDを含む。
【0035】
図4(c)は、不動産の契約に関する契約情報の一例を示す図である。契約情報は、契約情報を一意に特定する契約IDにより特定され、契約の種別を示す契約種別情報、契約の進捗状況を示す契約状態情報、及び商談IDを含む。本実施形態においてデータベース10は、両手取引商談情報と契約情報を一対一で格納する。即ち、両手取引商談の場合には、2つの商談情報に1の契約情報が紐づけられて格納される。
【0036】
なお本実施形態においてデータベース10は、ひとつの商談情報に複数の契約情報を紐づけて格納するが、ひとつの商談情報にひとつの契約情報を紐づけて格納してもよい。
【0037】
図4(d)は、商談に関して代理人が申請した申請に関する商談申請情報の一例を示す図である。商談申請情報は、商談申請情報を一意に特定する商談申請IDにより特定され、代理人から申請される商談申請の種別を示す商談申請種別情報、申請された商談申請の状態を示す商談申請状態、及び商談IDを含む。
【0038】
図4(e)は、契約に関して代理人が申請した契約申請に関する契約申請情報の一例を示す図である。契約申請情報は、契約申請情報を一意に特定する契約申請IDにより特定され、代理人から申請される契約申請の種別を示す契約申請種別情報、申請された契約申請の状態を示す契約申請状態、及び契約IDを含む。
【0039】
図4(f)は、不動産である物件に関する物件情報の一例を示す図である。物件情報は、物件IDにより特定され、物件名、及び物件住所を含む。
【0040】
またデータベース10は、商談種別毎に異なる商談状態情報を含む一連商談状態情報を格納する(不図示)。本実施形態においてデータベース10は、商談種別情報と紐づけて一連商談状態情報を格納する。具体的には例えば、作成された商談の商談種別が「購入商談」の場合には、一連商談状態情報は、案内済み、買付中、契約準備中、契約完了、クローズ等を商談状態情報として含む。また、商談種別が「売却商談」の場合には、一連商談状態情報は、査定済み、媒介契約、買付中、契約準備中、契約完了、クローズ等を商談状態情報として含む。
【0041】
またデータベース10は、商談種別毎に申請可能な申請種別を特定可能に格納する(不図示)。本実施形態においてデータベース10は、商談種別情報と紐づけて申請種別情報(商談申請種別情報)を格納する。具体的には例えば、作成された商談の商談種別が「購入商談」の場合には、申請種別情報は、買付報告、売買契約書審査依頼(購入)、売買契約完了報告、決済報告兼売上申請等を申請種別として含む。また、商談種別が「売却商談」の場合には、申請種別情報は、売却媒介契約審査依頼(売却)、売却媒介契約完了報告、売買契約書審査依頼、売買契約完了報告、決済報告兼売上申請等を申請種別として含む。なお、本実施形態においてデータベース10は、商談種別に紐づかない申請種別を格納してもよい。
【0042】
またデータベース10は、商談種別に加えて、又は代えて商談状態情報毎に申請可能な申請種別を特定可能に格納する(不図示)。本実施形態においてデータベース10は、商談種別及び商談状態情報と紐づけて申請種別情報を格納する。具体的には例えば、商談種別が「購入商談」であって、商談状態情報が「案内済み」の場合には、申請種別情報は、買付報告(購入)、買付報告(両手)、コンサルティング契約書審査依頼等を申請種別として含む。また、商談種別が「売却商談」であって、商談状態情報が「買付中」の場合には、申請種別情報は、売買契約書審査依頼(売却)を申請種別として含む。
【0043】
またより好ましい形態では、データベース10は、代理人の属性と申請種別を紐づけて格納してもよい。即ち、代理人がもつ資格、能力、歴数に応じて申請可能な申請種別が紐づいていてもよい。またより好ましい形態では、データベース10は、代理人IDと、申請種別を紐づけて格納してもよい。即ち、代理人毎に申請可能な申請種別が紐づいていてもよい。
【0044】
またデータベース10は、代理人毎に申請を通知する管理者を特定可能に格納する(不図示)。本実施形態においてデータベース10は、代理人IDと紐づけて管理者の属性を格納する。ここで、管理者の属性は、代理人をサポートする担当者、及び担当者が配属する部署の一方又は両方を含む。本実施形態において管理者の属性は、担当者、及び担当者が配属する部署を含む。即ち、申請が通知される管理者は、代理人毎に部署毎に決まった担当者である。
【0045】
またデータベース10は、代理人毎に加えて、又は代えて申請毎に通知する管理者を特定可能に格納する(不図示)。本実施形態においてデータベース10は、代理人ID及び申請種別情報と紐づけて管理者の属性を格納する。
【0046】
また更にデータベース10は、受け付けた申請に対して管理者が承認を行う為に必要な情報を特定可能に格納する(不図示)。本実施形態においてデータベース10は、管理者の属性、申請種別情報、及び承認を行う為の複数の要件を紐づけて格納する。具体的には例えば、申請種別が契約書審査依頼である場合には、管理者の属性は、法務部及び経理部等であって、複数の要件は、部署毎にそれぞれ契約書の法的審査、成約金の審査等である。なお複数の要件は、部署毎にひとつずつ設定されてもよく、部署毎に複数設定されてもよい。
【0047】
図5は、データベース10に格納される報酬に関する情報の一例を示す図である。図5(a)及び(b)は代理人に対して支払われる不動産契約の報酬に関する報酬情報の一例を示す図である。
【0048】
図5(a)は、報酬情報のうち、複数の報酬に関する報酬セット情報の一例を示す図である。報酬セット情報は、報酬セット情報を一意に特定する報酬セットIDにより特定され、複数の報酬の総額である報酬総額、商談ID、代理人に対して請求される請求を一意に特定する請求IDを含む。即ち、報酬セット情報は、商談毎に作成され、商談中に発生した報酬を格納する情報である。
【0049】
なお、本実施形態では、報酬セット情報が商談毎に作成されるが、商談に紐づかず、代理人個人に紐づく報酬セットがデータベース10に格納されてもよい。ここで、商談に紐づかない報酬とは、代理人が新たな代理人を本システムに紹介した場合に支払われる紹介料等である。
【0050】
なお、本実施形態においてデータベース10は、報酬セットIDと商談IDを一対一で対応付けて格納するが、報酬セットIDと商談IDを一対多で対応付けて格納してもよい。また本実施形態においてデータベース10は、報酬セットIDと請求IDを多対一で格納するが、報酬セットと請求IDを一対一で格納してもよい。
【0051】
図5(b)は、報酬情報のうち、個別報酬に関する個別報酬情報の一例を示す図である。個別報酬情報は、報酬を一意に特定する報酬IDによって特定され、報酬金額、報酬セットIDを含む。またデータベース10は、請求情報のステータスを更に格納してもよい。ステータスとしては、例えば「請求待ち」、「請求精算済み」、「支払い済み」等が含まれる。
【0052】
図5(c)は、代理人に対して請求される費用に関する代理人費用情報の一例を示す図である。代理人費用情報は、代理人費用情報を一意に特定する代理人費用IDにより特定され、依頼の費用に関する費用情報を一意に特定する費用ID、請求IDを含む。
【0053】
図5(d)は、事前に登録される代行作業に関する代行作業情報の一例を示す図である。代行作業情報は、代行作業情報を一意に特定する代行作業IDにより特定され、代行作業の種類を示す作業カテゴリ、代行作業費用を含む。
【0054】
図5(e)は、代理人に関する代理人情報の一例を示す図である。代理人情報は、代理人を一意に特定する代理人IDにより特定され、代理人名、請求IDを含む。
【0055】
なお、本実施形態において代行作業の費用は、代行作業毎に決められており、管理者が代理人から代行作業の依頼を受け付けると、管理者端末3を介して、該代行作業に対応する費用を代理人費用情報として格納する。一方、代行作業情報には費用の等級毎に費用パターンが紐づけられており、費用パターンに応じて代理人費用を決定し、代理人費用情報として格納してもよい。
【0056】
商談作成手段11は、不動産契約の為の商談に関する商談情報を作成し、データベース10に格納する。本実施形態において、商談作成手段11は、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、代理人と商談を紐づけた商談情報を作成する。具体的に商談作成手段11は、商談作成指示として、顧客に関する顧客情報を受け付けて、商談情報を作成する。また具体的に商談作成手段11は、商談作成指示として、顧客情報に加えて、又は代えて商談種別情報を受け付けて、商談情報を作成する。
【0057】
また本実施形態において商談作成手段11は、商談作成指示として、顧客との商談を取り付けるまでの手段を示す商談取付情報の入力を更に受け付けて、商談情報を作成する。ここで顧客との商談を取り付けるまでの手段としては、顧客を獲得するまでの経路であって、例えば「自己発見」、「紹介」、「本部広告」等が含まれる。
【0058】
更新手段12は、作成された商談の商談状態情報を次の商談状態情報に更新する。本実施形態において更新手段12は、代理人端末2から、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する為の申請に係る入力を受け付け、代理人の商談をサポートする管理者の管理者端末3から、申請への承認を受け付けることによって、商談状態情報を更新する。具体的に更新手段12は、商談種別情報に紐づく一連商談状態情報に基づいて、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する。
【0059】
また更新手段12は、申請に係る入力として、所定のファイルのアップロードを受け付け、商談状態情報を更新する。本実施形態において更新手段12は、申請に係る入力として、商談状態情報毎に決められた所定のファイルのアップロードを受け付けて、承認に係る入力を受け付けることによって、商談状態情報を更新する。ここで、本実施形態において承認に係る入力とは、承認を行う為の複数の要件を満たすことを示す入力であって、全ての要件を満たした場合に受け付ける入力である。
【0060】
また更に更新手段12は、契約申請を受け付けて、作成された契約の契約状態情報を更新する。本実施形態において更新手段12は、代理人端末2から、契約申請として、契約状態情報を更新する申請に係る入力を受け付け、管理者端末3から、該申請への承認に係る入力を受け付けることによって、契約状態情報を次の契約状態情報に更新し、更に商談状態情報を更新する。
【0061】
契約作成手段13は、契約申請を受け付けて契約を作成する。本実施形態において契約作成手段13は、代理人端末2から、契約申請として、契約を作成する申請(契約作成申請)、及び契約金額を受け付けて、契約に関する契約情報を作成する。具体的に契約作成手段13は、契約作成申請及び契約金額を受け付け、管理者端末3から、承認に係る入力を受け付けると、顧客の個人情報である顧客情報、契約する不動産に関する情報、及び契約金額が紐づく契約情報を作成する。
【0062】
また契約作成手段13は、受け付けた申請に応じて契約を作成する。本実施形態において契約作成手段13は、契約作成申請を受け付けると、該契約作成申請の申請種別に基づいて、契約情報を作成する。またこの他本実施形態において契約作成手段13は、契約作成申請を受け付けると、商談種別情報に紐づく契約作成申請の申請種別に基づいて、契約情報を作成する。即ち、商談種別毎に申請可能な契約作成申請が決まっており、申請された契約作成申請に応じて契約情報が作成される。
【0063】
また本実施形態において契約作成手段13は、売却商談及び購入商談の両手取引商談に関する契約を作成する。具体的に契約作成手段13は、商談作成手段11によって作成された売却商談及び購入商談に関する商談情報の一方に関して、契約作成申請として、他方の商談に関する商談情報の入力を受け付けて、承認に係る入力を受け付けると、該売却商談情報及び購入商談情報が紐づく、契約情報を作成する。
【0064】
請求管理手段14は、代理人及び商談を紐づけた不動産契約の報酬情報を作成し、報酬情報に基づいて、代理人の請求情報を作成する。本実施形態において請求管理手段14は、代理人情報及び商談情報に紐づいた報酬セット情報を作成し、該報酬セット情報に紐づく個別報酬に基づいて、代理人の請求情報を作成する。
【0065】
具体的に請求管理手段14は、商談情報が作成されると、商談を作成した代理人の代理人情報及び該商談情報が紐づいた報酬セット情報を作成して格納する。そして、請求管理手段14は、契約情報に紐づく契約金額を受け付けると、該契約金額の所定の割合(例えば50%)の金額を報酬(仲介手数料)として決定し、該仲介手数料を個別報酬として報酬セット情報に紐づける。そして請求管理手段14は、報酬セットに紐づく複数の個別報酬を含む請求情報を作成する。
【0066】
また請求管理手段14は、代理人から代行作業の依頼(申請)を受け付けて、代理人費用情報を登録し、代理人費用情報に基づいて、代理人の請求情報を作成する。本実施形態において請求管理手段14は、商談中において代理人端末2から代行作業の申請を受け付けて、代理人、及び申請された代行作業が紐づいた代理人費用情報を登録する。そして請求管理手段14は、代理人費用情報の代行作業費用を含む請求情報を作成する。
【0067】
また請求管理手段14は、不動産契約の契約金額、及び商談取付情報の手段に基づいて、報酬情報をデータベース10に格納する。本実施形態において請求管理手段14は、仲介手数料の金額に対して、商談取付情報の手段に応じた割合を乗算した金額を個別報酬の金額として、該個別報酬が紐づく報酬セット情報を格納する。具体的には、例えば請求管理手段14は、商談取付情報の手段が「自己発見」の場合には、仲介手数料の75%を個別報酬として報酬セット情報に紐付け、商談取付情報の手段が「紹介」の場合には、仲介手数料の50%を個別報酬として報酬セット情報に紐づける。
【0068】
また更に請求管理手段14は、ある期間中における、代理人が取り付けた商談の契約金額、若しくは報酬情報又は請求情報の示す金額が、閾値以上である場合と、閾値未満である場合とで異なる算出方法によって報酬情報を作成する。本実施形態において請求管理手段14は、代理人が取り付けた商談の報酬情報の示す金額が、閾値以上である場合に、報酬金額に重みづけをして、報酬情報を作成する。例えば、閾値1500万円を報酬金額が超えた場合には、報酬金額が5%アップした金額が、代理人に支払われる。
【0069】
通知手段15は、代理人からの申請を管理者に通知する。本実施形態において通知手段15は、申請の入力を受け付けると、該申請の申請種別に紐づく管理者の属性に基づいて、管理者に対して、申請を通知する。具体的に通知手段15は、管理者の属性が特定可能に管理者に対して、申請を通知する。また、通知手段15は、申請種別に対応する属性を有する管理者に対して、申請を通知してもよい。
【0070】
表示手段16は、代理人端末2において、申請に係る入力を入力可能に表示処理する。本実施形態において表示手段16は、商談種別情報に紐づく申請種別情報に基づいて、申請に係る入力を入力可能に表示処理する。また、表示手段16は、商談状態情報に紐づく申請種別情報に基づいて、申請に係る入力を入力可能に表示処理する。即ち、表示手段16は、商談状態情報毎に紐づく申請種別の申請が入力可能に画面を表示処理し、代理人端末2に表示させる。
【0071】
なお、本実施形態において表示手段16は、表示処理結果を含む種々の画面を代理人端末2又は管理者端末3に送信することで、代理人端末2又は管理者端末3に種々の画面を表示させる。一方、表示手段16は、表示処理結果と、種々の画面を表示する指示と、を代理人端末2又は管理者端末3に送信することで、代理人端末2又は管理者端末3に種々の画面を表示させてもよい。
【0072】
<処理フローチャート>
次いで、図5図9を参照して、商談の請求管理を行う請求管理方法について説明する。以下のフローチャートでは代理人は、本発明のアプリにアクセスすることで商談及び契約を作成し、作成した商談及び契約の商談状態や契約状態を画面で確認しながら商談及び契約を進める。
【0073】
なお、以下の図では、代行作業の申請について説明しないが、代理人は、管理者に対して、商談中において適宜代行作業の申請を行うことができる。この場合管理者は、受け付けた申請に対して、管理者端末3を介して後述の申請を承諾する処理を実行することによって代行作業を実施する。そして、請求管理装置1は、代行作業が完了したことを示す入力を管理者端末3から受け付けると、該代行作業に対応する代行作業費用を含む請求情報を作成する。
【0074】
<購入商談に関する処理フロー>
図5は、代理人が購入商談を行う為の処理フローチャートである。本実施形態における購入商談の一連の商談状態情報は、商談作成後から順に提案中、面談済み、案内済み、買付中、契約準備中、契約完了、クローズ等である。
【0075】
まずステップS101(以下、「ステップSXXX」を「SXXX」と省略する)において、代理人端末2は、ログインアカウントとパスワードを表示手段16に送信する。そして表示手段16は、ログインアカウントとパスワードがデータベース10に格納されている場合には、商談契約作成画面を表示処理し、表示処理結果を代理人端末2に表示させる(S102)。
【0076】
次いで、S103において、商談作成手段11は、代理人端末2から、商談作成指示として、不動産契約を希望する顧客の顧客情報、顧客との商談を取り付けるまでの手段を示す商談取付情報(例えば「紹介」)、及び商談種別のうち「購入商談」の入力を受け付ける。そして、商談作成手段11は、購入商談に関する商談情報を作成し、データベース10に格納し(S104)、請求管理手段14は、代理人情報、及び購入商談の商談情報に紐づいた報酬セット情報を作成する(S105)。
【0077】
ここで本実施形態において代理人は、不動産の買付前にコンサルティングが必要であると判断した場合には、コンサルティング案件の契約を作成する指示を管理者に送信することができる。ここで、コンサルティング案件とは、顧客からの不動産に関する相談に対して、改善策や解決策を判断材料として提示することである。また、判断材料を提示された顧客が、改善策や解決策を実行する際に、進捗管理を受託して行うことである。
【0078】
S106において、契約作成手段13は、契約作成申請として「コンサルティング契約書審査依頼」の入力を受け付け、更に契約金額の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態情報が「買付中」より前の商談状態情報である場合に、契約作成申請として「コンサルティング契約書審査依頼」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。そして、請求管理装置1は、該契約作成申請及び契約金額の入力を受け付けることによって、顧客情報、及び契約金額を含むコンサルティング契約の契約情報を作成し完了するまでの処理を実行する(S107)。
【0079】
図7は、契約情報を作成し完了するまでの処理に関するフローチャートである。まず請求管理装置1は、代理人端末2から、契約作成申請として「コンサルティング契約書審査依頼」の入力を受け付けると、該申請を承諾する為の申請承諾に関する処理を実行する(SA1)。そして、申請承諾処理が完了すると、更新手段12は、作成された契約情報の契約状態情報を「契約準備中」とし、該契約情報をデータベース10に格納する(SA2)。そして、SA3において表示手段16は、契約状態情報が「契約準備中」に更新された商談契約作成画面を表示処理し、代理人端末2に表示させる。
【0080】
また、請求管理装置1は、代理人端末2から、契約状態情報を更新する契約申請として「契約完了報告」の入力を受け付け(SA4)、申請承諾に関する処理を実行する(SA5)。そして申請承諾処理が終了すると、更新手段12は、契約情報の契約状態情報を「契約完了/決済準備」に更新し、該契約情報をデータベース10に格納する(SA6)。そして、SA7において表示手段16は、契約状態情報が「契約完了/決済準備」に更新された商談契約作成画面を表示処理し、代理人端末2に表示させる。
【0081】
また、請求管理装置1は、代理人端末2から、申請のうち契約状態情報を更新する為の申請として「売上申請」の入力を受け付け(SA8)、申請承諾に関する処理を実行する(SA9)。そして申請承諾処理が終了すると、請求管理手段14は、契約作成申請とともに受け付けた契約金額に基づいて仲介手数料を算出し、該仲介手数料に対して商談取付情報に対応する割合(例えば「紹介」の場合50%)を乗算することによって個別報酬金額を決定する。そして請求管理手段14は、該個別報酬金額を報酬セット情報に紐づけて格納する(SA10)。
【0082】
次いで申請承諾に関する処理について図8を用いて説明する。まず通知手段15は、申請に係る入力を受け付けると、該申請の申請種別に基づいて、申請を承諾する為の複数の要件(図示例ではTo-do)を作成する(SB1)。そして、SB2において通知手段15は、該申請種別、及び該申請種別に紐づく管理者の属性に基づいて、管理者に対して、複数の要件を通知する。更新手段12は、SB2において通知されたそれぞれのTo-doを満たす入力として、完了に係る入力を管理者端末3を介して受け付ける。そして、全てのTo-doに対して完了に係る入力を受け付けたことを契機に(SB3)、更新手段12は、承認に係る入力を受け付ける(SB4)。
【0083】
契約に関する処理が完了すると、S108において更新手段12は、商談状態情報を「案内済み」に変更して、S104において作成された商談情報をデータベース10に格納する。そして、表示手段16は、商談状態情報が「案内済み」に変更された商談契約作成画面を表示処理し、代理人端末2に表示させる(S109)。
【0084】
次いで、S110において通知手段15は、代理人端末2から申請に係る入力として、申請種別のうち「買付報告」の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態が「買付中」よりも前の商談状態情報である場合に、契約申請として「買付報告」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。
【0085】
そして、S111において申請承諾処理(SB1~SB4)が実行されると、更新手段12は、商談状態情報を「買付中」に更新して、S104において作成された商談情報をデータベース10に格納する(S112)。そして、表示手段16は、商談状態情報が「買付中」に変更された商談契約作成画面を表示処理し、代理人端末2に表示させる(S113)。
【0086】
次いで、S114において、契約作成手段13は、契約作成申請として「購入契約書審査依頼」の入力を受け付け、更に契約金額の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態情報が「買付中」の商談状態情報である場合に、契約作成申請として「購入契約書審査依頼」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。
【0087】
そして、請求管理装置1が、S115において顧客情報、及び契約金額を含む購入契約の契約情報を作成し完了するまでの処理(SA1~SA10)を実行する。なお、本実施形態において契約状態情報及び商談状態情報は対応付けられている。具体的には、更新手段12は、購入契約に関する契約情報の契約状態情報を更新する場合には、契約状態情報を次の契約状態情報に更新する(例えば、「契約書準備」から「契約完了」)とともに、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する。そして、更新手段12が契約状態情報を「クローズ」に更新することを契機に、契約及び商談が終了する。そして、S116において請求管理手段14は、報酬セット情報に紐づく個別報酬の合計金額を含む請求情報を作成する。そして、請求管理手段14は、作成した請求情報に基づいて代理人に対して金銭授受を行う。
【0088】
以上、S101~S116の処理によって、代理人は購入商談を進めながら請求管理をすることができる。なお、本実施形態において購入商談では、コンサルティング契約を作成するが、代理人の判断で、コンサルティング契約を作成しなくてもよい。またなお、商談中に代行作業の申請があった場合には、請求管理手段14は、個別報酬と、申請された代行作業に対応する代行作業費用と、の合算を含む請求情報を作成する。
【0089】
<売却商談に関する処理フロー>
図9は、代理人が売却商談を行う為の処理フローチャートである。本実施形態における売却商談の一連の商談状態情報は、商談作成後から順に提案中、査定済み、媒介契約済み、買付中、契約準備中、契約完了、クローズ等である。
【0090】
S201~S202は、S101~S102と同様であるため省略する。次いで、S203において、商談作成手段11は、代理人端末2から、商談作成指示として、顧客情報、商談取付情報、及び商談種別のうち「売却商談」の入力を受け付ける。そして、商談作成手段11は、売却商談に関する商談情報を作成し、データベース10に格納し(S204)、請求管理手段14は、代理人情報、及び売却商談の商談情報に紐づいた報酬セット情報を作成する(S205)。
【0091】
ここで売却商談の場合、本実施形態において代理人は、不動産の買付前に不動産を売却する為に媒介契約を顧客と結ぶ必要がある。そして、代理人は売却媒介の契約を作成する指示を管理者に送信する。
【0092】
S206において、契約作成手段13は、契約作成申請として「売却媒介契約書審査依頼」の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態情報が「買付中」より前の商談状態情報である場合に、契約作成申請として「売却媒介契約書審査依頼」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。そして、請求管理装置1は、該契約作成申請の入力を受け付けることによって、代理人情報、及び顧客情報を含む売却媒介契約の契約情報を作成し完了するまでの処理(SC1~SC5)を実行する(S207)。なお、売却媒介契約の契約情報に関する処理(SC1~SC5)については、SA1~SA5と同じ処理であるため省略する(図10)。
【0093】
契約に関する処理が完了すると、S208において更新手段12は、商談状態情報を「媒介契約済み」に変更して、S204において作成された商談情報をデータベース10に格納する。そして、表示手段16は、商談状態情報が「案内済み」に変更された商談契約作成画面を表示処理し、代理人端末2に表示させる(S209)。
【0094】
次いで、S210において通知手段15は、代理人端末2から申請に係る入力として、申請種別のうち「買付報告」の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態情報が「媒介契約済み」である場合に、契約申請として「買付報告」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。
【0095】
S211~S213は、S111~S113と同様であるため省略する。次いで、S214において、契約作成手段13は、契約作成申請として「売買契約書審査依頼」の入力を受け付け、更に契約金額の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態情報が「買付中」の商談状態情報である場合に、契約作成申請として「売買契約書審査依頼」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。
【0096】
そして、請求管理装置1が、S215において顧客情報、及び契約金額を含む売買契約の契約情報を作成し完了するまでの処理(SA1~SA10)を実行する。そして、更新手段12が契約状態情報を「クローズ」に更新することを契機に、契約及び商談が終了する。そして、S216において請求管理手段14は、報酬セット情報に紐づく個別報酬の合計金額を含む請求情報を作成する。そして、請求管理手段14は、作成した請求情報に基づいて代理人に対して金銭授受を行う。
【0097】
以上、S201~S216の処理によって、代理人は売却商談を進めながら請求管理をすることができる。なお、本実施形態において売却商談では、コンサルティング契約を作成しないが、代理人の判断で、コンサルティング契約を作成してもよい。
【0098】
<賃貸・客付け商談に関する処理フロー>
図11は、代理人が賃貸・客付け商談を行う為の処理フローチャートである。本実施形態における賃貸・客付け商談の一連の商談状態情報は、商談作成後から順に提案中、面談済み、案内済み、申込中、契約準備中、契約完了、クローズ等である。
【0099】
S301~S302は、S101~S102と同様であるため省略する。次いで、S303において、商談作成手段11は、代理人端末2から、商談作成指示として、顧客情報、及び商談種別のうち「賃貸・客付け商談」の入力を受け付ける。そして、商談作成手段11は、賃貸・客付け商談に関する商談情報を作成し、データベース10に格納し(S304)、請求管理手段14は、代理人情報、及び賃貸・客付け商談の商談情報が紐づいた報酬セット情報を作成する(S305)。ここで、賃貸・客付け商談とは、部屋を探している顧客と、入居者を募集している物件をマッチングさせる為の商談である。
【0100】
そして、S306において、契約作成手段13は、契約作成申請として「賃貸契約書審査依頼」の入力を受け付け、更に契約金額の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態情報が「申込中」より前の商談状態情報である場合に、契約作成申請として「賃貸契約書審査依頼」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。
【0101】
そして、S307において顧客情報、及び契約金額を含む賃貸・客付け契約の契約情報を作成し完了するまでの処理(SA1~SA10)を実行する。そして、更新手段12が契約状態情報を「クローズ」に更新することを契機に、契約及び商談が終了する。そして、S308において請求管理手段14は、報酬セット情報に紐づく個別報酬の合計金額を含む請求情報を作成する。そして、請求管理手段14は、作成した請求情報に基づいて代理人に対して金銭授受を行う。
【0102】
以上、S301~S308の処理によって、代理人は賃貸・客付け商談を進めながら請求管理をすることができる。
【0103】
<両手取引契約の処理フローについて>
図12は、代理人が両手取引商談を行う為の処理フローチャートである。本実施形態において両手取引商談は、作成された売却商談及び購入商談のどちらか一方の商談において、両手取引を作成する為の申請を行うことによって作成される。即ち、売却商談及び購入商談それぞれに報酬セット情報が紐づいている。
【0104】
S401において通知手段15は、代理人端末2から申請に係る入力として、申請種別のうち「買付報告(両手)」の入力を受け付ける。本実施形態においては、一連商談状態情報に含まれる商談状態情報が「買付中」よりも前の商談状態情報である場合に、契約申請として「買付報告(両手)」を選択入力可能に、商談契約作成画面が表示される。
【0105】
そして、S402において申請承諾処理(SB1~SB4)が実行されると、更新手段12は、商談状態情報を「買付中」に更新して、商談作成手段11は、作成した購入商談及び売却商談が紐づいた両手取引商談情報をデータベース10に格納する(S403)。そして、表示手段16は、商談状態情報が「買付中」に変更された商談契約作成画面を表示処理し、代理人端末2に表示させる(S404)。
【0106】
次いでS405、契約作成手段13は、契約作成申請として「売買契約書審査依頼(両手)」の入力を受け付け、更に契約金額の入力を受け付ける。そして、S406において顧客情報、及び契約金額を含む両手取引契約の契約情報を作成し完了するまでの処理(SA1~SA5)を実行する。なお、本実施形態における両手取引商談では、契約作成手段13は、S402において作成された両手取引商談情報に紐づけて契約情報を作成し、S405において受け付けた契約金額を購入商談及び売却商談に紐づける。また更新手段12は、契約情報の契約状態情報を更新する場合には、購入商談及び売却商談に対して、申請承諾処理が実行され、両方の商談に対する申請が承諾されることによって、契約状態情報を次の契約状態情報に更新する。そして更に更新手段12は、該契約情報に紐づく購入商談及び売却商談の商談状態情報を次の商談状態情報に更新する。そして、更新手段12が契約状態情報を「クローズ」に更新することを契機に、契約及び商談が終了する。そして、S407において請求管理手段14は、購入商談及び売却商談それぞれの報酬セット情報に紐づく個別報酬の合計金額を含む請求情報を作成する。そして、請求管理手段14は、作成した請求情報に基づいて代理人に対して金銭授受を行う。
【0107】
以上、S401~S406の処理によって、代理人は両手取引商談を管理し進めることができる。なお、本実施形態における商談作成手段11は、両手取引商談においては、「買付報告(両手)」の入力を受け付けることによって、両手取引商談情報を作成する、一方、「契約書審査依頼(両手)」の入力を受け付けることによって、両手取引商談情報を作成してもよい。
【0108】
以上のように、代理人は管理者と連携しながら、自身が作成した顧客との商談を進めながら請求管理をすることができる為、事務的作業等の煩わしさを軽減することができる。これにより、自身は効率的に顧客との商談を行うことができる。
【符号の説明】
【0109】
1 :請求管理装置
2 :代理人端末
3 :管理者端末
NW :通信ネットワーク
100 :サーバ
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
9 :端末
91 :処理部
92 :記憶部
93 :通信部
94 :入力部
95 :出力部
10 :データベース
11 :商談作成手段
12 :更新手段
13 :契約作成手段
14 :請求管理手段
15 :通知手段
16 :表示手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産商談の請求管理をすることができる請求管理システムであって、
前記請求管理システムは、商談作成手段、契約作成手段、及び請求管理手段を備え、
前記商談作成手段は、代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成し、
前記契約作成手段は、前記代理人端末から、商談に対して契約を作成する契約作成申請、及び契約金額を受け付けて、
前記代理人の前記商談を管理する管理者の管理者端末から、前記契約作成申請の承諾に係る入力を受け付けることで、前記商談情報及び前記契約金額が紐づく契約情報を作成し、
前記請求管理手段は、前記契約金額に基づいて、前記商談情報を紐づけた前記契約の報酬情報を作成し、
前記報酬情報に基づいて、前記代理人の請求情報を作成する、請求管理システム。
【請求項2】
前記請求管理システムは、更新手段を更に備え、
前記商談情報は、前記商談の状態を示す商談状態情報を含み、
前記更新手段は、前記代理人端末から、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する為の申請に係る入力を受け付け、
前記商談状態情報が契約完了を示す商談状態である場合に、該申請として売上申請に係る入力を受け付け、
前記請求管理手段は、前記管理者端末から、該売上申請の承諾に係る入力を受け付けることで、前記報酬情報を作成する、請求項1に記載の請求管理システム。
【請求項3】
前記請求管理システムは、前記代理人の前記商談において前記代理人が前記管理者に依頼可能な代行作業に関する情報であって、代行作業の費用を含む代行作業情報を格納し、
前記請求管理手段は、前記代理人端末から代行作業の申請を受け付けて、前記代理人の支払いに関する代理人費用情報を登録し、
前記代理人費用情報に基づいて、前記代理人の請求情報を作成する、請求項1に記載の請求管理システム。
【請求項4】
前記商談作成手段は、前記商談作成指示として、前記顧客と商談を取り付けるまでの手段を示す商談取付情報の入力を受け付けると、前記商談情報を作成し、
前記請求管理手段は、前記契約金額、及び前記商談取付情報の手段に基づいて、前記報酬情報を格納する、請求項に記載の請求管理システム。
【請求項5】
前記請求管理手段は、ある期間中における、前記代理人が取り付けた商談の前記契約金額、若しくは前記報酬情報又は前記請求情報の示す金額が、閾値以上である場合と、閾値未満である場合とで異なる算出方法によって前記報酬情報を作成する、請求項1又は請求項2に記載の請求管理システム。
【請求項6】
不動産商談の請求管理をすることができる請求管理プログラムであって、
前記請求管理プログラムは、コンピュータを商談作成手段、契約作成手段、及び請求管理手段として機能させ、
前記商談作成手段は、代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成し、
前記契約作成手段は、前記代理人端末から、商談に対して契約を作成する契約作成申請、及び契約金額を受け付けて、
前記代理人の前記商談を管理する管理者の管理者端末から、前記契約作成申請の承諾に係る入力を受け付けることで、前記商談情報及び前記契約金額が紐づく契約情報を作成し、
前記請求管理手段は、前記契約金額に基づいて、前記商談情報を紐づけた前記契約の報酬情報を作成し、
前記報酬情報に基づいて、前記代理人の請求情報を作成する、請求管理プログラム。
【請求項7】
不動産商談の請求管理をすることができるコンピュータを用いた請求管理方法であって、
前記コンピュータが、
代理人の代理人端末から、不動産契約を希望する顧客との商談作成指示を受け付けて、前記代理人及び商談を紐づけた商談情報を作成するステップと、
前記代理人端末から、商談に対して契約を作成する契約作成申請、及び契約金額を受け付けるステップと、
前記代理人の前記商談を管理する管理者の管理者端末から、前記契約作成申請の承諾に係る入力を受け付けることで、前記商談情報及び前記契約金額が紐づく契約情報を作成するステップと、
前記契約金額に基づいて、前記商談情報を紐づけた前記契約の報酬情報を作成するステップと
前記報酬情報に基づいて、前記代理人の請求情報を作成するステップと、を実行する、請求管理方法。