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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040068
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】通信システム及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20240315BHJP
   G16H 10/40 20180101ALI20240315BHJP
【FI】
G16H20/00
G16H10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144913
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金児 裕美
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 基樹
(72)【発明者】
【氏名】小島 圭子
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
(57)【要約】
【課題】睡眠の品質を保持可能であるトイレのタイミングをユーザに報知する。
【解決手段】通信システム1では、サーバ装置10は、少なくともユーザのバイタル情報の履歴を基に、過去のユーザの睡眠品質を計測する睡眠品質計測部と、ユーザのバイタル情報の履歴、及び/または、加速度センサのセンサ情報の履歴を基に、過去のユーザの入眠後のトイレタイムを検出するトイレタイム検出部と、過去のユーザの睡眠品質と過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係を基に、ユーザの入眠後のトイレのタイミングを示すトイレスケジュールを設定するトイレスケジュール設定部と、を有する。端末20は、サーバ装置10が設定したトイレスケジュールに従って、ユーザにトイレのタイミングを報知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって装着されたウェアラブルデバイスと、前記ウェアラブルデバイスとの間で通信を行う前記ユーザの端末と、前記端末との間で通信を行うサーバ装置とを有する通信システムであって、
前記ウェアラブルデバイスは、
前記ユーザのバイタル情報を計測するセンサと、
加速度センサと、
を有し、
前記端末は、
前記サーバ装置が作成した前記ユーザの入眠後のトイレスケジュールを記憶する記憶部と、
前記加速度センサのセンサ情報と前記ユーザのバイタル情報とを収集する収集部と、
前記トイレスケジュールに従って、前記ユーザにトイレのタイミングを報知する出力部と、
を有し、
前記サーバ装置は、
少なくとも前記ユーザのバイタル情報の履歴を基に、過去の前記ユーザの睡眠品質を計測する計測部と、
前記ユーザのバイタル情報の履歴、及び/または、前記加速度センサのセンサ情報の履歴を基に、過去の前記ユーザの入眠後のトイレタイムを検出する検出部と、
前記過去のユーザの睡眠品質と前記過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係を基に、前記ユーザの入眠後のトイレのタイミングを示すトイレスケジュールを設定し、設定した前記トイレスケジュールを前記端末に送信する設定部と、
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記計測部は、前記ユーザの、入眠時間、覚醒、レム、浅眠、熟睡の推移を計測し、計測結果を基に睡眠品質スコアを計測し、
前記設定部は、少なくとも前記熟睡以外の時間帯に、前記ユーザのトイレのタイミングを設定することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記過去のユーザの睡眠品質と前記過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係を、モデルに学習させる学習部
をさらに有し、
前記設定部は、前記モデルを用いて、前記ユーザの睡眠品質のスコアが目標値を満たすトイレのタイミングを推定し、推定した前記トイレのタイミングを含む前記トイレスケジュールを設定することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記モデルは、前記ユーザの睡眠品質と前記ユーザの入眠後のトイレタイムとが入力されると、当日及び/または翌日以降の前記ユーザの入眠後のトイレのタイミングを示すスケジュールを出力することを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
ユーザによって装着されたウェアラブルデバイスと、前記ウェアラブルデバイスとの間で通信を行う前記ユーザの端末と、前記端末との間で通信を行うサーバ装置とを有する通信システムが実行する通信方法であって、
前記ウェアラブルデバイスが、前記ユーザのバイタル情報を計測する工程と、
前記ウェアラブルデバイスが、加速度センサによるセンサ情報を計測する工程と、
前記端末が、前記加速度センサのセンサ情報と前記ユーザのバイタル情報とを収集する工程と、
前記サーバ装置が、少なくとも前記ユーザのバイタル情報の履歴を基に、過去の前記ユーザの睡眠品質を計測する工程と、
前記ユーザのバイタル情報の履歴、及び/または、前記加速度センサのセンサ情報の履歴を基に、過去の前記ユーザの入眠後のトイレタイムを検出する工程と、
前記過去のユーザの睡眠品質と前記過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係を基に、前記ユーザの入眠後のトイレのタイミングを示すトイレスケジュールを設定し、設定した前記トイレスケジュールを前記端末に送信する工程と、
前記端末が、前記トイレスケジュールに従って、前記ユーザにトイレのタイミングを報知する工程と、
を含んだことを特徴とする通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェアラブルセンサから取得したバイタルデータをサーバで分析し、ユーザの健康状態を管理する技術や睡眠品質を計測する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-111241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
年齢が上がるにつれて、夜間にトイレに行く回数が増え、十分な睡眠が取れず、日中の体調不良に繋がる場合がある。そこで、夜間にトイレに行った場合であっても、睡眠品質を保持したいという要望があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、睡眠の品質を保持可能であるトイレのタイミングをユーザに報知することができる通信システム及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の通信システムは、ユーザによって装着されたウェアラブルデバイスと、前記ウェアラブルデバイスとの間で通信を行う前記ユーザの端末と、前記端末との間で通信を行うサーバ装置とを有する通信システムであって、前記ウェアラブルデバイスは、前記ユーザのバイタル情報を計測するセンサと、
加速度センサと、を有し、前記端末は、前記サーバ装置が作成した前記ユーザの入眠後のトイレスケジュールを記憶する記憶部と、前記加速度センサのセンサ情報と前記ユーザのバイタル情報とを収集する収集部と、前記トイレスケジュールに従って、前記ユーザにトイレのタイミングを報知する出力部と、を有し、前記サーバ装置は、少なくとも前記ユーザのバイタル情報の履歴を基に、過去の前記ユーザの睡眠品質を計測する計測部と、前記ユーザのバイタル情報の履歴、及び/または、前記加速度センサのセンサ情報の履歴を基に、過去の前記ユーザの入眠後のトイレタイムを検出する検出部と、前記過去のユーザの睡眠品質と前記過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係を基に、前記ユーザの入眠後のトイレのタイミングを示すトイレスケジュールを設定し、設定した前記トイレスケジュールを前記端末に送信する設定部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、睡眠の品質を保持可能であるトイレのタイミングをユーザに報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示す端末の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、図1に示すサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、図3に示す学習部とトイレスケジュール設定部との処理を説明する図である。
図5図5は、実施の形態に係る通信処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図6図6は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る通信システム及び通信方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る通信システム及び通信方法が限定されるものではない。
【0010】
[実施の形態]
以下の実施の形態では、実施の形態に係る通信システム及び通信方法の処理の流れを順に説明し、最後に実施の形態による効果を説明する。
【0011】
眠りが深い時間帯にトイレのために起きると、睡眠品質が低下すると考えられる。そこで、実施の形態では、睡眠の品質を保持可能であるトイレのタイミングを示すスケジュールを設定し、ユーザにトイレのタイミングを報知することで、トイレに起きたとしても質の良い睡眠が取れるようにする。
【0012】
具体的には、実施の形態に係る通信システムは、過去のユーザの睡眠品質と過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係を基に、ユーザの入眠後のトイレのタイミングを示すトイレスケジュールを設定する。通信システムでは、過去のユーザの睡眠品質と過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係を、トイレスケジュール設定モデル(モデル)に学習させる。そして、通信システムでは、このトイレスケジュール設定モデルを用いて、ユーザの睡眠品質のスコアが目標値を満たすトイレのタイミングを設定することで、トイレに起きたとしても質の良い睡眠が取れるようにしている。
【0013】
[通信システム]
図1は、実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、通信システム1は、ユーザが使用する端末20と、ユーザが装着するウェアラブルデバイス30-1,30-2と、ユーザの入眠後のトイレのタイミングを示すトイレスケジュールを設定するサーバ装置10とを有する。また、図1に示す構成は一例にすぎず、具体的な構成や各装置の数は特に限定されない。
【0014】
ウェアラブルデバイス30-1,30-2は、各種センサを有し、端末20との間の通信によって、各種センサのセンサ情報を送信する。ウェアラブルデバイス30-1,30-2は、例えば、バイタルセンサ及び加速度センサを有し、ウェアラブルデバイス30-1,30-2を装着したユーザの、心拍数、心拍変動、血圧、心電位、体温、呼吸数等のバイタル情報や、動き、歩数等を計測する。ウェアラブルデバイス30-1,30-2は、検出したバイタル情報及び加速度センサのセンサ情報を、無線通信を用いて、端末20に送信する。例えば、ウェアラブルデバイス30-1は、腕時計型であり、ウェアラブルデバイス30-2は、リング型である。
【0015】
端末20は、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、無線通信網を介して任意のサーバ装置10と通信を行うことができる携帯端末装置である。端末20は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2が検出したユーザのバイタル情報及び加速度センサのセンサ情報を収集し、収集したバイタル情報及び加速度センサのセンサ情報を、サーバ装置10に送信する。
【0016】
サーバ装置10は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2が計測したユーザのバイタル情報を基に、ユーザの睡眠品質を計測する。サーバ装置10は、ユーザのバイタル情報とともに、ウェアラブルデバイス30-1,30-2が計測した加速度センサのセンサ情報を用いて、ユーザの睡眠品質を計測してもよい。
【0017】
サーバ装置10は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2が計測した、ユーザのバイタル情報の履歴、及び/または、加速度センサのセンサ情報の履歴を基に、過去のユーザの入眠後のトイレタイムを検出する。
【0018】
サーバ装置10は、過去のユーザの睡眠品質と過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係を基に、ユーザの入眠後のトイレのタイミングを示すトイレスケジュールを設定する。この際、サーバ装置10は、過去のユーザの睡眠品質と過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係を学習させたトイレスケジュール設定モデルを用いて、ユーザの睡眠品質のスコアが目標値を満たすトイレのタイミングを推定し、推定したトイレのタイミングを含むトイレスケジュールを設定する。
【0019】
そして、サーバ装置10は、設定したトイレスケジュールを端末20に送信する。端末20は、サーバ装置10が作成した、ユーザの入眠後のトイレスケジュールに従って、ユーザに、トイレのタイミングを、音声、振動等を用いて、報知する。
【0020】
[端末]
次に、端末20について説明する。図2は、図1に示す端末20の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、端末20は、通信部21、記憶部22、制御部23及び入出力部24を有する。
【0021】
通信部21は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した外部の装置と制御部23との通信を制御する。例えば、通信部21は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2との間で行われる通信、及び、サーバ装置10との間で行われる通信を制御する。
【0022】
通信部21は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2から、加速度センサのセンサ情報及びユーザのバイタル情報を受信する。通信部21は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2の加速度センサのセンサ情報及びユーザのバイタル情報をサーバ装置10に送信する。通信部21は、サーバ装置10から送信された、ユーザの入眠後のトイレスケジュールを受信する。
【0023】
入出力部24は、各種情報を出力し、ユーザからの入力を受信する。入出力部24は、例えば、液晶画面、タッチパネル、スピーカ、マイクロフォン、バイブレーター等を含む。入出力部24は、トイレのタイミングを報知する音声や振動等を出力する。
【0024】
記憶部22は、制御部23による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する。例えば、記憶部22は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などである。記憶部22は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2から送信された、ユーザのバイタル情報221及びセンサ情報222と、サーバ装置10から送信された、ユーザの入眠後のトイレスケジュール223を記憶する。
【0025】
制御部23は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。ここで、制御部23は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路である。制御部23は、バイタル情報収集部231、センサ情報収集部232、スケジュール登録部233及びトイレタイム報知部234を有する。
【0026】
バイタル情報収集部231は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2から、ウェアラブルデバイス30-1,30-2が検出したバイタル情報を収集する。バイタル情報収集部231は、例えば、定期的に、ウェアラブルデバイス30-1,30-2に情報送信を要求して、バイタル情報を収集する。
【0027】
センサ情報収集部232は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2から、ウェアラブルデバイス30-1,30-2が検出した加速度センサのセンサ情報を収集する。センサ情報収集部232は、例えば、定期的に、ウェアラブルデバイス30-1,30-2に情報送信を要求して、加速度センサのセンサ情報を収集する。また、センサ情報収集部232は、所定値以上の加速度が検出された場合にウェアラブルデバイス30-1,30-2から送信されたセンサ情報を受信することで、加速度センサの情報を収集してもよい。
【0028】
スケジュール登録部233は、サーバ装置10から、ユーザの入眠後のトイレスケジュールを受信すると、記憶部22にトイレスケジュール223を登録する。
【0029】
トイレタイム報知部234は、トイレスケジュール223に従って、ユーザにトイレのタイミングを報知する。
【0030】
トイレタイム報知部234は、例えば、トイレスケジュール223に示されたトイレのタイミング時刻に、入出力部24に、トイレのタイミングであることを報知する音声や振動等を出力させる。
【0031】
また、トイレタイム報知部234は、例えば、トイレスケジュール223に示されたトイレのタイミング時刻より所定時刻前に、トイレのタイミングであることを報知する音声や振動等を出力させる。そして、トイレタイム報知部234は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2からのセンサ情報を基に、起床動作や歩行動作を検出した場合には、音声や振動等の出力を停止させる。
【0032】
[サーバ装置]
次に、サーバ装置10について説明する。図3は、図1に示すサーバ装置10の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、サーバ装置10は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。
【0033】
通信部11は、NIC等で実現され、LANやインターネットなどの電気通信回線を介した外部の装置と制御部13との通信を制御する。例えば、通信部11は、端末20との間で行われる通信を制御する。通信部11は、端末20から、ユーザのバイタル情報、及び、ユーザが装着するウェアラブルデバイス30-1,30-2の加速度センサのセンサ情報を受信する。通信部11は、端末20のユーザの入眠後のトイレスケジュールを、端末20に送信する。
【0034】
記憶部12は、制御部13による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する。例えば、記憶部12は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などである。記憶部12は、バイタル情報群121、センサ情報群122、睡眠品質計測モデル123、トイレタイム検出モデル124、及び、トイレスケジュール設定モデル125(モデル)を記憶する。
【0035】
バイタル情報群121は、端末20から送信されたユーザのバイタル情報群である。各バイタル情報には、ユーザの識別情報と、タイムスタンプとが付与されている。
【0036】
センサ情報群122は、端末20から送信された、ユーザが装着するウェアラブルデバイス30-1,30-2の加速度センサのセンサ情報群である。各センサ情報には、ユーザの識別情報と、タイムスタンプとが付与されている。
【0037】
睡眠品質計測モデル123は、少なくともユーザのバイタル情報を基に、該ユーザの睡眠品質を計測するモデルである。睡眠品質計測モデル123は、計測対象のユーザの所定期間(例えば、2週間)のバイタル情報を学習し、入眠時間、覚醒、レム、浅眠、熟睡の推移を計測し、計測結果を基に睡眠品質スコアを計測する。睡眠品質計測モデル123は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2の加速度センサのセンサ情報をさらに用いて、ユーザの睡眠品質スコアを計測してもよい。
【0038】
トイレタイム検出モデル124は、ユーザのバイタル情報の履歴、及び/または、ユーザが装着するウェアラブルデバイス30-1,30-2による加速度センサのセンサ情報の履歴が入力される、過去のユーザの入眠後のトイレタイムを検出し、出力する。
【0039】
例えば、トイレタイム検出モデル124は、加速度センサのセンサ情報の履歴が入力されると、ユーザの起床動作を推定し、その後に所定数以上の歩数が計測した場合、起床動作があった時間にトイレに起きたことを検出する。また、トイレタイム検出モデル124は、バイタル情報を基づいて計測された睡眠品質結果のうち、覚醒期間に所定数以上の歩数が計測した場合に、この覚醒期間にトイレに起きたことを検出する。また、トイレタイム検出モデル124は、バイタル情報のうち血圧値の変動を基に尿意の発生を検出し、トイレに起きたことを検出する。
【0040】
トイレスケジュール設定モデル125は、過去のユーザの睡眠品質と、過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係を学習したモデルである。
【0041】
トイレスケジュール設定モデル125は、ユーザの睡眠品質と、ユーザの入眠後のトイレタイムとが入力されると、ユーザの睡眠品質のスコアが目標値を満たすトイレのタイミングであって、当日及び/または翌日以降のユーザの入眠後のトイレのタイミングを示すスケジュールを推定し、出力する。ユーザの睡眠品質のスコアが目標値は、規定値が設定されるほか、ユーザの睡眠品質の履歴に応じて適宜変更されてもよいし、ユーザ自身によって変更されてもよい。
【0042】
制御部13は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。ここで、制御部13は、CPUやMPUなどの電子回路やASICやFPGAなどの集積回路である。制御部13は、バイタル情報取得部131、センサ情報取得部132、睡眠品質計測部133(計測部)、トイレタイム検出部134(検出部)、学習部135及びトイレスケジュール設定部139(設定部)を有する。
【0043】
バイタル情報取得部131は、端末20から、該端末20のユーザが装着したウェアラブルデバイス30-1,30-2のバイタル情報を受信することで、推定対象であるユーザのバイタル情報を取得する。
【0044】
センサ情報取得部132は、端末20から、ユーザが装着したウェアラブルデバイス30-1,30-2のセンサ情報を受信することで、推定対象であるユーザが装着したウェアラブルデバイス30-1,30-2による加速度センサのセンサ情報を取得する。
【0045】
睡眠品質計測部133は、計測対象のバイタル情報を基に、ユーザの睡眠品質を計測する。睡眠品質計測部133は、ユーザの、入眠時間、覚醒、レム、浅眠、熟睡の推移を計測し、計測結果を基に睡眠品質スコアを計測する。睡眠品質計測部133は、計測対象のユーザのバイタル情報をバイタル情報群121から読み出して、睡眠品質計測モデル123に入力し、睡眠品質計測モデル123の出力を得ることで、ユーザの睡眠品質スコアを計測する。
【0046】
トイレタイム検出部134は、ユーザのバイタル情報の履歴、及び/または、ユーザが装着するウェアラブルデバイス30-1,30-2の加速度センサのセンサ情報の履歴を基に、過去のユーザの入眠後のトイレタイムを検出する。トイレタイム検出部134は、トイレタイム検出モデル124に、計測対象のユーザのバイタル情報の履歴、及び/または、ユーザが装着するウェアラブルデバイス30-1,30-2の加速度センサのセンサ情報の履歴を入力し、トイレタイム検出モデル124の出力を得ることで、過去のユーザの入眠後のトイレタイムを検出する。
【0047】
学習部135は、過去のユーザの睡眠品質と過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係をトイレスケジュール設定モデル125に学習させる。学習部135は、トイレスケジュール設定モデル125を、対象のユーザごとに設け、各モデルに、対応するユーザの過去のユーザの睡眠品質と過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係をそれぞれ学習させる。
【0048】
図4は、図3に示す学習部135とトイレスケジュール設定部136(後述)との処理を説明する図である。学習部135は、過去のユーザの睡眠品質測定結果の履歴と過去のユーザの入眠後のトイレタイム検出結果の履歴とを学習データとして、過去のユーザの睡眠品質と過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係をトイレスケジュール設定モデル125に学習させる(図4の(1))。
【0049】
そして、トイレスケジュール設定部136は、過去のユーザの睡眠品質と過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係を基に、ユーザの入眠後のトイレのタイミングを示すトイレスケジュールを設定する。トイレスケジュール設定部136は、少なくとも熟睡以外の時間帯に、ユーザのトイレのタイミングを設定する。
【0050】
トイレスケジュール設定部136は、トイレスケジュール設定モデル125を用いて、ユーザの睡眠品質のスコアが目標値を満たすトイレのタイミングを推定し、推定したトイレのタイミングを含むトイレスケジュールを作成する(図4の(2))。
【0051】
トイレスケジュール設定部136は、トイレスケジュール設定モデル125に、ユーザの睡眠品質とユーザの入眠後のトイレタイムとを入力し、ユーザの睡眠品質のスコアが目標値を満たすトイレのタイミングであって、当日及び/または翌日以降のユーザの入眠後のトイレのタイミングを示すスケジュールの出力を得ること当日及び/または翌日以降のユーザのトイレスケジュールを設定する。図4に例示するトイレスケジュールでは、入眠後に2回のトイレタイムが設定されているが、これに限らない。トイレスケジュールに含まれるトイレタイムの回数は、1回でもよいし、3回以上でもよい。
【0052】
トイレスケジュール設定部136は、設定したトイレスケジュールを端末20に送信する。端末20は、トイレスケジュール223に従って、ユーザにトイレのタイミングを報知する。
【0053】
[通信処理]
次に、実施の形態に係る通信処理について説明する。図5は、実施の形態に係る通信処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0054】
図5に示すように、端末20は、ウェアラブルデバイス30-1,30-2が検出したユーザのバイタル情報及び加速度センサのセンサ情報を収集し(ステップS1,S3)、収集したバイタル情報及び加速度センサのセンサ情報を、サーバ装置10に送信する(ステップS2,S4)。
【0055】
サーバ装置10は、少なくとも、ユーザのバイタル情報の履歴を基に、過去のユーザの睡眠品質を計測する(ステップS5)。
【0056】
サーバ装置10は、ユーザのバイタル情報の履歴、及び/または、ウェアラブルデバイス30-1,30-2の加速度センサのセンサ情報の履歴を基に、過去のユーザの入眠後のトイレタイムを検出する(ステップS6)。
【0057】
サーバ装置10は、過去のユーザの睡眠品質と過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係を、トイレスケジュール設定モデル125に学習させる学習処理を行う(ステップS7)。
【0058】
サーバ装置10は、過去のユーザの睡眠品質と過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係を基に、ユーザの入眠後のトイレのタイミングを示すトイレスケジュールを設定する(ステップS8)。ステップS8において、サーバ装置10は、トイレスケジュール設定モデル125を用いて、ユーザの睡眠品質のスコアが目標値を満たすトイレのタイミングを推定し、推定したトイレのタイミングを含むトイレスケジュールを設定する。
【0059】
サーバ装置10は、設定したトイレスケジュールを端末20に送信する(ステップS9)。端末20は、サーバ装置10から受信したトイレスケジュールを登録する(ステップS10)。
【0060】
端末20は、登録されたトイレスケジュールに示されたトイレタイムであるかを判定する(ステップS11)。トイレタイムである場合(ステップS11:Yes)、ユーザにトイレのタイミングを報知する(ステップS12)。
【0061】
なお、端末20は、バイタル情報のうち、ユーザの現時点での血圧値が所定値を超えた場合には、尿意が発生したと判定し、登録されたトイレスケジュールに示されたトイレタイムに達していない場合であっても、トイレのタイミングを報知する。所定値は、血圧値と、膀胱に溜まる尿量との関係を基に求められた、尿意が生じる際の血圧値を基に設定される。これによって、その日のユーザの飲食状況や体調等に対応させて、トイレのタイミングを調整することができる。
【0062】
端末20は、トイレスケジュールに次のトイレタイムの設定があるかを判定する(ステップS13)。次のトイレタイムの設定がない場合(ステップS13:No)、端末20は、トイレタイムの報知処理を終了する。
【0063】
トイレタイムでない場合(ステップS11:No)、または、次のトイレタイムの設定がある場合(ステップS13:Yes)、端末20は、ステップS11に戻り、ステップS11の判定を行う。
【0064】
また、通信システム1では、例えば、所定期間経過ごとに、ステップS1~ステップS9の処理を行うことで、トイレスケジュールを最適化する。
【0065】
[実施の形態の効果]
このように、実施の形態に係る通信システム1では、少なくともユーザのバイタル情報の履歴を基に、過去の前記ユーザの睡眠品質を計測する。通信システム1では、ユーザのバイタル情報の履歴、及び/または、加速度センサのセンサ情報の履歴を基に、過去の前記ユーザの入眠後のトイレタイムを検出する。通信システム1では、過去のユーザの睡眠品質と過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係を基に、ユーザの入眠後のトイレのタイミングを示すトイレスケジュールを設定する。端末20は、トイレスケジュールに従って、ユーザにトイレのタイミングを報知する。
【0066】
したがって、通信システム1によれば、ユーザは、このトイレスケジュールに従って端末20から報知されたタイミングでトイレに起きることで、睡眠品質のスコアを目標値に保持することができる。
【0067】
さらに、通信システム1では、過去のユーザの睡眠品質と過去のユーザの入眠後のトイレタイムとの関係を学習させたトイレスケジュール設定モデル125を用いて、ユーザの睡眠品質のスコアが目標値を満たすトイレのタイミングを設定する。トイレスケジュール設定モデル125を用いることによって、通信システム1では、睡眠品質のスコアが目標値を満たすトイレのタイミングを適切に求めることができる。
【0068】
このため、ユーザは、サーバ装置10が設定したトイレスケジュールのトイレのタイミングに従ってトイレに起きることで、トイレに起きた場合であっても、十分に質の良い睡眠を取ることができる。
【0069】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0070】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0071】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明した通信システム1の構成装置が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態における通信システム1の構成装置が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0072】
図6は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。図6に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0073】
メモリ1010は、図6に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、図6に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0074】
ここで、図6に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0075】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0076】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0077】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0078】
1 通信システム
10 サーバ装置
11,21 通信部
12,22 記憶部
13,23 制御部
20 端末
24 入出力部
30-1,30-2 ウェアラブルデバイス
121 バイタル情報群
122 センサ情報群
123 睡眠品質計測モデル
124 トイレタイム検出モデル
125 トイレスケジュール設定モデル
131 バイタル情報取得部
132 センサ情報取得部
133 睡眠品質計測部
134 トイレタイム検出部
135 学習部
136 トイレスケジュール設定部
221 バイタル情報
222 センサ情報
223 トイレスケジュール
231 バイタル情報収集部
232 センサ情報収集部
233 スケジュール登録部
234 トイレタイム報知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6