(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040125
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】無菌コネクト及びディスコネクト継手
(51)【国際特許分類】
F16L 37/28 20060101AFI20240315BHJP
F16L 39/02 20060101ALI20240315BHJP
F16L 21/00 20060101ALI20240315BHJP
F16L 55/00 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
F16L37/28
F16L39/02
F16L21/00 F
F16L55/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023144839
(22)【出願日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】63/405,632
(32)【優先日】2022-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/238,793
(32)【優先日】2023-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523341381
【氏名又は名称】アバンター フルイド ハンドリング エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Avantor Fluid Handling LLC
【住所又は居所原語表記】29 Saratoga Boulevard Devens, Massachusetts 01434 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002332
【氏名又は名称】弁理士法人綾船国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100127133
【弁理士】
【氏名又は名称】小板橋 浩之
(72)【発明者】
【氏名】タット エム ユエン
【テーマコード(参考)】
3H025
3J106
【Fターム(参考)】
3H025BA21
3H025CA04
3J106BA01
3J106BB01
3J106BC03
3J106BD01
3J106CA01
3J106GA30
(57)【要約】 (修正有)
【課題】少なくとも2つの構成部品間の流体連通を無菌的に連結及び制御するための継手を提供する。
【解決手段】この継手は、内側に凹面を有する第1コネクタハウジングを備える。第1コネクタは、第1コネクタハウジングの頂部から延在し、第1構成部品に接続するように構成されている。第1コネクタ管路は、第1コネクタを通して第1コネクタハウジング内に延在し、第1コネクタハウジングの内面上の内側開口部への流体通路を画定する。回転弁は、第1コネクタハウジングの内部キャビティ内に配置され、少なくとも2つの回転弁セグメントを含む。回転弁セグメントは、キャビティ内で回転するように構成されている。回転弁セグメントの少なくとも1つは、少なくとも1つの回転弁セグメントを通って延在する流体導管を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの構成部品間の流体連通を無菌的に連結及び制御するための継手であって、前記無菌継手は:
2つの対向する側壁と、2つの対向する端壁と、頂部と、開放底部とを備える第1コネクタハウジングであって、前記側壁、前記端壁、及び前記頂部は、それぞれ、組み合わされると内部キャビティを画定するそれぞれの内面を有し、前記頂部及び前記側部の内面は、組み合わされるとシリンダの一部を画定する形状を有する凹面を画定する第1コネクタハウジングと、
前記頂部上に形成され、又は前記頂部に取り付けられ、かつ、前記頂部から延在する第1コネクタであって、前記少なくとも2つの構成部品のうち第1構成部品に接続するように構成される第1コネクタと、
前記第1コネクタの上端にある外側開口部から前記第1コネクタハウジングの前記頂部の前記内面上にある内側開口部までの流体通路を画定するように、前記第1コネクタ及び前記第1コネクタハウジングの前記頂部を通って延在する第1コネクタ導管と、
前記第1コネクタハウジングの前記内部キャビティ内に配置され、長手方向軸を有する回転弁であって、前記回転弁は少なくとも2つの回転弁セグメントを備え、前記回転弁セグメントのそれぞれは、弁セグメント外面と弁セグメント内面とを備え、前記弁セグメント外面は、シリンダの一部を画定する曲面を有し、前記弁セグメント内面は、少なくとも1つの内平面を有し、前記回転弁セグメントのうちの1つの弁セグメント内面は、隣接する回転弁セグメントの弁内面に接触するように構成され、複数の前記回転弁セグメントの湾曲した外面は、組み合わされると円筒面を画定し、前記回転弁セグメントは、前記内部キャビティ内で長手方向軸を中心に回転し、かつ、前記第1コネクタハウジングの凹状内面に対して回転するように構成される、回転弁と
を備え、
前記少なくとも2つの回転弁セグメントのうち少なくとも1つは、第1開口部から第2開口部まで前記少なくとも1つの回転弁セグメントを通って延在する流体導管を備え、前記第1開口部は、次のように配置される:
開放状態に相当する前記第1コネクタハウジングに対する前記少なくとも1つの回転弁セグメントの第1回転位置において、前記第1開口部は、前記コネクタハウジングにおける第1コネクタ導管の内側開口部と整列し、前記流体導管の第2開口部は、同時に、前記第1コネクタ導管の外側開口部から第2コネクタ導管への流体経路を備えるように前記第2コネクタ導管の内側開口部と整列し、及び
閉鎖状態に相当する前記第1コネクタハウジングに対する前記少なくとも1つの回転弁セグメントの第2回転位置において、前記第1開口部は前記コネクタハウジングにおける前記第1コネクタ導管の前記内側開口部とは整列せず、前記流体導管の前記第2開口部は前記第2コネクタ導管の前記内側開口部とは整列せず、前記少なくとも2つの回転弁セグメントの一方の弁セグメント外面は、前記第1コネクタハウジングの前記内側開口部を塞ぎ、前記少なくとも2つの回転弁セグメントの他方の弁セグメント外面は、第2コネクタハウジングの内側開口部を塞ぎ、それによって、前記第1コネクタ導管から前記第2コネクタ導管まで前記少なくとも2つの回転弁セグメントのいずれかを通る流体経路を備えない、無菌継手。
【請求項2】
前記継手は前記第1コネクタハウジングに隣接する第2コネクタハウジングを備え、前記第2コネクタハウジングは、前記第2コネクタハウジング上の表面から外側に延在する第2コネクタを有し、前記第2コネクタ管路は、前記第2コネクタハウジング及び前記第2コネクタを通って延在し、前記第2コネクタは、前記少なくとも2つの構成部品のうちの第2構成部品に接続するように構成され、それによって、前記第1構成部品と前記第2構成部品との間に流体流路が設けられている、請求項1に記載の無菌継手。
【請求項3】
前記第2コネクタが容器用のキャップであり、前記第2構成部品が流体を貯蔵するように構成された容器である、請求項2に記載の無菌継手。
【請求項4】
前記第2コネクタハウジングが複数の第1コネクタハウジングを受け入れるように構成されたマニホールドである、請求項2に記載の無菌継手。
【請求項5】
前記第2コネクタハウジングが、2つの対向する側壁と、2つの対向する端壁と、頂部と、開放底部とを備え、前記側壁、前記端壁及び前記頂部は、それぞれ、組み合わされると内側キャビティを画定するそれぞれの内面を有し、前記頂部及び前記側部の前記内面は、組み合わされるとシリンダの一部を画定する形状を有する凹面を画定し、第1コネクタハウジング及び前記第2コネクタハウジングが互いに隣接すると、前記第1コネクタハウジング及び第2コネクタハウジングの前記凹面の組み合わせによって略円筒形状が形成される、請求項2に記載の無菌継手。
【請求項6】
前記無菌継手が閉鎖状態にあるときに、前記第1コネクタハウジングを前記第2コネクタハウジングから無菌的に分離して、前記第1コネクタ導管及び前記第2コネクタ導管の前記内側開口部が周囲環境に露出しないようにすることができる、請求項1~5のいずれかに記載の無菌継手。
【請求項7】
前記無菌継手が閉鎖状態にあるときに、少なくとも1つの回転弁セグメントは、前記回転弁セグメントを前記第1コネクタハウジングに対して回転させることによる場合を除き、前記回転弁セグメントを前記第1コネクタハウジングから容易に取り外すことができないように前記第1コネクタハウジングに取り付けられている、請求項1~5のいずれかに記載の無菌継手。
【請求項8】
前記第1コネクタハウジングの各端壁は、前記側壁から径方向内側の位置で前記内部キャビティ内に延在する突出部を備え、各突出部は、対応する回転弁セグメントの長手方向端部に形成された対応する凹部と嵌合するように構成される、請求項1~5のいずれかに記載の無菌継手。
【請求項9】
3つの回転弁セグメントが存在し、3つのコネクタが存在し、前記3つの回転弁セグメントのうち2つは流体導管を備え、3つ目の回転弁セグメントは流体導管を備えない、請求項1~5のいずれかに記載の無菌継手。
【請求項10】
前記無菌継手は少なくとも3つのコネクタハウジングを備え、前記回転弁は少なくとも3つの回転弁セグメントを備える、請求項1~5のいずれかに記載の無菌継手。
【請求項11】
前記無菌継手は2つの回転弁セグメントを備え、各回転弁セグメントの弁セグメント外面は半円筒形状表面を画定し、各回転弁セグメントの弁セグメント内面は平面であり、前記無菌継手は、前記第1コネクトハウジングに隣接する第2コネクタハウジングを備え、前記第2コネクタハウジングは、前記第2コネクタハウジング上の表面から外側に延在する第2コネクタを有し、前記第2コネクタ管路は、前記第2コネクタハウジング及び前記第2コネクタを通って延在し、前記第2コネクタは、前記少なくとも2つの構成部品のうちの第2構成部品に接続するように構成され、それによって、前記第1構成部品と前記第2構成部品との間に流体流路が設けられている、請求項1~5のいずれかに記載の無菌継手。
【請求項12】
各回転弁セグメントは、前記回転弁セグメントの長手方向端部に取り付けられるか、又は一体的に形成されるタブを備える、請求項1~5のいずれかに記載の無菌継手。
【請求項13】
前記タブは、回転弁セグメントよりも断面が小さい首部を備え、前記首部は、前記端壁の1つにおける第1切欠内に着座し、前記第1切欠は、前記第1コネクタハウジングに対して前記首部を支持し、かつ、前記首部の回転を許容する、請求項12に記載の無菌継手。
【請求項14】
各回転弁セグメントは、前記タブとは反対側の前記回転弁セグメントの長手方向端部から軸方向に延在する突出部を備え、前記突出部は、前記コネクタハウジングの他方の端壁に設けられた第2切欠内に着座し、前記第2切欠は、前記コネクタハウジングに対して前記突出部を支持し、かつ、前記突出部の回転を許容する、請求項13に記載の無菌継手。
【請求項15】
前記無菌継手は、前記第1コネクタハウジング及び前記第2コネクタハウジングを受容するのに十分な間隔で互いに離間する2つの側壁を有するアセンブリ筐体を備え、前記アセンブリ筐体は、前記第1コネクタハウジング及び前記第2コネクタハウジングを受容するのに十分な間隔で離間する頂部壁及び底部壁を有し、前記頂部壁及び前記底部壁はそれぞれ、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタが前記アセンブリ筐体から外に延出することを可能にする切欠を備え、前記アセンブリ筐体は背部壁を有し、前記背部壁は、前記アセンブリ筐体が閉鎖状態にあるときに、前記少なくとも2つの回転弁セグメント上の前記タブが前記アセンブリ筐体を通過し、かつ、前記アセンブリ筐体の外に延出することを可能にするようなサイズに形成されかつ配置された切欠が対向する側にある状態で前記背部壁を貫通する孔を有し、前記孔は、前記タブの前記首部を受け入れ、前記首部が前記アセンブリ筐体に対して自由に回転できるようなサイズに形成されており、前記アセンブリ筐体がその閉鎖状態にあるときに、前記切欠及び前記孔は、前記アセンブリ筐体が前記第1コネクタハウジング及び前記第2コネクタハウジング上で摺動したり外れたりすることを可能にし、前記アセンブリ筐体がその開放位置にあるときに、前記タブは前記切欠に対して回転し、それによって、前記タブが前記アセンブリ筐体の移動を防止する、請求項13に記載の無菌継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年9月12日に出願された米国仮出願第63/405632号及び2023年8月28日に出願された米国特許出願第18/238793号に関連し、それらの優先権を主張するものである。これらの開示内容は参照によりその全体が本明細書において援用される。
【0002】
技術分野
本発明は、流体システム用の流体継手装置に関し、特に、流体ラインを無菌的に接続及び切断するための回転継手装置に関する。
【背景技術】
【0003】
背景情報
バイオプロセス用流体システムや血液処理システムなどの一部の流体システムでは、無菌状態を維持したまま、滅菌された流体ライン、容器又は装置を無菌的に接続したり切り離したりすることできる継手を備えることが望ましく、場合によってはそれが必要なことがある。例えば、流体ラインから1個以上の流体媒体バッグ又は容器を無菌的に接続したり切り離したりすることが望ましい場合がある。そうするために、典型的には無菌継手を使用して、流体媒体容器及び流体ラインの生物学的汚染を実質的に抑制しつつ流体ライン又は流体媒体容器の出口が接続される。同様に、処理装置の1部分からの流体経路を、流体の流れのための無菌経路を維持しつつ処理装置の第2部分からの別の流体経路に連結することが望ましい場合がある。
【0004】
互いに着脱可能な2個の連結部分を備える多くのタイプの無菌継手が存在する。しかしながら、このような継手のほとんどは、かなり複雑であり、又は、不注意により周囲の環境に暴露される可能性のある、切り離された2つの連結部分間に過剰な流体が存在することになる。このような流体を最小限に抑えるためには、通常、無菌継手の上流にクランプ装置を追加して、分離前に無菌継手を通る流れを遮断することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
改善された無菌継手システムに関する要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の要約
少なくとも2つの構成部品間の流体連通を無菌的に連結及び制御するための継手を開示する。この継手は、2つの対向する側壁と、2つの対向する端壁と、頂部と、開放底部とを備える第1コネクタハウジングを含む。側壁、端壁、及び頂部は、それぞれ、組み合わされると内部キャビティを画定するそれぞれの内面を有する。頂部及び側部の内面は、組み合わされるとシリンダの一部を画定する形状を有する凹面を画定する。
【0007】
第1コネクタは、頂部上に形成され、又は頂部に取り付けられ、かつ、頂部から延在する。第1コネクタは、少なくとも2つの構成部品のうち第1構成部品に接続するように構成される。
【0008】
第1コネクタの上端にある外側開口部から第1コネクタハウジングの頂部の内面上にある内側開口部までの流体通路を画定するように、第1コネクタ導管が第1コネクタ及び第1コネクタハウジングの頂部を通って延在する。
【0009】
第1コネクタハウジングの内部キャビティ内には回転弁が配置され、回転弁は、長手方向軸を有する。回転弁は、少なくとも2つの回転弁セグメントを備える。各回転弁セグメントは、弁セグメント外面と弁セグメント内面とを備える。弁セグメント外面は、シリンダの一部を画定する曲面を有する。弁セグメント内面は、少なくとも1つの内平面を有する。回転弁セグメントのうちの1つの弁セグメント内面は、隣接する回転弁セグメントの弁内面に接触するように構成される。複数の回転弁セグメントの湾曲した外面は、組み合わされると円筒面を画定する。回転弁セグメントは、キャビティ内で長手方向軸を中心に回転し、かつ、第1コネクタハウジングの凹状内面に対して回転するように構成される。
【0010】
少なくとも2つの回転弁セグメントのうち少なくとも1つは、第1開口部から第2開口部まで少なくとも1つの回転弁セグメントを通って延在する流体導管を備える。第1開口部は、次のように配置される:
開放状態に相当する第1コネクタハウジングに対する少なくとも1つの回転弁セグメントの第1回転位置において、第1開口部は、コネクタハウジングにおける第1コネクタ導管の内側開口部と整列し、流体導管の第2開口部は、同時に、第1コネクタ導管の外側開口部から第2コネクタ導管への流体経路を備えるように第2コネクタ導管の内側開口部と整列し、及び
閉鎖状態に相当する第1コネクタハウジングに対する少なくとも1つの回転弁セグメントの第2回転位置において、第1開口部はコネクタハウジングにおける第1コネクタ導管の内側開口部とは整列せず、流体導管の第2開口部は第2コネクタ導管の内側開口部とは整列せず、少なくとも2つの回転弁セグメントの一方の弁セグメント外面は、第1コネクタハウジングの内側開口部を塞ぎ、少なくとも2つの回転弁セグメントの他方の弁セグメント外面は、第2コネクタハウジングの内側開口部を塞ぎ、それによって、第1コネクタ導管から第2コネクタ導管まで少なくとも2つの回転弁セグメントのいずれかを通る流体経路を備えない。
【0011】
一実施形態では、継手は、第1コネクタハウジングに隣接する第2コネクタハウジングを備える。第2コネクタハウジングは、第2コネクタハウジング上の表面から外側に延在する第2コネクタを有する。第2コネクタ管路は、第2コネクタハウジング及び第2コネクタを通って延在する。第2コネクタは、少なくとも2つの構成部品のうちの第2構成部品に接続するように構成され、それによって、第1構成部品と第2構成部品との間に流体流路が設けられている。
【0012】
一実施形態では、第2コネクタは容器用のキャップであり、第2構成部品は流体を貯蔵するように構成された容器である。
【0013】
一実施形態では、第2コネクタハウジングは、複数の第1コネクタハウジングを受け入れるように構成されたマニホールドである。
【0014】
一実施形態では、第2コネクタハウジングは、2つの対向する側壁と、2つの対向する端壁と、頂部と、開放底部とを備える。側壁、端壁及び頂部は、それぞれ、組み合わされると内側キャビティを画定するそれぞれの内面を有する。頂部及び側部の内面は、組み合わされるとシリンダの一部を画定する形状を有する凹面を画定する。第1及び第2コネクタハウジングが互いに隣接すると、第1及び第2コネクタハウジングの凹面の組み合わせによって略円筒形状が形成される。
【0015】
好ましくは、継手が閉鎖状態にあるときに、第1コネクタハウジングを第2コネクタハウジングから無菌的に分離して、第1及び第2コネクタ導管の内側開口部が周囲環境に露出しないようにすることができる。
【0016】
継手が閉鎖状態にあるときに、好ましくは、少なくとも1つの回転弁セグメントは、回転弁セグメントを第1コネクタハウジングに対して回転させることによる場合を除き、回転弁セグメントを第1コネクタハウジングから容易に取り外すことができないように第1コネクタハウジングに取り付けられている。
【0017】
第1コネクタハウジングの各端壁は、側壁から径方向内側の位置でキャビティ内に延在する突出部を備えることができる。各突出部は、対応する回転弁セグメントの長手方向端部に形成された対応する凹部と嵌合するように構成される。
【0018】
一配置例では、3つの回転弁セグメントと3つのコネクタが存在する。これらの回転弁セグメントのうち2つは流体導管を備え、3つ目の回転弁セグメントは流体導管を備えない。
【0019】
一構成例では、第1コネクタハウジングの頂部から延在する2つのコネクタが存在する。
【0020】
コネクタは、ホースバーブ型コネクタであってもよく、各コネクタは、関連部品に連結される別個のホースと接続するように構成される。
【0021】
第2コネクタは、容器の首部に係合するねじ山を有するキャップであってもよい。
【0022】
一実施形態では、継手は少なくとも3つのコネクタハウジングを備え、回転弁は少なくとも3つの回転弁セグメントを備える。
【0023】
別の実施形態では、継手は2つの回転弁セグメントを備え、各回転弁セグメントの弁セグメント外面は半円筒形状表面を画定する。各回転弁セグメントの弁セグメント内面は平面である。
【0024】
継手は、第1コネクトハウジングに隣接する第2コネクタハウジングを備えることができる。第2コネクタハウジングは、第2コネクタハウジング上の表面から外側に延在する第2コネクタを有する。第2コネクタ管路は、第2コネクタハウジング及び第2コネクタを通って延在する。第2コネクタは、少なくとも2つの構成部品のうちの第2構成部品に接続するように構成され、それによって、第1構成部品と第2構成部品との間に流体流路が設けられる。
【0025】
好ましくは、各回転弁セグメントは、回転弁セグメントの長手方向端部に取り付けられるか、又は一体的に形成されるタブを備える。
【0026】
タブは、回転弁セグメントよりも断面が小さい首部を備えることができる。首部は、複数の端壁における1つの第1切欠内に着座する。第1切欠は、第1コネクタハウジングに対して首部を支持し、かつ、首部の回転を許容する。
【0027】
各回転弁セグメントは、タブとは反対側の回転弁セグメントの長手方向端部から軸方向に延在する突出部を備えることができる。突出部は、コネクタハウジングの他方の端壁に設けられた第2切欠内に着座する。第2切欠は、コネクタハウジングに対して突出部を支持し、かつ、突出部の回転を許容する。
【0028】
継手は、第1及び第2コネクタハウジングを受容するのに十分な間隔で互いに離間する2つの側壁を有するアセンブリ筐体を備えることができる。アセンブリ筐体は、第1及び第2コネクタハウジングを受容するのに十分な間隔で離間する頂部壁及び底部壁を有する。頂部壁と底部壁はそれぞれ、第1及び第2コネクタがアセンブリ筐体から外に延出することを可能にする切欠を備える。アセンブリ筐体は背部壁を有し、背部壁は、当該筐体がその閉鎖状態にあるときに、少なくとも2つの回転弁セグメント上のタブが筐体を通過し、かつ、筐体の外に延出することを可能にするようなサイズに形成されかつ配置された切欠が対向する側にある状態で背部壁を貫通する孔を有する。孔は、タブの首部を受け入れ、首部が筐体に対して自由に回転できるようなサイズに形成されている。筐体がその閉鎖状態にあるときに、切欠及び孔は、筐体が第1及び第2コネクタハウジング上で摺動したり外れたりすることを可能にする。筐体がその開放位置にあるときに、タブは切欠に対して回転し、それによって、タブがアセンブリ筐体の移動を防止する。
【0029】
本発明の上記特徴及び他の特徴ならびに利点は、添付の図面に示される好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明に照らせば、さらに明らかになるであろう。理解されるように、本発明は、本発明から逸脱することなく、様々な点で変更が可能である。したがって、図面及び説明は本質的に例示的なものとみなされ、限定的なものとはみなされない。
【0030】
本発明を説明する目的で、図面は現在のところ好ましい本発明の形態を示す。しかしながら、本発明は、図面に示された正確な構成及び手段に限定されないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本発明に係る無菌継手の一実施形態を示す透視図であり、継手が開放状態にあることを示す。
【
図2】
図2は、
図1の無菌継手における2-2線に沿って得られた断面図である。
【
図2A】
図2Aは、第2コネクタとしてのキャップを有する無菌継手の別の実施形態の断面図である。
【
図4】
図4は、組み立て前のコネクタハウジング及び回転弁セグメントの斜視図である。
【
図5】
図5は、回転弁セグメントが回転しているときの、
図4のコネクタハウジング及び回転弁セグメントの斜視図である。
【
図6】
図6は、
図4のコネクタハウジング及び回転弁セグメントの透視図であり、回転弁セグメントを弁アセンブリが閉鎖状態にある完成した弁アセンブリとして示している。
【
図7】
図7は、2つの弁アセンブリに取り付ける前の筐体の斜視図である。
【
図8】
図8は、弁アセンブリに取り付けられた筐体を、弁アセンブリが閉じた状態で示す斜視図である。
【
図9】
図9は、弁アセンブリに取り付けられた筐体を、タブが回転弁セグメントを閉鎖状態から開放状態に回転させた状態で示す斜視図である。
【
図10】
図10は、弁アセンブリに取り付けられた筐体を、弁アセンブリが開放状態になるようにタブを回転させた状態で示す斜視図である。
【
図11】
図11は、複数の弁アセンブリがマニホールドアセンブリに取り付けられている本発明の実施形態の概略図である。
【
図12】
図12A及び
図12Bは、流体導管が1つの回転弁セグメントのみを通って延在する、2つの回転弁セグメントを有する筐体の実施形態を概略的に示す。
【
図13A】
図13Aは、流体導管が2つの回転弁セグメントのみを通って延在し、それによって回転弁セグメントの1つを無菌的に取り外すことができる、3つの回転弁セグメントを有する筐体の実施形態を概略的に示す。
【
図13B】
図13Bは、流体導管が2つの回転弁セグメントのみを通って延在し、それによって回転弁セグメントの1つを無菌的に取り外すことができる、3つの回転弁セグメントを有する筐体の実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施形態の説明
同様の符号がいくつかの図面全体を通して対応する又は同様の構成要素を示す図面を参照すると、
図1~
図4は、本発明に係る無菌継手10の実施形態を示す。継手10は、少なくとも1つのコネクタハウジング12を備える。好ましくは、少なくとも第1コネクタハウジングと第2コネクタハウジングとが存在する。各コネクタハウジング12は、2つの対向する側壁12A、端壁12B、頂部12C及び開放底部を備える。側壁、端壁、及び頂部の内面は、内側キャビティ14を画定する。
【0033】
各コネクタハウジング12は、構成部品に係合し、接続し、装着し、又は取り付けられるように構成され、その少なくとも1つの構成部品は、無菌状態を維持すること、及び/又は外部若しくは環境源からの汚染を低減若しくは最小限にすることが望まれるものである。多くの場合、継手10に取り付けられる全ての構成部品の汚染を防止することが望ましい。本発明はいずれの場合にも適用できる。構成部品は、流体媒体バッグ又は容器、例えば生物流体、化学流体若しくは医療流体の容器、又は処理装置、例えばバイオリアクター若しくは生物流体ポンプ、又は上記のいずれかに接続する配管であってもよい。
【0034】
図示された実施形態において、各コネクタハウジング12は、頂部12上に形成され又は頂部12に取り付けられ、かつ、頂部12から延在して、関連するコネクタハウジング内に流体通路を提供する少なくとも1つのコネクタ16を備える。図示された実施形態には、ホースバーブ型コネクタである2つのコネクタ16が示されており、各コネクタは、関連部品に連結される別個のホースと接続するように構成されている。しかしながら、コネクタ16は、その代わりに、容器の首部に係合するねじ山を有するキャップであってもよいと解すべきである。
図2Aを参照されたい。当該技術分野で使用されている他の取付機構をこれらのバーブコネクタの代わりに用いてもよい。図示された実施形態では、コネクタ16は、コネクタハウジング12の一体的な延長部として示されている。しかしながら、コネクタ16は、コネクタハウジング12に取り付けられる別個の部品であってもよいことが意図される。各コネクタハウジング12には2つのバーブ16が示されているが、本発明は、単一のコネクタ16又は他の多くの変形例と共に使用できる。
【0035】
図2を参照すると、コネクタ16及びコネクタハウジング12は、コネクタ16の上端における外側開口部18Aからコネクタハウジング12の頂部12Cの内面にある内側開口部18Bまで延在するコネクタ導管18を備える。コネクタ導管18は、コネクタ16の外側開口部18Aと内側キャビティ14との間に流体通路を提供する。
【0036】
一方のコネクタハウジング12の流体通路18と他方のコネクタハウジング12の流体通路18との流れを制御するために、本発明は回転弁20を備える。より具体的には、
図3~
図6を参照すると、回転弁20は、コネクタハウジング12の内側キャビティ14間に配置されている。図示された実施形態では、回転弁20は2つの回転弁セグメント22を備え、それぞれが回転弁の半分を画定する。継手が3つ以上の接続ハウジングで構成された場合には、回転弁20は同数の回転弁セグメント22を有することになることは明らかであろう。各回転弁セグメント22は、半円筒形弁部22Aと内面22Bとを含む。図示された実施形態では2つの回転弁セグメント22が存在するため、内面22Bは、2つの回転弁セグメント22が一緒に配置されたときに平坦面22Bが互いに対向するように、実質的に平坦である。
【0037】
各回転弁セグメント22は、対応するコネクタハウジング12内に回転可能に取り付けられるように構成される。所望の回転を与えるために、側壁及び頂部の内面は、回転弁セグメント22がその長手方向軸線LAを中心に回転するときに外側部分22Aが凹部12Eの表面に沿って回転するように、回転弁セグメント22の外側部分22Aに対して相補的な半円筒形の凹部12Eをコネクタハウジング12の内部に画定することが好ましい。
【0038】
一実施形態において、各回転弁セグメント22は、好ましくは、半円筒形弁外側部分22A及び/又は内面22Bに取り付けられるか、又はこれと一体に形成されるタブ22Cを備える。タブ22Cは、回転弁セグメント22の残りの部分よりも狭い首部22Dを備えることが好ましい。図面に示すように、回転弁セグメント22がコネクタハウジング12に取り付けられるときに、首部22Dは半円筒形の形状であり、端壁12Bの一方における切欠12F内に着座することが好ましい。回転弁セグメント22は、タブ22Cとは反対側の回転弁セグメント22の端部から軸方向に延出する半円筒形の突出部22Eを含むことができる。突出部22Eは、首部12Dと同様に、コネクタハウジング12の他方の端壁12Bにおける切欠12F内に着座する。切欠12Fは、回転弁セグメント22を回転支持する。
【0039】
少なくとも1つの回転弁セグメント22は、第1開口部24Aから第2開口部24Bまで回転弁セグメント22を通って延在する流体導管24を備える。以下でより詳しく説明するように、第1開口部24Aは、回転弁セグメント22の所定の回転位置において、コネクタハウジング12の一方のコネクタ導管18の内側開口部18Bと整列するように、回転弁セグメント22内に配置される。第2開口部24Bは、同時に、別のコネクタハウジング12のコネクタ導管18の内側開口部18B(又は、別の回転弁セグメント22の流体導管24)のいずれかと整列する。したがって、流体導管24が1つ以上のコネクタ導管18と整列しているとき、すなわち、継手10が開放状態のとき、1つのコネクタハウジングのコネクタから別のコネクタハウジングのコネクタハウジングまで連続した無菌流路が形成される。同様に、流体導管24が1つ以上のコネクタ導管18と整列していないとき、すなわち、継手10が閉鎖状態のとき、1つのコネクタハウジング内のコネクタから回転弁20を通る流路は存在せず、その代わりに、内側開口部18Bにシールが形成されるため、キャビティ14への流入が防止される。本発明において回転弁20を使用することにより、回転弁セグメント22とコネクタハウジング12との間の流体密閉が可能となり、流体の漏れや環境浸入を最小限に抑えることができる。
【0040】
回転弁20の一部としてセグメント22を使用する利点の一つは、継手10が閉鎖状態にあるときに、セグメント22が、無菌シールを維持したままコネクタハウジング12を互いに分離できるように構成できることである。より具体的には、回転弁セグメント22は、回転弁セグメント22がコネクタハウジング12に取り付けられている間に、回転弁セグメント22をコネクタハウジング12に対して回転させることはできるが、コネクタハウジング12から取り外すことはできないように、コネクタハウジング12に取り付けられることが好ましい。図示された実施形態では、回転弁セグメントのコネクタハウジングに対する取り付けは、横方向の動きを抑制するロック接続を介して行われる。例えば、図示された実施形態では、各端壁12Bは、側壁12Aから半径方向内側の位置でキャビティ14内に延在する突出部30を含む。突出部30は、半円筒形弁部22Aに形成された対応する凹部32と嵌合する。図示された実施形態では、ロック接続は、突出部30が各端壁12Bの切欠12Fの周りに湾曲する蟻溝形状(例えば、くさび)を有する蟻溝接続である。弁部22Aにおける凹部32は、相補的に湾曲した蟻溝形状を含む。このように、
図6に示すように回転弁セグメント22がコネクタハウジング12に取り付けられているときに、セグメント22を回転させて係合を解除することを除き、回転弁セグメントをコネクタハウジングから分離することはできない。
【0041】
使用前に筐体10を組み立てるためには、各回転弁セグメント22を、
図3~6に示された対応するコネクタハウジング12にまず係合させる必要がある。回転弁セグメント22は、半円筒形弁部22aがコネクタハウジング12のキャビティ14から離れる方向を向いた状態で(すなわち、内面22bがキャビティ14を向いた状態で)、コネクタハウジング12上に配置される。回転弁セグメント22は、タブ22Cを把持し、かつ、端壁12B上の突出部30が半円筒形弁部22Aの凹部32内に延在するように首部22と共に回転させることによって回転する。回転弁セグメント22が回転すると、その内面22Bは、弁アセンブリが
図6に示すようになるまで上方に回転する(筐体の閉鎖状態)。
【0042】
各回転弁セグメントとコネクタハウジングが組み立てられ、閉鎖状態になり、弁アセンブリ50が好ましくは滅菌されたら、所望の部品が適用可能なコネクタ16に取り付けられる。この時点では、半円筒形弁部22Aがコネクタ導管18の内側開口部18Bを塞いでいるため、いかなる流体もコネクタ16を通って流れない。第2弁アセンブリ50が反転され、第1弁アセンブリ50の上に配置される。ここで、一方の弁アセンブリ50の回転弁セグメント22が他方の弁アセンブリのコネクタハウジング12と係合し始める(すなわち、一方の弁アセンブリの回転弁セグメント22上の凹部32が、他方の弁アセンブリ50のコネクタハウジング12上の突出部30と嵌め合い係合するように回転する)ように両方のタブを同時に回ことによって、2つの弁アセンブリを一緒にロックすることが可能である。係合が始まると、2つのアセンブリ50はロックされて互いに嵌合した状態になる。
【0043】
回転弁セグメント22が閉鎖状態から90度回転すると、継手10は開放状態になり、一方のコネクタハウジング12上のコネクタ16は、他方のコネクタハウジング上のコネクタと流体連通することになる。このことが
図2の断面に示されている。
【0044】
弁アセンブリ50の不用意な分離に対してさらに保護することが望まれる場合には、アセンブリ筐体60を使用することができる。
図3及び
図7に示される実施形態では、アセンブリ筐体60は、弁アセンブリ50を受容するのに十分な間隔で離間して配置される2つの側壁62を備える。アセンブリ筐体60は、同じく弁アセンブリ50を受容するのに十分な間隔で離間して配置される頂部壁と底部壁64とを有し、コネクタ16が筐体60から延出することを可能にするために切欠64Aを備える(
図1参照)。
【0045】
また、筐体は背部壁66を含み、背部壁66は、弁アセンブリ50が閉鎖状態にあるときにのみ、タブ22Cが筐体60(
図8参照)を通過して筐体60から延出することを可能にするような大きさ及び位置とされた切欠66Bを対向する側に有する孔66Aが貫通形成されている。孔66Aは、首部22Dが筐体60に対して自由に回転できるような大きさに形成されている。
図7及び
図8に示すように、弁アセンブリ50が閉鎖状態にあるときに、切欠66B及び孔66Aは、筐体60が2つの弁アセンブリ50にわたって摺動することを可能にする。タブ22Cが回転すると、弁アセンブリ50は筐体60から取り外すことができなくなる。これにより、閉鎖状態を除き、弁アセンブリ50の不用意な分離が防止される。
【0046】
図11を参照すると、本発明はマニホールドアセンブリ100の一部となり得ることも企図されている。例えば、複数のコネクタハウジング110を、それぞれ独自の回転弁セグメント112と並べて一体的に取り付け又は形成して、下部マニホールドの一部として平行に整列された複数の弁アセンブリを形成することができる。それぞれが構成部品に対する無菌接続を提供する。その後、ユーザが無菌的に接続する必要のある特定の構成部品に関して、上記のように個々の第2弁アセンブリ114を頂部に取り付ける。
【0047】
図12A及び
図12Bを参照すると、2つの回転弁セグメント222a、222bと、2つのコネクタハウジング212a、212bと、1つの第1コネクタ216aと、1つの第2コネクタ216bとを備える本発明の実施形態が示されている。上記特徴は全てこの実施形態の一部であるが、簡略化のために図示及び説明は省略する。この構成では、回転弁セグメント222aのうちの1つだけが流体導管224を備える。
図12Aを参照すると、図示された回転方向において、第1回転弁セグメントにおける流体導管224は、第1コネクタ216aにおけるコネクタ導管及び第2コネクタ216bにおけるコネクタ導管と整列する。回転セグメントが閉鎖状態に相当する
図12Bに示す向きになるようにタブ(図示せず)を回転させると、流体導管224はコネクタ導管とは整列せず、コネクタ導管における内側開口部は無菌的に密封される。したがって、頂部コネクタハウジング212a及び回転弁セグメント222bは、底部コネクタハウジング212b及び回転弁セグメント222aから分離できる。
【0048】
図13A及び
図13Bを参照すると、本発明の別の実施形態が示されている。上記特徴は全てこの実施形態の一部であるが、簡略化のために図示及び説明は省略する。この構成では、3つの回転弁セグメント322a、322b、322cと、3つのコネクタハウジング312a、312b、312cと、第1コネクタ316aと、第2コネクタ316bと、第3コネクタ316cとが存在する。この実施形態では、回転弁セグメント322a、322bのうちの2つは、流体導管324a、324bを備える。流体導管324a、324bは、互いに整列して2つの回転弁セグメント322a、322b間に流体経路を提供するように配置されている。第3回転弁セグメント322cは流体導管を備えない。
図13Aを参照すると、図示された回転方向において、第1回転弁セグメントにおける流体導管324aは、第1コネクタ316aにおけるコネクタ導管及び第2回転弁セグメント322bにおける流体導管324bと整列する。第2回転弁セグメントにおける流体導管324bは、第2コネクタ316bにおけるコネクタ導管と整列する。第3コネクタ316cは、第3回転セグメント322cによって他の回転弁セグメント322a、322bから無菌的に封止されている。したがって、第3コネクタハウジング312cとその回転弁セグメント322cは安全に取り外すことができる。
【0049】
回転セグメントが
図13Bに示された向きとなるようにタブ(図示せず)を回転させると、第1回転弁セグメント324aにおける流体導管316aは、第1コネクタ316aにおけるコネクタ導管と整列しなくなり、その代わりに、第2コネクタ316bにおけるコネクタ導管と整列する。同様に、第2回転弁セグメント324bにおける第2流体導管316bは、第2コネクタ316bにおけるコネクタ導管と整列しなくなり、その代わりに、第3コネクタ316cにおけるコネクタ導管と整列する。第1コネクタ導管の内側開口部は無菌的に封止される。その時点で、第1コネクタ316aは、第3回転セグメント322cによって、他の回転弁セグメント322a、322bから無菌的に封止される。このようにして、第1コネクタハウジング312aと回転弁セグメント322cは安全に取り外すことができる。
【0050】
本発明の原理の理解を促進する目的で、図面に例示された好ましい実施形態を参照し、これらの実施形態を説明するために具体的な文言を用いてきた。しかしながら、この特定の文言によって本発明の範囲を限定することは意図されておらず、本発明は、当業者であれば通常思いつくであろう全ての実施形態を包含するものと解釈すべきである。
【0051】
本明細書で示されかつ説明された特定の実施態様は、本発明の例示であり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書で提供されるあらゆる例、又は例示的な文言(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をさらに明確にすることを意図するものであり、別段の主張がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。当業者でれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多数の変更及び適応が容易であることは明らかであろう。
【0052】
本発明を説明する文脈における(特に特許請求の範囲の文脈における)「a」、「an」、「the」、及び同様の指示対象の使用は、本明細書において別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方をカバーするものと解釈すべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含む(containing)」は、特に断りのない限り、オープンエンド用語(すなわち、「~が挙げられるが、これらに限定されない」という意味)として解釈すべきである。用語「接続される」は、たとえ何かが介在していたとしても、部分的又は全体的に収容される、取り付けられる、又は互いに接合されるものと解釈すべきである。
【0053】
本明細書における値の範囲の記載は、本明細書に別段の記載がない限り、範囲内に入るそれぞれ個別の値を個別に参照するための略記法としての役割を果たすことを意図するものにすぎず、それぞれ個別の値は、個別に記載されていたかのように本明細書に組み込まれる。
【0054】
「約」又は「およそ」などの用語は、本明細書で特に定義又は限定されていない限り、言及された数値用語に対してプラスマイナス5%~10%のばらつきを定義するものと解すべきである。
【0055】
本明細書において記載される全ての方法は、本明細書において特に示されない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施できる。本明細書において提供されるあらゆる例、又は例示的な文言(例えば、「など」)の使用は、単に本発明の実施形態をさらに明確にすることを意図するものであり、別段の主張がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。様々な実施形態及び構成要素は、必要に応じて、任意の適切な態様で交換又は組み合わせることができる。
【0056】
前方、後方、頂部及び底部、上部及び下部などの方向の使用は、図面に示された実施形態に関するものであるため、限定的なものとして捉えられるべきではない。図面の実施形態を逆転又は反転させると、もちろん、用語の一貫した逆転又は反転が生じる。
【0057】
明細書のいかなる文言も、特許請求されていない構成要素が本発明の実施に不可欠であることを示すものとして解釈すべきではない。
【0058】
本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明に様々な修正及び変形を加えることができることは、当業者であれば明らかであろう。本発明を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、特許請求の範囲に定義された本発明の趣旨及び範囲に属する全ての修正、代替構造、及び均等を対象とすることを意図する。したがって、本発明は、特許請求の範囲及びその均等の範囲内であれば、本発明の修正及び変形を対象とすることを意図するものである。
【符号の説明】
【0059】
10 継手
12 コネクタハウジング
12A 側壁
12B 端壁
12C 頂部
14 内側キャビティ14
16 コネクタ
18 コネクタ導管
20 回転弁
22 回転弁セグメント
30 突出部
32 凹部
50 弁アセンブリ
60 アセンブリ筐体
62 側壁
66 背部壁
100 マニホールドアセンブリ
112 回転弁セグメント
【外国語明細書】