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  • 特開-電動機の三相ステータ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040131
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】電動機の三相ステータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/50 20060101AFI20240315BHJP
   H02K 15/10 20060101ALI20240315BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
H02K3/50 A
H02K15/10
H02K5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023145808
(22)【出願日】2023-09-08
(31)【優先権主張番号】102022000018492
(32)【優先日】2022-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519463178
【氏名又は名称】フェラーリ エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】FERRARI S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Emilia Est, 1163, 41100 MODENA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィデ フェラーラ
(72)【発明者】
【氏名】パオロ ファヴェルツァーニ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ ポッジョ
【テーマコード(参考)】
5H604
5H605
5H615
【Fターム(参考)】
5H604AA03
5H604BB01
5H604BB03
5H604BB10
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC11
5H604DB01
5H604PB04
5H604PC03
5H604QA08
5H604QB03
5H604QB16
5H605AA02
5H605BB01
5H605BB05
5H605CC06
5H605DD16
5H605EC05
5H605EC08
5H605EC18
5H605GG02
5H605GG18
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB02
5H615BB07
5H615BB14
5H615PP01
5H615PP15
5H615SS17
5H615SS44
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電動機の三相ステータの水密性を改善し、電気接続要素をバスバーに結合する方法を単純化し、ステータ、したがって電動機の軸方向の寸法を縮小する。
【解決手段】電動機の三相ステータ1は、ケーシング5、及び、このケーシング5内の軸方向端部に、それぞれの接点17を保持する、3つのバスバー13を有する。各接点は、それぞれの外部端子28に電気的に接続される。ステータには、同じケーシング5に液密に結合され、3つの接続導体要素を有する、電気コネクタが設けられる。3つの導体要素の外側端部は、前述した外部端子28を画定し、3つの導体要素の内側端部27は、固定装置19によって、接点17にそれぞれ固定される。バスバー13、接点17、固定装置19、及び3つの導体要素の内側端部27は、封入材料47に埋め込まれる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線(3)に沿って延在する、電動機の三相ステータ(1)であって、
ケーシング(5)と、
前記ケーシング(5)内の軸方向端部に、それぞれの接点(17)を保持する、3つのバスバー(13)と、
3つの外部端子(28)と、
前記接点(17)を前記外部端子(28)に電気的に接続する、固定手段(19)と、
前記バスバー(13)が埋め込まれる封入材料(47)と、を備え、
前記封入材料(47)とは異なる、前記ケーシング(5)に液密に結合された電気コネクタ(20)を備え、かつ、それぞれの外側端部が前記外部端子(28)を画定し、それぞれの内側端部(27)が前記ケーシング(5)の内側にある、3つの接続導体要素(25)を備え、前記内側端部(27)が、前記固定手段(19)によって、前記接点(17)にそれぞれ固定され、
前記接点(17)、前記固定手段(19)、及び前記内側端部(27)が、前記封入材料(47)に埋め込まれ、
前記ケーシング(5)が、ハウジングポケット(31)を画定する外側部分(30)を備え、
前記電気コネクタ(20)が、前記接続導体要素(25)を支持しかつ前記ハウジングポケット(31)に液密に係合する絶縁支持要素(24)を備える、電動機の三相ステータ(1)。
【請求項2】
前記接続導体要素(25)のそれぞれが、前記三相ステータの軸線(3)に垂直に延在する方向(36)に平行である、請求項1に記載の三相ステータ。
【請求項3】
前記接続導体要素(25)のそれぞれが、前記ケーシング(5)の通路(35)を通って延在し、前記通路(35)が、前記三相ステータの軸線(3)に垂直に延在する方向(36)に沿って形成される、請求項1に記載の三相ステータ。
【請求項4】
前記方向(36)が、前記三相ステータの軸線(3)と離隔している、請求項2に記載のステータ。
【請求項5】
前記接続導体要素(25)のそれぞれが、前記三相ステータの軸線(3)に直交する平面に沿って配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載の三相ステータ。
【請求項6】
前記絶縁支持要素(24)が、ガスケットリング(32)又は封止材を介して、前記外側部分(30)に結合される、請求項1に記載のステータ。
【請求項7】
前記電気コネクタ(20)を前記ハウジングポケット(31)に挿入するステップであって、
a)前記ハウジングポケット(31)を閉じるように、前記電気コネクタ(20)を前記ケーシング(5)に液密に結合する作業と、
b)前記内側端部(27)を前記接点(19)にそれぞれ配置する作業と
を含む、挿入ステップと、
前記挿入ステップの後に、前記固定手段(19)によって、前記内側端部(27)を前記接点(17)に固定するステップと、
前記固定ステップの後に、前記バスバー(13)、前記接点(17)、前記固定手段(19)、及び前記内側端部(27)を埋め込むように、前記ケーシング(5)内の内部空間(34)に封入材料(47)を充填するステップと、を含む、請求項1に記載の三相ステータの製造方法。
【請求項8】
前記三相ステータの前記軸線(3)に垂直に延在する方向(36)に沿って、前記電気コネクタ(20)の挿入が行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記電気コネクタ(20)の挿入が、ガスケットリングを介して、前記絶縁支持要素(24)を前記外側部分(30)に結合することによって、前記絶縁支持要素(24)を前記ハウジングポケット(31)に係合させる作業を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記充填ステップが、ポッティングによって行われる、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本特許出願は、2022年9月12日に出願されたイタリア特許出願第102022000018492号の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電動機の三相ステータに関する。
【0003】
本発明は、車両に設置され、(電気を吸収して機械的トルクを生成する)モータ、又は、(機械的エネルギーを電気に変換する)発電機として使用することができる、自動車用電動機に有利に適用される。
【背景技術】
【0004】
回転式の自動車用電動機は、中心回転軸を中心に回転することができるように取り付けられたシャフト、シャフトと一緒に回転するようにシャフトに取り付けられた、一般に永久磁石を有するロータ、及び、ロータの周りに配置され、その内部にロータを囲むステータを備える。
【0005】
ステータは、一般に、ステータ巻線からの電流を収集する内部バスバーに接続された、複数の接続要素を有する、外部電気コネクタを備える。一般に、これらのバスバーは、外部の水及び湿気に対してステータの電気部品を遮断する機能、並びに、バスバーによって生成された熱を伝導し、したがって放散する機能を果たす、樹脂に包まれる、又は埋め込まれる。
【0006】
上述した公知のソリューションを改良することが必要とされており、特に、それらの水密性を改善し、電気接続要素をバスバーに結合する方法を単純化し、ステータ、したがって電動機の軸方向の寸法を縮小する必要がある。
【0007】
独国特許出願公開第10316435号には、2つのガスケットを介して、モータのハウジング及びエンドカバーにそれぞれ結合される、射出成形部を有するコネクタを備えた、電気モータが開示されている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、上述した必要性を比較的簡単かつ効率的に満たす、電動機の三相ステータを提供することである。
【0009】
本発明によれば、軸に沿って延在し、
ケーシングと、
ケーシング内、及びケーシングの軸方向端部にそれぞれの接点を保持する、3つのバスバーと、
3つの外部端子と、
各接点を、それらの外部端子に電気的に接続する、固定手段と、
各バスバーが埋め込まれる封入材料と、を備え、
ケーシングに液密に結合された、封入材料とは異なる電気コネクタを備え、この電気コネクタは、外部端子を画定する、それぞれの外側端部、及び、ケーシングの内側の、それぞれの内側端部を有する、3つの接続導体要素を備え、
内側端部は、固定手段によって接点にそれぞれ固定され、
接点、固定手段、及び内側端部は、封入材料に埋め込まれており、
ケーシングは、ハウジングポケットを画定する外側部分を備え、
電気コネクタは、接続導体要素を支持し、ハウジングポケットと液密に係合する絶縁支持要素を備えることを特徴とする、電動機の3相ステータが提供される。
【0010】
本発明はまた、
電気コネクタを、ハウジングポケットに挿入するステップであって、
a)ハウジングポケットを閉じるように、電気コネクタをケーシングに液密に結合するステップと、
b)各内側端部を、それぞれ接点に配置するステップを含む、ステップと、
挿入ステップの後に、固定手段によって、内側端部を接点に固定するステップと、
固定ステップの後に、バスバー、接点、固定手段、及び内側端部を埋め込むように、ケーシング内の内部空間に封入材料を充填するステップと、を含む、三相ステータの製造方法に関する。
【0011】
更に、本発明の好ましい実施形態は、添付の従属請求項に定義される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
次に、好ましい非限定的な実施形態を示す、添付の図面を参照して、本発明の説明を行う。
【0013】
図1】本発明による電動機の三相ステータの、好ましい実施形態の斜視図である。
図2図1のステータの正面図である。
図3図2の平面断面III-IIIに従った、断面図である。
図4図1と同様であり、明瞭にするために一部の部分を取り除いた、ステータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1において、参照番号1は、全体として、特に自動車用途の、例えば可逆式の、同期電動機用三相ステータを示す(可逆式電動機とは、すなわち、電気を吸収して機械的トルクを生成する、電気モータとして、かつ、機械的エネルギーを吸収して電気を生成する、発電機としての両方として、機能することができるものである)。
【0015】
ステータ1は、電動機のロータ(図示せず)の回転軸に対応する、軸線3に沿って延在し、基本的には、このロータを内側に取り囲むような、円筒形の管状である。
【0016】
ステータ1は、ケーシング5、並びに、ケーシング5内に配置され、複数の磁極7で構成される、磁気コア6を備える。各磁極7の周りには、2つの端部を有する対応するコイルが、詳細には図示されていない、公知の方法で配置される。
【0017】
コイルの端部はすべて、コア6の軸方向の片側、すなわち図3では左側に配置されており、三相巻線を形成するために、それらを互いに接続することができる。特に、コイルは、詳細には図示されていない方法で、特に、開いているか閉じているかにかかわらず、リング状、例えば円形状の、3つのバスバー13に接続される。図示の好ましい実施形態によれば、各バスバー13は、軸線3に対して垂直に配置され、上述したように、(例えば、小さめの円弧、又は大きめの円弧のような)円形状の平板からなる。バスバー13は、軸線3に対して互いに同軸であり、同様に軸線3に対して同軸である絶縁支持体を間に挟んで、軸方向に束ねられる。
【0018】
図4を参照すると、バスバー13は、上述した三相巻線の端子を画定する、対応する接点17を保持しており、対応する固定装置19を介して、ステータ1、したがって電動機の接続部を外部に画定する、電気コネクタ20に接続される。接点17は、好ましくは、それぞれのバスバー13の、折り曲げられたた部分によって画定される。言い換えれば、各接点17は、対応するバスバー13と一体である、折り曲げられたプレートである。
【0019】
図2に見られるように、各接点17は、ハトメを画定し、すなわち、貫通孔21を有する。この貫通孔は、軸線3に対して平行かつ離隔した、軸線22に沿って形成され、以下でよりよく説明するように、上述した固定装置19の一部である、対応するねじ23によって係合される。
【0020】
再び図4を参照すると、本発明の一態様によれば、電気コネクタ20は、絶縁支持要素24、並びに、絶縁支持要素24によって支持された、3つの接続導体要素25を備える。接続導体要素25は、互いに離隔しており、好ましくは、ワイヤによって画定されず、基本的に剛性の要素、すなわち、ワイヤよりも低可撓性の要素によって画定される。例えば、それらは、軸線3に直交する同じ平面に沿って配置された、平坦な複数の薄板によって画定される。あるいは、接続導体要素25は、異なる形状及び/又は構造のものにすることができ、例えばバー又はピンの形状にすることができる。更なる変形例として、接続導体要素25を可撓性のものにすることができる。例えば、軸線3に沿って公差を埋め合わせることができるように、厚さ10分の1ミリメートル程度の銅を積層して作製された要素によって、画定することができる。
【0021】
絶縁支持要素24は、好ましくは、例えば、接続導体要素25上にオーバーモールドされた、ポリマー材料からなる(あるいは、接続導体要素25を、絶縁支持要素24の座部に挿入してもよい)。より具体的には、各接続導体要素25は、絶縁支持要素24に埋め込まれた中間部分26(図3)、並びに、それぞれ参照番号27及び28で示される、互いに反対側に配置された、2つの端部を備える。2つの端部は、中間部分26によって覆われておらず、一方がケーシング5の外側に、他方がケーシング5の内側に配置される。
【0022】
ケーシング5は、好ましくは、軸線3と同軸の円筒部分29、並びに、特に、円筒部分29から径方向に突出し、座部又はハウジングポケット31の境界を定める付属物30によって画定された、外側部分を備える。座部又はハウジングポケット31は、絶縁支持要素24によって液密に係合される。この密封は、図示の特定の実施例では、絶縁支持要素24の中間部分33を囲み、中間部分33と、付属物30を画定する環状壁との間に配置された、ガスケットリング32によって保証される。
【0023】
あるいは、絶縁支持要素24の一部、及び/又は、付属物30によって、すなわち絶縁支持要素24の部分33と、付属物30を画定する環状壁との間の干渉結合によって、この密閉を保証することもできる。
【0024】
あるいは、この密閉は、ポケット31内に配置された、封止材によって保証することもできる。
【0025】
図3を参照すると、ハウジングポケット31は、通路35を介してケーシング5の内側に設けられた、容積又は空間34と連通している。通路35は、軸線3に垂直に向けられた方向36に沿って形成され、特に離隔しており、したがって軸線3に対して接線方向であり、3つの接続導体要素25に対して平行である。
【0026】
絶縁支持要素24の部分33は、好ましくは、方向36に沿って、ハウジングポケット31の底部を画定する、表面37に載置される。特に、絶縁支持要素24は、加えて、ケーシング5の空間34内で、通路35と係合し、部分33から始まって突出する、部分39を備える(図4)。
【0027】
接続導体要素25の端子28は、ステータ1の外部端子を画定する。端子28は、好ましくは、付属物30を越えて、すなわちハウジングポケット31の外側に、(方向36に平行に)突出する。あるいは、端子28をハウジングポケット31の内部に収容することもできる。図示の特定の事例では、端子28は、それぞれのハトメを画定し、すなわち、使用時に電気配線(図示せず)に恒久的に接続される、それぞれの貫通孔を、例えば軸線3に平行な軸に有する。
【0028】
同様に、図3を参照すると、この特定のソリューションでは、接続導体要素25の端部27は、それぞれのハトメを画定する、すなわち、それぞれの貫通孔44を有する。これらは、それぞれ対応する軸線22に沿って、対応する孔21と同軸であり、それぞれがねじ23によって係合される。言い換えれば、ねじ23は、軸線22に沿って延在し、接続導体要素25の端部27を、それぞれの接点17に固定する。例えば、各固定装置19は、ねじ23のねじ軸部にねじ込まれ、バスバー13がある側の対応する接点17の面に向かって、軸方向に締め付けられる、ナット46を備え、ねじ23の頭部は、軸方向の反対側(端部27が配置される側)に配置される。
【0029】
図示されていない変形例によれば、ねじ23、ナット46、及び/又は、孔44及び/又は孔21は存在せず、異なる固定装置、例えばリベットピン、又は接続導体要素25をバスバー13に固定するための溶接(例えばレーザ溶接)で、置き換えることができる。
【0030】
本発明の一態様によれば、バスバー13、接点17、固定装置19、及び電気コネクタ20の端部27は、電気絶縁材料、典型的には樹脂からなる、本体47に埋め込まれる。本体47の材料は、好ましくは、熱伝導体となり、したがって、これらの電気部品から生じる熱を伝導し、放散するように選択される。特に、この種のソリューションによれば、本体47は、樹脂製の、いわゆる封入部を画定する。より具体的には、ステータ1の製造中に、本体47は、「ポッティング」と呼ばれる技術を使用して形成され、すなわち、(後に硬化によって固まる)流体形態の樹脂注入成型を用いて、上述した電気部品の周りに得られた、空間34を充填する。この充填作業は、以下の作業の後に行われる。
・ハウジングポケット31内の方向36に沿って、電気コネクタ20を、通路35を介して挿入する。この挿入作業中に、絶縁支持要素24は、ケーシング5(特に、例として上述した付属物30に対して)に液密に結合される。付属物30を画定する壁部は、挿入中にガイド機能も果たす。この挿入は、絶縁支持要素24の部分33が、底部の表面37に当接したときに終了する。この時点で、接続導体要素25の端部27は、軸線22に沿って、対応する接点17と整列した位置に配置される。
・この位置決めを行った後、ねじ23、又は他の技法(例えば、溶接)によって、端部27を対応する接点17に固定する。
【0031】
特に、コネクタ20は、挿入及び固定中に、3つの接続導体要素25を比較的安定した位置に維持するのに、十分な剛性を有する。
【0032】
充填中に、絶縁支持要素24とケーシング5との間にもたらされた液密性のおかげで(すなわち、図示の具体的な実施例では、ガスケットリング32のおかげで)、通路35がコネクタ20の絶縁支持要素24によってどのように塞がれるかは、明らかである。したがって、封入樹脂とは異なる要素であり、栓の機能を果たすコネクタ20のおかげで、充填中及びそれに続く樹脂硬化ステップ中に、樹脂が通路35を通って、ケーシング5から流出することはない。
【0033】
上記のことから、本発明に従って想定される、ステータのソリューションの利点は明らかである。
【0034】
第1に、通路35及び接続導体要素25を径方向に配置することにより、三相の引出し口のための電気接続部品が軸線3に平行に方向付けられる、公知のソリューションと比較して、ステータ1の軸方向寸法を大幅に低減することができる。更なる成果は、本体47の材料で充填される空間34の寸法が、比較的小さいことである。同時に、本体47によって画定される封入部には、電気コネクタ20の端部27及び固定装置19があり、そのため、このソリューションでは、バスバー13のみが封入される公知のソリューションと比較して、より良好な水密性が保証される。
【0035】
また、この本体47を構成する材料が熱伝導体であるように選択されることを考えると、この完全な封入により、電気部品によって生成される熱の放熱を改善することができる。更に、放熱性がより優れることにより、バスバー13による熱の生成を、より多く受け入れることができ、したがって、設計段階において、これらのバスバー13の厚さを低減することができ、その結果、ステータ1の重量を有利に低減することができる。
【0036】
更に、電気コネクタ20の特有の構造により、配線又は他の複雑な電気接続装置を回避することができ、接点17への固定中、及び本体47を形成するための、樹脂による空間34の充填中に、電気コネクタ20が安定した安全な位置に留まる、精密なソリューションがもたらされる。特に、電気コネクタ20の構造、及び本体47を画定する樹脂に完全に封入することにより、公知のソリューション、例えば、バスバーと外部端子との間に接続配線があるソリューションと比較して、提案されたソリューションを強化することが可能となり、その結果、使用中に、機械的応力に対するステータ1の耐性が改善される。
【0037】
更に、添付の図面で提案された特定のソリューションでは、接点17への固定が比較的簡単である。実際に、ねじ23が軸線3に平行であり、それらの頭部が軸方向外側を向いているということから、これらのねじ23は、容易にねじ止めされる。
【0038】
上記のことから、添付の特許請求の範囲によって定義される保護範囲から逸脱することなく、上述したステータ1、又はそこから生み出された変形物に、如何に修正を加えることができるかも、明らかである。
【0039】
特に、例示した様々な構成要素の形状及びサイズは、実施例として示したものとは異なっていてもよい。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】