IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エース電研の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040194
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】紙葉類回収搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/52 20060101AFI20240315BHJP
   B65H 29/58 20060101ALI20240315BHJP
   B65H 29/60 20060101ALI20240315BHJP
   B65H 29/24 20060101ALI20240315BHJP
   A63F 7/02 20060101ALI20240315BHJP
   G07D 11/237 20190101ALI20240315BHJP
   G07D 11/16 20190101ALI20240315BHJP
【FI】
B65H29/52
B65H29/58 C
B65H29/60 G
B65H29/24 A
A63F7/02 352F
G07D11/237
G07D11/16
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024005273
(22)【出願日】2024-01-17
(62)【分割の表示】P 2022207805の分割
【原出願日】2019-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000127628
【氏名又は名称】株式会社エース電研
(74)【代理人】
【識別番号】100121599
【弁理士】
【氏名又は名称】長石 富夫
(72)【発明者】
【氏名】阿部 敬敏
(57)【要約】
【課題】先端が切れた紙葉類(切れ札)であっても、副搬送管から取込装置を介して主搬送路に詰まりなく送り込むことのできる紙葉類回収搬送システムを提供する。
【解決手段】該システムは、複数の取込装置45を経由して目的地へ向かう主搬送管内に発生させた空気流で紙幣を運ぶ主搬送装置と、遊技島内で回収した紙幣を一時蓄えて繰り出す中継装置と、中継装置から繰り出された紙幣を副搬送管内の空気流で取込装置45へ搬送する副搬送装置を備え、取込装置は副搬送管の終端に接続された進入通路部と、主搬送管の途中に介挿され、側壁の開口に進入通路部の出口が連通した介挿通路部とを有し、進入通路部はその入口から下流方向に延設され、紙幣の紙面に向けて内側に突出した複数のリブと、リブの下流側に設けられ紙葉類を開口から介挿通路部内へ送り出す搬送部と、リブと搬送部との間にあってリブの根本から頂側へ斜めに傾斜して搬送部に至る案内壁とを有する。
【選択図】図40
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内の複数の取り込み場所から紙葉類を回収し、その回収した紙葉類を空気流の作用で所定の目的地へ搬送する紙葉類回収搬送システムであって、
前記複数の取り込み場所を経由して前記目的地へ至るように延設された搬送管と、前記搬送管内に前記目的地へ向かう空気流を発生させる空気流発生装置と、前記複数の取り込み場所にそれぞれ設けられ、紙葉類を前記搬送管内へ送り出す紙葉類取込装置と、を備えた主搬送装置と、
前記紙葉類取込装置に対応して設けられ、所定のローカルエリアで回収した紙葉類を一時的に蓄える機能と、蓄えた紙葉類を繰り出す機能を備えた中継装置と、
前記中継装置とこれに対応する前記紙葉類取込装置とを繋ぐ副搬送管と、前記副搬送管内に前記紙葉類取込装置へ向かう空気流を発生させる往路空気流発生装置とを備え、前記中継装置から前記副搬送管内へ繰り出された紙葉類を前記往路空気流発生装置が発生させた空気流の作用で搬送して、前記紙葉類取込装置に受け渡す副搬送装置と、
を備え、
前記紙葉類取込装置は、
前記副搬送管の終端に接続され、搬送されてきた紙葉類を受け入れる進入通路部と、
前記主搬送装置の搬送管の途中に介挿され、側壁の開口に前記進入通路部の出口が連通した介挿通路部と、
を有し、
前記進入通路部は、
該進入通路部の入口から下流方向に延設され、受け入れた紙葉類の紙面に向けて内側に突出した複数のリブと、
前記リブの下流側に設けられ、前記受け入れた紙葉類を搬送して前記開口から前記介挿通路部内へ送り出す搬送部と、
前記リブと前記搬送部との間にあって前記リブの根本から頂側へ斜めに傾斜して前記搬送部に至る案内壁と、
を有する
ことを特徴とする紙葉類回収搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送管内に発生させた空気流によって紙幣などの紙葉類を搬送して回収する紙葉類回収搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣の投入を受けて遊技者に遊技球(パチンコ球など)を貸し出す遊技球貸機とパチンコ機などの遊技機とを一組にしたものを複数組併設収容した遊技機島の内部には、各遊技球貸機に投入された紙幣を遊技機島の端部に設けた金庫まで搬送する搬送装置が遊技機島の長手方向に沿って設けてある。
【0003】
また、下記特許文献1および特許文献2には、遊技場内に分散する各遊技機島の金庫に蓄えられている紙幣を、閉店後など店員が各遊技機島を回って回収して店舗の事務所にある主金庫に運んで保管する作業を軽減するために、遊技場内の各遊技機島の金庫から紙幣を回収して事務所の主金庫まで自動搬送する搬送システムが開示されている。
【0004】
このような搬送システムにおいては、搬送路を異なるフロアに跨って設置したり天井裏を通したりするなど各遊技場の事情に応じた多様な設置態様が求められるので、搬送路として、直線部のほか、進路を左右に変えるための湾曲部や、進路を水平方向から上下方向(あるいは上下方向から水平方向)に変えるための湾曲部を備えることが望ましい。
【0005】
しかし、紙幣は、紙面を内側に向けて曲げること(紙面に直交する方向が径方向となる湾曲)は容易であるが、これと直交する方向の変形(紙面を含む平面内での湾曲)はしない。そのため、前者の方向に紙幣が湾曲しながら通る湾曲部のみを用意し、たとえば、横姿勢で紙幣を搬送する場合、進路を水平から上下に変える箇所では横姿勢のままその湾曲部を通過させ、進路を左右に変える箇所では、湾曲部の前後に紙幣の姿勢を横姿勢と縦姿勢の間で入れ替えるねじり管を配置して対応していた。
【0006】
すなわち、湾曲部の上流側のねじり管で紙幣を横姿勢から縦姿勢に変えた後、湾曲部で進路を左右に変更し、その湾曲部の下流のねじり管で紙幣の姿勢を縦姿勢から元の横姿勢に戻すといったことが行われていた。
【0007】
また、特許文献1、2によれば、各遊技機島の金庫から紙幣を回収して事務所の主金庫まで搬送する主搬送路は天井裏や天井近くに設置されるため、遊技機島の金庫からその上方にある主搬送路まで紙幣を縦に搬送する副搬送路を設け、該副搬送路の終端に該副搬送路によって搬送されてきた紙幣を主搬送路に送り込む取込装置を設置していた。副搬送路は、管状であり、その中を下方から上方に向かう空気流を空気流発生装置によって発生させ、該空気流の作用で移動する搬送補助体で紙幣を下方から押し上げて搬送するようになっている。搬送完了後は空気流を停止させることで搬送補助体を下方の待機位置へ自然落下させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2018-2378号公報
【特許文献2】特開2014-198617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
湾曲部として、紙幣が紙面を内側に曲げながら通るタイプの湾曲部のみを用意し、他の方向のカーブに対して該湾曲管の前後にねじり管を設けて対応する方法では、複雑な構造のねじり管を必要とするため部品コストが嵩んでしまう。また、ねじり管の部分では紙幣が詰まりやすい。特許文献1、2では、湾曲部の前後にねじり管を集中配置することで、点検や詰まり解消の作業の容易化を図っているが、紙幣の詰まりが根本的に解消されるものではない。さらに搬送管内壁への紙幣の張り付きを低減するには紙幣を縦姿勢で搬送することが望まれる。
【0010】
また、副搬送路から取込装置を介して主搬送路に紙幣を送り込む部分で、Z字状に折れ曲がった紙幣(Z札)、先端が切れた紙幣(切れ札)、カールした紙幣(カール札)等が詰まり易かった。また、特許文献1に開示の取込装置は、取り込んだ紙幣を搬送ベルトと挟持ローラで挟持して主搬送路へ送り出す搬送部を備えているが、Z札が折り込まれた状態のまま挟持されると、主搬送路への出口手前にある排出ローラへの巻き込み等が発生し、紙幣の端部が破けたり傷ついたり、紙幣が詰まったりする等の問題が起きてしまう。
【0011】
また、空気流発生装置が送り出す下方から上方への空気流の作用を受けて移動する搬送補助体で紙幣を下方から押し上げて搬送し、この空気流を停止することで搬送補助体を下方の待機位置へ自然落下させて戻す構成の副搬送装置では、取込装置から待機位置へ戻る経路の最初の部分が水平になっているような場合には対応できない。また、空気流に関する制御内容は、下方から上方に向かう空気流のオンオフや強弱に制限されるので、空気流の制御のみで詰まりを防いだり、詰まりを解除したりするには限界があり、詰まりの解除に人手を要する場合が多かった。
【0012】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、先端が切れた紙葉類(切れ札)であっても、空気流の作用で搬送する副搬送装置から取込装置を介して主搬送路に詰まりなく送りこむことのできる紙葉類回収搬送システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0014】
[1]施設内の複数の取り込み場所から紙葉類を回収し、その回収した紙葉類を空気流の作用で所定の目的地へ搬送する紙葉類回収搬送システムであって、
前記複数の取り込み場所を経由して前記目的地へ至るように延設された搬送管と、前記搬送管内に前記目的地へ向かう空気流を発生させる空気流発生装置と、前記複数の取り込み場所にそれぞれ設けられ、紙葉類を前記搬送管内へ送り出す紙葉類取込装置と、を備えた主搬送装置と、
前記紙葉類取込装置に対応して設けられ、所定のローカルエリアで回収した紙葉類を一時的に蓄える機能と、蓄えた紙葉類を繰り出す機能を備えた中継装置と、
前記中継装置とこれに対応する前記紙葉類取込装置とを繋ぐ副搬送管と、前記副搬送管内に前記紙葉類取込装置へ向かう空気流を発生させる往路空気流発生装置とを備え、前記中継装置から前記副搬送管内へ繰り出された紙葉類を前記往路空気流発生装置が発生させた空気流の作用で搬送して、前記紙葉類取込装置に受け渡す副搬送装置と、
を備え、
前記紙葉類取込装置は、
前記副搬送管の終端に接続され、搬送されてきた紙葉類を受け入れる進入通路部と、
前記主搬送装置の搬送管の途中に介挿され、側壁の開口に前記進入通路部の出口が連通した介挿通路部と、
を有し、
前記進入通路部は、
該進入通路部の入口から下流方向に延設され、受け入れた紙葉類の紙面に向けて内側に突出した複数のリブと、
前記リブの下流側に設けられ、前記受け入れた紙葉類を搬送して前記開口から前記介挿通路部内へ送り出す搬送部と、
前記リブと前記搬送部との間にあって前記リブの根本から頂側へ斜めに傾斜して前記搬送部に至る案内壁と、
を有する
ことを特徴とする紙葉類回収搬送システム。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る紙葉類回収搬送システムが設置される遊技場の店内レイアウトの一例を示す図である。
図2】本発明に係る紙葉類回収搬送システムの全体を示す図である。
図3】遊技島に設置された島内紙幣搬送装置の概略構成を示す図である。
図4】搬送管内の紙幣を、該紙幣の後端側から搬送補助体が押し動かす状態を示す説明図である。
図5】直線部分の搬送管を示す斜視図である。
図6】直線部分の搬送管の延設方向に垂直な断面図である。
図7】搬送補助体の平面および正面を示す図である。
図8】搬送管内に搬送補助体を挿入した状態における搬送管および搬送補助体を示す断面図である。
図9】中継ボックスと副搬送装置と取込装置の位置関係の一例を示す図である。
図10】ねじり管の構成を示す図である。
図11】中継ボックスと副搬送装置と取込装置の位置関係の他の一例を示す図である。
図12】中継ボックスと副搬送装置と取込装置の位置関係の他の一例を示す図である。
図13】タイプ1の第2湾曲管を示す斜視図である。
図14】タイプ1の第2湾曲管の正面および平面を示す図である。
図15図14のA-A断面図である。
図16】タイプ2の第2湾曲管を示す斜視図である。
図17】タイプ2の第2湾曲管の正面および平面を示す図である。
図18図17のB-B断面図である。
図19】折れ等のない正常札がタイプ1の第2湾曲管を通過する様子を示す図である。
図20】折れ等のない正常札がタイプ2の第2湾曲管を通過する様子を示す図である。
図21】各種の異常札を例示する図である。
図22】異常札(Z札)がタイプ1の第2湾曲管を通過する様子を示す図である。
図23図22と同じ異常札がタイプ2の第2湾曲管を通過する様子を示す図である。
図24】副搬送装置とこれに接続された取込装置(およびその前後の主搬送管)を示す断面図である。
図25】副搬送装置の紙幣送り出し装置とその周辺を示す断面図である。
図26】取込装置の外観を示す平面図である。
図27図26のC-C断面図である。
図28図26の取込装置を図27のD-D線の位置で切断した断面図である(挟持ローラは退避位置)。
図29】挟持ローラが挟持位置にある状態の取り込装置を示す断面図である。
図30】規制部、案内壁のない場合の取込装置(従来の取込装置)を示す図である。
図31】カールした紙幣の端部がリブ間に入り込む様子、およぶこの入り込みを規制部が阻止する様子を示す説明図である。
図32】従来の取込装置において、カールした紙幣が挟持ローラと搬送ベルトの間に挟まれてカールした形状・傾いた姿勢のまま固定されて搬送される様子を示す図である。
図33】紙幣が図32の状態のままさらに搬送されて紙幣排出ローラに到達した様子を示す図である。
図34】規制部を有する取込装置においてカールした紙幣の先端が通過部を通過する様子を示す図である。
図35】規制部を有する取込装置においてカールしていた紙幣が繰り出しローラの手前に到達した様子を示す図である。
図36】規制部を有する取込装置においてカールしていた紙幣が繰り出しローラの間へほぼ真っ直ぐに進入した様子を示す図である。
図37図26の矢印E方向から見た取込装置を示す図である。
図38】従来の取込装置を図37と同様の状態で見た様子を示す図である。
図39】本発明に係る取込装置と従来の取込装置の通過部出口における紙幣厚み方向の幅E1、E2を対比して示す図である。
図40】案内壁を有する取込装置の通過部から搬送部への移行部分を示す斜視図である。
図41】案内壁を設けていない取込装置の通過部から搬送部への移行部分を示す斜視図である。
図42】中継ボックスから取込装置の介挿通路部内へ紙幣を正常に搬送する際の副搬送装置および取込装置の動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る紙葉類回収搬送システム1(図2参照)が設置される遊技場2の店内レイアウトの一例を示している。遊技場2内には、複数の遊技機島3が通路を隔てて複数配列されている。各遊技機島3には、紙幣の投入を受けて遊技者に遊技球(パチンコ球)を貸し出す遊技球貸機4とパチンコ機などの遊技機5とを一組にしたものが背中合わせになるようにして表裏面に複数組併設収容されている。遊技機島3の内部には、各遊技球貸機4の背面から排出された紙幣を取り込んで遊技機島3の端部の中継ボックス6まで搬送する島内紙幣搬送装置7が設けてある。
【0018】
図2は、紙葉類回収搬送システム1の全体構成を示している。紙葉類回収搬送システム1は、各遊技機島3をローカルエリアとし、各遊技機島3内の島内紙幣搬送装置7が遊技球貸機4から回収した紙葉類を一時的に蓄える機能と、蓄えた機能を繰り出す機能を有する中継ボックス(中継装置)6と、各店内に張り巡らされて各遊技機島3の中継ボックス6の上方を通って紙葉類を事務所の金庫41まで搬送する主搬送装置8と、中継ボックス6から繰り出された紙幣を、該中継ボックス6の上方を通る主搬送装置8の搬送路(主搬送管40)まで搬送する副搬送装置9を備えて構成される。主搬送装置8の搬送路(主搬送管40)は、たとえば、遊技場2の天井裏を通るように設置される。
【0019】
中継ボックス6は、該中継ボックス6に係る島内紙幣搬送装置7、副搬送装置9および該副搬送装置9に接続された取込装置45を制御する制御部23(図3参照)を内部に備えている。また、事務所の金庫4内には、紙葉類回収搬送システム1全体の動作を制御する主制御部が設けてあり、主制御部と各中継ボックス6内の制御部は通信で接続されて連携動作する。
【0020】
図3は、島内紙幣搬送装置7の概略構成を示す図である。島内紙幣搬送装置7は、紙幣(紙葉類)の搬送路となる搬送管12(島内搬送管)と、搬送管12内にその延設方向に流れる空気流を発生させる空気流発生装置(ブロア)14を備えている。島内紙幣搬送装置7は、空気流を受けて搬送管12内を移動可能な搬送補助体16を、搬送対象の紙幣Pより上流で搬送管12内へ挿入し、該搬送補助体16で搬送管12内の紙幣Pを後方から押し動かして下流へ搬送する。
【0021】
遊技機島3の端部に設けられた中継ボックス6の内部に、空気流発生装置14と、紙幣分離・搬送補助体循環装置11が設けてある。紙幣分離・搬送補助体循環装置11は、搬送補助体16を搬送管12内に送り出す搬送補助体挿入装置11aの機能と、紙幣Pとこれを後方から押し動かして搬送してきた搬送補助体16とを分離してそれぞれを回収する分離回収装置11bの機能を備えると共に、回収した搬送補助体16を搬送補助体挿入装置11aに戻して循環させる機能を果たす。分離回収装置11bで回収した紙幣Pは中継ボックス6内に一時収納された後、副搬送装置9へ送り出される。
【0022】
空気流発生装置14の空気吹き出し側(空気吹出通路14a)は搬送補助体挿入装置11aの空気流入口側に接続され、搬送補助体挿入装置11aの空気流出口に、搬送管12の始端が接続されている。搬送管12は、搬送補助体挿入装置11aの空気流出口から遊技機島3の他方の端部まで延設された往路12aと、該他方の端部でU字状に折り返すターン部12bと、ターン部12bで折り返した後、往路12aの上方を該往路12aに沿って中継ボックス6まで戻るように延設された復路12cで構成される。復路12cの終端は、分離回収装置11bの空気流入口に接続され、分離回収装置11bの空気流出口には空気流発生装置14の空気吸い込み側(空気吸込通路14b)が接続されている。
【0023】
空気流発生装置14はモータでファンを回転させることによって空気流を発生させる。空気流発生装置14が発生させた空気流は、空気吹出通路14aから搬送補助体挿入装置11aを通じて搬送管12の始端に流れ込み、往路12a、ターン部12b、復路12cを経た後、分離回収装置11b、空気吸込通路14bを通じて空気流発生装置14の吸い込み側へ引き込まれるように流れる。
【0024】
搬送管12の往路12aおよび復路12cは、所定の長さ、たとえば、遊技機島3に併設収容された遊技機5と遊技球貸機4の1セット分の横幅に対応した長さを単位に分割されており、これらを連結ユニット17で必要本数連結することで、遊技機島3の長手方向の長さに応じて経路長を調整できるようになっている。また、施工現場では、搬送管12を必要な長さにその場でカットして使用するようになっている。
【0025】
搬送管12の復路12cの途中には、各遊技球貸機4に対応する位置に、遊技球貸機4の背面から排出された紙幣Pを搬送管12内へ取り込む紙幣取込装置18が配設されている。紙幣取込装置18は、遊技機島3の表面側に配置された遊技球貸機4からの紙幣Pを取り込むものと、遊技機島3の裏面側に配置された遊技球貸機4からの紙幣Pを取り込むものとが対となるように設けられている。紙幣取込装置18は、復路12cを構成する搬送管12と搬送管12の間に介在してこれらを連結する役割を果たす。
【0026】
島内紙幣搬送装置7では、紙幣取込装置18から搬送管12の復路12c内に取り込まれた紙幣Pは、その紙面が搬送管12の延設方向に沿う姿勢で所定の取り込み完了位置に滞在する。搬送管12内に取り込まれて滞在している紙幣Pを中継ボックス6まで搬送して回収するために搬送補助体16が中継ボックス6内の搬送補助体挿入装置11aによって搬送管12内へ送り込まれる。
【0027】
搬送管12内へ送り込まれた搬送補助体16は、空気流発生装置14が発生させた空気流の作用を受けて往路12a内をターン部12bに向けて移動し、ターン部12bでUターンした後、復路12c内を終端部に向けてさらに移動する。このとき、図4に示すように、搬送管12内の紙幣Pを、該紙幣Pの後端側から搬送補助体16が押し動かすことで、搬送管12の終端部へ向けて(図中の搬送方向Fへ)紙幣Pが搬送される。図4に示すように、搬送管12において紙幣Pは紙面が鉛直な縦姿勢で搬送される。
【0028】
紙幣分離・搬送補助体循環装置11や紙幣取込装置18は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを主要部とする制御部23(図3参照)に制御されて動作する。
【0029】
本例では、空気流発生装置14は常時作動させておき、制御部23は、紙幣取込装置18に設けたセンサが遊技球貸機4の背面から排出された紙幣Pを検知すると紙幣取込装置18を作動させて該紙幣Pを搬送管12内に取り込む。そして、この取り込み動作が完了したら紙幣分離・搬送補助体循環装置11の搬送補助体挿入装置11aから搬送補助体16を搬送管12内へ送り込む。すると、この搬送補助体16が空気流の作用を受けて搬送管12内を移動し、紙幣Pを後方から押し動かして搬送する。そして、中継ボックス6内の分離回収装置11bは搬送補助体16の到来を検知すると紙幣Pと搬送補助体16を分離してそれぞれを回収し、その回収した搬送補助体16は次回の送出に備えて搬送補助体挿入装置11aへ案内し、回収した紙幣Pは中継ボックス6内に一時収納した後、副搬送装置9(図2参照)へ送り出す。
【0030】
なお、空気流発生装置14を必要時(たとえば、紙幣取込装置18が遊技球貸機3からの紙幣を検知した時点からその紙幣が中継ボックス6内の分離回収装置11bよって回収されるまでの間)のみ動作させるように制御してもよい。
【0031】
このように、空気流の作用を受けて搬送補助体16が移動し、この搬送補助体16によって紙幣Pを後端側から押し動かして搬送するので、紙幣P自体は空気流を受けて推進力を得る必要がない。したがって、空気流を受けるために紙幣Pを折り曲げる等の措置を施すことなく、紙幣Pを空気流によって搬送することができる。また、搬送補助体16は紙幣Pに比べて効率よく空気流から推進力を得ることができるので、紙幣Pを効率よく搬送することができる。
【0032】
次に、搬送管12および搬送補助体16の形状について詳細に説明する。
【0033】
図5は、直線部分(往路12aおよび復路12cの部分)における搬送管12の斜視図を、図6は、同部分の搬送管12の延設方向F(=紙幣の搬送方向F=空気流の流れる方向)に垂直な断面形状を示す断面図である。搬送管12は、厚さ1.5ミリほどの樹脂で形成されている。搬送管12は、たとえば、押し出し成型によって形成される。
【0034】
搬送管12の直線部分の延設方向Fに垂直な断面の断面形状は、縦長の長方形の左右の側壁の中央部分が外側へ矩形に拡張した形状を成している。詳細には、搬送管12は、上下の壁部31と、左右の側壁部32と、左右の側壁部32の上下方向の中央部分において外側へ矩形に張り出した拡張部33とを備えている。なお、搬送管12の延設方向(搬送方向F)に垂直な略長方形の断面における短辺方向をX方向(もしくは幅方向、左右方向)、長辺方向をY方向(もしくは高さ方向、上下方向)とする。X方向、Y方向それぞれにおいて搬送管12の中心に向かう方向を内側、中心から内壁へ向かう方向を外側と呼ぶものとする。なお、本実施の形態では、搬送管12をその断面における長辺が上下方向となる向きで使用するが、短辺が上下方向となる向きで使用されてもかまわない。
【0035】
拡張部33は、搬送管12の内側方向へ立設された分離壁34によって上下2つに区切られている。分離壁34は拡張部33の内壁にT字型の部材を貼り付けて形成されている。
【0036】
側壁部32には、搬送管12の内側方向へ突起した複数本のリブ35が搬送方向に沿って延設形成されている。本例では、側壁部32と拡張部33の境界部に搬送管12の内側へ突出するリブ35が搬送方向に沿って形成されている。分離壁34はリブ35と同じ高さになっており、分離壁34の頂部はリブとしての作用を果たす。
【0037】
側壁部32は、搬送される紙幣Pの紙面に対向する一対の内壁となっている。紙幣Pは長方形をなしており、搬送管12内を、長辺が搬送方向Fとなる向きで搬送される。言い換えると、紙面が搬送管12の側壁部32に対向しかつ紙幣Pの一方の短辺が搬送方向の先端側となり他方の短辺が後端側となる向きで搬送される。
【0038】
搬送管12の上の壁部31と下の壁部31との間隔Dyは紙幣Pの短辺より僅かに長くされている。また、左右の側壁部32(リブ35や拡張部33、分離壁34が形成されていない部分(基準平面部とする))の間隔Dxは21ミリほどに設定されている。左右の側壁部32に設けられた拡張部33はそれぞれ側壁部32(基準平面部)よりも外側へ6ミリほど拡張している。リブ35および分離壁34の頂は、側壁部32(基準平面部)から内側へ約2ミリの高さになっている。リブ35の高さは適宜に設定すればよい。
【0039】
図7は、搬送補助体16の平面および正面を示している。搬送補助体16は、各部で径が異なる断面円形の柱状を成している。搬送補助体16は、円柱の中心軸が搬送管12のY方向(高さ方向)となるように搬送管12内に挿入されて使用される。搬送補助体16は、上下対象な形状であり、上から順に、頭部16a、頭部よりやや径の小さい首部16b、頭部16aより径が大きい大径部16c、首部16bと同径であって上下の中央に位置する括れ部16d、大径部16c、首部16b、頭部16aを有して構成される。搬送補助体16は、軽量、丈夫であり、たとえば、プラスティックなどにより内部が空洞に形成される。なお、軽量、丈夫であれば、発泡スチロールや押出発泡ポリスチレンなどにより形成されてもよい。
【0040】
図8は、搬送管12内に搬送補助体16を挿入した状態における、延設方向Fに垂直であって搬送補助体16の中心軸を通る断面を示している。搬送補助体16の各部の径は、搬送管12の内縁形状に対応している。すなわち、搬送補助体16の中心軸を通る断面形状は、延設方向Fと垂直な断面における搬送管12の内縁形状に対応した形状となっており、搬送管12の内側を、内壁との間に所定のクリアランスをあけてほぼ塞ぐ形状になっている。
【0041】
このように、搬送補助体16は、搬送管12の内縁形状に対応する形状(若干のクリアランスをもってほぼ同一の形状)をなして搬送管12の断面のほぼ全体を塞ぐので、空気流の作用を効率よく受けて移動することができる。さらに搬送補助体16は上流からの空気流が搬送補助体16の下流側へ至るのを防ぎ、下流側での空気流の乱れを抑制する役割を果たす。
【0042】
紙幣Pは、搬送管12内の空気流から作用を受けると側壁部32に張り付く傾向にある。すなわち、紙幣Pの一方の紙面とこれに対向する側壁部32との間隔と、他方の紙面とこれに対向する側壁部32との間隔とが均等になることはほとんどなく、いずれかの間隔が他方より狭くなると、空気流の流速は狭い間隔側で広い間隔側より速くなるため、狭い間隔側の気圧が広い間隔側の気圧より低くなり、この気圧差によって紙幣Pが狭い間隔側の側壁部32へ吸着・押圧される。そうなると、狭い間隔側の間隔がさらに狭くなり、紙幣Pが側壁部32へ張り付き吸着する現象が生じる。
【0043】
紙幣Pが強く側壁部32に張り付くと、搬送補助体16で紙幣Pを押し動かして搬送することが難しくなるが、上記のように搬送補助体16はその下流側への空気の流れを遮る(少なくする)作用を果たすので、紙幣Pが張り付き吸着する力は小さくなり、円滑な搬送が実現される。
【0044】
搬送補助体16が有する2つの大径部16cは、搬送管12の分離壁34に区切られた2つの拡張部33のそれぞれに係合する。拡張部33は、搬送補助体16の大径部16cと係合することで、搬送管12内での搬送補助体の位置や姿勢を規制するガイドの役割を果たす。本例では、拡張部33を分離壁34によって2つに区切ると共に、これらの拡張部33を搬送管12のY方向の中央寄りに設けてあるので、搬送補助体16を安定した姿勢に維持して移動させることができる。また、搬送補助体16の姿勢が安定するので、紙幣Pの後端に搬送補助体16の大径部16cが線状に当接して安定した搬送力を与えることができる。また、搬送管12と搬送補助体16との間に紙幣Pが巻き込まれ難くなる。
【0045】
搬送補助体16は、大径部16cを設けることで、空気流の作用を受ける部分の面積が拡大し、移動するための力を効率よく受けることができる。また、大径部16cを設けて空気流の作用を効率的に受けるので、その分、頭部16aの径を小さくすることができる。頭部の径を小さくすることで、搬送管12内の対向する一対の側壁部32の間隔(幅(Dx))を狭くすることができ、紙幣Pの倒れを防ぐことができる。
【0046】
さらに、側壁部32に設けた複数本のリブ35の存在により、紙幣Pが側壁部32にぴったりと張り付くことが防止される。すなわち、紙幣Pと側壁部32との接触面積が少なくなって摩擦が軽減され、静電気の発生等を抑えることができる。また、紙幣Pが側壁部32に張り付いた場合でも、その紙幣Pはリブ35の先端部分で支持されるため、リブ35の周辺では側壁部32と紙幣Pとの間に隙間が確保され、張り付き力が小さく抑えられる。また分離壁34によって紙幣Pが支えられるので、紙幣Pが拡張部33の窪みに落ち込むことが防止される。
【0047】
また、側壁部32から内側に突出する複数のリブ35や分離壁34の頂部は、搬送管12の幅方向(X方向)における実質的な紙幣Pの通路幅Wを、基準平面部間距離Dxより狭くする役割を果たす。これにより、縦姿勢の紙幣Pが搬送管12内で横倒れし難くなり、紙幣Pの姿勢がY方向に沿うように保持される。特に、リブ35を複数設けることで、紙幣Pの倒れを適切に防ぐと共に、紙幣Pの側壁部32への張り付きも効果的に防止される。なお、リブ35を設けた分だけDxを大きくすることができ、これによって搬送管12の断面積を大きくして搬送補助体16が空気流の作用を受けやすくなっている。
【0048】
本実施の形態に係る搬送補助体16の場合、大径部16cの径が最も大きいので、図4に示すように、この大径部16cが紙幣Pの後端に当接して押し動かすようになる。なお、搬送補助体16の形状や搬送管12の形状は上記に限定されない。たとえば、大径部16cを1つのみ備える形状、径が一定の円柱状、軸中心に向けて次第に径が大きくなるラグビーボールのような形状であってもよい。
【0049】
島内紙幣搬送装置7の搬送管12は図4図5に示すように、縦姿勢にされており、紙幣Pは島内紙幣搬送装置7の搬送管12内を、紙面を上下に立てた姿勢(縦姿勢)で搬送される。遊技機島3においては、設置台数を多くするためにも、遊技球貸機4は正面の幅が狭く形成されるので、遊技球貸機4に設けられた紙幣投入口も、通常は、縦長にされ、該紙幣投入口に紙幣Pは紙面を立てた縦姿勢で挿入される。そのため、島内紙幣搬送装置7の搬送管12は、紙面を立てた縦姿勢のままで紙幣Pを遊技球貸機4から受け入れて、縦姿勢のまま搬送する。
【0050】
主搬送装置8は、島内紙幣搬送装置7の搬送管12と同じ構造の搬送管である主搬送管40を搬送路として有し(図2参照)、主搬送管40内に発生させた空気流で搬送補助体16を移動させ、この搬送補助体16で紙幣Pを後方から押して目的地(金庫41)へ搬送する。主搬送装置8の主搬送管40は全域で縦姿勢にされている。
【0051】
主搬送装置8は、金庫41の中に空気流発生装置14や搬送補助体挿入装置11a、分離回収装置11bを備えている。また、主搬送管40の途中(折り返し箇所)には中継装置44が介挿されている。中継装置44は、主搬送管40の往路から到来する搬送補助体16を受け入れて一度保持した後、主搬送管40の復路に送り出す機能を果たす。また、主搬送管40の往路の終端から空気を吸引し、復路の始端へ空気流を送り出すことによって空気流を強める機能を果たす。
【0052】
主搬送装置8の搬送路を構成する主搬送管40の復路の途中には、副搬送装置9によって搬送されてきた紙幣Pを縦姿勢で主搬送管40内に取り込む取込装置45が設けてある。
【0053】
副搬送装置9は、中継ボックス6から繰り出された紙幣Pを受け入れ、これを上方の天井裏等に延設された主搬送管40の復路の途中に設けられた取込装置45へ搬送する。副搬送装置9は、島内紙幣搬送装置7の搬送管12と同じ構造の副搬送管91を搬送路として備え、空気流で移動する搬送補助体16で紙幣Pを押し上げて搬送する。たとえば、図11に示すように、副搬送装置9は、紙幣Pを縦長の縦姿勢で上方へ搬送し、途中の第2湾曲管52で進路を水平方向に変更して紙幣Pを横長の縦姿勢とし、該横長の縦姿勢で紙幣Pを取込装置45へ受け渡す。
【0054】
なお、島内紙幣搬送装置7、主搬送装置8、副搬送装置9において紙幣Pを搬送する方式は、空気流と搬送補助体16を用いる方式に限定されるものではなく、たとえば、搬送補助体を用いずに空気流の作用で紙幣Pを搬送する方式であってよい。
【0055】
主搬送管40や副搬送管91は、直線管と、湾曲管を繋ぎ合わせて構成される。直線管は、図3図4に示す直線状の搬送管である。湾曲管には、紙幣Pが紙面を内側に曲げながら通って進行方向を90度変える第1湾曲管51と、紙面が平らなまま紙幣Pをその紙面が含まれた平面内でカーブさせて進行方向を90度変える第2湾曲管52の2種類がある。
【0056】
図2に示すように、紙幣Pを縦姿勢で搬送する場合、左右へ曲がる箇所では第1湾曲管51を使用し、進路を縦(上下方向)/横(水平方向)に変える箇所では第2湾曲管52を使用する。
【0057】
図9は、中継ボックス6と副搬送装置9と取込装置45の位置関係の一例を示している。図9図2の一部を拡大示したものである。副搬送装置9の副搬送管91は、直線管50、ねじり管54と、第2湾曲管52で構成されている。図9の例では、当初、紙幣Pは、紙面が取込装置45前後の主搬送管40内を搬送される紙幣Pと平行な向きの縦長の縦姿勢で直線管50を通じて上方へ進み、その後、ねじり管54を通して紙面の向きを縦長の縦姿勢のまま90度変更する。その後、紙幣Pは、第2湾曲管52を通じて進行方向を取込装置45へ向かう水平方向に変えて横長の縦姿勢となり、該横長の縦姿勢のまま直線管50を通して取込装置45へ受け渡される。取込装置45は、横長縦姿勢の紙幣Pを、その紙面が内側を向くように湾曲させ、進路を主搬送管40の延設方向に変更して、主搬送管40内へ送り出す。
【0058】
なお、図10に示すように、ねじり管54は、少量ずつねじられた短いサブねじり管54aを複数接続して所望の角度のねじりを実現する。ここでは、10個のサブねじり管54aを接続して90度のねじりを形成し、その下流端に搬送管との接続部54bを接続してある。接続部54bの部分にはねじれは無く直線状になっている。
【0059】
図11は、中継ボックス6と副搬送装置9と取込装置45の位置関係の他の一例を示している。図11では、副搬送装置9の副搬送管91は、直線管50と第2湾曲管52で構成されている。同図では、当初、紙幣Pは、紙面が取込装置45の前後の主搬送管40内を搬送される紙幣Pの紙面に垂直な向きの縦長の縦姿勢で直線管50を通じて上方へ進み、その後、第2湾曲管52を通じて進行方向を取込装置45へ向かう水平方向に変えて横長の縦姿勢となり、該横長の縦姿勢のまま直線管50を通して取込装置45へ受け渡される。取込装置45は、横長縦姿勢の紙幣Pを、その紙面が内側を向くように湾曲させ、進路を主搬送管40の延設方向に変更して、主搬送管40内へ送り出す。
【0060】
図12は、中継ボックス6と副搬送装置9と取込装置45の位置関係の他の一例を示している。図12では、副搬送装置9の副搬送管91は、直線管50、ねじり管54、第1湾曲管51および第2湾曲管52で構成されている。図12では、当初、紙幣Pは、紙面が取込装置45の前後の主搬送管40内を搬送される紙幣Pの紙面に垂直な向きの縦長の縦姿勢で直線管50を通じて上方へ進み、その後、縦長の縦姿勢のまま、ねじり管54を通して紙面の向きを90度変更し、紙面が主搬送管40内を搬送される紙幣Pの紙面と平行な向きにされる。その後、第2湾曲管52を通じて進行方向を水平方向に変えて横長の縦姿勢となり、さらに第1湾曲管51を経て横長縦姿勢のまま進路を左へ90度変更して、取込装置45へ受け渡される。取込装置45は、横長縦姿勢の紙幣Pを、その紙面が内側を向くように湾曲させ、進路を主搬送管40の延設方向に変更して、主搬送管40内へ送り出す。
【0061】
次に、第2湾曲管52の形状について詳細に説明する。タイプ1の第2湾曲管52aとタイプ2の第2湾曲管52bを示す。
【0062】
<タイプ1の第2湾曲管52a>
図13は、タイプ1の第2湾曲管52aを示す斜視図、図14はタイプ1の第2湾曲管52aの正面および平面を、図15図14のA-A断面図を示している。タイプ1の第2湾曲管52aの搬送方向に垂直な断面の形状は、搬送管12と基本的に同一であり、上下の壁部31、左右の側壁部32、拡張部33、分離壁34、リブ35を備える。
【0063】
タイプ1の第2湾曲管52aは、入口および出口においては搬送管12と同じ断面形状・サイズであるが、湾曲の外径側内壁と内径側内壁との距離(Dy)が、入口から出口に至る経路の中央部に向けて該経路の両端(入口および出口)から次第に大きくなるように形成されている。外径側内壁と内径側内壁との距離(Dy)は経路の中央部で最大になっている。
【0064】
また、入口から出口に至る経路のどの箇所においても、外径側内壁から拡張部33までの距離L1と内径側内壁から拡張部33までの距離L2は同じである(L1=L2)。拡張部33のDy方向の幅(Dy-(L1+L2))は入口から出口に至る経路のどの箇所においても一定である。
【0065】
よって、入口から出口に至る経路の何れの箇所においても拡張部33は外径側内壁と内径側内壁の中央に位置し、L1、L2は入口から中央部にかけて次第に増し、中央部から出口にかけて次第に減って出口において入口と同じ長さに戻っている。搬送補助体16は拡張部33に大径部16cを係合させて移動(拡張部33にガイドされて移動)するので、搬送補助体16は、第2湾曲管52a内を外径側内壁と内径側内壁の中央に位置しながら第2湾曲管52aを通過することになる。
【0066】
<タイプ2の第2湾曲管52b>
図16は、タイプ2の第2湾曲管52bを示す斜視図、図17はタイプ2の第2湾曲管52bの正面および平面を、図18図17のB-B断面図を示している。タイプ2の第2湾曲管52bの搬送方向に垂直な断面形状は、直線部50の搬送管12と基本的に同一であり、上下の壁部31、左右の側壁部32、拡張部33、分離壁34、リブ35を備える。
【0067】
タイプ2の第2湾曲管52bは、入口および出口においては直線部の搬送管12と同じ断面形状・サイズであるが、湾曲の外径側内壁と内径側内壁との距離(Dy)が、入口から出口に至る経路の中央部に向けて該経路の両端(入口および出口)から次第に大きくなるように形成されている。外径側内壁と内径側内壁との距離(Dy)は経路の中央部で最大になっている。
【0068】
タイプ1の湾曲部52aとの相違は次の点である。タイプ2の第2湾曲管52bでは、入口と出口では外径側内壁から拡張部33までの距離L1と内径側内壁から拡張部33までの距離L2は同じであるが、入口から経路の中央部にかけて次第にL2がL1より大きくなり、中央部から出口にかけてL2とL1の差が次第に減り、出口ではL1=L2に戻っている。ここでは、L1は入口から出口に至る経路のどの箇所においても一定であり、L2が中央部に近づくほど大きくなっている。
【0069】
したがって、拡張部33は第2湾曲管52bの入口と出口では外径側内壁と内径側内壁の中央に位置し、中央部に近づけば近づくほどL2が増える分、外径側内壁に片寄った位置にある。搬送補助体16は拡張部33に大径部16cを係合させて移動(拡張部33にガイドされて移動)するので、搬送補助体16は、第2湾曲管52b内を外径側内壁の方へ片寄りながら通過する。
【0070】
図19は、折れ等のない正常な紙幣(正常札)Pがタイプ1の第2湾曲管52aを通過する様子を示し、図20は、折れ等のない正常札Pがタイプ2の第2湾曲管52bを通過する様子を示している。図19に示すように、タイプ1の第2湾曲管52aでは、入口から出口に至る経路のどの箇所でも、内径側内壁とこれに対面する搬送補助体16の端部との隙間と、外径側内壁とこれに対面する搬送補助体16の端部との隙間は等しく、搬送補助体16は常に外径側内壁と内径側内壁の中央に位置しながら第2湾曲管52a内を通過する。
【0071】
図19図20に示すように、第2湾曲管52の入口および出口の近傍では、搬送補助体16の軸方向と紙幣Pの後端の辺とが平行なので、搬送補助体16の大径部16cが紙幣Pの後端の辺に広範囲に線状に接触して該紙幣Pを押し動かす。
【0072】
一方、入口から出口に至る経路の中央部では、搬送補助体16の軸方向に対して紙幣Pの後端の辺が傾斜した位置関係になる。そのため、搬送補助体16の大径部16cと紙幣Pの後端との接触面積は少なくなるが、折れ等のない正常札Pであれば、搬送補助体16の大径部16cが、紙幣Pの後端の角部分ではなく、紙幣Pの後端の辺の部分と線状に接触するので、搬送補助体16はしっかりと紙幣Pを押し動かすことができる。
【0073】
なお、搬送補助体16は軸方向の中央部が両端より太い大径部16cになっているので、搬送補助体16の軸方向に対して紙幣Pの後端の辺が傾斜した位置関係であっても、大径部16cが紙幣P後端の辺と線状に接触し易くなっている。
【0074】
搬送対象の紙幣Pには、図21に示すように、Z字状に折れ曲がったZ札、先端が切れた切れ札、角が折れた折れ札、カールしたカール札、先端や後端が紙面を内側にロールしたロール札など各種の異常札がある。湾曲部52はこのような異常札であっても詰まりなく通過し得るものでなければならない。
【0075】
図22は、異常札(たとえば、Z札)がタイプ1の第2湾曲管52aを通過する様子を示し、図23は、図22と同じ異常札Pがタイプ2の第2湾曲管52bを通過する様子を示している。
【0076】
図22に示すように、タイプ1の第2湾曲管52aでは、紙幣Pは、経路の中央部において、外径側内壁に先端および後端の角を接触させながら外径側内壁に片寄って進行するのに対して、搬送補助体16は、拡張部33にガイドされて外径側内壁と内径側内壁の中央を移動する。そのため、折れのために紙幣の高さが低くなったZ札などでは、搬送補助体16の大径部16cに、紙幣Pの後端の辺の部分ではなく、後端の角の部分が点で接触するようになる。その結果、搬送補助体16の大径部16cで紙幣Pを安定に押し動かすことができず、点接触している紙幣Pの角部が搬送補助体16の大径部16cから外れたり、大径部16から外れた箇所が第2湾曲管52aの内壁と搬送補助体16との間に挟まったりして、紙幣Pの詰まりの生じる場合がある。
【0077】
一方、図23に示すように、タイプ2の第2湾曲管52bでは、紙幣Pは、経路の中央部において、外径側内壁に先端および後端の角を接触させながら外径側内壁に片寄って進行し、搬送補助体16も拡張部33にガイドされて外径側内壁側へ片寄りながら移動する。そのため、折れのために紙幣の高さが低くなったZ札などであっても、搬送補助体16の大径部16cに、紙幣Pの後端の角部ではなく、後端の辺の部分が線状に接触し、搬送補助体16の大径部16cで紙幣Pを安定に押し動かすことができる。したがって、紙幣Pの後端が搬送補助体16の大径部16cから外れたり、大径部16から外れた紙幣Pが第2湾曲管52bの内壁と搬送補助体16との間に挟まったりすることなく、異常札であっても詰まりなく通過させることができる。
【0078】
なお、タイプ2の第2湾曲管52bは、異常札を考慮した場合、タイプ1の第2湾曲管52aより好ましい態様であるが、湾曲の半径が十分大ければタイプ1の第2湾曲管52aであってもZ札等の異常札を問題なく通過させることができる。
【0079】
なお、拡張部33の幅を、両端から中央部にかけて次第に増やすようにしてもよい。
【0080】
次に、副搬送装置9について説明する。
【0081】
図24は、副搬送装置9と該副搬送装置9に接続された取込装置45(およびその前後の主搬送管40)を示す断面図である。図24では副搬送管91の途中は図示省略されている。図24の下半部では、副搬送管91は上下方向に延設されており、上方へ搬送される紙幣の紙面に直交しかつ垂直な方向に副搬送管91の中央を切断した断面を示している。図24の上半部では、副搬送管91が取込装置45へ向けて水平に延設されており、横長縦姿勢で水平に搬送される紙幣の紙面に直交しかつ水平な方向に副搬送管91の中央を切断した断面を示している。
【0082】
副搬送装置9は、副搬送管91と、副搬送管91の中を往復移動する搬送補助体16と、副搬送管91の下端に取り付けられ、中継ボックス6からの紙幣Pを副搬送管91内に送り出す紙幣送り出し装置93と、副搬送管91内に紙幣送り出し装置93側から取込装置45側へ向かう空気流を発生させる往路空気流発生装置95と、副搬送管91内に取込装置45側から紙幣送り出し装置93側へ向かう空気流を発生させる復路空気流発生装置97を備えている。
【0083】
副搬送管91は、図9図11図12に示すように、直線管50と第2湾曲管52を繋いで、もしくはさらにねじり管54を繋いで構成される。
【0084】
図25に示すように、紙幣送り出し装置93は、副搬送管91と同様の断面形状を有して副搬送管91の下端に連通する通路部101と、該通路部101の一方の側壁に設けられた、紙幣Pを取り込むための紙幣取り込み開口102と、紙幣取り込み開口102から通路部101の中へ斜め上向きに紙幣Pを送り出すための搬送ローラ103等を備えている。紙幣取り込み開口102へ向かう紙幣通路の途中には、副搬送管91内の空気が外へ漏れないようにシャッタ104が設けてある。シャッタ104は紙幣通路を閉じる方向にバネで付勢されており、紙幣Pはこれを押し開いて通過する。
【0085】
通路部101の下端は幅狭になっており、搬送補助体16を受け止めて保持する待機位置となっている。また、通路部101の下端には、往路空気流発生装置95からの空気流の流入口および復路空気流発生装置97からの空気流の排出口となる下部通気口105が設けてある。復路空気流発生装置97からの空気流は下部通気口105、往路空気流発生装置95を経て外部へ排気される。
【0086】
図24に示すように、副搬送管91の上端は幅狭にされた紙幣通過口106を備えており、搬送補助体16は副搬送管91の上端の幅狭となった紙幣通過口106の周囲に当接して停止し、搬送補助体16によって搬送されてきた紙幣Pは紙幣通過口106を通過して取込装置45内へ進入する。副搬送管91の上端の幅狭部分で搬送補助体16が停止する位置を搬送完了位置とする。
【0087】
復路空気流発生装置97は、紙幣通過口106から取込装置45へ向かう通路の途中に通じており、復路空気流発生装置97からの空気流は紙幣通過口106から副搬送管91内へ送り込まれる。また、往路空気流発生装置95からの空気流は紙幣通過口106から復路空気流発生装置97を経て外部へ排気される。
【0088】
副搬送装置9は、図24に示すように、紙幣取り込み開口102を通過中の紙幣Pが有るか否かを検知する紙幣繰り出しセンサS11、待機位置に搬送補助体16が存在するか否かを検知する待機位置センサS12、搬送完了位置に搬送補助体16が存在するか否かを検知する搬送完了位置センサS13を備えている。
【0089】
紙幣繰り出しセンサS11、待機位置センサS12、搬送完了位置センサS13および後述する紙幣検出センサS14、紙幣排出検知センサS15はそれぞれ発光部と受光部を対向配置して備える透過型の光センサであり、発光部と受光部の間に光を遮る物体(紙幣Pや搬送補助体16などの検出対象)が存在するとセンサ出力が(暗)になり、発光部と受光部の間に光を遮る物体が存在しなければオン(明)になる。なお、センサの種類はこれに限定されるものではなく、適宜に選択してよい。
【0090】
副搬送装置9は、紙幣送り出し装置93によって副搬送管91の下端の通路部101内に取り込んだ紙幣Pを、往路空気流発生装置95が発生させる空気流によって移動する搬送補助体16で後方から押し動かして取込装置45(搬送完了位置)へ搬送し、その紙幣Pが取込装置45によって主搬送管40内へ送り出されるまで往路空気流発生装置95を作動させて搬送補助体16を搬送完了位置に保持する。
【0091】
搬送した紙幣Pが主搬送管40内へ送り出されたら、往路空気流発生装置95を停止させ、代わりに復路空気流発生装置97を作動させ、復路空気流発生装置97が発生させた空気流により搬送補助体16を副搬送管91の下端の待機位置まで移動させる。取込装置45に至る直前の所定範囲の副搬送管91は水平に延設されているので、往路空気流発生装置95をオフしただけでは、搬送補助体16は待機位置へ戻らず、復路空気流発生装置97を使用して搬送補助体16を待機位置へ移動させている。
【0092】
次に、取込装置45について説明する。
【0093】
図26は取込装置45の外観を示す平面図、図27図26のC-C断面図、図28図26の取込装置45を図27のD-D線の位置で切断した断面図である。
【0094】
取込装置45は、主搬送管40の直線管50と同じの断面形状を有し、前後に主搬送管40の直線管50が接続される介挿通路部120を有する。介挿通路部120は主搬送管40の直線部50と同様の内側形状を備えており、搬送補助体16は介挿通路部120を円滑に通過することができる。取込装置45の介挿通路部120は、主搬送管40と同様に、紙幣Pを横長の縦姿勢で通過させる。
【0095】
介挿通路部120の、通過する紙幣Pの一方の紙面に対向する壁面には、副搬送装置9によって搬送されてきた紙幣Pを介挿通路部120内に取り込むための開口121が形成されている。開口121の下流近傍の介挿通路部120には、開口121から進入してきた紙幣Pを検出する紙幣排出検知センサS15が設けてある(図24参照)。
【0096】
取込装置45は、副搬送装置9が搬送してきた紙幣Pを受け入れ、これを開口121から介挿通路部120内へ送り出すまでの通路となる進入通路部130を備えている。進入通路部130は介挿通路部120に直交する。
【0097】
進入通路部130は、副搬送装置9の紙幣通過口106に繋がっており、進入通路部130のうちの紙幣通過口106から所定距離下流までの範囲は、紙幣通過口106から進入して来る紙幣Pの紙面に対面する内壁から該紙幣Pの紙面に向けて内側へ突出するリブ131が紙幣Pの進入方向に沿って延設された通過部130aとなっている。両内壁から内側へ突出するリブ131とリブ131の間の空間が通過部130aにおける紙幣Pの通路となる。リブ131の高さは下流へ進むほど高くなり、通過部130aの終端に進むほど紙幣の厚み方向の通路幅は狭くされている。
【0098】
進入通路部130のうち、リブ131の形成された通過部130aの下流側は、通過部130aを通ってきた紙幣Pを介挿通路部120の開口121に向けて搬送する搬送部130bとなっている。
【0099】
搬送部130bは、開口121に通じる紙幣案内路133と、紙幣Pを搬送する搬送ベルト134と搬送ベルト134によって搬送されてきた紙幣Pをさらに開口121に向けて送り出し、該紙幣Pをその終端まで完全に介挿通路部120内へ送り出す作用を果たす一対の紙幣排出ローラ135aおよび繰り出しローラ135bと、主搬送管40内の空気流が介挿通路部120の開口121から紙幣案内路133を通じて外部へ漏れ出るのを防ぐために該紙幣案内路133の途中に設けられて紙幣案内路133を開閉するシャッタ136と、搬送ベルト134、紙幣排出ローラ135a、繰り出しローラ135bを駆動するモータ等を備えている。
【0100】
シャッタ136はバネなどにより常時は閉位置に向けて付勢されており、紙幣Pが開口121へ向う際に該シャッタ136を押し開いて通過するようになっている。
【0101】
搬送部130bはさらに、搬送ベルト134による搬送が上手くいかずに紙幣案内路133内で滞っている紙幣Pを搬送ベルト134に向けて押圧し、搬送ベルト134との間に挟持して搬送を補助するための挟持ローラ137を備えている。
【0102】
挟持ローラ137は、揺動する可動アーム139の一端に支持されており、可動アーム139の他端に接続されたソレノイド138のオンオフにより、紙幣案内路133の中に進出して搬送ベルト133との間に紙幣Pを挟持する挟持位置(図29参照)と、紙幣案内路133から退避した退避位置(図28参照)とに変位する。
【0103】
図27に示すように、搬送ベルト134は、紙幣Pの幅方向の左右に分けて2本架け渡してあり、挟持ローラ137は、これらの搬送ベルト134の間(紙幣の幅方向の中央)であって搬送ベルト134の上流寄りに位置している。また、挟持ローラ137の少し下流側に、紙幣Pを検出する紙幣検出センサS14が設けてある。前述したように、紙幣検出センサS14は発光部と受光部を有する透過型の光センサである。
【0104】
取込装置45は、紙幣検出センサS14が紙幣を所定時間以上検出したとき、すなわち、搬送ベルト134よる搬送が上手くいかずに紙幣案内路133内で紙幣Pが詰まっていることを検出したとき、ソレノイド138をオンにして挟持ローラ137を挟持位置に変位させ、挟持ローラ137と搬送ベルト134の間に紙幣Pを挟み込んで搬送する。
【0105】
紙幣検出センサS14が紙幣Pを検出しなくなったらソレノイド138をオフにして挟持ローラ137を退避位置に戻す。取込装置45は、紙幣検出センサS14によって紙幣詰まりが検出されなければ、ソレノイド138をオンにせず、挟持ローラ137を退避位置のままとし、紙幣Pを搬送ベルト134、紙幣排出ローラ135a、繰り出しローラ135bで搬送する。
【0106】
また、一対の紙幣排出ローラ135aに至る直前の紙幣案内路133には、紙幣Pに左右両側から当接して紙幣Pを紙幣排出ローラ135aへ案内する紙幣排出ローラガイド135cが設けてある(図27参照)。
【0107】
図27に示すように、リブ131は、進入通路部130の幅方向の中央部にのみに設けてあり、両サイドは、リブ131の頂の高さに対応する壁面を構成する規制部141となっている。
【0108】
また、通過部130aと搬送部130bとの間には、通過部130aに形成されたリブ131の根本から頂側へ斜めに傾斜して下流の搬送部130bへ至る案内壁143が設けてある(案内壁143の傾斜については図28を参照)。
【0109】
規制部141、案内壁143の役割を、これらが無い場合と対比して説明する。
【0110】
図30は、規制部141、案内壁143のない取込装置45´を示している。図30図27に対応する図である。図27の取込装置45と同じ部分には同じ符号を付してある。
【0111】
<規制部141の役割>
取込装置45´のように規制部141がなく、通過部130aの全幅に渡ってリブ131が所定間隔で配列された構成では、カール札が副搬送装置9から斜めに傾斜して進入してきた場合に、図31(a)に示すように、カールした紙幣Pの幅方向の端部がリブ131とリブ131の間に入り込み、カールした形状のまま通過部130aを通って搬送部130bに到達する。
【0112】
このような紙幣Pが繰り出しローラ135bの手前で停滞して紙幣検出センサS14が該紙幣Pを所定時間以上検出する(紙幣詰まりを検出する)と、ソレノイド138が作動して挟持ローラ137と搬送ベルト134との間にカールして傾斜した紙幣Pをそのまま挟持して搬送することになる。
【0113】
かかる紙幣Pであっても、搬送ベルト134や繰り出しローラ135bによって正常に搬送されて停滞しなければ、挟持ローラ137に挟持されないので(挟持されると、カールした形や傾斜した姿勢のまま固定されて搬送される)、紙幣Pは通路の遊びの中を下流へ進むうちに傾きが減る。また、紙幣案内路133は繰り出しローラ135b側へ進むに連れて狭くなるので、紙幣Pは下流へ進む過程で姿勢が規制されて次第にカールが解消され、詰まったり、紙幣排出ローラガイド135cに突き当たって傷ついたりすることなく、介挿通路部120へ排出される。
【0114】
一方、図32に示すように、カールした紙幣Pが繰り出しローラ135bの手前で停滞して挟持ローラ137が作動すると、紙幣Pは、挟持ローラ137と搬送ベルト134の間に挟まれ、カールした形状・傾いた姿勢のまま固定されて搬送される。そのため、下流へ進行してもカールした形状や傾いた姿勢が修正されず、紙幣Pの端部が紙幣排出ローラガイド135cに当たり、その状態のまま一対の紙幣排出ローラ135aの間へ進入すると(図33参照)、紙幣Pの端部(図33の太線で示す端部)が傷ついたり、詰まりが生じたりしてしまう。
【0115】
これに対し、本発明の取込装置45のように、リブ131を通過部130aの通路幅方向の中央部のみに設け、その両サイドをリブ131の頂の高さの平壁を成す規制部141にすると、図31(b)に示すように、カールした紙幣Pの幅方向両端が規制部141に当接し、カールを軽減するように姿勢が規制される。そして、規制部141の存在により紙幣Pの幅方向の端部がリブ131とリブ131の間に入り込むことがないので、下流への進行に伴って姿勢の傾きも次第に直り、繰り出しローラ135bの手前に到達する頃には、カールもなく、傾斜の是正された状態になる。
【0116】
図34は、規制部141のある通過部130aを紙幣Pの先端が通過する様子を示し、図35は、紙幣Pが繰り出しローラ135bの手前に到達した様子を示している。図35の位置に来るまでに姿勢の傾きは直る。
【0117】
そのため、紙幣Pが繰り出しローラ135bの手前で停滞し、挟持ローラ137が作動して該挟持ローラ137と搬送ベルト134との間に紙幣Pが挟まれ姿勢が固定されたとしても、既に紙幣Pは傾きの是正された状態になので、図36に示すように、紙幣Pは端部が紙幣排出ローラガイド135cに当たることなく一対の紙幣排出ローラ135aの間へほぼ真っ直ぐに進入し、傷ついたり、詰まったりすることなく開口121から介挿通路部120へと排出される。
【0118】
図37は、図26の矢印E方向から見た取込装置45を示している。図示のように、規制部141により、カール状の紙幣が直線状に規制される。
【0119】
図38は、従来の取込装置45´を図37と同様に見た様子を示している。規制部141が無いので、紙幣Pの端部がリブとリブの間に入り込み、紙幣Pの形はカール状のままで規制されない。
【0120】
なお、図39に示すように、本発明に係る取込装置45(図39(a))の通過部130aの出口における紙幣厚み方向の幅E1は、従来の取込装置45´(同図(b))の通過部130a´の出口の紙幣厚み方向の幅E2に比べて、かなり狭くされており、これにより取込装置45の通過部130aを出るときには紙幣Pはカールが十分真っ直ぐに是正された姿勢になる。また、従来の取込装置45´では、リブとリブの間の奥(斜線を施した範囲)にまで紙幣Pの端部が入り込むため、紙幣Pのカールが維持されてしまう(図31(a)参照)。
【0121】
<案内壁143の役割>
図40は、案内壁143を有する取込装置45の通過部130aから搬送部130bへの移行部分を示し、図41は案内壁143を設けていない取込装置45´の同部分を示している。図41に示すように、搬送部130bの紙幣案内路133の内壁(紙幣Pの紙面と対向する内壁)は、リブ131の根本と頂の間の高さに位置している。これにより、リブ131の頂に沿って進入してきた紙幣Pは、少しの順段差を経て搬送部130bへと移行することができる。
【0122】
しかし、切れ札やZ札の端部がリブ131とリブ131の間に奥深く入り込んだ状態で通過部130aから搬送部130bへ進もうとすると、リブ131とリブ131の間に奥深く入り込んだ部分が搬送部130bに突き当たるため、搬送部130bへ円滑に移行することができず、詰まりが生じたり紙幣Pが傷ついたりしてしまう。
【0123】
案内壁143はこの問題を解決する役割を果たす。すなわち、案内壁143は、通過部130aと搬送部130bとの間に、通過部130aに形成されたリブ131の根本(もしくは根本より外側)から頂側へ(通路の内側へ)斜めに傾斜して下流の搬送部130bへ至るように設けてあるので、図40に示すように、切れ札やZ札の端部がリブ131とリブ131の間に奥深く入り込んだ状態で通過部130aから搬送部130bへ進行する場合でも、リブ131とリブ131の間に奥深く入り込んだ部分は、案内壁143の端部に突き当たることなく、案内壁143に乗り上げ、該案内壁143に案内され、円滑に搬送部130bへ移行することができ、詰まりが生じたり紙幣Pが傷ついたりすることが防止される。
【0124】
副搬送装置9、取込装置45による中継ボックス6から主搬送管40内への紙幣Pの搬送は次のように動作して行われる。
【0125】
搬送前の待機状態では、往路空気流発生装置95、復路空気流発生装置97は停止している。搬送補助体16は副搬送装置9の通路部101下端の待機位置に保持されている(図24図25参照)。
【0126】
なお、副搬送装置9は複数枚(最大3枚)の紙幣Pを重なって一度に搬送することができ、取込装置45は、その複数枚の紙幣Pを一度に紙幣案内路133の中に待機させることができる。そして、制御部から紙幣Pを主搬送管40(取込装置45の介挿通路部120)内へ送り出す指令を受けたら、紙幣案内路133に待機している紙幣Pを、搬送ベルト134、挟持ローラ137、紙幣排出ローラ135a、繰り出しローラ135b等を駆動して、介挿通路部120内へ送り出す。
【0127】
<正常動作時>
図42に示すように、副搬送装置9の紙幣送り出し装置93は、紙幣Pを副搬送管91内へ送り出す際には、搬送ローラ103を駆動し、中継ボックス6から到来する紙幣Pを通路部101の紙幣取り込み開口102に向けて送り出す(ステップS101)。この際、紙幣Pが紙幣取り込み開口102を通過中は紙幣繰り出しセンサS11が(暗)になり、紙幣Pが完全に通路部101内へ送り出されると、紙幣繰り出しセンサS11が(明)に戻る。なお、紙幣送り出し装置93は最大3枚の紙幣Pを一度に副搬送管91内へ送り出すことができる。
【0128】
副搬送装置9は、待機位置に搬送補助体16が待機していることを待機位置センサS12が(暗)になっていることで確認できたら(ステップS102;Yes)、往路空気流発生装置95を作動させて上向きの空気流を発生させる(ステップS103)。
【0129】
この空気流の作用で搬送補助体16は紙幣Pを後端から押しながら副搬送管91内を上昇し、第2湾曲管52を経て副搬送管91の他端の紙幣通過口106に当接し、搬送完了位置に停止する。搬送補助体16によって搬送されてきた紙幣Pは紙幣通過口106を通過して取込装置45内へ進出する。搬送完了位置に搬送補助体16が到達したことを搬送完了位置センサS13(暗)で確認し、かつ紙幣Pが取込装置45の紙幣案内路133に進入したことを紙幣検出センサS14の(暗)で確認する(ステップS104)。なお、搬送補助体16が搬送完了位置に到達した後も、往路空気流発生装置95は、取込装置45が紙幣Pを主搬送管40内へ排出し終えるまで空気流の発生を継続する。
【0130】
取込装置45は、搬送完了位置センサS13が(暗)かつ紙幣検出センサS14が(暗)となったことを確認したら(ステップS104;Yes)、搬送部130bのモータを駆動し、搬送ベルト134、紙幣排出ローラ135a、繰り出しローラ135bを作動させる(ステップS105)。これにより紙幣Pは取込装置45から主搬送管40(詳細には取込装置45の介挿通路部120)内へ送り出される。この際、搬送完了位置センサS13は(暗)のままであり、取込装置45は、紙幣検出センサS14が(明)になることで紙幣Pが搬送部130bを通過したことを認識し、さらに紙幣排出検知センサS15が(暗)になることで、紙幣Pが開口121から介挿通路部120へ排出中であることを認識する。
【0131】
その後、紙幣排出検知センサS15が(明)になったら(ステップS106;Yes)、主搬送管40(取込装置45の介挿通路部120)内への紙幣Pの排出が完了したと判断し、副搬送装置9の往路空気流発生装置95を停止させ、停止後、所定時間(たとえば5秒)が経過したら、復路空気流発生装置97を作動させる(ステップS107)。
【0132】
搬送完了位置に保持されていた搬送補助体16は復路空気流発生装置97が発生させた空気流の作用で副搬送管91内を他端の待機位置に向けて移動する。これにより、搬送完了位置センサS13は(明)になる。その後、待機位置に搬送補助体16が到着したことを待機位置センサS12の(暗)で確認したら(ステップS108;Yes)、復路空気流発生装置97を停止させ(ステップS109)、正常時の一連の搬送動作を終了する(エンド)。
【0133】
次に、中継ボックス6から主搬送管40内へ紙幣Pを搬送する動作における異常の発生条件および復旧動作等について説明する。
【0134】
<Err01 搬送補助体の待機異常>
発生条件:待機状態において、搬送補助体16が副搬送管91の下端の待機位置に無い場合に発生。
【0135】
復旧条件:搬送補助体16を副搬送管91の下端の待機位置にセットする。これにより待機位置センサS12が(暗)に変わり、自動復旧する。
【0136】
<Err02 復路での搬送補助体の詰まり異常>
発生条件:副搬送装置9による搬送動作において搬送補助体16が待機位置に戻らない場合に発生。
【0137】
復旧条件:副搬送管91内から搬送補助体16の詰まりを取り除き、搬送補助体16が待機位置に戻る(待機位置センサS12(暗))ことで自動復旧する。
【0138】
復路での搬送補助体の詰まり異常(Err02)が発生するまでの動作は次の通りである。
【0139】
(1)図42のステップS107において復路空気流発生装置97を起動する。なお、予め設定した復路ブロア動作時間の経過後に復路空気流発生装置97を停止させる。復路ブロア動作時間は、副搬送管91の経路長に応じて設定する。
【0140】
(2)復路ブロア動作時間が経過しても待機位置センサS12が(明)のままの場合、予め定めた空気流方向切り替え待ち時間(たとえば、3秒)の経過を待つ。
【0141】
(3)空気流方向切り替え待ち時間の経過後、往路空気流発生装置95を起動する。なお、予め設定した往路ブロア動作時間の経過後に往路空気流発生装置95を停止させる。往路ブロア動作時間は、副搬送管91の経路長に応じて設定する。
【0142】
(4)空気流方向切り替え待ち時間の経過を待つ。
【0143】
(5)上記(1)~(4)の動作を所定回数(たとえば3回)繰り返しても、搬送補助体16が待機位置に戻らない場合に異常発生となる。
【0144】
<ERR03 往路での搬送補助体の詰まり異常>
発生条件:副搬送装置9による搬送動作において、搬送完了位置センサS13が(暗)に変化しない場合(搬送補助体16が搬送完了位置に到達しない場合)に発生。
【0145】
復旧条件:副搬送管91下端の紙幣送り出し装置93付近での紙幣のジャム要因を除去した後、中継ボックス6内のエラー解除スイッチを操作することで復旧する。ただし、エラー解除スイッチの操作時に搬送完了位置センサS13、紙幣検出センサS14が共に(明)であることが条件となる。
【0146】
・エラー発生時点では主搬送装置8による搬送は行われない。
【0147】
・除去した紙幣を、副搬送管91内の搬送補助体16の上にセットする。
【0148】
・復旧操作(エラー解除スイッチの操作)により副搬送装置9が作動し取込装置45への搬送を行う。
【0149】
・取込装置45から紙幣Pが主搬送管40内へ送り出された時点で主搬送装置8による搬送が行われる。
【0150】
・復旧操作前に副搬送管91内に搬送補助体16がある場合、待機位置へ戻す操作(中継ボックス6の制御部において送風ブロアまたは復路ブロアを手動で操作する)が必要である。
【0151】
・除去した紙幣を副搬送管91内の搬送補助体16の上にセットせずに復旧操作を行った場合、副搬送装置9による搬送動作においてErr04が発生する。
【0152】
往路での搬送補助体の詰まり異常(Err03)が発生するまでの動作は次の通りである。
【0153】
(1)図42のステップS103において往路空気流発生装置95を起動する。なお、予め設定した往路ブロア動作時間の経過後に往路空気流発生装置95を停止させる。往路ブロア動作時間は、副搬送管91の経路長に応じて設定する。
【0154】
(2)往路ブロア動作時間が経過しても搬送完了位置センサS13及び紙幣検出センサS14が(明)のままの場合、予め定めた空気流方向切り替え待ち時間(たとえば、3秒)の経過を待つ。
【0155】
(3)空気流方向切り替え待ち時間の経過後に、復路空気流発生装置97を起動する。なお、予め設定した復路ブロア動作時間の経過後に復路空気流発生装置97を停止させる。復路ブロア動作時間は、副搬送管91の経路長に応じて設定する。
【0156】
(4)空気流方向切り替え待ち時間の経過を待つ。
【0157】
(5)上記(1)~(4)の動作を所定回数(たとえば3回)繰り返しても、搬送補助体16が待機位置に戻らない場合に異常発生となる。
【0158】
<ERR04 繰り出しセンサジャム:搬送完了位置センサS13付近での紙幣詰まりエラー>
発生条件:副搬送装置9による搬送動作において搬送補助体16が副搬送管91の上部で停滞した場合に発生。(図42のステップS104で搬送完了位置センサS13(暗)となるが紙幣検出センサS14(明:一度も暗に変化しない)のまま、若しくはS104で紙幣検出センサS14(暗)、S105で紙幣排出検知センサS15(暗)を検知した後、紙幣検出センサS14(明)に変化しない状態)。
【0159】
復旧条件:副搬送管91内の搬送完了位置センサS13付近のジャム要因除去後、中継ボックス6内のエラー解除スイッチを操作することで復旧する。ただし、エラー解除スイッチの操作時に搬送完了位置センサS13、紙幣検出センサS14が共に(明)であることが条件となる。
【0160】
・除去した紙幣を主搬送管40内へセットする。
【0161】
・復旧時にErr02、Err03、Err04のエラーチェック処理を行って残留紙幣等の確認を行う。
【0162】
・復旧時は主搬送装置8による搬送を行う。
【0163】
Err04が発生するまでの動作には以下のA,Bの2種類がある。
【0164】
A、図42のステップS104で搬送完了位置センサS13(暗)となるが紙幣検出センサS14(暗)を検知せずの場合
(1)図42のステップS103で往路空気流発生装置95を起動する。なお、予め設定した往路ブロア動作時間の経過後に往路空気流発生装置95を停止させる。往路ブロア動作時間は、副搬送管91の経路長に応じて設定する。
【0165】
(2)搬送完了位置センサS13が(暗)検知後、紙幣検出センサS14が(暗)検知しない。
【0166】
(3)ソレノイド138(挟持ローラを137)を起動(なお、初回起動しない、2回目以降の往路空気流発生装置95起動中に起動)
(4)往路空気流発生装置95を停止させ、空気流方向切り替え待ち時間の経過を待つ。
【0167】
(5)空気流方向切り替え待ち時間の経過後に、復路空気流発生装置97を起動する。なお、予め設定した復路ブロア動作時間の経過後に復路空気流発生装置97を停止させる。復路ブロア動作時間は、副搬送管91の経路長に応じて設定する。
【0168】
(6)空気流方向切り替え待ち時間の経過を待つ。
【0169】
(7)上記(1)~(6)の動作を所定回数(たとえば3回)繰り返しても、搬送補助体16が待機位置に戻らない場合に異常発生となる。
【0170】
B、図42のステップS104で紙幣検出センサS14(暗)、S105で紙幣排出検知センサS15(暗)を検知した後、紙幣検出センサS14(明)に変化しない場合
(1)図42のステップS103で往路空気流発生装置95を起動する。なお、予め設定した往路ブロア動作時間の経過後に往路空気流発生装置95を停止させる。往路ブロア動作時間は、副搬送管91の経路長に応じて設定する。
【0171】
(2)搬送完了位置センサS13(暗)、紙幣検出センサS14(暗)検知。
【0172】
(3)搬送完了位置センサS13(暗)、紙幣排出検知センサS15(暗)の状態にて、紙幣検出センサS14が(明)にならず。
【0173】
(4)ソレノイド138(挟持ローラを137)を起動(なお、初回起動しない、2回目以降の往路空気流発生装置95起動中に起動)
(5)往路空気流発生装置95を停止させ、空気流方向切り替え待ち時間の経過を待つ。
【0174】
(6)空気流方向切り替え待ち時間の経過後に、復路空気流発生装置97を起動する。なお、予め設定した復路ブロア動作時間の経過後に復路空気流発生装置97を停止させる。復路ブロア動作時間は、副搬送管91の経路長に応じて設定する。
【0175】
(7)空気流方向切り替え待ち時間の経過を待つ。
【0176】
(8)上記(1)~(7)の動作を所定回数(たとえば3回)繰り返しても、搬送補助体16が待機位置に戻らない場合に異常発生となる。
【0177】
<ERR05 介挿通路部120の開口121付近での紙幣詰まりエラー>
発生条件:取込装置45の開口121付近の紙幣案内路133内で紙幣Pが停滞した場合に発生。(搬送時に紙幣検出センサS14(暗)検知後、紙幣排出検知センサS15(暗)検出せず)
復旧条件:取込装置45の開口121付近の紙幣案内路133内でのジャム要因除去後、中継ボックス6内のエラー解除スイッチを操作することで復旧する。ただし、エラー解除スイッチの操作時に搬送完了位置センサS13、紙幣検出センサS14が共に(明)であることが条件となる。
【0178】
・除去した紙幣を主搬送管40(取込装置45の介挿通路部120)内へセットする。
【0179】
・復旧時にErr02、Err03、Err04のエラーチェック処理を行って残留紙幣等の確認を行う。
【0180】
・復旧時は主搬送装置8による搬送を行う。
【0181】
Err05が発生するまでの動作は以下の通りである。
【0182】
(1)副搬送装置9による搬送動作時に、図42のS104で紙幣検出センサS14(暗)検知後、S105で紙幣排出検知センサS15(暗)検知せず
(2)所定時間(たとえば5秒)待った後、ソレノイド138をオン(15秒間駆動)
(3)上記(1)(2)の動作を所定回数(たとえば3回)繰り返しても、紙幣排出検知センサS15(暗)にならない場合に異常発生となる。
【0183】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0184】
遊技機島3は、実施の形態で例示したパチンコ機と遊技球貸機を収容する構成に限定されず、メダル貸機とスロットマシン等を収容する遊技機島でもかまわない。
【0185】
実施の形態では紙葉類として紙幣を例に説明したが、チケット、カードなど他の種類の紙葉類であってもかまわない。また、紙葉類の形状は長方形に限定されない。また紙葉類回収搬送システム1の設置場所は遊技場に限定されず、他の施設でもかまわない。
【符号の説明】
【0186】
1…紙葉類回収搬送システム
2…遊技場
3…遊技機島
4…遊技球貸機
5…遊技機
6…中継ボックス
7…島内紙幣搬送装置
8…主搬送装置
9…副搬送装置
11…紙幣分離・搬送補助体循環装置
11a…搬送補助体挿入装置
11b…分離回収装置
12…搬送管
12a…往路
12b…復路
14…空気流発生装置
14a…空気吹出通路
14b…空気吸込通路
16…搬送補助体
16a…頭部
16b…小首部
16c…大径部
16d…括れ部
18…紙幣取込装置
23…制御部
31…上下の壁部
32…側壁部
33…拡張部(ガイド)
34…分離壁(リブ)
35…リブ
40…主搬送管
41…金庫
44…中継装置
45…取込装置
50…直線管
51…第1湾曲管
52…第2湾曲部
52a…タイプ1の第2湾曲管
52b…タイプ2の第2湾曲管
54…ねじり管
91…副搬送管
93…紙幣送り出し装置
95…往路空気流発生装置
97…復路空気流発生装置
101…通路部
102…紙幣取り込み開口
103…搬送ローラ
104…シャッタ
105…下部通気口
106…紙幣通過口
120…介挿通路部
121…通路部
121…開口
130…進入通路部
130a…通過部
130b…搬送部
131…リブ
133…紙幣案内路
134…搬送ベルト
135a…紙幣排出ローラ
135b…繰り出しローラ
135c…紙幣排出ローラガイド
136…シャッタ
137…挟持ローラ
138…ソレノイド
139…可動アーム
141…規制部
143…案内壁
S11…紙幣繰り出しセンサ
S12…待機位置センサ
S13…搬送完了位置センサ
S14…紙幣検出センサ
S14…紙幣検出センサ
S15…紙幣排出検知センサ
P…紙幣
Dx…搬送管の基準平面部間距離
Dy…搬送管のY方向の内寸
F…搬送管の延設方向
W…通路幅
X…搬送管の通路幅方向
Y…搬送管の高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42