(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040230
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】細胞担体粒子の凝集体およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
C12M 3/00 20060101AFI20240315BHJP
C08J 3/12 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
C12M3/00 A
C08J3/12 Z CER
C08J3/12 CEZ
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024012485
(22)【出願日】2024-01-31
(62)【分割の表示】P 2020528437の分割
【原出願日】2019-06-12
(31)【優先権主張番号】201910079680.3
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520162031
【氏名又は名称】北京華龕生物科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】リウ、 ウエイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、 シャオジュン
(57)【要約】
【課題】 本発明は、細胞担体粒子の凝集体およびその調製方法を開示する。
【解決手段】 細胞担体粒子の凝集体は、細胞担体粒子を凝集させることによって形成さ
れ、錠剤の形状およびブロックの形状を含む特定の形状を有する。細胞担体粒子の凝集体
を調製するための方法は、パンチ形成工程、成形工程、凍結乾燥工程、または脱水‐蒸発
工程である。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞担体粒子の凝集体が、細胞担体粒子を凝集させることによって形成されることを特
徴とする、細胞担体粒子の凝集体。
【請求項2】
細胞担体粒子の集合体が特定の形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の細胞
担体粒子の集合体。
【請求項3】
前記特定の形状は錠剤の形状およびブロックの形状を含み、前記細胞担体粒子の凝集体
は、優れた再水和性および再水和時の良好な分散性を有することを特徴とする、請求項2
に記載の細胞担体粒子の凝集体。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の細胞担体粒子の凝集体を調製するための方法であって
:
細胞担体粒子の凝集体を得るために、外力下で細胞担体粒子を凝集させ、成形する方法
。
【請求項5】
前記細胞担体粒子は、パンチ形成工程によって凝集され、成形されることを特徴とする
、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
以下の条件下で行われることを特徴とする請求項5に記載の方法;
前記パンチ形成工程はパンチ型が面取りされた平坦な打ち抜き型、浅い円弧の打ち抜き
型、深い円弧の打ち抜き型、または完全な平坦な打ち抜き型から選択され;
パンチ成形機は調整範囲が0~50mmの上パンチと、調整範囲が0~50mmの下パ
ンチを有し;
圧力は0~200KNの範囲である、方法。
【請求項7】
前記細胞担体粒子は、成形工程によって凝集され、成形されることを特徴とする、請求
項4に記載の方法。
【請求項8】
前記成形工程は以下の工程を含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法;
細胞担体粒子を水または揮発性有機溶媒と混合し、得られた混合物を型に充填する;
次いで、型をオーブンに入れ、乾燥させて、細胞担体粒子の凝集体を得る、方法。
【請求項9】
前記水または前記有機溶媒は前記細胞担体粒子の質量の5~100倍の量で添加され;
前記オーブンの温度は30~200℃であり、前記乾燥は、12~96時間行われるこ
とを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
細胞担体粒子が凍結乾燥工程によって凝集および成形されることを特徴とする、請求項
4に記載の方法であって;
凍結乾燥工程は、細胞担体粒子を水または揮発性有機溶媒と混合し、得られた混合物を
特定の形状に成形した後、成形混合物を凍結させて凍結混合物を得ることと、凍結した混
合物を凍結乾燥し、細胞担体粒子の凝集体を得ることと、工程を含む、方法。
【請求項11】
前記水または前記有機溶媒は、前記細胞担体粒子の質量の5~100倍の量で添加され
ることを特徴とする、請求項10に記載の方法であって;
成形混合物を凍結容器中で-196℃~0℃の範囲の低温で凍結して凍結混合物を得;
凍結混合物を凍結乾燥機中で2~96時間凍結乾燥して、細胞担体粒子の凝集体を得る
、方法。
【請求項12】
前記細胞担体粒子は、脱水‐蒸発工程によって凝集され、成形されることを特徴とする
、請求項4に記載の方法であって;
脱水‐蒸発工程は、細胞担体粒子を水または揮発性有機溶媒と混合し、混合物を特定の
形状に成形する工程と、次いで、成形された混合物を脱水および蒸発させて、細胞担体粒
子の凝集体を得ると、工程を含む、方法。
【請求項13】
水または有機溶剤を細胞担体粒子の質量の5~100倍の量で添加し;
室温での自然脱水手段またはオーブンでの乾燥手段により細胞担体粒子を凝集成形する
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞担体粒子の凝集体およびその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞担体粒子(典型的には、直径1~1000μm)とは、接着細胞の増殖または共培
養において使用され得るマイクロビーズをいう。現在、市販のマイクロキャリアはすべて
、粉末形態で使用され、貯蔵され、包装されている。しかしながら、マイクロキャリアは
ミクロンスケールのマイクロビーズであるため、乾燥粉末状態では大量の静電気を発生し
やすい。したがって、使用または輸送中に、マイクロキャリア粉末のこぼれ、有効質量の
減少、ならびに周囲環境および製品自体の汚染を容易に引き起こしうる。また、これらの
粉末状マイクロキャリアを貯蔵することは困難であり、その理由は、それら自体の性質が
どのような種類のパッケージが利用されても、それが依然として大量の不必要な損失をも
たらすというような制限をもたらすからである。また、計量等の多くの手順において補助
工具として多くの計測器が必要とされ、非常に時間がかかり、労力を要するため、これら
を使用することも困難である。したがって、細胞培養におけるその使用を容易にするため
に、細胞担体粒子の凝集体を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、細胞担体粒子の凝集体およびその調製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明では、粉末状の細胞担体粒子を凝集成形して凝集体を形成する。この凝集体は使
用、包装、および輸送の間にマイクロキャリア粉末によって引き起こされる問題、例えば
、大量の静電気の発生、使用および秤量の間にこぼれやすいこと、容器または操作ツール
の壁への静電吸着、操作の困難性、損失の原因などを回避する。さらに、細胞培養工程に
おけるマイクロキャリアの定量的使用および滅菌に関する要件を満たす有利な点を有する
。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本発明の実施例1における細胞担体粒子の写真である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例1におけるパンチ形成された細胞担体粒子の写真である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例1において、細胞担体粒子の凝集体を液体中に分散させた場合の初期状態を示す。
【
図4】
図4は、本発明の実施例1において、液体中に完全に分散された後の細胞担体粒子の凝集体の最終状態を示す。
【
図5】
図5は、本発明の実施例1における細胞担体粒子のSEM写真である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例1における細胞担体粒子の集合体のSEM写真である。
【
図7】
図7は、本発明の実施例1において、細胞担体粒子の凝集体を液体中に分散させた後に得られた粒子のSEM写真である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例2において、円筒状の凝集成形に充填された細胞担体粒子を示す写真である。
【
図9】
図9は、本発明の実施例2における成形された細胞担体粒子の写真である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例2において、液体中に分散させた後の細胞担体粒子の凝集体の写真である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例3において、吸水後に凝集した細胞担体粒子の写真である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例3における凍結乾燥形成された細胞担体粒子の写真である。
【
図13】
図13は、本発明の実施例3において、液体中に分散させた後の細胞担体粒子の凝集体の写真である。
【
図14】
図14は、本発明の実施例4において、吸水後に凝集した細胞担体粒子の写真である。
【
図15】
図15は、本発明の実施例4における脱水・蒸発処理後に形成された細胞担体粒子の写真である。
【
図16】
図16は、本発明の実施例4において、液体中に分散させた後の細胞担体粒子の凝集体の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明において記載される「細胞担体粒子」は、合成ポリマーおよび/または天然生体
ポリマーから調製される、1~1000μmの直径を有するマイクロキャリアをいう。合
成ポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール誘導体、ポリエチレン
グリコールジアクリレート(PEGDA4000)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリア
クリルアミド、ポリ乳酸、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ(乳酸‐コ‐グリコール酸)、ポ
リジメチルシロキサン、ポリ無水物、ポリ(酸エステル)、ポリアミド、ポリ(アミノ酸
)、ポリアセタール、ポリシアノアクリレート、ポリウレタン、ポリピロール、ポリエス
テル、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリカーボネート、およびポリエチレンオキ
シドからなる群から選択される少なくとも1つである。天然生体高分子は、コラーゲン、
プロテオグリカン、糖タンパク質、ゼラチン、ゼラチン誘導体、アルギン酸塩、アルギン
酸塩誘導体、寒天、マトリゲル、ヒアルロン酸、ラミニン、フィブロネクチン、または組
織脱細胞化原料からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0007】
本発明によって提供される細胞担体粒子凝集体は、細胞担体粒子を凝集させることによ
って形成され、特定の形状を有する。特定の形状は、錠剤の形状およびブロックの形状を
含む。錠剤またはブロックは、円形、円筒形、正方形、菱形、三角形、楕円形、凹状また
は凸状多角形などの断面を有してもよい。細胞担体粒子の凝集体は、優れた再水和特性お
よび再水和時の良好な分散性を有する。
【0008】
本発明による細胞担体粒子の凝集体は以下の方法によって調製され得る:細胞担体粒子
の凝集体を得るために、外力下で細胞担体粒子を凝集および成形する。
【0009】
具体的には、細胞担体粒子がパンチ形成工程によって凝集され、成形され得る。
【0010】
パンチ形成工程は、以下の条件で行われる:
パンチ型は、面取りされた平坦なパンチ型、浅い円弧のパンチ型、深い円弧のパンチ型
、または完全な平坦なパンチ型から選択される;
パンチ成形機は、調整範囲が0~50mmの上部パンチと、調整範囲が0~50mmの
下部パンチとを有する;
圧力は0~200KNの範囲であり、これは適切な硬度を有する細胞担体粒子の凝集体
を調製するために実際の必要性に従って選択され得る;
特に、自動パンチ成形機が使用され得、細胞担体粒子の凝集体の各錠剤はモーターロッ
カーの回転後に自動的に得られる。
【0011】
パンチ成形機の場合、材料の質量および重量は、材料の体積を測定することによって決
定される。
【0012】
具体的には、細胞担体粒子は型成形工程によって凝集させ、成形することができる。
【0013】
成形工程は、以下のステップを含む:
細胞担体粒子を水または揮発性有機溶媒と混合し、得られた混合物を型に充填し、次い
で型をオーブンに入れ、乾燥させて、細胞担体粒子の凝集体を得る;
ここで、水または有機溶媒は、細胞担体粒子の質量の5~100倍の量で添加されても
よい;
有機溶媒はメタノール、エタノール、tert‐ブタノール、またはイソプロパノールなど
の溶媒であってもよい;
オーブンの温度は30~200℃であってもよく、乾燥は12~96時間行われてもよ
く、したがって、均一な単位質量および同じ形状を有する細胞担体粒子の堅固で安定な凝
集体を得ることができる。
【0014】
具体的には、細胞担体粒子は凍結乾燥工程によって凝集および成形され得る。
【0015】
凍結乾燥工程は、以下の工程を含む:
細胞担体粒子を水または揮発性有機溶媒と混合し、得られた混合物を特定の形状に成形
した後、成形混合物を凍結させて凍結混合物を得、凍結混合物を凍結乾燥させて細胞担体
粒子の凝集体を得る;
ここで、水または有機溶媒は、細胞担体粒子の質量の5~100倍の量で添加されても
よい;
有機溶媒は、メタノール、エタノール、tert‐ブタノール、またはイソプロパノール溶
媒などの溶媒であってもよい;
成形混合物を凍結容器中で-196℃~0℃の範囲の低温で凍結して凍結混合物を得る
;
凍結混合物を凍結乾燥機中で2~96時間凍結乾燥して、細胞担体粒子の凝集体を得る
。
【0016】
具体的には、脱水‐蒸発工程によって、細胞担体粒子を凝集させ、成形することができ
る;
ここで、脱水‐蒸発工程は、以下の工程を含む:
細胞担体粒子を水または揮発性有機溶媒と混合し、混合物を特定の形状に成形し、次い
で、成形された混合物を脱水および蒸発させて、細胞担体粒子の凝集体を得る;
ここで、水または有機溶媒は、細胞担体粒子の質量の5~100倍の量で添加されても
よい;
有機溶媒は、メタノール、エタノール、tert‐ブタノール、またはイソプロパノール溶
媒などの溶媒であってもよい;
室温での自然脱水の手段、例えば室温で1~7日間の揮発により、規則的な形状を有す
る細胞担体粒子の堅固で安定な凝集体を得ることができる;
オーブン中での乾燥の手段により、例えばオーブン中で2~96時間乾燥することによ
り、規則的な形状を有する細胞担体粒子の堅固で安定な凝集体を得ることができる。
【実施例0017】
特に明記しない限り、以下の実施例で使用される実験方法は、従来の方法である。
なお、以下の実施例で用いる材料、試薬等は特に断らない限り、全て市販されているも
のとする。
【0018】
以下の実施例で使用した個々の細胞担体粒子は、以下のように調製した。
反応液の調製:PEGDA4000粉末は常温でDPBS液に溶解し、前重合液を得た;次いで
、前重合液は過硫化アンモニウム及びN,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミンと適
切に混合し反応液を得た。反応液中のPEGDA4000の濃度は10g/100ml、反応
液中の過硫化アンモニウムの濃度は0.5g/100ml、反応液中のN,N’,N’-テ
トラメチルエチレンジアミンの濃度は0.05g/100mlであった。
【0019】
アレイ型による個々の細胞担体粒子の調製:すでに調製されたアレイ形式の孔を有する
PMMA型を氷浴中に置き、調製した反応溶液200μlをPMMA型上に均一に滴下し、次いで
型の表面上の反応溶液を、カバーガラスを使用することによって、型中の孔中にゆっくり
と均一にかき取った。PEGDA反応溶液を充填した型を-20℃で20時間凍結させた。反
応終了後、凍結乾燥機(-50℃、20pa)に移し、30分間乾燥して直径1~100
0μmの白色多孔質細胞担体粒子を得た。
【0020】
<実施例1:パンチ成形工程>
パンチ成形機は自動パンチ成形機であり、モータロッカーの回転後に得られた製品のタ
ブレットを有する。パンチ成形機では、材料の体積を測定することにより、材料の質量お
よび重量を測定した。
まず、20mgの細胞担体粒子を秤で秤量し、秤量した材料をパンチ成形機の供給口に
注ぎ、面取りした平坦なパンチ型を選択した。パンチ成形機の上パンチを0~50mmの
範囲で調整し、パンチ成形機の下パンチを0~50mmの範囲で調整した。パンチ成形機
のハンドルを走行させて型に材料を充填し、圧力を0~200KNの範囲で調整した。モ
ーターをオンにし、モーターロッカーを1回転させた後、パンチ成形作業を1回終了した
。この自動パンチ成形機は打抜き成形速度を打錠1個あたり1~10秒とし、一定の速度
で連続的に打抜き成形動作を行うことができる。パンチ成形工程終了後、あらかじめ用意
した容器に凝集体を入れた。
【0021】
本実施例で形成された凝集体の写真を
図2に、形成工程前の粉末状細胞担体粒子の写真
を
図1に示す。
【0022】
本実施例の方法では、下パンチの高さを調整する、すなわち材料の体積を調整すること
により、凝集体の単位質量を制御することができる。
【0023】
以上の調製過程において、以下の作業に注意を払う必要がある:
(1)パンチ成形作業を行う場合にはパンチ成形強度を高めて(上パンチの高さを調整す
ることにより、パンチ成形強度を高めることができる。ここでは左にして高さを下げ、右
にして高さを上げる)、錠剤を圧縮し、その結果、凝集した錠剤が小さな衝撃で破砕され
ることがないようにする;
(2)錠剤状凝集体の質量を調節する場合、ロッカーは水平面に対して90°上方に垂直に
保たれなければならない;
(3)パンチ成形作業を行う際には型が材料で満たされているかどうかを観察する必要があ
り、満たされていない場合にはハンドルを逆方向に回転させ、型に材料を満たして、錠剤
の質量が正確であることを確実にする必要がある;
(4)なぜなら、パンチ成形機についてはその体積を測定することによって材料の質量が決
まるため、パンチ成形工程によって所望の質量の製品を得るためには型を変更する必要が
あるからである。質量は、1mg~1000mgの範囲内で制御することができる。
【0024】
この実施例で調製した凝集体を容器に入れ、次いで容器を連続振盪下で振盪機上に置い
た。振盪機の回転速度は0~1000rpmの範囲であり、96時間連続振盪しても凝集
体が脆くない等のことがわかった。この実施例で調製された凝集体は形状が安定であり、
崩壊させるのが容易ではなく、単位質量は正確であり、調節可能であることが分かる。
【0025】
本実施例で調製した凝集体に非常に少量の液体を添加した後、凝集体を急速に分散させ
て、物理的および化学的特性の変化なしに別個の担体担体を形成した。
図3は液体中に分
散された場合の凝集体の初期状態を示し、
図4は、液体中に完全に分散された後の凝集体
の最終状態を示す。
図5はパンチ形成工程前の細胞担体粒子のSEM写真であり、
図6はパ
ンチ形成工程後の細胞担体粒子の凝集体のSEM写真であり、
図7はパンチ形成工程後の粉
末細胞担体粒子のSEM写真であり、液体中への分散および凍結乾燥である。3つの状態を
表すSEM写真を比較すると、パンチ形成工程の後、細胞担体粒子はパンチ形成工程の前の
ものと比較して、球状の外観、多孔質の連結性、および分散性などのそれらの特性を依然
として維持し、これは、その後の接着性細胞培養に有利であることが分かる。
【0026】
本実施例で調製した細胞担体粒子の凝集体は包装および輸送に便利であり、粉末状生成
物に起因する静電気およびそれによって引き起こされる損失を回避する。凝集体は個別に
包装し、滅菌することができ、これは、細胞培養における無菌操作に便利である。さらに
、凝集体は定量的に成形することができ、したがって、使用に便利である。
【0027】
<実施例2:成形工程>
ある量の粉末状細胞担体粒子に、脱イオン水を細胞マイクロキャリアーの重量の50倍
の量で添加した。補助工具を用いて、得られた混合物を型に均等に充填した。型は、円筒
状(円形、正方形、菱形、三角形、楕円形、または凹形もしくは凸形多角形などであって
もよい)であった。(
図8に示すような)一定量の細胞担体粒子を含有する型を60℃の
オーブンに入れ、96時間連続的に乾燥させて、
図9に示すように、均一な単位質量およ
び同じ形状を有する細胞担体粒子の堅固で安定な凝集体を得た。
【0028】
この実施例で調製した細胞担体粒子の凝集体を水に添加した場合、
図10に示すように
、凝集体を急速に分散させて別個の細胞担体粒子を形成することができた。この結果は、
粒子の外観及び物性が変化しないことを示している。
【0029】
本実施例で調製された細胞担体粒子の凝集体は速やかに水を吸収し、液体と接触させた
後に分散させることができ、これは、その後の接着細胞培養に有利である。
【0030】
成形工程の前後、ならびに液体中での再水和および分散の後の細胞担体粒子のSEM写
真を比較した。本実施例における成形工程の後の細胞担体粒子は、パンチ成形工程の前と
比較して、球状外観、多孔質連結性、および分散性などの特性を維持していたことが分か
る。
【0031】
本実施例で調製した細胞担体粒子の凝集体は包装および輸送に便利であり、粉末状生成
物に起因する静電気およびそれによって引き起こされる損失を回避する。凝集体は個別に
包装し、滅菌することができ、これは、細胞培養における無菌操作に便利である。さらに
、凝集体は定量的に成形することができ、したがって、使用に便利である。
【0032】
<実施例3:凍結乾燥形成工程>
特定量の粉末状マイクロキャリアに、脱イオン水を、細胞マイクロキャリアの重量の1
00倍の量で添加した。補助工具を使用することにより、得られた混合物を、
図11に示
すように、規則的な形状を有するブロックに凝集させた。凝集体を-196℃~0℃の範
囲の低温で凍結容器中で凍結させて、凍結ブロックを形成した。凍結凝集体を凍結乾燥機
で96時間凍結乾燥し、取り出した後、
図12に示すような凍結乾燥凝集体が形成された
。
【0033】
本実施例で調製した細胞担体粒子の凝集体を水に添加すると、
図13に示すように、凝
集体は急速に分散して別個のマイクロキャリアー粒子を形成した。この結果は、粒子の外
観及び物性が変化しないことを示している。
【0034】
本実施例で調製された細胞担体粒子の凝集体は速やかに水を吸収し、液体と接触させた
後に分散させることができ、これは、その後の接着細胞培養に有利である。
【0035】
形成工程の前後、ならびに液体中での再水和および分散の後の細胞担体粒子のSEM写
真の比較した。本実施例における凍結乾燥形成工程の後の細胞担体粒子はパンチ形成工程
の前と比較して、それらの特性(例えば、球状の外観、多孔質の連結性、および分散性)
を維持したことが分かる。
【0036】
本実施例で調製した細胞担体粒子の凝集体は包装および輸送に便利であり、粉末状生成
物に起因する静電気およびそれによって引き起こされる損失を回避する。凝集体は個別に
包装し、滅菌することができ、これは、細胞培養における無菌操作に便利である。さらに
、凝集体は定量的に成形することができ、したがって、使用に便利である。
【0037】
<実施例4:脱水・蒸発成形法>
特定量の粉末状マイクロキャリアに、脱イオン水を、細胞マイクロキャリアの重量の2
0倍の量で添加した。補助工具を使用することにより、得られた混合物は
図14に示すよ
うに、規則的な形状のブロックを形成した。特定の質量を有する細胞マイクロキャリアブ
ロックを自然に脱水し、室温で蒸発させた。7日間の揮発後、
図15に示すように、規則
的な形状を有する堅く安定な細胞マイクロキャリア凝集体が得られた。
【0038】
本実施例で調製した細胞担体粒子の凝集体を水中に入れると、
図16に示すように、凝
集体は急速に分散して分離したマイクロ担体粒子を形成した。この結果は、粒子の外観及
び物性が変化しないことを示している。
【0039】
本実施例で調製された細胞担体粒子の凝集体は速やかに水を吸収し、液体と接触させた
後に分散させることができ、これは、その後の接着細胞培養に有利である。
【0040】
成形工程前後、並びに再水和及び分散後の細胞担体粒子のSEM写真を比較したところ
、本実施例の脱水・蒸発成形工程後の細胞担体粒子は、パンチ成形工程前と比較して、球
状外観、多孔質連結性、分散性等の特性を維持していたことが分かる
【0041】
本実施例で調製した細胞担体粒子の凝集体は包装および輸送に便利であり、粉末状生成
物に起因する静電気およびそれによって引き起こされる損失を回避する。凝集体は個別に
包装し、滅菌することができ、これは、細胞培養における無菌操作に便利である。さらに
、凝集体は定量的に成形することができ、したがって、使用に便利である。