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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004029
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】転写ユニット梱包体
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240109BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20240109BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
G03G21/16 180
G03G15/16
G03G21/18 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103459
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 修司
(72)【発明者】
【氏名】赤塚 保典
【テーマコード(参考)】
2H171
2H200
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA10
2H171FA15
2H171GA33
2H171GA37
2H171JA03
2H171JA08
2H171JA48
2H171JA59
2H171KA05
2H171KA25
2H171KA26
2H171KA27
2H171QA24
2H171QC05
2H171XA03
2H200FA11
2H200JB06
2H200JB39
2H200JB40
2H200JC03
2H200JC07
2H200JC09
2H200JC10
2H200LA38
2H200LC10
(57)【要約】
【課題】衝撃が加わった際の部品外れを抑制可能とした転写ユニット梱包体を提供する。
【解決手段】転写ユニット梱包体70は、駆動ローラ42と、駆動ローラ42に対して前後方向に間隔を空けて配置される従動ローラ43と、駆動ローラ42と従動ローラ43とに架け渡された転写ベルト41と、転写ベルト41の内側に配置される転写ローラ44と、駆動ローラ42、従動ローラ43および転写ベルト41を保持する左フレーム46Aおよび右フレーム46Bとを有する転写ユニット40と、転写ユニット40を上方から覆う第1梱包材71と、転写ユニット40を下方から支持する第2梱包材72とを備え、転写ベルト41は、転写ユニット40が画像形成装置1に装着された状態において、前後方向に延び、光学センサ4により検知される被検知領域Rを有し、転写ユニット40が第2梱包材72により支持された状態において、被検知領域Rは第2梱包材72と接触しない。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に装着可能な転写ユニットであって、
軸方向が上下方向と直交する第1ローラと、
前記第1ローラに対して、前記軸方向および前記上下方向と直交する直交方向において間隔を空けて配置される第2ローラと、
前記第1ローラと前記第2ローラとに架け渡された無端ベルトと、
前記無端ベルトの内側に配置される転写ローラと、
前記第1ローラ、前記第2ローラ、および前記転写ローラを保持するフレームと、
を有する転写ユニットと、
前記転写ユニットを上方から覆う第1梱包材と、
前記転写ユニットを下方から支持する第2梱包材と、
を備え、
前記無端ベルトは、前記転写ユニットが前記画像形成装置に装着された状態において、前記画像形成装置が有する光学センサにより検知される被検知領域であって、前記直交方向に延びる被検知領域を有し、
前記被検知領域は、前記転写ユニットが前記第2梱包材により支持された状態において、前記第2梱包材と接触しないことを特徴とする転写ユニット梱包体。
【請求項2】
前記第2梱包材は、
前記フレームを支持するフレーム支持部と、
前記無端ベルトの前記被検知領域ではない領域を支持する第1ベルト支持部と、を有する請求項1に記載の転写ユニット梱包体。
【請求項3】
前記第1ベルト支持部は、前記第2梱包材の底壁から上方へ向かって突出する突起であって、前記軸方向に延びる請求項2に記載の転写ユニット梱包体。
【請求項4】
前記転写ユニットは、前記無端ベルトの内側に配置されるバックアップローラであって、前記転写ユニットが前記画像形成装置に装着された状態において前記無端ベルトに下方から当接する前記画像形成装置のクリーニングローラと対向する位置に配置されるバックアップローラを更に備え、
前記第1ベルト支持部は、前記転写ユニットにおける、前記上下方向から見たときに前記バックアップローラと重なる位置を支持する請求項2に記載の転写ユニット梱包体。
【請求項5】
前記無端ベルトの前記被検知領域は、前記軸方向において間隔を空けて2つ設けられる請求項2~請求項4の何れか一項に記載の転写ユニット梱包体。
【請求項6】
前記第2梱包材は、
前記無端ベルトの前記軸方向における一端部を支持する第2ベルト支持部であって、前記軸方向において前記第1ベルト支持部と間隔を空けて配置される第2ベルト支持部と、
前記無端ベルトの前記軸方向における他端部を支持する第3ベルト支持部であって、前記軸方向において前記第1ベルト支持部と間隔を空けて配置される第3ベルト支持部と、
を更に有し、
前記無端ベルトの2つの前記被検知領域は、前記軸方向において、前記第1ベルト支持部と前記第2ベルト支持部との間、および前記第1ベルト支持部と前記第3ベルト支持部との間にそれぞれ位置する請求項5に記載の転写ユニット梱包体。
【請求項7】
前記第1ベルト支持部における前記無端ベルトと接触する第1ベルト支持面の前記軸方向における長さは、前記第2ベルト支持部における前記無端ベルトと接触する第2ベルト支持面の前記軸方向における長さ、および前記第3ベルト支持部における前記無端ベルトと接触する第3ベルト支持面の前記軸方向における長さよりも長い請求項6に記載の転写ユニット梱包体。
【請求項8】
前記フレーム支持部は、前記軸方向において、前記フレームにおける前記無端ベルトの一端よりも外側と、前記フレームにおける前記無端ベルトの他端よりも外側とを支持し、
前記フレーム支持部の前記フレームと接触するフレーム支持面は、前記第1ベルト支持面、前記第2ベルト支持面、および前記第3ベルト支持面よりも下方に位置する請求項7に記載の転写ユニット梱包体。
【請求項9】
前記第1梱包材は、前記無端ベルトと前記上下方向に対向し、前記上下方向に貫通する貫通孔が形成された対向壁を有し、
前記第2梱包材は、前記上下方向に突出し、前記第1梱包材の前記貫通孔に挿通される凸部であって、前記対向壁よりも上方に突出する凸部を有する請求項1~請求項4の何れか一項に記載の転写ユニット梱包体。
【請求項10】
前記貫通孔は、前記対向壁における前記軸方向の一端に位置し、
前記第1梱包材は、前記対向壁における前記軸方向の一端から上方に延び、前記上下方向において前記凸部と係合する側壁を有し、
前記貫通孔および前記凸部は、それぞれ前記直交方向において間隔を空けて複数設けられる請求項9に記載の転写ユニット梱包体。
【請求項11】
前記転写ユニットは、前記直交方向においてフレームの一端側に位置し、前記フレームより上方に突出するハンドルを有し、
前記第1梱包材の前記直交方向における一端側に隣接して位置し、前記ハンドルを内部に収容する第3梱包材を更に備える請求項1~請求項4の何れか一項に記載の転写ユニット梱包
【請求項12】
前記第3梱包材は、水平方向に延出して前記第3梱包材の内部を前記上下方向において仕切る第1仕切材と、前記上下方向に延出して前記第3梱包材の内部を前記直交方向において仕切る第2仕切材とを有する請求項11に記載の転写ユニット梱包体。
【請求項13】
前記第1梱包材は、段ボールにて形成され、
前記第2梱包材は、パルプモールドにて形成される請求項1~請求項4の何れか一項に記載の転写ユニット梱包体。
【請求項14】
前記転写ユニット、前記第1梱包材および前記第2梱包材を内部に収納するための開口と、前記開口を開放する位置と前記開口を閉じる位置との間を移動可能なカバー部と、を有する外箱を更に備え、
前記第1梱包材は、前記開口を閉じる位置の前記カバー部によって前記第2梱包材に向かって押圧される請求項1~請求項4の何れか一項に記載の転写ユニット梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写ユニット梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるように、電子写真方式の画像形成装置に着脱自在に装着される転写ユニットを梱包する際には、発泡樹脂により形成された梱包材によって転写ユニットを左右から挟み込み、梱包材によって左右から挟み込まれた状態の転写ユニットを外箱に収納することで、転写ユニット梱包体を構成していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-121589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、転写ユニットを梱包材によって左右から挟み込むことにより転写ユニット梱包体を構成した場合、輸送中の振動または落下等によって転写ユニット梱包体に衝撃が加わった際に、転写ユニットの構成部品が転写ユニットから外れてしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本発明においては、耐衝撃性を向上して、衝撃が加わった際に部品外れが発生することを抑制可能とした転写ユニット梱包体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する転写ユニット梱包体は、以下の特徴を有する。
【0007】
即ち、転写ユニット梱包体は、画像形成装置に装着可能な転写ユニットであって、軸方向が上下方向と直交する第1ローラと、前記第1ローラに対して、前記軸方向および前記上下方向と直交する直交方向において間隔を空けて配置される第2ローラと、前記第1ローラと前記第2ローラとに架け渡された無端ベルトと、前記無端ベルトの内側に配置される転写ローラと、前記第1ローラ、前記第2ローラ、および前記転写ローラを保持するフレームと、を有する転写ユニットと、前記転写ユニットを上方から覆う第1梱包材と、前記転写ユニットを下方から支持する第2梱包材と、を備え、前記無端ベルトは、前記転写ユニットが前記画像形成装置に装着された状態において、前記画像形成装置が有する光学センサにより検知される被検知領域であって、前記直交方向に延びる被検知領域を有し、前記被検知領域は、前記転写ユニットが前記第2梱包材により支持された状態において、前記第2梱包材と接触しない。
【0008】
これにより、転写ユニットを第1梱包材と第2梱包材とによって上下方向から挟み込むため、転写ユニットにおける部品外れが懸念される部品が上下方向へ外れることを抑制できる。また、転写ユニットが第2梱包材により支持された状態において、無端ベルトの被検知領域は第2梱包材と接触しないため、転写ユニットからの部品外れを抑制しつつ、無端ベルトの被検知領域に傷が付くことを防止できる。
【0009】
また、前記第2梱包材は、前記フレームを支持するフレーム支持部と、前記無端ベルトの前記被検知領域ではない領域を支持する第1ベルト支持部と、を有する。
【0010】
これにより、第2梱包材によって転写ユニットのフレームおよび転写ベルトを支持することができ、転写ユニットを安定して支持することができる。
【0011】
また、前記第1ベルト支持部は、前記第2梱包材の底壁から上方へ向かって突出する突起であって、前記軸方向に延びる。
【0012】
これにより、転写ユニットから下方に外れることが懸念される部品を第1ベルト支持部によって下方から軸方向の広範囲にわたって受けることができ、転写ユニットからの部品外れを抑制することができる。
【0013】
また、前記転写ユニットは、前記無端ベルトの内側に配置されるバックアップローラであって、前記転写ユニットが前記画像形成装置に装着された状態において前記無端ベルトに下方から当接する前記画像形成装置のクリーニングローラと対向する位置に配置されるバックアップローラを更に備え、前記第1ベルト支持部は、前記転写ユニットにおける、前記上下方向から見たときに前記バックアップローラと重なる位置を支持する。
【0014】
これにより、バックアップローラは、金属部材にて形成される部分を有していて比較的大きな重量を有しているが、転写ユニット梱包体に衝撃が加わったときに、バックアップローラが転写ユニットから脱落することを抑制できる。
【0015】
また、前記無端ベルトの前記被検知領域は、前記軸方向において間隔を空けて2つ設けられる。
【0016】
これにより、転写ユニットが画像形成装置に装着された状態において、シートに形成される画像の濃度補正および色ずれ補正等を行う際の補正精度を向上することができる。
【0017】
また、前記第2梱包材は、前記無端ベルトの前記軸方向における一端部を支持する第2ベルト支持部であって、前記軸方向において前記第1ベルト支持部と間隔を空けて配置される第2ベルト支持部と、前記無端ベルトの前記軸方向における他端部を支持する第3ベルト支持部であって、前記軸方向において前記第1ベルト支持部と間隔を空けて配置される第3ベルト支持部と、を更に有し、前記無端ベルトの2つの前記被検知領域は、前記軸方向において、前記第1ベルト支持部と前記第2ベルト支持部との間、および前記第1ベルト支持部と前記第3ベルト支持部との間にそれぞれ位置する。
【0018】
これにより、無端ベルトの被検知領域が第1ベルト支持部、第2ベルト支持部、および第3ベルト支持部と接触することを抑制でき、被検知領域に傷が付くことを防止できる。
【0019】
また、前記第1ベルト支持部における前記無端ベルトと接触する第1ベルト支持面の前記軸方向における長さは、前記第2ベルト支持部における前記無端ベルトと接触する第2ベルト支持面の前記軸方向における長さ、および前記第3ベルト支持部における前記無端ベルトと接触する第3ベルト支持面の前記軸方向における長さよりも長い。
【0020】
これにより、第1ベルト支持部は、軸方向において第2ベルト支持部および第3ベルト支持部よりも無端ベルトの中央部を支持しているため、第1ベルト支持面を第2ベルト支持面および第3ベルト支持面よりも長く形成することで、第1ベルト支持部によって転写ユニットを安定して支持することができる。
【0021】
また、前記フレーム支持部は、前記軸方向において、前記フレームにおける前記無端ベルトの一端よりも外側と、前記フレームにおける前記無端ベルトの他端よりも外側とを支持し、前記フレーム支持部の前記フレームと接触するフレーム支持面は、前記第1ベルト支持面、前記第2ベルト支持面、および前記第3ベルト支持面よりも下方に位置する。
【0022】
これにより、第1ベルト支持部、第2ベルト支持部、および第3ベルト支持部によって無端ベルトを支持しつつ、無端ベルトよりも下方に延出するフレームをフレーム支持部によって支持することができる。
【0023】
また、前記第1梱包材は、前記無端ベルトと前記上下方向に対向し、前記上下方向に貫通する貫通孔が形成された対向壁を有し、前記第2梱包材は、前記上下方向に突出し、前記第1梱包材の前記貫通孔に挿通される凸部であって、前記対向壁よりも上方に突出する凸部を有する。
【0024】
これにより、第2梱包材の凸部と、第1梱包材の側壁とを上下方向において係合させることで、第2梱包材に対する第1梱包材の上下方向の位置決めを行うことができる。
【0025】
また、前記貫通孔は、前記対向壁における前記軸方向の一端に位置し、前記第1梱包材は、前記対向壁における前記軸方向の一端から上方に延び、前記上下方向において前記凸部と係合する側壁を有し、前記貫通孔および前記凸部は、それぞれ前記直交方向において間隔を空けて複数設けられる。
【0026】
これにより、第2梱包材の凸部と、第1梱包材の側壁とが上下方向において係合することで、第2梱包材に対する第1梱包材の上下方向の位置決めを行うことができる。この場合、第1梱包材の貫通孔および第2梱包材の凸部は、それぞれ直交方向において間隔を空けて複数設けられているため、第1梱包材を第2梱包材に対して安定して位置決めすることができる。
【0027】
また、前記転写ユニットは、前記直交方向においてフレームの一端側に位置し、前記フレームより上方に突出するハンドルを有し、前記第1梱包材の前記直交方向における一端側に隣接して位置し、前記ハンドルを内部に収容する第3梱包材を更に備える。
【0028】
これにより、転写ユニットのフレームとハンドルとを、それぞれ第1梱包材と第3梱包材といった別々の梱包材によって梱包することで、転写ユニットの梱包作業を容易にすることができる。
【0029】
また、前記第3梱包材は、水平方向に延出して前記第3梱包材の内部を前記上下方向において仕切る第1仕切材と、前記上下方向に延出して前記第3梱包材の内部を前記直交方向において仕切る第2仕切材とを有する。
【0030】
これにより、第3梱包材を簡単な構成としつつ、第1仕切材および第2仕切材によって転写ユニット梱包体におけるハンドルの位置決めを行うことができる。
【0031】
また、前記第1梱包材は、段ボールにて形成され、前記第2梱包材は、パルプモールドにて形成される。
【0032】
これにより、汎用性が高く梱包作業が容易な転写ユニット梱包体を構成することができる。
【0033】
また、前記転写ユニット、前記第1梱包材および前記第2梱包材を内部に収納するための開口と、前記開口を開放する位置と前記開口を閉じる位置との間を移動可能なカバー部と、を有する外箱を更に備え、前記第1梱包材は、前記開口を閉じる位置の前記カバー部によって前記第2梱包材に向かって押圧される。
【0034】
これにより、外箱の開口を閉じて転写ユニットを梱包した際に、転写ユニットを、第1梱包材と第2梱包材とでより安定して上下方向から挟み込むことができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、転写ユニットを第1梱包材と第2梱包材とによって上下方向から挟み込むため、転写ユニットにおける部品外れが懸念される部品が上下方向へ外れることを抑制できる。また、転写ユニットが第2梱包材により支持された状態において、無端ベルトの被検知領域は第2梱包材と接触しないため、転写ユニットからの部品外れを抑制しつつ、無端ベルトの被検知領域に傷が付くことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】画像形成装置を示す中央断面図である。
図2】転写ユニットを示す斜視図である。
図3】転写ユニットを示す平面図である。
図4】転写ユニットを示す側面図斜視図である。
図5】転写ユニットにおける転写ベルトの内部を示す平面図である。
図6】軸受を示す斜視図である。
図7】転写ローラのローラ軸を支持する軸受を示す図であって、(a)は正面断面図であり、(b)は斜視図である。
図8】外箱のカバー部が開放位置にある状態の転写ユニット梱包体を示す斜視図である。
図9】外箱のカバー部が閉塞位置にある状態の転写ユニット梱包体を示す斜視図である。
図10】転写ユニット梱包体を示す背面図である。
図11】転写ユニット梱包体を示す側面断面図である。
図12】組付けた状態の第1梱包材、第2梱包材、および第3梱包材を示す図であって、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
図13】第1梱包材を示す図であって、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
図14】第2梱包材を示す図であって、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0038】
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置1は、本発明に係る転写ユニット梱包体を構成する転写ユニットを備えた画像形成装置の一実施形態であり、電子写真方式により、シートSに複数色の画像を形成するカラーレーザプリンタである。
【0039】
以下の説明では、図1における右側を画像形成装置1の前側、図1における左側を画像形成装置1の後側と規定し、図1おける紙面手前側を画像形成装置1の左側、図1における紙面奥側を画像形成装置1の右側と規定する。また、図1における上側および下側を、それぞれ画像形成装置1の上側および下側と規定する。
【0040】
画像形成装置1は、装置本体2と、シートSを支持する給紙トレイ30およびシートSを搬送するシート搬送部31を有する給紙部3と、給紙部3により搬送されてきたシートSにトナー像を形成する画像形成部5と、シートSにトナー像を定着させる定着器6とを備えている。
【0041】
装置本体2は略直方体形状に形成されており、給紙部3、画像形成部5、および定着器6を収容している。装置本体2の上面には開口部2Aが開口している。画像形成装置1は、装置本体2の開口部2Aを開閉可能なトップカバー21を有している。
【0042】
トップカバー21は、装置本体2に後端部の回動軸21aを中心として回動可能に支持されている。トップカバー21は、回動軸21aを中心として回動することにより、開口部2Aを閉塞する閉位置(図1に示す位置)と、開口部2Aを開放する開位置との間を移動可能である。トップカバー21には前側から後側へ向かうにつれて下方に傾斜する排紙トレイ21bが形成されている。
【0043】
給紙部3は、装置本体2の下部に配置されており、給紙トレイ30に支持されるシートSをシート搬送部31によって画像形成部5に搬送するものである。給紙トレイ30は、前後方向へスライド可能に構成されており、装置本体2に収容される収容位置と、収容位置から前方へ引き出された分離位置との間で移動可能に構成されている。
【0044】
シート搬送部31は、給紙ローラ32と、分離ローラ33と、分離パッド33aと、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とを備えている。装置本体2内には、給紙トレイ30から画像形成部5を経由して排紙トレイ21bへ至るシートSの搬送経路Pが構成されている。
【0045】
給紙トレイ30に支持されるシートSは、給紙ローラ32、分離ローラ33および分離パッド33aにより1枚ずつ分離されて搬送経路Pに送り出される。給紙ローラ32は、給紙トレイ30から画像形成部5に向けてシートSを搬送するローラである。分離ローラ33および分離パッド33aは、給紙トレイ30に支持されるシートSを一枚ずつ分離する分離手段を構成している。
【0046】
搬送経路Pに送り出されたシートSは、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とにより画像形成部5に向けて搬送される。レジストローラ対35は、搬送されるシートSの先端の移動を規制して一旦停止させた後、シートSを所定のタイミングにて画像形成部5に向けて搬送する。
【0047】
画像形成部5は給紙部3の上方に配置されており、前後方向に並設される4つのプロセスカートリッジ50を備えている。プロセスカートリッジ50は、カートリッジの一例である。各プロセスカートリッジ50は、ブラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの各色に対応して設けられている。プロセスカートリッジ50は、装置本体2に着脱可能に装着されている。プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51と、現像ローラ52と、供給ローラ53と、帯電器54とを備えている。プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51を備えるドラムカートリッジと、現像ローラ52を備える現像カートリッジとからなる。
【0048】
プロセスカートリッジ50は、現像ローラ52の回転軸心が左右方向に沿った姿勢で装置本体2に装着されている。現像ローラ52は、感光ドラム51に当接する当接位置と、感光ドラム51から離間する離間位置とに移動可能に構成されている。供給ローラ53は、プロセスカートリッジ50に収容されるトナーを現像ローラ52に供給する。
【0049】
装置本体2は、感光ドラム51の表面を露光する露光ヘッド59を有している。露光ヘッド59は、トップカバー21に支持されている。露光ヘッド59は、各感光ドラム51に対応して4つ設けられており、各露光ヘッド59は前後方向に並設されている。露光ヘッド59はトップカバー21から下方へ延出しており、下端部に露光部59aを有している。露光部59aは、トップカバー21が閉じた状態において感光ドラム51の上方に近接して配置されている。露光部59aは、左右方向に並列される複数のLED素子を備えたLEDアレイにて構成されている。
【0050】
感光ドラム51の搬送経路Pを挟んだ下方には、転写ベルト41が対向配置されている。転写ベルト41は、駆動ローラ42と駆動ローラ42の前方に配置される従動ローラ43との間に掛け渡されている。転写ベルト41を挟んだ各感光ドラム51に対向する位置には、それぞれ転写ローラ44が配置されている。転写ローラ44は、転写ベルト41の内側に配置されている。転写ベルト41、駆動ローラ42、従動ローラ43、および転写ローラ44等により転写ユニット40が構成されている。転写ユニット40は、装置本体2に着脱可能に装着されている。
【0051】
駆動ローラ42および従動ローラ43は、軸方向が左右方向に沿った姿勢で配置されている。従動ローラ43は、駆動ローラ42に対して前後方向に間隔を空けて配置されている。駆動ローラ42および従動ローラ43の軸方向である左右方向は、上下方向と直交する方向の一例であり、前後方向は、軸方向および上下方向と直交する直交方向の一例である。転写ベルト41は無端ベルトの一例であり、駆動ローラ42は第1ローラの一例であり、従動ローラ43は第2ローラの一例である。
【0052】
画像形成部5においては、帯電器54によって一様に帯電された感光ドラム51が、それぞれ露光ヘッド59によって選択的に露光される。この露光により、感光ドラム51の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム51の表面に静電潜像が形成される。
【0053】
プロセスカートリッジ50に収容されるトナーは、供給ローラ53と現像ローラ52との間で正極性に帯電され、現像ローラ52の表面に担持される。現像ローラ52には現像バイアスが印加されており、感光ドラム51に形成された静電潜像が現像ローラ52に対向すると、静電潜像と現像ローラ52との間の電位差により、現像ローラ52から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム51の表面にトナー像が形成される。
【0054】
画像形成部5へ向けて搬送されたシートSが転写ベルト41上に到達すると、転写ベルト41により搬送されて、転写ベルト41と各感光ドラム51との間を順次通過する。そして、感光ドラム51の表面上のトナー像は、シートSと対向したときに、転写ローラ44に印加された転写バイアスによってシートSに転写される。
【0055】
このとき、感光ドラム51の表面には、シートSに転写されなかったトナーが残存する場合がある。感光ドラム51の表面に残存する廃トナーは、感光ドラム51の回転に伴ってドラムクリーニングローラ55と対向する。ドラムクリーニングローラ55と対向した廃トナーは、ドラムクリーニングバイアスによってドラムクリーニングローラ55の表面に電気的に保持される。
【0056】
なお、本実施形態における転写ベルト41は、トナー像が転写されるシートSを搬送する搬送ベルトに構成されているが、トナー像がベルト自身に転写され、ベルトに転写されたトナー像がさらにシートSに転写される中間転写ベルトに構成することも可能である。
【0057】
トナー像が転写されたシートSは定着器6に搬送される。定着器6は加熱ローラ61と加熱ローラ61に圧接する加圧ローラ62とを備えている。加熱ローラ61は、装置本体2が備える図示しない電源により加熱される。定着器6に搬送されたシートSは、加熱ローラ61と加圧ローラ62との間を通過する間にトナー像が熱定着される。
【0058】
トナー像が熱定着されたシートSは、定着器6から搬送方向下流側に搬送され、さらに中間排紙ローラ対64、および中間排紙ローラ対64の搬送方向下流側に配置される排紙ローラ対65により搬送されて、排紙トレイ21bに排紙される。
【0059】
装置本体2内における転写ベルト41の下方、かつ給紙トレイ30の上方には、転写ベルト41から廃トナーを回収するためのクリーニングユニット10が設けられている。クリーニングユニット10は、装置本体2に着脱可能に装着されている。
【0060】
クリーニングユニット10は、転写ベルト41を挟んで感光ドラム51の反対側に位置している。クリーニングユニット10は、ベルトクリーニングローラ11と、回収ローラ12と、掻き取りブレード13と、廃トナーボックス14とを有している。
【0061】
転写ユニット40は転写ベルト41の内側に配置されるバックアップローラ45を有している。ベルトクリーニングローラ11は、転写ベルト41の下方においてバックアップローラ45と対向する位置に配置されており、転写ユニット40が装置本体2に装着された状態において転写ベルト41に下方から当接している。ベルトクリーニングローラ11は、無端ベルトに下方から当接するクリーニングローラの一例である。
【0062】
バックアップローラ45は、転写ユニット40が装置本体2に装着された状態において、ベルトクリーニングローラ11と対向する位置に配置されており、転写ベルト41に上方から当接している。バックアップローラ45は、金属部材にて形成される部分を有している。
【0063】
クリーニングユニット10においては、転写ベルト41に付着する廃トナーを、ベルトクリーニングローラ11、回収ローラ12、掻き取りブレード13によって回収し、回収した廃トナーを廃トナーボックス14に収容するように構成されている。
【0064】
画像形成装置1においては、シートSに形成される画像の濃度補正および色ずれ補正等を行う際に、感光ドラム51から転写ベルト41の表面にトナーを転写してパッチP(図3参照)を形成することが行われる。画像形成装置1は、転写ベルト41の表面に形成されたパッチPを検知するための光学センサ4を備えており、当該パッチPを光学センサ4によって読み取ることで、シートSに形成される画像の濃度補正および色ずれ補正等を行う。光学センサ4は、転写ユニット40における駆動ローラ42の後下方に配置されている。
【0065】
[転写ユニット]
図2図3に示すように、転写ユニット40において、転写ベルト41の表面に形成されるパッチPは、転写ベルト41の左右方向における左端部と右端部との2箇所において前後方向に沿って複数形成されている。転写ベルト41において、複数のパッチPが前後方向に沿って形成される領域は被検知領域Rである。被検知領域Rは前後方向に延びており、パッチPの左右方向の大きさに合わせた幅W1を有している。被検知領域Rは、左右方向において間隔を空けて2つ設けられている。
【0066】
光学センサ4は、被検知領域Rの位置に合わせて左右の2箇所に設けられている。被検知領域RのパッチPは、転写ユニット40が装置本体2に装着された状態において、光学センサ4により検知される。この場合、被検知領域Rが左右方向において間隔を空けて2つ設けられていることによって、パッチPを光学センサ4により検知してシートSに形成される画像の濃度補正および色ずれ補正等を行う際の補正精度を向上することが可能となっている。
【0067】
図2図5に示すように、転写ユニット40は、駆動ローラ42、従動ローラ43、転写ローラ44、およびバックアップローラ45を保持する左フレーム46Aおよび右フレーム46Bと、転写ユニット40を装置本体2に対して着脱する際に把持する部分となるハンドル47とを有している。左フレーム46Aおよび右フレーム46Bは、駆動ローラ、従動ローラ、および転写ローラを保持するフレームの一例である。
【0068】
左フレーム46Aは、転写ユニット40の左端部において前後方向に延出し、右フレーム46Bは、転写ユニット40の右端部において前後方向に延出している。左フレーム46Aおよび右フレーム46Bは、転写ベルト41よりも下方に延出している。
【0069】
左フレーム46Aは、転写ベルト41の左端41Aよりも左右方向の外側となる左方に突出しており、駆動ローラ42、従動ローラ43、転写ローラ44、およびバックアップローラ45の左端を保持している。右フレーム46Bは、転写ベルト41の右端41Bよりも左右方向の外側となる右方に突出しており、駆動ローラ42、従動ローラ43、転写ローラ44、およびバックアップローラ45の右端を保持している。左フレーム46Aは、転写ローラ44の左端を、軸受48を介して保持している。右フレーム46Bは、転写ローラ44の右端を、軸受49を介して保持している。
【0070】
ハンドル47は、転写ユニット40における左フレーム46Aおよび右フレーム46Bの前端側に位置しており、左フレーム46Aの前端部と右フレーム46Bの前端部とを連結している。ハンドル47は、左フレーム46Aおよび右フレーム46Bよりも上方に突出している。ハンドル47が左フレーム46Aおよび右フレーム46Bよりも上方に突出していることで、装置本体2に装着された転写ユニット40を装置本体2から取り外すときに、ハンドル47を把持し易くなっている。左フレーム46Aおよび右フレーム46Bの前端側は、直交方向におけるフレームの一端側の一例である。
【0071】
図6図7に示すように、転写ローラ44の左端を保持する軸受48は、軸受本体481と、支持部482と、軸カバー483とを有している。軸受本体481は円筒形状に形成されており、転写ローラ44のローラ軸441が挿入されている。支持部482は左フレーム46Aに係合されており、支持部482が左フレーム46Aに係合されることで、軸受48が左フレーム46Aに保持されている。支持部482は軸受本体481の前側と後側とに設けられており、軸受48を左フレーム46Aにより安定して保持することが可能となっている。
【0072】
軸カバー483は、軸受本体481から左右方向における内側となる右方に延びており、ローラ軸441の上半部分を覆っている。軸カバー483の右端は、右方へいくに従って下方に傾斜するテーパ面484に形成されている。
【0073】
図7(a)に示すように、テーパ面484の下端484aは、ローラ軸441の上端SUよりも下方に位置しており、テーパ面484の上端484bは、ローラ軸441の上端SUよりも上方に位置している。転写ベルト41は、左右方向において転写ローラ44の左端部よりも左方へ延出しており、転写ベルト41の左端41Aは軸受48における軸受本体481の上方に位置している。
【0074】
転写ベルト41は、図7(a)において2点鎖線で示すように、転写ユニット40を装置本体2に対して着脱する際等に、左端41Aが下方に折れ曲がって軸受48における軸カバー483のテーパ面484に接触することがある。
【0075】
仮に、軸受48の右端が垂直な面に形成されていた場合、転写ベルト41の左端41Aが下方に折れ曲がって軸受48の右端に接触すると、転写ベルト41の左端41Aが軸受48の右端に引っ掛かったままの状態となる。これにより、転写ベルト41に折れが生じた状態が保持されて、転写ベルト41の寿命に影響を与えるおそれがある。
【0076】
しかし、本実施形態の軸受48においては、折れ曲がった左端41Aが接触する軸カバー483の右端は、右方へいくに従って下方に傾斜するテーパ面484に形成されているため、テーパ面484に接触した転写ベルト41の左端41Aがテーパ面484に沿って上方へ案内されることとなり、転写ベルト41に折れが生じた状態を解消し易くなっている。
【0077】
特に、テーパ面484の下端484aはローラ軸441の上端SUよりも下方に位置しているため、転写ベルト41の左端41Aがテーパ面484の下端484aに引っ掛かることがなく、転写ベルト41に折れが生じた状態をより解消し易くなっている。これにより、転写ベルト41に折れが生じた状態が保持されることを抑制でき、転写ベルト41の寿命を向上することが可能となる。
【0078】
[転写ユニット梱包体]
転写ユニット40を輸送する際等には、転写ユニット40を梱包材によって梱包することで転写ユニット梱包体70が構成される。
【0079】
図8図9に示すように、転写ユニット梱包体70は、転写ユニット40と、第1梱包材71と、第2梱包材72と、第3梱包材73と、外箱74とを備えている。第1梱包材71、第3梱包材73、および外箱74は段ボールにて形成され、第2梱包材72はパルプモールドにて形成されている。
【0080】
第1梱包材71は、転写ユニット40を上方から覆っている。第2梱包材72は、転写ユニット40を下方から支持している。第3梱包材73は、転写ユニット40のハンドル47を内部に収容している。外箱74は、転写ユニット40、第1梱包材71、第2梱包材72、および第3梱包材73を収容している。
【0081】
(外箱)
外箱74は、直方体形状に形成され、上面に開口741Aを有する箱体741と、開口741Aを開閉可能なカバー部742とを有している。箱体741は垂直方向に延びる4枚の側壁741aを有しており、カバー部742は各側壁741aの上端から延出している。
【0082】
カバー部742は、開口741Aと重ならないように箱体741の外側へ向けて折り曲げられた開口741Aを開放する開放位置(図8に示す位置)と、開口741Aと重なるように箱体741の内側へ向けて折り曲げられた開口741Aを閉じる閉塞位置(図9に示す位置)との間を移動可能である。
【0083】
開口741Aは、転写ユニット40、第1梱包材71、第2梱包材72、および第3梱包材73を箱体741の内部に収容するための開口である。転写ユニット40、第1梱包材71、第2梱包材72、および第3梱包材73は、カバー部742が開放位置にあるときに、開口741Aを通じて箱体741の内部に収容することができる。
【0084】
また、転写ユニット40、第1梱包材71、第2梱包材72、および第3梱包材73を箱体741の内部に収容した状態で、カバー部742を閉塞位置に移動させて開口741Aを閉じることで、転写ユニット40が第1梱包材71、第2梱包材72、第3梱包材73、および外箱74によって梱包された状態となり、転写ユニット梱包体70が構成される。
【0085】
転写ユニット梱包体70においては、転写ユニット40は第1梱包材71と第2梱包材72とによって上下方向から挟み込まれた状態となっており、転写ユニット40における部品外れが懸念される部品が上下方向へ外れることを抑制可能となっている。
【0086】
特に、転写ユニット梱包体70においては、カバー部742を閉塞位置に移動させて開口741Aを閉じた状態では、第1梱包材71が、開口741Aを閉じる位置のカバー部742によって第2梱包材72に向かって押圧されるように構成されている。これにより、外箱74の開口741Aを閉じて転写ユニット40を梱包した際に、転写ユニット40を、第1梱包材71と第2梱包材72とでより安定して上下方向から挟み込むことが可能となっている。
【0087】
(第1梱包材)
図8図13に示すように、第1梱包材71は、対向壁711と、側壁712と、前後壁713とを有している。対向壁711は上下方向に面しており、転写ユニット40の転写ベルト41と上下方向に対向している。対向壁711は転写ベルト41と接触している。側壁712は、対向壁711の左端および右端からそれぞれ上方に延びており、左右方向に面している。左端は、例えば左右方向の一端であり、右端は、例えば左右方向の他端である。前後壁713は、対向壁711の前端および後端からそれぞれ上方に延びており、前後方向に面している。
【0088】
対向壁711は、上下方向に貫通する貫通孔711aおよび貫通孔711bを有している。貫通孔711aは、対向壁711の左端および右端に位置している。貫通孔711aは、対向壁711の左端において、前後方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態では、貫通孔711aは対向壁711の左端において2つ形成されている。貫通孔711aは、対向壁711の右端において、前後方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態では、貫通孔711aは対向壁711の右端において2つ形成されている。
【0089】
貫通孔711bは、対向壁711の後端に位置している。貫通孔711bは、対向壁711の後端において、左右方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態では、貫通孔711bは対向壁711の後端において2つ形成されている。
【0090】
(第2梱包材)
図8図12図14に示すように、第2梱包材72は、底壁721と、第1フレーム支持部722と、第2フレーム支持部723と、第1ベルト支持部724と、第2ベルト支持部725と、第3ベルト支持部726とを有している。底壁721は上下方向に面している。
【0091】
第1フレーム支持部722は、底壁721から上方へ向かって突出する突起であり、底壁721の後部かつ左右端部に位置している。底壁721の左端部に設けられる第1フレーム支持部722は、左フレーム46Aの後端部を下方から支持している。具体的には、底壁721の左端部に設けられる第1フレーム支持部722は、左フレーム46Aの後端部における、転写ベルト41の左端41Aよりも左右方向の外側に突出する部分を支持している。
【0092】
底壁721の右端部に設けられる第1フレーム支持部722は、右フレーム46Bの後端部を下方から支持している。具体的には、底壁721の右端部に設けられる第1フレーム支持部722は、右フレーム46Bの後端部における、転写ベルト41の右端41Bよりも左右方向の外側に位置する部分を支持している。第1フレーム支持部722は、フレームを支持するフレーム支持部の一例である。
【0093】
第1フレーム支持部722は、左フレーム46Aおよび右フレーム46Bを支持したときに左フレーム46Aおよび右フレーム46Bと接触する第1フレーム支持面722aを有している。
【0094】
第2フレーム支持部723は、底壁721から上方へ向かって突出する突起であり、底壁721の前部かつ左右端部に位置している。底壁721の左端部に設けられる第2フレーム支持部723は、左フレーム46Aの前端部を下方から支持している。具体的には、底壁721の左端部に設けられる第2フレーム支持部723は、左フレーム46Aの前端部における、転写ベルト41の左端41Aよりも左右方向の外側に突出する部分を支持している。
【0095】
底壁721の右端部に設けられる第2フレーム支持部723は、右フレーム46Bの前端部を下方から支持している。具体的には、底壁721の右端部に設けられる第2フレーム支持部723は、右フレーム46Bの前端部における、転写ベルト41の右端41Bよりも左右方向の外側に突出する部分を支持している。第2フレーム支持部723は、フレームを支持するフレーム支持部の一例である。
【0096】
第2フレーム支持部723は、左フレーム46Aおよび右フレーム46Bを支持したときに左フレーム46Aおよび右フレーム46Bと接触する第2フレーム支持面723aを有している。
【0097】
第1ベルト支持部724は、底壁721から上方へ向かって突出する突起であり、左右方向に延びている。第1ベルト支持部724は、左右方向において底壁721の略中央部に位置している。第1ベルト支持部724は、転写ベルト41の左右方向における略中央部を下方から支持している。第1ベルト支持部724は、転写ベルト41の被検知領域Rではない領域を支持している。第1ベルト支持部724は、転写ベルト41を支持する際に転写ベルト41と接触する第1ベルト支持面724aを有している。第1ベルト支持面724aの左右方向における長さはL1である。
【0098】
第2ベルト支持部725は、底壁721から上方へ向かって突出する突起であり、第1ベルト支持部724の左方に位置している。第2ベルト支持部725は、左右方向において、第1ベルト支持部724と間隔を空けて配置されている。第2ベルト支持部725は、転写ベルト41の左右方向における左端部を支持している。第2ベルト支持部725は、転写ベルト41の被検知領域Rではない領域を支持している。第2ベルト支持部725は、転写ベルト41を支持する際に転写ベルト41と接触する第2ベルト支持面725aを有している。第2ベルト支持面725aの左右方向における長さはL2である。左右方向において、第1ベルト支持面724aと第2ベルト支持面725aとは間隔W2を有している。
【0099】
第3ベルト支持部726は、底壁721から上方へ向かって突出する突起であり、第1ベルト支持部724の右方に位置している。第3ベルト支持部726は、左右方向において、第1ベルト支持部724と間隔を空けて配置されている。第3ベルト支持部726は、転写ベルト41の左右方向における右端部を支持している。第3ベルト支持部726は、転写ベルト41の被検知領域Rではない領域を支持している。第3ベルト支持部726は、転写ベルト41を支持する際に転写ベルト41と接触する第3ベルト支持面726aを有している。第3ベルト支持面726aの左右方向における長さはL3である。左右方向において、第1ベルト支持面724aと第3ベルト支持面726aとは間隔W3を有している。
【0100】
このように、第2梱包材72は、左フレーム46Aおよび右フレーム46Bを支持する第1フレーム支持部722および第2フレーム支持部723と、転写ベルト41を支持する第1ベルト支持部724、第2ベルト支持部725、および第3ベルト支持部726とを有している。これにより、第2梱包材72によって転写ユニット40の左フレーム46A、右フレーム46B、および転写ベルト41を支持することができ、転写ユニット40を安定して支持することが可能となっている。
【0101】
この場合、第1ベルト支持部724は、底壁721から上方へ向かって突出して左右方向に延びる突起であり、転写ユニット40から下方に外れることが懸念される部品を第1ベルト支持部724によって下方から左右方向の広範囲にわたって受けることができるため、転写ユニット40からの部品外れを抑制することが可能となっている。
【0102】
また、第1ベルト支持部724は、左右方向において第2ベルト支持部725および第3ベルト支持部726よりも転写ベルト41の中央部を支持している。第1ベルト支持部724における第1ベルト支持面724aの長さL1は、第2ベルト支持面725aの長さL2および第3ベルト支持面726aの長さL3よりも長く形成されている。これにより、転写ベルト41の中央部を第1ベルト支持部724によって下方から広範囲に受けることができ、転写ユニット40を安定して支持することが可能となっている。
【0103】
また、第2梱包材72の第1ベルト支持部724、第2ベルト支持部725、および第3ベルト支持部726は、転写ユニット40における、上下方向から見たときにバックアップローラ45と重なる位置を下方から支持している。バックアップローラ45は、金属部材にて形成される部分を有していて比較的大きな重量を有しているが、転写ユニット40のバックアップローラ45と重なる位置を第2梱包材72により下方から支持することで、転写ユニット梱包体70に衝撃が加わったときに、バックアップローラ45が転写ユニット40から脱落することを抑制できる。
【0104】
図10に示すように、第1ベルト支持面724aと第2ベルト支持面725aとの間隔W2、および第1ベルト支持面724aと第3ベルト支持面726aとの間隔W3は、それぞれ転写ベルト41における被検知領域Rの幅W1以上の大きさに形成されている。転写ベルト41の2つの被検知領域Rは、左右方向において、第1ベルト支持部724と第2ベルト支持部725との間、および第1ベルト支持部724と第3ベルト支持部726との間にそれぞれ位置している。
【0105】
従って、第1ベルト支持部724、第2ベルト支持部725、および第3ベルト支持部726によって転写ベルト41を支持した際に、第1ベルト支持部724、第2ベルト支持部725、および第3ベルト支持部726は、転写ベルト41の被検知領域Rと接触しない。つまり、転写ユニット40が第2梱包材72により支持された状態の転写ユニット梱包体70において、転写ベルト41の被検知領域Rは第2梱包材72と接触しない。これにより、転写ユニット40を第2梱包材72によって支持することで、転写ユニット40からの部品外れを抑制しつつ、転写ベルト41の被検知領域Rに傷が付くことを防止可能となっている。
【0106】
図11に示すように、第1ベルト支持面724a、第2ベルト支持面725a、および第3ベルト支持面726aの底壁721からの高さはh1である。また、第1フレーム支持面722aの底壁721からの高さはh2であり、第2フレーム支持面723aの底壁721からの高さはh3である。高さh2および高さh3は、高さh1よりも小さい。つまり、第1フレーム支持面722aおよび第2フレーム支持面723aは、第1ベルト支持面724a、第2ベルト支持面725a、第3ベルト支持面726aよりも下方に位置している。
【0107】
これにより、第1ベルト支持部724、第2ベルト支持部725、および第3ベルト支持部726によって転写ベルト41を支持しつつ、転写ベルト41よりも下方に延出する左フレーム46Aおよび右フレーム46Bを第1フレーム支持部722および第2フレーム支持部723によって支持することが可能となっている。
【0108】
第2梱包材72は、第1凸部727と、第2凸部728と、第3凸部729とを有している。第1凸部727は上下方向に突出する凸部の一例であり、底壁721から上方へ向かって突出している。
【0109】
第1凸部727は、底壁721の左端および右端に位置している。第1凸部727は、底壁721の左端において、前後方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態では、第1凸部727は、底壁721の左端において2つ形成されている。第1凸部727は、底壁721の右端において、前後方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態では、第1凸部727は、底壁721の右端において2つ形成されている。
【0110】
第1凸部727は、第1梱包材71の対向壁711に形成される貫通孔711aの位置に対応して配置されており、貫通孔711aに挿通されている。貫通孔711aに挿通された第1凸部727は、対向壁711よりも上方に突出している。
【0111】
底壁721の左端に形成される第1凸部727は、対向壁711の左端から上方に延びる側壁712の下端と係合している。底壁721の右端に形成される第1凸部727は、対向壁711の右端から上方に延びる側壁712の下端と係合している。つまり、第1梱包材71の側壁は、上下方向において第2梱包材72の第1凸部727と係合している。
【0112】
このように、第2梱包材72の第1凸部727と、第1梱包材71の側壁712とが上下方向において係合することで、第2梱包材72に対する第1梱包材71の上下方向の位置決めが行われている。この場合、第1梱包材71の貫通孔711aおよび第2梱包材72の第1凸部727は、それぞれ前後方向において間隔を空けて複数設けられているため、第1梱包材71を第2梱包材72に対して安定して位置決めすることが可能となっている。
【0113】
第2凸部728は、上下方向に突出する凸部であり、底壁721から上方へ向かって突出している。第2凸部728は、底壁721の後端に位置している。第2凸部728は、底壁721の後端において、左右方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態では、第2凸部728は、底壁721の後端において2つ形成されている。
【0114】
第2凸部728は、第1梱包材71の対向壁711に形成される貫通孔711bの位置に対応して配置されており、貫通孔711bに挿通されている。貫通孔711bに挿通された第2凸部728は、対向壁711よりも上方に突出している。第2凸部728は、対向壁711の後端から上方に延びる前後壁713の下端と係合している。
【0115】
このように、第2梱包材72の第2凸部728と、第1梱包材71の前後壁713とが上下方向において係合することで、第2梱包材72に対する第1梱包材71の上下方向の位置決めが行われている。この場合、第1梱包材71の貫通孔711bおよび第2梱包材72の第2凸部728は、それぞれ左右方向において間隔を空けて複数設けられているため、第1梱包材71を第2梱包材72に対して安定して位置決めすることが可能となっている。
【0116】
第3凸部729は、上下方向に突出する凸部であり、底壁721から上方へ向かって突出している。第3凸部729は、底壁721の前端に位置している。第3凸部729は、底壁721の前端において、左右方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態では、第3凸部729は、底壁721の後端において2つ形成されている。
【0117】
第3凸部729の上方には第3梱包材73が位置しており、第3凸部729は第3梱包材73の下端と係合している。第2梱包材72の第3凸部729と、第3梱包材73とが上下方向において係合することで、第2梱包材72に対する第3梱包材73の上下方向の位置決めが行われている。この場合、第3凸部729は左右方向において間隔を空けて複数設けられているため、第3梱包材73を第2梱包材72に対して安定して位置決めすることが可能となっている。
【0118】
(第3梱包材)
図8図9図11図12に示すように、第3梱包材73は、第1梱包材71の前側に隣接して位置しており、転写ユニット40のハンドル47を内部に収容している。第3梱包材73は、充填材731と、第1仕切材732と、第2仕切材733とを有している。充填材731は、左右方向に間隔を空けて2つ設けられている。第1仕切材732および第2仕切材733は左方の充填材731と右方の充填材731との間に位置している。
【0119】
第1仕切材732は水平方向に延出しており、第3梱包材73の内部を上下方向において仕切っている。第2仕切材733は垂直方向に延出しており、第3梱包材73の内部を前後方向において仕切っている。第1仕切材732と第2仕切材733とは第3梱包材73内において交差しており、左右方向から見て十字形状となるように配置されている。
【0120】
転写ユニット40のハンドル47は、左右の充填材731と、第1仕切材732の後半部分と、第2仕切材733の下半部分と、第1梱包材71の前後壁713とで囲まれた空間内に収容されている。第3梱包材73内のハンドル47は、第1仕切材732および第2仕切材733によって位置決めがなされている。
【0121】
第3梱包材73は、水平方向に延出する第1仕切材732と垂直方向に延出する第2仕切材733とでハンドル47を位置決することで、第3梱包材73を簡単な構成としつつ、第1仕切材732および第2仕切材733によって転写ユニット梱包体70におけるハンドル47の位置決めを行うことが可能となっている。
【0122】
また、転写ユニット40の左フレーム46Aおよび右フレーム46Bと、ハンドル47とを、それぞれ第1梱包材71と第3梱包材73といった別々の梱包材によって梱包することで、転写ユニット40の梱包作業を容易にすることが可能となっている。
【0123】
転写ユニット梱包体70においては、第1梱包材71および第3梱包材73は比較的簡単に成形することができる段ボールにて形成され、第2梱包材72は形状の自由度が比較的高いパルプモールドにて形成されているため、汎用性が高く梱包作業が容易な転写ユニット梱包体70を構成することが可能となっている。
【符号の説明】
【0124】
1 画像形成装置
4 光学センサ
11 ベルトクリーニングローラ
40 転写ユニット
41 転写ベルト
41A 左端
41B 右端
42 駆動ローラ
43 従動ローラ
44 転写ローラ
45 バックアップローラ
46A 左フレーム
46B 右フレーム
47 ハンドル
70 転写ユニット梱包体
71 第1梱包材
72 第2梱包材
73 第3梱包材
74 外箱
711 対向壁
711a 貫通孔
712 側壁
722 第1フレーム支持部
722a 第1フレーム支持面
723 第2フレーム支持部
723a 第2フレーム支持面
724 第1ベルト支持部
724a 第1ベルト支持面
725 第2ベルト支持部
725a 第2ベルト支持面
726 第3ベルト支持部
726a 第3ベルト支持面
727 第1凸部
732 第1仕切材
733 第2仕切材
741A 開口
742 カバー部
h1 (第1ベルト支持面、第2ベルト支持面、第3ベルト支持面の)高さ
h2 (第1フレーム支持面の)高さ
h3 (第2フレーム支持面の)高さ
L1 (第1ベルト支持面の)長さ
L2 (第2ベルト支持面の)長さ
L3 (第3ベルト支持面の)長さ
R 被検知領域
図1
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