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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040299
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】トイレシステム
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20240315BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
E03D9/08 A
H01Q1/22 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024017198
(22)【出願日】2024-02-07
(62)【分割の表示】P 2020003801の分割
【原出願日】2020-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 浩和
(72)【発明者】
【氏名】大浦 裕之
(72)【発明者】
【氏名】西垣 洋志
(72)【発明者】
【氏名】永田 雅昭
(57)【要約】
【課題】遠隔制御装置とトイレ装置との間の通信性能の低下を抑制する。
【解決手段】トイレ空間の所定位置に設けられ、トイレ装置を遠隔から制御する遠隔制御装置と、前記遠隔制御装置に対して電波を送信するアンテナと、を備え、前記遠隔制御装置は、前記アンテナから送信された電波の電力で動作し、前記アンテナは、便器の後側に設けられたキャビネット内に設けられ、且つ、便座に座った使用者から見て前記遠隔制御装置が配置された側の領域に設けられている、トイレシステムである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ空間の所定位置に設けられ、トイレ装置を遠隔から制御する遠隔制御装置と、
前記遠隔制御装置に対して電波を送信するアンテナと、
を備え、
前記遠隔制御装置は、前記アンテナから送信された電波の電力で動作し、
前記アンテナは、便器の後側に設けられたキャビネット内に設けられ、且つ、便座に座った使用者から見て前記遠隔制御装置が配置された側の領域に設けられている、
トイレシステム。
【請求項2】
前記アンテナは、前記キャビネット内において、前記便器よりも高い位置に設置されている、
請求項1に記載のトイレシステム。
【請求項3】
前記遠隔制御装置は、前記便器よりも高い位置に設置されており、
前記アンテナは、前記遠隔制御装置よりも高い位置に設置されている、
請求項1又は請求項2に記載のトイレシステム。
【請求項4】
前記遠隔制御装置は、前記便器よりも高い位置に設置されており、
前記アンテナの高さは、前記遠隔制御装置の高さと同一である、
請求項1又は請求項2に記載のトイレシステム。
【請求項5】
前記トイレ装置は、
前記便器に設けられ、前記便座を有する便座装置と、
前記アンテナと前記便座装置とを接続する導線と、
を備え、
前記導線は、前記キャビネット3内を通るように配線されている、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のトイレシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トイレシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、トイレ装置及び遠隔制御装置を備えるトイレシステムが記載されている。トイレ装置は、トイレ本体に設けられている。トイレ装置は、遠隔制御装置に対して電波を送信する。遠隔制御装置は、操作部を備える。操作部は、使用者によって操作される。遠隔制御装置は、トイレ装置からの電波の電力で動作する。遠隔制御装置は、操作部が操作されると、その操作に対する情報を電波でトイレ装置に送信する。これにより、遠隔制御装置は、トイレ装置と通信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-60712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使用者が前記操作部を操作する場合には、使用者の人体は、トイレ装置と、トイレ装置のアンテナから送信される電波で動作する遠隔制御装置と、の間の電波を遮蔽する場合がある。前記電波が遮蔽されると、遠隔制御装置とトイレ装置との間の通信性能は低下する。
【0005】
本開示は、遠隔制御装置とトイレ装置との間の通信性能の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、トイレ空間の所定位置に設けられ、トイレ装置を遠隔から制御する遠隔制御装置と、前記遠隔制御装置に対して電波を送信するアンテナと、を備え、前記遠隔制御装置は、前記アンテナから送信された電波の電力で動作し、前記アンテナは、便器の後側に設けられたキャビネット内に設けられ、且つ、便座に座った使用者から見て前記遠隔制御装置が配置された側の領域に設けられている、トイレシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態におけるトイレシステムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態におけるトイレ空間の平面図である。
図3】本実施形態におけるトイレ空間の正面図である。
図4】本実施形態における遠隔制御装置の構成例を示す図である。
図5】本実施形態における第1制御装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態に係るトイレシステムを、図面を用いて説明する。
【0009】
図1図2及び図3に示すように、トイレシステム1は、トイレ装置2、キャビネット3及び遠隔制御装置4を備える。トイレ装置2は、便器5、便座装置6及び第1アンテナ7を備える。トイレ装置2は、導線Lを備える。便座装置6は、本体カバー8、便座9、便蓋10及び第1制御装置11を備える。ただし、便座装置6は、便蓋10を備えなくてもよい。トイレ装置2は、便器洗浄水を溜める便器洗浄水タンクを備えても良い。
【0010】
便器5は、トイレ空間100内の床面に設置されている。便器5の上部には、便座装置6が設置されている。トイレ空間100には、キャビネット3が設けられている。
【0011】
キャビネット3は、トイレ空間100内において、便器5の後側に設けられている。例えば、キャビネット3は、洗浄水を貯留するタンクが設けられてもよい。例えば、キャビネット3内には、トイレ装置2の止水栓及び排水管が設けられてもよい。これにより、キャビネット3は、使用者が前記タンク、前記止水栓及び前記排水管を見えない状態にする。例えば、キャビネット3は、木製及び樹脂製のいずれかである。例えば、キャビネット3は、扉30を有している。例えば、キャビネット3は、トイレットペーパー31及び掃除道具32を収納する領域を有する。扉30は、便器5の後方であって、便器5を中心として左側及び右側に設けられている。扉30の外側には、便器5が設けられている。扉30の内側は、収納空間になっている。
【0012】
便座装置6は、トイレ空間100内に設けられている。便座装置6は、便座装置6は、第1アンテナ7を介して遠隔制御装置4と無線通信する。便座装置6は、遠隔制御装置4に対して、第1アンテナ7から電波を送信させる。これにより、遠隔制御装置4は、便座装置から送信された電波の電力で動作する。第1アンテナ7は、遠隔制御装置4から送信される電波を受信し、その電波に対応する信号を便座装置6に送信する。便座装置6は、第1アンテナ7から送信された信号から情報を取り出す。例えば、前記電波は、UHF(Ultra High Frequency)帯の電波及び2.4Gzの電波の少なくともいずれか一方である。便座装置6は、トイレ空間100内に設けられた便器5上に設置されている。
【0013】
第1アンテナ7は、第1制御装置11に対して導線Lを介して電気的に接続されている。第1アンテナ7は、遠隔制御装置4に対して第1電波を送信する。例えば、第1アンテナ7は、第1制御装置11から第1変調波が供給されると第1変調波に対応する第1電波を遠隔制御装置4に向けて送信する。ただし、第1電波は、第1変調波に対応する電波でなくてもよい。第1アンテナ7は、遠隔制御装置4に対して給電するための電波を送信してもよいし、情報を送信するための電波を送信してもよい。第1電波は、第1アンテナ7から遠隔制御装置4に向かって一定周期ごとに送信される。例えば、前記一定周期は、数ms~数百msである。
【0014】
第1アンテナ7は、遠隔制御装置4から供給された第2電波を受信すると第2電波に対応する第2変調波を第1制御装置11に送信する。例えば、第1アンテナ7は、ループアンテナである。例えば、第1アンテナ7の放射面は、遠隔制御装置4に向けられている。
第1アンテナ7の放射面は、例えばループ面である。
【0015】
第1アンテナ7は、キャビネット3内に設けられている。例えば、キャビネット3の扉30が閉まっていれば、使用者は第1アンテナ7を目視できない。第1アンテナ7は、キャビネット3内において、少なくとも、便座9に座った使用者から見て遠隔制御装置4が配置された側の領域に設けられる。例えば、遠隔制御装置4がトイレ装置2の右側の壁面に配置されている場合には、第1アンテナ7は、キャビネット3内の右側の特定領域200に設置される。例えば、遠隔制御装置4がトイレ装置2の左側の壁面に配置されている場合には、第1アンテナ7は、キャビネット3内の左側の特定領域300に設置される。
第1アンテナ7は、図2に示すトイレ空間100の平面視において、遠隔制御装置4の長手方向及び短手方向のいずれかの方向の延長線上に設けられてもよい。第1アンテナ7は、図2に示すトイレ空間100の平面視において、便器5と遠隔制御装置4との間に設けられてもよい。例えば、図2に示すトイレ空間100の平面視において、第1アンテナ7が便器5と遠隔制御装置4との間であって、第1アンテナ7と遠隔制御装置4との間の距離は、第1アンテナ7と便器5との間の距離よりも短い。例えば、第1アンテナ7が便器5と遠隔制御装置4との間であって、第1アンテナ7は、便器5よりも遠隔制御装置4に近い位置に配置されている。これにより、遠隔制御装置4と第1アンテナ7との間の電波は、使用者の人体に遮蔽されにくくなる。したがって、トイレシステム1は、遠隔制御装置4と便座装置6との間の通信性能の低下を抑制することができる。
【0016】
特定領域200は、トイレ空間100を平面から見た場合に、キャビネット3内において中心線400よりも右側の領域であればよい。例えば、特定領域200は、キャビネット3内において、右側の端部及びその端部の近傍のいずれかである。特定領域300は、トイレ空間100を平面から見た場合に、キャビネット3内において中心線400よりも左側の領域であればよい。例えば、特定領域300は、キャビネット3内において、左側の端部及びその端部の近傍のいずれかである。
【0017】
前側からトイレ装置2を見た場合に、第1アンテナ7は、便器5及び便座装置6に隠れない位置に設けられてもよい。例えば、遠隔制御装置4がトイレ装置2の右側の壁面に配置されている場合には、第1アンテナ7は、特定領域200において、便器5よりも右側の領域201に設けられてもよい。例えば、遠隔制御装置4がトイレ装置2の左側の壁面に配置されている場合には、第1アンテナ7は、特定領域300において、便器5よりも左側の領域301に設けられてもよい。
【0018】
第1アンテナ7が配置される高さは、遠隔制御装置4が配置されている高さと同一であってもよい。第1アンテナ7が配置される高さは、遠隔制御装置4が配置されている高さよりも高い位置であってもよい。第1アンテナ7は、便器5よりも高い位置に設置されてもよい。
【0019】
第1アンテナ7と第1制御装置11とを接続する導線Lは、図2に示すように、キャビネット3内を配線されてもよい。導線Lは、便器5に近接しないように配線されてもよい。
【0020】
本体カバー8は、第1制御装置11を上側から覆うカバーである。便座9は、本体カバー8に支持されている。便座9は、本体カバー8に対して回転する。便蓋10は、本体カバー8に支持されている。便蓋10は、本体カバー8に対して回転する。
【0021】
第1制御装置11は、第1アンテナ7に対して電気的に接続されている。第1制御装置11は、遠隔制御装置4に対して第1アンテナ7を介して第1電波を送信する。第1電波は、情報を有してもよい。これにより、第1制御装置11は、遠隔制御装置4に対して情報を送信することができる。第1制御装置11は、第1電波を送信する。これにより、第1制御装置11は、遠隔制御装置4に対して給電する。例えば、第1制御装置11は、第1電波を送信することによって遠隔制御装置4に対して情報を送信するとともに給電する。ただし、第1電波は、情報を有していなくてもよい。第1制御装置11は、遠隔制御装置4に対して給電し、情報を送信しなくてもよい。第1制御装置11は、第1アンテナ7で受信した電波に対応する信号を受信する。第1制御装置11は、第1アンテナ7から受信した信号から情報を取得する。
【0022】
遠隔制御装置4は、遠隔から便座装置6を制御する。トイレ空間100の所定位置に設置されている。この所定位置とは、例えば、トイレ空間100の壁面である。この所定位置は、便器5よりも高い位置である。遠隔制御装置4は、操作部20及び第2制御装置40を備える。遠隔制御装置4は、操作部20が操作された場合には、その操作に応じた情報を便座装置6に電波を用いて送信する。
【0023】
操作部20は、使用者によって操作される。操作部20は、一つ以上の押しボタン21を備えていればよい。
【0024】
押しボタン21は、第2制御装置40に接続されている。押しボタン21は、使用者に押下されている場合にはオン状態である。押しボタン21は、使用者に押下されていない場合にはオフ状態である。例えば、複数の押しボタン21は、第1押しボタン21a、第2押しボタン21b、第3押しボタン21c及び第4押しボタン21dである。
【0025】
第1押しボタン21aは、便座9に着座している使用者が臀部を洗浄水で洗浄する場合に押下するボタンである。第2押しボタン21bは、使用者が前記洗浄水の水圧を調整する場合に押下するボタンである。第3押しボタン21cは、使用者が便座装置6から音を発生させる場合に押下するボタンである。第4押しボタン21dは、臀部の洗浄及び前記音の発生の少なくとも何れか一方を停止させる場合に押下するボタンである。
【0026】
第2制御装置40は、第2アンテナ41、格納部42及び制御部43を備える。
【0027】
第2アンテナ41は、制御部43に対して電気的に接続されている。第2アンテナ41は、第1アンテナ7から送信された第1電波を受信する。第2アンテナ41は、第1電波を受信すると第1電波に対応する信号を制御部43に出力する。第1電波に対応する信号とは、例えば、第1変調波である。第2アンテナ41は、制御部43から送信された第2変調波に対応する第2電波を第1アンテナ7に送信する。例えば、第2アンテナ41は、ループアンテナである。第2電波は、情報が含まれている。
【0028】
格納部42には、第1押しボタン21aを識別する第1識別情報が格納されている。格納部42には、第2押しボタン21bを識別する第2識別情報が格納されている。格納部42には、第3押しボタン21cを識別する第3識別情報が格納されている。格納部42には、第4押しボタン21dを識別する第4識別情報が格納されている。
【0029】
制御部43は、第1電波の電力で動作する。例えば、制御部43は、第2アンテナ41から受信した信号を整流する整流回路を備える。前記整流回路は、第2アンテナ41から受信した信号を直流電圧に変換する。制御部43は、前記整流回路で変換された直流電圧で動作する。制御部43は、第2アンテナ41から受信した信号を復調してもよい。これにより、制御部43は、第2アンテナ41から受信した信号から情報を取り出すことができる。
【0030】
制御部43は、第2搬送波を生成する第2発信器を有する。制御部43は、複数の押しボタン21の少なくともいずれかがオン状態になった場合には、オン状態の押しボタン21に対応する識別情報を格納部42から取得する。制御部43は、識別情報に基づいて第2搬送波を変調する。制御部43は、変調した後の第2搬送波である第2変調波を第2アンテナ41に送信する。
【0031】
例えば、制御部43は、プロセッサを備える。例えば、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)である。例えば、制御部43は、マイクロコントローラであってもよい。制御部43は、不揮発性の半導体及び揮発性の半導体の少なくともいずれか一方を備えもてよい。制御部43は、プロセッサがプログラムを実行することによって実現されてもよい。制御部43の構成要素のうち一部または全部は、ハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0032】
以下において、第1制御装置11の構成の一例について説明する。第1制御装置11は、電力変換部50、通信部51及び制御部52を備える。
【0033】
電力変換部50は、トイレ空間100内のコンセントに接続されたACアダプタ500から電力が供給される。電力変換部50は、ACアダプタ500からの電力を所定の電力に変換する。電力変換部50は、変換した電力を通信部51及び制御部52のそれぞれに供給する。例えば、電力変換部50は、AC-DCコンバータである。電力変換部50は、AC-DCコンバータの出力を降圧するDC-DCコンバータを更に備えてもよい。電力変換部50は、ACアダプタ500に替えてコンセントプラグから電力が供給されてもよい。
【0034】
通信部51は、電力変換部50から電力を取得することによって動作する。
【0035】
例えば、通信部51は、第1搬送波を生成する第1発信器を有する。通信部51は、制御部52から送信された情報に基づいて第1搬送波を変調する。例えば、通信部51は、制御部52から情報を受信した場合には、その情報に基づいて第1搬送波を変調する。通信部51は、変調した後の第1搬送波である第1変調波を増幅する。通信部51は、増幅した第1変調波を一定周期ごとに第1アンテナ7に出力する。制御部52から受信する情報は、どのような情報であってもよい。例えば、制御部52から受信する情報は、便座装置6の設定に関する情報を含んでもよい。制御部52から受信する情報は、使用者が便座9に着座しているか否かを示す情報を含んでもよい。制御部52から受信する情報は、トイレ空間100内に使用者がいるか否かを示す情報を含んでもよい。
【0036】
通信部51は、第1アンテナ7から第2変調波を受信する。通信部51は、第2変調波を復調する。これにより、通信部51は、第2変調波から情報を取り出す。通信部51は、第2変調波から取り出した情報を制御部52に送信する。例えば、通信部51は、RFID(Radio Frequency Identification)で用いられるリーダライタ(RFID Reader andWriter Module)である。ただし、通信部51は、リーダライタに限定されず、電波を送信及び受信できればよい。
【0037】
制御部52は、通信部51に対して接続されている。制御部52は、第1制御装置11を制御する。制御部52は、通信部51から得られた情報に基づいて、所定の機能を実行する。前記機能とは、例えば、第1洗浄を含む。第1洗浄は、便座9に着座している使用者の臀部を洗浄水で洗浄する。前記機能は、便器5内を洗浄する第2洗浄を含んでもよい。前記機能は、第1洗浄における洗浄水の水圧を調整する機能を含んでもよい。前記機能は、音を出力する機能を含んでもよい。例えば、前記音は、使用者の排泄音をマスキングする。例えば、前記音は、流水音である。
【0038】
例えば、制御部52は、プロセッサを備える。例えば、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)である。例えば、制御部52は、マイクロコントローラであってもよい。制御部52は、不揮発性の半導体及び揮発性の半導体の少なくともいずれか一方を備えもてよい。制御部52は、プロセッサがプログラムを実行することによって実現されてもよい。制御部52の構成要素のうち一部または全部は、ハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0039】
例えば、上記ハードウェアは、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、及びGPU(Graphics Processing Unit)の少なくともいずれかである。上記プログラムは、予め記憶装置に格納されていてもよい。前記記憶装置は、非一過性の記憶媒体である。例えば、前記記憶装置は、HDD(Hard Disk Drive)及びフラッシュメモリの少なくともいずれかである。前記記憶装置は、格納部42であってもよい。前記プログラムは、着脱可能な記憶媒体に格納されてもよい。この場合には、前記プログラムは、記憶媒体がドライブ装置に装着されることによって前記記憶装置にインストールされてもよい。前記記憶媒体は、非一過性の記憶媒体である。例えば、前記記録媒体は、DVD及びCD-ROMのいずれかである。
【0040】
第1アンテナ7の取り付け方法について説明する。施工者は、トイレ空間100において、キャビネット3及び便器5を取り付ける。施工者は、遠隔制御装置4をトイレ空間100の壁面に取り付ける。施工者は、トイレ空間100において、キャビネット3、遠隔制御装置4及び便器5を取り付けると、キャビネット3内に第1アンテナ7を設置する。
例えば、施工者は、遠隔制御装置4をトイレ装置2の右側の壁面に取り付けた場合には、遠隔制御装置4をキャビネット3内の右側に設置する。施工者は、遠隔制御装置4をトイレ装置2の左側の壁面に取り付けた場合には、遠隔制御装置4をキャビネット3内の左側に設置する。施工者は、第1アンテナ7のループ面が遠隔制御装置4を向くように、第1アンテナ7の向きを調整する。例えば、第1アンテナ7の高さは、便器5よりも高い。遠隔制御装置4が便器5よりも高い位置に取り付けられている場合には、第1アンテナ7の高さは、遠隔制御装置4の高さと略同一であってもよい。施工者は、遠隔制御装置4をキャビネット3内に取り付けると、便座装置6を便器5に取り付ける。施工者は、便座装置6を便器5に取り付けると、第1アンテナ7と第1制御装置11とを導線Lで接続する。
ただし、施工者は、便座装置6を便器5に取り付けた後に、キャビネット3内に第1アンテナ7を設置してもよい。
【0041】
使用者が操作部20を操作している場合には、使用者の人体は、遠隔制御装置4と便座装置6との間に介在し、電波を遮蔽する場合がある。例えば、前記人体は胴及び腕の少なくともいずれかである。電波が遮蔽されると、遠隔制御装置4と便座装置6との間の通信性能は低下する。上記実施形態の第1アンテナ7は、トイレ空間100において、キャビネット3内であって、且つ、便座9に座った使用者から見て遠隔制御装置4が配置された側の特定領域に設けられている。これにより、トイレシステム1は、使用者の人体が遠隔制御装置4と便座装置6との間に介在する場合であっても、遠隔制御装置4と便座装置6との間の通信性能の低下を抑制することができる。
【0042】
上記実施形態の第1アンテナ7は、キャビネット3内において、便器5よりも高い位置に設置されてもよい。これにより、遠隔制御装置4と第1アンテナ7との間の電波は、便器5によって遮蔽されることがなくなる。したがって、トイレシステム1は、遠隔制御装置4と便座装置6との間の通信性能の低下を抑制することができる。
【0043】
上記実施形態の遠隔制御装置4は、便器5よりも高い位置に設置されてもよい。この場合において、第1アンテナ7は、遠隔制御装置4よりも高い位置に設置されてもよい。これにより、トイレシステム1は、使用者の人体が遠隔制御装置4と便座装置6との間に介在した場合であっても、遠隔制御装置4と便座装置6との間の通信性能の低下を抑制することができる。
【0044】
上記実施形態の遠隔制御装置4は、便器5よりも高い位置に設置されてもよい。この場合において、第1アンテナ7の高さは、遠隔制御装置4の高さと同一であってもよい。これにより、遠隔制御装置4と第1アンテナ7との間の距離が最も短くなり、第1アンテナ7から遠隔制御装置4への給電効率が向上する。
【0045】
第1アンテナ7と便座装置6とを接続する導線Lは、キャビネット3内を通るように配線されてもよい。キャビネット3は、導線Lを覆い隠す。これにより、トイレ装置2の意匠性が向上する。
【0046】
使用者が便座9に座っている間に操作部20を操作している場合には、使用者の人体は、遠隔制御装置4と便座装置6との間の電波を遮蔽する可能性が高い。上記実施形態の第2制御装置40は、使用者が便座9に座っている間に操作部20が操作された場合には、所定時間Txが経過した後に第2電波を便座装置6に送信してもよい。これにより、第2電波は、確実に使用者の人体に遮蔽されずに便座装置6に送信される。したがって、トイレシステム1は、遠隔制御装置4から便座装置6への通信性能の低下を抑制することができる。
【0047】
上記実施形態のトイレシステム1では、便座装置6は、一例としてRFIDを用いて遠隔制御装置4から情報を取得する。ただし、便座装置6は、RFIDを用いずに遠隔制御装置4から情報を取得してもよい。例えば、上記実施形態の遠隔制御装置4は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の少なくとも何れかの無線通信規格で第2電波を第1アンテナ7に送信してもよい。このように、便座装置6は、前記無線通信規格で遠隔制御装置4から情報を取得してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1…トイレシステム、2…トイレ装置、3…キャビネット、4…遠隔制御装置、5…便
器、6…便座装置、7…第1アンテナ、11…第1制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ空間の所定位置に設けられ、トイレ装置を遠隔から制御する遠隔制御装置と、
前記遠隔制御装置に対して電波を送信するアンテナと、
を備え、
前記遠隔制御装置は、前記アンテナから送信された電波の電力で動作し、
前記アンテナは、便器とは別に前記便器の後側に設けられたキャビネット内に設けられ、且つ、便座に座った使用者から見て前記遠隔制御装置が配置された側であって、前側から前記トイレ装置を見た場合に、前記便器及び前記便座を有する便座装置に隠れない領域に設けられており、
前記使用者から見た左右方向における前記アンテナと前記遠隔制御装置との間の距離は、前記左右方向における前記アンテナと前記便器の前記遠隔制御装置側の端との間の距離よりも短い、
トイレシステム。
【請求項2】
前記アンテナは、前記キャビネット内において、前記便器よりも高い位置に設置されている、
請求項1に記載のトイレシステム。
【請求項3】
前記遠隔制御装置は、前記便器よりも高い位置に設置されており、
前記アンテナは、前記遠隔制御装置よりも高い位置に設置されている、
請求項1又は請求項2に記載のトイレシステム。
【請求項4】
前記遠隔制御装置は、前記便器よりも高い位置に設置されており、
前記アンテナの高さは、前記遠隔制御装置の高さと同一である、
請求項1又は請求項2に記載のトイレシステム。
【請求項5】
前記トイレ装置は、
前記便器に設けられ、前記便座装置と、
前記アンテナと前記便座装置とを接続する導線と、
を備え、
前記導線は、前記キャビネットを通るように配線されている、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のトイレシステム。