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  • 特開-テロメラーゼ発現増強剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040306
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】テロメラーゼ発現増強剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/8998 20060101AFI20240315BHJP
   A61K 36/488 20060101ALI20240315BHJP
   A61K 36/9068 20060101ALI20240315BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20240315BHJP
   A61K 36/752 20060101ALI20240315BHJP
   A61K 36/11 20060101ALI20240315BHJP
   A61K 35/618 20150101ALI20240315BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20240315BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240315BHJP
   A61K 8/9749 20170101ALI20240315BHJP
   A61K 8/9794 20170101ALI20240315BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20240315BHJP
   A61K 8/98 20060101ALI20240315BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20240315BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20240315BHJP
   A23L 33/105 20160101ALN20240315BHJP
   A23L 33/00 20160101ALN20240315BHJP
【FI】
A61K36/8998
A61K36/488
A61K36/9068
A61K36/185
A61K36/752
A61K36/11
A61K35/618
A61P17/14
A61P43/00
A61K8/9749
A61K8/9794
A61K8/9789
A61K8/98
A61Q19/08
A61Q7/00
A23L33/105
A23L33/00
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024017376
(22)【出願日】2024-02-07
(62)【分割の表示】P 2019147084の分割
【原出願日】2019-08-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 刊行物名:日本食品科学工学会第65回大会講演集第118頁 発行者名:日本食品科学工学会第65回大会事務局 発行年月日:平成30年8月22日 集会名:日本食品科学工学会第65回大会 開催日:平成30年8月24日 掲載開始日:平成30年9月10日 掲載アドレス:http://www.toyoshinyaku.co.jp/%E3%80%8E%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%80%8F%E3%81%8C%E3%83%86%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%82%92%E6%B4%BB%E6%80%A7/ 掲載開始日:平成30年9月19日 掲載アドレス:https://www.kenko-media.com/food devlp/archives/2944 掲載開始日:平成30年9月27日 掲載アドレス:https://www.bci.co.jp/nichiryu/article/4420
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(71)【出願人】
【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(72)【発明者】
【氏名】森川 琢海
(72)【発明者】
【氏名】神谷 智康
(72)【発明者】
【氏名】片倉 喜範
(57)【要約】
【課題】優れたテロメラーゼ発現増強効果を有するテロメラーゼ発現増強剤を提供すること。
【解決手段】大麦若葉、葛の花、黒生姜、バナバ、ターミナリア、牡蠣(カキ)、陳皮及びクサソテツから選ばれる少なくとも1種の素材を含有することを特徴とするテロメラーゼ発現増強剤である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大麦若葉、葛の花、黒生姜、バナバ、ターミナリア、牡蠣(カキ)、陳皮及びクサソテツから選ばれる少なくとも1種の素材を含有することを特徴とするテロメラーゼ発現増強剤。
【請求項2】
経口剤であることを特徴とする請求項1記載のテロメラーゼ発現増強剤。
【請求項3】
外用剤であることを特徴とする請求項1記載のテロメラーゼ発現増強剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然素材を含有するテロメラーゼ発現増強剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康志向や安全志向の高まりを背景に、食品分野や化粧品分野においては、天然素材を用いたものが好まれ、このような天然素材がもつ有用な機能をより活用することが望まれている。
【0003】
例えば、大麦若葉は、健康食品や青汁の素材として一般に使用されており、便通改善効果や抗高血圧効果など、機能性について広く研究されている(特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-151951号公報
【特許文献2】特開2001-314170号公報
【特許文献3】特許第4183886号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、天然素材を含有し、優れたテロメラーゼ発現増強効果を有するテロメラーゼ発現増強剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、各種天然素材の機能について探求した結果、特定の天然素材に優れたテロメラーゼ発現増強効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1]松樹皮、大麦若葉、葛の花、黒生姜、バナバ、ターミナリア、牡蠣(カキ)、陳皮及びクサソテツから選ばれる少なくとも1種の素材を含有することを特徴とするテロメラーゼ発現増強剤。
[2]経口剤であることを特徴とする[1]記載のテロメラーゼ発現増強剤。
[3]外用剤であることを特徴とする[1]記載のテロメラーゼ発現増強剤。
【発明の効果】
【0008】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤は、優れたテロメラーゼ発現増強効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のテロメラーゼ発現増強剤を適用した場合のヒトテロメア逆転写酵素(hTERT)遺伝子の相対発現量を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤は、松樹皮、大麦若葉、葛の花、黒生姜、バナバ、ターミナリア、牡蠣(カキ)、陳皮及びクサソテツから選ばれる少なくとも1種の素材を含有することを特徴とする。本発明のテロメラーゼ発現増強剤において、素材は、1種含有していてもよく、2種含有していてもよく、3種以上含有していてもよい。2種以上含有させる場合、単独の効果が高いものを組み合わせることが好ましい。
【0011】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤は、テロメラーゼ(テロメア合成酵素)の発現を増強する。したがって、細胞のテロメアを伸長して、細胞老化を防止することができる。
【0012】
以下、本発明のテロメラーゼ発現増強剤に含まれる各素材(以下、本発明の素材ということがある)について説明する。
【0013】
[松樹皮]
本発明で用いられる松樹皮の原料松としては、フランス海岸松(Pinus Martima)、カラマツ、クロマツ、アカマツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、チョウセンマツ、ハイマツ、リュウキュウマツ、ウツクシマツ、ダイオウマツ、シロマツ等を挙げることができ、これらの中でも、テロメラーゼ発現増強効果の高いフランス海岸松を用いることが好ましい。
【0014】
本発明においては、松樹皮を加工して用いることができ、松樹皮加工物としては、例えば、チップ状物、粉砕物、搾汁物、抽出物や、これらの乾燥粉末を挙げることができる。本発明において用いられる松樹皮は、製剤性を考慮すると、適用が容易であることから、粉砕物、搾汁物、抽出物又はこれらの乾燥粉末であることが好ましく、テロメラーゼ発現増強効果の点から、抽出物又はその乾燥粉末であることがより好ましい。松樹皮加工物は、当業者により通常知られている方法によって製造したものでもよいし、市場に流通しているものであってもよい。例えば、株式会社東洋新薬製の松樹皮抽出物を用いることができる。
【0015】
松樹皮抽出物を得る際に使用する抽出溶媒としては、例えば、水、有機溶媒、含水有機溶媒(含水エタノールといった含水アルコール)が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ブタン、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコール、含水エタノール、含水プロピレングリコール、エチルメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、食用油脂、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、及び1,1,2-トリクロロエテンが挙げられる。これらの水及び有機溶媒は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。抽出溶媒としては、水を用いることが好ましい。なお、抽出する際の溶媒の温度は、用いる溶媒の沸点以下であれば限定されない。
【0016】
松樹皮抽出物を得る方法については、特に限定はないが、例えば、加温抽出法、超臨界流体抽出法、液体二酸化炭素回分法、液体二酸化炭素還流法、超臨界二酸化炭素還流法等が挙げられる。また、複数の抽出方法を組み合わせてもよい。複数の抽出方法を組み合わせることにより、種々の組成の松樹皮抽出物を得ることが可能となる。
【0017】
超臨界流体抽出法とは、物質の気液の臨界点(臨界温度、臨界圧力)を超えた状態の流体である超臨界流体を用いて抽出を行う方法である。超臨界流体としては、二酸化炭素、エチレン、プロパン、亜酸化窒素(笑気ガス)等が用いられるが、二酸化炭素が好ましく用いられる。
【0018】
超臨界流体抽出法では、目的成分を超臨界流体によって抽出する抽出工程と、目的成分と超臨界流体を分離する分離工程とを行う。分離工程では、圧力変化による抽出分離、温度変化による抽出分離、吸着剤、吸収剤を用いた抽出分離のいずれを行ってもよい。
【0019】
また、エントレーナー添加法による超臨界流体抽出を行ってもよい。この方法は、抽出流体に、例えば、エタノール、プロパノール、n-ヘキサン、アセトン、トルエン、その他の脂肪族低級アルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類を2~20W/V%程度添加し、この流体を用いて超臨界流体抽出を行うことによって、OPC(Oligomeric proanthocyanidin:オリゴメリック・プロアントシアニジン)、カテキン類等の目的とする抽出物の抽出溶媒に対する溶解度を飛躍的に上昇させる、あるいは分離の選択性を増強させる方法であり、効率的な松樹皮抽出物を得る方法である。
【0020】
超臨界流体抽出法は、比較的低い温度で操作できるため、高温で変質・分解する物質にも適用できるという利点、抽出流体が残留しないという利点、溶媒の循環利用が可能であるため、脱溶媒工程等が省略でき、工程がシンプルになるという利点がある。
【0021】
上記の抽出により得られた松樹皮抽出物を、カラム法又はバッチ法により精製することが安全性の面から好ましい。カラム法としては、例えば、ダイヤイオンHP-20、Sephadex-LH20、キチン等の吸着性担体を用いた精製方法が挙げられる。
【0022】
本発明に用いられる松樹皮抽出物は、主な成分の一つとして、プロアントシアニジンを含有する。プロアントシアニジンは、フラバン-3-オール及び/又はフラバン-3,4-ジオールを構成単位とする重合度が2以上の縮重合体からなる化合物群である。
【0023】
本発明に用いられる松樹皮抽出物は、プロアントシアニジンとして重合度が2以上の縮重合体が含有されていることが好ましい。特に、重合度が低い縮重合体が多く含まれるプロアントシアニジンが好ましい。重合度の低い縮重合体としては、例えば、重合度が2~30の縮重合体(2~30量体)であり、重合度が2~10の縮重合体(2~10量体)が好ましく、重合度が2~4の縮重合体(2~4量体)がさらに好ましい。本明細書では、重合度が2~4の重合体を、OPC(oligomeric proanthocyanidin)という。本発明に用いられる松樹皮抽出物は、OPCを20質量%以上含有することが好ましく、30質量%以上含有することがより好ましく、40質量%以上含有することがさらに好ましい。
【0024】
[大麦若葉]
大麦(Hordeum vulgare L.)は、中央アジア原産とされ、イネ科に属する一年生又は越年生草本であり、穂形により、二条大麦や六条大麦などに大別される。本発明において用いられる大麦若葉としては、通常入手可能なものであれば特に限定されず、二条大麦や六条大麦などのいずれの大麦の若葉を用いてもよい。また、いずれの品種を用いてもよい。大麦若葉は、大麦の若葉が含まれていればよく、茎等の他の部位が含まれていてもよい。
【0025】
大麦若葉の形態としては、特に限定はなく、例えば、若葉を収穫したそのままの状態であってもよいし、若葉を収穫した後さらに加工処理を加えたものであってもよい。大麦若葉の加工処理としては、例えば、乾燥粉末処理、細片処理及びその乾燥粉末処理、搾汁処理及びその乾燥粉末処理、エキス抽出処理及びその乾燥粉末処理などが挙げられ、これらは当業界において採用されている処理法を適用できる。すなわち、加工処理物としては、大麦若葉のチップ状物、粉砕物、搾汁、抽出物等を挙げることができ、粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられる。粉砕物とする方法としては、例えば、大麦の葉及び/又は茎を乾燥し、粗粉砕した後、110℃以上で加熱し、さらに微粉砕する方法(特開2003-033151号公報を参照)や、大麦の葉及び/又は茎をブランチングした後、乾燥し、その後、粉砕する方法(特開2002-065204号公報を参照)などが挙げられる。
【0026】
大麦若葉の搾汁、抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。大麦若葉の搾汁方法は、特に限定されず、当業者が通常用いる搾汁方法を適用することができる。大麦若葉からの抽出・分離方法及び合成方法としては、特に制限されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノール、水、含水エタノール等の当業者が通常用いる抽出溶媒を加え、必要に応じて加温して抽出する方法等を挙げることができる。
【0027】
本発明において用いられる大麦若葉は、製剤性を考慮すると、適用が容易であることから、粉砕物、搾汁物、抽出物又はこれらの乾燥粉末であることが好ましく、テロメラーゼ発現増強効果の点から、粉砕物や、搾汁物又はその乾燥粉末であることがより好ましい。大麦若葉加工物は、当業者により通常知られている方法によって製造したものでもよいし、市場に流通しているものであってもよい。
【0028】
[葛の花]
葛は、マメ科クズ属のつる性の多年草植物である。葛の花としては、蕾から全開した花までのいずれの過程で採取したものを用いてもよく、各過程で採取したものを混合して用いることもできる。葛の種類としては、特に制限はないが、プエラリア・トムソニイ(Pueraria thomsonii)、プエラリア・ロバータ(Pueraria lobata)、プエラリア・スンバーギアナ(Pueraria thunbergiana)等を例示することができる。
【0029】
本発明においては、収穫した葛の花を加工して用いることができ、葛の花加工物としては、例えば、チップ状物、粉砕物、搾汁物、抽出物や、これらの乾燥粉末を挙げることができる。本発明において用いられる葛の花は、製剤性を考慮すると、適用が容易であることから、粉砕物、搾汁物、抽出物又はこれらの乾燥粉末であることが好ましく、テロメラーゼ発現増強効果の点から、抽出物又はその乾燥粉末であることがより好ましい。葛の花加工物は、当業者により通常知られている方法によって製造したものでもよいし、市場に流通しているものであってもよい。
【0030】
葛の花の抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することにより得ることができ、溶媒としては、例えば、水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。抽出溶媒の温度は、使用する溶媒に応じて室温~沸点以下で適宜設定することができる。本発明においては有機溶媒と水の混合溶媒を使用することができ、混合溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸メチル、アセトンと、水との混合溶媒を用いることができる。抽出溶媒の温度は、使用する溶媒に応じて室温~沸点以下で適宜設定することができる。本発明においては、テロメラーゼ発現増強効果の点から、熱水抽出物が好ましい。
【0031】
[黒生姜]
本発明で用いられる黒生姜(Kaempferia parviflora)は、東南アジアなどに自生することで知られているショウガ科バンウコン属の植物として知られているものであれば特に制限されるものではなく、例えば、その根、茎、葉、花、枝などの部位を用いることができるが、好ましくは根及び茎である。
【0032】
黒生姜は、採取した状態の未加工のものに加えて、採取した後に所定の処理に供して得られる加工物であってもよい。加工物としては、例えば、チップ状物、粉砕物、搾汁物、抽出物や、これらの乾燥粉末を挙げることができる。本発明において用いられる黒生姜は、製剤性を考慮すると、適用が容易であることから、粉砕物、搾汁物、抽出物又はこれらの乾燥粉末であることが好ましく、テロメラーゼ発現増強効果の点から、抽出物又はその乾燥粉末であることがより好ましい。また、加工、貯蔵、運搬などの容易性や使用形態の汎用性といった観点から、乾燥粉末であることが好ましい。黒生姜加工物は、当業者により通常知られている方法によって製造したものでもよいし、市場に流通しているものであってもよい。
【0033】
黒生姜の抽出物は、黒生姜における成分が抽出された物であれば特に限定されないが、例えば、黒生姜が含有する成分を、常法に従って溶媒で抽出して得られる抽出液、その希釈液や濃縮液、又はそれらの乾燥物やその粉末などが挙げられる。例えば、黒生姜が含有する成分としては5,7-ジメトキシフラボンといったポリメトキシフラボノイドなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
黒生姜抽出物を得る際に使用される溶媒としては、例えば、常温水、温水、熱水などの水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。混合溶媒としては、例えば、アセトン/水(2/8~8/2、体積比)混合物、エタノール/水(2/8~8/2、体積比)混合物などが挙げられる。
【0035】
黒生姜抽出物を得る方法については、特に限定はないが、例えば、黒生姜に対して2~20倍質量の溶媒を加え、0℃~溶媒の還流温度の範囲で数分~数十時間、静置、振盪、攪拌、還流などの任意の条件下にて抽出を行う方法などが挙げられる。抽出作業後、濾過、遠心分離などの固液分離操作を行い、不溶な固形物を除去することが好ましい。これに、必要に応じて希釈、濃縮などの操作を行うことにより、抽出物を得ることができる。さらに、不溶物についても同じ操作を繰り返して抽出し、その抽出物を先の抽出物と合わせて用いてもよい。これらの抽出物は、当業者が通常用いる精製方法により、さらに精製して使用してもよい。
【0036】
抽出物から乾燥物を得る方法は特に限定されず、例えば、抽出物やその濃縮物を、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、流動乾燥などの当業者が通常用いる乾燥処理に供する方法などが挙げられる。さらに、このようにして得られた乾燥物を、当業者に知られる方法を用いて粉末化して使用することが可能である。
【0037】
[バナバ]
バナバ(Lagerstroemia Speciosa、Linn. 又は Pers.)は、フトモモ目ミソハギ科に属する植物で、通称「オオバナサルスベリ」とも称され、フィリピンを始め、インド、マレーシア、中国南部などの東南アジア、オーストラリアなどに広く生育している植物である。
【0038】
本発明においては、バナバの花、葉、樹皮、根又は種子を用いることができるが、テロメラーゼ発現増強効果の点から、葉を使用することが好ましい。バナバ葉は茎を含むものであってもよい。バナバ葉は腐食しやすいため、収穫した後に直ちに乾燥させて、乾燥物とするのが好ましい。生葉の乾燥は自然乾燥又は風乾のいずれであってもよいが、好ましくは風乾により、強制的に乾燥させることが好ましい。乾燥は、水分含量が20質量%以下、好ましくは10質量%以下となるように行うことで、微生物の腐食を防止し、バナバの葉中の成分を安定に保持させることができる。
【0039】
本発明においては、バナバを加工して用いることができ、バナバ加工物としては、例えば、チップ状物、粉砕物、搾汁物、抽出物や、これらの乾燥粉末を挙げることができる。本発明において用いられるバナバは、製剤性を考慮すると、適用が容易であることから、粉砕物、搾汁物、抽出物又はこれらの乾燥粉末であることが好ましく、テロメラーゼ発現増強効果の点から、抽出物又はその乾燥粉末であることがより好ましい。バナバ加工物は、当業者により通常知られている方法によって製造したものでもよいし、市場に流通しているものであってもよい。
【0040】
バナバの粉砕物を得る方法としては、特に限定はなく、例えば、洗浄後に天日又は乾燥機を用いて乾燥後、そのままで、又は適当な形状や大きさに裁断して得た処理物を、粉砕装置を用いて粉砕することで得ることができる。粉砕装置としては通常使用されるものが広く使用できるが、例えば、原料ホッパー、粉砕機、分級機、製品ホルダーなどから構成される粉砕機を用いることができる。
【0041】
バナバの搾汁物を得る方法としては、特に限定はなく、例えば、バナバ又はその細片化物を圧搾する方法、バナバの細片化物を遠心や濾過する方法などを挙げることができる。具体的な搾汁物の製造方法の例としては、ミキサー、ジューサーなどの機械的破砕手段によって搾汁し、必要に応じて、篩別、濾過などの手段によって粗固形分を除去することにより搾汁液を得る方法が挙げられる。搾汁物は、必要に応じて濃縮してもよいし、凍結乾燥や熱風乾燥、噴霧乾燥などの処理を行い、乾燥粉末とすることもできる。
【0042】
バナバの抽出物を得る方法としては、特に限定はなく、例えば、バナバの葉が含有する成分を、常法に従って溶媒で抽出して得られる抽出液、その希釈液や濃縮液、又はそれらの乾燥物やその粉末などが挙げられる。
【0043】
抽出に使用される溶媒としては、例えば、水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。本発明においては有機溶媒と水との混合溶媒を使用することができ、混合溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸メチル、アセトンと、水との混合溶媒を用いることができ、好ましくはアセトン/水(2/8~8/2、体積比)混合物、エタノール/水(2/8~8/2、体積比)混合物などが挙げられる。抽出溶媒の温度は、使用する溶媒に応じて室温~沸点以下で適宜設定することができる。
【0044】
抽出方法は、例えば、バナバに対して2~20倍質量、好ましくは5~15倍質量、より好ましくは8~10倍質量の溶媒を加え、好ましくは50℃以上、より好ましくは約50~85℃の範囲で、数分~数十時間、好ましくは30分~2時間程度、静置、振盪、攪拌、還流などの任意の条件下にて抽出を行う方法などが挙げられる。高温で抽出する場合は、有機溶媒(例えば、エタノール)が蒸発して抽出効率が落ちる可能性があるため、加熱還流による抽出を行うことが好ましい。抽出作業後、濾過、遠心分離などの固液分離操作を行い、不溶な固形物を除去することが好ましい。これに、必要に応じて希釈、濃縮などの操作を行うことにより、抽出物を得ることができる。さらに、不溶物についても同じ操作を繰り返して抽出し、その抽出物を先の抽出物と合わせて用いてもよい。これらの抽出物は、当業者が通常用いる精製方法により、さらに精製して使用してもよい。
【0045】
抽出物から乾燥物を得る方法としては、特に限定はなく、例えば、抽出物やその濃縮物を、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、流動乾燥などの当業者が通常用いる乾燥処理に供する方法などが挙げられる。さらに、このようにして得られた乾燥物を、当業者に知られる方法を用いて粉末化して使用することが可能である。例えば、特開2005-263650号公報に記載される方法にしたがって、バナバ抽出物を得ることができる。この方法によれば、バナバの葉を、(a)エタノール水溶液による抽出工程、(b)活性炭による処理工程、(c)濃縮して沈殿物を回収する工程を行うことで、コロソリン酸を高含有するバナバ抽出物を得ることができる。
【0046】
[ターミナリア]
ターミナリアとは、シクンシ科モモタマナ属の広葉樹である。本発明においては、例えば、Terminalia bellirica(belerica)、Terminalia catappa、Terminalia tomentosa、Terminalia citrina、Terminalia phellocarpa、Terminalia copelandii、Terminalia brassi、Terminalia ivorensis、Terminalia superba、Terminalia arjuna、Terminalia chebula等を挙げることができ、これらの中でも、Terminalia bellirica(belerica)、Terminalia chebulaが好ましく、テロメラーゼ発現増強効果の高いTerminaria belliricca(belerica)が特に好ましい。また、本発明においては、テロメラーゼ発現増強効果の点から、ターミナリアの果実を用いることが好ましい。
【0047】
本発明においては、収穫したターミナリアを加工して用いることができ、ターミナリア加工物としては、例えば、チップ状物、粉砕物、搾汁物、抽出物や、これらの乾燥粉末を挙げることができる。本発明において用いられるターミナリアは、製剤性を考慮すると、適用が容易であることから、粉砕物、搾汁物、抽出物又はこれらの乾燥粉末であることが好ましく、テロメラーゼ発現増強効果の点から、抽出物又はその乾燥粉末であることがより好ましい。ターミナリア加工物は、当業者により通常知られている方法によって製造したものでもよいし、市場に流通しているものであってもよい。
【0048】
ターミナリアの抽出物としては、例えば、ターミナリアが含有する成分を、常法に従って溶媒で抽出して得られる抽出液、その希釈液や濃縮液、又はそれらの乾燥物やその粉末などを挙げることができる。
【0049】
抽出に使用される溶媒としては、例えば、水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン;これらと水との混合溶媒などが挙げられる。本発明においては有機溶媒と水との混合溶媒を使用することができ、混合溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸メチル、アセトンと、水との混合溶媒を用いることができ、好ましくはアセトン/水(2/8~8/2、体積比)混合物、エタノール/水(2/8~8/2、体積比)混合物などが挙げられる。本発明においては、テロメラーゼ発現増強効果の点から、水、エタノール、メタノール又はこれらの混合溶媒を使用することが好ましい。抽出溶媒の温度は、使用する溶媒に応じて室温~沸点以下で適宜設定することができる。
【0050】
[牡蠣(カキ)]
本発明で用いられる牡蠣(カキ)としては、イタボガキ科に属する牡蠣であれば特に制限されるものではなく、マガキ属に属する牡蠣やイタボガキ属に属する牡蠣を例示することができる。本発明においては、テロメラーゼ発現増強効果の点から、牡蠣の身(カキ肉)を用いることが好ましい。
【0051】
本発明においては、カキ肉を加工して用いることができ、牡蠣加工物としては、例えば、破砕物、粉砕物、搾汁物、抽出物(酵素処理物を含む)や、これらの乾燥粉末を挙げることができる。本発明において用いられる牡蠣は、製剤性を考慮すると、適用が容易であることから、粉砕物、搾汁物、抽出物又はこれらの乾燥粉末であることが好ましく、テロメラーゼ発現増強効果の点から、抽出物又はその乾燥粉末であることがより好ましい。なお、溶媒を用いた抽出方法等は、ターミナリアと同様である。また、酵素処理としては、カキ肉を酵素で加水分解するものを例示することができる。加水分解酵素としては、食品素材(タンパク質)を加水分解する酵素であればその種類を問わない。
【0052】
これら溶媒による抽出処理や酵素処理は、必要に応じて加温及び/又は加圧して行うことができる。また、より多くの有効成分を得るために、抽出処理、酵素処理前にカキ肉を予め粉砕しておくことが好ましい。例えば、粉砕したカキ肉を40~90℃程度の水で1~5時間程度抽出し、カキ肉残渣を除去した後に濃縮し、必要に応じて噴霧乾燥、凍結乾燥等を行い、液状又は粉末状等の抽出濃縮物(カキエキス)を得ることができる。また、粉砕したカキ肉を40~80℃程度の水中で酵素を作用させて加水分解し、酵素を失活させた後に、カキ肉残渣等の不要物を除去し、濃縮し、必要に応じて噴霧乾燥、凍結乾燥等を行い、液状又は粉末状等の抽出濃縮物(カキエキス)を得ることができる。
【0053】
本発明の抽出物は、抽出液そのものであってもよいが、これを濃縮した液状、半固形状、固形状の濃縮物であることが好ましい。例えば、カキエキスを含有する市販品を用いることができる。
【0054】
[陳皮]
本発明における陳皮とは、柑橘類の果皮を意味する。陳皮としては、一般的に、中国では熟したマンダリンオレンジの果皮を干したものが用いられ、日本では熟した温州みかんの果皮を乾燥させたものが用いられているが、本発明においては、これらに限られず、柑橘類の果皮であればよい。柑橘類としては、例えば、国内産のものでも国外産のものでもよい。本発明においては、テロメラーゼ発現増強効果の点から、例えば、愛媛県で開発された柑橘類の一種である甘平が好ましい。
【0055】
本発明においては、陳皮を加工して用いることができ、陳皮加工物としては、例えば、チップ状物、粉砕物、搾汁物、抽出物や、これらの乾燥粉末を挙げることができる。本発明において用いられる陳皮は、製剤性を考慮すると、適用が容易であることから、粉砕物、搾汁物、抽出物又はこれらの乾燥粉末であることが好ましく、テロメラーゼ発現増強効果の点から、抽出物又はその乾燥粉末であることがより好ましい。陳皮加工物は、当業者により通常知られている方法によって製造したものでもよいし、市場に流通しているものであってもよい。
【0056】
陳皮の抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することにより得ることができる。抽出溶媒、抽出方法及び精製方法は、松樹皮の場合と同様にして行うことができる。
【0057】
[クサソテツ]
クサソテツとは、イワデンダ科又はメシダ科の多年生のシダである。クサソテツの若芽は、「こごみ」と称され、山菜のひとつである。本発明においては、テロメラーゼ発現増強効果の点から、こごみを用いることが好ましい。
【0058】
本発明においては、収穫したクサソテツを加工して用いることができ、クサソテツ加工物としては、例えば、チップ状物、粉砕物、搾汁物、抽出物や、これらの乾燥粉末を挙げることができる。本発明において用いられるクサソテツは、製剤性を考慮すると、適用が容易であることから、粉砕物、搾汁物、抽出物又はこれらの乾燥粉末であることが好ましく、テロメラーゼ発現増強効果の点から、抽出物又はその乾燥粉末であることがより好ましい。クサソテツ加工物は、当業者により通常知られている方法によって製造したものでもよいし、市場に流通しているものであってもよい。なお、抽出溶媒、抽出方法等は、ターミナリアと同様にして行うことができる。
【0059】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤は、経口剤や、皮膚や頭皮に適用する外用剤として用いることができる。例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品や、化粧品や、トイレタリー用品等として用いることができる。
【0060】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤としては、本発明の素材を含有し、テロメラーゼ発現増強に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物(広告媒体)のいずれかに、テロメラーゼ発現増強機能、及びこれに起因する各種機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。なお、本発明のテロメラーゼ発現増強剤は、製品の包装等に、本発明の素材が有効成分として表示されているものに限られない。例えば、有効成分を特定していないものであってもよい。また、一般的な食品であっても、用途を示唆して製造販売されるものは本発明の範囲に含まれる。
【0061】
具体的に、いわゆる健康食品においては、「テロメラーゼの発現を増強する」、「細胞の老化を防ぐ」、「テロメアの短縮を防ぐ」、「テロメアを伸長させる」、「抗老化」「アンチエイジング」、「育毛」等を表示したものを例示することができる。本発明のテロメラーゼ発現増強剤を摂取する対象としては、テロメラーゼの発現の増強を必要とする人であれば特に限定されないが、抗老化やアンチエイジングを目的とする人等を好ましく例示することができる。
【0062】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤が経口剤の場合、その形態としては、例えば、錠状、カプセル状、粉末状、顆粒状、液状、粒状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、ペースト状、クリーム状、カプレット状、ゲル状、チュアブル錠状、スティック状等を挙げることができる。これらの中でも、錠状、カプセル状、粉末状、顆粒状、丸状、チュアブル錠状の形態が好ましく、錠状、カプセル状、丸状、チュアブル錠状がより好ましい。
【0063】
本発明の組成物を錠状、丸状、チュアブル錠状とする場合、賦形剤、滑沢剤、流動化剤のいずれか1種以上を添加することにより、成型性を高めるとともに得られた錠剤、丸剤又はチュアブル錠剤の保存安定性を向上するため、好ましい。特に、賦形剤及び滑沢剤を使用することで保存安定性をより高めることができる。
【0064】
賦形剤とは、組成物の取扱いあるいは成形の向上や服用を便利にするために加えるものである。本発明に使用できる賦形剤としては特に制限はなく、例えば、デンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、デンプン分解物等のデンプン又はその誘導体、結晶セルロース、糖アルコール、乳糖、ビール酵母、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、精製白糖、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、沈降炭酸カルシウム等などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0065】
滑沢剤とは、錠剤用の粉末を圧縮する際に打錠機杵臼と錠剤間の摩擦を緩和し、スティッキングなどの打錠障害を防ぐために使用するものである。本発明に使用できる滑沢剤としては、上記目的を達成することが可能な成分であれば特に制限はなく、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸又はその塩、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、ポリエチレングリコール、植物油脂、硬化油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0066】
流動化剤とは、混合末や顆粒の流動性を改善するために使用するものである。本発明に使用できる流動化剤としては特に制限はなく、例えば二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明において、賦形剤、滑沢剤、流動化剤はいずれも市販品を使用することができる。
【0067】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤が外用剤の場合、その形態としては、例えば、ローション状、乳液状、ゲル状、クリーム状、軟膏状、粉末状、顆粒状等を挙げることができる。具体的には、化粧水、化粧クリーム、乳液、クリーム、パック、ヘアトニック、ヘアクリーム、シャンプー、ヘアリンス、トリートメント、ボディシャンプー、洗顔剤、石鹸、ファンデーション、白粉、口紅、リップグロス、頬紅、アイシャドー、整髪料、育毛剤、水性軟膏、油性軟膏、目薬、アイウォッシュ、シップ、ジェルなどが挙げられる。また、口腔へ適用する場合は、歯磨剤、マウスウォッシュ、スプレーなどが挙げられる。
【0068】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤における本発明の素材の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。
【0069】
具体的には、本発明のテロメラーゼ発現増強剤が錠状、丸状、カプセル状、チュアブル錠状の場合には、本発明の素材が乾燥質量換算で全体の0.000001~60質量%含まれていることが好ましく、0.00001~50質量%含まれていることがより好ましく、0.0001~40質量%含まれていることがさらに好ましく、テロメラーゼ発現増強の観点から、0.01~30質量%含まれていることが特に好ましい。
【0070】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤が粉末状、顆粒状の場合、本発明の素材が乾燥質量換算で全体の0.000001~100質量%含まれていることが好ましく、0.00001~90質量%含まれていることがより好ましく、0.0002~80質量%含まれていることがさらに好ましく、テロメラーゼ発現増強の観点から、0.01~70質量%含まれていることが特に好ましい。
【0071】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤が液状の飲料の場合、本発明の素材が乾燥質量換算で全体の0.0000001~50質量%含まれていることが好ましく、0.00001~25質量%含まれていることがより好ましく、0.0002~10質量%含まれていることがさらに好ましく、テロメラーゼ発現増強の点から、0.001~5質量%含まれていることが特に好ましい。
【0072】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤が経口剤の場合、摂取量としては特に制限はないが、成人の1日当たり、本発明の素材の摂取量が、10mg/日以上となるように摂取することが好ましく、20mg/日以上となるように摂取することがより好ましく、テロメラーゼ発現増強の点から、30mg/日以上となるように摂取することがさらに好ましい。その上限は、例えば、100000mg/日であり、好ましくは80000mg/日であり、より好ましくは60000mg/日である。
【0073】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤が経口剤の場合、1日の摂取量が前記摂取量となるように適宜設計すればよく、1回で摂取してもよいし、複数回に分けて摂取してもよい。例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤又はチュアブル錠剤の場合は1日あたり1~4回の摂取回数とし、合計量として前記摂取量が摂取できればよく、飲料の場合、1日の摂取量に前記摂取量が配合されていればよい。本発明のテロメラーゼ発現増強剤は、1日の摂取量が前記摂取量となるように、1つの容器に、又は例えば2~3の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
【0074】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤が外用剤の場合、本発明の素材が乾燥質量換算で全体の0.0000001~50質量%含まれていることが好ましく、0.000001~20質量%含まれていることがより好ましく、0.00001~10質量%含まれていることがさらに好ましく、テロメラーゼ発現増強の点から、0.0001~5質量%含まれていることが特に好ましい。
【0075】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤が外用剤である場合、使用量としては特に制限はなく、使用対象個体の年齢、体重、体質等の様々な要因を考慮して適宜選択することができる。
【0076】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤は、必要に応じて、本発明の素材以外の他の成分を添加して、公知の方法によって製造することができる。
本発明のテロメラーゼ発現増強剤が経口剤の場合、他の成分としては、例えば、水溶性ビタミン(ビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B7、B9、B12、B13、B15、B17、ビタミンC、ビタミンP、コリン、イノシトール、PABA)、脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK)等のビタミン類;マグネシウム、リン、亜鉛、鉄等のミネラル類;タウリン、ニンニク等に含まれる含硫化合物;ヘスペリジン、ケルセチン等のフラバノイド或いはフラボノイド類;コラーゲン等のタンパク質;ペプチド;アミノ酸;動物性油脂;植物性油脂;動物・植物の粉砕物又は抽出物等を挙げることができる。
【0077】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤が外用剤の場合、添加できる成分としては、種々の薬効成分(活性酸素除去剤、抗酸化剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、ビタミン剤、ホルモン剤、これらの作用を有する動植物由来の抽出物など)、他の油剤(リノール酸、リノレン酸、パルミチン酸、DHA、EPAなどの不飽和脂肪酸およびその誘導体、亜麻仁油、ヤシ油、ホホバ油、オリーブ油、スクワラン、スクワレン、馬油、コメヌカ油、ヒマシ油などの動植物より抽出された油およびその誘導体など)、保湿剤(コラーゲンまたはその分解物、カロットエキスなどに含まれるコラーゲン類似ペプチド、大豆ペプチド、アミノ酸、ヒアルロン酸などのムコ多糖類、コンドロイチンなどのアミノ糖、トレハロースなどの糖類、海藻類、アルギン酸、グルコマンナン、ペクチンなどの水溶性食物繊維など)、界面活性剤(レシチンや脂肪酸エステル、アミノ酸誘導体など)、紫外線吸収剤(酸化亜鉛、酸化チタンなど)、紫外線吸収促進剤などを挙げることができる。
【実施例0078】
[サンプル(被験物質)の調製]
松樹皮として、フランス海岸松樹皮の抽出物(乾燥粉末)を用いた。なお、松樹皮の抽出物は、下記の方法に従って調製されたものである。
まず、松樹皮に水を加えて、95℃以上にて1時間以上の抽出を行った。次いで、濾過して得られた抽出液を精製を経て乾燥し、得られた乾燥粉末を松樹皮の抽出物として使用した。
【0079】
大麦若葉として、大麦若葉の搾汁物(乾燥粉末)を用いた。なお、大麦若葉の搾汁物は、下記の方法に従って調製されたものである。
まず、大麦の若葉をペースト状にした。次いで、圧搾した後、大麦若葉搾汁液を乾燥し、得られた乾燥粉末を大麦若葉の搾汁物とした。
【0080】
葛の花として、葛の花の抽出物(乾燥粉末)を用いた。なお、葛の花の抽出物は、下記の方法に従って調製されたものである。
まず、葛の花を乾燥させた乾燥物に水を加えて、熱水抽出を行った。次いで、固液分離操作を行い、不溶な固形物を除去した後、葛の花抽出液を得た。その後、抽出液を乾燥し、得られた乾燥粉末を葛の花の抽出物として使用した。
【0081】
黒生姜として、黒生姜の根茎の抽出物(乾燥粉末)を用いた。なお、黒生姜の抽出物は、下記の方法に従って調製されたものである。
まず、黒生姜の根茎に含水エタノールを加えて抽出を行った。次いで、固液分離操作を行い、不溶な固形物を除去した後、抽出液を得た。その後、抽出液にデキストリンを添加した上で、抽出液を乾燥し、得られた乾燥粉末を黒生姜の抽出物として使用した。
【0082】
バナバとして、バナバ葉の抽出物(乾燥粉末)を用いた。なお、バナバ葉の抽出物は、下記の方法に従って調製されたものである。
まず、バナバの葉を乾燥させた乾燥物を粉砕し、粉砕物を得た。次いで、粉砕物に含水エタノールを加えて抽出を行い、抽出液を得た。その後、抽出液を乾燥の上、粉砕し、得られた乾燥粉末をバナバ葉の抽出物として使用した。
【0083】
ターミナリアとして、ターミナリアベリリカ(Terminaria belli
ricca)の果実の抽出物(乾燥粉末)を用いた。なお、ターミナリアベリリカの果実の水抽出物は、下記の方法に従って調製されたものである。
まず、ターミナリアベリリカの果実から種子を除去した残りの部分を水と混合して混合液を調整し、熱水抽出を行った。抽出後、混合液を濾過した濾液を凍結乾燥し、得られた乾燥粉末をターミナリアベリリカの果実の抽出物として使用した。
【0084】
牡蠣として、牡蠣の身の抽出物(乾燥粉末)を用いた。なお、牡蠣の身の抽出物は、下記の方法に従って調製されたものである。
まず、牡蠣の身を加熱した後、冷却した上で、酵素添加し、加圧した。その後、加熱殺菌し、乾燥した。得られた乾燥粉末を牡蠣の身の抽出物として使用した。
【0085】
陳皮として、甘平の果皮の抽出物(乾燥粉末)を用いた。なお、甘平の果皮の抽出物は、下記の方法に従って調製されたものである。
まず、甘平の果皮に水を加えて、加熱し、熱水抽出を行った。次いで、濾過して濾液を回収し、得られた濾液をさらに濾過して濾液を回収し、甘平の果皮の抽出液を得た。濾液を乾燥し、得られた乾燥粉末を甘平の果皮の抽出物として使用した。
【0086】
クサソテツとして、こごみ(クサソテツの若芽)の乾燥粉末を用いた。なお、こごみの乾燥粉末は、下記の方法に従って調製されたものである。
クサソテツの若芽を洗浄、殺菌し、蒸した後、乾燥させた。その後、乾燥物を粉砕し、得られた乾燥粉末をこごみの乾燥粉末として使用した。
【0087】
各素材を10mg/mLの濃度でDMSOに溶解し、10%FBS血清を含むDMEM培地にて10μg/mLに希釈して、サンプル(被験物質)を調製した。
【0088】
[定量Reverse transcriptase-PCR(RT-PCR)反応]
1.全RNAの調製
全RNAの調製には、High Pure RNA Isolation Kit(Roche)を使用し、その製品プロトコールに従って行った。また、全RNA調製から逆転写反応終了まで用いる試薬及び器具はRNase Freeのものを使用した。
【0089】
まず、5mLの細胞培養ディッシュに5.0×10cells/wellで細胞を播種し、10%FBS血清を含むDMEM培地にて37℃で培養した。翌日、各種サンプル(被験物質)を添加し、10%FBS血清を含むDMEM培地にて37℃で48時間培養を行った。比較対象(コントロール)には、0.1%DMSOおよび10%FBS血清を含むDMEM培地を添加した。48時間後、培地を完全に除去し、1×PBSを200μL加えて洗浄し、この上からHigh Pure RNA Isolation Kitに含まれている細胞溶解液400μLを添加し、細胞溶解液をよくディッシュ全体に行き渡らせ溶解させた後、細胞ライセート全量を1.5mLチューブへ回収した。
【0090】
回収したサンプルは、ボルテックスミキサーで60秒間よく懸濁し、軽くスピンダウンした。Kit中のHigh Pureフィルターチューブと回収用チューブとを組み立て、細胞ライセート溶液をフィルターチューブに加えた。室温、10,000×gにて15秒間遠心分離し、回収用チューブに排出された液を捨て、再びフィルターチューブと回収用チューブを組み立てた。1.5mLチューブに、1チューブ当たり90μLのDNaseインキュベーションバッファーとDNase I 10μLを加え混合した。この混合液を先ほどのフィルターチューブに添加し、室温で15分間インキュベートした。15分後、Kit中のWash Buffer I 500μLをフィルターチューブに加え、室温、10,000×gにて15秒間遠心分離した。遠心後、回収用チューブに排出された液を捨て、再びフィルターチューブと回収用チューブを組み立てた。
【0091】
Wash Buffer II 500μLをフィルターチューブに加え、室温、10,000×gにて15秒間遠心分離した。遠心後、回収用チューブに排出された液を捨て、再びフィルターチューブと回収用チューブを組み立てた。更に、Wash Buffer II 200μLを加え、室温、15,000×gで2分間遠心分離を行い、フィルターを洗浄した。遠心後、フィルターチューブを新しい1.5mLチューブに差し込み、溶出バッファー100μLをフィルターチューブの中心に添加し、室温で3分間静置した。その後、室温、10,000×gにて1分間遠心分離した。この操作による溶出液をRNA溶液とした。溶液中のRNA濃度は、NanoDrop 2000/2000c分光光度計(Thermo Fisher Scientific)によって、260nmでの吸光値を元に算出し、以後の実験に使用した。
【0092】
2.cDNAの合成
細胞から抽出した全RNA1.0μgに対して5pmolのOligo(dT)20プライマー(TOYOBO)を加え、総液量が13μLになるようにRNase Free水を加えた。Thermal Cycler PTC 200(MJ Research)にて65℃で5分間熱処理反応を行い、直ちに氷中に移して急冷した。その間に、逆転写酵素反応プログラムを42℃の段階へ進めておき一時停止にした。氷中にて5分間冷却したサンプルへ1サンプル当たり逆転写酵素反応緩衝液4μL、10mM dNTPs(GE Healthcare)2μL、逆転写酵素ReverTra Ace(TOYOBO)0.5μLを混合した溶液を加え、穏やかに混合した。その後42℃で20分間、99℃で5分間、4℃で5分間の反応させることによりcDNAを合成した。このcDNAを定量PCRに鋳型として用いた。
【0093】
3.プライマーの設計
RT PCRによって発現量を測定する目的遺伝子をNCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/)で検索し、その配列をもとにプライマーの配列を決定し、合成した。プライマーの合成はSigma社に委託した。内部コントロールであるβ-actinとhTERTをそれぞれ検出するためのプライマーを表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】
4.定量Reverse transcriptase-PCR(RT-PCR)反応
作製したcDNAを鋳型として用いた。0.2mL PCRチューブに滅菌水49μL、10pmol/mLに希釈したプライマーForward/Reverse双方を3.5μLずつ、鋳型cDNA7.0μL、高効率リアルタイムPCR用マスターミックスのTHUNDERBIRD SYBR qPCR Mix(TOYOBO)24.5μLを入れ、よく懸濁した。その後、96-well plateに25μLずつ3wellに添加し、Thermal Cycler Dice Real Time System(TAKARA BIO)を用いて、定量Real time-PCRを行った。PCR反応は、変性反応を95℃で5秒間、アニーリングを60℃で10秒間、伸長反応を72℃で20秒間行い、これを45サイクル(3step)繰り返し、FAMにより検出した。検量線のためのプライマーには、β-actinを用いた。また、相対遺伝子発現量は測定した値をβ-actinの発現量値で除し求めた。
【0096】
表2及び図1に、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)遺伝子の相対発現量を示す。なお、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)は、テロメラーゼに含まれる酵素である。図1に示すように、各種本発明の素材を添加することにより、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)遺伝子の発現が増強された。
【0097】
【表2】
【0098】
以下に本発明の種々の態様の例を挙げるが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されない。
【0099】
<製造例1~製造例8>
下記表3の配合にて、松樹皮、大麦若葉、葛の花、黒生姜、バナバ、ターミナリア、牡蠣(カキ)、陳皮及びクサソテツから選ばれる少なくとも1種の素材を配合して、均一になるように混合した後、打錠装置を用いて成形することによって錠剤を製造した(1粒あたり250mg)。得られた飲食用組成物は、高いテロメラーゼ発現増強効果が期待できる。
【0100】
【表3】
【0101】
<製造例9~製造例16>
下記表4の配合にて、松樹皮、大麦若葉、葛の花、黒生姜、バナバ、ターミナリア、牡蠣(カキ)、陳皮及びクサソテツから選ばれる少なくとも1種の素材を配合して、均一になるように混合し、ゼラチンを含む被膜に充填することによってハードカプセルを製造した(1粒あたり350mg)。得られた飲食用組成物は、高いテロメラーゼ発現増強効果が期待できる。
【0102】
【表4】
【0103】
<製造例17~製造例24>
下記表5の配合にて、松樹皮、大麦若葉、葛の花、黒生姜、バナバ、ターミナリア、牡蠣(カキ)、陳皮及びクサソテツから選ばれる少なくとも1種の素材を配合して、均一になるように混合し、ゼラチン及びグリセリンを含む被膜で被包することによってソフトカプセルを製造した(1粒あたり300mg)。得られた飲食用組成物は、高いテロメラーゼ発現増強効果が期待できる。
【0104】
【表5】
【0105】
<製造例25~製造例32>
下記表6の配合にて、松樹皮、大麦若葉、葛の花、黒生姜、バナバ、ターミナリア、牡蠣(カキ)、陳皮及びクサソテツから選ばれる少なくとも1種の素材を配合して、均一になるように混合することによって粉末飲料を製造した。例えば、得られた飲食用組成物3gを150mLの水と混合し、飲用することにより、高いテロメラーゼ発現増強効果を期待できる。
【0106】
【表6】
【0107】
<製造例33~製造例40>
下記表7の配合にて、松樹皮、大麦若葉、葛の花、黒生姜、バナバ、ターミナリア、牡蠣(カキ)、陳皮及びクサソテツから選ばれる少なくとも1種の素材をそれぞれ配合し型流動層造粒機に投入し、数分間気流で混合し、これに、水60Lを1分間に2000mL噴霧することにより造粒を行った。つづいて、得られた造粒物を30メッシュの篩いにて篩別し顆粒を製造した。得られた飲食用組成物は、高いテロメラーゼ発現増強効果が期待できる。
【0108】
【表7】
【0109】
<製造例41~製造例56>
下記表8乃至表11の配合にて、松樹皮、大麦若葉、葛の花、黒生姜、バナバ、ターミナリア、牡蠣(カキ)、陳皮及びクサソテツから選ばれる少なくとも1種の素材をそれぞれ配合し、ローションを製造した。得られた外用剤は、高いテロメラーゼ発現増強効果が期待できる。
【0110】
【表8】
【0111】
【表9】
【0112】
【表10】
【0113】
【表11】
【0114】
<製造例57~製造例64>
下記表12及び表13の配合にて、松樹皮、大麦若葉、葛の花、黒生姜、バナバ、ターミナリア、牡蠣(カキ)、陳皮及びクサソテツから選ばれる少なくとも1種の素材をそれぞれ配合し、クリームを製造した。得られた外用剤は、高いテロメラーゼ発現増強効果が期待できる。
【0115】
【表12】
【0116】
【表13】
【0117】
<製造例65~製造例72>
下記表14及び表15の配合にて、松樹皮、大麦若葉、葛の花、黒生姜、バナバ、ターミナリア、牡蠣(カキ)、陳皮及びクサソテツから選ばれる少なくとも1種の素材をそれぞれ配合し、乳液を製造した。得られた外用剤は、高いテロメラーゼ発現増強効果が期待できる。
【0118】
【表14】
【0119】
【表15】
【0120】
<製造例73~製造例80>
下記表16及び表17の配合にて、松樹皮、大麦若葉、葛の花、黒生姜、バナバ、ターミナリア、牡蠣(カキ)、陳皮及びクサソテツから選ばれる少なくとも1種の素材をそれぞれ配合し、ゲル剤を製造した。得られた外用剤は、高いテロメラーゼ発現増強効果が期待できる。
【0121】
【表16】
【0122】
【表17】
【0123】
<製造例81~製造例88>
下記表18及び表19の配合にて、松樹皮、大麦若葉、葛の花、黒生姜、バナバ、ターミナリア、牡蠣(カキ)、陳皮及びクサソテツから選ばれる少なくとも1種の素材をそれぞれ配合し、エアゾール剤を製造した。得られた外用剤は、高いテロメラーゼ発現増強効果が期待できる。
【0124】
【表18】
【0125】
【表19】
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明のテロメラーゼ発現増強剤は、健康食品等として用いることができることから、産業上有用である。
図1