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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040315
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】汚泥かき寄せ装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 21/18 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
B01D21/18 G
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024017533
(22)【出願日】2024-02-07
(62)【分割の表示】P 2022143036の分割
【原出願日】2018-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】508165490
【氏名又は名称】アクアインテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107102
【弁理士】
【氏名又は名称】吉延 彰広
(74)【代理人】
【識別番号】100164242
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 直人
(74)【代理人】
【識別番号】100172498
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】大塚 修史
(72)【発明者】
【氏名】浅井 宏元
(57)【要約】
【課題】汚泥が含まれた水が流れる間に汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、規制部材がレール部材に接触しにくくさせる。
【解決手段】第1レール部材24は、無端チェーン11が走行することで突出部1233が通過する領域近傍に、池幅方向に退避させることで設けた第1空間S’を有するものであり、第2レール部材25は、無端チェーン11が走行することで突出部1233が通過する領域近傍に、池幅方向に退避させることで設けた第2空間Sを有するものであり、記突出部1233は、第1レール部材24よりも上方から第1摺接部240よりも下側に第1空間S’を利用して入り込み、第2レール部材25よりも上方から第2摺接部250よりも下側に第2空間Sを利用して入り込むものであり、第1空間S’は、第2空間Sよりも長い空間である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、走行することで前記池底部側と水面側で該かき寄せ部材を循環させる無端チェーンと、
前記水が流れる水流方向に延在し、前記無端チェーンが走行する際に前記かき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する摺接部を有するレール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記沈殿池における池幅方向に突出した突出部が設けられ、前記無端チェーンが振れると前記レール部材に当接し、該無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記レール部材は、前記無端チェーンのうち下方へ向けて湾曲して弛んでいる弛み部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1摺接部を有する第1レール部材と、前記無端チェーンのうち前記水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2摺接部を有する第2レール部材とを含むものであり、
前記弛み部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該弛み部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該弛み部分の振れを規制するものであり、
前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水面軌道部分が振れると前記第2レール部材に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第1レール部材は、前記無端チェーンが走行することで前記突出部が通過する領域近傍に、前記池幅方向に退避させることで設けた第1空間を有するものであり、
前記第2レール部材は、前記無端チェーンが走行することで前記突出部が通過する領域近傍に、前記池幅方向に退避させることで設けた第2空間を有するものであり、
前記突出部は、前記第1レール部材よりも上方から前記第1摺接部よりも下側に前記第1空間を利用して入り込み、前記第2レール部材よりも上方から前記第2摺接部よりも下側に前記第2空間を利用して入り込むものであり、
前記第1空間は、前記第2空間よりも長い空間であることを特徴とする汚泥かき寄せ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
汚泥かき寄せ装置として、汚泥が含まれた水が流れる水流方向に直交する池幅方向に延在したかき寄せ部材を有する無端チェーンを備えたものが知られている。この汚泥かき寄せ装置では、無端チェーンの一部が駆動輪に巻き掛けられており、無端チェーンは、その駆動輪から駆動力を受けて走行し、沈殿池の池底側と水面側でかき寄せ部材を循環移動させている。なお、沈殿池には、無端チェーンの一部が巻き掛けられ、無端チェーンの走行に追従して回転する従動輪も配置されている。かき寄せ部材は、沈殿池の池底部を走行するときには池底に沈殿した汚泥をかき寄せ、水面側を走行するときには水面に浮かんだスカムをかき寄せるものである。また、沈殿池には、水流方向に延在し、無端チェーンが走行する際にかき寄せ部材が載置され、そのかき寄せ部材が摺動する摺接部を有するレール部材が設けられている。
【0003】
ところで、汚泥かき寄せ装置が設置された沈殿池では、地震の影響で、無端チェーンが、駆動輪や従動輪といった回転輪から脱輪してしまうことがある。無端チェーンが回転輪から脱輪してしまうのは、地震による揺れの直接的影響よりも、むしろ地震によって沈殿池内の水が大きく波打つスロッシングの影響の方が大きい。スロッシングが発生すると、無端チェーンが大きく揺れ動き、その揺れの力が、無端チェーンの、回転輪に巻き掛けられた部分に伝わることで無端チェーンが回転輪から脱輪してしまうことがある。
【0004】
この地震対策として、かき寄せ部材に規制部材を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載された規制部材は、無端チェーンが振れるとレール部材に当接し、無端チェーンの振れを規制するものである。この規制部材は、無端チェーンの走行時には、レール部材の一端側からそのレール部材の摺接部よりも下側に入り込み、レール部材と間隔をあけて、無端チェーンの走行とともにレール部材を通過する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-5400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、規制部材が、レール部材の一端側からそのレール部材の摺接部よりも下側に入り込む際に、レール部材に上方から接触してしまう場合がある。規制部材がレール部材に接触すると、無端チェーンの走行が乱れてしまう。
【0007】
本発明は上記事情に鑑み、規制部材がレール部材に接触しにくい汚泥かき寄せ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決する本発明の汚泥かき寄せ装置は、
汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、走行することで前記池底部側と水面側で該かき寄せ部材を循環させる無端チェーンと、
前記水が流れる水流方向に延在し、前記無端チェーンが走行する際に前記かき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する摺接部を有するレール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記沈殿池における池幅方向に突出した突出部が設けられ、前記無端チェーンが振れると前記レール部材に当接し、該無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記レール部材は、前記無端チェーンのうち下方へ向けて湾曲して弛んでいる弛み部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1摺接部を有する第1レール部材と、前記無端チェーンのうち前記水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2摺接部を有する第2レール部材とを含むものであり、
前記弛み部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該弛み部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該弛み部分の振れを規制するものであり、
前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水面軌道部分が振れると前記第2レール部材に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第1レール部材は、前記無端チェーンが走行することで前記突出部が通過する領域近傍に、前記池幅方向に退避させることで設けた第1空間を有するものであり、
前記第2レール部材は、前記無端チェーンが走行することで前記突出部が通過する領域近傍に、前記池幅方向に退避させることで設けた第2空間を有するものであり、
前記突出部は、前記第1レール部材よりも上方から前記第1摺接部よりも下側に前記第1空間を利用して入り込み、前記第2レール部材よりも上方から前記第2摺接部よりも下側に前記第2空間を利用して入り込むものであり、
前記第1空間は、前記第2空間よりも長い空間であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、規制部材がレール部材に接触しにくい汚泥かき寄せ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態である汚泥かき寄せ装置が設置された沈殿池の側断面図 である。
図2図1のA部を拡大した部分拡大図である。
図3】(a)は図2のB-B断面図であり、(b)は地震によるスロッシングが発 生し水面軌道部分が池幅方向に振れた場合の、上流側リターンレールと規制部材を示 す図であり、(c)は規制部材の突出部が上流側リターンレールの摺接部に上方から 接触した場合の様子を示す図である。
図4図1に示すスカム除去装置の下方から沈殿池の水中内の水流方向の下流側を 見た様子を模式的に示した図である。
図5】これまで説明した実施形態の変形例を示す図である。
図6】第2実施形態のリターンレールを上方から見たときの図である。
図7】第2実施形態のリターンレールを上方から見たときの図である。
図8】規制部材の突出部が、第2実施形態の下流側リターンレールの上流側の端部分に斜め上方から接近し、その下流側リターンレールの摺接部よりも下側に入り込むまでの様子を段階的に示す図である。
図9】第2実施形態の変形例を示す図である。
図10】第3実施形態の汚泥かき寄せ装置における、下流側リターンレールと規制部材の突出部との関係を示す図である。
図11】第4実施形態の汚泥かき寄せ装置における、下流側リターンレール24と規制部材123の突出部1233との関係を示す図である。
図12】規制部材の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態である汚泥かき寄せ装置が設置された沈殿池の側断面図である。
【0013】
図1に示す沈殿池1は、上流壁1aと、下流壁1bと、一対の側壁1cによって囲まれた、平面視で略長方形状をした池である。この沈殿池1は、長手方向の一端側(図1では左側)から汚水や雨水などの汚泥が含まれた水を受け入れ、受け入れた水に含まれる汚泥を池底部1dに沈殿させ、他端側(図1では右側)から排水する。以下、図1における左側を上流側と称し、図1における右側を下流側と称し、図1における左側から右側に向かう方向を水流方向と称する。また、図1において紙面に直交する方向を池幅方向と称する。なお、図1は、沈殿池を池幅方向に見た図である。
【0014】
図1に示すように、この沈殿池1には、本実施形態の汚泥かき寄せ装置10と、スカム除去装置30と、排水樋40と、汚泥ピット50が設けられている。排水樋40は沈殿池1の下流側部分に設けられている。また、汚泥ピット50は沈殿池1の上流側部分に設けられている。
【0015】
本実施形態の汚泥かき寄せ装置10は、無端チェーン11を備えている。この無端チェーン11は、沈殿池1の池幅方向の両端部それぞれに設けられれている。池幅方向の両端部それぞれに設けられた一対の無端チェーン11それぞれは、池底部1dに沿って延在したかき寄せ軌道Tkと、かき寄せ軌道Tkから水面側に向かって、沈殿池1の上流側で立ち上がる上流側軌道Tuと、水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するもののかき寄せ軌道Tkよりも短い水面軌道Twと、水面軌道Twとかき寄せ軌道Tkを沈殿池1の下流側で結ぶ下流側軌道Tlがつながった周回軌道を走行する、環状のチェーンである。
【0016】
また、一対の無端チェーン11には、池幅方向に延在した複数のかき寄せ部材12が掛け渡されている。無端チェーン11が周回軌道を走行することで、かき寄せ部材12は、池底部1d側と水面WL側を循環する。図1では、無端チェーン11が周回軌道で示されている。
【0017】
各軌道(Tk,Tu,Tw,Tl)の両端部分には、スプロケット14~17が配置されている。各スプロケット14~17には、無端チェーン11の一部が巻き掛けられており、無端チェーン11の、各スプロケット14~17に巻き掛けられた巻掛部分は、スプロケット14~17に噛み合っている。
【0018】
スプロケット14は、水面軌道Twの上流側に配置されている。以下の説明では、このスプロケット14を駆動スプロケット14と称する。この駆動スプロケット14の中心部分には、駆動軸141が固定されている。駆動軸141は、池幅方向に延在し、一対の側壁1cそれぞれに固定された軸受(不図示)によって回転自在に支持されている。図1に示す駆動軸141は、駆動チェーン211によってモータ21と接続されている。モータ21が回転することで、駆動軸141を介して駆動スプロケット14も回転する。本実施形態の駆動スプロケット14は、無端チェーン11に駆動力を伝えて無端チェーン11を走行させる駆動輪の一例に相当する。
【0019】
モータ21は、図1における時計回り方向と反時計回り方向の両方向に回転可能なモータである。モータ21は、通常は図1における時計回りに回転駆動する。モータ21の時計回り方向の回転にともない、駆動スプロケット14は、時計回りに回転し、無端チェーン11を時計回りに走行させる。以下、駆動スプロケット14が図1における時計回りに回転することを正転駆動と称し、無端チェーン11が図1における時計回りに走行することを正転走行と称する。駆動スプロケット14が正転駆動すると、無端チェーン11の、水面軌道Twにある水面軌道部分11wは、上流側から下流側に向かって走行する。
【0020】
また、モータ21はトルクリミッタ機能を有している。例えば、池底部1dを走行している無端チェーン11に取り付けられたかき寄せ部材12に異物が噛み込んでしまい、モータ21に過剰な負荷がかかると、トルクリミッタ機能が働き、モータ21は一旦停止する。そして、異物の噛み込みを解除するために、モータ21は少しの時間だけ逆転(図1における反時計回りに回転)する。モータ21の逆転に伴って、駆動スプロケット14は図1における反時計回りに回転し、無端チェーン11を反時計回りに走行(いわゆる、寸逆動作)させる。以下、駆動スプロケット14が図1における反時計回りに回転することを逆転駆動と称し、無端チェーン11が図1において反時計回りに走行することを逆転走行と称する。駆動スプロケット14が逆転駆動すると、水面軌道部分11wは、下流側から上流側に向かって走行する。
【0021】
その他のスプロケット15~17は、無端チェーン11の走行に追従して回転する従動スプロケットである。スプロケット15~17の中心部分には固定軸151,161,171が通されている。各固定軸151,161,171は軸回りに回転不能に固定配置されている。スプロケット15~17はいずれも、その固定軸151,161,171に対して回動自在なものである。各スプロケット14~17は、駆動軸141や固定軸151,161,171を回転軸として回転する回転輪である。以下の説明では、水面軌道Twの下流側に配置されているスプロケット15を中間スプロケット15と称する。この中間スプロケット15は、従動輪の一例に相当する。
【0022】
かき寄せ部材12は、無端チェーン11の周回軌道全周にわたって、循環方向に均等あるいは略均等に間隔をあけて複数取り付けられている。沈殿池1の池底部1dには、池底部1dに沿って沈殿池1の長手方向に延在する池底レール23が固定されている。池底部1dでは、かき寄せ部材12は、池底レール23にガイドされて移動することでかき寄せ軌道Tkを走行し、池底部1dに沈殿した汚泥をかき寄せる。
【0023】
無端チェーン11が正転走行すると、かき寄せ軌道Tkに位置しているかき寄せ部材12は、下流側から上流側に向かって池底部1dに沿って移動する。池底部1dに沈殿した汚泥は、池底部1dを移動するかき寄せ部材12によって上流側の汚泥ピット50に向けてかき寄せられる。汚泥ピット50にかき寄せられた汚泥は、図示しない汚泥ポンプによって沈殿池1の外部に排出される。
【0024】
沈殿池1の水面WLにはスカムが浮遊している。無端チェーン11が正転走行すると、水面軌道Twに位置しているかき寄せ部材12は、上流側から下流側に向かって水面WLに沿って移動する。水面WLに浮遊するスカムは、水面軌道Twを移動するかき寄せ部材12によって下流側のスカム除去装置30に向けてかき寄せられる。スカム除去装置30側にかき寄せられたスカムは、沈殿池1内の水とともにスカム除去装置30によって沈殿池1の外部に排出される。また、スカムと汚泥とが除去された沈殿池1内の水は、スカム除去装置の下をくぐって排水樋40に流れ込み、排水樋40から図示しない排水路に流れ、沈殿池1の外部に排水される。
【0025】
無端チェーン11は、無端チェーン11を走行させるための駆動力が増大することを防止するために、沈殿池1に設置された当初から、循環方向に適度に余裕のある状態で設置される。無端チェーン11には、その余裕分に応じた量の弛みが生じている。また、走行開始後しばらくの期間、無端チェーン11は、無端チェーン11のなじみやクリープ現象などによって伸びが発生しやすく、その結果、設置したときよりも徐々に弛みが増大する傾向がある。なお、無端チェーン11をある程度走行させた後は、伸びの発生は殆どなくなる。
【0026】
無端チェーン11が走行すると、無端チェーン11の、かき寄せ軌道Tkに位置しているかき寄せ軌道部分11kに、かき寄せ部材12が汚泥をかき寄せることで生じる走行負荷が加わる。無端チェーン11が正転走行している場合、無端チェーン11の、かき寄せ軌道部分11kおよび上流側軌道Tuに位置している上流側軌道部分11uでは、上記走行負荷に応じた張力が発生している。一方、無端チェーン11の、水面軌道部分11wおよび下流側軌道Tlに位置している下流側軌道部分11lには、弛みが生じる。図1は、水面軌道部分11wおよび下流側軌道部分11lに弛みが生じた状態を示している。図1に示すように、水面軌道Twよりも下流側軌道Tlの方が長く、また、水面軌道Twは水平あるいはほぼ水平であるのに対して下流側軌道Tlは大きく傾斜しており、水面軌道部分11wの弛みよりも、下流側軌道部分11lの弛みの方が大きい。
【0027】
続いて、レール部材の一例に相当するリターンレールについて説明する。図1に示す汚泥かき寄せ装置10には、レール部材として、下流側リターンレール24および上流側リターンレール25が設けられている。
【0028】
沈殿池1の下流側であって池底部1dから所定の高さ位置には、池底部1dとほぼ平行であって沈殿池1の長手方向に延在する下流側リターンレール24が固定されている。この下流側リターンレール24は、一対の側壁1cそれぞれに複数固定された下流側台座247に取り付けられている。無端チェーン11が正転走行している場合、無端チェーン11に取り付けられたかき寄せ部材12は、大きく弛んだ下流側軌道Tlにおけるかき寄せ軌道Tk側(下流側とも言える)では、下流側リターンレール24にガイドされて移動する。すなわち、下流側リターンレール24は、かき寄せ軌道Tkの上にかき寄せ軌道Tkに沿って設置され、無端チェーン11のうち下流側軌道Tlにおけるかき寄せ軌道Tk側を走行する水中軌道部分11l-1に取り付けられているかき寄せ部材12が載置され、そのかき寄せ部材12が摺動するものであって、第1レール部材の一例に相当する。図1に示すように、下流側軌道Tlにおけるかき寄せ軌道Tk側の軌道は、水平軌道になっている。
【0029】
さらに、沈殿池1の上流側であって水面WL近傍には、水面WLに沿って水流方向に延在した上流側リターンレール25が固定されている。すなわち、上流側リターンレール25は、水面側に設置され、無端チェーン11の水面軌道部分11wに取り付けられているかき寄せ部材12が載置され、そのかき寄せ部材12が摺動するものであって、第2レール部材の一例に相当する。この上流側リターンレール25は、一対の側壁1cそれぞれに複数固定された上流側台座257に取り付けられている。無端チェーン11に取り付けられたかき寄せ部材12は、水面軌道Twでは上流側リターンレール25にガイドされて移動する。
【0030】
図2は、図1のA部を拡大した部分拡大図である。図2では、一部を除いて、無端チェーン11を1点鎖線で示している。
【0031】
無端チェーン11は、複数のリンク部材110が連結された金属製のチェーンである。なお、無端チェーン11として樹脂製のチェーンを用いてもよい。各リンク部材110は、図示しない連結ピンで連結されている。本実施形態では、無端チェーン11の循環方向に連結された20個のリンク部材110おきに、ステー113が設けられたリンク部材110が配置されている。図2では、ステー113が設けられたリンク部材110が左端に示されている。このステー113は、リンク部材110とかき寄せ部材12とを結合するためのものである。図2の左端に示す、ステー113とかき寄せ部材12は、図示しないネジで結合されている。なお、図2では、かき寄せ部材12があと2つ示されているが、これら2つのかき寄せ部材12が結合されたリンク部材は図示省略されており、ステーも図示省略されている。
【0032】
かき寄せ部材12は、フライト板121と、リターンシュー122と、規制部材123を有する。フライト板121は、池幅方向に延在した断面コ字状の部分を有するステンレス製のものである。フライト板121の折り曲げ面121a,121bの間に位置するかき寄せ面121cの形状は矩形である。リターンシュー122と規制部材123は、フライト板121の両端それぞれに設けられている。なお、図2に示すフライト板121は、無端チェーン11側とは反対側の折り曲げ面121aから該反対側に突出した突出縁部121dも有する。
【0033】
図2に示すように、上流側リターンレール25は、駆動スプロケット14から中間スプロケット15まで延在したレール部材である。より詳しく説明すれば、図2に示す上流側リターンレール25は、駆動スプロケット14の中心の真上から中間スプロケット15の中心の真上まで延在しているが、駆動スプロケット14の中心の真上よりも中間スプロケット15側の位置から延在したものであってもよいし、その真上よりも上流壁1a(図1参照)側の位置から延在したものであってもよい。また、中間スプロケット15の中心の真上よりも駆動スプロケット14側の位置まで延在したものであってもよいし、その真上よりも下流壁1b(図1参照)側の位置まで延在したものであってもよい。
【0034】
上流側リターンレール25は、摺接部250と、下側部分の取付部251とから構成されている。
【0035】
図3(a)は、図2のB-B断面図である。この図3(a)は、駆動スプロケット14の中心を通る鉛直線に沿った断面図であり、図の左右方向が、沈殿池1の池幅方向になる。なお、図3(a)では、駆動スプロケット14に回転力を伝達する駆動チェーン211(図1参照)は図示省略されている。
【0036】
図3(a)に示すように、リンク部材110は、池幅方向に対向する左右一対のリンク板111,111と、その左右一対のリンク板111,111をつなげるバレル部112とから構成されている。
【0037】
図3(a)に示すかき寄せ部材12は、図1図2に示す水面軌道部分11wに取り付けられているかき寄せ部材12であり、そのかき寄せ部材12には、図3(a)の状態では水面側となる上部にかき寄せシュー124が設けられている。図3(a)に示すかき寄せ部材12が取り付けられたリンク部材110が、かき寄せ軌道Tkを走行する際には、かき寄せ部材12は上下が逆になり、かき寄せシュー124が下側になって、図1に示す池底レール23に摺接する。
【0038】
また、図3(a)に示すかき寄せ部材12の、池幅方向の端部には、水面側とは反対側になる下部に、リターンシュー122と規制部材123が設けられている。
【0039】
図3(a)に示すリターンシュー122の下端部分は、フライト板121よりも下方へ突出しており、リターンシュー122の下端は、上流側リターンレール25の摺接部250に載置されている。図3(a)に示すかき寄せ部材12が取り付けられたリンク部材110が、水面軌道Twを走行する際には、このリターンシュー122が上流側リターンレール25に摺接する。リターンシュー122の池幅方向外側の縁は、フライト板121の上下方向の縁に一致している。一方、リターンシュー122の池幅方向内側の下隅部には、下方へ突出した突起1221が設けられている。すなわち、この突起1221は、リターンシュー122の、フライト板121よりも下方へ突出している下端部分よりもさらに下方へ突出している。
【0040】
規制部材123は、ベース部1231とアーム部1232と突出部1233を有する。規制部材123のベース部1231は、リターンシュー122を間に挟んでかき寄せ部材12にボルト止めされており、リターンシュー122の交換は容易である。アーム部1232は、ベース部1231の池幅方向内側から下方に向かって延在した部分である。突出部1233は、アーム部1232の先端に設けられたものであって、アーム部1232から90度折れ曲がって池幅方向外側に向かって突出している。アーム部1232および突出部1233からなる形状は鉤状である。
【0041】
また、図3(a)には、上流側リターンレール25の下流側端面が示されている。図3(a)に示すように、上流側リターンレール25は、断面形状が上下を逆にしたL字状である。上流側リターンレール25の取付部251は、上流側台座257に図示しないネジで固定されている。上流側リターンレール25の摺接部250は、池幅方向内側に向かって突出している。すなわち、規制部材123の、池幅方向外側に向かって突出した突出部1233とは、上下方向の位置をずらして対向するように突出している。より詳細に説明すれば、上流側リターンレール25の摺接部250と、図3(a)に示す規制部材123の突出部1233は、上下方向に間隔(例えば、10mm)をあけている。また、摺接部250の突出方向先端(幅方向先端)2501と、突出部1233の突出方向先端1233tは、池幅方向に間隔(例えば、0mmより大きく25mm以下)をあけている。
【0042】
さらに、上流側リターンレール25の摺接部250の突出方向先端2501は、リターンシュー122の突起1221と、上下方向の位置を合わせて、池幅方向に間隔をあけて対向している。かき寄せ部材12が、池幅方向にずれた場合、摺接部250の突出方向先端2501にリターンシュー122の突起1221が当接し、かき寄せ部材12が池幅方向にそれ以上ずれることが防止される。なお、上述したかき寄せシュー124にも、かき寄せ部材12が池幅方向にずれることを、池底レール23に当接することで防止する突起1241が設けられている。
【0043】
図3(b)は、地震によるスロッシングが発生し、水面軌道部分11wが池幅方向に振れた場合の、上流側リターンレール25と規制部材123を示す図である。
【0044】
図3(b)では、地震による揺れも加わり、摺接部250の突出方向先端2501がリターンシュー122の突起1221の下に潜り込んでしまっている。しかしながら、その突出方向先端2501に、アーム部1232に対する突出部1233の付け根部分が当接しており、水面軌道部分11w(図1図2参照)が、池幅方向にそれ以上大きく振れることが抑制されている。したがって、突出部1233の付け根部分は、横方向規制部の一例に相当する。なお、アーム部1232が下方に向かってさらに延在したものであれば、摺接部250の突出方向先端2501に、アーム部1232が当接することになる。この場合には、アーム部1232が、横方向規制部の一例に相当する。
【0045】
また、突出部1233が、池幅方向外側にさらに突出し、摺接部250の突出方向先端2501に突出部1233の付け根部分が当接する前に、突出部1233の突出方向先端1233tが、取付部251に対する摺接部250の付け根部分に当接するようにしてもよい。さらには、アーム部1232が下方に向かってさらに延在したものであれば、突出部1233の突出方向先端1233tが、取付部251に当接することになる。
【0046】
図3(c)は、規制部材123の突出部1233が上流側リターンレール25の摺接部250に上方から接触した場合の様子を示す図である。
【0047】
図2に示す1点鎖線で表すように、上流側リターンレール25は、無端チェーン11のうち、駆動スプロケット14の12時の位置を通過する部分よりも下方に設置されている。このため、無端チェーン11のうち、駆動スプロケット14の12時の位置を通過した部分は、上流側リターンレール25の上流側の端部分に斜め上方から接近し、規制部材123の突出部1233が、上流側リターンレール25の摺接部250よりも下側に入り込む。
【0048】
図3(c)に示す規制部材123が取り付けられたかき寄せ部材12の位置は、池幅方向にずれており(図3(c)では左側にずれており)、規制部材123の突出部1233が上流側リターンレール25の摺接部250に上方から接触してしまう場合がある。
【0049】
ここで、本実施形態においては、鉤状の突出部1233の突出方向先端1233tと下端を結ぶ面は、突出方向先端1233tから下端に向かって漸次下方へ傾斜している。以下、鉤状の突出部1233の突出方向先端1233tと下端を結ぶ下方へ傾斜した面を、図3(c)に示すように、上流側リターンレール25の摺接部250に接触する場合があることから、接触面1233sと称する。
【0050】
図3(c)に示す接触面1233sには、上流側リターンレール25における摺接部250の突出方向先端2501が接触している。上述のごとく、無端チェーン11のうち、駆動スプロケット14の12時の位置を通過した部分は、上流側リターンレール25の上流側の端部分に斜め上方から接近し、本来、規制部材123の突出部1233は、上流側リターンレール25の摺接部250よりも下側に入り込もうと、下方へ向かう軌道を走行する。これに加えて、突出方向先端2501に接触した接触面1233sが設けられた突出部1233は、無端チェーン11が走行するにつれて、接触面1233sの傾斜にならって下方へ向かわされる。この結果、突出方向先端2501に接触した接触面1233sが設けられた規制部材123は、下方へ向かってなめらかに移動し、無端チェーン11の走行が乱れてしまうことを抑えることができる。
【0051】
図4は、図1に示すスカム除去装置30の下方から沈殿池1の水中内の水流方向の下流側を見た様子を模式的に示した図である。無端チェーン11は、複数のリンク部材110(図2参照)が連結されたものであるが、図4では、一本の黒い太線で表している。
【0052】
この図4では、紙面手前側が水流方向の上流側になり、紙面奥側が水流方向の上流側になる。また、左右方向が沈殿池1の池幅方向になる。この図4には、無端チェーン11における下流側軌道Tlが紙面奥側に灰色で示されたスプロケット16に向けて延びており、かき寄せ軌道Tkが紙面奥側から紙面手前側に向かって戻ってきている。
【0053】
図4には、無端チェーン11に、ステー113を介在させて取り付けられたかき寄せ部材12が示されている。図4には、5本のかき寄せ部材12が示されている。各かき寄せ部材12の両端には、リターンシュー122と規制部材123が設けられている。図4に示す、無端チェーン11の下流側軌道部分11lに取り付けられているかき寄せ部材12では、リターンシュー122の突出部分が下方側へ突出しているとともに、規制部材123のアーム部1232も下方側へ延在している。なお、フライト板121の折り曲げ面121a,121bが手前側に向けて突出している。
【0054】
一方、図4に示す、無端チェーン11のかき寄せ軌道部分11kに取り付けられているかき寄せ部材12では、リターンシュー122の突出部分が上方側へ突出しているとともに、規制部材123のアーム部1232も上方側へ延在している。また、かき寄せシュー124が下側になって、池底レール23に摺接している。なお、フライト板121のかき寄せ面121cが手前側に位置している。
【0055】
また、図4には、灰色で示された下流側台座247に取り付けられた下流側リターンレール24が、池幅方向両端それぞれに示されるとともに、池底レール23が、池底部1dの池幅方向両端それぞれに示されている。
【0056】
下流側リターンレール24は、上流側リターンレール25と同じく、断面形状が上下を逆にしたL字状であって、摺接部240と、下側部分の取付部241とから構成されている。下流側リターンレール24の取付部241は、下流側台座247に図示しないネジで固定されている。また、上流側リターンレール25と同様に、下流側リターンレール24の摺接部240も、池幅方向内側に向かって突出している。すなわち、水中軌道部分11l-1のかき寄せ部材12における規制部材123の、池幅方向外側に向かって突出した突出部1233とは、上下方向の位置をずらして対向するように突出している。より詳細に説明すれば、下流側リターンレール24でも、摺接部240と、規制部材123の突出部1233は、上下方向に間隔(例えば、10mm)をあけている。また、摺接部240の突出方向先端(幅方向先端)2401と、突出部1233の突出方向先端は、池幅方向に間隔(例えば、0mmより大きく25mm以下)をあけている。
【0057】
さらに、下流側リターンレール24の摺接部240の突出方向先端2401も、リターンシュー122の突起1221(図3(a)参照)と、上下方向の位置を合わせて、池幅方向に間隔をあけて対向している。かき寄せ部材12が、池幅方向にずれた場合、摺接部240の突出方向先端2401にリターンシュー122の突起1221(図3(a)参照)が当接し、かき寄せ部材12が池幅方向にそれ以上ずれることが防止される。
【0058】
この図4図1に示すように、無端チェーン11の、下流側軌道Tlにおける水面軌道Tw側を走行する部分は、下方へ向けて湾曲しており、弛んでいる。以下、無端チェーン11の、下流側軌道Tlにおける水面軌道Tw側を走行する部分を弛み部分11l-2と称する。この弛み部分11l-2は、下流側リターンレール24に斜め上方から接近し、本来、規制部材123の突出部1233は、下流側リターンレール24の摺接部240よりも下側に入り込もうと、下方へ向かう軌道を走行する。これに加えて、上流側リターンレール25の場合を図3(c)で説明したのと同様に、突出部1233における接触面1233sに、下流側リターンレール24における摺接部240の突出方向先端2401が接触する場合がある。下流側リターンレール24の突出方向先端2401に接触した接触面1233sが設けられた突出部1233も、無端チェーン11が走行するにつれて、接触面1233sの傾斜にならって下方へ向かわされる。この結果、下流側リターンレール24の突出方向先端2401に接触した接触面1233sが設けられた規制部材123は、下方へ向かってなめらかに移動し、下流側リターンレール24においても、無端チェーン11の走行が乱れてしまうことを抑えることができる。特に、無端チェーン11の弛み部分11l-2は、下方へ向けて湾曲しており、弛んでいるため、軌道が不安定であり、規制部材123の突出部1233は、上流側リターンレール25よりも下流側リターンレール24の方に接触しやすいことから、突出部1233の下方へ傾斜した接触面1233sの効果は有益である。
【0059】
図5は、これまで説明した実施形態の変形例を示す図である。以下の説明では、これまで説明した構成要素と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明する。なお、図5では、図の左右方向が沈殿池1の池幅方向になり、図の右側が池幅方向内側であり、左側が池幅方向外側である。
【0060】
図5(a)では、下流側リターンレール24の形状が、これまで説明した下流側リターンレールの形状と異なっている。図5(a)に示す下流側リターンレール24は、摺接部240および取付部241の他、案内部242が設けられている。図5(a)に示す摺接部240は、池幅方向外側に向かって突出している。案内部242には、池幅方向内側に向かうほど下方へ向かって傾斜した案内面が242s設けられている。この案内面242sは、摺接部240から一段下がった所から傾斜している。一方、図5(a)に示す規制部材123の突出部1233には、下方へ傾斜した面が設けられていない。
【0061】
図5(a)の左側に示す図では、突出部1233の突出方向下端が下流側リターンレール24の案内部242に接触している。
【0062】
図5(a)に示す突出部1233は、無端チェーン11が走行するにつれて、下流側リターンレール24の案内部242における案内面242sに案内され、規制部材123は、下方へ向かってなめらかに移動し、図5(a)の右側に示す図のように、リターンシュー122の下端が、下流側リターンレール24の摺接部240に載置される。なお、図5(a)に示すリターンシュー122の池幅方向外側の下隅部には、下方へ突出した、図3(a)に示す突起1221と同様のずれ防止の突起1221が設けられ、池幅方向外側に向かって突出した摺接部240の突出方向先端2401に対向している。
【0063】
図5(b)でも、下流側リターンレール24の形状が変わっている。図5(b)に示す下流側リターンレール24も、池幅方向外側に向かって突出した摺接部240、および取付部241の他、案内部242が設けられているが、この案内部242の傾斜は、摺接部240の高さ位置から傾斜している。また、図5(b)に示す規制部材123の突出部1233には、下方へ傾斜した接触面1233sが設けられている。この図5(b)に示す突出部1233は、図3(a)に示す突出部1233より一回り小さいものであるが、基本構成は同じである。
【0064】
図5(b)の左側に示す図では、突出部1233の接触面1233sが、下流側リターンレール24の案内面242sに面接触している。すなわち、突出部1233の接触面1233sにおける傾斜角度と、下流側リターンレール24の案内面242sにおける傾斜角度は同じである。
【0065】
図5(b)に示す規制部材123は、無端チェーン11が走行するにつれて、突出部1233の接触面1233sにおける傾斜と、下流側リターンレール24の案内面242sにおける傾斜によって、下方へ向かってなめらかに移動し、図5(b)の右側に示す図のように、リターンシュー122の下端が、下流側リターンレール24の摺接部240に載置される。なお、図5(b)に示すリターンシュー122の池幅方向外側の下隅部にも、ずれ防止の突起1221が設けられ、池幅方向外側に向かって突出した摺接部240の突出方向先端2401に対向している。
【0066】
以上説明した変形例では、下流側リターンレール24の形状が異なっていたが、上流側リターンレール25の形状も、ここで説明した下流側リターンレール24の形状と同じであってもよいし、上流側リターンレール25の形状は、図3に示す上流側リターンレール25の形状と同じであってもよい。
【0067】
続いて、本発明の第2実施形態の汚泥かき寄せ装置について説明する。第2実施形態の汚泥かき寄せ装置の説明でも、第1実施形態の汚泥かき寄せ装置の説明で記した構成要素と同じ名称の構成要素には、第1実施形態の汚泥かき寄せ装置の説明で用いた符号と同じ符号を付して説明する。
【0068】
図6および図7は、第2実施形態のリターンレールを上方から見たときの図である。すなわち、上流側リターンレール25および下流側リターンレール24それぞれの平面図になる。図6でも図7でも、図の左右方向が池幅方向になる。
【0069】
図6(a)および同図(b)にしても図7(a)および同図(b)にしても、上側に一対の上流側リターンレール25を近寄せて示し、下側に一対の下流側リターンレール24を同じく近寄せて示す。上述のごとく、一対の上流側リターンレール25も、一対の下流側リターンレール24も、沈殿池1の池幅方向両側に設けられており、本来は、離れて設置されているが、図6および図7ではスペースの関係上、近寄せて示している。また、上流側リターンレール25であっても下流側リターンレール24であっても、中間部分を省略し、上側が上流側になり、下側が下流側になる。
【0070】
さらに、図6(a)に示す上流側リターンレール25も下流側リターンレール24も、同図(b)に示す上流側リターンレール25も下流側リターンレール24も、第1実施形態と同じく、断面形状が上下を逆にしたL字状であり、取付部251,241は池幅方向外側になり、摺接部250,240は、池幅方向内側に向かって突出している。
【0071】
また、図7(a)に示す上流側リターンレール25および下流側リターンレール24のリターンレールは両方とも、上流側レール部材25-1,24-1、中間レール部材25-2,24-2、下流側レール部材25-3,24-3の3つのレール部材を接続(例えば、溶接やボルト連結)したものである。これら3つのレール部材(25-1,25-2,25-3、24-1,24-2,24-3)はいずれも、断面形状が上下を逆にしたL字状であって、取付部251,241は池幅方向外側になり、摺接部250,240は、池幅方向内側に向かって突出している。
【0072】
一方、図7(b)に示す上流側リターンレール25と下流側リターンレール24それぞれは、1本のレール部材を折り曲げ加工することで形成されたものである。すなわち、取付部251,241が中央に位置し、上流側端部と下流側端部それぞれは、摺接部250,240が池幅方向外側に向けて折り曲げられ、中間部分は、摺接部250,240が池幅方向内側に向けて折り曲げられている。なお、図7(a)に示す上流側リターンレール25および下流側リターンレール24と同じく、3つのレール部材を接続した構成であってもよい。すなわち、摺接部250,240が池幅方向外側に向けて折り曲げられた上流側レール部材と、摺接部250,240が池幅方向内側に向けて折り曲げられた中間レール部材と、摺接部250,240が池幅方向外側に向けて折り曲げられた下流側レール部材を接続したものであってもよい。
【0073】
第1実施形態における、下流側リターンレール24であっても、上流側リターンレール25であっても、摺接部240,250は、位置(上流側端部,中間部,下流側端部)によらず同じである。一方、図6(a)および同図(b)における、下流側リターンレール24および上流側リターンレール25では、摺接部240,250における上流側端部と下流側端部それぞれに、切り欠きや退避空間が設けられており、位置によって異なっている。
【0074】
すなわち、図6(a)および同図(b)の上側に示す一対の上流側リターンレール25それぞれの摺接部250には、上流側端部と下流側端部に切り欠き25c1,25c2が設けられている。図6(a)に示す切り欠き25c1は、池幅方向内側部分を矩形状に切り欠いたものであり、同図(b)に示す切り欠き25c2は、池幅方向内側部分を三角形状に切り欠いたものである。また、切り欠くことで設けた空間は、池幅方向内側から外側に向かって退避させることで設けた空間ともいえる。以下、この切り欠くことで設けた空間や退避させることで設けた空間のことを単に空間と称する。図6(a)および同図(b)の上側に示す一対の上流側リターンレール25それぞれの摺接部250には、上流側端部の池幅方向内側部分と、下流側端部の池幅方向内側部分に、空間Sが設けられている。
【0075】
また、図6(a)および同図(b)の下側に示す一対の下流側リターンレール24それぞれの摺接部240にも、上流側端部と下流側端部に切り欠き24c1,24c2が設けられている。図6(a)に示す切り欠き24c1も、池幅方向内側部分を矩形状に切り欠いたものであり、同図(b)に示す切り欠き24c2も、池幅方向内側部分を三角形状に切り欠いたものである。またここでも、切り欠くことで設けた空間は、池幅方向内側から外側に向かって退避させることで設けた空間ともいえ、図6(a)および同図(b)の下側に示す一対の下流側リターンレール24それぞれの摺接部240にも、上流側端部の池幅方向内側部分と、下流側端部の池幅方向内側部分に、空間S’が設けられている。
【0076】
また、図7(a)に示す上流側リターンレール25と下流側リターンレール24は、上流側レール部材25-1,24-1と下流側レール部材25-3,24-3が、中間レール部材25-2,24-2に対して、池幅方向外側にずれた位置に設けられており、上流側レール部材25-1,24-1の内側にできた空間は、上流側レール部材25-1,24-1を池幅方向外側に退避させることで設けた空間といえ、下流側レール部材25-3,24-3の内側にできた空間は、下流側レール部材25-3,24-3を池幅方向外側に退避させることで設けた空間といえる。図7(a)に示す上流側リターンレール25における上流側端部の池幅方向内側部分と、下流側端部の池幅方向内側部分に、空間Sが設けられ、図7(a)に示す下流側リターンレール24における上流側端部の池幅方向内側部分と、下流側端部の池幅方向内側部分に、空間S’が設けられている。
【0077】
さらに、図7(b)に示す上流側リターンレール25と下流側リターンレール24は、摺接部250,240における上流側端部と下流側端部は、池幅方向外側に折り曲げられることで池幅方向外側に退避しており、上流側端部の内側にできた空間は、その上流側端部を池幅方向外側に退避させることで設けた空間といえ、下流側端部の内側にできた空間は、その下流側端部を池幅方向外側に退避させることで設けた空間といえる。図7(b)に示す上流側リターンレール25における上流側端部の池幅方向内側部分と、下流側端部の池幅方向内側部分に、空間Sが設けられ、図7(b)に示す下流側リターンレール24における上流側端部の池幅方向内側部分と、下流側端部の池幅方向内側部分に、空間S’が設けられている。
【0078】
図6(a)および同図(b)の上流側リターンレール25ならびに図7(a)および同図(b)の上流側リターンレール25それぞれにおける空間Sにしても、図6(a)および同図(b)の下流側リターンレール24ならびに図7(a)および同図(b)の下流側リターンレール24ぞれぞれにおける空間S’にしても、規制部材123の突出部1233との干渉を避けるための空間になる。すなわち、上流側リターンレール25における上流側の空間Sは、無端チェーン11の上流側軌道Tuにおける水面軌道Tw側を走行する弛み部分11l-2に取り付けられているかき寄せ部材12の規制部材123が、無端チェーン11が走行することで通過する領域近傍の空間である。図6に示す例ではこの空間Sに摺接部250がないことから、規制部材123の突出部1233はこの空間Sを利用して摺接部250よりも下側に入り込むことができる。図7(b)に示す例でもこの空間Sに摺接部250がないことから、規制部材123の突出部1233はこの空間Sを利用して、中間部分における摺接部250よりも下側に入り込むことができる。図7(a)に示す例ではレール部材自体がないことから、規制部材123の突出部1233はこの空間Sを利用して、中間レール部材25-2における摺接部250よりも下側に入り込むことができる。また、下流側リターンレール24における上流側の空間S’は、無端チェーン11の弛み部分11l-2に取り付けられているかき寄せ部材12の規制部材123が、無端チェーン11が走行することで通過する領域近傍の空間である。図6に示す例ではこの空間S’に摺接部240がないことから、規制部材123の突出部1233はこの空間S’を利用して摺接部240よりも下側に入り込むことができる。図7(b)に示す例でもこの空間S’に摺接部240がないことから、規制部材123の突出部1233はこの空間S’を利用して、中間部分における摺接部250よりも下側に入り込むことができる。図7(a)に示す例ではレール部材自体がないことから、規制部材123の突出部1233はこの空間S’を利用して、中間レール部材24-2における摺接部240よりも下側に入り込むことができる。
【0079】
ここで、図6(a)および同図(b)においても図7(a)および同図(b)においても、上流側リターンレール25における上流側の空間Sと、下流側リターンレール24における上流側の空間S’を比較すると、後者の方が、前者よりも長い空間である。すなわち、図6に示す例では、切り欠き幅(退避幅)は同じであるが、切り欠き長さ(退避長さ)は、上流側リターンレール25よりも下流側リターンレール24の方が長い。また、図7(a)に示す例では、上流側レール部材25-1,24-1の長さや下流側レール部材25-3,24-3の長さが、上流側リターンレール25よりも下流側リターンレール24の方が長い。さらに、図7(b)に示す例では、池幅方向外側に向けて折り曲げられた部分(上流側端部や下流側端部)の長さが、上流側リターンレール25よりも下流側リターンレール24の方が長い。上述のごとく、無端チェーン11の弛み部分11l-2は弛んでいるため、軌道が不安定であり、下流側リターンレール24では、規制部材123の突出部1233との干渉を避けるための空間が長くとられている。なお、下流側リターンレール24における上流側の空間S’の方が、上流側リターンレール25における上流側の空間Sよりも、幅も広くてもよい。すなわち、図6に示す例では、切り欠き幅(退避幅)も、上流側リターンレール25よりも下流側リターンレール24の方が広くてもよい。また、図7(a)に示す例では、上流側レール部材25-1,24-1の取り付け位置が、上流側リターンレール25よりも下流側リターンレール24の方が池幅方向外側であってもよい。さらに、図7(b)に示す例では、下流側リターンレール24も上流側リターンレール25も折り曲げ幅は同じであったが、下流側リターンレール24については、池幅方向外側に向けて折り曲げる折り曲げ幅よりも池幅方向内側に向けて折り曲げる折り曲げ幅の方を広くしてもよい。言い換えれば、取付部241の位置を中央位置から池幅方向外側にずらしてもよい。
【0080】
また、図6(a)および同図(b)の上流側リターンレール25ならびに図7(a)および同図(b)の上流側リターンレール25にしても、図6(a)および同図(b)の下流側リターンレール24ならびに図7(a)および同図(b)の下流側リターンレール24にしても、下流側の空間S,S’は、規制部材123の突出部1233がリターンレールを抜け出る際に干渉しないようにするためであったり、無端チェーン11が逆転走行した場合の突出部1233との干渉を避けるための空間である。なお、上流側リターンレール25にしても下流側リターンレール24にしても、下流側の空間S,S’は、上流側の空間S,S’と同じ長さであるが、下流側の空間S,S’の方が、上流側の空間S,S’よりも短くてもよい。また、幅も同じであるが、幅についても、下流側の空間S,S’の方が、上流側の空間S,S’よりも狭くてもよい。
【0081】
なお、突出部1233との接触は、上流側リターンレール25の下流側端部よりも下流側リターンレール24の下流側端部の方を避けやすくすることが好ましく、下流側リターンレール24の下流側端部よりも上流側リターンレール25の上流側端部の方を避けやすくすることが好ましく、上流側リターンレール25の上流側端部よりも下流側リターンレール24の上流側端部の方を避けやすくすることが好ましい。
【0082】
図8は、規制部材の突出部が、第2実施形態の下流側リターンレールの上流側の端部分に斜め上方から接近し、その下流側リターンレールの摺接部よりも下側に入り込むまでの様子を段階的に示す図である。図8では、図の左右方向が、沈殿池1の池幅方向になり、池幅方向両端部分のみを示し、かき寄せ部材12の池幅方向中間部分は図示省略されている。また、無端チェーン11も図示省略されている。
【0083】
図8(a)は、規制部材123の突出部1233が、図6(a)に示す下流側リターンレール24の上流側の端部分に斜め上方から接近してくる様子を下流側から示す図である。第2実施形態における規制部材123は、第1実施形態における規制部材123と同じであり、ベース部1231とアーム部1232と突出部1233を有する。アーム部1232は下方に向かって延在した部分であり、突出部1233はそのアーム部1232から90度折れ曲がって池幅方向外側に向かって突出している。図8(a)に示すかき寄せ部材12は、池幅方向の一端側(図8では左側)に寄ってしまっている。このため、そのかき寄せ部材12に取り付けられている、一端側の規制部材123の突出部1233は、下流側リターンレール24における摺接部240の上流側に接近する。図6(a)に示す下流側リターンレール24における摺接部240の上流側端部には、切り欠き24c1が設けられており、その切り欠き24c1が設けられた部分は、池幅方向内側から外側に向かって空いた空間S’になっている。このため、接近してきた、一端側の規制部材123の突出部1233は、この空間S’を利用して摺接部240よりも下側に入り込むことができる場合がある。すなわち、規制部材123の突出部1233が下流側リターンレール24に接触してしまうことを回避することができる場合がある。
【0084】
図8に示す例では、かき寄せ部材12の池幅方向へのずれがかなり大きく、空間S’が設けられていても、同図(b)に示すように、規制部材123の突出部1233が下流側リターンレール24に接触してしまっている。しかしながら、突出部1233の接触面1233sは池幅方向他端側へ向かうにつれて下方へ漸次傾斜した面であるため、その突出部1233は、無端チェーン11が走行するにつれて、接触面1233sの傾斜にならって下方へ向かわされる。この点については、第1実施形態において図3(c)を用いて説明したことと同じである。
【0085】
図8(c)では、規制部材123の突出部1233は、摺接部240よりも下側に入り込み、リターンシュー122の下端は、下流側リターンレール24の摺接部240に載置されている。また、かき寄せ部材12の池幅方向一端側へのずれは解消され、かき寄せ部材12は正規の位置にある。この図8(c)に示す規制部材123の突出部1233は、図6(a)の下側に示す下流側リターンレール24の切り欠き24c1をまだ超えてはおらず、図6(a)に示す矢印cの位置にある。
【0086】
無端チェーン11が走行を続けることによって、図8(c)に示す規制部材123の突出部1233はやがて、下流側リターンレール24の切り欠き24c1を超え、空間S’が設けられていない摺接部240の下方に達する。図8(d)に示す規制部材123の突出部1233は、図6(a)に示す矢印dの位置にある。図8(d)に示す規制部材123の突出部1233の突出方向先端部分は、下流側リターンレール24の摺接部240の突出方向先端部分の真下に位置している。
【0087】
図8(c)に示す規制部材123の突出部1233は、地震によるスロッシングが発生し、水中軌道部分11l-1(図1図4参照)が池幅方向に振れた場合に、突出部1233の突出方向先端1233tが、下流側リターンレール24における取付部241に対する摺接部240の付け根部分に当接し、水中軌道部分11l-1が、池幅方向にそれ以上大きく振れることが抑制される。しかしながら、地震によるスロッシングが発生し、水中軌道部分11l-1が上方向に振れた場合には、図8(c)に示す規制部材123の突出部1233は、下流側リターンレール24のどこにも当接せず、上方向への振れを抑制することができない。一方、図8(d)に示す規制部材123の突出部1233は、地震によるスロッシングが発生し、水中軌道部分11l-1が上方向に振れた場合であっても、突出部1233の突出方向先端部分が、下流側リターンレール24の摺接部240の突出方向先端部分に下方から当接し、水中軌道部分11l-1が、上方向にそれ以上大きく振れることが抑制される。図8(d)に示す突出部1233の突出方向先端部分は、上方向規制部の一例に相当する。また、水中軌道部分11l-1が池幅方向に振れた場合には、図8(d)に示す突出部1233の突出方向先端1233tが下流側リターンレール24に当接し、横方向規制部としても機能する。
【0088】
以上、第2実施形態における下流側リターンレール24と規制部材123の突出部1233との関係を説明したが、この第2実施形態では、上流側リターンレール25と規制部材123の突出部1233との関係も同じである。
【0089】
なお、かき寄せ部材12の池幅方向へのずれの程度にもよるが、ほとんどの場合は空間S’によって、規制部材123の突出部1233が下流側リターンレール24に接触してしまうことを回避することができる。そのため、空間S’を設けておき、突出部1233における傾斜した接触面1233s(図8(b)参照)を省略してもよい。例えば、図5(a)に示す規制部材123であってもよい。
【0090】
図9は、第2実施形態の変形例を示す図である。この図9も、図8と同じく、図の左右方向が、沈殿池1の池幅方向になり、池幅方向両端部分のみを示し、かき寄せ部材12の池幅方向中間部分は図示省略されている。また、無端チェーン11も図示省略されている。
【0091】
第2実施形態の変形例でも、一対の下流側リターンレール24それぞれの摺接部240には、上流側端部と下流側端部に切り欠き24c1が設けられている。一方、かき寄せ部材12に取り付けられた規制部材123が、図8に示すかき寄せ部材12に取り付けられた規制部材123とは異なる。すなわち、図9に示す規制部材123におけるアーム部1232は、ベース部1231の池幅方向外側から下方に向かって延在した部分である。突出部1233は、アーム部1232の先端から90度折れ曲がって池幅方向内側に向かって突出している。
【0092】
図9(a)に示す規制部材123の突出部1233は、図6(a)に示す矢印dの位置にあり、この突出部1233の突出方向先端部分は、下流側リターンレール24の摺接部240の突出方向先端部分の真下に位置している。
【0093】
図9(b)では、地震によるスロッシングが発生し、水中軌道部分11l-1(図1図4参照)が池幅方向一端側(図9では左側)に振れたときの様子を示す。図9(b)に示す池幅方向他端側(図9では右側)の規制部材123における池幅方向外側に位置するアーム部1232が、池幅方向他端側の下流側リターンレール24における摺接部240の突出方向先端2401に当接し、水中軌道部分11l-1が、池幅方向一端側にそれ以上大きく振れることが抑制される。
【0094】
図9(c)では、地震によるスロッシングが発生し、水中軌道部分11l-1が、今度は池幅方向他端側(図9では右側)に振れたときの様子を示す。図9(c)に示す池幅方向一端側(図9では左側)の規制部材123における池幅方向外側に位置するアーム部1232が、池幅方向一端側の下流側リターンレール24における摺接部240の突出方向先端2401に当接し、水中軌道部分11l-1が、池幅方向他端側にそれ以上大きく振れることが抑制される。
【0095】
続いて、本発明の第3実施形態の汚泥かき寄せ装置について説明する。第3実施形態の汚泥かき寄せ装置の説明でも、第1実施形態の汚泥かき寄せ装置の説明で記した構成要素と同じ名称の構成要素には、第1実施形態の汚泥かき寄せ装置の説明で用いた符号と同じ符号を付して説明する。
【0096】
図10は、第3実施形態の汚泥かき寄せ装置における、下流側リターンレール24と規制部材123の突出部1233との関係を示す図である。この図9は、従動スプロケットであるスプロケット16の中心を通る鉛直線に沿った断面図であり、図の左右方向が、沈殿池1の池幅方向になる。
【0097】
第3実施形態の汚泥かき寄せ装置における、上流側リターンレール25と規制部材123の突出部1233との関係は、第1実施形態の汚泥かき寄せ装置と同じであり、図3(a)に示す通りである。この図10では、図3(a)に示す上流側リターンレール25を参考までに1点鎖線で示している。
【0098】
一方、下流側リターンレール24は、上流側リターンレール25よりも池幅方向外側に設置されている。図10では、下流側リターンレール24を灰色で示している。この下流側リターンレール24は、上流側リターンレール25と同じ形状であり、断面形状が上下を逆にしたL字状であって、摺接部240と、下側部分の取付部241とから構成されている。この第3実施形態では、上流側リターンレール25とその上流側リターンレール25を摺動するかき寄せ部材12における規制部材123の突出部1233との池幅方向の間隔よりも、下流側リターンレール24とその下流側リターンレール24を摺動するかき寄せ部材12における規制部材123の突出部1233との池幅方向の間隔の方が長くなっている。上述のごとく、無端チェーン11の弛み部分11l-2は弛んでいるため、軌道が不安定であり、弛み部分11l-2に取り付けられたかき寄せ部材12の池幅方向へのずれが大きくなりやすい。このため、下流側リターンレール24では、上流側リターンレール25よりも、規制部材123の突出部1233との池幅方向の間隔を長くとり、突出部1233との接触を避けやすくしている。下流側リターンレール24を、上流側リターンレール25よりも池幅方向外側に設置すれば、下流側リターンレール24に、図6を用いて説明した切り欠き24c1,24c2を設けなくてもよい場合がある。ただし、下流側リターンレール24の設置箇所が池幅方向外側になればなるほど、規制部材123による上方向規制が困難になるため、下流側リターンレール24をある程度池幅方向外側に設置しつつ、摺接部240に幅広な部分を設けておくことが好ましい場合もある。
【0099】
また、下流側リターンレール24と上流側リターンレール25の設置箇所を、池幅方向にずらしておくことで、リターンシュー122の摺接箇所が異なり、リターンシュー122の摩耗を分散させることができる。
【0100】
なお、下流側リターンレール24を池幅方向外側に設けるほど、規制部材123の突出部1233が下流側リターンレール24に接触してしまうことを回避しやすくなる。そのため、下流側リターンレール24を池幅方向外側に設け、突出部1233における傾斜した接触面1233sを省略してもよい。例えば、図5(a)に示す規制部材123であってもよい。
【0101】
続いて、本発明の第4実施形態の汚泥かき寄せ装置について説明する。第4実施形態の汚泥かき寄せ装置の説明でも、第1実施形態の汚泥かき寄せ装置の説明で記した構成要素と同じ名称の構成要素には、第1実施形態の汚泥かき寄せ装置の説明で用いた符号と同じ符号を付して説明する。
【0102】
図11は、第4実施形態の汚泥かき寄せ装置における、下流側リターンレール24と規制部材123の突出部1233との関係を示す図である。この図11も、図10と同じく、従動スプロケットであるスプロケット16の中心を通る鉛直線に沿った断面図であり、図の左右方向が、沈殿池1の池幅方向になる。
【0103】
第4実施形態の汚泥かき寄せ装置における、上流側リターンレール25と規制部材123の突出部1233との関係も、第1実施形態の汚泥かき寄せ装置と同じであり、図3(a)に示す通りである。この図11でも、図3(a)に示す上流側リターンレール25を参考までに1点鎖線で示している。上流側リターンレール25は、摺接部250の突出方向先端2501が、池幅方向内側を向いている。
【0104】
一方、下流側リターンレール24は、摺接部240の突出方向先端2401が、池幅方向外側を向いている。図11でも、下流側リターンレール24を灰色で示している。この下流側リターンレール24は、上流側リターンレール25と同じ形状であり、断面形状が上下を逆にしたL字状であって、摺接部240と、下側部分の取付部241とから構成されている。ただし、上述のごとく、摺接部240の突出方向が異なる。これは、上流側リターンレール25と下流側リターンレール24とでは、取り付け向きが逆であることによる。すなわち、上流側リターンレール25は、水面軌道部分11w(図1図2参照)に取り付けられているかき寄せ部材12の規制部材123が設けられている側に突出した部分(摺接部250)を有するものであるのに対し、下流側リターンレール24は、水中軌道部分11l-1(図1図4参照)に取り付けられているかき寄せ部材12の規制部材123が設けられている側に突出した部分はなく、下流側リターンレール24は、水中軌道部分11l-1に取り付けられているかき寄せ部材12の規制部材123が設けられている側とは反対側に突出した部分(摺接部240)を有するものである。この結果、上流側リターンレール25とその上流側リターンレール25を摺動するかき寄せ部材12における規制部材123の突出部1233との池幅方向の間隔よりも、下流側リターンレール24とその下流側リターンレール24を摺動するかき寄せ部材12における規制部材123の突出部1233との池幅方向の間隔の方が長くなっており、この第4実施形態の汚泥かき寄せ装置であっても、上流側リターンレール25よりも下流側リターンレール24の方が、規制部材123の突出部1233と干渉しにくい。上述のごとく、無端チェーン11の弛み部分11l-2は弛んでいるため、軌道が不安定であり、弛み部分11l-2に取り付けられたかき寄せ部材12の池幅方向へのずれが大きくなりやすい。このため、下流側リターンレール24では、上流側リターンレール25よりも、突出部1233の突出方向先端1233tとの距離を長くとり、突出部1233との接触を避けやすくしている。
【0105】
なお、下流側リターンレール24における摺接部240の突出方向先端2401を池幅方向外側に向けることで、規制部材123の突出部1233が下流側リターンレール24に接触してしまうことを回避しやすくなる。そのため、摺接部240の突出方向先端2401を池幅方向外側に向けて下流側リターンレール24を配置し、突出部1233における傾斜した接触面1233sを省略してもよい。例えば、図5(a)に示す規制部材123であってもよい。
【0106】
また、下流側リターンレールにしても、上流側リターンレールにしても、上下を逆にしたL字状の断面形状のものの他、T字状の断面形状のものであってもよいし、C字状やコ字状の断面形状のものであってもよい。
【0107】
さらに、中間スプロケット15を省略し、水面軌道Twをなくして、かき寄せ軌道Tkと、立上軌道である上流側軌道Tuと、駆動スプロケット14とスプロケット16を結ぶ傾斜軌道がつながった略3角形状の周回軌道を走行する無端チェーンの場合には、上流側リターンレール25は不要になり、下流側リターンレール24が存在することになるが、このような略3角形状の周回軌道を走行する無端チェーンを有する汚泥かき寄せ装置にも、ここで説明した技術を適用することができる。
【0108】
最後に、規制部材の変形例について説明する。
【0109】
図12は、規制部材の変形例を示す図である。この図12は、図3(a)と同じく、駆動スプロケット14の中心を通る鉛直線に沿った断面図であり、図の左右方向が、沈殿池1の池幅方向になる。なお、図12でも、図3(a)と同じく、駆動スプロケット14に回転力を伝達する駆動チェーン211(図1参照)は図示省略されている。
【0110】
これまでの規制部材123は、かき寄せ部材12に取り付けられていたものであり、水面WLより下に位置していた。また、規制部材123は、突出部1233を有するものであった。一方、図12に示す規制部材19は、かき寄せ部材12には取り付けられてはおらず、水面WLより上に固定配置されている。すなわち、かき寄せ部材12の上隅部近傍に設けられている。なお、かき寄せ部材12には、リターンシュー122が取り付けられている。
【0111】
また、図12に示す規制部材19は、断面形状は上下を逆にしたL字状であり、上流側リターンレール25と同じような形状であって、上流側リターンレール25と同じように水流方向に延在したものである。この規制部材19は、一対の側壁1cそれぞれに複数固定された、ここでは不図示の取付部材に取り付けられているが、この取付部材は、上流側台座257よりも池幅方向の長さが短くてすむものである。すなわち、取付部材は、かき寄せ部材12の上隅部近傍まで延在させるだけでよい。
【0112】
図12に示す規制部材19は、横方向規制部191と上方向規制部192を有する。地震によるスロッシングが発生し、水面軌道部分11w(図1図2参照)が池幅方向に振れると、かき寄せ部材12の上下方向の縁12aが、横方向規制部191に当接し、水面軌道部分11wが、池幅方向にそれ以上大きく振れることが抑制される。また、地震によるスロッシングが発生し、水面軌道部分11wが上方向に振れると、かき寄せ部材12の池幅方向の縁12bが、上方向規制部192に当接し、水面軌道部分11wが、上方向にそれ以上大きく振れることが抑制される。
【0113】
なお、地震のスロッシングによる水中軌道部分11l-1の振れ対策として、水中軌道部分11l-1に取り付けられているかき寄せ部材12の上隅部近傍に、下流側リターンレール24と同じように規制部材を延在させてもよい。この場合の規制部材は、水中に固定配置されたものになる。
【0114】
以上説明した変形例の規制部材19が設けられた汚泥かき寄せ装置についてまとめると、
「 汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、走行することで前記池底部側と水面側で該かき寄せ部材を循環させる無端チェーンと、
前記水が流れる水流方向に延在し、前記無端チェーンが走行する際に、前記かき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動するレール部材と、
前記無端チェーンが振れると前記第1レール部材を摺動するかき寄せ部材に当接し、該無端チェーンの振れを規制する規制部材とを備えたことを特徴とする汚泥かき寄せ装置。」
となる。
【0115】
この汚泥かき寄せ装置によれば、地震が発生しても、無端チェーンがスプロケットから脱輪することを確実に防止することができる。
【0116】
ここで、前記規制部材は、前記無端チェーンが振れると前記レール部材を摺動するかき寄せ部材の外周縁に当接し、該無端チェーンの振れを規制するものである。前記外周縁の形状は、突出していてもよいし、窪んでいてもよい。
【0117】
また、前記規制部材は、前記かき寄せ部材の前記池幅方向の縁に当接する部位と、該かき寄せ板の上下方向の縁に当接する部位が設けられたものである。すなわち、水面軌道部分が前記池幅方向に振れることを規制する横方向規制部と、該水面軌道部分が上方向に振れることを規制する上方向規制部を有するものである。
【0118】
また、前記規制部材は、前記レール部材を摺動するかき寄せ部材の上隅部近傍に配置され、前記無端チェーンが振れると該かき寄せ部材の上隅部に当接し、該無端チェーンの振れを規制するものであってある。
【0119】
また、前記かき寄せ部材は、かき寄せ面が矩形状のものであるが、上隅部が角部ではなくR部であってもよい。
【0120】
また、前記規制部材は、前記池幅方向の端に位置する側壁に取付部材を介して取り付けられたものである。取付部材を、前記側壁から、前記レール部材を摺動するかき寄せ板の上隅部近傍まで延在させるだけでよく、上述のごとく、取付部材を短くすることができる。
【0121】
前記レール部材は、前記水が流れる水流方向に水面側で延在し、前記無端チェーンのうち水面側を走行する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ板が載置され該かき寄せ板が摺動するものであり、前記規制部材は、前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の上隅部近傍に配置され、該水面軌道部分が振れると該かき寄せ部材の上隅部に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものである。
【0122】
また、これまでの記載では、
「 汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる上流側軌道と、前記水が流れる水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するものの該かき寄せ軌道よりも短い水面軌道と、該水面軌道と該かき寄せ軌道を結ぶ下流側軌道がつながった周回軌道を走行する無端チェーンと、
前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1レール部材と、
水面側において前記水流方向に延在し、前記無端チェーンのうち前記水面軌道を走行する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2レール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水面軌道部分が振れると前記第2レール部材に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものであり、
前記規制部材は、前記無端チェーンが走行することで前記第2レール部材に上方から接触する場合がある接触面が下方へ向かって傾斜しているものであることを特徴とする汚泥かき寄せ装置。」
について説明した。
【0123】
また、
「 汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる上流側軌道と、前記水が流れる水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するものの該かき寄せ軌道よりも短い水面軌道と、該水面軌道と該かき寄せ軌道を結ぶ下流側軌道がつながった周回軌道を走行する無端チェーンと、
前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1レール部材と、
水面側において前記水流方向に延在し、前記無端チェーンのうち前記水面軌道を走行する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2レール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水面軌道部分が振れると前記第2レール部材に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第1レール部材は、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における前記水面軌道側を走行する部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が、該無端チェーンが走行することで通過する領域近傍に、空間が設けられたものであることを特徴とする汚泥かき寄せ装置。」
についても説明した。
【0124】
前記空間は、切り欠くことで設けた空間であってもよいし、退避させることで設けた空間であってもよく、この空間によって、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における前記水面軌道側を走行する部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が、前記第1レール部材に干渉することが抑えられる。
【0125】
前記第2レール部材は、前記無端チェーンのうち前記上流側軌道における前記水面軌道側を走行する部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が、該無端チェーンが走行することで通過する領域近傍に、空間が設けられたものであってもよい。ここにいう空間も、切り欠くことで設けた空間であってもよいし、退避させることで設けた空間であってもよく、この空間によって、前記無端チェーンのうち前記上流側軌道における前記水面軌道側を走行する部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が、前記第2レール部材に干渉することが抑えられる。
【0126】
なお、
「 汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる立上軌道と、水面側から該かき寄せ軌道まで延在した傾斜軌道がつながった周回軌道を走行する無端チェーンと、
前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記傾斜軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1レール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第1レール部材は、前記無端チェーンのうち前記傾斜軌道における前記水面側を走行する部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が、該無端チェーンが走行することで通過する領域近傍に、空間が設けられたものであることを特徴とする汚泥かき寄せ装置。」
であってもよい。
【0127】
また、
「 汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる上流側軌道と、前記水が流れる水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するものの該かき寄せ軌道よりも短い水面軌道と、該水面軌道と該かき寄せ軌道を結ぶ下流側軌道がつながった周回軌道を走行する無端チェーンと、
前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1レール部材と、
水面側において前記水流方向に延在し、前記無端チェーンのうち前記水面軌道を走行する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2レール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水面軌道部分が振れると前記第2レール部材に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第1レール部材は、前記第2レール部材よりも前記沈殿池の池幅方向外側に設置されたものであることを特徴とする汚泥かき寄せ装置。」
についても説明した。
【0128】
また、
「 汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる上流側軌道と、前記水が流れる水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するものの該かき寄せ軌道よりも短い水面軌道と、該水面軌道と該かき寄せ軌道を結ぶ下流側軌道がつながった周回軌道を走行する無端チェーンと、
前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1レール部材と、
水面側において前記水流方向に延在し、前記無端チェーンのうち前記水面軌道を走行する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2レール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水面軌道部分が振れると前記第2レール部材に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第2レール部材と該第2レール部材を摺動するかき寄せ部材の規制部材との間隔よりも、前記第1レール部材と該第1レール部材を摺動するかき寄せ部材の規制部材との間隔の方が長いことを特徴とする汚泥かき寄せ装置。」
についても説明した。
【0129】
なお、前記かき寄せ部材は前記沈殿池の池幅方向に延在したものであって、前記第1レール部材は、前記沈殿池の池幅方向両側それぞれに設置されたものであってもよい。また、前記第2レール部材も、前記沈殿池の池幅方向両側それぞれに設置されたものであってもよい。
【0130】
前記第2レール部材は、前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が設けられている側に突出した部分を有するものであるのに対し、前記第1レール部材は、前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が設けられている側に突出した部分はないものであってもよい。さらに、前記第1レール部材は、前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が設けられている側とは反対側に突出した部分を有するものであってもよい。
【0131】
また、前記第1レール部材と前記第2レール部材は、同じ形状のレール部材であるが、取り付け向きが逆であり、該第2レール部材よりも該第1レール部材の方が、前記規制部材と干渉しにくい態様であってもよい。
【0132】
また、
汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、走行することで前記池底部側と水面側で該かき寄せ部材を循環させる無端チェーンと、
前記水が流れる水流方向に延在し、前記無端チェーンが走行する際に、前記かき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1レール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記無端チェーンが振れると前記第1レール部材に当接し、該無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記規制部材は、前記無端チェーンが走行することで前記第1レール部材に上方から接触する場合がある接触面が下方へ向かって傾斜しているものであり、
前記無端チェーンは、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる上流側軌道と、前記水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するものの該かき寄せ軌道よりも短い水面軌道と、該水面軌道と該かき寄せ軌道を結ぶ下流側軌道がつながった周回軌道を走行するものであり、
前記第1レール部材は、前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動するものであり、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第1レール部材は、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における前記水面軌道側を走行する部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が、該無端チェーンが走行することで通過する領域近傍に、空間が設けられたものであることを特徴とする。
【0133】
また、
汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、走行することで前記池底部側と水面側で該かき寄せ部材を循環させる無端チェーンと、
前記水が流れる水流方向に延在し、前記無端チェーンが走行する際に、前記かき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1レール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記無端チェーンが振れると前記第1レール部材に当接し、該無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記規制部材は、前記無端チェーンが走行することで前記第1レール部材に上方から接触する場合がある接触面が下方へ向かって傾斜しているものであり、
前記無端チェーンは、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる上流側軌道と、前記水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するものの該かき寄せ軌道よりも短い水面軌道と、該水面軌道と該かき寄せ軌道を結ぶ下流側軌道がつながった周回軌道を走行するものであり、
前記第1レール部材は、前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動するものであり、
水面側に設置され、前記無端チェーンのうち前記水面軌道を走行する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2レール部材をさらに備え、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水面軌道部分が振れると前記第2レール部材に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第1レール部材は、前記第2レール部材よりも前記沈殿池の池幅方向外側に設置されたものであることを特徴とする。
【0134】
また、
汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、走行することで前記池底部側と水面側で該かき寄せ部材を循環させる無端チェーンと、
前記水が流れる水流方向に延在し、前記無端チェーンが走行する際に、前記かき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1レール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記無端チェーンが振れると前記第1レール部材に当接し、該無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記規制部材は、前記無端チェーンが走行することで前記第1レール部材に上方から接触する場合がある接触面が下方へ向かって傾斜しているものであり、
前記無端チェーンは、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる上流側軌道と、前記水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するものの該かき寄せ軌道よりも短い水面軌道と、該水面軌道と該かき寄せ軌道を結ぶ下流側軌道がつながった周回軌道を走行するものであり、
前記第1レール部材は、前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動するものであり、
水面側に設置され、前記無端チェーンのうち前記水面軌道を走行する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2レール部材をさらに備え、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水面軌道部分が振れると前記第2レール部材に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第2レール部材と該第2レール部材を摺動するかき寄せ部材の規制部材との間隔よりも、前記第1レール部材と該第1レール部材を摺動するかき寄せ部材の規制部材との間隔の方が長いことを特徴とする。
【0135】
また、
汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、走行することで前記池底部側と水面側で該かき寄せ部材を循環させる無端チェーンと、
前記水が流れる水流方向に延在し、前記無端チェーンが走行する際に、前記かき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1レール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記無端チェーンが振れると前記第1レール部材に当接し、該無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記第1レール部材は、前記無端チェーンが走行することで前記規制部材が上方から接触した場合に該規制部材を下方へ案内する案内面が設けられたものであり、
前記無端チェーンは、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる上流側軌道と、前記水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するものの該かき寄せ軌道よりも短い水面軌道と、該水面軌道と該かき寄せ軌道を結ぶ下流側軌道がつながった周回軌道を走行するものであり、
前記第1レール部材は、前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動するものであり、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第1レール部材は、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における前記水面軌道側を走行する部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が、該無端チェーンが走行することで通過する領域近傍に、空間が設けられたものであることを特徴とする。
【0136】
また、
汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、走行することで前記池底部側と水面側で該かき寄せ部材を循環させる無端チェーンと、
前記水が流れる水流方向に延在し、前記無端チェーンが走行する際に、前記かき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1レール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記無端チェーンが振れると前記第1レール部材に当接し、該無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記第1レール部材は、前記無端チェーンが走行することで前記規制部材が上方から接触した場合に該規制部材を下方へ案内する案内面が設けられたものであり、
前記無端チェーンは、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる上流側軌道と、前記水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するものの該かき寄せ軌道よりも短い水面軌道と、該水面軌道と該かき寄せ軌道を結ぶ下流側軌道がつながった周回軌道を走行するものであり、
前記第1レール部材は、前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動するものであり、
水面側に設置され、前記無端チェーンのうち前記水面軌道を走行する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2レール部材をさらに備え、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水面軌道部分が振れると前記第2レール部材に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第1レール部材は、前記第2レール部材よりも前記沈殿池の池幅方向外側に設置されたものであることを特徴とする。
【0137】
また、
汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、走行することで前記池底部側と水面側で該かき寄せ部材を循環させる無端チェーンと、
前記水が流れる水流方向に延在し、前記無端チェーンが走行する際に、前記かき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1レール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記無端チェーンが振れると前記第1レール部材に当接し、該無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記第1レール部材は、前記無端チェーンが走行することで前記規制部材が上方から接触した場合に該規制部材を下方へ案内する案内面が設けられたものであり、
前記無端チェーンは、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる上流側軌道と、前記水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するものの該かき寄せ軌道よりも短い水面軌道と、該水面軌道と該かき寄せ軌道を結ぶ下流側軌道がつながった周回軌道を走行するものであり、
前記第1レール部材は、前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動するものであり、
水面側に設置され、前記無端チェーンのうち前記水面軌道を走行する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2レール部材をさらに備え、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水面軌道部分が振れると前記第2レール部材に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第2レール部材と該第2レール部材を摺動するかき寄せ部材の規制部材との間隔よりも、前記第1レール部材と該第1レール部材を摺動するかき寄せ部材の規制部材との間隔の方が長いことを特徴とする。
【0138】
また、
汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、走行することで前記池底部側と水面側で該かき寄せ部材を循環させる無端チェーンと、
前記水が流れる水流方向に延在し、前記無端チェーンが走行する際に、前記かき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1レール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記無端チェーンが振れると前記第1レール部材に当接し、該無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記規制部材は、前記無端チェーンが走行することで前記第1レール部材に上方から接触する場合がある接触面が下方へ向かって傾斜しているものであることを特徴とする。
【0139】
前記第1レール部材は、水面側に設置されたものであってもよいし、前記池底部側に設置されたものであってもよい。
【0140】
前記接触面は、前記沈殿池の池幅方向に向かうにつれ漸次下方へ傾斜した傾斜面であってもよい。
【0141】
前記かき寄せ部材は前記沈殿池の池幅方向に延在したものであって、前記第1レール部材は、前記沈殿池の池幅方向両側それぞれに設置されたものであってもよい。
【0142】
上記汚泥かき寄せ装置によれば、前記規制部材が前記第1レール部材に上方から接触した場合に、前記無端チェーンの走行に合わせて、該規制部材は、前記接触面の傾斜にならって下方へなめらかに移動し、無端チェーンの走行が乱れてしまうことを抑えることができる。
【0143】
また、
前記無端チェーンは、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる上流側軌道と、前記水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するものの該かき寄せ軌道よりも短い水面軌道と、該水面軌道と該かき寄せ軌道を結ぶ下流側軌道がつながった周回軌道を走行するものであり、
前記第1レール部材は、前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動するものであり、
水面側に設置され、前記無端チェーンのうち前記水面軌道を走行する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2レール部材をさらに備え、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水面軌道部分が振れると前記第2レール部材に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものであり、
前記接触面は、前記無端チェーンが走行することで前記第2レール部材にも上方から接触する場合があるものであってもよい。
【0144】
なお、前記第2レール部材は、前記沈殿池の池幅方向の両側それぞれに設置されたものであってもよい(以下、同じ。)。
【0145】
汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、走行することで前記池底部側と水面側で該かき寄せ部材を循環させる無端チェーンと、
前記水が流れる水流方向に延在し、前記無端チェーンが走行する際に、前記かき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1レール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記無端チェーンが振れると前記第1レール部材に当接し、該無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記第1レール部材は、前記無端チェーンが走行することで前記規制部材が上方から接触した場合に該規制部材を下方へ案内する案内面が設けられたものであることを特徴とする。
【0146】
前記第1レール部材は、水面側に設置されたものであってもよいし、前記池底部側に設置されたものであってもよい。
【0147】
前記案内面は、前記沈殿池の池幅方向に向かうにつれ漸次下方へ傾斜した傾斜面であってもよい。
【0148】
前記かき寄せ部材は前記沈殿池の池幅方向に延在したものであって、前記第1レール部材は、前記沈殿池の池幅方向両側それぞれに設置されたものであってもよい。
【0149】
上記汚泥かき寄せ装置によれば、前記規制部材が前記第1レール部材に上方から接触した場合に、前記無端チェーンの走行に合わせて、前記規制部材は、前記案内面によって下方へなめらかに案内され、無端チェーンの走行が乱れてしまうことを抑えることができる。
【0150】
前記無端チェーンは、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる上流側軌道と、前記水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するものの該かき寄せ軌道よりも短い水面軌道と、該水面軌道と該かき寄せ軌道を結ぶ下流側軌道がつながった周回軌道を走行するものであり、
前記第1レール部材は、前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動するものであり、
水面側に設置され、前記無端チェーンのうち前記水面軌道を走行する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2レール部材をさらに備え、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水面軌道部分が振れると前記第2レール部材に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第2レール部材も、前記無端チェーンが走行することで前記規制部材が上方から接触した場合に該規制部材を下方へ案内する案内面が設けられたものであってもよい。
【0151】
前記無端チェーンは、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる上流側軌道と、前記水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するものの該かき寄せ軌道よりも短い水面軌道と、該水面軌道と該かき寄せ軌道を結ぶ下流側軌道がつながった周回軌道を走行するものであり、
前記第1レール部材は、前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動するものであり、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第1レール部材は、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における前記水面軌道側を走行する部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が、該無端チェーンが走行することで通過する領域近傍に、空間が設けられたものであってもよい。
【0152】
前記空間は、切り欠くことで設けた空間であってもよいし、退避させることで設けた空間であってもよく、この空間によって、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における前記水面軌道側を走行する部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が、前記第1レール部材に干渉することが抑えられる。
【0153】
また、水面側に設置され、前記無端チェーンのうち前記水面軌道を走行する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2レール部材を備えた態様にあっては、前記第2レール部材は、前記無端チェーンのうち前記上流側軌道における前記水面軌道側を走行する部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が、該無端チェーンが走行することで通過する領域近傍に、空間が設けられたものであってもよい。ここにいう空間も、切り欠くことで設けた空間であってもよいし、退避させることで設けた空間であってもよく、この空間によって、前記無端チェーンのうち前記上流側軌道における前記水面軌道側を走行する部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が、前記第2レール部材に干渉することが抑えられる。
【0154】
また、
前記無端チェーンは、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる上流側軌道と、前記水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するものの該かき寄せ軌道よりも短い水面軌道と、該水面軌道と該かき寄せ軌道を結ぶ下流側軌道がつながった周回軌道を走行するものであり、
前記第1レール部材は、前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動するものであり、
水面側に設置され、前記無端チェーンのうち前記水面軌道を走行する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2レール部材をさらに備え、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水面軌道部分が振れると前記第2レール部材に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第1レール部材は、前記第2レール部材よりも前記沈殿池の池幅方向外側に設置されたものであってもよい。
【0155】
また、
前記無端チェーンは、前記池底部に沿って延在するかき寄せ軌道と、該かき寄せ軌道から水面側に向かって立ち上がる上流側軌道と、前記水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在するものの該かき寄せ軌道よりも短い水面軌道と、該水面軌道と該かき寄せ軌道を結ぶ下流側軌道がつながった周回軌道を走行するものであり、
前記第1レール部材は、前記かき寄せ軌道の上に該かき寄せ軌道に沿って設置され、前記無端チェーンのうち前記下流側軌道における該かき寄せ軌道側を走行する水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動するものであり、
水面側に設置され、前記無端チェーンのうち前記水面軌道を走行する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2レール部材をさらに備え、
前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水中軌道部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該水中軌道部分の振れを規制するものであり、
前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水面軌道部分が振れると前記第2レール部材に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第2レール部材と該第2レール部材を摺動するかき寄せ部材の規制部材との間隔よりも、前記第1レール部材と該第1レール部材を摺動するかき寄せ部材の規制部材との間隔の方が長い態様であってもよい。
【0156】
前記第2レール部材は、前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が設けられている側に突出した部分を有するものであるのに対し、前記第1レール部材は、前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が設けられている側に突出した部分はないものであってもよい。さらに、前記第1レール部材は、前記水中軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材が設けられている側とは反対側に突出した部分を有するものであってもよい。
【0157】
前記第1レール部材と前記第2レール部材は、同じ形状のレール部材であるが、取り付け向きが逆であり、該第2レール部材よりも該第1レール部材の方が、前記規制部材と干渉しにくい態様であってもよい。
【0158】
また、
前記規制部材は、前記無端チェーンが前記沈殿池の池幅方向に振れることを規制する横方向規制部を有するものであってもよいし、
前記規制部材は、前記無端チェーンが上方向に振れることを規制する上方向規制部を有するものであってもよい。
【0159】
また、
汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、走行することで前記池底部側と水面側で該かき寄せ部材を循環させる無端チェーンと、
前記水が流れる水流方向に延在し、前記無端チェーンが走行する際に前記かき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する摺接部を有するレール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記沈殿池における池幅方向の外側に向かって突出した突出部が設けられ、前記無端チェーンが振れると前記レール部材に当接し、該無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記レール部材は、前記無端チェーンのうち前記水流方向の上流側から下流側に向かって水面側で延在する水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第2摺接部を有する第2レール部材を含むものであり、
前記水面軌道部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該水面軌道部分が振れると前記第2レール部材に当接し、該水面軌道部分の振れを規制するものであり、
前記第2レール部材は、前記無端チェーンが走行することで前記突出部が通過する領域近傍に、前記池幅方向の内側から外側に向かって退避させることで設けた第2空間を有するものであり、
前記突出部は、前記第2レール部材よりも上方から前記第2摺接部よりも下側に前記第2空間を利用して入り込むものであることを特徴とする汚泥かき寄せ装置であってもよい。
【0160】
また、
前記レール部材は、前記無端チェーンのうち下方へ向けて湾曲して弛んでいる弛み部分に取り付けられているかき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する第1摺接部を有する第1レール部材をさらに含むものであり、
前記弛み部分に取り付けられているかき寄せ部材の前記規制部材は、該弛み部分が振れると前記第1レール部材に当接し、該弛み部分の振れを規制するものであり、
前記第1レール部材は、前記無端チェーンが走行することで前記突出部が通過する領域近傍に、前記池幅方向の内側から外側に向かって退避させることで設けた第1空間を有するものであり、
前記突出部は、前記第1レール部材よりも上方から前記第1摺接部よりも下側に前記第
1空間を利用して入り込むものであることを特徴としてもよい。
【0161】
なお、
汚泥が含まれた水が流れる間に該水に含まれている汚泥が池底部に沈殿する沈殿池に設けられる汚泥かき寄せ装置において、
前記池底部に沈殿した汚泥をかき寄せるかき寄せ部材と、
前記かき寄せ部材が間隔をあけて複数取り付けられ、走行することで前記池底部側と水面側で該かき寄せ部材を循環させる無端チェーンと、
前記水が流れる水流方向に延在し、前記無端チェーンが走行する際に前記かき寄せ部材が載置され該かき寄せ部材が摺動する摺接部を有するレール部材とを備え、
前記かき寄せ部材は、前記沈殿池における池幅方向の外側に向かって突出した突出部が設けられ、前記無端チェーンが振れると前記レール部材に当接し、該無端チェーンの振れを規制する規制部材を有するものであり、
前記レール部材は、前記無端チェーンが走行することで前記突出部が通過する領域近傍に、前記池幅方向の内側から外側に向かって退避させることで設けた空間を有するものであり、
前記突出部は、前記レール部材よりも上方から前記摺接部よりも下側に前記空間を利用して入り込むものであることを特徴とする汚泥かき寄せ装置であってもよい。
【0162】
以上、複数の実施形態および変形例について説明したが、いずれの実施形態および変形例であっても、高品質な汚泥かき寄せ装置である。
【0163】
なお、以上説明した各実施形態や各変形例の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の実施形態や変形例に適用してもよい。
【符号の説明】
【0164】
1 沈殿池
1d 池底部
10 汚泥かき寄せ装置
11 無端チェーン
12 かき寄せ部材
123 規制部材
1233 突出部
1233s 接触面
1233t 突出方向先端
16 スプロケット
24 下流側リターンレール
240 摺接部
242s 案内面
25 上流側リターンレール
250 摺接部
Tw 水面軌道
Tl 下流側軌道
Tk かき寄せ軌道
Tu 上流側軌道
11w 水面軌道部分
11l 下流側軌道部分
11l-1 水中軌道部分
11l-2 弛み部分
11k かき寄せ軌道部分
11u 上流側軌道部分
図1
図2
図3
図4
図5
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図12