(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040333
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/10 20060101AFI20240315BHJP
B65D 5/66 20060101ALI20240315BHJP
【ＦＩ】
B65D5/10 J
B65D5/66 301G
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2024018258
(22)【出願日】2024-02-09
(62)【分割の表示】P 2020097349の分割
【原出願日】2020-06-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第３０条第２項適用申請有り 令和２年２月２５日に株式会社東洋新薬に販売
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】植月 陽介
(57)【要約】
【課題】折り癖による蓋部の浮き上がりを抑制することができる包装箱を提供する。
【解決手段】
包装箱２は、第１フラップ４３と、第１フラップ４３の一部の外側に重ねられる第２フラップ４４と、を有し、第１フラップ４３は、厚み方向に貫通した状態に形成された被差込部５０を有し、第２フラップ４４は、被差込部５０に差し込まれる差込片５１と、差込片５１を被差込部５０に差し込む場合に第２フラップ４４を山折りさせる差込補助折線３７と、差込補助折線３７から先端側に向かって突き出すように形成された複数の切断線に区画された複数の矯正片５２と、を有し、差込片５１を被差込部５０に差し込んだ状態で、各々の矯正片５２は、押し込まれ、自身の復元力によって切断線の輪郭に沿った抜き穴５３の縁部に摩擦力をもって接触し、第２フラップ４４の差込補助折線３７における折り癖を矯正するような矯正力を発生させる。
【選択図】図９
【解決手段】
包装箱２は、第１フラップ４３と、第１フラップ４３の一部の外側に重ねられる第２フラップ４４と、を有し、第１フラップ４３は、厚み方向に貫通した状態に形成された被差込部５０を有し、第２フラップ４４は、被差込部５０に差し込まれる差込片５１と、差込片５１を被差込部５０に差し込む場合に第２フラップ４４を山折りさせる差込補助折線３７と、差込補助折線３７から先端側に向かって突き出すように形成された複数の切断線に区画された複数の矯正片５２と、を有し、差込片５１を被差込部５０に差し込んだ状態で、各々の矯正片５２は、押し込まれ、自身の復元力によって切断線の輪郭に沿った抜き穴５３の縁部に摩擦力をもって接触し、第２フラップ４４の差込補助折線３７における折り癖を矯正するような矯正力を発生させる。
【選択図】図９
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に形成された周壁（Ｗ）と、
前記周壁の軸方向の両端のうち少なくとも一端に連設され、前記周壁の開口部を閉塞する蓋部（１０Ｕ，１０Ｄ，１１Ｕ，１２Ｕ）と、を備え、
前記蓋部は、
前記周壁の内側に折り曲げられる第１フラップ（２２Ｄ，２２Ｕ，４３，６２）と、
前記周壁の内側に折り曲げられ、前記第１フラップの一部の外側に重ねられる第２フラップ（２３Ｄ，２３Ｕ，４４，６３）と、を有し、
前記第１フラップは、厚み方向に貫通した状態に形成された被差込部（３０，５０，７０）を有し、
前記第２フラップは、
先端側に形成され、前記被差込部に差し込まれる差込片（３５，５１，７１）と、
前記差込片よりも基端側に形成され、前記差込片を前記被差込部に差し込む場合に前記第２フラップを山折りさせる差込補助折線（３７）と、
前記差込補助折線から先端側と基端側とに向かって突き出すように形成された複数の切断線（３８Ａ，５２Ａ）に区画された複数の矯正片（３８，５２）と、を有し、
前記差込片を前記被差込部に差し込んだ状態で、各々の前記矯正片は、押し込まれ、自身の復元力によって前記切断線の輪郭に沿った抜き穴（３９，５３）の縁部に摩擦力をもって接触し、前記第２フラップの前記差込補助折線における折り癖を矯正するような矯正力を発生させることを特徴とする包装箱。
前記周壁の軸方向の両端のうち少なくとも一端に連設され、前記周壁の開口部を閉塞する蓋部（１０Ｕ，１０Ｄ，１１Ｕ，１２Ｕ）と、を備え、
前記蓋部は、
前記周壁の内側に折り曲げられる第１フラップ（２２Ｄ，２２Ｕ，４３，６２）と、
前記周壁の内側に折り曲げられ、前記第１フラップの一部の外側に重ねられる第２フラップ（２３Ｄ，２３Ｕ，４４，６３）と、を有し、
前記第１フラップは、厚み方向に貫通した状態に形成された被差込部（３０，５０，７０）を有し、
前記第２フラップは、
先端側に形成され、前記被差込部に差し込まれる差込片（３５，５１，７１）と、
前記差込片よりも基端側に形成され、前記差込片を前記被差込部に差し込む場合に前記第２フラップを山折りさせる差込補助折線（３７）と、
前記差込補助折線から先端側と基端側とに向かって突き出すように形成された複数の切断線（３８Ａ，５２Ａ）に区画された複数の矯正片（３８，５２）と、を有し、
前記差込片を前記被差込部に差し込んだ状態で、各々の前記矯正片は、押し込まれ、自身の復元力によって前記切断線の輪郭に沿った抜き穴（３９，５３）の縁部に摩擦力をもって接触し、前記第２フラップの前記差込補助折線における折り癖を矯正するような矯正力を発生させることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記第１フラップ（４３）と前記第２フラップ（４４）とは、前記周壁の第１方向に対向する一対の第１側壁（２０）に設けられたことを特徴とする請求項１に記載の包装箱。
【請求項3】
複数の前記矯正片（５２）は、前記差込補助折線の伸長方向の中央と両側とに等間隔に３つ設けられ、
前記伸長方向の中央の１つの前記矯正片は、前記差込補助折線から先端側に向かって突き出すように形成された前記切断線（５２Ａ）に区画され、
前記伸長方向の両側の２つの前記矯正片は、前記差込補助折線から基端側に向かって突き出すように形成された２つの前記切断線（５２Ａ）に区画されていることを特徴とする請求項２に記載の包装箱。
前記伸長方向の中央の１つの前記矯正片は、前記差込補助折線から先端側に向かって突き出すように形成された前記切断線（５２Ａ）に区画され、
前記伸長方向の両側の２つの前記矯正片は、前記差込補助折線から基端側に向かって突き出すように形成された２つの前記切断線（５２Ａ）に区画されていることを特徴とする請求項２に記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
四方を囲繞する４つの壁の上下端を、それぞれの壁に連設した複数のフラップにより閉塞する包装箱が知られている（特許文献１）。第１フラップの両側には切起構造を成す被差込部が設けられ、第２フラップの両側には被差込部に差し込む差込部が設けられている。第２フラップには、両端縁にかけて差込補助折線（リード罫）が設けられている。第２フラップが差込補助折線に沿って屈曲することで、差込部の先端が被差込部に向けられ、差込部が被差込部を通して内部に差し込み易くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２００５－８２２１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した包装箱では、第２フラップが差込補助折線（リード罫）での折り癖によって浮き上がり、例えば、運搬中の振動等によって差込部が被差込部から引き抜かれ、開封されてしまう虞があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、折り癖による蓋部の浮き上がりを抑制することができる包装箱を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するため、本発明の包装箱は、筒状に形成された周壁と、前記周壁の軸方向の両端のうち少なくとも一端に連設され、前記周壁の開口部を閉塞する蓋部と、を備え、前記蓋部は、前記周壁の内側に折り曲げられる第１フラップと、前記周壁の内側に折り曲げられ、前記第１フラップの一部の外側に重ねられる第２フラップと、を有し、前記第１フラップは、厚み方向に貫通した状態に形成された被差込部を有し、前記第２フラップは、先端側に形成され、前記被差込部に差し込まれる差込片と、前記差込片よりも基端側に形成され、前記差込片を前記被差込部に差し込む場合に前記第２フラップを山折りさせる差込補助折線と、前記差込補助折線から先端側と基端側とに向かって突き出すように形成された複数の切断線に区画された複数の矯正片と、を有し、前記差込片を前記被差込部に差し込んだ状態で、各々の前記矯正片は、押し込まれ、自身の復元力によって前記切断線の輪郭に沿った抜き穴の縁部に摩擦力をもって接触し、前記第２フラップの前記差込補助折線における折り癖を矯正するような矯正力を発生させる。
【0007】
この場合、前記第１フラップと前記第２フラップとは、前記周壁の第１方向に対向する一対の第１側壁に設けられてもよい。
【0008】
この場合、複数の前記矯正片は、前記差込補助折線の伸長方向の中央と両側とに等間隔に３つ設けられ、前記伸長方向の中央の１つの前記矯正片は、前記差込補助折線から先端側に向かって突き出すように形成された前記切断線に区画され、前記伸長方向の両側の２つの前記矯正片は、前記差込補助折線から基端側に向かって突き出すように形成された２つの前記切断線に区画されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、折り癖による蓋部の浮き上がりを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第１実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
【図2】本発明の第１実施形態に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
【図3】本発明の第１実施形態に係る包装箱の第１下フラップの一部および第２下フラップを示す平面図である。
【図4】本発明の第１実施形態に係る包装箱を組み立てる過程を説明する斜視図である。
【図5】本発明の第１実施形態に係る包装箱の右部を示す平面図である。
【図8】本発明の第１実施形態の変形例に係る包装箱の右部を示す平面図である。
【図9】本発明の第２実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
【図10】本発明の第２実施形態に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
【図11】本発明の第２実施形態に係る包装箱を組み立てる過程を説明する斜視図である。
【図12】本発明の第３実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
【図13】本発明の第３実施形態に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示すＦｒ、Ｒｒ、Ｌ、Ｒ、Ｕ、Ｄは、前、後、左、右、上、下を示している。前後方向（第１方向）、左右方向（第２方向）および上下方向は互いに直交している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、方向や位置を示す用語は、包装箱を組み立てて使用する状態における方向や位置を基準にしている。
【0012】
［第１実施形態］
図１ないし図４を参照して、第１実施形態に係る包装箱１について説明する。図１は包装箱１を示す斜視図である。図２は包装箱１のブランク５を示す平面図である。図３は第１下フラップ２２Ｄの一部および第２下フラップ２３Ｄを示す平面図である。
図１ないし図４を参照して、第１実施形態に係る包装箱１について説明する。図１は包装箱１を示す斜視図である。図２は包装箱１のブランク５を示す平面図である。図３は第１下フラップ２２Ｄの一部および第２下フラップ２３Ｄを示す平面図である。
【0013】
図１に示すように、包装箱１は、略角筒状に形成された周壁Ｗと、周壁Ｗの上下両端に連設され、周壁Ｗの上下両端の開口部を閉塞する蓋部１０Ｕ，１０Ｄと、を備えている。詳細は後述するが、蓋部１０Ｕ，１０Ｄは、粘着テープや接着剤等を使用することなく、開口部を閉塞した状態に保持される。蓋部１０Ｄは、周壁Ｗの内側に折り曲げられる一対の第１下フラップ２２Ｄと、周壁Ｗの内側に折り曲げられ、一対の第１下フラップ２２Ｄの一部の外側に重ねられる一対の第２下フラップ２３Ｄと、を有している（図２参照）。蓋部１０Ｕは、蓋部１０Ｄと同様に、一対の第１上フラップ２２Ｕと一対の第２上フラップ２３Ｕとを有している。
【0014】
包装箱１は、図２に示すブランク５を組み立てることで形成されている。ブランク５は、１枚の紙製の段ボールシートを抜型等で打ち抜いて形成されている。段ボールシートは、例えば、波状の中しん９Ａに表ライナ９Ｂと裏ライナ９Ｃ（図６等参照）とを貼り合せた両面段ボールシートである。なお、図２および図３は、表ライナ９Ｂ側（包装箱１の外面）を示している。本明細書では、段ボールシートの中しん９Ａと平行な方向を「段方向」と呼び、段方向に直交する方向を「流れ方向」と呼ぶこととする。図面に示す「Ｘ」は「段方向」を示し、「Ｙ」は「流れ方向」を示している。
【0015】
［ブランク］
図２に示すように、ブランク５は、一対の第１側壁２０と、一対の第２側壁２１と、一対の第１下フラップ２２Ｄと、一対の第２下フラップ２３Ｄと、一対の第１上フラップ２２Ｕと、一対の第２上フラップ２３Ｕと、を備えている。なお、一対設けられた部位は略同一形状であるため、以下、特に明記した場合を除き、１つの部位について説明する。
図２に示すように、ブランク５は、一対の第１側壁２０と、一対の第２側壁２１と、一対の第１下フラップ２２Ｄと、一対の第２下フラップ２３Ｄと、一対の第１上フラップ２２Ｕと、一対の第２上フラップ２３Ｕと、を備えている。なお、一対設けられた部位は略同一形状であるため、以下、特に明記した場合を除き、１つの部位について説明する。
【0016】
＜第１側壁、第２側壁＞
一対の第１側壁２０と一対の第２側壁２１とは、第１折曲線Ｌ１を介して流れ方向の一方から他方に向かって交互に連設されている。第１側壁２０と第２側壁２１とは、略長方形状に形成されている。詳細には、第１側壁２０は、第２側壁２１よりも流れ方向に長い略長方形状に形成されている。第１側壁２０の流れ方向の一方の端部には、第１折曲線Ｌ１を介して継代片２４が連設されている。
一対の第１側壁２０と一対の第２側壁２１とは、第１折曲線Ｌ１を介して流れ方向の一方から他方に向かって交互に連設されている。第１側壁２０と第２側壁２１とは、略長方形状に形成されている。詳細には、第１側壁２０は、第２側壁２１よりも流れ方向に長い略長方形状に形成されている。第１側壁２０の流れ方向の一方の端部には、第１折曲線Ｌ１を介して継代片２４が連設されている。
【0017】
＜第１下フラップ、第２下フラップ＞
第１下フラップ２２Ｄは、第２折曲線Ｌ２を介して第１側壁２０の段方向の一端（下端）に連設されている。第１下フラップ２２Ｄは略長方形状に形成され、その段方向の寸法（延出寸法）は第２側壁２１の流れ方向の寸法の半分よりも若干長く設定されている。第１下フラップ２２Ｄの先端側（自由端側）には、中しん９Ａを裏ライナ９Ｃ側から潰して薄くした段潰し部２５が形成されている（図２の斜線部分参照）。第２下フラップ２３Ｄは、第２折曲線Ｌ２を介して第２側壁２１の段方向の一端（下端）に連設されている。第２下フラップ２３Ｄは概ね長方形状に形成され、その延出寸法は第１下フラップ２２Ｄの延出寸法と略同一である。
第１下フラップ２２Ｄは、第２折曲線Ｌ２を介して第１側壁２０の段方向の一端（下端）に連設されている。第１下フラップ２２Ｄは略長方形状に形成され、その段方向の寸法（延出寸法）は第２側壁２１の流れ方向の寸法の半分よりも若干長く設定されている。第１下フラップ２２Ｄの先端側（自由端側）には、中しん９Ａを裏ライナ９Ｃ側から潰して薄くした段潰し部２５が形成されている（図２の斜線部分参照）。第２下フラップ２３Ｄは、第２折曲線Ｌ２を介して第２側壁２１の段方向の一端（下端）に連設されている。第２下フラップ２３Ｄは概ね長方形状に形成され、その延出寸法は第１下フラップ２２Ｄの延出寸法と略同一である。
【0018】
＜第１下フラップ、第２下フラップ＞
第１上フラップ２２Ｕは、第３折曲線Ｌ３を介して第１側壁２０の段方向の他端（上端）に連設されている。第２上フラップ２３Ｕは、第３折曲線Ｌ３を介して第２側壁２１の段方向の他端（上端）に連設されている。第１上フラップ２２Ｕは第１下フラップ２２Ｄと略同一形状であり、第２上フラップ２３Ｕは、第２下フラップ２３Ｄと略同一形状である。
第１上フラップ２２Ｕは、第３折曲線Ｌ３を介して第１側壁２０の段方向の他端（上端）に連設されている。第２上フラップ２３Ｕは、第３折曲線Ｌ３を介して第２側壁２１の段方向の他端（上端）に連設されている。第１上フラップ２２Ｕは第１下フラップ２２Ｄと略同一形状であり、第２上フラップ２３Ｕは、第２下フラップ２３Ｄと略同一形状である。
【0019】
なお、第１～第３折曲線Ｌ１～Ｌ３は、段ボールシートを裏ライナ９Ｃ側から厚み方向に潰した汎用罫線である。汎用罫線は、裏ライナ９Ｃを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる（正折りする）機能を有している。第１～第３折曲線Ｌ１～Ｌ３は、汎用罫線に限らず、複数の切目を所定間隔に形成したミシン刃線や汎用罫線上にミシン刃線を形成したリード罫線等、段ボールシートを折り曲げるための構造であれば如何なるものでもよい。
【0020】
［ロック構造部］
上下両方の蓋部１０Ｕ，１０Ｄには、周壁Ｗの開口部を閉塞した状態を保持するためのロック構造部２６Ｕ，２６Ｄが設けられている。なお、上下一対のロック構造部２６Ｕ，２６Ｄは同一構造であるため、以下、下方のロック構造部２６Ｄに着目して説明する。また、本明細書では、説明の便宜のため、上下一対のロック構造部２６Ｕ，２６Ｄで共通する説明では、符号に算用数字のみを付す。また、本明細書では、説明の便宜のため、第１上フラップ２２Ｕと第１下フラップ２２Ｄとで共通する説明では単に「第１フラップ２２」と呼び、第２上フラップ２３Ｕと第２下フラップ２３Ｄとで共通する説明では単に「第２フラップ２３」と呼ぶこととし、これらの符号には算用数字のみを付す。
上下両方の蓋部１０Ｕ，１０Ｄには、周壁Ｗの開口部を閉塞した状態を保持するためのロック構造部２６Ｕ，２６Ｄが設けられている。なお、上下一対のロック構造部２６Ｕ，２６Ｄは同一構造であるため、以下、下方のロック構造部２６Ｄに着目して説明する。また、本明細書では、説明の便宜のため、上下一対のロック構造部２６Ｕ，２６Ｄで共通する説明では、符号に算用数字のみを付す。また、本明細書では、説明の便宜のため、第１上フラップ２２Ｕと第１下フラップ２２Ｄとで共通する説明では単に「第１フラップ２２」と呼び、第２上フラップ２３Ｕと第２下フラップ２３Ｄとで共通する説明では単に「第２フラップ２３」と呼ぶこととし、これらの符号には算用数字のみを付す。
【0021】
図２に示すように、ロック構造部２６は、二対の被差込部３０と、二対の差込片３５と、一対の押圧部３６と、一対の差込補助折線３７と、一対の矯正片３８と、を有している。二対の被差込部３０は、一対の第１フラップ２２の流れ方向の両側に形成されている。二対の差込片３５と一対の押圧部３６とは、一対の第２フラップ２３の段方向の先端側（自由端側）に形成されている。一対の差込補助折線３７と一対の矯正片３８とは、一対の第２フラップ２３の段方向の中間部（差込片３５よりも基端側）に形成されている。なお、各々の第２フラップ２３の差込補助折線３７よりも段方向の先端側は、基端側よりも流れ方向に幅狭く形成されている。このため、第２フラップ２３の流れ方向の両端部には、段部が形成されている。
【0022】
なお、各々の第１フラップ２２に形成された２つの被差込部３０は第１フラップ２２を流れ方向に二等分する線を軸にして線対称に形成されているため、以下、図３を参照して、１つの被差込部３０に着目して説明する。また、一対の第２フラップ２３に形成された二対の差込片３５、一対の押圧部３６、一対の差込補助折線３７および一対の矯正片３８は同一形状であるため、以下、図３を参照して、１つの第２フラップ２３に形成された一対の差込片３５、押圧部３６、差込補助折線３７および矯正片３８に着目して説明する。
【0023】
＜被差込部＞
被差込部３０は、第１フラップ２２を厚み方向に貫通した状態に形成されている。具体的には、被差込部３０は、押込片３１を押込折線３１Ａで折り曲げながら押込切断線３２に沿って切断する切起構造となっている。押込折線３１Ａ（例えば汎用罫線）は、第１フラップ２２の流れ方向の端側において段方向に平行に延設されている。押込切断線３２は、押込折線３１Ａの両端を結ぶように山型状に形成されている。押込片３１は、押込折線３１Ａと押込切断線３２とに囲まれた範囲に形成されている。
被差込部３０は、第１フラップ２２を厚み方向に貫通した状態に形成されている。具体的には、被差込部３０は、押込片３１を押込折線３１Ａで折り曲げながら押込切断線３２に沿って切断する切起構造となっている。押込折線３１Ａ（例えば汎用罫線）は、第１フラップ２２の流れ方向の端側において段方向に平行に延設されている。押込切断線３２は、押込折線３１Ａの両端を結ぶように山型状に形成されている。押込片３１は、押込折線３１Ａと押込切断線３２とに囲まれた範囲に形成されている。
【0024】
押込切断線３２は、直線切断部３２Ａと、傾斜切断部３２Ｂと、屈曲切断部３２Ｃと、を有している。直線切断部３２Ａは、第１フラップ２２の基端側となる押込折線３１Ａの一端から第１フラップ２２の流れ方向の中央側に向かって流れ方向に平行に延設されている。傾斜切断部３２Ｂは、第１フラップ２２の先端側となる押込折線３１Ａの他端から第１フラップ２２の流れ方向の中央側に向かって第１フラップ２２の基端側に傾斜している。屈曲切断部３２Ｃは、直線切断部３２Ａと傾斜切断部３２Ｂとの先端同士を連結し、第１フラップ２２の先端側が第１フラップ２２の流れ方向の中央側に突出したクランク状に形成されている。押込片３１は、押込折線３１Ａと押込切断線３２とに区画され、略Ｌ字状（略四角形状）に形成されている。
【0025】
詳細は後述するが、押込片３１を押し込んで第１フラップ２２の一部を押込切断線３２に沿って切断することで、押込片３１と相補的な形状を成す差込穴３３が第１フラップ２２に開口する。差込穴３３には、傾斜切断部３２Ｂに沿って切断された位置に傾斜縁３３Ｂが形成される。また、第１フラップ２２の基端側には、差込穴３３の内側に突出する片押圧部３４が形成されている。
【0026】
＜差込片＞
一対の差込片３５は、第２フラップ２３の先端側において流れ方向の両側に形成されている。差込片３５は、先端側の角部を面取りされた略四角形状に形成されている。一対の差込片３５は、互いに接近するように突設された一対の突部３５Ａを有している。詳細は後述するが、一対の差込片３５は、上記した被差込部３０（差込穴３３）に差し込まれる。差込片３５を差込穴３３に差し込んだ状態において、突部３５Ａは、差込穴３３の傾斜縁３３Ｂと交差し、傾斜縁３３Ｂの内側に干渉する。
一対の差込片３５は、第２フラップ２３の先端側において流れ方向の両側に形成されている。差込片３５は、先端側の角部を面取りされた略四角形状に形成されている。一対の差込片３５は、互いに接近するように突設された一対の突部３５Ａを有している。詳細は後述するが、一対の差込片３５は、上記した被差込部３０（差込穴３３）に差し込まれる。差込片３５を差込穴３３に差し込んだ状態において、突部３５Ａは、差込穴３３の傾斜縁３３Ｂと交差し、傾斜縁３３Ｂの内側に干渉する。
【0027】
＜押圧部＞
押圧部３６は、第２フラップ２３の先端側において一対の差込片３５の間に設けられている。押圧部３６は、先端側に向かって徐々に流れ方向に幅狭くなる略台形状に形成されている。押圧部３６の段方向の寸法（延出寸法）は、差込片３５の段方向の寸法（延出寸法）よりも若干短く設定されている。押圧部３６と一対の差込片３５との境界には、台形状の一対の斜辺に沿って一対の切目３６Ａが形成されている。なお、切目３６Ａの基端部は略半円形状に湾曲している。
押圧部３６は、第２フラップ２３の先端側において一対の差込片３５の間に設けられている。押圧部３６は、先端側に向かって徐々に流れ方向に幅狭くなる略台形状に形成されている。押圧部３６の段方向の寸法（延出寸法）は、差込片３５の段方向の寸法（延出寸法）よりも若干短く設定されている。押圧部３６と一対の差込片３５との境界には、台形状の一対の斜辺に沿って一対の切目３６Ａが形成されている。なお、切目３６Ａの基端部は略半円形状に湾曲している。
【0028】
＜差込補助折線＞
差込補助折線３７は、例えば汎用罫線であり、第２フラップ２３の段方向の中間部において流れ方向に平行に形成されている。差込補助折線３７は、後述する矯正片３８から第２上フラップ２３Ｕの流れ方向の両端まで延設されている。詳細は後述するが、差込補助折線３７は、差込片３５を被差込部３０に差し込む場合に第２フラップ２３を山折りさせる。
差込補助折線３７は、例えば汎用罫線であり、第２フラップ２３の段方向の中間部において流れ方向に平行に形成されている。差込補助折線３７は、後述する矯正片３８から第２上フラップ２３Ｕの流れ方向の両端まで延設されている。詳細は後述するが、差込補助折線３７は、差込片３５を被差込部３０に差し込む場合に第２フラップ２３を山折りさせる。
【0029】
＜矯正片＞
矯正片３８は、差込補助折線３７の流れ方向の中間部において、差込補助折線３７から第２フラップ２３の先端側に向かって突き出すように形成された切断線３８Ａに区画されている。矯正片３８（切断線３８Ａ）は、第２フラップ２３の先端側に向かって（差込補助折線３７から離れるに従って）徐々に流れ方向に幅広くなる略台形状に形成されている。矯正片３８は、押圧部３６の基端側に間隔をあけて形成されている。詳細は後述するが、矯正片３８を押し込んで第２フラップ２３の一部を切断線３８Ａに沿って切断することで、矯正片３８と相補的な形状を成す抜き穴３９が第２フラップ２３に開口する。
矯正片３８は、差込補助折線３７の流れ方向の中間部において、差込補助折線３７から第２フラップ２３の先端側に向かって突き出すように形成された切断線３８Ａに区画されている。矯正片３８（切断線３８Ａ）は、第２フラップ２３の先端側に向かって（差込補助折線３７から離れるに従って）徐々に流れ方向に幅広くなる略台形状に形成されている。矯正片３８は、押圧部３６の基端側に間隔をあけて形成されている。詳細は後述するが、矯正片３８を押し込んで第２フラップ２３の一部を切断線３８Ａに沿って切断することで、矯正片３８と相補的な形状を成す抜き穴３９が第２フラップ２３に開口する。
【0030】
［包装箱の組立］
次に、図１、図４ないし図７を参照して、包装箱１の組立工程について説明する。図４は包装箱１を組み立てる過程を説明する斜視図である。図５は包装箱１の右部を示す平面図である。図６は、図５のＶＩ－ＶＩ断面図である。図７は、図５のＶＩＩ－ＶＩＩ断面図である。なお、包装箱１は、作業者によって手作業で組み立てられてもよいし、自動製函機（図示せず）によって自動または半自動で組み立てられてもよい。ここでは、一例として、作業者が手作業で包装箱１を組み立てる場合について説明する。また、包装箱１の組み立て前の初期状態として、ブランク５の流れ方向の両外側に位置する第１側壁２０と第２側壁２１とが第１折曲線Ｌ１で折り曲げられ、継代片２４が反対側の第２側壁２１の内面に接着され、包装箱１は二重に折り畳まれていることとする（図示せず）。
次に、図１、図４ないし図７を参照して、包装箱１の組立工程について説明する。図４は包装箱１を組み立てる過程を説明する斜視図である。図５は包装箱１の右部を示す平面図である。図６は、図５のＶＩ－ＶＩ断面図である。図７は、図５のＶＩＩ－ＶＩＩ断面図である。なお、包装箱１は、作業者によって手作業で組み立てられてもよいし、自動製函機（図示せず）によって自動または半自動で組み立てられてもよい。ここでは、一例として、作業者が手作業で包装箱１を組み立てる場合について説明する。また、包装箱１の組み立て前の初期状態として、ブランク５の流れ方向の両外側に位置する第１側壁２０と第２側壁２１とが第１折曲線Ｌ１で折り曲げられ、継代片２４が反対側の第２側壁２１の内面に接着され、包装箱１は二重に折り畳まれていることとする（図示せず）。
【0031】
作業者は、一対の第１側壁２０と一対の第２側壁２１とを第１折曲線Ｌ１に沿って略直角に折り曲げる。一対の第１側壁２０は前後方向（第１方向）に対向し、一対の第２側壁２１は左右方向（第２方向）に対向し、上下両端に開口部を有する周壁Ｗが形成される（図１および図４参照）。
【0032】
続いて、作業者は、蓋部１０Ｄによって周壁Ｗの下面開口部を閉塞する。なお、蓋部１０Ｄ（第１下フラップ２２Ｄ、第２下フラップ２３Ｄ）は、包装箱１の底部を構成するが、組み立て時には作業性を考慮して上方に向けられているものとする。
【0033】
図４に示すように、作業者は、一対の第１側壁２０に連設された一対の第１下フラップ２２Ｄを第２折曲線Ｌ２で内側に折り曲げる。一対の第１下フラップ２２Ｄは、先端側の段潰し部２５で重なり合う。次に、作業者は、一対の第２側壁２１に連設された一対の第２下フラップ２３Ｄを第２折曲線Ｌ２で内側に折り曲げ、一対の第１下フラップ２２Ｄの左右両側の表面に重ねる。この際、作業者は、ロック構造部２６Ｄを用いて一対の第２下フラップ２３Ｄを一対の第１下フラップ２２Ｄに固定する。なお、一対の第２下フラップ２３Ｄの固定手順は同一であるため、以下、主に１つの第２下フラップ２３Ｄに着目して説明する。
【0034】
作業者は、第２下フラップ２３Ｄを差込補助折線３７で山折りにし、一対の差込片３５の先端部を一対の第１下フラップ２２Ｄに設けられた一対の被差込部３０（一対の押込片３１）に合わせる。作業者は、一対の差込片３５の上から一対の押込片３１を周壁Ｗの内部に押し込む（図４の右側参照）。一対の押込片３１は押込折線３１Ａで折れ曲がりながら押込切断線３２に沿って第１下フラップ２２Ｄから刳り貫かれ、一対の押込片３１が刳り貫かれた跡には一対の差込穴３３が開口する。なお、第２下フラップ２３Ｄを差込補助折線３７で山折りにすると、矯正片３８は切断線３８Ａに沿って刳り貫かれて外側に突出する。
【0035】
作業者は、第２下フラップ２３Ｄを第２折曲線Ｌ２で折り曲げながら、且つ差込補助折線３７で山折りにされた第２下フラップ２３Ｄを平坦に戻しながら、一対の差込片３５を一対の差込穴３３に差し込む（図４の左側参照）。図４および図５に示すように、一対の差込片３５は一対の片押圧部３４の裏側に滑り込み、一対の片押圧部３４は一対の差込片３５の表面に重なる。また、押圧部３６は、一対の第１下フラップ２２Ｄの先端側（段潰し部２５）の表面に重なる。
【0036】
この状態で、図６に示すように、一対の第１下フラップ２２Ｄは、一対の差込片３５と押圧部３６との間に挟持されている。また、図７に示すように、差込片３５は、押込片３１と片押圧部３４との間に挟持されている。さらに、図５に示すように、差込片３５の突部３５Ａは、差込穴３３の傾斜縁３３Ｂ（正確には傾斜縁３３Ｂの延長線）と交差し、第１下フラップ２２Ｄの裏面に重なっている。これらの構造によって、差込片３５は差込穴３３から容易には引き抜けないようになっている。なお、傾斜縁３３Ｂが突部３５Ａと交差するとは、差込片３５を差込穴３３に差し込んだ状態で常に交差していることを要求するものではなく、差込片３５を差込穴３３に差し込む過程（引き抜く過程）において突部３５Ａが傾斜縁３３Ｂと交差する状態になることを意味する。
【0037】
次に、図６に示すように、作業者は、矯正片３８を差込補助折線３７と同一直線上に位置する境界で折り曲げ、第１下フラップ２２Ｄに押し付ける方向に押し込む（図６の実線矢印参照）。第２下フラップ２３Ｄにおいて、矯正片３８が刳り貫かれた跡には抜き穴３９が開口する。また、押し込まれた矯正片３８は第２下フラップ２３Ｄ（押圧部３６）の表面よりも一段下がった位置にあり、矯正片３８は自身の復元力（押込方向の逆方向に向かう弾性力）によって切断線３８Ａの輪郭に沿った抜き穴３９の縁部に摩擦力（図６の破線矢印参照）をもって接触する。つまり、矯正片３８の外縁部は抜き穴３９の内縁部に摺接する。矯正片３８が押し込まれ、抜き穴３９の縁部に摩擦力が作用するため、矯正片３８の根元部分（差込補助折線３７付近）を第１下フラップ２２Ｄに押し付けるような矯正力が発生する（図６の白抜き矢印参照）。この矯正力によって、差込補助折線３７は相対的に押し込まれるため、第２下フラップ２３Ｄの差込補助折線３７における折り癖が矯正される。
【0038】
以上のように、周壁Ｗの下面開口部が蓋部１０Ｄ（第１下フラップ２２Ｄ、第２下フラップ２３Ｄ）によって閉塞される。つまり、包装箱１の底部が形成される。作業者は、商品（図示せず）を周壁Ｗの内部に収容する（商品を底部上に置く）。
【0039】
作業者は、蓋部１０Ｄと同様に、蓋部１０Ｕ（第１上フラップ２２Ｕ、第２上フラップ２３Ｕ）によって周壁Ｗの上面開口部を閉塞する（図１参照）。なお、周壁Ｗの上面開口部を蓋部１０Ｕで閉塞する手順は、下面開口部を蓋部１０Ｄで閉塞する手順と同様であるため、その説明は省略する。
【0040】
以上によって、包装箱１の組み立てが完了する（図１参照）。包装箱１は、粘着テープや接着剤等を使用することなく封緘される。なお、包装箱１を開封（または解体）するには、上記した組立手順の逆の手順を行えばよい。
【0041】
以上説明した第１実施形態に係る包装箱１によれば、押し込まれた矯正片３８が弾性力によって抜き穴３９の縁部に引っ掛かった状態になり、第２フラップ２３を平坦に戻すような矯正力が発生するため、第２フラップ２３の差込補助折線３７における折り癖を矯正することができる。これにより、折り癖による第２フラップ２３の浮き上がりを抑制することができる。その結果、運搬中の振動等によって差込片３５が引き抜かれることが抑制され、意図しない開封を予防することができる。また、複数の包装箱１を積層する場合に浮き上がった第２フラップ２３が邪魔になることがなく、適正に積み重ねることができる。
【0042】
また、被差込部３０（押込片３１）は切起構造であるため、差込片３５を押込片３１と片押圧部３４との間に挟むことができる。これにより、差込片３５の抜け止めを更に強固にすることができる。さらに、差込片３５を差し込む際に、差込片３５の先端が当接する部分は押込片３１であるため、差込片３５の先端が内部の商品に直接接触することがなく、商品に損傷を加えることを最小限に抑えることができる。
【0043】
また、第１実施形態に係る包装箱１によれば、矯正片３８が差込方向に向かって幅広く形成されているため、抜き穴３９から矯正片３８が引き抜かれることが阻害される。また、押し込まれた矯正片３８が障害となり、差込片３５の引き抜きにかかる抵抗力を強くすることができる。これにより、意図しない開封を有効に予防することができる。
【0044】
また、第１実施形態に係る包装箱１によれば、差込片３５に突部３５Ａが設けられ、差込穴３３の傾斜縁３３Ｂが（差込穴３３に差し込まれた）突部３５Ａと交差するように形成されているため、差込片３５に引き抜き方向の力が加わっても、突部３５Ａが傾斜縁３３Ｂに干渉し、差込片３５の抜け止めを図ることができる。
【0045】
［変形例］
第１実施形態に係る包装箱１では、矯正片３８が抜き穴３９の縁部に略隙間なく密接するため、押し込まれた矯正片３８を引き出すことが困難であった。そこで、変形例として、図８に示すように、第２フラップ２３には、押し込まれた矯正片３８を引き出す操作を行うための解除開口部２７が形成されてもよい。解除開口部２７は、第２フラップ２３の矯正片３８に隣接する位置に形成されている。解除開口部２７は、作業者の指が入る程度の略半円形状の切り欠きである。この構成によれば、作業者は解除開口部２７に指を入れて、押し込まれた矯正片３８を引き出すことができる。なお、解除開口部２７は、矯正片３８に形成されてもよいし、第２フラップ２３と矯正片３８の両方に形成されてもよい（図示せず）。また、解除開口部２７の形状は半円形に限らず、自由に変更してもよい。
第１実施形態に係る包装箱１では、矯正片３８が抜き穴３９の縁部に略隙間なく密接するため、押し込まれた矯正片３８を引き出すことが困難であった。そこで、変形例として、図８に示すように、第２フラップ２３には、押し込まれた矯正片３８を引き出す操作を行うための解除開口部２７が形成されてもよい。解除開口部２７は、第２フラップ２３の矯正片３８に隣接する位置に形成されている。解除開口部２７は、作業者の指が入る程度の略半円形状の切り欠きである。この構成によれば、作業者は解除開口部２７に指を入れて、押し込まれた矯正片３８を引き出すことができる。なお、解除開口部２７は、矯正片３８に形成されてもよいし、第２フラップ２３と矯正片３８の両方に形成されてもよい（図示せず）。また、解除開口部２７の形状は半円形に限らず、自由に変更してもよい。
【0046】
なお、第１実施形態（変形例も含む。以下同じ。）に係る包装箱１では、二対の差込片３５に二対の突部３５Ａが形成されていたが、本発明はこれに限定されない。二対の差込片３５のうち少なくとも一対の差込片３５に一対の突部３５Ａが形成されていればよい。この場合、傾斜縁３３Ｂは、全ての差込穴３３に形成する必要はなく、突部３５Ａを有する差込片３５に対応した差込穴３３に形成されていればよい。また、差込片３５の突部３５Ａや差込穴３３の傾斜縁３３Ｂは省略されてもよい（図示せず）。さらに、差込穴３３は山型状に形成されていたが、例えば、四角形状に形成されてもよい（図示せず）。また、押込片３１（押込折線３１Ａ）を省略し、差込穴３３がはじめから開口していてもよい（図示せず）。
【0047】
また、第１実施形態に係る包装箱１では、一対の第１下フラップ２２Ｄ（一対の第１上フラップ２２Ｕ）が先端側の段潰し部２５で重なる構成であったが、本発明はこれに限定されない。一対の第１下フラップ２２Ｄ（一対の第１上フラップ２２Ｕ）は、段潰し部２５を省略し、互いの先端部を突き合せる構成としてもよいし、先端同士が離間していてもよい（図示せず）。
【0048】
また、第１実施形態に係る包装箱１では、周壁Ｗの上下両端に蓋部１０Ｕ，１０Ｄが設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、周壁Ｗの下面開口部のみが蓋部１０Ｄで閉塞され、周壁Ｗの上面開口部は開放されていてもよい。つまり、蓋部は周壁Ｗの軸方向の両端のうち少なくとも一端に連設されていればよい。
【0049】
［第２実施形態］
次に、図９ないし図１１を参照して、第２実施形態に係る包装箱２について説明する。図９は包装箱２を示す斜視図である。図１０は包装箱２のブランク６を示す平面図である。図１１は包装箱２を組み立てる過程を説明する斜視図である。なお、以下の説明では、第１実施形態に係る包装箱１と同一または対応する構成については同一の符号を付し、同一または対応する説明は省略する。
次に、図９ないし図１１を参照して、第２実施形態に係る包装箱２について説明する。図９は包装箱２を示す斜視図である。図１０は包装箱２のブランク６を示す平面図である。図１１は包装箱２を組み立てる過程を説明する斜視図である。なお、以下の説明では、第１実施形態に係る包装箱１と同一または対応する構成については同一の符号を付し、同一または対応する説明は省略する。
【0050】
図９および図１０に示すように、第２実施形態に係る包装箱２は、周壁Ｗと、周壁Ｗの上下両端の開口部を閉塞する蓋部１１Ｕ，１１Ｄと、を備えている。蓋部１１Ｄは、所謂ワンタッチ底である。蓋部１１Ｕは、周壁Ｗの前後方向（第１方向）に対向する一対の第１側壁２０に連設された第１フラップ４３と第２フラップ４４とを有している。
【0051】
［ブランク］
図１０に示すように、包装箱２のブランク６は、一対の第１側壁２０と、一対の第２側壁２１と、一対の第１底壁４０と、一対の第２底壁４１と、一対の内フラップ４２と、第１フラップ４３と、第２フラップ４４と、を備えている。なお、一対設けられた部位は略同一形状であるため、以下、特に明記した場合を除き、１つの部位について説明する。
図１０に示すように、包装箱２のブランク６は、一対の第１側壁２０と、一対の第２側壁２１と、一対の第１底壁４０と、一対の第２底壁４１と、一対の内フラップ４２と、第１フラップ４３と、第２フラップ４４と、を備えている。なお、一対設けられた部位は略同一形状であるため、以下、特に明記した場合を除き、１つの部位について説明する。
【0052】
＜第１底壁＞
一対の第１底壁４０は、第２折曲線Ｌ２を介して第１側壁２０の段方向の一端（下端）に連設されている。第１底壁４０は概ね長方形状に形成され、その段方向の寸法（延出寸法）は第２側壁２１の流れ方向の寸法の半分よりも若干長く設定されている。第１底壁４０の先端側には、噛合凹部４０Ａが略Ｖ字状に切り欠かれている。噛合凹部４０Ａの一辺には、フック部４０Ｂが噛合折線４０Ｃを介して連設されている。第１底壁４０の流れ方向の他方（第２底壁４１の側）には、噛合凹部４０Ａから第１底壁４０の基端角部に向かって斜めに傾斜折線４０Ｅが形成されている。傾斜折線４０Ｅによって第１底壁４０の角部領域に略三角形状の底接着部４０Ｄが区画される。
一対の第１底壁４０は、第２折曲線Ｌ２を介して第１側壁２０の段方向の一端（下端）に連設されている。第１底壁４０は概ね長方形状に形成され、その段方向の寸法（延出寸法）は第２側壁２１の流れ方向の寸法の半分よりも若干長く設定されている。第１底壁４０の先端側には、噛合凹部４０Ａが略Ｖ字状に切り欠かれている。噛合凹部４０Ａの一辺には、フック部４０Ｂが噛合折線４０Ｃを介して連設されている。第１底壁４０の流れ方向の他方（第２底壁４１の側）には、噛合凹部４０Ａから第１底壁４０の基端角部に向かって斜めに傾斜折線４０Ｅが形成されている。傾斜折線４０Ｅによって第１底壁４０の角部領域に略三角形状の底接着部４０Ｄが区画される。
【0053】
＜第２底壁＞
一対の第２底壁４１は、第２折曲線Ｌ２を介して第２側壁２１の段方向の一端（下端）に連設されている。第２底壁４１は基端から先端に向かって徐々に幅狭くなる略台形状に形成されている。第２底壁４１の段方向の寸法（延出寸法）は、第１底壁４０の延出寸法よりも若干短く設定されている。
一対の第２底壁４１は、第２折曲線Ｌ２を介して第２側壁２１の段方向の一端（下端）に連設されている。第２底壁４１は基端から先端に向かって徐々に幅狭くなる略台形状に形成されている。第２底壁４１の段方向の寸法（延出寸法）は、第１底壁４０の延出寸法よりも若干短く設定されている。
【0054】
なお、噛合折線４０Ｃは汎用罫線であり、傾斜折線４０Ｅは表ライナ９Ｂの側から厚み方向に潰した逆罫線である。逆罫線は、表ライナ９Ｂを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる（逆折りする）機能を有している。なお、噛合折線４０Ｃや傾斜折線４０Ｅは、汎用罫線や逆罫線に限らず、ミシン刃線やリード罫線等、段ボールシートを折り曲げるための線であれば如何なるものでもよい。
【0055】
＜内フラップ＞
一対の内フラップ４２は、第３折曲線Ｌ３を介して第２側壁２１の段方向の他端（上端）に連設されている。内フラップ４２は略長方形状に形成され、その段方向の寸法（延出寸法）は第１側壁２０の流れ方向の寸法の半分よりも若干短く設定されている。
一対の内フラップ４２は、第３折曲線Ｌ３を介して第２側壁２１の段方向の他端（上端）に連設されている。内フラップ４２は略長方形状に形成され、その段方向の寸法（延出寸法）は第１側壁２０の流れ方向の寸法の半分よりも若干短く設定されている。
【0056】
＜第１フラップ、第２フラップ＞
第１フラップ４３は、第３折曲線Ｌ３を介して一方の第１側壁２０の段方向の他端（上端）に連設されている。第１フラップ４３は略長方形状に形成され、その段方向の寸法（延出寸法）は内フラップ４２の延出寸法と略同一である。第２フラップ４４は、第３折曲線Ｌ３を介して他方の第１側壁２０の段方向の他端（上端）に連設されている。第２フラップ４４は概ね長方形状に形成され、その段方向の最大寸法（延出寸法）は内フラップ４２の延出寸法と略同一である。第１フラップ４３と第２フラップ４４との先端側（自由端側）の流れ方向の両側には、段潰し部４５が形成されている（図１０の斜線部分参照）。
第１フラップ４３は、第３折曲線Ｌ３を介して一方の第１側壁２０の段方向の他端（上端）に連設されている。第１フラップ４３は略長方形状に形成され、その段方向の寸法（延出寸法）は内フラップ４２の延出寸法と略同一である。第２フラップ４４は、第３折曲線Ｌ３を介して他方の第１側壁２０の段方向の他端（上端）に連設されている。第２フラップ４４は概ね長方形状に形成され、その段方向の最大寸法（延出寸法）は内フラップ４２の延出寸法と略同一である。第１フラップ４３と第２フラップ４４との先端側（自由端側）の流れ方向の両側には、段潰し部４５が形成されている（図１０の斜線部分参照）。
【0057】
［ロック構造部］
上方の蓋部１１Ｕ（第１フラップ４３、第２フラップ４４）には、周壁Ｗの上面開口部を閉塞した状態を保持するためのロック構造部４６が設けられている。ロック構造部４６は、被差込部５０と、差込片５１と、差込補助折線３７と、３つの矯正片５２と、を有している。
上方の蓋部１１Ｕ（第１フラップ４３、第２フラップ４４）には、周壁Ｗの上面開口部を閉塞した状態を保持するためのロック構造部４６が設けられている。ロック構造部４６は、被差込部５０と、差込片５１と、差込補助折線３７と、３つの矯正片５２と、を有している。
【0058】
＜被差込部＞
被差込部５０は、第１フラップ４３の段方向の先端側に形成されたスリット状の穴である。被差込部５０は、第１フラップ４３の流れ方向の中間部（一対の段潰し部４５の間）に開口している。正確には、被差込部５０は、流れ方向に細長い差込穴５０Ａと、差込穴５０Ａの流れ方向の両端から外側に切り込まれた一対の差込切目５０Ｂと、を有している。なお、差込穴５０Ａの流れ方向の中央部は略扇状（円弧状）に形成されている。
被差込部５０は、第１フラップ４３の段方向の先端側に形成されたスリット状の穴である。被差込部５０は、第１フラップ４３の流れ方向の中間部（一対の段潰し部４５の間）に開口している。正確には、被差込部５０は、流れ方向に細長い差込穴５０Ａと、差込穴５０Ａの流れ方向の両端から外側に切り込まれた一対の差込切目５０Ｂと、を有している。なお、差込穴５０Ａの流れ方向の中央部は略扇状（円弧状）に形成されている。
【0059】
＜差込片＞
差込片５１は、第２フラップ４４の段方向の先端側（自由端側）に形成されている。差込片５１は、第２フラップ４４の流れ方向の中間部（一対の段潰し部４５の間）から先端側に突設されている。差込片５１は、先端側の角部を面取りされた略四角形状に形成されている。差込片５１の基端部には、一対の切目５１Ａが互いに接近する方向に切り込まれている。
差込片５１は、第２フラップ４４の段方向の先端側（自由端側）に形成されている。差込片５１は、第２フラップ４４の流れ方向の中間部（一対の段潰し部４５の間）から先端側に突設されている。差込片５１は、先端側の角部を面取りされた略四角形状に形成されている。差込片５１の基端部には、一対の切目５１Ａが互いに接近する方向に切り込まれている。
【0060】
＜差込補助折線、矯正片＞
差込補助折線３７は、３つの矯正片５２を除いて、第２フラップ４４の段方向の中間部において流れ方向に平行に形成されている。３つの矯正片５２は、差込補助折線３７の流れ方向の略中央と両側とに略等間隔に設けられている。流れ方向の中央の矯正片５２は、差込補助折線３７から第２フラップ４４の先端側に向かって突き出すように形成された切断線５２Ａに区画されている。流れ方向の両側の２つの矯正片５２は、差込補助折線３７から第２フラップ４４の基端側に向かって突き出すように形成された切断線５２Ａに区画されている。３つの矯正片５２（切断線５２Ａ）は、それぞれ略長方形状に形成されている。３つの矯正片５２を押し込むと、３つの抜き穴５３が第２フラップ４４に開口する。
差込補助折線３７は、３つの矯正片５２を除いて、第２フラップ４４の段方向の中間部において流れ方向に平行に形成されている。３つの矯正片５２は、差込補助折線３７の流れ方向の略中央と両側とに略等間隔に設けられている。流れ方向の中央の矯正片５２は、差込補助折線３７から第２フラップ４４の先端側に向かって突き出すように形成された切断線５２Ａに区画されている。流れ方向の両側の２つの矯正片５２は、差込補助折線３７から第２フラップ４４の基端側に向かって突き出すように形成された切断線５２Ａに区画されている。３つの矯正片５２（切断線５２Ａ）は、それぞれ略長方形状に形成されている。３つの矯正片５２を押し込むと、３つの抜き穴５３が第２フラップ４４に開口する。
【0061】
［包装箱の組立］
次に、図９および図１１を参照して、包装箱２の組立工程について説明する。ここでは、一例として、作業者が手作業で包装箱２を組み立てる場合について説明する。なお、包装箱２の初期状態は、第１実施形態に係る包装箱１の初期状態と同様に、二重に折り畳まれている（図示せず）。また、第１底壁４０および第２底壁４１は、第３折曲線Ｌ３に沿って内側に折り返され、第１底壁４０の底接着部４０Ｄは、傾斜折線４０Ｅで逆折りされ、第２底壁４１の表ライナ９Ｂに接着されている。
次に、図９および図１１を参照して、包装箱２の組立工程について説明する。ここでは、一例として、作業者が手作業で包装箱２を組み立てる場合について説明する。なお、包装箱２の初期状態は、第１実施形態に係る包装箱１の初期状態と同様に、二重に折り畳まれている（図示せず）。また、第１底壁４０および第２底壁４１は、第３折曲線Ｌ３に沿って内側に折り返され、第１底壁４０の底接着部４０Ｄは、傾斜折線４０Ｅで逆折りされ、第２底壁４１の表ライナ９Ｂに接着されている。
【0062】
作業者は、一対の第１側壁２０と一対の第２側壁２１とを略直角に折り曲げて周壁Ｗを形成する。周壁Ｗの形成に連動して、折り返された第１底壁４０と第２底壁４１とは、逆折りされた底接着部４０Ｄを平らに戻しながら、互いに略平行になるまで押し出される（図示せず）。一対の第１底壁４０のフック部４０Ｂは、噛合折線４０Ｃで折れ曲がりながら対向する噛合凹部４０Ａに入り込み、互いに噛み合わされる（図示せず）。
【0063】
以上によって、周壁Ｗの下面開口部が蓋部１１Ｄ（第１底壁４０、第２底壁４１）によって閉塞される。作業者は、商品を周壁Ｗの内部に収容する（商品を底部上に置く）。
【0064】
次に、図１１に示すように、作業者は、蓋部１１Ｕ（第１フラップ４３、第２フラップ４４）によって周壁Ｗの上面開口部を閉塞する。具体的には、作業者は、一対の内フラップ４２を第３折曲線Ｌ３で内側に折り曲げた後、第１フラップ４３を第３折曲線Ｌ３で内側に折り曲げ、一対の内フラップ４２の表面に重ねる。
【0065】
次に、作業者は、ロック構造部４６を用いて第２フラップ４４を第１フラップ４３に固定する。具体的には、作業者は、第２フラップ４４を差込補助折線３７で山折りにし、差込片５１の先端部を第１フラップ４３に開口した被差込部５０に合わせる。作業者は、第２フラップ４４を第３折曲線Ｌ３で折り曲げながら、且つ差込補助折線３７で山折りにされた第２フラップ４４を平坦に戻しながら、差込片５１を被差込部５０に差し込む。差込片５１は第１フラップ４３の裏側に滑り込み、第２フラップ４４の一対の段潰し部４５は第１フラップ４３の段潰し部４５の表面に重なる。差込片５１は、被差込部５０の一対の差込切目５０Ｂに挟持され、差込穴５０Ａから容易に引き抜けないようになっている。
【0066】
次に、図９に示すように、作業者は、３つの矯正片５２を内部に押し込み、３つの抜き穴５３を開口させる。押し込まれた矯正片５２は、自身の復元力によって抜き穴５３の縁部に摩擦力をもって接触する。各矯正片５２が押し込まれ、抜き穴５３の縁部に摩擦力が作用することで、各矯正片５２の根元部分を第１フラップ４３に押し付けるような矯正力が発生する。この矯正力によって、差込補助折線３７は押し込まれ、第２フラップ４４の差込補助折線３７における折り癖が矯正される。
【0067】
以上によって、周壁Ｗの上面開口部が閉塞され、包装箱２の組み立てが完了する。包装箱２は、粘着テープや接着剤等を使用することなく封緘される。なお、包装箱２が通信販売の用途で使用される場合、運送伝票が第１フラップ４３と第２フラップ４４とに亘るように貼付されるとよい。また、包装箱２を開封（または解体）するには、上記した組立手順の逆の手順を行えばよい。
【0068】
以上説明した第２実施形態に係る包装箱２によれば、折り癖による第２フラップ４４の浮き上がりを抑制することができる等、第１実施形態に係る包装箱１と同様の効果を得ることができる。
【0069】
なお、第２実施形態に係る包装箱２では、第１フラップ４３および第２フラップ４４に段潰し部４５が形成されていたが、段潰し部４５は省略されてもよい。
【0070】
［第３実施形態］
次に、図１２および図１３を参照して、第３実施形態に係る包装箱３について説明する。図１２は包装箱３を示す斜視図である。図１３は包装箱３のブランク７を示す平面図である。なお、以下の説明では、第１実施形態に係る包装箱１と同一または対応する構成については同一の符号を付し、同一または対応する説明は省略する。
次に、図１２および図１３を参照して、第３実施形態に係る包装箱３について説明する。図１２は包装箱３を示す斜視図である。図１３は包装箱３のブランク７を示す平面図である。なお、以下の説明では、第１実施形態に係る包装箱１と同一または対応する構成については同一の符号を付し、同一または対応する説明は省略する。
【0071】
図１２および図１３に示すように、第３実施形態に係る包装箱３は、周壁Ｗの上下両端の開口部を蓋部１２Ｕ，１２Ｄ閉塞することで封緘される略Ａ式の箱である。蓋部１２Ｄは、周壁Ｗの左右方向に対向する一対の第２側壁２１に連設された一対の下内フラップ６０と、周壁Ｗの前後方向に対向する一対の第１側壁２０に連設された一対の下外フラップ６１と、を有している。蓋部１２Ｕは、周壁Ｗの前後方向（第１方向）に対向する一対の第１側壁２０に連設された第１フラップ６２と第３フラップ６４とを有している。また、蓋部１２Ｕは、周壁Ｗの左右方向（第２方向）に対向する一対の第２側壁２１に連設された第２フラップ６３と第４フラップ６５とを有している。
【0072】
［ブランク］
図１３に示すように、包装箱３のブランク７は、一対の第１側壁２０と、一対の第２側壁２１と、一対の下内フラップ６０と、一対の下外フラップ６１と、第１～第４フラップ６２～６５と、を備えている。なお、一対設けられた部位は略同一形状であるため、以下、特に明記した場合を除き、１つの部位について説明する。
図１３に示すように、包装箱３のブランク７は、一対の第１側壁２０と、一対の第２側壁２１と、一対の下内フラップ６０と、一対の下外フラップ６１と、第１～第４フラップ６２～６５と、を備えている。なお、一対設けられた部位は略同一形状であるため、以下、特に明記した場合を除き、１つの部位について説明する。
【0073】
＜下内フラップ、下外フラップ＞
一対の下内フラップ６０は、第２折曲線Ｌ２を介して第１側壁２０の段方向の一端（下端）に連設されている。一対の下外フラップ６１は、第２折曲線Ｌ２を介して第２側壁２１の段方向の一端に連設されている。下内フラップ６０と下外フラップ６１とは略長方形状に形成され、それらの段方向の寸法（延出寸法）は第２側壁２１の流れ方向の寸法の略半分に設定されている。
一対の下内フラップ６０は、第２折曲線Ｌ２を介して第１側壁２０の段方向の一端（下端）に連設されている。一対の下外フラップ６１は、第２折曲線Ｌ２を介して第２側壁２１の段方向の一端に連設されている。下内フラップ６０と下外フラップ６１とは略長方形状に形成され、それらの段方向の寸法（延出寸法）は第２側壁２１の流れ方向の寸法の略半分に設定されている。
【0074】
＜第１～第４フラップ＞
第１フラップ６２と第３フラップ６４とは、第３折曲線Ｌ３を介して第１側壁２０の段方向の他端（上端）に連設されている。第２フラップ６３と第４フラップ６５とは、第３折曲線Ｌ３を介して第２側壁２１の段方向の他端（上端）に連設されている。第１～第４フラップ６２～６５は略長方形状に形成され、それらの段方向の寸法（延出寸法）は下内フラップ６０等の延出寸法と略同一である。
第１フラップ６２と第３フラップ６４とは、第３折曲線Ｌ３を介して第１側壁２０の段方向の他端（上端）に連設されている。第２フラップ６３と第４フラップ６５とは、第３折曲線Ｌ３を介して第２側壁２１の段方向の他端（上端）に連設されている。第１～第４フラップ６２～６５は略長方形状に形成され、それらの段方向の寸法（延出寸法）は下内フラップ６０等の延出寸法と略同一である。
【0075】
［ロック構造部］
上方の蓋部１２Ｕ（第１～第４フラップ６２～６５）には、周壁Ｗの上面開口部を閉塞した状態を保持するためのロック構造部６６が設けられている。ロック構造部６６は、被差込部７０と、差込片７１と、差込補助折線３７と、矯正片３８と、を有している。
上方の蓋部１２Ｕ（第１～第４フラップ６２～６５）には、周壁Ｗの上面開口部を閉塞した状態を保持するためのロック構造部６６が設けられている。ロック構造部６６は、被差込部７０と、差込片７１と、差込補助折線３７と、矯正片３８と、を有している。
【0076】
＜被差込部＞
被差込部７０は、第１フラップ６２の段方向の先端から基端に向かって延びた切欠きである。被差込部７０は、第１フラップ６２に隣接する第２フラップ６３の側において、略三角形状に切り欠かれている。第１フラップ６２の被差込部７０の近傍には、略半円形状の指差穴７０Ａが切り欠かれている。
被差込部７０は、第１フラップ６２の段方向の先端から基端に向かって延びた切欠きである。被差込部７０は、第１フラップ６２に隣接する第２フラップ６３の側において、略三角形状に切り欠かれている。第１フラップ６２の被差込部７０の近傍には、略半円形状の指差穴７０Ａが切り欠かれている。
【0077】
＜差込片＞
差込片７１は、第２フラップ６３の段方向の先端部に形成されている。詳細には、第２フラップ６３には、先端から基端に向かってスリット７２が切り込まれ、スリット７２よりも第１フラップ６２の側に押圧部７３が設けられている。差込片７１は、スリット７２を挟んで押圧部７３の反対側に設けられている。差込片７１は、スリット７２に隣接する第２フラップ６３の一部によって構成されている。
差込片７１は、第２フラップ６３の段方向の先端部に形成されている。詳細には、第２フラップ６３には、先端から基端に向かってスリット７２が切り込まれ、スリット７２よりも第１フラップ６２の側に押圧部７３が設けられている。差込片７１は、スリット７２を挟んで押圧部７３の反対側に設けられている。差込片７１は、スリット７２に隣接する第２フラップ６３の一部によって構成されている。
【0078】
＜差込補助折線、矯正片＞
差込補助折線３７は、矯正片３８を除いて、第２フラップ６３の段方向の中間部において流れ方向に平行に形成されている。矯正片３８は、差込補助折線３７の流れ方向の略中央部において、差込補助折線３７から第２フラップ６３の先端側に向かって突き出すように形成されている。
差込補助折線３７は、矯正片３８を除いて、第２フラップ６３の段方向の中間部において流れ方向に平行に形成されている。矯正片３８は、差込補助折線３７の流れ方向の略中央部において、差込補助折線３７から第２フラップ６３の先端側に向かって突き出すように形成されている。
【0079】
［包装箱の組立］
次に、図１２を参照して、包装箱３の組立工程について説明する。ここでは、一例として、作業者が手作業で包装箱３を組み立てる場合について説明する。なお、包装箱３の初期状態は、第１実施形態に係る包装箱１の初期状態と同様に、二重に折り畳まれている（図示せず）。
次に、図１２を参照して、包装箱３の組立工程について説明する。ここでは、一例として、作業者が手作業で包装箱３を組み立てる場合について説明する。なお、包装箱３の初期状態は、第１実施形態に係る包装箱１の初期状態と同様に、二重に折り畳まれている（図示せず）。
【0080】
作業者は、一対の第１側壁２０と一対の第２側壁２１とを略直角に折り曲げて周壁Ｗを形成する。続いて、図示は省略するが、作業者は、一対の下内フラップ６０を第２折曲線Ｌ２で内側に折り曲げた後、一対の下外フラップ６１を第２折曲線Ｌ２で内側に折り曲げる。一対の下外フラップ６１は一対の下内フラップ６０の表面に重ねられ、一対の下外フラップ６１の先端同士は突き合わされている。作業者は、一対の下外フラップ６１の突き合せ部分に沿って粘着テープ（図示せず）を貼付する。なお、粘着テープに代えて、接着剤を用いて一対の下外フラップ６１を一対の下内フラップ６０に接着してもよい。
【0081】
以上のように、周壁Ｗの下面開口部が蓋部１２Ｄ（下内フラップ６０、下外フラップ６１）によって閉塞され、包装箱３の底部が形成される（図示せず）。作業者は、商品を周壁Ｗの内部に収容する（商品を底部上に置く）。
【0082】
次に、作業者は、蓋部１２Ｕ（第１～第４フラップ６２～６５）によって周壁Ｗの上面開口部を閉塞する。具体的には、作業者は、第１フラップ６２、第４フラップ６５、第３フラップ６４および第２フラップ６３を、この順で周壁Ｗの内側に折り曲げ、ロック構造部６６を用いて第２フラップ６３を第１フラップ６２に固定する。
【0083】
具体的には、作業者は、第２フラップ６３を差込補助折線３７で山折りにし、差込片７１の先端部を第１フラップ６２に切り欠かれた被差込部７０に合わせる。作業者は、指差穴７０Ａに指を入れて第１フラップ６２の一部を浮かせ、第２フラップ６３を第３折曲線Ｌ３で折り曲げながら、且つ差込補助折線３７で山折りにされた第２フラップ６３を平坦に戻しながら、差込片７１を被差込部７０に差し込む。差込片７１は第１フラップ６２の裏側に滑り込み、第２フラップ６３は差込片７１を除く部分で、隣接する第１フラップ６２と第３フラップ６４との表面（外面）に重なる。差込片７１と押圧部７３とが第１フラップ６２を挟持するため、差込片７１は被差込部７０から容易に引き抜けないようになっている。
【0084】
次に、作業者が矯正片３８を押し込むことで、第２フラップ６３の差込補助折線３７における折り癖が矯正される。
【0085】
以上によって、周壁Ｗの上面開口部が閉塞され、包装箱３の組み立てが完了する。なお、包装箱３を開封（または解体）するには、上記した組立手順の逆の手順を行えばよい。
【0086】
以上説明した第３実施形態に係る包装箱３によれば、折り癖による第２フラップ６３の浮き上がりを抑制することができる等、第１実施形態に係る包装箱１と同様の効果を得ることができる。
【0087】
なお、第１実施形態に係る包装箱１では周壁Ｗの上下両側にロック構造部２６Ｕ，２６Ｄが設けられ、第２および第３実施形態に係る包装箱２，３では周壁Ｗの上方のみにロック構造部４６，６６が設けられていたが、本発明はこれに限定されない。ロック構造部は、周壁Ｗの上下両側のうち少なくとも一方に設けられていればよい。
【0088】
また、第１および第３実施形態に係る包装箱１，３では１つの矯正片３８が差込補助折線３７から第２フラップ２３，６３の先端側のみに向かって突設され、第２実施形態に係る包装箱２では３つの矯正片５２が差込補助折線３７から第２フラップ４４の先端側と基端側の両側に向かって突設されていたが、本発明はこれに限定されない。矯正片は、差込補助折線３７から第２フラップ２３，４４，６３の先端側と基端側の少なくとも一方に向かって突設されていればよい。
【0089】
また、第１～第３実施形態に係る包装箱１～３では、矯正片３８，５２が、略台形状や略長方形状に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、矯正片３８，５２の形状は、三角形状、四角形以外の多角形状、半円形状またはこれらを組み合わせた形状等、如何なる形状であってもよい（図示せず）。また、矯正片３８，５２を区画する切断線３８Ａ，５２Ａは、直線的な刃物で切断されてもよいし、矯正片３８，５２との摩擦力を増加させるために、例えば波状となるように切断されてもよい（図示せず）。
【0090】
また、第１～第３実施形態に係る包装箱１～３では、差込補助折線３７が汎用罫線であったが、これに限らず、ミシン刃線やリード罫線等、段ボールシートを折り曲げるための線であれば如何なるものでもよい（図示せず）。また、差込補助折線３７は、第２および第３折曲線Ｌ２，Ｌ３と略平行に形成されていたが、これに限らず、第２および第３折曲線Ｌ２，Ｌ３に対して傾斜して形成されてもよい（図示せず）。
【0091】
また、第１～第３実施形態に係る包装箱１～３は、紙製の両面段ボールシートで形成されていたが、本発明はこれに限定されない。包装箱１，２は、片面段ボール、複両面段ボール、複々両面段ボール等で形成されてもよいし、厚紙や樹脂製の板（シート）等で形成されていてもよい。
【0092】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る包装箱における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
【符号の説明】
【0093】
１，２，３ 包装箱
Ｗ 周壁
１０Ｕ，１０Ｄ，１１Ｕ，１２Ｕ 蓋部
２０ 第１側壁
２１ 第２側壁
２２Ｄ 第１下フラップ（第１フラップ）
２２Ｕ 第１上フラップ（第１フラップ）
２３Ｄ 第２下フラップ（第２フラップ）
２３Ｕ 第２上フラップ（第２フラップ）
２７ 解除開口部
３０，５０，７０ 被差込部
３３ 差込穴
３３Ｂ 傾斜縁
３５，５１，７１ 差込片
３５Ａ 突部
３７ 差込補助折線
３８，５２ 矯正片
３８Ａ，５２Ａ 切断線
３９，５３ 抜き穴
４３，６２ 第１フラップ
４４，６３ 第２フラップ
６４ 第３フラップ
６５ 第４フラップ
７２ スリット
Ｗ 周壁
１０Ｕ，１０Ｄ，１１Ｕ，１２Ｕ 蓋部
２０ 第１側壁
２１ 第２側壁
２２Ｄ 第１下フラップ（第１フラップ）
２２Ｕ 第１上フラップ（第１フラップ）
２３Ｄ 第２下フラップ（第２フラップ）
２３Ｕ 第２上フラップ（第２フラップ）
２７ 解除開口部
３０，５０，７０ 被差込部
３３ 差込穴
３３Ｂ 傾斜縁
３５，５１，７１ 差込片
３５Ａ 突部
３７ 差込補助折線
３８，５２ 矯正片
３８Ａ，５２Ａ 切断線
３９，５３ 抜き穴
４３，６２ 第１フラップ
４４，６３ 第２フラップ
６４ 第３フラップ
６５ 第４フラップ
７２ スリット
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】