(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040368
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】動脈瘤の予防及び/又は治療薬
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4525 20060101AFI20240315BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240315BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240315BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
A61K31/4525
A61P9/10
A61P9/00
A61P43/00 111
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024019391
(22)【出願日】2024-02-13
(62)【分割の表示】P 2019196606の分割
【原出願日】2019-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】504136993
【氏名又は名称】独立行政法人国立病院機構
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 俊一
(57)【要約】
【課題】動脈瘤の予防及び/又は治療薬を提供する。
【解決手段】P2X4受容体の阻害薬を有効成分として有する。P2X4受容体の阻害薬はパロキセチンである。未破裂脳動脈症例に対する脳動脈瘤の増大を予防できる。また、脳動脈瘤コイル塞栓術後の再発を予防できる。パロキセチン等のP2X4受容体の阻害薬を投与することにより動脈瘤関連因子であるCOX-2、TNF-α、MCP-1、iNOS、IL-1β等の発現が低下した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
すでに発生している未破裂脳動脈瘤の血管内皮細胞に発現するP2X4受容体の阻害薬を有効成分として有し、
前記未破裂脳動脈瘤症例に対する脳動脈瘤の増大を抑制する脳動脈瘤の治療薬であって、
前記阻害薬がパロキセチンである、ことを特徴とする脳動脈瘤の治療薬。
【請求項2】
前記脳動脈瘤が嚢状又は紡錘状であることを特徴とする請求項1に記載の脳動脈瘤の治療薬。
【請求項3】
脳動脈瘤コイル塞栓術後の再発を予防することを特徴とする請求項1又は2に記載の脳動脈瘤の治療薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動脈瘤の予防及び/又は治療薬、具体的には脳動脈瘤の予防及び/又は治療薬に関する。
【背景技術】
【0002】
脳動脈瘤は脳血管分岐部に生じる病変であり、致死的なクモ膜下出血の主要な原因として重要な疾患である。クモ膜下出血の予防のためには、日常臨床で多く発見される未破裂脳動脈瘤の破裂予防の治療が必要である。
【0003】
脳動脈瘤は大きさや部位によって破裂率が異なり、大きければ大きいほど破裂しやすく、増大傾向を示す瘤は破裂率が高いと報告されている。未破裂脳動脈瘤の治療法としては開頭によるクリッピング術やカテーテル治療によるコイル塞栓術等の外科的治療法しかない。
【0004】
現時点で脳動脈瘤に対する薬物治療法が存在しないために、多くの症例が無治療となっている。このような現状から、脳動脈瘤形成・増大・破裂機序の解明とその知見に基づく新規薬物治療法開発が必要とされる。動脈瘤の増大を抑制できれば破裂率を低下させることが期待できる。また、脳動脈瘤コイル塞栓術では、約15~30%が再発・再増大すると報告されており、その予防薬の開発が待たれている。
【0005】
なお臨床的に脳動脈瘤に対するスタチン製剤の有用性は有意差をもって示唆されておらず、且つ、脳動脈瘤患者の多くが非脂質異常症であるため、非脂質異常症症例に対してスタチン製剤を投与する場合は、安全性・低コレステロール血症が誘導されることに対する安全性が十分に保障されることが前提となる。
【0006】
一連のモデル動物を使用した近年の解析から、脳動脈瘤形成・増大が、脳動脈瘤の誘因と従来考えられていた血流ストレス負荷に惹起される炎症反応に制御されており、それゆえ脳動脈瘤は血流ストレス依存的な脳血管壁の慢性炎症性疾患として定義できる。
【0007】
脳動脈瘤発生・増大における血行力学的役割は重要であり、脳血管における過剰な血行力学的負荷を血管内皮細胞が感知することが一連の脳動脈瘤発生・増大のトリガーになっていると考えられている(非特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】脳動脈瘤破裂の血行力学的危険因子の多変量解析,福田俊一,日本機械学会第30回バイオエンジニアリング講演会講演論文集,2017年12月
【非特許文献2】脳動脈瘤の形成・増大・破裂における血行力学的因子の役割について-計算流体力学(CFD)解析と動物モデルによる実験を相補的に用いた検討-,福田俊一,脳神経外科ジャーナル,2014年,23巻8号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、動脈瘤を予防及び/又は治療できる薬剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる動脈瘤の予防及び/又は治療薬は、P2X4受容体の阻害薬を有効成分として有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、動脈瘤を適切に予防及び/又は治療できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】RT-PCR解析によるラット実験的誘発脳動脈瘤における(A)COX-2、(B)TNF-α、(C)MCP-1、(D)IL-1β、(E)iNOSのmRNA発現量の比較を示す図である。
【
図2】Western blotting解析によるラット実験的誘発脳動脈瘤における(A)COX-2、(B)TNF-α、(C)MCP-1、(D)IL-1β、(E)iNOSのタンパク発現量の比較を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明するが、当該実施形態は本発明の原理の理解を容易にするためのものであり、本発明の範囲は、下記の実施形態に限られるものではなく、当業者が以下の実施形態の構成を適宜置換した他の実施形態も、本発明の範囲に含まれる。
【0014】
本発明にかかる動脈瘤の予防及び/又は治療薬は、P2X4受容体の阻害薬を有効成分として有する。
【0015】
P2X受容体は、非選択的カチオンチャネルであり、その構造は細胞膜2回貫通型のサブユニット(約400~600アミノ酸残基)が会合してイオンチャネルを形成している。P2X4受容体は、他のP2X受容体よりカルシウム透過性が高い。P2X4受容体はヒトにおいて脳や脊髄、心臓、肺、肝臓、腎臓等幅広い器官に発現している。細胞内での分布は、リソソームに局在する特徴を持つが、リソソーム内腔側のP2X4受容体にある複数の糖鎖のためタンパク分解を免れている。血管内皮細胞に発現するP2X4受容体は、血管拡張反応や血流変化により誘導される血管のリモデリングに関与する。
【0016】
P2X4受容体の阻害薬は、P2X4受容体に対するアンタゴニストである。P2X4受容体に対するアンタゴニストは、例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)が挙げられ、具体的には、パロキセチン、フルオキセチン、フルボキサミン、シタロプラム等が挙げられ、好適にはパロキセチンである。パロキセチンはパキシルという商品名で抗うつ剤として用いられてきており、大きな副作用を持たないことが示されているため、未破裂脳動脈瘤の増大やコイル塞栓術後の再発・再増大に対する予防及び/又は治療薬として臨床応用が期待できる。なお未破裂脳動脈瘤のコイル塞栓術とは、脳動脈瘤内にプラチナ製のコイルを詰めて動脈瘤を閉塞する方法でコイル塞栓術(血管内手術)と呼ばれる。
【0017】
動脈瘤は、特に限定されるものではなく、例えば、腹部大動脈瘤、胸部大動脈瘤、脳動脈瘤等が挙げられるが、好ましくは脳動脈瘤である。脳動脈瘤の形状は、例えば、嚢状又は紡錘状である。最も多いのは嚢状の脳動脈瘤であり、小さなものは内径1-2 mmであり大きなものは内径20-30mmを超えるものがある。
【0018】
本明細書において、「治療」には、症状を治癒すること、症状を改善すること及び症状の進行を抑えることが含まれる。なお未破裂動脈瘤の場合、こぶが神経を圧迫するまではほとんど無症状であり破裂のリスクを有する状態にすぎないが、本明細書においては、未破裂動脈瘤が神経を圧迫する場合及び神経を圧迫せずに破裂のリスクを有する潜在的な場合もともに「症状」に包含されるものとする。具体的には未破裂動脈瘤を消滅させること、未破裂動脈瘤の増大を抑制することが含まれる。未破裂動脈瘤の増大を抑制するとは、未破裂動脈瘤の内径を縮小させること、未破裂動脈瘤の内径の増大を抑制(即ち内径の増大が予想された未破裂動脈瘤の内径の現状を維持すること。)することが含まれる。一方、「予防」には疾患の発症を抑えること及び遅延させることが含まれ、疾患になる前の予防だけでなく、治療後の疾患の再発に対する予防も含まれる。具体的には、動脈瘤の発症を抑えること及び発症遅延が含まれ、脳動脈瘤コイル塞栓術後の再発予防が含まれる。
【0019】
脳動脈瘤は血流ストレス依存的な脳血管壁の慢性炎症性疾患として定義でき、脳動脈瘤形成と炎症性マーカーとの関連性が存在する。脳血管の血管壁障害に関わる白血球遊走・接着因子であるP-selectin, E-selectin, cellular adhesion moleoule-1(ICAM-1), vascular cell adhesion molecule-1(VCAM-1)及びP-selectin glyroprtein ligand 1 (PSGL-1)や炎症関連分子であるMMP-9等が脳動脈瘤の発生及び増大に関与していると考えられる。
【0020】
脳血管壁の炎症反応を担う細胞種としてマクロファージが、因子としてNF-κB活性化やCOX-2-PGE2-EP2経路が同定されている。そのためCOX-2を阻害すれば脳動脈瘤の病態抑制が可能となる。
【0021】
また炎症関連因子であるTNF-αやマクロファージ遊走因子であるMCP-1も脳動脈瘤の発生に関与しておりこれらを阻害すれば脳動脈瘤の病態抑制が可能となる。
【0022】
またNO合成酵素の一つである誘導型一酸化窒素合成酵素(induced nitric oxide synthase;iNOS)は脳動脈瘤に発現しており、iNOS遺伝子の発現を阻害すれば脳動脈瘤の病態抑制が可能となる。
【0023】
脳動脈瘤形成の初期段階から脳動脈瘤壁局所で、プロコラーゲン蛋白発現が減少することが確認されており、サイトカインIL-1βは、容量依存的にプロコラーゲン遺伝子発現を有意に低下させる。そのためIL-1βの発現を阻害すれば脳動脈瘤の病態抑制が可能となる。
【0024】
後述の実施例に示されるように、本発明によれはパロキセチン等のP2X4受容体の阻害薬を投与することにより動脈瘤関連因子であるCOX-2、TNF-α、MCP-1、iNOS、IL-1β等の発現を低下させ、例えば脳動脈瘤の増大を抑制できる。
【0025】
本発明にかかる動脈瘤の予防及び/又は治療薬は、有効成分としてのP2X4受容体の阻害薬を含む他、一般に医薬に使用される添加剤を含んでいてもよい。
【0026】
添加剤としては、賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、矯味矯臭剤、乳化剤、界面活性剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤、安定化剤、吸収促進剤等を挙げることができ、所望により、これらを適宜組み合わせて使用することもできる。
【0027】
具体的には、上記賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、ブドウ糖、コーンスターチ、マンニトール、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム等を挙げることができる。上記結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等を挙げることができる。上記滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、ポリエチレングリコール、コロイドシリカ等を挙げることができる。上記崩壊剤としては、例えば結晶セルロース、寒天、ゼラチン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム等を挙げることができる。上記着色剤としては、例えば三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カルミン、カラメル、β-カロチン、酸化チタン、タルク、リン酸リボフラビンナトリウム、黄色アルミニウムレーキ等、医薬品に添加することが許可されているものを挙げることができる。上記矯味矯臭剤としては、例えばココア末、ハッカ脳、芳香散、ハッカ油、メントール、竜脳、桂皮末等を挙げることができる。上記乳化剤又は界面活性剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等を挙げることができる。上記溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、安息香酸ベンジル、エタノール、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリソルベート80、ニコチン酸アミド等を挙げることができる。上記懸濁化剤としては、前記界面活性剤のほか、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子を挙げることができる。上記等張化剤としては、例えばブドウ糖、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール等を挙げることができる。上記緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液を挙げることができる。上記防腐剤としては、例えばメチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等を挙げることができる。上記抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸、α-トコフェロール等を挙げることができる。上記安定化剤としては、アスコルビン酸、エデト酸ナトリウム、エリソルビン酸、トコフェロール等を挙げることができる。上記吸収促進剤としては、ミリスチン酸イソプロピル、トコフェロール、カルシフェロール等を挙げることができる。
【0028】
本発明にかかる動脈瘤の予防及び/又は治療薬の投与量は、有効成分としてのP2X4受容体の阻害薬が、レシピエントに対して毒性を示さない範囲の値で適宜設定することができる。例えば、レシピエントの体格や年齢、性別等により、また症状の程度等により至適量を適宜決定することができる。また投与間隔、回数についても同様である。特に限定されるものではないが例えば成人1人当たり1日当たり0.01~1,000mgとすることが可能である。具体的には、0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、250、又は、500mgとすることが可能である。好ましくは1日10~40mgである。
【実施例0029】
(1)脳動脈瘤の縮小化の検証
脳動脈瘤誘発ラットを作製した。7週齢のSprague-Dawley ラットを購入し、sodium pentobarbital (40 mg/kg)を腹腔内注射後に左頸動脈及び左腎動脈を10-0 ナイロン糸で結紮した。術後より8%塩化ナトリウムと0.2% BAPNを混合した特殊飼料を与えた。脳動脈瘤の初期変化は以下の手順によって確認した。sodium pentobarbital (40 mg/kg)を腹腔内注射後に開胸し心臓を露出させ、心尖部より左心室に23Gの翼状針を留置し、4% paraformaldehydeで還流し、脳を取り出し、4% paraformaldehydeに一晩つけたのちに脳血管を取り出し、連続凍結切片を作成し、顕微鏡下で脳血管を観察した。
【0030】
次にパロキセチンを上述の脳動脈瘤誘発ラットに3週間投与したところ、非投与群に比べ有意に脳動脈瘤の内径が縮小した(表1)。なおヒト脳動脈瘤の内径を測定する方法としてはMRA、3D-CTA、3D-DSA等での計測や、DSA撮影時に既知の大きさのディスクやコイン等でキャリブレーションする方法等があるが、本実施例においては、顕微鏡下で連続凍結切片を観察してラット脳動脈瘤の最大径を計測した。脳動脈瘤誘発手術施行2週間後にラットにパロキセチンを1週間投与したところ、非投与群に比べ有意に最大径が小さかった(表1)。なお脳動脈瘤誘発手術施行2週間後ですべてのラットに動脈瘤がすでに発生していた。これによりパロキセチンを1週間投与することにより、未破裂脳動脈瘤を縮小できることが証明されたため、パロキセチンは未破裂脳動脈瘤の治療及び/又は予防剤として有益である。
【0031】
【0032】
(2)脳動脈瘤関連因子の検証
脳動脈瘤の成長に関連していると報告されている種々の炎症因子(MCP-1, IL1s,TNFα, iNOS, and COX-2)の発現量をPCR法及びWestern blotting法にて検討した。
図1は、RT-PCR解析によるラット実験的誘発脳動脈瘤における(A)COX-2、(B)TNF-α、(C)MCP-1、(D)IL-1β、(E)iNOSのmRNA発現量の比較を示す図である。
図2は、Western blotting解析によるラット実験的誘発脳動脈瘤における(A)COX-2、(B)TNF-α、(C)MCP-1、(D)IL-1β、(E)iNOSのタンパク発現量の比較を示す図である。非手術ラット群にくらべ脳動脈瘤誘発手術群ではすべての炎症因子のタンパクやmRNAの発現が有意に上昇しており、さらに手術群にパロキセチンを投与することでこれらすべての炎症因子の発現が有意に低下していた(
図1、2)。