(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040381
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】日射遮蔽装置用の操作装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/78 20060101AFI20240315BHJP
E06B 9/324 20060101ALI20240315BHJP
E06B 9/42 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
E06B9/78
E06B9/324
E06B9/42 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024019615
(22)【出願日】2024-02-13
(62)【分割の表示】P 2020128710の分割
【原出願日】2020-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000109923
【氏名又は名称】トーソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】金子 敦
(57)【要約】
【課題】複数の遮蔽材のうち操作したい遮蔽材の操作を容易にする技術を提供する。
【解決手段】本発明に係る日射遮蔽装置100は、ヘッドレールと、ヘッドレールの長手方向に沿って、ヘッドレールに対して昇降可能に支持された複数の遮蔽材12,13と、複数の遮蔽材12,13それぞれの昇降操作の用に供された複数のコード16,17と、ヘッドレールに取り付けられていて、複数のコード16,17をそれぞれ巻取り及び巻出し可能な複数のコードプーリを有する操作装置1と、を備える。操作装置1は、複数のコード16,17それぞれを内外に案内する複数の案内部4,5を有し、複数の案内部4,5の操作装置1における位置はそれぞれ、複数の遮蔽材12,13同士の位置関係と同じ位置関係である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドレールと、
前記ヘッドレールの長手方向に沿って、該ヘッドレールに対して昇降可能に支持された複数の遮蔽材と、
前記複数の遮蔽材それぞれの昇降操作の用に供された複数の操作コードと、
前記ヘッドレールに取り付けられていて、前記複数の操作コードをそれぞれ巻取り及び巻出し可能な複数のコードプーリを有する操作装置と、
を備え、
前記操作装置は、前記複数の操作コードそれぞれを内外に案内する複数の案内部を有し、
前記複数の案内部の前記操作装置における位置はそれぞれ、前記複数の遮蔽材同士の位置関係と同じ位置関係である
ことを特徴とする日射遮蔽装置。
【請求項2】
前記複数の遮蔽材は、昇降方向に交差する方向であって前記長手方向に交差する短手方向に互いに所定の間隔をあけて前記ヘッドレールに支持された第1遮蔽材及び第2遮蔽材であり、
前記第1遮蔽材の昇降操作の用に供された操作コード用の第1案内部は、前記短手方向において前記第1遮蔽材の側に位置し、
前記第2遮蔽材の昇降操作の用に供された操作コード用の第2案内部は、前記短手方向において前記第2遮蔽材の側に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の日射遮蔽装置。
【請求項3】
前記複数の遮蔽材は、前記遮蔽材の昇降方向において互いに上下に連結されて上側の第1遮蔽材及び下側の第2遮蔽材であり、
前記第1遮蔽材の昇降操作の用に供された操作コード用の第1案内部、及び前記第2遮蔽材の昇降操作の用に供された操作コード用の第2案内部はそれぞれ、前記昇降方向において異なる高さ位置に設けられており、
前記第1案内部は、前記第2案内部に対して上側に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の日射遮蔽装置。
【請求項4】
日射遮蔽装置のヘッドレールに対して昇降自在に支持された複数の遮蔽材の昇降操作に用いられ、
前記ヘッドレールに取り付けられ、
前記複数の遮蔽材それぞれの昇降の用に供された複数の操作コードをそれぞれ巻取り及び巻出し可能な複数のコードプーリと、
前記コードプーリを収容するケースと、
を備え、
前記ケースは、前記複数の操作コードそれぞれを内外に案内する複数の案内部を有し、
前記複数の案内部の前記ケースにおける位置はそれぞれ、前記複数の遮蔽材同士の位置関係と同じ位置関係である
ことを特徴とする日射遮蔽装置用の操作装置。
【請求項5】
前記複数の案内部は、前記遮蔽材の昇降方向に交差する方向であって前記ヘッドレールの長手方向に交差する短手方向に互いに所定の間隔をあけて設けられた第1案内部と第2案内部であり、
第1案内部は、前記ヘッドレールにおいて前記第1案内部の側で支持された遮蔽材に対する操作コードを案内し、
第2案内部は、前記ヘッドレールにおいて前記第2案内部の側で支持された遮蔽材に対する操作コードを案内する
ことを特徴とする請求項4に記載の日射遮蔽装置用の操作装置。
【請求項6】
前記複数のコードプーリは、前記昇降操作時に互いに異なる方向に回転し、かつ前記昇降方向において上下に配置されており、
下側のコードプーリと上側のコードプーリとの間で前記上側のコードプーリに対応する前記操作コードを前記ケースの内側から外側に向かってガイドする、前記ケース内で回転可能に支持されたローラをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の日射遮蔽装置用の操作装置。
【請求項7】
前記複数の案内部は、昇降方向において互いに上下に連結された遮蔽材の昇降方向において上下に間隔をあけて設けられた上側の第1案内部及び下側の第2案内部であり、
前記第1案内部は、上側の遮蔽材に対する前記操作コードを案内し、
前記第2案内部は、下側の遮蔽材に対する前記操作コードを案内する
ことを特徴とする請求項4に記載の日射遮蔽装置用の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日射遮蔽装置及び日射遮蔽装置用の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘッドボックス(ヘッドレール)と、ヘッドボックスに巻取りコードを介して昇降自在に連結された2つの遮蔽材と、を備えた、ブラインド、カーテン、間仕切り等の遮蔽装置(日射遮蔽装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。2つの遮蔽材は、互いに昇降方向に上下に並設されていている。2つの遮蔽材に対してそれぞれ操作コードが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の遮蔽材を備えた日射遮蔽装置においては、各遮蔽材に対応する操作コードを操作して遮蔽材を昇降させる。しかしながら、例えば、複数ある操作コードのうち、どの操作コードがどの遮蔽材の操作の用に供されているのか一義的にわかりにくいことがある。そのため、操作者は、操作したい遮蔽材ではない遮蔽材を操作することがあった。
【0005】
また、例えば、特許文献1では、上下に並設された遮蔽材に対して、各操作コードは左右に配置されていた。そのため、上側の遮蔽材が左右どちらの操作コードと対応しているかが明確ではなく、操作したい遮蔽材ではない方の遮蔽材を操作してしまうことがあった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の遮蔽材のうち操作したい遮蔽材の操作を容易にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る日射遮蔽装置は、ヘッドレールと、前記ヘッドレールの長手方向に沿って、該ヘッドレールに対して昇降可能に支持された複数の遮蔽材と、前記複数の遮蔽材それぞれの昇降操作の用に供された複数の操作コードと、前記ヘッドレールに取り付けられていて、前記複数の操作コードをそれぞれ巻取り及び巻出し可能な複数のコードプーリを有する操作装置と、を備え、前記操作装置は、前記複数の操作コードそれぞれを内外に案内する複数の案内部を有し、前記複数の案内部の前記操作装置における位置はそれぞれ、前記複数の遮蔽材同士の位置関係と同じ位置関係であることを特徴とする。
【0008】
さらに、上記課題を解決するために、本発明に係る日射遮蔽装置用の操作装置は、日射遮蔽装置の筺状のヘッドレールに対して昇降自在に支持された複数の遮蔽材の昇降操作に用いられ、前記ヘッドレールに取り付けられ、前記複数の遮蔽材それぞれの昇降の用に供された複数の操作コードをそれぞれ巻取り及び巻出し可能な複数のコードプーリと、前記コードプーリを収容するケースと、を備え、前記ケースは、前記複数の操作コードそれぞれを内外に案内する複数の案内部を有し、前記複数の案内部の前記ケースにおける位置はそれぞれ、前記複数の遮蔽材同士の位置関係と同じ位置関係であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の遮蔽材のうち操作したい遮蔽材の操作を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施の形態に係る日射遮蔽装置の正面図である。
【
図3】日射遮蔽装置における操作装置の斜視図である。
【
図6】
図3におけるVI-VI線に沿った操作装置の断面図である。
【
図7】操作装置のプーリ操作駆動ユニットの分解斜視図である。
【
図8】ケースの構成を説明するための斜視図であり、ケースを斜め右上から見た図である。
【
図9】コードガイド部材の構成を説明するための図であり、(a)は斜視図であり、(b)は前側から見た正面図であり、(c)は上側から見た平面図である。
【
図10】
図9(c)のX-X線に沿った断面図である。
【
図11】
図6におけるXI-XI線に沿った断面図である。
【
図12】
図5のXII-XII線に沿った断面図である。
【
図13】規制部材の構成を説明するための図であり、(a)は操作コードの垂下方向に沿った規制部材の縦断面図であり、(b)は(a)のXIII部分の拡大図である。
【
図14】コードプーリの構成を説明するための図であり、(a)はコードプーリを右側から見た斜視図であり、(b)はコードプーリを左側から見た斜視図である。
【
図15】カバーを取り外した状態における操作装置を示す図である。
【
図16】ワンウェイクラッチ装置のハウジングの構成を説明するための斜視図であり、(a)はハウジングを右側から見た斜視図であり、(b)はハウジングを左側から見た斜視図である。
【
図17】操作装置のクラッチユニットの斜視図である。
【
図19】クラッチユニットのカムドラムの構成を説明するための展開図であり、クラッチユニットの解除状態を示す。
【
図20】クラッチユニットの噛合状態を示すカムドラムの展開図である。
【
図21】クラッチユニットの回転停止状態(クラッチばね滑り状態)を示すカムドラムの展開図である。
【
図22】前幕の位置が保持される保持状態を示すカムドラムの展開図である。
【
図23】第2の実施の形態に係る日射遮蔽装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
本発明に係る日射遮蔽装置は、公知の日射遮蔽装置であり、特定の日射遮蔽装置に限定されず、遮蔽材としては、畳上げカーテン(ローマンシェード)、バーチカルブラインド、アルミブラインド、プリーツスクリーン、シャッター等に適用可能である。例えば、本発明に係る操作装置1は、
図1,2に示す日射遮蔽装置100に適用される。
【0013】
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態に係る日射遮蔽装置の正面図である。
図2は、
図1に示す日射遮蔽装置の側面図である。日射遮蔽装置100は、例えば、窓枠や窓周辺の壁に固定されて、室内からの外部の視認を可能にしたり、外部からの室内の視認を妨げたり、また、室内への光や風の取り入れを可能にしたり、室内への光や風の進入を防いだりする覆いである。
【0014】
なお、説明の便宜上、日射遮蔽装置100のヘッドレール101が延びる方向を長手方向(左右方向)LRとする。また、長手方向LRにおいて、例えば、屋内側から見た
図1において左側を「左側L」とし、右側を「右側R」とする。さらに、ヘッドレール101に対して遮蔽材12,13が垂下している方向又は昇降する方向を上下方向(垂下方向、昇降方向)UDとする。また、上下方向UDにおいて、ヘッドレール101の側を「上側U」とし、ヘッドレール101から下方に離れる側を「下側D」とする。さらに、長手方向LR及び上下方向UDに交差する方向を短手方向(前後方向)FBとする。また、短手方向において、例えば、屋内側を「前側F」とし、室外側を「後側B」とする。
【0015】
第1の実施の形態に係る日射遮蔽装置100は、筺状のヘッドレール101と、2枚の遮蔽材12,13と、昇降コード14,15と、操作コード16,17を有する操作装置1と、を備える。
【0016】
第1の実施の形態に係る日射遮蔽装置100は、ヘッドレール101と、ヘッドレール101の長手方向LRに沿って、ヘッドレール101に対して昇降可能に支持された前幕12及び後幕13と、前幕12及び後幕13それぞれの昇降操作の用に供された複数の操作コード16,17と、ヘッドレール101に取り付けられていて、操作コード16,17をそれぞれ巻取り及び巻出し可能なコードプーリ21,31を有する操作装置1と、を備える。操作装置1は、操作コード16,17それぞれを内外に案内する複数の案内部(以下、「コードガイド部材」ともいう)40,50を有し、複数の案内部40,50の操作装置1における位置はそれぞれ、複数の遮蔽材12,13同士の位置関係と同じ位置関係である。
【0017】
また、前幕12及び後幕13は、昇降方向UDに交差する方向であって長手方向LRに交差する短手方向FBに互いに所定の間隔をあけてヘッドレール101に支持されている。前幕12の昇降操作の用に供された操作コード16用の第1案内部40は、短手方向FBにおいて前幕12の側に位置し、後幕13の昇降操作の用に供された操作コード17用の第2案内部50は、短手方向FBにおいて後幕13の側に位置する。以下、日射遮蔽装置100の構成について説明する。
【0018】
ヘッドレール101は、内部に収容空間を有した長尺の筺状に形成される。ヘッドレール101は、ブラケット102を有している。ヘッドレール101は、ブラケット102を介して、例えば、窓枠や窓周辺の壁等の取付け対象に取り付けられる。ヘッドレール101の長手方向LRの一方の端部(
図1において右側R)には、後述する操作装置1が取り付けられている。なお、ヘッドレール101は、筺状に限定されず、短手方向FBに沿った断面がI型であってもよい。また、操作装置1は、ヘッドレール101の内部に取り付けることもできる。
【0019】
ヘッドレール101の内部には、上下方向UDにおいて互いに上下に配置された3つの巻取りドラム112a,113aが設けられている。巻取りドラム112aは、巻取りドラム113aに対して下側Dに位置する。
【0020】
巻取りドラム112aは、ヘッドレール101の長手方向LRに沿って並んで配置されている。各巻取りドラム112aは、昇降軸112bにより互いに連結されている。昇降軸112bは、ヘッドレール101において回転可能に支持されている。
【0021】
巻取りドラム113aは、ヘッドレール101の長手方向LRに沿って並んで配置されている。各巻取りドラム113aは、昇降軸113bにより互いに連結されている。昇降軸113bは、ヘッドレール101において回転可能に支持されている。
【0022】
なお、日射遮蔽装置100において、各巻取りドラム112a,113aの数は特に限定されない。
【0023】
前幕12及び後幕13は、ヘッドレール101の長手方向LRに沿って、ヘッドレールLRに対して昇降可能に支持されている。前幕12は、遮蔽材13に対して短手方向FBにおいて屋内側Fに位置する。後幕13は、前幕12に対して短手方向FBにおいて屋外B側に位置する。
【0024】
前幕12は、3本の昇降コード14を介してヘッドレール101に対して巻き上げられる。各昇降コード14は、一端において各巻取りドラム112aに固定されている。各昇降コード14は、他端において上下方向UDにおける前幕12の下側の端部にコードアジャスタ141を介して前幕12の後幕13に面する側に取り付けられている。
【0025】
前幕12は、操作装置1から昇降軸112bを介して伝達された回転力により、各昇降コード14が各巻取りドラム112aに巻き取られることで上昇し、また、巻き出されることで降下する。
【0026】
後幕13は、3本の昇降コード15を介してヘッドレール101に対して巻き上げられる。各昇降コード15は、一端において各巻取りドラム113aに固定されている。各昇降コード15は、他端において上下方向UDにおける後幕13の下側の端部にコードアジャスタ151を介して後幕13の前幕12とは反対の側(後側B)に取り付けられている。
【0027】
後幕13は、操作装置1から昇降軸113bを介して伝達された回転力により、各昇降コード15が各巻取りドラム113aに巻き取られることで上昇し、また、巻き出されることで降下する。なお、
図1において各昇降コード15は、前幕12の昇降コード14と前後方向FBにおいて重なっているため見ることはできない。
【0028】
なお、本実施の形態において昇降コード14,15は、3箇所から垂下されているが、日射遮蔽装置100の長さ、巻取りドラム112a,113aの設置数等に応じ1箇所、2箇所又は4箇所以上から垂下されていてもよい。
【0029】
図3は、日射遮蔽装置における操作装置の斜視図である。
図4は、操作装置を前側からみた正面図である。
図5は、操作装置を右側から見た側面図である。
【0030】
本実施の形態に係る操作装置1は、日射遮蔽装置100のヘッドレール101に対して昇降自在に支持された前幕12及び後幕13の昇降操作に用いられ、ヘッドレールに取り付けられ、前幕12及び後幕13それぞれの昇降の用に供された操作コード16,17をそれぞれ巻取り及び巻出し可能な複数のコードプーリ21,31と、コードプーリ21,31を収容するケース11と、を備える。ケース11は、操作コード16,17それぞれを内外に案内するコードガイド部材40,50を有し、コードガイド部材40,50のケース11における位置はそれぞれ、前幕12及び後幕13同士の位置関係と同じ位置関係である。
【0031】
また、コードガイド部材40,50は、前幕12及び後幕13の昇降方向UDに交差する方向であって長手方向LRに交差する短手方向FBに互いに所定の間隔をあけて設けられている。コードガイド部材(第1案内部)40は、ヘッドレール101においてコードガイド部材40の側(前側F)で支持された前幕12に対する操作コード16を案内し、コードガイド部材(第2案内部)50は、ヘッドレール101においてコードガイド部材50の側(後側B)で支持された後幕13に対する操作コード17を案内する。
【0032】
また、コードプーリ21,31は、昇降操作時に互いに異なる方向R1,R2に回転し、かつ昇降方向UDにおいて上下に配置されている。下側のコードプーリ21と上側のコードプーリ31との間で上側のコードプーリ31に対応する操作コード17をケース11の内側から外側に向かってガイドする、ケース11内で回転可能に支持されたローラ85をさらに備える。以下、操作装置1の構成について説明する。
【0033】
日射遮蔽装置100において操作装置1は、例えば、ヘッドレール101の右側Rの端部に取り付けられている。操作装置1は、この操作装置1から垂下した操作コード16,17の操作に応じて、前幕12及び後幕13をそれぞれ個別に昇降動作させる。操作装置1は、2つのプーリ操作駆動ユニット20,30と、2つのクラッチユニット60,70と、操作コード16,17と、規制部材18,19と、を有する。
【0034】
操作コード16,17は、後述する操作装置1のコードプーリ21,31を駆動して、前幕12及び後幕13の昇降を操作するために用いられる。操作コード16,17は、一端が後述する操作装置1のコードプーリ21,31に固定されている。操作コード16,17は、前後方向FBにおいて所定の間隔をあけて、操作装置1から垂下している。
【0035】
プーリ操作駆動ユニット20,30は、操作コード16,17を引くことにより、前幕12及び後幕13を昇降させるための駆動力を形成する。
図6は、
図3におけるVI-VI線に沿った操作装置の断面図である。
図7は、プーリ操作駆動ユニットの分解斜視図である。
【0036】
プーリ操作駆動ユニット20,30は、上下方向UDに並んで配置されている。プーリ操作駆動ユニット20は、上下方向UDにおいてプーリ操作駆動ユニット30に対して下側に位置する。プーリ操作駆動ユニット30は、上下方向UDにおいてプーリ操作駆動ユニット20に対して上側に位置する。プーリ操作駆動ユニット20,30は、前幕12及び後幕13の昇降操作時に互い異なる方向R1,R2に回転する。
【0037】
プーリ操作駆動ユニット20は、前幕12の昇降操作のために設けられている。プーリ操作駆動ユニット30は、後幕13の昇降操作のために設けられている。プーリ操作駆動ユニット20,30は、共通のケース11に収容されている。プーリ操作駆動ユニット20,30はそれぞれ、コードプーリ21,31と、ワンウェイクラッチ装置22,32と、を有する。
【0038】
図8は、ケースの構成を説明するための斜視図であり、ケースを斜め右上から見た図である。ケース11は、コードプーリ21,31及びワンウェイクラッチ装置22,32を収容している。プーリ操作駆動ユニット20のコードプーリ21及びワンウェイクラッチ装置22は、互いに係合して長手方向LRに沿って並んでいる。コードプーリ21及びワンウェイクラッチ装置22は、同一の回転軸線x1を中心に一緒に回動可能に配置されている。また、プーリ操作駆動ユニット30のコードプーリ31及びワンウェイクラッチ装置32は、互いに係合して長手方向LRに沿って並んでいる。コードプーリ31及びワンウェイクラッチ装置32は、同一の回転軸線x2を中心に一緒に回動可能に配置されている。
【0039】
ケース11における収容空間Sは、側壁111と、前壁112と、後壁113と、上壁114と、下壁115とによって画定されている。ケース11は、長手方向LRにおいてヘッドレール101とは反対側であって右側Rを向く方向に開放しており、カバー116によって閉鎖されている。
【0040】
側壁111は、長手方向LRにおいてクラッチユニット60,70の側(左側L)に位置する。前壁112は、前後方向FBにおいてブラケット102とは反対側(前側F)に位置する。後壁113は、ブラケット102が取り付けられている側で、前後方向FBにおいて前壁112に対向する側(後側B)に位置する。上壁114は、上下方向UDにおいてケース11の上側Uに位置する。下壁115は、上下方向UDにおいて上壁114に対向する側(下側D)に位置する。
【0041】
下壁115において側壁111とは反対側に、長手方向LRに沿って側壁111に向かって部分的に延在する凹部117が形成されている。下壁115は、前後方向FBにおいて中央部分に、カバー116の側に突出する突出部115aを有する。前後方向FBにおいて突出部115aを挟んで2つの収容部117F,117Bが形成されている。
【0042】
収容部117F,117Bは、前後方向FBにおいて所定の間隔をあけている。収容部117Fは、前後方向FBにおいて前壁112の側に位置する。収容部117Bは、前後方向FBにおいて後壁113の側に位置する。収容部117Fにおいて前壁112及び突出部115aの互いに対向する面にはそれぞれガイド条片115bを有する。また、収容部117Bにおいて後壁113及び突出部115aの互いに対向する面にはそれぞれガイド条片115cを有する。ガイド条片115b,115cは、長手方向LRに延在している。
【0043】
ケース11は、さらに2つのコードガイド部材(案内部)40,50を有する。コードガイド部材40,50は、下壁115の凹部117の位置でケース11に取り付けられている。コードガイド部材40,50は、一端がコードプーリ21,31にそれぞれ固定された操作コード16,17をケース11の内外に案内する。コードガイド部材40,50は、前後方向FBにおいて互いに所定の間隔をあけて凹部117に設けられている。なお、コードガイド部材40,50は、互いに同じ構成であるので、以下ではコードガイド部材40を例にその構成を説明する。
【0044】
図9は、コードガイド部材の構成を説明するための図であり、(a)は斜視図であり、(b)は前側から見た正面図であり、(c)は上側から見た平面図である。
図10は、
図9(c)のX-X線に沿った断面図である。コードガイド部材40は、平面視略方形状の角筒状部材である。コードガイド部材40は、案内孔41と、係合凹部42と、傾斜部43と、を有する。
【0045】
案内孔41は、コードガイド部材40がケース11に取り付けられた状態において、上下方向UDに延びる軸線x3に沿って延在する。後述する操作コード16の巻取り部161が案内孔41を通じてケース11の外部に導出されている。
【0046】
係合凹部42は、下壁115における凹部117の収容部117Fにおいてガイド条片115cと係合する。係合凹部42は、コードガイド部材40外面から軸線x3に向かって凹に形成されている。係合凹部42は、軸線x3を中心に環状に延在している。
【0047】
傾斜部43は、軸線x3に対して斜めに延びる斜面44を有する。傾斜部43の斜面44は、コードガイド部材40がケース11に取り付けられた状態においてカバー116の側(右側R)を向いている。傾斜部43は、さらに斜面44における案内孔41の部分が凹に形成された凹部45を有する。操作コード16の非操作状態において凹部45に、後述する規制部材18のジョイントカバー部181が当接する。凹部45は、ジョイントカバー部181の先端部183を収容するような形状を有する。
【0048】
2つのコードガイド部材40,50の操作装置1における位置はそれぞれ、前幕12及び後幕13同士の位置関係と同じ位置関係である。
図11は、
図6におけるXI-XI線に沿った断面図である。前幕12に連結された操作コード16用のコードガイド部材40は、前後方向(短手方向)FBにおいて後幕13に連結された操作コード17用のコードガイド部材50に対して、前幕12の側に位置する。つまり、コードガイド部材40は、前後方向FBにおいてコードガイド部材50に対して前側Fに位置する。これにより、前幕12を昇降させたい場合、操作者は相対的に前側Fにある操作コード16を選択して引っ張ることにより前幕12を誤ることなく昇降させることができる。
【0049】
同様に、前後方向FBにおいて後側Bに位置する後幕13の操作用の操作コード17を操作装置1から内外に案内するコードガイド部材50は、前後方向FBにおいて前側Fに位置する前幕12の操作用の操作コード16を操作装置1から内外に案内するコードガイド部材40に対して後側Bに位置している。これにより、後幕13を昇降させたい場合、操作者は相対的に後側Bにある操作コード17を選択して引っ張ることにより後幕13を誤ることなく昇降させることができる。
【0050】
なお、本実施の形態においてコードガイド部材40,50は、ケース11とは別体に形成されていたが、ケース11の下壁115に一体に形成されていてもよい。この場合、下壁115の前後方向FBにおいて所定の間隔をあけた位置に孔等が形成されている。
【0051】
操作コード16は、操作コード17に対して屋内(前側F)に位置する。操作コード17は、操作コード16に対して屋外(後側)Bに位置する。操作コード16は、前幕12の昇降を操作するためのものである。操作コード17は、後幕13の昇降を操作するためのものである。
【0052】
操作コード16,17には、操作コード16,17がケース11内に巻取られることを規制する規制部材18,19が取り付けられている。操作コード16,17は、筒状の操作グリップ163,173を有する。操作グリップ163,173は、規制部材18,19に固定されていない側の操作コード16,17の操作部162,172の端部に取り付けられている(
図2参照)。なお、操作コード16,17は、互いに同じ構成であるので、以下では操作コード16を例にその構成を説明する。
【0053】
図12は、
図5のXII-XII線に沿った断面図である。
図13は、規制部材の構成を説明するための図であり、(a)は操作コードの垂下方向に沿った規制部材の縦断面図であり、(b)は(a)のXIII部分の拡大図である。操作コード16は、巻取り部161と、操作部162と、を有する。巻取り部161と操作部162とは、規制部材18により互いに連結されている。
【0054】
規制部材18,19は、操作コード16,17に取り付けられて前幕12及び後幕13の非昇降操作時にケース11と接触して、操作コード16,17がケース11内へ巻き取られることを規制する。規制部材18,19は、先端部183,193において前幕12及び後幕13の非昇降操作時にケース11に接触している。規制部材18,19の底部187,197は、先端部183,193に対して長手方向LRにおいてヘッドレール101とは反対の側(右側R)に位置する。なお、規制部材18,19は、互いに同じ構成であるので、以下では規制部材18を例にその構成を説明する。
【0055】
規制部材18は、ジョイントカバー部181と、ジョイント部182と、を有する。ジョイントカバー部181及びジョイント部182は、互いに係合している。
【0056】
規制部材18は、操作コード16に取り付けられた状態において、ケース11の側に位置するジョイントカバー部181の先端部183において、前幕12の非昇降操作時に、コードガイド部材40に接触している。この接触状態において、ケース11とは反対側のジョイント部182の基端(底部187)がジョイントカバー部181の先端部183に対して長手方向LRにおいて右側Rに位置する。
【0057】
ジョイントカバー部181は、略円錐筒状の部材としてゴム等の弾性材料によって形成されている。なお、ジョイントカバー部181は、弾性変形可能な材料により形成されていればよい。ジョイントカバー部181は、ケース11に接触する側で先端部183によって閉鎖されていて、基端側で開口している。
【0058】
ジョイントカバー部181は、ジョイント部182の挿入方向Inに沿った軸線x4に沿って先端部183に向かって先細るようにして形成されている。先端部183は、ドーム状に湾曲している。先端部183の略中心部分には孔184が形成されている。ジョイントカバー部181は、環状の溝185を有する。溝185は、基端側の端部で内面に凹状に形成されている。
【0059】
ジョイント部182は、円錐柱状の部材として、例えば、ゴム、合成樹脂等により形成されている。ジョイント部182は、柱状部186と、底部187とを有する。ジョイント部182は、柱状部186においてジョイントカバー部181の基端側から挿入されている。挿入方向Inにおいて柱状部186の先端は、ドーム状に湾曲している。
【0060】
柱状部186は、貫通孔188と、突条部189と、を有する。貫通孔188は、軸線x4に沿って柱状部186の先端から底部187にわたって延びている。なお、柱状部186は、軸線x4に交差する方向にも貫通している。突条部189は、外側に向かって凸に形成されている。突条部189は、底部187の側で周方向に沿って延在する。突条部189は、ジョイントカバー部181の溝185に係合する。
【0061】
底部187は、柱状部186の先端とは反対側で柱状部186と一体に形成されている。底部187は、平面視円形に形成されており、柱状部186よりも大きな径を有する。底部187の外径は、ジョイントカバー部181の基端側の外径と略同じである。
【0062】
ジョイントカバー部の孔184とジョイント部182の貫通孔188は、ジョイントカバー部181にジョイント部182が挿入された状態において同心状であり、互いに整合している。孔184及び上側の貫通孔188を通じて操作コード16の巻取り部161が挿通されている。巻取り部161は、規制部材18内で端部に結び目を有しており、この結び目により孔184及び上側の貫通孔188から抜けないようになっている(
図12参照)。
【0063】
ジョイントカバー部181及びジョイント部182が互いに係合した状態において、ジョイント部182の底部187における貫通孔188を通じて操作コード16の操作部162が挿通されている。操作部162は、規制部材18内で端部に結び目を有しており、この結び目により貫通孔188から抜けないようになっている。
【0064】
ジョイントカバー部181及びジョイント部182が互いに係合した状態で互いの中心を通る軸線x4において、ジョイントカバー部181の先端部183と、ジョイント部182の柱状部186との間にはクリアランスCが設けられている。クリアランスCは、ジョイントカバー部181の変形により縮小される。
【0065】
規制部材18は、ジョイントカバー部181の先端部183がコードガイド部材40に当接した状態において、軸線x4が長手方向LRにおいて下側Dに向かって傾斜するようになっている。ジョイント部182の底部187は、ジョイントカバー部181の先端部183に対してカバー116の側(右側R)に位置する。つまり、操作コード16の操作部162が規制部材18から垂下する位置は、操作コード16の巻取り部161がケース11のコードガイド部材40から進出する位置に対してヘッドレール101とは反対の側(右側R)である。なお、規制部材18は、円筒状に形成されていたがこれに限られず、角筒状に形成されていてもよい。
【0066】
図14は、コードプーリの構成を説明するための図であり、(a)はコードプーリを右側から見た斜視図であり、(b)はコードプーリを左側から見た斜視図である。コードプーリ21,31は、後述するインナプレート80,90の間で回転自在に支持されている。コードプーリ21には、操作コード16の一端が固定されている。コードプーリ31には、操作コード17の一端が固定されている。コードプーリ21,31の外周面には、操作コード16,17が巻き取られる。操作コード16,17は、コードプーリ21,31の外周面に回動軸線x1,x2に沿って所定の範囲(巻取り範囲)211,311において巻き取られる。
【0067】
コードガイド部材40,50が操作コード16,17を内外に案内する案内孔41,51は、長手方向LRにおいてコードプーリ21,31の巻取り範囲211,311と重なる位置にある(
図6参照)。コードプーリ21は、上下方向UDにおいてコードプーリ31に対して下側Dに位置する。コードプーリ31は、上下方向UDにおいてコードプーリ21に対して上側Uに位置する。コードプーリ21,31は、円筒状の巻取り部212,312と、円柱状の係止部213,313と、を有する。なお、コードプーリ21,31は、互いに同じ構成であるので、以下ではコードプーリ21を例にその構成を説明する。
【0068】
巻取り部212は、係止部213の径よりも大きい径を有する。コードプーリ21は、回動軸線x1に沿って巻取り部212において後述するインナプレート80に部分的に回動可能に支持されている。
【0069】
巻取り部212の後述するゼンマイばね23が取り付けられる一端部は、係止部213によって閉鎖されており、他端部は開放されている。巻取り部212は、2つの鍔部214を有する。鍔部214は、軸線x1に沿って巻取り範囲211だけ間隔をあけて設けられている。鍔部214は、巻取り部212の外周面から径方向外側に環状に突出している。
【0070】
巻取り部212は、内周面に係合部(第1係合部)として2つの凸部215を有する。2つの凸部215は、互いに径方向において対向する位置に設けられている。凸部215は、内周面から軸線x1に沿って延在するとともに、軸線x1に向かって突出している。コードプーリ21は、凸部215において、後述するワンウェイクラッチ装置22と係合する。
【0071】
係止部213は、ゼンマイばね23と係合する。係止部213は、円柱状に形成されている。係止部213の先端部にはスリット216が形成されている。スリット216は、係止部213の径方向及び延在方向に沿って延びている。
【0072】
インナプレート80は、上下方向UDに並んだ2つの収容孔81,82を有する。収容孔81は、上下方向UDにおいて収容孔82に対して下側Dに位置する。収容孔81は、コードプーリ21を巻取り部212において回動可能に支持する。収容孔82は、上下方向UDにおいて収容孔81に対して上側Uに位置する。収容孔82は、コードプーリ31を巻取り部において回動可能に支持する。
【0073】
操作装置1は、インナプレート80,90の間にさらにローラ85を備える。ローラ85は、後幕13の昇降操作用のコードプーリ31に巻き取られた操作コード17をケース11の内側から外側に向かってガイドする。つまり、操作コード17は、ローラ85とケース11の後壁113との間を通る。
【0074】
ローラ85は、上下方向UDにおいて上下に配置されているコードプーリ21,31の間に設けられている。ローラ85は、長手方向LRに沿って延在する軸線を中心に回転可能であるようにインナプレート80,90に支持されている。ローラ85は、前後方向FBにおいて後側Bに設けられている。前後方向FBにおいてローラ85が設けられている位置は、コードプーリ31から垂下する操作コード17の延在方向が後壁113の側に向かうような位置である。これにより、ローラ85より下側Dでは操作コード17は、コードプーリ21に巻かれた操作コード16よりも外側を通る(
図11参照)。
【0075】
ゼンマイばね23,33は、例えば、金属製の帯状の弾性部材により形成されている。ゼンマイばね23,33は、渦巻状に形成されている。
図15は、カバーを取り外した状態における操作装置を示す図である。ゼンマイばね23,33は、ケース11においてカバー116の側に設けられている。ゼンマイばね23,33は、インナプレート90に収容されている。
【0076】
ゼンマイばね23,33は、操作コード16,17を巻取り及び巻出し可能に回動自在なコードプーリ21,31に係合している。ゼンマイばね23,33は、操作コード16,17をコードプーリ21,31に巻取るように各コードプーリ21,31を付勢している。
【0077】
ゼンマイばね23,33はそれぞれ、2つの係合部231,232,331,332を有する。係合部231,232,331,332は、ゼンマイばね23,33の周方向における各端部に設けられている。係合部231,331は、ゼンマイばね23,33の径方向において外側の端部に形成されている。係合部231,331は、巻き方向において外側に折り返された部分である。係合部232,332は、ゼンマイばね23,33の径方向において内側の端部に形成されている。係合部232,332は、巻き方向において内側に折り返された部分である。
【0078】
インナプレート90は、上下方向UDに上下に並んだ2つの収容部91,92を有する。収容部91は、上下方向UDにおいて収容部92に対して下側Dに位置する。収容部91は、ゼンマイばね23を収容する。収容部92は、上下方向UDにおいて収容部91に対して上側Uに位置する。収容部92は、ゼンマイばね33を収容する。
【0079】
収容部91,92は、インナプレート90の平板部からカバー116に向かって突き出た壁部911,921により画定されている。壁部911,921にはそれぞれ、スリット912,922が形成されている。壁部911のスリット912は、上下方向UDにおいて収容部91の壁部911の下側Dに形成されている。壁部921のスリット922は、上下方向UDにおいて収容部92の壁部921の上側Uに形成されている。
【0080】
ゼンマイばね23,33の係合部231,331はそれぞれ、収容部91,92のスリット912,922において壁部911,921に係止されている。ゼンマイばね23の係合部232は、コードプーリ21のスリット216においてコードプーリ21に係止されている。ゼンマイばね33の係合部332は、コードプーリ31のスリットにおいてコードプーリ31に係止されている。
【0081】
ワンウェイクラッチ装置22,32はそれぞれ、軸線x1,x2に沿って、コードプーリ21,31とクラッチユニット60,70との間に設けられて回転力をクラッチユニット60,70に伝達する。ワンウェイクラッチ装置22,32は、長手方向LRにおいてコードプーリ21,31に対してクラッチユニット60,70の側に設けられている(
図6)。ワンウェイクラッチ装置22,32はそれぞれ、コードプーリ21,31に挿入されていて、コードプーリ21,31と一体に回転可能である。
【0082】
ワンウェイクラッチ装置22は、コードプーリ21から伝達された出力により、所定の回転方向のみの回転力を下流側のクラッチユニット60に伝達する。ワンウェイクラッチ装置32は、コードプーリ31から伝達された出力により、所定の回転方向のみの回転力を下流側のクラッチユニット70に伝達する。
【0083】
ワンウェイクラッチ装置22,32は、ハウジング221,321と、ワンウェイクラッチ227,327と、を有する(
図7参照)。なお、ハウジング221,321は、互いに同じ構成であるので、以下ではハウジング221を例にその構成を説明する。
【0084】
図16は、ワンウェイクラッチ装置のハウジングの構成を説明するための斜視図であり、(a)はハウジングを右側から見た斜視図であり、(b)はハウジングを左側から見た斜視図である。ハウジング221は、コードプーリ21側の一端が閉鎖された円筒状に形成されている。ハウジング221は、外周面においてコードプーリ21の内周面と係合する。ハウジング221は、コードプーリ21に挿入される挿入部材として形成されている。ハウジング221は、外径の異なる3つの段部222~224を有する。
【0085】
コードプーリ21への挿入方向において、段部222、段部223及び段部224の順に設けられている。ハウジング221の外径は、段部222、段部223及び段部224の順で大きくなっている。
【0086】
段部223は、外周面に係合部(第2係合部)として2つの凸部225を有する。2つの凸部225は、互いに径方向において対向する位置に設けられている。凸部225は、外周面において軸線x1に沿って延在するとともに、外周面から軸線x1から離れる方向に突出している。凸部225の外径は、段部224の外径と略同じである。ワンウェイクラッチ装置22は、凸部225において、コードプーリ21の凸部215と周方向において係合する。
【0087】
ハウジング221は、内周面に3つの凸部226を有する。凸部226は、段部284の内周面に等間隔をあけて設けられている。凸部226は、内周面において軸線x1に沿って延在するとともに、内周面から軸線x1に向かって半円状に突出した部分である。凸部226は、後述するワンウェイクラッチ227と係合する。
【0088】
ワンウェイクラッチ227,327は、外周面においてハウジング221,321の内周面と係合している。ワンウェイクラッチ227,327は、ハウジング221,321に対して相対回動不能である。ワンウェイクラッチ227,327は、操作コード16,17の引き出し方向への回転のみクラッチユニット60,70を介して昇降軸112b,113bに伝達する。ワンウェイクラッチ227,327は、ハウジング221,321に圧入されることで、ハウジング221,321と一体で回転可能となっている。
【0089】
ワンウェイクラッチ227,327は、円板状に形成されている。ワンウェイクラッチ227,327は、ハウジング221,321内に収容されている。ワンウェイクラッチ227,327は、中心に孔と、外周面に3つの凹部とを有する。ワンウェイクラッチ227,327の孔には、後述するクラッチユニット60,70の駆動軸611,711が相対回動不能に挿入されている。
【0090】
凹部は、外周面において軸線x1,x2に沿って延在しており、周方向に等間隔をあけて設けられている。凹部は、外周面から軸線x1,x2に向かって半円状に窪んだ部分である。ワンウェイクラッチ227は、凹部において、ハウジング221の凸部226と相対回動不能に係合している。ワンウェイクラッチ327は、凹部において、ハウジング321の凸部と相対回動不能に係合している。
【0091】
コードプーリ21,31にワンウェイクラッチ装置22,32が挿入された状態において、前幕12及び後幕13の昇降操作状態と非昇降操作状態との切替え時にワンウェイクラッチ装置22,32に対するコードプーリ21,31の空転を可能にするスペースSPが回転方向R1,R2においてコードプーリ21,31とワンウェイクラッチ装置22,32との間に設けられている。コードプーリ21,31は、回転により凸部215,315がワンウェイクラッチ装置22,32の凸部225,325に当接することでワンウェイクラッチ装置22,32を回転させる。
【0092】
図17は、操作装置のクラッチユニットの斜視図である。
図18は、クラッチユニットの分解斜視図である。クラッチユニット60,70は、プーリ操作駆動ユニット20,30のケース11に、カバー116とは反対側で側壁111において連結されている。
【0093】
クラッチユニット60,70はそれぞれ、操作コード16,17の操作時にコードプーリ21,31の回転力が下流側の昇降軸112b,113bに伝達される伝達状態と、操作コード16,17の非操作時にコードプーリ21,31の回転力が下流側の昇降軸112b,113bに伝達されない非伝達状態とに切替自在とする。操作コード16,17の非操作状態において、規制部材18,19は、操作装置1のケース11と接触している。
【0094】
クラッチユニット60,70はそれぞれ、プーリ操作駆動ユニット20,30のワンウェイクラッチ装置22,32に連結されている。クラッチユニット60,70は、伝達側回転部61,71と、被伝達側回転部62,72と、カムドラム63,73と、クラッチケース64,74と、クラッチボール65,75と、を有する。
【0095】
伝達側回転部61,71はそれぞれ、プーリ操作駆動ユニット20,30に連結されている。伝達側回転部61,71は、駆動軸611,711と、クラッチばね筒612,712と、クラッチばね613,713と、伝達側噛合盤614,714と、を有する。
【0096】
駆動軸611,711は、プーリ操作駆動ユニット20,30のワンウェイクラッチ装置22,32に連結されている。駆動軸611は、操作コード16を一方向に引く操作により第1の回転方向(例えば、プーリ操作駆動ユニット20,30の側から見て反時計回りの方向)R1に回転する。また、駆動軸711は、操作コード17を一方向に引く操作により第2の回転方向(例えば、プーリ操作駆動ユニット20,30の側から見て時計回りの方向)R2に回転する。
【0097】
クラッチばね筒612,712は、駆動軸611,711とスプライン結合されている。クラッチばね筒612,712は、駆動軸611,611とともに回転し、かつ軸線x1,x2において駆動軸611,711に沿って駆動軸611,711に対して相対的に移動可能である。
【0098】
クラッチばね筒612,712の外周面には、円筒状のクラッチばね613,713が巻き付けられている。クラッチばね613,713は、その弾力によって、無負荷状態においてはクラッチばね筒612,712の外周面を締め付けている。したがって、クラッチばね613,713は、クラッチばね筒612,712が回転すると一体に回転する。伝達側噛合盤614,714は、軸線x1,x2においてプーリ操作駆動ユニット20,30とは反対側のクラッチばね筒612,712の端部に設けられている。
【0099】
駆動軸611,711は、クラッチばね筒612,712とともにカムドラム63,73内にプーリ操作駆動ユニット20,30の側から装入されている。駆動軸611,711は、カムドラム63,73において回転可能に収容されている。カムドラム63,73は、係合部63a,73aを有する。この係合部63a,73aは、プーリ操作駆動ユニット20,30側のカムドラム63,73の端部を切欠き状に形成されている。クラッチばね613,713は、伝達側回転部61,71とは反対側の端部において係合部63a,73aに係合している。
【0100】
被伝達側回転部62,72は、被駆動軸621,721と、被伝達側噛合盤622,722と、を有する。被伝達側噛合盤622,722は、駆動軸611,711の側の被駆動軸621,721の端部に固定されている。駆動軸611,711は、被伝達側噛合盤622,722とは反対側の端部において、クラッチケース64,74及びカムドラム63,73内に回転可能に収容されている。被駆動軸621,721のプーリ操作駆動ユニット20,30とは反対側の端部は、連結具623,723を介して昇降軸112b,113bに連結されていて、昇降軸112b,113bとともに回転する。
【0101】
カムドラム63,73は、クラッチばね613,713を介してクラッチばね筒612,712とともに回転可能である。また、カムドラム63,73は、クラッチばね613,713が緩んだ際にはクラッチばね筒612,712に対して相対的に回転可能である。さらに、カムドラム63,73は、駆動軸611,711に対して相対的に軸線x1,x2に沿って移動可能である。
【0102】
クラッチケース64,74は、ヘッドレール101に固定されている。カムドラム63,73は、プーリ操作駆動ユニット20,30に向かって開放しており、カムカバー63b,73bによって閉鎖されている。カムドラム63,73は、駆動軸611,711及びクラッチばね筒612,712とともに、クラッチケース64,74内で回転可能に支持されている。
【0103】
カムドラム63,73の外周面には、周回りに無端状にカム溝630,730が形成されている。クラッチケース64,74の内面側に保持溝641,741が形成されている(
図6参照)。そして、クラッチボール65,75は、カム溝630,730及び保持溝641,741に転動可能に収容されている。
【0104】
図19は、クラッチユニットカムドラムの構成を説明するための展開図であり、クラッチユニットの解除状態を示す。なお、カムドラム63,73は同じ構成であるため、以下では、カムドラム63を例にその構成を説明する。カム溝630は、主要な溝として、周方向に無端状に連続して形成されている巻上溝631(一点鎖線の経路参照)を有する。巻上溝631は、噛合部632と、停止部633と、保持部634と、を有する。
【0105】
噛合部632は、基端側(図では右側)に湾曲している。噛合部632は、カムドラム63に対してクラッチボール65,75がここに相対的に移動して位置すると、クラッチユニット60,70の伝達動作を行う。
【0106】
停止部633は、カムドラム63の第1の回転方向(巻き上げ方向)R1とは逆方向に凸状に湾曲している。停止部633は、クラッチボール65がここに相対的に移動して位置すると、カムドラム63の第1の回転方向R1への回転が拘束される。
【0107】
保持部634は、カムドラム63の第1の回転方向R1に凸状に湾曲している。保持部634は、操作コード16を一方向へ引くことを途中で止めて離すと、クラッチボール65がこの保持部634に入り込み、前幕12の自重降下に基づくカムドラム63の第2の回転方向R2への回転が拘束されて、前幕12は自重降下しない。
【0108】
カム溝630は、主解除溝635と、副解除溝636と、を有する。主解除溝635は、保持部634の近傍で巻上溝631から分岐している。主解除溝635は、先端(0°)側に向かう傾斜部637と、その先の突き当たりである主解除部638と、を有する。主解除部638は、クラッチボール65がここに相対的に移動して位置すると、クラッチユニット60は、後述する伝達の解除動作を行う。
【0109】
副解除溝636は、噛合部632の近傍で巻上溝631から分岐している。副解除溝636は、基端(360°)側に向かう傾斜部とその先の突き当たりである副解除部639を有する。副解除部639は、クラッチボール65がここに相対的に移動して位置すると、クラッチユニット60は伝達の解除動作を行う。
【0110】
クラッチボール65は、駆動軸611の回転に伴いカムドラム63が回転すると、保持溝641内で保持溝641の軸線x1に沿った長さlの範囲内で軸線x1に沿って移動し、かつカム溝630内を、カムドラム63に対して相対的に移動する。
【0111】
保持溝641の軸線x1に沿った長さlは、カム溝630における基端(360°)側に位置する噛合部632における先端(0°)側に位置する解除部(主解除部638、副解除部639)との軸線x1方向の間隔dより小さく形成されている(d>l)。
【0112】
クラッチボール65は、保持溝641の一端及び他端まで移動するとそこで拘束され、それ以上は移動できない。これにより、カムドラム63は、拘束されたクラッチボール65に対して相対的に軸線x1に沿って移動する。これにより、クラッチボール65は、主解除部638及び噛合部632まで移動して、そこに位置することができる。
【0113】
次に、
図19乃至
図22を用いて日射遮蔽装置100におけるクラッチユニット60,70の動作について説明する。クラッチユニット60,70の動作は、回転方向が異なる他は互いに同じであるので、以下ではクラッチユニット60を例に動作を説明する。
図20は、クラッチユニットの噛合状態を示す。
図21は、クラッチユニットの回転停止状態(クラッチばね滑り状態)を示す。
図22は、前幕の位置が保持される保持状態を示す。
【0114】
まず、日射遮蔽装置100において、前幕12を上昇させる際のクラッチユニット60の動作について説明する。
【0115】
例えば、動作開始前は、クラッチユニット60は解除された状態にある。すなわち、動作開始前は、
図19に示すように、伝達側回転部61の伝達側噛合盤614及び被伝達側回転部62の被伝達側噛合盤622は、互いに離れていて、噛み合いが解除された状態になっている。この状態から、操作コード16を一方向に引く操作をして前幕12を上昇させる動作(昇降コード14を巻き上げる巻き上げ動作)について説明する。
【0116】
操作コード16を一方向に引いて操作すると、コードプーリ21は、第1の回転方向R1に回転する。この回転は、ワンウェイクラッチ装置22を介して、クラッチユニット60における伝達側回転部61の駆動軸611に伝達される。駆動軸611は、第1の回転方向R1に回転する。駆動軸611が第1の回転方向R1に回転すると、クラッチばね筒612に巻着されたクラッチばね613の一端部を介して、カムドラム63は、第1の回転方向R1に回転する。
【0117】
図19に示すように、主解除溝635の主解除部638で停止していたクラッチボール65は、カムドラム63に対しては相対的に主解除溝635の主解除部638から傾斜部637を通過し、分岐部Bから巻上溝631へと移動し、かつ、保持溝641内を基端側(
図19中、右方向)に移動する。
【0118】
クラッチボール65が保持溝641の基端(
図19中、右端)に達すると、それ以上の軸線x1に沿った移動が拘束されるために、カムドラム63が軸線x1に沿って先端側に移動する。
【0119】
カムドラム63が先端側に移動すると、カムドラム63とともに軸線x1に沿って移動するクラッチばね筒612の伝達側噛合盤614も、軸線x1に沿って先端側に移動し、
図20に示すように、被伝達側噛合盤622と噛み合う。この状態においてクラッチユニット60は噛合状態となる。
【0120】
駆動軸611の第1の回転方向R1の回転は、伝達側噛合盤614及び被伝達側噛合盤622を介して、被駆動軸621に伝達され、昇降軸112bによる前幕12の上昇(巻き上げ)動作が開始する。
【0121】
さらに、操作コード16を操作し続けると、カムドラム63は第1の回転方向R1に回転を続け、クラッチボール65は、
図21に示すように停止部633に達する。すると、クラッチボール65は、停止部633で拘束されるので、カムドラム63の回転は拘束されて停止する。
【0122】
この状態で、操作コード16を操作し続け、駆動軸611及びクラッチばね筒612を第1の回転方向R1に回転させると、クラッチばね613の一端部はカムドラム63に係止されているので、カムドラム63とともにクラッチばね613の回転は停止し、クラッチばね613によるクラッチばね筒612の締め付けが緩む。
【0123】
そのため、操作コード16を操作して駆動軸611の回転を続けると、カムドラム63は回転停止しているが、クラッチばね筒612は、クラッチばね613に対して滑りながら回転を続け、被駆動軸621も回転を続ける。
【0124】
前幕12を所望の高さまで上昇させて(巻き上げて)から、操作コード16を一方向に引くことを止めて操作を停止すると、前幕12の自重により昇降軸112bは、巻き取り方向とは逆方向、すなわち、第2の回転方向R2に回転する。カムドラム63は、さらに被駆動軸621、被伝達側噛合盤622、伝達側噛合盤614、クラッチばね筒612及びクラッチばね613を介して、第2の回転方向R2に回転する。
【0125】
この回転によって、クラッチボール65は、
図22に示すように、保持部634内に入り、前幕12の自重降下によるカムドラム63の第2の回転方向R2への回転は停止する。これによって、前幕12を所望の高さ位置に状態で保持することができる。
【0126】
次に、巻き上げた状態の前幕12を降下させる場合は、操作コード16を上昇の際と同じ一方向にわずかに引くと、クラッチユニット60において、クラッチボール65は、
図21に示す保持部634から、巻上溝631を進み、主解除溝635との分岐部B又は分岐部Bを超える位置まで、カムドラム63対して相対的に移動する。
【0127】
そして、操作コード16を一方向に引くことを止めて操作を停止すると、前幕12の自重により、昇降軸112bは第2の回転方向R2に回転し、被駆動軸621、被伝達側噛合盤622、伝達側噛合盤614、クラッチばね筒612及びクラッチばね613を介して、カムドラム63を第2の回転方向R2に回転する。
【0128】
クラッチボール65は、分岐部Bから主解除溝635内に入り傾斜部637から主解除部638へと、カムドラム63に対して相対的に移動しようとするが、保持溝641の先端で軸線x2に沿った移動は拘束されるので、カムドラム63が基端側に向けて移動する。
【0129】
図19に示すように、伝達側噛合盤614と被伝達側噛合盤622は互いに離れ、噛み合いは解除される。そして、被伝達側噛合盤622、被駆動軸621及び昇降軸112bは、自由に回転可能となり、前幕12は自重で降下して、閉じた状態となる。
【0130】
伝達側噛合盤614と被伝達側噛合盤622の噛み合いは解除されるので、前幕12の自重降下による被駆動軸621の第2の回転方向R2の回転は、駆動軸611、クラッチばね筒612及びカムドラム63には伝達されない。
【0131】
なお、上昇(巻き上げ動作)では上述したとおり、伝達側回転部61の伝達側噛合盤614と被伝達側回転部62の被伝達側噛合盤622の噛み合いが解除されている状態(
図19参照)から、操作コード16を一方向に引く操作をして、
図20に示すように噛合状態とし、前幕12を巻き上げる。
【0132】
このようにして噛合状態としてから、すぐ操作コード16の操作を停止すると、カムドラム63が第1の回転方向R1に回転して、図示はしないが、クラッチボール65、噛合部632を過ぎてから副解除溝636に入り、その副解除部639で停止する。
【0133】
これにより、クラッチボール65が主解除溝635内に入った場合(
図19参照)と同様に、伝達側回転部61の伝達側噛合盤614と被伝達側回転部62の被伝達側噛合盤622の噛み合いが解除された状態となる。
【0134】
以上のような操作装置1によれば、前幕12の昇降操作用の操作コード16を案内するガイド部材40は、操作装置1において後幕13の昇降操作用の操作コード17を案内するガイド部材50に対して前側F、つまり、前幕12の側に設けられている。同様に、後幕13の昇降操作用の操作コード17を案内するガイド部材50は、操作装置1において前幕12の昇降操作用の操作コード16を案内するガイド部材40に対して後側B、つまり、後幕13の側に設けられている。
【0135】
したがって、操作者は、前幕12及び後幕13と、これらの前幕12及び後幕13を昇降操作するための操作コード16,17との対応関係を、視覚を通じて容易に把握することができ、操作対象を間違えることを防ぐことができる。
【0136】
さらに、操作装置1は、ローラ85を有しているので、上下方向UDにおいて上側に配置されたプーリ操作駆動ユニット30から垂下される操作コード17が、下側に配置されたプーリ操作駆動ユニット20において巻かれた操作コード16と干渉することを効果的に抑制することができる。
【0137】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の第1の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。また、例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。例えば、上記の実施の形態においては、下側に配置されたプーリ操作駆動ユニット20が前幕12の操作用であり、上側に配置されたプーリ操作駆動ユニット30が後幕13の操作用であったが、下側に配置されたプーリ操作駆動ユニット20を後幕13の操作用とし、上側に配置されたプーリ操作駆動ユニット30を前幕12の操作用としてもよい。
【0138】
また、上記の実施の形態においては、プーリ操作駆動ユニット20,30は、上下方向UDに並べて配置されていたが、前後方向FBに並べて配置してもよい。
【0139】
<第2の実施の形態>
以下に、第2の実施の形態に係る日射遮蔽装置100Aについて説明する。以下では、第1の実施の形態に係る操作装置1及び日射遮蔽装置100Aとは異なる部分について主に説明する。
図23は、第2の実施の形態に係る日射遮蔽装置の正面図である。
図24は、
図23に示す日射遮蔽装置の側面図である。
【0140】
第2の実施の形態に係る日射遮蔽装置100Aは、筺状のヘッドレール101Aと、2枚の遮蔽材12A,13Aと、昇降コード14A,15Aと、中間レール120Aと、ボトムレール130Aと、操作コード16A,17Aを有する操作装置1Aと、を備える。
【0141】
第2の実施の形態に係る日射遮蔽装置100Aにおける遮蔽材は、12A,13Aの昇降方向UDにおいて互いに上下に連結された上幕(第1遮蔽材)12A及び下幕(第2遮蔽材)13Aである。上幕12Aの昇降操作の用に供された操作コード16A用のコードガイド部材40A、及び下幕13Aの昇降操作の用に供された操作コード17A用のコードガイド部材50Aはそれぞれ、昇降方向UDにおいて異なる高さ位置に設けられている。
【0142】
第2の実施の形態に係る日射遮蔽装置100Aにおいて、上幕12Aの昇降操作の用に供された操作コード16A用のコードガイド部材40A、及び下幕13Aの昇降操作の用に供された操作コード17A用のコードガイド部材50Aはそれぞれ、昇降方向UDにおいて異なる高さ位置に設けられている。コードガイド部材40Aは、コードガイド部材50Aに対して上側Uに設けられている。
【0143】
ヘッドレール101Aは、内部に収容空間を有した長尺の筺状に形成される。ヘッドレール101Aは、ブラケット102Aを有している。ヘッドレール101Aは、ブラケット102Aを介して、例えば、窓枠や窓周辺の壁等の取付け対象に取り付けられる。ヘッドレール101Aの長手方向Lの一方の端部(
図23において右側R)には、後述する操作装置1Aが取り付けられている。なお、ヘッドレール101Aは、筺状に限定されず、短手方向FBに沿った断面がI型であってもよい。また、操作装置1Aは、ヘッドレール101Aの内部に取り付けることもできる。
【0144】
ヘッドレール101A内には、中間レール120Aを昇降する第1駆動装置(図示せず)と、ボトムレール130Aを昇降する第2駆動装置(図示せず)と、が設けられている。第1駆動装置には、中間レール120Aを昇降させる昇降コード14Aの一端が巻取り及び巻出し可能に固定されている。昇降コード14Aの他端は、中間レール120Aに固定されている。第2駆動装置には、ボトムレール130Aを昇降させる昇降コード15Aの一端が巻取り及び巻出し可能に固定されている。昇降コード15Aの他端は、ボトムレール130Aに固定されている。2本の昇降コード14A及び2本の昇降コード15Aは、長手方向LRに沿って所定の間隔をあけて設けられている。
【0145】
なお、本実施の形態において昇降コード14A,15Aは、2箇所から垂下されているが、日射遮蔽装置100Aの長さ、巻取りドラムの設置数等に応じ1箇所、2箇所又は4箇所以上から垂下されていてもよい。
【0146】
中間レール120Aは、長手方向LRに長尺に形成されている。中間レール120Aは、2本の昇降コード14Aの他端が固定されていて、ヘッドレール101Aから垂下されている。ボトムレール130Aは、長手方向LRに長尺に形成されている。ボトムレール130Aは、2本の昇降コード15Aの他端が固定されていて、ヘッドレール101Aから垂下されている。
【0147】
上幕12Aは、上端がヘッドレール101Aの下面に連結されるとともに、下端が中間レール120Aの上面に連結されている。上幕12Aは、上下方向UDに折畳み可能なプリーツ状に形成され、2本の昇降コード14Aが上下方向UDに挿通されている。
【0148】
下幕13Aは、上端が中間レール120Aの下面に連結されるとともに、下端がボトムレール130Aの上面に連結されている。下幕13Aは、上下方向UDに折畳み可能なプリーツ状に形成され、2本の昇降コード15Aが上下方向UDに挿通されている。
【0149】
操作コード16Aは、一端が上幕12Aを昇降させる第1駆動装置に作用する。操作コード17Aは、一端が下幕13Aを昇降させる第2駆動装置に作用する。つまり、操作コード16Aを引っ張ることにより、中間レール120Aが昇降し上幕12Aが折り畳まれ、操作コード17Aを引っ張ることにより、ボトムレール130Aが昇降して下幕13Aが折り畳まれる。
【0150】
日射遮蔽装置100Aの操作装置1Aにおいて、複数の案内部は、昇降方向UDにおいて互いに上下に連結された上幕12A及び下幕13Aの昇降方向UDにおいて上下に間隔をあけて設けられた上側のコードガイド部材40A及び下側のコードガイド部材50Aである。コードガイド部材40Aは、上幕12Aに対する操作コード16Aを案内し、コードガイド部材50Aは、下幕13Aに対する操作コード17Aを案内する。以下、操作装置1Aの構成について説明する。
【0151】
操作装置1Aは、例えば、ヘッドレール101Aの右側Rの端部に取り付けられている。操作装置1Aは、この操作装置1Aから垂下した操作コード16A,17Aの操作に応じて、上幕12A及び下幕13Aをそれぞれ個別に昇降動作させる。操作装置1Aは、上幕12Aの昇降操作用のプーリ操作駆動ユニット(図示せず)及びクラッチユニットと、下幕13Aの昇降操作用のプーリ操作駆動ユニット及びクラッチユニットと、を有する。なお、第2の実施の形態におけるプーリ操作駆動ユニット及びクラッチユニットの構成は、第1の実施の形態におけるプーリ操作駆動ユニット20,30及びクラッチユニット60,70の構成と同じである。
【0152】
なお、第2の実施の形態における操作装置1Aの構成は、第1の実施の形態における操作装置1の構成と同じである。第1の実施の形態に係る操作装置1と、第2の実施の形態に係る操作装置1Aとの相違点は、操作装置1Aのケース11Aに対する操作コード16A,17Aのコードガイド部材40A,50Aの位置である。
【0153】
コードガイド部材40A,50Aはそれぞれ、ケース11Aの屋内側(前側F)の前壁の側に設けられている。コードガイド部材40Aは、コードガイド部材50Aに対して上下方向UDにおいて上側Uに位置し、前後方向FBにおいて前側Fに位置する。ケース11Aの前壁は、上側Uの端部に前側Fに張り出した張出部103Aを有する。コードガイド部材40Aは、張出部103Aの下側Dを向く面にある。コードガイド部材50Aは、ケース11Aの前壁と下壁との移行部分であって下側Dを向く面にある。
【0154】
以上のような操作装置1Aによれば、上幕12Aの昇降操作用の操作コード16Aを案内するコードガイド部材40Aは、操作装置1Aにおいて下幕13Aの昇降操作用の操作コード17Aを案内するコードガイド部材50Aに対してケース11Aの上側Uに位置する。
【0155】
したがって、操作者は、上幕12A及び下幕13Aと、これらの上幕12A及び下幕13Aを昇降操作するための操作コード16A,17Aとの対応関係を、視覚を通じて容易に把握することができ、操作対象を間違えることを防ぐことができる。
【0156】
第2の実施の形態に係る日射遮蔽装置100Aによれば、第1の実施の形態に係る日射遮蔽装置100が奏する効果と同じ効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0157】
1,1A,1B 操作装置、11 ケース、12 前幕(遮蔽材)、12A 上幕(遮蔽材)、13 遮蔽材(後幕)、13A 下幕(遮蔽材)、16,16A,17,17A
操作コード、20,30 プーリ操作駆動ユニット、21,31 コードプーリ、22,32 ワンウェイクラッチ装置、40,40A,50,50A コードガイド部材、60,70 クラッチユニット、100,100A 日射遮蔽装置
【手続補正書】
【提出日】2024-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後に二つの遮蔽材を備える日射遮蔽装置の昇降操作に用いられ、
前記二つの遮蔽材それぞれの昇降の用に供される二つの昇降軸と、
前記二つの昇降軸をそれぞれ操作可能な二つの操作コードと、
前記二つの操作コードをそれぞれ巻取り及び巻出し可能な二つのコードプーリと、
前記二つのコードプーリを収容するケースと、
を備え、
前記二つのコードプーリは、昇降操作時に互いに異なる方向に回転し、かつ昇降方向において上下に配置されており、
前記二つのコードプーリのそれぞれに対応した前記二つの操作コードそれぞれを案内する二つの案内部を有し、
前記二つの案内部は、前記二つの遮蔽材の昇降方向に交差する方向であって前記遮蔽材の長手方向に交差する短手方向に互いに所定の間隔をあけて設けられた第1案内部と第2案内部であり、
前記第1案内部は、前記二つの昇降軸の一方により昇降され、前記第1案内部の側で昇降される遮蔽材に対する操作コードを案内し、
前記第2案内部は、前記二つの昇降軸の他方により昇降され、前記第2案内部の側で昇降される遮蔽材に対する操作コードを案内し、
前記二つの操作コードは、前記二つの遮蔽材のうち前記第1案内部及び前記第2案内部のそれぞれに対応する遮蔽材の側から、昇降操作により前記二つのコードプーリのそれぞれにより巻き取り垂下される
ことを特徴とする日射遮蔽装置用の操作装置。
【請求項2】
前記二つの案内部の前記ケースにおける位置はそれぞれ、前記複数の遮蔽材同士の位置関係と同じ位置関係である
ことを特徴とする請求項1に記載の日射遮蔽装置用の操作装置。
【請求項3】
前記二つのコードプーリは、下側のコードプーリと上側のコードプーリとの間で前記上側のコードプーリに対応する前記操作コードを前記ケースの内側から外側に向かってガイドする、前記ケース内で回転可能に支持されたローラをさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の日射遮蔽装置用の操作装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、日射遮蔽装置用の操作装置に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
従来、ヘッドボックス(ヘッドレール)と、ヘッドボックスに巻取りコードを介して昇降自在に連結された2つの遮蔽材と、を備えた、ブラインド、カーテン、間仕切り等の遮蔽装置(日射遮蔽装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。2つの遮蔽材は、互いに昇降方向に上下に並設されている。2つの遮蔽材に対してそれぞれ操作コードが設けられている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
プーリ操作駆動ユニット20,30は、上下方向UDに並んで配置されている。プーリ操作駆動ユニット20は、上下方向UDにおいてプーリ操作駆動ユニット30に対して下側に位置する。プーリ操作駆動ユニット30は、上下方向UDにおいてプーリ操作駆動ユニット20に対して上側に位置する。プーリ操作駆動ユニット20,30は、前幕12及び後幕13の昇降操作時に互いに異なる方向R1,R2に回転する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】