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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004043
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】バランサ
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/02 20060101AFI20240109BHJP
   H01F 30/12 20060101ALI20240109BHJP
   H01F 30/10 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
H01F27/02 E
H01F27/02 Z
H01F30/12 G
H01F30/10 G
H01F30/10 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103484
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】514105011
【氏名又は名称】株式会社東光高岳
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】吉谷 彰倫
(72)【発明者】
【氏名】多賀 真弓
【テーマコード(参考)】
5E059
【Fターム(参考)】
5E059AA04
5E059BB02
5E059BB07
5E059CC03
5E059GG01
5E059LL01
5E059LL02
(57)【要約】
【課題】容器内の気体が膨張すると、バランサは、意図しない形で壊れてしまい、公衆災害を引き起こす可能性がある。
【解決手段】本発明の一態様に係るバランサは、中性線と複数の電圧線とを有する配電線における不平衡電流を改善する。バランサは、中性線と第1電圧線との間の電圧と、中性線と第2電圧線との間の電圧とを平衡させる電力機器を備える。バランサは、電力機器が収容される容器を備える。バランサは、容器の上部に設けられた開口部を封止する蓋を備える。バランサは、容器と蓋とが固定されるときに当接する当接部において、他の部分よりも容器内の気体が外部に漏洩しやすい特定部分を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中性線と複数の電圧線とを有する配電線における不平衡電流を改善するバランサであって、
前記中性線と第1電圧線との間の電圧と、前記中性線と第2電圧線との間の電圧とを平衡させる電力機器と、
前記電力機器が収容される容器と、
前記容器の上部に設けられた開口部を封止する蓋と、を備え、
前記容器と前記蓋とが固定されるときに当接する当接部において、他の部分よりも容器内の気体が外部に漏洩しやすい特定部分を有する、バランサ。
【請求項2】
前記当接部は、
前記開口部の縁部に沿って設けられ、
前記当接部の周方向に並んで設けられた3以上の留部を有し、
前記容器と前記蓋とは、複数の前記留部において、留金を用いて固定され、
前記特定部分は、前記周方向において隣り合う第1留部と第2留部との間の部分であり、前記周方向において隣り合う2つの前記留部の間の他の部分よりも間隔が広い、請求項1に記載のバランサ。
【請求項3】
前記電力機器は、成形絶縁物に埋め込まれ、
絶縁破壊を引き起こしたときに、前記容器内の気体が膨張して前記特定部分から外部に漏洩する、請求項1に記載のバランサ。
【請求項4】
前記電力機器と前記配電線とを接続するケーブルを備え、
前記ケーブルは、前記容器の底部に設けられた穴部を介して外部に引き出される、請求項1に記載のバランサ。
【請求項5】
前記容器の底面に設けられ、下方に延びる3以上の脚部を備える、請求項4に記載のバランサ。
【請求項6】
前記容器の底面に設けられ、下方に突出する接地用端子を備え、
前記接地用端子の長さは、前記脚部の長さよりも短い、請求項5に記載のバランサ。
【請求項7】
電柱に設けられた腕金に対して取付用金具を用いて取り付けられ、
前記特定部分に対応しない前記留金は、バランサを前記取付用金具に固定するために兼用され、
前記特定部分に対応する前記留金は、バランサと前記取付用金具とを固定するために兼用されない、請求項2に記載のバランサ。
【請求項8】
バランサに関する情報を表示する銘板を備え、
バランサと前記取付用金具とを固定するために兼用される2つの前記留金のうちの一方は、前記銘板を固定するために兼用される、請求項7に記載のバランサ。
【請求項9】
前記容器の側面に設けられ、バランサの容量を表示する表示部を備え、
前記表示部は、前記銘板が臨む方向に設けられる、請求項8に記載のバランサ。
【請求項10】
前記表示部の色は、前記容器の色とは異なる色である、請求項9に記載のバランサ。
【請求項11】
前記電力機器として変圧器を備える、請求項1に記載のバランサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バランサに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、単相三線式配電方式は、小規模店舗や一般住宅等の低圧需要家において、広く用いられている。単相三線式配電方式は、線路抵抗による電圧降下及び電力損失が1/4となり、単相二線式配電方式に比べて効率的である。更に、100V、200Vの両電圧を使用できることは、需要家側にとっても、200V入力の比較的大容量な電気機器の普及に伴って、利便性に優れる。しかし、大多数の電気機器は、100Vである。系統電流は、電気機器が単相三線式の2つの系統に数多く接続され、不特定に使用されることで、不平衡となる。不平衡状態は、平衡時に比べて効率を悪化させる。給電側における特に不平衡の著しい地域に対しては、バランサと呼ばれる特殊な変圧器が接続される。
【0003】
特許文献1に記載の技術は、バランサ、低圧配電システム及び配電システムに関する。特許文献1に記載の技術は、万が一公衆災害が発生した場合であっても、絶縁性固体によって構成され内部に鉄心及び巻線をモールドしているモールド部の破片が飛散しにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-158734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、絶縁破壊を引き起こしたときに、破片が飛散しにくいとはいえ、飛散を完全に防止できない。一方、変圧器を容器に収容したバランサは、絶縁破壊を引き起こしたときに、容器に収容された部品の飛散を完全に防止できる可能性がある。
【0006】
変圧器を容器に収容した場合、容器内の気体は、絶縁破壊が引き起こされたことに起因して膨張する。容器内の気体が膨張すると、バランサは、意図しない形で壊れてしまい、公衆災害を引き起こす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るバランサは、中性線と複数の電圧線とを有する配電線における不平衡電流を改善する。バランサは、中性線と第1電圧線との間の電圧と、中性線と第2電圧線との間の電圧とを平衡させる電力機器を備える。バランサは、電力機器が収容される容器を備える。バランサは、容器の上部に設けられた開口部を封止する蓋を備える。バランサは、容器と蓋とが固定されるときに当接する当接部において、他の部分よりも容器内の気体が外部に漏洩しやすい特定部分を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】バランサ100の一例を示す外観斜視図である。
図2】バランサ100の一例を示す底面図である。
図3】容器120に変圧器110が収容された状態の一例を示す上面図である。
図4】容器120に収容された変圧器110が成形絶縁物150に埋め込まれた状態の一例を示す上面図である。
図5】容器120のV-V断面の一例を示す断面図である。
図6】蓋130の一例を示す平面図である。
図7】バランサ100の使用例を示す図である。
図8】バランサ100に関する情報を表示する一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、バランサ100の一例を示す外観斜視図である。図2は、バランサ100の一例を示す底面図である。図3は、容器120に変圧器110が収容された状態の一例を示す上面図である。図4は、容器120に収容された変圧器110が成形絶縁物150に埋め込まれた状態の一例を示す上面図である。図5は、容器120のV-V断面の一例を示す断面図である。図6は、蓋130の一例を示す平面図である。図7は、バランサ100の使用例を示す図である。
【0011】
本実施形態は、単相三線式の配電線PLにおける不平衡電流を改善するバランサ100について説明する。単相三線式の配電線PLは、第1電圧線PL1、第2電圧線PL2及び中性線PL3を有する。単相三線式の配電線PLは、中性線PL3と、第1電圧線PL1又は第2電圧線PL2とを利用すれば、100ボルトが利用できる。単相三線式の配電線PLは、第1電圧線PL1と第2電圧線PL2とを利用すれば、200ボルトが利用できる。
【0012】
バランサ100は、変圧器110、容器120及び蓋130を備える。
【0013】
変圧器110は、中性線PL3と第1電圧線PL1との間の電圧と、中性線PL3と第2電圧線PL2との間の電圧とを平衡させる機器である。変圧器110は、図示しない、鉄心、及び2つの巻線を備える。鉄心は、例えば、リングコアである。2つの巻線の巻数比は、1:1である。変圧器110は、変圧器110と配電線PLとを接続する3本のケーブルに接続される。第1ケーブル141は、変圧器110における一方の巻線の端点に接続される。第2ケーブル142は、変圧器110における他方の巻線の端点に接続される。第3ケーブル143は、変圧器110における中性点に接続される。変圧器110は、電力機器の一例である。
【0014】
容器120は、変圧器110を収容する部品である。容器120は、上部に開口部121を有する。容器120は、底部に3つの穴部122を有する。変圧器110は、開口部121を介して容器120に収容される。変圧器110に接続された3本のケーブルは、それぞれ個別の穴部122を介して外部に引き出される。
【0015】
変圧器110は、成形絶縁物150に埋め込まれる。成形絶縁物150は、主として変圧器110を冷却するために設けられ、変圧器110を固定して絶縁する効果も有する。充填樹脂により冷却効果を得ること自体は、周知の技術である。成形絶縁物150は、例えば、高分子物質のエポキシ樹脂系を硬化させてモールド状とした絶縁物である。成形絶縁物150を形成するためのエポキシ樹脂は、開口部121を介して容器120に充填される。
【0016】
容器120は、底面から下方に延びる3つの脚部123を備える。容器120は、脚部123を備えることにより、地面に置かれたときに底面が地面から浮いた状態になる。バランサ100は、地面に置かれたときに容器120の底面が地面から浮くため、ケーブルを傷つけることなく保管できる。
【0017】
容器120は、底面から下方に突出する接地用端子124を備える。接地用端子124の長さは、脚部123の長さよりも短い。接地用端子124は、容器120が地面に置かれたときに地面に接することがないため、バランサ100を製作する工程において破損を防止できる。
【0018】
容器120は、開口部121の縁部125に沿って設けられ、平面視において縁部125の外周に突出する第1フランジ126を備える。蓋130は、容器120の開口部121を封止する部品である。蓋130は、平面視において外周部に第2フランジ131を備える。第1フランジ126と第2フランジ131とは、容器120と蓋130とが固定されるときに当接する。第1フランジ126及び第2フランジ131は、当接部の一例である。
【0019】
第1フランジ126は、第1ボルト穴BH1、第2ボルト穴BH2、第3ボルト穴BH3、第4ボルト穴BH4、第5ボルト穴BH5及び第6ボルト穴BH6を有する。6つのボルト穴は、第1フランジ126の周方向に並んで設けられる。同様に、第2フランジ131は、第1ボルト穴BH1、第2ボルト穴BH2、第3ボルト穴BH3、第4ボルト穴BH4、第5ボルト穴BH5及び第6ボルト穴BH6を有する。第2フランジ131におけるボルト穴は、容器120と蓋130とが固定されるときに、平面視において、第1フランジ126におけるボルト穴と重なる位置に設けられる。第1フランジ126及び第2フランジ131におけるボルト穴は、留部の一例である。
【0020】
容器120と蓋130とは、第1フランジ126及び第2フランジ131における6つのボルト穴を介して、ボルト及びナットを用いて固定される。第1ボルトB1は、第1フランジ126及び第2フランジ131における第1ボルト穴BH1に挿入され、第1ナットN1と共に、第1フランジ126と第2フランジ131とを締め付ける。第2ボルトB2は、第1フランジ126及び第2フランジ131における第2ボルト穴BH2に挿入され、第2ナットN2と共に、第1フランジ126と第2フランジ131とを締め付ける。第3ボルトB3は、第1フランジ126及び第2フランジ131における第3ボルト穴BH3に挿入され、第3ナットN3と共に、第1フランジ126と第2フランジ131とを締め付ける。第4ボルトB4は、第1フランジ126及び第2フランジ131における第4ボルト穴BH4に挿入され、第4ナットN4と共に、第1フランジ126と第2フランジ131とを締め付ける。第5ボルトB5は、第1フランジ126及び第2フランジ131における第5ボルト穴BH5に挿入され、第5ナットN5と共に、第1フランジ126と第2フランジ131とを締め付ける。第6ボルトB6は、第1フランジ126及び第2フランジ131における第6ボルト穴BH6に挿入され、第6ナットN6と共に、第1フランジ126と第2フランジ131とを締め付ける。ボルト及びナットは、留金の一例である。
【0021】
第1ボルト穴BH1と第2ボルト穴BH2との間隔、及び第4ボルト穴BH4と第5ボルト穴BH5との間隔は、第2ボルト穴BH2と第3ボルト穴BH3との間隔よりも広い。同様に、第1ボルト穴BH1と第2ボルト穴BH2との間隔、及び第4ボルト穴BH4と第5ボルト穴BH5との間隔は、第3ボルト穴BH3と第4ボルト穴BH4との間隔よりも広い。同様に、第1ボルト穴BH1と第2ボルト穴BH2との間隔、及び第4ボルト穴BH4と第5ボルト穴BH5との間隔は、第5ボルト穴BH5と第6ボルト穴BH6との間隔よりも広い。同様に、第1ボルト穴BH1と第2ボルト穴BH2との間隔、及び第4ボルト穴BH4と第5ボルト穴BH5との間隔は、第6ボルト穴BH6と第1ボルト穴BH1との間隔よりも広い。第1ボルト穴BH1は、第1留部の一例である。第2ボルト穴BH2は、第2留部の一例である。第1ボルト穴BH1と第2ボルト穴BH2との間の部分は、特定部分の一例である。第4ボルト穴BH4と第5ボルト穴BH5との間の部分は、特定部分の一例である。第2ボルト穴BH2と第3ボルト穴BH3との間の部分は、他の部分の一例である。第3ボルト穴BH3と第4ボルト穴BH4との間の部分は、他の部分の一例である。第5ボルト穴BH5と第6ボルト穴BH6との間の部分は、他の部分の一例である。第6ボルト穴BH6と第1ボルト穴BH1との間の部分は、他の部分の一例である。
【0022】
仮に、第1フランジ126及び第2フランジ131におけるボルト穴が等間隔である場合、絶縁破壊を引き起こして容器内の気体が膨張すると、蓋130は、意図しない形で容器120から外れてしまう可能性がある。一方、本実施形態では、第1ボルト穴BH1と第2ボルト穴BH2との間隔、及び第4ボルト穴BH4と第5ボルト穴BH5との間の特定部分は、周方向において隣り合う2つのボルト穴の間の他の部分よりも間隔が広い。膨張した容器内の気体は、特定部分から外部に漏洩しやすい。バランサ100は、膨張した容器内の気体が外部に漏洩することに起因して特定部分におけるボルト及びナットによる締め付けが緩んでも、他のボルト及びナットによる締め付けに影響しない。したがって、蓋130は、意図しない形で容器120から外れない。
【0023】
バランサ100は、電柱に設けられた腕金WFに対して取付用金具MBを用いて取り付けられる。取付用金具MBは、ハンガーMB1及びハンガー座MB2を備える。ハンガーMB1は、2つのボルト穴を有する。ハンガー座MB2は、4つのボルト穴を有する。取付用金具MBは、ハンガーMB1及びハンガー座MB2における2つのボルト穴を介して、ハンガーボルトHB及びハンガーナットHNを用いて、腕金WFに固定される。
【0024】
バランサ100は、特定部分に対応しない第3ボルトB3及び第6ボルトB6を用いてハンガー座MB2に固定される。第3ボルトB3は、ハンガー座MB2のボルト穴に挿入された後、スペーサS1を介して、第1フランジ126及び第2フランジ131における第3ボルト穴BH3に挿入される。第6ボルトB6は、ハンガー座MB2のボルト穴に挿入された後、スペーサS1を介して、第1フランジ126及び第2フランジ131における第6ボルト穴BH6に挿入される。即ち、特定部分に対応しない第3ボルトB3及び第6ボルトB6は、バランサ100をハンガー座MB2に固定するために兼用される。一方、特定部分に対応する第1ボルトB1、第2ボルトB2、第4ボルトB4及び第5ボルトB5は、バランサ100とハンガー座MB2とを固定するために兼用されない。したがって、バランサ100は、膨張した容器内の気体が外部に漏洩することに起因して特定部分におけるボルト及びナットによる締め付けが緩んでも、取付用金具MBから外れない。
【0025】
図8は、バランサ100に関する情報を表示する一例を示す図である。バランサ100は、銘板160及び表示部127を備える。
【0026】
銘板160は、バランサ100に関する情報を彫り込んだ金属等の板である。銘板160は、バランサ100に関する情報が彫り込まれた第1板面と、第1板面に対して直交する第2板面とを有する。第2板面は、ボルト穴を有する。銘板160は、バランサ100と取付用金具MBとを固定するために兼用される第6ボルトB6を用いて固定される。第6ボルトB6は、銘板160のボルト穴に挿入された後、ハンガー座MB2のボルト穴に挿入される。したがって、銘板160は、膨張した容器内の気体が外部に漏洩することに起因して特定部分におけるボルト及びナットによる締め付けが緩んでも外れない。
【0027】
表示部127は、バランサ100の容量を表示する、容器120の側面における塗装部分である。表示部127は、銘板160が臨む方向に設けられる。銘板160と表示部127とが側面における同じ方向から視認できるため、作業者は、バランサ100の点検等を行うときに、銘板160と表示部127とを同時に確認できる。
【0028】
容器120の色は、灰色である。一方、表示部127の色は、赤色である。容器120の色と表示部127の色とが異なるため、作業者は、バランサ100の点検等を行うときに、表示部127を頼りにして、銘板160の位置を容易に特定できる。灰色は、容器120の色の一例である。赤色は、表示部127の色の一例である。
【0029】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0030】
上記実施形態におけるバランサ100は、単相三線式の配電線PLにおける不平衡電流を改善する。バランサ100は、中性線PL3と複数の電圧線とを有する配電線PLにおける不平衡電流を改善する装置であればよく、単相三線式の配電線PLに適用する用途に限らない。バランサ100は、三相三線式の配電線PLに適用可能である。バランサ100は、三相四線式の配電線PLに適用可能である。
【0031】
上記実施形態におけるバランサ100は、変圧器110を備える。バランサ100は、中性線PL3と第1電圧線PL1との間の電圧と、中性線PL3と第2電圧線PL2との間の電圧とを平衡させる電力機器を備えていればよく、変圧器110を備える構成に限らない。バランサ100は、例えば、電力機器としてコンバータを備えてよい。
【0032】
上記実施形態におけるバランサ100は、平面視において開口部121の縁部125の外側に第1フランジ126を備える。バランサ100は、容器120と蓋130とが固定されるときに当接する当接部を備えていればよく、平面視において開口部121の縁部125の外側に第1フランジ126を備える構成に限らない。バランサ100は、例えば、平面視において開口部121の縁部125の内側にフランジを備えてよい。
【0033】
上記実施形態における容器120は、底部に3つの穴部122を有する。容器120は、変圧器110に接続されたケーブルを外部に引き出せる穴部122を有していればよく、3つの穴部122を有する構成に限らない。容器120は、例えば、第1ケーブル141及び第2ケーブル142をまとめて外部に引き出す穴部122と、第3ケーブル143を外部に引き出す穴部122との2つの穴部122を有する構成としてよい。容器120は、例えば、第1ケーブル141、第2ケーブル142、及び第3ケーブル143をまとめて外部に引き出す1つの穴部122を有する構成としてよい。
【0034】
上記実施形態における容器120は、3つの脚部123を備える。容器120は、地面に置かれたときに底面を地面から浮かせる脚部123を備えていればよく、3つの脚部123を備える構成に限らない。容器120は、例えば、4つ以上の脚部123を備えてよい。
【符号の説明】
【0035】
100 バランサ
110 変圧器
120 容器
121 開口部
122 穴部
123 脚部
124 接地用端子
125 縁部
126 第1フランジ
127 表示部
130 蓋
131 第2フランジ
141 第1ケーブル
142 第2ケーブル
143 第3ケーブル
150 成形絶縁物
160 銘板
B1 第1ボルト
B2 第2ボルト
B3 第3ボルト
B4 第4ボルト
B5 第5ボルト
B6 第6ボルト
BH1 第1ボルト穴
BH2 第2ボルト穴
BH3 第3ボルト穴
BH4 第4ボルト穴
BH5 第5ボルト穴
BH6 第6ボルト穴
HB ハンガーボルト
HN ハンガーナット
MB 取付用金具
MB1 ハンガー
MB2 ハンガー座
N1 第1ナット
N2 第2ナット
N3 第3ナット
N4 第4ナット
N5 第5ナット
N6 第6ナット
PL 配電線
PL1 第1電圧線
PL2 第2電圧線
PL3 中性線
S1 スペーサ
WF 腕金
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8