(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040447
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】商品販売データ処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240315BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024020583
(22)【出願日】2024-02-14
(62)【分割の表示】P 2019232312の分割
【原出願日】2019-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 和希
(72)【発明者】
【氏名】樋口 真吾
(57)【要約】
【課題】客が端末を用いて商品登録を行うセルフ登録システムにおいて、客への便宜が図られるようにする。
【解決手段】所定時間において、商品の登録を行う客端末装置によって商品登録が実行中の中途取引の有無を判定する取引判定手段と、前記取引判定手段の判定結果に基づいて、客端末装置によって登録された商品に対応する客端末対応精算を実行する精算装置の稼働についての制御を行う稼働制御手段とを備えて商品販売データ処理システムを構成する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の登録を行う客端末装置と、前記客端末装置による商品の登録結果が反映された商品登録情報を記憶する取引管理装置と、前記商品登録情報に基づいて、客端末装置によって登録された商品に対応する客端末対応精算を実行する複数の精算装置とを含む商品販売データ処理システムであって、
客端末装置によって登録された商品に対応する客端末対応精算を実行する精算装置の稼働についての制御を行う稼働制御手段と、
前記客端末対応精算を受け付け可能な会計受付時間帯の経過に応じて前記稼働制御手段が前記精算装置を客端末対応精算が実行不可の状態に遷移させた後において、前記客端末装置にて取引の開始に応じた操作が行われた場合には、前記取引管理装置から前記客端末装置に取引不可である旨が通知されるようにする通知手段と
を備える商品販売データ処理システム。
【請求項2】
前記会計受付時間帯において、商品の登録を実行している客端末装置にて、前記精算装置が精算を受け付ける時刻が終了するまでの時間が報知されるようにする報知手段をさらに備える
請求項1に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項3】
前記稼働制御手段は、会計受付時間帯の経過に応じて精算装置を客端末対応精算が実行不可の状態に遷移させるにあたり、前記会計受付時間帯において客端末装置により商品登録を実行中の中途取引が有る場合、前記複数の精算装置のうち、前記中途取引の数に応じた数の前記精算装置については客端末対応精算が実行不可の状態に遷移させることなく、客端末対応精算が実行可能な状態を維持させる
請求項1または2に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項4】
商品の登録を行う客端末装置と、前記客端末装置による商品の登録結果が反映された商品登録情報を記憶する取引管理装置と、前記商品登録情報に基づいて、客端末装置によって登録された商品に対応する客端末対応精算を実行する複数の精算装置とを含む商品販売データ処理システムに対応するプログラムであって、
前記精算装置としての第1コンピュータを、
客端末装置によって登録された商品に対応する客端末対応精算を実行する精算装置の稼働についての制御を行う稼働制御手段として機能させ、
前記取引管理装置としての第2コンピュータを、
前記客端末対応精算を受け付け可能な会計受付時間帯の経過に応じて前記稼働制御手段が前記精算装置を客端末対応精算が実行不可の状態に遷移させた後において、前記客端末装置にて取引の開始に応じた操作が行われた場合には、前記取引管理装置から前記客端末装置に取引不可である旨が通知されるようにする通知手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗における買い物においてスマートフォン等を用いて客が商品の登録を行うようにされたセルフ登録システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、上記のような客が端末を用いて商品登録を行うセルフ登録システムの普及等を考慮すれば、セルフ登録システムを利用する客への便宜が図られることが好ましい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、客が端末を用いて商品登録を行うセルフ登録システムにおいて、客への便宜が図られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、商品の登録を行う客端末装置と、前記客端末装置による商品の登録結果が反映された商品登録情報を記憶する取引管理装置と、前記商品登録情報に基づいて、客端末装置によって登録された商品に対応する客端末対応精算を実行する精算装置とを含む商品販売データ処理システムであって、所定時間において、客端末装置によって商品登録が実行中の中途取引の有無を判定する取引判定手段と、前記取引判定手段の判定結果に基づいて、客端末装置によって登録された商品に対応する客端末対応精算を実行する精算装置の稼働についての制御を行う稼働制御手段とを備える商品販売データ処理システムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態におけるショッピングシステムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態における精算装置の設置例を示す図である。
【
図3】本実施形態における精算装置の外観例を示す図である。
【
図4】本実施形態における精算装置の構成例を示す図である。
【
図5】本実施形態における客端末装置の構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態における取引管理装置の構成例を示す図である。
【
図7】本実施形態における顧客情報、店舗情報、カート情報の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態における客端末装置、精算装置、取引管理装置が、一取引の客端末対応会計に対応して実行する処理手順例を示すシーケンス図である。
【
図9】本実施形態における商品登録初期画面、商品登録更新画面、コード画面の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態における客側表示部にて行われる小計金額の表示、保留商品を報知する表示の一例を示す図である。
【
図11】本実施形態における精算装置が客端末対応精算モードの終了制御に関連して実行する処理手順例を示す図である。
【
図12】本実施形態における精算装置が客端末対応精算モードの起動制御に関連して実行する処理手順例を示す図である。
【
図13】本実施形態における精算装置ステータス画面、中途取引状況画面の一例を示す図である。
【
図14】本実施形態における起動画面、商品登録画面の一例を示す図である。
【
図15】本実施形態における閉設処理実行確認画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
[ショッピングシステムの構成例]
図1は、本実施形態のショッピングシステムの構成例を示している。同図のショッピンシステムは、例えば、客が購入対象の商品を商品棚から取り出しながら、取りだした商品の登録を、客端末装置50を用いて行い、登録された商品の精算についても客が精算装置40にて行うようにされた会計(客端末対応会計)に対応する。ここでの会計は、商品の登録と、登録された商品の精算とを含み、一取引に対応して行われる手順をいう。以降の説明にあたり、客端末対応会計において客が精算装置40を利用して行う精算については、客端末対応精算ともいう。
本実施形態のショッピングシステムは、管理装置10、取引管理装置60、精算装置40、客端末装置50、及びクレジットカード決済サーバ70を含む。
【0009】
管理装置10、精算装置40は、店舗内に設置されるものであり、LAN19(有線でも無線でもよい)を介して通信可能に接続されている。管理装置10は、取引管理装置60と通信可能である。なお、
図1において、4台の精算装置40を図示したが、1店舗内の精算装置40の数については、特に限定されない。
【0010】
客端末装置50は、顧客(当該店舗の会員である買物客等、以下、単に客とも記載する)によって操作されるものである。客端末装置50は、一般的な、通信機能や撮像機能(カメラ)に加えて、商品に付されるバーコードをスキャンして商品コードを読み取る、つまり商品に付されるバーコードを認識する認識機能を備える。なお、客端末装置50が備える認識機能は、商品コードを読み取ることができるものであればよく、読み取った商品コードがいずれの商品の商品コードであるかを認識できるものでなくてもよい。つまり、客端末装置50は、撮像機能によって撮像されている撮像画像(スルー画像として取得している画像)内にオブジェクトとしてバーコードが存在する場合に、当該バーコードから商品コードを読み取ることができるようになっていればよい。
このような客端末装置50は、顧客が所有するスマートフォンやタブレット端末等であってよい。客端末装置50としてのスマートフォンやタブレット端末等には、本実施形態のショッピングシステムに対応して商品登録を行う機能を有するショッピングアプリケーションがインストールされる。
【0011】
なお、客端末装置50は、上記のように顧客が所有するものに代えて、店舗側が貸与するものであってもよい。店舗側が貸与する客端末装置50の場合には、例えば、ショッピングカートに取り付けられうえで顧客が操作するようにされたものとして提供されてよい。
【0012】
また、客端末装置50は、商品(例えばバーコードの付された周辺部分)を撮像し(シャッターを切り)、撮像画像(画像データ)を生成する。客端末装置50は、操作者である顧客の操作に従ってシャッターを切る撮像であってもよいが、本実施形態では、客端末装置50自身の判断によりシャッターを切る撮像であることが好ましい。
【0013】
また、客端末装置50は、画像(スルー画像、撮像画像)から特徴点を抽出し、撮像対象(オブジェクト等)を認識する画像認識技術を備えていてもよい。例えば、客端末装置50は、画像認識技術を用いて、撮像した商品を特定(推定)してもよい。
【0014】
精算装置40は、精算方法として少なくとも現金による支払いが可能な精算装置である。精算装置40は、取引管理装置60と通信可能に構成される。なお、精算装置40は、例えば管理装置10の中継を介することにより、取引管理装置60と通信可能なようにされてもよい。
【0015】
取引管理装置60は、本実施形態のショッピングシステムに対応して行われる取引を管理する。
【0016】
クレジットカード決済サーバ70は、精算装置40、客端末装置50等からのクレジットカード決済要求の送信に応じて、クレジットカードに対応する決済処理を実行する。
【0017】
[精算装置について]
図2は、精算装置40の設置例を示す図である。
図2(A)は、精算装置40等を客側から見た斜視図である。
図2(B)は、精算装置40等を店員側から見た斜視図である。
図2(A)に示すように客側から見て精算装置40の右側にカウンタが置かれている。
【0018】
図3は、精算装置40の外観例を示す図である。
図3(A)は、精算装置40を客側から見た斜視図である。
図3(B)は、精算装置40を店員側から見た斜視図である。
図4は、精算装置40の構成例を示す図である。
図3及び
図4において、同一部分には同一符号を付している。
【0019】
以下、
図3を参照しつつ、
図4に示した精算装置40の構成例を説明する。精算装置40は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、客側表示部405と、客側スキャナ部406と、カード決済部408と、釣銭機409と、店員側表示部410と、キー操作部411と、店員側スキャナ部412と、印刷部413と、音声出力部414と、通信部415とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0020】
CPU401は、中央演算処理装置であり、ROM402に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、精算装置40の動作を制御する。
ROM402は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU401が利用する各種の情報を記憶する。
【0021】
RAM403は、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM403は、ROM402やハードディスク404から読み出した情報、外部から取得した情報、処理において生成した情報等を記憶する。
【0022】
ハードディスク404は、種々の情報を記憶する。ハードディスク404は、例えば、ROM402に代えて、CPU401が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、RAM403に代えて、ROM402から読み出した情報、外部から取得した情報、処理において生成した情報等を記憶してもよい。
【0023】
客側表示部405は、客用のタッチディスプレイであり、客に種々の情報を表示するとともに、客から種々の入力を受け付ける。
客側スキャナ部406は、客用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコードをスキャンし、商品コードを読み取る。また、客側スキャナ部406は、お会計券(登録商標)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)をスキャンし、精算に必要な情報を読み取ってもよい。また、客側スキャナ部406は、客端末装置50の表示部に表示されるコード(2次元コード等)をスキャンし、精算に必要な情報を読み取ってもよい。
【0024】
なお、客側スキャナ部406は、客が商品を登録する際に用いられるが、客は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、客側表示部405に、商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)が表示されている場合、客は、当該プリセットキーを操作(押下)し、商品を登録してもよい。
【0025】
カード決済部408は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等のプリペイドカード等)による決済機構である。本実施形態のカード決済部408は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備えるが、少なくとも、カード認識部を備えるものであればよい。なお、カード認識部は、直接的には決済(精算)に使用しない各種カード(例えば、会員カード、ポイントカード等)を認識してもよい。
【0026】
釣銭機409(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有し、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。なお、当該釣銭機409は、客側に向けられており、客が操作するものである。なお、紙幣や硬貨が投入口に投入された場合にはセンサによって検出(投入があった旨の検出、金種別の枚数の検出等)される。
【0027】
つまり、釣銭機409は、精算装置40において、登録された商品の代金を現金(貨幣)にて決済するときに使用される。釣銭機409は、紙幣を投入するための紙幣投入口、硬貨を投入するための硬貨投入口、紙幣を放出するための紙幣放出口、硬貨を放出するための硬貨放出口、投入又は放出される貨幣を計数する計数部、投入口又は放出口と収納部の間の貨幣の搬送機構、上述したセンサなどを有する。なお、紙幣投入口及び硬貨投入口は、預り金投入口とも称される。紙幣放出口及び硬貨放出口は、釣銭放出口とも称される。なお、紙幣投入口と紙幣放出口は共通であってもよく、また、硬貨投入口と硬貨放出口は共通であってもよい。
【0028】
また、釣銭機409は、閉店処理時に補充された貨幣を計数し、収納部に収納する。また、釣銭機409は、閉店処理時に出金する貨幣を計数し、釣銭放出口から放出する。閉店処理とは、閉店後や開店前などに釣銭機409内に収納されている金額(現金在高/現金在高)を基準金額に調整する処理である。
【0029】
店員側表示部410は、店員用のタッチディスプレイであり、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。
キー操作部411は、各種のキー(ボタン)から構成され、店員から種々の入力を受け付ける。
店員側スキャナ部412は、店員用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコードをスキャンし、商品コードを読み取る。また、店員側スキャナ部412は、店員の名札に付されたバーコード等をスキャンし、店員コードを読み取る。
【0030】
なお、店員側スキャナ部412は、店員が商品を登録する際に用いられるが、店員は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、キー操作部411に、商品に対応するキー(例えば、スポーツ新聞に対応するキー等)が配置されている場合、店員は、当該キーを操作(押下)し、当該商品を登録してもよい。また、店員側表示部410に、商品に対応するプリセットキーが表示されている場合、店員は、当該プリセットキーを操作し、当該商品を登録してもよい。
【0031】
印刷部413は、各種媒体(レシート、お会計券等)を印刷、発行する。印刷部413は、店員側から客側、客側から店員側に向き(媒体発行口の方向)を回転自在に変更である。印刷部413の向きは、手動で変更してもよいし、例えば後述の動作モードの移行(切替)に応じて自動的に変更(メカ的に制御等)してもよい。なお、印刷部413の向きの正誤をセンサなどで検出してもよい。
【0032】
音声出力部414は、音声を出力する。例えば、音声出力部414は、音声ガイダンス等を出力する。
通信部415は、他装置(他の精算装置40や管理装置10)との通信を実行する。
【0033】
本実施形態の精算装置40は、稼働モードとして、客端末対応精算に対応する精算を行うように設定される客端末対応精算モードと、それぞれ異なる3パターンの会計(商品登録、精算)に対応する3つの会計モード(第1~第3会計モード)との、計4つの稼働モードの間で切り替えが可能とされている。
第1会計モードは、店員が精算装置40に対して商品登録操作と精算とに対応する操作とを行うようにされる稼働モードである。第2会計モードは、店員が精算装置40に対して商品登録操作を行い、客が同じ精算装置40に対して精算に対応する操作を行うようにされる稼働モードである。第3会計モードは、客が商品登録操作と精算に対応する操作とを精算装置40に対して行うようにされる稼働モードである。
これにより、本実施形態のショッピングシステムを導入した店舗では、複数の精算装置40のうちの一部について、客端末対応精算モードを設定することにより、客端末対応精算に対応し、他の精算装置40については、例えば第1会計モードもしくは第2会計モードを設定することにより、店員が客と応対して会計を行うようにすることができる。なお、他の精算装置40において第3会計モードが設定されたものが含まれていてもよい。
【0034】
[客端末装置の構成例]
図5は、客端末装置50の構成例を示している。同図の客端末装置50は、CPU501、記憶部502、RAM503、表示部504、操作部505、撮像部506、及びネットワーク対応通信部507を備える。
CPU501は、中央演算処理装置であり、記憶部502に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、客端末装置50の動作を制御する。
記憶部502は、CPU501の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU501が利用する各種の情報を記憶する。
RAM503は、CPU501の主記憶装置である。
表示部504は、CPU501の表示制御に応じて画像を表示する。表示部504は、画面に対する操作が可能なタッチパネルとして構成されてよい。
操作部505は、客端末装置50に備えられる各種操作子や客端末装置50に接続される各種の入力デバイスなどを一括して示す。
撮像部506は、CPU401の制御に応じて撮像を行う。また、本実施形態の撮像部506は、2次元コードを処理するコードリーダにおいて2次元コードを読み取る部位としても機能させることができる。
ネットワーク対応通信部507は、無線によりネットワーク経由で通信を行う部位である。ネットワーク対応通信部507により、客端末装置50は、取引管理装置60と通信可能となる。
【0035】
[取引管理装置の構成例]
図6は、取引管理装置60の構成例を示している。同図の取引管理装置60は、CPU601、記憶部602、RAM603、及びネットワーク対応通信部604を備える。
CPU601は、中央演算処理装置であり、記憶部602に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、取引管理装置60の動作を制御する。
記憶部602は、CPU561の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU501が利用する各種の情報を記憶する。
RAM603は、CPU601の主記憶装置である。
ネットワーク対応通信部604は、ネットワーク経由で通信を行う部位である。
【0036】
取引管理装置60の記憶部602は、顧客情報、店舗情報、商品情報、カート情報を記憶する。
【0037】
[取引管理装置が記憶する情報について]
記憶部602が記憶する顧客情報は、個々の顧客を管理するための情報である。取引管理装置60は、顧客登録時に顧客情報を生成する(ある顧客の顧客情報が記憶されることを以って当該顧客の顧客登録がなされたと解してもよい)。また、取引管理装置60は、カート情報等に基づいて、顧客情報を適宜更新する。例えば、取引管理装置60は、例えば毎日所定時刻にカート情報を参照し、顧客情報を更新してもよい。
【0038】
図7(A)は、取引管理装置60の記憶部602が記憶する顧客情報の一例を示している。同図の顧客情報は、顧客識別情報、顧客名、顧客登録日、キャンセル情報、顧客ランク、ポイント数等を含む。
顧客識別情報は、顧客を一意に識別する識別情報である。
なお、顧客識別情報は、例えば本実施形態のショッピングアプリケーションがインストールされる際に、インストールされたショッピングアプリケーションごとに固有に割り当てられるアプリケーション識別情報であってもよい。アプリケーション識別情報は、例えばインストールされたショッピングアプリケーションごとに固有に(例えば、シーケンシャルに)付される番号であってよい。あるいは、アプリケーション識別情報は、ショッピングアプリケーションがインストールされた客端末装置50に固有の端末識別情報であってもよい。端末識別情報は、例えば客端末装置50のユーザである客に割り当てられた電話番号や、MAC(Media Access Control)アドレス等のように客端末装置50のハードウェアに固有となるように付されるハードウェア識別情報であってよい。
顧客名は、顧客の氏名やニックネームなどである。顧客登録日は、顧客登録した日時である。キャンセル情報は、登録後における登録商品のキャンセルに関する情報である。顧客ランクは、顧客の購入実績に応じたランクである。なお、新規の顧客の顧客情報の生成時には、顧客識別情報、顧客名、顧客登録日は生成されるが、実際の取引(商品登録)の開始前であるため、他の情報(キャンセル情報等)は生成されない。
【0039】
取引管理装置60は、例えば、顧客登録の際(例えば、客端末装置50が外部(例えば、アプリケーション全般を提供する所定のサーバ、当該取引管理装置60)から取引管理装置60によるショッピングサービスを利用するためショッピングアプリケーションをダウンロード又はインストールする際)に顧客識別情報を生成し、記憶する。また、取引管理装置60は、例えば、顧客登録の際に、客端末装置50を用いて、登録フォーム(入力フォーム)の氏名欄に入力された情報を取得し、顧客名として記憶する。また、取引管理装置60は、例えば、顧客登録の際の現在日時を取得し、顧客登録日として記憶する。
【0040】
なお、取引管理装置60は、自装置内の記憶部に顧客情報を記憶することに代えて又は加えて他の装置(取引管理装置60がアクセス可能なファイルサーバ等)に顧客情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0041】
図7(B)は、取引管理装置60の記憶部602が記憶する店舗情報の一例を示している。同図の店舗情報は、店舗識別情報、店舗名(支店名)、店舗特定情報1、店舗特定情報2を含む。
店舗識別情報は、店舗を一意に識別する識別情報である。
図7(B)に示した店舗識別情報は、店(屋号)もしくは企業のコードと、支店のコードとから構成される。
店舗名は、店舗の名称である。
図7(B)に示した店舗名は、店(屋号)もしくは企業と、支店名とから構成される。
店舗特定情報1は、取引する店舗(商品の売買が行われる店舗)を特定するための2次元コード(QRコード(登録商標)等)の情報である。
店舗特定情報2は、取引する店舗を特定するための店舗の位置情報(GPS情報)である。
なお、
図7(B)に示した例では、店舗識別情報と店舗特定情報1とは異なるが、店舗識別情報と店舗特定情報1とは同一であってもよい。
【0042】
なお、取引管理装置60は、外部(各店舗を統括する本部のサーバ(不図示)等)から店舗情報等を取得し、記憶してもよい。また、取引管理装置60は、自装置内の記憶部に店舗情報を記憶することに代えて又は加えて他の装置(取引管理装置60がアクセス可能なファイルサーバ等)に店舗情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0043】
商品情報は、例えば店舗の管理装置10から取得した情報であり、店舗にて販売する商品についての情報である。1つの商品の商品情報には、商品コード(商品識別子)、商品名、価格等の情報が含まれる。
【0044】
カート情報は、個々の取引を管理するための情報である。取引管理装置60は、取引の開始時にカート情報を生成する。また、取引管理装置60は、取引の進行にあわせて(商品が登録される度に)、カート情報を更新する(カート情報に商品が記憶されることを以って当該商品の登録がなされたと解してもよい)。
【0045】
図7(C)は、取引管理装置60の記憶部602が記憶するカート情報の一例である。
同図のカート情報は、カート識別情報、取引開始日時、取引終了日時、顧客識別情報、登録商品情報、保留商品情報、キャンセル情報等を含む。
カート識別情報は、カートを一意に識別する識別情報である。例えば、カート識別情報は、店舗識別情報と、日付と、シリアル番号(例えば店舗別日付別のシリアル番号)とを含む。
取引開始日時は、取引の開始日時である。取引開始日時は、例えば、当該カート情報の生成日時であってよい。なお、取引開始日時は、1品目の商品の登録日時(
図7(C)中の登録商品情報(登録商品1)を記憶した日時)としてもよい。カート情報の生成日時と1品目の商品の登録日時とを別々に両方記憶してもよい。
【0046】
取引終了日時は、取引の終了日時である。例えば、取引終了日時は、精算日時であってよい。顧客識別情報は、当該取引の顧客を識別する顧客識別情報である。なお、カート情報の生成時には、カート識別情報、取引開始日時、顧客識別情報は生成されるが、実際の取引(商品登録)の開始前であるため、他の情報(取引終了日時等)は生成されない。精算日時は、精算開始日時であってもよいし、精算終了日時であってもよい。取引終了日時として、精算開始日時と精算終了日時とを別々に両方記憶してもよい。
【0047】
登録商品情報(計)は、商品が登録されるごとに更新される情報である。登録商品情報(計)は、品数(商品数)、概算小計金額(例えば値引き等が反映される前の小計金額)、小計金額等を含む。登録商品情報(1)は、1品目の商品の登録情報である。登録商品情報(2)は、2品目の商品の登録情報である。なお、
図7(C)に示す例では、登録商品情報(3)~登録商品情報(5)の図示を省略している。登録商品情報(N;Nは整数)は、商品コード、品名(商品名)、価格等を含む。
【0048】
登録商品情報(N)は、当該N品目の商品の登録日時を含むものであってもよい。つまり、取引管理装置60は、登録商品情報として、当該登録商品の登録日時を記憶してもよい。各商品の登録日時は、タイムサービス等のサービス適用の要否や適用後の効果の判断材料としても用いてもよい。
【0049】
保留商品情報(計)は、保留商品(後述)が登録されるごとに更新される情報である。保留商品情報(計)は、保留商品の品数(商品数)、保留商品のうちのNON-PLU(「NO-FILE」とも称する)の品数、保留商品のうちの読取NG(要不正操作確認)の品数等を含む。
【0050】
NON-PLUとは、店舗においてバーコードもしくは商品コードのスキャンは成功したが(商品コードを読み取ることができたが)、商品コードが商品情報に記憶されていない、商品(商品情報未登録の商品)を示す。
なお、本願の明細書、図面等における「NON-PLU」、「NO-FILE」、「NONファイル」等の記載は、いずれも上記のような商品情報未登録の商品を示す。
【0051】
読取NGとは、店舗において商品コードのスキャンが失敗したこと(商品コードを読み取ることができなかったこと)、又は、店舗において商品コードのスキャンが失敗した商品のことである。つまり、読取NGとは、例えば画像認識技術により一定時間商品を撮像しているがバーコード認識に至らない場合を判別できる場合にタイムアウト処理すること、タイムアウト処理された商品である。例えば、パッケージのシワ等やバーコード印字のカスレや汚れにより正しくバーコードを取得(認識)できない場合に読取NGと判断される。また、バーコードを読んだフリしてカゴへ投入する不正操作を検出した場合にも読取NGと判断される。なお、客端末装置50は、センサ(例えば、ジャイロセンサや加速度センサや距離センサ等)を備え、当該客端末装置50がバーコード読取中(具体的には、バーコードの読み取りのため、当該客端末装置50が傾けられている状況であり、かつ、当該客端末装置50一定距離先に物品(商品)が存在している状況)を検出可能である。そして、所定時間内にバーコードが読み取れなかった場合(バーコード読取中が所定時間継続したがバーコードを読み取れなかった場合)は、タイムアウト処理として、保留商品(読取NG)としている。
【0052】
保留商品情報(保留商品1)は、1品目の保留商品の情報である。保留商品情報(保留商品2)は、2品目の保留商品の情報である。保留商品情報(保留商品3)は、3品目の保留商品の情報である。
【0053】
保留商品情報(保留商品N;Nは整数)は、保留商品種別(当該保留商品がNON-PLUであるか読取NGであるかを示す情報)、画像データ(読取NG時に撮像された画像データ)を含む。例えば、N品目の商品がNON-PLUによる保留商品である場合には、保留商品情報(保留商品N)は、保留商品種別「1(NON-PLU)」、画像データを含む。また、N品目の商品が読取NGによう保留商品である場合には、保留商品情報(保留商品N)は、保留商品種別「2(読取NG)」、画像データを含む。
【0054】
なお、取引管理装置60は、自装置内の記憶部にカート情報を記憶することに代えて又は加えて他の装置(取引管理装置60がアクセス可能なファイルサーバ等)にカート情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0055】
[客端末対応会計に対応する処理手順例]
図8のシーケンス図は、客端末装置50、精算装置40、及び取引管理装置60が、一取引の客端末対応会計に対応して実行する処理手順例を示している。
具体的には、
図8は、ある店舗に、ある顧客が来店し、当該店舗に陳列されている商品を登録し、登録した商品の精算が完了するまでにおける、当該顧客の客端末装置50、当該店舗に設置された精算装置40、データセンタ等の外部に設置された取引管理装置60の夫々の処理の一例を示したものである。
【0056】
ステップS1:客端末装置50は、店舗を特定する情報(店舗特定情報)を取得する。例えば、店舗の入口付近に当該店舗を特定するための2次元コードを表示(2次元コードを表示画面に出力、2次元コードを印刷した媒体を貼付等)しておき、来店した顧客が、客端末装置50で2次元コードをスキャンする(読み取る)ことにより、客端末装置50は店舗特定情報を取得してもよい。なお、来店した顧客がショッピングアプリケーションを起動させると、起動画面として2次元コードのスキャンを該顧客に指示する画面を表示するようにしてもよいし、来店した顧客が客端末装置50で2次元コードをスキャンすると、ショッピングアプリケーションが起動し、起動画面として取引管理装置60に接続中である旨を該顧客に報知する画面を表示するようにしてもよい。
【0057】
また例えば、店舗は所在地で特定されるため、来店した顧客が、店舗において客端末装置50で位置情報(GPS情報)を取得してもよい(すなわち、店舗特定情報として当該店舗の位置情報を取得してもよい)。なお、来店した顧客がショッピングアプリケーションを起動させると、位置情報を取得し、起動画面として取引管理装置60に接続中である旨を該顧客に報知する画面を表示するようにしてもよい。位置情報から複数店舗が検出され1つに特定できない場合には、選択画面を表示し顧客に選択させるようにしてもよい。もしくは強制的に2次元コードを取得させるモードに切り替えてもよい。
【0058】
店舗特定情報を取得した客端末装置50は、取引開始要求として、取得した店舗特定情報を顧客識別情報とともに取引管理装置60に送信する。取引開始要求は、客端末装置50に対する客の操作に応じて送信されてもよいし、店舗特定情報が取得されたことに応じて送信が実行されるようにしてもよい。
顧客識別情報については、顧客登録の際(客端末装置50にショッピングアプリケーションをダウンロード又はインストールする際)に、客端末装置50を用いて登録フォームの氏名欄に入力された情報が取引管理装置60の顧客情報に記憶されてよいが、取引管理装置60に加え、客端末装置50の記憶部にも記憶しておいてもよい。なお、店舗が特定された場合には(後述する商品登録初期画面を取得したときには)、当該店舗の店舗名や実施中のサービス(その日に配布されているチラシ情報)、利用可能なクーポン情報を画面(商品登録初期画面又は商品登録初期画面とは別の画面)に表示してもよい。なお、サービスやクーポンの情報は、例えば画面情報として取引管理装置60から取得してもよい。
【0059】
また、送信先の情報(取引管理装置60のアドレス)についても、顧客登録の際(客端末装置50にショッピングアプリケーションをダウンロード又はインストールする際)に取得し、客端末装置50の記憶部に記憶しておいてもよい。なお、2次元コードをスキャンする態様とする場合には、店舗特定情報に加え、送信先の情報)についても2次元コード化しておき、客端末装置50で2次元コードをスキャンすることにより、客端末装置50は店舗特定情報とともに送信先の情報も取得してもよい。
【0060】
ステップS2:客端末装置50から取引開始要求として顧客識別情報及び店舗特定情報を受信した取引管理装置60は、当該取引のカートを生成する。具体的には、
図7(C)に示すようなカート情報を生成する。なお、カート情報の生成時には、カート識別情報、取引開始日時、顧客識別情報は生成されるが、実際の取引(商品登録)の開始前であるため、他の情報(取引終了日時等)は生成されない。
【0061】
取引管理装置60は、上述したように、
図7(B)に示したような店舗情報を記憶しているため、客端末装置50から取引開始要求として店舗特定情報を受信(顧客識別情報も受信するが)した場合、受信した店舗特定情報が2次元コードであった場合には、店舗特定情報1を参照して店舗識別情報を取得し、受信した店舗特定情報が位置情報(GPS情報)であった場合には店舗特定情報2を参照して店舗識別情報を取得する。なお、取引管理装置60は、客端末装置50から受信した店舗特定情報が店舗識別情報を2次元コード化したものであった場合には、そのまま取得すればよい。
【0062】
つまり、客端末装置50から取引開始要求として顧客識別情報及び店舗特定情報を受信した取引管理装置60は、客端末装置50から受信した店舗特定情報から店舗識別情報を取得し、更に、現在日付を取得し、シリアル番号を発行(採番)し、店舗識別情報と現在日付とシリアル番号とを結合させて、カート情報内のカート識別情報として記憶する。また、客端末装置50から取引開始要求として店舗特定情報や顧客識別情報を受信した取引管理装置60は、現在日時を取得し、カート情報内の取引開始日時(生成日時)として記憶する。また、客端末装置50から取引開始要求として店舗特定情報や顧客識別情報を受信した取引管理装置60は、客端末装置50から受信した顧客識別情報をカート情報内の顧客識別情報として記憶する。
【0063】
ステップS3:当該取引のカートを生成した取引管理装置60は、商品登録初期画面情報(初期画面である商品登録画面の画面情報)を生成し、客端末装置50に送信する。具体的には、取引管理装置60は、例えば、商品登録初期画面情報を生成し、生成した商品登録初期画面情報をカート識別情報とともに客端末装置50に送信する。
【0064】
ステップS4:取引管理装置60からカート識別情報及び商品登録初期画面情報を受信した客端末装置50は、カート識別情報を記憶するとともに、登録画面を表示部に表示する。具体的には、客端末装置50は、例えば
図9(A)に示すような商品登録初期画面を表示する。
【0065】
ステップS5:顧客の操作により客端末装置50は、商品に付されたバーコードをスキャンし、商品コードを読み取る。なお、同図では、バーコードのスキャンは成功したものとする。ステップS5~ステップS9は、商品に付されたバーコードをスキャンするごとに繰り返し実行される。
【0066】
バーコードを取得した客端末装置50は、カート識別情報とともに、スキャンによって得られた商品コードを取引管理装置60に送信する。
【0067】
ステップS6:客端末装置50からカート識別情報及び商品コードを受信した取引管理装置60は、カート識別情報から当該取引のカートを特定する。
【0068】
ステップS7:取引管理装置60は、特定したカート内の商品データを更新する。具体的には、取引管理装置60は、N品目として商品コードを受信した場合には、特定したカートのカート情報において、当該商品コードを登録商品情報(登録商品N)の商品コードとして記憶し、当該商品コードに対応する品名及び価格を商品情報から取得し、登録商品情報(登録商品N)の商品及び価格して記憶する。また、取引管理装置60は、特定したカートのカート情報において、登録商品情報(計)を更新する。
【0069】
ステップS8:カート内の商品データを更新した取引管理装置60は、商品登録更新画面情報(登録した商品が追加された更新画面である商品登録画面の画面情報)を生成し、客端末装置50に送信する。具体的には、取引管理装置60は、例えば、客端末装置50において
図9(B)に示すような商品登録更新画面が表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに客端末装置50に送信する。
【0070】
なお、
図9(B)に示した商品登録画面(商品登録更新画面)は、3品目の商品として「〇〇食パン」が登録された後に客端末装置50に表示されるものである。つまり、取引管理装置60は、1品目として「〇〇ヨーグルト」をカート内に記憶したときには、客端末装置50において「〇〇ヨーグルト」が表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに客端末装置50に送信し、2品目として「〇〇チョコレート」をカート内に記憶したときには、客端末装置50において「〇〇ヨーグルト」と「〇〇チョコレート」とが表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに客端末装置50に送信し、3品目として「〇〇食パン」をカート内に記憶したときには、
図9(B)に示すように、客端末装置50において「〇〇ヨーグルト」と「〇〇チョコレート」と「〇〇食パン」とが表示されるような商品登録更新画面情報を生成し、生成した商品登録更新画面情報をカート識別情報とともに客端末装置50に送信する。
【0071】
ステップS9:取引管理装置60からカート識別情報及び商品登録更新画面情報を受信した客端末装置50は、登録画面に商品を追加する。具体的には、客端末装置50は、例えば
図9(B)に示すような商品登録更新画面を表示する。なお、上述したように、
図9(B)に示した商品登録画面(商品登録更新画面)は、3品目の商品として「〇〇食パン」が登録された後に客端末装置50に表示されるものである。
【0072】
ステップS10:客端末装置50は、顧客の操作として会計指示を受け付ける。例えば、
図9(B)に示した「お会計へ進む」ボタンのタッチを受け付ける。
【0073】
ステップS11:会計指示を受け付けた客端末装置50は、2次元コードを生成する。つまり、客端末装置50は、当該客端末装置50による買上商品について精算処理を実行するために必要となる情報(例えば、カート識別情報)を2次元コード化する。2次元コードを生成した客端末装置50は、生成した2次元コードを表示部に表示する。例えば、
図9(C)に示したような2次元コードを表示したコード画面を表示部に表示する。
【0074】
ステップS12:精算装置40は、客端末装置50の表示部に表示されている2次元コードをスキャンする(読み取る)。例えば、精算装置40は、店員によって客側スキャナ部406による認識範囲内に向けられた客端末装置50の表示部に表示されている2次元コードをスキャンする。
【0075】
ステップS13:客端末装置50の表示部に表示されている2次元コードを読み取った精算装置40は、取引管理装置60に小計金額の算出を要求する。例えば、精算装置40は、小計金額の算出を要求する算出要求(小計算出要求情報)を2次元コードから取得したカート識別情報とともに取引管理装置60に送信する。
【0076】
ステップS14:客端末装置50からカート識別情報及び小計算出要求情報を受信した取引管理装置60は、カート識別情報から当該取引のカートを特定する。
【0077】
ステップS15:カートを特定した取引管理装置60は、特定したカートに対応するカート情報に含まれる登録商品情報における価格等の情報を利用して、小計金額を算出する。
【0078】
ステップS16:小計金額を算出した取引管理装置60は、カート情報を更新(小計金額(算出後小計金額)を記憶)するとともに、算出した小計金額を示す小計情報をカート識別情報とともに精算装置40に送信する。
【0079】
ステップS17:取引管理装置60からカート識別情報及び小計情報を受信した精算装置40は、客側表示部405に、例えば
図10(A)に示すような小計金額を表示する。
【0080】
ステップS18:客側表示部405に小計金額を表示した精算装置40は、支払い(精算)を実行する。具体的には、精算装置40は、決済種別の選択を受け付ける。現金の場合には、預り金の投入を受け付けて、釣り銭金額を算出し、釣り銭がある場合には、釣り銭を放出するとともに、レシートを発行する。また、精算装置40は、精算が完了した場合には、精算完了情報をカート情報とともに取引管理装置60に送信し、取引管理装置60は当該カートの取引終了日時(精算日時)を記憶する。
【0081】
なお、客端末装置50は、商品をスキャンした後に商品コードを取引管理装置60に送信するが(S5)、当該店舗(来店して商品登録初期画面を表示したときの店舗)内においてスキャンした商品以外の商品(例えば、他の店舗に移動してスキャンした商品等)について商品コードを送信しないようにしてもよい。例えば、客端末装置50は、来店時(又は商品登録初期画面の表示時)に位置情報(GPS情報)を取得し、記憶する。また、客端末装置50は、個々の商品をスキャンしたときに位置情報を取得し、商品のスキャン時に取得した位置情報と来店時(又は商品登録初期画面の表示時)に取得した位置情報とを比較する。そして、客端末装置50は、両者が一致(または略一致)した場合には当該商品の商品コードの取引管理装置60への送信を許可し、一致(または略一致)しなかった場合には当該商品の商品コードの取引管理装置60への送信を禁止してもよい。
これにより、不適切な商品登録(例えば、他の店舗等において生成されたカートに対する商品登録等)を防止することができる。
【0082】
精算装置40は、上述のように商品コードの送信を禁止した場合には、商品のスキャン後にエラーメッセージ(例えば、「〇〇店舗内ではないため、登録ができません」)を客側表示部405に表示してもよい。また、精算装置40は、上記メッセージを客側表示部405に代えて又は加えて店員側表示部410に表示してもよい。
【0083】
また、客端末装置50は、商品のスキャン時に取得した位置情報と来店時に取得した位置情報とが一致(または略一致)しなかったり、商品のスキャン時に位置情報が取得できなくなって、位置情報の比較が行えなくなったような場合、取引管理装置60に対して取引終了の通知に相当する情報を送信して取引終了日時を更新してもよい。例えば、位置情報とが一致しない状態は、客が一時的に店舗を離れた状態で商品登録を行ったりするなどの不正が行われた可能性がある。また、商品のスキャン時に位置情報が受信できなくなる状態は、例えば客端末装置50の不具合により生じる。このような状態のままカート情報が維持され、取引が終了しない状態となることは好ましくない。
なお、このような場合において、位置情報が比較可能となって一致する状態に復帰したことに応じて、客端末装置50は、例えばカート情報の取引終了日時をクリアして、対応の取引が終了していない状態に復帰させてもよい。
【0084】
また、精算装置40は、客端末装置50の表示部に表示されている2次元コードを読み取った後に取引管理装置60に小計金額の算出を要求するが(S12)、当該店舗内においてスキャンした商品以外の商品(例えば、他の店舗でスキャンした商品等)について小計金額の算出を要求しないようにしてもよい。例えば、精算装置40は、当該店舗の店舗識別情報を参照し(自精算装置40内に当該店舗の店舗識別情報を記憶し参照してもよいし、アクセス可能な他の装置内に記憶されている店舗識別情報を参照してもよい)、客端末装置50の表示部に表示されている2次元コードを読み取ったときに、当該2次元コードから得られるカート識別情報と、当該店舗の店舗識別情報とを比較する。そして、精算装置40は、カート識別情報に含まれる店舗識別情報(
図7(B)のカート識別情報の構成を参照)が、当該店舗の店舗識別情報を含む構成である場合には小計金額の算出の要求を許可し、当該店舗の店舗識別情報を含む構成でない場合には小計金額の算出の要求を禁止してもよい。
これにより、不適切な精算(例えば、他の店舗等において商品登録された商品の精算等)を防止することができる。
【0085】
精算装置40は、上述のように小計金額の要求を禁止した場合には、2次元コードの読取後にエラーメッセージ(例えば、「〇〇店舗以外の商品を含むため、精算ができません」)を客側表示部405に表示してもよい。また、精算装置40は、上記メッセージを客側表示部405に代えて又は加えて店員側表示部410に表示してもよい。
【0086】
なお、
図8の例では、取引管理装置60が小計金額を算出するようにされている。しかしながら、例えば、精算装置40が、取引管理装置60からカート情報を取得し、取得されたカート情報に基づいて、小計金額を算出するようにされてよい。あるいは、取引管理装置60が管理装置10にカート情報を送信して小計金額の算出を要求し、管理装置10が受信されたカート情報を利用して小計金額を算出し、算出された小計金額を、取引管理装置60を経由して精算装置40に送信するようにされてよい。
【0087】
なお、取引管理装置60は、精算処理に際して、該当顧客についての顧客情報やカート情報に基づいて、顧客のこれまで商品についてのキャンセル状況を確認し、不正に対する警告を行うべきか否かについて判定してよい。警告を行うべきと判定した場合、取引管理装置60は、例えば精算装置40に警告のための報知を実行させてよい。
【0088】
また、取引管理装置60は、精算処理に際して、カート情報に含まれる商品情報のうちに、保留商品が含まれているか否かについて判定し、保留商品が含まれている場合、精算装置40に保留商品の修正指示を要求してよい。保留商品の修正指示の要求を受けた精算装置40は、
図10(B)に示すように、保留商品がある旨を報知する表示を行う。報知を確認した店員は、保留商品の修正として、保留商品に対応する価格の入力や保留商品のキャンセル等の操作を行う。
【0089】
[精算装置の稼働制御:客端末対応精算モードの終了制御について]
本実施形態のショッピングシステムが導入される店舗では、運用上、1営業日において、客端末対応会計を受け付けるものとして定められた時間帯(会計受付時間帯)を、営業時間よりも短く定める場合がある。一例として、1営業日における開店時間から閉店時間が9時~20時である場合において、会計受付時間帯は、10時~19時として定めるようにされる。このように、会計受付時間帯を営業時間よりも短く設定した運用とすることで、店員の客端末装置50を利用して会計を行う客への案内や、トラブル対応による負担を軽減し、開店、閉店に応じた業務を円滑に行うことができる。
しかしながら、例えば客が、19時より前に客端末対応会計における商品登録を開始したが、商品登録が終了しないうちに19時を経過してしまうような場合がある。このような場合に、例えば、客端末対応精算モードで稼働されていた精算装置40について、19時に至ったタイミングで客端末対応精算モードを終了させてしまうと、以下のようなことが生じる。つまり、19時より前から開始した客端末対応会計のもとでの商品登録を行っていた客は、19時以降においては、客端末対応精算モードの精算装置40で精算することができない。この場合、客は、例えば第2会計モードあるいは第3会計モード等により稼働されている精算装置40に赴いて精算しなければならない。この場合、客が客端末対応会計のサービスについて不便さを覚えたり、有用性が低いと感じたりする可能性がある。
【0090】
そこで、本実施形態においては、例えば会計受付時間帯が終了する前において客端末対応会計に対応する商品登録を開始していた取引については、会計受付時間帯が経過した後であっても、第1会計モードが設定された精算装置40での精算が可能なようにされる。このようにして客に便宜を図ることで、例えば顧客が、客端末対応会計のサービスについて不便さを覚えたり、有用性が低いと感じたりすることが防がれ、客端末対応会計のサービスの普及にもつなげることができる。
【0091】
図11のフローチャートは、精算装置40が客端末対応精算モードの終了制御に関連して実行する処理手順例を示している。
ステップS101:客端末対応精算モードが設定された状態のもとで稼働中の精算装置40は、会計受付時間帯の終了時刻に至るのを待機している。
ステップS102:会計受付時間帯の終了時刻に至ったことが判定されると、精算装置40は、中途取引問合せを、取引管理装置60に対して行う。中途取引問合せは、客端末対応会計受付時間帯の終了時刻より前に取引が開始されたが、終了時刻経過後において未だ精算が完了していない取引(中途取引)の有無を問い合わせるコマンドである。
【0092】
当該ステップS102による中途取引問合せに応じて、取引管理装置60は、中途取引の有無を判定する。取引管理装置60は、中途取引の有無を判定するにあたり、記憶部602が記憶するカート情報のうちで、取引開始日時が会計受付時間帯の終了時刻より前であって、かつ、取引終了日時が未確定のカート情報が有るか否かについて判定してよい。このようなカート情報に対応する取引が中途取引である。
ただし、客によっては、客端末対応会計での商品登録を途中まで行ったが、例えば買い物を止めた、あるいは気が変わって、客端末対応精算モードではない他の稼働モード(第1会計モードから第3会計モードのいずれか)が設定された精算装置40により精算を行ったりする場合がある。このような場合に、途中まで行われた客端末対応会計での商品登録に応じて生成されたカート情報が消去されずに取引管理装置60が記憶している場合がある。このような無効なカート情報に応じた取引までが中途取引として扱われないようにすることが好ましい。そこで、取引管理装置60は、中途取引の有無を判定するにあたり、取引開始日時が会計受付時間帯の終了時刻より前であって、かつ、取引終了日時が未確定のカート情報のうち、取引開始日時が現在時刻から一定時間以上前のカート情報については、中途取引に対応するものではないとして扱うようにしてよい。
取引管理装置60は、中途取引の有無についての判定結果を精算装置40に送信する。
【0093】
ステップS103:精算装置40は、取引管理装置60から送信された判定結果に基づいて、中途取引が有るか否かについて判定する。
中途取引が有ると判定された場合には、ステップS102に処理が戻される。ステップS102の処理による中途取引問合せは、先のステップS102による中途取引問合せが行われてから一定時間を経過した後に実行される。つまり、ステップS102の処理は、中途取引が有る状況では、一定時間ごとに実行される。
【0094】
ステップS104:一方、ステップS103にて中途取引が無いと判定された場合には、精算装置40は、客端末対応精算モードを終了させる。
客端末対応精算モードを終了させた精算装置40は、そのまま閉設処理に移行してよい。閉設処理は、締め処理とも呼ばれ、精算装置40が記憶する取引ごとの精算処理の履歴(売上実績)を管理装置10等に送信する処理を含む。あるいは、客端末対応精算モードを終了させた精算装置40は、第1会計モード、第2会計モード、第3会計モードのうちの所定の精算装置40ようにされてよい。あるいは、客端末対応精算モードを終了させた精算装置40は、客端末対応精算モードでの稼働に対応する閉設処理を実行した後に、所定の会計モードに遷移するようにされてもよい。
【0095】
なお、例えば複数の精算装置40について客端末対応精算モードが設定されている場合には、客端末対応精算モードの精算装置40の全てが同図の処理を実行することになる。このため、中途取引が少なくとも1つ有ると判定されれば、客端末対応精算モードの精算装置40の全てが、客端末対応精算モードを維持することになる。例えば、店舗での運用として、中途取引に応じて客端末対応精算モードを維持する精算装置40は、客端末対応精算モードが設定された精算装置40のうちの一部としたい場合がある。このような場合に対応して、同図の処理を実行する精算装置40は、客端末対応精算モードが設定された精算装置40のうちの一部に限定し、他の客端末対応精算モードが設定された精算装置40については、会計受付時間帯の終了に応じて客端末対応精算モードを終了させ、例えば閉設処理を実行させてよい。
さらには、中途取引の数に応じて、客端末対応精算モードが設定された精算装置40のうちで会計受付時間帯の終了後において客端末対応精算モードを維持する精算装置40の数を変更するように制御してよい。
このように、客端末対応精算モードが設定された精算装置40のうちの一部について客端末対応精算モードを維持させる稼働制御にあたっては、マスタとして機能する1つの精算装置40が、客端末対応精算モードを維持させる精算装置40と、客端末対応精算モードを終了させる精算装置40とを決定し、各精算装置40の稼働制御を実行するようにされてよい。
【0096】
同図の処理が実行されることで、会計受付時間帯の終了時刻に至ったとしても、全ての中途取引の精算が完了して中途取引が無くなるまでは、客端末対応精算モードが維持される。これにより、会計受付時間帯の終了前に、客端末対応会計による商品登録を開始したが、精算しようとするタイミングで会計受付時間帯を経過してしまっていても、客端末対応精算モードが設定された精算装置40により精算を行うことができる。
【0097】
[精算装置の稼働制御:客端末対応精算モードの起動制御について]
会計受付時間帯の開始時刻より前においては客端末対応会計に対応不可とするために、精算装置40について客端末対応精算モードを設定していない状態としておくことが行われる。しかしながら、客の便宜を図ろうとした場合には、開店時刻後に入店して、会計受付時間帯の開始時刻より前に客端末対応会計を行いたい客に対応して、客端末対応会計が可能なようにすることが好ましい。
そこで、本実施形態においては、開店時間後から会計受付時間帯の開始時刻までの間に客端末対応会計に応じた商品登録を開始した客がいる場合には、会計受付時間帯の開始時刻より前であっても、客端末対応会計に対応可能なようにする。
【0098】
図12のフローチャートは、精算装置40が客端末対応精算モードの起動制御に関連して実行する処理手順例を示している。同図の処理が開始されるにあたり、精算装置40は、客端末対応精算モード以外の所定のモード状態が設定されている。客端末対応精算モード以外の所定のモード状態は、例えば第1~第3会計モードのうちのいずれかであってもよいし、例えば客端末対応精算モードまたは第1~第3会計モードのうちからのモード選択が行われる前のモード選択待機モードであってもよい。
【0099】
ステップS201:客端末対応精算モードを設定して稼働中の精算装置40は、会計受付時間帯の開始時刻に至った否かについて判定する。
ステップS202:会計受付時間帯の開始時刻に至っていないことが判定されると、精算装置40は、中途取引問合せを、取引管理装置60に対して行う。この場合の中途取引は、開店時刻後において取引が開始されたが、現時点で未だ精算が完了していない取引となる。
当該ステップS202による中途取引問合せに応じて、取引管理装置60は、中途取引の有無を判定し、中途取引の有無についての判定結果を精算装置40に送信する。
【0100】
ステップS203:精算装置40は、取引管理装置60から送信された判定結果に基づいて、中途取引が有るか否かについて判定する。この場合の中途取引に該当するカート情報は、取引開始日時が会計受付時間帯の開始時刻より前であって、かつ、取引終了日時が未確定のカート情報となる。
中途取引が無いと判定された場合には、ステップS201に処理が戻される。これにより、ステップS202による中途取引問合せは、会計受付時間帯の開始時刻に至る前で、中途取引が無い状況のもとでは、一定時間ごとに実行される。
【0101】
ステップS204:一方、ステップS203にて中途取引が有ると判定された場合、あるいは、ステップS201にて会計受付時間帯の開始時刻に至ったことが判定された場合、精算装置40は、客端末対応精算モードを起動させる。この際、精算装置40は、これまでにおいて客端末対応精算モード以外の稼働モードが設定されていた場合には、これまでの稼働モードから客端末対応精算モードに切り替えを行う。
【0102】
同図の処理が実行されることで、開店時間後において未だ会計受付時間帯が開始されていなくとも、客が客端末対応会計を行えるようにすることができる。
【0103】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。以下に説明する変形例は、適宜、組み合わされてよい。
[第1変形例]
本実施形態のショッピングシステムにおいて、店舗においてアシストモニタ(監視装置)を設けてよい。なお、管理装置10がアシストモニタとして共用されてもよい。アシストモニタには店舗における各種状況を表示させることが可能とされている。担当の店員は、アシストモニタにより店舗内の状況を把握できる。
【0104】
そのうえで、本実施形態のアシストモニタは、精算装置40の状態(ステータス)を示す精算装置ステータス画面を表示可能とされてよい。精算装置ステータス画面は、例えば営業時間中において、例えばアシストモニタを担当する店員の操作に応じて、いつでも表示させることができる。
図13(A)は、精算装置ステータス画面の一例を示している。精算装置ステータス画面においては、店舗にて設置された精算装置40ごとに対応する精算装置ボタンBT1が配置される。同図では、店舗において4台の精算装置40が設置されていることに応じて、精算装置ボタンBT1として4つの精算装置ボタンBT1-1、BT1-2、BT1-3、BT1-4が配置された例が示されている。
【0105】
また、精算装置ステータス画面には、モード指示エリアAR1と使用状況指示エリアAR2とが配置されている。
モード指示エリアAR1は、精算装置ボタンBT1が対応する精算装置40ごとに設定された動作モード(客端末対応精算モード、第1~第3会計モードのいずれか)を示す。同図では、精算装置ボタンBT1-1~BT1-3に対応する3つの精算装置40について客端末対応精算モードが設定され、精算装置ボタンBT1-4に対応する1つの精算装置40について第1会計モードが設定されている例を示している。
【0106】
使用状況指示エリアAR2は、精算装置ボタンBT1が対応する精算装置40ごとの使用状況を示す。同図では、使用状況として、精算装置ボタンBT1-1に対応する精算装置40が「使用中」、精算装置ボタンBT1-2に対応する精算装置40が「未使用」、精算装置ボタンBT1-3に対応する精算装置40が「呼出」、精算装置ボタンBT1-4に対応する精算装置40が「使用中」である状態の例が示されている。
「使用中」は、客端末対応精算モードの場合には、客の操作に応じた精算処理を実行中であることを示し、第1会計モードの場合には、商品登録処理と精算処理とのいずれかが実行中であることを示す。
「未使用」は、商品登録処理や精算処理等の会計に関連する処理が実行されていない、会計処理の待機状態であることを示す。
「呼出」は、店員呼出状態にあることを示す。店員呼出状態は、客端末対応精算モードの場合には、登録された商品のうちに保留商品が含まれていることにより発生する。また、店員呼出状態は、客端末対応精算モードや第3会計モードなどのように店員が客と応対しない動作モードの場合には、登録された商品のうちにタバコや酒類などの年齢確認が必要な商品が含まれている場合に発生される。アシストモニタにより店員呼出状態となっている精算装置40があることを確認した店員は、例えば自分あるいは他の店員が、店員呼出状態の精算装置40に店員が赴くように対応することができる。
【0107】
なお、故障やメンテナンス中の状態となった場合には、モード指示エリアAR1と使用状況指示エリアAR2とのいずれかにおいてその旨が示されるようにしてよい。
【0108】
また、精算装置ステータス画面には、中途取引状況ボタンBT2が配置されている。中途取引状況ボタンBT2は、現在における中途取引の状況を示す中途取引状況画面の表示を指示する操作が行われるボタンである。店員は、中途取引の状況を把握したい場合には、中途取引状況ボタンBT2を操作する。中途取引状況ボタンBT2が操作されたことに応じて、アシストモニタにおいて中途取引状況画面が表示される。
アシストモニタは、中途取引状況ボタンBT2が操作されたことに応じて、中途取引画面要求を取引管理装置60に送信する、取引管理装置60は、中途取引画面要求に応じて、記憶部602が記憶するカート情報のうちから、要求元のアシストモニタが該当する店舗において中途取引の状態にあるカート情報を検索する、取引管理装置60は、検索されたカート情報を利用して、中途取引ごとの情報(中途取引情報)が示される中途取引画面を生成し、生成された中途取引画面を、中途取引画面要求の送信元のアシストモニタに送信する。アシストモニタは、送信された中途取引画面を表示する。
【0109】
図13(B)は、中途取引状況画面の態様例を示している。同図の中途取引状況画面においては、現在における中途取引ごとの中途取引情報が示される。1つの中途取引に対応する中途取引情報は、シリアル番号、取引開始日時、登録商品数、保留商品数、累計金額、ステータスの情報を含む。
シリアル番号は、対応の中途取引を識別する識別情報としての番号である。シリアル番号は、カート情報におけるカート識別情報に基づいて得られる。
取引開始日時は、対応の中途取引が開始された日時である。取引開始日時は、カート情報における取引開始日時に基づいて得られる。
登録商品数は、対応の中途取引のもとで現時点までにおいて登録された商品の数を示す。登録商品数は、カート情報における登録商品情報に基づいて得られる。登録商品数には、保留商品が含まれてよい。
保留商品数は、登録された商品のうちの保留商品の数を示す。保留商品数も、カート情報における登録商品情報に基づいて得られる。
累計金額は、対応の中途取引のもとで現時点までにおいて登録された商品の価格に応じて累計された金額である。累計金額は、カート情報における商品登録情報ごとにおいて示される品数、価格等に基づいて算出される。
ステータスは、対応の中途取引における現在の状態を示す。同図においては、シリアル番号が「00175」の中途取引のステータスは「精算中」となっている。「精算中」のステータスは、対応の中途取引は、精算装置40を使用して客が精算中であることを示す。
シリアル番号が「00176」の中途取引のステータスは「商品登録中」となっている。「商品登録中」のステータスは、対応の中途取引は、客端末装置50による商品登録が未だ完了していない状態であることを示す。
シリアル番号が「00177」の中途取引のステータスは、登録商品数が「0」とされたうえで「商品登録中」となっている。これは、
図8との対応では、ステップS2によりカート情報は作成されているが、ステップS7による商品データの更新が未だ一度も実行されていない状態であることを示す。本実施形態においては、このように登録商品数が「0」の状態であっても、カート情報が生成されているのであれば、「商品登録中」であるとして扱われる。
【0110】
中途取引状況画面においては「戻る」ボタンBT4が配置されている。「戻る」ボタンBT4に対する操作が行われると、アシストモニタは、中途取引状況画面を消去して、精算装置ステータス画面が表示される状態に戻る。
【0111】
また、
図13(A)の精算装置ステータス画面において配置される中途取引状況ボタンBT2が操作されたことに応じて、
図13(B)の中途取引状況画面に代えて、
図13(C)に例示する態様の中途取引状況詳細画面が表示されてもよい。なお、
図13(A)の精算装置ステータス画面において、中途取引状況ボタンBT2とともに、中途取引詳細状況ボタンが別途配置されてよい。この場合、中途取引状況ボタンBT2が操作されたことに応じて、
図13(B)の中途取引状況画面が表示され、中途取引詳細状況ボタンが操作されたことに応じて、
図13(C)の中途取引状況詳細画面が表示されてよい。
【0112】
図13(C)の中途取引状況詳細画面においては、中途取引リストエリアAR31と中途取引詳細情報エリアAR32とが配置される。中途取引リストエリアAR31においては、現在において存在する中途取引のリストが示される。
中途取引リストエリアAR31においてそれぞれ1つの中途取引に対応するリスト項目は、例えば取引開始日時の新しい順から古い順に従って上から下にかけて配置されている。なお、リスト項目の配列順は、取引開始日時のほか、取引開始時間からの経過時間が長い順、登録商品数順などであってもよく、配列順の基準について操作等により変更可能なようにされてもよい。
1つの中途取引に対応する1つのリスト項目においては、対応の中途取引についてのシリアル番号、会員番号、取引開始日時、経過時間、登録商品数、累計金額等が示されている。
シリアル番号は、対応の中途取引を識別する識別情報としての番号である。シリアル番号は、カート情報におけるカート識別情報に基づいて得られる。
取引開始日時は、対応の中途取引が開始された日時である。取引開始日時は、カート情報における取引開始日時に基づいて得られる。
経過時間は、取引開始日時から現在までの時間を示す。
登録商品数は、対応の中途取引のもとで現時点までにおいて登録された商品の数を示す。登録商品数は、カート情報における登録商品情報に基づいて得られる。登録商品数には、保留商品が含まれてよい。
累計金額は、対応の中途取引のもとで現時点までにおいて登録された商品の価格に応じて累計された金額である。累計金額は、カート情報における商品登録情報ごとにおいて示される品数、価格等に基づいて算出される。
また、リスト項目においては、さらに保留商品数のほか、保留商品や年齢確認が必要な商品など、客が購入するにあたり店員の介在が必要な商品が登録されていることを、店員に報知するアイコン(例えば、「保」、「年」等の文字が示されアイコン)が示されてよい。
保留商品数は、登録された商品のうちの保留商品の数を示す。保留商品数も、カート情報における登録商品情報に基づいて得られる。リスト項目に表示される各種アイコンは、絵記号だけでなく、絵記号に文字や記号が含まれていてもよい。
また、リスト項目においては、客が取引に利用する客端末装置50の種別(端末種別)が示される。端末種別として、「カート」は、客が利用する端末装置が、カートに保持されたタブレット端末であることを示す。「客端末」は、客が利用する端末が、客の所有する携帯端末やタブレット端末であることを示す。「店端末」は、客が利用する端末が、店舗で貸し出した端末装置であることを示す。
【0113】
中途取引詳細情報エリアAR32は、中途取引リストエリアAR31から選択されたリスト項目が対応する中途取引についての詳細な情報を示す。中途取引詳細情報エリアAR32においては、選択された中途取引に対応するシリアル番号、会員番号、取引開始日時が示される、また、中途取引詳細情報エリアAR32においては、選択された中途取引のもとで現在までにおいて登録された商品の情報のリスト示される。登録された1の商品に対応するリスト項目においては、商品識別子、商品名、価格等が示される。また、商品の登録に応じて値引きが適用された場合には、値引き結果の情報も示される。
また、商品のリスト項目のうち、保留商品や年齢確認商品に該当するものについては、他の商品と識別が可能なように表示の態様が変更される。
【0114】
説明を
図13(A)に戻す。精算装置ステータス画面においては、「閉設」ボタンBT3が配置されている。「閉設」ボタンBT3は、店員が精算装置40について手動で閉設処理を実行させる際に操作されるボタンである。
例えば、精算装置ボタンBT1-2に対応する精算装置40について手動で閉設処理を実行させる場合、店員は、精算装置ボタンBT1-2を操作して、精算装置ボタンBT1-2に対応付けられた精算装置40を閉設処理の指示対象として指定する。そのうえで、店員は、閉設ボタンBT3を操作する。このような操作が行われたことに応じて、アシストモニタは、例えば精算装置ボタンBT1-2に対応付けられた精算装置40に閉設処理要求を送信する。精算装置ボタンBT1-2に対応付けられた精算装置40は、送信された閉設処理要求に応じて、これまでの客端末対応精算モードを終了させたうえで、閉設処理を実行する。
なお、上記の例では、複数の精算装置ボタンBT1に対して共用される1の閉設ボタンBT3が配置された態様を示しているが、例えば、精算装置ボタンBT1ごとに対応する閉設ボタンが配置されるようにしてよい。
なお、精算装置ステータス画面に対する操作により、店員が精算装置40について、手動で開設処理を実行させることが可能なようにされてもよい。
【0115】
また、店員は、精算装置40を操作することによっても、手動で閉設処理を実行させることが可能なようにされてよい。店員は、閉設処理を実行させる精算装置40に赴いて、閉設処理を指示する操作を行う。閉設処理を指示する操作が行われたことに応じて、精算装置40は、閉設処理の実行についての確認のための閉設処理実行確認画面を店員側表示部410(客側表示部205でもよい)に表示させる。なお、閉設処理を指示する操作は、会計受付時間帯以外の時間(例えば、会計受付時間の終了時刻以降)において、中途取引が無い場合において受け付け可能とされる。会計受付時間帯以外の時間であっても、中途取引が有る場合には、中途取引に対応する精算が待機できるようにするため、精算装置40は、閉設処理を指示する操作を受け付けないようにされる。
図15は、閉設処理実行確認画面の一例を示している。店員は、閉設処理を実行させる場合には、「はい」ボタンBT11を操作する。「はい」ボタンBT11が操作されると、精算装置40は閉設処理の実行を開始する。「いいえ」ボタンBT12が操作された場合、精算装置40は閉設処理を実行せずに、例えば前画面の表示に戻す。
【0116】
[第2変形例]
本実施形態においては、会計受付時間帯が終了したとしても、会計受付時間帯の終了時刻より前に商品登録が開始された中途取引については、客端末対応精算モードの精算装置40での精算が行えるようにされる。ただし、会計受付時間帯が終了してから、客端末対応会計による商品登録を開始することについては受け付けが不可となる。
具体的には、会計受付時間帯の経過後において、客がショッピングアプリケーションに対する操作を行って客端末装置50に取引開始要求を送信させても、取引管理装置60は、送信された取引開始要求に応じてカートを生成する処理を実行せずに、客端末装置50に取引開始不可を通知する。
【0117】
しかしながら、客端末対応会計による取引を開始しようとする客としては、会計受付時間帯の終了時刻が近づいている状況であっても、必ずしも、終了時刻を意識しているとは限らない。また、終了時刻に近づいていることを認識している客であっても、終了時刻に対する残り時間を正確に把握しているとも限らない。このような客が、例えば会計受付時間帯の終了時刻後に、客端末対応会計による取引を開始させるための操作を客端末装置50に行った場合には、思いがけず取引の受け付けが拒否されたとの印象を持つ場合がある。
【0118】
そこで、本変形例では、上記のような客への便宜として、会計受付時間帯の終了に関する報知が客端末装置50にて行われるようにする。本変形例では、ショッピングアプリケーションが起動されたことに応じて表示される起動画面に対して、客端末対応会計における商品登録の開始を指示する操作(商品登録開始指示操作)が行われたことに応じて、商品登録が開始される場合を例に挙げる。
【0119】
図14(A)は、客端末装置50の表示部504にて表示される起動画面の一例を示している。同図の起動画面の店舗名エリアAR10においては、
図8のステップS1により客端末装置50が取得した店舗特定情報に基づく店舗名が表示されている。即ち、店舗名エリアAR10にて表示される店舗名は、現在において客が滞在している店舗を示す。
また、起動画面においては、会計受付時間帯指示エリアAR20が配置されている。会計受付時間帯指示エリアAR20においては、店舗名エリアAR10において店舗名が表示されている店舗において定められている会計受付時間帯が示される。同図の会計受付時間帯指示エリアAR20においては、会計受付時間帯の開始時刻と終了時刻とが示されている。会計受付時間帯指示エリアAR20は、例えば店舗特定情報に会計受付時間帯が含まれている場合には、取得された店舗特定情報に含まれていた会計受付時間帯に基づいて表示されてよい。あるいは、会計受付時間帯指示エリアAR20は、インストールされたショッピングアプリケーションのアプリケーションデータに店舗ごとの会計受付時間帯が含まれている場合には、アプリケーションデータに含まれていた会計受付時間帯に基づいて表示されてよい。
【0120】
また、起動画面においては、会計開始ボタンBT10が配置されている。会計開始ボタンBT10は、一取引に応じた客端末対応会計の開始を指示する操作が行われるボタンである。会計開始ボタンBT10が操作されたことに応じて、表示部504における表示は、商品登録初期画面(
図9(A))に遷移し、客端末対応会計のもとでの商品登録に移行する。
同図の起動画面は、会計受付時間帯の終了時刻に対して一定時間以上前の時刻である場合に表示される。
【0121】
図14(B)は、会計受付時間帯の終了時刻から一定時間前までの時間帯(終了時間帯)である場合に表示される起動画面の一例を示している。同図の起動画面においては、
図14(A)の起動画面では表示されていなかった終了予告メッセージMS1が新たに表示されている。
終了予告メッセージMS1は、会計受付時間帯の終了が近づいていることを客に報知するメッセージである。具体的に、同図の終了予告メッセージMS1は、現時刻から会計受付時間帯の終了時刻となるまでの残り時間を客に報知している。終了予告メッセージMS1としては、例えば、「もうすぐ会計受付時間帯が終了します」といったように、単に会計受付時間帯の終了が近いことを伝えるようなメッセージ内容であってもよいが、残り時間を提示するほうが客にとっても有用である。
【0122】
図14(C)は、会計受付時間帯の終了時刻が経過した場合に表示される起動画面の一例を示している。同図の起動画面においては、
図14(B)にて表示されていた終了予告メッセージMS1に代えて、終了メッセージMS2が表示されている。終了メッセージMS2は、会計受付時間帯が終了したことを客に報知するメッセージである。
同図の終了メッセージMS2は、会計開始ボタンBT10における「買い物を開始する」との文字に代わって表示された態様となっている。これにより、会計開始ボタンBT10については、
図4(A)、
図4(B)の操作が可能な状態から、操作が不可の状態となったことも分かりやすく示される。
【0123】
また、先の
図11の処理では、会計受付時間帯の終了時刻より前に商品登録が開始された中途取引に応じて、客端末対応精算モードの精算装置40が精算を受け付ける時間については特に期限を設定しない場合を例に挙げた。
しかしながら、店舗の運用によっては、中途取引に応じて客端末対応精算モードの精算装置40が精算を受け付ける時間について期限となる時刻(受付期限時刻)を設定する場合がある。このような受付期限時刻限は、例えば閉店時間に対応した時刻であってもよいし、会計受付時間帯の終了時刻から閉店時間までの間における所定時刻であってもよい。
このように受付期限時刻が設定されている場合には、中途取引により商品登録中の客は、受付期限としての時刻に至るより前に商品登録を済ませて、客端末対応精算モードの精算装置40にて精算を開始させる必要がある。
そこで、客端末装置50においては、現在時刻が受付期限時刻の一定時間前となったことに応じて、受付期限の時刻が近づいていることの報知が行われてよい。
【0124】
図14(D)は、受付期限時刻が近づいていることの報知が行われた商品登録画面の一例を示している。受付期限時刻の一定時間前となった状況で未だ精算に移行していない中途取引は、商品登録中の状態にあることから、客端末装置50の表示部504には、商品登録画面が表示された状態にある。そこで、受付期限時刻の一定時間前となった場合には、同図のように、商品登録画面において、受付期限時刻が近づいていることを客に報知する終了予告メッセージMS3が配置される。具体的に、同図の終了予告メッセージMS3は、現時刻から受付期限時刻までの残り時間を客に報知している。終了予告メッセージMS3としても、単に客端末対応精算モードでの精算装置40の精算の受付終了が近いことを伝える内容のメッセージであってもよいが、具体的な残り時間を提示するほうが客にとっても有用である。
また、同図の終了予告メッセージMS3は、「お会計へ進む」ボタンBT20からの吹き出しにより表示されている。「お会計へ進む」ボタンBT20は、商品登録を完了させて精算に移行するための操作が行われるボタンである。このような「お会計へ進む」ボタンBT20からの吹き出しとして終了予告メッセージMS3が表示されることで、終了予告メッセージMS3の内容が、受付期限時刻が近づいていることを報知するものであることを、客は感覚的に把握できる。
なお、終了予告メッセージMS3等のほか、客端末装置50は、受付期限時刻まで所定の残り時間になったことに応じて、鳴動装置から警報音を発したり、音声メッセージを出力してもよい。あるいは報知は、客端末装置50は、例えばインジケータ等を発行させることにより終了予告を行ってもよい。このような構成によっても、客に受付期限時刻が近づいていることを認識させることができる。
【0125】
[第3変形例]
受付期限時刻が経過しても、客端末対応精算モードの精算装置40による中途取引に対応の精算が開始されなかった場合、商品登録が完了した段階で、カート情報を、例えば第1会計モードまたは第2会計モードが設定された精算装置40に対して精算情報として送信するようにされてよい。第1会計モードまたは第2会計モードが設定された精算装置40は、送信された精算情報を利用して精算処理を実行する。これにより、第1会計モードまたは第2会計モードが設定された精算装置40にて精算を行うにあたっては、再度、購入対象の商品を登録させなくともよい。
【0126】
[第4変形例]
図8の処理手順例のもとでは、客端末装置50にて商品のコード情報がスキャンされて商品コードの読み取りが行われるごとに、客端末装置50が読み取った商品コードを取引管理装置60に送信するようにされていた。つまり、
図8の処理手順例のもとでは、客端末装置50にて商品コードの読み取りに応じた商品登録処理が実行されるごとに、当該商品登録処理により得られた商品コードを含む商品登録情報を取引管理装置60に送信する(ステップS5)。この場合、取引管理装置60は、客端末装置50から商品登録情報が受信される都度、商品登録情報に含まれていたカート識別情報により特定されたカート情報に、商品登録情報に含まれていた商品コードに対応する登録商品情報を格納していくようにする(ステップS6、S7)。
これに対して、本変形例の客端末装置50は、一取引における商品登録処理によって取得された商品コードを、会計指示の操作が行われるまで、送信することなく記憶しておくようにされる。そして、客端末装置50は、会計指示の操作が行われたことに応じて、これまで記憶していた1以上の商品コードを含む商品登録情報を、取引管理装置60に送信するようにされる。取引管理装置60は、受信された商品登録情報に含まれていたカート識別情報により特定されたカート情報に、商品登録情報に含まれていた1以上の商品コードごとに対応する登録商品情報を格納する。つまり、本実施形態における客端末装置50は、商品登録情報について、会計指示に応じて一括送信を行うようにされる。
このように、客端末装置50が会計指示に応じて商品登録情報の一括送信を行うようにした場合には、客端末装置50と取引管理装置60との間での通信回数を削減することができるため、客端末装置50における処理負荷の軽減や消費電力の削減を図ることができる。また、客端末装置50と取引管理装置60との間でのトラフィック量の削減も図ることができる。
【0127】
このように、会計指示に応じて商品登録情報の一括送信を行う場合、客端末装置50は、例えば
図8のステップS1に応じて、まず、取引開始要求を取引管理装置60に送信するようにされてよい。これにより、取引管理装置60は、客が取引を開始するタイミングに応じて、対応の取引のカート情報を生成し、中途取引の状態とすることができる。また、取引管理装置60は、生成したカート情報を示すカート識別情報を客端末装置50に送信する。
そのうえで、この場合の客端末装置50は、商品コードの読み取りが行われるごとに、読み取った商品コードを送信せずに記憶していくようにされる。そして、会計指示の操作が行われたことに応じて、これまでにおける商品の登録結果が示される商品登録情報を、取引管理装置60に送信する。取引管理装置60は、送信された商品登録情報を利用してカート情報を更新する。つまり、本変形例においては、取引管理装置60は、一取引において、商品登録情報の一括送信が行われたことに応じて、1回のステップS6、S7の処理を実行して、登録された全ての商品が反映されたカート情報を生成する。
この後においては、客端末装置50、精算装置40、取引管理装置60が、
図8のステップS11以降と同様の処理を実行してよい。
【0128】
なお、客が取引を開始するタイミングに応じて、対応の取引のカート情報を生成し、中途取引の状態とするにあたっては、例えば、店舗に入場する際に、店舗の入口に設けられた入場証明用のコード情報を、客端末装置50に読み取らせる操作を客に行ってもらうようにしてもよい。入場証明用のコード情報には、取引管理装置60への取引開始要求の送信をショッピングアプリケーションに指示する情報が含まれている。客端末装置50は、入場証明用のコード情報を読み取ったことに応じて、取引管理装置60に取引開始要求を送信する。
また、客端末装置50は、自己の位置を測位し、測位している位置が店舗に対応する範囲に含まれたことに応じて、取引管理装置60に取引開始要求を送信するようにしてもよい。
【0129】
[第5変形例]
1営業日における会計受付時間帯や受付期限時刻は、例えば曜日単位、月単位、年単位等で変更されてよい。
【0130】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、商品販売データ処理システムに関する。
[背景技術]
店舗における買い物においてスマートフォン等を用いて客が商品の登録を行うようにされたセルフ登録システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016-219034号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
例えば、上記のような客が端末を用いて商品登録を行うセルフ登録システムの普及等を考慮すれば、セルフ登録システムを利用する客への便宜が図られることが好ましい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、客が端末を用いて商品登録を行うセルフ登録システムにおいて、客への便宜が図られるようにすることを目的とする。
[課題を解決するための手段]
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、商品の登録を行う客端末装置(50)と、前記客端末装置による商品の登録結果が反映された商品登録情報を記憶する取引管理装置(60)と、前記商品登録情報に基づいて、客端末装置によって登録された商品に対応する客端末対応精算を実行する精算装置(40)とを含む商品販売データ処理システムであって、所定時間において、客端末装置によって商品登録が実行中の中途取引の有無を判定する取引判定手段と、前記取引判定手段の判定結果に基づいて、客端末装置によって登録された商品に対応する客端末対応精算を実行する精算装置の稼働についての制御を行う稼働制御手段とを備える商品販売データ処理システムである。
【0131】
上記構成によれば、客端末対応会計のもとで、所定時間において中途取引のある場合には、客端末対応精算モードにより精算装置40を稼働させたままとしておくことができる。
これにより、所定時間においては、客端末対応会計における精算が受け付け不可とされる運用であっても、客端末対応精算モードの精算装置40により精算が受け付けられる。これにより、客が客端末装置50を用いて商品登録を行うセルフ登録システムにおいて、客への便宜が図られる。
【0132】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の商品販売データ処理システムであって、前記所定時間は、前記客端末対応精算の受け付けを終了させるものとして運用上定められた終了時刻(例えば、会計受付時間帯の終了時刻)より後の時間であり、前記稼働制御手段は、前記取引判定手段により中途取引が有ると判定された場合には、前記精算装置について、客端末対応精算が実行不可の状態に遷移させずに、客端末対応精算が実行可能な状態を維持させる。
【0133】
上記構成によれば、会計受付時間帯の終了時刻が経過しても、中途取引については、客端末対応精算モードの精算装置40により精算が受け付けられる。
【0134】
(3)本実施形態の一態様は、(1)または(2)に記載の商品販売データ処理システムであって、前記取引判定手段により中途取引が無いと判定された場合に、前記精算装置が前記客端末対応精算を実行不可の状態に遷移させる操作手段を表示させる操作表示制御手段を備える。
【0135】
上記構成によれば、会計受付時間帯以外で中途取引が無い場合には、店員の判断で、精算装置40に閉設処理を実行させるように操作することが可能となる。
【0136】
(4)本実施形態の一態様は、(1)から(3)のいずれか1つに記載の商品販売データ処理システムであって、前記所定時間は、客端末対応精算の受け付けが開始されるものとして店舗運用上定められた開始時刻より前の時間であり、前記稼働制御手段は、前記取引判定手段により中途取引が有ると判定された場合には、前記精算装置について、客端末対応精算の実行不可の状態から客端末対応精算を実行可能な状態に変更するように制御する。
【0137】
上記構成によれば、会計受付時間帯の開始時刻より前であっても、中途取引については、客端末対応精算モードの精算装置40により精算が受け付けられる。
【0138】
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれか1つに記載の商品販売データ処理システムであって、前記稼働制御手段は、複数の精算装置のうちの少なくとも一部を対象として制御を行う。
【0139】
上記構成によれば、店舗において、客端末対応会計のサービスとともに、例えば店員が応対する会計や、客が、精算装置にて商品登録と精算とをセルフで行うような他の形態の会計も並行して行うことが可能となる。
【0140】
(6)本実施形態の一態様は、(1)から(5)のいずれか1つに記載の商品販売データ処理システムであって、前記客端末対応精算の受け付けが行われるものとして運用上定められた時間帯に関する時間帯関連情報を前記客端末装置にて表示させる表示制御手段を備える。
【0141】
上記構成によれば、店舗にて定められた会計受付時間帯に関する情報が客端末装置50にて表示されることから、客は、会計受付時間帯について把握することができる。
【0142】
(7)本実施形態の一態様は、(6)に記載の商品販売データ処理システムであって、前記表示制御手段は、前記時間帯関連情報として、前記時間帯の開始から終了までの時間に関する情報を表示させる。
【0143】
上記構成によれば、客は、客端末装置50に表示された情報をみることで、会計受付時間帯がいつから開始され、いつ終了するのかを具体的に把握できる。
【0144】
(8)本実施形態の一態様は、(6)または(7)に記載の商品販売データ処理システムであって、前記表示制御手段は、前記時間帯関連情報として、前記時間帯と現在時刻との関係についての情報を表示させる。
【0145】
(9)本実施形態の一態様は、(8)に記載の商品販売データ処理システムであって、前記表示制御手段は、前記時間帯関連情報として、現時刻における前記時間帯の終了までの残り時間を表示させる。
【0146】
上記(8)、(9)の構成によれば、客は、客端末装置50に表示された情報をみることで、例えば会計受付時間帯の終了までの残り時間を把握することができる。
なお、表示制御手段は、会計受付時間帯の開始前において、会計受付時間帯が開始されるまでの時間を客端末装置50にて表示させることも可能である。
【0147】
(10)本実施形態の一態様は、(8)または(9)に記載の商品販売データ処理システムであって、前記表示制御手段は、前記時間帯関連情報として、現時刻が前記時間帯を経過したことに応じて、前記時間帯の終了の通知を表示させる。
【0148】
上記構成によれば、客は、客端末装置50に表示された情報を見ることで、会計受付時間帯が終了したことを把握できる。
【0149】
なお、上記各実施形態における上述の管理装置10、精算装置40、客端末装置50、取引管理装置60などとしての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、上記の管理装置10、精算装置40、客端末装置50、取引管理装置60などとしての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0150】
1 POSシステム、10 管理装置、40 精算装置、50 客端末装置、60 取引管理装置、70 クレジットカード決済サーバ