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特開2024-40509バッテリシェアリング管理装置、バッテリシェアリング管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040509
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】バッテリシェアリング管理装置、バッテリシェアリング管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240315BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024021972
(22)【出願日】2024-02-16
(62)【分割の表示】P 2021532804の分割
【原出願日】2020-07-06
(31)【優先権主張番号】P 2019130014
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 顕則
(57)【要約】
【課題】バッテリシェアリング管理装置を提供する。
【解決手段】バッテリを保管する保管拠点のバッテリの数を特定し、保管拠点に応じた閾値に基づいて、保管拠点のバッテリの数が余剰または不足であることを判定し、バッテリの数が余剰または不足であると判定された保管拠点に関する情報を移動体端末に伝達する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを保管する保管拠点の前記バッテリの数を特定し、
前記保管拠点に応じた閾値に基づいて、前記保管拠点の前記バッテリの数が余剰または不足であることを判定し、
前記バッテリの数が余剰または不足であると判定された前記保管拠点に関する情報を移動体端末に伝達する、
バッテリシェアリング管理装置。
【請求項2】
前記閾値として前記保管拠点の前記バッテリの数が余剰であることを判定する余剰閾値または不足であることを判定する不足閾値とを用いて、前記保管拠点の前記バッテリの数が余剰または不足であることを判定する、
請求項1に記載のバッテリシェアリング管理装置。
【請求項3】
前記保管拠点の前記バッテリの数の増減を判定し、
前記増減の判定に応じて、報酬を算出する、
請求項1または2に記載のバッテリシェアリング管理装置。
【請求項4】
前記バッテリの数が余剰または不足であると判定された前記保管拠点への経路を示す地図情報を移動体端末に表示させる情報を送信する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のバッテリシェアリング管理装置。
【請求項5】
前記保管拠点の端末から前記バッテリの数に関する情報と、前記保管拠点の端末のIDを含む情報とを取得し、
前記バッテリの数に関する情報と、前記保管拠点の端末のIDとを紐づけて管理する、
請求項1から4のいずれか1項に記載のバッテリシェアリング管理装置。
【請求項6】
前記保管拠点に応じた閾値として保管拠点の端末のIDに応じた閾値を用いて、前記保管拠点の前記バッテリの数が余剰または不足であることを判定する、
請求項1から5のいずれか1項に記載のバッテリシェアリング管理装置。
【請求項7】
前記保管拠点の端末のIDと前記バッテリのIDと前記バッテリの数の増減とに応じて、前記保管拠点での前記バッテリの受け渡しが行われたことを管理する、
請求項5に記載のバッテリシェアリング管理装置。
【請求項8】
バッテリを保管する保管拠点の前記バッテリの数を特定し、
前記保管拠点に応じた閾値に基づいて、前記保管拠点の前記バッテリの数が余剰または不足であることを判定し、
前記バッテリの数が余剰または不足であると判定された前記保管拠点に関する情報を移動体端末に伝達する、
バッテリシェアリング管理方法。
【請求項9】
前記閾値として前記保管拠点の前記バッテリの数が余剰であることを判定する余剰閾値または不足であることを判定する不足閾値とを用いて、前記保管拠点の前記バッテリの数が余剰または不足であることを判定する、
請求項8に記載のバッテリシェアリング管理方法。
【請求項10】
前記保管拠点の前記バッテリの数の増減を判定し、
前記増減の判定に応じて、報酬を算出する、
請求項8または9に記載のバッテリシェアリング管理方法。
【請求項11】
前記バッテリの数が余剰または不足であると判定された前記保管拠点への経路を示す地図情報を移動体端末に表示させる情報を送信する、
請求項8から10のいずれか1項に記載のバッテリシェアリング管理方法。
【請求項12】
前記保管拠点の端末から前記バッテリの数に関する情報と、前記保管拠点の端末のIDを含む情報を取得し、
前記バッテリの数に関する情報と、前記保管拠点の端末のIDを紐づけて管理する、
請求項8から11のいずれか1項に記載のバッテリシェアリング管理方法。
【請求項13】
前記保管拠点に応じた閾値として保管拠点の端末のIDに応じた閾値を用いて、前記保管拠点の前記バッテリの数が余剰または不足であることを判定する、
請求項8から12のいずれか1項に記載のバッテリシェアリング管理方法。
【請求項14】
前記保管拠点の端末のIDと前記バッテリのIDと前記バッテリの数の増減とに応じて、前記保管拠点での前記バッテリの受け渡しが行われたことを管理する、
請求項12に記載のバッテリシェアリング管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリシェアリング管理装置、バッテリシェアリング管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザが共有して利用する物を貸し出すシェアリングサービスが多く提供されている。例えば自転車、携帯端末、携帯型ルータなどのシェアリング対象物を貸し出すシェアリングサービスが存在する。このようなシェアリングサービスでは、シェアリング対象物を保管する保管拠点を複数の地点に分散して配置する。シェアリングサービスを利用するユーザは、ある保管拠点でシェアリング対象物を受け取り、その保管拠点または他の保管拠点で、そのシェアリング対象物を返却する。関連する技術としてカーシェアリングに関する技術が特許文献1~4に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特開2016-148910号公報
【特許文献2】日本国特開2010-170293号公報
【特許文献3】日本国特開2010-170283号公報
【特許文献4】日本国特開2009-301150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなシェアリングサービスでは、保管拠点ごとにシェアリング対象物の保管数に偏りが生じ、保管数が余剰の保管拠点から保管数が不足している保管拠点へ、シェアリング対象物を移動させる管理者の労力を軽減する必要がある。
【0005】
この発明の目的の一例は、上述の課題を解決するバッテリシェアリング管理装置、バッテリシェアリング管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様によるシェアリング管理装置は、複数のユーザにより共有されるシェアリング対象物を運搬する移動装置に搭載された複数の移動体端末それぞれから、その移動装置が運搬する前記シェアリング対象物の数とその移動装置の現在位置とを含む管理情報を取得する取得手段と、前記複数の移動体端末それぞれから取得した前記管理情報を出力する管理手段と、を備える。
【0007】
本発明の一実施態様による端末は、複数のユーザにより共有されるシェアリング対象物を運搬する移動装置に搭載され、前記移動装置が運搬する前記シェアリング対象物の数を検出する数検出手段と、前記移動装置の現在位置を検出する位置検出手段と、前記シェアリング対象物の数と前記現在位置とを含む管理情報をシェアリング管理装置へ送信する送信手段と、を備える。
【0008】
本発明の一実施態様によるシェアリング管理方法は、複数のユーザにより共有されるシェアリング対象物を運搬する移動装置に搭載された複数の移動体端末それぞれから、その移動装置が運搬する前記シェアリング対象物の数とその移動装置の現在位置とを含む管理情報を取得し、前記複数の移動体端末それぞれから取得した前記管理情報を出力することを含む。
【0009】
本発明の一実施態様による記録媒体は、シェアリング管理装置のコンピュータに、複数のユーザにより共有されるシェアリング対象物を運搬する移動装置に搭載された複数の移動体端末それぞれから、その移動装置が運搬する前記シェアリング対象物の数とその移動装置の現在位置とを含む管理情報を取得し、前記複数の移動体端末それぞれから取得した前記管理情報を出力する、ことを実行させるプログラムを記憶する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の開示によれば、複数のユーザにより共有して利用されるシェアリング対象物の管理労力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態によるシェアリング管理システムの概要を示す図である。
図2】本実施形態によるシェアリング管理システムの機能ブロック図である。
図3】本実施形態によるシェアリング管理装置のハードウェア構成図である。
図4】本実施形態によるシェアリング管理装置、移動体端末、拠点端末の機能ブロック図である。
図5】本実施形態によるシェアリング管理装置の処理フローを示す図である。
図6】本実施形態によるシェアリング管理装置の構成の例を示す図である。
図7図6に示すシェアリング管理装置による処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態によるシェアリング管理装置を含むシェアリング管理システムを、図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態によるシェアリング管理システム100の概要を示す図である。
図2は本発明の実施形態によるシェアリング管理システム100の機能ブロック図である。
図1図2で示すように、シェアリング管理システム100は、シェアリング管理装置1と、運営者端末2とが、通信ネットワークにより接続して構成される。またシェアリング管理システム100は、移動装置30に備わる移動体端末3や、保管拠点の店舗40に備わる拠点端末4が、シェアリング管理装置1と通信接続して構成される。
【0013】
運営者端末2はシェアリングサービスを管理する運営者が管理する端末である。本実施形態において運営者は、例えば無線ルータ、通信機器、バッテリ、自転車、傘、などのシェアリング対象物(対象物)をユーザに貸し出すシェアリングサービスを行っている。運営者は移動装置30の例であるタクシー、バスなどに設けられた保管場所に一つまたは複数のシェアリング対象物を保管する。ユーザはタクシーやバスなどの移動装置30に乗車した際、これらシェアリング対象物を借りることができる。ユーザはまた、保管拠点となる店舗40においてもシェアリング対象物を借りることができる。ユーザはシェアリング対象物の利用を停止した後は、移動装置30の保管場所や、保管拠点となる店舗40に返却する。このような移動装置30にシェアリング対象装置を保管する保管場所を設けた場合、移動装置30の移動に伴って、その移動装置30に保管されるシェアリング対象物も移動する。
【0014】
上述のようなシェアリングサービスでは、シェアリング対象物が特定の保管場所に偏って滞留する場合がある。このような場合、シェアリングサービスの運営者は、シェアリング対象物の保管が余剰になっている保管場所や保管拠点から、シェアリング対象物の数の不足している保管場所や保管拠点へ、シェアリング対象物を移動させる必要がある。この移動作業に多くの労力を費やす必要があった。
【0015】
本実施形態で説明するシェアリングサービスでは、上述のように移動装置30の移動に伴って、移動装置30の保管場所に保管されるシェアリング対象物が移動する。従って移動装置30で保管されるシェアリング対象物が余剰であっても、移動装置30が数の不足する保管場所に近づくことで、シェアリング対象物の余剰な保管場所や保管拠点から不足する保管場所や保管拠点への移動が容易となる。
【0016】
図3はシェアリング管理装置1のハードウェア構成図である。
図3で示すように、シェアリング管理装置1は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、データベース104、通信モジュール105等の各ハードウェアを備えたコンピュータである。運営者端末2、移動体端末3、拠点端末4も同様のハードウェア構成を備えたコンピュータである。
【0017】
図4はシェアリング管理装置1、移動体端末3、拠点端末4の機能ブロック図である。
シェアリング管理装置1は、電源が投入されると起動し、予め記憶するシェアリング管理プログラムを実行する。これによりシェアリング管理装置1は、少なくとも、制御部11、取得部12、特定部13、管理部14の機能を発揮する。
【0018】
制御部11は、他の機能部を制御する。
取得部12は、シェアリング対象物を運搬する移動装置30に搭載された移動体端末3から、その移動装置30が運搬するシェアリング対象物の数と移動装置30の現在位置とを含む管理情報を取得する。取得部12は、保管拠点の店舗40に備わる拠点端末4からも、管理情報を取得する。その管理情報には、店舗40で保管するシェアリング対象物の数が少なくとも含まれる。
【0019】
特定部13は、複数の移動装置30のから、運搬(保管)するシェアリング対象物の数が不足している移動装置30(第一移動装置)と、運送(保管)するシェアリング対象物の数が余剰となる移動装置30(第二移動装置)とを特定する。
管理部14は、運搬するシェアリング対象物の数が不足している移動装置30(第一移動装置)の移動体端末3と、運送するシェアリング対象物の数が余剰となる移動装置30(第二移動装置)の移動体端末3や、拠点端末4などの他の装置から取得した情報とを含む管理情報を、送信先となる運営者端末2へ送信する。
【0020】
移動体端末3と拠点端末4は、電源が投入されると起動し、予め記憶する保管管理プログラムを実行する。これにより移動体端末3と拠点端末4は、制御部51、数検出部52、位置検出部53、送信部54を備える。
制御部51は、移動体端末3、拠点端末4における他の機能部を制御する。
数検出部52は、保管場所や保管エリアに保管されているシェアリング対象物の数を検出する。具体的には、数検出部52は、近傍に位置するシェアリング対象物に備わるICタグから情報を読み出すことで、その情報が示すシェアリング対象物の管理番号の数をカウントして、その数をシェアリング対象物の数と特定してよい。数検出部52は、シェアリング対象物が保管された場合に、なんらかのスイッチがONとなったことを検知する、またはシェアリング対象物が保管された場合に送信した信号を検知するなどにより、保管するシェアリング対象物の情報を取得して、その数をカウントするようにしてもよい。
【0021】
位置検出部53は、移動体端末3(または拠点端末4)の現在位置を検出する。現在位置はGPS機能を用いて検出してよい。
送信部54は、シェアリング対象物の数を少なくとも含む管理情報をシェアリング管理装置1へ送信する。または送信部54はさらに現在位置を含む管理情報をシェアリング管理装置1へ送信する。移動体端末3は、送信部54は現在位置を管理情報に格納して送信してよい。一方で、拠点端末4は、送信部54は現在位置を管理情報に格納しなくてもよい。なお管理情報には、さらに、移動体端末3(または拠点端末4)のIDや、移動体端末3が設置されている移動装置30のIDや、拠点端末4が設置されている店舗40のIDが含まれてよい。
【0022】
図5はシェアリング管理装置1の処理フローを示す図である。
次に、シェアリング管理システム100の各装置の処理について説明する。
移動装置30に備わる移動体端末3の数検出部52は、移動装置30で保管するシェアリング対象物の数を検出する。また移動体端末3の位置検出部53は移動装置30の位置情報(緯度、経度)を検出する。そして移動体端末3の送信部54は、検出したシェアリング対象物の数と、現在位置と、移動装置30のIDと、移動体端末3のIDとを含む管理情報を、シェアリング管理装置1へ送信する。
【0023】
また店舗40に備わる拠点端末4の数検出部52は、店舗40で保管するシェアリング対象物の数を検出する。拠点端末4の送信部54は、検出したシェアリング対象物の数と、店舗40のIDと、拠点端末4のIDとを含む管理情報を、シェアリング管理装置1へ送信する。なお、拠点端末4の位置検出部53は店舗の位置情報(緯度、経度)を検出して管理情報に含めてもよいが、通常の店舗40は移動しないため、検出しなくてもよい。 店舗40は移動型店舗であってもよい。この場合、位置検出部33は店舗の位置情報を検出してよい。拠点端末4が位置情報を検出しない場合には、シェアリング管理装置1は拠点端末4や店舗40のIDに紐づけて位置情報を管理テーブルに記録しておく。
【0024】
シェアリング管理装置1の取得部12は、移動体端末3や、拠点端末4から、管理情報を取得する(ステップS101)。取得部12は、管理情報に含まれる、移動体端末3や拠点端末4のID、移動装置30のIDまたは店舗40のID、シェアリング対象物の数、現在位置を、データベース104の管理テーブルに記録する(ステップS102)。取得部12は管理テーブルにおいて、管理情報に含まれる移動体端末3や拠点端末4のIDが既に記録されている場合、そのIDに紐づく各情報に、管理情報に含まれる各情報を上書きして更新してよい。取得部12は管理情報を各移動体端末3や拠点端末4から受信する度に、同様の処理を繰り返す。
【0025】
特定部13は、移動体端末3や拠点端末4から取得した管理情報に基づいて、運搬又は保管するシェアリング対象物の数が不足している移動装置30や店舗40と、運搬または保管するシェアリング対象物の数が余剰となる移動装置30や店舗40を特定する。具体的には、特定部13は、管理テーブルにおいて移動体端末3や拠点端末4のIDに紐づくシェアリング対象物の数Xを読み取り、その数Xが、余剰閾値Y以上か(X≧Y)を判定する(ステップS103)。また特定部13は、その数Xが、不足閾値Z以下か(X≦Z)を判定する(ステップS104)。
【0026】
なお「余剰閾値Y>不足閾値Z」である。余剰閾値Yと不足閾値Zは、移動装置30と店舗40とで異なってよい。つまり特定部13は、シェアリング対象物の数Xが移動体端末3のIDに紐づいて管理テーブルに記録されている場合には、移動装置30の余剰閾値Yや不足閾値Zを用いて、シェアリング対象物の数Xが不足か余剰かを判定してよい。または特定部13は、シェアリング対象物の数Xが拠点端末4のIDに紐づいて管理テーブルに記録されている場合には、店舗40の余剰閾値Yや不足閾値Zを用いて、シェアリング対象物の数Xが不足か余剰かを判定してよい。
【0027】
特定部13は、シェアリング対象物を運搬または保管する数Xが、余剰閾値Y以上(X≧Y)である場合には、その運搬または保管するシェアリング対象物の数Xは余剰であると判定し、移動体端末3または拠点端末4のIDに紐づけて、余剰を示す余剰フラグを管理テーブルに登録する(ステップS105)。特定部13は、シェアリング対象物を運搬または保管する数Xが、不足閾値Z以下か(X≦Z)である場合には、その運搬または保管するシェアリング対象物の数Xが不足していると判定し、移動体端末3または拠点端末4のIDに紐づけて不足を示す不足フラグを管理テーブルに登録する(ステップS106)。
【0028】
管理部14は、30分間隔などの所定の期間ごとに、管理テーブルにおいて各移動体端末3または拠点端末4のIDに紐づいて記録される管理情報と、そのIDに紐づいて記録される余剰フラグ、不足フラグを読み取る。管理部14は余剰フラグ、不足フラグを含めた管理情報を、全ての移動体端末3、拠点端末4、運営者端末2へ送信する(ステップS107)。制御部11は、移動体端末3または拠点端末4のIDのうち未処理のIDが有るかを判定する(ステップS108)。制御部11は、未処理のIDが有る場合には、特定部13に対して運搬又は保管するシェアリング対象物の数が不足している移動装置30や店舗40と、運搬または保管するシェアリング対象物の数が余剰となる移動装置30や店舗40を特定する処理を行うよう指示する。
【0029】
上述の処理は、シェアリング管理装置1の特定部13が、移動装置30のうちシェアリング対象物を運搬する数が不足している第一の移動装置30と、シェアリング対象物を運搬する数が余剰となる第二の移動装置30とを特定する処理と、シェアリング管理装置1の管理部14が、管理情報に第一の移動装置30と第二の移動装置30のIDを加えて、管理情報を出力する処理とを行う態様の一例である。
【0030】
また上述の処理は、シェアリング管理装置1の取得部12がシェアリング対象物の保管拠点に設置された拠点端末4からその拠点端末4の備わる店舗40等の保管拠点において保管するシェアリング対象物の数を取得する処理と、シェアリング管理装置1の特定部13が、複数の拠点端末4のうち、保管するシェアリング対象物の数が不足している第一拠点と、保管するシェアリング対象物の数が余剰の第二拠点の拠点端末4を特定する処理と、管理部14が、さらに第一拠点と第二拠点の拠点端末のIDを加えて、管理情報を出力する処理と、を行う態様の一例である。
【0031】
これにより移動体端末3、拠点端末4、運営者端末2は、管理情報に基づいて、他の移動体端末3の位置や、拠点端末4の位置や、移動体端末3を備える移動装置30におけるシェアリング対象物の不足または余剰、拠点端末4を備える店舗40におけるシェアリング対象物の不足または余剰、をモニタ等に表示することができる。また移動体端末3を備える移動装置30のドライバ、拠点端末4を備える店舗40の店員、運営者端末2を操作する運営担当者は、シェアリング対象物の余剰となる移動装置30や店舗40から、シェアリング対象物の不足する移動装置30や店舗40への移動の必要性の有無を把握することができる。
【0032】
運営担当者は、保管するシェアリング対象物が余剰となる移動装置30のドライバや店舗40の店員に、保管するシェアリング対象物が不足する移動装置30の位置や店舗40の位置を伝えて、シェアリング対象物を渡すように指示してよい。または、運営担当者は、保管するシェアリング対象物が不足となる移動装置30のドライバや店舗40の店員に、保管するシェアリング対象物が余剰となる移動装置30の位置や店舗40の位置を伝えて、シェアリング対象物を受け取るように指示してよい。
【0033】
またはドライバが移動体端末3に表示された、他の移動装置30の位置と不足や余剰の情報、または店舗40の位置と不足や余剰の情報を確認して、シェアリング対象物の受け入れ、引き渡しのために自ら移動装置30を運転して店舗まで移動してよい。
【0034】
なお管理部14は、移動体端末3のIDに余剰フラグが紐づいて記録されている場合には、その移動体端末3の備わる移動装置30の位置から、保管するシェアリング対象物の数Xが不足していると判定された店舗40までの移動経路を示す地図情報を生成して、管理情報に含めてもよい。この場合、管理部14は、処理対象の管理情報に移動体端末3のIDと余剰フラグが含まれるかを判定する。管理部14は、対象の管理情報に移動体端末3のIDと余剰フラグが含まれている場合(Yesの場合)には、管理情報に含まれる移動体端末3の位置情報に最も近い拠点端末4のIDであって、不足フラグに紐づく拠点端末4のIDを読み取る(すなわち、不足フラグに紐づく拠点端末4のIDのうち、管理情報に含まれる移動体端末3の位置情報に最も近い拠点端末4のIDを読み取る)。そして、管理部14は、運搬するシェアリング対象物の数Xが余剰の移動体端末3の位置から、読み取った拠点端末4の位置までの最短経路を示す地図情報を生成する。地図情報の作成は公知の技術を用いればよい。そして、管理部14は生成した地図情報を管理情報に含める。
【0035】
管理部14は、生成した管理情報を、その管理情報に含まれる移動体端末3と拠点端末4とに送信する。移動体端末3は管理情報を受信すると、その管理情報に含まれる地図情報を表示する。移動装置30のドライバは、この地図情報を確認して、近くのシェアリング対象物の不足する店舗40へ移動する。ドライバまたは店舗40の店員は、シェアリング対象物の保管する数Xが余剰の移動装置30から、店舗40にシェアリング対象物を移動する。これにより、バスやタクシーなどの移動装置30が、保管するシェアリング対象物の数が不足する店舗40にシェアリング対象物を運搬するので、シェアリングサービスの運営者の担当者によるシェアリング対象物の回収作業の労力が削減できる。
【0036】
または管理部14は、移動体端末3のIDに不足フラグが紐づいて記録されている場合には、その移動体端末3の備わる移動装置30の位置から、保管するシェアリング対象物の数Xが余剰していると判定された店舗40までの移動経路を示す地図情報を生成して、管理情報に含めてもよい。この場合、管理部14は、処理対象の管理情報に移動体端末3のIDと不足フラグが含まれるかを判定する。管理部14は、処理対象の管理情報に移動体端末3のIDと不足フラグが含まれている場合(Yesの場合)には、管理情報に含まれる移動体端末3の位置情報に最も近い拠点端末4のIDであって、余剰フラグに紐づく拠点端末4のIDを読み取る(すなわち、余剰フラグに紐づく拠点端末4のIDのうち、管理情報に含まれる移動体端末3の位置情報に最も近い拠点端末4のIDを読み取る)。 そして、管理部14は、運搬するシェアリング対象物の数Xが不足する移動体端末3の位置から、読み取った拠点端末4のIDに紐づく拠点端末4(店舗40)の位置までの最短経路を示す地図情報を生成する。地図情報の作成は公知の技術を用いればよい。そして、管理部14は生成した地図情報を管理情報に含める。
【0037】
管理部14は、生成した管理情報を、その管理情報に含まれる移動体端末3と拠点端末4とに送信する。移動体端末3は管理情報を受信すると、その管理情報に含まれる地図情報を表示する。移動装置30のドライバは、この地図情報を確認して、近くのシェアリング対象物が余剰となる店舗40へ移動する。ドライバまたは店舗40の店員は、シェアリング対象物の保管する数Xが余剰の店舗40から、移動装置30へシェアリング対象物を積み込む。これにより、バスやタクシーなどの移動装置30が、保管するシェアリング対象物の数が余剰となる店舗40にシェアリング対象物を運搬するので、シェアリングサービスの運営者の担当者によるシェアリング対象物の供給作業の労力が削減できる。
【0038】
上述の処理においては、運搬するシェアリング対象物の余剰となる移動装置30が、保管するシェアリング対象物が不足する店舗40へ移動する場合、または運搬するシェアリング対象物の不足する移動装置30が、保管する対象物の余剰となる店舗40へ移動する場合、について説明した。しかしながら、運搬するシェアリング対象物の余剰となる移動装置30が、運搬するシェアリング対象物の不足する他の移動装置30へ移動するようにしてもよいし、または運搬するシェアリング対象物の不足する移動装置30が、保管するシェアリング対象物の余剰となる他の移動装置30へ移動するようにしてもよい。
【0039】
また上述の説明では、移動装置30がバスやタクシーで、店舗40が町中の任意の位置に位置する場合について説明している。しかしながら、移動装置30が電車であって、移動装置30が保管拠点である駅に停車した際に、シェアリング対象物の数の余剰となる電車から、シェアリング対象物の数が不足するプラットフォームにシェアリング対象物を移動してもよい。または移動装置30が電車であって、移動装置30が保管拠点である駅に停車した際に、シェアリング対象物の数の不足する電車へ、シェアリング対象物の数が余剰となるプラットフォームからシェアリング対象物を移動してもよい。
【0040】
上述の処理において管理部14は、移動装置30が店舗40に移動した場合には、移動装置30のドライバや移動装置30の管理者に支払う報酬を算出してもよい。例えば上述の移動体端末3や拠点端末4がシェアリング対象物のIDを取得して時刻に紐づけて管理情報に含む場合、シェアリング管理装置1の管理部14は、管理テーブル内のある移動体端末3または拠点端末4のIDを特定し、そのIDに紐づくシェアリング対象物のIDやその数が、前回の判定時と比較して増えるか、または減っているかを判定する。管理部14は、シェアリング対象物のIDやその数が前回の判定時と比較して増えるか、または減っている場合、その増えたまたは減ったシェアリング対象物のIDに前回の判定時に紐づいて管理テーブルに記録されていた、他の移動体端末3または拠点端末4のIDを特定する。管理部14は、特定した移動体端末3や拠点端末4のIDが示す移動装置30や店舗40が近づいたかを判定し、移動装置30や店舗40が近づいていた場合には、移動装置30や店舗40の間でシェアリング対象物の受け渡しが行われたと判定する。この場合、管理部14は移動装置30の移動距離に応じた報酬を算出して、報酬金額を移動装置30のドライバや管理者に付与する処理を行う。
【0041】
図6はシェアリング管理装置1の構成の例を示す図である。
図7図6に示すシェアリング管理装置1による処理フローを示す図である。
シェアリング管理装置1は、少なくとも取得部12と、管理部14とを備える。
取得部12は、複数のユーザにより共有して利用されるシェアリング対象物を運搬する移動装置30に搭載された移動体端末3からその移動装置30が運搬するシェアリング対象物の数と移動装置30の現在位置とを含む管理情報を取得する(ステップS701)。 管理部14は、複数の移動体端末3それぞれから取得した管理情報を出力する(ステップS701)。
【0042】
上述の各装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0043】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0044】
この出願は、2019年7月12日に出願された日本国特願2019-130014を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、シェアリング管理装置、端末、シェアリング管理方法、記録媒体に適用してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1・・・シェアリング管理装置
2・・・運営者端末
3・・・移動体端末
4・・・拠点端末
11・・・制御部(制御手段)
12・・・取得部(取得手段)
13・・・特定部(特定手段)
14・・・管理部(管理手段)
51・・・制御部(制御手段)
52・・・数検出部(数検出手段)
53・・・位置検出部(位置検出手段)
54・・・送信部(送信手段)
30・・・移動装置
40・・・店舗
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7