(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040546
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】排泄物処理材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A01K 1/015 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
A01K1/015 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144958
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】321000026
【氏名又は名称】株式会社大貴
(74)【代理人】
【識別番号】100179327
【弁理士】
【氏名又は名称】大坂 憲正
(72)【発明者】
【氏名】吉永 隼士
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101GB06
2B101GB07
2B101GB08
(57)【要約】
【課題】猫の尿から発生する悪臭を軽減することのできる排泄物処理材、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】排泄物処理材1は、猫の尿を吸収する排泄物処理材である。排泄物処理材1は、吸水性を有する粒状体10を備えている。粒状体10は、猫の尿中の蛋白質を阻害する阻害物質を含有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
猫の尿を吸収する排泄物処理材であって、
吸水性を有する粒状体を備え、
前記粒状体は、前記尿中の蛋白質を阻害する阻害物質を含有することを特徴とする排泄物処理材。
【請求項2】
請求項1に記載の排泄物処理材において、
前記阻害物質は、前記蛋白質を分解することにより当該蛋白質を阻害する排泄物処理材。
【請求項3】
請求項1に記載の排泄物処理材において、
前記阻害物質は、前記蛋白質を変性させることにより当該蛋白質を阻害する排泄物処理材。
【請求項4】
請求項1に記載の排泄物処理材において、
前記阻害物質は、前記蛋白質に結合することにより当該蛋白質を阻害する排泄物処理材。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の排泄物処理材において、
前記粒状体は、前記阻害物質が担持された吸水性ポリマーを含有する排泄物処理材。
【請求項6】
請求項1乃至4の何れかに記載の排泄物処理材において、
前記粒状体は、粒状の芯部と、前記芯部を覆う被覆部とを有する排泄物処理材。
【請求項7】
請求項6に記載の排泄物処理材において、
前記阻害物質は、前記芯部及び前記被覆部のうち前記芯部にのみ含有されている排泄物処理材。
【請求項8】
請求項6に記載の排泄物処理材において、
前記阻害物質は、前記芯部及び前記被覆部のうち前記被覆部にのみ含有されている排泄物処理材。
【請求項9】
請求項6に記載の排泄物処理材において、
前記阻害物質は、前記芯部及び前記被覆部の双方に含有されている排泄物処理材。
【請求項10】
請求項1乃至4の何れかに記載の排泄物処理材において、
前記粒状体は、有機物を主材料とする排泄物処理材。
【請求項11】
請求項10に記載の排泄物処理材において、
前記粒状体は、有機物のみからなる排泄物処理材。
【請求項12】
猫の尿を吸収する排泄物処理材を製造する方法であって、
吸水性を有する粒状体を形成する粒状体形成工程を含み、
前記粒状体形成工程においては、前記尿中の蛋白質を阻害する阻害物質を含有する前記粒状体を形成することを特徴とする排泄物処理材の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記阻害物質は、前記蛋白質を分解することにより当該蛋白質を阻害する排泄物処理材の製造方法。
【請求項14】
請求項12に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記阻害物質は、前記蛋白質を変性させることにより当該蛋白質を阻害する排泄物処理材の製造方法。
【請求項15】
請求項12に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記阻害物質は、前記蛋白質に結合することにより当該蛋白質を阻害する排泄物処理材の製造方法。
【請求項16】
請求項12乃至15の何れかに記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記粒状体形成工程においては、前記阻害物質が担持された吸水性ポリマーを含有する前記粒状体を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項17】
請求項12乃至15の何れかに記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記粒状体形成工程は、粒状の芯部を形成する芯部形成工程と、前記芯部を覆う被覆部を形成する被覆部形成工程とを含む排泄物処理材の製造方法。
【請求項18】
請求項17に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記芯部形成工程においては、前記阻害物質を含有する前記芯部を形成し、
前記被覆部形成工程においては、前記阻害物質を含有しない前記被覆部を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項19】
請求項17に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記芯部形成工程においては、前記阻害物質を含有しない前記芯部を形成し、
前記被覆部形成工程においては、前記阻害物質を含有する前記被覆部を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項20】
請求項17に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記芯部形成工程においては、前記阻害物質を含有する前記芯部を形成し、
前記被覆部形成工程においては、前記阻害物質を含有する前記被覆部を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項21】
請求項12乃至15の何れかに記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記粒状体形成工程においては、有機物を主材料とする前記粒状体を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項22】
請求項21に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記粒状体形成工程においては、有機物のみからなる前記粒状体を形成する排泄物処理材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、猫用の排泄物処理材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の排泄物処理材としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載された排泄物処理材は、猫用の排泄物処理材であって、吸水性を有する複数の粒状体からなる。この排泄物処理材は、複数の粒状体が箱状のトイレに敷設された状態で使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の排泄物処理材は、トイレに排泄された猫の尿を粒状体で吸収することにより、当該尿を処理する。しかしながら、粒状体に吸収された尿から悪臭が発生し、排泄物処理材の周囲に漂うことがある。当該悪臭は、猫の尿中で生成されるフェリニンという化合物が原因とされている。フェリニンの生成には、猫の尿に含まれる蛋白質(コーキシン)が触媒として作用する。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、猫の尿から発生する悪臭を軽減することのできる排泄物処理材、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による排泄物処理材は、猫の尿を吸収する排泄物処理材であって、吸水性を有する粒状体を備え、上記粒状体は、上記尿中の蛋白質を阻害する阻害物質を含有することを特徴とする。
【0007】
この排泄物処理材においては、猫の尿中の蛋白質を阻害する阻害物質を含有する粒状体が設けられている。これにより、粒状体に吸収された尿中の蛋白質の触媒作用が妨げられる。このため、悪臭の原因となるフェリニンの生成を抑制することができる。
【0008】
また、本発明による排泄物処理材の製造方法は、猫の尿を吸収する排泄物処理材を製造する方法であって、吸水性を有する粒状体を形成する粒状体形成工程を含み、上記粒状体形成工程においては、上記尿中の蛋白質を阻害する阻害物質を含有する上記粒状体を形成することを特徴とする。
【0009】
この製造方法においては、猫の尿中の蛋白質を阻害する阻害物質を含有する粒状体が形成される。これにより、製造後の排泄物処理材においては、粒状体に吸収された尿中の蛋白質の触媒作用が妨げられる。このため、悪臭の原因となるフェリニンの生成を抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、猫の尿から発生する悪臭を軽減することのできる排泄物処理材、及びその製造方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明による排泄物処理材の一実施形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、本発明による排泄物処理材の一実施形態を示す模式図である。排泄物処理材1は、猫の尿を吸収する猫用の排泄物処理材である。排泄物処理材1は、複数の粒状体10を備えている。排泄物処理材1は、例えば、複数の粒状体10が箱状のトイレに敷設された状態で使用される。
【0014】
各粒状体10は、吸水性を有している。すなわち、各粒状体10は、その内部に尿を取り込んで保持する。粒状体10が吸水性を有するというには、次の試験により測定される液通過率が60%未満であることが必要である。まず、内径10cm、目開き1mmの篩に50g相当の粒状体10(サンプル)を入れる。篩の下には、空のビーカーを設置する。そして、サンプルに対し、外筒の内径3cm、筒先の内径4mmのシリンジ(テルモ社製60mlシリンジ)を用いて、30mlの水を10秒かけて滴下する。1分間放置した後、ビーカー内の水量を計測する。計測した水量の滴下した水量(30ml)に対する割合をもって液通過率とする。すなわち、ビーカー内の水量が18ml未満であれば、液通過率が60%未満となるため、粒状体10が吸水性を有するといえる。
【0015】
各粒状体10は、粒状をしている。かかる粒状の形状としては、例えば、球、円柱、又は楕円体が挙げられる。各粒状体10の粒径は、例えば、5mm以上20mm以下である。ここで、粒状体10の粒径は、当該粒状体10を内包し得る最小の球の直径として定義される。
【0016】
各粒状体10は、猫の尿中の蛋白質(コーキシン)を阻害する阻害物質を含有している。阻害物質は、当該蛋白質の触媒作用を妨げる性質を有している。なお、本明細書における「阻害」は、阻害物質が蛋白質に結合してその触媒作用を妨げる場合に限らず、阻害物質が蛋白質を分解してその触媒作用を妨げる場合、及び阻害物質が蛋白質を変性させてその触媒作用を妨げる場合も含むものとする。すなわち、阻害物質は、蛋白質に結合することにより当該蛋白質を阻害する結合型の阻害物質であってもよいし、蛋白質を分解することにより当該蛋白質を阻害する分解型の阻害物質であってもよいし、蛋白質を変性させることにより当該蛋白質を阻害する変性型の阻害物質であってもよい。
【0017】
結合型の阻害物質としては、例えば、上記蛋白質に特異的に結合するレクチン等の阻害剤が挙げられる。分解型の阻害物質としては、例えば、ペプシン、トリプシン、ペプチダーゼ等の消化酵素(プロテアーゼ)が挙げられる。プロテアーゼは、パイナップル、キウイフルーツ、パパイヤ、りんご等のフルーツに含まれるものを用いてもよい。変性型の阻害物質としては、例えば、塩酸グアニジン等の変性剤が挙げられる。各粒状体10に占める阻害物質の重量割合は、例えば1%以上10%以下である。
【0018】
各粒状体10は、阻害物質以外の有機物を主材料としている。ここで、粒状体10の主材料とは、粒状体10を構成する材料のうち、当該粒状体10に占める重量割合が最大のものをいう。粒状体10の主材料である有機物としては、例えば、紙類、植物類、プラスチック類、又は有機汚泥類が挙げられる。各粒状体10は、有機物(阻害物質を含む)のみからなることが好ましい。
【0019】
紙類は、パルプを主体とする材料をいう。紙類としては、例えば、通常の紙(紙粉)の他にも、フラッフパルプ、塩ビ壁紙由来の紙(塩ビ壁紙の製造時又は分級時に発生する紙)、石膏ボード由来の紙(石膏ボードの製造時又は分級時に発生する紙)、又は衛生用品由来の紙(紙を含む衛生用品の製造時又は分級時に発生する紙)を用いることができる。紙を含む衛生用品としては、例えば、紙おむつ、生理用ナプキン、尿取りパッド、又は衛生用紙(ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ペーパータオル等)が挙げられる。植物類としては、例えば、木粉、大鋸屑、又は植物性残渣(茶殻、オカラ等)を用いることができる。プラスチック類としては、例えば、通常のプラスチックの他にも、塩ビ壁紙由来のプラスチック(塩ビ壁紙の製造時又は分級時に発生するプラスチック)、又は衛生用品由来のプラスチック(プラスチックを含む衛生用品の製造時又は分級時に発生するプラスチック)を用いることができる。プラスチックを含む衛生用品としては、例えば、紙おむつ、生理用ナプキン、尿取りパッド、又は衛生マスクが挙げられる。有機汚泥類としては、例えば、製紙スラッジ、又はパルプスラッジを用いることができる。
【0020】
図2は、粒状体10を示す模式図である。各粒状体10は、芯部12、及び被覆部14を有している。芯部12は、粒状に成形された造粒物である。芯部12は、尿を吸収及び保持する機能を有する。芯部12は、阻害物質以外の有機物を主材料としている。ここで、芯部12の主材料とは、芯部12を構成する材料(芯部材料)のうち、当該芯部12に占める重量割合が最大のものをいう。芯部12は、接着性材料を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。接着性材料としては、例えば、吸水性ポリマー、澱粉、CMC(カルボキシメチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)、又はデキストリンが挙げられる。吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム等のアクリル系吸水性ポリマーを用いることができる。
【0021】
被覆部14は、芯部12を覆っている。被覆部14は、各芯部12の表面の全体を覆っていてもよいし、各芯部12の表面の一部のみを覆っていてもよい。被覆部14は、使用時に尿を吸収した粒状体10どうしを接着させて固まりにする機能(固まり形成機能)を有する。被覆部14は、接着性材料を含有している。被覆部14も、阻害物質以外の有機物を主材料としている。ここで、被覆部14の主材料とは、被覆部14を構成する材料(被覆材料)のうち、当該被覆部14に占める重量割合が最大のものをいう。本実施形態においては、芯部12及び被覆部14の双方に阻害物質が含有されている。
【0022】
続いて、本発明による排泄物処理材の製造方法の一実施形態として、排泄物処理材1の製造方法の一例を説明する。この製造方法は、粒状体形成工程を含んでいる。
【0023】
粒状体形成工程は、粒状体10を形成する工程である。粒状体形成工程は、芯部形成工程、及び被覆部形成工程を含んでいる。芯部形成工程は、芯部12を形成する工程である。芯部形成工程においては、造粒装置を用いて、阻害物質を含む芯部材料を造粒することにより、芯部12となる複数の造粒物を形成する。造粒装置としては、例えば押出造粒機を用いることができる。造粒に先立って、芯部材料には、粉砕、混錬、加水等の前処理が必要に応じて行われる。
【0024】
被覆部形成工程は、被覆部14を形成する工程である。被覆部形成工程においては、コーティング装置等を用いて、各芯部12の表面に、阻害物質を含む被覆材料を付着させることにより、被覆部14を形成する。被覆材料の付着は、例えば、散布又は噴霧により行うことができる。その後、篩分け(分粒)、乾燥等の後処理が必要に応じて行われる。以上により、複数の粒状体10からなる排泄物処理材1が得られる。
【0025】
本実施形態の効果を説明する。本実施形態においては、猫の尿中の蛋白質を阻害する阻害物質を含有する粒状体10が形成される。これにより、排泄物処理材1においては、粒状体10に吸収された尿中の蛋白質の触媒作用が妨げられる。このため、悪臭の原因となるフェリニンの生成を抑制することができる。したがって、猫の尿から発生する悪臭を軽減することのできる排泄物処理材1、及びその製造方法が実現されている。
【0026】
特に阻害物質が結合型である場合、阻害物質が蛋白質の特定の部位に結合するだけで阻害効果を発揮するため、蛋白質の触媒作用を短時間で妨げることができるという利点がある。
【0027】
粒状体10は、芯部12及び被覆部14を有している。この場合、芯部12及び被覆部14に別々の機能を担わせることができる。例えば、本実施形態においては、吸水・保水機能を主に芯部12に担わせ、固まり形成機能を被覆部14に担わせている。
【0028】
芯部12及び被覆部14の双方に阻害物質が含有されている。これにより、芯部12に残留した尿及び被覆部14に残留した尿の双方から発生する悪臭を効果的に軽減することができる。
【0029】
粒状体10は、有機物を主材料としている。これにより、焼却処分に適した粒状体10を得ることができる。このことは、使用済みの粒状体10の処分の便宜に資する。特に各粒状体10が有機物のみからなる場合、焼却処分に一層適した粒状体10を得ることができる。
【0030】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。上記実施形態においては、阻害物質が粒状体10に直接的に含有される場合を例示した。しかし、阻害物質は、担体に担持された状態で粒状体10に含有されてもよい。その場合、全ての阻害物質が担体に担持されてもよいし、一部の阻害物質のみが担体に担持され、残りの阻害物質は粒状体10に直接的に含有されてもよい。
【0031】
上記担体としては、例えば吸水性ポリマーが挙げられる。すなわち、粒状体10は、阻害物質が担持された吸水性ポリマーを含有してもよい。その場合、芯部形成工程においては、造粒に先立って、阻害物質を予め担持させた吸水性ポリマーを他の材料と混合して芯部材料を準備する工程が実行される。また、被覆部形成工程においては、芯部12の表面に被覆材料を付着させるのに先立って、阻害物質を予め担持させた吸水性ポリマーを他の材料と混合して被覆材料を準備する工程が実行される。吸水性ポリマーには比較的多量の尿が集まるため、吸水性ポリマーに阻害物質を担持させておくことにより、尿から発生する悪臭を効率良く軽減することができる。
【0032】
上記実施形態においては、芯部12及び被覆部14の双方に阻害物質が含有される場合を例示した。しかし、阻害物質は、芯部12及び被覆部14の何れか一方にのみ含有されてもよい。その場合、阻害物質の使用量を節約し、それにより排泄物処理材1の製造コストを削減することができる。
【0033】
阻害物質が芯部12及び被覆部14のうち芯部12にのみ含有される場合、使用前の粒状体10から阻害物質が脱落するのを防ぐのに有利である。他方、阻害物質が芯部12及び被覆部14のうち被覆部14にのみ含有される場合、阻害物質は、専ら被覆部14に残留した尿から発生する悪臭を軽減することになる。被覆部14に残留した尿から発生する悪臭は、芯部12に残留した尿から発生する悪臭よりも、排泄物処理材1の外部に漏れやすい。それゆえ、専ら被覆部14に残留した尿から発生する悪臭を軽減することにより、排泄物処理材1の周囲に悪臭が漂うのを、少量の阻害物質で効率良く抑制することができる。
【0034】
上記実施形態においては、各粒状体10が、芯部12及び被覆部14からなる複層構造(二層構造)を有する場合を例示した。しかし、被覆部14を設けることは、必須でない。すなわち、各粒状体10は、被覆されていない造粒物(芯部12)のみからなる単層構造を有していてもよい。その場合、被覆材料が不要となるため、排泄物処理材1の製造コストを削減することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 排泄物処理材
10 粒状体
12 芯部
14 被覆部