(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040547
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】排泄物処理材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A01K 1/015 20060101AFI20240318BHJP
B01J 20/30 20060101ALI20240318BHJP
B01J 20/28 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
A01K1/015 B
B01J20/30
B01J20/28 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144959
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】321000026
【氏名又は名称】株式会社大貴
(74)【代理人】
【識別番号】100179327
【弁理士】
【氏名又は名称】大坂 憲正
(72)【発明者】
【氏名】吉永 隼士
【テーマコード(参考)】
2B101
4G066
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101GB06
2B101GB07
2B101GB08
4G066AC01D
4G066AC02D
4G066AC07B
4G066AC11D
4G066AC12D
4G066AC15B
4G066AC39B
4G066BA09
4G066CA43
4G066DA13
4G066FA01
4G066FA26
4G066FA28
(57)【要約】
【課題】排泄の際に動物の肌を保湿することが可能な排泄物処理材、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】排泄物処理材1は、動物の排泄物を処理するための粒状体10を備えている。粒状体10は、動物の肌を保湿する保湿成分を含有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の排泄物を処理するための粒状体を備え、
前記粒状体は、前記動物の肌を保湿する保湿成分を含有することを特徴とする排泄物処理材。
【請求項2】
請求項1に記載の排泄物処理材において、
前記保湿成分は、前記粒状体の表面に露出している排泄物処理材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の排泄物処理材において、
前記保湿成分は、天然成分である排泄物処理材。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の排泄物処理材において、
前記粒状体は、複数の層からなる排泄物処理材。
【請求項5】
請求項4に記載の排泄物処理材において、
前記複数の層は、前記保湿成分を含有する第1の層、及び前記第1の層よりも外側に設けられ、前記保湿成分を含有する第2の層を含み、
前記第2の層に占める前記保湿成分の重量割合は、前記第1の層に占める前記保湿成分の重量割合よりも大きい排泄物処理材。
【請求項6】
請求項4に記載の排泄物処理材において、
前記保湿成分は、前記複数の層のうち最外層にのみ含有されている排泄物処理材。
【請求項7】
請求項4に記載の排泄物処理材において、
前記複数の層のうち最外層は、前記保湿成分のみからなる排泄物処理材。
【請求項8】
請求項7に記載の排泄物処理材において、
前記最外層は、部分的に設けられている排泄物処理材。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の排泄物処理材において、
前記粒状体は、疎水性を有する排泄物処理材。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の排泄物処理材において、
前記粒状体は、有機物を主材料とする排泄物処理材。
【請求項11】
請求項10に記載の排泄物処理材において、
前記粒状体は、有機物のみからなる排泄物処理材。
【請求項12】
請求項1又は2に記載の排泄物処理材において、
前記動物は、猫である排泄物処理材。
【請求項13】
動物の排泄物を処理するための粒状体を形成する粒状体形成工程を含み、
前記粒状体形成工程においては、前記動物の肌を保湿する保湿成分を含有する前記粒状体を形成することを特徴とする排泄物処理材の製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記粒状体形成工程においては、前記保湿成分が前記粒状体の表面に露出するように、当該粒状体を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記保湿成分は、天然成分である排泄物処理材の製造方法。
【請求項16】
請求項13又は14に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記粒状体形成工程においては、複数の層からなる前記粒状体を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項17】
請求項16に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記複数の層は、前記保湿成分を含有する第1の層、及び前記第1の層よりも外側に設けられ、前記保湿成分を含有する第2の層を含み、
前記粒状体形成工程においては、前記第2の層に占める前記保湿成分の重量割合が前記第1の層に占める前記保湿成分の重量割合よりも大きくなるように、前記粒状体を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項18】
請求項16に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記粒状体形成工程においては、前記保湿成分が前記複数の層のうち最外層にのみ含有されるように、前記粒状体を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項19】
請求項16に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記複数の層のうち最外層は、前記保湿成分のみからなる排泄物処理材の製造方法。
【請求項20】
請求項19に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記最外層は、部分的に形成される排泄物処理材の製造方法。
【請求項21】
請求項13又は14に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記粒状体形成工程においては、疎水性を有する前記粒状体を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項22】
請求項13又は14に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記粒状体形成工程においては、有機物を主材料とする前記粒状体を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項23】
請求項22に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記粒状体形成工程においては、有機物のみからなる前記粒状体を形成する排泄物処理材の製造方法。
【請求項24】
請求項13又は14に記載の排泄物処理材の製造方法において、
前記動物は、猫である排泄物処理材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物用の排泄物処理材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の排泄物処理材としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載された排泄物処理材は、動物用の排泄物処理材であって、吸水性を有する複数の粒状体からなる。この排泄物処理材は、複数の粒状体が箱状のトイレに敷設された状態で使用される。かかるトイレにおいて動物は、粒状体の上に直接乗った状態で排泄する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、肌の保湿は、人間だけでなく動物においても重要である。もし動物が排泄する際に動物の肌を保湿することができれば、便利である。しかしながら、従来の排泄物処理材においては、当然ながら、排泄の際に動物の肌を保湿することができなかった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、排泄の際に動物の肌を保湿することが可能な排泄物処理材、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による排泄物処理材は、動物の排泄物を処理するための粒状体を備え、上記粒状体は、上記動物の肌を保湿する保湿成分を含有することを特徴とする。
【0007】
この排泄物処理材においては、動物の肌を保湿する保湿成分を含有する粒状体が設けられている。このため、動物が粒状体の上に乗って排泄する際、動物の肌に保湿成分を付着させることが可能となる。これにより、動物の肌を保湿することができる。
【0008】
また、本発明による排泄物処理材の製造方法は、動物の排泄物を処理するための粒状体を形成する粒状体形成工程を含み、上記粒状体形成工程においては、上記動物の肌を保湿する保湿成分を含有する上記粒状体を形成することを特徴とする。
【0009】
この製造方法においては、動物の肌を保湿する保湿成分を含有する粒状体が形成される。このため、製造後の排泄物処理材においては、動物が粒状体の上に乗って排泄する際、動物の肌に保湿成分を付着させることが可能となる。これにより、動物の肌を保湿することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、排泄の際に動物の肌を保湿することが可能な排泄物処理材、及びその製造方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明による排泄物処理材の一実施形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、本発明による排泄物処理材の一実施形態を示す模式図である。排泄物処理材1は、猫や犬等の動物の排泄物(主に尿)の処理に用いられる動物用の排泄物処理材である。排泄物処理材1は、動物の排泄物を処理するための複数の粒状体10を備えている。排泄物処理材1は、例えば、複数の粒状体10が箱状のトイレに敷設された状態で使用される。
【0014】
各粒状体10は、吸水性を有している。すなわち、各粒状体10は、排泄物を吸収することにより当該排泄物を処理する。粒状体10が吸水性を有するというには、次の試験により測定される液通過率が60%未満であることが必要である。まず、内径10cm、目開き1mmの篩に50g相当の粒状体10(サンプル)を入れる。篩の下には、空のビーカーを設置する。そして、サンプルに対し、外筒の内径3cm、筒先の内径4mmのシリンジ(テルモ社製60mlシリンジ)を用いて、30mlの水を10秒かけて滴下する。1分間放置した後、ビーカー内の水量を計測する。計測した水量の滴下した水量(30ml)に対する割合をもって液通過率とする。すなわち、ビーカー内の水量が18ml未満であれば、液通過率が60%未満となるため、粒状体10が吸水性を有するといえる。
【0015】
各粒状体10は、粒状をしている。かかる粒状の形状としては、例えば、球、円柱、又は楕円体が挙げられる。各粒状体10の粒径は、例えば、5mm以上20mm以下である。ここで、粒状体10の粒径は、当該粒状体10を内包し得る最小の球の直径として定義される。
【0016】
各粒状体10は、動物の肌を保湿する保湿成分を含有している。保湿成分は、天然成分であることが好ましい。保湿成分としては、例えば、ホホバ油、シアバター、ココナッツ油、植物性スクラワン、蜜蝋、アマニ油、オリーブ油、椿油、ひまわり油、アロエベラ、コラーゲン、又は天然グリセリンが挙げられる。各粒状体10に占める保湿成分の重量割合は、例えば3%以上15%以下である。保湿成分は、各粒状体10の表面に露出していることが好ましい。その場合、保湿成分の少なくとも一部が粒状体10の表面に露出していれば充分である。
【0017】
各粒状体10は、保湿成分以外の有機物を主材料としている。ここで、粒状体10の主材料とは、粒状体10を構成する材料のうち、当該粒状体10に占める重量割合が最大のものをいう。粒状体10の主材料である有機物としては、例えば、紙類、植物類、プラスチック類、又は有機汚泥類が挙げられる。各粒状体10は、有機物(保湿成分を含む)のみからなることが好ましい。
【0018】
紙類は、パルプを主体とする材料をいう。紙類としては、例えば、通常の紙(紙粉)の他にも、フラッフパルプ、塩ビ壁紙由来の紙(塩ビ壁紙の製造時又は分級時に発生する紙)、石膏ボード由来の紙(石膏ボードの製造時又は分級時に発生する紙)、又は衛生用品由来の紙(紙を含む衛生用品の製造時又は分級時に発生する紙)を用いることができる。紙を含む衛生用品としては、例えば、紙おむつ、生理用ナプキン、尿取りパッド、又は衛生用紙(ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ペーパータオル等)が挙げられる。植物類としては、例えば、木粉、大鋸屑、又は植物性残渣(茶殻、オカラ等)を用いることができる。プラスチック類としては、例えば、通常のプラスチックの他にも、塩ビ壁紙由来のプラスチック(塩ビ壁紙の製造時又は分級時に発生するプラスチック)、又は衛生用品由来のプラスチック(プラスチックを含む衛生用品の製造時又は分級時に発生するプラスチック)を用いることができる。プラスチックを含む衛生用品としては、例えば、紙おむつ、生理用ナプキン、尿取りパッド、又は衛生マスクが挙げられる。有機汚泥類としては、例えば、製紙スラッジ、又はパルプスラッジを用いることができる。
【0019】
図2は、粒状体10を示す模式図である。各粒状体10は、複数の層からなっている。具体的には、各粒状体10は、芯部12(第1の層)、及び被覆部14(第2の層)を有している。芯部12は、粒状に成形された造粒物である。芯部12は、排泄物を吸収及び保持する機能を有する。芯部12は、保湿成分以外の有機物を主材料としている。ここで、芯部12の主材料とは、芯部12を構成する材料(芯部材料)のうち、当該芯部12に占める重量割合が最大のものをいう。芯部12は、接着性材料を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。接着性材料としては、例えば、吸水性ポリマー、澱粉、CMC(カルボキシメチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)、又はデキストリンが挙げられる。吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム等のアクリル系吸水性ポリマーを用いることができる。
【0020】
被覆部14は、芯部12を覆っている。すなわち、被覆部14は、芯部12よりも外側に設けられている。本実施形態において被覆部14は、各粒状体10を構成する複数の層のうち最も外側に位置する層(最外層)である。被覆部14は、各芯部12の表面の全体を覆っていてもよいし、各芯部12の表面の一部のみを覆っていてもよい。被覆部14は、使用時に排泄物を吸収した粒状体10どうしを接着させて固まりにする機能(固まり形成機能)を有する。被覆部14は、接着性材料を含有している。被覆部14も、保湿成分以外の有機物を主材料としている。ここで、被覆部14の主材料とは、被覆部14を構成する材料(被覆材料)のうち、当該被覆部14に占める重量割合が最大のものをいう。本実施形態においては、芯部12及び被覆部14の双方に保湿成分が含有されている。ただし、被覆部14に占める保湿成分の重量割合は、芯部12に占める保湿成分の重量割合よりも大きいことが好ましい。
【0021】
続いて、本発明による排泄物処理材の製造方法の一実施形態として、排泄物処理材1の製造方法の一例を説明する。この製造方法は、粒状体形成工程を含んでいる。
【0022】
粒状体形成工程は、粒状体10を形成する工程である。粒状体形成工程は、芯部形成工程、及び被覆部形成工程を含んでいる。芯部形成工程は、芯部12を形成する工程である。芯部形成工程においては、造粒装置を用いて、保湿成分を含む芯部材料を造粒することにより、芯部12となる複数の造粒物を形成する。造粒装置としては、例えば押出造粒機を用いることができる。造粒に先立って、芯部材料には、粉砕、混錬、加水等の前処理が必要に応じて行われる。
【0023】
被覆部形成工程は、被覆部14を形成する工程である。被覆部形成工程においては、コーティング装置等を用いて、各芯部12の表面に、保湿成分を含む被覆材料を付着させることにより、被覆部14を形成する。被覆材料の付着は、例えば、散布又は噴霧により行うことができる。その後、篩分け(分粒)、乾燥等の後処理が必要に応じて行われる。以上により、複数の粒状体10からなる排泄物処理材1が得られる。
【0024】
本実施形態の効果を説明する。本実施形態においては、動物の肌を保湿する保湿成分を含有する粒状体10が形成される。このため、排泄物処理材1においては、動物が粒状体10の上に乗って排泄する際、動物の肌(特に足裏)に保湿成分を付着させることが可能となる。これにより、動物の肌を保湿することができる。したがって、排泄の際に動物の肌を保湿することが可能な排泄物処理材1、及びその製造方法が実現されている。
【0025】
猫や犬のように足裏に肉球がある動物の場合、排泄時に肉球が粒状体10に直接触れることになるため、肉球を効果的に保湿することができる。また、猫の場合、足を使って粒状体10を排泄物に掛ける習性があるため、足に保湿成分が付着しやすい。それゆえ、排泄物処理材1は、猫用の排泄物処理材として特に適している。
【0026】
保湿成分が粒状体10の表面に露出している場合、動物の肌に保湿成分を付着させやすいという利点がある。ただし、保湿成分が粒状体10の表面に露出していない場合であっても、尿を吸収した粒状体10の内部から保湿成分が滲出することにより、当該保湿成分を動物の肌に付着させることが可能である。
【0027】
保湿成分が天然成分である場合、粒状体10を舐める等して保湿成分が動物の口に入ったとしても、動物の健康を損なう危険を小さくすることができる。
【0028】
粒状体10は、複数の層からなっている。この場合、各層に別々の機能を担わせることができる。例えば、本実施形態においては、吸水・保水機能を主に芯部12に担わせ、固まり形成機能を被覆部14に担わせている。
【0029】
比較的外側の層である被覆部14に含有される保湿成分の方が、比較的内側の層である芯部12に含有される保湿成分よりも、動物の肌に付着しやすい。それゆえ、被覆部14に占める保湿成分の重量割合を芯部12に占める保湿成分の重量割合よりも大きくすることにより、保湿成分を動物の肌に効率的に付着させることができる。
【0030】
粒状体10は、有機物を主材料としている。これにより、焼却処分に適した粒状体10を得ることができる。このことは、使用済みの粒状体10の処分の便宜に資する。特に各粒状体10が有機物のみからなる場合、焼却処分に一層適した粒状体10を得ることができる。
【0031】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。上記実施形態においては、芯部12及び被覆部14の双方に保湿成分が含有される場合を例示した。しかし、保湿成分は、芯部12及び被覆部14のうち被覆部14にのみ含有されてもよい。その場合、保湿成分を動物の肌に一層効率的に付着させることができる。
【0032】
上記実施形態においては、粒状体10を構成する複数の層のうち最外層(被覆部14)が、保湿成分に加えて、保湿成分以外の有機物、及び接着性材料を含有する場合を例示した。しかし、最外層は、保湿成分のみからなってもよい。その場合、最外層は、粒状体10を構成する複数の層のうち外側から2番目の層(上記実施形態の場合は芯部12)の表面に保湿成分を付着させることにより、形成することができる。保湿成分の付着は、例えば、散布又は噴霧により行うことができる。最外層は、全体的に設けられてもよいし、部分的に設けられてもよい。すなわち、最外層は、外側から2番目の層の表面の全体を覆うように形成されてもよいし、当該表面の一部のみを覆うように形成されてもよい。
【0033】
このように最外層が保湿成分のみからなる場合、保湿成分を粒状体10の表面に確実に露出させることができる。また、保湿成分のみからなる最外層が部分的に設けられている場合、最外層が設けられていない部分を通じて排泄物を粒状体10の内部に速やかに取り込むことができる。
【0034】
上記実施形態においては、粒状体10が、芯部12及び被覆部14からなる二層構造を有する場合を例示した。しかし、粒状体10は、3つ以上の層からなる複層構造を有していてもよい。あるいは、粒状体10は、被覆されていない造粒物(芯部12)のみからなる単層構造を有していてもよい。
【0035】
上記実施形態においては、粒状体10が吸水性を有する場合を例示した。しかし、粒状体10は、疎水性を有していてもよい。粒状体10が疎水性を有するというには、上述の試験により測定される液通過率が60%以上であることが必要である。かかる疎水性の粒状体10を用いた場合、排泄物は、粒状体10どうしの隙間を通過する。この場合、排泄物をトイレの下方に導くことにより、排泄物から発生した悪臭がトイレの上部から外に漏れるのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 排泄物処理材
10 粒状体
12 芯部
14 被覆部