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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040557
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】給電ユニット及びスイベルジョイント
(51)【国際特許分類】
   F16L 39/04 20060101AFI20240318BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20240318BHJP
   F16L 27/08 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
F16L39/04
E02F9/00 C
F16L27/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144974
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】影山 雅人
(72)【発明者】
【氏名】名畑 純
【テーマコード(参考)】
3H104
3J106
【Fターム(参考)】
3H104JA04
3H104JC10
3H104JD03
3J106AB03
3J106BC11
3J106BE03
3J106BE31
3J106BE33
3J106CA08
3J106FA03
(57)【要約】
【課題】スイベルジョイントの強度の低下を抑え、スイベルジョイントの作動油流路の面積の減少を抑えること。
【解決手段】スイベルジョイントに取り付けられる給電ユニット50であって、作業車両の上部旋回体と下部走行体とにそれぞれ接続される回転式トランス53と、上部旋回体に接続され、電力を交流に変換して回転式トランスに供給する発振回路52と、下部走行体に接続され、回転式トランス53から出力された電力を直流に変換する平滑回路54と、を備え、平滑回路54のマイナス側の電極は、下部走行体の筐体に電気的に接続され、平滑回路54のプラス側の電極は、スイベルジョイントの内部に軸方向に沿って設けられたパイプ21に挿通されたケーブルを介して、スイベルジョイントの下部から取り出される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両のスイベルジョイントに取り付けられる給電ユニットであって、
前記作業車両の上部旋回体と下部走行体とにそれぞれ接続される回転式トランスと、
前記上部旋回体に接続され、電力を交流に変換して前記回転式トランスに供給する発振回路と、
前記下部走行体に接続され、前記回転式トランスから出力された電力を直流に変換する平滑回路と、
を備え、
前記平滑回路のマイナス側の電極は、前記下部走行体の筐体に電気的に接続され、
前記平滑回路のプラス側の電極は、前記スイベルジョイントの内部に軸方向に沿って設けられたパイプに挿通されたケーブルを介して、前記スイベルジョイントの下部から取り出される、
給電ユニット。
【請求項2】
前記回転式トランスは、前記スイベルジョイントの回転軸と同軸上に配置される、
請求項1に記載の給電ユニット。
【請求項3】
前記スイベルジョイントの回転を検出する回転センサ、
を備える請求項1に記載の給電ユニット。
【請求項4】
前記回転センサは、前記スイベルジョイントの回転軸と同軸上に配置される、
請求項3に記載の給電ユニット。
【請求項5】
前記平滑回路は、前記回転式トランスより下方に配置される、
請求項1に記載の給電ユニット。
【請求項6】
前記回転式トランスは、前記発振回路より下方に配置される、
請求項5に記載の給電ユニット。
【請求項7】
前記回転センサは、前記発振回路より下方で、前記回転式トランスより上方に配置される、
請求項4に記載の給電ユニット。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の給電ユニットと、
ロータと、
前記ロータの孔に配置されるシャフトと、
前記シャフトの内部に軸方向に沿って設けられた作動油流路と、
を備えるスイベルジョイント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電ユニット及びスイベルジョイントに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、油圧ショベル等の上部旋回体と下部走行体とを備える作業車両のスイベルジョイントは、モータ、ブレード等を制御するために、複数の油圧配管を回転可能に配置する。これにより、スイベルジョイントは、高圧かつ高速な作動油が通過可能な複数の作動油流路が設けられる。作業車両の下部走行体側に上部回転体側から電力を伝達するために、回転式トランスを用いる技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63-266292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回転式トランスを用いて電力を伝達する場合、伝達される電力が交流であるため、スイベルジョイントの内部に少なくとも2本のケーブルが必要となる。特許文献1に記載の技術では、回転式トランスからの出力を交流のまま、スイベルジョイントの内部を伝達するケーブルを設置している。このため、スイベルジョイントの内部には、2芯のケーブルが配置される。
【0005】
しかしながら、スイベルジョイントの内部に新たにケーブル用の穴を設ける場合、スイベルジョイントの肉厚が薄くなる。これにより、スイベルジョイントの強度が低下するおそれがある。また、スイベルジョイントの作動油流路の内部に配管用のパイプを設ける場合、配管用のパイプにより作動油流路の面積が減少し、圧損が増加するおそれがある。
【0006】
本発明の態様は、スイベルジョイントの強度の低下を抑え、スイベルジョイントの作動油流路の面積の減少を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に従えば、作業車両のスイベルジョイントに取り付けられる給電ユニットであって、前記作業車両の上部旋回体と下部走行体とにそれぞれ接続される回転式トランスと、前記上部旋回体に接続され、電力を交流に変換して前記回転式トランスに供給する発振回路と、前記下部走行体に接続され、前記回転式トランスから出力された電力を直流に変換する平滑回路と、を備え、前記平滑回路のマイナス側の電極は、前記下部走行体の筐体に電気的に接続され、前記平滑回路のプラス側の電極は、前記スイベルジョイントの内部に軸方向に沿って設けられたパイプに挿通されたケーブルを介して、前記スイベルジョイントの下部から取り出される、給電ユニットが提供される。
【0008】
本発明の態様に従えば、上記の給電ユニットと、ロータと、前記ロータの孔に配置されるシャフトと、前記シャフトの内部に軸方向に沿って設けられたパイプと、を備えるスイベルジョイントが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の態様によれば、スイベルジョイントの強度の低下を抑え、スイベルジョイントの作動油流路の面積の減少を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る作業車両を模式的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係るスイベルジョイントを示す側断面図である。
図3図3は、実施形態に係る給電ユニットを示す側断面図である。
図4図4は、実施形態に係る給電ユニットを示す斜視図である。
図5図5は、実施形態に係る給電ユニットを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0012】
[実施形態]
<作業車両>
図1は、実施形態に係る作業車両を模式的に示す図である。作業車両MVは、下部走行体100と、上部旋回体200と、回転機構300と、スイベルジョイント1とを備える。上部旋回体200は、下部走行体100に旋回可能に支持される。作業車両MVは、例えば、油圧ショベル等の上部旋回体200と下部走行体100とを備える作業車両である。
【0013】
下部走行体100と上部旋回体200とは、回転機構300及びスイベルジョイント1を介して連結される。回転機構300及びスイベルジョイント1により、上部旋回体200は、下部走行体100に対して旋回軸AXを中心に旋回可能である。
【0014】
上部旋回体200には、油圧ポンプ202及び作動油タンク203が設けられる。下部走行体100に油圧モータ102が設けられる。油圧ポンプ202とスイベルジョイント1とは、チューブ201を介して接続される。スイベルジョイント1と油圧モータ102とは、チューブ101を介して接続される。作動油タンク203は、作動油を収容する。作動油タンク203に収容される作動油は、油路204を介して油圧ポンプ202に供給される。油圧ポンプ202は、作動油タンク203から供給された作動油を吐出する。油圧ポンプ202から吐出された作動油は、チューブ201、スイベルジョイント1に設けられている油路30、及びチューブ101を介して、油圧モータ102に供給される。油圧ポンプ202から吐出された作動油が油圧モータ102に供給され、油圧モータ102が駆動することにより、下部走行体100が走行する。油圧モータ102から送出された作動油は、不図示の油路を介して作動油タンク203に戻される。
【0015】
回転機構300は、下部走行体100と上部旋回体200とを連結する。回転機構300は、内側リング部材301と、外側リング部材302とを有する。外側リング部材302は、内側リング部材301の周囲に配置される。内側リング部材301と外側リング部材302とは、旋回軸AXを中心に相対回転する。内側リング部材301は、下部走行体100に固定される。外側リング部材302は、上部旋回体200に固定される。
【0016】
<スイベルジョイント>
図2は、実施形態に係るスイベルジョイントを示す側断面図である。スイベルジョイント1は、下部走行体100と上部旋回体200とを連結する。スイベルジョイント1は、ロータ10と、ロータ10に回転可能に支持されるシャフト20とを有する。ロータ10とシャフト20とは、旋回軸AXを中心に相対回転する。ロータ10は、下部走行体100に固定される。シャフト20は、上部旋回体200に固定される。ロータ10が上部旋回体200に固定され、シャフト20が下部走行体100に固定されてもよい。
【0017】
スイベルジョイント1のシャフト20の内部には、軸方向に貫通した作動油流路22が設けられている。作動油流路22内部には、パイプ21が配置される。作動油流路22とパイプ21の間の空間は、作動油の流路に用いることもできる。実施形態では、作動油が、油圧モータ102から作動油タンク203に戻るドレイン回路に接続される。パイプ21は、中空の管状に形成される。パイプ21は、例えば金属材料等の導電性材料で形成される。パイプ21には、給電システム5の給電ユニット50から下部走行体100に電力を供給するケーブルが挿通される。パイプ21は、スイベルジョイント1のロータ10の下部11に、パイプ21の下端部を開放した状態で結合されている。パイプ21の下端部から、パイプ21に挿通されたケーブルが取り出される。取り出されたケーブルは、下部走行体100に電力を供給する。
【0018】
<給電システム>
図3は、実施形態に係る給電ユニットを示す側断面図である。図4は、実施形態に係る給電ユニットを示す斜視図である。図5は、実施形態に係る給電ユニットを示す概略図である。給電システム5は、下部走行体100に電力を供給する。給電システム5は、非接触給電ユニット(以下、「給電ユニット」という)50と、センサIF(Inter Face)コントローラ(以下、「コントローラ」という)60とを備える。
【0019】
<給電ユニット>
給電ユニット50は、上部旋回体200側から下部走行体100側へ非接触で電力を給電する。給電ユニット50は、スイベルジョイント1の上部に取り付けられる。給電ユニット50は、DC/DCコンバータ51、発振回路52、回転式トランス53、平滑回路54、及び回転センサ55を備える。
【0020】
DC/DCコンバータ51は、上部旋回体200側から供給された電力を発振回路52へ出力する。DC/DCコンバータ51は、例えば、供給された24[V]の直流を5[V]の直流に変換して出力する。実施形態では、DC/DCコンバータ51は、回転センサ55より上方に配置された発振回路基板上に配置される。実施形態では、DC/DCコンバータ51は、本体部591の上部に配置される。実施形態では、DC/DCコンバータ51は、回転センサ55及び磁石部56より上方に配置される。
【0021】
発振回路52は、上部旋回体200に接続され、電力を交流に変換して回転式トランス53に供給する。発振回路52は、DC/DCコンバータ51から供給された直流を高周波の交流に変換する。発振回路52は、交流を回転式トランス53へ出力する。実施形態では、発振回路52は、回転センサ55より上方に配置された発振回路基板上に配置される。実施形態では、発振回路52は、本体部591の上部に配置される。実施形態では、発振回路52は、回転センサ55及び磁石部56より上方に配置される。
【0022】
回転式トランス53は、上部旋回体200と下部走行体100とにそれぞれ接続される。回転式トランス53は、スイベルジョイント1の回転軸AXと同軸上に配置される。回転式トランス53の中央部は、中空状になっており、スイベルジョイント1の回転軸AXと同軸の回転シャフト592の軸部である小径部が挿通される。実施形態では、回転式トランス53は、発振回路52より下方に配置される。実施形態では、回転式トランス53は、回転センサ55及び磁石部56より下方に配置される。実施形態では、回転式トランス53は、平滑回路54より上方に配置される。実施形態では、回転式トランス53の上部は、上部旋回体200側に固定される本体部591に配置される。実施形態では、回転式トランス53の上部は、回転シャフト592の大径部より上方に突出している。実施形態では、回転式トランス53の下部は、回転シャフト592の大径部に配置される。実施形態では、回転式トランス53の下部は、スイベルジョイント1が回転軸AXを中心に回転すると、回転シャフト592とともに回転する。
【0023】
平滑回路54は、下部走行体100に接続され、回転式トランス53から供給された交流を直流に変換する。平滑回路54は、10[V]以上15[V]以下程度の直流を下部走行体100側に供給する。実施形態では、平滑回路54は、回転式トランス53より下方に配置された平滑回路基板上に配置される。実施形態では、平滑回路54は、バネ545より上方に配置される。実施形態では、平滑回路54は、取付シャフト595及びスイベルジョイント1のシャフト20の内部に設けられたパイプ21より上方に配置される。
【0024】
平滑回路54のマイナス側の電極は、下部走行体100の筐体に電気的に接続される。平滑回路54のプラス側の電極は、スイベルジョイント1の内部に軸方向に沿って設けられたパイプ21に挿通されたケーブルを介して、スイベルジョイント1の下部から取り出される。
【0025】
取付プレート542、取付プレート544、バネ545、圧着端子546、及びバネ547は、例えば金属材料等の導電性材料で形成される。
【0026】
取付プレート542は、軸方向において取付プレート544より上方に配置される。取付プレート544は、軸方向において取付プレート542より下方に配置される。取付プレート542及び取付プレート544は、軸方向に離間して向かい合って配置される。取付プレート542と取付プレート544とは、軸方向において、バネ545を挟む。取付プレート542と取付プレート544とバネ545とは、電気的に接続される。
【0027】
バネ545は、平滑回路54のプラス側の電極に電気的に接続され、プラス電圧を伝達する。バネ545は、取付プレート542、取付プレート544及び圧着端子546と電気的に接続される。実施形態では、バネ545は、取付プレート542と取付プレート544とに挟まれる。実施形態では、バネ545は、平滑回路54が配置された平滑回路基板より下方に配置される。実施形態では、バネ545は、取付シャフト595及びスイベルジョイント1のシャフト20の内部に設けられたパイプ21より上方に配置される。
【0028】
バネ545は、軸方向において、取付プレート542と取付プレート544とによって挟まれた状態で、回転シャフト592及び取付シャフト595に取り付けられる。
【0029】
圧着端子546は、平滑回路54のプラス側の電極である。圧着端子546は、取付プレート544に固定される。圧着端子546は、取付プレート544に電気的に接続される。圧着端子546は、スイベルジョイント1のシャフト20の内部に設けられたパイプ21に挿通されるケーブルに電気的に接続される。ケーブルは、絶縁材料で表面を被覆される。実施形態では、圧着端子546は、取付プレート542と取付プレート544との中間部に配置される。
【0030】
バネ547は、平滑回路54のマイナス側の電極に電気的に接続され、マイナス電圧(グランド電圧)を伝達する。バネ547は、回転シャフト592の外周面及び取付シャフト595の外周面に固定される。バネ547は、回転シャフト592及び取付シャフト595と電気的に接続される。実施形態では、バネ547は、平滑回路54が配置された平滑回路基板より下方に配置される。実施形態では、バネ547は、取付シャフト595及びスイベルジョイント1のシャフト20の内部に設けられたパイプ21より上方に配置される。
【0031】
取付プレート542は、平滑回路54が配置された平滑回路基板の下面に露出している、図示しない銅箔部に図示しない樹脂製ネジにより固定される。これにより、平滑回路基板の下面の銅箔部と取付プレート542とが接触し、電気的に接続される。平滑回路54からの電力が、取付プレート542、バネ545、及び圧着端子546を経由してスイベルジョイント1のシャフト20の内部に設けられたパイプ21に挿通されたケーブルへ流れる。
【0032】
絶縁部541及び絶縁部543は、ガラスエポキシ材料で形成される。絶縁部541及び絶縁部543は、軸方向に離間して向かい合って配置される。絶縁部541は、取付プレート542の上面に面で接触した状態で配置される。絶縁部543は、取付プレート544の下面に面で接触した状態で配置される。絶縁部541及び絶縁部543は、軸方向において、取付プレート542、取付プレート544、バネ545及び圧着端子546を挟む。絶縁部541は、平滑回路54と、取付プレート542、バネ545及び圧着端子546とを電気的に絶縁する。絶縁部543は、取付プレート544、バネ545及び圧着端子546と、取付シャフト595とを電気的に絶縁する。
【0033】
回転センサ55は、スイベルジョイント1の回転軸AXの回転角度を検出するセンサである。実施形態では、回転センサ55は、発振回路52より下方で、回転式トランス53より上方に配置される。回転センサ55は、スイベルジョイント1のシャフト20の内部に設けられたパイプ21の上方に配置される。回転センサ55は、スイベルジョイント1の回転軸AXと同軸上に配置される。回転センサ55は、スイベルジョイント1のシャフト20の上部に取付シャフト595を介して同軸上に配置された回転シャフト592の上端部に配置される。回転センサ55は、上部旋回体200に配置されたメインコントローラより、ケーブルによって電力を受け取り、センサデータをケーブルによりメインコントローラへ出力する。回転センサ55は、磁石部56を有する。磁石部56は、回転シャフト592の上端部に配置される。磁石部56は、スイベルジョイント1のシャフト20とともに回転軸AXを中心に回転する。磁石部56と回転センサ55の相対的回転角度は、回転センサ55のホール素子により検出される。
【0034】
本体部591、回転シャフト592、ブッシュ593a、ブッシュ593b、蓋部594、取付シャフト595は、例えば金属材料等の導電性材料で形成される。
【0035】
本体部591は、蓋部594とともに給電ユニット50の外形を規定する。本体部591は、筒状に形成されている。本体部591の内部には、DC/DCコンバータ51、発振回路52、回転式トランス53、平滑回路54、及び回転センサ55を収容する。本体部591の内部には、回転シャフト592及び取付シャフト595が配置される。
【0036】
回転シャフト592は、本体部591の内部に配置される。回転シャフト592は、スイベルジョイント1のシャフト20の上部に取付シャフト595を介して回転軸AXと同軸上に配置される。回転シャフト592は、スイベルジョイント1のシャフト20とともに回転軸AXを中心に回転する。回転シャフト592は、軸方向に沿って大径部と小径部とが一体に形成される。回転シャフト592の大径部は、軸方向の下方に配置される。回転シャフト592の大径部には、回転式トランス53の下部と平滑回路54とが配置される。回転シャフト592の小径部は、スイベルジョイント1の回転軸AXと同軸の軸部である。回転シャフト592の小径部は、軸方向の上方に配置される。回転シャフト592の小径部には、回転式トランス53が配置される。
【0037】
回転シャフト592は、平滑回路54が配置された平滑回路基板にネジによりに固定される。回転シャフト592は、平滑回路基板の上面に露出している、図示しない銅箔部に図示しない樹脂製ネジにより固定される。これにより、平滑回路基板の上面の銅箔部と回転シャフト592とが接触し、電気的に接続される。
【0038】
ブッシュ593a及びブッシュ593bは、金属材料で形成される。ブッシュ593aは、板材で円板状に形成される。ブッシュ593aは、本体部591と回転シャフト592の上部との間に介在する。ブッシュ593aは、回転シャフト592の大径部の上面を覆って配置される。ブッシュ593bは、板材で円筒状に形成される。ブッシュ593bは、本体部591と回転シャフト592の径方向外側との間に介在する。ブッシュ593aは、回転シャフト592の回転シャフト592の径方向外側を覆って配置される。ブッシュ593a及びブッシュ593bは、本体部591及び回転シャフト592と電気的に接続される。
【0039】
蓋部594は、本体部591とともに給電ユニット50の外形を規定する。蓋部594は、本体部591の上部に配置される。
【0040】
取付シャフト595は、スイベルジョイント1のシャフト20の内部に設けられたパイプ21に、給電ユニット50を取り付けるためのシャフトである。取付シャフト595は、スイベルジョイント1のシャフト20の内部に設けられたパイプ21の上部に、給電ユニット50を取り付ける。取付シャフト595は、回転シャフト592より下方に配置される。
【0041】
<コントローラ>
コントローラ60は、下部走行体100に配置される。コントローラ60は、作業車両MVの下部走行体100の各種機能の制御を行う作業機コントローラである。コントローラ60は、電源回路61、汎用マイコン(MCU:Micro Controller Unit)62、センサ用電源出力63、汎用アナログIF64、切り替え回路65、汎用デジタルIF66、CAN(Controller Area Network)ドライバ67、センサ68、無線チップ69を備える。コントローラ60の構成は一例であり、これに限定されない。
【0042】
電源回路61は、給電ユニット50の平滑回路54から、10[V]以上15[V]以下程度の直流が供給される。電源回路61は、コントローラ60の各部に電力を供給する。
【0043】
MCU62は、汎用のマイクロコントローラである。MCU62は、汎用アナログIF64及び汎用デジタルIF66とデータを通信可能に接続される。実施形態では、汎用アナログIF64及び汎用デジタルIF66は、複数のチャンネルを備える。
【0044】
センサ用電源出力63は、下部走行体100に配置されたセンサ68等へ5[V]程度の直流を出力する。
【0045】
CANドライバ67は、CANを介して下部走行体100に配置されたセンサ類と、データを通信するためのドライバである。
【0046】
センサ68は、下部走行体100に配置された各種センサである。センサ68は、例えば、下部走行体100の異常を検出するセンサである。センサ68は、例えば、下部走行体100の振動を検出するセンサである。
【0047】
無線チップ69は、例えば、ZigBee(登録商標)又はTWELITE(登録商標)等の無線規格によってデータを通信する。実施形態では、無線チップ69は、上部旋回体200に配置されたメインコントローラへセンサデータを無線で出力する。
【0048】
<作用>
このように構成された給電ユニット50の作用、具体的には、給電ユニット50によって下部走行体100に供給される電力の流路について、図4を用いて説明する。
【0049】
電流流路A1は、平滑回路54におけるプラス電圧の電流流路である。電流流路A1は、平滑回路54から取付プレート542、バネ545、圧着端子546、及びケーブルを経由してスイベルジョイント1の下部11から取り出されるプラス電圧の電流の流路である。
【0050】
電流流路A2は、平滑回路54におけるマイナス電圧の電流流路である。電流流路A2は、スイベルジョイント1のパイプ21、取付シャフト595、バネ547、及び回転シャフト592を経由して平滑回路54へ流れるマイナス電圧の電流の流路である。
【0051】
電流流路A3は、平滑回路54におけるマイナス電圧の他の電流流路である。電流流路A3は、スイベルジョイント1、本体部591、ブッシュ593a、ブッシュ593b、及び回転シャフト592を経由して平滑回路54へ流れるマイナス電圧の電流の流路である。
【0052】
<効果>
以上説明したように、実施形態によれば、平滑回路54のマイナス側の電極は、下部走行体100の筐体に電気的に接続される。実施形態によれば、平滑回路54のプラス側の電極は、スイベルジョイント1の内部に軸方向に沿って設けられたパイプ21に挿通されたケーブルを介して、スイベルジョイント1の下部11から取り出される。このため、実施形態によれば、スイベルジョイント1の内部には、1芯のケーブルが配置されればよい。例えば、スイベルジョイント1の内部に新たにケーブル用の穴を設ける場合、ケーブルの占める断面積は、2芯の場合に比べて小さくすることができる。実施形態によれば、スイベルジョイント1の作動油流路22の肉厚への影響を低減し、スイベルジョイント1の強度の低下を最小限に抑えることができる。具体的には、2芯ケーブルの径をΦ2dとすると、1芯のケーブルの径はΦd以下となり、断面積は1/4倍となる。実施形態によれば、ケーブルの芯数を低下させることができる。実施形態によれば、よりサイズが小さく低コストのスイベルジョイント1を提供することができる。このように、実施形態は、スイベルジョイント1の作動油流路22の面積の減少を抑え、圧損の増加を最小限に抑えることができる。実施形態は、スイベルジョイント1の強度の低下を抑えることができる。
【0053】
実施形態では、回転式トランス53は、スイベルジョイント1の回転軸AXと同軸上に配置できる。実施形態では、回転式トランス53を適切な位置に配置できる。
【0054】
実施形態では、スイベルジョイント1の回転を検出する回転センサ55を配置できる。実施形態では、下部走行体100側へ電力を伝達するとともに、スイベルジョイント1の回転を検出できる。
【0055】
実施形態では、回転センサ55は、スイベルジョイント1の回転軸AXと同軸上に配置できる。実施形態では、回転センサ55を適切な位置に配置できる。
【0056】
実施形態では、平滑回路54は、回転式トランス53より下方に配置できる。実施形態では、平滑回路54は、適切な位置に配置できる。本実施形態によれば、下部走行体100側へ1芯のケーブルによって電力を供給できる。
【0057】
実施形態では、回転式トランス53は、発振回路52より下方に配置できる。実施形態では、回転式トランス53を適切な位置に配置できる。
【0058】
実施形態では、回転センサ55は、発振回路52より下方で、回転式トランス53より上方に配置できる。実施形態では、回転センサ55を適切な位置に配置できる。
【0059】
<変形例>
給電ユニット50における、回転式トランス53と回転センサ55との配置は上記に限定されない。回転式トランス53は、回転センサ55より上方に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…スイベルジョイント、5…給電システム、10…ロータ、20…シャフト、21…パイプ、22…作動油流路、30…油路、50…非接触給電ユニット(給電ユニット)、51…DC/DCコンバータ、52…発振回路、53…回転式トランス、54…平滑回路、55…回転センサ、56…磁石部、60…センサIFコントローラ(コントローラ)、61…電源回路、62…汎用マイコン(MCU)、63…センサ用電源出力、64…汎用アナログIF、65…切り替え回路、66…汎用デジタルIF、67…CANドライバ、68…センサ、69…無線チップ、100…下部走行体、101…チューブ、102…油圧モータ、200…上部旋回体、201…チューブ、202…油圧ポンプ、203…作動油タンク、204…油路、300…回転機構、301…内側リング部材、302…外側リング部材、541…絶縁部、542…取付プレート、543…絶縁部、544…取付プレート、545…バネ、546…圧着端子、547…バネ、591…本体部、592…回転シャフト、593a…ブッシュ、593b…ブッシュ、594…蓋部、595…取付シャフト、AX…旋回軸、MV…作業車両。
図1
図2
図3
図4
図5