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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040573
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】障子用の形材及び建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/96 20060101AFI20240318BHJP
   E06B 3/34 20060101ALN20240318BHJP
【FI】
E06B3/96 A
E06B3/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145005
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒井 翔太
(72)【発明者】
【氏名】藤森 藍
【テーマコード(参考)】
2E014
2E035
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014CA07
2E035BA01
2E035CA02
2E035CB03
2E035DA02
(57)【要約】
【課題】製造コストを増大することなく、連結部材と部品との干渉を防止する。
【解決手段】縦框24の外周側となる部分から下框23との間を連結するための連結ネジ27が螺合されるとともに外周側となる部分にリンク機構30が取り付けられる障子20用の形材であって、連結ネジ27が螺合される第1の見込み面24a5と、リンク機構30が取り付けられる第2の見込み面24a6とを有し、第2の見込み面24a6が第1の見込み面24a5よりも外周側に突出する状態でこれらの見込み面24a5,24a6が段差となるように設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
障子の外周側となる部分から他の形材との間を連結するための連結部材が設けられるとともに前記外周側となる部分に部品が取り付けられる障子用の形材であって、
前記連結部材が設けられる第1の見込み面と、前記部品が取り付けられる第2の見込み面とを有し、前記第2の見込み面が前記第1の見込み面よりも外周側に突出する状態でこれらの見込み面が段差となるように設けられていることを特徴とする障子用の形材。
【請求項2】
前記第2の見込み面の両側に前記第1の見込み面がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の障子用の形材。
【請求項3】
一方の形材の内周側となる見込み面に他方の形材の小口端面を当接させた状態で前記一方の形材の外周側となる部分から前記他方の形材に連結部材を設けることによってこれらの形材が互いに連結され、かつ前記一方の形材の外周側となる部分に部品が取り付けられる障子を備えた建具であって、
前記一方の形材は、外周側となる部分に前記連結部材が設けられる第1の見込み面と、前記部品が取り付けられる第2の見込み面とを有し、前記第2の見込み面が前記第1の見込み面よりも外周側に突出する状態でこれらの見込み面が段差となるように設けられていることを特徴とする建具。
【請求項4】
前記第1の見込み面と前記第2の見込み面との段差が前記連結部材の頭部よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項3に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障子用の形材及び建具に関する。
【背景技術】
【0002】
上框、下框及び左右の縦框を四周組することによって構成される建具の障子では、例えば、縦框の内周側となる見込み面に上框や下框の小口端面を当接させ、縦框の外周側となる見込み面から上框や下框のビスホールに連結ネジ等の連結部材を設けることで互いの間を連結するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-8583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、縦框の外周側となる見込み面には、枠体との間に部品を取り付ける場合が多い。例えば、横すべり出し窓には、縦枠と縦框との間に障子の開閉をガイドするフリクションステー等のリンク機構を設ける必要がある。リンク機構の動作範囲に連結部材が設けられている場合には、連結部材の頭部が干渉してリンク機構の動作を妨げる事態が生じ得るばかりでなく、リンク機構の取り付けが困難となる事態を招来する懸念もある。こうした問題を未然に防止するには、連結部材として皿ネジを使用したり、部品と縦框との間にスペーサを介在させることが考えられる。しかしながら、皿ネジを使用する場合には予め縦框に皿ネジの頭部を収容するための加工が必要となり、一方、スペーサを用いる場合には部品点数が増えることになり、いずれにおいても製造コストの点で新たな問題を招来する懸念がある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、製造コストを増大することなく、連結部材と部品との干渉を防止することのできる障子用の形材及び建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る障子用の形材は、障子の外周側となる部分から他の形材との間を連結するための連結部材が設けられるとともに前記外周側となる部分に部品が取り付けられる障子用の形材であって、前記連結部材が設けられる第1の見込み面と、前記部品が取り付けられる第2の見込み面とを有し、前記第2の見込み面が前記第1の見込み面よりも外周側に突出する状態でこれらの見込み面が段差となるように設けられていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る建具は、一方の形材の内周側となる見込み面に他方の形材の小口端面を当接させた状態で前記一方の形材の外周側となる部分から前記他方の形材に連結部材を設けることによってこれらの形材が互いに連結され、かつ前記一方の形材の外周側となる部分に部品が取り付けられる障子を備えた建具であって、前記一方の形材は、外周側となる部分に前記連結部材が設けられる第1の見込み面と、前記部品が取り付けられる第2の見込み面とを有し、前記第2の見込み面が前記第1の見込み面よりも外周側に突出する状態でこれらの見込み面が段差となるように設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、連結部材が設けられる第1の見込み面と、部品が取り付けられる第2の見込み面とが段差となるように設けられているため、新たな部品や加工を要することなく連結部材の頭部と部品との干渉を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態である障子用の形材を適用した建具を室外側から見た姿図である。
図2図1に示した建具の縦断面図である。
図3図1に示した建具の横断面図である。
図4図1に示した建具の障子に適用する形材を示すもので、(a)は上框の端面図、(b)は下框の端面図、(c)及び(d)は縦框の端面図である。
図5図1に示した建具の障子に適用する形材の要部を示すもので、(a)は下框と縦框との連結部分を内周側から見た斜視図、(b)はその分解斜視図である。
図6図1に示した建具の障子に適用する形材の要部を示すもので、(a)は下框と縦框との連結部分を下方の外周側から見た斜視図、(b)はその分解斜視図である。
図7図1に示した建具の障子に適用する形材の要部を示すもので、(a)は下框と縦框との連結部分の分解平面図、(b)は連結した状態の平面図である。
図8図1に示した建具の障子に適用する形材の要部を示すもので、(a)は上框と縦框との連結部分を室内側から見た図、(b)はその分解図である。
図9図1に示した建具の障子に適用する形材の要部を示すもので、(a)は下框と縦框との連結部分を室内側から見た図、(b)はその分解図である。
図10】本発明の変形例である障子用の形材を適用した建具の要部横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る障子用の形材及び建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下においては便宜上、見込み方向及び見付け方向という用語を用いる場合がある。見込み方向とは、図中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。見込み方向に沿った面については見込み面と称する場合がある。見付け方向とは、下枠等のように水平方向に沿って延在するものの場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向である。縦枠等のように上下方向に沿って延在するものの場合には、見込み方向に直交した水平に沿う方向を見付け方向という。見付け方向に沿った面については、見付け面と称する場合がある。
【0011】
図1図3は、本発明の実施の形態である障子用の形材を適用した建具を示すものである。ここで例示する建具は、横すべり出し窓と称されるもので、枠体10及び障子20を備えている。枠体10は、上枠11、下枠12及び左右の縦枠13を四周組することによって構成したものである。上枠11、下枠12及び左右の縦枠13は、アルミニウム合金等の金属あるいは樹脂によって成形した押し出し形材であり、長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。上枠11は、平板状を成す枠基部11aと、枠基部11aの内周側となる見込み面から内周側に突出した戸当り板部11bとを一体に成形したものである。同様に、下枠12は、平板状を成す枠基部12aと、枠基部12aの内周側となる見込み面から内周側に突出した戸当り板部12bとを一体に成形したものであり、縦枠13は、平板状を成す枠基部13aと、枠基部13aの内周側となる見込み面から内周側に突出した戸当り板部13bとを一体に成形したものである。枠基部11a,12a,13aの見込み方向に沿った寸法は、互いにほぼ同じであり、かつ見込み方向において互いにほぼ共通となる位置に戸当り板部11b,12b,13bが設けてある。それぞれの戸当り板部11b,12b,13bには、室外に臨む部分に一連となるタイト材14が装着してある。
【0012】
これら上枠11、下枠12及び縦枠13は、それぞれ上枠11及び下枠12の小口端面を縦枠13の枠基部13aにおいて内周側となる見込み面に当接し、外周側となる見込み面から上枠11のビスホール11c及び下枠12のビスホール12cに枠連結ネジ15を螺合することによって四周組した状態に維持されている。
【0013】
障子20は、ガラス等の面材21の四周に上框(他方の形材)22、下框(他方の形材)23及び左右の縦框(一方の形材)24を装着したもので、枠体10の内周側において戸当り板部11b,12b,13bよりも室外側となる部分に収容可能となる寸法に構成してある。上框22、下框23及び左右の縦框24は、アルミニウム合金等の金属あるいは樹脂によって成形した押し出し形材であり、長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。
【0014】
上框22は、図4(a)に示すように、見込み方向に延在する上框基部22aと、上框基部22aの室外側となる部分に設けた上方挟持壁部22bと、上框基部22aの室内側となる部分に設けた上方押縁装着部22cとを一体に成形したものである。上框基部22aは、板状を成すもので、室内側となる部分及び室外側となる部分にそれぞれビスホール22dを有している。上方挟持壁部22bは、上框基部22aの縁部から内周側及び外周側に向けてそれぞれ見付け方向に延在するように設けてある。上方押縁装着部22cは、上框基部22aの内周側に押縁25を着脱可能に保持するためのものである。押縁25は、上方押縁装着部22cに装着した場合に上方挟持壁部22bとの間に面材21を挟持することが可能である。
【0015】
下框23は、図4(b)に示すように、見込み方向に延在する下框基部23aと、下框基部23aの室外側となる部分に設けた下方挟持壁部23bと、下框基部23aの室内側となる部分に設けた下方押縁装着部23cとを一体に成形したものである。下框基部23aは、略四角の筒状を成すもので、室内側において外周側となる部分及び室外側において内周側となる部分にそれぞれビスホール23dを有している。下方挟持壁部23bは、下框基部23aの室外側に位置する2つの隅部から内周側及び外周側に向けてそれぞれ見付け方向に延在するように設けたものである。下方押縁装着部23cは、下框基部23aの内周側に押縁26を着脱可能に保持するためのものである。押縁26は、下方押縁装着部23cに装着した場合に下方挟持壁部23bとの間に面材21を挟持することが可能である。本実施の形態では、下框23の押縁26として、上框22の押縁25と同一の断面形状を有したものを適用している。
【0016】
縦框24は、図4(c)及び図4(d)に示すように、見込み方向に延在する縦框基部24aと、縦框基部24aの室外側となる部分に設けた縦外方挟持壁部24bと、縦框基部24aの室内側となる部分に設けた縦内方挟持壁部24c及びカバー壁部24dとを一体に成形したもので、左右で互いに対称形状となっている。縦框基部24aは、部品取付壁部24a1、2つの脚壁部24a2及び2つの螺合壁部24a3を有している。部品取付壁部24a1は、見込み方向に沿って延在した平板状を成すものである。2つの脚壁部24a2は、部品取付壁部24a1の両側縁部から内周側に向けて互いにほぼ平行となるように延在した平板状を成すものである。脚壁部24a2の延在長さは、後述する連結ネジ(連結部材)27の頭部高さよりも大きな寸法に設定してある。2つの螺合壁部24a3は、脚壁部24a2の延在縁部から見込み方向に沿って互いに離隔する方向に延在した平板状を成すものである。すなわち、本実施の形態の縦框基部24aは、平板状を成す2つの螺合壁部24a3の間に外周側に向けて突出するように平板状の部品取付壁部24a1を段状に設けたものである。縦框基部24aの見込み方向において螺合壁部24a3を設ける位置は、上框22に設けたビスホール22d及び下框23に設けたビスホール23dに対応した位置である。縦外方挟持壁部24bは、縦框基部24aの縁部から内周側及び外周側に向けてそれぞれ見付け方向に延在するように設けてある。縦内方挟持壁部24cは、縦框基部24aの縁部から内周側に向けて延在した後、室外側に向けて屈曲するように延在したものである。縦内方挟持壁部24cの室外に延在した部分の縁部は、縦外方挟持壁部24bとの間に面材21を挟持することが可能である。カバー壁部24dは、縦框基部24aの縁部から外周側に向けて延在したものである。
【0017】
これら上框22、下框23及び縦框24は、図5図9に示すように、それぞれ上框22及び下框23の小口端面を縦框24の縦框基部24aにおいて内周側となる見込み面、つまり螺合壁部24a3の内周側となる見込み面24a4に当接し、かつ螺合壁部24a3の外周側となる見込み面(第1の見込み面)24a5から上框22のビスホール22d及び下框23のビスホール23dに連結ネジ27を螺合することによって四周組した状態に維持されている。より具体的に説明すると、縦框24については、縦外方挟持壁部24bの両端部及び縦内方挟持壁部24cの両端部をそれぞれ一部切除する加工を施しておく。縦框24の上端部については、縦外方挟持壁部24bの端部を小口端面から上框22の上方挟持壁部22bに対応する位置まで切除し、縦内方挟持壁部24cの端部を小口端面から上方押縁装着部22cに対応する位置まで切除する。同様に、縦框24の下端部については、縦外方挟持壁部24bの端部を小口端面から下框23の下方挟持壁部23bに対応する位置まで切除し、縦内方挟持壁部24cの端部を小口端面から下方押縁装着部23cに対応する位置まで切除する。この状態から上框22の小口端面及び下框23の小口端面をそれぞれ縦框基部24aの内周側となる見込み面24a4に当接させれば、上框22のビスホール22d及び下框23のビスホール23dがそれぞれ縦框24の螺合壁部24a3に対向することになる。従って、この状態から螺合壁部24a3を介して上框22のビスホール22d及び下框23のビスホール23dにそれぞれ連結ネジ27を螺合し、上框22と縦框24との間及び下框23と縦框24との間をそれぞれ連結することによって障子20を構成することが可能となる。
【0018】
上述の手順によって構成した障子20は、その後、縦框24と縦枠13との間にフリクションステーと称されるリンク機構(部品)30を介在させることにより、枠体10に対して開閉可能となる状態で支持させることができる。ここで、上述の障子20においては、図3に示すように、上框22と縦框24との間を連結する連結ネジ27及び下框23と縦框24との間を連結する連結ネジ27がいずれも螺合壁部24a3の外周側となる見込み面24a5に設けてある。従って、リンク機構30については、これらの螺合壁部24a3よりも外周側に突出した部品取付壁部24a1の外周側となる見込み面(第2の見込み面)24a6に取り付ければ、スペーサ等の部品を要することなく連結ネジ27とリンク機構30とが干渉する事態を防止することができる。これにより、例えば縦框24の長手に沿ったいずれの位置においても制限なくリンク機構30を取り付けることが可能となる等の利点がある。しかも、連結ネジ27としては、ごく一般的に用いられているものをそのまま適用することができ、縦框24に対して頭部を収容するための加工を施す必要がないため、製造コストの点でも有利となる。さらに、縦框24に対して下框23の小口端面を当接させた状態においても、螺合壁部24a3と部品取付壁部24a1との間の段差部分に上下に沿った中空部分が構成されることになる。従って、下框23に排水用の孔や通気用の孔を設けることなく障子20において上框22、下框23、縦框24の内部を外気と等圧に維持できるとともに、内部に浸入した水を外部に排出することが可能となる。
【0019】
なお、上述した実施の形態では、建具として横すべり出し窓を例示しているが、横すべり出し窓以外の縦すべり出し窓や引き違い窓等の建具に適用することが可能である。また、上框22や下框23の小口端面を縦框24の内周側となる見込み面24a4に当接して互いの間を連結するようにしているが、縦框24の小口端面を上框22や下框23の内周側となる見込み面に当接して互いの間を連結しても良い。さらに、部品取付壁部24a1に取り付けられる部品として形材と枠体10との間に介在されるリンク機構30を例示しているが、必ずしも枠体10との間に連係される部品である必要はなく、その他の部品を取り付けてももちろん良い。またさらに、連結部材として連結ネジ27を例示しているが、頭部を有したものであれば、例えばリベット等のように螺合するものでなくても適用することが可能である。
【0020】
また、上述した実施の形態で示した形材の具体的な形状についてもこれに限定されない。例えば、部品取付壁部24a1の両側に螺合壁部24a3を設けるようにしているが、螺合壁部24a3が2つある必要はない。さらに、図10に示す変形例のように、縦框124の縦框基部124aが中空状を成すように構成されていても良い。すなわち、変形例で示す縦框124は、縦框基部124aが異形の中空状を成し、外周側となる部分に部品取付壁部24a1、2つの脚壁部24a2及び2つの螺合壁部24a3を有している。縦框基部124aの内周側となる部分は、平板状を成している。その他の形状は実施の形態のものと同様であり、同一の符号が付してある。この縦框124に対して上框22及び下框23を連結する場合には、実施の形態と同様、縦外方挟持壁部24bの端部及び縦内方挟持壁部24cの端部を螺合壁部24a3の位置まで切除し、螺合壁部24a3の内周側となる見込み面24a4に上框22の小口端面及び下框23の小口端面を当接して螺合壁部24a3の外周側となる見込み面24a5に連結ネジ27を螺合すれば良い。
リンク機構30については、螺合壁部24a3よりも外周側に突出した部品取付壁部24a1の外周側となる見込み面24a6に取り付ければ、スペーサ等の部品を要することなく連結ネジ27とリンク機構30とが干渉する事態を防止することが可能となる。
【0021】
以上のように、本発明に係る障子用の形材は、障子の外周側となる部分から他の形材との間を連結するための連結部材が設けられるとともに前記外周側となる部分に部品が取り付けられる障子用の形材であって、前記連結部材が設けられる第1の見込み面と、前記部品が取り付けられる第2の見込み面とを有し、前記第2の見込み面が前記第1の見込み面よりも外周側に突出する状態でこれらの見込み面が段差となるように設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、連結部材が設けられる第1の見込み面と、部品が取り付けられる第2の見込み面とが段差となるように設けられているため、新たな部品や加工を要することなく連結部材の頭部と部品との干渉を防止することが可能となる。
【0022】
また本発明は、上述した障子用の形材において、前記第2の見込み面の両側に前記第1の見込み面がそれぞれ設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、第2の見込み面の両側に設けた第1の見込み面からそれぞれ連結部材を設けることができる。
【0023】
また、本発明に係る建具は、一方の形材の内周側となる見込み面に他方の形材の小口端面を当接させた状態で前記一方の形材の外周側となる部分から前記他方の形材に連結部材を設けることによってこれらの形材が互いに連結され、かつ前記一方の形材の外周側となる部分に部品が取り付けられる障子を備えた建具であって、前記一方の形材は、外周側となる部分に前記連結部材が設けられる第1の見込み面と、前記部品が取り付けられる第2の見込み面とを有し、前記第2の見込み面が前記第1の見込み面よりも外周側に突出する状態でこれらの見込み面が段差となるように設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、連結部材が設けられる第1の見込み面と、部品が取り付けられる第2の見込み面とが段差となるように設けられているため、新たな部品や加工を要することなく連結部材の頭部と部品との干渉を防止することが可能となる。
【0024】
また本発明は、上述した建具において、前記第1の見込み面と前記第2の見込み面との段差が前記連結部材の頭部よりも大きく設定されていることを特徴としている。
この発明によれば、連結部材の頭部を完全に覆う位置まで部品を配設することが可能となる。
【符号の説明】
【0025】
20 障子、22 上框、23 下框、24,124 縦框、24a5 第1の見込み面、24a6 第2の見込み面、27 連結ネジ、30 リンク機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10