(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040578
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】斜面除草車両
(51)【国際特許分類】
A01D 34/86 20060101AFI20240318BHJP
A01D 34/43 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
A01D34/86
A01D34/43
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145011
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】390005234
【氏名又は名称】株式会社筑水キャニコム
(74)【代理人】
【識別番号】110002549
【氏名又は名称】弁理士法人綾田事務所
(72)【発明者】
【氏名】包行 良光
(72)【発明者】
【氏名】上杉 まり
(72)【発明者】
【氏名】山崎 久興
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA01
2B083BA12
2B083BA15
2B083DA02
2B083GA02
2B083HA13
2B083HA14
2B083HA52
(57)【要約】
【課題】エンジンの吸い込み口に対する草や出ダストを吸い込みにくく、エンジンで暖められた熱気を遮断しエンジン3の冷却効率の低下を抑制することができる斜面除草車両の提供
【解決手段】エンジン3の空気取り入れ口4を筒状に囲う導風筒5を備え、導風筒5に接続した空気吸い込みホース6の先端冷却用空気取り入れ口7を車体の一方の片側に配置し、空気吸い込みホース6の冷却用空気取り入れ口7から取り入れた外気を導風筒5を介してエンジン3の空気取り入れ口4に供給する構造。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの空気取り入れ口を筒状に囲う導風筒を備え、
前記導風筒の側壁に接続した空気吸い込みホースの先端冷却用空気取り入れ口を車体の一方の片側に配置し、
前記空気吸い込みホースの冷却用空気取り入れ口から取り入れた外気を導風筒を介してエンジンの空気吸い込み口に供給するようにしたことを特徴とする斜面除草車両。
【請求項2】
請求項1記載の斜面除草車両において、エンジンの冷却用空気取り入れ口を車体の左片側に配置したことを特徴とする斜面除草車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、斜面除草車両における火災やエンジンオーバーヒートを防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンを動力源とする除草作業車両におけるエンジンへの冷却用空気取り入れ口の配置は、エンジンに設けられた空気取り入れ口から外気を取り入れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、除草した際、草やダストがエンジンの空気取り入れ口に直接吸い込まれることがあり、これが原因でオーバーヒートやダストのつまりから火災に至ることもしばしばあるという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明では、エンジンの空気取り入れ口に対する草やダストを吸い込みにくく、エンジンで暖められた熱気を遮断しエンジンの冷却効果を向上させることができる斜面除草車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1記載の斜面除草車両は、エンジンの空気取り入れ口を筒状に囲う導風筒を備え、
前記導風筒に接続した空気吸い込みホースの先端冷却用空気取り入れ口を車体の一方の片側に配置し、
前記空気吸い込みホースの冷却用空気取り入れ口から取り入れた外気を導風筒を介してエンジンの空気吸い込み口に供給するようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の斜面除草車両は、請求項1記載の斜面除草車両において、エンジンの冷却用空気取り入れ口を車体の左片側に配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の斜面除草車両では、上述のように、除草装置の駆動力となるエンジンの冷却用空気取り入れ口を車体の一方の片側に配置し、斜面除草が終了した側の位置から導風筒を介して冷却風を冷却用空気取り入れ口に吸い込ませるようにしたことで、導風筒を介することで、エンジンの空気吸い込み口に対する草やダストを吸い込みにくくなり、かつ、エンジンで暖められた熱気が導風筒を介することで遮断され、これによりエンジンの冷却効率の低下を抑制する効果が得られる。
【0009】
請求項2記載の斜面除草車両では、上述のように、エンジンの冷却用空気取り入れ口を車体の左片側に配置したことで、以下の効果が得られる。
即ち、斜面除草作業の際には、安全のため斜面の下側から除草作業を行うため、除草が済んだ左片側に冷却用空気取り入れ口が位置することで、草やダストの吸い込みがより少なくなるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1の斜面除草車両を示す正面図である。
【
図5】実施例1の斜面除草車両におけるエンジンの冷却装置を示す一部切欠背面図である。
【
図8】実施例1の斜面除草車両を示す側面図である。
【
図9】実施例1の斜面除草車両におけるモア装置の詳細を示す平面図である。
【
図10】モア装置における除草装置の通常位置を示す平面図である。
【
図11】モア装置における除草装置のスライド位置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
以下、図面に基づいて本発明を説明する。
【実施例0012】
まず、この実施例1の斜面除草車両を図面に基づいて説明する。
この実施例1の斜面除草車両は、
図1~4に示すように、走行駆動装置1と、除草装置2と、エンジンの冷却装置と、除草装置2のモア装置と昇降装置を主な構成として備えている。
【0013】
前記走行装置1は、走行駆動モータ(アキシャルモータ)1aで駆動される無限軌道1bで走行車体を前後方向に走行駆動させる。
走行装置1の駆動操作は遠隔操縦で行われる。
【0014】
前記除草装置2は、刈刃2aを備え、走行車体の前側にモア装置と昇降装置を介して設けられている。
【0015】
前記エンジンの冷却装置は、
図5~7に示すように、この実施例1では、エンジン3の空気取り入れ口4を筒状に囲う導風筒5を備え、前記導風筒5の側壁に接続した空気吸い込みホース6の先端冷却用空気取り入れ口7を車体の左片側に配置し、前記空気吸い込みホース6の冷却用空気取り入れ口7から取り入れた外気を導風筒5を介してエンジン3の空気取り入れ口4に供給する構造とした。
【0016】
前記モア装置は、除草装置2を駆動するエンジン3を備えた走行車体に対し除草装置2を走行車体の幅方向にスライドさせる装置である。
即ち、
図8~11に示すように、前記除草装置2のモアカバー2bの内側には刈刃回転軸2cが装着され、モアカバー2b両側面にスライドリンク2cを上下2本橋渡した構造でモアカバー2bが支持されている。
【0017】
また、前記除草装置2は、走行車体の先端で回動支点13aを中心として上下回動自在な昇降リンク13を備え、該昇降リンク13の先端が前記スライドリンク2cに対し、樹脂ブッシュ(ドーナツ型)13bを介して滑動自在に接続されている。
前記モア装置における除草装置2のスライドは手動で行われる。また、樹脂ブッシュ(ドーナツ型)13bにはスライドを停止させるスライドロックピン13cを備えている。
【0018】
また、前記除草装置2は、前記昇降リンク13内に備えた昇降油圧シリンダ13dの駆動により走行車体に対し昇降リンク13を介して昇降可能となっている。なお、
図8において13eは油圧ポンプ、13fはオイルクーラである。
【0019】
また、
図9に示すように、エンジン3の駆動力が→モアクラッチ41→ユニバールジョイント42→ギヤボックス43→駆動軸44→(駆動プーリ→従動ベルト)→刈刃用回転軸(モア軸)45を介して刈刃装置2の刈刃2aに伝達される。
【0020】
次に実施例1の斜面除草車両におけるエンジンの冷却装置の作用について説明する。
実施例1のエンジン冷却装置においては、除草作業が終了した斜面における左片側に備えた冷却用空気取り入れ口7から外気を吸い込んだ後、導風筒5内を経由してエンジンの空気取り入れ口4に供給される。
【0021】
次に実施例1の効果を説明する
本発明実施例のエンジン3の冷却装置では、上述のように、除草装置の駆動力となるエンジン3の冷却用空気取り入れ口7を車体の左片側に配置し、斜面除草が終了した側の位置から導風筒5を介して冷却風を空気取り入れ口4に吸い込ませるようにしたことで、導風筒5を介することで、エンジンの空気取り入れ口4に対する草やダストを吸い込みにくくなり、かつ、エンジン3で暖められた熱気が導風筒5を介することで遮断され、これによりエンジン3の冷却効率の低下を抑制する効果が得られる。
【0022】
また、エンジン3の冷却用空気取り入れ口7を車体の左片側に配置したことで、以下の効果が得られる。
即ち、斜面除草作業の際には、安全のため斜面の下側から除草作業を行うため、除草が済んだ左片側に冷却用空気取り入れ口7が位置することで、草やダストの吸い込みがより少なくなるという効果が得られる。
【0023】
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【0024】
例えば、実施例1では、無限軌道を用いたが、これには
限定されず車輪でも良い。
また、実施例1ではエンジン3の冷却用空気取り入れ口7を車体の左片側に配置したが、右片側でも良い。