(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040582
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】出没機構
(51)【国際特許分類】
B43K 24/08 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
B43K24/08 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145017
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(72)【発明者】
【氏名】有坂 優希
【テーマコード(参考)】
2C353
【Fターム(参考)】
2C353HA01
2C353HC04
2C353HG04
(57)【要約】
【課題】出没動作を安定させながら、ノック音を低減することができる出没機構を提供する。さらに、潤滑剤の滲み出しを防止し、潤滑剤による回転部材の摺動性を長期に渡って維持することができる出没機構を提供する。
【解決手段】芯体3を軸筒2の先端から出没させる出没機構であって、前記出没機構は、複数のカム歯61及びカム溝62と、カム歯61又はカム溝62に交互に係合可能な複数の突条75を有する回転部材7と、回転部材7を回動させる複数の他のカム突起83が設けられたカム部材8と、を備える。突条75には、突条75とカム突起83、カム歯61及びカム溝62とが係合する際の衝撃を吸収する衝撃吸収部76が設けられる。さらに、突条75には、潤滑剤を保持する潤滑剤保持部78が設けられる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸筒内に芯体を収容し、前記軸筒に設けたノック部材を操作して前記芯体を前後方向に移動させ、前記芯体を前記軸筒の先端から出没させる出没機構であって、
前記出没機構は、前記軸筒の内面の円周方向に沿って交互に配置された前後方向に延びる複数のカム歯及びカム溝と、前記芯体の後方に回転可能に配置され、前記カム歯又は前記カム溝に交互に係合可能な複数の突条を有する回転部材と、前記回転部材の前記突条に係合し、前記回転部材を回動させる複数の他のカム突起が設けられたノック部材と、前記芯体を後方に付勢する弾発体と、を前記軸筒内に備え、前記弾発体の付勢力に抗して、前記ノック部材を前方へ押圧することにより、前記突条が前記カム歯又は前記カム溝に交互に係合して、前記芯体が交互に突出状態又は没入状態となり、
前記突条には、前記突条と前記カム突起、前記カム歯及び前記カム溝とが係合する際の衝撃を吸収する衝撃吸収部が設けられていることを特徴とする出没機構。
【請求項2】
前記突条には、前記突条の厚みを減少させる凹部が設けられており、前記衝撃吸収部は前記凹部を有することを特徴とする請求項1に記載の出没機構。
【請求項3】
前記突条は軸方向に延びる四角柱状に形成され、前記突条の外面は、径方向外方に面する側壁面と、前記側壁面の周方向側方に設けられ、軸方向に延びる長辺壁面及び短辺壁面と、前記側壁面の軸方向後端に設けられ、軸線に対して傾斜している傾斜面と、が設けられており、前記突条の外面のうち少なくとも1つの面には、前記突条の外面より外方に開口した前記凹部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の出没機構。
【請求項4】
前記凹部が、前記長辺壁面及び前記傾斜面の外面の径方向両端を除く領域、又は径方向中央を除く領域に設けられており、前記長辺壁面及び前記傾斜面の外面の径方向両端の領域、又は径方向中央の領域と前記カム突起、前記カム歯及び前記カム溝とが係合することを特徴とする請求項3に記載の出没機構。
【請求項5】
前記凹部が前記長辺壁面と前記傾斜面とに跨って設けられていることを特徴とする請求項4に記載の出没機構。
【請求項6】
軸筒内に芯体を収容し、前記軸筒に設けたノック部材を操作して前記芯体を前後方向に移動させ、前記芯体を前記軸筒の先端から出没させる出没機構であって、
前記出没機構は、前記軸筒の内面の円周方向に沿って交互に配置された前後方向に延びる複数のカム歯及びカム溝と、前記芯体の後方に回転可能に配置され、前記カム歯又は前記カム溝に交互に係合可能な複数の突条を有する回転部材と、前記回転部材の前記突条に係合し、前記回転部材を回動させる複数の他のカム突起が設けられたノック部材と、前記芯体を後方に付勢する弾発体と、を前記軸筒内に備え、前記弾発体の付勢力に抗して、前記ノック部材を前方へ押圧することにより、前記突条が前記カム歯又は前記カム溝に交互に係合して、前記芯体が交互に突出状態又は没入状態となり、
前記突条の外面には液状の潤滑剤が塗布され、前記突条には、前記潤滑剤を保持する潤滑剤保持部が設けられていることを特徴とする出没機構。
【請求項7】
前記突条は軸方向に延びる四角柱状に形成され、前記突条の外面は、径方向外方に面する側壁面と、前記側壁面の周方向側方に設けられ、軸方向に延びる長辺壁面及び短辺壁面と、前記側壁面の軸方向後端に設けられ、軸線に対して傾斜している傾斜面と、が設けられており、前記突条の外面のうち少なくとも1つの面には、前記突条の外面より外方に開口した前記凹部が設けられ、前記潤滑剤保持部は前記凹部からなることを特徴とする請求項6に記載の出没機構。
【請求項8】
前記凹部が、前記長辺壁面及び前記傾斜面の外面の径方向両端を除く領域、又は径方向中央を除く領域に設けられており、前記長辺壁面及び前記傾斜面の外面の径方向両端の領域、又は径方向中央の領域と前記カム突起、前記カム歯及び前記カム溝とが係合することを特徴とする請求項7に記載の出没機構。
【請求項9】
前記凹部が前記長辺壁面と前記傾斜面とに跨って設けられていることを特徴とする請求項8に記載の出没機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出没機構に関する。詳細には、芯体を軸筒内に収容し、前記軸筒に設けたノック部材を操作して前記芯体を前後方向に移動させる出没機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筆記体を軸筒内に収容し、前記軸筒に設けたノック部材を操作して前記筆記体を前後方向に移動させ、前記筆記体のペン先を筆記具の先端から出没させる出没式筆記具において、ノック部材を前方へ押圧することにより、軸筒内の回転部材を回転させ、回転部材の突条と軸筒側のカム歯又はカム溝とを交互に係合させることで前記筆記体のペン先を交互に突出状態又は没入状態に切り替えるダブルノック式の出没機構が知られている。
【0003】
しかし、こうした出没機構においては、筆記体のペン先を軸筒の先端開口部から突出させるためのノック操作時や、筆記体のペン先を軸筒内に没入させるためのノック操作時において、カム溝に回転カムが衝突することによる衝撃音が発生していた。
図12にて、従来及び本発明の出没機構の出没動作を模式的に説明する。
【0004】
図12(a)はペン先没入状態である。ペン先没入状態において、カム部材8の係合突起84がカム溝62後端の係止壁部63に係止され、回転部材7の突条75がカム溝62に係合され、回転部材7の突条75の後端がカム突起83に当接されている。回転部材7は、弾発体10により常時後方に付勢されている。
【0005】
ペン先没入状態から、弾発体10の後方付勢に抗してカム部材8を前方に押圧すると、突条75及び係合突起84がカム溝62に沿って前方に移動し、
図12(b)に示すように、突条75がカム溝62から前方に係合状態が解除される。突条75とカム溝62との係合状態が解除され、突条75がカム突起83に衝突する際に1回目の衝撃音が発生する。それと同時に、カム突起83と傾斜面76との接触により回転部材7が回転され、
図12(c)に示すように、突条75の後端がカム歯61に係合され、ペン先突出状態が維持される。この際、突条75は弾発体10の弾発力にてカム歯壁面61bに衝突し、2回目の衝撃音が発生する。
【0006】
図12(c)に示すペン先突出状態から、弾発体10の後方付勢に抗してカム部材8を前方に押圧すると、突条75及び係合突起84が前方に移動し、カム突起83と突条75との接触により回転部材7が回転され、
図12(d)に示すように突条75とカム歯61との係合が解除される。突条75とカム歯61との係合が解除され、突条75がカム突起83に衝突する際に3回目の衝撃音が発生する。その後、カム部材8の前方への押圧を解除すると、弾発体10の後方付勢により、回転部材7及びカム部材8が後方に移動され、
図12(e)に示すように、突条75がカム溝62に係合される。突条75とカム溝62とが係合され、突条75がカム突起83に衝突する際に4回目の衝撃音が発生する。続いて突条75がカム溝62に沿って後方に移動され、カム部材8の係合突起84がカム溝62後端の係止壁部63に係止され、
図12(f)に示すようにペン先没入状態となる。
【0007】
以上のように、前記出没式筆記具のペン先出没操作時には計4回の衝撃音が発生する。前記衝撃音は、ノック音とも呼ばれ、使用者自身にとってペン先の出没状態を確認する意味もあり、必ずしも不快なものではないが、例えば会議中等の僅かな音でも響く環境下においては、そのノック音が気になる場合がある。
【0008】
特許文献1には、カム溝が、前後方向に延びる第一カム壁と、第一カム壁の側方に連設されカム突起が摺接する第一カム傾斜面と、第一カム傾斜面の側方に連設されカム突起が当接する当接面と、当接面の側方に連設されカム突起が摺接する第二カム傾斜面と、第二カム傾斜面の側方に連設されカム突起が摺接し第一カム壁と共に前後方向に延びる第二カム壁と、第一カム壁と第二カム壁との隙間となる縦溝とを有し、第一カム傾斜面と当接面との連設部に、バネの弾発力により第一カム傾斜面を摺動するカム突起の速度を減速させる抵抗部を設けたことにより、ノック音を低減する出没機構が開示されている。
【0009】
また、従来の出没機構において、例えば特許文献2のように、回転部材の摺動性を向上させるため、シリコンオイル等の潤滑剤を塗布することが知られている。
【0010】
【特許文献1】特開2019-010827号公報
【特許文献2】特開2017-081065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献1に記載の出没機構では、前記4回のノック音の中の2回目のノック音しか低減することができなかった。また、抵抗部によって回転部材の回転量が不安定となり、出没操作時に回転部材が適切に回転しないなど、出没動作が不安定となる可能性があった。
【0012】
また、特許文献2に記載の出没機構において、潤滑剤を塗布したとしても、出没動作を繰り返す内に潤滑剤が滲み出し、回転部材の摺動性が低下するおそれがあった。
【0013】
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、出没動作の安定性を保ちながら、4回(4種)の全てのノック音を低減することができる出没機構を提供する。さらに、潤滑剤の滲み出しを防止し、潤滑剤による回転部材の摺動性を長期に渡って維持することができる出没機構を提供する。尚、本発明ではノック部材側を「後」、その反対側を「前」とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願の第1の発明は、軸筒内に芯体を収容し、前記軸筒に設けたノック部材を操作して前記芯体を前後方向に移動させ、前記芯体を前記軸筒の先端から出没させる出没機構であって、
前記出没機構は、前記軸筒の内面の円周方向に沿って交互に配置された前後方向に延びる複数のカム歯及びカム溝と、前記芯体の後方に回転可能に配置され、前記カム歯又は前記カム溝に交互に係合可能な複数の突条を有する回転部材と、前記回転部材の前記突条に係合し、前記回転部材を回動させる複数の他のカム突起が設けられたノック部材と、前記芯体を後方に付勢する弾発体と、を前記軸筒内に備え、前記弾発体の付勢力に抗して、前記ノック部材を前方へ押圧することにより、前記突条が前記カム歯又は前記カム溝に交互に係合して、前記芯体が交互に突出状態又は没入状態となり、
前記突条には、前記突条と前記カム突起、前記カム歯及び前記カム溝とが係合する際の衝撃を吸収する衝撃吸収部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
本願の第1の発明の出没機構は前記構成により、衝撃吸収部によって出没動作時に突条に加わる衝撃を吸収してノック音を低減することができる。また、衝撃吸収部が突条側に設けられていることにより、出没動作時に発生する4回の全てのノック音を低減することができる。
【0016】
本願の第2の発明は、前記第1の発明において、前記突条には、前記突条の厚みを減少させる凹部が設けられており、前記衝撃吸収部は前記凹部を有することが好ましい。
【0017】
本願の第2の発明の出没機構は前記構成により、凹部によって突状の衝撃吸収部の厚みが減少することで、出没動作時に突条に加わる衝撃を吸収してノック音を低減することができる。
【0018】
本願の第3の発明は、前記第2の発明において、前記突条は軸方向に延びる四角柱状に形成され、前記突条の外面は、径方向外方に面する側壁面と、前記側壁面の周方向側方に設けられ、軸方向に延びる長辺壁面及び短辺壁面と、前記側壁面の軸方向後端に設けられ、軸線に対して傾斜している傾斜面と、が設けられており、前記突条の外面のうち少なくとも1つの面には、前記突条の外面より外方に開口した前記凹部が設けられていることが好ましい。
【0019】
本願の第3の発明の出没機構は前記構成により、凹部によって突状の厚みが減少することで、出没動作時に突条に加わる衝撃を吸収してノック音を低減することができる。また、出没動作時に他部材と衝突する突状の面積を減少させ、ノック音を低減することができる。
【0020】
本願の第4の発明は、前記第3の発明において、前記凹部が、前記長辺壁面及び前記傾斜面の外面の径方向両端を除く領域、又は径方向中央を除く領域に設けられており、前記長辺壁面及び前記傾斜面の外面の径方向両端の領域、又は径方向中央の領域と前記カム突起、前記カム歯及び前記カム溝とが係合することが好ましい。
【0021】
本願の第4の発明の出没機構は前記構成により、ペン先出没操作時にカム突起、カム歯及びカム溝と係合する突条の外面の領域が確保され、凹部が出没動作に影響を及ぼすことがないため、出没動作の安定性を保つことができる。
【0022】
本願の第5の発明は、前記第4の発明において、前記凹部が前記長辺壁面と前記傾斜面とに跨って設けられていることが好ましい。
【0023】
本願の第5の発明の出没機構は前記構成により、出没操作時に衝突する突条の後端縁の面積を減少させ、ノック音を低減することができる。
【0024】
本願の第6の発明は、軸筒内に芯体を収容し、前記軸筒に設けたノック部材を操作して前記芯体を前後方向に移動させ、前記芯体を前記軸筒の先端から出没させる出没機構であって、
前記出没機構は、前記軸筒の内面の円周方向に沿って交互に配置された前後方向に延びる複数のカム歯及びカム溝と、前記芯体の後方に回転可能に配置され、前記カム歯又は前記カム溝に交互に係合可能な複数の突条を有する回転部材と、前記回転部材の前記突条に係合し、前記回転部材を回動させる複数の他のカム突起が設けられたカム部材と、前記芯体を後方に付勢する弾発体と、を前記軸筒内に備え、前記弾発体の付勢力に抗して、前記ノック部材を前方へ押圧することにより、前記突条が前記カム歯又は前記カム溝に交互に係合して、前記芯体が交互に突出状態又は没入状態となり、
前記突条の外面には液状の潤滑剤が塗布され、前記突条には、前記潤滑剤を保持する潤滑剤保持部が設けられていることを特徴とする。
【0025】
本願の第6の発明の出没機構は前記構成により、潤滑剤保持部によって潤滑剤を保持することで、潤滑剤の滲み出しを防止し、潤滑剤による回転部材の摺動性を長期に渡って維持することができる。
【0026】
本願の第7の発明は、前記第6の発明において、前記突条は軸方向に延びる四角柱状に形成され、前記突条の外面は、径方向外方に面する側壁面と、前記側壁面の周方向両側方に設けられ、軸方向に延びる長辺壁面及び短辺壁面と、前記側壁面の軸方向後方に設けられ、軸線に対して傾斜している傾斜面と、が設けられており、前記突条の外面のうち少なくとも1つの面には、前記突条の外面より外方に開口した凹部が設けられ、前記潤滑剤保持部は前記凹部からなることが好ましい。
【0027】
本願の第7の発明の出没機構は前記構成により、凹部によって潤滑剤を保持することで、潤滑剤の滲み出しを防止し、潤滑剤による回転部材の摺動性を長期に渡って維持することができる。
【0028】
本願の第8の発明は、前記第7の発明において、前記凹部が、前記長辺壁面及び前記傾斜面の外面の径方向両端を除く領域、又は径方向中央を除く領域に設けられており、前記長辺壁面及び前記傾斜面の外面の径方向両端の領域、又は径方向中央の領域と前記カム突起、前記カム歯及び前記カム溝とが係合することが好ましい。
【0029】
本願の第8の発明の出没機構は前記構成により、ペン先出没操作時にカム突起、カム歯及びカム突起と摺接する突条の外面の領域が確保され、凹部が出没動作に影響を及ぼすことがないため、出没動作の安定性を保つことができる。
【0030】
本願の第9の発明は、前記第8の発明において、前記凹部が前記長辺壁面と前記傾斜面とに跨って設けられていることが好ましい。
【0031】
本願の第9の発明の出没機構は前記構成により、出没操作時に衝突する突条の後端縁にて潤滑剤を保持することができるため、潤滑剤による回転部材の摺動性を効果的に高めることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の出没機構は、出没動作の安定性を保ちながら、4回の全てのノック音を低減することができる。さらに、潤滑剤の滲み出しを防止し、潤滑剤による回転部材の摺動性を長期に渡って維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の実施の形態のペン先没入状態を示す縦断面図である。
【
図2】本発明の実施の形態のペン先突出状態を示す縦断面図である。
【
図4】
図1の出没機構の主要部品を示す分解図である。
【
図5】本発明の回転部材の領域X、Yを示す斜視図である。
【
図6】本発明の回転部材の一例を示す斜視図である。
【
図7】本発明の回転部材の一例を示す斜視図である。
【
図8】本発明の回転部材の一例を示す斜視図である。
【
図9】本発明の回転部材の領域Zを示す斜視図である。
【
図10】凹部の変形例を示す回転部材の斜視図である。
【
図11】凹部の変形例を示す回転部材の斜視図である。
【
図12】従来及び本発明の出没機構の出没動作時における、カム溝とカム部材と回転部材との位置関係を示す出没機構展開概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1乃至
図12に本発明の実施形態を示す。本明細書では、本願の出没機構を備えた出没式筆記具を例に本発明を説明する。前記出没式筆記具において、前記芯体はペン先を備えた筆記体である。
【0035】
図1に示すように、本実施の形態の出没式筆記具1は、軸筒2と、前記軸筒2内に収容される筆記体3と、前記筆記体3のペン先31を軸筒2の前端孔より出没自在にさせる出没機構とを備える。
【0036】
前記筆記体3には、ペン先31より吐出されるインキが収容されている。前記ペン先31は、例えば、前端に回転可能にボールを抱持した金属製のボールペンのみからなる構成、または前記ボールペンチップの後部外面を保持した合成樹脂製のペン先ホルダーからなる構成のいずれであってもよい。
【0037】
・軸筒
前記軸筒2は、前軸4と、前記前軸4の後端部に連結される中間軸5と、前記中間軸5の後端部に連結される後軸6とからなる。
【0038】
前記前軸4は、金属製または合成樹脂製の先細状の円筒体である。前軸4の後端開口部内面には、メネジ部が形成される。
【0039】
前記中間軸5は、合成樹脂製の両端が開口された円筒体である。前記中間軸5の前端部外面には、前記前軸4のメネジ部と螺合可能なオネジ部が形成される。前記中間軸5の後端部外面には、後軸6のメネジ部と螺合可能なオネジ部が形成される。前記中間軸5の中間部外面には、弾性材料よりなるグリップ部51が形成される。前記グリップ部51は、前軸4の外面に、2色成形または別部材の取り付けにより設けられる。
【0040】
前記後軸6は、合成樹脂製の両端が開口された円筒体である。前記後軸6の前端開口部内面には、前記中間軸5の後端部外面のオネジ部と螺合可能なメネジ部が形成される。前記後軸6の後部内面には、前後方向に延びる複数(例えば4本)のカム歯61及びカム溝62が一体に形成される。前記カム歯61及びカム溝62は、円周方向に沿って交互に配置される。カム歯61には軸線に対して傾斜しているカム歯傾斜面61aが非連続的に配置されており、各々のカム歯傾斜面61aの間には軸方向に延びるカム歯壁面61bが設けられている。また、各々のカム歯61には、前後方向に延びるカムガイド溝62aが形成される。前記カムガイド溝62aと前記カム溝62は、円周方向に沿って交互に等間隔に配置される。前記カム溝62の後端には、係止壁部63が一体に形成される。
【0041】
・出没機構
図1乃至
図4に示すように、前記出没機構は、軸筒2内面(後軸6内面)に形成されたカム歯61及びカム溝62と、前記カム歯61またはカム溝62と係合し且つ筆記体3の後端と当接する回転部材7と、前記回転部材7及び前記カム溝62と係合するカム部材8と、前記カム部材8と連結されるノック部材9と、軸筒2内に収容され且つ筆記体3を後方に付勢する弾発体10(例えば圧縮コイルスプリング)とを備える。本実施の形態の出没機構は、ペン先突出操作及びペン先没入操作のいずれもがノック部材9を前方に押圧操作するダブルノック式である。
【0042】
・回転部材
前記回転部材7は、両端が開口された円筒体である。回転部材7は合成樹脂からなる。合成樹脂の内、特にポリアセタールは耐摩耗性、摺動性が高いため、回転部材7に好適である。
【0043】
前記回転部材7の前端部には環状鍔部71が形成される。前記回転部材7の環状鍔部71の後方には、大径筒部72が形成される。前記回転部材7の大径筒部72の後方には、大径筒部72の外径より小さい外径を有する小径筒部73が形成される。前記小径筒部73がカム部材8の前端部内面(大径の前部81内面)に遊挿される。前記回転部材7の前端部の内面には、段部74が形成される。前記段部74に前記筆記体3の後端が当接される。前記大径筒部72外面(環状鍔部71の後方且つ小径筒部73の前方)には、カム溝62に係合可能な前後方向に延びる複数(例えば4本)の突条75が周方向に等間隔に形成される。
【0044】
突条75は軸方向に延びる四角柱状である。突条75の外面は、軸方向に延びる長辺壁面75aと、軸線に対して傾斜している傾斜面75bと、径方向外方に面する側壁面75cと、軸方向に延びる短辺壁面75dとを有する。長辺壁面75a及び短辺壁面75dは側壁面75cの周方向両側方に設けられる。傾斜面75bは側壁面75cの後端、長辺壁部75aの後端及び短辺壁面75dの後端に連設される。長辺壁面75a及び傾斜面75bは、カム歯61及びカム突起83に係合可能である。
【0045】
・カム部材
前記カム部材8は、前端が開口され後端が閉鎖された合成樹脂製の有底円筒体である。前記カム部材8は、大径の前部81と、前部81の後方に一体に連設され、前部81外径より小さい外径を有する小径の後部82とを備える。前記カム部材8の前端面(大径の前部81の前端面)には、複数(例えば8個)の鋸刃状(山形状)のカム突起83が円周状に連設される。前記カム部材8の前端部外面(大径の前部81の前端部外面)には、複数(例えば8個)の係合突起84が円周方向に沿って分散されて形成される。前記各々の係合突起84は、前記各々のカム突起83の後方に設けられる。ペン先没入状態において前記係合突起84が前記係止壁部63に前後方向に係止される。前記係合突起84と前記カム溝62とは、回転方向のあそび量を有する状態で係合される。また、前記係合突起84と前記カムガイド溝62aとは、回転方向のあそび量を有する状態で係合される。
【0046】
・ノック部材
前記ノック部材9は、前後方向に延びるクリップ91と、前記クリップ91と一体に連設された有底の筒状部92とを備え、合成樹脂から形成される。
【0047】
前記筒状部92内に前記カム部材8の小径の後部82が挿入され、筒状部92内面と小径の後部82外面とが嵌合により連結される。
【0048】
・衝撃吸収部
突条75には、突条75の衝撃を吸収する衝撃吸収部76が設けられる。突条75の衝突時の衝撃を吸収するため、衝撃吸収部76は突条75における他部材と衝突する位置に設けることが好ましい。即ち、衝撃吸収部76は少なくとも、突条75とカム歯壁面61bとが衝突する突条75の後端部軸方向領域H内(
図12(c)参照)に設けることが好ましい。
【0049】
図5に示すように、衝撃吸収部76には、突条75の外面より外方に開口した凹部77を設けることが挙げられる。凹部77が設けられていることにより、突条75の一部の厚みが減少して突条75の衝撃吸収性が向上し、衝突時の衝撃を吸収することでノック音を低減することができる。尚、突条75の厚みとは、突条75を構成する合成樹脂の厚さである。さらに、凹部77を設けることにより、突条75の厚みを減少させ、回転部材7を成形する際のヒケを防止することができる。衝撃吸収部76によって突条75の衝撃吸収性が向上すればよく、衝撃吸収部76として他にも微小な突起群や梨地等を設けることが挙げられる。また、衝撃吸収部76のみ衝撃吸収性の高い別素材(合成樹脂以外でも可)に置き換えてもよい。例えば、回転部材7全体又は衝撃吸収部76をポリプロピレンやポリエチレン等のより低密度な合成樹脂によって形成することにより、突条75に衝撃吸収性を付与することができる。
【0050】
図3及び
図5に示すように、凹部77は突条75の径方向両端の領域X、Y(
図3及び
図5におけるハッチング部分)を除く領域に設けられる。
図3に示すように、領域Xは突条75の径方向内方における長辺壁面75a及び傾斜面75bの外面領域である。領域Yは突条75の径方向外方における長辺壁面75a及び傾斜面75bの外面領域である。突条75の領域Xとカム突起83とが係合可能であり、領域Yとカム歯61及びカム溝62とが係合可能である。突条75において少なくとも領域X、Yを残すことにより、ペン先出没操作時にカム歯61及びカム突起83と摺接する長辺壁面75a及び傾斜面75bの領域を確保し、凹部77による出没動作安定性への影響を避けることができる。
【0051】
長辺壁面75a、傾斜面75b、側壁面75c、短辺壁面75dのうち少なくとも1つの面には、外面より外方に開口した凹部77が設けられている。凹部77は設ける位置によってそれぞれ長辺壁面凹部77a、傾斜面凹部77b、側壁面凹部77c、短辺壁面凹部77dと呼称する。
図6に示すように、凹部77は長辺壁面75a、傾斜面75b、側壁面75c、短辺壁面75dの各々の面に同時に設けてもよいし、何れかの面を選択して単独で設けてもよい。
【0052】
特に、長辺壁面75a、傾斜面75bに凹部77が設けられている場合、突条75と、カム歯61及びカム突起83との接触面積を減らすことができ、効果的にノック音を低減することができる。
【0053】
凹部77の個数、開口形状及び奥行は任意に設定できる。凹部77の開口形状の角部を丸形にすると、角部への応力集中を避けることができ、突条75の強度を保ちながら衝撃吸収部76を設けることができる。また、凹部77の奥行が大きいほど、突条75の厚みが薄い部分が拡大し、衝撃吸収部76の衝撃吸収性を向上させることができる。
【0054】
凹部77は突条75を貫通して設けられていてもよい。
図7に示すように、凹部77は長辺壁面75a、傾斜面75b、側壁面75c、短辺壁面75dの各々の面に同時に設けてもよいし、何れかの面を選択して単独で設けてもよい。凹部77が貫通する方向は、周方向、軸方向、径方向など任意に設定できる。特に、傾斜面凹部77bが突条75を軸方向に貫通、又は側壁面凹部77cが突条75を径方向に貫通している場合、突条75を中空とすることができ、衝撃吸収部76の衝撃吸収性をさらに向上させることができる。
【0055】
凹部77が縦溝状に設けられていてもよい。
図8に示すように、凹部77は長辺壁面75a、傾斜面75b、側壁面75c、短辺壁面75dの各々の面に同時に設けてもよいし、何れかの面を選択して単独で設けてもよい。特に、長辺壁面75a及び傾斜面75bに凹部77が設けられている場合、凹部77によって突条75の後端が切り欠かかれる。突条75の後端が切り欠かれていることにより、突条75の後端の厚みが減少して衝撃吸収性が向上する。
【0056】
凹部77を突条75の内面に設け、突条75の厚みを内側から減らしてもよい。凹部77を突条75の内面に設けることにより、従来の回転部材7の外見を維持しながら、衝撃吸収部76の衝撃吸収性を向上させることができる。
【0057】
図9に示すように、凹部77は突条75の径方向中央の領域Z(
図9におけるハッチング部分)を除く領域に設けてもよい。領域Zは突条75の径方向中央における長辺壁面75a及び傾斜面75bの外面領域である。突条75の領域Zとカム突起83、カム歯61及びカム溝62とが係合可能である。突条75において少なくとも領域Zを残すことにより、ペン先出没操作時にカム歯61及びカム突起83と摺接する長辺壁面75a及び傾斜面75bの領域を確保し、凹部77による出没動作安定性への影響を避けることができる。
【0058】
・潤滑剤保持部
出没動作を円滑にするため、回転部材7にはシリコンオイル、グリス等の液状(半固体状)の潤滑剤が塗布されていてもよい。この場合、突条75に潤滑剤を保持する潤滑剤保持部78を設けることにより、潤滑剤の滲み出しを防止し、潤滑剤による回転部材7の摺動性を長期に渡って維持することができる。突条75の潤滑性を向上させるため、潤滑剤保持部78は突条75における他部材と衝突する位置に設けることが好ましい。即ち、潤滑剤保持部78は少なくとも、突条75とカム歯壁面61bとが衝突する突条75の後端部軸方向領域H内(
図12(c)参照)に設けることが好ましい。
【0059】
潤滑剤保持部78の形態として、凹部77が挙げられる。凹部77は衝撃吸収部76での形態と同様であり、
図5乃至
図9に示すように設けられる。凹部77は衝撃吸収部76と潤滑剤保持部78とを兼ねることができる。潤滑剤保持部78によって突条75に潤滑剤が保持されればよく、潤滑剤保持部78として他にも微小な突起群や梨地等を設けることが挙げられる。また、潤滑剤保持部78のみ液体の保持力が高い別素材に置き換えてもよい。
【0060】
凹部77の開口形状を、一端に向かって幅が狭くなるような先細状に設けてもよい。例えば
図10に示すように、長辺壁面凹部77aを先細状に設けることにより、凹部77の毛細管力を高め、潤滑剤の保持力を高めることができる。
【0061】
凹部77を櫛状に設けてもよい。例えば
図11に示すように、長辺壁面凹部77a及び傾斜面凹部77bを櫛状に設けることにより、凹部77の毛細管力を高め、潤滑剤の保持力を高めることができる。
【0062】
本発明の出没機構は、出没式筆記具以外にも、タッチパネルの入力に用いられる出没式のタッチペンや、出没式の消しゴム等にも適用できる。
【0063】
本実施の形態の出没機構は、軸筒2内に芯体3を収容し、軸筒2に設けたノック部材9を操作して芯体3を前後方向に移動させ、芯体3を軸筒2の先端から出没させる出没機構であって、
前記出没機構は、軸筒2の内面の円周方向に沿って交互に配置された前後方向に延びる複数のカム歯61及びカム溝62と、芯体3の後方に回転可能に配置され、カム歯61又はカム溝62に交互に係合可能な複数の突条75を有する回転部材7と、回転部材7の突条75に係合し、回転部材7を回動させる複数の他のカム突起83が設けられたノック部材9と、芯体3を後方に付勢する弾発体10と、を軸筒2内に備え、弾発体10の付勢力に抗して、ノック部材9を前方へ押圧することにより、突条75がカム歯61又はカム溝62に交互に係合して、芯体3が交互に突出状態又は没入状態となり、
突条75には、突条75とカム突起83、カム歯61及びカム溝62とが係合する際の衝撃を吸収する衝撃吸収部76が設けられていることにより、衝撃吸収部76によって出没動作時に突条に加わる衝撃を吸収してノック音を低減することができる。また、衝撃吸収部76が突条75に設けられていることにより、出没動作時に発生する4回の全てのノック音を低減することができる。
【0064】
本実施の形態の出没機構は、突条75には、突条75の厚みを減少させる凹部77が設けられており、衝撃吸収部76は凹部77を有することにより、凹部77によって突状75の衝撃吸収部76の厚みが減少することで、出没動作時に突条75に加わる衝撃を吸収してノック音を低減することができる。
【0065】
本実施の形態の出没機構は、突条75は軸方向に延びる四角柱状に形成され、突条75の外面は、径方向外方に面する側壁面75cと、側壁面75cの周方向側方に設けられ、軸方向に延びる長辺壁面75a及び短辺壁面75dと、側壁面75cの軸方向後端に設けられ、軸線に対して傾斜している傾斜面75bと、が設けられており、突条75の外面のうち少なくとも1つの面には、突条75の外面より外方に開口した凹部77が設けられていることにより、凹部77によって突状の厚みが減少することで、出没動作の安定性を保ちながら、出没動作時に突条に加わる衝撃を吸収してノック音を低減することができる。また、出没動作時に他部材と衝突する突状75の面積を減少させ、ノック音を低減することができる。
【0066】
本実施の形態の出没機構は、凹部77が、長辺壁面75a及び傾斜面75bの外面の径方向両端X、Yを除く領域、又は径方向中央Zを除く領域に設けられており、長辺壁面75a及び傾斜面75bの外面の径方向両端の領域X、Y、又は径方向中央の領域Zとカム突起83、カム歯61及びカム溝62とが係合することにより、ペン先出没操作時にカム突起83、カム歯61及びカム溝62と係合する突条75の外面の領域が確保され、凹部77が出没動作に影響を及ぼすことがないため、出没動作の安定性を保つことができる。
【0067】
本実施の形態の出没機構は、凹部77が長辺壁面75aと傾斜面75bとに跨って設けられていることにより、出没操作時に衝突する突条75の後端縁の面積を減少させ、ノック音を低減することができる。
【0068】
本実施の形態の出没機構は、軸筒2内に芯体3を収容し、軸筒2に設けたノック部材9を操作して芯体3を前後方向に移動させ、芯体3を軸筒2の先端から出没させる出没機構であって、
前記出没機構は、軸筒2の内面の円周方向に沿って交互に配置された前後方向に延びる複数のカム歯61及びカム溝62と、芯体3の後方に回転可能に配置され、カム歯61又はカム溝62に交互に係合可能な複数の突条75を有する回転部材7と、回転部材7の突条75に係合し、回転部材7を回動させる複数の他のカム突起83が設けられたノック部材9と、芯体3を後方に付勢する弾発体10と、を軸筒2内に備え、弾発体10の付勢力に抗して、ノック部材9を前方へ押圧することにより、突条75がカム歯61又はカム溝62に交互に係合して、芯体3が交互に突出状態又は没入状態となり、
突条75の外面には液状の潤滑剤が塗布され、突条75には、前記潤滑剤を保持する潤滑剤保持部78が設けられていることにより、潤滑剤保持部78によって潤滑剤を保持することで、潤滑剤の滲み出しを防止し、潤滑剤による回転部材7の摺動性を維持することができる。
【0069】
本実施の形態の出没機構は、突条75は軸方向に延びる四角柱状に形成され、突条75の外面は、径方向外方に面する側壁面75cと、側壁面75cの周方向側方に設けられ、軸方向に延びる長辺壁面75a及び短辺壁面75dと、側壁面75cの軸方向後端に設けられ、軸線に対して傾斜している傾斜面75bと、が設けられており、突条75の外面のうち少なくとも1つの面には、突条75の外面より外方に開口した凹部77が設けられ、潤滑剤保持部78は凹部77からなることにより、凹部77によって潤滑剤を保持することで、潤滑剤の滲み出しを防止し、潤滑剤による回転部材7の摺動性を長期に渡って維持することができる。
【0070】
本実施の形態の出没機構は、凹部77が、長辺壁面75a及び傾斜面75bの外面の径方向両端X、Yを除く領域、又は径方向中央Zを除く領域に設けられており、長辺壁面75a及び傾斜面75bの外面の径方向両端の領域X、Y、又は径方向中央の領域Zとカム突起83、カム歯61及びカム溝62とが係合することにより、ペン先出没操作時にカム突起83、カム歯61及びカム溝62と係合する突条75の外面の領域が確保され、凹部77が出没動作に影響を及ぼすことがないため、出没動作の安定性を保つことができる。
【0071】
本実施の形態の出没機構は、凹部77が長辺壁面75aと傾斜面75bとに跨って設けられていることにより、出没操作時に衝突する突条75の後端縁にて潤滑剤を保持することができるため、潤滑剤による回転部材7の摺動性を効果的に高めることができる。
【符号の説明】
【0072】
1 出没式筆記具
2 軸筒
3 筆記体(芯体)
31 ペン先
4 前軸
5 中間軸
51 グリップ部
6 後軸
61 カム歯
61a カム歯傾斜面
61b カム歯壁面
62 カム溝
62a カムガイド溝
63 係止壁部
7 回転部材
71 環状鍔部
72 大径筒部
73 小径筒部
74 段部
75 突条
75a 長辺壁面
75b 傾斜面
75c 側壁面
75d 短辺壁面
76 衝撃吸収部
77 凹部
77a 長辺壁面凹部
77b 傾斜面凹部
77c 側壁面凹部
77d 短辺壁面凹部
78 潤滑剤保持部
8 カム部材
81 前部
82 後部
83 カム突起
84 係合突起
9 ノック部材
91 クリップ
92 筒状部
10 弾発体
X 突条75の径方向内方における長辺壁面75a及び傾斜面75bの外面領域
Y 突条75の径方向外方における長辺壁面75a及び傾斜面75bの外面領域
Z 突条75の径方向中央における長辺壁面75a及び傾斜面75bの外面領域
H 突条75とカム歯壁面61bとが衝突する突条75の後端部軸方向領域