(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040589
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】密閉ハンドル装置
(51)【国際特許分類】
E05B 3/00 20060101AFI20240318BHJP
E05C 3/10 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
E05B3/00 A
E05C3/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145029
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】田中 優美香
(57)【要約】
【課題】筐体内部が高温になる設備の場合でも、熱伝導を遮断して、ハンドルレバーが熱くなることがないようにする。
【解決手段】本装置Hは、密閉用ハンドルh1と、ハンドル受けh2とを備え、密閉用ハンドルh1又はハンドル受けh2の一方が扉側に設けられ、他方が筐体の開口周囲の枠側に設けられて、密閉ハンドルh1のフック2とハンドル受けh2のフック受け部6との係合により、扉を筐体の開口周囲の枠に圧接する形式であって、密閉用ハンドルh1はハンドルレバー3が回転軸4の一端に着脱式の連結部4Jを介して連結される。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドル台座、ハンドル台座に回転軸を介して回転可能に連結されるフック、及びフックを回転操作するためのハンドルレバーからなる密閉用ハンドルと、前記密閉用ハンドルの前記フックと係合可能なフック受け部を有するハンドル受けとを備え、前記密閉用ハンドル又は前記ハンドル受けの一方が扉側に設けられ、他方が筐体の開口周囲の枠側に設けられて、前記密閉ハンドルの前記フックと前記ハンドル受けの前記フック受け部との係合により、扉を筐体の開口周囲の枠に圧接する密閉ハンドル装置であって、
前記密閉用ハンドルは前記ハンドルレバーが前記回転軸の一端に着脱式の連結部を介して連結され、
前記着脱式の連結部は、
前記回転軸の一端を略筒状に形成され、外周面に係止凹部を有してなるヘッドと、
前記ハンドルレバーに一体的に形成され、前記ハンドルから突出される連結軸と、
一端側に一端を開口して略筒状に形成され、一端の開口内周縁部に周方向に凹部を有するロックリング装着部、及び他端側に他端を開口して略筒状に前記ロックリング装着部に連結軸挿通部により連通して形成され、外周面に指掛け部を有する連結軸嵌挿部からなるロック解除リングと、
前記ヘッドに被嵌装着可能にかつ前記ロック解除リングの前記ロックリング装着部を被嵌可能に略筒状に形成され、周面部に、当該周面部の外周面に出没可能にかつ常態として当該周面部の外周面から突出可能に設けられ、前記ロック解除リングとの間で、前記ロックリンク装着部の内周面の加圧により当該周面部の外周面に没入され、前記ロックリング装着部の前記凹部により当該周面部の外周面から突出案内されるロック作動部、及び当該周面部の内周面に出没可能に設けられ、前記ロック作動部の当該周面部の外周面への没入に連動して、当該周面部の内周面から突出し前記ヘッドの前記係止凹部に係合され、前記ロック作動部の当該周面部の外周面からの突出に連動して、当該周面部の内周面に没入し前記ヘッドの前記係止凹部から離脱されるロック爪を有してなるロック部材を配設されるロックリングと、
を備え、
前記ロックリングが前記ロック解除リングの前記ロックリング装着部内に装着され、前記ハンドルレバーの前記連結軸が前記ロックリングの前記連結軸嵌挿部にばね手段を介して前記連結軸を前記ロックリング装着部とは反対方向に付勢されて挿通され、前記連結軸の先端と前記ロックリングとを結合して構成され、
前記回転軸の前記ヘッドに前記ロック解除リング内の前記ロックリングを被嵌装着することにより、前記ヘッドの前記係止凹部と前記ロックリングの前記ロック爪とを係合して、前記回転軸と前記ハンドルレバーとを連結し、
前記ロック解除リングを前記ばねの付勢力に抗してハンドルレバー側に引くことにより、前記ヘッドの前記係止凹部と前記ロックリングの前記ロック爪との係合を解除して、前記回転軸と前記ハンドルレバーとを切り離す、
ことを特徴とする密閉ハンドル装置。
【請求項2】
ロック部材は、ロック作動部が断面弓なりのプレートで一方の面の一端に凸状部を有し、ロック爪が前記プレートの一方の面で他端から当該一方の面の前方に向けて断面略への字形に延びるプレートからなり、ロックリングの周面部に、当該周面部の外周面側に前記ロック作動部を一端を連結軸嵌挿部方向に向けて他端をその反対方向に向けて没入可能に形成され、一端に前記凸状部の係合部を有するロック作動部収納凹部と当該周面部の内周面側に前記ロック作動部収納凹部に連通して前記ロック爪が没入可能に形成されるロック爪収納凹部とからなるロック部材取付部を有し、前記ロック部材は、前記ロック作動部が一端の前記凸状部を支点として前記ロック作動部収納凹部の前記係合部に係合され、他端を前記ロック作動収納凹部から突出されて、前記ロック部材取付部に取り付けられる請求項1に記載のハンドル装置。
【請求項3】
ハンドルレバーは、略T字形に形成されて、略直線的に延びるグリップと、前記グリップの長さ方向中央から直角方向に延びる連結軸とからなる請求項1又は2に記載のハンドル装置。
【請求項4】
回転軸は、ハンドル台座内に回転可能に配置され、その先端がハンドル台座の前面から突出される台座側回転軸部と、前記台座側回転軸部に同心的に作動連結され、フックを有するフック側回転軸部と、フック側回転軸部に作動連結され、着脱式の連結部に被嵌されるヘッドをなすハンドルレバー側回転軸部とからなる請求項1又は2に記載のハンドル装置。
【請求項5】
ハンドル台座内で台座側回転軸部の回転周囲に、少なくとも、ハンドルレバーのフックとハンドル受けのフック受け部との係合状態で、台座側回転軸部の周面に圧接可能に板バネを備える請求項1又は2に記載のハンドル装置。
【請求項6】
板バネは台座側回転軸部の周面に対して圧接可能にフラットな加圧面を有し、前記台座側回転軸部の周面に前記板バネの加圧面を受けるフラットな被加圧面を有し、前記板バネの加圧面と前記台座側回転軸部の被加圧面は、相互に平行に接し可能に、又は前記板バネの加圧面と前記台座側回転軸部の被加圧面の一方が他方に対して前記密閉用ハンドルと前記ハンドル受けとの係合方向に斜めに接し可能に、形成される請求項5に記載のハンドル装置。
【請求項7】
ハンドル台座内で台座側回転軸部の回転周囲に、ハンドルレバーのフックとハンドル受けのフック受け部との非係合状態で、前記台座側回転軸部の周面に圧接可能に板バネを備え、前記板バネは前記台座側回転軸部の周面に対して圧接可能にフラットな加圧面を有し、前記台座側回転軸部の周面に前記板バネの加圧面を受けるフラットな被加圧面を有し、前記板バネの加圧面と前記台座側回転軸部の被加圧面は、相互に平行に接し可能に、又は前記板バネの加圧面と前記台座側回転軸部の被加圧面の一方が他方に対して前記密閉用ハンドルと前記ハンドル受けとの非係合方向に斜めに接し可能に、形成される請求項5に記載の密閉ハンドル装置。
【請求項8】
ハンドル受けのフック受け部のフックが接する面に合成樹脂からなるアタッチメントが積層装着される請求項1又は2に記載のハンドル装置。
【請求項9】
ハンドル受けのフック受け部のフックが接する面に合成樹脂からなるアタッチメントが積層装着され、前記アタッチメントの前記フックが接する面で前記フックの正規の係合位置に前記フックを係合案内可能なガイド面を形成される請求項1又は2に記載のハンドル装置。
【請求項10】
台座側回転軸部、ハンドルレバー側回転軸部、及びフック側回転軸部の軸心にそれぞれ軸孔を有し、前記台座側回転軸部、前記ハンドルレバー側回転軸部、及び前記フック側回転軸部は前記各軸孔間に固定される固定軸により作動連結され、前記フック側回転軸部の前記軸孔は前記フックのハンドル受けのフック受け部に対する係合端方向に向けて長い長孔にして形成されるとともに、前記フック側回転軸部の前記台座側回転軸部及び前記ハンドルレバー側回転軸部との各連結面で前記長孔の周囲に沿って複数の凹部又は凸部を有し、前記台座側回転軸部及び前記ハンドルレバー側回転軸部の前記フック側回転軸部との連結面にそれぞれ、前記フック側回転軸部の各連結面の前記複数の凹部又は凸部に選択的に係合可能に複数の凸部又は凹部を有し、前記フック側回転軸部の前記軸孔をなす前記長孔で前記連結軸の挿通位置を調整することにより、前記連結軸と前記フック側回転軸部の前記係止端との間の長さを調整可能に、当該長孔内の前記連結軸の挿通位置に合わせて、前記フック側回転軸部の各連結面と前記台座側回転軸部及び前記ハンドルレバー側回転軸部の各連結面を相互の前記各凹部及び前記各凸部との係合により固定可能にして、前記フックと前記フック受け部との係合位置が調整可能に構成される請求項1又は2に記載のハンドル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉を筐体の開口周囲の枠に密着させて筐体を密閉する密閉ハンドル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スチームオーブン、冷蔵庫を含む厨房設備や医療設備などでは、扉の密閉性が求められる。そこで、このような設備には、扉を筐体の開口周囲の枠に密着させて筐体を密閉する密閉ハンドル装置が用いられる。
【0003】
この種の密閉ハンドル装置は、例えば特許文献1などに開示されており、一般に、
図13、
図14に示すように、密閉用ハンドルh81と、ハンドル受けh82とを備えて構成される。
図13に示すように、密閉用ハンドルh81は、ハンドル台座811、ハンドル台座811に回転軸810を介して回転可能に連結されるフック812、及びフック812を回転操作するためのハンドルレバー813を有する。この密閉用ハンドルh81では、回転軸810は、ハンドル台座811内に回転可能に配置され、その先端がハンドル台座811の前面から突出される台座側回転軸部aと、ハンドルレバー813に台座側回転軸部aに対して同軸上に突出されるハンドルレバー側回転軸部bと、フック812に設けられ、台座側回転軸部aとハンドルレバー側回転軸部bとの間に作動連結されるフック側回転軸部cとからなる。
図14に示すように、ハンドル受けh82は、取付ベース821、取付ベース821から略L字形に突出され、密閉用ハンドルh81のフック812を受けるフック受け部822を有する。
このようにして密閉用ハンドルh81又はハンドル受けh82の一方が筐体の開口周囲の枠側に取付ねじにより取り付けられ、他方が扉側に取付ねじにより取り付けられて、密閉用ハンドルh81のフック812とハンドル受けh82のフック受け部822のとの係合により、扉を筐体の開口周囲の枠に密着させて筐体の開口を密閉するようになっている。
【0004】
図15にこの密閉ハンドル装置の、扉の密閉性を求められる設備での使用例を示している。
なお、この例では、筐体9Aは箱形で、正面に四角形の凹部91が形成され、この凹部91の奥の面に四角形の開口90が形成される。この正面の凹部91内で開口90の全周縁に沿ってパッキン92が設けられる。この場合、筐体9A正面の凹部91外の周囲が密閉用ハンドルh81又はハンドル受けh82の一方が取り付けられる筐体9Aの枠になっている。扉9Bは、筐体9A正面の凹部91に嵌合可能に四角形で、凹部91の深さに対応する厚さに形成される。この扉9Bは、扉9Bの正面下部と筐体9Aの正面の枠の下部との間に一対のヒンジ93を介して、筐体9Aの前方に向けて上下方向に回動可能に取り付けられる。
【0005】
この設備においては、扉9Bの正面上部中央に密閉用ハンドルh81が取り付けられ、筐体9Aの正面の枠の上部中央にハンドル受けh82が取り付けられる。この場合、密閉用ハンドルh81は、横向きで、ハンドル台座811が扉9Bの正面上部中央に取付ねじにより取り付けられて、ハンドルレバー813が扉9Bの正面上部中央に、ハンドルレバー813の長さ方向を扉9Bの上縁部に沿って平行に向けられて、フック812が扉9Bの上縁部に対して略垂直に扉9Bの上縁部の上方に突出されるロック位置と、ハンドルレバー813の長さ方向を扉9Bの上縁部に対して垂直に向けられて、フック812が扉9Bの上縁部に沿って略平行に扉9Bの上縁部の下方に没入されるロック解除位置との間で、回動可能に配置される。ハンドル受けh82は、横向きで、取付ベース821が筐体9Aの正面の枠の上部中央に取付ねじにより取り付けられて、フック受け部822が筐体9Aの正面の枠の上部中央に、略L字形の先端を下方に向けられて、扉9Bの密閉用ハンドルh81のフック812が係脱可能に配置される。
【0006】
このようにして、この設備の扉9Bを開けるときは、ハンドルレバー813を握り、このハンドルレバー813を略水平のロック位置から略垂直のロック解除位置まで回動して、フック812とハンドル受けh82のフック受け部822のとの係合を解除した状態から、扉9Bを引き下げる。扉9Bを閉めるときは、ハンドルレバー813を握り、扉9Bを筐体9A正面に向けて押し上げて、筐体9A正面の凹部91内に嵌め込み、この状態で、ハンドルレバー813をロック解除位置からロック位置へ回動し、フック812を筐体9Aの枠のフック受け部822に係止する。このようにフック812をフック受け部822に係止することで、扉9Bが凹部91内にさらに押し込まれ、この扉9Bの押圧により筐体9Aの開口90全周縁部のパッキン92が圧縮されて、(パッキン92の反力により)筐体9Aの開口90は完全に密閉され、この密閉状態が保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、扉の密閉性が求められる各種の設備の中でも、スチームオーブンなどのように筐体内部が非常に高温となる器具の場合、扉が高温の影響を受け、熱伝導により、密閉用ハンドルが高温となる、つまりハンドルレバーが熱くなることがあり、扉の開閉操作上安全性を十分に確保することが求められる。
【0009】
また、この種の設備では、筐体の開口全周縁部のパッキンが新しいうちは、パッキンの反力により、扉を開こうとする力が働き、扉に取り付けられた扉用ハンドルのフックと筐体に取り付けられたハンドル受けのフック受け部が相互に強く係合して(言い換えれば、大きな圧力で噛み合って(押し付け合って))、扉のロック状態が保持され、また、ハンドルレバーの水平状態が維持されるが、パッキンの経年劣化などにより反力の復元性が低下すると、扉用ハンドルのフックとハンドル受けのフック受け部との強い係合、すなわち大きな圧力による噛み合い(押し付け合い)もまた低下し、ロック位置のハンドルレバーが自重に耐え切れなくなって、ハンドルレバーが垂れ下がるとともに、フックがフック受け部から外れて、扉が開いてしまうおそれもある。
なお、この種の密閉ハンドル装置では、従来、ロック位置のハンドルレバーの水平状態を保持するために、台座側回転軸部とフック側回転軸部との間に波型ワッシャーなどを介在しているが、ハンドルレバーの回動操作の繰り返しにより、このワッシャーも繰り返し変形され、時間の経過とともに緩みも多くなるため、上記と同様の問題は避けられない。
【0010】
さらに、扉用ハンドルやハンドル受けは、ステンレスなどの金属材により製造されるため、扉の開閉毎に、金属材からなるフックと金属材からなるフック受け部が擦れ合って、フックとフック受け部との間に金属粉が発生し、好ましくない。
【0011】
本発明は、このような従来の問題を解決するもので、この種の密閉ハンドル装置において、筐体内部が高温になる設備の場合でも、熱伝導を遮断して、ハンドルレバーが熱くなることがないようにすること、併せて、筐体側のパッキンが経年劣化などにより反力の復元性が低下しても、ハンドルレバーのロック位置を確実に保持してフックとフック受け部とを確実に係合させ、扉で筐体を確実に密閉すること、また併せて、フックとフック受け部との擦れ合いによる金属粉の発生を防止すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は、
ハンドル台座、ハンドル台座に回転軸を介して回転可能に連結されるフック、及びフックを回転操作するためのハンドルレバーからなる密閉用ハンドルと、前記密閉用ハンドルの前記フックと係合可能なフック受け部を有するハンドル受けとを備え、前記密閉用ハンドル又は前記ハンドル受けの一方が扉側に設けられ、他方が筐体の開口周囲の枠側に設けられて、前記密閉ハンドルの前記フックと前記ハンドル受けの前記フック受け部との係合により、扉を筐体の開口周囲の枠に圧接する密閉ハンドル装置であって、
前記密閉用ハンドルは前記ハンドルレバーが前記回転軸の一端に着脱式の連結部を介して連結され、
前記着脱式の連結部は、
前記回転軸の一端を略筒状に形成され、外周面に係止凹部を有してなるヘッドと、
前記ハンドルレバーに一体的に形成され、前記ハンドルから突出される連結軸と、
一端側に一端を開口して略筒状に形成され、一端の開口内周縁部に周方向に凹部を有するロックリング装着部、及び他端側に他端を開口して略筒状に前記ロックリング装着部に連結軸挿通部により連通して形成され、外周面に指掛け部を有する連結軸嵌挿部からなるロック解除リングと、
前記ヘッドに被嵌装着可能にかつ前記ロック解除リングの前記ロックリング装着部を被嵌可能に略筒状に形成され、周面部に、当該周面部の外周面に出没可能にかつ常態として当該周面部の外周面から突出可能に設けられ、前記ロック解除リングとの間で、前記ロックリンク装着部の内周面の加圧により当該周面部の外周面に没入され、前記ロックリング装着部の前記凹部により当該周面部の外周面から突出案内されるロック作動部、及び当該周面部の内周面に出没可能に設けられ、前記ロック作動部の当該周面部の外周面への没入に連動して、当該周面部の内周面から突出し前記ヘッドの前記係止凹部に係合され、前記ロック作動部の当該周面部の外周面からの突出に連動して、当該周面部の内周面に没入し前記ヘッドの前記係止凹部から離脱されるロック爪を有してなるロック部材を配設されるロックリングと、
を備え、
前記ロックリングが前記ロック解除リングの前記ロックリング装着部内に装着され、前記ハンドルレバーの前記連結軸が前記ロックリングの前記連結軸嵌挿部にばね手段を介して前記連結軸を前記ロックリング装着部とは反対方向に付勢されて挿通され、前記連結軸の先端と前記ロックリングとを結合して構成され、
前記回転軸の前記ヘッドに前記ロック解除リング内の前記ロックリングを被嵌装着することにより、前記ヘッドの前記係止凹部と前記ロックリングの前記ロック爪とを係合して、前記回転軸と前記ハンドルレバーとを連結し、
前記ロック解除リングを前記ばねの付勢力に抗してハンドルレバー側に引くことにより、前記ヘッドの前記係止凹部と前記ロックリングの前記ロック爪との係合を解除して、前記回転軸と前記ハンドルレバーとを切り離す、
ことを要旨とする。
【0013】
この密閉ハンドル装置はまた、次のような構成を併せて備える。
(1)ロック部材は、ロック作動部が断面弓なりのプレートで一方の面の一端に凸状部を有し、ロック爪が前記プレートの一方の面で他端から当該一方の面の前方に向けて断面略への字形に延びるプレートからなり、ロックリングの周面部に、当該周面部の外周面側に前記ロック作動部を一端を連結軸嵌挿部方向に向けて他端をその反対方向に向けて没入可能に形成され、一端に前記凸状部の係合部を有するロック作動部収納凹部と当該周面部の内周面側に前記ロック作動部収納凹部に連通して前記ロック爪が没入可能に形成されるロック爪収納凹部とからなるロック部材取付部を有し、前記ロック部材は、前記ロック作動部が一端の前記凸状部を支点として前記ロック作動部収納凹部の前記係合部に係合され、他端を前記ロック作動収納凹部から突出されて、前記ロック部材取付部に取り付けられる。
(2)ハンドルレバーは、略T字形に形成されて、略直線的に延びるグリップと、前記グリップの長さ方向中央から直角方向に延びる連結軸とからなる。
(3)回転軸は、ハンドル台座内に回転可能に配置され、その先端がハンドル台座の前面から突出される台座側回転軸部と、前記台座側回転軸部に同心的に作動連結され、フックを有するフック側回転軸部と、フック側回転軸部に作動連結され、着脱式の連結部に被嵌されるヘッドをなすハンドルレバー側回転軸部とからなる。
(4)ハンドル台座内で台座側回転軸部の回転周囲に、少なくとも、ハンドルレバーのフックとハンドル受けのフック受け部との係合状態で、台座側回転軸部の周面に圧接可能に板バネを備える。
この場合、板バネは台座側回転軸部の周面に対して圧接可能にフラットな加圧面を有し、前記台座側回転軸部の周面に前記板バネの加圧面を受けるフラットな被加圧面を有し、前記板バネの加圧面と前記台座側回転軸部の被加圧面は、相互に平行に接し可能に、又は前記板バネの加圧面と前記台座側回転軸部の被加圧面の一方が他方に対して前記密閉用ハンドルと前記ハンドル受けとの係合方向に斜めに接し可能に、形成されることが好ましい。
(5)ハンドル台座内で台座側回転軸部の回転周囲に、ハンドルレバーのフックとハンドル受けのフック受け部との非係合状態で、前記台座側回転軸部の周面に圧接可能に板バネを備え、前記板バネは前記台座側回転軸部の周面に対して圧接可能にフラットな加圧面を有し、前記台座側回転軸部の周面に前記板バネの加圧面を受けるフラットな被加圧面を有し、前記板バネの加圧面と前記台座側回転軸部の被加圧面は、相互に平行に接し可能に、又は前記板バネの加圧面と前記台座側回転軸部の被加圧面の一方が他方に対して前記密閉用ハンドルと前記ハンドル受けとの非係合方向に斜めに接し可能に、形成される。
(6)ハンドル受けのフック受け部のフックが接する面に合成樹脂からなるアタッチメントが積層装着される。
(7)ハンドル受けのフック受け部のフックが接する面に合成樹脂からなるアタッチメントが積層装着され、前記アタッチメントの前記フックが接する面で前記フックの正規の係合位置に前記フックを係合案内可能なガイド面を形成される。
(8)台座側回転軸部、ハンドルレバー側回転軸部、及びフック側回転軸部の軸心にそれぞれ軸孔を有し、前記台座側回転軸部、前記ハンドルレバー側回転軸部、及び前記フック側回転軸部は前記各軸孔間に固定される固定軸により作動連結され、前記フック側回転軸部の前記軸孔は前記フックのハンドル受けのフック受け部に対する係合端方向に向けて長い長孔にして形成されるとともに、前記フック側回転軸部の前記台座側回転軸部及び前記ハンドルレバー側回転軸部との各連結面で前記長孔の周囲に沿って複数の凹部又は凸部を有し、前記台座側回転軸部及び前記ハンドルレバー側回転軸部の前記フック側回転軸部との連結面にそれぞれ、前記フック側回転軸部の各連結面の前記複数の凹部又は凸部に選択的に係合可能に複数の凸部又は凹部を有し、前記フック側回転軸部の前記軸孔をなす前記長孔で前記連結軸の挿通位置を調整することにより、前記連結軸と前記フック側回転軸部の前記係止端との間の長さを調整可能に、当該長孔内の前記連結軸の挿通位置に合わせて、前記フック側回転軸部の各連結面と前記台座側回転軸部及び前記ハンドルレバー側回転軸部の各連結面を相互の前記各凹部及び前記各凸部との係合により固定可能にして、前記フックと前記フック受け部との係合位置が調整可能に構成される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の密閉ハンドル装置によれば、ハンドルレバーが回転軸の一端に、着脱式の連結部を介して連結され、ハンドルレバーを回転軸に任意に着脱できるので、扉を開閉するときに回転軸にハンドルレバーを連結し、扉を開閉しないときは回転軸からハンドルレバーを切り離すことで、筐体内部が高温になる設備でも、ハンドルレバーへの熱伝導を遮断して、ハンドルレバーが熱くなることがなく、ハンドルレバーで扉の開閉を安全に行うことができ、特に、この着脱式の連結部は、上記のとおり、回転軸のヘッド、ハンドルの連結軸、ロックリング装着部及び連結軸嵌挿部を有するロック解除リング、及びロックリングを備え、ロックリングがロック解除リングのロックリング装着部内に装着され、ハンドルレバーの連結軸がロックリングの連結軸嵌挿部にコイルスプリングを介して連結軸をロックリング装着部とは反対方向に付勢して挿通され、連結軸の先端とロックリングとを結合して構成され、回転軸のヘッドにロック解除リング内のロックリングを被嵌装着することにより、ヘッドの係止凹部とロックリングのロック爪とを係合して、回転軸とハンドルレバーとを連結し、ロック解除リングをコイルスプリングの付勢力に抗してハンドルレバー側に引くことにより、ヘッドの係止凹部とロックリングのロック爪との係合を解除して、回転軸とハンドルレバーとを切り離すようにしたので、ハンドルレバーを回転軸にワンプッシュで連結することができ、また、ハンドルレバーを回転軸からワンタッチで引き外すことができるなど、ハンドルレバーを回転軸に極めて簡易に着脱することができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
【0015】
また、本発明の密閉ハンドル装置では、上記のとおり、板バネで、少なくともフックとフック受け部との係合状態を保持するようにしたので、筐体側のパッキンが経年劣化などにより反力の復元性が低下しても、ハンドルレバーのロック位置を確実に保持してフックとフック受け部とを確実に係合させ、扉で筐体を確実に密閉することができる、という本発明独自の顕著な効果を奏する。
【0016】
さらに、本発明の密閉ハンドル装置では、上記のとおり、ハンドル受けのフック受け部のフックが接する面に合成樹脂からなるアタッチメントが積層装着されるようにしたので、フックとフック受け部との擦れ合いによる金属粉の発生を防止することができる、という本発明独自の顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施の形態による密閉ハンドル装置の外観を示す図((a)は平面図(b)は正面図(c)は側面図)
【
図2】同密閉ハンドル装置の構成を示す図((a)は平面断面図(b)は正面図(c)は側面断面図)
【
図3】同密閉ハンドル装置の構成を示す図(背面図)
【
図4】同密閉ハンドル装置の特に密閉用ハンドル及び着脱式の連結部の構成を示す図((a)は部分断面側面図(b)は部分断面側面図(c)は背面図)
【
図5】同密閉ハンドル装置の特にロックリングの構成を示す図((a)は正面図(b)は側面図
【
図6】同密閉ハンドル装置の特にロック部材の構成を示す図(側面図)
【
図7】同密閉ハンドル装置の特にハンドル受けの構成を示す図(斜視図)
【
図8】同密閉ハンドル装置の特にハンドル受けに用いるアタッチメントの構成を示す図((a)は斜視図(b)は側面図)
【
図9】同密閉ハンドル装置の特にフックの長さ調整機能を示す図((a)はフックを短くした状態(b)はフックを長くした状態)
【
図11】同密閉ハンドル装置の着脱式の連結部のロック開放メカニズムを示す図
【
図12】同密閉ハンドル装置の着脱式の連結部のロックメカニズムを示す図
【
図13】従来の密閉ハンドル装置の構成を示す図((a)は正面図(b)は側面断面図)
【
図14】同密閉ハンドル装置の特にハンドル受けの構成を示す図(斜視図)
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
【0019】
図1に示すように、密閉ハンドル装置H(以下、本装置Hという。)は、密閉用ハンドルh1と、ハンドル受けh2とを備えて構成される。密閉用ハンドルh1は、ハンドル台座1、ハンドル台座1に回転軸4を介して回転可能に連結されるフック2、及びフック2を回転操作するためのハンドルレバー3からなる。ハンドル受けh2は、密閉用ハンドルh1のフック2と係合可能なフック受け部6を有する。本装置Hは、かかる構成を備え、密閉用ハンドルh1又はハンドル受けh2の一方が扉側に設けられ、他方が筐体の開口周囲の枠側に設けられて、密閉ハンドルh1のフック2とハンドル受けh2のフック受け部6との係合により、扉を筐体の開口周囲の枠に圧接する方式を取る。
【0020】
そして、本装置Hの密閉用ハンドルh1では、特に、ハンドルレバー3が回転軸4の一端に着脱式の連結部4Jを介して連結され、回転軸4から切り離し可能になっている。
【0021】
図1に示すように、密閉用ハンドルh1は、ハンドル台座1と、フック2と、ハンドルレバー3とを備え、ハンドル台座1にフック2、ハンドルレバー3が回転軸4を介して作動連結されて構成される。
【0022】
図2に示すように、ハンドル台座1は、回転軸4を挿通可能な回転軸挿通孔10を有するプレートになっている。この場合、ハンドル台座1は、後面全面を開口された浅い深さのケース状に形成されて、前面部1Fとその周囲の周面部1Sとからなる。前面部1Fは、正面視略長方形及び略台形の組み合わせ、より具体的に言えば、略長方形の部分とその一側から漸次長さを縮小して延びる台形の部分とからなる複合形状で、全体として6角形状を呈する。また、前面部11Fは正面視長方形の部分の中央がその周囲の面に対して僅かな高さで突出する略円筒形状で先端面(以下、中央の面という。)が平坦に形成され、この中央の面の中心に回転軸挿通孔10が開口される。前面部1Fの中央の面の周囲(円筒形状の周囲)の面は6辺からなる周面部1Sに向けてテーパ状に形成される。周面部1Sは、この場合、6つの側面部からなり、それぞれ、側面視略台形又は略長方形をなし、全周全体として漸次拡径されるテーパ状をなす。回転軸挿通孔10は、中央の面、すなわち、ハンドル台座1の中央の円筒状の先端面に、円形に開口される。また、この回転軸挿通孔10は、
図2に示すように、ハンドル台座1の中央の円筒形状の内部で円筒形に形成され、前部側が小径に後部側が大径に形成されて、前部側と後部側との間に段差面10Gが設けられる。この回転軸挿通孔10内に、回転軸4が回転可能に挿通配置され、ハンドル台座1の前面部1Fから突出される。
【0023】
このハンドル台座1には、
図1に示すように、取付ねじのための複数のねじ挿通孔S0が設けられる。この場合、前面部1Fにおいて、正面視長方形の部分の両端と正面視台形の部分の中央にそれぞれ、全体として3つのねじ挿通孔S0が形成される。これらのねじ挿通孔S0は、
図3に示すように、ハンドル台座1の内部においてボス孔として形成される。これらのボス孔の内、正面視台形の部分に設けられるボス孔のボス外周面の一部が後述する回転軸4の突起11Tが係合してハンドルレバー3の回動範囲を規制する一方のストッパー111になっている。また、前面部1Fの正面視長方形の部分の内部で正面視台形の部分を有する一側とは反対の他側の長さ方向中間所定の位置に後述する回転軸4の突起11Tが係合可能に凸部が併せて形成され、これがハンドルレバー3の回動範囲を規制する他方のストッパー112になっている。
【0024】
図2に示すように、回転軸4は、全体として筒状を呈し、基端がハンドル台座1の回転軸挿通孔10に回転可能に取り付けられる回転軸取付部41、先端がハンドルレバー3を連結されるハンドルレバー取付部43、中間がフック装着部42でフック2が設けられる。
【0025】
図4に示すように、回転軸4の基端、すなわち、回転軸取付部41はハンドル台座1の回転軸挿通孔10に挿通配置可能にかつこの回転軸挿通孔10内で回転可能に円筒形のブロックからなる。この場合、回転軸取付部41は、(この回転軸取付部41において)前部(先端)側が回転軸挿通孔10の小径の前部側に嵌合可能に小径の円筒形に、後部(後端)側が回転軸挿通孔10の大径の後部側に嵌合可能に大径の円筒形に、それぞれ、形成される。かくして回転軸取付部41は前部側と後部側との間に段差面11Gが設けられ、この段差面41Gが回転軸挿通孔10の前部側と後部側との間の段差面10Gに係合可能に形成される。なお、この回転軸取付部41はハンドル台座1の回転軸挿通孔10に挿通配置され、ハンドル台座1の背面に裏板などが取り付けられて、ハンドル台座1の回転軸挿通孔10内に保持される。また、この回転軸取付部41の周面には、ハンドルレバー3の回動範囲を規制するため、回転軸4の回転を規制するための突起11Tが設けられる。この場合、突起11Tは大径の後部側の外周面に断面四角形の角形の凸状に形成され、回転軸取付部41の半径方向外側に向けて突出される。
【0026】
図2に示すように、回転軸4の先端、すなわち、ハンドルレバー取付部43は、後述する着脱式の連結部4Jの一部であるヘッド411として、角筒形のブロックからなり、外周面に係止凹部410を有してなる。この場合、ハンドルレバー取付部43は略全体が回転軸4の中間の断面よりも少し小さい断面略正六角形で角丸の角筒状に形成され、外周面において軸方向中間若干先端寄りの全周に係止凹部410が断面略コ字形で、かつ係止凹部410底面の両側を内周側から外周側に向けて漸次拡開されるようにテーパ状にして、形成される。またこの場合、ハンドルレバー取付部43は、この係止凹部410に隣接して外周面先端が断面略円弧状に形成されて、後述する着脱式の連結部4Jの一部として、係止ガイド4101になっている。また、このハンドルレバー取付部43の後部にフランジ43Fが張り出されて、段差面43Gが後述する着脱式の連結部4Jの当接面になっている。
【0027】
図2に示すように、回転軸4の中間は略円筒形のブロック状で、外周面からフック2が突設されて、フック装着部42になっている。この場合、回転軸4の中間は略円筒形に形成され、既述のとおり、先端のハンドルレバー取付部43の断面よりも少し大きい略円筒形に形成されて、ハンドルレバー取付部43のフランジ43Fに連接される。フック2は、この回転軸4の中間の外周面に一体的に設けられ、全体がハンドル受けh2のフック受け部6に係合可能に爪状になっている。この場合、フック2は正面視略長方形のプレートで、回転軸4の軸方向中間部に外周面から回転軸4の軸心に対して直角に突出されて、ハンドル台座1とハンドルレバー3との間に配置される(
図1(c)参照)。
【0028】
図1(c)に示すように、ハンドルレバー3は、略T字形に形成されて、略直線的に延びるグリップ31と、グリップ31の長さ方向中央から直角方向に延びる連結軸32とからなる。グリップ31は、中央の円筒部321と、その直径延長上に外周面から対称的に羽根状に延びる平面視漸次幅狭のテーパ状で正面視又は背面視先端が半円状を呈する細長い板状部311とを有する。連結軸32は、既述の中央の円筒部321と、この中央の円筒部321の先端から延びる少し小径の延長円筒部322と、延長円筒部322の先端からこの延長円筒部322の断面円形内に内接されて断面四角形状に凸起状に延びる角筒部323(
図4参照)とを有し、角筒部323、延長円筒部322の軸心に角筒部323の先端面を開口してねじ孔32Sが切られる。なお、この連結軸32の延長円筒部322にはばね部材(コイルスプリング)を巻装可能にばね受け(段差)が設けられている。
【0029】
かかる密閉用ハンドルh1の構成において、着脱式の連結部4J(
図1(c)参照)は、ヘッド411と、連結軸32と、ロック解除リング421と、ロックリング431と、ばね部材441と、を備えて構成される。
【0030】
図2に示すように、ヘッド411は回転軸4の一端を略筒状に形成され、外周面に係止凹部410を有してなる。既述のとおり、この場合、ヘッド411は、回転軸4先端のハンドルレバー取付部43に設けられる。ヘッド411の略全体が回転軸4の中間の断面よりも少し小さい断面略正六角形で角丸の角筒状に形成され、外周面において軸方向中間若干先端寄りの全周に係止凹部410が断面略コ字形で、かつこの係止凹部410の底面の両側を内周側から外周側に向けて漸次拡開されるようにテーパ状にして、形成される。また、この係止凹部410に隣接してヘッド411の外周面先端が断面略円弧状に突出形成されて、係止ガイド4101になっている。
【0031】
図4に示すように、連結軸32はハンドルレバー3に一体的に形成される。この場合、ハンドルレバー3が、既述のとおり、略T字形に形成されて、略直線的に延びるグリップ31と、グリップ31の長さ方向中央から直角方向に延びる連結軸32とからなり、連結軸32は、中央の円筒部321と、この中央の円筒部321の先端から延びる少し小径の延長円筒部322と、この延長円筒部322の先端からこの円筒部の断面円形内に内接して断面四角形状に凸起状に延びる角筒部323とを有し、角筒部323の軸心に先端面を開口してねじ孔32Sが切られる。
【0032】
図4に示すように、ロック解除リング421は一端側に一端を開口して略筒状に形成され、一端の開口内周縁部に周方向に凹部422を有するロックリング装着部423、及び他端側に他端を開口して略筒状にロックリング装着部423に連結軸挿通部424により連通して形成され、外周面に指掛け部425を有する連結軸嵌挿部426を一体に有してなる。この場合、ロックリング装着部423は後述するロックリング431を嵌挿可能にロックリング431の外径よりも少し大径でロックリング431の高さと略同じ又は少し高い高さの円筒状に形成され、開口内周縁部に円周方向に等間隔で複数箇所、この場合は、6箇所に、小さい凹部422が背面視横長の四角形状に形成される。連結軸嵌挿部426は他端がロックリング装着部423の外径よりも少し大きい大径部で、この大径部とロックリング装着部423との間が断面湾曲状の凹状に絞られた断面円形の筒状に形成され、その中心に連結軸32を嵌挿可能に連結軸32よりも少し大きい内径の円筒空間が形成される。この円筒空間は、連結軸嵌挿部426とロックリング装着部423との間に連結軸挿通部424が形成されて、ロックリング装着部423に連通される。
【0033】
図4に示すように、ロックリング431はヘッド411に被嵌装着可能にかつロック解除リング421のロックリング装着部423を被嵌(外嵌)可能に略筒状に形成され、周面部に、ロック部材434が配設される。
【0034】
図5に示すように、ロックリング431は本体が略円筒状に形成される。この場合、本体の外周面及び内周面を、ロック解除リング421のロックリング装着部423内周面の6箇所の凹部422に対応して、等間隔に6箇所を面取りされて6つの平面部が形成され、全体として断面略六角形を呈する略円筒状をなす。本体の一端に連結軸連結部432を有し、他端はヘッド411を挿入可能に開口433になっている。この場合、本体の一端の中央に連結軸32先端の角筒部323が嵌合可能に断面略四角形の溝4321が形成されてその中心に連結軸32のねじ孔32Sに連通可能にねじ挿通孔4320が貫通形成される。このねじ挿通孔4320は溝4321の背後で漸次拡径されてテーパ状に形成され、ねじ頭部の受け部4322になっている。このようにして本体の内部においてねじ頭部の受け部4322の周縁部から他端の開口433までがヘッド411に被嵌装着する断面略6角形を呈する円筒空間になり、他端の開口433は略6角形を呈する略円形をなす。
【0035】
図4に示すように、ロック部材434は、ロックリング431の周面部の外周面に出没可能にかつ常態として当該周面部の外周面から突出可能に設けられ、ロック解除リング421との間で、ロックリンク装着部423の内周面の加圧により当該周面部の外周面に没入され、ロックリンク装着部423の凹部422により当該周面部の外周面から突出案内されるロック作動部4341、及び当該周面部の内周面に出没可能に設けられ、ロック作動部4341の当該周面部の外周面への没入に連動して、当該周面部の内周面から突出しヘッド411の係止凹部410に係合され、ロック作動部4341の当該周面部の外周面からの突出に連動して、当該周面部の内周面に没入しヘッド411の係止凹部410から離脱されるロック爪4342を有してなる。この場合、ロックリング431の周面部には、複数のロック部材434が設けられる。
【0036】
この場合、ロック部材434は、
図6に示すように、ロック作動部4341が断面弓なりのプレートで一方の面の一端に凸状部を有し、ロック爪4342がロック作動部4341をなすプレートの一方の面で他端から当該一方の面の前方に向けて断面略への字形に延びるプレートからなり、ロック部材434全体として断面略J字形に形成される。また、この場合、断面略ヘの字形の先端がロック作動部4341の一方の面に向けて延長され、先端部がロック作動部4341の一方の面に向けて突状に形成される。ここでロック部材434は6個用いられる。
図5に示すように、ロックリング431の周面部には、ロック部材取付部4310が設けられる。ロック部材取付部4310は、当該周面部の外周面側にロック部材434のロック作動部4341を、一端を連結軸嵌挿部426方向に向けて他端をその反対方向に向けて、没入可能に形成され、一端にロック部材434一端の凸状部に対する係合部(溝)を有するロック作動部収納凹部431aと、当該周面部の内周面側にロック作動部収納凹部431aに連通してロック爪4342が没入可能に形成されるロック爪収納凹部431bとを有してなる。ここでロック部材取付部4310は、当該周面部の軸方向中間部で周方向に等間隔に6箇所設けられる。かくして、6個のロック部材434はそれぞれ、ロック作動部4341が一端の凸状部を支点としてロック作動部収納凹部431aの係合部に係合され、他端をロック作動収納凹部431aから突出されて、ロック部材取付部4310に取り付けられる。
【0037】
図4に示すように、ばね部材441は、着脱式の連結部4Jの組み立てにおいて、ロックリング解除リング421の連結軸嵌挿部426内に嵌挿配置されたハンドルレバー3の連結軸32を連結軸嵌挿部426の開口から引き出し方向に押圧付勢するためのもので、この場合、コイルスプリング(以下、コイルスプリング441という。)が採用される。このコイルスプリング441は連結軸32の延長円筒部322に巻装されて、連結軸32とともに、連結軸嵌挿部426内に配置され、ハンドルレバー3の連結軸32を連結軸嵌挿部426の開口から引き出し方向に押圧付勢するようになっている。
【0038】
着脱式の連結部4Jは、かかる構成からなり、
図4に示すように、ロックリング431がロック解除リング421のロックリング装着部423内に装着され、ハンドルレバー3の連結軸32がロックリング431の連結軸嵌挿部426にコイルスプリング441を介して、連結軸32をロックリング装着部423とは反対方向に付勢して挿通され、連結軸32とロックリング431とをねじS1により結合されて組み立てられる。
【0039】
この場合、ロックリング431がロックリング装着部423内に各々の6角面を合わせて嵌装される。このロックリング431の装着により、ロックリング431の外周面から突出される各ロック部材434のロック作動部4341がロックリング装着部423の内周面に加圧されて、ロックリング431の外周面に没入されるとともに、このロック作動部4341の押圧によりロックリング431の内周面から各ロック部材434のロック爪4342が突出される。
【0040】
一方、ハンドルレバー3の連結軸32がロックリング431の連結軸嵌挿部426内にコイルスプリング441を介して嵌挿され、連結軸32先端の角筒部323がロックリング431一端の断面略四角形の溝4321に嵌合される。これにより連結軸嵌挿部426内で連結軸32が回り止めされる。この状態で、ロックリング装着部423側からねじS1がロックリング431を通して、ロックリング431一端のねじ挿通孔4320に挿通され、連結軸32のねじ孔32Sに締結される。このねじS1が締め込まれ、ねじ頭部がロックリング431一端の受け部4322に嵌め込まれて、ねじS1の締め込みが完了し、ロック解除リング421内でロックリング431と連結軸32が連結固定される。
【0041】
しかしてロックリング解除リング421は、
図11に示すように、ロックリング431及び連結軸32の外周面上にハンドルレバー3に向けてスライド可能に配置され、ハンドルレバー3を手で握った状態から、例えば人差し指と中指の2指を使って、ロック解除リング421の引き操作が可能になり、このロック解除リング421の引き操作により、ロックリング431の各ロック部材434のロックが解除されるようになっている。すなわち、ロックリング解除リング421をハンドルレバー3側にスライドすることにより、ロックリング431の各ロック部材434がロック解除リング421のロックリング装着部423の内周面の各凹部422に対向して、ロック作動部4341が凹部422に向けて傾動して突出可能に、つまり各凹部422に逃げることができ、これに連動してロック爪4342がロックリング431の内周面に没入可能となり、係止機能として働かない。
【0042】
このようにして、
図12に示すように、回転軸4のヘッド411にロック解除リング421内のロックリング431を被嵌装着することにより、ヘッド411の係止凹部410とロックリング431のロック爪4342とを係合させて、回転軸4とハンドルレバー3とを連結し、
図11に示すように、ロック解除リング421をコイルスプリング441の付勢力に抗してハンドルレバー3側に引くことにより、ヘッド411の係止凹部410とロックリング431のロック爪4342との係合を解除して、回転軸4とハンドルレバー3とを切り離す、ようになっている。
【0043】
かかる密閉用ハンドルh1に対してハンドル受けh2は任意であり、従来のような筐体又は扉に取り付ける後付けタイプのL字形のフック受け部を有するものや筐体又は扉の一部に一体的に形成される組み込みタイプのいずれでもよいが、本装置Hでは、既述の密閉用ハンドルh1とともにセットにして、後付けタイプのハンドル受けh2が用意される。
【0044】
図1、
図2に示すように、ハンドル受けh2は、密閉用ハンドルh1のフック2と係合可能なフック受け部6を有する。また、このハンドル受けh2には、フック受け部6のフック2が接する面に合成樹脂からなるアタッチメントAが積層装着され、フック受け部6とフック2との係合が金属同士の接触にならないようになっている。併せて、このアタッチメントAには、フック2が接する面でフック2の正規の係合位置にフック2を係合案内可能なガイド面a11Gを形成されて、フック受け部6とフック2との係脱が円滑に行われるものとなっている。
【0045】
図1、
図2に示すように、本装置Hのハンドル受けh2は、取付ベース5と、フック受け部6とを有する。
【0046】
取付ベース5は、ハンドル台座1と略同様なプレートからなる。この場合、取付ベース5は、後面全面を開口された浅い深さのケース状に形成されて、前面部5Fとその周囲の周面部5Sとからなる。前面部5Fは、正面視略長方形及び略台形の組み合わせ、より具体的に言えば、略長方形の部分とその一側から漸次長さを縮小して延びる台形の部分とからなる複合形状で、全体として6角形状を呈する。また、前面部5Fはその中央から6辺からなる周面部5Sに向けてテーパ状に形成される。周面部5Sは、この場合、6つの側面部からなり、それぞれ、側面視略台形又は略長方形をなす。この取付ベース5には、取付ねじのための複数のねじ挿通孔S0が設けられる。この場合、前面部5Fにおいて、正面視長方形の部分の両端と正面視台形の部分の中央にそれぞれ、全体として3つのねじ挿通孔S0が形成される。これらのねじ挿通孔S0は取付ベース5の内部においてボス孔として形成される。
【0047】
フック受け部6は取付ベース5の中央に一体に設けられる。この場合、フック受け部6は、断面略L字形に形成されて、取付ベース5の中央から直角に略正方形状に延びる支持部61と、支持部61の先端から取付ベース5の正面視略長方形の部分の他側に向けて延びる係止部62とからなる。支持部61には幅方向中央で所定の高さにねじ孔610が設けられる。
【0048】
このハンドル受けh2には、フック受け部6においてフック2が接する面に合成樹脂からなるアタッチメントAが積層装着される。
図7に示すように、このアタッチメントAは、フック受け部6の係止部62のフック2の係止面に被着可能な係止面被覆部a1と、この係止面被覆部a1に連続して支持部61の内面に被着可能な支持部内面被覆部a2とを有し、これら係止面被覆部a1、支持部内面被覆部a2は一体に形成される。
図8に示すように、係止面被覆部a1はフック受け部6の係止部62のフック2の係止面を覆う平板部a11とこの平板部a11の3側縁部から立ち上げられ、係止部62の3側面を取り囲む3側面部a12とからなる。この係止面被覆部a1にはまた、フック2が接する面でフック2の正規の係合位置にフック2を係合案内可能なガイド面a11Gを形成される。この場合、ガイド面a11Gは、係止面被覆部a1のフック2を受ける面の中央にフック2が嵌合可能に断面略逆U字形の凹状に形成されてフック係合部a110が設けられ、その両側が断面略U字形の凸状に形成されて、その両側がフック2をフック係合部a110に案内するフック案内部a111が設けられる。支持部内面被覆部a2はフック受け部6の支持部61の内面を覆う平板部a21とこの平板部a21の2側縁部から立ち上げられ、支持部61の2側面を取り囲む2側面部a22とからなる。この支持部内面被覆部a2には、支持部61のねじ孔610に連通可能に、幅方向中央で所定の高さにねじ挿通孔a20が設けられる。このようにしてアタッチメントaは、係止面被覆部a1がフック受け部6の係止部62のフック2の係止面に係止部62の3側面を含めて被着されるとともに、支持部内面被覆部a2がフック受け部6の支持部61の内面に支持部61の2側面を含めて被着されて、支持部内面被覆部a2のねじ挿通孔a20からねじS2(
図2参照)が通され、支持部61のねじ孔610に締め込まれて、フック受け部6に取り付けられる。
【0049】
本装置Hは、かかる構成を備え、密閉用ハンドルh1又はハンドル受けh2の一方が筐体の開口周囲の枠側に取付ねじにより取り付けられ、他方が扉側に取付ねじにより取り付けられて、密閉用ハンドルh1のフック2とハンドル受けh2のフック受け部6との係合により、扉を筐体の開口周囲の枠に圧接するようになっている。
【0050】
図10、
図11及び
図12に本装置Hの扉の密閉性を求められる設備での使用例を示している。
この例でも、設備の筐体9Aは箱形で、正面に四角形の凹部91が形成され、この凹部91の奥の面に四角形の開口90が形成される。この正面の凹部91内で開口90の全周縁に沿ってパッキン92が設けられる。この場合、筐体9正面の凹部91外の周囲が密閉用ハンドルh1又はハンドル受け2の一方が取り付けられる筐体9の枠になっている。扉9Bは、筐体9A正面の凹部91に嵌合可能に四角形で、凹部91の深さに対応する厚さに形成される。この扉9Bは、扉9Bの正面下部と筐体9Aの正面の枠の下部との間に一対のヒンジ93を介して、筐体9Aの前方に向けて上下方向に回動可能に取り付けられる。
【0051】
この設備においては、扉9Bの正面上部中央に密閉用ハンドルh1が取り付けられ、筐体9Aの正面の枠の上部中央にハンドル受けh2が取り付けられる。この場合、密閉用ハンドルh1は、横向きで、ハンドル台座1が扉9Bの正面上部中央に取付ねじにより取り付けられて、ハンドルレバー3が扉9Bの正面上部中央に、
図10(2)に示すように、ハンドルレバー3の長さ方向を扉9Bの上縁部に沿って平行に向けられて、フック2が扉9Bの上縁部に対して略垂直に扉9Bの上縁部の上方に突出されるロック位置と、ハンドルレバー3の長さ方向を扉9Bの上縁部に対して垂直に向けられて、フック2が扉9Bの上縁部に沿って略平行に扉9Bの上縁部の下方に没入されるロック解除位置との間で、回動可能に配置される。ハンドル受けh2は、横向きで、取付ベース5が筐体9Aの正面の枠の上部中央に取付ねじにより取り付けられて、フック受け部6が筐体9Aの正面の枠の上部中央に、略L字形の先端を下方に向けられて、扉9Bの密閉用ハンドルh1のフック2がフック受け部6に係脱可能に配置される。
【0052】
また、この設備がスチームオーブンなどのように筐体内部が非常に高温となる器具の場合、扉が高温の影響を受け、熱伝導により、密閉用ハンドルh1が高温となるおそれがある、つまりハンドルレバー3が熱くなることがあるので、扉9Bの開閉操作を安全に行うために、扉9Bを閉めたままにする場合は、ハンドル台座1の回転軸4からハンドルレバー3を切り離しておく。この場合、
図11に示すように、ロック解除リング421をコイルスプリング441の付勢力に抗してハンドルレバー3側に引くことにより、ヘッド411の係止凹部410とロックリング431のロック爪4342との係合を解除すると同時に、回転軸4からハンドルレバー3(の連結軸32)を引き外せばよい。このようにハンドルレバー3の切り離しをワンタッチで行うことができる。
【0053】
このようにして、この設備の扉9Bを開けるときは、
図12に示すように、ハンドルレバー3を持ち、ロック解除リング421内のロックリング431をハンドル受座1の回転軸4のヘッド411にワンプッシュで被嵌装着することにより、ヘッド411の係止凹部410とロックリング431のロック爪4342が係合して、回転軸4とハンドルレバー3が連結される。そして、
図10(2)に示すように、このハンドルレバー3を略水平のロック位置から略垂直のロック解除位置に向けて回動する。これにより、フック2がハンドル受けh2のフック受け部6から回動され、フック受け部6に被着されたアタッチメントA(
図7、
図8参照)の係止面被覆部a1のフック2のガイド面a11G(
図8(b)参照)の案内により、すなわち、中央のフック係合部a110からその片側一方のフック案内部a111に案内されて、円滑に外れる。
【0054】
このハンドルレバー3を、
図10(2)に示すように、略垂直のロック解除位置まで回動すると、(
図3参照)回転軸取付部41の突起11Tと他方のストッパー112との衝接係合により、ハンドルレバー3の同方向への回動が規制される。これと同時に、フック2はハンドル受けh2のフック受け部6から完全に外れて、フック2が扉9Bの上縁部に沿って略平行に扉9Bの上縁部の下方のロック解除位置に没入される。この状態から、扉9Bを引き下げる。扉9Bを円滑に開くことができる。
【0055】
扉9Bを閉めるときは、ハンドルレバー3を握り、扉9Bを筐体9A正面に向けて押し上げて、筐体9A正面の凹部91内に嵌め込み、この状態で、(
図10(2)参照)ハンドルレバー3をロック解除位置からロック位置に向けて回動する。これにより、フック2が扉9Bの上縁部から扉9Bの上縁部の上方のロック位置、すなわち、フック受け部6に向けて回動され、このフック受け部6に被着されたアタッチメントA(
図7参照)の係止面被覆部a1においてフック2のガイド面a11G(
図8(b)参照)の案内により、すなわち、片側一方のフック案内部a111から中央のフック係合部110へ案内されて、円滑に係合される。
【0056】
このハンドルレバー3を略水平のロック位置まで回動すると、(
図3参照)回転軸取付部41の突起11Tと一方のストッパー111との衝接係合により、ハンドルレバー3の同方向への回動が規制される。これと同時に、フック2とフック受け部6のアタッチメントAの中央のフック係合部a110との係合によるクリック感があり、フック2が扉9Bの上縁部の上方のロック位置に突出してハンドル受けh2のフック受け部6にアタッチメントAを介して完全に係止される。このようにしてフック2がフック受け部6に係止されることで、扉9Bが凹部91内にさらに押し込まれ、この扉9Bの押圧により筐体9Aの開口90全周縁部のパッキン92が圧縮されて、(パッキン92の反力により)筐体9Aの開口90は完全に密閉され、この密閉状態が保持される。
扉9Bを閉めた後は、必要により、ハンドル台座1の回転軸4からハンドルレバー3を切り離しておく。この場合、既述のとおり(
図11参照)、ロック解除リング421をコイルスプリング441の付勢力に抗してハンドルレバー3側に引くことにより、ヘッド411の係止凹部410とロックリング431のロック爪4342との係合を解除すると同時に、回転軸4からハンドルレバー3(の連結軸32)を引き外せばよい。
【0057】
なお、扉9Bの開閉毎に、ハンドルレバー3の操作により、フック2とフック受け部6が繰り返し係脱されるが、本装置Hでは、フック受け部6に合成樹脂からなるアタッチメントAが積層装着されるので、従来のような金属材同士の擦れ合いと異なり、フック2とフック受け部6との間に金属粉を発生することがない。
【0058】
以上説明したように、本装置Hでは、密閉用ハンドルh1は、ハンドルレバー3が回転軸4の一端に、着脱式の連結部4Jを介して連結され、ハンドルレバー3を回転軸4に任意に着脱できるので、扉を開閉するときに回転軸4にハンドルレバー3を連結し、扉を開閉しないときは回転軸4からハンドルレバー3を切り離すことで、筐体内部が高温になる設備でも、熱伝導を遮断して、ハンドルレバー3が熱くなることがなく、このハンドルレバー3で扉の開閉を安全に行うことができる。
【0059】
特に、この着脱式の連結部4Jは、既述のとおり、回転軸4のヘッド411、ハンドルレバー3の連結軸32、ロックリング装着部423及び連結軸嵌挿部426を有するロック解除リング421、及びロックリング431を備え、ロックリング431がロック解除リング421のロックリング装着部423内に装着され、ハンドルレバー3の連結軸32がロックリング431の連結軸嵌挿部426にコイルスプリング441を介して、この連結軸32をロックリング装着部423とは反対方向に付勢して、挿通され、連結軸32の先端とロックリング431とをねじ締結して構成され、回転軸4のヘッド411にロック解除リング421内のロックリング431を被嵌装着することにより、ヘッド411の係止凹部410とロックリング431のロック爪4342とを係合させて、回転軸4とハンドルレバー3とを連結し、ロック解除リング421をコイルスプリング441の付勢力に抗してハンドルレバー3側に引くことにより、ヘッド411の係止凹部410とロックリング431のロック爪4342との係合を解除して、回転軸4とハンドルレバー3とを切り離すようにしたので、ハンドルレバー3を回転軸4にワンプッシュで連結することができ、また、ハンドルレバー3を回転軸4からワンタッチで引き外すことができるなど、ハンドルレバー3を回転軸4に極めて簡易に着脱することができる。
【0060】
また、この着脱式の連結部4Jにおいて、ロック部材434は、ロック作動部4341が断面弓なりのプレートで一方の面の一端に凸状部を有し、ロック爪4342がこのプレートの一方の面で他端からに当該一方の面の前方に向けて断面略への字形に延びるプレートからなる。ロックリング431の周面部には、当該周面部の外周面側にロック作動部4341を一端を連結軸嵌挿部426方向に向けて他端をその反対方向に向けて没入可能に形成され、一端に凸状部の係合部を有するロック作動部収納凹部431aと当該周面部の内周面側にロック作動部収納凹部431aに連通してロック爪4342が没入可能に形成されるロック爪収納凹部431bとからなるロック部材取付部4310が設けられる。そして、ロック部材434は、ロック作動部4341が一端を支点として凸状部をロック作動部収納凹部431aの係合部に係合され、他端をロック作動収納凹部431aから突出されて、ロック部材取付部4310に取り付けられる。このようにしてロック部材434はロック部材取付部4310に取り付けられるので、少ない部品点数の簡単な構造により、確実なロック動作が得られ、併せて、コストの低減にも資することができる。
【0061】
本装置Hではまた、ハンドルレバー3が略T字形に形成されて、略直線的に延びるグリップ31と、グリップ31の長さ方向中央から直角方向に延びる連結軸32とからなり、この連結軸32に着脱式の連結部4Jが連結されるので、グリップ31を手で握った状態から着脱式の連結部4J(ロックリング装着部423)をハンドル台座1の回転軸4(ヘッド411)にワンプッシュで簡単に連結することができ、また、グリップ31を手で握りながら、例えば人差し指や中指などの2指を使ってワンタッチで、ロック解除リング421を引くことができ、回転軸4から着脱式の連結部4Jを簡単に引き外すことができる。
【0062】
本装置Hではさらに、ハンドル受けh2のフック受け部6のフック2が接する面に合成樹脂からなるアタッチメントAが積層装着されるので、フック2とフック受け部6との擦れ合いによる金属粉の発生を防止することができる。
この場合、アタッチメントAのフック2が接する面にフック2の正規の係合位置にフック2を係合案内可能なガイド面a11Gを形成されるので、フック2とフック受け部6との係脱を円滑かつ確実に行うことができる。
【0063】
また、本装置Hにあっては、回転軸4は、一連一体のものでもよく、複数の分割軸の組み合わせからなるものでもよい。この実施の形態においては、後者が採用される。
【0064】
図2に示すように、回転軸4は、ハンドル台座1内に回転可能に配置され、その先端がハンドル台座1の前面1Fから突出され、既述の回転軸取付部41をなす台座側回転軸部11と、台座側回転軸部11に同心的に作動連結され、フック2を有し、既述のフック装着部42をなすフック側回転軸部21Aと、フック側回転軸部21に作動連結され、既述のハンドルレバー取付部43をなす、換言すると、着脱式の連結部4Jに被嵌されるヘッド411をなすハンドルレバー側回転軸部21Bとの組み合わせからなる。また、この回転軸4は、台座側回転軸部11、フック2のフック側回転軸部21A及びハンドルレバー側回転軸部21Bの軸心にそれぞれ軸孔110、20、30を有し、これら台座側回転軸部11、フック側回転軸部21A及びハンドルレバー側回転軸部21Bが各軸孔110、20、30間に挿通固定される固定軸S3により作動連結されて、一体化される。
【0065】
図2に示すように、台座側回転軸部11はハンドル台座1の回転軸挿通孔10に挿通配置可能にかつこの回転軸挿通孔10内で回転可能に円筒形のブロックからなり、その軸心に軸孔110を有する。なお、軸孔110は透孔でもよくねじ孔でもよい。この場合、台座側回転軸部11は、前部側が前端部をハンドル台座1の中央の面の開口から突出して回転軸挿通孔10の小径の前部側に嵌合可能に小径の円筒形に、後部側が回転軸挿通孔10の大径の後部側に嵌合可能に大径の円筒形に、それぞれ、形成される。かくして台座側回転軸部11は前部側と後部側との間に段差面11Gが設けられ、この段差面11Gが回転軸挿通孔10の前部側と後部側との間の段差面10Gに係合可能に形成される。また、この台座側回転軸部11では、
図9に示すように、前部側の前端部が後述するフック2の連結面201(の溝200A)に係合(嵌合)可能に前部側の断面形状(断面円形)内に内接される断面略角丸の正方形の筒形に形成されて、その前面(台座側回転軸部11の先端面)が連結面101をなし、この連結面101の軸孔110の周囲に90°間隔で4つの凸部1011が半球状に突出形成される。
【0066】
さらに、この台座側回転軸部11の周面には、既述のとおり(
図3参照)、ハンドルレバー3の回動範囲を規制するための突起11Tが設けられる。突起11Tは、台座側回転軸部11の大径の後部側の外周面から突設される。この場合、この突起11Tは、台座側回転軸部11の後部側の外周面の一部に一体に、断面四角形の角形の凸状に形成される。
【0067】
図2に示すように、ハンドルレバー側回転軸部21Bは略角筒形のブロック状で、その軸心に軸孔30を有する。なお、この軸孔30はねじ孔で、このねじ孔は後端面の中心に開口され、この後端面から先端面の近傍まで延びる。この場合、ハンドルレバー側回転軸部21Bは前部から一定の長さの前部側が、ヘッド411として、台座側回転軸部11の後部側よりも少し小さい断面略正六角形で角丸の角筒状に形成され、外周面において軸方向中間若干先端寄りの全周に係止凹部410が断面略コ字形で、かつこの係止凹部410の底面の両側を内周側から外周側に向けて漸次拡開されるようにテーパ状にして、形成される。また併せて、この係止凹部410に隣接してヘッド411の外周面先端が断面略円弧状に突出形成されて、係止ガイド4101が設けられる。ハンドルレバー側回転軸部21Bの後部側はこの前部側の後部に台座側回転軸部11の後部と略同径の円形のフランジ43Fを介して、台座側回転軸部11の前端部と同様に(
図9参照)、フック2の連結面202(の溝200B)に係合(嵌合)可能に断面略角丸の正方形の筒形に形成されて、その後面(ハンドルレバー側回転軸部31の後端面)が連結面301をなし、この連結面301の軸孔30の周囲に90°間隔で4つの凸部3011が半球状に突出形成される。
【0068】
図2に示すように、フック側回転軸部21Aは円筒形のブロック状で、その軸心に軸孔20を有する。両端面は台座側回転軸部11及びハンドルレバー回転軸部31との各連結面201、202をなす。このフック側回転軸部21はフック2とフック受け部6との係合位置を調整可能になっている。フック側回転軸部21Aの軸孔20は、フック2のハンドル受けh2のフック受け部6に対する係合端方向に向けて長い長孔にして形成されるとともに、フック側回転軸部21の両端面、つまり、台座側回転軸部11及びハンドルレバー回転軸部21Bとの各連結面201、202で軸孔20の周囲に沿って複数の凹部2010(
図9参照)が、台座側回転軸部11及びハンドルレバー回転軸部21Bのフック側回転軸部21Aとの連結面101、301の複数の凸部1011、3011が選択的に係合可能に設けられる。この場合、各凹部2010は半球状に形成される。このようにして、フック2の軸部20をなす長孔で固定軸S3の挿通位置を調整することにより、固定軸S3とフック2の係止端との間の長さを調整可能に、この軸孔20内の固定軸S3の挿通位置に合わせて、フック側回転軸部21Aの各連結面201、202と台座側回転軸部11及びハンドルレバー側回転軸部31の各連結面101、301が相互の前記各凹部2010(
図6参照)及び各凸部1011、3011(
図4、
図5参照)との係合により固定可能にして、フック2とフック受け部6との係合位置が調整可能になっている。
【0069】
この場合、フック側回転軸部21の軸孔20はフック2のハンドル受けh2のフック受け部6に対する係合端方向に向けて長い長孔20にして形成されることで、フック側回転軸部21Aは断面楕円形の円筒形に形成される。このフック側回転軸部21Aの前後両面の一方が台座側回転軸部11の連結面201で、他方がハンドルレバー側回転軸部21Bの連結面202になっている。
【0070】
このフック側回転軸部21Aの、台座側回転軸部11との連結面201の中心に台座側回転軸部11の前端部が嵌合可能に台座側回転軸部11の前端部よりも軸孔(長孔)20の長径方向に少し長い断面角丸の長方形の溝200Aが形成される。この溝200Aの底面の中心に軸孔20としての長孔が設けられる。この溝200Aの底面で軸孔20の周囲に沿って、台座側回転軸部11の複数、この場合、4つの凸部1011が選択的に係合可能に複数の凹部2010が設けられる。この場合、複数の凹部2010は溝200Aの底面で、軸孔20の長手方向両側に1つずつ、短手方向両側に並列に3つずつ、全体として放射状に形成される。これらの凹部2010は半球面状に形成される。
【0071】
また、このフック側回転軸部21Aの、ハンドルレバー側回転軸部21Bとの連結面202の中心に、台座側回転軸部11の連結面201と同様に、ハンドルレバー側回転軸部21Bの前端部が嵌合可能にハンドルレバー側回転軸部21Bの前端部よりも長孔の長径方向に少し長い断面角丸の長方形の溝200Bが形成される。この溝200Bの底面の中心に軸孔20としての長孔が設けられる。そして、台座側回転軸部11の連結面201と同様に、この溝200Bの底面で軸孔20の周囲に沿って、ハンドルレバー側回転軸部21Bの複数、この場合、4つの凸部3011が選択的に係合可能に複数の凹部2010が設けられる。この場合、複数の凹部2010は、溝200Bの底面で、軸孔20の長手方向両側に1つずつ、短手方向両側に並列に3つずつ、全体として放射状に形成される。これらの凹部2010は半球面状に形成される。
【0072】
これらハンドル台座1内の台座側回転軸部11、ハンドルレバー側回転軸部21B、フック側回転軸部21Aの作動連結には、固定軸S3としてねじ(以下、ねじS3という。)が用いられる。この場合、ねじS3がハンドル台座1内の台座側回転軸部11の軸孔110から差し込まれ、フック側回転軸部21の軸孔20を通してハンドルレバー側回転軸部31の軸孔30に締め込まれて、回転軸4全体が連結固定される。
【0073】
このようにして密閉用ハンドルh1又はハンドル受けh2の一方が筐体の開口周囲の枠側に取付ねじにより取り付けられ、他方が扉側に取付ねじにより取り付けられるに当たり、必要により、フック2とフック受け部6との係合位置が調整される。つまり、フック2を延ばしたり縮めたりすることができる。この場合、フック2の軸部20をなす長孔でねじS3の挿通位置を調整することにより、ねじS3とフック2の係止端との間の長さを調整した後、この軸孔20内のねじS3の挿通位置に合わせて、フック側回転軸部21Aの各連結面201、202と台座側回転軸部11及びハンドルレバー側回転軸部21Bの各連結面101、301が相互の各凹部2010及び各凸部1011、3011とを係合させて、この状態を固定する。この場合、ねじS3をハンドルレバー側回転軸部21Bの軸孔30に締め込んで、回転軸4全体を固定する。より具体的には、次のとおりである。
図9を参照されたい。
【0074】
フック2を延ばす場合、
図9(2)に示すように、ねじS3をフック2の軸孔20をなす長孔内でフック2の爪22とは反対側の端部に挿通することでフック2を延ばすことができ、この軸孔20内のねじS3の挿通位置に合わせて、フック側回転軸部21Aの各連結面201、202と台座側回転軸部11及びハンドルレバー側回転軸部21Bの各連結面101、301を相互の各凹部2011及び各凸部1011、3011とを係合させて、この状態を、ねじS3をハンドルレバー側回転軸部21Bの軸孔30に締め込むことで、固定する。
フック2を縮める場合、
図9(1)に示すように、ねじS3をフック2の軸孔20をなす長孔内でフック2の爪22側の端部に挿通することでフック2を縮めることができ、この軸孔20内のねじS3の挿通位置に合わせて、フック側回転軸部21の各連結面201、202と台座側回転軸部11及びハンドルレバー側回転軸部21Bの各連結面101、301を相互の各凹部2011及び各凸部1011、3011とを係合させて、この状態を、ねじS3をハンドルレバー側回転軸部21Bの軸孔30に締め込むことで、固定する。
フック2をその中間程度に延ばす場合は、ねじS3をフック2の軸孔20をなす長孔内で中間に挿通することでフック2を中間程度に延ばすことができ、この軸孔20内のねじS3の挿通位置に合わせて、フック側回転軸部21Aの各連結面201、202と台座側回転軸部11及びハンドルレバー側回転軸部21Bの各連結面101、301を相互の各凹部2010及び各凸部1011、3011とを係合させて、この状態を、ねじS3をハンドルレバー側回転軸部21Bの軸孔30に締め込むことで、固定する。
【0075】
このようにハンドル台座1の台座側回転軸部11、ハンドルレバー3のハンドルレバー側回転軸部21B、及びフック2のフック側回転軸部21の軸心にそれぞれ軸孔110、20、30を有し、台座側回転軸部11、ハンドルレバー側回転軸部21B、及びフック側回転軸部21Aは各軸孔110、20、30間に挿通されるねじS3により作動連結される。そして、フック側回転軸部21Aの軸孔20はフック2のハンドル受けh2のフック受け部6に対する係合端方向に向けて長い長孔にして形成されるとともに、フック側回転軸部21Aの台座側回転軸部11及びハンドルレバー回転軸部21Bとの各連結面201、202で軸孔20の周囲に沿って複数の凹部2010を有する。これに対して台座側回転軸部11及びハンドルレバー回転軸部21Bのフック側回転軸部21Aとの連結面101、301にそれぞれ、フック側回転軸部21Aの各連結面201、202の複数の凹部2010に選択的に係合可能に複数の凸部1011、3011を有する。このようしてフック2の軸孔20をなす長孔でねじS3の挿通位置を調整することにより、ねじS3とフック2の係止端との間の長さを調整可能にし、この軸孔20内のねじS3の挿通位置に合わせて、フック側回転軸部21Aの各連結面201、202と台座側回転軸部11及びハンドルレバー側回転軸部21Bの各連結面101、301が相互の各凹部2010及び各凸部1011、3011との係合により固定可能にして、フック2とフック受け部6との係合位置を調整可能にしたことで、フック2の長さを調整することができ、フック2とフック受け部6とを最適な係合位置で係合させることができる。
【0076】
さらに、本装置Hにあっては、
図3に示すように、ハンドル台座1内で台座側回転軸部11の回転周囲に、少なくとも、密閉用ハンドルh1のフック2とハンドル受けh2のフック受け部6との係合状態、つまり、フック2とフック受け部6との係合位置で、台座側回転軸部11の周面に圧接可能に板バネ7を備え、この板バネ7により、フック2とフック受け部6との係合状態を保持するようになっている。
【0077】
ここでハンドル台座1には、板バネ7を取り付けるための板バネ取付部113が設けられる。この場合、板バネ取付部113は、前面部1Fの内部において、前面部1Fの正面視長方形の部分の両端のボス孔の一方と回転軸挿通孔10との間に、正面視長方形の部分の他側から一側に向けて、板バネ7の両端が係合可能に断面略鉤形(断面略L字形)に形成される。
【0078】
本装置Hに用いる板バネ7はハンドルレバー3の回転軸4の周面に圧接可能に加圧面7Pを有する。この場合、板バネ7は、ステンレス鋼などの金属材により、断面コ字形に形成されて、中央の加圧面部71と、その両側の加圧面支持部72とからなる。この板バネ7は、両側の支持部72がハンドル台座1の板バネ取付部113、すなわち、正面視長方形の部分の他側から一側に向けて延びる断面略鉤形の形状部内の両端に差し込まれて取り付けられ、中央の加圧面部71が、外面(ハンドルレバー3の回動軸4に向けられる面)を加圧面7Pとして、ハンドルレバー3の回動軸4に向けて配置される。
【0079】
またここで、板バネ7が台座側回転軸部11の周面に対して圧接可能にフラットな加圧面7Pを有し、台座側回転軸部11の周面に板バネ7の加圧面7Pを受けるフラットな被加圧面114(114A)を有し、板バネの加圧面7Pと台座側回転軸部11の被加圧面114(114A)は、相互に平行に接し可能に、又は板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11の被加圧面114の一方が他方に対して密閉用ハンドルh1とハンドル受けh2との係合方向に斜めに接し可能に、形成されることが好ましい。
【0080】
また、本装置Hでは、ハンドル台座1内で台座側回転軸部11の回転周囲に、併せて、密閉用ハンドルh1のフック2とハンドル受けh2のフック受け部6との非係合状態で、台座側回転軸部11の周面に圧接可能に板バネ7を備え、この板バネ7により、フック2とフック受け部6との非係合状態を保持するようになっている。
ここで、板バネ7が台座側回転軸部11の周面に対して圧接可能にフラットな加圧面7Pを有し、台座側回転軸部11の周面に板バネ7の加圧面7Pを受けるフラットな被加圧面114(114B)を有し、板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11の被加圧面114(114B)は、相互に平行に接し可能に、又は板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11の被加圧面114(114B)の一方が他方に対して密閉用ハンドルh1とハンドル受けh2との非係合方向に斜めに接し可能に、形成されることが好ましい。
【0081】
この場合、台座側回転軸部11の周面には、ハンドル台座1内に設けられる板バネ7に係合可能に被加圧面114が設けられる。
【0082】
被加圧面114は、台座側回転軸部11の周面に板バネ7の加圧面7Pを受けるフラットな面になっている。また、被加圧面114は、台座側回転軸部11の周面に2つ設けられる。この場合、各被加圧面114A、114Bは、台座側回転軸部11の大径の後部側の外周面で突起11Iとは略反対側(正反対の位置よりも若干片側一方に寄せられた位置)の一部にこの外周面と平行にこの外周面よりも少し小径の円弧状の面114Cを形成されて、この円弧状の面114Cの両側にテーパ状にフラットの面にして形成される。各被加圧面114A、114Bは、板バネ7の加圧面7Pと相互に平行に接し可能に形成されてもよいが、この場合、板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11の被加圧面114A、114Bの一方が他方に対して密閉用ハンドルh1とハンドル受けh2との係合方向に斜めに接し可能に、円弧状の面114Cの両側から台座側回転軸部11の後部側の外周面との間を少し漸次拡開するように斜めに形成される。かくして突起11Iに近い一方の被加圧面114Aがフック2とフック受け部6との係合状態を保持可能に、つまり、密閉用ハンドルh1とハンドル受けh2とのロック用に、突起11Iから遠い他方の被加圧面114Bがフック2とフック受け部6との非係合状態を保持可能に、つまり、密閉用ハンドルh1とハンドル受けh2とのロック解除用に、それぞれ、形成される。
【0083】
そして、ハンドル台座1内で台座側回転軸部11の回転周囲に配置された板バネ7により、密閉用ハンドルh1のフック2とハンドル受けh2のフック受け部6とのロック状態(係合状態)が保持されることにより、扉を筐体の開口周囲の枠に密着させて筐体の開口を密閉し、また、この板バネ7により、密閉用ハンドルh1のフック2とハンドル受けh2のフック受け部6とのロック解除状態(非係合状態)が保持されることで、フック2が扉の開閉に干渉することなく、扉の開閉が円滑に行われるようになっている。
【0084】
このようにハンドル台座1内で台座側回転軸部11の回転周囲に、少なくとも、密閉用ハンドルh1のフック2とハンドル受けh2のフック受け部6との係合状態で、台座側回転軸部11の周面に圧接可能に板バネ7を備え、この板バネ7により、フック2とフック受け部6との係合状態を保持するようにしたので、少なくともハンドルレバー3のロック位置を確実に保持し、フック2とフック受け部6とを確実に係合させて、扉で筐体を確実に密閉することができる。
この場合、板バネ7は台座側回転軸部11の周面に対して圧接可能にフラットな加圧面7Pを有し、台座側回転軸部11の周面に板バネ7の加圧面7Pを受けるフラットな被加圧面114Aを有し、板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11の被加圧面114Aは相互に板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11の被加圧面114Aの一方が他方に対して密閉用ハンドルh1とハンドル受けh2との係合方向に斜めに接し可能に形成されて、台座側回転軸部11の周面に対する加圧力を高めているので、ハンドルレバー3のロック位置、フック2とフック受け部6との係合をより確実に保持することができ、これにより扉で筐体をより確実に密閉することができる。
【0085】
また、ハンドル台座1内で台座側回転軸部11の回転周囲に、併せて、密閉用ハンドルh1のフック2とハンドル受けh2のフック受け部6との非係合状態で、台座側回転軸部11の周面に圧接可能に板バネ7を備える。そして、同様に、板バネ7は台座側回転軸部11の周面に対して圧接可能にフラットな加圧面7Pを有し、台座側回転軸部11の周面に板バネ7の加圧面7Pを受けるフラットな被加圧面114Bを有し、板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11の被加圧面114Bは板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11の被加圧面114Bの一方が他方に対して密閉用ハンドルh1とハンドル受けh2との非係合方向に斜めに接し可能に形成される。このようにして、台座側回転軸部11の周面に対する加圧力を高めているので、ハンドルレバー3のロック解除位置、フック2とフック受け部6との係合解除をより確実に保持することができ、これにより、扉の開閉にフック2が干渉することが無く、扉の開閉を確実に行うことができる。
【0086】
したがって、
図10に示すように、この設備の扉9Bを開ける際に、ハンドルレバー3を略水平のロック位置から略垂直のロック解除位置に向けて回動すると、ハンドル台座1内で、(
図3参照)台座側回転軸部11がハンドルレバー3と同方向に回転して板バネ取付部113の板バネ7の加圧面7Pに接し加圧された台座側回転軸部11外周面の突起11Iに近い一方の被加圧面114Aが板バネ7の加圧面7Pから外れ、板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11外周面の円弧状の面114Cが係合され、板バネ7の加圧面部71が円弧状の面114Cにより押し上げられる。そして、このハンドルレバー3を、
図10(2)に示すように、略垂直のロック解除位置まで回動すると、(
図3参照)台座側回転軸部11の突起11Tと他方のストッパー112との衝接係合により、ハンドルレバー3の同方向への回動が規制される。これと同時に、フック2はハンドル受けh2のフック受け部6から完全に外れて、フック2が扉9Bの上縁部に沿って略平行に扉9Bの上縁部の下方のロック解除位置に没入される。また同時に、ハンドル台座1内で、(
図3参照)台座側回転軸部11がハンドルレバー3と同方向に回転して板バネ取付部113の板バネ7の加圧面7Pに接し加圧された円弧状の面114Cが板バネ7の加圧面7Pから外れ、板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11外周面の突起11Tから遠い他方の被加圧面114Bが圧接係合されて、フック2のロック解除状態が確実に保持され、ハンドルレバー3がロック解除位置に確実に維持される。したがって、フック2やハンドルレバー3がぐらついたりがたついたりすることがない。この状態から、扉9Bを引き下げる。扉9Bを円滑に開くことができる。
【0087】
扉9Bを閉める際は、ハンドルレバー3を握り、扉9Bを筐体9A正面に向けて押し上げて、筐体9A正面の凹部91内に嵌め込み、この状態で、(
図10(2)参照)ハンドルレバー3をロック解除位置からロック位置に向けて回動すると、ハンドル台座1内で、(
図3参照)台座側回転軸部11がハンドルレバー3と同方向に回転して板バネ取付部113の板バネ7の加圧面7Pに接し加圧された台座側回転軸部11外周面の突起11Tから遠い他方の被加圧面114Bが板バネ7の加圧面7Pから外れ、板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11外周面の円弧状の面114Cが係合され、板バネ7の加圧面部71が円弧状の面114Cにより押し上げられる。そして、このハンドルレバー3を略水平のロック位置まで回動すると、(
図3参照)台座側回転軸部11の突起11Tと一方のストッパー111との衝接係合により、ハンドルレバー3の同方向への回動が規制される。また同時に、ハンドル台座1内で、(
図3参照)台座側回転軸部11がハンドルレバー3と同方向に回転して板バネ取付部113の板バネ7の加圧面7Pに接し加圧された円弧状の面114Cが板バネ7の加圧面7Pから外れ、板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11外周面の突起11Tに近い一方の被加圧面114Aが圧接係合されて、フック2のロック状態が確実に保持され、ハンドルレバー3がロック位置に確実に維持される。したがって、フック2やハンドルレバー3がぐらついたりがたついたりすることがない。このようにフック2をフック受け部6に係止することで、扉9Bが凹部91内にさらに押し込まれ、この扉9Bの押圧により筐体9Aの開口90全周縁部のパッキン92が圧縮されて、(パッキン92の反力により)筐体9Aの開口90は完全に密閉され、この密閉状態が保持される。本装置Hでは特に、フック2のロック状態、つまり、ハンドルレバー3のロック位置が板バネ7により保持されるので、パッキン92の経年劣化などにより反力の復元性が低下しても、フック2とフック受け部6との強い係合、すなわち大きな圧力による噛み合い(押し付け合い)は維持され、従来のようなロック位置のハンドルレバー3が自重により垂れ下がったり、このハンドルレバー3が下がってフック2がフック受け部6から外れ、扉9Bが開いてしまったりするようなことがない。
【0088】
なお、この実施の形態では、板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11の一方の被加圧面114Aは相互に板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11の被加圧面114Aの一方が他方に対して密閉用ハンドルh1とハンドル受けh2との係合方向に斜めに接し可能に形成されるものとしたが、板バネの加圧面と台座側回転軸部の被加圧面は相互に平行に接し可能に形成されてもよい。このようにしても、上記実施の形態に比べて台座側回転軸部の周面に対する加圧力が若干下がるが、上記実施の形態と概ね同様の作用効果を奏することができる。
同様に、板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11の他方の被加圧面114Bは板バネ7の加圧面7Pと台座側回転軸部11の被加圧面114Bの一方が他方に対して密閉用ハンドルh1とハンドル受けh2との非係合方向に斜めに接し可能に形成されるものとしたが、板バネの加圧面と台座側回転軸部の他方の被加圧面は相互に平行に接し可能に形成されてもよい。このようにしても、上記実施の形態に比べて台座側回転軸部の周面に対する加圧力は若干下がるが、上記実施の形態と概ね同様の作用効果を奏することができる。
【0089】
また、この実施の形態では、フック側回転軸部21の台座側回転軸部11及びハンドルレバー回転軸部21Bとの各連結面201、202で軸孔20の周囲に沿って複数の凹部2010を有し、台座側回転軸部11及びハンドルレバー回転軸部21Bのフック側回転軸部21Aとの連結面101、301にそれぞれ、フック側回転軸部21Aの各連結面201、202の複数の凹部2010に選択的に係合可能に複数の凸部1011、3011を有するものとしたが、これとは反対に、フック側回転軸部の台座側回転軸部及びハンドルレバー回転軸部との各連結面で長孔の周囲に沿って複数の凸部を有し、台座側回転軸部及びハンドルレバー回転軸部のフック側回転軸部との連結面にそれぞれ、フック側回転軸部の各連結面の複数の凸部に選択的に係合可能に複数の凹部を有するものとしてもよい。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0090】
H 密閉ハンドル装置(本装置)
h1 密閉用ハンドル
1 ハンドル台座
1F 前面部
10G 段差面
S0 ねじ挿通孔
1S 周面部
10 回転軸挿通孔
101 連結面
1011 凸部
11 台座側回転軸部
110 軸孔(透孔又はねじ孔)
11G 段差面
11T 突起
111 一方のストッパー
112 他方のストッパー
113 板バネ取付部
114 被加圧面
114A 被加圧面
114B 被加圧面
114C 円弧状の面
2 フック
20 軸孔(長孔)
200A 溝
200B 溝
201 連結面
202 連結面
2010 凹部
21A フック側回転軸部
22 爪
3 ハンドルレバー
30 軸孔(ねじ孔)
301 連結面
3011 凸部
21B ハンドルレバー側回転軸部
31 グリップ
311 板状部
32 連結軸
321 中央の円筒部
322 延長円筒部
323 角筒部
32S ねじ孔
4 回転軸
41 回転軸取付部
41G 段差面
42 フック装着部
43 ハンドルレバー取付部
43F フランジ
43G 段差面
S3 固定軸(ねじ)
4J 着脱式の連結部
410 係止凹部
4101 係止ガイド
411 ヘッド
421 ロック解除リング
422 凹部
423 ロックリング装着部
424 連結軸挿通部
425 指掛け部
426 連結軸嵌挿部
431 ロックリング
4310 ロック部材取付部
431a ロック作動部収納凹部
431b ロック爪収納凹部
432 連結軸連結部
4320 ねじ挿通孔
4321 溝
4322 受け部
441 ばね部材(コイルスプリング)
S1 ねじ
433 開口
434 ロック部材
4341 ロック作動部
4342 ロック爪
h2 ハンドル受け
5 取付ベース
5F 前面部
5S 周面部
S0 ねじ挿通孔
6 フック受け部
61 支持部
610 ねじ孔
62 係止部
A アタッチメント
a1 係止面被覆部
a11 平面部
a11G ガイド面
a110 フック係合部
a111 フック案内部
a12 3側面部
a2 支持部内面被覆部
a20 ねじ挿通孔
S2 ねじ
a21 平面部
a22 2側面部
7 板バネ
7P 加圧面
71 加圧面部
72 支持部
9A 筐体
90 開口
91 凹部
92 パッキン
9B 扉
93 ヒンジ