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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040628
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】電気光学装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1368 20060101AFI20240318BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240318BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20240318BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
G02F1/1368
G09F9/30 338
G02F1/1335
G02F1/13 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145095
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】吉井 栄仁
【テーマコード(参考)】
2H088
2H192
2H291
5C094
【Fターム(参考)】
2H088EA14
2H088HA02
2H088HA08
2H088HA14
2H088HA25
2H088MA06
2H088MA20
2H192AA24
2H192BC42
2H192CB02
2H192CB08
2H192CB34
2H192CB53
2H192DA15
2H192EA04
2H192EA13
2H192EA15
2H192EA66
2H192FB03
2H192FB05
2H192FB33
2H192JB02
2H291FA13Y
2H291FA56Y
2H291FA62Y
2H291FA64Y
2H291GA10
2H291GA19
2H291LA31
2H291LA40
2H291MA13
5C094AA31
5C094BA03
5C094BA43
5C094CA19
5C094DB01
5C094ED01
5C094FA02
5C094HA02
5C094HA04
5C094HA05
5C094HA08
(57)【要約】
【課題】レンズの光学性能および画素電極とトランジスターとの間の電気的接続の信頼性を両立する電気光学装置を提供すること。
【解決手段】液晶装置300は、トランジスター1と、トランジスター1に対応して設けられた画素電極10と、トランジスター1と画素電極10との間の層に設けられたレンズ層34と、トランジスター1とレンズ層34との間の層に設けられた中継層30と、中継層30と画素電極10とを電気的に接続するためのコンタクトプラグ31と、を備え、コンタクトプラグ31は、一部が中継層30内に設けられている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスターと、
前記トランジスターに対応して設けられた画素電極と、
前記トランジスターと前記画素電極との間の層に設けられたレンズ層と、
前記トランジスターと前記レンズ層との間の層に設けられた第1中継層と、
前記第1中継層と前記画素電極とを電気的に接続するための第1接続部材と、を備え、
前記第1接続部材は、一部が前記第1中継層内に設けられている、
電気光学装置。
【請求項2】
前記第1中継層と前記レンズ層との間の層に設けられた第1透光層を備え、
前記第1接続部材は、前記レンズ層及び前記第1透光層を貫通する第1コンタクトホール内に設けられている、
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記レンズ層と前記画素電極との間の層に、前記第1透光層よりも厚みの薄い第2透光層と、
前記レンズ層と前記第2透光層との間の層に設けられた第2中継層と、
前記第2中継層と前記画素電極とを電気的に接続するための第2接続部材と、を備え、
前記第2接続部材は、平面視において前記第1接続部材と重ならないように設けられている、
請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記第2接続部材は、前記第2透光層を貫通する第2コンタクトホール内に設けられている、
請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
平面視において前記トランジスターの半導体層と重なる幅広部を有する遮光層と、
前記遮光層と前記第1中継層とを電気的に接続するための第3接続部材と、を備え、
前記第3接続部材は、平面視において前記第1接続部材と重なる位置に設けられている、
請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記第1中継層と前記遮光層との間の層に第3透光層を備え、
前記第3接続部材は、前記第3透光層を貫通する第3コンタクトホール内に設けられている、
請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記第3接続部材の前記第1中継層側の面積は、前記第1接続部材の前記第1中継層側の面積よりも大きい、
請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記画素電極が設けられた表示領域の外側に、前記第1中継層と同一層に設けられた第1導電層と、
前記画素電極と同一層に設けられた透明導電層と、
前記第1接続部材と同一層に、前記透明導電層と前記第1導電層とを電気的に接続する第4接続部材と、を有する端子を備える、
請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項9】
前記透明導電層と前記第1導電層との間に、前記レンズ層と同一層に設けられた層間絶縁層を備え、
前記第4接続部材は、前記層間絶縁層を貫通する第4コンタクトホール内に設けられている、
請求項8に記載の電気光学装置。
【請求項10】
前記第1コンタクトホールが貫通する前記レンズ層の厚みは、前記第4コンタクトホールが貫通する前記層間絶縁層の厚みよりも小さい、
請求項9に記載の電気光学装置。
【請求項11】
前記第1接続部材は、前記第1中継層を貫通して設けられており、前記第4接続部材は一部が前記第1導電層内に設けられている、
請求項8に記載の電気光学装置。
【請求項12】
前記レンズ層と前記画素電極との間の層に、前記第1透光層よりも厚みの薄い第2透光層と、
前記レンズ層と前記第2透光層との間の層に設けられた第2中継層と、
前記第2中継層と前記画素電極とを電気的に接続するための第2接続部材と、を備え、
前記第2接続部材は、平面視において前記第1接続部材と一部が重なるように設けられている、
請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えた電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置および当該電気光学装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
素子基板の基板本体上に形成された画素電極と、画素電極と基板との間に形成されたスイッチング素子と、画素電極とスイッチング素子との間に形成されたレンズを備えた電気光学装置が、特許文献1に記載されている。
特許文献1のものでは、画素電極とスイッチング素子との間を電気的に接続するコンタクトホールの深さが、レンズ用凹面の深さよりも浅い。
【0003】
この構成は、コンタクトホールのアスペクト比が大きくなって、電気的接続の信頼性が低下しないようにしたもので、そのために、コンタクトホールを中継する中継電極は、隣り合うレンズの間において、レンズ用凹面の底よりも浅い位置に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-139252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願人は、発明者等による実験、試作等により、中継電極を、隣り合うレンズの間において、レンズ用凹面の底よりも浅い位置に形成すると、レンズの光学性能に影響を及ぼすおそれがある、という知見を得るに至った。
本発明は、例えば、上述した知見に鑑みなされたものであり、レンズの光学性能および画素電極とスイッチング素子との間の電気的接続の信頼性を両立できる電気光学装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の一態様に係る電気光学装置は、トランジスターと、前記トランジスターに対応して設けられた画素電極と、前記トランジスターと前記画素電極との間の層に設けられたレンズ層と、前記トランジスターと前記レンズ層との間の層に設けられた第1中継層と、前記第1中継層と前記画素電極とを電気的に接続するための第1接続部材と、を備え、前記第1接続部材は、一部が前記第1中継層内に設けられている。
【0007】
本願の一態様に係る電子機器は、上記に記載の電気光学装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1に係る電気光学装置の平面図。
図2図1のII-II線に沿う電気光学装置の断面図。
図3】素子基板の電気的な構成を示す等価回路図。
図4】素子基板の表示領域の断面構造を示す説明図。
図5】素子基板の表示領域の一部を示す平面図。
図6図5のVI-VI線に沿う断面図。
図7】素子基板の表示領域の一部を示す平面図。
図8】素子基板の表示領域の一部を示す平面図。
図9】素子基板の表示領域の一部を示す平面図。
図10】素子基板の表示領域の一部を示す平面図。
図11】素子基板の表示領域の一部を示す平面図。
図12】素子基板の外側領域の断面構造を示す説明図。
図13】素子基板の外側領域の一部を示す平面図。
図14図13のXIV-XIV線に沿う断面構造の一部を示す断面図。
図15】実施形態2に係る素子基板の表示領域の一部を示す平面図。
図16】実施形態3に係る電子機器の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
また、以下では、説明の便宜上、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を適宜用いて説明する。また、X軸に沿う一方向をX1方向と表記し、X1方向とは反対の方向をX2方向と表記する。同様に、Y軸に沿う一方向をY1方向と表記し、Y1方向とは反対の方向をY2方向と表記する。Z軸に沿う一方向をZ1方向と表記し、Z1方向とは反対の方向をZ2方向と表記する。また、以下では、Z1方向またはZ2方向に見ることを「平面視」とし、Z軸を含む断面に対して垂直方向から見ることを「断面視」とする。
【0010】
さらに、以下の説明において、例えば基板に対して、「基板上に」との記載は、基板の上に接して配置される場合、基板の上に他の構造物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接して配置され、一部が他の構造物を介して配置される場合のいずれかを表すものとする。また、ある構成の上面との記載は、当該構成のZ1方向側の面、例えば「透光層の上面」は透光層のZ1方向側の面、を示すものとする。また、ある構成の底面との記載は、当該構成のZ2方向側の面、例えば「コンタクトプラグの底面」はコンタクトプラグのZ2方向側の面、を示すものとする。
【0011】
1.実施形態1
本実施形態では、電気光学装置として、画素ごとにスイッチング素子としてTFT(Thin Film Transistor)を備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、後述する電子機器としての投射型表示装置において、光変調装置として用いられる。
【0012】
1.1.液晶装置の構造の概要
本実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の構造について、図1図2とを参照して説明する。図1は、実施形態1に係る電気光学装置の平面図を示し、電気光学装置として透過型の液晶装置300の概略的な平面構成を示す。図2は、図1のII-II線に沿う電気光学装置の断面図であり、液晶装置300の概略的な断面構成を示す。
【0013】
図1および図2に示すように、液晶装置300は、透光性を有する素子基板100と、透光性を有する対向基板200と、枠状のシール部材8と、液晶層Lcとを有する。なお、「透光性」とは、可視光に対する透過性を意味し、好ましくは可視光の透過率が50%以上であることをいう。
【0014】
液晶装置300は、画像を表示する表示領域A1と、平面視において表示領域A1の外側に位置する外側領域A2とを有する。表示領域A1には、行列状に配列される複数の画素Pが設けられる。なお、図1に示す液晶装置300の形状は、四角形であるが、例えば円形であってもよい。
【0015】
図2に示すように、素子基板100と対向基板200とは、液晶層Lcを介して配置される。
本実施形態では、液晶層Lcの光入射側に、対向基板200が配置され、液晶層Lcの光出射側に、素子基板100が配置される。対向基板200に入射した入射光ILは、液晶層Lcで変調されて、変調光MLとして素子基板100から射出される。
【0016】
素子基板100は、基体90と層間絶縁層82を含む複数の層間絶縁層と画素電極10と配向膜12とを有する。また、図示しないが、画素電極10と層間絶縁層82との間には、後述するレンズ層34が設けられる。
【0017】
基体90は、透光性および絶縁性を有する平板である。基体90は、例えばガラス基板または石英基板である。複数の層間絶縁層の層間には、後述のトランジスター1が配置される。
画素電極10は、透光性を有する。画素電極10は、例えばITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)およびFTO(Fluorine-doped tin oxide)等の透明導電材料を含む。
画素電極10の厚さ方向は、Z1方向またはZ2方向と一致する。配向膜12は、透光性および絶縁性を有する。配向膜12は、液晶層Lcの液晶分子を配向させる。配向膜12の材料としては、例えば酸化ケイ素またはポリイミドが挙げられる。
【0018】
対向基板200は、素子基板100に対向して配置される基板である。対向基板200は、基体210と絶縁層220と共通電極230と配向膜240とを有する。
【0019】
基体210は、透光性および絶縁性を有する平板である。基体210は、例えばガラス基板または石英基板である。絶縁層220は、透光性および絶縁性を有する。絶縁層220の材料は、例えば酸化ケイ素等の無機材料である。共通電極230は、複数の画素電極10に対向して配置される電極であり、対向電極と言い換えられる。共通電極230は、例えばITO、IZOおよびFTO等の透明導電材料を含む。共通電極230と画素電極10とは、液晶層Lcに電界を印加する。配向膜240は、透光性および絶縁性を有する。
【0020】
シール部材8は、素子基板100と対向基板200との間に配置される。シール部材8は、例えばエポキシ樹脂等の各種硬化性樹脂を含む接着剤等を用いて形成される。シール部材8は、ガラス等の無機材料で構成されるギャップ材を含んでもよい。
【0021】
液晶層Lcは、素子基板100、対向基板200およびシール部材8によって囲まれる領域内に配置される。液晶層Lcは、複数の画素電極10と共通電極230との間に配置される。液晶層Lcは、電界に応じて光学的特性が変化する電気光学層である。液晶層Lcは、正または負の誘電異方性を有する液晶分子を含む。液晶分子の配向は、液晶層Lcに印加される電界に応じて変化する。液晶層Lcは、印加される電界に応じて入射光ILを変調する。
【0022】
図1に示すように、素子基板100の外側領域A2には、複数の走査線駆動回路6とデータ線駆動回路7と複数の外部端子9とが配置される。複数の外部端子9の一部は、図示しない配線を介して走査線駆動回路6またはデータ線駆動回路7に接続される。また、複数の外部端子9は、外部から共通電位が印加される端子を含む。
【0023】
1.2.素子基板の電気的な構成
図3は、素子基板の電気的な構成を示す等価回路図である。
図3に示すように、素子基板100の表示領域A1には、スイッチング素子としての複数のトランジスター1、n本の走査線3、m本のデータ線4、およびn本の容量線5が設けられる。nおよびmはそれぞれ2以上の整数である。n本の走査線3とm本のデータ線4との各交差に対応してトランジスター1が配置される。
【0024】
n本の走査線3のそれぞれはX1方向に延在し、n本の走査線3はY1方向に等間隔で並ぶ。n本の走査線3のそれぞれは、対応する複数のトランジスター1のゲート電極に電気的に接続される。n本の走査線3は、図1に示す走査線駆動回路6に電気的に接続される。図3に示すように、1~n本の走査線3には、走査線駆動回路6から走査信号G1、G2、…、およびGnが線順次で供給される。
【0025】
m本のデータ線4のそれぞれはY1方向に延在し、m本のデータ線4はX1方向に等間隔で並ぶ。m本のデータ線4のそれぞれは、対応する複数のトランジスター1のソース領域に電気的に接続される。m本のデータ線4は、図1に示すデータ線駆動回路7に電気的に接続される。図3に示すように、1~m本のデータ線4には、データ線駆動回路7から画像信号E1、E2、…、およびEmが並行に供給される。
【0026】
n本の走査線3とm本のデータ線4とは、互いに電気的に絶縁されており、平面視において格子状に配置される。隣り合う2つの走査線3と隣り合う2つのデータ線4とで囲まれる領域が画素Pに対応する。
画素P毎に画素電極10が設けられる。画素電極10は、トランジスター1のドレイン領域に電気的に接続される。
【0027】
n本の容量線5のそれぞれはY1方向に延在し、n本の容量線5はX1方向に等間隔で並ぶ。また、n本の容量線5は、m本のデータ線4およびn本の走査線3に対して電気的に絶縁されており、これらに対して間隔をもって配置される。各容量線5には、共通電位またはグランド電位等の固定電位が印加される。
【0028】
補助容量2の一方の電極は、容量線5が電気的に接続される。補助容量2の他方の電極は、画素電極10に電気的に接続され、画素電極10に供給される画像信号の電位を保持する。
【0029】
1.3.素子基板の表示領域の断面構造
図4は、素子基板の表示領域の断面構造を示す説明図であり、表示領域A1に設けられた画素Pの断面構造を示す。
図4に示すように、表示領域A1において、素子基板100は、絶縁性または導電性の機能層または機能膜が基体90のZ1方向に積層された、断面構造を有する。
【0030】
基体90と層間絶縁層82との間には、遮光層80が配置される。
遮光層80は、遮光性を有する導電材料で形成される。遮光性を有する導電材料としては、例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)およびアルミニウム(Al)等の金属、金属窒化物ならびに金属シリサイド等の金属材料を用いることができる。遮光層80は、走査線3の一部を構成する。なお、「遮光性」とは、可視光に対する遮光性を意味し、好ましくは、可視光の透過率が50%未満であることをいい、より好ましくは、10%以下であることをいう。
【0031】
層間絶縁層82は、透光性および絶縁性を有する。層間絶縁層82は、例えば、酸化ケイ素等の無機材料によって、形成される。
層間絶縁層82上には、トランジスター1が配置される。
【0032】
トランジスター1は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有する半導体層70と、ゲート電極74と、ゲート絶縁層72とを有する。
半導体層70は、ドレイン領域70d、LDD領域70a、チャネル領域70c、LDD領域70bおよびソース領域70sを有する。
チャネル領域70cは、ソース領域70sとドレイン領域70dとの間に位置する。LDD領域70bは、チャネル領域70cとソース領域70sとの間に位置する。LDD領域70aは、チャネル領域70cとドレイン領域70dとの間に位置する。
半導体層70は、例えば、ポリシリコンであり、チャネル領域70cを除く領域には、導電性を高める不純物がドープされる。LDD領域70bおよびLDD領域70a中の不純物濃度は、ソース領域70sおよびドレイン領域70d中の不純物濃度よりも低い。
【0033】
半導体層70上には、ゲート絶縁層72を介して、ゲート電極74が設けられる。ゲート電極74は、半導体層70のチャネル領域70cに重なる。
ゲート電極74は、例えば、ポリシリコンに導電性を高める不純物がドープされることにより形成される。なお、ゲート電極74は、金属、金属シリサイドおよび金属化合物の導電性を有する材料を用いて形成されてもよい。
【0034】
ゲート絶縁層72は、例えば、熱酸化またはCVD(chemical vapor deposition)法等で成膜される酸化ケイ素で構成される。
ゲート電極74と遮光層80との間は、ゲート絶縁層72と層間絶縁層82とを貫通するコンタクトホール81を介して電気的に接続される。
【0035】
トランジスター1上には、層間絶縁層76を介して、導電層60と中継層62とが設けられる。導電層60と中継層62とは、同層に設けられ、遮光性の導電材料で形成される。層間絶縁層76は、層間絶縁層82と同様の材料によって、形成される。
導電層60は、データ線4の一部を構成する。導電層60は、層間絶縁層76を貫通するコンタクトホール73を介して、半導体層70のソース領域70sに電気的に接続される。
中継層62は、層間絶縁層76を貫通するコンタクトホール71を介して、半導体層70のドレイン領域70dに電気的に接続される。
【0036】
導電層60および中継層62上には、層間絶縁層64が設けられ、層間絶縁層64上には、中継層52が設けられる。中継層52は、遮光性の導電材料で形成される。層間絶縁層64は、層間絶縁層82と同様の材料によって、形成される。
中継層52は、層間絶縁層64を貫通するコンタクトホール61を介して、中継層62に電気的に接続される。
【0037】
中継層52上には、層間絶縁層54を介して、補助容量2が設けられる。
補助容量2は、基体90側に設けられた容量電極50と、画素電極10側に設けられた容量電極40と、容量電極50と容量電極40との間に設けられた誘電体層56とを有する。容量電極40と容量電極50とは、いずれも遮光性の導電材料で形成される。層間絶縁層54は、層間絶縁層82と同様の材料によって、形成される。
【0038】
容量電極50は、容量線5の一部を構成する。
容量電極40は、層間絶縁層54を貫通するコンタクトホール51を介して、中継層52に電気的に接続されて、トランジスター1のドレイン領域70dに電気的に接続される。
【0039】
容量電極40と画素電極10との間には、レンズ層34を含む光学機能層LSが設けられる。
光学機能層LSは、光量ロスを抑制するために設けられる。具体的には、画素電極10を通過した通過光が、データ線4や容量線5等の遮光性の材料層に当たってロスとならないように、通過光の光路を調整する。光学機能層LSは、透光層42、透光層32、レンズ層34、および透光層22を含む。
【0040】
透光層42は、光路長を調整するためのパス層と称せられる光路長調整層である。透光層42は、酸化ケイ素等の無機材料によって、形成され、透光層42の上面は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等によって平坦化されている。
【0041】
透光層32は、レンズ層34のレンズ面34sとなる凹部32cが設けられるレンズ形成層であり、透光層42と同様に、酸化ケイ素等の無機材料によって、形成される。
透光層32は、2層の透光層32a、32bから構成される。
透光層32の凹部32cは、透光層32を成膜した後に、透光層32をエッチングすることによって形成する。よって、透光層32は、最初、10μm程度の厚みに形成する。10μm程度の透光層32を1回で成膜することは、困難であるため、本実施形態では、成膜を2回行い、2回の成膜によって積層した透光層32aと透光層32bとによって、透光層32を形成する。
【0042】
レンズ層34は、透光層32上に設けられる。レンズ層34は、透光層32と屈折率の異なる無機材料、例えば酸窒化ケイ素、によって形成される。レンズ層34は、酸窒化ケイ素を、凹部32cを埋めるように成膜された後、CMP等によって平坦化される。
【0043】
透光層22は、レンズ層34上に設けられる。透光層22は、光路長調整層であり、透光層42と同様に酸化ケイ素等の無機材料によって形成される。透光層22の層厚は、透光層32の層厚よりも薄い。
【0044】
保護層24は、透光層22上に設けられる。保護層24は、例えば、BSG(Borosilicate Glass)等の透光性および吸湿性を有する無機材料で構成される。保護層24上に、画素電極10が設けられる。画素電極10上には、配向膜12が設けられる。
【0045】
画素電極10と容量電極40との間は、画素コンタクトプラグ21、中継層20、コンタクトプラグ31、中継層30、およびコンタクトプラグ41とを介して、電気的に接続される。これによって、画素電極10は、トランジスター1のドレイン領域70dに電気的に接続される。
【0046】
画素コンタクトプラグ21は、コンタクトホール23内に設けられる。コンタクトホール23は、保護層24と透光層22とを貫通して設けられる。
画素コンタクトプラグ21は、コンタクトホール23の内部にタングステン等の導電材料を充填することで形成される。画素コンタクトプラグ21は、画素電極10と中継層20とに接触して、画素電極10と中継層20との間を電気的に接続する。
【0047】
中継層20は、透光層22とレンズ層34との間に設けられる。画素コンタクトプラグ21にタングステンを用いる場合、中継層20は、タングステンと良好な導通が取れる材料、例えば、窒化チタン等で形成される。
【0048】
コンタクトプラグ31は、コンタクトホール33内に設けられる。コンタクトホール33は、レンズ層34と透光層32とを貫通して設けられる。
コンタクトプラグ31は、コンタクトホール33の内部にタングステン等の導電材料を充填することで形成される。コンタクトプラグ31は、中継層20と中継層30とに接触して、中継層20と中継層30との間を電気的に接続する。なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、コンタクトホール33は、中継層30を貫通して、コンタクトホール33の底面にコンタクトプラグ41を露出する。よって、コンタクトプラグ31は、コンタクトプラグ41とも接触する。
【0049】
中継層30は、透光層32と透光層42との間に設けられる。コンタクトプラグ31にタングステンを用いる場合、中継層30は、タングステンと良好な導通が取れる材料、例えば、窒化チタン等で形成される。
【0050】
コンタクトプラグ41は、コンタクトホール43内に設けられる。コンタクトホール43は、透光層42を貫通して設けられる。
コンタクトプラグ41は、コンタクトホール43の内部にタングステン等の導電材料を充填することで形成される。コンタクトプラグ41は、中継層30、容量電極40。およびコンタクトプラグ31に接触して、中継層30およびコンタクトプラグ31と、容量電極40との間を電気的に接続する。
【0051】
1.4.素子基板の表示領域の平面構造
図5は、素子基板の表示領域の一部を示す平面図であり、素子基板100の表示領域A1を、液晶層Lc側からZ2方向に見た図である。なお、図5では、画素電極10を実線で描画し、画素電極10よりも基体90側に設けられた光学機能層LSに含まれる構成を破線で描画した。また、以下に示す平面図では、レンズ面34sの曲面形状を二点鎖線の2重円で示し、隣り合う2つのレンズ面34s同士が接する境界を境界線34bで示した。
【0052】
図5に示すように、画素電極10は、X軸Y軸に沿ってマトリクス状に配置される。
画素コンタクトプラグ21は、画素電極10の四隅の1つ、本実施形態では、平面視において図面の左下の角と重なる位置に、設けられる。
【0053】
中継層20は、矩形の形状を有する。中継層20の4つの角のそれぞれは、画素電極10のX2方向、Y2方向、および対角方向に隣り合う4つの画素電極10の角の一つと重なるように設けられる。
画素コンタクトプラグ21は、平面視において中継層20の角の隅と重なるように位置に設けられる。
【0054】
コンタクトプラグ31は、中継層20と、平面視において重なる位置に設けられる。また、本実施形態において、コンタクトプラグ31は、画素コンタクトプラグ21と、平面視において重ならない位置に設けられる。コンタクトプラグ31を画素コンタクトプラグ21と重ならにように設けるため、コンタクトプラグ31は、中継層20において、画素コンタクトプラグ21が設けられる角の対角の隅に寄せて設けられる。
このように画素コンタクトプラグ21をコンタクトプラグ31と重ならない位置に設けた場合、画素コンタクトプラグ21をコンタクトプラグ31と重なる位置に設けた場合よりも、画素コンタクトプラグ21と重なる画素電極10の成膜性を向上させることができる。
【0055】
コンタクトプラグ31は、逆円錐台の形状を有する。よって、コンタクトプラグ31の上面の外縁31aは、平面視において底面の外縁31bの外側を囲む。
【0056】
図示しないが中継層30は、中継層20と同じ大きさおよび形状に設けられる。中継層20と中継層30とは、平面視において略完全に重なる。
図示しないがコンタクトプラグ41は、コンタクトプラグ31と重なる位置に設けられる。
【0057】
容量電極40は、L字の角に設けられた幅広部40wと、幅広部40wから走査線3と重なるようにX1方向に沿って延在する延在部と、幅広部40wからデータ線4と重なるようにY1方向に沿って延在する延在部と、を有する。
幅広部40wは、コンタクトホール33、コンタクトホール43、コンタクトホール51と重なるように設けられている。また、幅広部40wは、中継層20と略完全に重なる形状に設けられる。
【0058】
本実施形態において、境界線34bの交差とコンタクトプラグ31とが重なる。これは、コンタクトプラグ31が、レンズ層34のレンズ面34sを貫通して設けられていることを示す。なお、コンタクトホール33の内側と重なる境界線34bは、レンズ層34にコンタクトホール33を形成した際に、本来、無くなるが、図5では、レンズ面34sが隙間なく設けられていることを示すために記載している。
【0059】
1.5.素子基板の表示領域の光学機能層の構造
図6は、図5のVI-VI線に沿う断面図であり、光学機能層LSの断面構造を示す。
図6に示すように、本実施形態において、コンタクトホール33は、レンズ層34、透光層32、および中継層30を貫通する部分と、コンタクトプラグ41の上面に設けられた凹部41cとを含む。
【0060】
コンタクトホール33のアスペクト比は、他のコンタクトホール、例えば、コンタクトホール43のアスペクト比に比べて約2倍以上高い。本実施形態において、コンタクトホール33の深さLは、約5~10μmであり、コンタクトホール33の内径Dが、約1μmであるため、アスペクト比L/Dは、約5~10である。
【0061】
凹部41cは、オーバーエッチングによって形成される。
コンタクトホール33は、ドライエッチング等の異方性エッチングによって形成する。エッチングを、レンズ層34と透光層32とを貫通し、中継層30を露出する位置で止めることは、難しい。よって、本実施形態では、コンタクトホール33を確実に中継層30に到達させるため、オーバーエッチングを行っている。しかし、エッチングするレンズ層34の厚みと透光層32の厚みとの合計の層厚が、5~10μmと厚いため、エッチングが、中継層30の位置で止まらなかった場合、コンタクトプラグ41の上面に凹部41cが形成される。
【0062】
また、詳しくは後述するが、凹部41cが形成される主な理由は、本実施形態において、コンタクトホール33と外部端子9のコンタクトホール133とを同じ工程で形成していることによる。
コンタクトホール133の形成に要する時間は、コンタクトホール33の形成に要する時間よりも長い。よって、コンタクトホール133の形成が完了するまで、コンタクトホール33のエッチングを継続した場合、コンタクトホール33を形成するエッチングは、オーバーエッチングとなる。コンタクトホール33を形成するエッチングが、オーバーエッチングになることで、コンタクトホール33を形成するエッチングは、中継層30を貫通して、コンタクトプラグ41に凹部41cを形成する。
【0063】
コンタクトホール33を介した電気的な接続を確実に行うため、コンタクトホール33は、平面視においてコンタクトプラグ41と重なる位置に設けられる。これによって、コンタクトホール33をエッチングして形成する際に、中継層30の一部を貫通しても、コンタクトホール33の底は、コンタクトプラグ41内に形成される。すなわち、コンタクトプラグ41に凹部41cが形成される。したがって、コンタクトホール33に充填されるコンタクトプラグ31は、コンタクトプラグ41に直接接触するので、コンタクトプラグ31とコンタクトプラグ41との電気的接続を確実に行うことができる。
【0064】
図7は、素子基板の表示領域の一部を示す平面図であり、図5の表示領域A1の平面図において、画素電極10をZ2方向に見た際の画素電極10、画素コンタクトプラグ21、中継層20、およびコンタクトプラグ31のレイアウトを示す。図7において、画素電極10は実線で示す。
図7に示すように、画素コンタクトプラグ21およびコンタクトプラグ31は、平面視において中継層20と重なる位置に設けられる。画素コンタクトプラグ21は、コンタクトプラグ31と、平面視において重ならないように設けられる。画素コンタクトプラグ21とコンタクトプラグ31とが平面視において重ならないように、画素コンタクトプラグ21とコンタクトプラグ31とは、それぞれ中継層20の対角の隅に寄せて配置される。
【0065】
図8は、素子基板の表示領域の一部を示す平面図であり、図5の表示領域A1の平面図において、中継層20をZ2方向に見た際の際の中継層20、コンタクトプラグ31、および容量電極40のレイアウトを示す。図8において、中継層20は実線で示す。
図8に示すように、中継層20は、平面視において容量電極40の幅広部40wと略完全に重なる。また、中継層20は、平面視において図示しない中継層30と略完全に重なる。
【0066】
隣り合う2つのレンズ面34sが接する境界を示す境界線34bは、X軸とY軸とに沿う2本の境界線34bの交差が、コンタクトプラグ31の外縁31bおよび外縁31aの内側に位置している。よって、コンタクトホール33は、レンズ層34のレンズ面34sを貫通して設けられている。
なお、境界線34bとコンタクトホール33とが、平面視において重ならないように、レンズ面34sを形成してもよい。この場合、境界線34bの交差が存在しなくなるため、レンズ面34sは、コンタクトホール33が設けられる位置に形成されない。よって、この場合、コンタクトホール33は、隣り合う4つのレンズ面34sの間の透光層32にのみに設けられる。
【0067】
図9は、素子基板の表示領域の一部を示す平面図であり、図5の表示領域A1の平面図において、中継層30をZ2方向に見た際の際の中継層30、コンタクトプラグ31、コンタクトプラグ41、および容量電極40のレイアウトを示す。図9において、中継層30は、実線で示す。
図9に示すように、中継層30は、中継層20と同様に、容量電極40の幅広部40wと略完全に重なる。
【0068】
図9に示すように、中継層30の上面を含む面には、中継層30を貫通するコンタクトプラグ31の断面が現れる。
コンタクトプラグ31は、コンタクトプラグ41と重なるように設けられる。より具体的には、コンタクトプラグ31の底面側の外縁31bが、コンタクトプラグ41の外縁41aの内側に位置するように設けられる。
【0069】
図10は、素子基板の表示領域の一部を示す平面図であり、図5の表示領域A1の平面図において、コンタクトプラグ41の中継層30側の上面をZ2方向に見た際のコンタクトプラグ41、コンタクトプラグ31、および容量電極40のレイアウトを示す。図10において、コンタクトプラグ41は、実線で示す。
コンタクトプラグ31は、コンタクトプラグ41と重なるように設けられ、コンタクトプラグ41の凹部41cと接する。したがって、コンタクトプラグ41の中継層30側の上面を含む面には、図10に示すように、コンタクトプラグ41の凹部41cを充填するコンタクトプラグ31の断面が現れる。コンタクトプラグ31の断面の面積を面積S2とし、コンタクトプラグ41の上面の外縁41aで囲まれた面積を面積S1とすると、面積S1の値は、面積S2の値よりも大きい。
【0070】
図11は、素子基板の表示領域の一部を示す平面図であり、図5の表示領域A1の平面図において、容量電極40をZ2方向に見た際の容量電極40および半導体層70のレイアウトを示す。図11において、容量電極40は、実線で示す。
図11に示すように、容量電極40は、半導体層70と、平面視において重なる位置に設けられる。容量電極40の幅広部40wは、半導体層70のチャネル領域70cと重なる位置に設けられ、半導体層70のチャネル領域70cの遮光層として機能する。
【0071】
1.6.素子基板の外側領域の断面構造
図12は、素子基板の外側領域の断面構造を示す説明図であり、外側領域A2に設けられた外部端子9の断面構造を示す。なお、図4に示した構成と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0072】
図12に示すように、端子としての外部端子9は、最上層に、透明導電層としての電極パッド110を備える。
電極パッド110は、基体90と電極パッド110との間に設けられた中継層120、中継層130、中継層140、中継層150、中継層160、電極パッド110と中継層120との間に設けられたコンタクトプラグ121,125,127、中継層120と中継層130との間に設けられたコンタクトプラグ131,135,137,139、中継層130と中継層140との間に設けられたコンタクトプラグ141,145,147,149、中継層140と中継層150との間に設けられたコンタクトプラグ151、および中継層150と中継層160との間に設けられたコンタクトプラグ161を介して、表示領域A1に設けられる構成、例えば容量線5や走査線駆動回路6やデータ線駆動回路7等、に電気的に接続される。
【0073】
電極パッド110は、画素電極10と同一層に設けられる。電極パッド110は、画素電極10と同じ工程および同じ材料で形成される。
コンタクトホール123は、コンタクトホール23と同一層に設けられる。コンタクトホール123は、コンタクトホール23と同じ工程で形成される。
コンタクトホール123に充填されるコンタクトプラグ121は、画素コンタクトプラグ21と同じ工程および同じ材料で形成される。コンタクトプラグ125,127もコンタクトプラグ121と同様に形成される。
【0074】
中継層120は、中継層20と同一層に設けられる。中継層120は、中継層20と同じ工程および同じ材料で形成される。
中継層130は、中継層30と同一層に設けられる。中継層130は、中継層30と同じ工程および同じ材料で形成される。
【0075】
中継層120と中継層130との間には、層間絶縁層132と層間絶縁層134とが設けられる。
層間絶縁層132は、透光層32と同一層に設けられる。層間絶縁層132は、透光層32と同じ工程および同じ材料で形成される。層間絶縁層132は、成膜後に、凹部32cを形成するエッチングによって、エッチバックされて、平坦化される。層間絶縁層132には、凹部32cは形成されない。
層間絶縁層132上には、層間絶縁層134が形成される。層間絶縁層134は、レンズ層34と同じ工程および同じ材料で形成される。
【0076】
中継層120と中継層130との間の層間の厚さと、中継層20と中継層30との間の層間の厚さとは、略同じであるが、層間絶縁層134とレンズ層34とは、層厚が異なる。具体的には、層間絶縁層134の厚さT2の値は、図4に示したコンタクトホール33が設けられる位置のレンズ層34の厚さT1よりも厚い。
【0077】
コンタクトホール133は、コンタクトホール33と同じ工程で形成される。コンタクトホール133に充填されるコンタクトプラグ131は、コンタクトプラグ31と同じ工程および同じ材料で形成される。コンタクトプラグ135,137,139もコンタクトプラグ131と同様に形成される。
【0078】
中継層140は、容量電極40と同一層に設けられる。中継層140は、容量電極40と同じ工程および同じ材料で形成される。
コンタクトホール143は、コンタクトホール43と同一層に設けられる。コンタクトホール143は、コンタクトホール43と同じ工程で形成される。コンタクトホール143に充填されるコンタクトプラグ141は、コンタクトプラグ41と同じ工程および同じ材料で形成される。コンタクトプラグ145,147,149もコンタクトプラグ141と同様に形成される。
【0079】
1.7.素子基板の外側領域の平面構造
図13は、素子基板の外側領域の一部を示す平面図あり、素子基板の外側領域A2の外部端子9をZ2方向に見た図である。
図13に示すように、コンタクトプラグ121,125,127は、コンタクトプラグ131,135,137,139と重ならない位置に配置されている。
コンタクトプラグ131は、コンタクトプラグ31と同様に、逆円錐台の形状を有する。よって、コンタクトプラグ131の上面の外縁131aは、平面視においてコンタクトプラグ131の底面の外縁131bの外側を囲むように設けられる。
【0080】
1.8.素子基板の外側領域の光学機能層の構造
図14は、図13のXIV-XIV線に沿う断面図であり、外側領域A2における光学機能層LSの断面構造を示す。
図14に示すように、本実施形態において、コンタクトホール133は、層間絶縁層134、層間絶縁層132、および中継層130に設けられた凹部130cを含む。
【0081】
凹部130cは、オーバーエッチングによって形成される。コンタクトホール133は、ドライエッチング等の異方性エッチングによって形成されるが、層間絶縁層134と層間絶縁層132との層厚が、5~10μmと厚いため、エッチングを、中継層130を露出する位置で止めることが難しいからである。
【0082】
また、上述したように、コンタクトホール133は、コンタクトホール33と同じ工程で形成している。
コンタクトホール133が貫通する層間絶縁層134の厚みと層間絶縁層132の厚みとの合計の層厚は、コンタクトホール33が貫通するレンズ層34の厚みと透光層32の厚みとの合計の層厚と、略同じであるが、コンタクトホール133とコンタクトホール33とでは、それぞれが貫通するレンズ層の厚みと透光層の厚みとの比率が異なる。
【0083】
具体的には、図4および図12に示したように、層間絶縁層134の厚さT2は、レンズ層34の厚さT1よりも厚い。そして、レンズ層34および層間絶縁層134は透光層32および層間絶縁層132よりもエッチンレートが遅い材料で形成されているため、コンタクトホール133の形成には、コンタクトホール33よりも、長いエッチング時間が必要となる。
よって、コンタクトホール133が完了するまで、コンタクトホール33のエッチングを継続すると、コンタクトホール33を形成するエッチングは、中継層30を貫通して、コンタクトプラグ41の上面に凹部41cを形成する。
【0084】
本実施形態では、コンタクトプラグ31が、レンズ層34のレンズ面34sを貫通する例を記載したが、コンタクトプラグ31が、レンズ層34を貫通しない構成であってもよい。具体的には、透光層32のみを貫通する構成であってもよい。
この場合であっても、コンタクトホール133とコンタクトホール33とでは、層間絶縁層134の厚みと層間絶縁層132の厚みとの比率と、レンズ層34の厚みと透光層32の厚みとの比率とが異なるので、コンタクトホール133を形成するエッチングに、コンタクトホール33よりも、長い時間が必要となる。よって、コンタクトホール33を形成するエッチングによって、コンタクトホール33は、中継層30を貫通し、コンタクトプラグ41には、凹部41cが形成される。
【0085】
以上、述べたとおり、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置300は、トランジスター1と、トランジスター1に対応して設けられた画素電極10と、トランジスター1と画素電極10との間の層に設けられたレンズ層34と、トランジスター1とレンズ層34との間の層に設けられた中継層30と、中継層30と画素電極10とを電気的に接続するためのコンタクトプラグ31と、を備え、コンタクトプラグ31は、一部が中継層30内に設けられている。
このように、コンタクトプラグ31は、一部が中継層30内に設けられている。よって、画素電極10とトランジスター1との間の電気的接続の信頼性を良好にすることができる。
【0086】
本実施形態の液晶装置300において、さらに、中継層30とレンズ層34との間の層に設けられた透光層32を備え、コンタクトプラグ31は、レンズ層34及び透光層32を貫通するコンタクトホール33内に設けられている。
このように、コンタクトプラグ31は、レンズ層34及び透光層32を貫通するコンタクトホール33内に設けられている。よって、レンズ層34の光学性能および画素電極10とトランジスター1との間の電気的接続の信頼性を両立できる。
【0087】
本実施形態の液晶装置300において、さらに、レンズ層34と画素電極10との間の層に、透光層32よりも厚みの薄い透光層22と、レンズ層34と透光層22との間の層に設けられた中継層20と、中継層20と画素電極10とを電気的に接続するための画素コンタクトプラグ21と、を備え、画素コンタクトプラグ21は、平面視においてコンタクトプラグ31と重ならないように設けられている。
このように、画素コンタクトプラグ21は、平面視においてコンタクトプラグ31と重ならないように設けられている。よって、画素電極10の成膜性を向上させることができる。
【0088】
本実施形態の液晶装置300において、さらに、画素コンタクトプラグ21は、透光層22を貫通するコンタクトホール23内に設けられている。
このように、画素コンタクトプラグ21は、透光層22を貫通するコンタクトホール23内に設けられている。よって、透光層22を含む光学機能層LSの光学性能および画素電極10とトランジスター1との間の電気的接続の信頼性を両立できる。
【0089】
本実施形態の液晶装置300において、さらに、平面視においてトランジスター1の半導体層70と重なる幅広部40wを有する遮光層としての容量電極40と、容量電極40と中継層30を電気的に接続するためのコンタクトプラグ41と、を備え、コンタクトプラグ41は、平面視においてコンタクトプラグ31と重なる位置に設けられている。
このように、コンタクトプラグ41は、平面視においてコンタクトプラグ31と重なる位置に設けられている。よって、コンタクトプラグ31が、中継層30を貫通したとしても、コンタクトプラグ31とコンタクトプラグ41との間の電気的接続を確実に行うことができる。
【0090】
本実施形態の液晶装置300において、さらに、中継層30と容量電極40の間の層に透光層42を備え、コンタクトプラグ41は、透光層42を貫通するコンタクトホール43内に設けられている。
このように、コンタクトプラグ41は、透光層42を貫通するコンタクトホール43内に設けられている。よって、透光層42を含む光学機能層LSの光学性能および画素電極10とトランジスター1との間の電気的接続の信頼性を両立できる。
【0091】
本実施形態の液晶装置300において、さらに、コンタクトプラグ41の中継層30側の面積S1は、コンタクトプラグ31の中継層30側の面積S2よりも大きい。
このように、コンタクトプラグ41の中継層30側の面積S1は、コンタクトプラグ31の中継層30側の面積S2よりも大きい。よって、よって、コンタクトプラグ31が、中継層30を貫通したとしても、コンタクトプラグ31とコンタクトプラグ41との間の電気的接続を確実に行うことができる。
【0092】
本実施形態の液晶装置300において、さらに、画素電極10が設けられた表示領域A1の外側としての外側領域A2に、中継層30と同一層に設けられた中継層130と、画素電極10と同一層に設けられた透明導電層としての電極パッド110と、コンタクトプラグ31と同一層に、電極パッド110と中継層130とを電気的に接続するコンタクトプラグ131と、を有する端子としての外部端子9を備える。
このように、外部端子9は、特に、コンタクトプラグ31と同一層に、コンタクトプラグ131を備える。よって、画素電極10とトランジスター1との間の電気的接続と同様に、電極パッド110と中継層130との間の電気的接続の信頼性を良好にすることができる。
【0093】
本実施形態の液晶装置300において、さらに、透明導電層としての電極パッド110と中継層130との間に、レンズ層34と同一層に設けられた層間絶縁層134を備え、コンタクトプラグ131は、層間絶縁層134を貫通するコンタクトホール133内に設けられている。
このように、コンタクトプラグ131は、層間絶縁層134を貫通するコンタクトホール133内に設けられている。よって、画素電極10とトランジスター1との間の電気的接続と同様に、コンタクトプラグ131によって、電極パッド110と中継層130との間を、確実に、電気的に接続することができる。
【0094】
本実施形態の液晶装置300において、さらに、コンタクトホール33が貫通するレンズ層34の厚みは、コンタクトホール133が貫通する層間絶縁層134の厚みよりも小さい。
このように、コンタクトホール33が貫通するレンズ層34の厚みは、コンタクトホール133が貫通する層間絶縁層134の厚みよりも小さい。よって、コンタクトプラグ31の一部を中継層30内に設けることで、画素電極10とトランジスター1との間の電気的接続の信頼性とともに、電極パッド110と中継層130との間の電気的接続の信頼性も良好に確保することができる。
【0095】
本実施形態の液晶装置300において、さらに、コンタクトプラグ31は、中継層30を貫通して設けられており、コンタクトプラグ131は一部が中継層130内に設けられている。
このように、コンタクトプラグ31は、中継層30を貫通して設けられており、コンタクトプラグ131は一部が中継層130内に設けられている。よって、画素電極10とトランジスター1との間の電気的接続の信頼性とともに、電極パッド110と中継層130との間の電気的接続の信頼性も確保することができる。
【0096】
2.実施形態2
実施形態2に係る電気光学装置としての液晶装置の構造について、図15を参照して説明する。図15は、実施形態2に係る素子基板の表示領域の一部を示す平面図である。実施形態2は、実施形態1とコンタクトプラグ31が設けられる位置が異なる。なお、実施形態1と同じ構成には、同じ符号を付して、説明を省略する。
【0097】
図15に示すように、コンタクトプラグ31は、平面視において中継層20の略中央位置に設けられる。画素コンタクトプラグ21は、平面視においてコンタクトプラグ31と重なる位置に設けられる。また、コンタクトプラグ31は、平面視において図示しないコンタクトプラグ41と略完全に重なる位置に設けられる。
【0098】
このように、画素コンタクトプラグ21の一部をコンタクトプラグ31と重ねて配置する場合、画素コンタクトプラグ21とコンタクトプラグ31とを重ならないように配置する場合よりも、画素コンタクトプラグ21とコンタクトプラグ31との位置合わせを容易に行うことができる。
また、コンタクトプラグ31は、中継層20の略中央位置に設けられるため、中継層20の大きさを小さくすることができる。同様に、中継層30および容量電極40の幅広部40wの大きさを小さくすることで、遮光領域を小さくして、光が通過する開口領域を広げることができる。
【0099】
以上、述べたとおり、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置300によれば、上記実施形態の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
本実施形態の液晶装置300において、さらに、レンズ層34と画素電極10との間の層に、透光層32よりも厚みの薄い透光層22と、レンズ層34と透光層22との間の層に設けられた中継層20と、中継層20と画素電極10とを電気的に接続するための画素コンタクトプラグ21と、を備え、画素コンタクトプラグ21は、平面視においてコンタクトプラグ31と一部が重なるように設けられている。
このように、画素コンタクトプラグ21は、平面視においてコンタクトプラグ31と一部が重なるように設けられている。よって、画素コンタクトプラグ21とコンタクトプラグ31との位置合わせを容易に行うことができる。また、中継層20、中継層30、および容量電極40の幅広部40wの大きさを小さくして、遮光領域を小さくして、光が通過する開口領域を広げることができる。
【0100】
3.実施形態3
図16は、電子機器の一例である投射型表示装置としてのプロジェクターを示す模式図である。
プロジェクター1000は、例えば、上述した液晶装置300を3枚備えた3板式のプロジェクターである。液晶装置300Rは赤色の表示色に対応し、液晶装置300Gは緑色の表示色に対応し、液晶装置300Bは青色の表示色に対応する。制御部1005は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、液晶装置300R,300G,300Bの動作を制御する。
【0101】
照明光学系1001は、光源である照明装置1002からの出射光のうち赤色成分RLを液晶装置300Rに供給し、緑色成分GLを液晶装置300Gに供給し、青色成分BLを液晶装置300Bに供給する。各液晶装置300R,300G,300Bは、照明光学系1001から供給される各色光RL,GL,BLを表示画像に応じて変調する光変調装置として機能する。
投射光学系1003は、各液晶装置300R,300G,300Bからの出射光を合成してプロジェクタースクリーン1004に投射する。
【0102】
以上、述べたとおり、本実施形態の電子機器としてのプロジェクター1000は、上述した液晶装置300を備える。
よって、光学性能および電気的な信頼性の高い液晶装置300を採用することで、プロジェクター1000の性能を向上させることができる。
【0103】
なお、電子機器は、例示した3板式のプロジェクター1000に限定されない。例えば、単板式、2板式、または、4枚以上の液晶装置300を備えたプロジェクターであってもよい。また、電子機器は、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、車載用の表示器、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、およびPOS(Point of sale)、プリンター、スキャナー、複写機、ビデオプレーヤー、またはタッチパネルを備えた機器等であってもよい。
【0104】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。また、本発明の各部の構成は、上述の実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成に置換でき、また、任意の構成を付加できる。
【符号の説明】
【0105】
1…トランジスター、2…補助容量、3…走査線、4…データ線、5…容量線、6…走査線駆動回路、7…データ線駆動回路、8…シール部材、9…外部端子、10…画素電極、12…配向膜、20…中継層、21…画素コンタクトプラグ、22…透光層、23…コンタクトホール、24…保護層、30…中継層、31…コンタクトプラグ、31a…外縁、31b…外縁、32…透光層、32a…透光層、32b…透光層、32c…凹部、33…コンタクトホール、34…レンズ層、34b…境界線、34s…レンズ面、40…容量電極、40w…幅広部、41…コンタクトプラグ、41a…外縁、41c…凹部、42…透光層、43…コンタクトホール、50…容量電極、51…コンタクトホール、52…中継層、54…層間絶縁層、56…誘電体層、60…導電層、61…コンタクトホール、62…中継層、64…層間絶縁層、70…半導体層、70a…LDD領域、70b…LDD領域、70c…チャネル領域、70d…ドレイン領域、70s…ソース領域、71…コンタクトホール、72…ゲート絶縁層、73…コンタクトホール、74…ゲート電極、76…層間絶縁層、80…遮光層、81…コンタクトホール、82…層間絶縁層、90…基体、100…素子基板、110…電極パッド、120…中継層、121…コンタクトプラグ、125…コンタクトプラグ、127…コンタクトプラグ、130…中継層、130c…凹部、131…コンタクトプラグ、135…コンタクトプラグ、137…コンタクトプラグ、139…コンタクトプラグ、131a…外縁、131b…外縁、132…層間絶縁層、133…コンタクトホール、134…層間絶縁層、140…中継層、141…コンタクトプラグ、145…コンタクトプラグ、147…コンタクトプラグ、149…コンタクトプラグ、143…コンタクトホール、150…中継層、151…コンタクトプラグ、160…中継層、161…コンタクトプラグ、200…対向基板、210…基体、220…絶縁層、230…共通電極、240…配向膜、300…液晶装置、300B,300G,300R…液晶装置、1000…プロジェクター、1001…照明光学系、1002…照明装置、1003…投射光学系、1004…プロジェクタースクリーン、1005…制御部、A1…表示領域、A2…外側領域、S1…面積、S2…面積、LS…光学機能層。
図1
図2
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図5
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図16