(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040640
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】進捗管理システム及び進捗管理方法
(51)【国際特許分類】
E21D 9/00 20060101AFI20240318BHJP
G01S 1/68 20060101ALI20240318BHJP
G01S 5/02 20100101ALI20240318BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20240318BHJP
G06Q 50/08 20120101ALI20240318BHJP
【FI】
E21D9/00 Z
G01S1/68
G01S5/02 Z
G06Q10/06
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145112
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 兵庫
(72)【発明者】
【氏名】片山 三郎
(72)【発明者】
【氏名】石井 喬之
(72)【発明者】
【氏名】廣江 亮太
(72)【発明者】
【氏名】宮本 真吾
【テーマコード(参考)】
5J062
5L049
【Fターム(参考)】
5J062AA08
5J062BB01
5J062BB05
5J062CC18
5L049AA06
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】建設工事の作業効率を向上させる進捗管理システム及び進捗管理方法を提案する。
【解決手段】本発明は、監視対象(建設機械6、作業員7)に取り付けられ、監視対象の振動を検出する加速度型のビーコン3a,3cと、ビーコン3a,3cからの電波を受信する受信機4と、受信した電波に基づいて、監視対象の稼働情報を生成する処理装置1と、稼働情報を表示する表示装置2と、を備え、稼働情報は、監視対象の作業内容、及び作業内容の作業時間を含む、進捗管理システムである。また、監視対象に取り付けられ、監視対象の給電有無を検出する給電型のビーコン3bをさらに備え、受信機4は、ビーコン3a~3cからの電波を受信し、稼働情報が含む作業時間は、作業内容の実作業時間及び非実作業時間であることが好ましい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象に取り付けられ、前記監視対象の振動を検出する第1発信機と、
前記第1発信機からの電波を受信する受信機と、
前記受信した電波に基づいて、前記監視対象の稼働情報を生成する処理装置と、
前記稼働情報を表示する表示装置と、を備え、
前記稼働情報は、前記監視対象の作業内容、及び前記作業内容の作業時間を含む、進捗管理システム。
【請求項2】
前記監視対象に取り付けられ、前記監視対象の給電有無を検出する第2発信機をさらに備え、
前記受信機は、前記第1発信機及び前記第2発信機からの電波を受信し、
前記稼働情報が含む作業時間は、前記作業内容の実作業時間及び非実作業時間である請求項1に記載の進捗管理システム。
【請求項3】
前記監視対象を撮影する撮影装置をさらに備え、
前記表示装置は、前記撮影装置が撮影した画像に基づいて、前記監視対象の作業内容を再生表示する請求項1又は請求項2に記載の進捗管理システム。
【請求項4】
前記監視対象は、トンネルの建設工事を行う建設機械、あるいはトンネル工事を行う作業員である、ことを特徴とする請求項1に記載の進捗管理システム。
【請求項5】
前記監視対象は、トンネルの建設工事を行う作業員であり、
前記受信機は、前記トンネルの坑口に配置されており、
前記処理装置は、前記受信機が受信した電波に基づいて、前記作業員の前記トンネルへの入坑を判定し、
前記表示装置は、前記作業員ごとの入坑状況を表示する請求項1に記載の進捗管理システム。
【請求項6】
監視対象に取り付けられ、前記監視対象の振動を検出する第1発信機からの電波を受信するステップと、
前記受信した電波に基づいて、前記監視対象の稼働情報を生成するステップと、
前記稼働情報を表示するステップと、を備え、
前記稼働情報は、前記監視対象の作業内容、及び前記作業内容の作業時間を含む、進捗管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、進捗管理システム及び進捗管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建設工事の作業効率を向上させる観点で建設工事の進捗を管理するための技術開発が盛んである。例えば、建設工事に使用される建設機械の位置や稼働状況、建設工事に参加する作業員の位置や作業内容等をリアルタイムで確認できれば、建設工事の進捗を管理できるといえる。ここで、屋外の建設工事に関しては、GPS(Global Positioning System)やGNSS(Global Navigation Satellite System)によって、屋外の建設機械の位置や作業員の位置を取得することができる。また、屋外の作業現場を撮影するカメラによって、屋外の建設機械の稼働状況や作業員の作業内容を取得することができる。しかし、トンネル坑内などには衛星からの電波が届かないため、GNSS等ではトンネル坑内の建設機械の位置や作業員の位置を取得することができない。また、トンネル坑内のような閉鎖的な環境では、カメラを多く設置してもカメラの撮影範囲に制限が生じるため、屋内の建設機械の稼働状況や作業員の作業内容を確実に取得することができない。
【0003】
特許文献1は、トンネル施工工程の記録に際し、人為作業によらずとも、随時のトンネル施工工程を迅速に記録できるトンネル施工工程記録装置等について開示している。特許文献1の発明は、複数の機械に電力を供給する分電盤等の電源から、電気使用状態のON/OFFや電力量等の電気使用情報を取得し、その取得した電気使用情報の分析により、対応するトンネル施工工程を判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の発明は、機械の電源のON/OFFをその機械が行っている作業に関連づけ、トンネル坑内の建設機械の稼働状況を判定するものである。しかし、例えば、機械の電源がONであってもその機械が施工作業していない場合があるため、建設機械の稼働状況を正確に管理できるとはいえない。このため、トンネル工事の作業効率を向上させることができないという問題がある。
【0006】
このような観点から、本発明は、建設工事の作業効率を向上させる進捗管理システム及び進捗管理方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決する本発明は、監視対象に取り付けられ、前記監視対象の振動を検出する第1発信機と、前記第1発信機からの電波を受信する受信機と、前記受信した電波に基づいて、前記監視対象の稼働情報を生成する処理装置と、前記稼働情報を表示する表示装置と、を備え、前記稼働情報は、前記監視対象の作業内容、及び前記作業内容の作業時間を含む、進捗管理システムである。
また、本発明は、監視対象に取り付けられ、前記監視対象の振動を検出する第1発信機からの電波を受信するステップと、前記受信した電波に基づいて、前記監視対象の稼働情報を生成するステップと、前記稼働情報を表示するステップと、を備え、前記稼働情報は、前記監視対象の作業内容、及び前記作業内容の作業時間を含む、進捗管理方法である。
【0008】
例えば、建設機械の稼働や作業員の移動によって振動が発生した際に電波を発信するビーコンを発信機(第1発信機)として用い、屋内(トンネル坑内を含む)や屋外の現場に受信機を配置することで、無線通信を実現することができる。また、発信機から発信される電波は、発信機が取り付けられた監視対象(建設機械、作業員等)を識別するIDを含む。建設機械が稼働して所定の作業を行う場合には、建設機械に取り付けられた発信機は作業に起因する振動を検出し、振動に応じた強度の電波を発信することができる。よって、受信機が所定の強度以上の電波を受信した場合には、その電波の強度を解析して建設機械の作業内容を特定することができ、電波の受信期間に基づいて作業内容の作業時間を特定することができる。つまり、建設機械の稼働情報を生成することができる。また、表示装置が監視対象ごとの稼働情報を表示することで、現場の作業状況を可視化することができる。表示される稼働情報は、建設機械等の電源のON/OFFではなく、建設機械等が発生する振動に対応した、建設機械等に固有の作業内容を示したものである。このため、表示装置は、建設機械等が行う作業内容の詳細を表示することができる。また、作業内容の各々の開始時刻、終了時刻、作業時間を表示することもできる。したがって、建設工事の作業の進捗を管理することができ、建設工事の作業効率を向上させることができる。また、発信機にビーコンなどの簡易かつ安価な装置を用いることで、建設工事の作業の進捗を管理するためのシステムの導入コストを低減させることができる。また、建設計画の表示と照らし合わせることで、建設計画との差分を明示したり、遅れている作業、作業員によって苦手な作業や得意な作業を顕在化させたりことができる。
【0009】
また、前記監視対象に取り付けられ、前記監視対象の給電有無を検出する第2発信機をさらに備え、前記受信機は、前記第1発信機及び前記第2発信機からの電波を受信し、前記稼働情報が含む作業時間は、前記作業内容の実作業時間及び非実作業時間であることが好ましい。
【0010】
これにより、第1発信機からの電波に基づいて、監視対象が稼働して行っていた作業の作業時間、作業開始時刻、作業終了時刻がわかるとともに、第2発信機からの電波に基づいて、監視対象が作業を行うために監視対象の電源がONになっているときの給電時間、給電開始時刻、給電終了時刻がわかる。作業時間、作業開始時刻、作業終了時刻と給電時間、給電開始時刻、給電終了時刻を照らし合わせることで、電源をONにしてから作業を開始するまでの準備期間、作業を終了してから電源をOFFにするまでの後片付け期間、何らかの理由で電源はONのままにして作業を中断した中断期間などを顕在化させることができる。よって、監視対象が実際に作業を行っていた時間を実作業時間として可視化し、作業を行っていない準備期間、後片付け期間、中断時間などを非実作業時間として可視化することで、作業進捗管理を向上させることができる。
【0011】
また、前記監視対象を撮影する撮影装置をさらに備え、前記表示装置は、前記撮影装置が撮影した画像に基づいて、前記監視対象の作業内容を再生表示することが好ましい。
【0012】
これにより、作業内容の詳細及び作業時間を含む稼働情報が表示された作業の実際の様子を動画で可視化することができる。よって、動画を活用することで作業進捗管理を向上させることができる。
【0013】
また、前記監視対象は、トンネルの建設工事を行う建設機械、あるいはトンネル工事を行う作業員であることが好ましい。建設機械は、例えば、切羽穿孔機(ドリルジャンボ)、コンクリート吹付機、ホイールローダー、ダンプトラックなどである。
【0014】
これにより、トンネルの建設工事(山岳トンネル工事含む)の作業進捗を詳細に管理でき、トンネルの建設工事の作業効率をさらに向上させることができる。
【0015】
また、前記監視対象は、トンネルの建設工事を行う作業員であり、前記受信機は、前記トンネルの坑口に配置されており、前記処理装置は、前記受信機が受信した電波に基づいて、前記作業員の前記トンネルへの入坑を判定し、前記表示装置は、前記作業員ごとの入坑状況を表示することが好ましい。
【0016】
これにより、トンネル工事を行う作業員が入坑したか否かを可視化することができ、トンネル工事の作業進捗管理を向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、建設工事の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態の進捗管理システムの機能構成図である。
【
図3】建設機械がトンネルの切羽側に移動した場合の説明図である。
【
図4】ビーコンごとに受信機の受信範囲を設定する場合の説明図であり、(a)が加速度型のビーコンの場合、(b)が給電型のビーコンの場合である。
【
図5】電源台車に受信機を配置した構成の説明図である。
【
図6】トンネル坑外に位置する建設機械を監視する構成の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施をするための形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるもではない。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0020】
[構成]
図1は、本実施形態の進捗管理システムの機能構成図である。進捗管理システムは、トンネルの坑内における建設工事の作業の進捗を管理するためのシステムである。進捗管理システムは、処理装置1と、表示装置2と、複数種類のビーコン3と、複数の受信機4と、カメラ5とを備えている。処理装置1は、トンネルの建設工事に用いられる建設機械6、及び建設工事を行う作業員7を監視するための処理を行う計算機である。建設機械6及び作業員7は、本発明の「監視対象」の具体例である。表示装置2は、処理装置1の処理結果を表示する装置である。処理装置1、表示装置2、ビーコン3、受信機4、及びカメラ5は、ネットワークを介して無線又は有線で通信可能に接続されている。ネットワークは、例えば、インターネットとすることができるがこれに限定されない。例えば、ネットワークを介した通信は、ルータ、メッシュ、ブリッジ等の中継機器(図示略)を実装して実現できる。
【0021】
なお、処理装置1は、入力部、出力部、制御部、および、記憶部といったハードウェアを備えている。例えば、制御部がCPU(Central Processing Unit)から構成される場合、その制御部を含むコンピュータによる情報処理は、CPUによるプログラム実行処理で実現される。また、そのコンピュータに含まれる記憶部は、CPUの指令により、そのコンピュータの機能を実現するためのさまざまなプログラムを記憶する。これによりソフトウェアとハードウェアの協働が実現される。前記プログラムは、記録媒体に記録したり、ネットワークを経由したりすることで提供可能となる。
【0022】
ビーコン3は、建設機械6及び作業員7に取り付けられ、無線通信用の電波を発信する機器である。本実施形態のビーコン3として、建設機械6に取り付けられた加速度型のビーコン3a(第1発信機)、建設機械6に取り付けられた給電型のビーコン3b(第2発信機)、及び作業員7に取り付けられた加速度型のビーコン3c(第1発信機)があるが、これらに限定されない。加速度型のビーコン3aは、建設機械6が所定の作業を行うために稼働することで発生する振動を検出し、振動の検出により電波を発信する。例えば、ビーコン3aは、建設機械6の所定箇所に貼設することが好ましい。ビーコン3aは、加速度センサを備えており、予め規定した閾値以上の加速度が検出された際に電波を発信する。給電型のビーコン3bは、建設機械6の電源がオンになったときの給電を検出し、給電の検出により電波を発信する。また、給電型のビーコン3bは、建設機械6の電源がオフになったときの無給電を検出し、無給電の検出により電波を発信停止する。例えば、ビーコン3bは、建設機械6が備える給電口に差し込み、給電を直接的に検出することが好ましい。又は、ビーコン3bは、建設機械6に給電する電源制御ボックスの差込口に差し込み、給電を間接的に検出してもよい。加速度型のビーコン3cは、作業員7が移動することで発生する振動を検出し、振動の検出により電波を発信する。例えば、ビーコン3cは、作業員7が被るヘルメットに貼設することが好ましい。なお、ビーコン3a,3b,3cを区別しない場合は、ビーコン3として説明する。
【0023】
受信機4(第1受信機)は、ビーコン3から電波を受信する機器である。複数の受信機4の各々は、トンネルの切羽から坑口へ向かう方向に所定間隔で離間して配置されており、例えば、トンネルの内壁に取り付けることができる。受信機4は、ビーコン3から受信した電波を、所定のプロトコルのデータに変換し、変換したデータをネットワークを介して処理装置1に送信することができる。ビーコン3と受信機4との距離が大きいほど、受信機4がビーコン3から受信する電波の強度は小さくなる。よって、電波の強度に基づいて、ビーコン3が取り付けられた監視対象と受信機4との距離を推定できる。処理装置1が受信するデータは、受信機4が受信した電波に関する情報、電波を受信した受信機4を識別するIDを含むが、これらに限定されない。また、電波に関する情報は、例えば、電波を発信したビーコン3を識別するID、受信機4が受信した電波の強度(振幅)であるが、これらに限定されない。
カメラ5は、トンネルの坑内で作業する建設機械6及び作業員7を撮影する撮影装置である。カメラ5は、トンネルの坑内に配置されており、トンネルの切羽を撮影可能な位置及び向きで配置されていることが好ましい。
建設機械6は、例えば、山岳トンネル工事に使用する切羽穿孔機(ドリルジャンボ)、コンクリート吹付機、ホイールローダー、ダンプトラックなどである。監視対象を、トンネルの建設工事を行うこれらの建設機械6、あるいはトンネル工事を行う作業員7とすることで、トンネルの建設工事(山岳トンネル工事含む)の作業進捗を詳細に管理でき、トンネルの建設工事の作業効率をさらに向上させることができる。
【0024】
(処理装置1のソフトウェア構成)
処理装置1は、解析部11と、表示制御部12とを備えている。また、処理装置1は、発信機DB13と、受信機DB14と、位置情報DB15と、稼働情報DB16とを記憶している。「DB」はデータベース(DataBase)の略である。解析部11は、受信機4から受信したデータを処理することで、ビーコン3から受信した電波を解析することができる。ビーコン3が加速度型のビーコン3aである場合、ビーコン3aが発信した電波は、監視対象の振動に起因する電波である。例えば、ビーコン3aが発信した電波は、監視対象の加速度の波形に追従するような波形の電波としてもよい。また、所定の波形(例:正弦波)を持つ電波であり、振動(加速度)に対応して周波数が変化するものとしてもよい。また、加速度(振動)が所定値を超えた場合に一定の波形(周波数や振幅は定数)を示す電波としてもよい。また、解析部11による電波の解析は、例えば、ビーコン3から電波が発信されていることで監視対象が稼働しているという解析としてもよい。また、フーリエ変換を行って電波に含まれる周波数の特性の解析としてもよい。また、受信機4が受信した電波の強度(振幅)を求め、求めた強度に基づいて監視対象の位置を特定したり、監視対象の稼働状態を特定したりという解析としてもよい。また、電波を発信したビーコン3のIDを特定することで、そのビーコン3が取り付けられた監視対象のIDを特定するという解析としてもよい。
表示制御部12は、解析部11の解析結果に基づいて、表示装置2の表示内容を制御する。
発信機DB13は、ビーコン3に関する情報である発信機情報をビーコン3ごとに記憶する。発信機情報は、例えば、対象となるビーコン3を識別するID、ビーコン3の型式(加速度型、給電型等)、及びビーコン3が取り付けられた監視対象を識別するIDを含むが、これらに限定されない。ビーコン3から発信される電波は、ビーコン3を識別するIDを含む。解析部11は、発信機DB13を参照して、受信機4が受信する電波からビーコン3が取り付けられた監視対象を識別するIDを特定することができる。また、ビーコン3から発信される電波が、ビーコン3が取り付けられた監視対象を識別するIDを含むとしてもよい。なお、監視対象が建設機械6である場合、処理装置1は、建設機械6を識別するIDを用いて所定のデータベース(図示略)参照して、建設機械6の種類(例:ダンプトラック、油圧ショベル、ジャンボ)及び、当該建設機械6が実行可能な作業内容(例えば、ジャンボであればロックボルト打設作業)を特定することができる。監視対象が作業員7である場合、処理装置1は、作業員7を識別するIDを用いて所定のデータベース(図示略)を参照して、作業員7の氏名、所属等を特定することができる。
受信機DB14は、受信機4に関する情報である受信機情報を受信機4ごとに記憶する。受信機情報は、例えば、対象となる受信機4を識別するID、受信機4の位置、及び受信機4が受信する電波の強度に関する閾値を含むがこれらに限定されない。受信機4の位置は、例えば、周知の地図情報として特定可能である。電波の強度に関する閾値は、解析部11の解析に利用可能な値であり、処理装置1のオペレータが設定可能である。例えば、閾値以下の強度の電波はノイズとしてカットすることができる。また、閾値以上の強度の電波を受信機4が受信した場合、解析部11は、当該受信機4と、電波を発信したビーコン3を特定し、電波の解析を行うことができる。閾値は、複数設定できる。
【0025】
位置情報DB15は、監視対象の位置情報を監視対象ごとに記憶する。監視対象の位置情報は、解析部11が解析結果として生成する情報である。監視対象の位置情報は、例えば、監視対象の位置、監視対象に取り付けられたビーコン3からの電波を受信した受信機4を識別するID、監視対象を識別するID、監視対象に取り付けられたビーコン3のID、及び電波受信時刻を含むがこれらに限定されない。
稼働情報DB16は、監視対象の稼働情報を監視対象ごとに記憶する。監視対象の稼働情報は、解析部11が解析結果として生成する情報である。監視対象の稼働情報は、例えば、監視対象の稼働状態、監視対象に取り付けられたビーコン3からの電波を受信した受信機4を識別するID、監視対象を識別するID、監視対象に取り付けられたビーコン3のID、及び電波受信時刻を含むがこれらに限定されない。監視対象の稼働状態は、建設機械6が稼働している(作業中)か否かを示す情報であり、作業員7が移動中であるか否かを示す情報である。また、ビーコン3が加速度型のビーコン3aである場合、建設機械6の稼働情報は、当該建設機械6が作業中の作業内容、作業時間、作業開始時間、作業終了時間を含むことができる。また、ビーコン3が給電型のビーコン3bである場合、建設機械6の稼働情報は、建設機械6の給電時間、給電開始時間、給電終了時間を含むことができる。
なお、発信機DB13、受信機DB14、位置情報DB15、稼働情報DB16の各情報は関連付けられている。
【0026】
(受信機4の受信範囲)
ビーコン3を用いた無線通信に関しては、ビーコン3と受信機4との距離が大きいほど、受信機4がビーコン3から受信する電波の強度は小さくなるという特性がある。この特性を利用して、受信機4の受信範囲を用途別に設定することができる。
図2は、受信機の受信範囲に関する説明図である。例えば、建設機械6に取り付けられたビーコン3aから発信される電波が無指向性であり、周囲の環境や取り付け位置等の条件を考慮しなければ、電波は3次元のすべての方向に同一強度で放射する。
図2に示すように、ビーコン3aを中心にした半径r1の仮想球s1の表面に到達した電波の強度は85dBであり、仮想球s1内部の電波は強い(0~85dB)。また、ビーコン3aを中心にした半径r2(>r1。例:100~200m。)の仮想球s2の表面に到達した電波の強度は100dBであり、仮想球s1を除く仮想球s2内部の電波は弱い(85~100dB)。
【0027】
<位置精度向上>
受信機4として、受信機4a,4bを採り上げる。受信機4aは、すべての受信機4のなかでトンネルの切羽に最も近い位置に配置されており、受信機4bは、受信機4aよりもトンネルの坑口側に隣に所定距離(例:100m)だけ離間して配置されている。建設機械6及び受信機4a,4bが
図2に示す位置関係にある場合、受信機4a,4bの何れも仮想球s2の内部に含まれている。よって、受信機4a,4bの何れもビーコン3aからの弱い電波を受信できる。このため、解析部11は、受信した電波を解析しても、建設機械6が受信機4aの付近にいるのか、受信機4bの付近にいるのか判定できず、建設機械6の位置精度を向上させることができない。そこで、受信機4a,4bに対して第1閾値を設定する。第1閾値は、受信機4a,4b受信した電波が強い電波(第1電波)であるか否かを判定するための閾値である。第1閾値は、処理装置1からの制御によって受信機4a,4bごとに遠隔で設定することができる。
図2に示す状況では、強い電波が分布する仮想球s1の内部に存在する受信機4aはビーコン3aからの電波を受信できる一方、仮想球s1の外部に存在する受信機4bは受信できない。このため、解析部11は、受信した電波を解析することで、建設機械6が受信機4aの付近にいる(受信機4bの付近にいない)と判定することができ、建設機械6の位置精度を向上させることができる。また、解析部11は、判定結果及び受信機4の位置(既知)に基づいて建設機械6の位置情報(受信機4の位置から距離r1以内)を生成し、位置情報DB15に登録することができる。このように、受信機4a,4bに対して受信可能な電波強度に関する第1閾値を設定することで、受信機4a,4bの各々について、建設機械6の位置を特定するための電波の受信範囲(仮想球s1の半径r1)を決定できる。なお、位置情報の生成はリアルタイムで行うことができ、建設機械6の移動に伴って位置情報DB15の位置情報を更新することができる。
【0028】
また、受信機4a,4bは、建設機械6の振動に起因する電波をビーコン3aから受信しているため、解析部11は、受信した電波を解析して、建設機械6が稼働中(作業中)であると判定できる。解析部11は、判定結果に基づいて建設機械6の稼働情報を生成し、稼働情報16DBに登録することができる。なお、稼働情報の生成はリアルタイムで行うことができ、建設機械6の作業の進捗に伴って稼働情報を更新することができる。受信機4a,4bの位置は、既知であるため、測位衛星の電波が届かないトンネル坑内であっても、作業の進捗(作業の位置と作業内容)を管理することができ、トンネルの坑内における建設工事の作業効率を向上させることができる。また、発信機にビーコンなどの簡易かつ安価な装置を用いることで、トンネル坑内の作業の進捗を管理するためのシステムの導入コストを低減させることができる。
【0029】
ここで、受信機4aの位置は、切羽作業の現在サイクルにおける切羽の位置に対して、発破作業の影響等を考慮して決めることができる。同様に、受信機4bの位置は、切羽作業の1サイクル前における切羽の位置に対して決められたものとすることができる。この場合、受信機4bは、1サイクル前においてトンネルの切羽に最も近い位置に配置された受信機ということになる。もし、ビーコン3aからの電波を受信機4aが受信し、受信機4bが受信しなかった場合、解析部11は、ビーコン3aが取り付けられた建設機械6が受信機4aの受信範囲で作業中であると判定できる。つまり、解析部11は、建設機械6が現在サイクルにおける切羽作業中であると判定できる。また、ビーコン3aからの電波を受信機4bが受信し、受信機4aが受信しなかった場合、解析部11は、ビーコン3aが取り付けられた建設機械6が切羽作業以外の作業中であると判定できる。切羽作業以外の作業の具体的な作業内容は、建設機械6に関する所定のデータベースを参照し、建設機械6の種類等から推定可能である。
【0030】
<位置特定用の受信範囲にいない場合>
図2において、受信機4aに対して決定した、建設機械6の位置を特定するための電波の受信範囲に建設機械6がいない場合について説明する。
図3は、建設機械がトンネルの切羽側に移動した場合の説明図である。建設機械6は切羽作業のため、
図2の場合と比較してより切羽側に移動したとする。建設機械6及び受信機4a,4bが
図3に示す位置関係にある場合、受信機4aは、仮想球s2の内部に含まれているが、仮想球s1に含まれていない。よって、受信機4aは、ビーコン3aから強い電波を受信することができないが、弱い電波を受信することはできる。そこで、受信機4a,4bに対して第2閾値を設定する。第2閾値は、受信機4a,4bが受信した電波が弱い電波であると判定することができる閾値である。第2閾値は、処理装置1からの制御によって受信機4a,4bごとに遠隔で設定することができる。なお、dB単位で電波の強度を表す場合には、第2閾値は第1閾値よりも大きな値を示すが、本実施形態では、dB単位で表すか否かに関わらず、第2閾値は、強度が小さい(弱い)電波(第2電波)を受信機4が受信するための閾値であり、第1閾値は、強度が大きな(強い)電波を受信機4が受信するための閾値であるとする。つまり、第2閾値は第1閾値よりも小さい。なお、
図3の場合、受信機4bは、建設機械6とは、仮想球s2の半径r2よりも大きく離れており、ビーコン3aから弱い電波も受信できない。仮に、受信機4bがビーコン3aから電波を受信できたとしても、解析部11はノイズとして処理する。
【0031】
受信機4aは、建設機械6の振動に起因する電波(弱い電波)をビーコン3aから受信したため、解析部11は、受信した電波を解析して、建設機械6が稼働中(作業中)であると判定できる。解析部11は、判定結果に基づいて建設機械6の稼働情報を生成し、稼働情報16DBに登録及び更新することができる。ただし、受信機4aが強い電波をビーコン3aから受信したわけではないため、解析部11は、建設機械6の現在の位置を判定することはできない。この場合、解析部11は、建設機械6の位置を、最後に生成した建設機械6の位置情報が示す位置(受信機4aの第1閾値から決定される受信範囲内の位置)とし、建設機械6の位置情報を更新しない。ここで、トンネル作業は、坑口から切羽の向きに進むことが一般的である。このため、
図3に示す位置関係に建設機械6が位置することを処理装置1が認識できていない場合であっても、受信機4bがビーコン3aからの電波(弱い電波)を受信していなければ、最後に生成した建設機械6の位置情報が示す位置よりも切羽側に建設機械6が移動した、と推測できる。このような推測を踏まえると、建設機械6が稼働中(作業中)であるという解析部11の判定は妥当といえる。
【0032】
図3の例を考慮すると、受信機4に対し、第1閾値及び第2閾値を用意し、処理装置1は、第1閾値よりも小さい第2閾値以上第1閾値未満の強度となる弱い電波を受信した受信機4、及び弱い電波を発信したビーコン3aに基づいて、建設機械6の稼働情報を生成することが好ましい。弱い電波を受信可能な受信機4の受信範囲は、強い電波を受信可能な受信範囲よりも大きいため、受信機4が建設機械6から強い電波を受信した後、同じ建設機械6から弱い電波を受信するようになったとき、その建設機械6は、受信機4から遠ざかる方向(作業が進行したため切羽に近づく方向)に移動したと推測できる。受信機4は弱い電波を受信することはできるため、弱い電波を解析して、遠ざかった建設機械6の作業を特定することができ、つまり、建設機械6の稼働情報を生成及び更新することができる。
【0033】
<第1閾値をビーコンごとに設定>
同じ監視対象であっても、監視対象に取り付けられたビーコン3の種類(加速度型、給電型等)、ビーコン3の取り付け位置等の違いによって、ビーコン3の電波飛距離は異なる。このため、同じ監視対象に対して同じ第1閾値を受信機4に設定した場合、ビーコン3から発信される電波のうち強い電波の分布領域がビーコン3ごとに異なることがある。その結果、同じ監視対象であっても、解析部11が生成する位置情報の精度がビーコン3ごとにばらつくおそれが生じる。
図4は、ビーコンごとに受信機の受信範囲を設定する場合の説明図であり、(a)が加速度型のビーコンの場合、(b)が給電型のビーコンの場合である。
図4(a)、
図4(b)に示す建設機械6は同じとする。また、
図4(a)に示す加速度型のビーコン3aの取り付け位置と、
図4(b)に示す給電型のビーコン3bの取り付け位置は同じとする。受信機4a,4bの第1閾値を85dBとした場合、
図4(a)に示すように、ビーコン3aから発信される電波に対して、強い電波(0~85dB)が分布する半径r1の仮想球s1が決まり、
図4(b)に示すように、ビーコン3bから発信される電波に対して、強い電波(0~85dB)が分布する半径r3の仮想球s3が決まる。
【0034】
ここで、すでに説明したように、ビーコン3a,3bの電波飛距離が異なるため、r1≠r3である。説明の便宜上、r1>r3とする。
図4(a)、
図4(b)に示すように、仮想球s1,s3の何れも受信機4aに到達しており、建設機械6が受信機4aの受信範囲に存在している。このため、
図4(a)、
図4(b)の何れの場合であっても、解析部11は、建設機械6の位置情報を生成できる。しかし、
図4(a)に示す建設機械6と受信機4aとの間の距離は、
図4(b)に示す建設機械6と受信機4aとの間の距離よりも大きく、両者間の距離には違いがある。よって、
図4(a)と
図4(b)との間で位置情報の意味に違いが生じており、建設機械6の位置情報の精度にばらつきが生じてしまう。そこで、処理装置1は、ビーコン3aに対して、受信機4a,4bの第1閾値を変更するように設定し、例えば、75dBとする。この設定により、ビーコン3aから発信される電波に対して、強い電波(0~75dB)が分布する半径r4(<r1)の仮想球s4が決まる。このとき、r4=r3である。
図4(a)に示すように、仮想球s1から仮想球s4に変更したとしても仮想球s4が受信機4aに到達していれば、建設機械6が受信機4aの受信範囲に存在している。このため、
図4(a)と
図4(b)との間で、建設機械6と受信機4aとの間の距離が同じになり、位置情報の意味の違いが緩和又は解消され、建設機械6の位置情報の精度ばらつきを緩和又は解消することができる。このように、ビーコン3の種類に応じて、受信機4の第1閾値を適宜変更することが好ましい。
【0035】
なお、
図4(a)、
図4(b)において、第1閾値と同様、受信機4a,4bの第2閾値を変更するように設定してもよい。受信機4a,4bの第2閾値を100dBとした場合、
図4(a)に示すように、ビーコン3aから発信される電波に対して、弱い電波(85(又は75)~100dB)が分布する半径r2の仮想球s2が決まり、
図4(b)に示すように、ビーコン3bから発信される電波に対して、強い電波(85~100dB)が分布する半径r5の仮想球s5が決まる。処理装置1は、ビーコン3a又はビーコン3bに対して、受信機4a,4bの第2閾値を変更するように設定し、半径r2又は半径r5を変更することができる。
【0036】
同様にして、監視対象、及びビーコン3の種類は同じであるが、ビーコン3の取り付け位置が異なるため、ビーコン3の電波飛距離が異なる場合にも、取付位置が異なるビーコン3の一方に対して、受信機4の第1閾値を変更するように設定してもよい。また、ビーコン3の種類、及びビーコン3の取り付け位置は同じであるが、監視対象(特に、同じ種類の建設機械6)が異なるため、ビーコン3の電波飛距離が異なる場合にも、異なる監視対象に取り付けられたビーコン3の一方に対して、受信機4の第1閾値を変更するように設定してもよい。第1閾値の変更の設定は、ビーコン3の電波飛距離が異なる要因が複数種類存在する場合にも適用できる。このように第1閾値を、受信機4による強い電波の受信範囲が同一となるように、ビーコン3ごとに設定可能な値とするとよい。すると、監視対象、監視対象に取り付けられたビーコン3の種類、ビーコン3の取り付け位置等の違いに起因した電波飛距離の違いを緩和又は解消することができる。よって、強い電波を受信した受信機4とその強い電波を発信するビーコン3が取り付けられた監視対象との距離(強い電波の受信範囲)を、機種の違いや取り付け位置の違いによらず同じになるように調整することができ、監視対象の位置情報の精度ばらつきを緩和又は解消することができる。
【0037】
(電源台車を用いた場合)
本実施形態の進捗管理システムにおいて、トンネルの坑内を走行する電源台車に受信機を配置した構成をとることが可能である。
図5は、電源台車に受信機を配置した構成の説明図である。電源台車8は、トンネル坑内の建設機械6に電源を供給する車両である。
図5に示すように、電源台車8に受信機4cを配置し、電源台車8をトンネルの切羽付近に滞在させる。電源台車8は、トンネルの切羽付近で掘削作業等を行っている建設機械6に接近して電源を供給することができる。よって、受信機4cは、トンネルの内壁に配置されている受信機4の何れよりも切羽の近くに配置することができる。つまり、トンネルに配置されているすべての受信機4のうち、トンネルの切羽に最も近い受信機4cが電源台車8に配置されており、残り(受信機4a,4b,・・・)がトンネルの内壁に配置されている、という構成をとることができる。かかる構成によれば、電源台車8に配置されている受信機4cは、トンネルの切羽付近で掘削作業等を行っている建設機械6の近くに配置されるようになり、作業の進捗に関わらず第1閾値による受信機4cの受信範囲内に建設機械6が確実に存在するようになる。よって、建設機械6に取り付けられているビーコン3から強い電波を受信機4cが受信し、建設機械6の位置情報を解析部11が生成することで、建設機械6の位置を確実に捉えることができる。
【0038】
また、建設機械6は、切羽の掘削作業が進行するとより切羽側に移動するが、電源台車は、電源供給のため掘削作業の進行に伴って切羽側に移動することができる。このため、電源台車8に配置されている受信機4は位置変更する切羽に追従することができる。よって、電源台車8に配置されている受信機4cは、作業の進行速度や残りの受信機4a,4b,・・・の配置状況によらず、切羽近傍で作業している建設機械6からの強い電波を確実に受信することができる。その結果、切羽近傍で作業している建設機械6の位置情報の判定精度を向上させることができる。なお、掘削作業が進行したため、電源台車8に配置されている受信機4cが、トンネルの内壁に配置されている受信機4のうち、トンネルの切羽に最も近くに配置されている受信機4aと所定距離(r例:100m)以上に離れた場合には、受信機4aよりも切羽側のトンネルの内壁に新たな受信機4を配置することが好ましい。
【0039】
(トンネルの坑外の監視対象を監視)
本実施形態の進捗管理システムにおいて、施工現場であるトンネルの郊外に受信機を配置した構成をとることが可能である。
図6は、トンネル坑外に位置する建設機械を監視する構成の説明図である。
図6には、トンネルの施工現場の位置、及び施工現場から離れた事務所の位置を示す地図が図示されている。
図6に示すように、施工現場であるトンネルの坑内には、切羽から坑口に向かう方向に多数の受信機4が密に配置されている。このため、トンネルの坑内に配置された受信機4の少なくとも1つは、トンネルの坑内に滞在する建設機械6に取り付けられたビーコン3から強い電波を確実に受信できる。しかし、トンネルの坑外に滞在する建設機械6に取り付けられたビーコン3からの電波を、トンネル坑内に配置された受信機4で受信することができないため、建設機械6を監視できない。
【0040】
このような状況に鑑みて、トンネルの坑外、つまり、屋外の所定場所に受信機4を配置することができる。屋外にいる建設機械6は、通常未使用であり事務所の近くの駐車場に滞在している。よって、例えば、
図6に示すように、事務所に受信機4d(第2受信機)を配置することが好ましい。受信機4dは、1つでもよいし複数でもよいが、本実施形態では1つとする。受信機4dに対しては、第3閾値を設定する。第3閾値は、受信機4dが受信した電波(第2電波)が、事務所近くの建設機械6に取り付けられたビーコン3から発信された電波であると判定することができる閾値である。第3閾値は、処理装置1からの制御によって遠隔で設定することができる。
【0041】
処理装置1は、ビーコン3から第3閾値以上の強度の電波を受信した受信機4d、及びその電波を発信したビーコン3に基づいて、建設機械6の位置情報を生成することができる。つまり、屋外に配置されている受信機4dが所定の強度以上の電波を受信した場合、その受信機4dの受信範囲内に建設機械6が存在することになる。このため、解析部11は、事務所の近くの駐車場に滞在した建設機械6のおおよその位置情報や、トンネルの坑内から坑外(事務所近く)に移動した建設機械6のおおよその位置情報を生成することができる。よって、ビーコン3などを用いた無線通信のシステムを用いて屋外にいる建設機械6を管理することができる。なお、第3閾値は、第1閾値や第2閾値よりも大きくてもよいし小さくてもよい。例えば、第3閾値が第2閾値と同程度である場合、受信機4dはビーコン3から強い電波を受信できるとは限らないが、少なくとも弱い電波を受信できる。このため、解析部11は、受信機4dを中心にしたある程度大きな半径の二点鎖線円61に囲まれた領域内のおおよその位置に、ビーコン3が取り付けられた建設機械6が存在すると判定できる。また、建設機械6が屋外にいることをシステム上で監視できれば十分であり、正確な位置情報まで求める必要はないとする場合、第3閾値は、第2閾値よりも小さくてもよい。この場合、解析部11は、受信機4dを中心にした、二点鎖線円61よりも大きな半径の円に囲まれた領域内のおおよその位置に、ビーコン3が取り付けられた建設機械6が存在すると判定できる。
【0042】
(作業進捗の可視化)
処理装置1の表示制御部12は、解析部11が生成した、監視対象の位置情報及び稼働情報に基づいて、トンネル坑内における作業の進捗を表示装置2に表示させることができる。これにより、監視対象の作業進捗を容易に確認することができ、作業進捗管理を効率良く行うことができる。
図7は、進捗タイムチャートの画面例である。トンネルの坑内で行われる切羽作業は、順番が決められた複数種類の作業工程から構成されるサイクルが繰り返し行われて進行する。作業工程は、例えば、削孔、ずり出し、支保工・吹付があり、この順番で実行されると1サイクルが完了する。なお、作業工程の分類は上記に限らず、適宜設計可能である。例えば、1サイクルの完了に要する時間か7.7時間であり、1日の稼働時間が21.5時間であるとした場合、1日でおよそ2.79サイクル完了することができる。また、1サイクルで切羽が1m進行する場合、切羽は1日でおよそ2.79m進行する。
図7の進捗タイムチャートは、切羽作業に参加した建設機械の稼働状態を日単位で可視化するものである。
【0043】
図7の進捗タイムチャートは、「表示名称」欄、「合計稼働時間」欄、「順序」欄、及び、タイムチャート欄から構成されている。「表示名称」欄には、特定の作業日(例えば、昨日(2022年8月31日))に使用された建設機械の名称の一覧が記載されている。ここで、「表示名称」欄中の一覧は、作業に参加した建設機械ごとでなく、当該建設機械に取り付けられたビーコンごとに記載されている。例えば、建設機械としての吹付機に関しては、「表示名称」欄には、「吹付機」、「吹付機Con配管(加)」、「吹付機Conポンプ(加)」、及び「吹付機ドライヤ(加)」が記載されている。「吹付機」は、吹付機に取り付けられた給電型のビーコンを示す。「吹付機Con配管(加)」は、吹付機の部品となるコンクリート配管に取り付けられた加速度型のビーコンを示す。「吹付機Conポンプ(加)」は、吹付機の部品となるコンクリートポンプに取り付けられた加速度型のビーコンを示す。「吹付機ドライヤ(加)」は、吹付機の部品となるドライヤに取り付けられた加速度型のビーコンを示す。「(加)」は、加速度型のビーコンを表しており、「(加)」なしは、給電型のビーコンを表している。
「合計稼働時間」欄には、特定の作業日における対応の建設機械の合計稼働時間が記載されている。より詳細には、対応の建設機械又はその部品に取り付けられていたビーコンが給電や振動検出により作動して電波を発信していた合計作動時間が記載されている。「順序」欄には、特定の作業日で進行したサイクルで作業を行った建設機械の作業順の番号が記載されている。タイムチャート欄には、特定の作業日における対応の建設機械の稼働時間帯が図示されている。より詳細には、対応の建設機械又はその部品に取り付けられていたビーコンが給電や振動検出により作動して電波を発信していた作動時間帯が図示されている。稼働時間帯(作動時間帯)は、解析部11が生成した稼働情報から得られる。稼働時間帯(作動時間帯)は、作業工程別に色分けして(
図7では、図示の便宜上、ハッチングの種類別に)図示することができる。なお、タイムチャート欄の最上段は、特定の作業日で進行したサイクルにおいて実行された作業工程の実行時間帯を、作業工程の名称とともに示す。
図7の進捗タイムチャートの左下には、現在実行中の作業工程(支保工・吹付)と、当該作業工程の開始時間((2022年9月1日)00:00:00)と、当該作業工程の経過時間(16分55秒)を示すことができる。
【0044】
解析部11は、建設機械の稼働情報を生成する際、ビーコンからの電波の発信期間(ビーコンの作動時間)、つまり受信機4による電波の受信期間に基づいて、建設機械の作業内容の作業時間を特定することができる。また、
図7に示すように、表示装置2が建設機械ごとの稼働情報を表示することで、現場の作業状況を可視化することができる。表示される稼働情報は、建設機械等の電源のON/OFFだけではなく、建設機械等が発生する振動に対応した、建設機械等に固有の作業内容を示したものである。このため、表示装置2は、建設機械等が行う作業内容の詳細を表示することができる。また、作業内容の各々の開始時刻、終了時刻、作業時間を表示することもできる。したがって、建設工事の作業の進捗を管理することができ、建設工事の作業効率を向上させることができる。また、発信機にビーコンなどの簡易かつ安価な装置を用いることで、建設工事の作業の進捗を管理するためのシステムの導入コストを低減させることができる。また、建設計画の表示と照らし合わせることで、建設計画との差分を明示したり、遅れている作業、作業員によって苦手な作業や得意な作業を顕在化させたりことができる。
【0045】
図7の破線楕円内には、支保工・吹付を実行する吹付機の稼働時間帯が示されている。特に、破線楕円内のバンド71は、吹付機に取り付けられた給電型のビーコンの作動時間帯であり、例えば、吹付機に対して400Vの電源が供給されていた時間帯を示す。破線楕円内のバンド72,73は、吹付機の部品となるコンクリートポンプに取り付けられた加速度型のビーコンの作動時間帯である。バンド71の左端は、給電型のビーコンの作動開始時刻であり、吹付機への給電開始時刻を示す。バンド72の左端は、加速度型のビーコンの作動開始時刻であり、コンクリートポンプによる吹付作業の開始時刻を示す。バンド71,72を照合すると、吹付機が吹付作業を開始する場合、吹付機の電源をオンにした後、コンクリートポンプを稼働させたことがわかる。従来では、遠隔で監視困難なトンネルの坑内における吹付作業の開始時刻を、吹付機への給電開始時刻(バンド71の左端相当)としていた。しかし、実際の吹付作業の開始時刻は、コンクリートポンプによる吹付作業の開始時刻であり、本実施形態ではバンド72の左端として明示することができる。つまり、本実施形態の進捗管理システムは、実際の吹付作業の開始時刻を可視化することができる。
【0046】
また、バンド71の右端は、給電型のビーコンの作動終了時刻であり、吹付機への給電終了時刻を示す。バンド73の右端は、加速度型のビーコンの作動終了時刻であり、コンクリートポンプによる吹付作業の終了時刻を示す。バンド71,73を照合すると、吹付機が吹付作業を終了する場合、コンクリートポンプを停止した後、吹付機の電源をオフにしたことがわかる。従来では、遠隔で監視困難なトンネルの坑内における吹付作業の終了時刻を、吹付機への給電終了時刻(バンド71の右端相当)としていた。しかし、実際の吹付作業の終了時刻は、コンクリートポンプによる吹付作業の終了時刻であり、本実施形態ではバンド73の右端として明示することができる。つまり、本実施形態の進捗管理システムは、実際の吹付作業の終了時刻を可視化することができる。
【0047】
また、バンド72の右端からバンド73の左端までの時間は、コンクリートポンプによる吹付作業が行われていない時間である。バンド71,72,73を照合すると、吹付作業が行われていなくても吹付機の給電が継続中であることがわかる。従来では、遠隔で監視困難なトンネルの坑内における吹付作業は、給電が継続中であれば吹付作業が行われていると判定していた。一方、本実施形態では、吹付作業の途中の終了時刻をバンド72の右端として明示することができ、また、吹付作業の再開時刻をバンド73の左端として明示することができる。つまり、本実施形態の進捗管理システムは、実際には吹付作業が行われていない時間を可視化することができる。
【0048】
上記説明によれば、加速度型のビーコンからの電波に基づいて、建設機械が稼働して行っていた作業の作業時間、作業開始時刻、作業終了時刻がわかるとともに、給電型のビーコンからの電波に基づいて、建設機械が作業を行うために監視対象の電源がONになっているときの給電時間、給電開始時刻、給電終了時刻がわかる。作業時間、作業開始時刻、作業終了時刻と給電時間、給電開始時刻、給電終了時刻を照らし合わせることで、電源をONにしてから作業を開始するまでの準備期間(例えば、バンド71の左端とバンド72の左端との差分)、作業を終了してから電源をOFFにするまでの後片付け期間(例えば、バンド71の右端とバンド73の右端との差分)、何らかの理由で電源はONのままにして作業を中断した中断期間(例えば、バンド72の右端とバンド73の左端との差分)などを顕在化させることができる。よって、建設機械が実際に作業を行っていた時間を実作業時間として可視化し、作業を行っていない準備期間、後片付け期間、中断時間などを非実作業時間として可視化することで、作業進捗管理を向上させることができる。
【0049】
(作業内容の再生表示)
図1に示すカメラ5は、監視対象を撮影し、撮影したときの画像データを処理装置1に送信する。表示装置2は、処理装置1の表示制御部12の制御に従い、カメラ5が撮影した画像に基づいて、監視対象の作業内容を再生表示することができる。これにより、作業内容の詳細及び作業時間を含む稼働情報が表示された作業の実際の様子を動画で可視化することができる。よって、動画を活用することで作業進捗管理を向上させることができる。また、表示装置2は、再生する作業内容の画像を、
図7の進捗タイムチャートとともに表示できる。また、表示装置2のオペレータが特定の日時を指定した場合、表示装置2は、
図7の進捗タイムチャート上に指定した日時を(例えば、縦線で)示すとともに、指定した日時での作業内容を画面表示できる。また、表示装置2は、指定した日時から進めた再生表示をすることもできる。
【0050】
(入坑管理)
監視対象が作業員7である場合、トンネルの坑口に配置されている受信機4は、作業員7のヘルメットに取り付けられているビーコン3cから電波を受信できる。具体的には、加速度型のビーコン3は、作業員7の移動に起因する振動を検出すると電波を発信する。受信機4は、ビーコン3から強い電波を受信できる位置に配置されている。このため、解析部11は作業員7の位置情報を生成でき、作業員7のトンネルへの入坑を判定できる。また、表示装置2は、表示制御部12の制御に従い、作業員7ごとの入坑状況を表示できる。
【0051】
図8は、入坑管理の画面例である。
図8の画面には、業者ラベル81と、作業員ラベル82が表示されている。業者ラベル81は、トンネルの建設工事に携わる業者の名称を示す。作業員ラベル82は、作業員7の氏名を示す。各作業員7の作業員ラベル82は、当該作業員7が所属する業者の業者ラベル81に右側に配置されている。解析部11が入坑したと判定した作業員7については、表示装置2は、対応の作業員ラベル82を色付き(
図8では網掛け)で表示する。一方、解析部11が入坑していないと判定した作業員7については、表示装置2は、対応の作業員ラベル82を色無しで表示する。よって、トンネル工事を行う作業員7が入坑したか否かを可視化することができ、トンネル工事の作業進捗管理を向上させることができる。
【0052】
[処理]
本実施形態の進捗管理システムによる進捗管理処理について説明する。
図9は、進捗管理処理のフローチャートである。
図9のフローチャートは、処理装置1の解析部11が受信機4からデータを受信した場合に開始する。まず、解析部11は、受信したデータを送信した受信機4を特定する(ステップA1)。受信機4の特定は、受信したデータに含まれる受信機4のIDを取得し、受信機DB14を参照することで可能となる。次に、解析部11は、特定した受信機4がビーコン3から受信した電波を解析する(ステップA2)。なお、受信したデータには、電波に関する情報が含まれている。次に、解析部11は、特定した受信機4に対して電波を発信したビーコン3を特定する(ステップA3)。ビーコン3の特定は、電波に含まれるビーコン3のIDを取得し、発信機DB13を参照することで可能となる。なお、解析部11は、ビーコン3を特定すれば、発信機DB13等を参照して、当該ビーコン3が取り付けられていた監視対象を特定できる。
【0053】
次に、解析部11は、特定した受信機4がトンネルの坑内の受信機であるか否かを判定する(ステップA4)。トンネルの坑内の受信機である場合(ステップA4でYes)、解析部11は、特定したビーコン3から受信した電波の強度が第1閾値以上であるか否かを判定する(ステップA5)。第1閾値以上である場合(ステップA5でYes)、解析部11は、位置情報DB15及び稼働情報16DBを参照して、特定した監視対象の位置情報及び稼働情報を、生成又は更新する(ステップA6)。次に、表示制御部12は、進捗タイムチャートの表示処理を実行する(ステップA7)。具体的には、表示制御部12は、生成又は更新された位置情報及び稼働情報に基づいて、進捗タイムチャート(
図7参照)を表示装置2に表示させる。その後、進捗管理処理が終了する。
【0054】
一方、特定したビーコン3から受信した電波の強度が第1閾値以上でない場合(ステップA5でNo)、解析部11は、特定したビーコン3から受信した電波の強度が第2閾値以上であるか否かを判定する(ステップA8)。第2閾値以上である場合(ステップA8でYes)、解析部11は、稼働情報16DBを参照して、特定した監視対象の稼働情報を、生成又は更新する(ステップA9)。その後、表示制御部12が進捗タイムチャートの表示処理を実行し(ステップA7)、進捗管理処理が終了する。一方、第2閾値以上でない場合(ステップA8でNo)、解析部11は、特定した受信機4が受信した電波がノイズであったと判定し、進捗管理処理が終了する。
【0055】
また、特定した受信機4がトンネルの坑内の受信機でない場合(ステップA4でYes)、解析部11は、特定したビーコン3から受信した電波の強度が第3閾値以上であるか否かを判定する(ステップA10)。第3閾値以上である場合(ステップA10でYes)、解析部11は、位置情報DB15及び稼働情報16DBを参照して、特定した監視対象の位置情報及び稼働情報を、生成又は更新する(ステップA6)。その後、表示制御部12が進捗タイムチャートの表示処理を実行し(ステップA7)、進捗管理処理が終了する。なお、ステップA10でYes→ステップA6→ステップA7の処理の場合、特定した監視対象が、例えば、トンネルの施工現場から離れた事務所の駐車場に滞在する建設機械6となるので、当該建設機械6の存在を確認できればよいという考えであれば、正確な位置情報及び稼働情報を生成又は更新は必要でなく、本処理を省略してもよい。一方、第3閾値以上でない場合(ステップA10でNo)、解析部11は、特定した受信機4が受信した電波がノイズであったと判定し、進捗管理処理が終了する。
【0056】
[その他]
(a):特段の事情がない限り、本実施形態において監視対象としての建設機械6に関して説明した事項は、監視対象としての作業員7にも当てはまる。また、監視対象としての作業員7に関して説明した事項は、監視対象としての建設機械6にも当てはまる。
(b):建設機械6の複数個所に加速度型のビーコン3aを取り付け、振動を検出したビーコン3aの各々から受信機4が電波を受信し、各振動に起因する作業内容を個別に特定してもよい。例えば、吹付機の部品であるコンクリート配管、コンクリートポンプ、及びドライヤの各々に加速度型のビーコンを取り付け、これらの部品の振動に起因する電波を受信機4が受信し、解析部11は、コンクリート配管、コンクリートポンプ、及びドライヤの各々を用いた作業内容を判定することができる。また、建設機械6が複数種類の稼働をする場合、当該部品に取り付けた加速度型のビーコンが複数種類の振動を検出し、振動に起因する電波を解析部11が解析することで建設機械6の稼働情報を判定することができる。例えば、ダンプトラックが走行中であるときと、アイドリング中のときとで振動が異なるので、解析部11は、ダンプトラックに取り付けられた加速度型のビーコン3aからの電波を解析することで、走行中又はアイドリング中という稼働情報を生成することができる。また、同じ作業内容に複数の加速度型のビーコン3aを用いる態様をとることができる。例えば、発破作業に関しては、トンネルの坑内の建設機械6や備品に複数の加速度型のビーコン3aを取り付ける。発破時の振動を同時に検知した場合、解析部11は、ビーコン3aからの電波を解析して、発破があったと認識できる。
(c):ビーコンによる作業進捗管理の応用例として、例えば、資機材のマッピング、監視対象の水位検知(水没検知)、電気機械稼働管理、ドア開閉管理(建設機械のドア、トイレのドア等も対象)、着座管理(建設機械の座席、待機スペースの椅子等も対象)、資材残量管理(パレットのセメント袋等も対象)があげられる。
(d):本実施形態による進捗タイムチャートによる作業進捗の可視化は、トンネル工事以外の建設工事にも適用できる。
(e):解析部11は、稼働情報の生成の際、建設機械6の稼働時間を取得することができるので、稼働時間及び建設機械6の燃費(既知)に基づいて、建設機械6のCO2排出量を計算することができる。
【0057】
(f):本実施形態で説明した種々の技術を適宜組み合わせた技術を実現することもできる。
(g):本実施形態で説明したソフトウェアをハードウェアとして実現することもでき、ハードウェアをソフトウェアとして実現することもできる。
(h):その他、本発明の構成要素について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 処理装置
2 表示装置
3 ビーコン(発信機)
3a ビーコン(第1発信機)
3b ビーコン(第2発信機)
3c ビーコン(第1発信機)
4 受信機
4a,4b,4c 受信機(第1受信機)
4d 受信機(第2受信機)
5 カメラ(撮影装置)
6 建設機械(監視対象)
7 作業員(監視対象)
8 電源台車
11 解析部
12 表示制御部
13 発信機DB
14 受信機DB
15 位置情報DB
16 稼働情報DB