(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040668
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】エレベータの安全装置
(51)【国際特許分類】
B66B 13/26 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
B66B13/26 H
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145155
(22)【出願日】2022-09-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】高橋 真太郎
【テーマコード(参考)】
3F307
【Fターム(参考)】
3F307DA13
(57)【要約】
【課題】投光受光ユニットの誤検知を低減したエレベータの安全装置を提供する。
【解決手段】本発明は、エレベータの乗降口を開閉するドアパネルと、該ドアパネルに備えられ、前記ドアパネルの閉動作中において前記乗降口に存在する検知対象物を検知するための投光受光ユニットと、を備え、前記投光受光ユニットは、光ビームを出射する投光器及び該投光器から出射された光ビームを受光する受光器を有し、前記投光器及び前記受光器の少なくとも一方が前記ドアパネル上部に設けられ、前記ドアパネルは、前記ドアパネル上部の前記投光器及び前記受光器の少なくとも一方が設けられた高さ位置よりも高い第1位置と、前記ドアパネル上部の前記投光器及び前記受光器の少なくとも一方が設けられた高さ位置よりも低い第2位置と、に跨るように延びる少なくとも1つの第1補強部材を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗降口を開閉するドアパネルと、
前記ドアパネルに備えられ、前記ドアパネルの閉動作中において前記乗降口に存在する検知対象物を検知するための投光受光ユニットと、を備え、
前記投光受光ユニットは、光ビームを出射する投光器及び該投光器から出射された光ビームを受光する受光器を有し、前記投光器及び前記受光器の少なくとも一方が前記ドアパネル上部に設けられ、
前記ドアパネルは、前記ドアパネル上部の前記投光器及び前記受光器の少なくとも一方が設けられた高さ位置よりも高い第1位置と、前記ドアパネル上部の前記投光器及び前記受光器の少なくとも一方が設けられた高さ位置よりも低い第2位置と、に跨るように延びる少なくとも1つの第1補強部材を備える、エレベータの安全装置。
【請求項2】
前記ドアパネルは、該ドアパネルの幅方向に延びる上枠部材と、前記上枠部材の下方において前記ドアパネルの幅方向に延びる少なくとも1つの第2補強部材と、を備え、
前記第1補強部材の上部は、前記上枠部材に接続され、
前記第1補強部材の下部は、前記第2補強部材に接続されている、請求項1に記載のエレベータの安全装置。
【請求項3】
前記ドアパネルは、該ドアパネルの幅方向に延び、且つ、上下方向に離間して配置された一対の第2補強部材を備え、
前記第1補強部材の上部は、前記一対の第2補強部材のうち上方に位置する第2補強部材に接続され、
前記第1補強部材の下部は、前記一対の第2補強部材のうち下方に位置する第2補強部材に接続されている、請求項1に記載のエレベータの安全装置。
【請求項4】
前記下方に位置する第2補強部材からさらに下方に延びる第3補強部材を備える、請求項3に記載のエレベータの安全装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータにおいて、ドアがペットのリードや輸血管を挟んだ状態でかごが昇降することが無いように、乗降口において紐を検出する安全装置が知られている(特許文献1)。安全装置は、かごドアの戸当り側端部上部から下方に向かってビームを照射する投光受光ユニットと、敷居付近に設けられた反射部材と、を備える。投光受光ユニットから照射されたビームは、反射部材によって反射し、投光受光ユニットで受光される。この安全装置は、かごドアが閉じる際に、かごドアが紐等を挟み込んでビームが遮光されると、かごドアを反転戸開させて、かごが昇降しないように制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のように、安全装置は投光受光ユニットより照射されたビームを反射部材によって反射し、投光受光ユニットによって受光しているが、ビームの光軸が通常の位置からずれると反射光が適切に投光受光ユニットに戻らず、誤検知が生じるおそれがある。例えば、エレベータでは、乗場と外部とがつながっているロビー階などで発生するドラフト圧(煙突効果などによる隙間風)によって、かごドアが撓むと、この撓みによって、投光受光ユニットより照射されるビームの光軸が通常の位置からずれて、安全装置が誤検知を起こすおそれがあった。
【0005】
本発明は、投光受光ユニットの誤検知を低減したエレベータの安全装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエレベータの安全装置は、
エレベータの乗降口を開閉するドアパネルと、
前記ドアパネルに備えられ、前記ドアパネルの閉動作中において前記乗降口に存在する検知対象物を検知するための投光受光ユニットと、を備え、
前記投光受光ユニットは、光ビームを出射する投光器及び該投光器から出射された光ビームを受光する受光器を有し、前記投光器及び前記受光器の少なくとも一方が前記ドアパネル上部に設けられ、
前記ドアパネルは、前記ドアパネル上部の前記投光器及び前記受光器の少なくとも一方が設けられた高さ位置よりも高い第1位置と、前記ドアパネル上部の前記投光器及び前記受光器の少なくとも一方が設けられた高さ位置よりも低い第2位置と、に跨るように延びる少なくとも1つの第1補強部材を備える。
【0007】
かかる構成によれば、投光器や受光器が備えられるドアパネルが、第1補強部材により補強されているため、例えば、ドラフト圧が生じてもドアパネルが撓みにくく、検知対象物の誤検知が生じにくい。
【0008】
前記安全装置では、
前記ドアパネルは、該ドアパネルの幅方向に延びる上枠部材と、前記上枠部材の下方において前記ドアパネルの幅方向に延びる少なくとも1つの第2補強部材と、を備え、
前記第1補強部材の上部は、前記上枠部材に接続され、
前記第1補強部材の下部は、前記第2補強部材に接続されていてもよい。
【0009】
かかる構成によれば、上部及び下部が上枠部材や第1補強部材に固定された第2補強部材と、第1補強部材とにより、ドアパネルの撓みがさらに抑えられる。
【0010】
前記安全装置では、
前記ドアパネルは、該ドアパネルの幅方向に延び、且つ、上下方向に離間して配置された一対の第2補強部材を備え、
前記第1補強部材の上部は、前記一対の第2補強部材のうち上方に位置する第2補強部材に接続され、
前記第1補強部材の下部は、前記一対の第2補強部材のうち下方に位置する第2補強部材に接続されていてもよい。
【0011】
かかる構成によれば、第1補強部材及び一対の第2補強部材により、ドアパネルの撓みがさらに抑えられる。
【0012】
前記安全装置では、
前記ドアパネルが、前記下方に位置する第2補強部材からさらに下方に延びる第3補強部材を備えてもよい。
【0013】
かかる構成によれば、第1補強部材に加えて第3補強部材によりドアパネルの上下方向における撓みが抑えられる。
【発明の効果】
【0014】
以上より、本発明によれば、投光受光ユニットの誤検知を低減したエレベータの安全装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る安全装置を備えたエレベータの正面図である。
【
図2】
図2は、別の実施形態に係る安全装置を備えたエレベータの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係るエレベータの安全装置(以下、安全装置という)ついて、
図1を参照しつつ説明する。安全装置1は、建物内を複数の階層に跨って上下方向に延びる昇降路と、該昇降路内を昇降するかごと、を備えるエレベータ10において、かごに取り付けられている。
【0017】
かごは、シル(敷居)13を有するかご本体14と、ドア装置15とを備える。ドア装置15は、乗降口11の上方において該乗降口11の幅方向(
図1における左右方向:ドアの開閉方向)に延びるガイドレール16と、かごの乗降口11を開閉するかごドアパネル17と、かごドアパネル17を吊り下げた状態でガイドレール16に沿って往復動可能なドアハンガー18と、を備える。
【0018】
安全装置1は、かごの乗降口11を開閉するかごドアパネル17と、ドアパネル17に備えられ、ドアパネル17の閉動作中において乗降口11に存在する検知対象物を検知するための投光受光ユニット2と、を備える。
【0019】
かごドアパネル17は、エレベータ10の乗降口11を開閉するべく接離可能に設けられた左右一対の板状のドアパネル本体17a、17bを有する、いわゆるセンターオープンタイプのドアである。なお、ドアパネル17には一般にセーフティシューと称される上下方向に沿って長い長尺状の部材がリンク機構とともに備えられるが、安全装置1はこのようなセーフティシューと併用されうるものである。なお、本実施形態では、ドアパネル17の幅方向とは、ドアパネル本体17aが広がる方向のうち上下方向と直交する方向である。また、ドアパネル17の幅方向は、例えば、ドアパネル17が乗降口11を開閉する方向である。
【0020】
ドアパネル17は、投光受光ユニット2と、少なくとも1つの第1補強部材3と、を備える。本実施形態では、ドアパネル17は、ドアパネル17の幅方向に延びる上枠部材4と、上枠部材4の下方においてドアパネル17の幅方向に延びる少なくとも1つの第2補強部材5と、を備える。また、ドアパネル17は、下方に位置する第2補強部材52からさらに下方に延びる第3補強部材6を備える。さらに、ドアパネル17は、ドアパネル本体17aの下端部に設けられ、ドアパネル17の幅方向に延びる下枠部材7と、ドアパネル本体17aの幅方向における両端部170に設けられ、上下方向に延びる両端枠部材8と、を備える。
【0021】
投光受光ユニット2は、光ビームを出射する投光器20及び投光器20から出射された光ビームを受光する受光器21を有する。本実施形態では、投光受光ユニット2は、投光器から出射された光ビームを反射する反射部22を有する。
【0022】
投光器20は、例えば、赤色半導体レーザ等の光ビームを出射する機器である。反射部22は、例えば、投光器20から出射された光ビームを反射する反射板である。受光器21は、反射部22より反射した光ビームを検知する機器である。また、受光器21は、光ビームの検知量が所定の閾値を下回ったときに検知対象物としての異物を検知したことを示す異物検知信号を出力するように構成される。
【0023】
本実施形態では、投光器20及び受光器21は、両者を一体として備えた検知ユニットを構成している。なお、投光器20と受光器21とは、別体であってもよい。また、投光器20と受光器21とが別体である場合、投光器20と受光器21とを異なる位置に配置してもよい。
【0024】
投光受光ユニット2における投光器20及び受光器21の少なくとも一方は、ドアパネル17上部に設けられている。本実施形態では、投光器20及び受光器21(検知ユニット)が、乗場に着床したかごと昇降路壁面との間であって、且つ乗降口11の上端より上方に位置するよう、ドアパネル17上部に設けられている。具体的に、投光器20及び受光器21は、ドアパネル本体17aの上部172の戸当たり側(
図1における左側)に設けられている。
【0025】
反射部22は、乗場に着床したかごと昇降路壁面との間であって、且つ乗降口11の下端より下方に位置するよう、投光器20及び受光器21(検知ユニット)の設置されたドアパネル本体17aの下部175の戸当たり側に設置される。
【0026】
上枠部材4、下枠部材7、及び、両端枠部材8は、ドアパネル本体17aの周縁部を補強する補強部材である。上枠部材4は、ドアパネル本体17aを構成する板状の部材の上端部を、かごの奥行き方向の手前側に折り曲げた後、折り曲げた部分の先端部を下側に折り曲げることにより形成されている。また、上枠部材4は、ドアパネル本体17aの裏面の上端部171に設けられている。下枠部材7は、ドアパネル本体17aを構成する板状の部材の下端部を、かごの奥行き方向の手前側に折り曲げた後、折り曲げた部分の先端部を上側に折り曲げることにより形成されている。両端枠部材8は、ドアパネル本体17aを構成する板状の部材の両端部を、かごの奥行き方向の手前側に折り曲げた後、折り曲げた部分の先端部をドアパネル17の幅方向における内側に折り曲げることにより形成されている。
【0027】
第1補強部材3は、ドアパネル本体17aの上部172の上下方向における撓みを抑える補強部材である。また、第1補強部材3は、ドアパネル17上部の投光器20及び受光器21の少なくとも一方が設けられた高さ位置よりも高い第1位置と、ドアパネル17上部の投光器20及び受光器21の少なくとも一方が設けられた高さ位置よりも低い第2位置と、に跨るように延びる。本実施形態では、第1補強部材3は、ドアパネル17上部の投光器20及び受光器21の両方が設けられた高さ位置よりも高い第1位置と、ドアパネル17上部の投光器20及び受光器21の両方が設けられた高さ位置よりも低い第2位置と、に跨るように延びる。具体的に、第1補強部材3は、ドアパネル17の上端部171から、投光器20及び受光器21の両方の高さ位置よりも下方の位置まで延びている。なお、本実施形態では、第1補強部材3は、ドアパネル17上部におけるドアパネル17の幅方向における両端部170を除いた領域に設けられている。
【0028】
この第1補強部材3は、例えば、直線状に延びている。また、第1補強部材3は、上下方向に延びているが、上下方向に沿った斜め方向に延びていてもよい。本実施形態では、第1補強部材3は、断面コの字状の長尺部材であるが、断面L字状の長尺部材等他の形状であってもよい。
【0029】
本実施形態では、第1補強部材3は、ドアパネル17の幅方向における中央Cよりも投光受光ユニット2側(
図1におけるドアパネル本体17aの中央Cよりも左側)に配置されている。また、第1補強部材3は、ドアパネル本体17aに、ドアパネル17の幅方向に互いに間隔を空けて3つ配置されている。各第1補強部材3は、互いに等間隔をあけて配置されている。また、各第1補強部材3は、互いに平行に延びている。各第1補強部材3の形状及びサイズは同じである。
【0030】
なお、第1補強部材3は、1つ配置されていてもよいし、2つ乃至4つ以上の複数、配置されていてもよい。本実施形態では、3つの第1補強部材3の全てが、ドアパネル17の幅方向における中央Cよりも投光受光ユニット2側(
図1におけるドアパネル本体17aの中央よりも左側)に配置されているが、複数の第1補強部材3の少なくとも一つが、ドアパネル17の幅方向における中央Cよりも投光受光ユニット2側(
図1におけるドアパネル本体17aの中央Cよりも左側)に配置されていればよい。
【0031】
第2補強部材5は、ドアパネル17の上部172のドアパネル17の幅方向における撓みを抑える補強部材である。本実施形態では、第2補強部材5は、ドアパネル17の幅方向における中央Cを跨ぐように幅方向に延びている。具体的に、第2補強部材5は、一方の両端枠部材8から他方の両端枠部材8まで延びている。また、第2補強部材5は、例えば、直線状に延びている。なお、本実施形態では、第2補強部材5は、ドアパネル本体17aの裏面の上部172の上端部171を除いた領域に設けられている。
【0032】
本実施形態では、第2補強部材5は、断面コの字状の長尺部材であるが、断面L字状の長尺部材等他の形状であってもよい。本実施形態では、第2補強部材5は、上下方向に離間して一対設けられている。各第2補強部材5は、互いに平行に延びている。各第2補強部材5の形状及びサイズは同じである。
【0033】
第3補強部材6は、ドアパネル本体17aの上部172よりも下側の部位の上下方向における撓みを抑える補強部材である。また、第3補強部材6は、例えば、直線状に延びている。なお、本実施形態では、第3補強部材6は、ドアパネル本体17aの裏面の上部172の上端部171を除いた領域に設けられている。
【0034】
本実施形態では、第3補強部材6は、断面コの字状の部分を含む長尺部材であるが、断面L字状の長尺部材等他の形状であってもよい。第3補強部材6は、ドアパネル本体17aに1つ配置されている。
【0035】
本実施形態では、第3補強部材6は、ドアパネル17の幅方向における中央Cよりも投光受光ユニット2側(
図1におけるドアパネル本体17aの中央よりも左側)に配置されている。また、第3補強部材6は、第1補強部材3と連続して上下方向に延びている。第3補強部材6の幅方向における寸法は、ドアパネル17の上部172に配置された複数の第1補強部材3よりも外側の領域まで延びている。なお、第3補強部材6は、第1補強部材3と連続していなくてもよく、例えば、第3補強部材6は、第1補強部材3の下部31と幅方向にずれた位置から下方に延びていてもよい。
【0036】
この安全装置1では、第1補強部材3の上部30は、上枠部材4に接続されている。具体的に、第1補強部材3の上部30のうち上端部32は、上枠部材4に接続されている。また、第1補強部材3の上部30のうち上端部32より下方に位置する部位33は、一対の第2補強部材51、52のうち上方に位置する第2補強部材51に接続されている。より具体的に、第1補強部材3の上部30のうち下方に位置する部位33は、第2補強部材51の戸当たり側の端部に接続されている。
【0037】
さらに、第1補強部材3の下部31は、一対の第2補強部材51、52のうち下方に位置する第2補強部材52に接続されている。具体的に、第1補強部材3の下端部34は、第3補強部材6の上端部60に接続されている。第1補強部材3の下部31のうち下端部34より上方に位置する部位35は、第2補強部材52の戸当たり側の端部に接続されている。
【0038】
以上の安全装置1によれば、投光器20や受光器21が設けられるドアパネル本体17aが、上下方向に延びる第1補強部材3により補強されているため、例えば、ドアパネル17に対するドラフト圧が生じてもドアパネル本体17aが撓みにくく、ドアパネル本体17aの撓みによる投光器20や受光器21の位置ずれが生じにくいため、検知対象物の誤検知が生じにくい。
【0039】
本実施形態の安全装置1によれば、上枠部材4や第1補強部材3に固定された第2補強部材5と、第1補強部材3とにより、ドアパネル本体17aの撓みがさらに抑えられる。
【0040】
また、本実施形態の安全装置1によれば、第1補強部材3及び一対の第2補強部材51、52により、ドアパネル本体17aの撓みがさらに抑えられる。
【0041】
さらに、本実施形態の安全装置1によれば、第1補強部材3に加えて、第1補強部材3から下方に延びる第3補強部材6により、ドアパネル本体17aの上下方向における撓みが抑えられる。
【0042】
この安全装置1では、ドアパネル17の幅方向における中央Cよりも戸当たり側(
図1における左側)で、第1補強部材3が一対の第2補強部材51、52の各々に接続されている。これにより、ドアパネル本体17aにおける投光器20や受光器21に近い部分が、第1補強部材3により補強されているため、この部分の撓みを確実に抑えることができる。
【0043】
なお、本発明の安全装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0044】
例えば、ドアパネル17は、第1補強部材3を備えていればよく、第2補強部材5及び第3補強部材6の少なくても一方を備えてなくてもよい。具体的に、
図2に示すようにドアパネル17は、第3補強部材6を備えなくてもよい。このようなドアパネル17を備える安全装置1であれば、上部172を除く部位に窓176が形成されたドアパネル本体17aに対しても取り付け可能である。
【0045】
上記実施形態では、投光器20及び受光器21が、ドアパネル本体17aの上部172の戸当たり側に設けられていたが、投光器20及び受光器21のうち一方のみが、ドアパネル本体17aの上部172の戸当たり側に設けられていてもよい。また、投光受光ユニット2は、投光器20及び受光器21を有していればよく、反射部22を有していなくてもよい。例えば、投光受光ユニット2が、反射部22を有していない場合、投光器20のみがドアパネル本体17aの上部172の戸当たり側に設けられ、受光器21がドアパネル本体17aの下部175の戸当たり側に設けられていてもよい。
【0046】
第1補強部材3は、直線状に延びていたが、曲がって延びていてもよく、湾曲して延びていてもよい。また、第1補強部材3は、複数設けられる場合、各第1補強部材3は、互いに異なる方向に延びてもよい。さらに、各第1補強部材3の形状及びサイズは同じであったが、形状やサイズが異なっていてもよい。例えば、3つの第1補強部材3のうち、幅方向における中央に位置する第1補強部材3が直線状に延び、残りの第1補強部材3が湾曲して延びていてもよい。
【0047】
上記実施形態の安全装置1では、第2補強部材5は一対設けられていたが、ドアパネル本体17aの裏面の上部172の上端部171を除いた領域に1つ乃至3つ以上の複数設けられていてもよい。
【0048】
第2補強部材5は、直線状に延びていたが、曲がって延びていてもよく、湾曲して延びていてもよい。また、第2補強部材5は、複数設けられる場合、各第2補強部材5は、互いに異なる方向に延びてもよい。さらに、各第2補強部材5の形状及びサイズは同じであったが、形状やサイズが異なっていてもよい。
【0049】
第3補強部材6は、1つ設けられていたが、2つ以上の複数設けられていてもよい。また、第3補強部材6は、直線状に延びていたが、曲がって延びていてもよく、湾曲して延びていてもよい。
【0050】
上記実施形態の安全装置1では、第1補強部材3は、一対の第2補強部材51、52間に延びているが、一対の第2補強部材51、52間に延びていなくてもよい。例えば、第2補強部材5が、ドアパネル本体17aの裏面の上部172に1つのみ設けられる場合、第1補強部材3の上部30は、上枠部材4のみに接続され、第1補強部材3の下部31は、第2補強部材5及び第3補強部材6に接続されることが考えられる。
【0051】
上記実施形態では、安全装置1が、左右一対のドアパネル本体17a、17bが乗降口の幅方向の両側に向けて戸開する、いわゆるセンターオープンタイプのドアに設置された場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。安全装置1は、例えば、ドアパネルが乗降口の幅方向の片方に向けて戸開する、いわゆる片開きタイプのドアに設置されてもよい。
【0052】
上記実施形態の安全装置1は、かごのドアパネル本体17aに設置された場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、エレベータ10の乗降口を開閉する乗場のドアパネルに設置されてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…安全装置、2…投光受光ユニット、3…第1補強部材、4…上枠部材、5、51、52…第2補強部材、6…第3補強部材、7…下枠部材、8…両端枠部材、10…エレベータ、11…乗降口、13…シル(敷居)、14…かご本体、15…ドア装置、16…ガイドレール、17、17a、17b…ドアパネル、18…ドアハンガー、20…投光器、21…受光器、22…反射部、30…上部、31…下部、32…上端部、33…部位、34…下端部、35…部位、60…上端部、170…両端部、171…上端部、172…上部、175…下部、176…窓、C…中央
【手続補正書】
【提出日】2023-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗降口を開閉するドアパネルと、
前記ドアパネルに備えられ、前記ドアパネルの閉動作中において前記乗降口に存在する検知対象物を検知するための投光受光ユニットと、を備え、
前記投光受光ユニットは、光ビームを出射する投光器及び該投光器から出射された光ビームを受光する受光器を有し、前記投光器及び前記受光器の両方が前記ドアパネル上部に設けられ、
前記ドアパネルは、
一枚のドアパネル本体の上部の前記投光器及び前記受光器の両方が設けられた高さ位置よりも高い第1位置であって前記一枚のドアパネル本体の上部の第1位置と、前記一枚のドアパネル本体の上部の前記投光器及び前記受光器の両方が設けられた高さ位置よりも低い第2位置であって前記一枚のドアパネル本体の上部の第2位置と、に跨るように延びる少なくとも1つの第1補強部材と、
それぞれ前記一枚のドアパネル本体の上部の幅方向における一方の端部から他方の端部まで延び、且つ、それぞれ前記第1位置及び前記第2位置に配置された一対の第2補強部材と、を備え、
前記第1補強部材の上部は、前記一対の第2補強部材のうち前記第1位置に位置する第2補強部材に接続され、
前記第1補強部材の下部は、前記一対の第2補強部材のうち前記第2位置に位置する第2補強部材に接続されている、エレベータの安全装置。
【請求項2】
前記第2位置に位置する第2補強部材からさらに下方に延びる第3補強部材を備える、請求項1に記載のエレベータの安全装置。
【請求項3】
前記ドアパネルは、該ドアパネルの幅方向に延びる上枠部材を備え、
前記第1補強部材の上部は、前記第1位置に位置する第2補強部材に加え、さらに前記上枠部材に接続され、
前記第1補強部材の下部は、前記第2位置に位置する第2補強部材に加え、さらに前記第3補強部材に接続されている、請求項2に記載のエレベータの安全装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1補強部材の全てが、前記一枚のドアパネル本体の幅方向の中央よりも前記投光器及び前記受光器側に配置されている、請求項1又は請求項2に記載のエレベータの安全装置。