(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040692
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240318BHJP
H04N 1/62 20060101ALI20240318BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
G06F3/12 304
H04N1/62
H04N1/387 110
G06F3/12 308
G06F3/12 354
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145203
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 雄一郎
【テーマコード(参考)】
5C076
5C079
【Fターム(参考)】
5C076AA12
5C076AA26
5C076BA06
5C079KA15
5C079LA10
5C079LA31
5C079LA40
5C079LB01
5C079NA27
5C079PA03
(57)【要約】
【課題】ドライバ設定画面で特色印刷の設定を行う場合と比較して、特色印刷の設定の負荷を低減する。
【解決手段】画像形成装置10は、CPU11を備える。CPU11は、オブジェクトのレイヤ順が指定されたアプリケーションデータから、予め定められた表示形態の第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出し、第1オブジェクトのレイヤと、第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤのオブジェクトを、特色に変換する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
オブジェクトのレイヤ順が指定されたアプリケーションデータから、予め定められた表示形態の第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出し、
前記第1オブジェクトのレイヤと、前記第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤのオブジェクトを、特色に変換する
情報処理装置。
【請求項2】
前記アプリケーションデータは、特色に対応しておらず、かつ、オブジェクトのレイヤ順を指定可能なアプリケーションにより作成されたデータである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1オブジェクトは特色変換の範囲の開始を示す開始端であり、前記第2オブジェクトは特色変換の範囲の終了を示す終了端であり、
前記第1オブジェクトの表示形態は、前記第2オブジェクトの表示形態とは異なる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1オブジェクトの表示形態には、特色の種類が対応付けられている
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示形態は、形状、色、及び文字の少なくとも1つとして表される
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1オブジェクトの形状、色、及び文字の少なくとも1つには、特色の種類が対応付けられている
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの各々を、特色印刷の際の印刷対象から除外する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記第1オブジェクトを前記レイヤ順の最下層とし、前記第2オブジェクトよりも上のレイヤのオブジェクトを、特色変換の対象から除外する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
特色変換を行う情報処理装置と、
前記情報処理装置と接続された端末装置と、
を備えた情報処理システムであって、
前記端末装置のプロセッサは、オブジェクトのレイヤ順が指定されたアプリケーションデータを前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置のプロセッサは、前記端末装置から受信したアプリケーションデータから、予め定められた表示形態の第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出し、
前記第1オブジェクトのレイヤと、前記第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤのオブジェクトを、特色に変換する
情報処理システム。
【請求項10】
オブジェクトのレイヤ順が指定されたアプリケーションデータから、予め定められた表示形態の第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出し、
前記第1オブジェクトのレイヤと、前記第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤのオブジェクトを、特色に変換することを、
コンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、原稿データの印刷を特色記録剤を用いて行うためのPDLデータを作成する印刷制御装置が記載されている。この印刷制御装置は、原稿データに特色記録剤を用いて印刷を行う領域を特定する指示色で示される特定のオブジェクトが存在するか否かを判定する判定手段と、判定手段にて存在すると判定された特定のオブジェクトを示す指示色を取得する取得手段と、判定手段にて存在すると判定された特定のオブジェクトを原稿データから除去する除去手段と、除去手段にて特定のオブジェクトが除去された原稿データの残りのオブジェクトのうち、取得した指示色と同一の色で示されるオブジェクトについて、特色記録剤を用いて印字させる描画コマンドを発行する発行手段と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特色印刷に対応していないアプリケーションで特色印刷を行う場合、ドライバ設定画面を利用して特色印刷の設定を行うのが一般的である。しかし、ドライバ設定画面では、ユーザがオブジェクトの色、位置等を細かく設定する必要があり、ユーザに負荷がかかっていた。
【0005】
本開示は、ドライバ設定画面で特色印刷の設定を行う場合と比較して、特色印刷の設定の負荷を低減することができる情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサが、オブジェクトのレイヤ順が指定されたアプリケーションデータから、予め定められた表示形態の第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出し、前記第1オブジェクトのレイヤと、前記第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤのオブジェクトを、特色に変換する。
【0007】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記アプリケーションデータが、特色に対応しておらず、かつ、オブジェクトのレイヤ順を指定可能なアプリケーションにより作成されたデータである。
【0008】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記第1オブジェクトが特色変換の範囲の開始を示す開始端であり、前記第2オブジェクトが特色変換の範囲の終了を示す終了端であり、前記第1オブジェクトの表示形態が、前記第2オブジェクトの表示形態とは異なる。
【0009】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第3態様に係る情報処理装置において、前記第1オブジェクトの表示形態には、特色の種類が対応付けられている。
【0010】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記表示形態が、形状、色、及び文字の少なくとも1つとして表される。
【0011】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第5態様に係る情報処理装置において、前記第1オブジェクトの形状、色、及び文字の少なくとも1つには、特色の種類が対応付けられている。
【0012】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの各々を、特色印刷の際の印刷対象から除外する。
【0013】
また、第8態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記第1オブジェクトを前記レイヤ順の最下層とし、前記第2オブジェクトよりも上のレイヤのオブジェクトを、特色変換の対象から除外する。
【0014】
更に、上記目的を達成するために、第9態様に係る情報処理システムは、特色変換を行う情報処理装置と、前記情報処理装置と接続された端末装置と、を備えた情報処理システムであって、前記端末装置のプロセッサが、オブジェクトのレイヤ順が指定されたアプリケーションデータを前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置のプロセッサが、前記端末装置から受信したアプリケーションデータから、予め定められた表示形態の第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出し、前記第1オブジェクトのレイヤと、前記第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤのオブジェクトを、特色に変換する。
【0015】
更に、上記目的を達成するために、第10態様に係る情報処理プログラムは、オブジェクトのレイヤ順が指定されたアプリケーションデータから、予め定められた表示形態の第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出し、前記第1オブジェクトのレイヤと、前記第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤのオブジェクトを、特色に変換することを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
第1態様、第9態様、及び第10態様によれば、ドライバ設定画面で特色印刷の設定を行う場合と比較して、特色印刷の設定の負荷を低減することができる、という効果を有する。
【0017】
第2態様によれば、特色印刷に対応していないアプリケーションデータであっても、特色印刷を行うことができる、という効果を有する。
【0018】
第3態様によれば、表示形態が異なる第1、第2オブジェクトを検出するだけで特色印刷を行うことができる、という効果を有する。
【0019】
第4態様によれば、第1オブジェクトの表示形態によって特色の種類を特定することができる、という効果を有する。
【0020】
第5態様によれば、第1、第2オブジェクトの表示形態を、形状に限らず、色、文字を用いて表すことができる、という効果を有する。
【0021】
第6態様によれば、第1オブジェクトの形状、色、及び文字によって特色の種類を特定することができる、という効果を有する。
【0022】
第7態様によれば、第1、第2オブジェクトが印刷されないように除外することができる、という効果を有する。
【0023】
第8態様によれば、第2オブジェクトよりも上のレイヤのオブジェクトが特色変換されないように除外することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る端末装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】比較例に係るドライバ設定画面及び対象画像を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る画像形成装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】実施形態に係るレイヤ順が指定されたアプリケーションデータの一例を模式的に示す図である。
【
図7】実施形態に係る特色設定画面の一例を示す正面図である。
【
図8】第1の実施形態に係る画像処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】第2の実施形態に係る端末装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】第2の実施形態に係るプリンタドライバによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本開示の技術と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0026】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システム100の構成の一例を示す図である。
【0027】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム100は、画像形成装置10と、端末装置30と、を備えている。
図1の例では、1台の端末装置を示しているが、その数は任意である。なお、本実施形態に係る画像形成装置10は、情報処理装置の一例である。
【0028】
画像形成装置10は、ユーザの指示に従って画像に関する機能を実行する装置である。画像形成装置10は、ユーザが使用する端末装置30とネットワークNを介して接続される。なお、ネットワークNには、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等が適用される。ネットワークNの接続形態に制約はなく、有線、無線、又は有線と無線が混在した形態の何れであってもよい。
【0029】
画像形成装置10は一例として、用紙等の記録媒体に記載された画像を画像データとして読み込むスキャン機能、画像データによって表される画像を記録媒体に形成するプリント機能、及び記録媒体に形成された画像と同一の画像を他の記録媒体に形成するコピー機能を有する。コピー機能、プリント機能、及びスキャン機能は、画像形成装置10における画像処理の一例である。
【0030】
端末装置30には、例えば、ユーザが使用するパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末等の各種デバイスが適用される。
【0031】
ユーザは、端末装置30で生成した画像データを、ネットワークNを通じて画像形成装置10へ送信することで、画像形成装置10に所望の画像処理を実行させる。又は、ユーザは、USB(Universal Serial Bus)メモリ若しくはメモリカード等の可搬型記憶媒体に画像データを記憶して画像形成装置10まで移動し、可搬型記憶媒体を画像形成装置10に接続することで、画像形成装置10に所望の画像処理を実行させてもよい。更に、ユーザは、文字及び画像の少なくとも一方が記載された原稿を持って画像形成装置10まで移動し、原稿を画像形成装置10に読み取らせることで、画像形成装置10に所望の画像処理を実行させてもよい。
【0032】
図2は、第1の実施形態に係る画像形成装置10の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、入出力インタフェース(I/O)14と、記憶部15と、表示部16と、操作部17と、原稿読取部18と、画像形成部19と、通信部20と、を備えている。
【0034】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14は、バスを介して各々接続されている。I/O14には、記憶部15と、表示部16と、操作部17と、原稿読取部18と、画像形成部19と、通信部20と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O14を介して、CPU11と相互に通信可能とされる。
【0035】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14によって制御部が構成される。制御部は、画像形成装置10の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、画像形成装置10の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0036】
記憶部15としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部15には、本実施形態に係る画像処理プログラム15Aが記憶される。なお、この画像処理プログラム15Aは、ROM12に記憶されていてもよい。この画像処理プログラム15Aは、情報処理プログラムの一例である。
【0037】
画像処理プログラム15Aは、例えば、画像形成装置10に予めインストールされていてもよい。画像処理プログラム15Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークNを介して配布して、画像形成装置10に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0038】
表示部16には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部16は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。操作部17には、例えば、テンキー、スタートキー等の各種の操作キーが設けられている。表示部16及び操作部17は、操作パネルとして、画像形成装置10のユーザから各種の画像処理機能、設定に関する指示を受け付ける。この各種の指示には、例えば、原稿の読み取りを開始させる指示や、原稿のコピーを開始させる指示、画像形成装置10に保持した印刷データの印刷指示等が含まれる。表示部16は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0039】
原稿読取部18は、画像形成装置10の上部に設けられた自動原稿送り装置(図示省略)の給紙台に置かれた原稿を1枚ずつ取り込み、取り込んだ原稿を光学的に読み取って画像データを得る。あるいは、原稿読取部18は、プラテンガラス等の原稿台に置かれた原稿を光学的に読み取って画像データを得る。
【0040】
画像形成部19は、原稿読取部18による読み取りによって得られた画像データ、あるいは、端末装置30による印刷指示により得られた画像データに基づく画像を、記録媒体の一例である用紙に形成する。なお、以下では、画像を形成する方式として、電子写真方式を例示して説明するが、インクジェット方式等の他の方式を採用してもよい。
【0041】
画像を形成する方式が電子写真方式の場合、画像形成部19は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、及び定着装置を含んでいる。帯電装置は、感光体ドラムに電圧を印加して感光体ドラムの表面を帯電させる。露光装置は、帯電装置で帯電された感光体ドラムを画像データに応じた光で露光することにより感光体ドラムに静電潜像を形成する。現像装置は、感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーにより現像することで感光体ドラムにトナー像を形成する。転写装置は、感光体ドラムに形成されたトナー像を用紙に転写する。定着装置は、用紙に転写されたトナー像を加熱及び加圧により定着させる。
【0042】
通信部20は、インターネット、LAN、WAN等のネットワークNに接続するための通信インタフェースであり、端末装置30との間でネットワークNを介して通信が可能とされる。
【0043】
なお、本実施形態に係る画像形成装置10は、特色印刷に対応している。つまり、画像形成装置10は、CMYK等のプロセスカラーを用いた通常色印刷に加え、例えば、透明色、金属色、蛍光色等の特色を用いた特色印刷を実行可能なものである。特色印刷に係る具体的な構成は、特に限定されるものではないが、例えば、電子写真方式、インクジェット方式等を利用した構成とされる。
【0044】
図3は、第1の実施形態に係る端末装置30の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0045】
図3に示すように、本実施形態に係る端末装置30は、CPU31と、ROM32と、RAM33と、I/O34と、記憶部35と、表示部36と、操作部37と、通信部38と、を備えている。
【0046】
CPU31、ROM32、RAM33、及びI/O34は、バスを介して各々接続されている。I/O34には、記憶部35と、表示部36と、操作部37と、通信部38と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O34を介して、CPU31と相互に通信可能とされる。
【0047】
CPU31、ROM32、RAM33、及びI/O34によって制御部が構成される。制御部は、端末装置30の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、端末装置30の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。
【0048】
記憶部35としては、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部35には、本実施形態に係るアプリケーション・プログラム35A及びプリンタドライバ35Bが記憶される。アプリケーション・プログラム35Aは、特色印刷には対応しておらず、かつ、オブジェクトのレイヤ順を指定可能なアプリケーションであり、例えば、プレゼンテーション、表計算、文書作成等の各種アプリケーションのプログラムである。プリンタドライバ35Bは、アプリケーション・プログラム35Aにより作成された画像データを、画像形成装置10で印刷可能な印刷データに変換するプログラムである。なお、これらのアプリケーション・プログラム35A及びプリンタドライバ35Bは、ROM32に記憶されていてもよい。
【0049】
アプリケーション・プログラム35A及びプリンタドライバ35Bの各々は、例えば、端末装置30に予めインストールされていてもよい。アプリケーション・プログラム35A及びプリンタドライバ35Bの各々は、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークNを介して配布して、端末装置30に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0050】
表示部36には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ等が用いられる。表示部36は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。操作部37には、例えば、キーボード、マウス等の操作入力用のデバイスが設けられている。表示部36及び操作部37は、端末装置30のユーザから各種の指示を受け付ける。表示部36は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0051】
通信部38は、一例として、インターネット、LAN、WAN等のネットワークNに接続されており、画像形成装置10との間でネットワークNを介して通信が可能とされる。
【0052】
ところで、上述したように、特色印刷に対応していないアプリケーションで特色印刷を行う場合、ドライバ設定画面を利用して特色印刷の設定を行うのが一般的である。
【0053】
図4は、比較例に係るドライバ設定画面40及び対象画像50を示す図である。
【0054】
図4の(A)に示すドライバ設定画面40には、対象プロセスカラー版選択部41、対象特色版選択部42、輪郭抽出条件選択部43、及び、濃度閾値入力部44が含まれている。
【0055】
対象プロセスカラー版選択部41では、複数のプロセスカラーから任意の色を選択可能とされる(例えば、C、M、Y、Kの4色からY色:Yellowが選択される。)。対象特色版選択部42では、プリンタに搭載されている1以上の特色トナー(インク)の中から任意の色を選択可能とされる(例えば、透明色:Clearが選択される。)。輪郭抽出条件選択部43では、輪郭抽出処理を実行する際の条件が選択され、例えば、「対象画像で輪郭抽出」及び「対象プロセスカラー画像で輪郭抽出」のいずれかが選択可能とされる。「対象画像で輪郭抽出」は、対象画像を基準画像として対象オブジェクトの輪郭を抽出することを示し、「対象プロセスカラー画像で輪郭抽出」は、対象プロセスカラー画像(特定色画像)を基準画像として対象オブジェクトの輪郭を抽出することを示す。濃度閾値入力部44では、対象オブジェクトの輪郭を抽出する際の基準となる濃度閾値として任意の値が入力可能とされる。
【0056】
図4の(B)に示す対象画像50は、(A)に示すドライバ設定画面40において輪郭抽出条件として「対象画像で輪郭抽出」を選択した場合の例である。対象画像50には、処理範囲55が設定されている。処理範囲55は、例えば、対象画像50内の任意の範囲をユーザがマウス等のポインティングデバイスを用いて指定する範囲指定操作に基づいて設定される。対象画像50には、オブジェクト51~54が含まれている。オブジェクト51、52、54はそれぞれ対象プロセスカラーのY色を含み、オブジェクト53はY色を含まないものとする。処理範囲55は、オブジェクト51の全体、オブジェクト52の全体、オブジェクト53の一部、及びオブジェクト54の一部を含んでいる。
【0057】
図4の比較例では、対象画像50の濃度値に基づいて、輪郭抽出の対象とするオブジェクト51、52の輪郭を抽出する。オブジェクト51、52の輪郭であるか否かを判定する対象となる判定対象画素と、判定対象画素に隣接する画素である隣接画素との濃度値を比較し、両濃度値の差が濃度閾値以上である場合に、判定対象画素をオブジェクト51、52の輪郭を構成する画素と判定する。
【0058】
上記のように、ドライバ設定画面40を用いて特色印刷の設定を行う場合、ユーザがオブジェクトの色、位置等を細かく設定する等、煩雑な操作を行う必要があり、ユーザには設定に係る負荷が大きく、オペレーションのミスが発生し易くなる。また、1つの文書又は印刷ジョブにおいて、複数の特色を扱う場合には特に負荷が大きくなる。
【0059】
このため、本実施形態に係る画像形成装置10は、オブジェクトのレイヤ順が指定されたアプリケーションデータから、予め定められた表示形態の第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出し、第1オブジェクトのレイヤと、第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤのオブジェクトを、特色に変換する。
【0060】
具体的に、本実施形態に係る画像形成装置10のCPU11は、記憶部15に記憶されている画像処理プログラム15AをRAM13に書き込んで実行することにより、
図5に示す各部として機能する。なお、CPU11は、プロセッサの一例である。
【0061】
図5は、第1の実施形態に係る画像形成装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0062】
図5に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10のCPU11は、取得部11A、検出部11B、及び変換部11Cとして機能する。
【0063】
取得部11Aは、端末装置30から、アプリケーションデータを取得する。なお、本実施形態に係るアプリケーションデータは、端末装置30のアプリケーション・プログラム35Aにより作成された画像データが、プリンタドライバ35Bにより変換された印刷データであり、オブジェクトのレイヤ順が指定されている。このアプリケーションデータは、特色に対応していない。
【0064】
検出部11Bは、取得部11Aにより取得されたアプリケーションデータから、予め定められた表示形態の第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出する。第1オブジェクト及び第2オブジェクトの検出には、例えば、パターンマッチング等の公知の手法が用いられる。第1オブジェクトは特色変換の範囲の開始を示す開始端であり、第2オブジェクトは特色変換の範囲の終了を示す終了端である。第1オブジェクトの表示形態は、第2オブジェクトの表示形態とは異なる。第1オブジェクトの表示形態には、特色の種類が対応付けられている。特色の種類は、例えば、クリア、金色、銀色等の特色の種類が特色設定情報として対応付けられている。
【0065】
変換部11Cは、検出部11Bにより検出された、第1オブジェクトのレイヤと、第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤのオブジェクト(以下、特色対象オブジェクトという。)を、特色に変換する。
【0066】
具体的に、変換部11Cは、第1オブジェクトの表示形態に対応付けられている特色設定情報を解釈する。そして、変換部11Cは、レイヤ順を解釈し、第1オブジェクトのレイヤと、第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤの特色対象オブジェクトを検出する。そして、変換部11Cは、第1オブジェクト及び第2オブジェクトの各々を、特色印刷の際の印刷対象から除外する。このとき、変換部11Cは、第1オブジェクトをレイヤ順の最下層とし、第2オブジェクトよりも上のレイヤのオブジェクトを、特色変換の対象から除外してもよい。そして、変換部11Cは、上記特色設定情報を解釈して得られた特色の種類に基づいて、特色対象オブジェクトを特色に変換する。
【0067】
次に、
図6及び
図7を参照して、本実施形態に係る特色変換処理に用いるアプリケーションデータについて具体的に説明する。
【0068】
図6は、本実施形態に係るレイヤ順が指定されたアプリケーションデータ60の一例を模式的に示す図である。アプリケーションデータ60は、上述したように、特色に対応しておらず、かつ、オブジェクトのレイヤ順を指定可能なアプリケーション・プログラム35Aにより作成されたデータである。
【0069】
図6の(A)に示すアプリケーションデータ60は、(B)に示すレイヤ順が指定されている。このレイヤ順は、下位から上位に向けて、第1オブジェクト61、オブジェクトA、B、C、第2オブジェクト62、及びオブジェクトDの順で指定されている。
【0070】
図6の例において、オブジェクトA、B、Cは、第1オブジェクト61と第2オブジェクト62との間に位置しており、特色対象オブジェクトとされる。オブジェクトDは、第2オブジェクト62よりも上のレイヤのため、特色変換の対象とならない。第1オブジェクト61及び第2オブジェクト62の各々の位置は、特に限定されるものではなく、アプリケーションデータ60のページ内のどこでもよい。
【0071】
第1オブジェクト61及び第2オブジェクト62の各々の表示形態は、形状、色、及び文字の少なくとも1つとして表される。第1オブジェクト61の形状、色、及び文字の少なくとも1つには、特色の種類が対応付けられている。
図6の例では、第1オブジェクト61が〇(マル)形状のオブジェクトで表され、第2オブジェクト62が×(バツ)形状のオブジェクトで表される。特色の種類として、例えば、〇形状のオブジェクトには「クリア」が対応付けられ、△(三角)形状のオブジェクトには「金色」が対応付けられ、□(四角)形状のオブジェクトには「銀色」が対応付けられている。
図6の例では、第1オブジェクト61が〇形状であるため、オブジェクトA、B、Cは、「クリア」に特色変換される。
【0072】
また、第1オブジェクト61の〇形状、及び、第2オブジェクト62の×形状の各々の大きさ、形状は、常に一定である必要はなく、許容範囲が設定されていてもよい。例えば、〇形状及び×形状に類似する形状(例えば、楕円形状、*形状等)を許容してもよいし、〇形状及び×形状のサイズが所定の範囲内であれば許容してもよい。
【0073】
また、第1オブジェクト61及び第2オブジェクト62の各々は、形状に代えて色の違いで区別してもよい。例えば、第1オブジェクト61を〇形状の赤色で表し、第2オブジェクト62を〇形状の青色として表してもよい。また、第1オブジェクト61及び第2オブジェクト62の各々は、形状に代えて文字で区別してもよい。例えば、第1オブジェクト61を「開始端」という文字列で表し、第2オブジェクト62を「終了端」という文字列で表してもよい。また、第1オブジェクト61及び第2オブジェクト62の各々は、形状、色、及び文字の組み合わせで区別してもよい。
【0074】
図7は、本実施形態に係る特色設定画面70の一例を示す正面図である。
図7に示す特色設定画面70は、アプリケーション・プログラム35A又はプリンタドライバ35Bの一機能として、端末装置30に表示される。なお、アプリケーション・プログラム35Aの一機能とする場合、変換可能な特色に関する情報はプリンタドライバ35Bから取得される。
【0075】
図7に示す特色設定画面70には、特色設定部71が含まれる。特色設定部71では、第1オブジェクト61及び第2オブジェクト62の組み合わせ毎に、画像形成装置10に搭載されている1以上の特色トナー(インク)の中から任意の色を設定可能とされる。
図7の例では、〇-×間のオブジェクトに対して「クリア」が設定され、△-×間のオブジェクトに対して「金色」が設定され、□-×間のオブジェクトに対して「銀色」が設定される。この特色設定画面70で設定された情報は特色設定情報として、第1オブジェクト61の表示形態に対応付けられる。上述の
図6の例では、第1オブジェクト61が〇形状のオブジェクトであるため、特色設定情報として「クリア」が対応付けられる。
【0076】
なお、上述の
図6の例では、アプリケーションデータ60に含まれる第1オブジェクト61及び第2オブジェクト62の組が1組の場合について説明したが、第1オブジェクト61及び第2オブジェクト62の組は、2組以上であってもよい。例えば、アプリケーションデータ60において、オブジェクトDについても「金色」に変換したい場合、〇形状のオブジェクト及び×形状のオブジェクトとは別に、△形状のオブジェクト及び×形状のオブジェクトを、オブジェクトDのレイヤを挟むように配置すればよい。
【0077】
次に、
図8を参照して、第1の実施形態に係る画像形成装置10の作用について説明する。
【0078】
図8は、第1の実施形態に係る画像処理プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0079】
まず、画像形成装置10のCPU11により画像処理プログラム15Aが起動され、以下のステップを実行する。
【0080】
図8のステップS101では、CPU11が、端末装置30から、アプリケーションデータを表す印刷データを取得する。
【0081】
ステップS102では、CPU11が、ステップS101で取得した印刷データが、レイヤ順を指定可能なアプリケーションのデータであるか否かを判定する。印刷データがレイヤ順を指定可能なアプリケーションのデータであると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS103に移行し、印刷データがレイヤ順を指定可能なアプリケーションのデータではないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS108に移行する。
【0082】
ステップS103では、CPU11が、印刷データから第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出したか否かを判定する。第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS104に移行し、第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS108に移行する。
【0083】
ステップS104では、CPU11が、第1オブジェクトの表示形態に対応付けられた特色設定情報から、設定された特色を解釈する。
【0084】
ステップS105では、CPU11が、第1オブジェクト及び第2オブジェクトから特色変換対象とする特色対象オブジェクトを特定する。
【0085】
ステップS106では、CPU11が、第1オブジェクト及び第2オブジェクトを印刷対象から除外する。
【0086】
ステップS107では、CPU11が、ステップS104で解釈された特色に基づいて、ステップS105で特定した特色対象オブジェクトを特色に変換し、ステップS103に戻り処理を繰り返す。
【0087】
ステップS108では、CPU11が、自装置の画像形成部19に対して、印刷開始を指示し、本画像処理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0088】
このように本実施形態によれば、オブジェクトのレイヤ順が指定されたアプリケーションデータから第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出し、第1オブジェクトのレイヤと第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤのオブジェクトが、特色に変換される。これにより、ユーザはドライバ設定画面を利用して煩雑な特色印刷の設定を行う必要がなく、特色印刷の設定に係る負荷が低減される。
【0089】
つまり、ドライバ設定画面で特色印刷の設定を行う場合と比較して、特色印刷の設定に係る負荷が低減され、オペレーションのミスが発生し難くなる。また、1つの文書又は印刷ジョブにおいて、複数の特色を扱う場合には特に負荷が低減される。
【0090】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、画像形成装置10で特色変換処理を行う形態について説明した。第2の実施形態では、端末装置30で特色変換処理を行う形態について説明する。
【0091】
本実施形態に係る端末装置30のCPU31は、記憶部35に記憶されているプリンタドライバ35BをRAM33に書き込んで実行することにより、
図9に示す各部として機能する。なお、CPU31はプロセッサの一例であり、プリンタドライバ35Bは情報処理プログラムの一例である。
【0092】
図9は、第2の実施形態に係る端末装置30の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0093】
図9に示すように、本実施形態に係る端末装置30のCPU31は、取得部31A、検出部31B、及び変換部31Cとして機能する。
【0094】
取得部31Aは、自装置のアプリケーション・プログラム35Aにより作成された画像データを取得する。そして、取得部31Aは、取得した画像データを、アプリケーションデータを表す印刷データに変換する。つまり、本実施形態に係るアプリケーションデータは、自装置のアプリケーション・プログラム35Aにより作成された画像データが、プリンタドライバ35Bにより変換された印刷データであり、オブジェクトのレイヤ順が指定されている。このアプリケーションデータは、特色に対応していない。
【0095】
検出部31Bは、取得部31Aにより取得、変換されたアプリケーションデータから、予め定められた表示形態の第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出する。
【0096】
変換部31Cは、検出部31Bにより検出された、第1オブジェクトのレイヤと、第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤの特色対象オブジェクトを、特色に変換する。
【0097】
次に、
図10を参照して、第2の実施形態に係る端末装置30の作用について説明する。
【0098】
図10は、第2の実施形態に係るプリンタドライバ35Bによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0099】
まず、端末装置30のCPU31によりプリンタドライバ35Bが起動され、以下のステップを実行する。
【0100】
図10のステップS111では、CPU31が、自装置のアプリケーション・プログラム35Aにより作成された画像データを取得する。
【0101】
ステップS112では、CPU31が、ステップS111で取得した画像データを、アプリケーションデータを表す印刷データに変換する。
【0102】
ステップS113では、CPU31が、ステップS112で変換した印刷データが、レイヤ順を指定可能なアプリケーションのデータであるか否かを判定する。印刷データがレイヤ順を指定可能なアプリケーションのデータであると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS114に移行し、印刷データがレイヤ順を指定可能なアプリケーションのデータではないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS119に移行する。
【0103】
ステップS114では、CPU31が、印刷データから第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出したか否かを判定する。第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS115に移行し、第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS119に移行する。
【0104】
ステップS115では、CPU31が、第1オブジェクトの表示形態に対応付けられた特色設定情報から、設定された特色を解釈する。
【0105】
ステップS116では、CPU31が、第1オブジェクト及び第2オブジェクトから特色変換対象とする特色対象オブジェクトを特定する。
【0106】
ステップS117では、CPU31が、第1オブジェクト及び第2オブジェクトを印刷対象から除外する。
【0107】
ステップS118では、CPU31が、ステップS115で解釈された特色に基づいて、ステップS116で特定した特色対象オブジェクトを特色に変換し、ステップS114に戻り処理を繰り返す。
【0108】
ステップS119では、CPU31が、画像形成装置10に対して、特色変換された印刷データを送信し、本プリンタドライバ35Bによる一連の処理を終了する。
【0109】
このように本実施形態によれば、端末装置において、オブジェクトのレイヤ順が指定されたアプリケーションデータから第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出し、第1オブジェクトのレイヤと第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤのオブジェクトが、特色に変換される。これにより、画像形成装置の場合と同様に、ユーザはドライバ設定画面を利用して煩雑な特色印刷の設定を行う必要がなく、特色印刷の設定に係る負荷が低減される。
【0110】
なお、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU:Graphics processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0111】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0112】
以上、実施形態に係る情報処理装置の一例として画像形成装置又は端末装置を例示して説明した。実施形態は、情報処理装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、これらのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体の形態としてもよい。
【0113】
その他、上記実施形態で説明した情報処理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0114】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【0116】
以上の実施形態に関し、更に以下を開示する。
【0117】
(((1)))に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサが、オブジェクトのレイヤ順が指定されたアプリケーションデータから、予め定められた表示形態の第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出し、前記第1オブジェクトのレイヤと、前記第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤのオブジェクトを、特色に変換する。
【0118】
(((2)))に係る情報処理装置は、(((1)))に係る情報処理装置において、前記アプリケーションデータが、特色に対応しておらず、かつ、オブジェクトのレイヤ順を指定可能なアプリケーションにより作成されたデータである。
【0119】
(((3)))に係る情報処理装置は、(((1)))又は(((2)))に係る情報処理装置において、前記第1オブジェクトが特色変換の範囲の開始を示す開始端であり、前記第2オブジェクトが特色変換の範囲の終了を示す終了端であり、前記第1オブジェクトの表示形態が、前記第2オブジェクトの表示形態とは異なる。
【0120】
(((4)))に係る情報処理装置は、(((3)))に係る情報処理装置において、前記第1オブジェクトの表示形態には、特色の種類が対応付けられている。
【0121】
(((5)))に係る情報処理装置は、(((1)))~(((4)))の何れか1に係る情報処理装置において、前記表示形態が、形状、色、及び文字の少なくとも1つとして表される。
【0122】
(((6)))に係る情報処理装置は、(((5)))に係る情報処理装置において、前記第1オブジェクトの形状、色、及び文字の少なくとも1つには、特色の種類が対応付けられている。
【0123】
(((7)))に係る情報処理装置は、(((1)))~(((6)))の何れか1に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトの各々を、特色印刷の際の印刷対象から除外する。
【0124】
(((8)))に係る情報処理装置は、(((1)))~(((7)))の何れか1に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記第1オブジェクトを前記レイヤ順の最下層とし、前記第2オブジェクトよりも上のレイヤのオブジェクトを、特色変換の対象から除外する。
【0125】
(((9)))に係る情報処理システムは、特色変換を行う情報処理装置と、前記情報処理装置と接続された端末装置と、を備えた情報処理システムであって、前記端末装置のプロセッサが、オブジェクトのレイヤ順が指定されたアプリケーションデータを前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置のプロセッサが、前記端末装置から受信したアプリケーションデータから、予め定められた表示形態の第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出し、前記第1オブジェクトのレイヤと、前記第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤのオブジェクトを、特色に変換する。
【0126】
(((10)))に係る情報処理プログラムは、オブジェクトのレイヤ順が指定されたアプリケーションデータから、予め定められた表示形態の第1オブジェクト及び第2オブジェクトを検出し、前記第1オブジェクトのレイヤと、前記第2オブジェクトのレイヤとの間に位置するレイヤのオブジェクトを、特色に変換することを、コンピュータに実行させる。
【0127】
(((1)))、(((9)))、及び(((10)))によれば、ドライバ設定画面で特色印刷の設定を行う場合と比較して、特色印刷の設定の負荷を低減することができる、という効果を有する。
【0128】
(((2)))によれば、特色印刷に対応していないアプリケーションデータであっても、特色印刷を行うことができる、という効果を有する。
【0129】
(((3)))によれば、表示形態が異なる第1、第2オブジェクトを検出するだけで特色印刷を行うことができる、という効果を有する。
【0130】
(((4)))によれば、第1オブジェクトの表示形態によって特色の種類を特定することができる、という効果を有する。
【0131】
(((5)))によれば、第1、第2オブジェクトの表示形態を、形状に限らず、色、文字を用いて表すことができる、という効果を有する。
【0132】
(((6)))によれば、第1オブジェクトの形状、色、及び文字によって特色の種類を特定することができる、という効果を有する。
【0133】
(((7)))によれば、第1、第2オブジェクトが印刷されないように除外することができる、という効果を有する。
【0134】
(((8)))によれば、第2オブジェクトよりも上のレイヤのオブジェクトが特色変換されないように除外することができる、という効果を有する。
【符号の説明】
【0135】
10 画像形成装置
11、31 CPU
11A 、31A 取得部
11B、31B 検出部
11C、31C 変換部
12、32 ROM
13、33 RAM
14、34 I/O
15、35 記憶部
15A 画像処理プログラム
16、36 表示部
17、37 操作部
18 原稿読取部
19 画像形成部
20、38 通信部
30 端末装置
35A アプリケーション・プログラム
35B プリンタドライバ
100 情報処理システム