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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004072
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】包材供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 20/02 20060101AFI20240109BHJP
   B65B 41/12 20060101ALI20240109BHJP
   B65H 19/12 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
B65H20/02 Z
B65B41/12 501A
B65B41/12
B65H19/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103532
(22)【出願日】2022-06-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2022年2月15日から2月18日に開催されたJAPAN PACK 2022 (日本包装産業展)において公開された。 2022年3月5日に取引先に納品した。 2022年3月26日に取引先に納品した。
(71)【出願人】
【識別番号】000151461
【氏名又は名称】株式会社東京自働機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 晴樹
【テーマコード(参考)】
3F064
3F103
【Fターム(参考)】
3F064AA03
3F064BA02
3F103AA03
3F103BA11
(57)【要約】
【課題】複数のリール軸と共に旋回する複数の繰り出しローラに、簡易な構造で回転駆動力を付与することが可能な包材供給装置を提供する。
【解決手段】包材供給装置は、包材が装填された複数のリール軸を旋回させる旋回アームと、旋回アームに複数のリール軸ごとに対応して設けられ、リール軸から包材を繰り出す複数の繰り出しローラ80と、複数の繰り出しローラ80を回転駆動する繰り出しローラ駆動装置100とを備える。繰り出しローラ駆動装置100は、本体フレームに設けられたサーボモータ110と、サーボモータ110からの回転駆動力によって回転可能な駆動力出力部材120と、複数の繰り出しローラ80ごとに対応して設けられ、リール軸Lが繰り出し位置に移動したときに、駆動力出力部材120と係合して駆動力出力部材120から回転駆動力を繰り出しローラ80に伝達させる係合部材150とを有する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材が装填された複数のリール軸と、
本体フレームに回転可能に取り付けられ、前記包材を繰り出して使用する繰り出し位置と、前記包材を繰り出して使用する前の待機位置との間で、前記複数のリール軸を旋回させる旋回アームと、
前記旋回アームに前記複数のリール軸ごとに対応して設けられ、前記リール軸から前記包材を繰り出す複数の繰り出しローラと、
前記複数の繰り出しローラを回転駆動する繰り出しローラ駆動装置と
を備え、
前記繰り出しローラ駆動装置は、
前記本体フレームに設けられた回転駆動源と、
前記回転駆動源からの回転駆動力によって回転可能な駆動力出力部材と、
前記複数の繰り出しローラごとに対応して設けられ、前記旋回アームの旋回に伴って前記リール軸が前記繰り出し位置に移動したときに、前記駆動力出力部材と係合して前記駆動力出力部材から回転駆動力を前記繰り出しローラに伝達させる係合部材と
を有する包材供給装置。
【請求項2】
前記駆動力出力部材および前記係合部材のいずれか一方は、少なくとも一方の端部に開口が形成された係合溝を有し、
前記駆動力出力部材および前記係合部材のいずれか他方は、前記開口を介して前記係合溝に挿入され、前記係合溝に挟み込まれる係合突起を有する
請求項1に記載の包材供給装置。
【請求項3】
前記係合溝は、前記駆動力出力部材に形成され、
前記係合突起は、前記係合部材に形成され、自らの軸周りに回転可能な係合ローラである
請求項2に記載の包材供給装置。
【請求項4】
前記係合溝は、前記係合突起を挟み込む第1溝部と、前記開口から前記第1溝部に向けて延びる第2溝部とを有し、
前記開口および前記第2溝部は、前記係合突起の幅よりも広い幅に形成される
請求項2または請求項3に記載の包材供給装置。
【請求項5】
前記係合溝は、直線状に形成された前記第1溝部および前記第2溝部と、前記第1溝部と前記第2溝部との間をつなげる斜面を形成する第3溝部とを有する請求項4に記載の包材供給装置。
【請求項6】
前記繰り出しローラ駆動装置の前記回転駆動源を駆動制御する制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記駆動力出力部材と前記係合部材とを係合させるとき、前記開口を介して前記係合溝に前記係合突起を挿入可能な姿勢である入側姿勢で前記駆動力出力部材が保持されるように前記回転駆動源を駆動制御し、
前記駆動力出力部材と前記係合部材との係合を解除するとき、前記開口を介して前記係合溝から前記係合突起を抜き出し可能な姿勢である出側姿勢で前記駆動力出力部材が保持されるように前記回転駆動源を駆動制御する
請求項2または請求項3に記載の包材供給装置。
【請求項7】
前記係合部材は、前記繰り出しローラと共に旋回している最中に姿勢を保持するための錘を有する請求項6に記載の包材供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包材供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のリール軸に包材を装填し、使用する包材を切り替える包材供給装置を備えた包装機に関する技術が知られている。例えば、特許文献1には、上下に固定配置されているリール軸としての上段巻取り軸と下段巻取り軸とに、それぞれ上段巻取りロールと下段巻取りロールとを装填した製袋充填包装機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6125204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の製袋充填包装機では、複数のリール軸の位置が固定されているため、リール軸の高さによっては、新たな包材の装填作業に手間がかかる可能性がある。そこで、包材を繰り出す繰り出し位置と待機する待機位置とを所望の位置とするために、複数のリール軸を旋回させることがある。その場合、繰り出し位置にあるリール軸から包材を繰り出すための繰り出しローラをリール軸ごとに対応させて、リール軸と共に旋回する構造を採用することが考えられる。しかしながら、複数の繰り出しローラを設ける場合、繰り出しローラに回転駆動力を伝達する回転駆動源や駆動力を伝達するための機構も複数必要となってしまう。また、繰り出しローラと共に上記回転駆動源や駆動力を伝達するための機構も旋回する構成では、装置構造や電気配線が複雑化してしまうという問題があった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数のリール軸と共に旋回する複数の繰り出しローラに、簡易な構造で回転駆動力を付与することが可能な包材供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の包材供給装置は、包材が装填された複数のリール軸と、本体フレームに回転可能に取り付けられ、前記包材を繰り出して使用する繰り出し位置と、前記包材を繰り出して使用する前の待機位置との間で、前記複数のリール軸を旋回させる旋回アームと、前記旋回アームに前記複数のリール軸ごとに対応して設けられ、前記リール軸から前記包材を繰り出す複数の繰り出しローラと、前記複数の繰り出しローラを回転駆動する繰り出しローラ駆動装置とを備え、前記繰り出しローラ駆動装置は、前記本体フレームに設けられた回転駆動源と、前記回転駆動源からの回転駆動力によって回転可能な駆動力出力部材と、前記複数の繰り出しローラごとに対応して設けられ、前記旋回アームの旋回に伴って前記リール軸が前記繰り出し位置に移動したときに、前記駆動力出力部材と係合して前記駆動力出力部材の回転駆動力を前記繰り出しローラに伝達させる係合部材とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の包材供給装置によれば、複数のリール軸と共に旋回する複数の繰り出しローラに、簡易な構造で回転駆動力を付与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態にかかる包材供給装置を備えた製袋充填包装機の概略を示す斜視図である。
図2】製袋充填包装機のシステム構成の概略を示す構成図である。
図3】包材供給装置の概略を示す側面図である。
図4】包材供給装置の概略を示す斜視図である。
図5】保持部材の近傍における包材供給装置を示す拡大側面図である。
図6】接続器により先行包材の終端部と後行包材の先端部との接続を行う様子を示す説明図である。
図7】包材供給制御の実行中におけるステップS1、S2での包材供給装置の状態を示す説明図である。
図8】包材供給制御の実行中におけるステップS3、S4での包材供給装置の状態を示す説明図である。
図9】包材供給制御の実行中におけるステップS5、S6での包材供給装置の状態を示す説明図である。
図10】繰り出しローラ駆動装置の概略を示す斜視図である。
図11】駆動力出力部材を示す斜視図である。
図12】駆動力出力部材を示す正面図である。
図13】係合部材を示す斜視図である。
図14】駆動力出力部材に係合部材が挿入される様子を示す説明図である。
図15】駆動力出力部材に係合部材が係合された状態を示す説明図である。
図16】係合した駆動力出力部材と係合部材とが回転する様子を示す説明図である。
図17】係合部材が駆動力出力部材から抜き出される位置となった状態を示す説明図である。
図18】駆動力出力部材から係合部材が抜き出される様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
【0010】
(製袋充填包装機)
図1は、実施形態にかかる包材供給装置を備えた製袋充填包装機の概略を示す斜視図であり、図2は、製袋充填包装機のシステム構成の概略を示す構成図である。製袋充填包装機1は、実施形態にかかる包材供給装置10と、製袋包装装置20と、制御装置30(図2参照)とを備える。
【0011】
(包材供給装置)
包材供給装置10は、包材Wを製袋包装装置20へと供給する装置である。包材Wは、ヒートシール可能なフィルムなどにより構成される。包材供給装置10は、複数(本実施形態では、2つ)のリール軸L(図3参照)を備えており、各リール軸Lに装填された包材ロールWRから包材Wを複数の経路ローラR1を介して製袋包装装置20へと供給する。複数の経路ローラR1は、可動ロールの位置を調整することで包材供給装置10と製袋包装装置20との間における包材Wの張力を調整可能な、いわゆるダンサローラと称される張力調整機構14を含む。包材供給装置10の詳細な構成については、後述する。
【0012】
(製袋包装装置)
製袋包装装置20は、包材供給装置10から供給された包材Wを袋状に形成すると共に、形成した袋に粉粒体やスナック菓子などの充填物を充填する装置である。なお、図1においては、製袋包装装置20を通過する包材Wの記載を一部省略している。製袋包装装置20は、内容物を供給するホッパ21の下方に、上下方向に延びる製袋チューブ22が設けられている。製袋チューブ内には、充填チューブ26が配置され、充填チューブ26は、製袋チューブ22から上方に向けて突出してホッパ21に接続される。また、製袋チューブ22の上部には、包材供給装置10から供給された包材Wを略筒状に成形してガイドするフォーマ27が設けられている。包材Wは、フォーマ27を通過する際、両側縁が所定の形態にて互いに重ねあわされたラップ部が形成される。製袋チューブ22の両側には、一対の繰り出しベルト23(包材フィーダ)が設けられており、一対の繰り出しベルト23によって製袋チューブ22の周囲に沿って延在する包材Wが下方に繰り出される。なお、製袋チューブ22の下方には、包材Wを所定形状に成形する図示しない成形ガイドが設けられている。
【0013】
また、製袋チューブ22の近傍には、開閉可能な縦シーラ24が設けられている。縦シーラ24は、包材Wの上記ラップ部をヒートシールし、両側縁を互いに接着させた縦シールフラップを形成する。さらに、製袋チューブ22の下方には、開閉可能な横シーラ25が設けられている。横シーラ25は、一対のヒータブロック25a、25bと、図示しないカッターを有している。横シーラ25が閉動作したとき、一対のヒータブロック25a、25bが包材Wを前後から挟み付けることで、包材Wに横シールを形成し、図示しないカッターにより包材Wが切断される。それにより、包材Wは、上下端が横シールにより閉じられ、図1に示すように、ホッパ21から充填チューブ26を介して供給される内容物が充填された袋Fが形成される。
【0014】
(制御装置)
制御装置30は、製袋充填包装機1の全体制御を行うコントローラである。制御装置30は、図2に示すように、入力側に設定入力装置2、後述する光センサ90などが電気的に接続されている。また、制御装置30は、出力側に張力調整機構14、繰り出しローラ駆動装置100、旋回アーム駆動装置200、後述する接続器70、繰り出しベルト23、縦シーラ24、横シーラ25などが電気的に接続されている。
【0015】
設定入力装置2は、作業員が製袋充填包装機1を駆動させるための各種設定値を入力するためのインターフェースである。光センサ90は、包材Wの終端部E(図6および図8参照)を検出するためのセンサである。なお、光センサ90に代えて、超音波センサなどを用いてもよい。その場合、後述する反射板91は省略されてもよい。繰り出しローラ駆動装置100は、後述する複数の繰り出しローラ80を回転駆動させる装置であり、少なくともサーボモータ110(図10参照)を含む。旋回アーム駆動装置200は、後述する旋回アーム40を回転駆動させる装置であり、少なくとも図示しないサーボモータを含む。制御装置30は、設定入力装置2で作業員により入力などされた各種設定にしたがって、出力側に接続された上記各種装置を制御する。また、本実施形態において、制御装置30は、包材供給装置10の複数のリール軸Lに装填された包材ロールWRを選択的に切り替えながら包材Wを製袋包装装置20へと供給させる包材供給制御を実行する。包材供給制御の詳細については、後述する。
【0016】
(包材供給装置の詳細構成)
次に、実施形態にかかる包材供給装置10の詳細な構成について説明する。図3は、包材供給装置10の概略を示す側面図であり、図4は、包材供給装置10の概略を示す斜視図である。なお、図4においては、包材供給装置10の一部の構成要素の記載を省略している。包材供給装置10は、上記複数のリール軸Lと、中心軸40aを中心とする旋回アーム40と、複数の保持部材50と、複数の接続台60と、接続器70と、複数の繰り出しローラ80と、受けローラ85と、光センサ90と、上記繰り出しローラ駆動装置100と、上記旋回アーム駆動装置200とを備える。
【0017】
(複数のリール軸)
複数のリール軸Lは、旋回アーム40の中心軸40aを基準として、互いに所定角度だけ回転した位置に配置される。以下、リール軸Lに対応して設けられる部材についても、同様である。本実施形態では、複数のリール軸Lは、互いに平行な第1リール軸LAおよび第2リール軸LBを有する。第1リール軸LAおよび第2リール軸LBは、図3に示すように、旋回アーム40の中心軸40aを基準として、互いに180(deg)だけ回転した位置に配置される。なお、各リール軸Lには、図示しないエア駆動式のブレーキ装置によって押圧または挟み込むことでリール軸Lの回転に制動力を付与するための図示しないディスクが取り付けられている。
【0018】
第1リール軸LAおよび第2リール軸LBは、図3に示すように、旋回アーム40によって、包材Wを繰り出して使用する繰り出し位置P1と、包材Wを繰り出して使用する前の待機位置P2との間で旋回して位置を切り替え可能に構成されている。以下の説明では、繰り出し位置P1にあるリール軸Lに装填された包材ロールWRから先行して使用される包材Wを「先行包材W1」と称し、先行包材W1の次に使用される包材W、すなわち、待機位置P2にあるリール軸Lに装填された包材ロールWRの包材Wを「後行包材W2」と称する。また、以下の説明では、各リール軸Lが繰り出し位置P1、待機位置P2にある状態を基準として、包材供給装置10の構成要素の方向を規定する。また、以下の説明では、旋回アーム40の軸方向を単に「軸方向」と称して、包材供給装置10の構成要素の方向を規定する。なお、図3の上下方向が鉛直上下方向であり、左右方向が水平方向であり、紙面方向が上記軸方向である。
【0019】
(旋回アーム)
旋回アーム40は、上述したように、第1リール軸LAと第2リール軸LBとを繰り出し位置P1と待機位置P2との間で旋回させる部材である。旋回アーム40は、包材供給装置10の図示しない本体フレームに、中心軸40aを中心として回転可能に取り付けられる。中心軸40aには、旋回アーム駆動装置200の図示しないサーボモータが接続されている。旋回アーム40は、サーボモータの駆動によって、中心軸40aを中心として旋回可能であり、任意の角度で姿勢を固定可能とされている。
【0020】
旋回アーム40には、リール軸Lを支持する複数(本実施形態では、2つ)のリール軸支持部材41が取り付けられている。リール軸支持部材41は、第1リール軸LA側に延びて第1リール軸LAを回転可能に支持する第1リール軸支持部材41Aと、第2リール軸LB側に延びて第2リール軸LBを回転可能に支持する第2リール軸支持部材41Bとを含む。第1リール軸支持部材41Aおよび第2リール軸支持部材41Bは、中心軸40aを基準として、互いに180(deg)だけ回転した位置に配置されることを除き、同じ構成を有する。
【0021】
また、旋回アーム40には、各リール軸支持部材41を介して、複数(本実施形態では、2つ)のフレーム部材42が取り付けられている。フレーム部材42は、第1リール軸LAに装填された包材ロールWRの上方側に延在する第1フレーム部材42Aと、第2リール軸LBに装填された包材ロールWRの下方側に延在する第2フレーム部材42Bとを有する。第1フレーム部材42Aおよび第2フレーム部材42Bは、中心軸40aを基準として、互いに180(deg)だけ回転した位置に配置されることを除き、同じ構成を有する。第1フレーム部材42Aの先端には、包材Wを案内するための複数(本実施形態では、2つ)の経路ローラR2が設けられている。同様に、第2フレーム部材42Bの先端には、包材Wを案内するための複数(本実施形態では、2つ)の経路ローラR2が設けられている。
【0022】
また、フレーム部材42の各経路ローラR2には、光センサ90の反射板91が取り付けられている。光センサ90は、図3に示すように、繰り出し位置P1にあるリール軸Lの近傍に配置され、反射板91に向けて光を射出し、反射板91からの反射光を受光するセンサである。光センサ90は、受光した反射光の強度に応じて、反射板91との間に包材W(すなわち先行包材W1)が存在するか否かを検出し、検出結果を制御装置30へと出力する。
【0023】
(保持部材)
保持部材50は、後述する接続台60および繰り出しローラ80を保持するための部材である。保持部材50は、図4に示すように、旋回アーム40の上下方向の端部に設けられた板状部材44の軸方向における両端部に一対で設けられる。保持部材50は、第1リール軸LAに対応して設けられた第1保持部材50A、第2リール軸LBに対応して設けられた第2保持部材50Bを有する。第1保持部材50Aおよび第2保持部材50Bは、図3に示すように、中心軸40aを基準として、互いに180(deg)だけ回転した位置に配置されることを除き、同じ構成を有する。
【0024】
図5は、保持部材50の近傍における包材供給装置10を示す拡大側面図である。保持部材50は、平板状の部材であり、脚部51と、接続台保持部52と、ローラ保持部53とを有する。脚部51は、板状部材44から上下方向に延びる部分である。接続台保持部52は、脚部51から水平方向の両側に延びる。接続台保持部52の水平方向の対応するリール軸L側(図4の左側)の端部には、包材Wをガイドするための経路ローラR3が設けられている。ローラ保持部53は、接続台保持部52の水平方向の中央部で、脚部51とは反対側に向けて略三角形状に張り出す部分である。ローラ保持部53は、繰り出しローラ80の軸端部を回転可能に支持する。
【0025】
(接続台)
図3から図5を参照しながら、複数の接続台60について説明する。接続台60は、先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとを接続器70により接続する際の台座となる部材である。すなわち、接続台60は、後述する接続器70の一対のヒータブロック71との間で先行包材W1および後行包材W2を挟み込む部材である。
【0026】
接続台60は、先行包材W1に対して後行包材W2を接続するために、先行包材W1の包材ロールWRが装填されたリール軸Lに対応して設けられる。具体的には、接続台60は、第1リール軸LAに対応して設けられた第1接続台60Aと、第2リール軸LBに対応して設けられた第2接続台60Bとを含む。図3に示すように、第1接続台60Aは、第1保持部材50Aに取り付けられ、第2接続台60Bは、第2保持部材50Bに取り付けられる。第1接続台60Aおよび第2接続台60Bは、図3に示すように、中心軸40aを基準として、互いに180(deg)だけ回転した位置に配置されることを除き、同じ構成を有する。
【0027】
各接続台60は、図4に示すように、包材Wの幅よりも幅広となるように、軸方向において一対で設けられた保持部材50の間に延在し、各保持部材50の接続台保持部52により保持される。接続台60は、保持部材50に保持された繰り出しローラ80に対して、対応するリール軸Lとは水平方向の反対側(図4では、右側)に配置される。接続台60は、クランプ機構61と、2つの台座部62とを有する。クランプ機構61は、作業員が手動により上下に開閉動作をさせ、後行包材W2の先端をクランプすることができるように構成されている。2つの台座部62は、後述する接続器70の一対のヒータブロック71に対応する間隔を空けて設けられ、一対のヒータブロック71との間で先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとを挟み込む部分である。また、接続台60の台座部62の近傍には、後行包材W2をガイドするための経路ローラR4が設けられている。
【0028】
(接続器)
接続器70は、図3に示すように、先行包材W1を繰り出している繰り出しローラ80を保持する保持部材50に設けられた接続台60(図3では第1接続台60A)の上部に位置するように設けられる。接続器70は、後述する繰り出しローラ80よりも、先行包材W1の繰り出し方向における下流側に配置される。接続器70は、一対のヒータブロック71と、一対のヒータブロック71間に配置されたカッター72とを有する。接続器70は、一対のヒータブロック71とカッター72とが上下方向に移動可能とされており、制御装置30によって駆動制御される。なお、本実施形態では、接続器70が一対のヒータブロック71を有するものとしたが、接続器70は、例えば超音波シーラといった包材W同士を接続可能な他のシーラを有するものであってもよい。その場合、接続器70が超音波シーラの超音波振動ホーンを備え、接続台60が超音波振動ホーンとの間で包材Wを挟み込む固定治具としてのアンヴィルを備えるものであればよい。
【0029】
図6は、接続器70により先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとの接続を行う様子を示す説明図である。図示するように、接続器70は、上下に重なった先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとを、一対のヒータブロック71で接続台60の台座部62に押し付けつつ熱溶着により接着して接続する。そして、接着された先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとをカッター72で切断する。それにより、接着された先行包材W1および後行包材W2のうち、カッター72よりも繰り出し方向の下流側に位置する部分が連続する一枚の包材Wとなる。一方、接着された先行包材W1および後行包材W2のうち、カッター72よりも繰り出し方向の上流側に位置する部分は、1枚の切れ端となる。このように、一対のヒータブロック71の間にカッター72を配置することで、互いに接着された1枚の切れ端が残るようにすることができ、切れ端の処理が容易となる。なお、当該切れ端は、包材供給装置10の内部に自然落下する。一対のヒータブロック71による先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとの接続処理、カッター72による切断処理は、先行包材W1の終端部Eが繰り出しローラ80を通過する以前に行われる。
【0030】
(繰り出しローラ)
複数の繰り出しローラ80は、先行包材W1を繰り出すために、先行包材W1の包材ロールWRが装填されたリール軸Lに対応して設けられる。具体的には、複数の繰り出しローラ80は、第1リール軸LAに対応して設けられた第1繰り出しローラ80Aと、第2リール軸LBに対応して設けられた第2繰り出しローラ80Bとを有する。図3に示すように、第1繰り出しローラ80Aは、第1保持部材50Aに取り付けられ、第2繰り出しローラ80Bは、第2保持部材50Bに取り付けられる。
【0031】
各繰り出しローラ80は、図4および図5に示すように、繰り出しローラ80の軸方向において一対で設けられた保持部材50のローラ保持部53によって、その軸端部が回転可能に支持される。各繰り出しローラ80は、繰り出しローラ駆動装置100のサーボモータ110によって回転駆動される。また、図3および図4に示すように、先行包材W1の包材ロールWRが装填されたリール軸Lに対応した繰り出しローラ80(図3および図4では第1繰り出しローラ80A)の上部には、回転可能な受けローラ85が配置される。受けローラ85は、略上下方向に移動可能に構成されており、繰り出しローラ80との間で先行包材W1を挟み込むことができる。それにより、繰り出しローラ80がサーボモータ110によって回転駆動されると、繰り出しローラ80と受けローラ85との間に挟み込まれた先行包材W1が繰り出しローラ80の回転によって包材ロールWRから繰り出される。
【0032】
ここで、図3に示すように、第1繰り出しローラ80Aおよび受けローラ85は、図3に示すように、接続器70よりも第1リール軸LA側に設けられている。つまり、繰り出しローラ80および受けローラ85は、先行包材W1の繰り出し方向において、接続器70による先行包材W1と後行包材W2との接続位置CP(図6参照)よりも、先行包材W1が装填されたリール軸L側に設けられる。先行包材W1が装填されたリール軸L側とは、先行包材W1の繰り出し方向における上流側を意味する。
【0033】
(製袋充填包装機の動作)
以上のように構成された製袋充填包装機1の動作について、図7から図9を参照しながら説明する。図7から図9は、制御装置30により包材供給制御が実行されている最中のステップS1からステップS6における包材供給装置10の状態を示している。図7は、包材供給制御の実行中におけるステップS1、S2での包材供給装置10の状態を示す説明図である。図8は、包材供給制御の実行中におけるステップS3、S4での包材供給装置10の状態を示す説明図である。図9は、包材供給制御の実行中におけるステップS5、S6での包材供給装置10の状態を示す説明図である。
【0034】
まず、図7のステップS1に示すように、第1リール軸LAが繰り出し位置P1に位置付けられ、第2リール軸LBが待機位置P2に位置付けられた状態を想定する。このとき、第1リール軸LAに装填された包材ロールWRから先行包材W1は、第1保持部材50Aに取り付けられた第1繰り出しローラ80Aと、受けローラ85とに挟み込まれた状態である。制御装置30は、ステップS1に示す状態で、繰り出しローラ駆動装置100および繰り出しベルト23を駆動制御し、第1繰り出しローラ80Aおよび繰り出しベルト23によって、第1リール軸LAから先行包材W1を繰り出して製袋包装装置20へと供給させる。上述したように、第1フレーム部材42Aに経路ローラR2が設けられ、第1保持部材50Aに経路ローラR3が設けられることで、先行包材W1を第1繰り出しローラ80Aまで安定した姿勢で案内することができる。
【0035】
第1リール軸LAから先行包材W1が繰り出されることで、ステップS2に示すように、第1リール軸LAに装填された包材ロールWRの径が減少していく。この間、作業員は、任意あるいは指定された時点で、待機位置P2にある第2リール軸LBに新たな包材ロールWRをセットすると共に、装填された包材ロールWRの後行包材W2の先端部Sを接続台60のクランプ機構61にセットする。なお、後行包材W2の接続台60へのセットは、例えば、接続台60を後行包材W2の包材ロールWRが装填されたリール軸L側(ここでは、第2リール軸LB側)に移動可能としておけば、先行包材W1の繰り出しを停止することなく実行することができる。ただし、新たな包材ロールWRのリール軸Lへの装填および後行包材W2の接続台60へのセットは、図9に示すステップS5の状態で、いったん旋回アーム40の旋回を停止させた上で行われてもよい。
【0036】
図7に示す状態が継続されると、図8のステップS3に示すように、先行包材W1が使い切られて第1リール軸LAから先行包材W1が離れた状態となる。その結果、光センサ90が受光する反射板91からの反射光の強度が、光センサ90と反射板91との間に先行包材W1がある状態から変化する。それにより、第1リール軸LAの先行包材W1を使い切ったこと、すなわち、先行包材W1の終端部Eが光センサ90と反射板91との間を通過したことを光センサ90が検出し、検出結果が制御装置30へと出力される。当該検出結果が入力されると、制御装置30は、第1繰り出しローラ80Aおよび繰り出しベルト23による先行包材W1の繰り出しをいったん停止させる。そして、制御装置30は、接続器70によって先行包材W1と後行包材W2の先端部Sとを接続させる(図6参照)。なお、上述したように、光センサ90に代えて超音波センサなどの他のセンサを用いてもよい。
【0037】
ここで、上述したように、先行包材W1を繰り出す繰り出しローラ80は、先行包材W1と後行包材W2との接続位置CPよりも先行包材W1のリール軸L(ここでは、第1リール軸LA)側に設けられている。そのため、先行包材W1が当該リール軸Lから離れた後も、繰り出しローラ80から接続位置CPまでの間の先行包材W1の張力が維持される。それにより、先行包材W1の張力がなくなることに起因して先行包材W1の姿勢が不安定となり、先行包材W1と後行包材W2とを所望の位置で接続できなくなることが抑制される。
【0038】
次に、制御装置30は、ステップS4に示すように、旋回アーム駆動装置200を駆動制御し、実線矢印に示すように旋回アーム40を中心軸40aで旋回させる。それにより、第1リール軸LAが繰り出し位置P1側から待機位置P2側へと移動し、第2リール軸LBが待機位置P2側から繰り出し位置P1側へと移動する。このとき、旋回アーム40全体が旋回することから、第1保持部材50Aおよび第2保持部材50Bも同方向に旋回する。さらに旋回アーム40の旋回が進むと、図9のステップS5に示すように、第2フレーム部材42Bの経路ローラR3および第2保持部材50Bの経路ローラR3が後行包材W2と当接する。これにより、旋回アーム40の旋回中においても、後行包材W2の姿勢を安定的に維持することができる。
【0039】
そして、ステップS6に示すように、第2リール軸LBが繰り出し位置P1に位置付けられ、第1リール軸LAが待機位置P2に位置付けられる。この時点で、制御装置30は、旋回アーム駆動装置200のサーボモータにより旋回アーム40の旋回を停止させると共に、旋回アーム40をステップS6の姿勢で固定させる。これにより、後行包材W2が、第2保持部材50Bに取り付けられた第2繰り出しローラ80Bと受けローラ85とに挟み込まれ、第2繰り出しローラ80Bによって繰り出せる状態となる。言い換えると、第2リール軸LBに装填された包材ロールWRの包材Wが先行包材W1となる。制御装置30は、再び繰り出しローラ駆動装置100および繰り出しベルト23を駆動制御し、第2繰り出しローラ80Bおよび繰り出しベルト23によって、第2リール軸LBから先行包材W1を繰り出して製袋包装装置20へと供給させる。以上のステップS1からステップS6の処理を繰り返し実行することで、第1リール軸LAおよび第2リール軸LBに装填された包材ロールWRからの包材Wを製袋包装装置20へと順次供給することができる。
【0040】
(繰り出しローラ駆動装置)
次に、実施形態にかかる包材供給装置10の要部として、繰り出しローラ80を回転駆動させるための構造について説明する。包材供給装置10は、繰り出しローラ80を回転駆動させるために上記繰り出しローラ駆動装置100を備えている。図10は、繰り出しローラ駆動装置100の概略を示す斜視図である。繰り出しローラ駆動装置100は、サーボモータ110(回転駆動源)と、第1プーリ112と、第2プーリ114と、ベルト116と、駆動力出力部材120と、一対の位置検出センサ140と、複数の係合部材150とを備える。
【0041】
(サーボモータおよびサーボモータからの駆動力を伝達する機構)
サーボモータ110は、制御装置30により駆動制御され、回転駆動力を出力する回転駆動源である。サーボモータ110は、繰り出し位置P1に位置付けられたリール軸Lに対応した繰り出しローラ80の近傍に配置され、図示しない本体フレームに固定される。第1プーリ112は、サーボモータ110の出力軸に取り付けられ、サーボモータ110と共に回転する。第2プーリ114は、固定部材115を介して図示しない本体フレームに回転可能に固定されると共に、駆動力出力部材120に固定される。ベルト116は、第1プーリ112と第2プーリ114とに巻き回される。これにより、サーボモータ110の回転駆動力が第1プーリ112、第2プーリ114およびベルト116を介して駆動力出力部材120に伝達される。
【0042】
(駆動力出力部材)
駆動力出力部材120は、サーボモータ110の回転駆動力を繰り出しローラ80に出力するための部材であり、第2プーリ114を介して図示しない本体フレームに固定されている。図11は、駆動力出力部材120を示す斜視図であり、図12は、駆動力出力部材120を示す正面図である。駆動力出力部材120は、基板部材122と、一対の溝形成部材124とを有する。
【0043】
基板部材122は、円盤状部材であり、駆動力出力部材120の回転軸120aと第2プーリ114の中心軸とが一致するように当該第2プーリ114に固定される。すなわち、駆動力出力部材120は、第2プーリ114と同軸上に回転する。駆動力出力部材120の回転軸120aは、旋回アーム40と共に旋回する繰り出しローラ80の旋回軌道(図14および図18の実線矢印参照)上に配置される。一対の溝形成部材124は、基板部材122の第2プーリ114とは反対側に位置する面に設けられる。一対の溝形成部材124は、上記回転軸120aを挟んで、互いに間隔を空けつつ対向して配置される。
【0044】
一対の溝形成部材124同士の間には、回転軸120aを含む範囲に、当該回転軸120aに直交する方向に延びる係合溝130が形成される。本実施形態において、係合溝130は、両端に開口130aが形成されている。ここでは、一方の端部の開口を「第1開口131a」と称し、他方の端部の開口を「第2開口132a」と称する。なお、第1開口131a、第2開口132aを形成する一対の溝形成部材124の縁部には、R加工が施されている。
【0045】
係合溝130の構成について、詳細に説明する。係合溝130は、図12に示すように、第1溝部131と、第2溝部132と、第3溝部133とを有している。第1溝部131は、第1開口131aから第2開口132a側に向けて直線状に延びる。第1溝部131は、図10に示す係合部材150に設けられた係合突起154の幅、すなわち、係合ローラ155の直径D1(図13参照)よりもわずかに広い幅H1に形成される。すなわち、第1溝部131は、係合ローラ155を回転摺動できる程度に挟み込む幅H1に形成される。第2溝部132は、第2開口132aから第1開口131a側に向けて直線状に延びる。第2溝部132は、第1溝部131の幅H1および上記係合ローラ155の直径D1よりも広い幅H2に形成される。したがって、係合溝130の第1開口131aは、第2開口132aよりも大きく開口する。第3溝部133は、第1溝部131から第2溝部132に向けて幅を広げながら延びる。つまり、第3溝部133は、第1溝部131と第2溝部132とをつなげる斜面を形成する。
【0046】
また、駆動力出力部材120には、基板部材122の周縁から径方向外側に向けて突出するセンサ反応板126が設けられている。センサ反応板126は、上記係合溝130の第2開口132a側に位置すると共に、係合溝130の延在方向に沿って延びるように、基板部材122に設けられている。
【0047】
(位置検出センサ)
一対の位置検出センサ140は、図10および図12に示すように、駆動力出力部材120の近傍に配置され、図示しない本体フレームに固定される。一対の位置検出センサ140は、駆動力出力部材120に形成されたセンサ反応板126を検出する非接触式の近接センサである。一対の位置検出センサ140は、検出部とセンサ反応板126とが回転軸120aに沿った方向から視て重なることが可能な位置に設けられる。そして、一対の位置検出センサ140は、入側位置検出センサ141と、出側位置検出センサ142とを有している。入側位置検出センサ141は、駆動力出力部材120に対して、旋回アーム40と共に旋回する繰り出しローラ80の旋回方向(図14および図18の実線矢印参照)とは逆方向側に配置される。一方、出側位置検出センサ142は、駆動力出力部材120に対して、上記繰り出しローラ80の旋回方向側に設けられる。
【0048】
(係合部材)
係合部材150は、複数の繰り出しローラ80ごとに対応して設けられる。すなわち、係合部材150は、第1繰り出しローラ80Aおよび第2繰り出しローラ80Bに1つずつ取り付けられる。図13は、係合部材150を示す斜視図である。係合部材150は、図示するように、本体152と、係合突起154と、錘156とを有する。
【0049】
本体152は、略三角形型の板状部材である。本体152の一方の端面152a側には、板状の繰り出しローラ取り付け部153が固定されている。係合突起154は、本体152の他方の端面152bから突出する突起部であり、複数(本実施形態では、2つ)の係合ローラ155により構成される。複数の係合ローラ155は、係合部材150の回転軸150aを挟んで、略三角形の本体152の角部の2か所に1つずつ取り付けられる。各係合ローラ155は、本体152に対して自らの回転軸周りに回転可能とされており、互いの回転軸が平行に並ぶように配置される。したがって、係合突起154は、複数の係合ローラ155によって、係合部材150の回転軸150aと直交する方向に延在しながら、回転軸150aと同方向に突出するといえる。また、各係合ローラ155は、同一の直径D1に形成される。錘156は、本体152の上記係合ローラ155が配置された角部以外の角部に位置するように、上記繰り出しローラ取り付け部153に固定される。
【0050】
また、上記繰り出しローラ取り付け部153は、図10に示すように、繰り出しローラ80の端部81に固定される。それにより、係合部材150と繰り出しローラ80とが共に中心軸80a周りに回転可能となる。なお、繰り出しローラ80は、中心軸80aが複数の係合ローラ155の回転軸同士を結ぶ直線上で、回転軸間の中央に位置するように、繰り出しローラ取り付け部153に取り付けられる。中心軸80aの位置は、上記回転軸150aの位置となる。
【0051】
(繰り出しローラ駆動装置の動作)
以上の構成により、繰り出しローラ駆動装置100は、図10に示すように、繰り出しローラ80に取り付けられた係合部材150と駆動力出力部材120とが係合した状態で、サーボモータ110からの回転駆動力を繰り出しローラ80へと伝達する。以下、図14から図18を参照しながら、駆動力出力部材120と係合部材150の係合動作を含めた繰り出しローラ駆動装置100の動作について説明する。
【0052】
図14は、駆動力出力部材120に係合部材150が挿入される様子を示す説明図である。図15は、駆動力出力部材120に係合部材150が係合された状態を示す説明図である。図16は、係合した駆動力出力部材120と係合部材150とが回転する様子を示す説明図である。図17は、係合部材150が駆動力出力部材120から抜き出される位置となった状態を示す説明図である。図18は、駆動力出力部材120から係合部材150が抜き出される様子を示す説明図である。なお、図14および図18において、実線矢印は、旋回アーム40の旋回に伴って繰り出しローラ80が旋回する際に中心軸80aが描く旋回軌道および旋回方向を示す。
【0053】
図8および図9で示したように、制御装置30は、待機位置P2にあるリール軸Lを繰り出し位置P1に移動させるとき、旋回アーム駆動装置200を駆動制御して旋回アーム40を旋回させる。それにより、次に繰り出し位置P1に移動するリール軸Lに対応した繰り出しローラ80が旋回アーム40と共に旋回する。繰り出しローラ80および当該繰り出しローラ80に取り付けられた係合部材150は、図14に実線矢印で示す旋回軌道で駆動力出力部材120に接近していく。
【0054】
このとき、制御装置30は、駆動力出力部材120が予め定められた入側姿勢Pinで保持されるように、サーボモータ110を駆動制御する。入側姿勢Pinとは、第2開口132aを介して、係合溝130に複数の係合ローラ155を挿入可能な駆動力出力部材120の姿勢である。具体的には、入側姿勢Pinは、係合溝130の第2開口132aが、上記旋回軌道に沿った方向を向くように予め定められる。それにより、第2開口132aと旋回方向側に位置する係合ローラ155(最初に係合溝130に挿入される図中左側の係合ローラ155)とが互いに向かい合うように構成されている。本実施形態では、駆動力出力部材120が入側姿勢Pinとなったときに、上述した入側位置検出センサ141が駆動力出力部材120に設けられたセンサ反応板126を検出するように構成されている。制御装置30は、入側位置検出センサ141の検出結果に基づいて駆動力出力部材120が入側姿勢Pinとなったことを判定する。
【0055】
ここで、本実施形態の係合部材150は、上述したように、錘156を有している。そのため、係合部材150は、図中に二点鎖線で示すように、繰り出しローラ80と共に旋回している最中には錘156が鉛直方向下側に位置する一定の姿勢を維持する。したがって、係合部材150が旋回している最中において、係合ローラ155の姿勢も一定に定まることになる。その結果、当該係合ローラ155を挿入させるときの駆動力出力部材120の入側姿勢Pinを容易に予め定めることができる。これにより、入側姿勢Pinに保持された係合溝130の第2開口132aへと係合ローラ155が挿入される。本実施形態では、第2開口132aおよび第2溝部132の幅H2が係合ローラ155の直径D1よりも広く形成されるため、係合溝130へと係合ローラ155を容易に挿入させることができる。
【0056】
さらに繰り出しローラ80の旋回が進むと、双方の係合ローラ155が係合溝130内へと挿入される。そして、当該繰り出しローラ80に対応したリール軸Lが繰り出し位置P1に位置付けられると、図15に示すように、旋回方向側に位置する係合ローラ155が第1溝部131に挟み込まれ、旋回方向と逆方向側に位置する係合ローラ155が第2溝部132の下側に位置する一方の面と当接した状態となる。これにより、駆動力出力部材120と係合部材150とが係合した状態となる。駆動力出力部材120と係合部材150とは、係合した状態で、繰り出しローラ80の中心軸80aおよび回転軸120a、150aが同軸上に並ぶように構成されている。
【0057】
そして、繰り出し位置P1に位置付けられたリール軸Lから包材Wを繰り出せる状態となると、制御装置30は、図16に白抜き矢印で示すように、サーボモータ110を駆動制御して駆動力出力部材120を回転させる。その結果、第1溝部131に挟み込まれた係合ローラ155、第2溝部132の一方の面と当接した係合ローラ155を介して、係合部材150へと回転駆動力が伝達され、繰り出しローラ80が回転駆動される。
【0058】
繰り出し位置P1に位置付けられたリール軸Lの包材Wが使い切られると、制御装置30は、図17に示すように、駆動力出力部材120が予め定められた出側姿勢Poutで保持されるように、サーボモータ110を駆動制御する。出側姿勢Poutとは、係合溝130から複数の係合ローラ155を抜き出すときの駆動力出力部材120の姿勢である。具体的には、出側姿勢Poutは、例えば図18に示すように、係合溝130の第2開口132aが上記旋回軌道に沿った方向を向くように予め定められる。本実施形態では、係合溝130が出側姿勢Poutとなったときに、上述した出側位置検出センサ142が駆動力出力部材120に設けられたセンサ反応板126を検出するように構成されている。制御装置30は、出側位置検出センサ142の検出結果に基づいて駆動力出力部材120が出側姿勢Poutとなったことを判定する。このように、一対の位置検出センサ140は、センサ反応板126を検出することで、駆動力出力部材120の姿勢すなわち入側姿勢Pinおよび出側姿勢Poutを検出するセンサであるといえる。
【0059】
そして、繰り出し位置P1にいたリール軸Lを待機位置P2に移動させるために、再び旋回アーム40の旋回が開始されると、図18に示すように、繰り出しローラ80と共に係合部材150も旋回する。それにより、係合溝130の第2開口132aから旋回方向側に位置する係合ローラ155が抜き出され、駆動力出力部材120と係合部材150との係合が解除される。第2開口132aの幅H2が係合ローラ155の直径D1よりも大きく形成されるため、第2開口132aから係合ローラ155を容易に抜き出すことができる。駆動力出力部材120と係合部材150との係合が解除されると、係合部材150は、図中に二点鎖線で示すように、錘156が鉛直方向下側に位置する姿勢となり、繰り出しローラ80と共に旋回を継続する。
【0060】
(実施形態の効果)
以上説明したように、実施形態にかかる包材供給装置10は、包材Wが装填された複数のリール軸Lと、図示しない本体フレームに回転可能に取り付けられ、包材Wを繰り出して使用する繰り出し位置P1と、包材Wを繰り出して使用する前の待機位置P2との間で、複数のリール軸Lを旋回させる旋回アーム40と、旋回アーム40に複数のリール軸Lごとに対応して設けられ、リール軸Lから包材Wを繰り出す複数の繰り出しローラ80と、複数の繰り出しローラ80を回転駆動する繰り出しローラ駆動装置100とを備え、繰り出しローラ駆動装置100は、本体フレームに設けられたサーボモータ110(回転駆動源)と、サーボモータ110からの回転駆動力によって回転可能な駆動力出力部材120と、複数の繰り出しローラ80ごとに対応して設けられ、旋回アーム40の旋回に伴ってリール軸Lが繰り出し位置P1に移動したときに、駆動力出力部材120と係合して駆動力出力部材120から回転駆動力を繰り出しローラ80に伝達させる係合部材150とを有する。
【0061】
この構成により、リール軸Lが繰り出し位置P1に移動したときに、本体フレームに設けられた駆動力出力部材120に係合部材150が係合することで、繰り出しローラ80に回転駆動力を伝達することができる。つまり、各繰り出しローラ80に駆動力出力部材120と係合可能な係合部材150を設けておくだけで、サーボモータ110(回転駆動源)や駆動力出力部材120、これらの間で動力を伝達するための機構(第1プーリ112、第2プーリ114、ベルト116)などは本体フレームに1つのみ設けておけばよく、旋回アーム40と共に旋回する必要もない。したがって、実施形態にかかる包材供給装置10によれば、複数のリール軸Lと共に旋回する複数の繰り出しローラ80に、簡易な構造で回転駆動力を付与することが可能となる。
【0062】
駆動力出力部材120および係合部材150のいずれか一方は、少なくとも一方の端部に130aが形成された係合溝130を有し、駆動力出力部材120および係合部材150のいずれか他方は、開口130aを介して係合溝130に挿入され、係合溝130に挟み込まれる係合突起154を有する。この構成により、駆動力出力部材120と係合部材150とを容易に係合させることができる。
【0063】
また、係合溝130は、駆動力出力部材120に形成され、係合突起154は、係合部材150に形成され、自らの軸周りに回転可能な係合ローラ155である。この構成により、係合ローラ155を回転させながら、係合溝130へと滑らかに挿入させ、係合溝130から滑らかに抜き出すことができる。また、係合ローラ155は、旋回アーム40と共に旋回するため、係合ローラ155の消耗により交換が必要となった場合は、係合ローラ155を交換しやすい位置に旋回アーム40を位置付け、容易な交換作業を行うことが可能となる。
【0064】
また、係合溝130は、係合突起154を挟み込む第1溝部131と、第2開口132aから第1溝部131に向けて延びる第2溝部132とを有し、第2開口132aおよび第2溝部132は、係合突起154(係合ローラ155の直径D1)よりも広い幅H2に形成される。この構成により、第2開口132aおよび第2溝部132を介して、係合突起154(係合ローラ155)を係合溝130へと滑らかに挿入させ、係合溝130から滑らかに抜き出すことができる。
【0065】
係合溝130は、直線状に形成された第1溝部131および第2溝部132と、第1溝部131と第2溝部132との間をつなげる斜面を形成する第3溝部133とを有する。この構成により、係合溝130を簡易な形状で形成することができる。
【0066】
また、繰り出しローラ駆動装置100のサーボモータ110を駆動制御する制御装置30をさらに備え、制御装置30は、駆動力出力部材120と係合部材150とを係合させるとき、開口130aを介して係合溝130に係合突起154を挿入可能な姿勢である入側姿勢で駆動力出力部材120が保持されるようにサーボモータ110を駆動制御し、駆動力出力部材120と係合部材150との係合を解除するとき、開口130aを介して係合溝130から係合突起154を抜き出し可能な姿勢である出側姿勢で駆動力出力部材120が保持されるようにサーボモータ110を駆動制御する。
【0067】
この構成により、制御装置30が駆動力出力部材120を入側姿勢Pinに保持させておくことで、旋回して接近してくる係合部材150を駆動力出力部材120に容易に係合させることができる。また、制御装置30が駆動力出力部材120を出側姿勢Poutに保持させておくことで、旋回して離脱しようとする係合部材150と駆動力出力部材120との係合を容易に解除することができる。
【0068】
また、係合部材150は、繰り出しローラ80と共に旋回している最中に姿勢を保持するための錘156を有する。この構成により、旋回中の係合部材150の姿勢を一定としておくことで、係合突起154(係合ローラ155)の姿勢も一定とすることができる。それにより、駆動力出力部材120の上記入側姿勢Pinを容易に定めることが可能となる。
【0069】
(変形例)
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。本実施形態では、複数のリール軸Lが第1リール軸LAおよび第2リール軸LBを備えるものとしたが、リール軸Lの数は、2つに限らず、3つ以上であってもよい。
【0070】
また、本実施形態では、駆動力出力部材120が係合溝130を有し、係合部材150が係合突起154(係合ローラ155)を有するものとしたが、駆動力出力部材120と係合部材150との係合構造は、互いに係合および係合の解除が可能であれば、いかなる構造であってもよい。また、駆動力出力部材120が係合突起154(係合ローラ155)を有し、係合部材150が係合溝130を有するものとしてもよい。また、係合溝130および係合突起154は、駆動力出力部材120および係合部材150に複数設けられてもよい。その場合、旋回アーム40の旋回に伴って互いに係合できる形状であれば、駆動力出力部材120および係合部材150の双方が係合溝130および係合突起154を複数有してもよい。
【0071】
また、本実施形態では、係合突起154が係合ローラ155により構成されるものとしたが、係合突起154は、係合溝130に挿抜可能であり、係合溝130に挟み込まれるものであれば、例えば係合溝130に沿って延びる凸形状など、いかなる形状であってもよい。また、係合ローラ155は、少なくとも1つ配置されればよく、3つ以上配置されてもよい。
【0072】
また、本実施形態では、係合溝130は、双方の端部に開口130aを有するものとしたが、係合溝130の端部は閉塞されていてもよい。つまり、係合溝130は、上記第2開口132aのみを有するものとしてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、第2開口132aおよび第2溝部132が係合突起154の幅(係合ローラ155の直径D1)よりも広い幅H2に形成されるものとしたが、係合溝130は、係合突起154を挿抜可能であり、挟み込むことができる大きさに形成されればよい。つまり、係合溝130は、すべて第1溝部131で形成され、いずれか一方の端部に開口130aを有するものであってもよい。
【0074】
また、本実施形態では、第1溝部131および第2溝部132を直線状に形成し、第1溝部131と第2溝部132との間に斜面を形成する第3溝部133を形成するものとしたが、係合溝130の形状は、これに限られない。例えば、第2溝部132を、第1溝部131から第2開口132aに向けて幅を広げながら延びる形状としてもよい。
【0075】
また、係合溝130は、係合部材150の旋回軌道(好ましくは係合突起154の旋回軌道)に沿って円弧状に延びてもよい。この場合も、係合突起154を挿抜する側の開口130aや溝部は、係合突起154よりも幅広であることが好ましい。
【0076】
また、本実施形態では、入側姿勢Pinおよび出側姿勢Poutのいずれでも、第2開口132aで係合突起154を挿抜するものとした。ただし、係合突起154は、第1開口131aで挿抜されてもよい。つまり、入側姿勢Pinと出側姿勢Poutとで、係合突起154を挿抜する開口130aを異なるものとしてもよい。この場合、上記センサ反応板126は、係合溝130の双方の開口130aに対応する位置に設けられればよい。それにより、制御装置30は、一対の位置検出センサ140が上記センサ反応板126を検出したことに基づいて、駆動力出力部材120が入側姿勢Pinまた出側姿勢Poutとなったことを判定することができる。
【0077】
また、係合突起154が係合溝130に挿入されるときの姿勢を一定に保つことができるか、当該姿勢を制御装置30が検出して駆動力出力部材120の入側姿勢Pinを定めることができれば、錘156は、係合部材150から省略されてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 製袋充填包装機
10 包材供給装置
20 製袋包装装置
30 制御装置
40 旋回アーム
40a 中心軸
41 リール軸支持部材
42 フレーム部材
50 保持部材
60 接続台
70 接続器
80 繰り出しローラ
85 受けローラ
100 繰り出しローラ駆動装置
110 サーボモータ(回転駆動源)
120 駆動力出力部材
120a、150a 回転軸
130 係合溝
130a 開口
131 第1溝部
131a 第1開口
132 第2溝部
132a 第2開口
133 第3溝部
140 位置検出センサ
150 係合部材
154 係合突起
155 係合ローラ
156 錘
L リール軸
P1 繰り出し位置
P2 待機位置
Pin 入側姿勢
Pout 出側姿勢
W 包材
WR 包材ロール
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