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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024040723
(43)【公開日】2024-03-26
(54)【発明の名称】開閉装置設置構造及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/58 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
E06B9/58 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145253
(22)【出願日】2022-09-13
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 展行
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 聡
(72)【発明者】
【氏名】津田 真伸
(72)【発明者】
【氏名】勝俣 陽介
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042BA01
2E042DA01
(57)【要約】
【課題】 止着部分の耐久性を向上する。
【解決手段】 開口部aを開閉する開閉装置10を、開口部aの側方に設けられた木製の柱状基部材21に固定するようにした開閉装置設置構造であって、柱状基部材21を貫通するボルト31と、このボルト31の先端側に螺合したナット32によって、開閉装置10が柱状基部材21に固定されている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開閉する開閉装置を、前記開口部の側方に設けられた木製の柱状基部材に固定するようにした開閉装置設置構造であって、
前記柱状基部材を貫通するボルトと、このボルトの先端側に螺合したナットによって、前記開閉装置が前記柱状基部材に固定されていることを特徴とする開閉装置設置構造。
【請求項2】
前記柱状基部材が壁材により覆われ、この壁材に前記開閉装置が接しており、
前記ボルトは、前記柱状基部材、前記壁材及び前記開閉装置に挿通されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項3】
前記開閉装置が前記柱状基部材に直接接しており、
前記ボルトは、前記柱状基部材及び前記開閉装置に挿通されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項4】
前記ボルトが上下方向に間隔を置いて複数設けられ、これら複数のボルトは、前記開閉装置が装着される側に対する反対側の部分を一体状の座部材に挿通していることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項5】
前記開閉装置は、前記開口部に沿って上下方向へ開閉動作する開閉体と、この開閉体の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するガイドレールとを備え、
前記ガイドレールが、前記ボルト及び前記ナットによって前記柱状基部材に固定されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項6】
前記ガイドレールは、前記開閉体の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するレール本体と、このレール本体に接続された別体のベース部材とを具備し、
前記ベース部材が、前記ボルト及び前記ナットによって前記柱状基部材に固定されていることを特徴とする請求項5記載の開閉装置設置構造。
【請求項7】
前記開閉装置は、前記開口部に沿って上下方向へ開閉動作する開閉体を開放方向側で収納する収納部を備え、
前記収納部が、前記ボルト及び前記ナットによって前記柱状基部材に固定されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項8】
前記柱状基部材よりも剛性の高い材料から形成されて前記柱状基部材の表面を覆う被覆部材を備え、
前記ボルトは、前記柱状基部材及び前記被覆部材を貫通していることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項9】
前記柱状基部材に対し上下方向へわたって接する柱状補強部材を備え、
前記柱状補強部材は、前記ボルトおよび前記ナットによって前記柱状基部材に固定され、
前記開閉装置は、前記柱状補強部材に接合されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項10】
前記ボルトを前記柱状基部材に貫通させる工程を含むことを特徴とする請求項1~8何れか1項記載の開閉装置設置構造の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部に設置される開閉装置の設置構造及びその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されるように、空間を仕切るようにして下方へ閉鎖動作する開閉体と、この開閉体の横幅方向の両端側をそれぞれ開閉方向へ案内する左右二つのガイドレールと、開閉体をその開放側で収納する収納部とを備えた開閉装置がある。
このような開閉装置では、左右二つのガイドレールをそれぞれ開口部の両側の鉄柱に沿わせ、各ガイドレールにネジ等の止着具を挿通し、この止着具を前記鉄柱に螺合し締め付けることで、各ガイドレールを前記鉄柱に対し不動に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-178568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術によれば、経年劣化等により前記止着具が緩んだり抜けてしまったりするおそれがある。特に、近年では、建築基準法における大規模建築物の規制の緩和等により、大型の木造建築の開口部に重量シャッターを設置する場合が増えており、このような場合には、高重量なガイドレールやシャッターボックス等を木製の下地材等に止着してしまうと、下地材を構成する木材の経年劣化等に起因して、前記止着具の緩みや抜け落ち等の可能性が高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明の一つは、以下の構成を具備するものである。
開口部を開閉する開閉装置を、前記開口部の側方に設けられた木製の柱状基部材に固定するようにした開閉装置設置構造であって、前記柱状基部材を貫通するボルトと、このボルトの先端側に螺合したナットによって、前記開閉装置が前記柱状基部材に固定されていることを特徴とする開閉装置設置構造。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、止着部分の耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る開閉装置設置構造の一例を示す正面図である。
図2】同開閉装置設置構造を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図3】同開閉装置設置構造において、ガイドレールの設置手順を(a)~(c)に順次に示す要部横断面図である。
図4】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図5】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図6】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図7】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図8】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図9】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図10】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図11】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図12】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図13】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図14】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図15】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図16】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図17】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図18】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図19】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図20】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図21】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図22】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図23】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図24】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図25】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図26】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図27】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図28】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図29】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図30】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図31】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図32】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図33】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図34】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図35】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図36】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図37】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図38】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図39】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図40】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図41】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図42】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図43】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図44】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図45】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図46】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図47】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図48】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明に係る実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明において、「見付け面」とは、開閉装置10によって開閉される開口部aを正面視した場合に手前側に位置する面を意味する。
例えば、柱状基部材21が壁材22により覆われている場合、見付け面は、開口部aを正面視した場合に最も手前側に位置する壁材22の表面f1になる(図2(a)参照)。
また、「見付け方向」とは、見付け面に沿う略水平な方向を意味する。
【0009】
また、以下の説明において、「見込み面」とは、開口部aを正面視した場合に、開口部aの奥側へ延設される面f2を意味する(図2(a)参照)。
例えば、柱状基部材21が壁材22により覆われている場合、見付け面は、柱状基部材21の開口部a側を覆う壁材22の表面になる。
また、「見込み方向」とは、見込み面に沿う奥行き方向を意味する。
【0010】
<開閉装置設置構造A1,A2>
図1図4に示す開閉装置設置構造A1,A2は、開口部aを開閉する開閉装置10を、柱状基部材21に挿通されたボルト31、及びこのボルト31の先端側に螺合したナット32等により、開口部aの左右両側に設けられた木製の柱状基部材21に固定している。
【0011】
開口部aは、大型木造建築物において、壁部20を貫通する正面視矩形状の開口である。
この開口部aの周囲の壁部20は、開口部aの左右両側に立設された柱状基部材21と、柱状基部材21を覆う壁材22とを具備して構成される。
【0012】
柱状基部材21は、木製の角材等からなる四角柱状の部材であり、開閉装置10の設置対象となる建築物に不動に固定されている。この柱状基部材21は、壁材22をその内側で支持しており、下地材等と呼称される場合がある。
【0013】
壁材22は、例えば石膏ボード等の耐火性の壁材であり、柱状基部材21の表面側(見付け面f1側)、同柱状基部材21の裏面側(見付け面f1に対する反対側)、及び同柱状基部材21の開口部a側(見込み面f2側)を、それぞれ覆っている。
この壁材22は、耐火性向上の観点から複層状(図示例によれば二層状)に設けたが、単層とすることも可能である。
なお、表側の壁材22,22と、裏側の壁材22,22の間には、必要に応じて、図示しない下地材や断熱材等が設けられる。
【0014】
開閉装置10は、開口部aに沿って上下方向へ開閉動作する開閉体11と、この開閉体11の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するガイドレール12と、開閉体11を開放方向側で収納する収納部13とを備える。
【0015】
開閉体11は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなるスラットを、上下に隣接する該スラット間で回動するように複数連接し、これらスラットの下端に、閉鎖方向の当接対象部位(例えば、床面や地面、枠部材等)に当接させるための座板部材を接続してなる。
【0016】
ガイドレール12は、開閉体11の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するレール本体12aと、このレール本体12aに対し止着具12c(例えば、ネジやボルト等)により接続された別体のベース部材12bとを一体的に具備する。
このガイドレール12は、見付け面側の壁材22に沿って上下方向へ延設され、ボルト31及びナット32によって、壁材22及び柱状基部材21に固定される。
【0017】
レール本体12aは、硬質金属材料によって開閉体11の横幅方向の端部を囲む横断面略凹状に形成され、上下方向へわたって長尺状に連続している。
このレール本体12aには、ベース部材12bに対し横断面凹状に嵌り合う嵌合片12a1が設けられる(図2及び図3参照)。この嵌合片12a1には、止着具12cを挿通するための貫通孔が設けられる。
【0018】
ベース部材12bは、硬質金属材料によりレール本体12aと略同長さで上下方向へ連続する長尺状に形成される。
図示例のベース部材12bは、横断面凹状に形成され、その底壁部分を壁材22に重ね合わせるとともに、両側の側壁部分を手前側へ突出する(図4(b)参照)。前記底壁部分には、ボルト31の挿通するための貫通孔が、上下方向に間隔を置いて複数設けられる。また、前記側壁部分には、止着具12cを螺合するための貫通孔(詳細には、雌ネジ孔又はタッピンネジ用の下孔)が設けられる。
このベース部材12bは、壁材22を貫通するボルト31と、このボルト31の先端側に螺合されるナット32によって、壁材22及び柱状基部材21に固定されている。
そして、このベース部材12bに対し、レール本体12aが、止着具12cによって後付けされている。
【0019】
収納部13は、開閉体11を巻き取ったり繰り出したりする巻取軸13aや、この巻取軸13aを覆う収納ケース13b、巻取軸13aを巻き取り方向へ駆動回転する開閉機(図示せず)等により構成され、巻取軸13aによって開閉体11を下方へ閉鎖動作したり上方へ開放動作したりする、
【0020】
ボルト31は、後端側に頭部を有するともに先端側に雄ネジ部を有する。このボルト31は、上下方向に間隔を置いて複数配設される。
また、ナット32は、内周面の雌ネジ部を、各ボルト31の先端側の雄ネジ部に螺合している。
【0021】
各ボルト31は、壁部20の背面f3側(言い換えれば、見付け面f1側に対する反対側)から、壁材22及び内部の柱状基部材21を貫通し、さらに、開閉装置10の一部分であるガイドレール12(詳細にはベース部材12b)を貫通している。
【0022】
図中、符号33は、ボルト31の軸部分における頭部よりに環状に装着された座金である。この座金33は、各ボルト31の頭部と壁材22との間に挟まれる。
【0023】
壁材22、柱状基部材21、及びベース部材12b等を貫通したボルト31の先端側にはナット32が螺合され締め付けられる。
【0024】
次に、上記構成の開閉装置設置構造A1の施工方法について説明する。
先ず、一般的な穿孔工具等により、壁部20に厚さ方向の貫通孔が形成され、この貫通孔にボルト31が挿通される(図3(a)参照)。ボルト31は、座金33に挿通され、見付け面f1側に対する反対側から壁材22及び柱状基部材21を貫通し、その先端側を見付け面f1から突出させる。
【0025】
そして、壁部20を貫通したボルト31の先端側には、該先端側を挿通させるようにしてベース部材12bが装着される。そして、ボルト31の最先端側にはナット32が螺合され締め付けられる。これによって、ベース部材12bが壁材22及び柱状基部材21等に対し不動に固定される(図3(b)参照)。
【0026】
次に、ベース部材12bに対し、嵌合片12a1を重ね合わせるようにしてレール本体12aが嵌め合わせられ、ベース部材12bと嵌合片12a1とが重なり合う部分に、止着具12cが挿通され締め付けられる(図3(c)参照)。
【0027】
よって、開閉装置設置構造A1及びその施工方法によれば、仮に木製の柱状基部材21が劣化した場合でもボルト31が抜け難く、ガイドレール12の止着部分の耐久性を向上することができる。
しかも、先に固定したベース部材12bに対し、レール本体12aを被せるようにして接続しているため、ボルト31の先端部及びナット32が露出することなく、意匠上の体裁が良好である。
【0028】
次に、本発明に係る他の実施形態について説明する。以下の実施形態は、上述した開閉装置設置構造A1の一部を変更したものであるため、主にその変更部分について詳述し、開閉装置設置構造A1のものと同様に機能する部位については重複する説明を省略する。
【0029】
<開閉装置設置構造A2>
上記開閉装置設置構造A1では、開閉装置10の一部分であるガイドレール12を柱状基部材21に固定したが、開閉装置設置構造A1の基本構造及びその施工方法は、以下に示す開閉装置設置構造A2のように、ガイドレール12を収納部13に置換した構成とすることが可能である。
【0030】
図4(a)(b)に示す開閉装置設置構造A2は、開閉装置10の一部分である収納部13の収納ケース13bを、ボルト31及びナット32等によって柱状基部材21及び壁材22に固定している。
【0031】
収納ケース13bは、開閉体11を巻き取った巻取軸13aを収納する横長矩形状に形成され、その左端側と右端側に、それぞれ、奥行き方向へ突出する取付ブラケット13b1を有する
取付ブラケット13b1は、突端側に横断面逆L字状に曲げられた止着片部13b11を有する。この止着片部13b11には、ボルト31の先端側を挿通するための貫通孔が設けられる。
【0032】
壁材22及び柱状基部材21を貫通したボルト31は、その先端側が、取付ブラケット13b1に挿通される。そして、ボルト31の先端側にナット32が螺合され締め付けられる。
【0033】
よって、開閉装置設置構造A2においても、仮に木製の柱状基部材21が劣化した場合でもボルト31が抜け難く、収納部13の止着部分の耐久性を向上することができる。
【0034】
<開閉装置設置構造B1,B2>
図5及び図6に示す開閉装置設置構造B1,B2は、それぞれ、上記開閉装置設置構造A1,A2において、複数のボルト31にそれぞれ設けられる複数の座金33を、単一の座部材34に置換したものである。
【0035】
すなわち、開閉装置設置構造B1,B2のいずれにおいても、上下方向に間隔を置いた複数のボルト31は、開閉装置10が装着される側に対する反対側の部分(図示例によれば、軸部における頭部寄りの部分)を一体状の座部材34に挿通している。
【0036】
座部材34は、柱状基部材21よりも硬質な材料(例えば、硬質金属材料等)からなる矩形板状の単一の部材であり、複数のボルト31を挿通して、壁部20の背面f3と、ボルト31の頭部との間に挟まれている。
【0037】
開閉装置設置構造B1,B2によれば、複数のボルト31の頭部を受ける単一の座部材34が、比較的広い範囲で壁材22に面接触するため、座部材34の圧接により壁材22の表面が凹んだり破損したりするのを防ぎ、開閉装置10の止着部分の耐久性を向上することができる。
【0038】
<開閉装置設置構造C1,C2>
図7及び図8に示す開閉装置設置構造C1,C2は、開閉装置設置構造A1,A2において、背面f3側の二つの壁材22,22のうち、内部側に位置する壁材22に、ボルト31の頭部及び座金33を内在する貫通部22aを設け、座金33を柱状基部材21の背面に対し直接接触させている。
【0039】
開閉装置設置構造C1,C2によれば、ボルト31の頭部を座金33を介して柱状基部材21に圧接して、ボルト31及びナット32による止着強度を高く保持できる上、ボルト31及び座金33を露出しないように壁材22内に配置することができ、意匠上の体裁が良好である。
【0040】
<開閉装置設置構造D1,D2>
図9及び図10に示す開閉装置設置構造D1,D2は、上記開閉装置設置構造B1,B2(図5及び図6参照)において、背面f3側の二つの壁材22,22のうち、内部側に位置する壁材22に、ボルト31の頭部及び座部材34を内在する貫通部22aを設け、複数のボルト31を挿通した座部材34を、柱状基部材21の背面に対し直接接触させている。
【0041】
開閉装置設置構造D1,D2によれば、複数のボルト31の頭部を、単一の座部材34を介して柱状基部材21に比較的広い面積で圧接することができ、ひいては、仮に柱状基部材21が経年劣化した場合でも、ボルト31及びナット32による止着強度を高く保持することができる。しかも、ボルト31及び座部材34を露出しないように壁材22内に配置することができ、意匠上の体裁も良好である。
【0042】
<開閉装置設置構造E1,E2>
図11及び図12に示す開閉装置設置構造E1、E2は、上記開閉装置設置構造C1,C2(図7及び図8参照)において、開閉装置10を柱状基部材21に直接接触させている。
【0043】
詳細に説明すれば、図11に示す開閉装置設置構造E1では、ベース部材12bが、柱状基部材21に直接接触するように先付けされる。
【0044】
ボルト31は、頭部及び座金33を、貫通部22a内で柱状基部材21に当接させて、柱状基部材21及びベース部材12bに貫通状に挿通される。このボルト31の先端側には、ナット32が螺合され締め付けられる。
【0045】
レール本体12aは、先付けされたベース部材12bに対し、止着具12cによって後付けされる。
なお、図中、符号12dは、レール本体12aを補強する補強部材であり、レール本体12a内に溶接されている。この補強部材12dは省くことが可能である。
【0046】
また、図12に示す開閉装置設置構造E2では、収納部13の取付ブラケット13b1の止着片部13b11を、柱状基部材21に接触させている。
ボルト31は、頭部及び座金33を、貫通部22a内で柱状基部材21に当接させて、柱状基部材21及び止着片部13b11に貫通状に挿通される。このボルト31の先端側には、ナット32が螺合され締め付けられる。
【0047】
開閉装置設置構造E1,E2において、柱状基部材21を覆う三方の壁材22,22は、ガイドレール12が柱状基部材21に装着された後に設置される。
【0048】
よって、上記構成の開閉装置設置構造E1,E2によれば、柱状基部材21をボルト31とナット32で挟み込む構造により、仮に柱状基部材21が劣化した場合でも止着強度を比較的高く保持することができる。
また、開閉装置10(詳細には、ガイドレール12又は収納部13)を柱状基部材21に対し直接接触させているため、開閉装置10を開閉した際の振動が壁材22に伝達するのを軽減することができる。
【0049】
<開閉装置設置構造F1,F2>
図13及び図14に示す開閉装置設置構造F1,F2は、上記開閉装置設置構造E1,E2(図11及び図12参照)において、背面f3側の内部側に位置する壁材22に、ボルト31の頭部及び座部材34を内在する貫通部22aを設け、座部材34を柱状基部材21の背面に対し直接接触させている。
【0050】
これら開閉装置設置構造F1,F2によれば、複数のボルト31の頭部を、単一の座部材34を介して柱状基部材21に比較的広い面積で圧接することができ、ひいては、仮に柱状基部材21が経年劣化した場合でも、ボルト31及びナット32による止着強度を高く保持することができる。しかも、ボルト31及び座部材34を露出しないように壁材22内に配置することができ、意匠上の体裁も良好である。
【0051】
<開閉装置設置構造G1,G2>
図15及び図16に示す開閉装置設置構造G1,G2は、上記開閉装置設置構造E1,E2(図11及び図12参照)において、柱状基部材21の表面を少なくとも部分的に覆う被覆部材40を設けたものである。
【0052】
被覆部材40は、柱状基部材21よりも硬質で剛性の高い金属製板材により形成される。
この被覆部材40は、柱状基部材21の正面に接する第一の片41と、柱状基部材21の開口部a側の面に接する第二の片42と、柱状基部材21の背面に接する第三の片43とから、第三の片43の見付け方向の長さが第一の片41よりも短い横断面略コ字状に形成され、この横断面形状を上下へ連続している。
この被覆部材40の上下方向の長さは、柱状基部材21の全長に対し部分的な長さであって、複数のボルト31,31を含むように設定される。なお、他例としては、被覆部材40の長さを、柱状基部材21の長さと略同等にしてもよい。
【0053】
各ボルト31は、第三の片43、柱状基部材21、及び第一の片41を貫通し、その先端側にナット32を螺合し締め付けている。
【0054】
開閉装置設置構造G1において、ガイドレール12のベース部材12bは、被覆部材40における第一の片41の表面に溶接されている(図15参照)。ベース部材12bには、ボルト31及びナット32を貫通する孔が設けられる。
【0055】
開閉装置設置構造G2において、収納ケース13bの取付ブラケット13b1は、上下のボルト31,31の間で、被覆部材40の表面に溶接されている(図6参照)。
【0056】
よって、開閉装置設置構造G1,G2によれば、被覆部材40により柱状基部材21を補強して、この柱状基部材21に対し開閉装置10を頑強に固定することができ、開閉装置10の止着箇所の耐久性を一層向上することができる。
【0057】
<開閉装置設置構造H1,H2>
図17及び図18に示す開閉装置設置構造H1,H2は、上記開閉装置設置構造C1,C2(図7及び図8参照)において、柱状基部材21における座金33の接触部分に凹部21aを設け、この凹部21a内に、ボルト31の頭部及び座金33を内在している。
【0058】
凹部21aは、ボルト31が挿入される貫通孔の入り口側に、円柱状の空間を形成している。この凹部21aの深さは、座金33及びボルト31の頭部をすべて内在するように適宜に設定される。
【0059】
よって、開閉装置設置構造H1,H2によれば、背面側の壁材22について、孔加工等を要することなく、ボルト31及び座金33に干渉しないように、容易に設置することができ、意匠性の体裁も良好である。
【0060】
<開閉装置設置構造I1,I2>
図19及び図20に示す開閉装置設置構造I1,I2は、上記開閉装置設置構造D1,D2(図9及び図10参照)において、柱状基部材21における座部材34の接触部分に凹部21bを設け、この凹部21b内に、複数のボルト31の頭部、及び座部材34を内在している。
【0061】
凹部21bは、ボルト31が挿入される貫通孔の入り口側に、平面視矩形状の空間を形成している。この凹部21bの深さは、座部材34及び複数のボルト31の頭部をすべて内在するように適宜に設定される。
【0062】
よって、開閉装置設置構造I1,I2によれば、孔加工等を要することなく、ボルト31及び座部材34に干渉しないように、容易に設置することができ、意匠上の体裁も良好である。
【0063】
<開閉装置設置構造J1,J2>
図21及び図22に示す開閉装置設置構造J1,J2は、柱状基部材21に対し上下方向へわたって接する柱状補強部材50を備え、この柱状補強部材50に開閉装置10を接合している。
【0064】
柱状補強部材50は、柱状基部材21よりも硬質な材料(例えば、硬質金属材料等)により中空の四角柱状に形成される。
この柱状補強部材50の上下長さは、ガイドレール12の上下長さと同等以上に設定され、好ましくは柱状基部材21と略同じ長さに設定される。
この柱状補強部材50は、柱状基部材21の開口部a側の面に接し、ボルト31及びナット32によって固定される。
【0065】
柱状補強部材50において、柱状基部材21に接する壁部には、ボルト31の軸部分を挿通するための貫通孔が設けられる。
また、同柱状補強部材50において、開口部a側の壁部には、ボルト31の頭部を挿通するための貫通孔51が設けられる。
【0066】
ボルト31は、壁材22が設置される前の状態において、開口部a側から貫通孔51に挿通されて、柱状補強部材50の柱状基部材21側の壁部を貫通し、さらに柱状基部材21を貫通する。そして、このボルト31の先端側には、座金33を介してナット32が螺合され締め付けられる。
【0067】
また、柱状補強部材50には、下側にガイドレール12が接合され(図21参照)、ガイドレール12よりも上側に収納部13の取付ブラケット13b1が接合される(図22)。
ガイドレール12と取付ブラケット13b1は、それぞれ、見付け方向の位置が適宜に調整された状態で、柱状補強部材50に対し溶接等により頑強に固定される。
【0068】
上記のようにしてガイドレール12と収納部13が固定された後、柱状基部材21及び柱状補強部材50を適宜に覆うようにして壁材22が設置される。
【0069】
よって、上記構成の開閉装置設置構造J1,J2及びその施工方法によれば、柱状基部材21を上下方向にわたって柱状補強部材50により補強するとともに、この柱状補強部材50を介してガイドレール12及び収納部13を頑強に固定することがき、開閉装置10の止着部分の耐久性を向上することができる。
【0070】
<開閉装置設置構造K1,K2>
図23図24示す開閉装置設置構造K1,K2は、それぞれ、上記開閉装置設置構造J1,J2(図21及び図22参照)において、複数のボルト31にそれぞれ設けられる複数の座金33を、単一の座部材34に置換したものである。
【0071】
開閉装置設置構造K1,K2によれば、複数のボルト31の頭部を受ける単一の座部材34が、比較的広い範囲で柱状基部材21に面接触するため、座部材34を受ける柱状基部材21の表面が凹んだり破損したりするのを防ぐことができる。
【0072】
<開閉装置設置構造L1,L2>
図25図26示す開閉装置設置構造L1,L2は、それぞれ、上記開閉装置設置構造E1,E2(図11及び図12参照)において、ガイドレール12又は取付ブラケット13b1と柱状基部材21との間に柱状補強部材50を設け、この柱状補強部材50を柱状基部材21を貫通するボルト31及びナット32により固定したものである。
この開閉装置設置構造L1,L2において、ガイドレール12又は取付ブラケット13b1は、柱状補強部材50の見付け面に対し、左右方向の位置を調整して溶接等により固定される。
【0073】
なお、図中、符号23は、柱状補強部材50の露出部分を覆う壁材(例えば、化粧板等)であり、省くことも可能である。
また、この開閉装置設置構造L1、L2において、ナット32は柱状補強部材50内に予め溶接しておいてもよいし、図示しない貫通孔により柱状補強部材50内に挿入されるようにしてもよい。
【0074】
よって、上記構成の開閉装置設置構造L1,L2によれば、柱状補強部材50によって柱状基部材21を上下方向にわたって補強することができる。
【0075】
<開閉装置設置構造M1,M2>
図27図28示す開閉装置設置構造M1,M2は、それぞれ、上記開閉装置設置構造L1,L2(図25及び図26参照)において、ボルト31毎の座金33を、複数のボルト31にわたる座部材34に置換したものである。
この開閉装置設置構造M1,M2によれば、座部材34を比較的広い面積で柱状基部材21に圧接することができ、ひいては柱状基部材21の変形や損傷を防ぐことができる。
【0076】
<開閉装置設置構造N1,N2>
図29図30に示す開閉装置設置構造N1,N2は、それぞれ、上記開閉装置設置構造L1,L2(図25及び図26参照)において、柱状基部材21の表面を見付け面側から横断面凹状に覆う被覆部材40を設け、この被覆部材40及び内部の柱状基部材21を左右方向に貫通するようにボルト31を設け、ボルト31の先端側にナット32を螺合している。
この開閉装置設置構造N1,N2において、柱状補強部材50は、被覆部材40の見付け面に溶接等により固定される。
【0077】
この開閉装置設置構造N1,N2によれば、被覆部材40により柱状基部材21をいっそう補強し、止着箇所の耐久性をより向上することができる。
【0078】
<開閉装置設置構造O1,O2>
図31図32に示す開閉装置設置構造O1,O2は、それぞれ、上記開閉装置設置構造L1,L2(図25及び図26参照)において、柱状基部材21と柱状補強部材50の間に、接合片60を設けている。
【0079】
接合片60は、柱状基部材21よりも硬質で剛性を有する材料から上下方向へわたる長尺状に形成さる。図示例の接合片60は、横断面略L字状の金属製アングルである。
この接合片60は、その一片部61を柱状基部材21の見付け面側の表面に上下方向へわたって接触させ、他片部62を開口部a側へ向けている。
【0080】
ボルト31は、柱状基部材21及び接合片60の一片部61を貫通する。このボルト31の先端側には、ナット32が螺合し締め付けられる。
【0081】
柱状補強部材50は、接合片60の他片部62に、上下方向にわたって溶接固定され、柱状基部材21の見付け面側の表面に接している。
【0082】
よって、開閉装置設置構造O1,O2によれば、柱状基部材21を接合片60及び柱状補強部材50によって補強することができる。
【0083】
<開閉装置設置構造P1,P2>
図33図34に示す開閉装置設置構造P1,P2は、それぞれ、上記開閉装置設置構造O1,O2(図31及び図32参照)において、ボルト31毎の座金33を、複数のボルト31にわたる単一の座部材34に置換して、柱状基部材21の変形や損傷を防ぐようにしている。
【0084】
<開閉装置設置構造Q1,Q2>
図35図36に示す開閉装置設置構造Q1,Q2は、それぞれ、上記開閉装置設置構造O1,O2(図31及び図32参照)において、柱状基部材21の表面を見込み面側(開口部a側)から横断面凹状に覆う被覆部材40を設け、この被覆部材40、内部の柱状基部材21、及び見付け面側の接合片60を奥側から手前側へ貫通するようにボルト31を設け、ボルト31の先端側にナット32を螺合し締め付けている。
この開閉装置設置構造N1,N2において、柱状補強部材50と接合片60は、工場等で予め溶接されるが、現場溶接とすることも可能である。
【0085】
この開閉装置設置構造Q1,Q2によれば、柱状基部材21の強度及び耐久性を被覆部材40、接合片60及び柱状補強部材50等によりいっそう向上することができる。
【0086】
<開閉装置設置構造R1,R2>
図37図38に示す開閉装置設置構造R1,R2は、それぞれ、上記開閉装置設置構造L1,L2(図25及び図26参照)において、柱状基部材21を覆う被覆部材70と、この被覆部材70及び柱状基部材21を異なる高さ位置で異なる方向に貫通する第一のボルト35及び第二のボルト36を設けたものである。
【0087】
被覆部材70は、柱状基部材21よりも硬質で剛性を有する材料(例えば、金属材料等)によって形成される。
この被覆部材70は、柱状基部材21の見込み面側の表面を覆うようにして該表面に固定される見込み面取付部71と、柱状基部材21の見付け面側の表面を覆うようにして該表面に固定される見付け面取付部72とを有する横断面略L字状に形成され、柱状基部材21にそって上下方向へ連続している。
【0088】
第一のボルト35は、上下方向に間隔をおいて複数(図示例によれば二つ)設けられる。
各第一のボルト35は、奥側から手前側へ向かい、座金33に挿通され、さらに柱状基部材21、被覆部材70の見付け面取付部72、及び柱状補強部材50を貫通し、その先端側に、ナット32を螺合し締め付けることで、これら柱状基部材21、見付け面取付部72及び柱状補強部材50を一体的に接合している。
なお、図中、柱状補強部材50内のナット32は、予め柱状補強部材50の内壁面に溶接しておりてもよし、図示しない貫通孔から柱状補強部材50内に挿入されるようにしてもよい。
【0089】
第二のボルト36は、第一のボルト35とは異なる高さ位置に、上下方向に間隔を置いて複数設けられる。
各第二のボルト36は、見込み面側(開口部a側)から、被覆部材70の見込み面取付部71及び柱状基部材21に挿通され、これらを貫通し、その先端側に、座金33を介してナット32を螺合し締め付けている。
【0090】
よって、上記構成の開閉装置設置構造R1,R2によれば、被覆部材70及び公差状の第一及び第二のボルト35,36により、柱状基部材21を補強するとともに、柱状基部材21に対する止着部分の耐久性を向上することができる。
【0091】
<開閉装置設置構造S1,S2>
図39図40に示す開閉装置設置構造S1,S2は、それぞれ、上記開閉装置設置構造R1,R2(図37及び図38参照)において、複数の第一のボルト35毎の座金33を、複数の第一のボルト35にわたる座部材34に置換し、同様に、複数の第二のボルト36毎の座金33を複数の第二のボルト36にわたる単数の座部材34に置換して、柱状基部材21の変形や損傷をより効果的に防ぐようにしている。
【0092】
<開閉装置設置構造T1,T2>
図41図42に示す開閉装置設置構造T1,T2は、それぞれ、柱状基部材21の見込み面側の表面に複数のボルト31によって固定される第一の柱状補強部材81と、この第一の柱状補強部材81の見付け面側の表面に溶接等によって一片部61を接合した接合片60と、この接合片60の他片部62に溶接等によって接合された第二の柱状補強部材82と、この第二の柱状補強部材82の見付け面側の表面に溶接あるいはねじ止め等によって固定された開閉装置10(ガイドレール12及び取付ブラケット13b1等)とを具備する。
【0093】
第一の柱状補強部材81は、柱状基部材21よりも硬質な金属材料により、横断面の輪郭が柱状基部材21と略同じ大きさの四角筒状に形成される。
第二の柱状補強部材82は、上記柱状補強部材50と同構成の部材であり、接合片60を介して第一の柱状補強部材81に一体的に固定される。
なお、図中符号81aは、ボルト31を挿通するための貫通孔である。
【0094】
ガイドレール12と取付ブラケット13b1は、横幅方向の位置が調整された後に、第二の柱状補強部材82の見付け面側の表面に溶接あるいはねじ止め等によって固定される。
【0095】
よって。開閉装置設置構造T1,T2によれば、第一の柱状補強部材81及びボルト31、接合片60、第二の柱状補強部材82等により、柱状基部材21を補強するとともに、柱状基部材21に対する止着部分の耐久性をいっそう向上することができる。
【0096】
<開閉装置設置構造U1,U2>
図43図44に示す開閉装置設置構造U1,U2は、それぞれ、上記開閉装置設置構造T1,T2(図41及び図42参照)において、複数のボルト31毎の座金33を、複数のボルト31にわたる単一の座部材34に置換して、柱状基部材21の変形や損傷をより効果的に防ぐようにしている。
【0097】
<開閉装置設置構造V1,V2>
図45図46に示す開閉装置設置構造V1,V2は、それぞれ、上記開閉装置設置構造J1,J2(図21及び図22参照)において、柱状補強部材50を柱状補強部材83に置換したものである。
柱状補強部材83は、柱状補強部材50よりも壁厚方向の寸法が大きく、見付け面側の表面に、外部に露出したあらわし部83aを有する。
ガイドレール12は、柱状補強部材83の見付け面側の表面に対し、左右方向に位置調整された後、溶接等により接合される。
なお、図中符号83bは、ボルト31を挿通するための貫通孔である。
【0098】
よって、開閉装置設置構造V1,V2によれば、柱状補強部材83及びボルト31等によって柱状基部材21を補強するとともに、柱状基部材21に対する止着部分の耐久性を向上することができる。
【0099】
<開閉装置設置構造W1,W2>
図47図48に示す開閉装置設置構造W1,W2は、それぞれ、上記開閉装置設置構造V1,V2(図45及び図46参照)において、複数のボルト31毎の座金33を、複数のボルト31にわたる単一の座部材34に置換して、柱状基部材21の変形や損傷をより効果的に防ぐようにしている。
【0100】
<その他の変形例>
上記実施形態において、被覆部材40,70は、柱状基部材21の三面又は二面を覆うように構成したが、この被覆部材は、ボルト31の貫通部分を含むように柱状基部材21の周囲を、少なくとも部分的に覆うものとすればよく、この被覆部材の他例としては、柱状基部材21を四方から覆う(四面を覆う)態様や、ボルト31の貫通部分を含むように、柱状基部材21の一面のみを覆う態様等とすることも可能である。
【0101】
なお、本発明は上述した具体的構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0102】
<総括>
以上のとおり、上記実施形態では以下の発明を開示している。
(1)
開口部を開閉する開閉装置を、前記開口部の側方に設けられた木製の柱状基部材に固定するようにした開閉装置設置構造であって、前記柱状基部材を貫通するボルトと、このボルトの先端側に螺合したナットによって、前記開閉装置が前記柱状基部材に固定されていることを特徴とする開閉装置設置構造(図1図48参照)。
【0103】
(2)
前記柱状基部材が壁材により覆われ、この壁材に前記開閉装置が接しており、前記ボルトは、前記柱状基部材、前記壁材及び前記開閉装置に挿通されていることを特徴とする(1)に記載の開閉装置設置構造(図2図10参照)。
(3)
前記開閉装置が前記柱状基部材に直接接しており、前記ボルトは、前記柱状基部材及び前記開閉装置に挿通されていることを特徴とする(1)に記載の開閉装置設置構造(図11図20参照)。
(4)
前記ボルトが上下方向に間隔を置いて複数設けられ、これら複数のボルトは、前記開閉装置が装着される側に対する反対側の部分を一体状の座部材に挿通していることを特徴とする(1)~(3)いずれかに記載の開閉装置設置構造(図5図6等参照)。
(5)
前記開閉装置は、前記開口部に沿って上下方向へ開閉動作する開閉体と、この開閉体の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するガイドレールとを備え、前記ガイドレールが、前記ボルト及び前記ナットによって前記柱状基部材に固定されていることを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載の開閉装置設置構造(図2等参照)。
(6)
前記ガイドレールは、前記開閉体の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するレール本体と、このレール本体に接続された別体のベース部材とを具備し、前記ベース部材が、前記ボルト及び前記ナットによって前記柱状基部材に固定されていることを特徴とする(5)に記載の開閉装置設置構造(図3等参照)。
(7)
前記開閉装置は、前記開口部に沿って上下方向へ開閉動作する開閉体を開放方向側で収納する収納部を備え、前記収納部が、前記ボルト及び前記ナットによって前記柱状基部材に固定されていることを特徴とする(1)~(6)のいずれかに記載の開閉装置設置構造(図4等参照)。
(8)
前記柱状基部材よりも剛性の高い材料から形成されて前記柱状基部材の表面を覆う被覆部材を備え、前記ボルトは、前記柱状基部材及び前記被覆部材を貫通していることを特徴とする(1)~(7)のいずれかに記載の開閉装置設置構造(図15等参照)。
(9)
前記柱状基部材に対し上下方向へわたって接する柱状補強部材を備え、前記柱状補強部材は、前記ボルトおよび前記ナットによって前記柱状基部材に固定され、前記開閉装置は、前記柱状補強部材に接合されていることを特徴とする(1)~(8)のいずれかに記載の開閉装置設置構造(図21図24参照)。
(10)
前記ボルトを前記柱状基部材に貫通させる工程を含むことを特徴とする(1)~(9)のいずれかに記載の開閉装置設置構造の施工方法(図3等参照)。
【符号の説明】
【0104】
10:開閉装置
11:開閉体
12:ガイドレール
21:柱状基部材
31:ボルト
32:ナット
34:座部材
40:被覆部材
50:柱状補強部材
a:開口部
A1~W1,A2~W2:開閉装置設置構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48